以下、一の実施形態について図面を参照して説明する。衣類処理装置としての洗濯機10は、図1及び図2に示すように、外箱11、水槽12、回転槽13、回転槽モータ14、排水機構15、操作パネル16、給水機構20、及び処理剤投入機構30を備えている。なお図1において、洗濯機10の設置面側、つまり鉛直下側を洗濯機10の下側とし、設置面の反対側、つまり鉛直上側を洗濯機10の上側とする。また、洗濯機10を正面から見た場合の左右方向を、洗濯機10の左右方向とする。洗濯機10は、例えば回転槽13の回転軸が水平へ向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のドラム式洗濯機である。
洗濯機10は、例えばヒートポンプ式やヒーター式の乾燥機能を有していても良いし、備えていなくてもよい。外箱11は、例えば鋼材又は樹脂材等の部材によって全体として矩形の箱状に構成されており、洗濯機10の外殻を構成する。本実施形態の場合、外箱11の天面部111は、平坦面に形成されている。水槽12は、外箱11内に配置されて、図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽13は、水槽12内に回転可能に配置されている。この場合、水槽12及び回転槽13は、洗濯物を収容する洗濯槽として機能する。回転槽モータ14は、水槽12の外側に設けられている。回転槽モータ14は回転槽13に接続されており、駆動により回転槽13を回転させる。
図2に示す排水機構15は、水槽12内に貯留されている水を洗濯機10の機外に排出するための機能を有する。排水機構15は、排水経路151と、排水弁152と、を有している。排水経路151は、例えば可撓性を有する排水ホースで構成されており、一方の端部が排水弁152に接続され、他方の端部が洗濯機10の機外へ引き出されている。排水弁152は、例えば電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁で構成されている。排水弁152は、水槽12の底部に設けられた排水口121と、排水経路151との間に設けられており排水経路151を開閉する。
操作パネル16は、図1に示すように外箱11の天面部111の前側部分に設けられている。操作パネル16には、詳細は図示しないが、電源スイッチ、スタートキー、ユーザが洗濯運転コースの設定等を行うための各種操作キーなどが設けられている。なお、電源スイッチは、操作パネル16とは別に設けても良い。ユーザは、洗濯運転を実行させるにあたって、自動で洗濯処理剤を投入するか、又は手動で1回分の洗濯処理剤を投入するかを、操作パネル16を用いて選択操作できる。なお、本実施形態において、洗濯処理剤とは、液体又は粉末の洗剤、柔軟剤仕上げ剤、及び香り付け剤を含む概念であるが、洗濯運転に使用される薬剤であればこれらに限られない。
給水機構20は、例えば外箱11内の水槽12の上方に設けられている。給水機構20は、例えば水道などの外部の給水源からの水を受けて水槽12内への給水を行う。給水機構20は、例えば図2に示すように、接続口21、給水経路22及び給水弁23を有している。接続口21は、外箱11の天面部111において、左奥部に露出するように設けられている。接続口21は、例えばホースを介して外部の水源に接続される。給水経路22は、接続口21から水槽12及び回転槽13までを接続する経路である。給水弁23は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。
洗濯機10は、外部の水源として、例えば水道水と、風呂水とを利用することができる。洗濯機10は、接続口21として、水道水用接続口211と、風呂水用接続口212とを備える。また、洗濯機10は、給水経路22として、第1給水経路221と、第2給水経路222と、第3給水経路223とを備える。更に、洗濯機10は、給水弁23として、第1給水弁231と、第2給水弁232と、を備える。
水道水用接続口211は、例えばホースを介して水道の蛇口等に接続され、水道水の第1給水経路221及び第3給水経路223への入口として機能する。風呂水用接続口212は、例えばホース及び取水用のポンプを介して風呂水が貯留された浴槽に接続され、風呂水の第2給水経路222への入口として機能する。
第1給水経路221及び第3給水経路223は、水道水用接続口211から水槽12及び回転槽13までを接続する。第1給水経路221は、洗い工程において洗濯処理剤として例えば洗剤を投入する際に使用される経路である。第3給水経路223は、濯ぎ工程において洗濯処理剤として例えば仕上げ剤を投入する際に使用される経路である。第2給水経路222は、風呂水用接続口212から水槽12及び回転槽13までを接続する。第2給水経路222は、洗い工程において洗濯処理剤として例えば洗剤を投入する際に使用される経路である。
第1給水弁231は、例えば三方弁であり、第1給水経路221及び第3給水経路223を開閉する。第2給水弁232は、第2給水経路222を開閉する。なお、第1給水経路221と第3給水経路223とをそれぞれ開閉する個別の給水弁を設ける構成であっても良い。
処理剤投入機構30は、例えば給水経路22の途中に設けられており、給水経路22を流れる水に洗濯処理剤を導入して洗濯処理剤を含む水を水槽12及び回転槽13内に供給する機能を有する。処理剤投入機構30は、図1及び図2に示すように、収容部31、ポンプ32、カバー部材33、処理剤ケース40、及び処理剤タンク50を含んで構成される。
収容部31は、図3~図5等に示すように樹脂又は金属部材によって箱又は容器状に構成されており、上部に向けて開口した開口部34を有している。図1に示すように、収容部31は、外箱11内の上部に設けられている。収容部31は、外箱11の左右の側面寄り、この場合左側面寄りに設けられている。収容部31の上端つまり開口部34は、天面部111よりもやや下方に位置している。開口部34と天面部111との間の空間には、カバー部材33が収まる。
収容部31は、給水経路22の一部を構成している。この場合、給水経路22において給水弁23の出口側は、直接又は間接的に収容部31に接続されている。そして、収容部31は、直接又は間接的に水槽12に接続されている。本実施形態では、給水管24が各給水弁231、232の出口側から収容部31まで延びている。また、給水管25が収容部31から水槽12まで延びる。つまり、給水経路22は、接続口21、給水弁23、給水管24、収容部31、給水管25を水の流れる方向に関してこの順に含んで構成される。
