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JP2023094409A - インサート成形品の製造方法及びインサート成形品 - Google Patents

インサート成形品の製造方法及びインサート成形品 Download PDF

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JP2023094409A JP2021209874A JP2021209874A JP2023094409A JP 2023094409 A JP2023094409 A JP 2023094409A JP 2021209874 A JP2021209874 A JP 2021209874A JP 2021209874 A JP2021209874 A JP 2021209874A JP 2023094409 A JP2023094409 A JP 2023094409A
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JP2021209874A
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輝夫 神田
Teruo Kanda
健司 渡部
Kenji Watabe
貴広 伊藤
Takahiro Ito
高幸 松尾
Takayuki Matsuo
裕大 藤井
Yuudai Fujii
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

【課題】インサート成形品において、シート材の端部におけるシート材の剥離を簡便な構成でより確実に抑制し、インサート成形品の耐久性を向上させる。【解決手段】シート材110と、基材樹脂層130と、を備えたインサート成形品100の製造方法である。シート材110の端部111に、凹凸状の切欠き部112を、該端部111の縁111Aに沿って連続的に形成する端部加工工程と、シート材110を成形型200内に配置する配置工程S2と、射出工程S4と、を備え、成形型200は、切欠き部112に対向する位置に、該シート材110側に向かって凹状の段差部207を有しており、段差部207により、シート材110の端部111の一部と成形型200との間に間隙部208が形成されており、射出工程S4で、切欠き部112を介して、間隙部208に、基材樹脂131を回り込ませる。【選択図】図8

Description

本開示は、インサート成形品の製造方法及びインサート成形品に関する。
従来、例えば加飾部品等として、シート材と、該シート材の裏面に形成された基材樹脂層と、を備えたインサート成形品が用いられている。インサート成形品の劣化として、シート材の基材樹脂層からの剥離や、シート材が積層構造を有する場合は層間の界面剥離等が問題となるが、剥離の起点はシート材の端部であることが多い。例えば、特許文献1には、成形樹脂による固定部を形成してインサートフィルムの端部を覆うことにより、端部の剥離を抑制する技術が開示されている。
特開2018-94813号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、固定部を形成するためのキャビティ形状が簡素ではなく、製造に係る工数及びコスト面等において問題があった。
そこで本開示では、インサート成形品において、シート材の端部におけるシート材の剥離を簡便な構成でより確実に抑制し、インサート成形品の耐久性を向上させる。
上記の課題を解決するために、ここに開示するインサート成形品の製造方法の一態様は、
シート材と、該シート材の裏面に形成された基材樹脂層と、を備えたインサート成形品の製造方法であって、
上記シート材の端部に、凹凸状の切欠き部及び複数の開口部の少なくとも一方を、該端部の縁に沿って連続的に形成する端部加工工程と、
上記シート材を成形型内に配置する配置工程と、
上記シート材の裏面側に上記基材樹脂層の原料である基材樹脂を射出する射出工程と、を備え、
上記成形型は、該成形型内に上記シート材を配置したときに、該シート材の端部における上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方に対向する位置に、該シート材側に向かって凸状又は凹状の段差部を有しており、
上記成形型内に上記シート材を配置した状態で、上記段差部により、上記シート材の端部の一部と該成形型との間に間隙部が形成されており、
上記射出工程で、上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方を介して、上記間隙部に、該基材樹脂を回り込ませる
ことを特徴とする。
