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JP2022527541A - 抗hla-c抗体及びその使用 - Google Patents

抗hla-c抗体及びその使用 Download PDF

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JP2022527541A
JP2022527541A JP2021558984A JP2021558984A JP2022527541A JP 2022527541 A JP2022527541 A JP 2022527541A JP 2021558984 A JP2021558984 A JP 2021558984A JP 2021558984 A JP2021558984 A JP 2021558984A JP 2022527541 A JP2022527541 A JP 2022527541A
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フーリィ,アン
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ヂォウ,ホン
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ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
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Abstract

抗HLA-C6抗体及びその抗原結合フラグメントが記載される。当該抗体をコードしている核酸、当該抗体を含む組成物、並びに当該抗体を生成する方法、及び自己免疫疾患などの疾患を治療又は予防するために当該抗体を使用する方法についても記載される。【選択図】図1

Description

本発明は、モノクローナル抗HLA-C抗体、抗体をコードする核酸及び発現ベクター、ベクターを含有する組換え細胞、並びに抗体を含む組成物に関する。抗体を作製する方法、及び乾癬を含む疾患を治療するために抗体を使用する方法も提供される。
(電子的に提出された配列表の参照)
本出願は、ファイル名「JBI6065WOPCT1SEQLIST.TXT」及び2019年3月28日の作成日で、126kbのサイズを有するASCII形式の配列表としてEFS-Webを介して電子的に提出された、配列表を含む。EFS-Webを介して提出された配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
自己免疫疾患は、20人に1人が罹患していると推定されている(Hayter and Cook,Autoimmune Rev.11(10):754-65(2012))。自己免疫の根本原因は、自己抗原に反応する、調節不全のT細胞クローンの出現である。自己反応性T細胞により、サイトカイン駆動型フィードフォーワードループが開始され、炎症(例えば、白血球動員及び浮腫)を引き起こし、これが慢性化すると、組織破壊及び機能喪失につながる。特定のサイトカイン(例えば、抗TNFα、IL-12、IL-23、IL-17)を中和する抗体は、フィードフォーワードループを中断し、炎症を最小限に抑えるために有用である(Wolf and Ang,Immunol.Allergy Clin.North Am.37(2):283-99(2017);Her and Kavanaugh,J.Allergy Clin.Immunol.137(1):19-27(2016))。しかし、これらの薬剤は、疾患の初期の根本原因に対処していないため、慢性的な治療が必要となる。したがって、下流の炎症を標的とするのではなく、疾患の根本原因に対処するために、サイトカインではなく自己反応性T細胞の発達及び活性化を標的とする治療法が必要である。
根本原因に対処する改善された選択的アプローチは、自己抗原を認識する自己反応性T細胞の発達及び活性化をブロックする抗体を開発することである。T細胞は、α及びβ鎖からなる、T細胞受容体(TCR)として知られているヘテロ二量体表面受容体によって抗原を認識する。α及びβ鎖遺伝子は、胸腺で広範囲の体細胞組換えを受ける。胸腺のT細胞発達時の組換えにより、個体内で発現するTCR遺伝子には非常に大きな多様性がもたらされる(Laydon et al.,Philos.Trans.R.Soc.Long.B Biol.Sci.370(1675):20140291(2015))。各TCRは、異なる抗原認識機能を有する。抗原は、宿主の6つの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)タンパク質のうちの1つによって結合して表示される短いペプチドである。具体的には、ヒトは、3つのクラスI MHC遺伝子(すなわち、HLA-A、HLA-B、又はHLA-C)及び3つのクラスII MHC遺伝子(すなわち、HLA-DR、HLA-DP、又はHLA-DQ)を発現する(Trowsdale,Immunol.Lett.137(1-2):1-8(2011))。MHC遺伝子は、ゲノムで最も多型の遺伝子の1つであり、数百種類の異形態(タンパク質アイソフォーム)をコードする各MHC遺伝子の対立遺伝子が、ヒト集団には1000個を超えて存在する。各MHC異形態は、独自のペプチド結合面を持ち、自己及び外来ペプチドの独自のレパートリーを結合する。成熟T細胞によって発現されるTCRは、自己MHC異形態の1つに「制限」され、これは、T細胞が特異的なペプチドMHC複合体によってのみ活性化され得ることを意味する。
自己反応性T細胞によって認識される正確な自己ペプチドMHC複合体を判定するために、多くの研究努力がなされてきた。特定の自己ペプチドMHC複合体と同族のT細胞を検出することが可能であるが、大多数の患者で認識される自己ペプチドMHC複合体、又は疾患を引き起こすことが証明されている自己ペプチドMHC複合体を同定することはより困難である。更に、自己免疫疾患は、複数の自己ペプチドMHC複合体を認識する多くのT細胞クローンによって引き起こされる可能性がある。
自己ペプチドMHC複合体の同定は依然として不明瞭なままであるが、多くの自己免疫疾患が特定のMHC対立遺伝子との強い関連性を示すことから、問題となるMHCの同定に関する重要な遺伝学的な手がかりを提供する(Matzaraki et al.,Genome Biology 18(1):76(2017)。各異形態は自己ペプチドの独自のレパートリーに結合するため、特定の対立遺伝子が特定の自己免疫疾患を持つ人で高度に濃縮される可能性があることは重要なことである。したがって、自己免疫疾患の遺伝的リスクは、組織特異的な自己ペプチドを表示する異形態の能力を反映していると考えられる。このことは、HLA-DQ15によって結合されたIV型コラーゲンペプチドをT細胞が認識するグッドパスチャー病に最もよく示されている(Cairns et al.,J.Am.Soc.Nephrol.14(11):2801-12(2003))。
HLA-C06:02対立遺伝子の遺伝的性質は、乾癬と呼ばれる自己免疫疾患を発症する人の最も強い遺伝的決定因子である(Nair et al.,Am.J.Hum.Genet.78(5):827-51(2006);Elder et al.,J.Invest.Dermatol.130(5):1213-26(2010))。滴状乾癬を経験している人の大多数(約80%)は、HLA-C06:02対立遺伝子を保有しており(Asumalahti et al.,J.Invest.Dermatol.120(4):627-32(2003))、一方、より一般的な尋常性乾癬の人では、約50%がこの対立遺伝子を保有し、健康な対照者では約10~15%であるのと比較される。HLA-C06:02対立遺伝子の1コピーは、ホモ接合体で2.5倍高い約10%の生涯リスクを伴い(Gudjonsson et al.,Br.J.Dermatol.148(2):233-5(2003))、HLA-C06:02陽性の人は、より早い年齢で、より重症の乾癬を発症する(Gudjonsson et al.,J.Invest.Dermatol.126(4):740-5(2006))。重要なことに、HLA-C06:02の人の乾癬のリスクは、ERAP1の触媒的に活性がより高い変異体(Strange et al.,N.Genet.42(11):985-90(2010))、すなわち、クラスI MHC負荷にペプチドをカスタマイズするために必要な主要なエンドペプチダーゼと、エピスタシスな関係にある。
乾癬を引き起こす自己ペプチドについては、文献上ではコンセンサスが得られていないが、いくつかの自己ペプチド/タンパク質が、患者の血液又は皮膚から単離されたT細胞を活性化することが示されている。現在までに、これらには、皮膚関連タンパク質であるケラチン-17、LL37、ADAMTSL5、Maspin、及びペルオキシレドキシン-2又はペプチド誘導体が含まれる(Yunusbaeva et al.,Scientific Reports vol.8,article number 6098(2018);Lande et al.,Nat.Commun.5:5621(2014);Arakawa et al,J.Exp.Med.212(13):2203-12(2015);and Besgen et al.,J.Immunol.184(9):5392-402(2010))。ケラチン-17、LL37、及びADAMTSL5に由来するペプチドは、HLA-Cw6が結合する可能性のあるペプチドのレパートリーの一部であることが示されており、LL37ペプチド結合HLA-Cw6テトラマーは、乾癬患者の同族T細胞を同定するために使用されている。一方、ケラチン-17及びペルオキシレドキシン-2ペプチドは、HLA-C06:02陽性の乾癬患者では、陰性の患者に比べて有意に高い頻度でT細胞を活性化する。乾癬病変ではクローン性T細胞増殖のエビデンスが報告されており、いくつかのクローンによって発現されるα及びβTCR遺伝子の配列が決定され、報告されている(Kim et al.,PLoS One 7(5):e37338(2012))。これらのTCRの1つの同族ペプチドMHCをデコンボリューションして判定した(Arakawa et al,J.Exp.Med.212(13):2203-12(2015))。TCRはHLA-Cw6に制限されており、メラノサイト上のHLA-Cw6によって提示されるADAMTSL5(57-65)が同族抗原であると考えられた。総じて、データは、乾癬の自己反応性T細胞に自己抗原を提示する際のHLA-Cw6の重要な役割を指摘している。
自己反応性T細胞の発達及び活性化をブロックするHLA-Cに対する抗体は、乾癬の根本的な問題に対処するのに有効であると考えられる。
全般的な一態様では、本発明は、HLA-C、任意にHLA-Cw6に結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。
重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
a.それぞれ、配列番号37、38、39、64、65、及び66、
b.それぞれ、配列番号40、41、42、67、68、及び69、
c.それぞれ、配列番号43、44、45、70、71、及び72、
d.それぞれ、配列番号46、47、48、73、74、及び75、
e.それぞれ、配列番号49、50、51、76、77、及び78、
f.それぞれ、配列番号52、53、54、79、80、及び81、
g.それぞれ、配列番号55、56、57、82、83、及び84、
h.それぞれ、配列番号58、59、60、85、86、及び87、又は
i.それぞれ、配列番号61、62、63、88、89、及び90、を含み、
抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントが提供される。
重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
a.それぞれ、配列番号91、92、93、118、119、及び120、
b.それぞれ、配列番号94、95、96、121、122、及び123、
c.それぞれ、配列番号97、98、99、124、125、及び126、
d.それぞれ、配列番号100、101、102、127、128、及び129、
e.それぞれ、配列番号103、104、105、130、131、及び132、
f.それぞれ、配列番号106、107、108、133、134、及び135、
g.それぞれ、配列番号109、110、111、136、137、及び138、
h.それぞれ、配列番号112、113、114、139、140、及び141、又は
i.それぞれ、配列番号115、116、117、142、143、及び144、を含み、
抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントも提供される。
重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
a.それぞれ、配列番号145、146、147、172、173、及び174、
b.それぞれ、配列番号148、149、150、175、176、及び177、
c.それぞれ、配列番号151、152、153、178、179、及び180、
d.それぞれ、配列番号154、155、156、181、182、及び183、
e.それぞれ、配列番号157、158、159、184、185、及び186、
f.それぞれ、配列番号160、161、162、187、188、及び189、
g.それぞれ、配列番号163、164、165、190、191、及び192、
h.それぞれ、配列番号166、167、168、193、194、及び195、又は
i.それぞれ、配列番号169、170、171、196、197、及び198、を含み、
抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントも提供される。
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15若しくは17と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号2、4、6、8、10、12、14、16若しくは18と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、
a.配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
i.配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、を含む。
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、キメラである。
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトである又はヒト化されている。
特定の実施形態では、単離モノクローナル抗体又は抗原結合は、HLA-Cw6による抗原提示の結合及び阻害を介して、T細胞の発達及び活性化をブロックする。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離核酸も提供される。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離核酸を含むベクターも提供される。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離核酸を含むベクターを含む宿主細胞も提供される。
特定の実施形態では、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと、医薬的に許容される担体とを含む、医薬組成物が提供される。
また、自己免疫疾患の治療又は予防を、それを必要とする対象において行う方法も提供される。本方法は、本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む。自己免疫疾患は、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、及び乾癬性関節炎から選択することができるが、これらに限定されない。
また、本発明は、自己反応性T細胞の活性化の阻害を、それを必要とする対象において行う方法を提供する。本方法は、本発明の医薬組成物を対象に投与することを含み、医薬組成物の投与により、対象における自己反応性T細胞の活性化が阻害される。
また、HLA-C(例えば、HLA-Cw6)発現細胞におけるペプチド結合HLA-C(例えば、HLA-Cw6)へのT細胞受容体(TCR)の機能的結合を阻害する方法も提供される。本方法は、細胞を本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと接触させることを含み、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、ペプチド結合HLA-Cに結合し、TCRの機能的結合を阻害する。特定の実施形態では、細胞をin vitroで接触させる。特定の実施形態では、細胞をin vivoで接触させる。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する方法も提供される。本方法は、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸を含む細胞を、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する条件で培養することと、細胞又は培養物から抗体又はその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む。
また、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物を製造する方法も提供される。当該方法は、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを、医薬的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む。
上記の概要、及び本出願の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良く理解されるであろう。しかしながら、本出願は、図面に示される実施形態そのものに限定されないことを理解するべきである。