ポンプ32は、処理剤タンク50とともに、洗濯処理剤を運転中に自動で水槽12及び回転槽13内に供給するための自動投入装置を構成する。ポンプ32は、運転中に処理剤タンク50から所定量の洗濯処理剤を吸い出し、その吸い出した洗濯処理剤を、給水経路22の途中部分に投入する機能を有する。これにより、給水経路22の途中に供給された洗濯処理剤は、給水経路22内を流れる水と共に水槽12及び回転槽13内に供給される。このように、洗濯機10は、運転中に所定量の洗濯処理剤を自動で水槽12及び回転槽13内に供給することができる。
カバー部材33は、外箱11に回動可能に設けられて回動により収容部31の開口部34を開閉するとともに、折り曲げ可能でかつ折り曲げ出た状態で回動可能に構成されている。すなわち、カバー部材33は、図1及び図3に示すように、外箱11の天面部111に回動可能に取り付けられており、収容部31の開口部34を開閉可能に構成されている。本実施形態では、カバー部材33は、少なくとも2つに折り曲げ可能に構成されている。そして、カバー部材33は、少なくとも2つに折り曲げた状態で回動することで開口部34を開閉可能に構成されている。
収容部31は、図4~図9に示すように、外周部35と、底部36と、注水口37と、収容部出口38と、注水通路363と、隔壁部60と、を有する。外周部35は、収容部31の外周面を形成する。底部36は、収容部31の底面を形成する。注水口37は、外周部35に形成された開口で、給水管24の下流側端部を収容部31に向けて露出し、給水経路22の収容部31への入口として機能する。収容部出口38は、収容部31の下部に形成された開口で、給水管25の上流側端部が接続され、給水経路22の収容部31からの出口として機能する。注水通路363は、収容部31の下流部に収容部出口38に向けて設けられた水と洗濯処理剤との通路である。隔壁部60は、収容部31を少なくとも部分的に複数の空間に区分する。この場合、隔壁部60は、処理剤ケース40を収容する空間であるケース収容部311と処理剤タンク50を収容する空間であるタンク収容部312とを区分する。
処理剤ケース40及び処理剤タンク50は、図3及び図4等に示すように収容部31に着脱可能に収容されている。処理剤ケース40と処理剤タンク50とは、収容部31内に隣接して配置されている。例えば、処理剤ケース40と処理剤タンク50とは、前後方向又は左右方向に直線上に並べられている。この場合、収容部31において、ケース収容部311は洗濯機10の手前側に立って操作するユーザに近い側に配置され、タンク収容部312はケース収容部311よりもユーザから遠い側に配置することができる。
本実施形態の場合、図1、図3及び図4等に示すように、処理剤ケース40と処理剤タンク50とは、収容部31内において前後方向に並べて収容される。そして、処理剤ケース40は、処理剤タンク50の前側つまり洗濯機10の手前側に立って操作するユーザにより近い位置に位置している。他の実施形態において処理剤ケース40と処理剤タンク50とを左右方向に並べた場合、処理剤ケース40は、処理剤タンク50よりも洗濯機10の左右方向に関する中心側つまり洗濯機10の手前側に立って操作するユーザにより近い位置に配置することができる。
処理剤ケース40は、例えば運転前又は運転開始時にユーザの手動によって投入された1回の運転で用いる処理剤を受けるとともに、投入された処理剤を運転中に水槽12及び回転槽13に供給する機能を有する。処理剤ケース40は、例えば樹脂製であって、前後方向又は左右方向に長い矩形状でかつ上部が開口した容器状に構成されている。本実施形態では、処理剤ケース40は全体として左右方向に長い矩形状に形成されている。
処理剤ケース40は図9~図14等に示すように下方に向けて窪んだ容器状に形成される。処理剤ケース40は、一又は複数この場合2つの投入部401、402を有している。ユーザは、投入部401、402の上部の開口から処理剤ケース40内に洗濯処理剤を投入する。投入部401、402は、ユーザの手動により投入された洗濯処理剤を受ける。投入部401は、洗濯処理剤として例えば粉末状又は液状の洗剤の投入を受ける。投入部401は、洗濯処理剤として例えば液状の仕上げ剤の投入を受ける。投入部401と投入部402とは、前後方向又は左右方向に並んで設けられている。本実施形態では、投入部401と投入部402とは、前後方向に並んで配置され、投入部401がユーザからより遠い位置つまり奥側に、投入部402がユーザからより近い位置つまり手前側に設けられている。
処理剤タンク50は、複数回の運転に用いる量の洗濯処理剤を貯留可能に構成されている。処理剤タンク50は、例えば樹脂製であって、前後方向又は左右方向に長い矩形状で中空の容器で構成されており、液状の洗濯処理剤を貯留することができる。処理剤タンク50は、複数回の運転で使用する量の洗濯処理剤を貯留するために十分な容量を有している。この場合、処理剤タンク50の容量は特に限定されないが、ユーザの利便性を考慮すると、少なくとも数百mL~2L程度に設定することが好ましい。
処理剤タンク50は、図2~図4等に示すように、タンク本体51、タンク投入口52、蓋部材53、及びタンク出口54等を有している。タンク本体51は、処理剤タンク50の外殻を構成しており、例えばプラスチックなどの合成樹脂で構成されている。タンク投入口52は、タンク本体51の上部に形成され上方に向かって開口している。蓋部材53は、タンク本体51に回動可能に取り付けられて、タンク投入口52を開閉する。ユーザは、蓋部材53を開いて、タンク投入口52から洗濯処理剤を処理剤タンク50に投入する。
タンク出口54は、タンク本体51の例えば背面部の一部を貫いて設けられた開口であり、ポンプ32によって処理剤タンク50から吸い出される洗濯処理剤を通す開口である。ポンプ32は、収容部31の外側この場合収容部31の後方に設けられている。ポンプ32は、接続部321を有する。接続部321は、収容部31を貫く管状に形成されて、収容部31の内部とポンプ32とを接続する。処理剤タンク50が収容部31に装着されると、接続部321がタンク出口54に挿入されて、ポンプ32と処理剤タンク50内部とが接続される。
洗濯機10は、図1及び図3に示すように、一又は複数この場合2個の処理剤タンク50を備えている。本実施形態の場合、洗濯機10は、処理剤タンク50として、洗剤タンク501及び仕上げ剤タンク502を備えている。洗剤タンク501は、複数回分の運転に用いる量の洗剤この場合液体洗剤を貯留するためのものである。仕上げ剤タンク502は、複数回分の運転に用いる量の仕上げ剤、この場合、液体の仕上げ剤を貯留するためのものである。処理剤タンク501と処理剤タンク502とは、前後方向又は左右方向に並んで配置されている。本実施形態では、処理剤タンク501と処理剤タンク502とは、左右方向に並んで配置され、処理剤タンク501が水槽12の軸からより遠い位置この場合左側に、処理剤タンク502が水槽12の軸からより近い位置この場合右側に設けられている。