シート材と、該シート材の裏面に形成された基材樹脂層と、を備えたインサート成形品では、シート材の端部において、シート材の剥離が生じやすい。本構成によれば、間隙部に基材樹脂を回り込ませることにより、シート材の端部における間隙部に対応する部分は、表面及び裏面の両者が基材樹脂層により覆われることになる。そうして、シート材の端部におけるシート材の剥離又は剥離の進行を抑制でき、インサート成形品の耐久性を向上できる。なお、本明細書において、「シート材の剥離」とは、基材樹脂層からのシート材の剥離、及び、シート材が積層構造を有する場合はシート材を構成する層間の界面剥離等を意味する。
好ましい態様では、上記成形型は、
上記シート材が配置されるキャビ型と、
上記キャビ型と互いの合わせ面で型閉めされることにより、上記基材樹脂が射出されるキャビティを形成するコア型と、を備えており、
上記段差部は、上記キャビ型と上記コア型とを型閉めしたときに、上記コア型における上記合わせ面の上記キャビティ側の端部が、上記キャビ型における上記合わせ面の上記キャビティ側の端部よりも、該キャビティ側に突出又は該キャビティ側から離れる方向に後退することにより形成されており、
上記配置工程で、上記シート材は、該シート材の表面が上記キャビ型の表面に接触するとともに、上記切欠き部及び開口部の少なくとも一方の上記縁側の一部が該キャビ型の上記端部から上記コア型側に突出するように、該キャビ型内に配置される。
本構成によれば、キャビ型とコア型との互いの合わせ面における上記シート側の端部の相対的な位置を調整することにより段差部を設けることができるから、簡便な構成で、基材樹脂の回り込み流動を達成できる。そうして、簡便な構成で、シート材の端部におけるシート材の剥離又は剥離の進行を抑制できる。
他の好ましい態様では、上記成形型は、
上記シート材が配置されるキャビ型と、
上記キャビ型と互いの合わせ面で型閉めされることにより、上記基材樹脂が射出されるキャビティを形成するコア型と、を備えており、
上記段差部は、上記キャビ型及び上記コア型の少なくとも一方に形成されている。
本構成によれば、キャビ型及びコア型の少なくとも一方に段差部を設けるという簡便な構成で、基材樹脂の回り込み流動を達成できる。そうして、簡便な構成で、シート材の端部の剥離又は剥離の進行を抑制できる。
また、上記端部加工工程で、上記凹凸状の切欠き部を形成することが好ましい。
本構成によれば、シート材の端部の加工は、凹凸状の切欠き部を形成するだけでよいから、簡単な構成で、基材樹脂の回り込みを達成できる。
さらに、上記間隙部は、上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方に対応して連続的に形成されていることが好ましい。
間隙部が、切欠き部及び開口部の少なくとも一方に対応して連続的に形成されているから、シート材の端部において切欠き部及び開口部の少なくとも一方が設けられた部分に、基材樹脂の回り込みを連続的に生じさせることができる。そうして、シート材の端部におけるシート材の剥離又は剥離の進行を効果的に抑制できる。
また、上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方が設けられた上記端部は、上記シート材の中央部から該シート材の裏面側に屈曲するように延設されていることが好ましい。
シート材の端部は、シート材の裏面側に屈曲しているから、基材樹脂層に覆われた部分の視認性が低下し、インサート成形品の意匠性の低下を抑制できる。
ここに開示するインサート成形品の一態様は、シート材と、該シート材の裏面に形成された基材樹脂層と、を備えたインサート成形品であって、
上記シート材の端部は、該端部の縁に沿って連続的に形成された凹凸状の切欠き部及び複数の開口部の少なくとも一方を有し、
上記端部における上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方が設けられた部分の少なくとも一部は、該シート材の表面及び裏面の両者が上記基材樹脂層により覆われている
ことを特徴とする。
シート材の端部における少なくとも一部において、該シート材の表面及び裏面が基材樹脂層により覆われているため、シート材の端部におけるシート材の剥離又は剥離の進行を効果的に抑制できる。
以上述べたように、本開示によると、シート材の端部の一部は、表面及び裏面の両者が基材樹脂層により覆われる。そうして、シート材の端部におけるシート材の剥離又は剥離の進行を抑制でき、インサート成形品の耐久性を向上できる。
実施形態1に係るインサート成形品を示す図。 シート材における端部の形状の変形例を示す図。 実施形態1に係るインサート成形品の製造方法を説明するためのフロー図。 準備工程の手順を説明するための図。 配置工程、型閉工程及び射出工程を説明するための図。 シート材の端部の配置を説明するための図。 図6のB1-B1線及びB2-B2線における断面図。 図7において基材樹脂射出後の様子及び基材樹脂の流れを説明するための図。 実施形態2に係るインサート成形品の製造方法を説明するための図7相当図。 図9において基材樹脂射出後の様子及び基材樹脂の流れを説明するための図8相当図。 実施形態2に係るインサート成形品を示す図1相当図。 本開示に係るインサート成形品の具体例を示す断面図。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