抗HLA-C抗体によるT細胞株に対するHLA-Cw6/ADAMTSL5-Abu依存性CD69アップレギュレーションの阻害を示すグラフである。 抗HLA-C抗体によるT細胞株に対するHLA-Cw6/TRAT依存性CD69アップレギュレーションの阻害を示すグラフである。 CW6B130.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B130.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B130.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B175.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B175.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B175.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B228.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B228.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B228.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B229.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B229.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B229.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B230.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B230.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B230.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B233.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B233.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B233.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B237.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B237.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B237.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B238.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B238.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B238.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B188.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B188.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B188.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B123.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B123.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 CW6B123.001抗HLA、B及びC抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 対照CNTO9412(huIgG4_PAAアイソタイプ)抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 対照CNTO9412(huIgG4_PAAアイソタイプ)抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。 対照CNTO9412(huIgG4_PAAアイソタイプ)抗体に対するLabScreenクラスI MHC対立遺伝子結合プロファイルを示すグラフである。
背景技術において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載する。これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
特に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意する必要がある。
特に明記しない限り、本明細書に記載される濃度又は濃度範囲などのあらゆる数値は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、数値は、典型的には、記載される値の±10%を含む。例えば、1mg/mLの濃度は0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1%~10%(w/v)の濃度範囲は0.9%(w/v)~11%(w/v)を含む。本明細書で使用するとき、数値範囲の使用は、文脈上そうでない旨が明確に示されない限り、その範囲内の整数及び値の分数を含む、全ての可能な部分範囲、その範囲内の全ての個々の数値を明示的に含む。
別途記載のない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、一連の全ての要素を指すと理解されるべきである。当業者であれば、単なる通常の実験手順を使用するだけで、本明細書に記載した特定の実施形態に対して多くの同等物を認識するか、又は確認することができよう。このような等価物は、本発明によって包含されることが意図される。
本明細書で使用するとき、用語「備える(comprises)、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、又は「含有する(containing)」あるいはこれらの任意の他の変形形態は、述べられている整数又は整数群を含むことが意図されるが、これら以外の他の整数又は整数群を除外するものではなく、非排他的又は非制限的であることが意図されることが理解されよう。例えば、一連の要素を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されない、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置に本来存在しない他の要素を含んでもよい。更に、明示的に反対に明記されない限り、「又は」は包括的な「又は」を指すものであり、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、Aが真であり(又は存在する)かつBが偽である(又は存在しない)場合、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)場合、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)場合、のいずれか1つによって充足される。
本明細書で使用するとき、複数の列挙された要素間の接続的な用語「及び/又は」は、個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしに第1の要素が適用可能であることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしに第2の要素が適用可能であることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、意味に含まれ、したがって、本明細書で使用されるとき、用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の同時適用性もまた、意味に含まれ、したがって、用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。
本明細書で使用するとき、用語「からなる(consists of)」又は「からなる(consist of)」若しくは「からなる(consisting of)」などの変形は、明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用するとき、任意の列挙された整数又は整数群を包含するが、追加の整数又は整数群が、指定の方法、構造、又は組成物に追加されることはないことを示す。
本明細書で使用するとき、用語「から本質的になる(consists essentially of)」又は「から本質的になる(consist essentially of)」若しくは「から本質的になる(consisting essentially of)」などの変形は、明細書及び特許請求の範囲全体にわたって使用するとき、任意の列挙された整数又は整数群を包含し、任意選択で、指定の方法、構造、又は組成物の基本的又は新規の特性を実質的に変化させない任意の列挙された整数又は整数群も包含することを示す。M.P.E.P.§ 2111.03を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「被験体/対象」は、任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。本明細書で使用するとき、用語「哺乳動物」は、あらゆる哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、これらに限定されるものではないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒトなど、より好ましくはヒトが挙げられる。
好ましい発明の構成要素の寸法又は特徴を指すときに本明細書で使用される用語「約」、「およそ」、「概ね」、「実質的に」などの用語は、当業者には理解されるように、記載の寸法/特徴が厳密な境界又はパラメータではなく、機能的に同じ又は類似する、それらからのわずかな相違を除外するものではないことを示すことも理解すべきである。最小値では、数値パラメータを含むこのような参照は、当該技術分野において受け入れられている数学的及び工業的原理(例えば、四捨五入、測定、又は他の系統的誤差、製造公差など)を使用すると、最小有効数字は変化しない変形形態を含むであろう。
「同一」又は「同一性」パーセントという用語は、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列(例、抗HLA-C抗体及びそれをコードするポリヌクレオチド、HLA-Cポリペプチド及びそれをコードするHLA-Cポリヌクレオチド)に関連して、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して又は目視検査によって測定したとき、一致が最大になるように比較及びアラインメントした場合に同じであるか、又は特定のパーセントの同じであるアミノ酸残基若しくはヌクレオチドを有する2つ以上の配列又はサブ配列を指す。
配列比較のために、典型的には、1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験及び参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じて、サブシーケンス座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズム、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似検索方法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は目視検査(一般的に、Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を参照されたい)によって行うことができる。
配列同一性パーセント及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの例は、それぞれ、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410及びAltschul et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3389-3402にそれぞれ記載されているBLAST及びBLAST 2.0アルゴリズムである。BLAST分析を行うソフトウェアは、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列における同じ長さのワードとアラインメントしたときに一致するか、又はいくつかの正の値の閾値スコアTを満たすかのいずれかの、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、隣接ワードスコア閾値(Altschul et al.、上記)と称される。これらの初期隣接ワードヒットは、それを含有するより長いHSPを見つけるための検索を開始するためのシードとして機能する。次いで、累積アラインメントスコアを増加させることができる限り、各配列に沿ってワードヒットを両方向に延長する。
ヌクレオチド配列については、パラメータM(一致する残基の対についてのリワードスコア、常に>0)及びN(不一致の残基についてのペナルティスコア、常に<0)を使用して累積スコアを計算する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを計算する。累積アラインメントスコアがその最大獲得値から量Xだけ低下したとき、1つ以上の負のスコアリング残基のアラインメントの蓄積により、累積スコアがゼロ以下になったとき、又はいずれかの配列の末端に達したときに、各方向におけるワードヒットの延長を停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、及びXが、アライメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値10、M=5、N=-4、及び両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)3、期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用する(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989)を参照)。
配列同一性パーセントを計算することに加えて、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、Karlin&Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873-5787(1993)を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の一致が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸と参照核酸との比較における最小合計確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列に類似しているとみなされる。
2つの核酸配列又はポリペプチドが実質的に同一であることの更なる指標は、以下に記載されるように、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが、第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。したがって、ポリペプチドは、典型的には、第2のポリペプチドと実質的に同一であり、例えば、2つのペプチドは保存的置換によってのみ異なる。2つの核酸配列が実質的に同一である別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件で互いにハイブリダイズすることである。
本明細書で使用するとき、用語「阻害する(inhibit)」、「阻害する(inhibiting)」、及び「阻害(inhibition)」は、活性、応答、状態、疾患、又は他の生物学的パラメータを低下させることを意味する。これには、活性、応答、状態、又は疾患の完全なアブレーションが挙げられるが、これらに限定されない。また、これには、例えば、ネイティブレベル又は対照レベルと比較して、活性、応答、状態、又は疾患を10%減少させることが含まれ得る。したがって、減少は、ネイティブレベル又は対照レベルと比較して、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%、又はこれらの間の任意の減少量であり得る。非限定的な例として、本発明の抗体は、HLA-C(例えば、HLA-Cw6)に結合することによって、自己反応性T細胞の活性化を阻害することができる。
抗体
本発明は、全般的に、単離抗HLA-C抗体(例えば、HLA-Cw6抗体)、当該抗体をコードしている核酸及び発現ベクター、当該ベクターを含有する組換え細胞、並びに当該抗体を含む組成物に関する。抗体を作製する方法、及び自己免疫疾患(例えば、乾癬)を含む疾患を治療するために抗体を使用する方法も提供される。本発明の抗体は、1つ以上の望ましい機能的特性(HLA-Cへの高親和性結合、HLA-Cへの高い特異性、自己反応性T細胞の活性化を阻害する能力、ペプチド結合したHLA-Cw6へのTCRの機能的結合を阻害する能力、及び自己免疫疾患の治療又は予防を、それを必要とする対象において行う能力を含むが、これらに限定されない)を有するものである。
全般的な態様では、本発明は、HLA-C(例えば、HLA-Cw6)に特異的に結合する単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。
