JP2023021559A - Load increase prevention device for crane - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、クレーンに加わる負荷が増加するのを防止する、クレーンの負荷増加防止装置に関する。
BACKGROUND OF THE
特許文献1には、クレーンに設けられ、限界値以上の負荷状態(過負荷状態)になるとジブ伏せおよび巻上を禁止する、ジブクレーンの過負荷防止装置が開示されている。この過負荷防止装置では、前動作がジブ伏せ動作であり、過負荷状態になった場合に、ジブ起こし動作を許容する制御動作を行っている。
特許文献1では、過負荷による停止の直前の動作の逆動作を許容している。一方、クレーンの能力は、アタッチメント(ブーム、ジブ)の強度、アタッチメントを支持する部材(ガイライン、ストラットなど)の強度、風荷重特性、安定度など多岐にわたる要素の複雑な組み合わせにより決定される。そのため、特許文献1のような逆動作を行うと、過負荷状態が悪化する場合がある。
In
本発明の目的は、クレーンに加わる負荷が増加するのを確実に防止することが可能なクレーンの負荷増加防止装置を提供することである。 SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a crane load increase prevention device capable of reliably preventing an increase in the load applied to a crane.
本発明は、クレーンの姿勢を検出する姿勢検出装置と、前記クレーンに吊られた吊荷の実荷重を検出する実荷重検出装置と、前記実荷重の許容値である所定荷重を、前記クレーンの姿勢毎に記憶する記憶装置と、前記姿勢検出装置に検出された現在の姿勢から微小に変化した仮想姿勢に前記クレーンの姿勢を変化させたと仮定した場合に、前記所定荷重に対する前記実荷重の割合である負荷率が増加するか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。 The present invention comprises a posture detection device for detecting the posture of a crane, an actual load detection device for detecting an actual load of a load suspended by the crane, and a predetermined load that is an allowable value of the actual load. a storage device for storing each attitude; and a ratio of the actual load to the predetermined load when it is assumed that the attitude of the crane is slightly changed from the current attitude detected by the attitude detection device to a virtual attitude. and determination means for determining whether or not the load factor increases.
本発明によると、姿勢検出装置に検出された現在の姿勢から微小に変化した仮想姿勢にクレーンの姿勢を変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かが判定される。クレーンの能力は、アタッチメント(例えば、ブーム、ジブ)の強度、アタッチメントを支持する部材(例えば、ガイライン、ストラットなど)の強度、風荷重特性、安定度など多岐にわたる要素の複雑な組み合わせにより決定される。そのため、従来、安全側動作として過負荷防止装置に設定されていた動作(例えば、作業半径を小さくする動作)が、実際には危険側動作となる場合がある。そこで、クレーンの姿勢を実際に変化させることなく、クレーンの姿勢を仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に負荷率が増加するか否かを判定する。これにより、クレーンの姿勢を仮想姿勢に変化させる動作が安全側動作か否かを判定することができる。よって、例えば作業半径を小さくする動作が一律に安全側動作として設定される場合などに比べて、クレーンの姿勢を変化させる動作が安全側動作か否かを正確に判定することができる。これにより、クレーンに加わる負荷が増加するのを確実に防止することができる。 According to the present invention, it is determined whether or not the load factor increases when it is assumed that the attitude of the crane is changed from the current attitude detected by the attitude detection device to a virtual attitude that is slightly changed. Crane capacity is determined by a complex combination of a wide range of factors, including strength of attachments (e.g. booms, jibs), strength of members supporting attachments (e.g. guylines, struts, etc.), wind load characteristics, and stability. . Therefore, an operation (for example, an operation to reduce the working radius) that has been conventionally set in the overload prevention device as a safe operation may actually become a dangerous operation. Therefore, it is determined whether or not the load factor increases when it is assumed that the attitude of the crane is changed to the virtual attitude without actually changing the attitude of the crane. This makes it possible to determine whether or not the motion of changing the posture of the crane to the virtual posture is the safe side motion. Therefore, it is possible to accurately determine whether or not the operation of changing the attitude of the crane is the safe operation, compared to the case where, for example, the operation of reducing the working radius is uniformly set as the safe operation. As a result, it is possible to reliably prevent an increase in the load applied to the crane.
