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JP2022547882A - Nlrp3阻害剤 - Google Patents

Nlrp3阻害剤 Download PDF

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JP2022547882A JP2022514633A JP2022514633A JP2022547882A JP 2022547882 A JP2022547882 A JP 2022547882A JP 2022514633 A JP2022514633 A JP 2022514633A JP 2022514633 A JP2022514633 A JP 2022514633A JP 2022547882 A JP2022547882 A JP 2022547882A
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Abstract

Figure 2022547882000001
本発明は、-NH-などの連結する基を介して環状基でさらに置換され、環状基も順次、α位で置換される、トリアゾールエステルなどの、置換された5員窒素含有ヘテロアリール化合物に関する。本発明はさらに、関連する塩、溶媒和物、プロドラッグおよび医薬組成物に、ならびに最も特別にはNLRP3阻害による、医療的障害および疾患の処置および予防におけるそのような化合物の使用に関する。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、-NH-などの連結する基を介して環状基でさらに置換され、この環状基が順次、α位で置換される、トリアゾールエステルなどの置換された5員窒素含有ヘテロアリール化合物に関する。本発明はさらに、関連の塩、溶媒和物、プロドラッグおよび医薬組成物、ならびに最も特別にはNLRP3阻害による、医療的障害および疾患の処置および予防におけるそのような化合物の使用に関する。
発明の背景
NOD様受容体(NLR)ファミリーのピリンドメイン含有タンパク質3(NLRP3)インフラマソームは、炎症工程の成分であり、その異常な活性は、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)などの遺伝的障害、ならびに多発性硬化症、2型糖尿病、アルツハイマー病およびアテローム性硬化症などの複合疾患において病原性がある。
NLRP3は、多くの病原由来因子、環境因子および宿主由来因子を感知する細胞内シグナル伝達分子である。NLRP3は、活性化の際に、カスパーゼ活性化および動員ドメイン含有アポトーシス関連スペック様タンパク質(ASC)に結合する。その後、ASCは重合して、ASCスペックとして知られる大きな凝集体を形成する。重合ASCは、順次、システインプロテアーゼカスパーゼ-1と相互作用して、インフラマソームと称される複合体を形成する。これがカスパーゼ-1の活性化をもたらし、炎症促進性サイトカインIL-1βおよびIL-18の前駆形態(それぞれプロIL-1βおよびプロIL-18と称される)を切断し、それによりこれらのサイトカインを活性化する。カスパーゼ-1はまた、パイロトーシスとして知られる型の炎症性細胞死を媒介する。ASCスペックはまた、カスパーゼ-8を動員して活性化することができ、プロIL-1βおよびプロIL-18をプロセシングしてアポトーシス性細胞死を惹起することができる。
カスパーゼ-1は、プロIL-1βおよびプロIL-18を活性形態に切断して、それらは細胞から分泌される。活性カスパーゼ-1はまた、ガスダーミン-Dを切断して、パイロトーシスを惹起する。カスパーゼ-1はまた、パイロトーシス性細胞死経路の制御を通して、IL-33および高移動度群ボックス1タンパク質(HMGB1)などのアラーミン分子の放出を媒介する。カスパーゼ-1はまた、細胞内IL-1R2を切断してその分解をもたらし、IL-1αの放出を可能にする。ヒト細胞において、カスパーゼ-1はまた、IL-37のプロセシングおよび分泌を制御し得る。細胞骨格および解糖経路の成分などの多数の他のカスパーゼ-1基質が、カスパーゼ-1依存性炎症に寄与し得る。
NLRP3依存性ASCスペックは、細胞外環境に放出され、そこでそれらは、カスパーゼ-1を活性化してカスパーゼ-1基質のプロセシングを誘導し、炎症を伝播する可能性がある。
NLRP3インフラマソーム活性化に由来する活性サイトカインは、炎症の重要な駆動因子であり、他のサイトカイン経路を相互作用して、免疫応答を感染および傷害に具象化する。例えばIL-1βシグナル伝達は、炎症促進性サイトカインIL-6およびTNFの分泌を誘導する。IL-1βおよびIL-18は、IL-23と相乗作用して、メモリーCD4 Th17細胞により、そしてT細胞受容体エンゲージメントの非存在下ではγδT細胞により、IL-17生成を誘導する。IL-18およびIL-12も相乗作用して、メモリーT細胞およびNK細胞からのIFN-γ生成を誘導して、Th1応答を駆動する。
遺伝的CAPS病であるマックル・ウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)および新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)は、NLRP3における機能獲得型突然変異により誘発され、これによりNLRP3は炎症工程の不可欠成分として定義される。NLRP3はまた、特に2型糖尿病、アテローム性硬化症、肥満および痛風などの代謝障害をはじめとする複数の複合疾患の病原性に関連づけられている。
中枢神経系の疾患におけるNLRP3の役割が、話題になっており、肺疾患が、NLRP3により影響を受けることも示されている。さらにNLRP3は、肝臓疾患、腎臓疾患および加齢の発生における役割を有する。これらの関連性の多くは、Nlrp3-/-マウスを用いて定義されたが、これらの疾患におけるNLRP3の特異的活性化も洞察されている。2型糖尿病(T2D)では、膵臓の膵島アミロイドポリペプチドの沈着が、NLRP3およびIL-1βシグナル伝達を活性化し、細胞死および炎症を起こす。
複数の小分子が、NLRP3インフラマソームを阻害することが示されている。グリブリドは、NLRP3の活性化に応答してマイクロモル濃度でIL-1β生成を阻害するが、NLRC4またはNLRP1では阻害しない。他の過去に特徴づけられた弱いNLRP3阻害剤としては、パルテノリド、3,4-メチレンジオキシ-β-ニトロスチレンおよびジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられるが、これらの薬剤は、限定された効能を有し、非特異的である。
NLRP3関連疾患の現行の処置には、IL-1を標的とする生物学的薬剤がある。これらは、組換えIL-1受容体アンタゴニストのアナキンラ、中和IL-1β抗体のカナキヌマブおよび可溶性デコイIL-1受容体のリロナセプトである。これらのアプローチは、CAPSの処置に成功することが立証されており、これらの生物学的薬剤は、他のIL-1β関連疾患への臨床試験で用いられた。
幾つかのジアリールスルホニルウレア含有化合物が、サイトカイン放出阻害薬(CRID)として同定された(Perregaux et al., J Pharmacol Exp Ther, 299: 187-197, 2001)。CRIDは、IL-1βの翻訳後プロセシングを阻害するジアリールスルホニルウレア含有化合物の一分類である。IL-1βの翻訳後プロセシングは、カスパーゼ-1の活性化および細胞死を伴う。CRIDは、カスパーゼ1が不活性のままであり、かつ形質膜潜伏(plasma membrane latency)が、保持されるように、活性化された単球を停止させる。
特定のスルホニルウレア含有化合物もまた、NLRP3の阻害剤として開示されている(例えば、Baldwin et al., J. Med. Chem., 59(5)、1691-1710, 2016;ならびにWO2016/131098 A1、WO2017/129897 A1、WO2017/140778 A1、WO2017/184623 A1、WO2017/184624 A1、WO2018/015445 A1、WO2018/136890 A1、WO2018/215818 A1、WO2019/008025 A1、WO2019/008029 A1、WO2019/034686 A1、WO2019/034688 A1、WO2019/034690 A1、WO2019/034692 A1、WO2019/034693 A1、WO2019/034696 A1、WO2019/034697 A1、WO2019/043610 A1、WO2019/092170 A1、WO2019/092171 A1、およびWO2019/092172 A1参照)。加えて、WO2017/184604 A1およびWO2019/079119 A1には、NLRP3の阻害剤としての複数のスルホニルアミド含有化合物が開示されている。特定のスルホキシイミン含有化合物もまた、NLRP3の阻害剤として開示されている(WO2018/225018 A1、WO2019/023145 A1、WO2019/023147 A1、およびWO2019/068772 A1)。
スルホニルトリアゾールなどの置換された5員窒素含有ヘテロアリール化合物を包含するNLRP3阻害剤の新しい分類が、WO2019/211463 A1に開示されている。さらなるアミノ複素環式化合物が、WO2020/157069 A1においてインフラマソーム阻害活性を有するとして開示されている。
改善された薬理学的および/もしくは生理学的および/もしくは生理化学的特性を有する化合物、ならびに/または既知の化合物の有用な代替物を提供するそれらのものを提供する必要がある。
発明の概要
本発明の第一の態様は、式(I):
Figure 2022547882000002

(式中、
およびQは、それぞれ独立して、NまたはCRから選択され、但し、QおよびQの少なくとも一方が、Nであることを条件とし;
は、O、SまたはNRqqであり;
各Rは、独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NO、-NH、-N、-SH、-SOH、-SONHまたは飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよく;
各Rqqは、独立して、水素、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよく;
Gは、-O-、-C(R-、または-NRgg-であり;
各Rは、独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NO、-NH、-N、-SH、-SOH、-SONHまたは飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよく、あるいは任意の2個のRが、それらが付着される炭素原子と一緒になって、環状基を形成していてもよく、環状基は、場合により置換されていてもよく;
各Rggは、独立して、水素、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよく;
は、水素、-OH、-NH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基であり、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよく;
は、α位で置換された環状基であり、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい)で示される化合物を提供する。
本明細書の文脈において、「ヒドロカルビル」置換基または置換基内のヒドロカルビル部分は、炭素および水素原子のみを含むが、他に断りがなければ、炭素骨格内にN、OまたはSなどの任意のヘテロ原子を含まない。ヒドロカルビル基/部分は、飽和または不飽和(芳香族を含む)であってもよく、直鎖もしくは分枝鎖であっても、環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、該環状基は、他に断りがなければ、炭素骨格内にN、OまたはSなどの任意のヘテロ原子を含まない。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリール基/部分、ならびにこれらの基/部分の全ての組み合わせが挙げられる。典型的にはヒドロカルビル基は、C~C20ヒドロカルビル基である。より典型的にはヒドロカルビル基は、C~C15ヒドロカルビル基である。より典型的にはヒドロカルビル基は、C~C10ヒドロカルビル基である。「ヒドロカルビレン」基は、同様に二価ヒドロカルビル基と定義される。
「アルキル」置換基または置換基内のアルキル部分は、直鎖状(即ち、直鎖の)または分枝状であってもよい。アルキル基/部分の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチルおよびn-ペンチル基/部分が挙げられる。他に断りがなければ、用語「アルキル」は、「シクロアルキル」を包含しない。典型的にはアルキル基は、C~C12アルキル基である。より典型的にはアルキル基は、C~Cアルキル基である。「アルキレン」基は、同様に二価アルキル基と定義される。
「アルケニル」置換基または置換基内のアルケニル部分は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有する不飽和アルキル基または部分を指す。アルケニル基/部分の例としては、エテニル、プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、1,3-ブタジエニル、1,3-ペンタジエニル、1,4-ペンタジエニルおよび1,4-ヘキサジエニル基/部分が挙げられる。他に断りがなければ、用語「アルケニル」は、「シクロアルケニル」を包含しない。典型的にはアルケニル基は、C~C12アルケニル基である。より典型的にはアルケニル基は、C~Cアルケニル基である。「アルケニレン」基は、同様に二価アルケニル基と定義される。
「アルキニル」置換基または置換基内のアルキニル部分は、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する不飽和アルキル基または部分を指す。アルキニル基/部分の例としては、エチニル、プロパルギル、ブタ-1-イニルおよびブタ-2-イニル基/部分が挙げられる。典型的にはアルキニル基は、C~C12アルキニル基である。より典型的にはアルキニル基は、C~Cアルキニル基である。「アルキニレン」基は、同様に二価アルキニル基と定義される。
「環状」置換基または置換基内の環状部分は、任意のヒドロカルビル環を指し、該ヒドロカルビル環は、飽和または不飽和(芳香族を含む)であってもよく、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子、例えばN、OまたはSを含んでいてもよい。環状基の例としては、以下に議論されるシクロアルキル、シクロアルケニル、複素環式、アリールおよびヘテロアリール基が挙げられる。環状基は、単環式、二環式(例えば、架橋式、縮合式またはスピロ環式)または多環式であってもよい。典型的には、環状基は、3~12員環状基であり、それは、3~12個の環原子を含むことを意味する。より典型的には環状基は、3~7員単環基であり、それは、3~7個の環原子を含むことを意味する。
本明細書で用いられる通り、環状基が単環式であることが述べられれば、環状基が架橋式、縮合式またはスピロ環式置換基を形成するような二価架橋置換基(例えば、-O-、-S-、-NH-、-N(Rβ)-、-N(O)(Rβ)-、-N(Rβ-または-Rα-)で置換されていない、と理解されなければならない。しかし、他に断りがなければ、置換された単環式基は、1個または複数の一価環状基で置換されていてもよい。同様に、基が二環式であることが述べられた場合、該環状基に付着された任意の架橋式、縮合式またはスピロ環式二価架橋置換基を含むが、任意の一価環状置換基を除外する該環状基が二環式である、と理解されなければならない。
「複素環式」置換基または置換基内の複素環部分は、環構造内に1個または複数の炭素原子および1個または複数(1、2、3または4個など)のヘテロ原子、例えばN、OまたはSを含む環状基または部分を指す。複素環基の例としては、以下に議論されるヘテロアリール基および非芳香族ヘテロ環式基、例えばアゼチニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニルおよびチオモルホリニル基が挙げられる。
「シクロアルキル」置換基または置換基内のシクロアルキル部分は、例えば3~7個の炭素原子を含有する飽和ヒドロカルビル環を指し、その例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。他に断りがなければ、シクロアルキル置換基または部分としては、単環式、二環式または多環式ヒドロカルビル環を挙げることができる。
「シクロアルケニル」置換基または置換基内のシクロアルケニル部分は、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有し、例えば3~7個の炭素原子を含有する非芳香族不飽和ヒドロカルビル環を指し、その例としては、シクロペンタ-1-エン-1-イル、シクロヘキサ-1-エン-1-イルおよびシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イルが挙げられる。他に断りがなければ、シクロアルケニル置換基または部分は、単環式、二環式または多環式ヒドロカルビル環を挙げることができる。
「アリール」置換基または置換基内のアリール部分は、芳香族ヒドロカルビル環を指す。用語「アリール」は、単環式芳香族炭化水素および多環式縮合環芳香族炭化水素を包含し、該縮合環系の全て(任意選択による置換基の一部である、またはそれにより形成される任意の環系を除外する)が、芳香族である。アリール基/部分の例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニルおよびフェナントレニルが挙げられる。他に断りがなければ、用語「アリール」は、「ヘテロアリール」を包含しない。
「ヘテロアリール」置換基または置換基内のヘテロアリール部分は、芳香族複素環基または部分を指す。用語「ヘテロアリール」は、単環式芳香族複素環および多環式縮合環芳香族複素環を包含し、該縮合環系の全て(任意選択による置換基の一部である、またはそれにより形成される任意の環系を除外する)が、芳香族である。ヘテロアリール基/部分の例としては、以下のものが挙げられる:
Figure 2022547882000003
(ここで、Y=O、SまたはNH)。
他に断りがなければ、環状基または部分が、シクロアルキル、シクロアルケニルまたは非芳香族複素環基などの非芳香族であると述べられていれば、置換基の一部である、またはそれにより形成された任意の環系を除くその基または部分が非芳香族である、と理解されなければならない。同様に、環状基または部分が、アリールまたはヘテロアリール基などの芳香族であると述べられていれば、置換基の一部である、またはそれにより形成された任意の環系を除くその基または部分が芳香族である、と理解されなければならない。環状基または部分が、芳香族である任意の互変異性体を有さない場合、それは、非芳香族と見なされる。環状基または部分が、芳香族である互変異性体を有する場合、それは、芳香族でない互変異性体を有するとしても、芳香族と見なされる。
例として以下のものは、芳香族互変異性体を有するため、芳香族複素環基と見なされる:
Figure 2022547882000004
疑念を避けるために、用語「非芳香族複素環基」は、共鳴電荷分離のみを考慮して芳香族性を有し得る複素環基または部分を除外しない。例えば以下のものは、芳香族互変異性体を有さないため、非芳香族複素環基と見なされるが、それは共鳴電荷分離のせいで、最後に示された構造が考慮されないためである。
Figure 2022547882000005
本明細書の目的では、部分の組み合わせが、1個の基、例えばアリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリールまたはアルキニルアリールと称される場合、最後に挙げられた部分は、その基を分子の残りに付着させた原子を含有する。アリールアルキル基の例は、ベンジルである。
本明細書の目的では、Rのヒドロカルビル基などの場合により置換された基または部分において、
(i)各水素原子は、独立して、ハロ;-CN;-NO;-N;-Rβ;-OH;-ORβ;-Rα-ハロ;-Rα-CN;-Rα-NO;-Rα-N;-Rα-Rβ;-Rα-OH;-Rα-ORβ;-SH;-SRβ;-SORβ;-SOH;-SOβ;-SONH;-SONHRβ;-SON(Rβ;-Rα-SH;-Rα-SRβ;-Rα-SORβ;-Rα-SOH;-Rα-SOβ;-Rα-SONH;-Rα-SONHRβ;-Rα-SON(Rβ;-Si(Rβ;-O-Si(Rβ;-Rα-Si(Rβ;-Rα-O-Si(Rβ;-NH;-NHRβ;-N(Rβ;-N(O)(Rβ;-N(Rβ;-Rα-NH;-Rα-NHRβ;-Rα-N(Rβ;-Rα-N(O)(Rβ;-Rα-N(Rβ;-CHO;-CORβ;-COOH;-COORβ;-OCORβ;-Rα-CHO;-Rα-CORβ;-Rα-COOH;-Rα-COORβ;-Rα-OCORβ;-C(=NH)Rβ;-C(=NH)NH;-C(=NH)NHRβ;-C(=NH)N(Rβ;-C(=NRβ)Rβ;-C(=NRβ)NHRβ;-C(=NRβ)N(Rβ;-C(=NOH)Rβ;-C(=NORβ)Rβ;-C(N)Rβ;-Rα-C(=NH)Rβ;-Rα-C(=NH)NH;-Rα-C(=NH)NHRβ;-Rα-C(=NH)N(Rβ;-Rα-C(=NRβ)Rβ;-Rα-C(=NRβ)NHRβ;-Rα-C(=NRβ)N(Rβ;-Rα-C(=NOH)Rβ;-Rα-C(=NORβ)Rβ;-Rα-C(N)Rβ;-NH-CHO;-NRβ-CHO;-NH-CORβ;-NRβ-CORβ;-NH-COORβ;-NRβ-COORβ;-NH-C(=NH)Rβ;-NRβ-C(=NH)Rβ;-NH-C(=NH)NH;-NRβ-C(=NH)NH;-NH-C(=NH)NHRβ;-NRβ-C(=NH)NHRβ;-NH-C(=NH)N(Rβ;-NRβ-C(=NH)N(Rβ;-NH-C(=NRβ)Rβ;-NRβ-C(=NRβ)Rβ;-NH-C(=NRβ)NHRβ;-NRβ-C(=NRβ)NHRβ;-NH-C(=NRβ)N(Rβ;-NRβ-C(=NRβ)N(Rβ;-NH-C(=NOH)Rβ;-NRβ-C(=NOH)Rβ;-NH-C(=NORβ)Rβ;-NRβ-C(=NORβ)Rβ;-CONH;-CONHRβ;-CON(Rβ;-NH-CONH;-NRβ-CONH;-NH-CONHRβ;-NRβ-CONHRβ;-NH-CON(Rβ;-NRβ-CON(Rβ;-Rα-NH-CHO;-Rα-NRβ-CHO;-Rα-NH-CORβ;-Rα-NRβ-CORβ;-Rα-NH-COORβ;-Rα-NRβ-COORβ;-Rα-NH-C(=NH)Rβ;-Rα-NRβ-C(=NH)Rβ;-Rα-NH-C(=NH)NH;-Rα-NRβ-C(=NH)NH;-Rα-NH-C(=NH)NHRβ;-Rα-NRβ-C(=NH)NHRβ;-Rα-NH-C(=NH)N(Rβ;-Rα-NRβ-C(=NH)N(Rβ;-Rα-NH-C(=NRβ)Rβ;-Rα-NRβ-C(=NRβ)Rβ;-Rα-NH-C(=NRβ)NHRβ;-Rα-NRβ-C(=NRβ)NHRβ;-Rα-NH-C(=NRβ)N(Rβ;-Rα-NRβ-C(=NRβ)N(Rβ;-Rα-NH-C(=NOH)Rβ;-Rα-NRβ-C(=NOH)Rβ;-Rα-NH-C(=NORβ)Rβ;-Rα-NRβ-C(=NORβ)Rβ;-Rα-CONH;-Rα-CONHRβ;-Rα-CON(Rβ;-Rα-NH-CONH;-Rα-NRβ-CONH;-Rα-NH-CONHRβ;-Rα-NRβ-CONHRβ;-Rα-NH-CON(Rβ;-Rα-NRβ-CON(Rβ;-O-Rα-OH;-O-Rα-ORβ;-O-Rα-NH;-O-Rα-NHRβ;-O-Rα-N(Rβ;-O-Rα-N(O)(Rβ;-O-Rα-N(Rβ;-NH-Rα-OH;-NH-Rα-ORβ;-NH-Rα-NH;-NH-Rα-NHRβ;-NH-Rα-N(Rβ;-NH-Rα-N(O)(Rβ;-NH-Rα-N(Rβ;-NRβ-Rα-OH;-NRβ-Rα-ORβ;-NRβ-Rα-NH;-NRβ-Rα-NHRβ;-NRβ-Rα-N(Rβ;-NRβ-Rα-N(O)(Rβ;-NRβ-Rα-N(Rβ;-N(O)Rβ-Rα-OH;-N(O)Rβ-Rα-ORβ;-N(O)Rβ-Rα-NH;-N(O)Rβ-Rα-NHRβ;-N(O)Rβ-Rα-N(Rβ;-N(O)Rβ-Rα-N(O)(Rβ;-N(O)Rβ-Rα-N(Rβ;-N(Rβ-Rα-OH;-N(Rβ-Rα-ORβ;-N(Rβ-Rα-NH;-N(Rβ-Rα-NHRβ;-N(Rβ-Rα-N(Rβ;もしくは-N(Rβ-Rα-N(O)(Rβから選択される一価置換基で場合により置き換えられていてもよく、そして/または
(ii)同じ炭素もしくは窒素原子に付着された任意の2個の水素原子は、独立して、オキソ(=O)、=S、=NHもしくは=NRβから選択されるπ結合した置換基で場合により置き換えられていてもよく、そして/または
(iii)任意の硫黄原子は、独立してオキソ(=O)、=NHもしくは=NRβから選択される1もしくは2個のπ結合した置換基で場合により置換されていてもよく、そして/または
(iv)同じ場合により置換された基もしくは部分の中の同じもしくは異なる原子に付着された任意の2個の水素原子は、独立して、-O-、-S-、-NH-、-N=N-、-N(Rβ)-、-N(O)(Rβ)-、-N(Rβ-もしくは-Rα-から選択される架橋した置換基で場合により置き換えられていてもよく;
各-Rα-は、独立して、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基から選択され、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基は、バックボーンに1~6個の原子を含有し、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基のバックボーンの中の1個または複数の炭素原子は、1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSで場合により置き換えられていてもよく、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基のバックボーンの中の1個または複数の-CH-基は、1個または複数の-N(O)(Rβ)-または-N(Rβ-基で場合により置き換えられていてもよく、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基は、1個または複数のハロおよび/または-Rβ基で場合により置換されていてもよく;そして
各-Rβは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルもしくはC~C環状基から選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2もしくは3個の-Rβは、それらが付着される窒素原子と一緒になって、C~C環状基を形成しており、任意の-Rβは、1個または複数のC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、-O(C~Cアルキル)、-O(C~Cハロアルキル)、-O(C~Cシクロアルキル)、-O(C~Cハロシクロアルキル)、-CO(C~Cアルキル)、-CO(C~Cハロアルキル)、-CO(C~Cシクロアルキル)、-CO(C~Cハロシクロアルキル)、-COO(C~Cアルキル)、-COO(C~Cハロアルキル)、-COO(C~Cシクロアルキル)、-COO(C~Cハロシクロアルキル)、ハロ、-OH、-NH、-CN、-C≡CH、オキソ(=O)、フェニル、ハロフェニル、または場合によりハロ置換された4~6員複素環基で場合により置換されていてもよい。
典型的には本発明の化合物は、-N(Rβまたは-N(Rβ-などの最大1個の第四級アンモニウム基を含む。
-Rα-C(N)Rβ基を参照する際、意図するものは、
Figure 2022547882000006
である。
典型的には、置換された基は、1、2、3または4個の置換基、より典型的には1、2または3個の置換基、より典型的には1または2個の置換基、より典型的には1個の置換基を含む。
他に断りがなければ、場合により置換された基または部分(例えば、R)の任意の二価架橋置換基(例えば、-O-、-S-、-NH-、-N(Rβ)-、-N(O)(Rβ)-、-N(Rβ-または-Rα-)は、指定された基または部分だけに付着されていなければならず、第二の基または部分(例えば、R)そのものが場合により置換され得るとしても、第二の基または部分に付着されていなくてもよい。
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含する。
他に断りがなければ、基が、ハロアルキルまたはハロメチル基など、用語「ハロ」を前に付けている場合、該当する基が独立してフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される1個または複数のハロ基で置換されていることが、理解されなければならない。典型的にはハロ置換基の最大数は、ハロの接頭辞を含まない対応する基での置換に利用可能な水素原子の数によってのみ限定される。例えばハロメチル基は、1、2または3個のハロ置換基を含んでいてもよい。ハロエチルまたはハロフェニル基は、1、2、3、4または5個のハロ置換基を含んでいてもよい。同様に、他に断りがなければ、基が特定のハロ基を前に付けている場合、該当する基が該特定のハロ基の1個または複数で置換されていることが、理解されなければならない。例えば用語「フルオロメチル」は、1、2、または3個のフルオロ基で置換されたメチル基を指す。
同様に、他に断りがなければ、基が、「ハロ置換された」と言われる場合、該当する基が独立してフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される1個または複数のハロ基で置換されることが、理解されなければならない。典型的には、ハロ置換基の最大数は、ハロ置換されたと言われる基での置換に利用可能な水素原子の数によってのみ限定される。例えばハロ置換されたメチル基は、1、2または3個のハロ置換基を含んでいてもよい。ハロ置換されたエチルまたはハロ置換されたフェニル基は、1、2、3、4または5個のハロ置換基を含んでいてもよい。