本明細書で使用するとき、用語「抗体」は、広義で使用され、免疫グロブリン、又はモノクローナル又はポリクローナルである、ヒト、ヒト化、複合、及びキメラ抗体を含む抗体分子並びに抗体フラグメントを含む。全般的には、抗体とは、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体の構造は、公知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)に割り当てることができる。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。したがって、本発明の抗体は、5つの主要なクラス又は対応する下位クラスのいずれかのものであることができる。本発明の抗体はIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4であることが好ましい。脊椎動物種の抗体軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、すなわちκ及びλのうちの一方に割り当てることができる。したがって、本発明の抗体は、κ又はλ軽鎖定常ドメインを含有することができる。特定の実施形態によれば、本発明の抗体は、ラット又はヒト抗体由来の重鎖及び/又は軽鎖定常領域を含む。重及び軽定常ドメインに加えて、抗体は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域からなる抗原結合領域を含有し、これらのそれぞれは3つのドメイン(すなわち相補性決定領域1~3;CDR1、CDR2、及びCDR3)を含有する。軽鎖可変領域ドメインは、あるいはLCDR1、LCDR2、及びLCDR3と称され、重鎖可変領域ドメインは、あるいはHCDR1、HCDR2、及びHCDR3と称される。
本明細書で使用するとき、用語「単離抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、HLA-Cw6に特異的に結合する単離抗体は、HLA-Cw6に結合しない抗体を実質的に含まない)。更に、単離抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない。
本明細書で使用するとき、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、微量に存在する可能性のある自然発生変異を除いて同一である。本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ技術、単一リンパ球遺伝子クローニング技術、又は組換えDNA法によって作製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、トランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウス又はラットから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって生成され得、ヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する。
本明細書で使用するとき、用語「抗原結合フラグメント」は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(scFv)、単一ドメイン抗体(sdab)scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ以上のCDRを含む抗体の一部から形成される多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体フラグメントなどの抗体フラグメントを指す。抗原結合フラグメントは、親抗体又は親抗体フラグメントが結合する同じ抗原に結合することができる。特定の実施形態によれば、抗原結合フラグメントは、軽鎖可変領域、軽鎖定常領域、及び重鎖のFdフラグメントを含む。他の特定の実施形態によれば、抗原結合フラグメントはFab及びF(ab’)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「単鎖抗体」は、約15~約20個のアミノ酸の短いペプチドによって接続される重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、この分野における従来の単鎖抗体を指す。本明細書で使用するとき、用語「単一ドメイン抗体」は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を含むか、又は重鎖可変領域のみを含む、この分野における従来の単一ドメイン抗体を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体、又は当該技術分野において既知の任意の技術を用いて作製される、ヒトによって産生される抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を指す。ヒト抗体のこの定義は、インタクトな若しくは完全長の抗体、そのフラグメント、並びに/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/若しくは軽鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。
本明細書で使用するとき、用語「ヒト化抗体」とは、抗体の抗原結合特性が保持されるが、人体における抗原の抗原性が低下するように、改変により配列相同性をヒト抗体のそれに対して増加させた非ヒト抗体を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「キメラ抗体」は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の種に由来する抗体を指す。軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、多くの場合、所望の特異性、親和性、及び能力を有する1つの種の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来する抗体の可変領域に対応し、一方で定常領域は、その種における免疫応答の誘発を回避するために、別の種の哺乳動物(例えば、ヒト)に由来する抗体の配列に対応する。
本明細書で使用するとき、用語「多重特異性抗体」は、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む抗体を指し、複数のうちの第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第1のエピトープに対する結合特異性を有し、複数のうちの第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第2のエピトープに対する結合特異性を有する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複するか、又は実質的に重複する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複しないか、又は実質的に重複しない。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原、例えば、異なるタンパク質(又は異なる多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、多重特異性抗体は、第3、第4、又は第5の免疫グロブリン可変ドメインを含む。ある実施形態では、多重特異性抗体は、二重特異性抗体分子、三重特異性抗体分枝、又は四重特異性抗体分子である。
本明細書で使用するとき、用語「二重特異性抗体」は、2つ以下のエピトープ又は2つ以下の抗原に結合する多重特異性抗体を指す。二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列、及び第2のエピトープに対する結合特異性を有する第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列によって特徴付けられる。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、重複するか、又は実質的に重複する。ある実施形態では、第1及び第2のエピトープは、異なる抗原、例えば、異なるタンパク質(又は異なる多量体タンパク質のサブユニット)上にある。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列と、第2のエピトープに対する結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列及び軽鎖可変ドメイン配列とを含む。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はそのフラグメントと、第2のエピトープに対する結合特異性を有する半抗体又はそのフラグメントとを含む。ある実施形態では、二重特異性抗体は、第1のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はそのフラグメントと、第2のエピトープに対する結合特異性を有するscFv又はそのフラグメントとを含む。ある実施形態では、第1のエピトープはHLA-Cw6上に位置し、第2のエピトープは他の自己免疫関連表面抗原上に位置する。
本明細書で使用するとき、用語「HLA-Cw6」は、MHCクラスI重鎖受容体を指す。HLA-Cw6は、HLA-CクラスI重鎖受容体の血清型の1つである。HLA-C受容体は、HLA-C成熟遺伝子産物及びb2-ミクログロブリンからなるヘテロ二量体である。成熟C鎖は、細胞膜に固定されている。HLA-Cは、ほとんど全ての細胞で発現しており、小ペプチドを免疫系に提示する働きをし、これは、小ペプチドが自己ペプチドであるか非自己ペプチドであるかを判定するように作用する。HLA-Cは、クラスI-MHC受容体である多数のHLA-C対立遺伝子をコードする、6番染色体上の遺伝子座である。HLA-Cタンパク質の血清型としては、HLA-Cw1、HLA-Cw2、HLA-Cw3、HLA-Cw4、HLA-Cw5、HLA-Cw6、HLA-Cw6、HLA-Cw7、HLA-Cw8、HLA-Cw12、HLA-Cw14、HLA-Cw15、HLA-Cw16、HLA-Cw17、及びHLA-Cw18が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒトHLA-Cw6の例示的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号Q29963で表される。
本明細書で使用するとき、「HLA-Cw6に特異的に結合する」抗体とは、HLA-Cw6、好ましくはヒトHLA-Cw6に、1×10-7M以下、好ましくは1×10-8M以下、より好ましくは5×10-9M以下、1×10-9M以下、5×10-10M以下、又は1×10-10M以下のKDで結合する抗体を指す。用語「KD」は、Kd対Ka(すなわち、Kd/Ka)の比から得られ、モル濃度(M)として表される解離定数を指す。抗体のKD値は、本開示を考慮して当該技術分野における方法を用いて決定することができる。例えば、抗体のKDは、表面プラズモン共鳴を使用することによって、例えば、Biacore(登録商標)システムのバイオセンサーシステムを使用することなどによって、又はOctet RED96システムなどのバイオレイヤーインターフェロメトリー技術を使用することによって、求めることができる。
抗体のKDの値が小さいほど、抗体が標的抗原に結合する親和性が高い。
特定の態様によれば、本発明は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって:
a.それぞれ、配列番号37、38、39、64、65、及び66、
b.それぞれ、配列番号40、41、42、67、68、及び69、
c.それぞれ、配列番号43、44、45、70、71、及び72、
d.それぞれ、配列番号46、47、48、73、74、及び75、
e.それぞれ、配列番号49、50、51、76、77、及び78、
f.それぞれ、配列番号52、53、54、79、80、及び81、
g.それぞれ、配列番号55、56、57、82、83、及び84、
h.それぞれ、配列番号58、59、60、85、86、及び87、又は
i.それぞれ、配列番号61、62、63、88、89、及び90、
HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。
別の特定の態様によれば、本発明は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって:
a.それぞれ、配列番号91、92、93、118、119、及び120、
b.それぞれ、配列番号94、95、96、121、122、及び123、
c.それぞれ、配列番号97、98、99、124、125、及び126、
d.それぞれ、配列番号100、101、102、127、128、及び129、
e.それぞれ、配列番号103、104、105、130、131、及び132、
f.それぞれ、配列番号106、107、108、133、134、及び135、
g.それぞれ、配列番号109、110、111、136、137、及び138、
h.それぞれ、配列番号112、113、114、139、140、及び141、又は
i.それぞれ、配列番号115、116、117、142、143、及び144、
HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。
別の特定の態様によれば、本発明は、以下のポリペプチド配列を有する重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって:
a.それぞれ、配列番号145、146、147、172、173、及び174、
b.それぞれ、配列番号148、149、150、175、176、及び177、
c.それぞれ、配列番号151、152、153、178、179、及び180、
d.それぞれ、配列番号154、155、156、181、182、及び183、
e.それぞれ、配列番号157、158、159、184、185、及び186、
f.それぞれ、配列番号160、161、162、187、188、及び189、
g.それぞれ、配列番号163、164、165、190、191、及び192、
h.それぞれ、配列番号166、167、168、193、194、及び195、又は
i.それぞれ、配列番号169、170、171、196、197、及び198、
HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。
別の特定の態様によれば、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15若しくは17と、少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号2、4、6、8、10、12、14、16若しくは18と、少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%若しくは99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。好ましい一実施形態によれば、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、それぞれ、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15又は17と、少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2、4、6、8、10、12、14、16又は18と、少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
別の特定の態様によれば、本発明は、以下を含む、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する:
a.配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
i.配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号37、38、39、64、65、及び66のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号40、41、42、67、68、及び69のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号3と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号4と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号43、44、45、70、71、及び72のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号5と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号6と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号46、47、48、73、74、及び75のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号8と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号49、50、51、76、77、及び78のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号10と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号52、53、54、79、80、及び81のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号12と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号55、56、57、82、83、及び84のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号14と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号58、59、60、85、86、及び87のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号61、62、63、88、89、及び90のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号17と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号18と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号91、92、93、118、119、及び120のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号94、95、96、121、122、及び123のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