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。 Preferred embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
(クレーンの構成)
本実施形態におけるクレーンの負荷増加防止装置(負荷増加防止装置)は、クレーンに加わる負荷が増加するのを防止するものである。クレーン10の側面図である図1に示すように、クレーン10は、ラッフィング仕様であり、クローラ式の下部走行体11の上部に上部旋回体12が旋回可能に搭載された(取り付けられた)構成となっている。なお、クレーン10は、クローラ以外の移動手段(例えばホイール)を用いた移動式クレーンであってもよいし、移動手段を持たない固定式クレーンであってもよい。なお、本発明の適用対象はラッフィングクレーンに限定されず、例えば、タワークレーンや、ブームだけを備えてジブ及びストラットを備えない一般的なクレーンに本発明を適用することも可能である。ブーム、ジブ、及び、ストラットについては後述する。また、ラチスブームではなく、ボックスブーム(伸縮ブーム)や、ショベルアームのような吊り上げ部を備えたクレーンに本発明を適用することも可能である。
(Crane configuration)
The crane load increase prevention device (load increase prevention device) in this embodiment prevents an increase in the load applied to the crane. As shown in FIG. 1, which is a side view of the
図1に示すように、クレーン10は、上部旋回体12と、旋回装置50を介して上部旋回体12を旋回可能に支持する下部走行体11と、ブーム14及びジブ15を含む起伏部材と、ブーム起伏用部材であるマスト16と、を備える。また、上部旋回体12の後部には、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト17が積載されている。また、上部旋回体12の前端部には、キャブ13が備えられている。キャブ13は、クレーン10の運転席に相当する。
As shown in FIG. 1, the
ブーム14は、いわゆるラチス型であり、複数の単位ブーム(単位部材)が連結されて構成される。具体的には、ブーム14は、下部ブーム14Aと、一または複数(図例では2個)の中間ブーム14Bと、上部ブーム14Cとから構成される。下部ブーム14Aは、上部旋回体12の前部に起伏方向に回動可能となるように連結される。中間ブーム14Bは、下部ブーム14Aの先端側に着脱可能に継ぎ足される。上部ブーム14Cは中間ブーム14Bの先端側に着脱可能に継ぎ足される。この上部ブーム14Cの先端部に、後述のようにジブ15を回動させるためのリアストラット18及びフロントストラット19が回動可能に連結される。ブーム14は、下端部に備えられたブームフットピン14sを支点として上部旋回体12に回動可能に軸支される。
The
ただし、本発明ではブーム14の具体的な構造は限定されない。例えば、ブーム14は、中間ブーム14Bがないものでもよく、また、上記とは中間ブーム14Bの数が異なるものでもよい。更に、ブーム14は、単一の部材で構成されたものでもよい。
However, the specific structure of the
ジブ15も、いわゆるラチス型であり、複数の単位ジブ(単位部材)が連結されて構成される。具体的には、ジブ15は、下部ジブ15Aと、一または複数(図例では1個)の中間ジブ15Bと、上部ジブ15Cとから構成される。下部ジブ15Aは、上部ブーム14Cの先端部に起伏方向に回動可能となるように連結される。中間ジブ15Bは、下部ジブ15Aの先端側に着脱可能に継ぎ足される。上部ジブ15Cは中間ジブ15Bの先端側に着脱可能に継ぎ足される。ジブ15の回動中心軸は、上部旋回体12に対するブーム14の回動中心軸(ブームフットピン14s)と平行な横軸になっている。ジブ15は、ブーム14に対して着脱可能である。
The
マスト16は、基端及び回動端を有し、その基端が上部旋回体12に回動可能に連結される。マスト16の回動軸は、ブーム14の回動軸と平行でかつブーム14の回動軸のすぐ後方に位置している。すなわち、このマスト16はブーム14の起伏方向と同方向に回動可能である。一方、このマスト16の回動端は左右一対のブーム用ガイライン20を介してブーム14の先端に連結される。この連結は、マスト16の回動とブーム14の回動とを連携させる。
The
上部旋回体12上には左右一対のバックストップ21が設けられる。これらのバックストップ21は、ブーム14が図1に示される起立姿勢まで到達した時点でブーム14の下部ブーム14Aの左右両側部に当接する。この当接によって、ブーム14が強風等で後方に煽られることが規制される。なお、左右方向とは、図1の紙面に直交する方向である。
A pair of left and
リアストラット18およびフロントストラット19は、ブーム14の先端に回動可能に軸支される。リアストラット18およびフロントストラット19は、上部ブーム14Cに着脱可能に取り付けられる。リアストラット18は、上部ブーム14Cの先端からブーム起立側(図1では左側)に張り出す姿勢で保持される。この姿勢を保持する手段として、リアストラット18とブーム14との間に左右一対のバックストップ22及び左右一対のストラットガイリンク23が介在する。バックストップ22は、上部ブーム14Cとリアストラット18の中間部位との間に介在し、リアストラット18を下から支える。ストラットガイリンク23は、リアストラット18の先端部とブーム14の下部ブーム14Aとを接続するように張設され、その張力によってリアストラット18の位置を規制する。ストラットガイリンク23は、複数のガイリンクが連結されて構成されている。
The
なお、リアストラット18およびフロントストラット19が、ジブ15の基端部に回動可能に軸支されてもよい。また、リアストラット18がブーム14の先端部に回動可能に軸支され、フロントストラット19がジブ15の基端部に回動可能に軸支されてもよい。
Note that the
フロントストラット19は、ジブ15と連動して(一体的に)回動するように、ジブ15に連結される。詳しくは、このフロントストラット19の先端部とジブ15の先端部とを結ぶように左右一対のジブガイライン24が張設される。従って、フロントストラット19の回動駆動によってジブ15が起伏される。なお、前述のリアストラット18は、図1に示すようにフロントストラット19の後側に配置され、フロントストラット19との間で略二等辺三角形形状を形成する。
The
クレーン10には、各種のウインチ49が搭載される。具体的には、ブーム14を起伏させるためのブーム起伏用ウインチ25と、ジブ15を起伏方向に回動させるためのジブ起伏用ウインチ26と、吊荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ27及び補巻用ウインチ28とが搭載される。本実施形態に係るクレーン10では、ブーム起伏用ウインチ25がマスト16の基端近傍部位に据え付けられる。また、ジブ起伏用ウインチ26、主巻用ウインチ27、及び、補巻用ウインチ28が、いずれもブーム14における下部ブーム14Aに据え付けられる。なお、これらのウインチ25,26,27,28は、上部旋回体12に搭載されていてもよい。
ブーム起伏用ウインチ25は、ブーム起伏用ロープ29の巻き取り及び繰り出しを行う。そして、この巻き取り及び繰り出しによりマスト16が回動するように、ブーム起伏用ロープ29が配索される。具体的には、マスト16の回動端部及び上部旋回体12の後端部には、それぞれ複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック30,31が設けられ、ブーム起伏用ウインチ25から引き出されたブーム起伏用ロープ29がシーブブロック30,31間に掛け渡される。従って、ブーム起伏用ウインチ25がブーム起伏用ロープ29の巻き取りや繰り出しを行うことにより、両シーブブロック30,31間の距離が変化し、これによってマスト16、さらにはこれと連動するブーム14が起伏方向に回動する。
