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JP2023078934A - 外界認識装置 - Google Patents

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JP2023078934A JP2021192274A JP2021192274A JP2023078934A JP 2023078934 A JP2023078934 A JP 2023078934A JP 2021192274 A JP2021192274 A JP 2021192274A JP 2021192274 A JP2021192274 A JP 2021192274A JP 2023078934 A JP2023078934 A JP 2023078934A
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Takeshi Endo
春樹 的野
Haruki Matono
健 永崎
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Abstract

【課題】対象物までの距離を、使用環境に関わらず正確に算出することができる外界認識装置を提供する。【解決手段】外界認識装置は車両に搭載される。当該外界認識装置は、ランドマークおよび対象物の画像を取得する画像取得部と、ランドマークの3次元情報を取得するランドマーク情報取得部と、ランドマークの3次元情報と、画像内におけるランドマークおよび対象物の大きさと、に基づき、対象物までの距離を推定する距離推定部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、外界認識装置に関する。
従来から、カメラを用いて車両の前方を横切る歩行者等を検知し、必要に応じてドライバへの警報や自動ブレーキを行うシステムが知られている。特に、自動運転の実現や交通事故の防止の観点から、歩行者等を検出してブレーキ制御をおこなう自動ブレーキ装置に大きな関心が寄せられている。自動ブレーキ装置では、自車両から歩行者までの距離を精度高く算出する必要がある。また、自動ブレーキ装置では、歩行者の急な飛び出しに対応するため、より広い画角領域において歩行者の距離を求めることが必要となる。
例えば特許文献1には、視野重複領域と視野非重複領域を備えるステレオカメラを利用した歩行者の距離算出方法が記載されている。具体的には、特許文献1には、視差情報から算出した路面高さを用いて、単眼領域の移動体の距離を算出するステレオカメラ装置が記載されている。当該ステレオカメラ装置では、階段の上にいる歩行者の足元の画像上の垂直座標から、路面に対する階段の高さを引いた(低くした)座標を得ている。そして、当該ステレオカメラ装置では、この得られた座標をステレオ領域まで伸ばして、その位置の路面の視差情報により歩行者の距離を求めている。
特開2017-96777号公報
ところで、特許文献1に記載のステレオカメラ装置では、取得された画像における路面のテクスチャ情報に基づいて当該路面の視差を算出し、この視差情報を歩行者の距離算出に利用している。しかしながら、例えば夜間や雨天等の、路面のテクスチャが鮮明ではない使用環境の場合、路面の視差情報を得ることが難しくなる可能性があり、歩行者の距離を正確に算出できないおそれがある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物までの距離を、使用環境に関わらず正確に算出することができる外界認識装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る外界認識装置は、車両に搭載される外界認識装置であって、ランドマークおよび対象物の画像を取得する画像取得部と、前記ランドマークの3次元情報を取得するランドマーク情報取得部と、前記ランドマークの3次元情報と、前記画像内における前記ランドマークおよび前記対象物の大きさと、に基づき、前記対象物までの距離を推定する距離推定部と、を有することを特徴とする。
本発明の外界認識装置によれば、対象物までの距離を、使用環境に関わらず正確に算出することができる。上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態の外界認識装置の概略構成を示す機能ブロック図。 図1の外界認識装置が車両に搭載された状態の一例を示す平面図。 図1の外界認識装置のランドマーク情報取得処理を示すフローチャート。 図1の外界認識装置がランドマーク情報取得処理で取得した画像の一例。 図1の外界認識装置の距離推定処理を示すフローチャート。 図1の外界認識装置が距離推定処理で取得した画像の一例。 第1実施形態の変形例の外界認識装置の概略構成を示す機能ブロック図。 図7の外界認識装置の距離推定処理を示すフローチャート。 図7の外界認識装置の近接判定処理を説明する図。 図7の外界認識装置の近接判定処理に係る別の例を示した図。 第1実施形態の別の変形例に係る外界認識装置の概略構成を示す機能ブロック図。 本発明の第2実施形態に係る外界認識装置の概略構成を示す機能ブロック図。 本発明の第3実施形態に係る外界認識装置の概略構成を示す機能ブロック図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照し説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る外界認識装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。図2は、図1の外界認識装置1が車両Vに搭載された状態の一例を示す平面図である。図3は、図1の外界認識装置1のランドマーク情報取得処理を示すフローチャートである。図4は、図1の外界認識装置1がランドマーク情報取得処理で取得した画像の一例である。図5は、図1の外界認識装置1の距離推定処理を示すフローチャートである。図6は、図1の外界認識装置1が距離推定処理で取得した画像の一例である。
外界認識装置1は、車両V(以下、自車両Vともいう)に搭載される。図1に示すように、外界認識装置1は、画像取得部10と、ランドマーク情報取得部30と、距離推定部50と、を有する。図示は省略するが、外界認識装置1は、CPU、RAM、ROMなどがバスを介して接続された構成を有し、CPUがROMに格納された各種制御プログラムを実行することで、システム全体の動作を制御する。本実施形態では、画像取得部10が、ステレオカメラとして機能する一対のカメラ10a、10b(図2)から画像を取得し、距離推定部50が、当該画像を用いて対象物としての歩行者200と自車両Vとの距離を推定する場合について説明する。本明細書で使用する「ランドマーク」とは、一対のカメラ10a、10bにより撮影される各立体物(例えば、図4に示す符号100、101、102)を意味する。本明細書において、「ランドマークの3次元情報」とは、ランドマーク100、101、102自体の高さ及び幅の少なくともいずれか一方を含む意味である。なお、「ランドマークの3次元情報」は、ランドマーク100、101、102自体の高さ及び幅の少なくともいずれか一方に加え、当該ランドマーク100、101、102と車両Vとの間の距離(奥行き)を含んでもよい。