号3と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号4と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号97、98、99、124、125、及び126のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号5と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号6と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号100、101、102、127、128、及び129のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号8と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号103、104、105、130、131、及び132のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号10と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号106、107、108、133、134、及び135のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号12と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号109、110、111、136、137、及び138のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号14と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号112、113、114、139、140、及び141のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号115、116、117、142、143、及び144のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号17と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号18と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号145、146、147、172、173、及び174のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号2と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号148、149、150、175、176、及び177のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号3と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号4と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号151、152、153、178、179、及び180のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号5と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号6と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号154、155、156、181、182、及び183のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号8と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号157、158、159、184、185、及び186のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号10と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号160、161、162、187、188、及び189のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号12と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号163、164、165、190、191、及び192のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号14と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号166、167、168、193、194、及び195のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号16と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態では、本発明は、それぞれ、配列番号169、170、171、196、197、及び198のポリペプチド配列を有するHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関する。別の実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号17と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号18と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、例えば95%、96%、97%、98%、又は99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。好ましくは、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
別の特定の態様によれば、本発明は、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関し、抗体又はその抗原結合フラグメントがキメラである。
別の特定の態様によれば、本発明は、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントに関し、抗体又はその抗原結合フラグメントがヒトである又はヒト化されている。
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードしている、単離核酸に関する。タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、タンパク質のコード配列を変える(例えば置換する、欠失する、挿入するなど)ことができることが、当業者には理解されよう。したがって、タンパク質のアミノ酸配列を変化させることなく、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードしている核酸配列を変更できることが当業者には理解されるであろう。
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードしている単離核酸を含む、ベクターに関する。プラスミド、コスミド、ファージベクター、又はウイルスベクターなどの、本開示の観点から当業者に公知の任意のベクターも使用することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドなどの組換え発現ベクターである。ベクターは、例えば、プロモータ、リボソーム結合エレメント、ターミネータ、エンハンサ、選択マーカー、及び複製起点という、発現ベクターの従来の機能を確立するための任意のエレメントを含むことができる。プロモータは、常時発現型、誘導型、又は再形成可能なプロモータであり得る。細胞に核酸を送達することができる多数の発現ベクターが当技術分野において知られており、細胞内で抗体又はその抗原結合フラグメントを生成するために、本明細書で使用することができる。従来のクローニング技術、又は人工遺伝子合成を使用して、本発明の実施形態に従った組換え発現ベクターを生成することができる。
別の一般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離核酸を含む宿主細胞に関する。本開示の観点から、当業者に知られている任意の宿主細胞を、本発明の抗体又は抗原結合フラグメントの組換え発現に使用することができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大腸菌TG1若しくはBL21細胞(例えば、scFv又はFab抗体の発現の場合)、CHO-DG44若しくはCHO-K1細胞、又はHEK293細胞(例えば、完全長IgG抗体の発現の場合)である。特定の実施形態によれば、組換え発現ベクターは、組換え核酸が効果的に発現するように宿主細胞ゲノムに安定的に組み込まれる、化学的トランスフェクション、熱ショック、又はエレクトロポレーションなどの従来の方法によって宿主細胞に形質転換される。
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する方法であって、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する条件で、当該モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードしている核酸を含む細胞を培養することと、当該細胞又は細胞培養物から(例えば上清から)当該抗体又はその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む、方法に関する。発現した抗体又はその抗原結合フラグメントを細胞から採取し、当該技術分野において公知の従来の技術に従って、そして、本明細書に記載のとおり精製することができる。
医薬組成物
別の全般的な態様では、本発明は、本発明の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと、医薬的に許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。本明細書で使用するとき、用語「医薬組成物」は、医薬的に許容される担体と一緒に本発明の抗体を含む製造物を意味する。本発明の抗体及びそれを含む組成物は、本明細書で言及される治療用途のための医薬の製造においても有用である。
本明細書で使用するとき、用語「担体」は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、バッファ、安定剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有小胞、ミクロスフェア、リポソーム封入体、又は医薬製剤で使用するための当該技術分野で周知の他の材料を指す。担体、賦形剤又は希釈剤の特性は、特定の用途の投与経路によって決まる点は理解されよう。本明細書で使用するとき、用語「医薬的に許容される担体」は、本発明による組成物の効果にも本発明による組成物の生物活性にも干渉しない無毒性材料を指す。特定の実施形態によれば、本開示を考慮して、抗体の医薬組成物での使用に好適ないずれの医薬的に許容される担体も、本発明において使用することができる。
医薬的に許容される担体を有する医薬的活性成分の製剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば21st edition(2005)及びそれ以降の任意の改訂版)にあるように、当該技術分野において既知である。追加成分の非限定的な例としては、緩衝剤、希釈剤、溶媒、張度調節剤、防腐剤、安定剤、及びキレート剤が挙げられる。1つ以上の医薬的に許容される担体が、本発明の医薬組成物の製剤化において使用され得る。
本発明の一実施形態では、医薬組成物は液体製剤である。液体製剤の好ましい例は、水性製剤、すなわち、水を含む製剤である。液体製剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲルなどを含んでいてよい。水性製剤は、典型的には、少なくとも50%w/wの水、又は少なくとも60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は少なくとも95%w/wの水を含む。
一実施形態では、医薬組成物は、例えば注射デバイス(例えば、注射器又は注入ポンプ)を介して注射することができる注射剤として製剤化され得る。注射は、例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、硝子体内、又は静脈内に送達され得る。
別の実施形態では、医薬組成物は、固体製剤、例えば、そのまま使用することができるか、又は医師若しくは患者が使用前に溶媒及び/若しくは希釈剤を加える、凍結乾燥又は噴霧乾燥組成物である。固体剤形としては、圧縮錠剤及び/又はコーティング錠剤などの錠剤、並びにカプセル剤(例えば、硬又は軟ゼラチンカプセル)を挙げることができる。医薬組成物はまた、例えば、サッシェ、糖衣錠、粉末、顆粒、トローチ、又は再構成用の粉末の形態であってもよい。
剤形は即時放出であってもよく、その場合、水溶性若しくは水分散性担体を含んでいてよく、又は剤形は遅延放出、持続放出、若しくは調節放出であってもよく、その場合、胃腸管若しくは皮下における剤形の溶解速度を制御する非水溶性ポリマーを含んでいてよい。
他の実施形態では、医薬組成物は、鼻腔内、頬内、又は舌下に送達され得る。
水性製剤のpHは、pH3~pH10であり得る。本発明の一実施形態では、製剤のpHは約7.0~約9.5である。本発明の別の実施形態では、製剤のpHは約3.0~約7.0である。
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は緩衝剤を含む。緩衝剤の非限定的な例としては、アルギニン、アスパラギン酸、ビシン、シトレート、リン酸一水素二ナトリウム、フマル酸、グリシン、グリシルグリシン、ヒスチジン、リジン、マレイン酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、コハク酸塩、酒石酸、トリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、及びこれらの混合物が挙げられる。緩衝液は、個々に又は凝集体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば、約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的な緩衝剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は防腐剤を含む。防腐剤の非限定的な例としては、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、ブチル4-ヒドロキシベンゾエート、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロヘキシジン、クロルフェネシン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、エチル4-ヒドロキシベンゾエート、イミド尿素、メチル4-ヒドロキシベンゾエート、フェノール、2-フェノキシエタノール、2-フェニルエタノール、プロピル4-ヒドロキシベンゾエート、デヒドロ酢酸ナトリウム、チオメロサール、及びこれらの混合物が挙げられる。防腐剤は、個々に又は凝集体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的な防腐剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は、等張剤を含む。本実施形態の非限定的な例としては、塩(塩化ナトリウムなど)、アミノ酸(グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、及びスレオニンなど)、アルジトール(グリセロール、1,2-プロパンジオールプロピレングリコールなど)、1,3-プロパンジオール、及び1,3-ブタンジオールなど)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、並びにこれらの混合物が挙げられる。等張剤の別の例としては、糖が挙げられる。糖の非限定的な例は、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、アルファ及びベータ-HPCD、可溶性澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む、単糖類、二糖類、若しくは多糖類、又は水溶性グルカンであり得る。等張剤の別の例は、糖アルコールであり、用語「糖アルコール」は、少なくとも1つの-OH基を有するC(4~8)炭化水素として定義される。糖アルコールの非限定的な例としては、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールが挙げられる。等張剤は、個々に又は凝集体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的な等張剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
本発明の別の実施形態では、医薬組成物はキレート剤を含む。キレート剤の非限定的な例としては、クエン酸、アスパラギン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、及びこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、個々に又は凝集体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的なキレート剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は安定剤を含む。安定剤の非限定的な例としては、1つ以上の凝集阻害剤、1つ以上の酸化阻害剤、1つ以上の界面活性剤、及び/又は、1つ以上のプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