The
ジブ起伏用ウインチ26は、リアストラット18とフロントストラット19との間に巻き回されたジブ起伏用ロープ32の巻き取り及び繰り出しを行う。そして、この巻き取りや繰り出しによってフロントストラット19が回動するようにジブ起伏用ロープ32が配索される。具体的には、ブーム14の上部ブーム14Cには、ガイドシーブ33が設けられるとともに、リアストラット18の回動端部及びフロントストラット19の回動端部にそれぞれ複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック34,35が設けられている。そして、ジブ起伏用ウインチ26から引き出されたジブ起伏用ロープ32がガイドシーブ33に掛けられ、かつ、シーブブロック34,35間に掛け渡される。従って、ジブ起伏用ウインチ26によるジブ起伏用ロープ32の巻き取りや繰り出しは、両シーブブロック34,35間の距離を変え、フロントストラット19、さらにはこれと連動するジブ15を起伏方向に回動させる。
The
主巻用ウインチ27は、主巻ロープ36による吊荷の巻上げ及び巻下げを行う。この主巻について、リアストラット18の基端近傍部位、フロントストラット19の基端近傍部位、及びジブ15の先端部には、それぞれ主巻用ガイドシーブ37,38,39が回転可能に設けられ、さらに主巻用ガイドシーブ39に隣接する位置に複数の主巻用ポイントシーブ40が幅方向に配列された主巻用シーブブロックが設けられている。主巻用ウインチ27から引き出された主巻ロープ36が主巻用ガイドシーブ37,38,39に順に掛けられ、かつ、シーブブロックの主巻用ポイントシーブ40と、吊荷用の主フック41に設けられたシーブブロックのシーブ42との間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ27が主巻ロープ36の巻き取りや繰り出しを行うと、両シーブ40,42間の距離が変わって、ジブ15の先端から垂下された主巻ロープ36に連結された主フック41の巻上げ及び巻下げが行われる。
The
同様にして、補巻用ウインチ28は、補巻ロープ43による吊荷の巻上げ及び巻下げを行う。この補巻については、主巻用ガイドシーブ37,38,39とそれぞれ同軸に補巻用ガイドシーブ44,45,46が回転可能に設けられ、補巻用ガイドシーブ46に隣接する位置に補巻用ポイントシーブ47が回転可能に設けられている。補巻用ウインチ28から引き出された補巻ロープ43は、補巻用ガイドシーブ44,45,46に順に掛けられ、かつ、補巻用ポイントシーブ47から垂下される。従って、補巻用ウインチ28が補巻ロープ43の巻き取りや繰り出しを行うと、補巻ロープ43の末端に連結された吊荷用の補フック48が巻上げられ、または巻下げられる。
Similarly, the
(負荷増加防止装置の回路構成)
負荷増加防止装置1の回路図である図2に示すように、負荷増加防止装置1は、角度センサ2と、荷重センサ3と、記憶装置4と、コントローラ5と、を有している。コントローラ5は、ウインチ49および旋回装置50を制御する。
(Circuit configuration of load increase prevention device)
As shown in FIG. 2, which is a circuit diagram of the load
角度センサ(姿勢検出装置)2は、クレーン10の姿勢を検出する。角度センサ2は、ブーム角度センサと、ジブ角度センサと、旋回角度センサと、を有している。ブーム角度センサは、ブーム14の基端側に取り付けられており、ブーム14の起伏角度を検出する。ブーム14の起伏角度は、ブーム14の長手方向の中心線と水平面との間の角度である。ジブ角度センサは、ジブ15の基端側に取り付けられており、ジブ15のオフセット角度を検出する。ジブ15のオフセット角度は、ブーム14の長手方向の中心線と、ジブ15の長手方向の中心線との間の角度である。旋回角度センサは、下部走行体11に対する上部旋回体12の旋回角度を検出する。例えば、上部旋回体12の前方が下部走行体11の前方と一致するときの上部旋回体12の旋回角度が0°とされる。
An angle sensor (posture detection device) 2 detects the posture of the
なお、クレーン10の姿勢を検出するセンサは、角度センサ2に限られない。例えば、伸縮式ブームを備えたクレーンの場合には、ブームの長さを計測する計測器を備えてよい。
Note that the sensor that detects the attitude of the
荷重センサ(実荷重検出装置)3は、ジブ15に吊られた吊荷の実荷重を検出する。荷重センサ3は、例えば主巻ロープ36にかかる張力を検出し、その検出した張力から吊荷の実荷重を検出する。
A load sensor (actual load detection device) 3 detects the actual load of the suspended load suspended on the
記憶装置4は、吊荷の実荷重の許容値である定格荷重(所定荷重)を、クレーン10の姿勢毎に記憶している。定格荷重は、クレーン10の姿勢毎に予め設定された吊り可能荷重である。なお、記憶装置4が記憶する所定荷重は、定格荷重に限定されず、定格荷重よりも大きい荷重や、定格荷重よりも小さい荷重であってもよい。ここで、クレーン10の姿勢は、ブーム14の起伏により変化する。また、クレーン10の姿勢は、ジブ15の起伏により変化する。また、クレーン10の姿勢は、上部旋回体12の旋回により変化する。
The
コントローラ5は、定格荷重に対する実荷重の割合である負荷率を算出する。負荷率が100%を超えると、クレーン10が過負荷状態となる。
The
ここで、クレーン10の能力は、ブーム14の強度、ジブ15の強度、ブーム14およびジブ15を支持する部材(ブーム用ガイライン20、ジブガイライン24、リアストラット18およびフロントストラット19など)の強度、風荷重特性、安定度など多岐にわたる要素の複雑な組み合わせにより決定される。そのため、従来、安全側動作として過負荷防止装置に設定されていた動作(例えば、作業半径を小さくする動作)が、実際には危険側動作となる場合がある。ここで、安全側動作とは、負荷率を減少させる方向の動作であり、危険側動作とは、負荷率を増加させる方向の動作である。
Here, the capacity of the
例えば、作業半径(m)と吊り上げ能力(t)との関係を示す図である図3A、および、ジブ15のオフセット角度(°)と吊り上げ能力(t)との関係を示す図である図3Bに示すように、ジブ15のオフセット角度を一定に保ったまま、ブーム14の起伏角度を70°から80°にすると、作業半径は小さくなり、吊り上げ能力は大きくなる(負荷率が減少する)。この動作は、安全側動作である。しかし、その後に、ブーム14の起伏角度を80°から90°にすると、作業半径はさらに小さくなるものの、吊り上げ能力は小さくなる(負荷率が増加する)。この動作は、危険側動作である。
For example, FIG. 3A is a diagram showing the relationship between the working radius (m) and the lifting capacity (t), and FIG. 3B is a diagram showing the relationship between the offset angle (°) of the
このような場合、起伏角度が80°のときの吊り上げ能力を下げることで、吊り上げ能力の逆転現象が生じないようにするのが一般的である。しかし、本来出せる能力領域を切り捨てるのは、得策ではない。 In such a case, it is common to reduce the lifting capacity when the hoisting angle is 80° so that the reversal phenomenon of the lifting capacity does not occur. However, it is not a good idea to discard the ability area that can be originally produced.