<インサート成形品>
図1に示すように、本実施形態に係るインサート成形品100は、シート材110と、該シート材110の裏面に形成された基材樹脂層130と、を備える。なお、図1の(a)は、インサート成形品100の斜視図、(b)及び(c)は、それぞれ、(a)のA1-A1線断面図及びA2-A2線断面図である。
インサート成形品100の用途は、限定されるものではないが、例えば車両用の内外装部品等や、電子機器、家電製品、建材及び家具等の筐体及び加飾部品等が挙げられ、特に高い意匠性が要求される部品等が挙げられる。
≪シート材≫
シート材110は、シート状の部材であれば材質は限定されない。具体的には例えば、シート材110は、樹脂フィルム、織物層、不織布層、薄板シート、突板、本革、薄膜金属シート等である。また、シート材110は、単一種類又は複数種類の材質のシートが複数枚積層されてなる積層構造を有していてもよい。
例えば、シート材110は、インサート成形品100の表面側に配置される耐候性、耐光性、耐久性等に優れた樹脂層と、該樹脂層の裏面側に積層された加飾層と、該加飾層の裏面側に積層された繊維層と、を備えた積層構造を有していてもよい。
≪基材樹脂層≫
基材樹脂層130は、シート材のインサート成形に用いられる公知の基材樹脂により構成することができる。限定する意図ではないが、基材樹脂としては、具体的には例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリカABS(PC/ABS)、ガラス繊維入りポリカABS(PC-ABS-GF)、ポリカPBT(PC/PBT)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)等を採用できる。
≪シート材の端部≫
図1に示すように、シート材110の端部111は、該端部111の縁111Aに沿って連続的に形成された凹凸状の切欠き部112を有している。
端部111における切欠き部112が設けられた部分の少なくとも一部は、シート材110の表面110A及び裏面110Bの両者が基材樹脂層130により覆われている。詳細には、本実施形態では、切欠き部112の先端部112Aにおいて、上記両者が基材樹脂層130により覆われている。なお、切欠き部112全体において上記両者が基材樹脂層130で覆われていてもよいが、本実施形態では、切欠き部112の基端部112Bの表面110Aは、基材樹脂層130で覆われていない。このように、切欠き部112の少なくとも一部における上記両者が基材樹脂層130で覆われていればよい。
このように、シート材110の端部111において、該シート材110の表面110Aの少なくとも一部が基材樹脂層130により覆われているため、シート材110の端部111におけるシート材110の剥離を効果的に抑制できる。
切欠き部112は、限定する意図ではないが、例えば所定のピッチP1のジグザグ状であることが好ましい。これにより、後述するシート材110の準備工程S1(端部加工工程)における端部111の加工が容易となる。ピッチP1は、限定する意図ではないが、端部111におけるシート材110の剥離を効果的に抑制する観点から、例えば1mm以上10mm以下とすることができる。また、切欠き部112の幅W1は、特に限定されるものではないが、例えばピッチP1と同様に、1mm以上10mm以下とすることができる。
なお、切欠き部112の形状は上記構成に限定されない。例えば図2に示すように、切欠き部112の先端部112A及び/又は基端部112Bに平坦部112Cを有するような形状でもよいし、図示はしないが例えば波形などの曲線形状等でもよい。
また、端部111の形状は、切欠き部112に限定されない。切欠き部112に代えて又は切欠き部112と併用する形で、例えば複数の開口部114を縁111Aに沿って連続的に形成してもよい。開口部114の形状は限定されるものではなく図2に示す円形であってもよいし、多角形状等であってもよい。開口部114のピッチP2は、限定する意図ではないが、切欠き部112のピッチP1と同様に設定できる。開口部114の径R1は、特に限定されるものではなく、ピッチP2に応じて適宜設定できる。開口部114の基端部114Bから縁111Aまでの幅W2は、限定する意図ではないが、切欠き部112の幅W1と同様に設定できる。