図4~図8等に示すように、収容部31の外周部35は、前部351と、左側部352と、右側部353と、背部354と、を含んで構成される。前部351は、収容部31の前側の面を形成する。左側部352と、右側部353とは、それぞれ収容部31の左右の側面を形成する。背部354は、収容部31の背部側の面を形成する。前部351は、段部3511を有する。段部3511は、収容部31の開口部34から所定の距離下方に離れた位置に設けられ、収容部31の内側に向かって突出している。段部3511は、左右方向を長辺とした細長い矩形に形成されている。
段部3511は、収容部31の左右方向の幅の一部又は全体に亘って設けられている。本実施形態では、図5及び図6に示すように、段部3511は収容部31の左右方向の幅の一部に亘って設けられている。具体的には、段部3511は、注水口37寄りつまり収容部31の右側部分に設けられている。つまり、段部3511は、注水口37が設けられた右側部353から注水通路363側に向かってつまり左方に延びている。
段部3511の左端部は、左側部352から離れた位置に設けられている。本実施形態では、段部3511は、少なくとも第1底部361の左右方向の幅全体に亘って設けられている。段部3511の左右方向の幅は、例えば収容部31の左右方向の幅の1/2以上~3/4以上に設定することができる。本実施形態では、段部3511の左右方向の幅は、収容部31の左右方向の幅の2/3程度に設定されている。
段部3511の床面からの高さ位置は、段部3511の幅全体に亘って概ね一定に設定されている。つまり、段部3511は、水平な方向に延びる面を形成する。段部511は、処理剤ケース40を支持する支持部として機能する。
一又は複数この場合3つの注水口37は、図5及び図6等に示すように、収容部31の外周部35において洗濯機10の左右方向の中心寄りに設けられている。本実施形態では、複数の注水口37は、右側部353の前端部寄りに、前後方向に並んで設けられている。第1注水口371及び第2注水口372は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で、洗剤投入部401に面し、洗剤投入部401に水を供給する。第3注水口373は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で、仕上げ剤投入部402に面し、仕上げ剤投入部402に水を供給する。第1注水口371は、第1給水経路221の一部を構成する。第2注水口372は第2給水経路222の一部を構成する。第3注水口373は、第3給水経路223の一部を構成する。
底部36は、図5等に示すように、第1底部361と、第2底部362と、注水通路363とを含んで構成されている。第1底部361は、ケース収容部311の底部の少なくとも一部を構成する。本実施形態では、第1底部361は、底部36の前部に設けられている。第1底部361は、前部351と右側部353とに囲まれている。第2底部362は、タンク収容部312の底部の少なくとも一部を構成する。本実施形態では、第2底部362は、底部36の背部に設けられている。第2底部362は、背部354と左側部352と右側部353とに囲まれている。
注水通路363は、ケース収容部311とタンク収容部312とに亘って形成され、ケース収容部311の一部とタンク収容部312の一部との底部を形成する。注水通路363は、第1底部361に対して注水口37から離れる方向に設けられている。本実施形態では、注水通路363は、第1底部361の洗濯機10の左右方向の中心から離れる向きこの場合左側に設けられている。注水通路363は、収容部31の前部351から、収容部出口38まで延びており、前部351と左側部352とに囲まれている。注水通路363の下流部つまり背面側部分は第2底部362に向けて突出している。そのため、第2底部362は、注水通路363の下流部に対応して、平面視において一部が背面側に窪んで倒L字形に形成されている。
図6及び図7等に示すように、注水通路363は、第1底部361及び第2底部362よりも床面からの高さ位置が低く設定されている。そのため、注水通路363は、収容部31の中で最も高さ位置が低い部分を形成している。更に、注水通路363は、前端部から後端部に掛けてつまり収容部出口38に向けて下降するように傾斜している。この傾斜角は、例えば0.5°から2°に設定することができる。本実施形態では、注水通路363の前後方向に対する傾斜角は、約1°に設定されている。
注水通路363の下流部つまり背面側端部には、図6~図8に示すように立ち上がり部39が形成されている。立ち上がり部39は、概ね垂直方向に延びる面を形成して注水通路363と第2底部362との間を繋いでいる。本実施形態では立ち上がり部39は屈曲しており、概ね前後方向に対して垂直な面と、左右方向に垂直な面とを含んで形成されている。つまり、立ち上がり部39は、収容部31の前部351に対向する部分と、左側部352に対向する部分とを含んで構成されている。立ち上がり部39は、タンク収容部312の下方に形成されている。つまり、処理剤タンク50が収容部31に収容された状態で、立ち上がり部39は、処理剤タンク50この場合洗剤タンク501の下方に位置するように設けられている。
注水通路363は、下流部つまり背面側端部においてタンク収容部312と連通している。そのため、例えばユーザがタンク収容部312に水を流して清掃した際に、注水通路363を介して収容部出口38から排水することができる。
収容部出口38は、立ち上がり部39に形成された開口である。そのため、収容部出口38は、図8に示すようにタンク収容部312の下方に形成されている。この場合、収容部出口38は、立ち上がり部39のうち前後方向に垂直な面を形成する部分つまり注水通路363を流れる水の進行方向に対して概ね垂直な面に設けられている。収容部出口38は、立ち上がり部39を前後方向につまり立ち上がり部39の厚み方向に貫いて形成されている。収容部出口38は給水管25を介して水槽12に接続されている。
第1底部361と第2底部362とは、注水口37側から注水通路363側又は収容部出口38側に向かって下がるように傾斜している。換言すると、第1底部361と第2底部362とは、洗濯機10の左右方向に関して中心部から離れる向きこの場合左側に行くにつれて低下するように傾斜している。このため、注水口37からケース収容部311に注水された水は、第1底部361の傾斜に沿って自然に注水通路363まで到達する。更に、注水通路363は収容部出口38に向かって傾斜しているため、水を収容部出口38から排出しやすくなっている。