図4及び図6に示すように、画像取得部10は、一対のカメラ10a、10bから、ランドマーク100、101、102および歩行者(対象物)200の画像を取得する。具体的には、画像取得部10は、一対のカメラ10a、10bによって撮像された画像であって、視野が重複する複眼領域と視野が重複しない単眼領域(左単眼領域及び右単眼領域)とを含む画像を取得する。以下、当該画像の複眼領域を複眼領域画像CAと記載し、当該画像の左単眼領域及び右単眼領域をそれぞれ、左単眼領域画像LA及び右単眼領域画像RAと記載する。図2に示すように、一対のカメラ10a、10bは、車両Vに搭載された1台のステレオカメラとして構成されている。具体的には、一対のカメラ10a、10bは、CCDやCMOSイメージセンサで構成されており、自車両Vの前方に向けられている。また、一対のカメラ10a、10bは、それぞれが自車両Vの前方を所定の俯角(即ち撮影領域)で撮影するとともに、それぞれの俯角が重なるように設置されている。例えば、カメラ10aを左カメラ、カメラ10bを右カメラとした場合、カメラ10aの俯角の左側部分と、カメラ10bの右側部分とが重なるようになっている。これにより、本実施形態では、自車両Vの中央前方領域が、カメラ10aの撮影領域とカメラ10bの撮影領域とで画成されるステレオ領域(複眼領域ともいう)となる。また、自車両Vの左前方領域は、カメラ10bの撮影領域の左側部分で画成される左単眼領域となっている。自車両Vの右前方領域は、カメラ10aの撮影領域の右側部分で画成される右単眼領域となっている。一対のカメラ10a、10bにより撮影された画像は、画像取得部10に入力される。画像取得部10は、一対のカメラ10a、10bにより撮影された2枚の画像を取得し、取得した左右の画像に対し公知の視差算出アルゴリズムを適用し視差情報を取得する。
図1に示すように、ランドマーク情報取得部30は、複眼領域ランドマーク検出部32と、大きさ情報計測部33と、ランドマーク情報記憶部36と、を含む。ランドマーク情報取得部30は、ランドマーク100、101、102の3次元情報を取得する。具体的には、ランドマーク情報取得部30は、複眼領域画像CAに位置するランドマーク100、101、102の3次元情報を取得する。
図4に示すように、複眼領域ランドマーク検出部32は、画像取得部10で取得された複眼領域画像CAからランドマーク100、101、102を検出する。例えば、複眼領域ランドマーク検出部32は、画像取得部10から送信された複眼領域画像CAのテクスチャを解析し、これによりランドマーク100、101、102を検出してもよい。また、複眼領域ランドマーク検出部32は、画像取得部10が取得した視差情報に基づいて、ランドマーク100、101、102を検出してもよい。具体的には、視差情報等をクラスタリングすることによりランドマーク100、101、102を検出してもよいし、統計的な機械学習として畳み込みニューラルネットワークを利用してランドマーク100、101、102を検出してもよい。
大きさ情報計測部33は、複眼領域画像CAから、3次元情報に含まれるランドマーク100、101、102の実際の大きさを計測する。具体的には、大きさ情報計測部33は、複眼領域ランドマーク検出部32によって検出されたランドマーク100、101、102に対し、複眼領域画像CAから当該ランドマーク100、101、102の実高さを算出する。なお、大きさ情報計測部33は、ランドマーク100、101、102の縦方向の実際の大きさ(実高さ)だけでなく、ランドマーク100、101、102の横方向の実際の大きさ(実幅)を計測してもよい。また、大きさ情報計測部33は、ランドマーク100、101、102のうちの一部の領域における実際の大きさ(実高さや実幅)を計測してもよい。ランドマーク情報記憶部36は、大きさ情報計測部33において計測されたランドマーク100、101、102の大きさ情報の少なくとも一つを、後述する距離算出に用いるランドマーク情報として登録する。具体的には、ランドマーク情報記憶部36は、計測したランドマーク100、101、102の大きさ情報(実高さ、実幅等)に加えて、撮影されたランドマーク100、101、102のテクスチャ情報を記憶する。
距離推定部50は、単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)に位置する歩行者200までの距離を推定する。具体的には、距離推定部50は、ランドマーク情報取得部30において検出したランドマーク100、101、102を利用して、画像取得部10で取得した単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)に含まれる歩行者200までの距離を推定する。より具体的には、距離推定部50は、ランドマーク100の3次元情報と、画像内におけるランドマーク100および歩行者200の大きさと、に基づき、自車両Vから歩行者200までの距離を推定する。本実施形態では、ランドマーク100を、歩行者200と自車両Vとの距離を推定するランドマークとする場合について説明する。図1に示すように、距離推定部50は、単眼領域ランドマーク検出部52と、単眼領域対象物検出部54と、大きさ推定部58と、距離算出部60と、を含む。
図6に示すように、単眼領域ランドマーク検出部52は、画像取得部10で取得した単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)からランドマーク100を検出する。具体的には、単眼領域ランドマーク検出部52は、ランドマーク情報記憶部36で記憶したランドマーク100のテクスチャ情報に基づきランドマーク100を再検出する。例えば、単眼領域ランドマーク検出部52は、ランドマーク情報記憶部36で記憶したランドマーク100のテクスチャ情報をテンプレートとしたテンプレートマッチングにより検出してもよい。また、単眼領域ランドマーク検出部52は、畳み込みニューラルネットワークを利用した追跡処理によりランドマーク100を検出してもよい。また、単眼領域ランドマーク検出部52は、画像取得部10から取得したランドマーク100の単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)から、画像内におけるランドマーク100の縦方向長さ(即ち画像高さ)を算出する。