なお、図1に示すように、切欠き部112が設けられた端部111は、シート材110の中央部113から該シート材110の裏面110B側に屈曲するように延設されていることが好ましい。すなわち、端部111と中央部113とは屈曲部115により接続されていることが好ましい。これにより、端部111における表面110A及び裏面110Bの両者が基材樹脂層130で覆われた部分の視認性が低下するから、インサート成形品100の意匠性の低下を抑制できる。
<インサート成形品の製造方法>
本実施形態に係るインサート成形品100の製造方法の一例について説明する。
インサート成形品100の製造方法は、図3に示すように、準備工程S1と、配置工程S2と、型閉工程S3と、射出工程S4と、冷却工程S5と、型開工程S6と、を備える。
≪準備工程≫
準備工程S1は、シート材110を準備する工程である。
図4に、準備工程S1の手順の一例を示す。まず、シート材110の原料である第1前駆体105を準備する。第1前駆体105が積層構造を有する場合、原料となる層を準備し、積層させてシート材110の第1前駆体105を形成する(積層工程)。なお、積層工程は任意の工程であり、必要に応じて設ければよい。また、積層方法は、限定されず、公知の方法を採用できる。
積層工程の一例として、シート材110が、樹脂層、加飾層及び繊維層の三層構造を有する場合には、例えば、樹脂層の原料である樹脂フィルム101と、加飾層の原料である加飾シート102と、繊維層の原料である繊維シート103と、を積層させて、第1前駆体105を得ることができる。
特に、インサート成形品100が、車両用の内外装部品である場合、従来は、成形された基材樹脂層130に、接着等の手段により加飾層を設け、さらに部品の耐候性、耐光性及び耐久性等を向上させるための下塗り塗装、中塗り塗装、上塗り塗装等を行って、部品を得ることが一般的である。一方、本法では、加飾層の表面の塗装を樹脂フィルム101で代替し、樹脂層、加飾層及び繊維層の三層構造のシート材110を予め準備して、当該シート材110にインサート成形で基材樹脂層130を形成する。本法は、塗装工程を行う必要がないため、従来法に比べて、部品の製造工程を簡略化し、製造コストを削減できるため有利である。
樹脂フィルム101は、限定する意図ではないが、例えば、一様な厚さを有する透明又は半透明の樹脂製の単層又は多層フィルムで、耐候性、耐久性等に優れる。樹脂フィルム101の樹脂材料は、限定する意図ではないが、例えばフッ素を含有するアクリル樹脂等で形成される。樹脂フィルム101の厚さは限定的ではないが、例えば0.05mm~3.0mmである。
加飾シート102は、限定する意図ではないが、例えば、一様な厚さを有するシートであり、例えば突板、本革、薄膜金属シート、ポリ塩化ビニル系シート、ポリオレフィン系シート、ウレタンコート紙、コルクシート、カーボンシートなどから選択されてもよい。加飾シート102の厚さは限定的ではないが、例えば0.15mm以上3.0mm以下である。加飾シート102は、模様は、例えば杢目模様等の模様を有していてもよい。
繊維シート103は、限定する意図ではないが、例えば綿製の布、樹脂製の布等である。繊維シート103は、織物であってもよいし、不織布であってもよい。繊維シート103の厚さは限定的ではないが、例えば0.15mm以上3.0mm以下である。
次に、第1前駆体105の端部に、凹凸状の切欠き部112及び/又は開口部114を、該端部の縁に沿って連続的に形成し、第2前駆体107を得る(端部加工工程)。切欠き部112及び/又は開口部114の形成方法は、限定されるものではなく、トリミング、パンチング等の公知の手段を採用できる。
なお、端部111には、加工が容易な切欠き部112、特に所定のピッチP1のジグザグ状の切欠き部112を形成することが好ましい。これにより、簡単な構成で、シート材110の端部111の剥離を抑制できる。
そして、第2前駆体107を賦形して、インサート成形品100に必要とされる形状を有するシート材110を得る(賦形工程)。シート材110が屈曲部115を有する場合は、賦形工程において形成される。
なお、図4に示す準備工程S1の手順では、端部加工工程後に賦形工程を行う例を記載しているが、賦形工程後に端部加工工程を行ってもよいし、賦形工程と端部加工工程とを同時に行ってもよい。また、インサート成形品100の形状によっては、賦形工程が不要の場合もある。この場合は、端部加工工程後に、賦形工程を行わず、次の配置工程S2に進むことができる。
≪配置工程、型閉工程及び射出工程≫
次に、図5~図8を参照して、配置工程S2、型閉工程S3及び射出工程S4について説明する。
図5の(a)は配置工程S2、(b)は型閉工程S3及び射出工程S4のそれぞれ一例を示す図である。
図5の(a)に示すように、配置工程S2において、シート材110を成形型200内に配置する。
ここに、成形型200は、キャビ型201と、コア型203と、を備えている。