第1底部361は、基本的に第2底部362よりも床面からの高さ位置が高く設定されている。そのため、第1底部361の方が注水通路363との間の高さの差が大きくなり、注水口37からケース収容部311に注水された水は、勢いよく注水通路363に流れ落ちやすくなる。また、注水口37から処理剤ケース40を通過して或いは通過しないで第1底部361に落下する水の落下高さは比較的低く設定されているため、水が第1底部361で過度に飛び撥ねることが抑制される。
図5~図8等に示すように、隔壁部60は、第1底部361と第2底部362との間から上方に突出して設けられている。隔壁部60は、注水口37からケース収容部311に注水された水が、タンク収容部312に侵入することを抑制する。本実施形態では、隔壁部60は、左右方向に延びて、ケース収容部311とタンク収容部312とを前後方向に区分している。
隔壁部60は、収容部31の左右方向の幅の一部又は全体に亘って設けられている。本実施形態では、隔壁部60は、収容部31の左右方向の幅の一部に亘って設けられている。隔壁部60は、少なくとも注水口37寄りつまり収容部31の右側部分に設けられている。つまり、隔壁部60は、注水口37が設けられた右側部353から注水通路363に向かってつまり左方に延びている。
隔壁部60の左端部は、左側部352から離れた位置に設けられている。本実施形態では、隔壁部60の左端部の根本部分つまり底部36との接続部分は、第1底部361と注水通路363との境界部分に概ね一致する。つまり、隔壁部60は、少なくとも第1底部361の幅全体に亘って設けられている。隔壁部60の左右方向の幅は、例えば収容部31の左右方向の幅の1/2以上~3/4以上に設定することができる。本実施形態では、隔壁部60の左右方向の幅は、収容部31の左右方向の幅の2/3程度に設定されている。
図7に示すように、隔壁部60の上端部61の床面からの高さ位置は、隔壁部60の幅全体に亘って概ね一定に設定されている。つまり、隔壁部60の上端部61は、水平な方向に延びている。隔壁部60は、段部3511と同様に、処理剤ケース40を支持する支持部として機能する。隔壁部60と段部3511とは、向かい合って設けられている。また、本実施形態では、隔壁部60の左右方向の幅寸法と、段部3511の左右方向の幅寸法とは、概ね同一に設定されている。
処理剤ケース40は、図9~図14等に示すように、壁部41、42と、上縁部43と、仕切り部44と、底部45と、底部開口46と、排水筒47と、被支持部48、49と、を有する。壁部41、42は、処理剤ケース40の容器形状の外周部を形成する。上縁部43は、壁部41、42から上方に突出して形成され、洗濯処理剤が処理剤ケース40から溢れたり飛び散ったりすることを抑制する機能を有する。仕切り部44は、投入部401と投入部402との間に設けられて、ユーザが洗濯処理剤を投入部401、402の一方に投入する際に洗濯処理剤が他方に侵入したり飛び散ったりすることを抑制する機能を有する。
底部45は、処理剤ケース40の容器形状の底面を形成する。底部開口46は、洗剤投入部401の底面に形成された開口部であり、洗剤投入部401に注水された水や投入された洗剤の処理剤ケース40からの出口となる。排水筒47は、仕上げ剤投入部402の底部45から上方に突出して設けられている。排水筒47はキャップ70と共に、仕上げ剤投入部402に注水された水や投入された仕上げ剤を処理剤ケース40から排出するサイフォン機構を構成する。詳細は図示しないが、キャップ70は、上部が閉じて下部が開口した中空の有底筒状に形成された筒部を有し、筒部は排水筒47を挿入可能に構成されている。
それぞれ一又は複数この場合6個の被支持部48、49は、処理剤ケース40の外面側に設けられている。被支持部48は、処理剤ケース40において洗剤投入部401側の外面に設けられている。被支持部49は、処理剤ケース40において仕上げ剤投入部402側の外面に設けられている。被支持部48、49は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で、支持部としての段部3511又は隔壁部60の上端部61に直接または間接的に接して下方から支持される。本実施形態では、被支持部48は、隔壁部60の上端部61に直接接して支持される。被支持部49は、段部3511の上端部61に直接接して支持される。
壁部41、42は、それぞれ洗剤投入部401と仕上げ剤投入部402との外周部を形成する。壁部41は、前壁部411と、左壁部412と、右壁部413と、背壁部414とを備える。前壁部411は、洗剤投入部401の前側の面を形成する。左壁部412と右壁部413とは、洗剤投入部401の左右側の面を形成する。背壁部414は、洗剤投入部401の後ろ側の面を形成する。壁部42は、前壁部421と、左壁部422と、右壁部423と、背壁部424とを備える。前壁部421は、仕上げ剤投入部402の前側の面を形成する。左壁部422と右壁部423とは、仕上げ剤投入部402の左右側の面を形成する。背壁部424は、仕上げ剤投入部402の後ろ側の面を形成する。壁部41、42の上端部は、処理剤ケース40の全体に亘って概ね水平に延びる一の面上に位置する。つまり、各壁部411、412、413、414、421、422、423、424の上端部の床面からの高さ位置は、概ね同一に設定されている。
図10--~図14等に示すように、洗剤投入部401の各壁部411、412、413、414は、下に行くほど底部開口46に近づくように傾斜している。つまり、各壁部411、412、413、413は、下に行くほど洗剤投入部401の中心に向かうように傾斜している。これにより、洗剤投入部401に投入された洗濯処理剤や水が底部開口46から排出されやすくなっている。
図13及び図14に示すように、隔壁部60のケース収容部311側の面部62は、背壁部414の傾斜に沿って傾斜している。つまり面部62は、前に向かうほど低下する傾斜面を形成する。面部62は、隔壁部60の左右方向の幅の概ね全体に亘って、背壁部414と近接して平行な面を形成している。換言すると、面部62は、少なくとも底部開口46の左右方向の幅の全体に亘って、背壁部414と近接して平行な面を形成している。そのため、面部62と背壁部414との間には、隙間がわずかに形成されているか隙間が形成されず面接触している。これにより、底部開口46から落下した水や洗濯処理剤が第1底部361で上方に撥ね返ったとしても、隔壁部60と処理剤ケース40との間を通ってタンク収容部312に侵入することが抑制される。本実施形態では、面部62と背壁部414との間には、わずかな隙間が形成されている。なお、他の実施形態では、面部62と背壁部414とが面接触する構成であっても良い。