他に断りがなければ、元素の任意の参照は、その元素の全ての同位体の参照を考慮しなければならない。したがって例えば、他に断りがなければ、水素の任意の参照は、ジュウテリウムおよびトリチウムをはじめとする全ての水素同位体を包含すると見なされる。
炭素骨格内に1個もしくは複数のヘテロ原子N、OもしくはSを含むヒドロカルビルもしくは他の基を参照する場合、またはN、OもしくはS原子により置き換えられているヒドロカルビルもしくは他の基の炭素原子を参照する場合、意図するものは、
Figure 2022547882000007

Figure 2022547882000008
により置き換えられていること;
-CH-が-NH-、-O-もしくは-S-により置き換えられていること;
-CHが-NH、-OH、もしくは-SHにより置き換えられていること;
-CH=が-N=により置き換えられていること;
CH=がNH=、O=もしくはS=により置き換えられていること;または
CH≡がN≡により置き換えられていること;
であるが、但し
得られた基が少なくとも1個の炭素原子を含むことを条件とする。例えばメトキシ、ジメチルアミノおよびアミノエチル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを含むヒドロカルビルであると見なされる。
-N(O)(Rβ)-または-N(Rβ-基によって置換えられたヒドロカルビルまたは他の基のバックボーンの中の-CH-基を参照する場合、意図されるのは、
-CH-が
Figure 2022547882000009
により置き換えられていること;または
-CH-が
Figure 2022547882000010
により置き換えられていること、
である。
本明細書の文脈において、他に断りがなければ、C~C基は、x~y個の炭素原子を含有する基と定義される。例えばC~Cアルキル基は、1~4個の炭素原子を含有するアルキル基と定義される。任意選択による置換基および部分は、任意選択による置換基で置換された、そして/または任意選択による部分を含有する、親基の中の炭素原子の総数を計算する際に、考慮されない。疑念を避けるために、置き換えられるヘテロ原子、例えばN、OまたはSは、C~C基の中の炭素原子の数を計算する際に炭素原子として計数されてはならない。例えばモルホリニル基は、C複素環基と見なされるべきで、C複素環基と見なされてはならない。
他に断りがなければ、化合物または基への任意の参照は、その化合物または基の全ての互変異性体への参照と見なされなければならない。したがって例えば、QおよびQが両者ともNであり、QがNHである、式(I)で示される化合物の任意の参照は、以下に示される互変異性体形態(a)、(b)および(c)を包含するものと理解されなければならない:
Figure 2022547882000011
本明細書の目的では、第一の原子または基が第二の原子または基に「直接付着している」と述べられた場合、第一の原子または基が、介在する原子(複数可)または基(複数可)が存在せずに第二の原子に共有結合されていると理解されなければならない。そのため例えば、基-(C=O)N(CHの場合、各メチル基の炭素原子は、窒素原子に直接付着し、カルボニル基の炭素原子は、窒素原子に直接付着するが、カルボニル基の炭素原子は、どちらのメチル基の炭素原子にも直接付着しない。
疑念を避けるために、R、RまたはLなどの化合物または基が、水素またはハロゲン以外の原子をx~y個含有すると述べられている場合、いずれかの任意選択による置換基を含み全体としてこの化合物または基が、水素またはハロゲン以外の原子をx~y個含有するものと理解されなければならない。そのような化合物または基は、任意の数の水素原子またはハロゲン原子を含有していてもよい。R、RまたはLなどの化合物または基が、水素以外の原子をx~y個含有すると述べられている場合、いずれかの任意選択による置換基を含み全体としてこの化合物または基が、水素以外の原子をx~y個含有するものと理解されなければならない。そのような化合物または基は、任意の数の水素原子を含有していてもよい。
述べられた通り、QおよびQは、それぞれ独立して、NまたはCRから選択されるが、但し、QおよびQの少なくとも一方は、Nであることを条件とする。例えばQが、CRである場合には、Qは、Nであってもよく、またはQが、Nある場合には、Qは、CRであってもよく、またはQおよびQが両者とも、Nであってもよい。典型的にはQおよびQは、両者ともNである。
またはQが、CRである場合、各Rは、独立して水素、あるいはハロ、-OH、-NO、-NH、-N、-SH、-SOH、-SONH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。
一実施形態において、存在する場合の各Rは、独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NH、-SH、または飽和もしくは不飽和C~C12ヒドロカルビル基から選択され、C~C12ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、該~C12ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1、2または3個のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。Rのヒドロカルビル基が、場合により置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(O)(Rqp、-N(Rqp、オキソ(=O)および=NHから選択される1個または複数の基で置換されており、各Rqpは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のRqpが、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。
典型的には、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはハロもしくは飽和C~Cヒドロカルビル基から選択され、飽和C~Cヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、飽和C~Cヒドロカルビル基は、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(Rqpおよびオキソ(=O)から選択される1個または複数の基で場合により置換されていてもよく、飽和ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1または2個のヘテロ原子NまたはOを場合により含んでいてもよく、各Rqpは、独立して、メチルまたはエチル基から選択され、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のハロ基で場合により置換されていてもよい。
より典型的には、存在する場合の各Rは、独立して、水素、あるいはフルオロ、クロロ、C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキル基から選択され、C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよい。例えば、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはフルオロ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、もしくはシクロプロピル基から選択されてもよく、任意のメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはシクロプロピル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。
最も典型的には、存在する場合の各Rは、水素である。そのような実施形態において、QおよびQは、それぞれ独立して、NまたはCHから選択されてもよいが、但し、QおよびQの少なくとも一方が、Nであることを条件とする。
述べられた通り、各Rqqが、独立して、水素、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択される場合、Qは、O、SまたはNRqqであり、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。
一実施形態において、Qは、OまたはNRqqである。より典型的にはQは、NRqqである。
一実施形態において、存在する場合の各Rqqは、独立して、水素、または飽和もしくは不飽和C~C12ヒドロカルビル基から選択され、C~C12ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1、2または3個のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。Rqqのヒドロカルビル基が、場合により置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(O)(Rqp、-N(Rqp、オキソ(=O)および=NHから選択される1個または複数の基で置換されており、各Rqpは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のRqpが、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。
典型的には、存在する場合の各Rqqは、独立して、水素、または飽和C~Cヒドロカルビル基から選択され、飽和C~Cヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、飽和C~Cヒドロカルビル基は、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(Rqpおよびオキソ(=O)から選択される1個または複数の基で場合により置換されていてもよく、飽和ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1または2個のヘテロ原子NまたはOを場合により含んでいてもよく、各Rqpは、独立して、メチルまたはエチル基から選択され、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のハロ基で場合により置換されていてもよい。
より典型的には、存在する場合の各Rqqは、独立して、水素、またはC~CアルキルもしくはC~Cシクロアルキル基から選択され、該~CアルキルまたはC~Cシクロアルキル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよい。例えば、存在する場合の各Rqqは、独立して、水素、またはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルもしくはシクロプロピル基から選択されてもよく、任意のメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはシクロプロピル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。
最も典型的には、存在する場合の各Rqqは、水素である。そのような実施形態において、Qは、O、SまたはNHから選択されてもよい。最も典型的にはQは、NHである。
述べられた通り、Gは、-O-、-C(R-、または-NRgg-である。典型的にはGは、-O-、-CH-、または-NH-である。
一実施形態において、Gは、-O-または-NRgg-である。典型的にはそのような実施形態においてGは、-O-または-NH-である。
別の実施形態において、Gは、-NRgg-である。最も典型的にはGは、-NH-である。
一実施形態において、存在する場合の各Rは、独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NO、-NH、-N、-SH、-SOH、-SONHまたは飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。
さらなる実施形態において、存在する場合の各Rは、独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NH、-SH、または飽和もしくは不飽和C~C12ヒドロカルビル基から選択され、C~C12ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1、2または3個のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。Rのヒドロカルビル基が、場合により置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(O)(Rgp、-N(Rgp、オキソ(=O)および=NHから選択される1個または複数の基で置換されており、各Rgpは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のRgpが、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。
より典型的には、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはハロ、-OH、-NH、-CNもしくは飽和C~Cヒドロカルビル基から選択され、飽和C~Cヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、飽和C~Cヒドロカルビル基は、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(Rgpおよびオキソ(=O)から選択される1個または複数の基で場合により置換されていてもよく、飽和C~Cヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1または2個のヘテロ原子NまたはOを場合により含んでいてもよく、各Rgpは、独立して、メチルまたはエチル基から選択され、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のハロ基で場合により置換されていてもよい。
なおもより典型的には、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはハロ、-OH、-NH、-CN、-Rgx、-ORgx、-NHRgxもしくは-N(Rgx基から選択され、各Rgxは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のRgxが、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。典型的には、任意の-C(R-基における少なくとも1個のRは、水素、またはハロ、-CNもしくは-Rgx基から選択される。
さらにより典型的には、任意の-C(R-基における第一のRは、独立して、水素、またはフルオロ、クロロ、-Meもしくは-Et基から選択され、-C(R-基における第二のRは、独立して、水素、またはフルオロ、クロロ、-OH、-NH、-Me、-Et、-OMe、-OEt、-NHMe、-NHEt、-N(Me)、-N(Me)Etもしくは-N(Et)基から選択され、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよい。
別の実施形態において、任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、環状基を形成していてもよく、環状基は、場合により置換されていてもよい。例えば任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、飽和または不飽和3~12員環状基を形成していてもよく、3~12員環状基は、場合により置換されていてもよい。3~12員環状基が、場合により置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NO、-NH、オキソ(=O)、=NH、-Rgy、-ORgy、-NHRgy、-N(Rgy、-N(O)(Rgy、-N(Rgyまたは=NRgyから選択される1個または複数の基で置換されており、各Rgyは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のRgyが、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。
より典型的には、任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、3~7員飽和または不飽和単環基を形成していてもよく、単環基は、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NO、-NH、オキソ(=O)、=NH、-Me、-Et、-OMe、-OEt、-NHMe、-NHEt、-N(Me)、-N(Me)Et、-N(Et)、-N(Me)、-N(Me)Et、-N(Et)Meまたは-N(Et)から選択される1個または複数の基で場合により置換されていてもよく、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のハロ基で場合により置換されていてもよい。
なおもより典型的には、任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、3もしくは4員シクロアルキル基を形成していても、またはオキセタニル基を形成していてもよく、3もしくは4員シクロアルキル基、またはオキセタニル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよい。例えば一実施形態において、任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成していてもよく、シクロプロピル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。
一実施形態において、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはフルオロ、クロロ、-MeもしくはEt基から選択され、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよいか、あるいは任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、3もしくは4員シクロアルキル基を形成していても、またはオキセタニル基を形成していてもよく、3もしくは4員シクロアルキル基、またはオキセタニル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよい。典型的にはそのような実施形態において、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはフルオロもしくはメチル基から選択され、メチル基は、1個もしくは複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよく、または任意の2個のRは、それらが付着される炭素原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成していてもよく、シクロプロピル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。
さらになおもより典型的には、存在する場合の各Rは、独立して、水素、またはフルオロもしくはメチル基から選択され、メチル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。最も典型的には、存在する場合のRは、水素である。
述べられた通り、存在する場合の各Rggは、独立して、水素、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。
一実施形態において、存在する場合の各Rggは、独立して、水素、または飽和もしくは不飽和C~C12ヒドロカルビル基から選択され、C~C12ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、C~C12ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1、2または3個のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。Rggのヒドロカルビル基が、場合により置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(O)(Rgp、-N(Rgp、オキソ(=O)および=NHから選択される1個または複数の基で置換されており、各Rgpは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のRgpが、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。
より典型的には、存在する場合の各Rggは、独立して、水素または飽和C~Cヒドロカルビル基から選択され、飽和C~Cヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、飽和C~Cヒドロカルビル基は、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、-N(Rgpおよびオキソ(=O)から選択される1個または複数の基で場合により置換されていてもよく、該和C~Cヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1または2個のヘテロ原子NまたはOを場合により含んでいてもよく、各Rgpは、独立して、メチルまたはエチル基から選択され、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のハロ基で場合により置換されていてもよい。
なおもより典型的には、存在する場合の各Rggは、独立して水素、またはC~CアルキルもしくはC~Cシクロアルキル基から選択され、C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されていてもよい。例えば、存在する場合の各Rggは、独立して、水素、またはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルもしくはシクロプロピル基から選択されてもよく、任意のメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはシクロプロピル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。
さらにより典型的には、存在する場合の各Rggは、独立して、水素またはメチル基から選択され、メチル基は、1個または複数のフルオロ基で場合により置換されていてもよい。最も典型的には、存在する場合の各Rggは、水素である。
一実施形態において、本発明の第一の態様は、式(Ia):
Figure 2022547882000012

(式中、RおよびRは、本明細書に定義された通りである)で示される化合物を提供する。
述べられた通り、Rは、水素、-OH、-NH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基であり、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。より典型的には、Rは、-NH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基であり、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。
一実施形態において、Rは、飽和または不飽和C~C20またはC~C15またはC~C12ヒドロカルビル基であり、ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であっても、または1個もしくは複数の環状基であっても、または環状基を含んでいてもよく、ヒドロカルビル基は、場合により置換されていてもよく、ヒドロカルビル基は、炭素骨格内に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでいてもよい。典型的にはそのような実施形態において、式(I)または(Ia)で示されるカルボニル基の炭素原子に直接付着されたRの原子は、酸素または窒素原子である。
さらなる実施形態において、Rは、R10-O-、(R10)NH-または(R10N-から選択され、各R10は、独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニルまたはR11-L-基から選択され、R11は、3~12員環状基であり、Lは、結合またはC~Cアルキレン、C~Cアルケニレン、もしくはC~C12アルキニレン基であるか、あるいは2個のR10が、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~12員複素環基を形成していてもよく、任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基は、炭素骨格内に独立して酸素および窒素から選択される1個または複数のヘテロ原子を場合により含んでいてもよく、任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、環状または複素環基は、場合により置換されていてもよい。
典型的にはそのような実施形態において、各R10は、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはR11-L-基から選択され、R11は、3~7員単環基または7~10員縮合二環基であり、Lは、結合、またはC~CアルキレンもしくはC~Cアルケニレン基であるか、または2個のR10は、それらが付着された窒素原子と一緒になって、3~7員単環式複素環基または7~10員縮合二環式複素環基を形成していてもよく、任意のアルキル、アルケニル、アルキレンまたはアルケニレン基は、炭素骨格内に独立して酸素および窒素から選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含んでいてもよく、任意のアルキル、アルケニル、アルキレン、アルケニレン、単環基または縮合二環基は、場合により置換されていてもよい。
典型的には上記実施形態において、Rは、R10-O-である。
さらなる実施形態において、Rは、R10-O-であり、R10は、C~CアルキルまたはR11-L-基から選択され、R11は、3~7員単環基または7~10員縮合二環基であり、Lは、結合、またはC~Cアルキレン基であり、任意のアルキル、アルキレン、単環基または縮合二環基は、場合により置換されていてもよい。
11が、3~7員単環基である場合、典型的には単環基は、シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環、フェニルまたはヘテロアリール基から選択される。
11が、7~10員縮合二環基である場合、典型的には二環基は、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環または部分芳香族二環基から選択される。
またはR10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基が、置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、オキソ(=O)および=NHから選択される1個または複数の置換基で置換されている。より典型的には、RまたはR10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基が、置換されている場合、それは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NHおよびオキソ(=O)から選択される1個または複数の置換基で置換されている。さらにより典型的には、RまたはR10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基が、置換されている場合、それは、独立して、フルオロおよびオキソ(=O)から選択される1個または複数の置換基で置換されている。
典型的には、RまたはR10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基が、置換されている場合、それは、最大3個の非ハロ置換基で置換されている。
3~12員環状基、3~12員複素環基、3~7員単環基または7~10員縮合二環基などのR、R10またはR11の環状基が、置換されている場合、典型的にはそれは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NO、-NH、オキソ(=O)、=NH、-R101、-OR101、-NHR101、―N(R101、-N(O)(R101、-N(R101または=NR101から選択される1個または複数の基で置換されており、各R101は、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか、または同じ窒素原子に直接付着された任意の2個のR101が、一緒になって、C~CアルキレンもしくはC~Cハロアルキレン基を形成していてもよい。より典型的には、R、R10またはR11の環状基が、置換されている場合、それは、独立して、ハロ、-CN、-OH、-NH、オキソ(=O)、-Me、-Et、-OMe、-OEt、-NHMe、-MHEt、-N(Me)、-N(Me)Et、または-N(Et)から選択される1個または複数の基で置換されており、任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基は、1個または複数のハロ基で場合により置換されていてもよい。
典型的には、R、R10またはR11の環状基が、置換されている場合、それは、最大3個の非ハロ置換基で置換されている。
別の実施形態において、
は、R10-O-であり、R10は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、またはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか;あるいは