本発明の別の実施形態では、医薬組成物は安定剤を含み、当該安定剤は、カルボキシ-/ヒドロキシセルロース及びそれらの誘導体(HPC、HPC-SL、HPC-L、及びHPMCなど)、シクロデキストリン、2-メチルチオエタノール、ポリエチレングリコール(PEG 3350など)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、塩(塩化ナトリウムなど)、硫黄含有物質、例えばモノチオグリセロール)、又はチオグリコール酸である。安定剤は、個々に又は凝集体中に、約0.01mg/mL~約50mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的な安定剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
本発明の更なる実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の界面活性剤、好ましくは界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、又は2つの異なる界面活性剤を含む。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分及び脂溶性(親油性)部分から構成される任意の分子又はイオンを指す。界面活性剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双性界面活性剤からなる群から選択され得る。界面活性剤は、個々に又は凝集体中に、約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的な界面活性剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
本発明の更なる実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のプロテアーゼ阻害剤、例えば、EDTA、及び/又はベンズアミジン塩酸(HCl)を含む。プロテアーゼ阻害剤は、個々に又は凝集体中に、約0.1mg/mL~約20mg/mLの濃度で存在し得る。これらの具体的なプロテアーゼ阻害剤の各1つを含む医薬組成物は、本発明の代替実施形態を構成する。
別の全般的な態様では、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物を製造する方法であって、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを医薬的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法に関する。
使用方法
別の全般的な態様では、本発明は、自己免疫疾患の治療又は予防を、それを必要とする対象において行う方法に関する。本方法は、HLA-Cw6に特異的に結合する単離モノクローナル抗体若しくはその抗原結合フラグメント、又は本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む。HLA-Cw6モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、対象の細胞上でHLA-Cw6に結合することができる。抗HLA-Cw6モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントが、細胞表面上のペプチド結合したHLA-Cw6に結合することにより、自己反応性T細胞の活性化を阻害することができ、及び/又は、ペプチド結合したHLA-Cw6のT細胞受容体(TCR)への機能的結合を阻害することができる。抗HLA-Cw6モノクローナル抗体は、例えば、対象の自己反応性T細胞の活性化を阻害することもできる別のモノクローナル抗体又は抗原結合フラグメントと、二重特異性抗体を形成することができる。
HLA-Cw6に結合する抗体及びその抗原結合フラグメントの機能的活性は、当該技術分野において既知の方法により、そして本明細書に記載のとおり特性評価することができる。HLA-Cw6に結合する抗体及びその抗原結合フラグメントを特性評価する方法としては、Biacore、ELISA、及びOctetRed分析を含む親和性及び特異性アッセイ;FACSによるT細胞上のHLA-Cw6に対する抗体の結合を検出する結合アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によれば、HLA-Cw6に結合する抗体及びその抗原結合フラグメントを特性評価する方法としては、以下に記載するものが挙げられる。
別の全般的な態様では、本発明は、自己免疫疾患の治療又は予防を、それを必要とする対象において行う方法であって、HLA-Cw6に特異的に結合する単離モノクローナル抗体若しくはその抗原結合フラグメント、又は本発明の医薬組成物を当該対象に投与することを含む、方法に関する。自己免疫疾患は、例えば、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、及び乾癬性関節炎から選択することができるが、これらに限定されない。
本発明の実施形態によれば、医薬組成物は、治療有効量の抗HLA-Cw6抗体又はその抗原結合フラグメントを含む。本明細書で使用するとき、用語「治療有効量」は、対象に所望の生物学的又は薬理的応答を惹起する活性成分又は構成成分の量を指す。治療有効量は、記載される目的に対して経験的かつ通常の方法で決定することができる。
抗HLA-Cw6抗体又はその抗原結合フラグメントに関して本明細書で使用するとき、治療有効量は、それを必要としている対象における免疫応答を調節する抗HLA-Cw6抗体又はその抗原結合フラグメントの量を意味する。
特定の実施形態によれば、治療有効量は、以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上を達成するのに十分な治療の量を指す:(i)治療される疾患、障害若しくは病態又はそれに関連する症状の重症度を軽減又は改善すること、(ii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の期間を短縮すること、(iii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の進行を防止すること、(iv)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状の退縮を生じさせること、(v)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状の進行又は発症を予防すること、(vi)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状の再発を防止すること、(vii)治療される疾患、障害、若しくは病態、又はそれに関連する症状を有する対象の入院を減少させること、(viii)治療される疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状を有する対象の入院期間を短縮させること、(ix)治療される疾患、障害又は病態、又はそれに関連する症状を有する対象の生存率を高めること、(xi)治療される対象の疾患、障害若しくは病態、又はそれに関連する症状を阻害又は軽減すること、及び/又は(xii)別の治療の予防又は治療効果を強化又は改善すること。
治療有効量又は用量は、治療される疾患、障害又は病態、投与手段、標的部位、対象の生理学的状態(例えば、年齢、体重、健康状態を含む)、対象がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬剤、及び、治療が予防的なものであるか治療的なものであるか、などの様々な因子によって異なり得る。治療用量は、安全性及び有効性を最適化するために最適に漸増される。
特定の実施形態によれば、本明細書に記載される組成物は、対象への想定される投与経路に好適であるように製剤化される。例えば、本明細書に記載される組成物は、静脈内投与、皮下投与、又は筋肉内投与に適した形で製剤化することができる。
本明細書で使用するとき、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」という用語は全て、自己免疫疾患又は障害(例えば、乾癬)に関連する少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善又は逆転を指すものであり、これは対象において必ずしも認識されるとは限らないが、対象において認識可能な場合もある。用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」はまた、疾患、障害、又は病態を退縮させる、その進行を防止する、又は少なくともその進行を遅らせることを指す場合もある。特定の実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」は、自己免疫疾患(例えば、乾癬)などの疾患、障害、若しくは病態に関連する1つ以上の症状の緩和、進行若しくは発症の予防、又はその期間の短縮を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態の再発の防止を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態を有する対象の生存率の向上を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療する」、及び「治療」は、対象における疾患、障害、又は病態の消失を指す。
特定の実施形態によれば、自己免疫疾患の治療又は予防に使用される組成物が提供される。自己免疫療法の場合、組成物は、化学療法、抗IL-23 mAb、抗TNF-α mAb、抗IL17A mAb、他の自己免疫疾患薬、抗体薬物複合体(ADC)、又は標的療法を含むがこれらに限定されない別の治療と組み合わせて使用することができる。抗HLA-Cw6抗体を使用して、IL-23、TNF-α、IL17A、及び/又は他のT細胞表面抗原に対するパートナーmAbとの二重特異性抗体を構築して、HLA-Cw6及び特定のT細胞表面抗原の両方を発現する自己免疫疾患を治療することができる。
本明細書で使用するとき、用語「併用される」は、対象への2つ以上の治療薬の投与との関連において、複数の治療薬の使用を指す。用語「併用される」の使用は、治療薬を対象に投与する順序について限定しない。例えば、第1の治療薬(例えば、本明細書に記載される組成物)を、対象への第2の治療薬の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、同時、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与することができる。
実施形態
本発明は、以下の非限定的な実施形態を提供する。
実施形態1は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
a.それぞれ、配列番号37、38、39、64、65、及び66、
b.それぞれ、配列番号40、41、42、67、68、及び69、
c.それぞれ、配列番号43、44、45、70、71、及び72、
d.それぞれ、配列番号46、47、48、73、74、及び75、
e.それぞれ、配列番号49、50、51、76、77、及び78、
f.それぞれ、配列番号52、53、54、79、80、及び81、
g.それぞれ、配列番号55、56、57、82、83、及び84、
h.それぞれ、配列番号58、59、60、85、86、及び87、又は
i.それぞれ、配列番号61、62、63、88、89、及び90、を含み、
抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントである。
実施形態2は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
a.それぞれ、配列番号91、92、93、118、119、及び120、
b.それぞれ、配列番号94、95、96、121、122、及び123、
c.それぞれ、配列番号97、98、99、124、125、及び126、
d.それぞれ、配列番号100、101、102、127、128、及び129、
e.それぞれ、配列番号103、104、105、130、131、及び132、
f.それぞれ、配列番号106、107、108、133、134、及び135、
g.それぞれ、配列番号109、110、111、136、137、及び138、
h.それぞれ、配列番号112、113、114、139、140、及び141、又は
i.それぞれ、配列番号115、116、117、142、143、及び144、を含み、
抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントである。
実施形態3は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
a.それぞれ、配列番号145、146、147、172、173、及び174、
b.それぞれ、配列番号148、149、150、175、176、及び177、
c.それぞれ、配列番号151、152、153、178、179、及び180、
d.それぞれ、配列番号154、155、156、181、182、及び183、
e.それぞれ、配列番号157、158、159、184、185、及び186、
f.それぞれ、配列番号160、161、162、187、188、及び189、
g.それぞれ、配列番号163、164、165、190、191、及び192、
h.それぞれ、配列番号166、167、168、193、194、及び195、又は
i.それぞれ、配列番号169、170、171、196、197、及び198、を含み、
抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-C、好ましくはHLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントである。
実施形態4は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15若しくは17と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号2、4、6、8、10、12、14、16若しくは18と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントである。
実施形態5は、実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、
a.配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
b.配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
c.配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
d.配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
e.配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
f.配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
g.配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
h.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
i.配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントである。
実施形態6は、実施形態1~5のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであり、抗体又はその抗原結合フラグメントはキメラである。
実施形態7は、実施形態1~6のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであり、抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトである又はヒト化されている。
実施形態8は、実施形態1~8のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであり、抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-Cw6による抗原提示の結合及び阻害を介して、T細胞の発達及び活性化をブロックする。
実施形態9は、実施形態1~8のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離核酸である。
実施形態10は、実施形態9に記載の単離核酸を含むベクターである。
実施形態11は、実施形態10に記載のベクターを含む宿主細胞である。
実施形態12は、実施形態1~8のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと、医薬的に許容される担体とを含む、医薬組成物である。
実施形態13は、自己免疫疾患の治療又は予防を、それを必要とする対象において行う方法であり、実施形態12に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む。
実施形態14は、自己免疫疾患が、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、及び乾癬性関節炎からなる群から選択される、実施形態13に記載の方法である。
実施形態15は、自己反応性T細胞の活性化の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であり、実施形態12に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む。
実施形態16は、HLA-Cw6発現細胞におけるペプチド結合HLA-Cw6複合体へのT細胞受容体(TCR)の機能的結合を阻害する方法であり、該方法は、実施形態1~8のいずれか1つに記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと細胞を接触させることを含み、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントは、ペプチド結合したHLA-Cw6に結合し、TCRのペプチド結合HLA-Cw6複合体への機能的結合を阻害する。
実施形態17は、細胞をin vitroで接触させる、実施形態16に記載の方法である。
実施形態18は、細胞をin vivoで接触させる、実施形態16に記載の方法である。