ここで、洗剤投入部401に注入された水が全て、底部開口46から第1底部361まで概ね鉛直下方に落下する場合について検討する。この場合、底部開口46から第1底部361までの高低差と、第1底部361は水の落下方向に対して概ね垂直な面を形成していることとにより、水は第1底部361で跳ね返って飛び散る虞がある。これに対して、本実施形態において、底部開口46は面部62の上方であって平面視において少なくとも一部が面部62と重なる領域に設けられている。換言すると、底部開口46と面部62とは、少なくとも一部が上下方向に重なっている。面部62は、底部開口46の少なくとも手前側部分ではなく、奥側部分つまりタンク収容部312に近い側と上下方向に重なっている。
これにより、底部開口46を通過した水は、少なくとも一部が直接第1底部361に落下せず、傾斜する面部62に落下する。底部開口46と面部62との間の高低差は底部開口46と第1底部361との間の高低差よりも小さいため、面部62に落下した水は第1底部361に落下した場合よりも飛び散りにくい。また、面部62は、傾斜しているため、面部62に落下した水は面部62の傾斜に沿って更に下方に導かれる。この場合、面部62は下に行くほどケース収容部311の中心に向かって換言するとタンク収容部312から離れる方向に傾斜していることから、面部62に落下した水は、タンク収容部312から離れる方向に導かれる。したがって、底部開口46から落下した水の飛び散りや、タンク収容部312への侵入を抑制することができる。なお、面部62は、タンク収容部312に近い側と上下方向に重なっているため、水がタンク収容部312に侵入することを効果的に抑制できる。
洗剤投入部401の背壁部414の上端部は、洗剤投入部401の外側つまり後方に向けて張り出している。また、仕上げ剤投入部402の前壁部421の上端部は、仕上げ剤投入部402の外側つまり前方に向けて張り出している。そのため、処理剤ケース40断面積は、処理剤ケース40の上端部又は壁部41、42の上端部においてよりも、処理剤ケース40の下端部において小さくなるように設定されている。
上縁部43は、前縁部431と、左縁部432と、背縁部433と、を有する。前縁部431は、前壁部421の上端部から上方に延びて、上縁部43の前側の面を形成する。左縁部432は、左壁部412、422の上端部から上方に延びて、上縁部43の左側の面を形成する。背縁部433は、背壁部414の上端部から上方に延びて、上縁部43の後ろ側の面を形成する。なお、右壁部413、423の上方は、注水口37に面し、処理剤ケース40への水の流入口となるため、上縁部43は設けられていない。上縁部43の上端部の床面からの高さ位置は、概ね開口部34の床面からの高さ位置と同一である。
図4において、隔壁部60は破線で示されている。処理剤ケース40が収容部31に装着された状態で、処理剤ケース40は、少なくとも一部が平面視で隔壁部60と重なる位置に配置される。つまり、処理剤ケース40は、少なくとも一部が隔壁部60と上下方向に重なるように収容部31に収容される。この場合、背縁部433の少なくとも一部と、背壁部414の上部の少なくとも一部が隔壁部60の上方に位置する。そのため、処理剤ケース40が収容部31に装着された状態で、隔壁部60の上端部61はユーザから視認されない。
図4において、段部3511は破線で示されている。処理剤ケース40が収容部31に装着された状態で、処理剤ケース40は、少なくとも一部が平面視で段部3511と重なる位置に配置される。つまり、処理剤ケース40は、少なくとも一部が段部3511と上下方向に重なるように収容部31に収容される。この場合、前縁部431の少なくとも一部と、前壁部421の上部の少なくとも一部が段部3511の上方に位置する。そのため、処理剤ケース40が収容部31に装着された状態で、段部3511はユーザから視認されない。
図14に示すように、注水口371、372、373の上端部の床面からの高さ位置は、上縁部43の上端部の床面からの高さ位置よりも下方に設定されている。つまり、前縁部431、左縁部432、及び背縁部433は、注水口371、372,373よりも上方まで延びている。そのため、注水口371、372、373から各投入部401、402に注入された水が、処理剤ケース40の外部に飛び散ることが抑制される。右壁部413、423の上端部の床面からの高さ位置は、注水口37の上端部の床面からの高さ位置よりも下方に設定されており、右壁部413、423の上端部と、前縁部431と、背縁部433とによって囲まれた部分が、各投入部401、402への水の流入口となる。
本実施形態では、第1注水口371及び第3注水口373の下端部の床面からの高さ位置は、右壁部413、423の上端部の床面からの高さ位置以上に設定されている。より具体的には、第1注水口371及び第3注水口373の下端部の床面からの高さ位置は、右壁部413、423の上端部の床面からの高さ位置とほぼ同一に設定されている。そのため、第1給水弁231が第1給水経路221側に開放されると、給水管24を通って第1注水口371まで来た水は、右壁部413の上端部の上方を通って、投入部401に注水される。また、第1給水弁231が第3給水経路223側に開放されると、給水管24を通って第3注水口373まで来た水は、右壁部423の上端部の上方を通って、投入部402に注水される。
一方、第2注水口372の下端部の床面からの高さ位置は、右壁部413、423の上端部の床面からの高さ位置よりも低くに設定されている。つまり、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で、第2注水口372は、一部が露出し、一部が処理剤ケース40に覆われている。そのため、第2給水弁232が開放されて第2給水経路222に水が流れると、給水管24を通って第2注水口372まで来た水は、一部は右壁部413の上端部の上方を通って投入部401に注水される。残りの部分は右壁部413と収容部31の右側部353との間を通って、第1底部361に流れ落ちる。この際、第2注水口372から投入部401に注水されなかった水は、処理剤ケース40の右壁部413の外側表面や収容部31の外周部35をつたって、処理剤ケース40からこぼれたり溢れたりする等して処理剤ケース40の外部に付着した洗濯処理剤を洗い流す。
仕切り部44は、処理剤ケース40内の上部の空間を前後方向又は左右方向に仕切って、投入部401側と投入部402側とに区分する。本実施形態では、仕切り部44は左右方向に延びて、処理剤ケース40内の空間を前後方向に仕切っている。この場合左右方向に延びるとは、厳密に左右方向に平行に延びることのみを意味せず、左右方向の成分を主に含む方向に延びることを意味する。本実施形態では、仕切り部44は、左右方向に対して傾斜している。例えば、仕切り部44は、洗濯機10の左右方向に関する中心寄りこの場合右側端部が、洗濯機10の左右方向に関する外側寄りこの場合左側端部よりも手前側になるように左右方向に対して傾斜して形成されている。すなわち、投入部401と投入部402とは、それぞれ全体として平面視において概ね台形に形成されている。なお、底部開口46も、全体として平面視において概ね台形に形成されている。