は、R11-CH-O-であり、R11は、フェニル、ハロフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されていてもよい。
なおもより典型的には、
は、R10-O-であり、R10は、メチル、エチルもしくはイソプロピル基から選択されるか;または
は、R11-CH-O-であり、R11は、フェニル、もしくは6員ヘテロアリール基から選択される。
上記実施形態のいずれかの一態様において、Rは、炭素、水素、窒素、酸素およびハロゲン原子からなる群から選択される原子のみを含有する。典型的にはRは、炭素、水素、窒素、酸素およびフッ素原子からなる群から選択される原子のみを含有する。
上記実施形態のいずれかの別の態様において、Rは、水素またはハロゲン以外の原子を1~30個含有する。典型的にはRは、水素またはハロゲン以外の原子を1~20個含有する。より典型的にはRは、水素またはハロゲン以外の原子を1~15個含有する。さらにより典型的にはRは、水素またはハロゲン以外の原子を1~10個含有する。
述べられた通り、Rは、α位を置換された環状基であり、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。疑念を避けるために、それが、基Gに直接付着されたRの環状基の環原子であり、任意の置換基でないことに留意されたい。
本発明の第一の態様の一実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリール基であり、該アリールまたはヘテロアリール基は、α位を置換されており、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはRは、フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基であり、該フェニルまたはヘテロアリール基は、α位を置換されており、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはRは、アリールまたはヘテロアリール基であり、該アリールまたはヘテロアリール基は、αおよびα’位を置換されており、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはRは、フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基であり、該フェニルまたはヘテロアリール基は、αおよびα’位を置換されており、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。例えばRは、2-および6-位を置換されたフェニル基、または2-、4-および6-位を置換されたフェニル基であってもよい。
一実施形態において、Rの親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリルまたはオキサジアゾリルから選択されてもよい。典型的にはRの親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリルまたはトリアゾリルから選択されてもよい。典型的にはRの親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラゾリルから選択されてもよい。より典型的にはRの親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、フェニルまたはピラゾリルから選択されてもよい。
本明細書で用いられる命名法のα、β、α’、β’は、分子の残り部分への環状基の付着点に対する、-Rなどの環状基の原子の位置を指す。例えば-Rが、1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル部分である場合、α、β、α’およびβ’位は、以下の通りである:
Figure 2022547882000013
疑念を避けるために、アリールまたはヘテロアリール基などの環状基がαおよび/またはα’位を置換されていると述べられた場合、それぞれαおよび/またはα’位の1個または複数の水素原子が、先に定義されたいずれかの任意選択による置換基などの1個または複数の置換基により置き換えられている、と理解されなければならない。他に断りがなければ、用語「置換された」は、1個または複数の環ヘテロ原子による1個または複数の環炭素原子の置き換えを包含しない。
別の実施形態において、Rは、αおよびα’位を置換された環状基であり、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。例えば、Rは、αおよびα’位を置換されたシクロアルキル、シクロアルケニルまたは非芳香族複素環基であってもよい。
上記実施形態のいずれかにおいて、Rの親環状基のαおよび/またはα’位の典型的な置換基は、炭素原子を含む。例えば、αおよび/またはα’位の典型的な置換基は、独立して、-R、-ORおよび-COR基から選択されてもよく、各Rは、独立して、C~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され;各Rは、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されている。より典型的にはαおよび/またはα’位の置換基は、独立して、C~C分枝状アルキルおよびC~Cシクロアルキル基などのアルキルおよびシクロアルキル基、例えばイソプロピル、シクロプロピル、シクロヘキシルまたはt-ブチル基から選択され、該アルキルおよびシクロアルキル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合によりさらに置換されている。
上記実施形態のいずれかの一態様において、αおよびα’位の少なくとも一方の置換基は、炭素原子を含む。典型的には、αおよびα’位の各置換基は、炭素原子を含む。より典型的には、Rは、αおよびα’位で置換されており、αおよびα’位の両方の置換基は、炭素原子を含む。
上記実施形態のいずれかのさらなる態様において、αおよび/またはα’位の少なくとも1つの置換基は、spまたはsp混成炭素原子を含む。典型的には、αおよび/またはα’位の各置換基は、spまたはsp混成炭素原子を含む。より典型的には、Rは、αおよびα’位で置換されており、αおよびα’位の両方の置換基は、spまたはsp混成炭素原子を含む。
典型的には、αおよび/またはα’位の少なくとも1つの置換基は、sp混成炭素原子を含む。
の親環状基のαおよび/またはα’位の他の典型的な置換基としては、それぞれ、α,βおよび/またはα’,β’位にまたがって(across)親環状基に縮合されている、シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環を挙げることができる。そのような縮合された環状基を、以下により詳細に記載する。
一実施形態において、Rは、縮合アリールまたは縮合ヘテロアリール基であり、該アリールまたはヘテロアリール基は、1個または複数のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環に縮合され、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、α,β位にまたがってアリールまたはヘテロアリール基に縮合されている。典型的にはアリールまたはヘテロアリール基は、α’位もまた、例えば-R、-ORおよび-CORから選択される置換基で、置換されており、各Rは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され、各Rは、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されている。典型的にはそのような実施形態において、Rは、二環式または三環式である。
より典型的には、Rは、縮合されたフェニルまたは縮合された5もしくは6員ヘテロアリール基であり、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基は、1個または複数のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環に縮合されており、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、α,β位にまたがってフェニルまたは縮合された5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合されて、4~6員縮合環構造を形成している。典型的にはフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基は、α’位もまた、例えば-R、-ORおよび-CORから選択される置換基で、置換されており、各Rは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され、各Rは、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されている。典型的にはそのような実施形態において、Rは、二環式または三環式である。
別の実施形態において、Rは、縮合されたアリールまたは縮合されたヘテロアリール基であり、該アリールまたはヘテロアリール基は、独立してシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環から選択される2個以上に縮合され、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的には該2個以上のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、それぞれが該アリールまたはヘテロアリール基にオルト縮合されており、即ち、各縮合されたシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、該アリールまたはヘテロアリール基と共通する2個の原子および1つの結合のみを有する。典型的にはそのような実施形態において、Rは、三環式である。
さらに別の実施形態において、Rは、縮合されたアリールまたは縮合されたヘテロアリール基であり、第一のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、α,β位にまたがってアリールまたはヘテロアリール基に縮合され、第二のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、α’,β’位にまたがってアリールまたはヘテロアリール基に縮合され、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはそのような実施形態において、Rは、三環式である。
より典型的には、Rは、縮合されたフェニルまたは縮合された5もしくは6員ヘテロアリール基であり、第一のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、α,β位にまたがってフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合されて、第一の4~6員縮合環構造を形成しており、第二のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環は、α’,β’位にまたがってフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合されて、第二の4~6員縮合環構造を形成しており、Rは、場合によりさらに置換されていてもよい。典型的にはそのような実施形態において、Rは、三環式である。
一実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000014
Figure 2022547882000015
(ここでAおよびAは、それぞれ独立して、場合により置換されたアルキレンまたはアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1個または複数の炭素原子は、1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSで場合により置き換えられていてもよく、
各Rは、独立して、水素、ハロ、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択されるが;
但し、少なくとも1個のRが、-Raa、-ORaaまたは-CORaaであることを条件とし;
各Rは、独立して、水素、ハロ、-NO、-CN、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択されるが;
但し、環窒素原子に直接付着された任意のRまたはRが、ハロ、-NO、-CNまたは-ORaaでないことを条件とし;
各Rは、独立して、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rcc、-ORcc、-CORcc、-COORcc、-CONH、-CONHRcc、-CON(Rcc、-C(=NH)Rcc、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRcc、-C(=NH)N(Rcc、-C(=NRcc)Rcc、-C(=NRcc)NHRcc、-C(=NRcc)N(Rcc、-C(=NOH)Rccまたは-C(=NORcc)Rccから選択され、
各Raaは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは3~7員環状基から選択され、各Raaは、場合により置換されており、そして
各Rccは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニルもしくは3~7員環状基から選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRccが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~7員環状基を形成していてもよく、各Rccは、場合により置換されている)から選択される式を有する。
典型的には上記実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000016
(ここで各Rは、独立して、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択され、Raa、R、R、AおよびAは、先に定義された通りである)から選択される式を有する。
より典型的には上記実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000017
(ここで各Rは、独立して、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択され、Raa、R、R、AおよびAは、先に定義された通りである)から選択される式を有する。
典型的にはRは、酸素-窒素または窒素-窒素結合を介してGに連結されない。例えばGが、-O-または-NRgg-である場合、-Rは、
Figure 2022547882000018
Figure 2022547882000019
(ここでR、R、R、AおよびAは、先に定義された通りである)から選択される式を有していてもよい。
より典型的には、Gが、-O-または-NRgg-である場合、-Rは、
Figure 2022547882000020
(ここで各Rは、独立して、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択され、Raa、R、R、AおよびAは、先に定義された通りである)から選択される式を有する。
より典型的には任意の実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000021
(ここでR、R、R、AおよびAは、先に定義された通りである)から選択される式を有する。
より典型的にはなおも、-Rは、
Figure 2022547882000022
(ここで各Rは、独立して、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択され、Raa、R、R、AおよびAは、先に定義された通りである)から選択される式を有する。
典型的には上記実施形態のいずれかにおいて、AまたはAを含有する任意の環は、5または6員環である。典型的にはAまたはAは、それぞれ独立して、場合により置換された直鎖アルキレン基、または場合により置換された直鎖アルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、独立して窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子で場合により置き換えられていてもよい。より典型的には、AまたはAは、それぞれ独立して、場合により置換された直鎖アルキレン基から選択され、アルキレン基のバックボーンの中の1個の炭素原子は、酸素原子で場合により置き換えられていてもよい。典型的にはAまたはA内のヘテロ原子は、別の環ヘテロ原子に直接付着されていない。典型的にはAまたはAは、非置換であるか、または独立してハロ、-OH、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-O(C~Cアルキル)もしくは-O(C~Cハロアルキル)から選択される1個もしくは複数の置換基で置換されている。より典型的にはAまたはAは、非置換であるか、または1個もしくは複数のフルオロおよび/もしくはクロロ基で置換されている。Rが、AまたはA基の両方を含有する場合、AまたはAは、同じであるまたは異なっていてもよい。典型的にはAまたはAは、同じである。
aaが、置換されたC~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基である場合、典型的にはC~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基は、独立してハロ、-OH、-CN、-NO、-O(C~Cアルキル)または-O(C~Cハロアルキル)から選択される1個または複数(例えば、1または2個)の置換基で置換されている。
aaが、置換された3~7員環状基である場合、典型的には3~7員環状基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B11-から選択される1個または複数(例えば、1または2個)の置換基で置換されており;
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10シクロアルケニル、C~C10アリール、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~10員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~10員複素環基を形成してもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B12、-OB12、-NHB12もしくは-N(B12から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B11は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B12、-OB12、-NHB12もしくは-N(B12から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B12は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。典型的には任意の二価基-B11-は、4~6員縮合環を形成している。
典型的にはそのような実施形態において、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成してもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B12、-OB12、-NHB12もしくは-N(B12から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく、B12は、先に定義された通りである。
一実施形態において、各Raaは、独立して、C~Cアルキルまたは3~6員環状基から選択され、各C~Cアルキル基は、1もしくは複数のハロ置換基および/または独立して-OH、-CN、-O(C~Cアルキル)もしくは-O(C~Cハロアルキル)から選択される1個もしくは複数の置換基で置換され、各3~6員環状基は、1個もしくは複数のハロ置換基、および/または独立して-OH、-CN、-B、-CH、-OBもしくは-OCHから選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換され;
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択され、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-B12もしくは-OB12から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく、
各B12は、独立して、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
一実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロまたは-Raaから選択されるが、但し、少なくとも1個のRが-Raaであることを条件とする。典型的には各Rは、-Raaである。一実施形態において、各Rは、独立してC~Cアルキル(詳細にはC~C分枝状アルキル)またはC~Cシクロアルキル基から選択され、各Rは、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されている。より典型的には各Rは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルまたはC~Cハロシクロアルキル基から選択される。基Rが、αおよびα’位の両方に存在する場合、各Rは、同じであるまたは異なっていてもよい。典型的には各Rは、同じである。
一実施形態において、各Rは、独立して、水素、ハロ、メチルまたはフルオロメチルから選択される。典型的には各Rは、独立して、水素またはハロから選択される。より典型的には各Rは、水素である。
一実施形態において、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rcc、-Rcx、-ORcc、-CORcc、-COORcc、-CONH、-CONHRcc、-CON(Rcc、-C(=NH)Rcc、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRcc、-C(=NH)N(Rcc、-C(=NRcc)Rcc、-C(=NRcc)NHRcc、-C(=NRcc)N(Rcc、-C(=NOH)Rccまたは-C(=NORcc)Rccから選択され、各-Rccは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRccが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rcxは、3~7員環状基から選択され、3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている。典型的にはRは、水素、ハロ、-CN、-Rcc、-Rcx、-ORcc、-CORcc、-C(=NOH)Rccまたは-C(=NORcc)Rccから選択され、各-Rccは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルまたはフルオロシクロプロピルから選択され、-Rcxは、フェニル、ハロフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。より典型的にはRは、独立して、水素、-CNまたはハロから選択される。
一実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000023
(ここでRおよびRは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択され、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rdd、-Rdx、-ORdd、-CORdd、-COORdd、-CONH、-CONHRdd、-CON(Rdd、-C(=NH)Rdd、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRdd、-C(=NH)N(Rdd、-C(=NRdd)Rdd、-C(=NRdd)NHRdd、-C(=NRdd)N(Rdd、-C(=NOH)Rddまたは-C(=NORdd)Rddであり、各-Rddは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRddが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rdxは、3~7員環状基から選択され、該3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている)から選択される式を有する。典型的にはRおよびRは、独立して、C~Cアルキルから選択され、Rは、水素、ハロ、-CN、-Rdd、-Rdx、-ORdd、-CORdd、-C(=NOH)Rddまたは-C(=NORdd)Rddであり、各-Rddは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルおよびフルオロシクロプロピルから選択され、-Rdxは、フェニル、ハロフェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。より典型的にはRおよびRは、独立して、C~Cアルキルから選択され、Rは、水素またはハロ基である。
典型的には-Rは、
Figure 2022547882000024
から選択される式を有する。
一実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000025
(ここでAおよびAは、それぞれ独立して、場合により置換されたアルキレンまたはアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの1個または複数の炭素原子は、1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSで場合により置き換えられていてもよく、Rは、水素またはいずれかの任意選択による置換基である)から選択される式を有する。AまたはAに付着されたRおよびいずれかの任意選択による置換基は、それらが付着される原子と一緒になって、さらに縮合されたシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環を形成していてもよく、それら自体が、場合により置換されていてもよい。同様に、Aに付着されたいずれかの任意選択による置換基およびAに付着されたいずれかの任意選択による置換基はまた、それらが付着される原子と一緒になって、さらに縮合されたシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリールまたはヘテロアリール環を形成していてもよく、それら自体が、場合により置換されていてもよい。
一実施形態において、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Ree、-Rex、-ORee、-CORee、-COORee、-CONH、-CONHRee、-CON(Ree、-C(=NH)Ree、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRee、-C(=NH)N(Ree、-C(=NRee)Ree、-C(=NRee)NHRee、-C(=NRee)N(Ree、-C(=NOH)Reeまたは-C(=NORee)Reeであり、各-Reeは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のReeが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rexは、3~7員環状基から選択され、3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている。典型的にはRは、水素、ハロ、-CN、-Ree、-Rex、-ORee、-CORee、-C(=NOH)Reeまたは-C(=NORee)Reeから選択され、各-Reeは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルまたはフルオロシクロプロピルから選択され、-Rexは、フェニル、ハロフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、該5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。
別の実施形態において、Rは、水素、またはハロ、ヒドロキシ、-CN、NO、-Reeもしくは-ORee基であり、Reeは、場合によりハロ置換され得るC~Cアルキル基である。より典型的には、Rは、水素またはハロである。
典型的にはAまたはAを含有する任意の環は、5または6員環である。典型的にはAまたはAは、それぞれ独立して、場合により置換された直鎖アルキレン基、または場合により置換された直鎖アルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、独立して窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子で場合により置き換えられていてもよい。より典型的にはAまたはAは、それぞれ独立して、場合により置換された直鎖アルキレン基から選択され、アルキレン基のバックボーンの中の1個の炭素原子は、酸素原子で場合により置き換えられていてもよい。典型的にはAまたはA内のヘテロ原子は、別の環ヘテロ原子に直接付着されていない。典型的にはAまたはAは、非置換であるか、または1個もしくは複数のハロ、ヒドロキシル、-CN、-NO、-Bもしくは-OB基で置換されており、Bは、場合によりハロ置換され得るC~Cアルキルである。より典型的には、AおよびAは、非置換であるか、または1個もしくは複数のフルオロおよび/もしくはクロロ基で置換されている。Rが、AおよびA基の両方を含有する場合、AおよびAは、同じであるまたは異なっていてもよい。典型的にはAおよびAは、同じである。