単眼領域対象物検出部54は、画像取得部10で取得した単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)から、距離推定の対象物を検出する。単眼領域対象物検出部54は、例えば歩行者200が検出対象である場合には公知の統計的な機械学習により検出する。具体的には、単眼領域対象物検出部54は、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、リアルアダブーストなどの古典的な機械学習を利用して歩行者200を検出してもよいし、畳み込みニューラルネットワークを利用して歩行者200を検出してもよい。また、単眼領域対象物検出部54は、画像取得部10から取得した歩行者200の単眼領域画像に基づき、画像内における歩行者200の縦方向長さ(即ち画像高さ)を算出する。
大きさ推定部58は、単眼領域画像(左単眼領域画像LA等)のランドマーク100の画像サイズ及び単眼領域画像(左単眼領域画像LA等)の歩行者200の画像サイズに基づき、ランドマーク100の大きさから歩行者200の大きさを推定する。大きさ推定部58は、ランドマーク情報記憶部36において記憶したランドマーク100の大きさ(高さ等)を利用して、歩行者200の大きさ(高さ等)を推定する。具体的には、大きさ推定部58は、ランドマーク100の画像高さ及び歩行者200の画像高さに基づき、ランドマーク100の実高さから歩行者200の高さ(以下、身長ともいう)を推定する。より具体的には、大きさ推定部58は、ランドマーク100の画像高さに対する歩行者200の画像高さの比率を、ランドマーク100の実高さに乗算することにより、歩行者200の身長を推定する。歩行者200の大きさ情報は、一度推定するだけでもよい。
距離算出部60は、大きさ推定部58において推定された歩行者200の実際の大きさと単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)における歩行者200の画像サイズとに基づき、歩行者200までの距離を算出する。具体的には、距離算出部60は、大きさ推定部58で推定された歩行者200の身長に基づき、自車両Vから歩行者200までの距離を算出する。より具体的には、距離算出部60は、大きさ推定部58で推定された歩行者200の身長と単眼領域対象物検出部54で検出された歩行者200の画像高さとに基づき、自車両Vと歩行者200との間の距離を算出する。
次に、図3から図6を参照して、本実施形態の外界認識装置1の動作例を、ランドマーク情報取得処理(図3、図4)及び距離推定処理(図5、図6)に分けて説明する。ここでは、図2に示すように、車両Vの前方を監視するように設置されたステレオカメラとして機能する一対のカメラ10a、10bを利用する外界認識装置1に関して説明する。また、図6に示す左単眼領域画像LA内に撮影された歩行者200の身長に基づいて、自車両Vと歩行者200との間の距離を算出する場合を説明する。
まず、図3及び図4を参照してランドマーク情報取得処理について説明する。
図3に示すように、外界認識装置1は、ランドマーク情報取得処理において、画像取得処理(P101)、視差計算処理(P102)、立体物検出処理(P103)、3次元情報取得処理(P104)、ランドマーク登録処理(P105)を順に実行する。
画像取得処理(P101)において、画像取得部10は、図4に示すような一対のカメラ10a、10bで撮影された画像、即ち複眼領域画像CA及び単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)を取得する。
次いで、視差計算処理(P102)において、画像取得部10は、複眼領域画像CAにおける視差を計算する。例えば、当該視差の算出には5×5ピクセルの窓領域が設定される。そして、一対のカメラ10a、10bのうち左側のカメラ10aの各画像を基準に、右側のカメラ10bの画像を、SADを評価値として水平方向に走査することで、視差が計算される。
次いで、立体物検出処理(P103)において、複眼領域ランドマーク検出部32は、視差計算処理(P102)で計算した視差を利用して、図4に示すように、ランドマーク100、101、102を検出する。具体的には、各ランドマーク100、101、102の領域は同一距離になることから、視差に対してクラスタリング処理を実施することで、各ランドマーク100、101、102の存在する領域が粗く抽出される。次いで、各ランドマーク100、101、102と背景の境界とで距離の値が変化することから、粗く抽出した領域に対して視差の変化点を検出することで、ランドマーク100、101、102の存在する領域が詳細に検出される。図4では、複数のランドマーク100、101、102のうち、ランドマーク100に対する立体物検出処理(P103)の検出結果を示す。立体物検出処理(P103)では、図4に示すような矩形B100が検出結果となる。
次いで、3次元情報取得処理(P104)において、大きさ情報計測部33は、立体物検出処理(P103)で検出した各ランドマーク100、101、102のそれぞれに対し、高さ方向の大きさ(即ち実高さ)を計算する。以降では、複数のランドマーク100、101、102のうち、ランドマーク100に対する大きさ(実高さ)を推定する方法について説明する。ランドマーク100の実高さの推定には、立体物検出処理(P103)の検出結果である矩形B100を利用する。図4のT100は、矩形B100の上端のピクセル位置であり、図4のL100は矩形B100の下端のピクセル位置を示している。また、ランドマーク100における視差中央値をD_medとする。D_medは矩形B100内に含まれる視差の中央値を計算することで取得される。ランドマーク100の実高さHeightは、「Height=BaseLine×abs(T100-L100)/D_med」(式(1))を計算することで算出される。ここで、式(1)におけるBaseLineはカメラ10aとカメラ10bの基線長であり、absは絶対値演算子を示している。
次いで、ランドマーク登録処理(P105)において、ランドマーク情報記憶部36は、3次元情報取得処理(P104)で計算したランドマーク100の実高さの情報を登録する。また、ランドマーク情報記憶部36は、複眼領域ランドマーク検出部32で解析された複眼領域画像CAのテクスチャ情報を登録する。また、ランドマーク情報記憶部36は、立体物検出処理(P103)で検出した矩形B100に対する複眼領域画像CAを記憶する。
次いで、図5及び図6を参照して距離推定処理について説明する。
図5に示すように、外界認識装置1は、距離推定処理において、画像取得処理(P111)、ランドマーク検出処理(P112)、歩行者検出処理(P113)、大きさ推定処理(P115)、距離推定処理(P116)を順に実行する。
画像取得処理(P111)において、画像取得部10は、図6に示すような一対のカメラ10a、10bで撮影された画像、即ち複眼領域画像CA及び単眼領域画像(左単眼領域画像LA、右単眼領域画像RA)を取得する。
次いで、ランドマーク検出処理(P112)において、単眼領域ランドマーク検出部52は、ランドマーク100を再検出する。ランドマーク100は、図4では複眼領域画像CAにて撮影されていたが、車両Vの移動に伴い図6では左単眼領域画像LAにて撮影されている。ここでは、ランドマーク情報記憶部36に記憶されたランドマーク100のテクスチャ情報をテンプレートとしてテンプレートマッチングを実施することで、図6に示す左単眼領域画像LAにて撮影されたランドマーク100を再検出する。本処理において検出された領域は、図6に示すように矩形B101により表現される。