仕切り部44は、注水口371、372、373の上端部よりも上方まで延びている。そのため、仕切り部44は、第1注水口371又は第2注水口372から洗剤投入部401に注水した場合には水が仕上げ剤投入部402側に侵入することを抑制する。また、仕切り部44は、第3注水口373から仕上げ剤投入部402に注水した場合には水が洗剤投入部401側に侵入することを抑制する。
なお、仕切り部44には、切欠き部441が設けられている。切欠き部441は、投入部402側に一度に大量の水が注水されてしまい、排水筒47からの排水が追い付かない場合に、投入部401側に水を溢れさせる溢水部として機能する。
底部45は、処理剤ケース40の容器形状の底面を形成する。底部45は、少なくとも投入部401又は投入部402のいずれか一方の容器形状の底面を形成する。本実施形態では、底部45は、投入部402の容器形状の底面を形成する。
底部開口46は、投入部401の容器形状の底部を厚み方向に貫通して形成された開口で、投入部401の内部と、投入部401の下方の空間とを連通する。底部開口46は、投入部401に投入された粉末状又は液状の洗濯処理剤や注入された水を流し落として、処理剤ケース40の外部つまり収容部31内の下流部分に流す機能を有する。なお、本実施形態では投入部401の容器形状の底部に該当する部分は全体が開口して底部開口46となっているが、他の実施形態では、投入部401に底部45を設け、その底部45の一部に底部開口46を設ける構成であっても良い。
底部開口46は、平面視で処理剤ケース40の注水口37寄りつまりこの場合右寄りに設けられている。底部開口46の左右方向の幅は、例えば処理剤ケース40の左右方向の幅の約1/3~約2/3に設定することができる。本実施形態では、底部開口46の左右方向の幅は、処理剤ケース40の左右方向の幅の約1/3~約2/3に設定されている。
図4に示すように、底部開口46の反注水口37側の端部つまりこの場合左端部は、隔壁部60の左端部と左右方向に関して概ね同一の位置か、隔壁部60よりも注水口37寄りつまりこの場合右側に配置されている。ここで反注水口37側とは、注水口37から離れる側を意味する。本実施形態では、底部開口46の反注水口37側の端部は、隔壁部60の左端部と左右方向に関して概ね同一の位置に配置されている。つまり、底部開口46は、第1底部361の鉛直上方に位置する。そのため、底部開口46は、平面視において注水通路363と上下方向に重なっていない。換言すると、底部開口46は、平面視において注水通路363よりも注水口37寄りの領域に設けられている。
投入部401にユーザによって投入された洗濯処理剤のうち一部は、直ぐに底部開口46から第1底部361に落下する。第1給水弁231又は第2給水弁232が開放されて第1注水口371又は第2注水口372を通して投入部401に水が注水されると、水は投入部401に残っていた洗濯処理剤を洗い流しながら、底部開口46から落下する。第1底部361は反注水口37側つまりこの場合左方に向けて下降する傾斜面を形成している。そのため、第1底部361に到達した水又は洗濯処理剤を含む水は、反注水口37側つまりこの場合概ね左方に向けて流れる。そして、水又は洗濯処理剤を含む水は、注水通路363まで到達すると、後方に向けて下降する注水通路363の傾斜に従って、収容部出口38に向けて流れる。つまり、底部開口46を流れ出た水又は洗濯処理剤を含む水は、一直線上を収容部出口38に向かって流れるのではなく、左側に向かって流れた後、約90°向きを変えて後方に向かって流れる。
排水筒47は、図4及び図10~図13に示すように平面視で処理剤ケース40の反注水口37側つまりこの場合左寄りに設けられている。本実施形態では、排水筒47は、底部開口46の左端部よりも左側に設けられている。排水筒47は、注水通路363の鉛直上方に位置する。
図13及び図14に示すように、底部開口46及び排水筒47の下端部は、処理剤ケース40の下端部に位置する。処理剤ケース40の下端部は、隔壁部60の上端部61よりも下方に位置する。また、処理剤ケース40の下端部は、段部3511よりも下方に位置する。換言すると、処理剤ケース40の開口部34からの深さ寸法は、隔壁部60の上端部61及び段部3511の開口部34からの深さ寸法よりも深く設定されている。
排水筒47から流れ出た水又は洗濯処理剤は、落下して第1底部361に到達する。この場合、排水筒47から流れ出た水又は洗濯処理剤を含む水は、注水通路363に落下する。その後、水又は洗濯処理剤を含む水は後方に向けて下降する注水通路363の傾斜に従って、収容部出口38に向けて流れる。
収容部31の下流部において、水又は洗濯処理剤を含む水は、処理剤ケース40の長辺と直交する方向に沿って収容部出口38に向けて流れる。この場合、収容部31の下流部において、水又は洗濯処理剤を含む水は、前後方向に沿って収容部出口38に向けて流れる。ここで処理剤ケース40の長辺と直交する方向又は前後方向とは、必ずしも厳密に90°の角度で交わる方向又は前後方向のみを意図するのではなく、処理剤ケース40の長辺と直交する方向又は前後方向の成分を主に含む方向を意図する。
複数の被支持部48は、図9~図14に示すように、背壁部414の外面側において、外側に張り出した上端部から下方に向けて突出して形成されている。複数の被支持部49は、前壁部421の外面側において、外側に張り出した上端部から下方に向けて突出して形成されている。複数この場合それぞれ6個の被支持部48、49は、左右方向に概ね等間隔に配置されている。被支持部48、49は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態でそれぞれ隔壁部60又は段部3511と対向する部分に設けられている。本実施形態では、隔壁部60と、段部3511とは、収容部31の注水口37寄りつまりこの場合右側に設けられている。そのため、被支持部48、49は、処理剤ケース40の左右方向の全体に亘って設けられず、注水口37寄りつまり右寄りに設けられている。なお、他の実施形態では、被支持部48、49は、処理剤ケース40の左右方向の全体に亘って設けても良い。
各被支持部48、49は、板状に形成されて、下端部が水平な方向に延びる面を形成する。被支持部48、49の下端部はそれぞれ、処理剤ケース40が収容部31に装着された状態で、隔壁部60の上端部61と段部3511とに接触する接触面となる。
処理剤ケース40は、適切な向きで装着しなければ収容部31に正常に収容されない。つまり、処理剤ケース40は平面視矩形に形成されているため、ユーザが誤って例えば180°回転させた状態で収容部31に装着してしまうことがあり得る。しかし、適切な向きでなければ、被支持部48、49の少なくともいずれか一方が収容部31と干渉して、処理剤ケース40を正常に収容部31に収容することができない構成となっている。