さらなる実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000026
(ここでRは、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルまたはC~Cハロシクロアルキルであり、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rff、-Rfx、-ORff、-CORff、-COORff、-CONH、-CONHRff、-CON(Rff、-C(=NH)Rff、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRff、-C(=NH)N(Rff、-C(=NRff)Rff、-C(=NRff)NHRff、-C(=NRff)N(Rff、-C(=NOH)Rffまたは-C(=NORff)Rffであり、各-Rffは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRffが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rfxは、3~7員環状基から選択され、3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている)から選択される式を有する。典型的にはRは、C~Cアルキルであり、Rは、水素、ハロ、-CN、-Rff、-Rfx、-ORff、-CORff、-C(=NOH)Rffまたは-C(=NORff)Rffであり、各-Rffは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルおよびフルオロシクロプロピルから選択され、-Rfxは、フェニル、ハロフェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。より典型的にはRは、C~Cアルキルであり、Rは、水素またはハロである。
典型的には-Rは、式:
Figure 2022547882000027
を有する。
典型的には-Rは、式:
Figure 2022547882000028

を有する。
の親環状基のα位でのさらに別の典型的な置換基としては、一価複素環基および一価芳香族基を挙げることができ、複素環または芳香族基の環原子は、単結合を介して親環状基のα環原子に直接付着しており、複素環または芳香族基は、場合により置換されていてもよく、親環状基は、場合によりさらに置換されていてもよい。そのようなR基を、以下により詳細に記載する。
一実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、5または6員環状基であり、該環状基は、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、アリールまたはヘテロアリール基であり、それらの全てが、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基であり、それらの全てが、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリルまたはオキサジアゾリル基であり、それらの全てが、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、フェニルまたはピラゾリル基であり、両者とも、場合によりさらに置換されていてもよい。さらなる実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、フェニル基であり、場合によりさらに置換されていてもよい。
一実施形態において、Rのα-置換された親環状基は、αおよびα’位を置換されており、場合によりさらに置換されていてもよい。例えばRのα-置換された親環状基は、2および6位を置換されたフェニル基、または2、4および6位を置換されたフェニル基であってもよい。
一実施形態において、Rは、α位を一価複素環基または一価芳香族基で置換された親環状基であり、該複素環基または芳香族基は、場合により置換されていてもよく、該親環状基は、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニルまたは5もしくは6員複素環基であり、それらの全てが、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、アゼチニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、1,3-ジオキソラニル、1,2-オキサチオラニル、1,3-オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、1,4-ジオキサニル、チアニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたは1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジニル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、アゼチニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、1,3-ジオキソラニル、1,2-オキサチオラニル、1,3-オキサチオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チアニル、ピペラジニル、1,4-ジオキサニル、モルホリニルまたはチオモルホリニル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピペリジニル、またはテトラヒドロピラニル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、テトラヒドロピラニルまたは1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジニル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルまたはテトラヒドロピラニル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラゾリル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基または芳香族基は、非置換のフェニル、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラゾリル基である。一実施形態において、該α位の一価複素環基は、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルまたはピリジン-4-イル基であり、それらの全てが、場合により置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基は、非置換のピリジン-3-イル基または場合により置換されたピリジン-4-イル基である。
直前の段落で述べられたα位のこれらの一価複素環または芳香族基のいずれかでは、一価複素環または芳香族基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B44-から選択される1または2個の置換基で場合により置換されていてもよく、
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成していてもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B45、-OB45、-NHB45もしくは-N(B45から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B44は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B45、-OB45、-NHB45もしくは-N(B45から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;そして
各B45は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
典型的には任意の二価基-B44-は、4~6員縮合環を形成している。
一実施形態において、α位の一価複素環または芳香族基は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラゾリル基であり、それらの全てが、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択される1または2個の置換基で場合により置換されていてもよく、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基から選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。一実施形態において、α位の一価複素環基は、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルまたはピリジン-4-イル基であり、それらの全てが、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されていてもよく、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルから選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。一実施形態において、該α位の一価複素環基は、非置換のピリジン-3-イル、または独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBもしくは-N(Bから選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されたピリジン-4-イル基であり、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニル基から選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。
一実施形態において、Rは、α位を一価複素環基または一価芳香族基で置換された親環状基であり、該複素環基または芳香族基は、場合により置換されていてもよく、該親環状基は、場合によりさらに置換されていてもよい。一実施形態において、そのようなさらなる置換基は、Rのα-置換された親環状基のα’位にある。そのようなさらなる置換基は、独立して、ハロ、-Rδ、-ORδまたは-CORδ基から選択されてもよく、各Rδは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され、各Rδは、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されている。典型的には、Rのα-置換された親環状基のそのようなさらなる置換基は、独立して、ハロ、C~Cアルキル(特にC~C分枝状アルキル)またはC~Cシクロアルキル基、例えばフルオロ、クロロ、イソプロピル、シクロプロピル、シクロヘキシルまたはt-ブチル基から選択され、該アルキルおよびシクロアルキル基は、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合によりさらに置換されている。
一実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000029
(ここでRは、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルまたはC~Cハロシクロアルキルであり、Rは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基であり、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rkk、-Rkx、-ORkk、-CORkk、-COORkk、-CONH、-CONHRkk、-CON(Rkk、-C(=NH)Rkk、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRkk、-C(=NH)N(Rkk、-C(=NRkk)Rkk、-C(=NRkk)NHRkk、-C(=NRkk)N(Rkk、-C(=NOH)Rkkまたは-C(=NORkk)Rkkであり、各-Rkkは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRkkが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rkxは、3~7員環状基から選択され、該3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている)から選択される式を有する。一実施形態において、Rの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B55-から選択され、
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成していてもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B56、-OB56、-NHB56もしくは-N(B56から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B55は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B56、-OB56、-NHB56もしくは-N(B56から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;そして
各B56は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
典型的には任意の二価基-B55-は、4~6員縮合環を形成している。典型的にはRは、C~Cアルキルであり、Rは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基であり、Rは、水素、ハロ、-CN、-Rkk、-Rkx、-ORkk、-CORkk、-C(=NOH)Rkkまたは-C(=NORkk)Rkkであり、各-Rkkは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルまたはフルオロシクロプロピルから選択され、-Rkxは、フェニル、ハロフェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。より典型的にはRは、C~Cアルキルであり、Rは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基であり、Rは、水素またはハロである。一実施形態において、Rの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択され、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルから選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。
典型的には-Rは、
Figure 2022547882000030
(ここでRは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基である)から選択される式を有する。一実施形態において、Rの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立して、ハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B66-から選択され、
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成していてもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B67、-OB67、-NHB67もしくは-N(B67から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B66は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B67、-OB67、-NHB67もしくは-N(B67から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;そして
各B67は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
典型的には任意の二価基-B66-は、4~6員縮合環を形成している。典型的にはRの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択され、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルから選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。
一実施形態において、Rは、α位を一価複素環基または一価芳香族基で置換された親環状基であり、該複素環基または芳香族基は、場合により置換されていてもよく、該親環状基は、場合によりさらに置換されていてもよい。Rのα-置換された親環状基のさらなる置換基としては、シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環も挙げられ、Rのα-置換された親環状基に縮合されている。典型的には該シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環は、Rのα-置換された親環状基にオルト縮合され、即ち、各縮合されたシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環は、Rのα-置換された親環状基に共通する2個の原子および1つの結合のみを有する。典型的には該シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環は、α’,β’位にまたがるRのα-置換された親環状基にオルト縮合されている。
一実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000031
(ここでRは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基であり、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rhh、-Rhx、-ORhh、-CORhh、-COORhh、-CONH、-CONHRhh、-CON(Rhh、-C(=NH)Rhh、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRhh、-C(=NH)N(Rhh、-C(=NRhh)Rhh、-C(=NRhh)NHRhh、-C(=NRhh)N(Rhh、-C(=NOH)Rhhまたは-C(=NORhh)Rhhであり、各-Rhhは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRhhが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rhxは、3~7員環状基から選択され、3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている)から選択される式を有する。一実施形態において、Rの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B77-から選択され、
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成していてもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B78、-OB78、-NHB78もしくは-N(B78から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B77は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B78、-OB78、-NHB78もしくは-N(B78から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;そして
各B78は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
典型的には任意の二価基-B77-は、4~6員縮合環を形成している。典型的にはRは、水素、ハロ、-CN、-Rhh、-Rhx、-ORhh、-CORhh、-C(=NOH)Rhhまたは-C(=NORhh)Rhhであり、各-Rhhは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルまたはフルオロシクロプロピルから選択され、-Rhxは、フェニル、ハロフェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。より典型的にはRは、水素またはハロである。典型的にはRの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択され、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルから選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。
一実施形態において、-Rは、
Figure 2022547882000032
(ここでRは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基である)から選択される式を有する。一実施形態において、Rの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立して、ハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B88-から選択され、
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成していてもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B89、-OB89、-NHB89もしくは-N(B89から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B88は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B89、-OB89、-NHB89もしくは-N(B89から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;そして
各B89は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
典型的には任意の二価基-B88-は、4~6員縮合環を形成している。典型的には複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択され、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルから選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。
典型的には-Rは、
Figure 2022547882000033
(ここでRは、5または6員の場合により置換された複素環または芳香族基であり、Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rii、-Rix、-ORii、-CORii、-COORii、-CONH、-CONHRii、-CON(Rii、-C(=NH)Rii、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRii、-C(=NH)N(Rii、-C(=NRii)Rii、-C(=NRii)NHRii、-C(=NRii)N(Rii、-C(=NOH)Riiまたは-C(=NORii)Riiであり、各-Riiは、独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cハロシクロアルキルから選択されるか、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRiiが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、3~6員飽和複素環基を形成していてもよく、3~6員飽和複素環基は、場合によりハロ置換されており、-Rixは、3~7員環状基から選択され、3~7員環状基は、場合によりハロ置換されている)から選択される式を有する。一実施形態において、Rの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B99-から選択され、
各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cシクロアルキルもしくはフェニル基、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~6員複素環基から選択されるか、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒になって、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~6員複素環基を形成していてもよく、任意のBは、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B98、-OB98、-NHB98もしくは-N(B98から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
各B99は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーンの中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられていてもよく、アルキレンまたはアルケニレン基は、場合により、ハロ置換されていてもよく、そして/または独立して-OH、-NH、-B98、-OB98、-NHB98もしくは-N(B98から選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;そして
各B98は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される。
典型的には任意の二価基-B99-は、4~6員縮合環を形成している。典型的にはRは、水素、ハロ、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、シクロプロピルまたはハロシクロプロピルである。典型的にはRは、水素、ハロ、-CN、-Rii、-Rix、-ORii、-CORii、-C(=NOH)Riiまたは-C(=NORii)Riiであり、各-Riiは、独立して、C~Cアルキル、C~Cフルオロアルキル、シクロプロピルまたはフルオロシクロプロピルから選択され、-Rixは、フェニル、ハロフェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、5または6員ヘテロアリール基は、場合によりハロ置換されている。より典型的にはRは、水素またはハロである。典型的にはRの複素環または芳香族基の任意選択による置換基は、独立してハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-OB、-NHBまたは-N(Bから選択され、各Bは、独立して、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはC~Cアルキニルから選択され、それらの全てが、場合によりハロ置換されていてもよい。
一実施形態において、Rは、フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基(フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリルまたはインダゾリルなど)であり、ここで
(i)該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α位を-R、-ORおよび-CORから選択される置換基で置換されており、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され、Rは、1個または複数のハロ基で場合により置換されており;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α’位を-R14、-OR14および-COR14から選択される置換基でさらに置換されており、R14は、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され、R14は、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されており;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、さらに置換されており(典型的には、独立して、ハロ、-NO、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、3~5員環状基(5員ヘテロアリール基など)、3~5員ハロ環状基(5員ハロヘテロアリール基など)、-COR15、-COOR15、-CONH、-CONHR15、-CON(R15、-C(=NOH)R15または-C(=NOR15)R15から選択される1、2または3個の置換基により、そして各-R15は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択され);あるいは