次いで、歩行者検出処理(P113)において、単眼領域対象物検出部54は、図6の左単眼領域画像LAに撮影された歩行者200を検出する。この検出には畳み込みニューラルネットワークを利用する。利用する畳み込みニューラルネットワークでは、入力された所定の画像に対し、当該画像に含まれる歩行者200を検出する。また、畳み込みニューラルネットワークは歩行者200の位置を特定するだけでなく、識別スコアを同時に算出する。識別スコアとは、歩行者200の種別に対するポイントであり、ある種別に対するポイントが高いということは、その領域がその種別である可能性が高いことを示す。歩行者検出処理(P113)では、左単眼領域画像LAを畳み込みニューラルネットワークに入力して、歩行者種別に対する識別スコアが高い検出結果のみを採用することで、歩行者200を検出する。検出結果は、図6に示すように矩形B201により表現される。
大きさ推定処理(P115)において、大きさ推定部58は、ランドマーク100の情報を利用して歩行者200の身長を推定する。上述したランドマーク登録処理(P105)において、ランドマーク情報記憶部36に、ランドマーク100の実高さHeightが記憶されている。また、ランドマーク検出処理(P112)において、単眼領域ランドマーク検出部52により、ランドマーク100の画像高さ(即ち、矩形B101の画像上の高さ)IMG_Height_Land(pix)が検出されている。また、歩行者検出処理(P113)において、単眼領域対象物検出部54により、歩行者200の画像高さ(即ち、矩形B201の画像上の高さ)IMG_Height_Ped(pix)が検出されている。大きさ推定処理(P115)では、歩行者200の身長Height_Pedを、「Height_Ped=(IMG_Height_Ped/IMG_Height_Land)×Height」(式(2))により推定する。つまり、ランドマーク100の実高さ(Height)に、ランドマーク100の画像高さ(IMG_Height_Land)及び歩行者200の画像高さ(IMG_Height_Ped)の比率を適用することで、歩行者200の身長を推定する。
次いで、距離推定処理(P116)において、距離算出部60は、歩行者200の身長(Height_Ped)と、歩行者検出処理(P113)で検出された矩形B201の画像高さ(IMG_Height_Ped(pix))と、を利用して自車両Vから歩行者200までの距離を求める。自車両Vから歩行者200までの距離Distは、「Dist=f×(Height_Ped/IMG_Height_Ped)」(式(3))に基づき算出される。ここで、fは、一対のカメラ10a、10bの焦点距離(pix)である。なお、大きさ推定処理(P115)で歩行者の身長を一度算出しておけば、図6に示した画像以降の別の画像フレームにおける歩行者200の画像高さを利用して、距離推定処理(P116)で自車両Vと歩行者200との間の距離を求めることができる。
このように、本実施形態の外界認識装置1は、複眼領域画像CAにて撮影された任意のランドマーク100の実高さを活用して、単眼領域画像(例えば左単眼領域画像LA)における歩行者200と自車両Vとの間の距離を算出する。ランドマーク100は立体物であり、テクスチャ情報を有するため、路面に比べて安定的に視差を取得することができる。このため、夜間や雨天などで路面に対する視差を取得し難い状況であっても、より高精度に歩行者200までの距離を算出することができる。
また、本実施形態の外界認識装置1では、複眼領域画像CAのランドマーク100の実高さを計測し、その結果を利用して歩行者200の身長を推定する。歩行者200は、歩行時の手の動きにより自身の横方向の大きさが変化する。これに対し、歩行者200の身長は、当該歩行者200が歩行するときであっても、変動しない若しくは変動量が少ない。そのため、歩行者200の身長を推定し、推定した身長に基づき歩行者200と自車両Vとの間の距離を求めることで、歩行者200までの距離を高精度に求めることができる。また、路面に対する歩行者200の接地位置とカメラの取り付け姿勢とから、歩行者200と自車両Vとの間の距離を推定する手法を採用した場合、路面に対するカメラの取り付け姿勢を正確に推定する必要がある。これに対し、本実施形態のように、歩行者200の身長を推定して距離を求めることで、カメラの姿勢変化の影響を受けることなく、自車両Vと歩行者200との間の距離を推定することができる。
<変形例1>
次いで、本発明の第1実施形態の変形例1について説明する。
図7は、第1実施形態の変形例1に係る外界認識装置1dの概略構成を示す機能ブロック図である。図8は、図7の外界認識装置1dの距離推定処理を示すフローチャートである。図9は、図7の外界認識装置1dの近接判定処理を説明する図である。変形例1に係る外界認識装置1dは、上述の外界認識装置1に対して、後述する近接判定部56を含む点で異なる。以下、上述の外界認識装置1と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図7に示すように、距離推定部50は、近接判定部56を含む。近接判定部56は、単眼領域ランドマーク検出部52で検出されたランドマーク100と単眼領域対象物検出部54で検出された歩行者200とが3次元的に近いか否かを判定する。具体的には、図9に示すように、近接判定部56は、左単眼領域画像LA(単眼領域画像)におけるランドマーク100の下端と左単眼領域画像LA(単眼領域画像)における歩行者200の下端との高さ方向における差を算出する。そして、大きさ推定部58は、近接判定部56により算出された上記差が後述するマージン(近接判定閾値)δ内にあり、ランドマーク100と歩行者200が近接していると判定された場合、歩行者200の身長を推定する。
図8に示すように、変形例1に係る外界認識装置1dは、距離推定処理において、歩行者検出処理(P113)の後、且つ、大きさ推定処理(P115)の前に、近接判定処理(P114)を実行する。近接判定処理(P114)において、近接判定部56は、単眼領域ランドマーク検出部52で検出されたランドマーク100と、単眼領域対象物検出部54で検出された歩行者200と、が空間的に近い位置に存在するか否かを判定する。例えば、近接判定処理(P114)において、近接判定部56はランドマーク100の下端を利用する。図9に示すように、近接判定部56は、ランドマーク100の下端を中心に、高さ方向における所定のマージンδ(例えば5pix)を設定し、当該マージンδ内に歩行者200の下端が含まれるかどうかを判定する。近接判定部56は、当該マージンδ内に歩行者200の下端が含まれる場合、ランドマーク100と歩行者200が自車両Vから見てほぼ等距離に存在していると判断し、両者が近接していると判定する。近接判定部56によりランドマーク100と歩行者200が近接すると判定された場合、大きさ推定処理(P115)において、大きさ推定部58は、ランドマーク情報記憶部36に記憶されたランドマーク100の実高さを利用して、歩行者200の身長を推定する。なお、上述したマージンδ(例えば5pix)は、ランドマーク情報記憶部36に記憶されてよい。