シート材110は、シート材110の表面110Aがキャビ型201の表面201Aに接触するようにキャビ型201内に配置される。キャビ型201内に配置されたシート材110は、必要に応じて吸引装置231により吸引通路233を通じて吸引される。そうして、シート材110は、キャビ型201の表面201Aに拘束される(配置工程S2)。なお、インサート成形品100の形状等により、吸引装置231によるシート材110の吸引が不要の場合は、吸引を行わなくてもよい。
図6(a)及び図7に示すように、シート材110は、端部111に形成された切欠き部112の先端部112A(縁側の一部)が該キャビ型201の端部201Cからコア型203側に突出するように配置される。これにより、後述するように、切欠き部112において、基材樹脂層130の原料である基材樹脂131のシート材110の表面110Aへの回り込みが可能となる。
次に、図5(b)に示すように、キャビ型201とコア型203とを接近させて、互いの合わせ面、すなわち、キャビ型201の合わせ面201Bとコア型203の合わせ面203Bとを当接させ、型閉めする(型閉工程S3)。そうして、図5、図7及び図8に示すように、シート材110の裏面、キャビ型201の表面201A及びコア型203の表面203Aにより、基材樹脂131が射出されるキャビティ205が形成される。
このとき、図7に示すように、コア型203は、その合わせ面203Bのキャビティ205側の端部203Cが、キャビ型201の合わせ面201Bのキャビティ205側の端部201Cよりも、キャビティ205側から離れる方向に後退した位置に配置されるように、構成されている。これにより、型閉めを行ったときに、キャビ型201の合わせ面201Bとコア型203の合わせ面203Bとにより、キャビティ205に段差部207が形成される。
上述のごとく、シート材110の切欠き部112は、その先端部112Aがキャビ型201の端部201Cからコア型203側に突出するように配置されているから、当該段差部207は、切欠き部112に対向する位置に該シート材110側に向かって凹状に設けられた段差部となる。
そして、図7のB1-B1断面に示すように、段差部207により、シート材110の切欠き部112とコア型203との間に間隙部208が形成される。
次に、図5(b)に示すように、導入ゲート204を介して、キャビティ205に溶融状態の基材樹脂131を射出する(射出工程)。こうして、シート材110の裏面110Bに基材樹脂層130を形成する。
ここに、本実施形態に係るインサート成形品100の製造方法は、基材樹脂131を射出したときに、切欠き部112と、段差部207と、により形成された間隙部208に、基材樹脂131を回り込ませることに特徴がある。
図8のB1-B1及びB2-B2断面図に示すように、基材樹脂131を射出すると、図中矢印で示す基材樹脂131の圧力により、シート材110の大部分は、キャビ型201の表面201Aに押し付けられる。一方、切欠き部112の先端部112Aは、間隙部208が存在するために、段差部207の表面に押し付けられるまでに少し時間がかかる。そうすると、図8の下方の図において矢印で示すように、切欠き部112の基端部112Bとキャビ型201の端部201Cとの間に形成された導入口112Dを通じて間隙部208に基材樹脂131が流入する。そうして、図8のB1-B1断面図に示すように、切欠き部112の先端部112Aの表面110A側に基材樹脂を回り込ませることができる。
本構成によれば、間隙部208に基材樹脂131を回り込ませることにより、切欠き部112の先端部112Aは、表面110A及び裏面110Bの両者が基材樹脂層130により覆われることになる。そうして、シート材110の端部111におけるシート材110の剥離又は剥離の進行を抑制でき、インサート成形品100の耐久性を向上できる。
なお、図6(b)に示すように、切欠き部112がキャビ型201の端部201Cよりもキャビ型201側、すなわち、切欠き部112の表面110A全体がキャビ型201の表面201Aに接触している状態では、基材樹脂131の回り込みは達成されない。これは、基材樹脂131により切欠き部112の表面110A全体がキャビ型201の表面201Aに押し付けられるためである。また、図6(c)に示すように、切欠き部112がキャビ型201の端部201Cよりもコア型203側に突出している状態、すなわち、切欠き部112の表面110A全体が間隙部208を形成している状態でも、基材樹脂131の回り込みは達成されない。これは、導入口112Dが形成されていないために、切欠き部112の表面110A全体が、基材樹脂131により、段差部207の表面に押し付けられることによる。従って、切欠き部112の一部である先端部112Aがキャビ型201の端部201Cからコア型203側に突出するように、シート材110をキャビ型201に配置することが重要である。