(ii)該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α,β位にまたがって親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合され、1個または複数のハロ基で場合により置換された、シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環で置換されており;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α’位を-R、-ORおよび-CORから選択される置換基でさらに置換されており、Rは、C~Cアルキル;C~Cアルケニル;C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され;Rは、1個または複数のハロ基で場合によりさらに置換されており;そして
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、さらに置換されており(典型的には、独立して、ハロ、-NO、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、3~5員環状基(5員ヘテロアリール基など)、3~5員ハロ環状基(5員ハロヘテロアリール基など)、-COR15、-COOR15、-CONH、-CONHR15、-CON(R15、-C(=NOH)R15または-C(=NOR15)R15から選択される1、2または3個の置換基により、そして各-R15は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択され);あるいは
(iii)該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α,β位にまたがって親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合され、1個または複数のハロ基で場合により置換された、第一のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環で置換されており;
該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α’,β’位にまたがって親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合され、1個または複数のハロ基で場合により置換された、第二のシクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環で置換されており;
場合により該フェニル基は、さらに置換されており(典型的には、ハロ、-NO、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、3~5員環状基(5員ヘテロアリール基など)、3~5員ハロ環状基(5員ハロヘテロアリール基など)、-COR15、-COOR15、-CONH、-CONHR15、-CON(R15、-C(=NOH)R15または-C(=NOR15)R15から選択される1、2または3個の置換基により、そして各-R15は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択され);あるいは
(iv)該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α位をフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルまたはテトラヒドロピラニルから選択される一価複素環基または一価芳香族基で置換されており、該一価複素環または芳香族基は、独立して、ハロ、-CN、-R13、-OR13、-N(R13、-C≡CR13、-R12-CN、-R12-R13、-R12-OR13、-R12-N(R13、-R12-C≡CR13、-O-R12-CN、-O-R12-R13、-O-R12-OR13、-O-R12-N(R13、または-O-R12-C≡CR13から選択される1または2個の置換基で場合により置換されていてもよく、該一価複素環または芳香族基の環原子は、親フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基のα環原子に直接付着され;R12は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cハロアルキレン基から選択され;R13は、独立して、水素、またはC~Cアルキル、C~Cハロアルキルもしくは3~6員環状基(C~Cシクロアルキル、フェニル、または4~6員飽和複素環基など)から選択され、該3~6員環状基は、1個または複数のハロ、メチルまたはハロメチル基で場合により置換されていてもよく;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α’位を-R、-ORおよび-CORから選択される置換基でさらに置換されており、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~CアルキニルまたはC~C環状基から選択され、Rは、1個または複数のハロ基で場合により置換されており;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、さらに置換されており(典型的には、独立して、ハロ、-NO、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、3~5員環状基(5員ヘテロアリール基など)、3~5員ハロ環状基(5員ハロヘテロアリール基など)、-COR15、-COOR15、-CONH、-CONHR15、-CON(R15、-C(=NOH)R15または-C(=NOR15)R15から選択される1、2または3個の置換基により、そして各-R15は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択され);あるいは
(v)該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α位をフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルまたはテトラヒドロピラニルから選択される一価複素環基または一価芳香族基で置換されており、該一価複素環または芳香族基は、独立して、ハロ、-CN、-R13、-OR13、-N(R13、-C≡CR13、-R12-CN、-R12-R13、-R12-OR13、-R12-N(R13、-R12-C≡CR13、-O-R12-CN、-O-R12-R13、-O-R12-OR13、-O-R12-N(R13、または-O-R12-C≡CR13から選択される1または2個の置換基で場合により置換されていてもよく、該一価複素環または芳香族基の環原子は、親フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基のα環原子に直接付着され;R12は、独立して、C~CアルキレンまたはC~Cハロアルキレン基から選択され;R13は、独立して、水素、またはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、または3~6員環状基(C~Cシクロアルキル、フェニル、または4~6員飽和複素環基など)から選択され、該3~6員環状基は、1個または複数のハロ、メチルまたはハロメチル基で場合により置換されていてもよく;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、α’,β’位にまたがって親フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基に縮合され、1個または複数のハロ基で場合により置換された、シクロアルキル、シクロアルケニル、非芳香族複素環式、アリール、またはヘテロアリール環でさらに置換されており;
場合により該フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基は、さらに置換されている(典型的には、独立して、ハロ、-NO、-CN、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、3~5員環状基(5員ヘテロアリール基など)、3~5員ハロ環状基(5員ハロヘテロアリール基など)、-COR15、-COOR15、-CONH、-CONHR15、-CON(R15、-C(=NOH)R15または-C(=NOR15)R15から選択される1または2個の置換基により、そして各-R15は、独立してC~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択される)。
直前の実施形態において、基または部分が、1個または複数のハロ基で場合により置換されている場合、それは、例えば1、2、3、4、5、または6個のハロ基で置換されていてもよい。
上記実施形態のいずれかの一態様において、Rは、水素またはハロゲン以外の原子を10~50個含有する。より典型的には、Rは、水素またはハロゲン以外の原子を10~40個含有する。より典型的には、Rは、水素またはハロゲン以外の原子を10~35個含有する。より典型的にはなおも、Rは、水素またはハロゲン以外の原子を10~30個または12~30個含有する。さらにより典型的にはRは、水素またはハロゲン以外の原子を12~25個または12~25個含有する。
上記実施形態のいずれかの一態様において、式(I)で示される化合物は、250~2000Daの分子量を有する。典型的には、式(I)で示される化合物は、280~900Daの分子量を有する。より典型的には、式(I)で示される化合物は、290~600Daの分子量を有する。
本発明の第二の態様は、
Figure 2022547882000034
からなる群から選択される化合物を提供する。
本発明の第三の態様は、本発明の第一または第二の態様の任意の化合物の医薬的に許容できる塩、溶媒和物またはプロドラッグを提供する。
本発明の化合物は、その遊離塩基形態および酸付加塩形態の両方で用いることができる。本発明の目的では、本発明の化合物の「塩」は、酸付加塩を包含する。酸付加塩は、好ましくは、非限定的にハロゲン化水素酸(例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸)もしくは他の無機酸(例えば、硝酸、過塩素酸、硫酸またはリン酸)などの無機酸;または有機カルボン酸(例えば、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、サリチル酸、コハク酸、リンゴ酸もしくはヒドロキシコハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ムチン酸もしくはガラクタル酸、グルコン酸、パントテン酸、またはパモ酸)、有機スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン-p-スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸またはカンファースルホン酸)もしくはアミノ酸(例えば、オルニチン酸(ornithinic acid)、グルタミン酸またはアスパラギン酸)などの有機酸をはじめとし、適切な酸との医薬的に許容できる非毒性付加塩である。該酸付加塩は、一酸、二酸、三酸、または多酸付加塩であってもよい。好ましい塩は、ハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸または有機酸付加塩である。好ましい塩は、塩酸付加塩である。
本発明の化合物が、第四級アンモニウム基を含む場合、典型的には該化合物は、塩形態で使用される。該第四級アンモニウム基の対イオンは、任意の医薬的に許容できる非毒性の対イオンであってもよい。適切な対イオンの例としては、酸付加塩に関連して先に議論されたプロトン酸の共役塩基が挙げられる。
本発明の化合物はまた、その遊離酸形態および塩形態の両方で使用することができる。本発明の目的では、本発明の化合物の「塩」は、本発明の化合物のプロトン酸官能基性(カルボン酸基など)と適切なカチオンとの間に形成されたものを包含する。適切なカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。該塩は、一塩、二塩、三塩、または多塩であってもよい。好ましくは該塩は、一または二-リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩またはアンモニウム塩である。より好ましくは該塩は、一もしくは二ナトリウム塩、または一もしくは二カリウム塩である。
好ましくは任意の塩は、医薬的に許容できる非毒性塩である。しかし、他の、例えば医薬的に許容できる塩の精製もしくは調製において中間体として働く能力を有するため、または遊離酸もしくは塩基の同定、特徴づけもしくは精製に有用であるため、医薬的に許容できる塩に加えて、他の塩が、本発明に包含される。
本発明の化合物および/または塩は、無水であっても、または水和物(例えば、半水和物、一水和物、二水和物または三水和物)もしくは他の溶媒和物の形態であってもよい。そのような他の溶媒和物は、非限定的にアルコール溶媒、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールをはじめとする共通有機溶媒で形成されてもよい。
本発明の幾つかの実施形態において、治療的に不活性のプロドラッグが、提供される。プロドラッグは、ヒトなどの対象に投与されると、全体が、または一部が本発明の化合物に変換される化合物である。ほとんどの実施形態において、該プロドラッグは、インビボで活性薬物分子に変換されて治療効果を発揮し得る薬理学的に不活性の化学的誘導体である。本明細書に記載された化合物のいずれも、プロドラッグとして投与されて、該化合物の活性、生物学的利用度もしくは安定性を上昇させることができ、または他の方法で該化合物の特性を改変することができる。プロドラッグの典型的な例としては、活性化合物の官能基部分にある生物学的に不安定な保護基を有する化合物が挙げられる。プロドラッグとしては、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、水酸化、脱水酸化、加水分解、脱加水分解(dehydrolyzed)、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、および/または脱リン酸化されて、該活性化合物を生成し得る化合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明はまた、先に記載されたようなプロドラッグの塩および溶媒和物を包含する。
本発明の化合物、塩、溶媒和物およびプロドラッグは、少なくとも1種のキラル中心を含有していてもよい。それゆえ該化合物、塩、溶媒和物およびプロドラッグは、少なくとも2種の異性体形態で存在してもよい。本発明は、本発明の化合物、塩、溶媒和物およびプロドラッグのラセミ混合物、ならびに鏡像異性体について濃縮された異性体および実質的に鏡像異性体として純粋な異性体を包含する。本発明の目的では、化合物の「実質的に鏡像異性体として純粋な」異性体は、5重量%未満の、より典型的には2%重量未満の、最も典型的には0.5%重量未満の同化合物の他の異性体を含む。
本発明の化合物、塩、溶媒和物およびプロドラッグは、非限定的に12C、13C、H、H(D)、14N、15N、16O、17O、18O、19Fおよび127Iをはじめとする任意の安定した同位体、ならびに非限定的に11C、14C、H(T)、13N、15O、18F、123I、124I、125Iおよび131Iをはじめとする任意の放射性同位体を含有してもよい。
本発明の化合物、塩、溶媒和物およびプロドラッグは、任意の多形または非晶質形態であってもよい。
本発明の第四の態様は、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、医薬的に許容できる賦形剤と、を含む医薬組成物を提供する。
適切な医薬配合物の選択および調製のための従来の手順は、例えば“Aulton’s Pharmaceutics - The Design and Manufacture of Medicines”, M. E. Aulton and K. M. G. Taylor, Churchill Livingstone Elsevier, 4th Ed., 2013に記載されている。
本発明の医薬的組成物中で用いられ得るアジュバント、希釈剤または担体を含む医薬的に許容できる賦形剤は、医薬配合物の分野で従来から用いられるものであり、糖、糖アルコール、デンプン、イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリセリン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセリロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン・ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本発明の第四の態様の医薬組成物は、追加として1種または複数のさらなる活性剤を含む。
さらなる実施形態において、本発明の第四の態様の医薬的組成物は、部分品のキットの一部として提供されてもよく、該部分品のキットは、本発明の第四の態様の医薬的組成物と、1種または複数のさらなる医薬組成物と、を含み、該1種または複数のさらなる医薬組成物のそれぞれは、医薬的に許容できる賦形剤と、1種または複数のさらなる活性剤とを含む。
本発明の第五の態様は、薬品中での使用のための、そして/または疾患、障害もしくは病気の処置もしくは予防における使用のための、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または本発明の第四の態様の医薬組成物を提供する。典型的には該使用は、対象への該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物の投与を含む。一実施形態において、該使用は、1種または複数のさらなる活性剤の共投与を含む。
本明細書で用いられる用語「処置」は、同等に治癒的な治療、および改善もしくは緩和療法を指す。その用語は、有益な、または所望の生理学的結果を得ることを包含し、臨床的に確定されていても、または確定されていなくてもよい。有益な、または所望の臨床結果としては、検出可能であるか、または検出可能でないかに関わらず、症状の改善、症状の予防、疾患の程度の軽減、病気の安定化(即ち増悪しないこと)、病気/症状の進行/増悪の遅延または緩徐化、病気/症状の改善または緩和、および寛解(部分または全体のいずれかに関わらず)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で用いられる用語「緩和」およびその変形は、本発明の化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグもしくは医薬組成物を投与しなかった場合に比較して、生理学的条件または症状の程度および/もしくは望まない症状発現が低減すること、ならびに/または進行の時間経過が緩徐化もしくは延長すること、を意味する。疾患、障害または病気に関連して本明細書で用いられる用語「予防」は、防護的または予防的治療、および該疾患、障害または病気を発症するリスクを低減する治療に関する。用語「予防」は、疾患、障害または病気の出現の回避と、疾患、障害または病気の開始の遅延の両方を包含する。制御された臨床試験による測定で、統計学的に有意な(p≦0.05)出現回避、開始遅延またはリスク低減が、疾患、障害または病気の予防と見なされてもよい。予防を施すことができる対象としては、遺伝的または生化学的マーカーによる同定で、疾患、障害または病気のリスクの高い対象が挙げられる。典型的には該遺伝的または生化学的マーカーは、考慮されている疾患、障害または病気に適するもので、例えば炎症の場合のC反応性タンパク質(CRP)および単球走化性タンパク質1(MCP-1)などの炎症バイオマーカー;NAFLDおよびNASHの場合の総コレステロール、トリグリセリド、インスリン抵抗性およびCペプチド;ならびにより一般的にはNLRP3阻害に応答性の疾患、障害または病気の場合のIL-1βおよびIL-18を挙げることができる。
本発明の第六の態様は、疾患、障害または病気の処置または予防のための医薬の製造における、第一もしくは第二の態様の化合物、または第三の態様の医薬的に有効な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用を提供する。典型的には該処置または予防は、対象への該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬の投与を含む。一実施形態において、該処置または予防は、1種または複数のさらなる活性剤の共投与を含む。
本発明の第七の態様は、疾患、障害または病気の処置または予防の方法であって、第一もしくは第二の態様の化合物、または第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または第四の態様の医薬組成物の有効量を投与し、それにより該疾患、障害または病気を処置または予防するステップを含む、方法を提供する。一実施形態において該方法は、1種またはさらなる活性剤の有効量を共投与するステップをさらに含む。典型的には該投与は、必要とする対象へなされる。
本発明の第八の態様は、NLRP3における生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を有する個体における疾患、障害または病気の処置または予防における使用のための、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または本発明の第四の態様の医薬組成物を提供する。該突然変異は、例えば機能獲得型、または結果としてNLRP3活性を上昇させる他の突然変異であってもよい。典型的には該使用は、該個体への該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物の投与を含む。一実施形態において、該使用は、1種または複数のさらなる活性剤の共投与を含む。該使用はまた、該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物が突然変異のための陽性診断に基づいて個体に投与される、NLRP3における生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を有する個体の診断も含んでいてよい。典型的には該個体におけるNLRP3の突然変異の同定は、任意の適切な遺伝的または生化学的手段によるものであってもよい。
本発明の第九の態様は、NLRP3における生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を有する個体における疾患、障害または病気の処置または予防のための医薬の製造における、第一もしくは第二の態様の化合物、または第三の態様の医薬的に有効な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用を提供する。該突然変異は、例えば機能獲得型、または結果としてNLRP3活性を上昇させる他の突然変異であってもよい。典型的には該処置または予防は、該個体への該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬の投与を含む。一実施形態において、該処置または予防は、1種または複数のさらなる活性剤の共投与を含む。該処置または予防はまた、該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬が突然変異のための陽性診断に基づいて個体に投与される、NLRP3における生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を有する個体の診断を含んでいてもよい。典型的には該個体におけるNLRP3の突然変異の同定は、任意の適切な遺伝的または生化学的手段によるものであってもよい。
本発明の第十の態様は、疾患、障害または病気の処置または予防の方法であって、NLRP3における生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を有する個体を診断するステップと、第一もしくは第二の態様の化合物、または第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または第四の態様の医薬組成物の有効量を、陽性と診断された個体へ投与し、それにより該疾患、障害または病気を処置または予防するステップと、を含む、方法を提供する。一実施形態において、該方法は、1種または複数のさらなる活性剤の有効量を共投与するステップをさらに含む。典型的には該投与は、必要とする対象へなされる。
一般的実施形態において、該疾患、障害または病気は、免疫系、心血管系、内分泌系、消化器系、腎臓系、肝臓系、代謝系、呼吸器系、中枢神経系の疾患、障害もしくは病気であってもよく、癌もしくは他の悪性疾患であってもよく、そして/または病原により誘発されても、もしくは病原に関連してもよい。
疾患、障害および病気の大まかな分類に従って定義されたこれらの一般的実施形態が互いに排他的でないことは、察知されよう。これに関連して、任意の特別な疾患、障害または病気が、上記一般的実施形態の1つより多くに従って分類されてもよい。非限定的例は、自己免疫疾患および内分泌系の疾患であるI型糖尿病である。
本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様の一実施形態において、該疾患、障害または病気は、NLRP3阻害に応答する。本明細書で用いられる用語「NLRP3阻害」は、NLRP3の活性レベルの完全なまたは部分的な低下を指し、例えば活性NLRP3の阻害および/またはNLRP3の活性化の阻害が挙げられる。
複数の異なる障害に関連して、またはそれの結果として生じた炎症応答におけるNLRP3誘導性IL-1およびIL-18の役割についてのエビデンスがある(Menu et al., Clinical and Experimental Immunology, 166: 1-15, 2011; Strowig et al., Nature,481:278-286, 2012)。
NLRPの役割が示唆された遺伝性疾患としては、鎌状赤血球症(Vogel et al., Blood, 130(Suppl 1): 2234, 2017)およびバロシン含有タンパク質症(Nalbandian et al., Inflammation, 40(1): 21-41, 2017)が挙げられる。
NLRP3は、家族性地中海熱(FMF)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、高免疫グロブリンDおよび周期性発熱症候群(HIDS)、化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・ざ瘡(PAPA)、スウィート症候群、慢性非細菌性骨髄炎(CNO)、および尋常性ざ瘡をはじめとする複数の自己炎症性疾患に関連づけられている(Cook et al., Eur. J. Immunol., 40: 595-653, 2010)。特にNLRP3突然変異は、CAPSとして知られる希少な自己炎症性疾患の組み合わせを担うことが見出されている(Ozaki et al., J. Inflammation Research, 8:15-27, 2015; Schroder et al., Cell, 140: 821-832, 2010;およびMenu et al., Clinical and Experimental Immunology, 166: 1-15, 2011)。CAPSは、再発性の発熱および炎症を特徴とする遺伝性疾患であり、臨床連続体を形成する3つの自己炎症性障害で構成される。これらの疾患は、重症度が高い順に、家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)、マックル・ウェルズ症候群(MWS)、および慢性乳児神経皮膚関節症候群(CINCA;新生児期発症多臓器系炎症性疾患NOMIDとも呼ばれる)であり、全て、NLRP3遺伝子の機能獲得型突然変異から生じてIL-1βの分泌増加を導くことが示されている。
特に、多発性硬化症、1型糖尿病(T1D)、乾癬、関節リウマチ(RA)、ベーチェット病、シュニッツラー症候群、マクロファージ活性化症候群、セリアック病(Masters Clin. Immunol.147(3):223-228, 2013; Braddock et al. Nat. Rev. Drug Disc. 3:1-10,2004; Inoue et al., Immunology 139: 11-18,2013; Coll et al. Nat. Med.21(3):248-55 2015;Scott et al. Clin. Exp. Rheumatol 34(1):88-93,2016;Pontillo et al., Autoimmunity, 43(8): 583-589, 2010;およびGuo et al., Clin Exp Immunol, 194(2): 231-243, 2018)、ループス腎炎(Zhao et al., Arthritis and Rheumatism,65(12): 3176-3185, 2013)をはじめとする全身性エリテマトーデス(Lu et al. J Immunol. 198(3):1119-29,2017)、多発性硬化症(Xu et al., J Cell Biochem, 120(4): 5160-5168, 2019)、および全身性硬化症(Artlett et al. Arthritis Rheum.63(11): 3563-74, 2011)をはじめとする複数の自己免疫疾患が、NLRP3に関与することが示されている。