本変形例1の外界認識装置1dでは、近接判定部56が、ランドマーク100を歩行者200の身長推定に利用するか否かを判定する。歩行者200の身長を推定する際、歩行者200とランドマーク100の画像上のサイズ(即ち画像高さ)の比率を利用する。しかし、歩行者200とランドマーク100が離れた位置に存在する場合、両者の画像高さの比率が両者の実高さの比率から乖離することがあり、正確に歩行者200の身長を推定できないことがある。そのため、本変形例1のように、近接判定部56が近接判定処理(P114)を行うことで、より正確に歩行者200の身長を推定することができる。
次いで、変形例1に係る外界認識装置1dの別の例を説明する。図10は、図7の外界認識装置1dの近接判定処理(P114)に係る別の例を示した図である。図10では、上段部分にランドマーク登録処理(P105)が記載され、下段部分に近接判定処理(P114)が記載されている。図10に示す例では、上述の変形例1に係る外界認識装置1dに対し、ランドマーク登録処理(P105)、近接判定処理(P114)の点で異なる。図10に示す例では、変形例1に係る外界認識装置1d(図7)と同一の符号を付してその説明をする。
図10に示す例では、近接判定部56は、近接判定処理(P114)を、複眼領域ランドマーク検出部32で検出されたランドマーク100の周辺の視差に基づき実行する。例えば、複眼領域ランドマーク検出部32は、図10の上段部分に示すように、検出されたランドマーク100が接地する面の周辺の視差情報から、ランドマーク100が接地している面の傾きの変化を計算してもよい。これにより、ランドマーク100が接地した面の傾きが変化する箇所が特定される。その後、大きさ情報計測部33は、複眼領域ランドマーク検出部32で検出されたランドマーク100の画像高さ(Obj_Height)と、ランドマーク100の中心位置から傾きが変化する箇所までの画像上での画像長さ(Plane_Distance)との比率Plane_rateを、「Plane_rate=(Plane_Distance/Obj_Height)」(式(4))により計算する。そして、ランドマーク情報記憶部36は、例えば上記所定のマージンδに加え、Plane_rateの値を近接判定半径として記憶する(ランドマーク登録処理(P105))。
図10の下段部分に示すように、近接判定部56は、近接判定処理(P114)において、単眼領域ランドマーク検出部52で再検出されたランドマーク100の画像高さ(Obj_Height2)を利用し、マージンδ2(Plane_rate×Obj_Height2)を計算する。そして、近接判定部56は、縦方向のマージンδ(pix)に加え、横方向にδ2(pix)以内に歩行者200が近づいた場合に、ランドマーク100と歩行者200が近接していると判定する。
大きさ推定処理(P115)では、歩行者200とランドマーク100が自車両Vから等しい距離に存在すると仮定して歩行者200の身長を推定する。しかし、ランドマーク100が接地する面の傾きが途中で変化していた場合、近接判定処理(P114)において縦方向のマージンδだけを参照すると、歩行者200とランドマーク100が等しい距離にいないにも関わらず、ランドマーク100と歩行者200が近接していると判定されるおそれがある。そのため、視差情報に基づいて路面の傾きが変化していない箇所までの領域(図10の下段部分におけるδ2)を算出し、この結果に基づいて近接判定処理(P114)を実施することにより、両者が等しい距離に存在しているか正しく判定できる。よって、歩行者200の身長をより正確に推定することができる。
<変形例2>
次いで、本発明の第1実施形態の変形例2について説明する。
変形例2に係る外界認識装置1eは、上述の外界認識装置1に対して、後述するランドマーク情報計測部34を含む点で異なる。以下、上述の外界認識装置1と同じ又は類似する機能を有する構成については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図11は、第1実施形態の変形例2に係る外界認識装置1eの概略構成を示す機能ブロック図である。図11に示すように、ランドマーク情報取得部30は、ランドマーク情報計測部34を含む。
ランドマーク情報計測部34は、複眼領域ランドマーク検出部32によって検出されたランドマーク100、101、102に対し、複眼領域画像CAから当該ランドマーク100、101、102が移動しているか否かを判定する。そして、ランドマーク情報記憶部36は、複眼領域画像CAに含まれるランドマーク100、101、102のうち、ランドマーク情報計測部34により移動していると判定されたランドマーク(例えば図4のランドマーク101)を、歩行者200までの距離を推定するランドマークとして記憶する。
変形例2に係る外界認識装置1eでは、静止した立体物をランドマークとして登録するだけではなく、移動体として、例えばその他の歩行者や車両などの立体物をランドマークとして利用することができる。図4に示すランドマーク100は静止物であるため、自車両Vに対する距離算出の対象である歩行者200が静止していると、両者が近づくことが無い。このため、静止物であるランドマーク100に基づいて、静止している歩行者200の身長を推定することはできない。これに対し、本変形例2のように、移動体(例えばランドマーク101)を利用することで、距離算出の対象である歩行者200が静止していた場合においても、ランドマーク101が歩行者200に近づくことがある。よって、静止した歩行者200に対しても身長を推定することができるようになる。
<変形例3>
次いで、本発明の第1実施形態の変形例3について説明する。
変形例3に係る外界認識装置は、上述の外界認識装置に対して、ランドマーク情報記憶部36の機能の点で異なる。以下、変形例3に係る外界認識装置1を、図1から図6を参照しつつ、上述の外界認識装置1と同一の符号を付して説明する。
変形例3において、図1に示すランドマーク情報記憶部36は、大きさ情報計測部33で計測の対象とされたランドマーク100、101、102のうち、実高さが高さ閾値(例えば1m)以上のランドマーク(例えば、図4のランドマーク100、102)を、歩行者200までの距離を推定するランドマークとして記憶する。このように、変形例3では、3次元情報取得処理(P104)で計測したランドマーク100、101、102のうち、実高さが所定の高さ閾値以上(例えば1m以上)のランドマーク(例えば、図4のランドマーク100、102)のみを、ランドマーク登録処理(P105)でランドマーク情報記憶部36に登録する。そして、ランドマーク検出処理(P112)では、ランドマーク登録処理(P105)で登録した、高さ閾値以上の実高さを有するランドマーク(例えば、図4のランドマーク100、102)を再検出する。