そこで、コントローラ(判定手段)5は、角度センサ2に検出された現在の姿勢から微小に変化した仮想姿勢にクレーン10の姿勢を変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。上述したように、クレーン10の姿勢は、ブーム14の起伏により変化する。また、クレーン10の姿勢は、ジブ15の起伏により変化する。また、クレーン10の姿勢は、上部旋回体12の旋回により変化する。
Therefore, the controller (determining means) 5 determines whether or not the load factor increases when it is assumed that the
コントローラ5による判定の説明図である図4に示すように、まず、コントローラ5は、ブーム14の姿勢を現在の姿勢から微小に起こした仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。図4に示す例では、この場合、負荷率が増加する。そこで、コントローラ5は、この姿勢変化が危険側動作であると判定する。
As shown in FIG. 4, which is an explanatory diagram of the determination by the
次に、コントローラ5は、ブーム14の姿勢を現在の姿勢から微小に倒した仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。図4に示す例では、この場合、負荷率が増加する。そこで、コントローラ5は、この姿勢変化が危険側動作であると判定する。
Next, the
次に、コントローラ5は、ジブ15の姿勢を現在の姿勢から微小に起こした仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。図4に示す例では、この場合、負荷率が減少する。そこで、コントローラ5は、この姿勢変化が安全側動作であると判定する。
Next, the
次に、コントローラ5は、ジブ15の姿勢を現在の姿勢から微小に倒した仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。図4に示す例では、この場合、負荷率が増加する。そこで、コントローラ5は、この姿勢変化が危険側動作であると判定する。
Next, the
次に、コントローラ5は、上部旋回体12を現在の姿勢から微小に右旋回させた仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。図4に示す例では、この場合、負荷率が減少する。そこで、コントローラ5は、この姿勢変化が安全側動作であると判定する。
Next, the
次に、コントローラ5は、上部旋回体12を現在の姿勢から微小に左旋回させた仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かを判定する。図4に示す例では、この場合、負荷率が増加する。そこで、コントローラ5は、この姿勢変化が危険側動作であると判定する。
Next, the
コントローラ(制限手段)5は、負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超えると自身が判定した場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を制限する。一方、コントローラ(許容手段)5は、負荷率が減少すると自身が判定した場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を許容する。図4に示す例では、ブーム14を起こす動作と、ブーム14を倒す動作と、ジブ15を倒す動作と、上部旋回体12を左旋回させる動作とが、危険側動作として制限される。一方、図4に示す例では、ジブ15を起こす動作と、上部旋回体12を右旋回させる動作とが、安全側動作として許容される。
The controller (limiting means) 5 limits the operation of changing the posture of the
ここで、コントローラ(停止手段)5は、実荷重が定格荷重を超えた(過負荷状態になった)際に、クレーン10の動作を停止させる。そして、本実施形態では、クレーン10の停止時に上記の判定が行われ、クレーン10の停止時以外には上記の判定は行われない。なお、クレーン10の動作中に常時、上記の判定を行う構成であってもよい。
Here, the controller (stopping means) 5 stops the operation of the
以上のように、クレーン10の姿勢を実際に変化させることなく、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に負荷率が増加するか否かを判定する。これにより、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させる動作が安全側動作か否かを判定することができる。よって、例えば作業半径を小さくする動作が一律に安全側動作として設定される場合などに比べて、クレーン10の姿勢を変化させる動作が安全側動作か否かを正確に判定することができる。これにより、クレーン10に加わる負荷が増加するのを確実に防止することができる。
As described above, it is determined whether or not the load factor increases when it is assumed that the attitude of the
上記の判定は、従来の過負荷判定アルゴリズムを拡張して行うことができる。よって、計算負荷が小さいので、従来の過負荷防止装置に大きな変更を加えることなく、実装することができる。 The above determination can be made by extending a conventional overload determination algorithm. Therefore, since the computational load is small, it can be implemented without making major changes to the conventional overload protection device.