NLRP3はまた、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(ステロイド耐性喘息および好酸球性喘息を含む)、気管支炎、石綿症、火山灰による炎症、および珪肺(Cassel et al., Proceedings of the National Academy of Sciences, 105(26): 9035-9040, 2008; Chen et al., ERJ Open Research, 4: 00130-2017, 2018; Chen et al., Toxicological Sciences, 170(2): 462-475, 2019; Damby et al., Front Immun, 8: 2000, 2018; De Nardo et al., Am J Pathol, 184: 42-54, 2014; Lv et al., J Biol Chem, 293(48): 18454, 2018;およびKim et al., Am J Respir Crit Care Med, 196(3): 283-97, 2017)をはじめとする複数の呼吸器および肺疾患においても役割を担うことが示されている。
NLRP3はまた、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、認知症、ハンチントン病、脳マラリア、肺炎球菌性髄膜炎による脳傷害(Walsh et al., Nature Reviews, 15: 84-97, 2014、Cheng et al., Autophagy, 1-13, 2020; Couturier et al., J Neuroinflamm, 13: 20, 2016;およびDempsey et al. Brain. Behav. Immun.61:306-316, 2017)、頭蓋内動脈瘤(Zhang et al. J. Stroke & Cerebrovascular Dis, 24(5):972-979,2015)、脳内出血(ICH)(Ren et al., Stroke, 49(1): 184-192, 2018)、脳虚血性再灌流傷害(Fauzia et al., Front Pharmacol, 9:1034, 2018; Hong et al., Neural Plasticity, 2018: 8, 2018; Ye et al., Experimental Neurology, 292: 46-55, 2017)、全身麻酔による神経炎症(Fan et al., Front Cell Neurosci, 12: 426, 2018)、敗血症関連脳症(SAE)(Fu et al., Inflammation, 42(1): 306-318, 2019)、術後認知機能障害をはじめとする周術期神経認知障害(POCD)(Fan et al., Front Cell Neurosci, 12: 426, 2018;およびFu et al., International Immunopharmacology, 82:106317, 2020)、早期脳損傷(クモ膜下出血 SAH)(Luo et al., Brain Res Bull, 146: 320-326, 2019)、および外傷性脳傷害(Ismael et al. J Neurotrauma,35(11):1294-1303,2018およびChen et al., Brain Research, 1710:163-172, 2019)をはじめとする複数の中枢神経系の病気において役割を有することが示唆されている。
NLRP3活性はまた、2型糖尿病(T2D)、アテローム性硬化症、肥満、痛風、偽痛風、代謝症候群(Wen et al., Nature Immunology, 13:352-357, 2012; Duewell et al., Nature, 464:1357-1361, 2010; Strowig et al., Nature, 481:278-286, 2012)、および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(Mridha et al. J Hepatol. 66(5):1037-46,2017)をはじめとする様々な代謝疾患に関与することが示されている。
IL-1βを介したNLRP3の役割もまた、アテローム性硬化症(Chen et al., Journal of the American Heart Association, 6(9):e006347, 2017;およびChen et al., 35 Biochem Biophys Res Commun, 495(1): 382-387, 2018)、心筋梗塞(van Hout et al. Eur. Heart J, 38(11):828-36,2017)、心血管疾患(Janoudi et al., European Heart Journal, 37(25): 1959-1967, 2016)、心肥大および線維症(Gan et al., Biochim Biophys Acta, 1864(1): 1-10, 2018)、心不全(Sano et al. J Am. Coll. Cardiol. 71(8):875-66,2018)、大動脈瘤および解離(Wu et al. Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 37(4):694-706, 2017)、代謝機能障害による心臓傷害(Pavillard et al., Oncotarget, 8(59): 99740-99756, 2017;およびZhang et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1863(6): 1556-1567, 2017)、心房細動(Yao et al., Circulation, 138(20): 2227-2242, 2018)、高血圧(Gan et al., Biochim Biophys Acta, 1864(1): 1-10, 2018)、ならびに他の心血管病(Ridker et al, N Engl J Med., doi:10.1056/ NEJMoa1707914, 2017)において示唆されている。
NLRP3が関与することが示された他の疾患、障害および病気としては、
- 湿潤型および乾燥型の両方の加齢黄斑変性(Doyle et al., Nature Medicine, 18:791-798, 2012、およびTarallo et al. Cell, 149(4):847-59, 2012)、糖尿病性網膜症(Loukovaara et al. Acta Ophthalmol,95(8):803-808,2017)、および視神経損傷(Puyang et al. Sci Rep,6:20998, 2016 Feb 19)などの眼科疾患;
- 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(Henao-Meija et al., Nature, 482:179-185, 2012)、肝臓の虚血性再灌流傷害(Yu et al., Transplantation, 103(2): 353-362, 2019)、劇症肝炎(Pourcet et al., Gastroenterology, 154(5): 1449-1464, e20, 2018)、肝線維症(Zhang et al., Parasit Vectors, 12(1): 29, 2019)、および急性肝不全をはじめとする肝不全(Wang et al., Hepatol Res, 48(3): E194-E202, 2018)などの肝臓疾患;
- 腎石灰化症(Anders et al., Kidney Int, 93(3): 656-669, 2018)、慢性結晶腎症をはじめとする腎線維症(Ludwig- Portugall et al., Kidney Int, 90(3): 525-39, 2016)、肥満関連の糸球体症(Zhao et al., Mediators of Inflammation, article 3172647, 2019)、急性腎傷害(Zhang et al., Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity: Targets and Therapy, 12:1297-1309, 2019)、および腎性高血圧(Krishnan et al., Br J Pharmacol, 173(4): 752-65, 2016; Krishnan et al., Cardiovasc Res, 115(4): 776-787, 2019; Dinh et al., Aging, 9(6): 1595-30 1606,2017)などの腎臓疾患;
- 糖尿病性脳病(Zhai et al., Molecules, 23(3): 522, 2018)、糖尿病性網膜症(Zhang et al., Cell Death Dis, 8(7): 62941, 2017)、糖尿病性腎症(糖尿病性腎臓病とも呼ばれる)(Chen et al., BMC Complementary and Alternative Medicine, 18:192, 2018)、および糖尿病性低アディポネクチン血症(Zhang et al., Biochimica et Biophysica Acta (BBA)-Molecular Basis of Disease, 1863(6): 1556-1567, 2017)などの糖尿病に関連する病気;
- 肺虚血再灌流傷害(Xu et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 503(4): 3031-3037, 2018)、上皮間葉転換(EMT)(Li et al., Experimental Cell Research, 362(2): 489-497, 2018)、接触過敏症(水疱性類天疱瘡など(Fang et al. J Dermatol Sci,83(2):116-23,2016))、アトピー性皮膚炎(Niebuhr et al. Allergy,69(8):1058-67, 2014)、化膿性汗腺炎(Alikhan et al.,J Am Acad Dermatol 60(4):539-61,2009)、尋常性ざ瘡(Qin et al. J Invest. Dermatol,134(2):381-88,2014)、およびサルコイドーシス(Jager et al. Am J Respir Crit Care Med, 191:A5816,2015)などの肺および皮膚における炎症反応(Primiano et al. J Immunol,197(6):2421-33,2016);
- 関節内の炎症反応(Braddock et al., Nat. Rev. Drug Disc., 3:1-10, 2004)および骨関節炎(Jin et al., PNAS, 108(36): 14867-14872, 2011);
- 関節炎の熱(Verma, Linkoping University Medical Dissertations, No.1250, 2011)などの関節炎に関連する病気;
- 筋萎縮性側索硬化症(Gugliandolo et al. Inflammation,41(1):93-103,2018);
- 嚢胞性線維症(Iannitti et al. Nat. Commun, 7:10791,2016);
- 卒中(Walsh et al., Nature Reviews, 15:84-97, 2014;Ye et al., Experimental Neurology, 292: 46-55, 2017);
- 偏頭痛などの頭痛(He et al., Journal of Neuroinflammation, 16: 78, 2019);
- 慢性腎臓疾患(Granata et al. PLoS One 10(3):e0122272,2015);
- シェーグレン症候群(Vakrakou et al., Journal of Autoimmunity, 91: 23-33, 2018);
- 移植片対宿主病(Takahashi et al., Scientific Reports, 7:13097, 2017);
- 鎌形赤血球症(Vogel et al., Blood, 130(Suppl 1): 2234, 2017);ならびに
- 潰瘍性大腸炎およびクローン病(Braddock et al., Nat. Rev. Drug Disc., 3:1-10, 2004、Neudecker et al., J Exp. Med.214(6):1737-52, 2017、Wu et al., Mediators Inflamm, 2018: 3048532, 2018;およびLazaridis et al. Dig. Dis. Sci,62(9):2348-56,2017)、および敗血症(腸管上皮の破壊)(Zhang et al., Dig Dis Sci, 63(1): 81-91, 2018)などの大腸炎および炎症性腸疾患、
が挙げられる。
NLRP3の遺伝的除去が、HSD(高糖食)、HFD(高脂肪食)およびHSFD誘導性肥満(Pavillard et al., Oncotarget, 8(59): 99740-99756, 2017)を防御することが示されている。
NLRP3インフラマソームは、酸化ストレス、日焼け(Hasegawa et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 477(3): 329-335, 2016)、およびUVB照射(Schroder et al., Science, 327:296-300, 2010)に応答して活性化されることも見出されている。
NLRP3はまた、炎症性痛覚過敏(Dolunay et al., Inflammation, 40: 366-386, 2017)、創傷治癒(Ito et al., Exp Dermatol, 27(1): 80-86, 2018)、熱傷治癒(Chakraborty et al., Exp Dermatol, 27(1): 71-79, 2018)、アロディニア、多発性硬化症関連の神経因性疼痛(Khan et al., Inflammopharmacology, 26(1): 77-86, 2018)、慢性骨盤痛(Zhang et al., Prostate, 79(12): 1439-1449, 2019)および癌による骨痛(Chen et al., Pharmacological Research, 147: 104339, 2019)などの疼痛、ならびに早産に関連する羊膜内炎症/感染(Faro et al., Biol Reprod, 100(5): 1290-1305, 2019;およびGomez-Lopez et al., Biol Reprod, 100(5): 1306-1318, 2019)に関与することが示されている。
インフラマソーム、および具体的にはNLRP3は、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)をはじめとするスタフィロコッカス・アウレウス(Cohen et al., Cell Reports, 22(9): 2431-2441, 2018;およびRobinson et al., JCI Insight, 3(7): e97470, 20,2018)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(TB)(Subbarao et al., Scientific Reports, 10: 3709,2020)、バシラス・セレウス(Mathur et al., Nat Microbiol, 4: 362-374, 2019)、サルモネラ・タイフィムリウム(Diamond et al., Sci Rep, 7(1): 6861, 2017)、およびA群連鎖球菌(LaRock et al., Science Immunology, 1(2): eaah3539, 2016)などの細菌病原体;DNAウイルス(Amsler et al., Future Virol, 8(4): 357-370, 2013)、インフルエンザAウイルス(Coates et al., Front Immunol, 8: 782, 2017)、チングニア、ロスリバーウイルス、およびアルファウイルス(Chen et al., Nat Microbiol, 2(10): 1435-1445, 2017)などのウイルス;カンジダ・アルビカンス(Tucey et al., mSphere, 1(3), pii:e00074-16, 2016) などの真菌病原体;ならびにT.ゴンディ(Gov et al., J Immunol, 199(8): 2855-2864, 2017)、蠕虫ワーム(Alhallaf et al., Cell Reports, 23(4): 1085-1098, 2018)、リーシュマニア(Novais et al., PLoS Pathogens, 13(2):e1006196, 2017)、およびプラスモジウム(Strangward et al., PNAS, 115(28):7404-7409, 2018)などの他の病原体を含む様々な病原体によるモジュレーションのための標的としても提案されている。NLRP3は、ウイルス、細菌、真菌、および蠕虫病原体感染の効率的制御に必要とされることが示されている(Strowig et al., Nature, 481: 278-286, 2012)。NLRP3活性はまた、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などによるウイルス感染への感受性の上昇に関連づけられている(Pontillo et al., J Aquir Immune Defic Syndr, 54(3): 236-240, 2010)。HIVおよびマイコバクテリウム・ツベルクローシス(TB)に重複感染した患者の間の早期死亡のリスク上昇も、NLRP3活性に関連づけられている(Ravimohan et al., Open Forum Infectious Diseases, 5(5): ofyo75, 2018)。
NLRP3はまた、多くの癌の病原性に関連づけられている(Menu et al., Clinical and Experimental Immunology 166:1-15, 2011;およびMasters Clin. Immunol.147(3): 223-228,2013)。例えば、複数の過去の試験で、癌の浸潤、成長および転移におけるIL-1βの役割が示唆されており、カナキヌマブでのIL-1βの阻害が、無作為化二重盲検プラセボ対照試験において肺癌発症率および全癌死亡率を低下させることが示されている(Ridker et al. Lancet,S0140-6736(17)32247-X,2017)。NLRP3インフラマソームまたはIL-1βの阻害はまた、インビトロで肺癌細胞の増殖および遊走を阻害することが示されており(Wang et al. Oncol Rep,35(4):2053-64,2016)、NLRP3は、発癌性および転移のNK細胞を介した制御を抑制することが示されている(Chow et al., Cancer Res, 72(22): 5721-32, 2012)。NLRP3インフラマソームの役割は、骨髄異形成症候群において(Basiorka et al. Blood,;128(25):2960-2975,2016)、そして神経膠腫(Li et al. Am J Cancer Res,5(1):442-449,2015)、結腸癌(Allen et al., J Exp Med, 207(5): 1045-56, 2010)、黒色腫(Dunn et al., Cancer Lett, 314(1): 24-33, 2012)、乳癌(Guo et al., Scientific Reports, 6: 36107, 2016)、炎症誘導性腫瘍(Allen et al. J Exp Med,207(5):1045-56,2010、およびHu et al. PNAS,107(50):21635-40,2010)、多発性骨髄腫(Li et al. Hematology,21(3):144-51,2016)、および頭頸部の扁平上皮癌(Huang et al. J Exp Clin Cancer Res,36(1):116,2017;およびChen et al., Cellular and Molecular Life Sciences, 75: 2045-2058,2018)をはじめとする様々な他の癌の発癌性においても示唆されている。NLRP3インフラマソームの活性化はまた、5-フルオロウラシルへの腫瘍細胞の化学療法抵抗性に介在することが示されており(Feng et al. J Exp Clin Cancer Res,36(1):81,2017)、末梢神経におけるNLRP3インフラマソームの活性化は、化学療法誘導性神経因性疼痛に寄与する(Jia et al. Mol Pain,13:1-11,2017)。
したがって先に列挙された疾患、障害または病気のいずれかが、本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様により処置または予防されてもよい。NLRP3阻害に応答する可能性があり、本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様により処置または予防される可能性がある疾患、障害または病気の詳細な例としては:
(i)炎症性障害の結果として生じた炎症、例えば自己炎症性疾患、非炎症性障害の症状として生じた炎症、感染の結果として生じた炎症、または外傷、傷害もしくは自己免疫性に続発した炎症をはじめとする炎症;
(ii)急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、抗合成酵素症候群、再生不良性貧血、自己免疫性副腎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性多内分泌腺不全、自己免疫性甲状腺炎、小児セリアック病をはじめとするセリアック病、クローン病、1型糖尿病(T1D)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとするエリテマトーデス、原発性進行性多発性硬化症(PPMS)、続発性進行性多発性硬化症(SPMS)および再発性寛解型多発性硬化症(RRMS)をはじめとする多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オルド甲状腺炎、天疱瘡、悪性貧血、多発性関節炎、原発性胆汁性胆管炎、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎またはスチル病、難治性痛風関節炎、ライター病、シェーグレン症候群、全身性硬化症、全身性結合組織障害、高安関節炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫、全身性脱毛、ベーチェット病、シャーガス病、自律神経障害、子宮内膜症、化膿性汗腺炎(HS)、間質性膀胱炎、神経筋緊張症、乾癬、サルコイドーシス、強皮症、潰瘍性大腸炎、シュニッツラー症候群、マクロファージ活性化症候群、ブラウ症候群、白斑、または外陰部痛などの自己免疫性疾患;
(iii)肺癌、膵臓癌、胃癌(gastric cancer)、骨髄異形成症候群、急性リンパ球性白血病(ALL)および急性骨髄性白血病(AML)をはじめとする白血病、副腎癌、肛門癌、基底細胞および扁平上皮癌、頭頸部の扁平上皮癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳および脊髄腫瘍、乳癌、子宮頸癌、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、大腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、目の癌、胆嚢癌、消化管悪性腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛疾患、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭および下咽頭癌、肝臓癌、肺悪性腫瘍、皮膚T細胞リンパ腫をはじめとするリンパ腫、悪性中皮腫、黒色腫皮膚癌、メルケル細胞皮膚癌、多発性骨髄腫、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔および口咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、精巣癌、脳下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞種、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、胃癌(stomach cancer)、精巣癌、胸腺癌、未分化甲状腺癌をはじめとする甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰部癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、およびウィルムス腫瘍をはじめとする癌;
(iv)ウイルス感染(例えば、インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アルファウイルス(チクングニアおよびロスリバーウイルスなど)、フラビウイルス(デングウイルスおよびジカウイルスなど)、ヘルペスウイルス(エプスタイン・バー・ウイルス、サイトメガロウイルス、膵島帯状疱疹ウイルス、およびKSHVなど)、ポックスウイルス(ワクシニアウイルス(改変ワクシニアウイルスアンカラ)およびミクソーマウイルスなど)、アデノウイルス(アデノウイルス5など)、またはパピローマウイルス由来)、細菌感染(例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(MRSAを含む)、ヘリコバクター・ピロリ、バシラス・アントラシス、バシラス・セレウス、ボルダテラ・ペルツシス、ブルクホルデリア・シュードマレイ、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diptheriae)、クロストリジウム・テタニ、クロストリジウム・ボツリヌム、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、リステリア・モノサイトゲネス、ヘモフィリス・インフルエンザ、パステウレラ・ムルトシダ、シゲラ・ディセンテリエ、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、マイコバクテリウム・レプラエ、マイコプラズマ・ニューモニエ、マイコプラズマ・ホミニス、ナイセリア・メニンギティディス、ナイセリア・ゴノレア、リケッチア・リケッチイ、レジオネラ・ニューモフィラ、クレブシエラ・ニューモニエ、シュードモナス・アエルギノサ、プロピオニバクテリウム・アクネス、トレポネーマ・パリダム、クラミジア・トラコマティス、ビブリオ・コレラ、サルモネラ・タイフィムリウム、サルモネラ・タイフィ、ボレリア・ブルグドルフェリ、尿路病原性エシェリキア・コリ(UPEC)またはエルシニア・ペスティス由来)、真菌感染(例えば、カンジダまたはアスペルギルス種由来)、原生動物感染(例えば、プラスモジウム、バベシア、ギアルジア、エンタモエバ、リーシュマニア症またはトリパノソーム由来)、蠕虫感染(例えば、住血吸虫、回虫、条虫または吸虫由来)、プリオン感染、および前述のいずれかとの重複感染(例えば、HIVおよびマイコバクテリウム・ツベルクローシスとの)をはじめとする感染;
(v)パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、運動ニューロン疾患、ハンチントン病、脳マラリア、肺炎球菌性髄膜炎による脳傷害、頭蓋内動脈瘤、脳内出血、敗血症関連脳症、周術期神経認知障害、術後認知機能障害、早期脳損傷、外傷性脳傷害、脳虚血再灌流傷害、卒中、全身麻酔による神経炎症、および筋萎縮性側索硬化症などの中枢神経系疾患;
(vi)2型糖尿病(T2D)、アテローム性硬化症、肥満、痛風および偽痛風などの代謝疾患;
(vii)高血圧、虚血、MI後虚血性再灌流傷害をはじめとする再灌流傷害、虚血性脳卒中をはじめとする卒中、一過性虚血発作、再発性心筋梗塞をはじめとする心筋梗塞、うっ血性心不全および駆出率が保持される心不全をはじめとする心不全、心肥大および線維症、塞栓症、腹部大動脈瘤をはじめとする動脈瘤、代謝誘導性心傷害、およびドレスラー症候群をはじめとする心膜炎などの心血管疾患;
(viii)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性喘息、好酸球性喘息およびステロイド耐性喘息などの喘息、石綿症、珪肺、火山灰による炎症、ナノ粒子誘導性炎症、嚢胞性線維症および特発性肺線維症などの呼吸器疾患;
(ix)進行性線維症ステージF3およびF4をはじめとする非アルコール性脂肪肝臓疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性脂肪肝臓疾患(AFLD)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、肝臓の虚血性再灌流傷害、劇症肝炎、肝線維症、および急性肝不全をはじめとする肝不全をはじめとする肝臓疾患;
(x)慢性腎臓疾患、シュウ酸塩腎症、腎臓結石、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、肥満関連の糸球体症、慢性結晶腎症をはじめとする腎線維症、急性腎不全、急性腎傷害、および腎性高血圧をはじめとする腎臓疾患;
(xi)目の上皮の疾患、加齢黄斑変性(AMD)(乾燥型および湿潤型)、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、角膜感染、糖尿病性腎症、視神経損傷、ドライアイ、および緑内障をはじめとする眼科疾患;
(xii)接触皮膚炎およびアトピー性皮膚炎などの皮膚炎、接触過敏症、乾癬、日焼け、皮膚病変、化膿性汗腺炎(HS)、他の嚢胞誘発性皮膚疾患、壊疽性膿皮症および集簇性ざ瘡を含む尋常性ざ瘡をはじめとする皮膚疾患;
(xiii)リンパ管炎およびキャッスルマン病などのリンパ病;
(xiv)うつ病および精神的ストレスなどの精神障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)骨盤痛、痛覚過敏、機械的アロディニアをはじめとするアロディニア、多発性硬化症関連の神経因性疼痛をはじめとする神経因性疼痛、および癌による骨痛などの疼痛;
(xvii)糖尿病性脳病、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性血管内皮機能不全、および糖尿病性低アディポネクチン血症などの糖尿病に関連する病気;
(xviii)関節炎の熱などの関節炎に関連する病気;