ランドマーク検出処理(P112)において実高さの低いランドマークを再検出する際にテンプレートマッチングなどの処理を用いると、検知位置のズレが発生してしまうことがある。検知位置のズレが発生した場合、単眼領域ランドマーク検出部52により検出したランドマークの画像高さが、当該ランドマークの真の画像高さから変化してしまい、大きさ推定処理(P115)で推定する歩行者200の身長にズレが生じることがある。この点で、変形例3に係る外界認識装置では、所定の高さ閾値(例えば1m)以上のランドマークのみを利用する。このため、真の画像高さに対する、検出されたランドマーク画像高さの乖離を小さくすることができ、より正確に歩行者の身長を推定できる。
変形例3の別の例として、ランドマーク情報記憶部36は、大きさ情報計測部33で計測の対象となった複数のランドマーク100、101、102のうち、実高さが高い方から所定の数(例えば複数のランドマークのうち60%に相当する数)のランドマーク(例えばランドマーク100、102)を、歩行者200までの距離を推定するランドマークとして記憶してもよい。これにより、歩行者200までの距離推定に使用するランドマークの選択肢を多く保持することができる。
<変形例4>
次いで、本発明の第1実施形態の変形例4について説明する。
変形例4に係る外界認識装置は、変形例2の外界認識装置1e(図11)に対して、ランドマーク情報計測部34及びランドマーク情報記憶部36の機能の点で異なる。以下、変形例4に係る外界認識装置を、図3から図6及び図11を参照しつつ、上述の外界認識装置1eと同一の符号を付して説明する。
変形例4において、ランドマーク情報計測部34は、複眼領域ランドマーク検出部32によって検出されたランドマーク100、101、102に対し、複眼領域画像CAに基づき、ランドマーク100のコントラスト情報(エッジ成分、色、輝度差等)を算出する。そして、ランドマーク情報記憶部36は、複眼領域画像CAに含まれるランドマーク100、101、102のうち、所定の閾値以上のコントラスト情報を有するランドマーク(例えば、図4のランドマーク100)を、歩行者200までの距離を推定するランドマークとして記憶する。
具体的には、変形例4において、ランドマーク情報計測部34は、ランドマーク登録処理(P105)において、各ランドマーク100、101、102に対して、ソベルフィルタを適用することでエッジ成分(コントラスト情報)を抽出する。そして、当該処理において、ランドマーク情報記憶部36は、ランドマーク100、101、102の領域内において、エッジ成分の密度(エッジの数)が所定の値以上のランドマーク(例えばランドマーク100)を登録する。もしくは、色情報(コントラスト情報)が所定の値以上のランドマーク(例えばランドマーク100)が登録されてもよい。具体的には、画像の赤成分とみなすことができる色相領域に対して、彩度と明度が所定値以上の画素をカウントし、画素数が所定以上であった場合にランドマークとして登録してもよい。これにより、ランドマーク検出処理(P112)において、ランドマーク100をより安定して再検出することができ、他の立体物を誤ってランドマークとして検出することを回避できる。これにより、より精度高く歩行者200の身長を推定できる。
また、ランドマーク情報計測部34は、ランドマーク登録処理(P105)において、ランドマーク100、101、102の下端と路面の輝度差を解析する。そして、当該処理において、ランドマーク情報記憶部36は、ランドマーク100、101、102のうち、これらの下端と路面の輝度差が所定値以上のピクセル数が一定値以上であるランドマーク(例えばランドマーク100)を記憶する。これにより、複眼領域ランドマーク検出部32で検出された領域と同一箇所を、単眼領域ランドマーク検出部52において再検出することが容易になり、より高精度に歩行者200の身長を推定することができる。また、変形例4に係る外界認識装置が近接判定部56を含む場合、近接判定処理(P114)でランドマーク100の下端を利用する際に路面との分離性が高いランドマーク100を登録することで、より正確に近接判定を実施することができる。
また、ランドマーク情報記憶部36は、ランドマーク登録処理(P105)において、ランドマークにおける特定の部位を登録することができる。具体的には、ランドマーク情報計測部34は、例えばランドマーク100においてエッジ成分が強い部分をランドマークの上端として計測する。そして、当該処理において、ランドマーク情報記憶部36は、当該部分をランドマークの上端として登録することができる。これにより、複眼領域ランドマーク検出部32で検出された部分と同一箇所を、単眼領域ランドマーク検出部52において再検出することが容易になる。このように、エッジ成分の強い部分に基づいて、例えばランドマーク100の特定の部分を登録することにより、単眼領域ランドマーク検出部52にてランドマークを安定して再検出することができ、より高精度で歩行者の距離を推定することができる。
<変形例5>
次いで、本発明の第1実施形態の変形例5について説明する。
変形例5に係る外界認識装置は、上述の外界認識装置1に対して、大きさ推定部58の機能の点で異なる。以下、変形例5に係る外界認識装置を、図1から図10を参照しつつ、上述の外界認識装置1と同一の符号を付して説明する。
変形例5に係る外界認識装置では、ランドマーク情報記憶部36に複数のランドマーク100、101、102が登録された場合、大きさ推定部58は、複数のランドマークを利用して歩行者200のサイズを推定する。具体的には、ある画像フレームにおいて、ランドマーク100と近接した際に、大きさ推定部58は、歩行者200の身長(Height_Ped)を推定する。そして、距離算出部60は、当該Height_Pedに基づき、自車両Vと歩行者200との間の距離を算出する。その後、別の画像フレームにおいて、歩行者200がランドマーク101と近接した際に、大きさ推定部58は、「Height_Ped=(Height_Ped+Height_Ped_2)/2」(式(5))により、歩行者の身長Height_Pedを更新する。ここで、Height_Ped_2は、ランドマーク101の実高さと、ランドマーク101画像高さ及び歩行者200の画像高さから推定した歩行者200の身長である。大きさ推定部58は、大きさ推定処理(P115)において、複数のランドマークと近接する毎に歩行者200の身長を更新する。これにより、初期の身長推定結果が誤りを含む場合においても、各ランドマークと近接する毎により正しい値に近づくように身長を更新することができ、より正確に歩行者の距離を推定することができる。