また、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させると負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超えると判定された場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作が制限される。一方、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させると負荷率が減少すると判定された場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作が許容される。負荷率が増加する場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を制限することで、クレーン10に加わる負荷が増加するのを好適に防止することができる。
Further, when it is determined that the load factor increases and the actual load exceeds the rated load when the posture of the
また、クレーン10の停止時に、負荷率が増加するか否かの判定が行われる。クレーン10の動作中に常時判定を行うのではなく、クレーン10の停止時にのみ判定を行うことで、判定に要する負荷を低減させ、判定に要する時間を短くすることができる。
Further, when the
図2に戻って、負荷増加防止装置1は、ディスプレイ6を有している。コントローラ5は、クレーン10の姿勢を模した図に、自身による判定結果を示す図を重畳させて、ディスプレイ(図表示装置)6に表示させる。つまり、図4に示すように、ディスプレイ6には、クレーン10の姿勢を模した図60と、コントローラ5による判定結果を示す図61とが重畳されて表示される。判定結果を示す図61は、安全側動作を「OK」、危険側動作を「NG」で表している。
Returning to FIG. 2 , the load
クレーン10のオペレータは、ディスプレイ6を見ることで、安全側動作と危険側動作とを認識することができる。よって、オペレータは、クレーン10に加わる負荷が増加しないように慎重な操作を行うことができる。
The operator of the
図5や図6に示すグラフは、クレーン10の姿勢の変化に対する負荷率の変化を示すものである。図5および図6に示すグラフは、ブーム14の起伏角度(°)と、ジブ15のオフセット角度(°)と、負荷率との関係を示しており、3つの負荷率の範囲(0~80%、80~100%、100%以上)毎に色分けされている。さらに、図6に示すグラフでは、クレーン10の作業半径を示す境界線(線)Lが重畳されて表示されている。境界線Lは、複数の作業半径毎に設けられている。
Graphs shown in FIGS. 5 and 6 show changes in the load factor with respect to changes in the attitude of the
コントローラ5は、図4に示す表示に代えて、または、図4に示す表示と切り替え可能に、図5や図6に示すグラフをディスプレイ(グラフ表示装置)6に表示させる。
The
クレーン10の動作中に常時判定を行う構成の場合、図5、図6に示すように、現在の姿勢Pが刻々と変化する。なお、クレーン10の停止時に判定を行う場合、現在の姿勢Pは、負荷率が100%の線上に位置する。図5に示す例では、現在の姿勢Pにおいて、ジブ15のオフセット角度を同じにしたまま、ブーム14の起伏角度を大きくしたり、小さくしたりすると、負荷率が増加することがわかる。また、図5に示す例では、現在の姿勢Pにおいて、ブーム14の起伏角度を同じにしたまま、ジブ15のオフセット角度を大きくすると、負荷率が増加する一方、ブーム14の起伏角度を同じにしたまま、ジブ15のオフセット角度を小さくすると、負荷率が減少することがわかる。
In the case of the configuration in which the determination is always made during the operation of the
また、図6に示す例では、現在の姿勢Pにおいて、ジブ15のオフセット角度を同じにしたまま、ブーム14の起伏角度を大きくすると、クレーン10の作業半径が小さくなり、負荷率が増加する一方、ジブ15のオフセット角度を同じにしたまま、ブーム14の起伏角度を小さくすると、クレーン10の作業半径が大きくなるとともに、負荷率が減少することがわかる。また、図6に示す例では、現在の姿勢Pにおいて、ブーム14の起伏角度を同じにしたまま、ジブ15のオフセット角度を大きくすると、クレーン10の作業半径が大きくなるが、負荷率が増加する一方、ブーム14の起伏角度を同じにしたまま、ジブ15のオフセット角度を小さくすると、クレーン10の作業半径が小さくなり、負荷率が減少することがわかる。
In addition, in the example shown in FIG. 6, when the hoisting angle of the
オペレータは、ディスプレイ6を見ることで、現在の負荷率を認識することができるので、クレーン10に加わる負荷が増加しないように慎重な操作を行うことができる。具体的には、人の感覚では、クレーン10の作業半径が大きくなると負荷率が増加すると認識してしまう。ところが、図6に示す例のように、現在の姿勢Pにおいて、ジブ15のオフセット角度を同じにしたまま、ブーム14の起伏角度を小さくすると、クレーン10の作業半径が大きくなるにも関わらず、負荷率が減少する。また、人の感覚では、クレーン10の作業半径が小さくなると負荷率が減少すると認識してしまう。ところが、図6に示す例のように、現在の姿勢Pにおいて、ジブ15のオフセット角度を同じにしたまま、ブーム14の起伏角度を大きくすると、クレーン10の作業半径が小さくなるにも関わらず、負荷率が増加する。このように、実際のブーム14およびジブ15の挙動に伴う負荷率の増減と、オペレータが感覚的に判断する負荷率の増減とが一致しない操作パターンが発生する。しかし、オペレータは、ディスプレイ6で負荷率を確認しながら操作することで、オペレータの感覚と実際の負荷率の増減との不一致による思わぬ操作制限(過負荷状態)が発生しないようにすることができる。
By looking at the
また、一般に、クレーン作業においては吊荷をより遠くに運ぶ操作が要求される。オペレータは、作業半径を示す境界線Lを認識することで、安全側動作でクレーン10の作業半径を大きくできるか否かを判断することができる。
In addition, crane operations generally require an operation to carry a suspended load farther. By recognizing the boundary line L indicating the working radius, the operator can determine whether or not it is possible to increase the working radius of the
(変形例)
なお、3つのグラフを並べて表示した図である図7に示すように、ディスプレイ6は、クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位毎の、部位の姿勢の変化に対する負荷率の変化を示すグラフを、並べて又は切り替えて表示してもよい。ここで、図7に対応するクレーン10は、図1に示すラッフィングクレーンではなく、ブーム14の長さを伸縮可能なクレーンである。また、クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位とは、上記の例では、ブーム14、ジブ15、および、上部旋回体12である。
(Modification)
Note that as shown in FIG. 7, which is a diagram displaying three graphs side by side, the
図7の左側のグラフは、ブーム14の長さ(m)と、ブーム14の起伏角度(°)と、負荷率との関係を示している。図7の中央のグラフは、上部旋回体12の旋回角度(°)と、ジブ15のオフセット角度(°)と、負荷率との関係を示している。図7の右側のグラフは、クレーン10の作業半径(m)と、クレーン10の吊り上げ能力(t)と、負荷率との関係を示している。
The graph on the left side of FIG. 7 shows the relationship between the length (m) of the