実施形態19は、実施形態1~8のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する方法であり、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸を含む細胞を、モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する条件で培養することと、細胞又は培養物から抗体又はその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む。
実施形態20は、実施形態1~8のいずれか1つに記載のモノクローナル抗体又は抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を製造する方法であり、モノクローナル抗体又は抗原結合フラグメントを医薬的に許容される担体と組み合わせて医薬組成物を得ることを含む。
材料及び方法
使用するタンパク質の生成
ペプチドを有する組換えHLA-Cw6を、哺乳類及び細菌の両方の発現系で発現させた。カウンタースクリーニングのために、組換えA2PW23(rhHLA-A2)(配列番号199)、MHGW2(rhHLA-G5)(配列番号200)及びM01W6(β2-ミクログロブリン)(配列番号201)抗原を用いて、HLA-Cw6に対して高い選択性を有する抗体を同定した。標的抗原を安定的に発現する細胞株を、標準的なクローニング、発現、及びクローン選択法を用いて生成した。
OmniRat免疫操作からのハイブリドーマ上清のスクリーニング:組換え抗原(免疫原)に対するハイブリドーマ融合の一次スクリーニング。
96-Well Nunc F96 MaxiSorpプレートを、CW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)及びCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))抗原の1:1混合物を含む1μg/mL溶液(PBS)50μL/ウェルで、最低2.5時間コーティングした後、コーティング溶液を吸引した。プレートを200μL/ウェルのブロッキング溶液(0.4%BSA/PBS)で、4℃で3~4日間ブロッキングした。アッセイの日に、プレートを1X PBSTで3×300μL/ウェル洗浄し、対照サンプルを含む培養上清を50μL/ウェル加え、プレートをRTで1時間インキュベートした。上記のようにプレートを洗浄し、50μL/ウェルのヤギ抗ラットIgG Fc-HRP(1:10Kに希釈)(Jackson Immunoresearch;West Grove,PA,#112-036-071)の二次検出試薬を、ブロッキング緩衝液で調製して各ウェルに加えた。プレートをRTで30分間インキュベートした後、上記のように洗浄した。各ウェルに50μL/ウェルのTMB(Thermo Fisher Scientific;Waltham,MA,#34022)の基質溶液を加え、10分間インキュベートした後、50μL/ウェルの1M HCl(停止溶液)(VWR;Radnor,PA,#3004.324-2.5L)を加えた。その後、EnVisionプレートリーダーでプレートを読み取り、λ=450nmでの吸光度を記録した。
組換え抗原に対するハイブリドーマ融合の確認及び選択性のスクリーニング
ハイブリドーマ融合の一次スクリーニングから生じるヒット(880)を、結合の選択性及び特異性を確認するために追加の抗原に対してスクリーニングした。
6セットの96ウェルNuncF96 MaxiSorpプレートを単一の抗原:(1)CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ ARF(配列番号219))、(2)CW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)、(3)CW6W36(rhHLA-Cw6/ADAMTSL5)(配列番号204)、(4)A2PW23(rhHLA-A2)(配列番号199)、(5)MHGW2(rhHLA-G5)(配列番号200)、及び(6)M01W6(β2-ミクログロブリン)(配列番号201)でコーティングした。50μL/ウェルの1μg/mL抗原コーティング溶液(PBS)を用いて4℃で一晩インキュベートした後、溶液を捨て、プレートを250μL/ウェルのブロッキング溶液(0.4%BSA/PBS)でRTにおいて3時間ブロッキングした。プレートを1X PBSTで300μL/ウェル×3回洗浄し、対照サンプルを含む培養上清を50μL/ウェル加え、プレートをRTで1時間インキュベートした。上記のようにプレートを洗浄し、ブロッキング緩衝液で調製した50μL/ウェルのヤギ抗ラットIgGFc-HRP(1:10Kに希釈)(Jackson#112-036-071)二次検出試薬を各ウェルに加えた。プレートをRTで30分間インキュベートした後、上記のように洗浄した。各ウェルにTMB(Thermo#34022)基質溶液を50μL/ウェル加え、10分間インキュベートした後、50μL/ウェルの1M HCl(停止溶液)(VWR#3004.324-2.5L)を加えた。その後、プレートをEnVisionプレートリーダーで読み取り、λ=450nmでの吸光度を記録した。
HLA-Cw6ハイブリドーマ出力ヒットの確認MSD細胞結合スクリーニング。
ハイブリドーマ融合の一次スクリーニングから生じるヒット(880)を、結合の選択性及び特異性を確認するために追加の抗原に対してスクリーニングした。
HLA-Cw6免疫化OmniRatリンパ球とF0骨髄腫細胞との融合から得られた全てのクローンの上清を、抗HLA-Cw6抗体の存在について試験した。K562親細胞株、並びにrhHLA-Cw6(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)及びrhHLA-A1(K562-rhHLA-A1)(配列番号212)を安定的に発現するK562細胞株に対して、結合を試験した。96ウェルのMSD High Bindプレート(MSD#L15XB)に細胞を65000細胞/ウェルで播種し、37℃、5%COに設定したインキュベータで1時間インキュベートした。コーティング溶液を捨て、150μL/ウェルのブロッキング緩衝液(PBS中20%FBS及び0.18%NaN)で、プレートをRTにて30分間ブロッキングした。ブロッキング溶液を捨て、50μL/ウェルの上清をアッセイプレートに加え、RTで1時間インキュベートした後、3×300μL/ウェルのPBSでプレートを洗浄した。二次SulfoTag標識抗ラットIgG検出抗体(Meso Scale Discovery(MSD);Rockville,MD,#R32AH-1)を0.5mg/mLの溶液として調製し、50μL/ウェルでプレートに加え、RTで1時間インキュベートした後、上記のようにプレートを洗浄した。その後、プレートに1X MSD Read Buffer T(界面活性剤を含まない)(MSD#R92TD-1)を150μL加え、MSD Sector Plate Readerでプレートを読み取った。
組換え抗原に対する免疫化Ablexisマウスからの単一B細胞によって発現される抗体の一次スクリーニング。
培養した単一B細胞の上清を、384ウェルMSD High Bindアッセイプレート(MSD#L21XB-4)を用いて、マウスIgGの存在及び抗HLA-Cw6抗体の存在について試験した。384ウェルのMSD High Bindプレートを、10μL/ウェルの1μg/mLのヤギ抗マウスIgG Fcγ抗体(Jackson#115-006-071)又はCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))でRTにて6時間コーティングした。コーティングしたプレートを75μLの1X PBSTで洗浄し、60μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.4%BSA/PBS)を全てのプレートに加えた。プレートを密封し、4℃で一晩インキュベートした。翌日、上記のようにプレートを洗浄し、単一のB細胞培養物から採取した10μL/ウェルの上清を、RTで2時間、プレート内でインキュベートした。プレートを洗浄し、15μL/ウェルの1μg/mLヤギSulfoTag抗マウス二次検出抗体(MSD#R32AC-5)をアッセイプレートに加え、プレートをRTで1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、35μL/ウェルの1X MSD Read Buffer T(MSD#R92TC-1)を加え、MSD Sector Imager 6000でプレートを読み取った。
細胞株に対する免疫化Ablexisマウスからの単一B細胞によって発現される抗体の一次スクリーニング。
培養した単一B細胞からの上清を、rhHLA-Cw6(配列番号211)を安定的に発現するK562細胞株への選択的結合について試験したが、rhHLA-A1(K562-rhHLA-A1)(配列番号212)若しくはrhHLA-B7(K562-rhHLA-B7)(配列番号213)を安定的に発現するK562細胞株への選択的結合、又はK562親細胞株への選択的結合については試験しなかった。High Bind 384ウェルMSDプレート(MSD#L21XB-4)を、37℃及び5%COに設定したインキュベータ内で、10μLの容量で1.5時間、5000個の細胞/ウェルでコーティングした。プレートをブロックするために、20%FBS/0.18%NaN3/PBS溶液を60μL/ウェル加え、5%COを補充した37℃のインキュベータでプレートを30分間インキュベートした。ブロッキング溶液を捨て、単一のB細胞培養物から採取した10μL/ウェルの上清を、プレート内でRTにて1.5時間インキュベートした。プレートを60μL/ウェルの1X PBSで洗浄し、15μL/ウェルの1μg/mLのヤギSulfoTag抗マウス二次検出抗体(MSD#R32AC-5)をアッセイプレートに加え、RTで30分間プレートをインキュベートした。プレートを洗浄し、1X MSD Read Buffer T(界面活性剤を含まない)(MSD#R92TD-1)を35μL/ウェル加え、MSD Sector Imager 6000でプレートを読み取った。
一次モノクローナル抗体スクリーニング/カウンタースクリーニング。
K562親細胞株、並びにrhHLA-Cw6(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)及びrhHLA-B7(K562-rhHLA-B7)(配列番号213)を安定的に発現するK562細胞株を、12000細胞/ウェルの密度で384ウェルのMSD High Bindアッセイプレート(MSD#L21XB-4)に播種した。インキュベータ内で37℃、5%COで1時間インキュベートした後、プレートを吸引し、50μLのStarting Blockブロッキング緩衝液(Thermo Fisher#37542)を各ウェルに加え、更にRTで30分間、プレートをインキュベートした。ブロッキング緩衝液を吸引し、調製した試験抗体20μLを適切なウェルに加え、プレートをRTで1時間更にインキュベートした。プレートを80μLのPBSで3回洗浄した後、各ウェルに1μg/mLのSulfoTag標識二次検出抗体溶液を20μL/ウェル加えた。RTで1時間インキュベートした後、プレートを80μLのPBSで3回洗浄し、1X MSD Read Buffer T(界面活性剤を含まない)(MSD#R92TD-1)を50μL/ウェル加え、MSD Sector 600 Plate Readerでプレートを読み取った。
T細胞株活性化アッセイ-IL-2放出の阻害
CD8(配列番号216及び配列番号217)及びTCR-ADAMTSL5(配列番号214及び配列番号215)の両方を安定的に発現するJurkat T細胞クローン(クローンE11)(Jurkat-rhCD8/rhTCR-ADAMTSL5)を、rhHLA-Cw6(LCL.721.221-rhHLA-Cw6)(配列番号211)を安定的に発現するLCL.721.221クローンで刺激し、IL-2サイトカイン放出応答を誘導する。サイトカイン放出応答は、Jurkat細胞クローンからのTCR-ADAMTLS5応答の特異性により、LCL.721.221-rhHLA-Cw6上のADAM-Abuペプチドの負荷に依存している。LCL.721.221-rhHLA-Cw6に0.2mg/mLのADAM-Abu(配列番号218)ペプチドを、37℃に設定し、5%COを補充した加湿インキュベータ内で1時間負荷した。ペプチドを負荷したLCL.721.221-rhHLA-Cw6細胞を384ウェルのアッセイプレートに20μL/ウェルでプレーティングし、20μLの4X試験抗体と37℃に設定し、5%COを補充した加湿インキュベータ内で1時間インキュベートした。続いて、Jurkat-rhCD8/rhTCR-ADAMTSL5細胞を40μL/ウェルでアッセイプレートに加え、37℃に設定し、5%COを補充した加湿インキュベータ内で16~20時間、アッセイプレートをインキュベートした。インキュベーション時間の終わりに、20μL/ウェルを採取し、384ウェルのMSD IL-2 Cytokineアッセイキット(MSD#K211AHB-2)を用いて、製造元推奨のプロトコルで解析した。
T細胞株活性化アッセイ-CD69のアップレギュレーションの阻害
TCR-ADAMTLS5(配列番号214及び配列番号215)を安定的に発現するJurkat T細胞クローン(クローンE11)(Jurkat-rhTCR-ADAMTSL5)、及びTCR-TRAT(配列番号225及び配列番号226)を安定的に発現するJurkatT細胞クローン(クローンC5)(Jurkat-rhTCR-TRAT)を、HLA-Cw6を安定的に発現しているK562細胞株(クローン16)(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)で同族ペプチドの存在下で刺激し、フローサイトメトリーを用いてCD69のアップレギュレーションによって測定したところ、Jurkat T細胞クローンを活性化した。96ウェルのアッセイプレートに、K562-rhHLA-Cw6細胞(100K細胞/ウェル)を50μL加え、アッセイ培地(RPMI1640+10%FBS)で調製した100μg/mLのADAM-Abu(配列番号218)又はTRAT(配列番号220)ペプチド溶液50μLと共に37℃で1時間インキュベートした。その後、連続希釈した抗体を、96ウェルアッセイプレート中のペプチドを負荷したK562-rhHLA-Cw6細胞に加え、37℃で1時間インキュベートした。適切なJurkat T細胞クローンを、同族ペプチドを負荷したK562-HLA-Cw6細胞を含むアッセイプレートに50μL/ウェル(50K細胞/ウェル)で加え、プレートを37℃で14~15時間インキュベートした。処理期間が終了した後、細胞を96ウェルの丸底プレート(Costar#3799)に移し、プレートを1300RPMで5分間、RTで遠心分離した。上清を注意深く除去し、細胞ペレットを、FcR Block(Miltenyi Biotec;Bergisch Gladbach,Germany,#130-059-901)と、Live/Dead(Ghost Dye Red,APC-Cy7,Tonbo#13-0865-T100)色素とを含む溶液で、FACS Stain Buffer(BD Pharmingen;San Jose,CA,#554657)において、50μL/ウェルに再懸濁した。その後、プレートを暗所で5分間、氷上でインキュベートした。その後、Cell Trace CFSE(ThermoFisher#C34554)及びBV421抗ヒトCD69抗体(mIgG1、クローンFN50、BD Pharmingen#562883)を含む、FACS Stain Bufferで調製した染色カクテルを50μL/ウェル用いて、氷上で30分、細胞をインキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、150μL/ウェルのFACS Stain Bufferを各ウェルに加え、プレートを1300RPMで5分間RTにて遠心沈殿させた。上清を除去し、細胞を200μL/ウェルのFACS Stain Bufferに再懸濁して、BD FACSCantoフローサイトメーターで取得した。データはFlowJo v10で解析した。
LABScreenアッセイ-対立遺伝子特異性スクリーニング
LABScreen(One Lambda)アッセイにより、97のClass I HLA対立遺伝子(HLA-A、-B、及び-C)のパネルに対する抗体結合を、ビーズベースの蛍光フロー技術(Luminex 100;Luminex;Austin,TX)を用いて調査する。96ウェルのアッセイプレートにおいて、5μLのLABScreen(One Lambda#LS1A04)ビーズを20μLの各試験抗体(10μg/mL)と共に、RTで暗所にて穏やかに振盪しながら30分間インキュベートした。インキュベーション終了後、供給された1X洗浄緩衝液150μLを各ウェルに加え、プレートを1300×gで5分間、RTで遠心分離した。洗浄溶液をフリックして除去し、プレートをもう1回洗浄した。1X PEコンジュゲート抗ヒトIgG(One Lambda#LSAB-2)溶液を調製し、100μL/ウェルをアッセイプレートに加えた。プレートを穏やかに振盪しながらRTにて暗所で30分間インキュベートした。その後、上記のようにビーズを2回洗浄した後、80μL/ウェルの1X PBSを各ウェルに加えた。プレートをLuminex 100機器で分析し、Fusion 3.0 Software(One Lambda)を用いてデータを解析した。
HLA-Cw6抗原構築物に結合する抗HLA-Cw6mAbの分析
複数のHLA-Cw6抗原への抗HLA-Cw6 mAbの結合を、ProteOn XPR36タンパク質相互作用アレイシステム(Bio-Rad;Hercules,CA)で、GLCセンサーチップ(Bio-Rad#176-5011)を用いて測定した。ヤギ抗ヒトFc抗体(Jackson ImmunoResearch(Jackson#109-005-098))を標準的なアミンカップリングにより水平方向にチップにコンジュゲートさせ、続いて抗HLA-Cw6 mAb(「リガンド」)を垂直方向に捕捉した。抗HLA-Cw6 mAbを、100~200応答単位のリガンド密度で捕捉した。各HLA-Cw6抗原(「分析物」)への結合を、5つの抗原濃度(3倍の濃度系列で1.23nMまで希釈した100nM)を捕捉したmAbの上に水平方向に流すことにより、緩衝液(PBST-リン酸緩衝生理食塩水、0.005% Tween20を補充、pH7)のみを含有する6番目の分析物チャネルを用いて測定した。全ての分析を、PBST中、100μL/minの流量で行い、会合時間は180秒、解離時間は900秒であった。チップ表面の再生(捕捉されたリガンドの放出)は、0.85%リン酸の2つの短いパルス(100μL/minで18秒の接触時間)によって達成された。「インタースポット」におけるブランクの表面応答(屈折率の変化及びチップ表面との非特異的な相互作用を補正するため)、及び緩衝液のブランク応答(時間の経過に伴うmAbの解離に起因するあらゆるベースラインドリフトを補正するため)を差し引くことで、分析物の生データを二重に参照した。参照データを、1:1の単純なLangmuir結合モデルに全体的に適合させた。動態パラメータを、Bio-Rad ProteOn Managerソフトウェア(バージョン3.1.0.6)を用いて、パラメータ(kon、koff、Rmax)の範囲及びタイプをそれぞれ「Grouped」及び「Fitted」に設定して、各mAb/抗原の組み合わせ又は相互作用について計算した。