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る外界認識装置1aの概略構成を示す機能ブロック図である。第2実施形態に係る外界認識装置1aは、上述の外界認識装置1d(変形例1)に対して、後述するランドマーク選択部40及び進行路推定部70を含む点で異なる。上述の外界認識装置1dと同じ又は類似する機能を有する構成については、当該外界認識装置1dと同一の符号を付してその説明を省略し、図2から図6及び図12を参照して、異なる部分について説明する。
図12に示すように、外界認識装置1aは、ランドマーク選択部40及び進行路推定部70を含む。ランドマーク選択部40はランドマーク情報取得部30に含まれる。第2実施形態に係る外界認識装置1aのランドマーク情報取得部30は、複数のランドマーク100、101、102の3次元情報を取得した場合、車両Vの動きに応じて、複数のランドマークの中から距離の推定に用いるランドマーク(例えばランドマーク100)を選択する。具体的には、ランドマーク情報取得部30のランドマーク選択部40が、複数のランドマークの中から距離の推定に用いる上記ランドマーク(例えばランドマーク100)を選択する。より具体的には、ランドマーク選択部40は、後述する進行路推定部70により推定された車両Vの進行方向に存在するランドマーク100を、歩行者200までの距離の推定に用いるランドマークとして選択する。そして、ランドマーク情報記憶部36は、ランドマーク選択部40により選択されたランドマーク100を記憶する。
進行路推定部70は、車両Vの動き(即ち挙動情報)から車両Vの進行方向を推定する。具体的には、進行路推定部70は、車両Vの速度やヨーレートなどに基づき自車両Vの進行路を予測する。例えば進行路推定部70は、車速とヨーレートの値から車両Vの回転半径を推定して、その円周上の軌跡を進行路とする。なお、進行路推定部70は、車両Vが直進している場合、その直進方向に沿う軌跡を進行路と推定してもよい。
このように、第2実施形態に係る外界認識装置1aでは、ランドマーク登録処理(P105)において、進行路推定部70が推定した進行方向に存在するランドマーク(例えばランドマーク100)だけが、ランドマーク情報記憶部36に登録される。例えば、車両Vの進行路との距離が所定値(20m)以内に存在するランドマーク100が、ランドマーク情報記憶部36に記憶されてよい。このように、車両Vの進行路情報に基づき、登録されるランドマークを選択することで、車両Vと衝突するリスクのある歩行者200との距離推定に利用するランドマークのみを登録することができる。これにより、登録するランドマークを削減することでメモリの使用量や、ランドマーク検出処理(P112)で検出するランドマークの数を制限することができ、外界認識装置1aにおける処理負荷を低減することができる。
<第3実施形態>
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。
図13は、本発明の第3実施形態に係る外界認識装置1bの概略構成を示す機能ブロック図である。第3実施形態に係る外界認識装置1bは、上述の外界認識装置1d(変形例1)に対して、後述するランドマーク選択部40及び周辺環境認識部90を含む点で異なる。上述の外界認識装置1dと同じ又は類似する機能を有する構成については、当該外界認識装置1dと同一の符号を付してその説明を省略し、図2から図6及び図13を参照して、異なる部分について説明する。
図13に示すように、外界認識装置1bは、ランドマーク選択部40及び車両Vの周辺環境を認識する周辺環境認識部90を含む。ランドマーク選択部40はランドマーク情報取得部30に含まれる。第3実施形態に係る外界認識装置1bのランドマーク情報取得部30は、周辺環境認識部90により歩道であると認識された領域に存在するランドマーク(例えばランドマーク100)を、歩行者200までの距離の推定に用いるランドマークとして選択する。具体的には、ランドマーク情報取得部30のランドマーク選択部40が、歩行者200までの距離の推定に用いる上記ランドマーク(例えばランドマーク100)を選択する。そして、ランドマーク情報記憶部36は、ランドマーク選択部40により選択されたランドマークを記憶する。
周辺環境認識部90は、画像取得部10が取得した一対のカメラ10a、10bの画像の各ピクセルに対して種別情報を推定する。ここで、種別情報は、車両や歩行者などの物体だけでなく、路面、歩道などの情報を含む。各ピクセルに対する種別情報の推定には畳み込みニューラルネットワークを利用する。周辺環境認識部90は、各ピクセルに対する種別情報が付与された正解値データにより学習されたモデルを利用し、各ピクセルに対応した種別情報を推定する。これにより、周辺環境認識部90は、一対のカメラ10a、10bの画像から歩道である領域を認識することができる。
このように、第3実施形態に係る外界認識装置1bでは、ランドマーク登録処理(P105)において、周辺環境認識部90が推定した種別情報を利用してランドマークの登録処理を実行する。具体的には、ランドマーク情報記憶部36は、周辺環境認識部90が歩道だと推定したピクセル上に存在するランドマーク100を記憶する。これにより、歩行者200と近接する可能性が高いランドマーク100だけを登録することができ、外界認識装置1bにおける処理負荷を低減することができる。
上述した本実施形態では、ランドマーク情報取得部30においてランドマーク100、101、102の3次元情報(大きさ情報)を取得するために、一対のカメラ10a、10bを1台のステレオカメラとして用いている。しかし、ランドマークの3次元情報(大きさ)を取得するために、3次元センサ(例えば、Lidar、ミリ波レーダ、超音波センサ等)を用いてもよい。この場合、一対のカメラ10a、10bは、ステレオ領域を有さないように設置されてもよい。例えば、カメラ10aは左単眼領域のみを撮影し、カメラ10bは右単眼領域のみを撮影し、これらの領域で撮影された画像が、画像取得部10に入力されてもよい。
また、デジタルマップなどに記載された特定のランドマークを利用し、デジタルマップにおいて登録されている3次元情報を利用して、自車両Vと歩行者200との間の距離を推定してもよい。また、上記実施形態では、歩行者200の身長を推定するという観点に対して詳細に説明したが、歩行者200の幅に基づき、自車両Vと歩行者200との間の距離を算出してもよい。例えば、距離推定部50は、ランドマーク100の実幅と、画像内におけるランドマーク100および歩行者200の横方向長さ(即ち画像幅)と、に基づき、歩行者200までの距離を推定してもよい。