図12に示すように、被支持部48の上下方向の長さ寸法L1は、被支持部49の上下方向の長さ寸法L2よりも短く設定されている。つまり、被支持部48の下端部は被支持部49の下端部よりも上方に位置している。図14に示すように、隔壁部60の上端部61の天面部111からの深さ位置D1は、段部3511の天面部111からの深さ位置D2よりも浅く設定されている。つまり、隔壁部60の上端部61は、段部3511よりも上方に位置している。そのため、被支持部48と隔壁部60の上端部61との設置面は、被支持部49と段部3511との設置面よりも上方に位置する。換言すると、被支持部48の収容部31との設置面と、被支持部49の収容部31との設置面とは、高さ位置が異なるように設定されている。長さ寸法L2と長さ寸法L1との差分は、深さ位置D2と深さ位置D1との差分に等しくなるように設定されている。
処理剤ケース40を180°回転させた状態で収容部31に挿入すると、被支持部49が、被支持部48と段部3511とが接触するよりも先に隔壁部60の上端部61に接触してしまう。つまり、処理剤ケース40は、開口部34よりも上方に突出した状態で、下方への移動が規制される。また、被支持部48と段部3511とは接書していない状態なので、処理剤ケース40には多少傾きやがたつきが生じる。したがって、ユーザは、処理剤ケース40の向きが適切でないことを容易に認知することができる。
処理剤ケース40を収容する空間と、処理剤タンク50を収容する空間とを1つの収容部31内とした。この場合、そのままでは、ユーザによって処理剤ケース40に投入された洗濯処理剤や、注水口37から処理剤ケース40に注水された水が、処理剤タンク50を収容する空間に流れ込んだり、飛び散ったりして侵入してしまう可能性がある。そして、洗濯運転において処理剤タンク50の収容空間には積極的に注水しないので、処理剤タンク50の外面部等に洗濯処理剤や洗濯処理剤を含んだ水が付着すると、洗濯運転では洗い流されずにそのまま固着してしまう虞がある。
これに対し以上説明した本実施形態によれば、衣類処理装置としての洗濯機10は、外箱11と、水槽12と、収容部31と、処理剤ケース40と、処理剤タンク50と、を備える。外箱11は箱状に形成されている。水槽12は外箱11内に設けられている。収容部31は、外箱11内に設けられ、外箱11の天面部111側に形成された開口部34を有する。処理剤ケース40は、上部が開口した容器状に形成されて、ユーザによる洗濯運転1回分の洗濯処理剤の投入を受けて水槽12に供給する。処理剤タンク50は、容器状に形成されて、内部に洗濯運転複数回分の洗濯処理剤を貯留可能に構成されている。収容部31は、処理剤ケース40と処理剤タンク50とを水平方向に並べた状態で着脱可能に収容する。収容部31は、隔壁部60を有する。隔壁部60は、処理剤ケース40を収容する空間であるケース収容部311と処理剤タンク50を収容する空間であるタンク収容部312とを少なくとも部分的に区画する。
これによれば、隔壁部60を設けることで、注水口37から処理剤ケース40に注水された水が処理剤タンク50側に流れ込んだり、飛び散ったりして侵入することを抑制できる。そのため、処理剤タンク50の外部面及び処理剤タンク50の収容空間であるタンク収容部312内を清潔に保つことができ、ユーザによる掃除等の作業負担を軽減することができる。したがって、ユーザの利便性や清潔さを向上した洗濯機10が提供される。
ここで、隔壁部60の上端部61の高さ位置が底部開口46の高さ位置よりも低い場合について検討する。この場合、ケース収容部311の底部36を流れる水がタンク収容部312に流れ出ることを抑制はできたとしても、底部開口46から流れ落ちる洗濯処理剤又は水が、隔壁部60の上方を超えてタンク収容部312に侵入してしまう虞がある。
これに対し、処理剤ケース40は、底部に処理剤ケース40の内部と外部とを連通する底部開口46を有する。隔壁部60の上端部61の床面からの高さ位置は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で底部開口46の床面からの高さ位置よりも高く設定されている。
これによれば、底部開口46から流れ落ちる洗濯処理剤又は水が、隔壁部60の上方を超えてタンク収容部312に侵入することを効果的に抑制することができる。よって、処理剤タンク50及びタンク収容部312を清潔に保つことができ、ユーザによる掃除等の作業負担を軽減することができる。したがって、ユーザの利便性や清潔さを向上した洗濯機10が提供される。
隔壁部60は、処理剤ケース40と処理剤タンク50とが並ぶ方向と平行な方向から見たときに底部開口46と重なる領域に少なくとも設けられている。本実施形態では、隔壁部60は、前後方向に見た場合つまり正面視で底部開口46と重なる領域に少なくとも設けられている。
つまり、隔壁部60は、左右方向に関して、正面視で少なくとも底部開口46の右端部から左端部までと重なる領域に設けられている。そのため、底部開口46から下方に流れ落ちた洗濯処理剤又は水が、タンク収容部312に侵入することを抑制できる。よって、処理剤タンク50及びタンク収容部312を清潔に保つことができ、ユーザによる掃除等の作業負担を軽減することができる。したがって、ユーザの利便性や清潔さを向上した洗濯機10が提供される。
ここで、隔壁部60を設けたことで、収容部内の自由な空間の容積が少なくなってしまう虞がある。例えば隔壁部60を処理剤ケース40よりも背部側つまりタンク収容部312寄りに設けると、タンク収容部312が狭くなってしまい、処理剤タンク50の容積を圧迫してしまう。この場合、ユーザが処理剤タンク50に洗濯処理剤を投入する頻度が多くなり、自動投入の利点が十分に発揮されないこととなる。一方、処理剤タンク50の容積を確保しようとすると、ケース収容部311が狭くなり、処理剤ケース40を小型化する必要がある。この場合、ケース収容部311に洗濯処理剤を投入し難くなり、ユーザの作業性が悪化する虞がある。また、隔壁部60を設けても、隔壁部60と処理剤ケース40との間に隙間がある場合、ケース収容部311から撥ねたり飛び散ったりした水や洗濯処理剤がタンク収容部312に侵入する虞がある。
これに対し、処理剤ケース40の上縁部43は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で少なくとも一部が隔壁部60と上下方向に重なる。この場合、背縁部433の少なくとも一部が隔壁部60と上下方向に重なる。隔壁部60は、収容部31に処理剤ケース40が収容された状態で処理剤ケース40を支持する。