Biacore 8Kによる組換えクラスI MHC分子への結合の親和性測定。
アミンカップリングキット(GE Healthcare#BR-1000-50)を用いて、ヤギ抗ヒトIgG Fc抗体(Jackson#109-005-098)を、チップ表面にカップリングすることによって、シリーズS CM4センサーチップ(GE Healthcare#BR-1005-34)を調製した。全ての動態測定のランニング緩衝液は、1X HBSP+100 μg/mLのBSAであり、全ての測定値は25℃で得られた。75~225RUの試験抗体を固定化した後、3つの濃度(3.7~100nM)の抗原を、60μL/minの流量で接触時間60秒、解離時間900秒で注入することによって、単一サイクルの動態分析を行った。結果として得られたセンサーグラムを、1:1の動態モデルを用いて適合させ、全体のk、k、Rmax、RIを0に設定した。
エピトープビニング-表面プラズモン共鳴イメージング(SPRi)及び連続フローマイクロスポッター(CFM)法
CFM 2(Wasatch Microfluidics;Salt Lake City、UT)を用いて、96個のmAbのマイクロアレイを作製した。これにより、96ウェルマイクロプレートから48個の70μLプラグのサンプルを流体マニホールドに引き出し、これによって、SPR基質(G-COOHでコーティングされたプリズム、Ssens,NL製)の表面上の48個のマイクロフローセルのアレイに溶液を集中させ、該溶液を60μL/分で前後に循環させる。MESカップリング緩衝液pH4.5中30μg/mLの各mAb100μLを用いて96ウェルマイクロプレートを調製し、CFMのベイ2に負荷した。新たに混合した活性化試薬(合計5mLのMESカップリング緩衝液pH4.5中0.4M EDC 150μL及び0.1Mスルホ-NHS 150μL)の第2のプレートをベイ1に負荷した。次いで、CFMをシステム緩衝液(PBS+0.01% T20)でプライミングした。抗HLA-DR4 mAbプレートには89個のmAbが含まれていた。ドッキング後、活性化試薬を表面上で7分間循環させ、続いてすぐに最初のmAbセット(mAbプレートの上半分)を循環させ、15分間循環させた。ドッキングを解除せずに、スポットをシステム緩衝液ですすいだ。CFMは一度に48溶液をプリントするため、89個のmAbの完全なアレイを作製するには、表面に2回対処する必要がある。1回目のプリント後、CFMを一時停止して新しい活性化試薬を負荷し、7分間の活性化と15分間のカップリングという同じサイクルを、mAbプレートの後半部分にも繰り返した。その後、プリントしたプリズムをSPRiリーダー(MX96、IBIS Technologies;Netherlands)に負荷した。このリーダーは、単一のフローセルとオートサンプラーを使用しており、分析物ごとに80μLの注入を前後に繰り返すことでアレイに対応するように構成されている。負荷してから、1Mエタノールアミン(GE Healthcare)をチップ全体に15分間注入して、過剰な反応性エステルをクエンチした。次いで、システム緩衝液でチップを洗浄し、チップ画像を用いて反応スポット(すなわち、96リガンドアレイ)及び介在する参照スポット(反応スポット当たり2つのローカル参照スポット)を規定した。従来の(Sandwich)ビニングでは、抗原とmAb分析物との両方を並行してフローセルに輸送し、再生を継続する前に互いの直後に注入する同時注入を用いた。抗原(CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))を3分間注入した後、20μg/mLのmAbを更に3分間注入した後、表面を再生した。全てのSPRi実験を、96×96アナライト・オン・リガンドフォーマットで実施した。
Figure 2022527541000002
H/D交換試験を用いた抗HLA-Cw6 mAbのエピトープマッピング。
ペプシン/プロテアーゼXIII消化及びLC-MS。130μLの対照緩衝液(50mMホスフェート、100mM塩化ナトリウム、pH7.4)中の5μgのCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))を、130μLの4M塩酸グアニジン、0.85M TCEP緩衝液(最終的なpHは2.5であった)を加え、混合物を20℃で3分間インキュベートすることによって変性させた。次いで、混合物を、パッキングしたペプシン/プロテアーゼXIII(w/w、1:1)カラム(2.1×30mm)を用いて、オンカラムペプシン/プロテアーゼXIII消化に供した。得られたペプチドを、Q ExactiveTM Hybrid Quadrupole-Orbitrap Mass Spectrometer(Thermo)に接続されたWaters Acquity UPLCで構成されるUPLC-MSシステムを使用して分析した。ペプチドを、2~32%の溶媒B(アセトニトリル中、0.2%ギ酸)の16.5分の勾配で50mm×1mmのC8カラム上で分離した。溶媒Aは、水中0.2%ギ酸であった。注入バルブ、及びペプシン/プロテアーゼXIIIカラム、及びそれらに関連する接続チューブは、16℃で維持された冷却ボックス内にあった。第2の切換バルブ、C8カラム、及びそれらに関連するステンレス鋼の接続チューブは、-6℃で維持された別の冷却循環ボックス内にあった。W6配列に対するMS/MSデータをMascotで検索することを通じて、ペプチド同定を行った。プリカーサー及びプロダクトイオンに対する質量許容差は、それぞれ7ppm及び0.02Daであった。CW6W3では100%の配列カバレッジが達成された。
水素重水素交換(HDX)。10μLのCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))(5μg)、10μLのCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))&CW6B175混合物、又は10μLのCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))&CW6B130の混合物(5μg:15μg)を、120μLの重水標識緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、100mM塩化ナトリウム、pD7.4)と共に、20℃で0秒、60秒、300秒、1800秒、又は7200秒間インキュベートした。各時点での水素/重水素(H/D)交換を、2回で実施した。130μLの4M塩酸グアニジン、0.85M TCEP緩衝液(最終的なpHは2.5であった)を加えることによって、交換をクエンチした。その後、クエンチしたサンプルを、上記に記載されるようにオンカラムペプシン/プロテアーゼXIII消化及びLC-MS分析に供した。質量スペクトルはMSのみのモードで記録した。未処理MSデータを、H/D交換MSデータの分析のためのソフトウェア、HDX WorkBenchを使用して処理した(J.Am.Soc.Mass Spectrom.2012,23(9),1512-1521)。重水素化ペプチドとその天然形態(t0)との平均質量差を使用して、重水素レベルを算出した。
実施例1:抗体の生成
全てのリード候補抗体及びツール抗体を、2つの独立した免疫操作、すなわち、(1)OMT OmniRat、及び(2)Ablexisマウスへの免疫から同定した。
OmniRatには、反復接種多重部位技術(Repetitive Immunizations Multiple Sites、RIMS)及び最終細胞免疫ブーストプロトコルに従って、週2回、合計12回の免疫ブーストが行われた。組換えヒトCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))及びCW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)タンパク質を使用して、HLA-Cw6に対する抗体を生成した。最後のブーストとして、HLA-Cw6を過剰発現させたK562細胞株を接種した。血清を採取し、rhHLA-Cw6に対する循環IgG特異的抗体を評価し、抗原をプレートに直接コーティングした固相ELISAで力価を測定した。リンパ節を採取してBリンパ球を融合させ、ハイブリドーマからの上清を標的抗原への結合についてスクリーニングした。
第2のアプローチでは、Ablexisマウスを3つの異なる方法、すなわち、腹腔内注射(IP)、30日間のプロトコル、及びCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))とCW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)との混合物を用いたIP/RIMSで免疫し、免疫プロトコルの期間中に合計8回の注射を行った。hHLA-Cw6を過剰発現するK562細胞(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)による最終ブーストは行わなかった。免疫プロトコルの最後に、AutoMACS MicroBeadsを用いてT細胞及びIgM+B細胞を枯渇させることにより、脾細胞からB細胞を濃縮した。細胞の一部をハイブリドーマ生成のために融合させた。残りのB細胞を、bt-HLA CW6抗原、抗マウスIgG(Fcy特異的)-AlexaFluor647、抗ヒトKappa-PE/Cy7で染色し、FACS Aria IIIにより選別した。単一の抗原特異的B細胞(msFc、huKappa、及びHLA-CW6陽性)を、培地(Medium E + 20% Jurkat conditioned media + 0.1μg/mLのmsMegaCD40L(Enzo)+5μg/mLのmsCpG ODN1826+25ng/mLのmsIL-2(Peprotech)+10ng/mLのmsIL-6(R&D Systems)+17ng/mLのmsIL-10(R&D Systems)+10μg/mLのLPS 026:B6(Sigma)+1μg/mLのPWM(Sigma)+1800 iMEFフィーダー細胞/ウェル)を含む384ウェル組織培養プレートに沈着させ、1ウェルあたり1個の細胞を沈着させた。選別された細胞を90μLの培地で4日間インキュベートし、培養上清をMSDでスクリーニングして、CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))タンパク質に対するマウスIgG抗体の存在と、各種細胞株(親、HLA-CW6、HLA-A、HLA-B-過剰発現)の存在を確認した。
OMTハイブリドーマの上清を、複数の組換え抗原への結合について試験し、標準的なELISAによってHLA-CW6に選択的な抗体を選択した。ELISAプレートにコーティングされた6つの標的抗原は、(1)CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))、(2)CW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)、(3)CW6W36(rhHLA-Cw6/ADAMTSL5)(配列番号204)、(4)A2PW23(rhHLA-A2)(配列番号199)、(5)MHGW2(rhHLA-G5)(配列番号200)、及び(6)M01W6(β2-ミクログロブリン(配列番号201))であった。更に、HLA-Cw6(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)及びHLA-A1(K562-rhHLA-A1)(配列番号212)を安定的に発現するK562細胞への結合、及び親K562細胞株への結合について、上清をMSD Cell Binding formatでスクリーニングした。rhHLA-Cw6に特異的に結合し、rhHLA-A2、rhHLA-G5、β2-ミクログロブリン、K562-rhHLA-A2及び親K562細胞株には結合しなかったクローンをクローン化し、完全なヒトhIgG1-シグマモノクローナル抗体として発現させた。
CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))でMSDプレートをコーティングし、結合したマウスIgGをSulfoTag抗マウスIgG二次抗体で検出することにより、単一のB細胞からの上清をスクリーニングした。また、ヒトHLA-Cw6(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)、HLA-A1(K562-rhHLA-A1)(配列番号212)及びHLA-B7(K562-rhHLA-B7)(配列番号213)を安定的に発現するK562細胞株への結合について、上清をスクリーニングし;非特異的バインダーを除外するために、親K562細胞を含めた。
HLA-Cw6特異的バインダーとして同定された両抗体探索操作からの全ての抗体を、最初にクローン化し、hIgG1-シグマモノクローナル抗体として発現させた。Target Molecule Profile基準を満たす抗体をクローン化し、hIgG4-PAAモノクローナル抗体として発現させた。
実施例2:抗体の特性評価
ハイブリドーマ融合クローンの上清、OMT OmniRat免疫、Ablexisマウス免疫からのB細胞選別から、抗体を同定した。後述の特性評価実験から、エピトープ結合群、アンタゴニスト効力、結合選択性、及び親和性の異なる組み合わせ特性を有する、8つのアンタゴニスト及び1つの非アンタゴニストの抗HLA-Cw6抗体を表す9つの独自の抗体を同定した。以下の項では、9つの抗体全てについて、各in vitro特性評価試験の結果を説明する。
OMTハイブリドーマ融合からの上清の一次スクリーニング
OMT OmniRatの免疫から得られたハイブリドーマ上清を、232×96ウェルELISAで最初にスクリーニングし、免疫に使用した免疫原であるCW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)及びCW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))に結合する抗HLA-Cw6抗体を発現するクローンを同定した。一次スクリーニングでは、合計880件のヒットが同定された。rhHLA-Cw6に対する選択性を有するハイブリドーマクローン上清を同定するために、複数の組換え抗原及びHLA-I分子を安定的に発現する複数の細胞株に対して確認ELISAスクリーニングを行った。確認スクリーニングにおける抗原は、(1)cw6w3.eco.pp.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))、(2)CW6W32(rhHLA-Cw6/TRAT)(配列番号202)、(3)CW6W36(rhHLA-Cw6/ADAMTSL5)(配列番号204)、(4)A2PW23(rhHLA-A2)(配列番号199)、(5)MHGW2(rhHLA-G5)(配列番号200)、及び(6)M01W6(rhβ2-マクログロブリン)(配列番号201)であった。rhHLA-Cw6を安定的に発現するK562細胞株(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)に対して確認細胞結合スクリーニングを行い、rhHLA-Aを安定的に発現するK562細胞(K562-rhHLA-A)(配列番号212)、及びK562親細胞株に対してカウンタースクリーニングを行った。これらのスクリーニングに基づき、合計208のハイブリドーマクローン上清がHLA-Cw6に対して選択的であった(表1)。
Figure 2022527541000003
続いて、HLA-B7を発現するK562細胞株(K562-rhHLA-B7)(配列番号213)を含む208個の上清ヒットに対して、追加の一次細胞結合スクリーニングを行って、ハイブリドーマクローン上清パネルのHLA-Cw6に対する特異性を高めた。このスクリーニングから、49個のハイブリドーマクローン上清は、K562-rhHLA-Cw6(配列番号211)に選択的に結合するが、K562-rhHLA-B7(配列番号213)又はK562親細胞株には結合しないことが確認された。
AblexisマウスB細胞選別からの単一B細胞上清及び精製抗体の一次スクリーニング
Ablexisマウスの免疫操作で得られ、IgGの発現に対して陽性であり、CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))抗原への結合が陽性であった、216個の培養単一B細胞の上清をスクリーニングし、HLA-Cw6(K562-rhHLA-Cw6)(配列番号211)、HLA-A1(K562-rhHLA-A1)(配列番号212)、HLA-B7(K562-rhHLA-B7)(配列番号213)を安定的に発現するK562細胞、及び親K562細胞株との結合性を確認した。216個の選別されたクローンのうち、11個のクローンが、K562-HLA-Cw6に特異的な結合を示したが、K562-HLA-A、-HLA-B、親細胞株には結合しなかった。これらのスクリーニングから同定された11のヒットは、ヒトIgG4-PAAにクローン化され、更なる特性評価のために発現及び精製された。同定された11個の上清ヒットのうち、9個がモノクローナル抗体として正常に発現及び精製された(表2)(Ablexis B細胞から6個(CW6B228、CW6B229、CW6B230、CW6B233、CW6B237、CW6B238)、OMTハイブリドーマから3個(CW6B130、CW6B175、CW6B188))。抗体を配列決定して、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、並びに重鎖及び軽鎖相補性決定領域を同定した(表3~表6)。
Figure 2022527541000004
Figure 2022527541000005
VH:重鎖可変領域。AA:アミノ酸。NT:ヌクレオチド(DNA)
Figure 2022527541000006
VL:軽鎖可変領域。AA:アミノ酸。NT:ヌクレオチド(DNA)
Figure 2022527541000007