また、対象物として歩行者200を一例として、歩行者200までの距離を推定する方法に関して述べたが、車両、動物など様々な物体を距離推定の対象物として扱うことができ、車両、動物などの高さ等に基づき、これらと自車両Vとの間の距離を推定することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、或る実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、或る実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路にて設計する等によりハードウェアによって実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアによって実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テープ、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(solid state drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1、1a、1b、1d、1e 外界認識装置、10 画像取得部、10a、10b 一対のカメラ(ステレオカメラ)、30 ランドマーク情報取得部、32 複眼領域ランドマーク検出部、33 大きさ情報計測部、34 ランドマーク情報計測部、36 ランドマーク情報記憶部、40 ランドマーク選択部、50 距離推定部、52 単眼領域ランドマーク検出部、54 単眼領域対象物検出部、56 近接判定部、58 大きさ推定部、60 距離算出部、70 進行路推定部、90 周辺環境認識部、100、101、102 ランドマーク、200 歩行者(対象物)、CA 複眼領域画像、LA 左単眼領域画像(単眼領域画像)、RA 右単眼領域画像(単眼領域画像)、V 車両、δ マージン(近接判定閾値)

Claims (12)

  1. 車両に搭載される外界認識装置であって、
    ランドマークおよび対象物の画像を取得する画像取得部と、
    前記ランドマークの3次元情報を取得するランドマーク情報取得部と、
    前記ランドマークの3次元情報と、前記画像内における前記ランドマークおよび前記対象物の大きさと、に基づき、前記対象物までの距離を推定する距離推定部と、を有することを特徴とする外界認識装置。
  2. 請求項1に記載の外界認識装置において、
    前記画像取得部は、ステレオカメラによって撮像された画像であって、視野が重複する複眼領域と視野が重複しない単眼領域とを含む画像、を取得し、
    前記ランドマーク情報取得部は、前記複眼領域に位置するランドマークの3次元情報を取得し、
    前記距離推定部は、前記単眼領域に位置する前記対象物までの距離を推定する、ことを特徴とする外界認識装置。
  3. 請求項2に記載の外界認識装置において、
    前記ランドマーク情報取得部は、
    前記複眼領域から前記ランドマークを検出する複眼領域ランドマーク検出部と、
    前記複眼領域から、前記3次元情報に含まれる前記ランドマークの大きさを計測する大きさ情報計測部と、を備え、
    前記距離推定部は、
    前記単眼領域から前記ランドマークを検出する単眼領域ランドマーク検出部と、
    前記単眼領域から前記対象物を検出する単眼領域対象物検出部と、
    前記単眼領域における前記ランドマークの画像サイズ及び前記単眼領域における前記対象物の画像サイズに基づき、前記ランドマークの大きさから前記対象物の大きさを推定する大きさ推定部と、
    前記大きさ推定部において推定された前記対象物の大きさと前記単眼領域における前記対象物の画像サイズとに基づき、前記距離を算出する距離算出部と、を有することを特徴とする外界認識装置。
  4. 請求項3に記載の外界認識装置において、
    前記大きさ情報計測部は、前記複眼領域から前記ランドマークの実高さを算出し、
    前記単眼領域ランドマーク検出部は、前記単眼領域から前記ランドマークの画像高さを算出し、
    前記単眼領域対象物検出部は、前記単眼領域から前記対象物の画像高さを算出し、
    前記大きさ推定部は、前記ランドマークの画像高さ及び前記対象物の画像高さに基づき、前記ランドマークの実高さから前記対象物の高さを推定し、
    前記距離算出部は、推定された前記高さに基づき前記距離を算出する、ことを特徴とする外界認識装置。
  5. 請求項4に記載の外界認識装置において、
    前記大きさ推定部は、前記ランドマークの画像高さに対する前記対象物の画像高さの比率を、前記ランドマークの実高さに乗算することにより、前記対象物の高さを推定する、ことを特徴とする外界認識装置。
  6. 請求項4に記載の外界認識装置において、
    前記距離推定部は、前記単眼領域における前記ランドマークの下端と前記単眼領域における前記対象物の下端との高さ方向における差を算出する近接判定部を含み、
    前記大きさ推定部は、前記近接判定部により算出された前記差が近接判定閾値内にある場合、前記対象物の高さを推定する、ことを特徴とする外界認識装置。
  7. 請求項2に記載の外界認識装置において、
    前記ランドマーク情報取得部は、
    前記複眼領域から、前記ランドマークが移動しているか否かを判定するランドマーク情報計測部と、
    前記複眼領域に含まれるランドマークのうち、前記ランドマーク情報計測部により移動していると判定されたランドマークを、前記対象物までの距離を推定するランドマークとして記憶するランドマーク情報記憶部とを含む、ことを特徴とする外界認識装置。
  8. 請求項4に記載の外界認識装置において、
    前記ランドマーク情報取得部は、
    前記実高さが高さ閾値以上のランドマークを、前記対象物までの距離を推定するランドマークとして記憶するランドマーク情報記憶部を含む、ことを特徴とする外界認識装置。
  9. 請求項2に記載の外界認識装置において、
    前記ランドマーク情報取得部は、
    前記複眼領域から、前記ランドマークのコントラスト情報を算出するランドマーク情報計測部と、
    前記複眼領域に含まれるランドマークのうち、所定の閾値以上の前記コントラスト情報を有するランドマークを、前記対象物までの距離を推定するランドマークとして記憶するランドマーク情報記憶部とを含む、ことを特徴とする外界認識装置。
  10. 請求項1に記載の外界認識装置において、
    前記ランドマーク情報取得部は、複数のランドマークの3次元情報を取得した場合、前記車両の動きに応じて、前記複数のランドマークの中から前記距離の推定に用いるランドマークを選択する、ことを特徴とする外界認識装置。
  11. 請求項10に記載の外界認識装置において、
    前記車両の動きから前記車両の進行方向を推定する進行路推定部を備え、
    前記ランドマーク情報取得部は、前記進行路推定部により推定された前記車両の進行方向に存在するランドマークを、前記対象物までの前記距離の推定に用いるランドマークとして選択する、ことを特徴とする外界認識装置。
  12. 請求項1に記載の外界認識装置において、
    前記車両の周辺環境を認識する周辺環境認識部を備え、
    前記ランドマーク情報取得部は、前記周辺環境認識部により歩道であると認識された領域に存在するランドマークを、前記対象物までの前記距離の推定に用いるランドマークとして選択する、ことを特徴とする外界認識装置。
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