複数の部位毎のグラフを、並べて又は切り替えて表示することで、クレーン10のオペレータは、どのような動作が安全側動作なのかを好適に認識することができる。
By displaying the graphs for each of a plurality of parts side by side or by switching, the operator of the
また、三次元グラフを表す図である図8に示すように、ディスプレイ6は、クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位の各々での姿勢の変化に対する負荷率の変化を三次元グラフにして表示してもよい。図8の三次元グラフは、ブーム14の起伏角度(°)と、ジブ15のオフセット角度(°)と、クレーン10の吊り上げ能力(t)と、負荷率との関係を示している。
Further, as shown in FIG. 8, which is a diagram representing a three-dimensional graph, the
クレーン10の複数の部位の各々での姿勢の変化に対する負荷率の変化を三次元グラフにして表示することで、クレーン10のオペレータは、どのような動作が安全側動作なのかを好適に認識することができる。
The operator of the
また、クレーン10の姿勢を変化させる毎にコントローラ5で判定を行うのではなく、コントローラ5や外部のコンピュータで予め判定を行っておき、その判定結果を、コントローラ(記憶制御手段)5が、クレーン10の姿勢に対応付けて記憶装置4に予め記憶させておいてもよい。クレーン10の姿勢と、安全側動作および危険側動作とは、1対1で対応する。そのため、クレーン10がある姿勢になれば、その姿勢に対応する安全側動作および危険側動作がわかる。なお、判定結果を定格荷重に紐付けしてもよい。
In addition, instead of performing determination by the
この場合、コントローラ5は、クレーン10の現在の姿勢に対応する判定結果を記憶装置4から読み出す。そして、クレーン10の現在の姿勢に対応する判定結果が、負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超えるとの判定結果である場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を制限する。一方、クレーン10の現在の姿勢に対応する判定結果が、負荷率が減少するとの判定結果である場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を許容する。
In this case, the
判定結果が予めクレーン10の姿勢に対応付けられているので、クレーン10の姿勢を変化させる毎に判定を行う必要がない。よって、判定に要する負荷を低減させ、判定に要する時間を短くすることができる。
Since the determination result is associated with the attitude of the
(負荷増加防止装置の動作)
次に、動作判定処理のフローチャートである図9、図10を参照して、負荷増加防止装置1の動作を説明する。
(Operation of load increase prevention device)
Next, the operation of the load
まず、コントローラ5は、クレーン10が過負荷状態であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、クレーン10が過負荷状態でないと判定した場合には(S1:NO)、コントローラ5は、ステップS1に戻る。一方、ステップS1において、クレーン10が過負荷状態であると判定した場合には(S1:YES)、コントローラ5は、クレーン10の動作を停止させる(ステップS2)。
First, the
次に、コントローラ5は、ブーム14の姿勢を現在の姿勢から微小に起こした仮想姿勢に変化させたと仮定する(ステップS3)。そして、コントローラ5は、この場合に、負荷率が増加するか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、負荷率が増加する場合には(S4:YES)、コントローラ5は、この姿勢変化を危険側動作に設定する(ステップS5)。一方、ステップS4において、負荷率が増加しない場合には(S4:NO)、コントローラ5は、この姿勢変化を安全側動作に設定する(ステップS6)。
Next, it is assumed that the
次に、コントローラ5は、ブーム14の姿勢を現在の姿勢から微小に倒した仮想姿勢に変化させたと仮定する(ステップS7)。そして、コントローラ5は、この場合に、負荷率が増加するか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8において、負荷率が増加する場合には(S8:YES)、コントローラ5は、この姿勢変化を危険側動作に設定する(ステップS9)。一方、ステップS8において、負荷率が増加しない場合には(S8:NO)、コントローラ5は、この姿勢変化を安全側動作に設定する(ステップS10)。
Next, it is assumed that the
次に、コントローラ5は、ジブ15の姿勢を現在の姿勢から微小に起こした仮想姿勢に変化させたと仮定する(ステップS11)。そして、コントローラ5は、この場合に、負荷率が増加するか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12において、負荷率が増加する場合には(S12:YES)、コントローラ5は、この姿勢変化を危険側動作に設定する(ステップS13)。一方、ステップS12において、負荷率が増加しない場合には(S12:NO)、コントローラ5は、この姿勢変化を安全側動作に設定する(ステップS14)。
Next, it is assumed that the
次に、コントローラ5は、ジブ15の姿勢を現在の姿勢から微小に倒した仮想姿勢に変化させたと仮定する(ステップS15)。そして、コントローラ5は、この場合に、負荷率が増加するか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、負荷率が増加する場合には(S16:YES)、コントローラ5は、この姿勢変化を危険側動作に設定する(ステップS17)。一方、ステップS16において、負荷率が増加しない場合には(S16:NO)、コントローラ5は、この姿勢変化を安全側動作に設定する(ステップS18)。
Next, it is assumed that the
次に、コントローラ5は、上部旋回体12の姿勢を現在の姿勢から微小に右旋回させた仮想姿勢に変化させたと仮定する(ステップS19)。そして、コントローラ5は、この場合に、負荷率が増加するか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において、負荷率が増加する場合には(S20:YES)、コントローラ5は、この姿勢変化を危険側動作に設定する(ステップS21)。一方、ステップS20において、負荷率が増加しない場合には(S20:NO)、コントローラ5は、この姿勢変化を安全側動作に設定する(ステップS22)。
Next, it is assumed that the
次に、コントローラ5は、上部旋回体12の姿勢を現在の姿勢から微小に左旋回させた仮想姿勢に変化させたと仮定する(ステップS23)。そして、コントローラ5は、この場合に、負荷率が増加するか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24において、負荷率が増加する場合には(S24:YES)、コントローラ5は、この姿勢変化を危険側動作に設定する(ステップS25)。一方、ステップS24において、負荷率が増加しない場合には(S24:NO)、コントローラ5は、この姿勢変化を安全側動作に設定する(ステップS26)。
Next, it is assumed that the
次に、コントローラ5は、危険側動作を制限する(ステップS27)。また、コントローラ5は、安全側動作を許容する(ステップS28)。そして、コントローラ5は、判定結果を示す表示をディスプレイ6に表示させ(ステップS29)、本フローを終了する。
Next, the