また、図2に示すように、切欠き部112の形状を変更する場合及び/又は開口部114を設ける場合も、キャビ型201の端部201Cの位置は、切欠き部112及び/又は開口部114に対応する位置に配置される必要がある。
なお、本構成では、キャビ型201の端部201Cとコア型203の端部203Cとの相対的な位置を調整することにより、段差部207を形成している。これにより、成形型200の大幅な設計変更を要さず、簡便な構成で、切欠き部112における基材樹脂131の回り込みを達成できる。
また、段差部207は、シート材110の切欠き部112及び/又は開口部114に対応する位置に連続的に形成されていることが好ましい。これにより、間隙部208が、切欠き部112及び/又は開口部114に対応して連続的に形成されるから、基材樹脂131の回り込みを切欠き部112及び/又は開口部114に対応して連続的に生じさせることができる。そうして、シート材110の端部111におけるシート材110の剥離又は剥離の進行を効果的に抑制できる。
≪冷却工程及び型開工程≫
基材樹脂131の射出が完了すると、例えば、射出温度から金型温度まで一定の冷却速度で冷却する。そうして、基材樹脂131を固化させ、基材樹脂層130を形成する(冷却工程S5)。そして、基材樹脂131が固化後、キャビ型201とコア型203とを開いて、インサート成形品100を離型する(型開工程S6)。
(実施形態2)
以下、本開示に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態1では、コア型203の端部203Cは、キャビ型201の端部201Cよりも、キャビティ205側から離れる方向に後退する位置に配置されるように、構成されていたが、当該構成に限られない。コア型203の端部203Cは、図9に示すように、キャビ型201の端部201Cよりも、キャビティ205側に突出するように構成されていてもよい。
これにより、段差部207は、切欠き部112に対向する位置に該シート材110側に向かって凸状に設けられた段差部となる。
そして、図9のB1-B1断面に示すように、段差部207により、シート材110の切欠き部112の基端部112Bとキャビ型201との間に間隙部208が形成される。
本構成では、基材樹脂131を射出したときに、図10に示すように、導入口112Dを通じて切欠き部112の基端部112Bとキャビ型201との間に形成された間隙部208に基材樹脂131が回り込む。
そうして、図11の(a)~(c)に示すように、切欠き部112の基端部112Bにおける表面110Aが基材樹脂層130に覆われたインサート成形品100が得られる。
なお、実施形態1、2のいずれの構成においても、基材樹脂131の回り込み速度が十分速い場合には、切欠き部112の表面110Aのより広い範囲又は全体に基材樹脂131の回り込みが生じ得る。この場合、切欠き部112の表面110Aのより広い範囲又は全体が、基材樹脂層130により覆われることになる。
(その他の実施形態)
実施形態1、2の構成では、キャビ型201の端部201Cとコア型203の端部203Cとの相対的な位置を調整することにより、段差部207を形成する構成であったが、当該構成に限られない。段差部207は、キャビ型201及びコア型203の少なくとも一方、好ましくはキャビ型201又はコア型203に形成されている構成でもよい。具体的には例えば、キャビ型201の端部201C周辺又はコア型203の端部203C周辺に段差部207を設けてもよい。この場合、図示はしないが、型閉めしたときに、シート材110の端部111に形成された切欠き部112の先端部112A(縁側の一部)及び/又は開口部114の縁111A側の一部が、段差部207におけるシート材110に接する端部(当該端部は、実施形態1の端部201C、実施形態2の端部203Cに相当)からコア型203側に突出するように、シート材110を配置すればよい。なお、成形型200の構成を簡素化する観点からは、実施形態1、2の構成が望ましい。
また、切欠き部112及び/又は開口部114は、シート材110の端部111全体に亘って設けなくてもよい。
具体的に、図12は、インサート成形品100の一例としての、自動車用内装部品である。当該部品のうち、図12の上側に位置する端部111には、切欠き部112が設けられ、切欠き部112の一部の表面110Aは、基材樹脂層130により覆われている。一方、図12の下側に位置する端部111の表面110Aには、メッキ加飾部品401が当接している。当該端部111は、メッキ加飾部品401により押圧されているために、剥離の可能性が低い。従って、このように例えば他の部品等の存在により剥離が抑制される部分には、切欠き部112及び/又は開口部114を設けなくてもよい。
本開示は、インサート成形品において、シート材の端部におけるシート材の剥離を簡便な構成でより確実に抑制し、インサート成形品の耐久性を向上させることができるので、極めて有用である。