(xix)群発頭痛、特発性頭蓋内圧亢進、片頭痛、低圧性頭痛(例えば、硬膜穿刺後)、結膜充血および流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(SUNCT)、および緊張型頭痛をはじめとする頭痛;
(xx)皮膚創傷および皮膚熱傷などの創傷および熱傷;ならびに
(xxi)個体がNLRP3の生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を担うことが決定された任意の疾患、
が挙げられる。
一実施形態において、該疾患、障害または病気は、
(i)炎症;
(ii)自己免疫性疾患;
(iii)癌;
(iv)感染;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝臓疾患;
(x)腎臓疾患;
(xi)眼科疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ病;
(xiv)精神障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)アロディニア
(xvii)糖尿病に関連する病気;および
(xviii)個体がNLRP3の生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を担うことが決定された任意の疾患、
から選択される。
別の実施形態において、該疾患、障害または病気は、
(i)癌、
(ii)感染;
(iii)中枢神経系疾患;
(iv)心血管疾患;
(v)肝臓疾患;
(vi)眼科疾患;または
(vii)皮膚疾患、
から選択される。
より典型的には、該疾患、障害または病気は、
(i)癌、
(ii)感染;
(iii)中枢神経系疾患;または
(iv)心血管疾患;
から選択される。
一実施形態において、該疾患、障害または病気は、
(i)集簇性ざ瘡;
(ii)アトピー性皮膚炎;
(iii)アルツハイマー病;
(iv)筋萎縮性側索硬化症;
(v)加齢黄斑変性(AMD);
(vi)未分化甲状腺癌;
(vii)クリオピリン関連周期性症候群(CAPS);
(viii)接触皮膚炎
(ix)嚢胞性線維症;
(x)うっ血性心不全;
(xi)慢性腎臓疾患;
(xii)クローン病;
(xiii)家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS);
(xiv)ハンチントン病;
(xv)心不全;
(xvi)駆出率が保持される心不全;
(xvii)虚血性再灌流傷害;
(xviii)若年性特発性関節炎;
(xix)心筋梗塞;
(xx)マクロファージ活性化症候群;
(xxi)骨髄異形成症候群;
(xxii)多発性骨髄腫;
(xxiii)運動ニューロン病;
(xxiv)多発性硬化症;
(xxv)マックル・ウェルズ症候群;
(xxvi)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);
(xxvii)新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID);
(xxviii)パーキンソン病;
(xxix)鎌状赤血球症
(xxx)全身若年性特発性関節炎;
(xxxi)全身性エリテマトーデス;
(xxxii)外傷性脳傷害;
(xxxiii)一過性虚血発作;
(xxxiv)潰瘍性大腸炎;または
(xxxv)バロシン含有タンパク質症
から選択される。
本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様の別の実施形態において、該処置または予防は、ウイルス感染への感受性の低減を含む。例えば該処置または予防は、HIV感染への感受性の低減を含んでいてもよい。
本発明のさらなる典型的実施形態において、該疾患、障害または病気は、炎症である。本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様に従って処置または予防され得る炎症の例としては、
(i)接触過敏症、水疱性類天疱瘡、日焼け、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、強皮症、天疱瘡、表皮水疱症、じんましん、紅斑、または脱毛などの皮膚病;
(ii)骨関節炎、全身若年性特発性関節炎、成人発症スチル病、再発性多発性軟骨炎、関節リウマチ、若年性慢性関節炎、痛風、または血清陰性脊椎関節症(例えば、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎またはライター病)などの関節病;
(iii)多発性菌炎または重症筋無力症などの筋肉病;
(iv)炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)、大腸炎、胃潰瘍、セリアック病、直腸炎、膵臓炎、好酸球性胃腸炎、マストサイトーシス、抗リン脂質症候群、または腸から離れた作用を有し得る食物関連アレルギー(例えば、偏頭痛、鼻炎または湿疹)などの消化管病;
(v)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(好酸球性、気管支、アレルギー性、内因性、外因性または塵埃喘息、特に慢性または常習的な喘息、例えば遅発型喘息および気道過敏症を含む)、気管支炎、鼻炎(急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性鼻炎、慢性鼻炎、乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎(rhinitis pumlenta)、乾燥性鼻炎、薬物性鼻炎、膜性鼻炎、季節性鼻炎、例えば枯れ草熱、および血管運動性鼻炎を含む)、副鼻腔炎、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、農夫肺、珪肺、石綿症、火山灰による炎症、成人呼吸窮迫症候群、過敏性肺炎、または特発性間質性肺炎などの呼吸器系病;
(vi)アテローム性硬化症、ベーチェット病、脈管炎、またはウェゲナー肉芽腫などの血管病;
(vii)全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、またはグレーブス病などの自己免疫病;
(viii)ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、または春季カタルなどの眼病;
(ix)多発性硬化症または脳脊髄炎などの神経病;
(x)後天性免疫不全症(AIDS)、急性もしくは慢性細菌感染、急性もしくは慢性寄生虫感染、急性もしくは慢性ウイルス感染、急性もしくは慢性真菌感染、髄膜炎、肝炎(A、BもしくはC型、または他のウイルス性肝炎)、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、マラリア、デング出血熱、リーシュマニア症、連鎖球菌筋炎、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(マイコバクテリウム・ツベルクローシスとHIVの重複感染を含む)、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ、ニューモシスチス・カリニ肺炎、精巣炎/精巣上体炎、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA型、エプスタイン・バー・ウイルス感染、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎、または骨盤内炎症性疾患などの感染または感染関連病;
(xi)メサンギウム増殖性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、肥満関連の糸球体症、急性腎不全、急性腎傷害、尿毒症、腎炎症候群、慢性結晶腎症をはじめとする腎線維症、または腎性高血圧などの腎臓病;
(xii)キャッスルマン病などのリンパ病;
(xiii)高IgE症候群、ライ腫性ハンセン病、家族性血球貪食性リンパ組織球症、または移植片対宿主病などの免疫系の病気または免疫系に関与する病気;
(xiv)慢性活動性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール誘導性肝炎、非アルコール性脂肪性肝臓疾患(NAFLD)、アルコール性脂肪性肝臓疾患(AFLD)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、原発性胆汁性肝硬変、劇症肝炎、肝線維症、または肝不全などの肝臓病;
(xv)先に列挙されたそれらの癌をはじめとする癌;
(xvi)熱傷、創傷、外傷、出血または卒中;
(xvii)放射線照射;
(xviii)2型糖尿病(T2D)、アテローム性硬化症、肥満、痛風または偽痛風などの代謝疾患;および/あるいは
(xix)炎症性痛覚過敏、骨盤痛、アロディニア、神経因性疼痛、または癌による骨痛などの疼痛、
に関連して、またはその結果として生じた炎症応答が挙げられる。
本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様の一実施形態において、該疾患、障害または病気は、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、マックル・ウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、家族性地中海熱(FMF)、新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、高免疫グロブリンDおよび周期性発熱症候群(HIDS)、インターロイキン1受容体アンタゴニスト欠損症(DIRA)、マアジード症候群、化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・ざ瘡症候群(PAPA)、成人発症スチル病(AOSD)、A20ハプロ不全症(HA20)、小児期肉芽腫性関節炎(PGA)、PLCG2関連抗体欠損・免疫異常症(PLAID)、PLCG2関連自己炎症性抗体欠損・免疫異常症(APLAID)、またはB細胞免疫欠損・周期性発熱・発達遅延を伴う鉄芽球性貧血(SIFD)などの自己炎症性疾患である。
NLRP3阻害に応答する可能性があり、本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様により処置または予防される可能性がある疾患、障害または病気の例を先に列挙している。これらの疾患、障害または病気の幾つかは、NLRP3インフラマソーム活性、ならびにNLRP3誘導性IL-1βおよび/またはIL-18により実質的に、または全体として媒介される。結果として、そのような疾患、障害または病気は、NLRP3阻害に特に応答する可能性があり、本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様に従う処置または予防に特に適する可能性がある。そのような疾患、障害または病気の例としては、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、マックル・ウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)、家族性地中海熱(FMF)、化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・ざ瘡症候群(PAPA)、高免疫グロブリンDおよび周期性発熱症候群(HIDS)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、全身若年性特発性関節炎、成人発症スチル病(AOSD)、再発性多発性軟骨炎、シュニッツラー症候群、スウィート症候群、ベーチェット病、抗合成酵素症候群、インターロイキン1受容体アンタゴニスト欠損症(DIRA)、およびA20ハプロ不全症(HA20)が挙げられる。
さらに、先に言及された該疾患、障害または病気の幾つかは、NLRP3における突然変異により生じ、特にNLRP3活性上昇をもたらす。その結果、そのような疾患、障害または病気は、NLRP3阻害に特に応答する可能性があり、本発明の第五、第六、第七、第八、第九または第十の態様に従う処置または予防に特に適する可能性がある。そのような疾患、障害または病気の例としては、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、マックル・ウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、および新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)が挙げられる。
本発明の第十一の態様は、NLRP3を阻害するための、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または本発明の第四の態様の医薬組成物の使用を含む、NLRP3を阻害する方法を提供する。
本発明の第十一の態様の一実施形態において、該方法は、1種または複数のさらなる活性剤と組み合わせた、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または本発明の第四の態様の医薬組成物の使用を含む。
本発明の第十一の態様の一実施形態において、該方法は、例えばNLRP3阻害の細胞に及ぼす影響を分析するために、エクスビボまたはインビトロで実施される。
本発明の第十一の態様の別の実施形態において、該方法は、インビボで実施される。例えば該方法は、第一もしくは第二の態様の化合物、または第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または第四の態様の医薬組成物の有効量を投与し、それによりNLRP3を阻害するステップを含んでいてもよい。一実施形態において、該方法は、1種または複数のさらなる活性剤の有効量を共投与するステップをさらに含む。典型的には該投与は、必要とする対象になされる。
あるいは本発明の第十一の態様の方法は、非ヒト動物対象においてNLRP3を阻害する方法であって、該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物を該非ヒト動物対象に投与するステップ、および場合により続いて該非ヒト動物対象を損傷または殺処分するステップ、を含む、方法であってもよい。典型的にはそのような方法は、場合により損傷または殺処分された非ヒト動物対象由来の1種または複数の組織または流体試料を分析するステップをさらに含む。一実施形態において、該方法は、1種または複数のさらなる活性剤の有効量を共投与するステップをさらに含む。
本発明の十二の態様は、NLRP3の阻害における使用のための、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または本発明の第四の態様の医薬組成物を提供する。典型的には該使用は、対象への該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物の投与を含む。一実施形態において、該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物は、1種または複数のさらなる活性剤と共投与される。
本発明の第十三の態様は、NLRP3の阻害のための医薬の製造における、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用を提供する。典型的には該阻害は、対象への該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬の投与を含む。一実施形態において、該化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬は、1種または複数のさらなる活性剤と共投与される。
1種または複数のさらなる活性剤の使用または共投与を含む本発明の第五~第十三の態様のいずれかの任意の実施形態において、該1種または複数のさらなる活性剤は、例えば1、2または3種の異なるさらなる活性剤を含んでいてもよい。
該1種または複数のさらなる活性剤は、互いの前に、同時に、連続で、または次に、そして/あるいは本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または本発明の第四の態様の医薬組成物の前に、同時に、連続で、または次に、使用または投与されてもよい。該1種または複数のさらなる活性剤が、本発明の第一もしくは第二の態様の化合物、または本発明の第三の態様の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと同時に投与される場合、該1種または複数のさらなる活性剤を追加的に含む本発明の第四の態様の医薬組成物が、投与されてもよい。
1種または複数のさらなる活性剤の使用または共投与を含む本発明の第五~第十三の態様のいずれかの一実施形態において、該1種または複数のさらなる活性剤は、
(i)化学療法剤;
(ii)抗体;
(iii)アルキル化剤;
(iv)代謝抑制剤;
(v)血管新生阻害剤;
(vi)植物アルカロイドおよび/もしくはテルペノイド;
(vii)トポイソメラーゼ阻害剤;
(viii)mTOR阻害剤;
(ix)スチルベノイド;
(x)STINGアゴニスト;
(xi)癌ワクチン;
(xii)免疫調整剤;
(xiii)抗生物質;
(xiv)抗真菌剤;
(xv)抗寄生虫剤;ならびに/または
(xvi)他の活性剤、
から選択される。
活性剤の大まかな分類に従って定義されたこれらの一般的実施形態が互いに排他的でないことは、察知されよう。これに関連して、任意の特別な活性剤が、上記一般的実施形態の1つより多くに従って分類されてもよい。非限定的例は、癌の処置のための免疫調整剤である抗体のウレルマブである。
理解される通り、さらなる活性剤が、小さな化学物質である場合、以下の具体的な小さな化学物質への任意の言及は、具体的な小さな化学物質の全ての塩、水和物、溶媒和物、多形およびプロドラッグ形態を包含することが理解されなければならない。同様に、さらなる活性剤が、モノクローナル抗体などの生物学的薬剤である場合、以下の具体的な生物学的薬剤への任意の言及は、全てのバイオシミラーを包含することが理解されなければならない。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の化学療法剤は、アビラテロン酢酸エステル、アルトレタミン、アムサクリン、アンヒドロビンブラスチン、アウリスタチン、アザシチジン、5-アザシチジン、アザチオプリン、アドリアマイシンン、ベキサロテン、ビカルタミド、BMS184476、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、N,N-ジメチル-L-バリル-L-バリル-N-メチル-L-バリル-L-プロリル-L-プロリン-t-ブチルアミド、シスプラチン、カルボプラチン、カルボプラチンシクロホスファミド、クロラムブシル、カケクチン、セマドチン、シクロホスファミド、カルムスチン、クラドリビン、クリプトフィシン、キタラビン、ドセタキセル、ドキセタキセル(doxetaxel)、ドキソルビシン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、ドラスタチン、エトポシド、リン酸エトポシド、エンザルタミド(MDV3100)、5-フルオロウラシル、フルダラビン、フルタミド、ゲムシタビン、ヒドロキシウレアおよびヒドロキシウレアタキサン(hydroxyureataxanes)、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、イキサゾミブ、レナリドミド、レナリドミド-デキサメタゾン、ロイコボリン、ロニダミン、ロムスチン(CCNU)、ラロタキセル(RPR109881)、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシンC、マイトキサントロン、メルファラン、ミボブリン、3’,4’-ジデヒドロ-4’-デオキシ-8’-ノルビン-カロイコブラスチン、ニルタミド、オキサリプラチン、オナプリストン、プレドニムスチン、プロカルバジン、パクリタキセル、白金含有抗癌剤、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、プレドニムスチン、レブリミド、リゾキシン、セルテネフ、ストレプトゾシン、リン酸ストラムスチン、トレチノイン、タソネルミン、タキソール、トポテカン、タモキシフェン、テニポシド、タキサン、テガフル/ウラシル、サリドマイド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、および/またはビンフルニンから選択される。
代わりにまたは追加として、該1種または複数の化学療法剤は、CD59補体フラグメント、フィブロネクチンフラグメント、gro-ベータ(CXCL2)、ヘパリナーゼ、ヘパリン六糖フラグメント、ヒトコリン作動性ゴナドトロピン(hCG)、インターフェロンアルファおよびインターフェロンベータなどのI型インターフェロンリガンド、I型インターフェロンミメティック、インターフェロンガンマなどのII型インターフェロンリガンド、II型インターフェロンミメティック、インターフェロン誘導性タンパク質(IP-10)、クリングル5(プラスミノーゲンフラグメント)、メタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP)、2-メトキシエストラジオール、胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、血小板第四因子(PF4)、プロラクチン16kDフラグメント、プロリフェリン関連タンパク質(PRP)、様々なレチノイド、テトラヒドロコルチゾール-S、トリンボスポンジン-1(TSP-1)、トランスフォーミング成長因子-ベータ(TGF-β)、バスキュロスタチン、バソスタチン(カルレチキュリンフラグメント)、サイトカイン(インターロイキン-1、インターロイキン-2、インターロイキン-5、インターロイキン-10、インターロイキン-12、およびインターロイキン-33)、インターロイキン-1リガンドおよびミメティック(リロナセプト、アナキンラ、およびアナキンラ・デキサメタゾン)、インターロイキン-2リガンドおよびミメティック、インターロイキン-5リガンドおよびミメティック、インターロイキン-10リガンドおよびミメティック、インターロイキン-12リガンドおよびミメティック、ならびに/またはインターロイキン-33リガンドおよびミメティックから選択されてもよい。
幾つかの実施形態において、1種または複数の抗体は、1種または複数のモノクローナル抗体を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数の抗体は、抗TNFαおよび/または抗IL-6抗体、特に抗TNFαおよび/または抗IL-6モノクローナル抗体である。幾つかの実施形態において、該1種または複数の抗体は、アバタセプト、アブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、アトリズマブ、アベルマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベバシズマブ、ブレツキシマブ・ベドチン、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツキシマブ、セルトリズマブ・ペゴル、ダクリズマブ、デノスマブ、デュピルマブ、ドゥルバルマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、ゲムツズマブ、ゴリムマブ、グセルクマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、イクセキズマブ、メポリズマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ(panitumuab)、ペムブロリズマブ、ラニビズマブ、レスリズマブ、リサンキズマブ、リツキシマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シルツキシマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および/またはウステキヌマブから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数のアルキル化剤は、例えば癌細胞をはじめとする細胞中に存在する条件下で、求核官能基をアルキル化することが可能な薬剤を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数のアルキル化剤は、シスプラチン、カルボプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イホスファミドおよび/またはオキサリプラチンから選択される。幾つかの実施形態において、該アルキル化剤は、生物学的に重要な分子中のアミノ、カルボキシル、スルフヒドリル、および/またはリン酸基と共有結合を形成して細胞機能を減じることにより機能してもよい。幾つかの実施形態において、該アルキル化剤は、細胞のDNAを修飾することにより機能してもよい。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の代謝抑制剤は、RNAまたはDNA合成に影響を及ぼす、またはそれを予防することが可能な薬剤を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数の代謝抑制剤は、アザチオプリンおよび/またはメルカプトプリンから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の血管新生阻害剤は、サリドマイド、レナリドミド、エンドスタチン、アンギオゲニン阻害剤、アンギオアレスチン、アンギオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、基底膜コラーゲン由来血管新生阻害因子(ツムスタチン、カンスタチン、またはアレスタチン)、血管新生抑制アンチトロンビンIII、および/または軟骨由来阻害剤(CDI)から選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の植物アルカロイドおよび/またはテルペノイドは、微細管機能を予防してもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数の植物アルカロイドおよび/またはテルペノイドは、ビンカアルカロイド、ポドフィロトキシンおよび/またはタキサンから選択される。幾つかの実施形態において、該1種または複数のビンカアルカロイドは、マダガスカルニチニチソウ、ニチニチソウ(以前は、ニチニチカとして知られた)に由来してもよく、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンおよび/またはビンデシンから選択されてもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数のタキサンは、タキソール、パクリタキセル、ドセタキセル、および/またはオルタタキセルから選択される。幾つかの実施形態において、該1種または複数のポドフィロトキシンは、エトポシドおよび/またはテニポシドから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数のトポイソメラーゼ阻害剤は、I型トポイソメラーゼ阻害剤および/またはII型トポイソメラーゼ阻害剤から選択され、DNAスーパーコイリングを妨害することによりDNAの転写および/または複製を妨害してもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数のI型トポイソメラーゼ阻害剤は、エキサテカン、イリノテカン、ルルトテカン、トポテカン、BNP1350、CKD602、DB67(AR67)および/またはST1481から選択され得るカンプトテシンを含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数のII型トポイソメラーゼ阻害剤は、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシドおよび/またはテニポシドから選択され得るエピポドフィロトキシンを含んでいてもよい。
幾つかの実施形態において、該1種または複数のmTOR(ラパマイシンの哺乳動物ターゲット;ラパマイシン機構的標的としても知られる)阻害剤は、ラパマイシン、エベロリムス、テムシロリムスおよび/またはデフォロリムスから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数のスチルベノイドは、レスベラトロール、ピセアタンノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、アルファ-ビニフェリン、アムペロプシンA、アムペロプシンE、ジプトインドネシンC、ジプトインドネシンF、イプシロン-ビニフェリン、フレクスオソールA、グネチンH、ヘムスレイアノールD、ホペアフェノール、トランス-ジプトインドネシンB、アストリンギン、ピセイドおよび/またはジプトインドネシンAから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数のSTING(インターフェロン遺伝子の刺激物質。膜貫通タンパク質(TMEM)173としても知られる)アゴニストは、以下の修飾特性の1つまたは複数を含み得るc-ジ-AMP、c-ジ-GMP、およびcGAMPなどの環状ジヌクレオチド(CDN)、ならびに/または修飾環状ジヌクレオチドを含んでいてもよい:2’-O/3’-O結合、ホスホロチオアート結合、アデニンおよび/またはグアニン類似体、および/または2’-OH修飾(例えば、メチル基での2’-OH保護、または-Fもしくは-Nによる2’-OHの置き換え)。幾つかの実施形態において、該1種または複数のSTINGアゴニストは、BMS-986301、MK-1454、ADU-S100、diABZI、3’3’-cGAMP、および/または2’3’-cGAMPから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の癌ワクチンは、HPVワクチン、B型肝炎ワクチン、Oncophageおよび/またはProvengeから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の免疫調整剤は、免疫チェックポイント阻害剤を含んでいてもよい。該免疫チェックポイント阻害剤は、例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、T細胞免疫グロブリンおよびムチン3(TIM3またはHAVCR2)、ガレクチン9、ホスファチジルセリン、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3)、MHCクラスI、MHCクラスII、4-1BB、4-1BBL、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD27、CD70、TNFRSF25、TL1A、CD40、CD40L、HVEM、LIGHT、BTLA、CD160、CD80、CD244、CD48、ICOS、ICOSL、B7-H3、B7-H4、VISTA、TMIGD2、HHLA2、TMIGD2、ブチロフィリン(BTNL2を含む)、シグレックファミリーメンバー、TIGIT、PVR、キラー細胞免疫グロブリン様受容体、ILT、白血球免疫グロブリン様受容体、NKG2D、NKG2A、MICA、MICB、CD28、CD86、SIRPA、CD47、VEGF、ニューロピリン、CD30、CD39、CD73、CXCR4、および/またはCXCL12を含む、免疫チェックポイント受容体、または受容体の組み合わせを標的にしてもよい。