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る負荷増加防止装置1によると、角度センサ2に検出された現在の姿勢から微小に変化した仮想姿勢にクレーン10の姿勢を変化させたと仮定した場合に、負荷率が増加するか否かが判定される。クレーン10の能力は、アタッチメント(例えば、ブーム14、ジブ15)の強度、アタッチメントを支持する部材(例えば、ブーム用ガイライン20、ジブガイライン24、リアストラット18およびフロントストラット19など)の強度、風荷重特性、安定度など多岐にわたる要素の複雑な組み合わせにより決定される。そのため、従来、安全側動作として過負荷防止装置に設定されていた動作(例えば、作業半径を小さくする動作)が、実際には危険側動作となる場合がある。そこで、クレーン10の姿勢を実際に変化させることなく、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させたと仮定した場合に負荷率が増加するか否かを判定する。これにより、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させる動作が安全側動作か否かを判定することができる。よって、例えば作業半径を小さくする動作が一律に安全側動作として設定される場合などに比べて、クレーン10の姿勢を変化させる動作が安全側動作か否かを正確に判定することができる。これにより、クレーン10に加わる負荷が増加するのを確実に防止することができる。
(effect)
As described above, according to the load
また、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させると負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超えると判定された場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作が制限される。一方、クレーン10の姿勢を仮想姿勢に変化させると負荷率が減少すると判定された場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作が許容される。負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超える場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を制限することで、クレーン10に加わる負荷が増加するのを好適に防止することができる。
Further, when it is determined that the load factor increases and the actual load exceeds the rated load when the posture of the
また、クレーン10の停止時に、負荷率が増加するか否かの判定が行われる。クレーン10の動作中に常時判定を行うのではなく、クレーン10の停止時にのみ判定を行う場合には、判定に要する負荷を低減させ、判定に要する時間を短くすることができる。
Further, when the
また、図4に示すように、クレーン10の姿勢を模した図60に、コントローラ5による判定結果を示す図61が重畳されて、ディスプレイ6に表示される。そのため、クレーン10のオペレータは、ディスプレイ6を見ることで、安全側動作と危険側動作とを認識することができる。よって、オペレータは、クレーン10に加わる負荷が増加しないように慎重な操作を行うことができる。
Further, as shown in FIG. 4 , a diagram 60 simulating the attitude of the
また、図5、図6に示すように、クレーン10の姿勢の変化に対する負荷率の変化がグラフにされて、ディスプレイ6に表示される。そのため、クレーン10のオペレータは、ディスプレイ6を見ることで、安全側動作と危険側動作とを認識することができる。また、オペレータは、ディスプレイ6を見ることで、現在の負荷率を認識することができるので、クレーン10に加わる負荷が増加しないように慎重な操作を行うことができる。
Further, as shown in FIGS. 5 and 6, changes in the load factor with respect to changes in the posture of the
また、図6に示すように、クレーン10の作業半径を示す境界線Lがグラフに重畳されて表示される。一般に、クレーン作業においては吊荷をより遠くに運ぶ操作が要求される。オペレータは、作業半径を示す境界線Lを認識することで、安全側動作でクレーン10の作業半径を大きくできるか否かを判断することができる。
Further, as shown in FIG. 6, a boundary line L indicating the working radius of the
また、変形例においては、図7に示すように、クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位毎の、部位の姿勢の変化に対する負荷率の変化を示すグラフが、並べられて又は切り替えられて、ディスプレイ6に表示される。クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位毎のグラフを、並べて又は切り替えて表示することで、クレーン10のオペレータは、どのような動作が安全側動作なのかを好適に認識することができる。
In a modified example, as shown in FIG. 7, graphs showing changes in load factor with respect to changes in the posture of each of a plurality of parts of the
また、変形例においては、図8に示すように、クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位の各々での姿勢の変化に対する負荷率の変化が三次元グラフにされて、ディスプレイ6に表示される。クレーン10の姿勢の変化に寄与する、クレーン10の複数の部位の各々での姿勢の変化に対する負荷率の変化を三次元グラフにして表示することで、クレーン10のオペレータは、どのような動作が安全側動作なのかを好適に認識することができる。
In a modified example, as shown in FIG. 8, changes in load factor with respect to changes in posture at each of a plurality of parts of the
また、変形例においては、コントローラ5による判定結果がクレーン10の姿勢に対応付けられて記憶装置4に記憶される。そして、クレーン10の現在の姿勢に対応する判定結果が、負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超えるとの判定結果である場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作が制限される。一方、クレーン10の現在の姿勢に対応する判定結果が、負荷率が減少するとの判定結果である場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作が許容される。負荷率が増加し実荷重が定格荷重を超える場合に、クレーン10の姿勢が仮想姿勢に変化する動作を制限することで、クレーン10に加わる負荷が増加するのを好適に防止することができる。そして、判定結果が予めクレーン10の姿勢に対応付けられているので、クレーン10の姿勢を変化させる毎に判定を行う必要がない。よって、判定に要する負荷を低減させ、判定に要する時間を短くすることができる。
Further, in the modified example, the determination result by the
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。 Although the embodiments of the present invention have been described above, the specific examples are merely illustrated, and the present invention is not particularly limited. Further, the actions and effects described in the embodiments of the invention are merely enumerations of the most suitable actions and effects resulting from the present invention, and the actions and effects of the present invention are described in the embodiments of the invention. are not limited to those listed.