100 インサート成形品
110 シート材
110A 表面
110B 裏面
111 端部
111A 縁
112 切欠き部
112A 先端部
112B 基端部
112D 導入口
113 中央部
114 開口部
115 屈曲部
130 基材樹脂層
131 基材樹脂
200 成形型
201 キャビ型
201A 表面
201B 合わせ面
201C 端部
203 コア型
203A 表面
203B 合わせ面
203C 端部
205 キャビティ
207 段差部
208 間隙部
S1 準備工程(端部加工工程)
S2 配置工程
S4 射出工程

Claims (7)

  1. シート材と、該シート材の裏面に形成された基材樹脂層と、を備えたインサート成形品の製造方法であって、
    上記シート材の端部に、凹凸状の切欠き部及び複数の開口部の少なくとも一方を、該端部の縁に沿って連続的に形成する端部加工工程と、
    上記シート材を成形型内に配置する配置工程と、
    上記シート材の裏面側に上記基材樹脂層の原料である基材樹脂を射出する射出工程と、を備え、
    上記成形型は、該成形型内に上記シート材を配置したときに、該シート材の端部における上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方に対向する位置に、該シート材側に向かって凸状又は凹状の段差部を有しており、
    上記成形型内に上記シート材を配置した状態で、上記段差部により、上記シート材の端部の一部と該成形型との間に間隙部が形成されており、
    上記射出工程で、上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方を介して、上記間隙部に、該基材樹脂を回り込ませる
    ことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  2. 請求項1において、
    上記成形型は、
    上記シート材が配置されるキャビ型と、
    上記キャビ型と互いの合わせ面で型閉めされることにより、上記基材樹脂が射出されるキャビティを形成するコア型と、を備えており、
    上記段差部は、上記キャビ型と上記コア型とを型閉めしたときに、上記コア型における上記合わせ面の上記キャビティ側の端部が、上記キャビ型における上記合わせ面の上記キャビティ側の端部よりも、該キャビティ側に突出又は該キャビティ側から離れる方向に後退することにより形成されており、
    上記配置工程で、上記シート材は、該シート材の表面が上記キャビ型の表面に接触するとともに、上記切欠き部及び開口部の少なくとも一方の上記縁側の一部が該キャビ型の上記端部から上記コア型側に突出するように、該キャビ型内に配置される
    ことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  3. 請求項1において、
    上記成形型は、
    上記シート材が配置されるキャビ型と、
    上記キャビ型と互いの合わせ面で型閉めされることにより、上記基材樹脂が射出されるキャビティを形成するコア型と、を備えており、
    上記段差部は、上記キャビ型及び上記コア型の少なくとも一方に形成されている
    ことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記端部加工工程で、上記凹凸状の切欠き部を形成する
    ことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記間隙部は、上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方に対応して連続的に形成されている
    ことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方が設けられた上記端部は、上記シート材の中央部から該シート材の裏面側に屈曲するように延設されている
    ことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
  7. シート材と、該シート材の裏面に形成された基材樹脂層と、を備えたインサート成形品であって、
    上記シート材の端部は、該端部の縁に沿って連続的に形成された凹凸状の切欠き部及び複数の開口部の少なくとも一方を有し、
    上記端部における上記切欠き部及び上記開口部の少なくとも一方が設けられた部分の少なくとも一部は、該シート材の表面及び裏面の両者が上記基材樹脂層により覆われている
    ことを特徴とするインサート成形品。
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