ID:配列番号;HC:重鎖
Figure 2022527541000008
ID:配列番号;LC:軽鎖
発現及び精製されたモノクローナル抗体を、MSD細胞結合アッセイフォーマットを用いて、K562-rhHLA-Cw6細胞株には選択的に結合するが、K562-rehHLA-B7又はK562親細胞株には結合しないことをスクリーニングした。合計7つのmAbが、K562-rhHLA-Cw6細胞株に結合するが、K562-rhHLA-B7又はK562親細胞株には結合しない、選択性の基準を満たした(表7)。
Figure 2022527541000009
精製モノクローナル抗体(IL-2及びCD69)の機能的活性スクリーニング
OMT OmniRatハイブリドーマ及びAblexis B細胞選別の一次スクリーニングで同定された精製抗体を、2つの別々であるが直交するアッセイにおける機能的活性、すなわち、(1)T細胞株におけるHLA-Cw6/ADAMTSL5-Abu依存性のIL-2放出の阻害、(2)T細胞株におけるHLA-Cw6/ADAM-TSL5及びHLA-Cw6/TRAT依存性CD69アップレギュレーションの阻害について特性評価した。
IL-2阻害機能のスクリーニングを3つの抗体濃度で実施し、IL-2放出の阻害率(%)に基づいて抗体をランク付けした。簡潔に述べると、LCL-721.221-rhHLA-Cw6細胞(クローン28)(配列番号211)に、ADAMTSL5-Abuペプチド(配列番号218)を負荷し、ヒトTCR-ADAMTSL5受容体(配列番号214及び配列番号215)を発現するJurkat T細胞クローン(Jurkat-rhTCR-ADAMTSL5)と共培養した(HLA-Cw6/ADAMTSL5-Abuペプチドは同族リガンド)。アンタゴニストの抗HLA-Cw6抗体の非存在下で、又は陰性対照の存在下で、刺激されたJurkat T細胞クローンは測定可能なIL-2を分泌する。しかし、抗HLA-Cw6アンタゴニスト抗体で共培養を処理することにより、IL-2の分泌が阻害され、アンタゴニスト活性についてHLA-Cw6特異的抗体をスクリーニングする方法が提供される。HLA-Cw6特異的抗体のパネルから、7つの抗体が、陽性対照の抗HLA-Cw6抗体(CW6B123及びCW6B124)に匹敵する、Jurkat T細胞株によるHLA-Cw6依存性のIL-2放出に拮抗する良好な有効性を有している。また、アンタゴニスト活性を示さない、HLA-Cに高い特異性を持つ抗体も、抗体パネルに含まれていた(表8)。
Figure 2022527541000010
n/aは、サンプルが実験に含まれなかったことを示す。
CD69アップレギュレーションによって測定されるHLA-Cw6/ADAM-Abu及びHLA-Cw6/TRAT依存性Jurkat T細胞活性化の阻害を測定する直交機能バイオアッセイで、IL-2放出のブロッキングに良好な有効性を持つ7つの抗体を特性評価した。簡潔に述べると、rHLA-Cw6を安定的に発現するK562細胞に、ADAM-abu、又はTRATのペプチドを負荷し、抗HLA-Cw6抗体で処理し、TCR-ADAMTLS5、又はTCR-TRATを安定的に発現するJurkat T細胞株とそれぞれ共培養した。一晩インキュベートした後、CD69発現のHLA-Cw6/ペプチド依存性アップレギュレーションをフローサイトメトリーでモニターした。IL-2阻害アッセイから得られた7つのアンタゴニスト抗体は全て、Jurkat-TCR-ADAMTSL5(図1)及びJurkat-TCR-TRAT(図2)のT細胞株におけるCD69アップレギュレーションの抗体濃度依存性のブロッキングを示す。HLA-Cw6/ADAM-Abuに対しては、CW6B130が最も高い効力を示し、CW6B237が最も低い効力を示した。HLA-Cw6/TRATに対しては、Cw6B237が最も高い効力を示した。
LABSCREEN(登録商標)対立遺伝子特異性スクリーニング
精製した抗体をLABSCREEN(登録商標)アッセイで対立遺伝子特異性を解析した。LABSCREEN(登録商標)アッセイは、ビーズベースの蛍光フロー技術(Luminex 100)を用いて、97のClass I HLA対立遺伝子(HLA-A、-B、及び-C)への定性的な抗体結合を評価するものである。データをHLA Fusion(商標)ソフトウェア(バージョン4.0)を用いて解析し、HLA-C対立遺伝子に対する高い選択性を持つ抗体を選択して、その機能的活性、結合性、及び他の特性による更なる評価を行った。社内で生成された抗体のうち、CW6B237及びCW6B238はHLA-C対立遺伝子に対して最も高い特異性を示し、次にCW6B130、CW6B175及びCW6B188が続き、これらは全てHLA-B46と交差反応性を示し、CW6B130及びCW6B175はHLA-B73に対して追加の交差反応性を示す。これらのHLA-I対立遺伝子の配列を解析すると、HLA-B73はHLA-Cファミリーに密接に関連しており、一方、HLA-B46はHLA-Bファミリーに含まれていると考えられる。76位のバリンは、HLA-C、HLA-B46、HLA-B73には保存されているが、他のHLA-B対立遺伝子には保存されていないことから、このバリンがこれらの抗体で観察される対立遺伝子特異性に関与していることを示唆している。残りの抗体は、少なくとも10個を超える非HLA-C対立遺伝子に対して(定性的に)交差反応性を示し、CW6B238は、試験した97個のクラスI MHC対立遺伝子の中で最も高い交差反応性を示す(図3A~図3C、図4A~図4C、図5A~図5C、図6A~図6C、図7A~図7C、図8A~図8C、図9A~図9C、図10A~10図C、図11A~図11C、図12A~図12C、及び図13A~図13C)。
HLA-C対立遺伝子に対する特異性が最も高い抗体(CW6B237及びCW6B238)は、良好なアンタゴニスト効能を示すが、最高の活性は示さない。最も高いアンタゴニスト効能を示すのはCW6B130及びCW6B175で、HLA-B46及びHLA-B73に対して定性的に交差反応性を示している。CW6B188は、HLA-Cの選択性が高いが、HLA-B46に結合し、T細胞活性化試験ではアンタゴニスト活性を有さない。
親和性測定(SPR)
既に述べたように、rHLA-Cw6/ARFN(配列番号205)(リフォールドしたrHLA-Cw6の酸性ペプチド、別名CW6W3.ECO.PP.002/.003)(配列番号203)、rHLA-Cw6/TRAT(一本鎖発現タンパク質中の塩基性ペプチド、別名CW6W32)(配列番号202)、rHLA-Cw6/ADAMTSL5(一本鎖発現タンパク質中の酸性ペプチド、別名CW6W36)(配列番号204)抗原に対して、ProteON XPR36システムを用いた表面プラズモン共鳴(SPR)法によって、抗HLA-Cw6抗体の親和性測定値を得た。抗体は、試験した3つの抗原に対して、異なる結合動態を示した(表9エラー!参照ソース見つからず。)。
Figure 2022527541000011
Figure 2022527541000012
クラスI MHC分子を区別する抗体の能力特性を更に評価にする。HLA-C06:02、HLA-B46:01及びHLA-B73:01クラスI MHC分子を表す11の抗原に対する7つのアンタゴニスト抗体を用いて、これらのクラスI MHC対立遺伝子に高頻度で関連して観察されたペプチドを表すペプチドを負荷して、Biacore 8K機器でSPRを行った(Hilton et al.,2017,Cell Reports 19:1394-1405,Barber et al.,1996,Tissue Antigens.47:472-7)。
LABScreenアッセイの結果は、CW6B130及びCW6B175がHLA-B46:01及びHLA-B73:01対立遺伝子に対して交差反応性を有することを示しているが、同族ペプチドを有する抗原を用いたSPRデータは、これらの抗体がペプチドを負荷した抗原に不十分に結合することを示している(表10)。
Figure 2022527541000013
Figure 2022527541000014
Figure 2022527541000015
エピトープのビニング及びマッピング(IBIS及びHDX)
標的抗原(CW6W3.ECO.PP.002/.003(rhHLA-Cw6(配列番号203)/ARF(配列番号219))上の抗HLA-Cw6エピトープを、SPRi(SPRイメージング)及びCFM(連続フローマイクロ流体、又はマイクロスポッター)プリントを用いた従来の競合(サンドイッチフォーマット)実験によって決定し、IBIS法を用いて解析した。94個の抗HLA-C抗体のパネルを用いて同定されたビン群は全部で6つあり、同定された9個の抗体は3つの異なるエピトープ群に適合する。それらのうちの4つは、群3の陽性/参照対照抗体であるCW6B123と一緒にビンに入れられ、4つを一緒に群4でビンに入れ、1つの抗体(CW6B237)を群6でビンに入れる(表11)
Figure 2022527541000016
当業者は、広い発明概念から逸脱することなく前述の実施形態に変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されず、本説明によって定義されるように本発明の趣旨及び範囲内の修正を包含することを意図するものと理解される。

Claims (16)

  1. 重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
    a.それぞれ、配列番号37、38、39、64、65、及び66、
    b.それぞれ、配列番号40、41、42、67、68、及び69、
    c.それぞれ、配列番号43、44、45、70、71、及び72、
    d.それぞれ、配列番号46、47、48、73、74、及び75、
    e.それぞれ、配列番号49、50、51、76、77、及び78、
    f.それぞれ、配列番号52、53、54、79、80、及び81、
    g.それぞれ、配列番号55、56、57、82、83、及び84、
    h.それぞれ、配列番号58、59、60、85、86、及び87、又は
    i.それぞれ、配列番号61、62、63、88、89、及び90、を含み、
    前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-Cに結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  2. 重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
    a.それぞれ、配列番号91、92、93、118、119、及び120、
    b.それぞれ、配列番号94、95、96、121、122、及び123、
    c.それぞれ、配列番号97、98、99、124、125、及び126、
    d.それぞれ、配列番号100、101、102、127、128、及び129、
    e.それぞれ、配列番号103、104、105、130、131、及び132、
    f.それぞれ、配列番号106、107、108、133、134、及び135、
    g.それぞれ、配列番号109、110、111、136、137、及び138、
    h.それぞれ、配列番号112、113、114、139、140、及び141、又は
    i.それぞれ、配列番号115、116、117、142、143、及び144、を含み、
    前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-Cw6に特異的に結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  3. 重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含み、前記軽鎖可変領域は、軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列:
    a.それぞれ、配列番号145、146、147、172、173、及び174、
    b.それぞれ、配列番号148、149、150、175、176、及び177、
    c.それぞれ、配列番号151、152、153、178、179、及び180、
    d.それぞれ、配列番号154、155、156、181、182、及び183、
    e.それぞれ、配列番号157、158、159、184、185、及び186、
    f.それぞれ、配列番号160、161、162、187、188、及び189、
    g.それぞれ、配列番号163、164、165、190、191、及び192、
    h.それぞれ、配列番号166、167、168、193、194、及び195、又は
    i.それぞれ、配列番号169、170、171、196、197、及び198、を含み、
    前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、HLA-Cに結合する、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  4. 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15若しくは17と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号2、4、6、8、10、12、14、16若しくは18と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  5. 請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントであって、
    a.配列番号1のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号2のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    b.配列番号3のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号4のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    c.配列番号5のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号6のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    d.配列番号7のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    e.配列番号9のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号10のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    f.配列番号11のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号12のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    g.配列番号13のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号14のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    h.配列番号15のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号16のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
    i.配列番号17のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域及び配列番号18のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
    を含む、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  6. 前記抗体又はその抗原結合フラグメントがキメラである、請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  7. 前記抗体又はその抗原結合フラグメントがヒトである又はヒト化されている、請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  8. 前記抗体又はその抗原結合フラグメントが、HLA-Cw6による抗原提示の結合及び阻害を介して、T細胞の発達及び活性化をブロックする、請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメント。
  9. 請求項1に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離核酸。
  10. 請求項9に記載の単離核酸を含むベクター。
  11. 請求項10に記載のベクターを含む宿主細胞。
  12. 請求項1に記載の単離モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントと、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
  13. 自己免疫疾患の治療又は予防を、それを必要とする対象において行う方法であって、請求項12に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
  14. 前記自己免疫疾患が、乾癬、尋常性乾癬、滴状乾癬、及び乾癬性関節炎からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する方法であって、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする核酸を含む細胞を、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを生成する条件で培養することと、前記細胞又は培養物から前記抗体又はその抗原結合フラグメントを回収することと、を含む、方法。
  16. 請求項1に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を製造する方法であって、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合フラグメントを医薬的に許容される担体と組み合わせて、前記医薬組成物を得ることを含む、方法。
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