例えば、本実施形態では、実荷重の許容値として定格荷重を用いたが、例えば検査においては、定格荷重よりも大きい荷重を実荷重の許容値として用いてよい。また、現場においては、安全対策として、定格荷重よりも小さい荷重(例えば定格荷重の80%の荷重)を実荷重の許容値として用いてよい。 For example, although the rated load is used as the allowable value of the actual load in the present embodiment, a load larger than the rated load may be used as the allowable value of the actual load, for example, in inspection. In the field, as a safety measure, a load smaller than the rated load (for example, a load of 80% of the rated load) may be used as the allowable value of the actual load.
また、本実施形態では、過負荷状態から負荷率が増加するか否かを判定しているが、所定の負荷状態から負荷率が増加するか否かを判定してもよい。ここで、所定の負荷状態は、過負荷状態よりも小さい負荷(例えば負荷率80%の負荷)がクレーン10に加わった状態であってよい。この場合、クレーン10の動作を停止させることなく、負荷率が増加するか否かの判定を行ってよい。このときの負荷増加防止装置1の動作は、図9、図10に示す動作判定処理のフローチャートから、ステップS1,S2を除いた動作となる。
Further, in the present embodiment, it is determined whether or not the load factor increases from the overload state, but it may be determined whether or not the load factor increases from a predetermined load state. Here, the predetermined load state may be a state in which a load smaller than the overload state (for example, a load with a load factor of 80%) is applied to the
1 負荷増加防止装置
2 角度センサ(姿勢検出装置)
3 荷重センサ(実荷重検出装置)
4 記憶装置
5 コントローラ(判定手段、制限手段、許容手段、記憶制御手段、停止手段)
6 ディスプレイ(図表示装置、グラフ表示装置)
10 クレーン
11 下部走行体
12 上部旋回体
13 キャブ
14 ブーム
15 ジブ
16 マスト
17 カウンタウエイト
18 リアストラット
19 フロントストラット
20 ブーム用ガイライン
21,22 バックストップ
23 ストラットガイリンク
24 ジブガイライン
25 ブーム起伏用ウインチ
26 ジブ起伏用ウインチ
27 主巻用ウインチ
28 補巻用ウインチ
29 ブーム起伏用ロープ
30,31 シーブブロック
32 ジブ起伏用ロープ
33 ガイドシーブ
34,35 シーブブロック
36 主巻ロープ
37,38,39 主巻用ガイドシーブ
40 主巻用ポイントシーブ
41 主フック
42 シーブ
43 補巻ロープ
44,45,46 補巻用ガイドシーブ
47 補巻用ポイントシーブ
48 補フック
49 ウインチ
50 旋回装置
1 Load
3 Load sensor (actual load detector)
4
6 Display (diagram display device, graph display device)
10
Claims (9)
前記クレーンに吊られた吊荷の実荷重を検出する実荷重検出装置と、
前記実荷重の許容値である所定荷重を、前記クレーンの姿勢毎に記憶する記憶装置と、
前記姿勢検出装置に検出された現在の姿勢から微小に変化した仮想姿勢に前記クレーンの姿勢を変化させたと仮定した場合に、前記所定荷重に対する前記実荷重の割合である負荷率が増加するか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とするクレーンの負荷増加防止装置。 an attitude detection device that detects the attitude of the crane;
an actual load detection device that detects an actual load of a suspended load suspended by the crane;
a storage device that stores a predetermined load, which is an allowable value of the actual load, for each posture of the crane;
Whether or not the load factor, which is the ratio of the actual load to the predetermined load, increases when it is assumed that the crane posture is changed to a virtual posture that is slightly changed from the current posture detected by the posture detection device. a determination means for determining whether
A crane load increase prevention device, comprising:
前記負荷率が減少すると前記判定手段が判定した場合に、前記クレーンの姿勢が前記仮想姿勢に変化する動作を許容する許容手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のクレーンの負荷増加防止装置。 limiting means for limiting an operation of changing the posture of the crane to the virtual posture when the determining means determines that the load factor increases and the actual load exceeds the predetermined load;
permitting means for permitting an operation of changing the attitude of the crane to the virtual attitude when the determining means determines that the load factor decreases;
The crane load increase prevention device according to claim 1, characterized by comprising:
前記制限手段は、前記クレーンの現在の姿勢に対応する判定結果が、前記負荷率が増加し前記実荷重が前記所定荷重を超えるとの判定結果である場合に、前記クレーンの姿勢が前記仮想姿勢に変化する動作を制限し、
前記許容手段は、前記クレーンの現在の姿勢に対応する判定結果が、前記負荷率が減少するとの判定結果である場合に、前記クレーンの姿勢が前記仮想姿勢に変化する動作を許容することを特徴とする請求項2に記載のクレーンの負荷増加防止装置。 storage control means for storing the result of determination by the determination means in the storage device in association with the attitude of the crane;
When the determination result corresponding to the current attitude of the crane is a determination result that the load factor increases and the actual load exceeds the predetermined load, the restriction means changes the attitude of the crane to the virtual attitude. restricts behavior that changes to
The permitting means permits the operation of changing the attitude of the crane to the virtual attitude when the determination result corresponding to the current attitude of the crane indicates that the load factor decreases. The crane load increase prevention device according to claim 2.
前記判定手段は、前記クレーンの停止時に前記判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のクレーンの負荷増加防止装置。 a stopping means for stopping the operation of the crane when the actual load exceeds the predetermined load;
3. The crane load increase prevention device according to claim 1, wherein the determination means performs the determination when the crane is stopped.
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