これによれば、隔壁部60を、処理剤ケース40の下方に設けたので、平面視において処理剤ケース40の面積を確保することができる。したがって、洗濯処理剤投入時のユーザの作業性が維持される。更に、隔壁部60と処理剤ケース40とが接しているので、処理剤ケース40と隔壁部60との間の隙間を通って、飛び散った洗濯処理剤や水がタンク収容部312に侵入することを抑制できる。したがって、処理剤タンク50及びタンク収容部312を清潔に保つことができ、ユーザによる掃除等の作業負担を軽減することができる。
更に、隔壁部60の処理剤ケース40と対向する面である面部62は、処理剤ケース40の壁部41この場合背壁部414と平行に延びている。本実施形態では、隔壁部60の前側の面部62は、背壁部414の傾斜に沿った傾斜面を形成している。
これによれば、処理剤ケース40と隔壁部60との間の隙間を通って飛び散った洗濯処理剤や水がタンク収容部312に侵入することを一層効果的に抑制できる。したがって、ユーザの利便性や清潔さを向上した洗濯機10が提供される。
収容部31は、隔壁部60と対向する外周部35この場合前部351に下方において収容部31の内側に向かって突出し上方において収容部31の外側に向かって窪むように形成された段部3511を有する。隔壁部60と、段部3511とは、互いに対向して処理剤ケース40を支持する。
これによれば、収容部31は、処理剤ケース40の背壁部414側だけでなく対向する前壁部421側からも支持するので、処理剤ケース40を安定して保持することができる。したがって、処理剤ケース40のがたつきや、傾きを抑制することができる。
ここで、処理剤ケース40は、例えばユーザの手前側に仕上げ剤投入部402、背面側に洗剤投入部401が設けられている。処理剤ケース40は概ね矩形に形成されているので、180°回転させても平面視の外形は変わらない。そのため、ユーザが誤って180°回転させて収容部31に装着させてしまい、洗剤投入部401と仕上げ剤投入部402とが不適切になってしまう可能性がある。不適切な向きでも処理剤ケース40が収容部31に装着できた場合、洗濯処理剤や水が溢れたり流れなかったりするなど、洗濯運転が正常に実行されなかったり、収容部31周辺が汚れてしまう虞がある。
これに対し、隔壁部60の上端部61の高さ位置は、段部3511の高さ位置と異なるように設定されている。本実施形態では、隔壁部60の上端部61の高さ位置は、段部3511の高さ位置よりも高く設定されている。換言すると、処理剤ケース40の隔壁部60寄りの被支持部48の下端部の高さ位置は、段部3511寄りの被支持部49の下端部の高さ位置とは異なって設定されている。
これによれば、処理剤ケース40を例えば180°回転させて収容部31に装着しようとしても、隔壁部60と被支持部49とが接触した状態で段部3511と被支持部48とを接触させようとすると、処理剤ケース40が手前側に向かって下がるように傾斜してしまう。そのため、処理剤ケース40は、例えば180°回転させると、正常な状態で収容部31に装着することができない。したがって、ユーザが処理剤ケース40を誤って180°回転させて収容部31に装着させてしまい、洗濯処理剤の投入が正常に行われない事態を回避することができる。したがって、ユーザの利便性や清潔さを向上した洗濯機10が提供される。
ここで、注水口37から処理剤ケース40に注水された水は、重力を受けて比較的注水口37の近くで底部36に落下する。また、底部開口46は処理剤ケース40の左右方向の幅に関して注水口37寄りに設けられているため、ユーザにより投入された洗濯処理剤や注水口37から注水された水は、一層注水口37の近くにおいて底部36に落下しやすい。
収容部31は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で処理剤ケース40に外部の水源からの水を供給する入り口となる注水口37を有する。ケース収容部311とタンク収容部312とは、処理剤ケース40よりも下方において、収容部31の注水口37と反対側つまりこの場合左右方向に関する反対側で連通している。具体的には、ケース収容部311とタンク収容部312とは、収容部31の右側に設けられた注水口37と反対側である左側部分において連通している。この場合、ケース収容部311とタンク収容部312とは、少なくとも処理剤ケース40よりも下方で連通している。本実施形態では、ケース収容部311とタンク収容部312とは、収容部31の左側部分に設けられた注水通路363の上方において収容部31の高さ方向全体に亘って連通している。
すなわち隔壁部60は、少なくとも注水口37寄りの部分において、ケース収容部311とタンク収容部312とを隔てている。隔壁部60の延びる方向この場合左右方向に関して、注水口37と連通部分とは反対側に設けられている。つまり、注水口37は収容部31の右側に設けられ、連通部分は収容部31の左側に設けられている。このため、注水口37から注水されて流れ落ちた水が、底部36で撥ねたり飛び散ったりしても、タンク収容部312に侵入することが抑制される。したがって、処理剤タンク50及びタンク収容部312をより清潔に保ちやすくなる。
なお、別の実施形態では、ケース収容部311とタンク収容部312とは、前後方向に関して注水口37と反対側となる部分において連通している構成であっても良い。例えば、注水口37を前部351に設けた場合、ケース収容部311とタンク収容部312とは、前後方向に関して注水口37と反対側となるケース収容部311の背面側部分において連通しても良い。
更になお、収容部31は、注水口37と、収容部出口38と、注水通路363と、を有する。注水口37は、処理剤ケース40が収容部31に収容された状態で処理剤ケース40に外部の水源からの水を供給する供給口となる。収容部出口38は、水槽12に直接又は間接的に接続され処理剤ケース40に注水された水の収容部31からの出口となる。注水通路363は、注水口37から注水された水やユーザによって処理剤ケース40に投入された洗濯処理剤を収容部出口38まで導く。注水通路363は、収容部31の注水口37と反対側部分この場合左右方向に関する反対側部分においてタンク収容部312と連通している。
なお、上記実施形態では、各被支持部48、49と、それぞれを支持する隔壁部60の上端部61又は段部3511との接触面の高さ位置を異なるように設定することで、処理剤ケース40の誤装着を抑制しているが、これに限らない。例えば、各被支持部48、49と、それぞれを支持する隔壁部60の上端部61又は段部3511との接触面の形状を、正しい組み合わせでは互いに適合するが、誤った組合せでは適合しない形状とすることで、処理剤ケース40の誤装着を抑制する構成であっても良い。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。