幾つかの実施形態において、該免疫チェックポイント阻害剤は、ウレルマブ、PF-05082566、MEDI6469、TRX518、バルリルマブ、CP-870893、ペンブロリズマブ(PD1)、ニボルマブ(PD1)、アテゾリズマブ(以前は、MPDL3280A)(PD-L1)、MEDI4736(PD-L1)、アベルマブ(PD-L1)、PDR001(PD1)、BMS-986016、MGA271、リリルマブ、IPH2201、エマクツズマブ、INCB024360、ガルニセルチブ、ウロクプルマブ、BKT140、バビツキシマブ、CC-90002、ベバシズマブ、および/またはMNRP1685Aから選択される。
幾つかの実施形態において、1種または複数の免疫調整剤は、補体経路モジュレータ(complement pathway modulator)を含んでよい。補体経路モジュレータは、補助活性化経路をモジュレートする。補体経路モジュレータは、C3および/もしくはC3aおよび/もしくはC3aR1受容体の活動を遮断するように作用してよく、またはC5および/もしくはC5aおよび/もしくはC5aR1受容体の活動を遮断するように作用してよい。幾つかの実施形態において、補体経路モジュレータは、C5補体経路モジュレータであり、エクリズマブ、ラブリズマブ(ALXN1210)、ABP959、RA101495、テシドルマブ(LFG316)、Zimura、クロバリマブ(RO7112689)、ポゼリマブ(REGN3918)、GNR-045、SOBI005、および/またはコバーシンから選択されてよい。幾つかの実施形態において、補体経路モジュレータは、C5a補体経路モジュレータであり、セムジシラン(ALN-CC5)、IFX-1、IFX-2、IFX-3、および/またはオレンダリズマブ(ALXN1007)から選択されてよい。幾つかの実施形態において、補体経路モジュレータは、C5aR1補体経路モジュレータであり、ALS-205、M0R-210/TJ210、DF2593A、DF3016A、DF2593A、アバコパン(CCX168)、および/またはIPH5401から選択されてよい。
幾つかの実施形態において、1種または複数の免疫調整剤は、抗RNFα剤を含んでよい。幾つかの実施形態において、抗TNFα剤は、抗体またはその抗原結合フラグメント、融合タンパク質、可溶性TNFα受容体(例えば、可溶性TNFR1または可溶性TNFR2)、阻害性核酸、または低分子TNFαアンタゴニストであってよい。幾つかの実施形態において、阻害性核酸は、リボザイム、低分子ヘアピンRNA、低分子干渉RNA、アンチセンス核酸、またはアプタマーであってよい。幾つかの実施形態において、抗TNFα剤は、アダリムマブ、セルトリズマブ・ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブ、インフリキシマブ、CDP571、およびそれらのバイオシミラー(アダリムマブ-adbm、アダリムマブ-adaz、アダリムマブ-atto、エタネルセプト-szzs、インフリキシマブ-abdaおよびインフリキシマブ-dyybなど)から選択される。
幾つかの実施形態において、1種または複数の免疫調整剤は、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、レボフロキサシンおよび/またはロキシスロマイシンを含んでよい。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の抗生物質は、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ゲルダナマイシン、ヘルビマイシン、リファキシミン、ロラカルベフ、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロティン(cefalotin)、セファロチン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフタロリン・フォサミル、セフトビプロール、テイコプラニン、バンコマイシン、テラバンシン、ダルババンシン、オリタバンシン、クリンダマイシン、リノコマイシン、ダプトマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スピラマイシン、アズトレオナム、フラゾリドン、ニトロフラントイン、リネゾリド、ポシゾリド、ラデゾリド、トレゾリド、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、チカルシリン、カルブラナート、アンピシリン、スバクタム(subbactam)、タゾバクタム、チカルシリン、クラブラナート、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジキシン酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、マフェニド、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファメトキサゾール、スルファナミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、スルホンアミドクリソイジン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン(oytetracycline)、テトラサイクリン、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン(dapreomycin)、シクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、ストレプトマイシン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、フシジン酸、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリスチン、ダルホプリスチン(dalopristin)、チアンフェニコール、チゲシサイクリン、チニダゾール、トリメトプリム、および/またはテイキソバクチンから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の抗生物質は、1種または複数の細胞傷害性抗生物質を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、該1種または複数の細胞傷害性抗生物質は、アクチノマイシン、アントラセンジオン、アントラサイクリン、サリドマイド、ジクロロ酢酸、ニコチン酸、2-デオキシグルコース、および/またはクロファジミンから選択される。幾つかの実施形態において、該1種または複数のアクチノマイシンは、アクチノマイシンD、バシトラシン、コリスチン(ポリミキシンE)および/またはポリミキシンBから選択される。幾つかの実施形態において、該1種または複数のアントラセンジオンは、ミトキサントロンおよび/またはピクサントロンから選択される。幾つかの実施形態において、該1種または複数のアントラサイクリンは、ブレオマイシン、ドキソルビシ(Adriamycin)、ダウノルビシン(Daunomycin)、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、プリカマイシンおよび/またはバルルビシンから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の抗真菌剤は、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール(epoziconazole)、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール(ravusconazole)、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンギン、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、安息香酸、シクロピロックス、フルシトシン、5-フルオロシトシン、グリセオフルビン、ハロプロギン、トルナフタート(tolnaflate)、ウンデシレン酸、および/またはペルーバルサムから選択される。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の抗蠕虫剤は、ベンゾイミダゾール(アルベンダゾール、メベンダゾール、チアベンダゾール、フェンベンダゾール、トリクラベンダゾール、およびフルベンダゾールを含む)、アバメクチン、ジエチルカルバマジン、イベルメクチン、スラミン、パモ酸ピランテル、レバミゾール、サリチルアニリド(ニクロサミドおよびオキシクロザニドを含む)、および/またはニタゾキサニドから選択される。
幾つかの実施形態において、他の活性剤は、成長阻害剤、抗炎症剤(非ステロイド系抗炎症剤、低分子抗炎症剤(コルヒチンなど)、および例えばTNF、IL-5、IL-6、IL-17またはIL-33を標的とする、抗炎症性生物学的製剤を含む)、JAK阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、CAR T治療薬、抗乾癬剤(アントラリンおよびその誘導体を含む)、ビタミンおよびビタミン誘導体(レチノイドおよびVDR受容体リガンドを含む)、ステロイド、コルチコステロイド、グルココルチコイド(デキサメタゾン、プレドニゾンおよびトリアムシノロン・アセトニドなど)、イオンチャネルブロッカー(カリウムチャネルブロッカーを含む)、免疫系調節剤(シクロスポリン、FK506、およびグルココルチコイドを含む)、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト(ロイプロリジン(leuprolidine)、ゴセレリン、トリプトレリン、ヒストレリン、ビカルタミド、フルタミド、および/またはニルタミドなど)、ホルモン(エストロゲンを含む)、および/または尿酸降下薬(アロプリノールなど)から選択される。
他に断りがなければ、本発明の第五~第十三の態様のいずれかにおいて、該対象は、任意のヒトまたは他の動物であってもよい。典型的には該対象は、哺乳動物、より典型的にはヒトまたは家畜の哺乳動物、例えばウシ、ブタ、子羊、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウスなどである。最も典型的には、該対象は、ヒトである。
本発明で用いられる医薬のいずれも、経口、非経口(静脈内、皮下、筋肉内、皮内、気管内、腹腔内、関節内、頭蓋内、および硬膜外を含む)、気道(エアロゾル)、直腸、膣、眼または局所投与(経皮、口腔、粘膜、舌下および局所眼投与を含む)により投与され得る。
典型的には、選択された投与様式は、処置または予防される障害、疾患または病気に最も適するものである。1種または複数のさらなる活性剤が投与される場合、投与様式は、本発明の化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物の投与様式と同一であっても、または異なっていてもよい。
経口投与の場合、本発明の化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグは、一般に、錠剤、カプセル、ハードまたはソフトゼラチンカプセル、カプレット、トローチまたはロゼンジの形態で、粉末もしくは顆粒として、または水溶液、懸濁液もしくは分散液として提供されるであろう。
経口使用のための錠剤は、不活性希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤などの医薬的に許容できる賦形剤と混合された有効成分を含んでいてもよい。適切な不活性希釈剤としては、炭酸ナトリウムおよびカルシウム、リン酸ナトリウムおよびカルシウム、ならびにラクトースが挙げられる。コーンスターチおよびアルギン酸は、適切な崩壊剤である。結合剤としては、デンプンおよびゼラチンを挙げることができる。もし存在するならば滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってもよい。所望なら、該錠剤をモノステアリン酸グリセリルまたなジステアリン酸グリセリルなどの材料でコーティングして、消化管における吸収を遅延させてもよい。錠剤はまた、発泡性であっても、そして/または溶解錠であってもよい。
経口使用のためのカプセルとしては、有効成分が固体希釈剤と混合されたハードゼラチンカプセル、および有効成分が水または油、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されたソフトゼラチンカプセルが挙げられる。
経口使用のための粉末または顆粒は、サシェまたはタブ中で提供されてもよい。水性溶液、懸濁液または分散液は、粉末、顆粒または錠剤への水の添加により調製されてもよい。
経口投与に適した任意の形態が、糖などの甘味剤、香味剤、着色剤および/または防腐剤を場合により含んでいてもよい。
直腸内投与の配合剤は、例えばカカオ脂またはサリチル酸塩を含む適切な基剤を含む坐剤として供与されてよい。
膣内投与に適した配合剤は、有効成分に加えて、当該技術分野で適することが知られた担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたは噴霧配合物として供与されてもよい。
非経口使用の場合、本発明の化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグは、一般に、適当なpHおよび等張性に緩衝された滅菌水性溶液または懸濁液中で提供されるであろう。適切な水性ビヒクルとしては、リンゲル溶液および等張の塩化ナトリウムまたはグルコースが挙げられる。本発明による水性懸濁液は、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンおよびトラガカントガムなどの懸濁剤、ならびにレシチンなどの湿潤剤を含んでいてもよい。水性懸濁液のための適切な防腐剤としては、p-ヒドロキシ安息香酸エチルおよびn-プロピルが挙げられる。本発明の化合物はまた、リポソーム配合物として供与されてもよい。
眼投与の場合、本発明の化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグは、一般に、局所投与に適した形態、例えば点眼薬として提供されるであろう。適切な形態としては、眼科用液剤、ゲル形成溶液、再構成用の滅菌粉末、眼科用懸濁液、眼科用軟膏、眼科用エマルジョン、眼科用ゲルおよび眼球挿入物を挙げることができる。あるいは本発明の化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグは、他のタイプの眼投与に適した形態、例えば眼内調製物(灌流溶液として、眼内、硝子体内もしくは強膜近傍注射配合物として、または硝子体内埋入物として、など)として、パックもしくは角膜シールドとして、前房内、結膜下もしくは球後注射配合物として、またはイオン導入配合物として提供されてもよい。
経皮および他の局所投与の場合、本発明の化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグは、一般に、軟膏、ハップ剤(湿布)、ペースト、粉末、包帯、クリーム、プラスターまたはパッチの形態で提供されるであろう。
適切な懸濁液および溶液は、気道(エアロゾル)投与のための吸入器中で用いることができる。
本発明の化合物、塩、溶媒和物またはプロドラッグの用量は、もちろん、処置または予防される疾患、障害または病気に応じて変動するであろう。一般に適切な用量は、0.01~500mg/レシピエント体重kg/日の範囲内であろう。所望の用量は、1日おき、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回など、適当な間隔をあけて供与されてもよい。所望の用量が、例えば投与剤形あたり1mg~50gの有効成分を含有する、単位投与剤形中で投与されてもよい。
疑念を避けるために、実行可能な限りにおいて、本発明の所与の態様の任意の実施形態が、本発明の同じ態様の任意の他の実施形態と組み合わせて行われてもよい。加えて、実行可能な限りにおいて、本発明の任意の態様の任意の好ましい、典型的な、または任意選択による実施形態はまた、本発明の任意の他の態様の好ましい、典型的な、または任意選択による実施形態と見なされるべきである。
実施例 - 化合物の合成
他に断りがなければ、全ての溶媒、試薬および化合物が、購入され、さらに精製されずに使用された。
略語
AcOH 酢酸
app 見かけの
aq 水性
Pin ビス(ピナコラト)ジボラン
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
br 幅広線
Cbz カルボキシベンジル
CDI 1,1-カルボニル-ジイミダゾール
conc 濃縮された
m-CPBA 3-クロロ過安息香酸(3-chlorobenzoperoxoic acid)
d 二重線
DCM ジクロロメタン
dd 二重の二重線
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N-ジメチルアセトアミド
DMAP N,N-ジメチルピリジン-4-アミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dt/td 二重の三重線/三重の二重線
(ES+)/(ES-) エレクトロスプレーイオン化、ポジティブ/ネガティブモード
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間(複数可)
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
HMBC-NMR 異核種間遠隔相関NMR
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
m 多重線
(M+H)+ プロトン化分子イオン
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MHz メガヘルツ
min 分(複数可)
Ms メタンスルホニル
MS 質量分析
MTBE/TBME メチルtert-ブチルエーテル
m/z 質量/電荷比
NBS 1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン
NCS 1-クロロピロリジン-2,5-ジオン
NMP N-メチルピロリジン
NMR 核磁気共鳴(分光法)
Oxone ペルオキシ一硫酸カリウム
p ペンタプレット(pentuplet)
Pd-175 [tBuBrettPhosPd(アリル)]OTf: Johnson Matthey製の(アリル(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)パラジウム(II)トリフラート)
Pd(dba) ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PE 石油エーテル
Ph フェニル
PMB 4-メトキシベンジル
prep-HPLC 分取高速液体クロマトグラフィー
prep-TLC 分取薄層クロマトグラフィー
q 四重線
RP 逆相
RT 室温
s 一重線
sat 飽和
SCX 固体担体陽イオン交換(樹脂)
SEM 2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(2-(trimethylsilyl)ethyoxy methyl)
sept 七重線
t 三重線
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS トリメチルシリル
XantPhos (9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
Xphos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
実験方法
核磁気共鳴
NMRスペクトルは、300、400または500MHzで記録した。スペクトルは、他に断りがなければ、298Kで測定し、溶媒共鳴に対して参照させた。化学シフトは、パート・パー・ミリオンで報告する。スペクトルは、以下の機器のうちの1種を用いて記録した:
- BBO5mm液体プローブを取り付けた400MHzでのBruker Avance III分光計、
- TopSpinプログラムの制御下でICON-NMRを用いるBruker 400MHz分光計、
- Bruker5mm SmartProbe(商標)を具備した500MHzでのBruker Avance III HD分光計、
- Oxford装置からの7.05テスラの磁場、間接的検出プローブおよびPFGモジュールを含む直接的ドライブコンソールを取り付けたAgilent VNMRS 300装置、または
- Oxford装置からの7.05テスラの磁場、4核種の自動切換えプローブおよび水銀プラスコンソールを取り付けたAgilent MercuryPlus 300装置。
LC-MS
LC-MS法:SHIMADZU LCMS-2020、Agilent 1200 LC/G1956A MSDおよびAgilent 1200/G6110A、Agilent 1200 LCおよびAgilent 6110 MSDを使用。移動相:A:水中の0.025%NH・HO(v/v);B:アセトニトリル。カラム:Kinetex EVO C18 2.1X30mm、5μm。
分取逆相HPLCの一般的方法
酸性prep-HPLC(水中のx-y%MeCN):Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm);0.1%v/vギ酸を含有するHO-MeCN勾配で6.5分間にわたり流速28mL/分で溶出し、254nmのUV検出を利用。勾配の情報:0.0~0.2分でx%MeCN;0.2~5.5分でx%MeCNからy%MeCNへ傾斜をかけ;5.5~5.6分でy%MeCNから95%MeCNへ傾斜をかけ;5.6~6.5分で95%MeCNを保持した。
酸性prep-HPLC(水中のx-y%MeOH):Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm);10mMギ酸-MeOH勾配で7.5分間にわたり流速28mL/分で溶出し、254nmのUV検出を利用。勾配の情報:0.0~1.5分でx%MeOH;1.5~6.8分でx%MeOHからy%MeOHへ傾斜をかけ;6.8~6.9分でy%MeOHから95%MeOHへ傾斜をかけ;6.9~7.5分で95%MeCNを保持した。
塩基性prep-HPLC(水中のx-y%MeCN):Waters X-Bridge PrepカラムC18、5μm(19×50mm);10mM NHHCO-MeCN勾配で6.5分間にわたり流速28mL/分で溶出し、254nmのUV検出を利用。勾配の情報:0.0~0.2分でx%MeCN;0.2~5.5分でx%MeCNからy%MeCNへ傾斜をかけ;5.5~5.6分でy%MeCNから95%MeCNへ傾斜をかけ;5.6~6.5分で95%MeCNを保持した。
中間体の合成
中間体A1:エチル5-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート
Figure 2022547882000035

SEMCl(1.815mL、10.25mmol)を、0℃でMeCN(20mL)中のKCO(2.64g、19.09mmol)およびエチル5-ブロモ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート(2g、9.09mmol)に添加した。混合物をRTに昇温させ、24hで撹拌し、その後、水(50mL)およびEtOAc(50mL)で希釈した。層を分離させ、水層を、EtOAcで抽出し(30mLで2回)、ひとまとめにした有機物を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。粗製物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(120gカラム、0-20% EtOAc/イソヘキサン)により精製して、表題化合物(1.09g、33%収率)を濃厚な無色油状物として与えた。
LCMS m/z 319.9/321.9 (M-Et+H) (ES)。
H NMR(DMSO-d)δ5.76(s, 2H),4.39(q, J=7.1 Hz,2H),3.72-3.54(m, 2H),1.33(t, J=7.1 Hz, 3H),0.86-0.81(m, 2H),-0.06(s, 9H)。
以下の中間体を、中間体A1に関する一般的手順に従って合成した:
Figure 2022547882000036
中間体B1:エチル5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート
Figure 2022547882000037

1,4-ジオキサン(28mL)中のエチル5-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート(中間体A1)(487.5mg、1.392mmol)、KCO(308mg、2.227mmol)、Pd-175(109mg、0.139mmol)および1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-アミン(241mg、1.392mmol)の混合物を、N下で一晩、60℃に加熱した。反応物を、EtOAc(50mL)で希釈し、水(50mL)およびNHCl(50mL)で洗浄した。有機相を、分離し、乾燥させ(相分離器)、真空濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(12gカラム、0-50% EtOAc/イソヘキサン)により精製して、表題化合物(267.8mg、39%収率)を黄色油状物として与えた。
LCMS m/z 443.3 (M+H) (ES)。
H NMR(DMSO-d)δ8.29(s, 1H),6.87(s, 1H),5.59(s, 2H),4.34(q, J=7.1 Hz, 2H),3.63-3.58(m, 2H),2.80(t, J=7.4 Hz, 4H),2.66(t, J=7.4 Hz, 4H),1.94(p, J = 7.5 Hz, 4H),1.31(t, J=7.1 Hz, 3H),0.86-0.80(m, 2H),-0.05(s, 9H)。
以下の中間体を、中間体B1に関する一般的手順に従って合成した。
Figure 2022547882000038
中間体C1:ナトリウム5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート
Figure 2022547882000039

2M水性NaOH(0.700mL、1.400mmol)を、THF(8mL)中のメチル5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート(中間体B2)(0.6g、1.40mmol)に添加し、反応物を、RTで1h撹拌した。NaOHのさらなる部分(0.700mL、1.40mmol)を添加し、反応物を、RTで1h撹拌し、真空濃縮して、粗製の表題化合物を与え、これを、さらに精製せずに使用した。
実施例の調製
実施例1:エチル5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート
Figure 2022547882000040

エチル5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)-メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート(中間体B1)(100mg、0.226mmol)を、TFA(2mL)に溶解し、RTで1h撹拌した。反応物を、真空濃縮した。粗生成物を、酸性prepHPLC(水中の50-80%MeOH)により精製して、表題化合物(14mg、19%収率)を綿状白色固体として与えた。
LCMS m/z 313.2(M+H)+ (ES+);311.0(M-H)- (ES-)
H NMR (DMSO-d):δ13.11(s, 1H),8.68(s, 1H),6.93(s, 1H),4.26(q, J=7.1 Hz, 2H),2.82(t, J=7.4 Hz, 4H),2.62(t, J=7.3 Hz, 4H),1.97(p, J=7.4 Hz, 4H),1.28(t, J=7.1 Hz, 3H)。
実施例2:ピリジン-3-イルメチル5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート
Figure 2022547882000041

粗製のナトリウム5-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)アミノ)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシラート(中間体C1)(0.28mmol)を、DMF(3mL)に溶解し、HATU(0.319g、0.840mmol)を添加し、続いてピリジン-3-イルメタノール(82μL、0.84mmol)を添加した。反応物を、RTで18h撹拌し、EtOAc(20mL)および水(5mL)で希釈した。有機相を、ブラインで洗浄し(5mLで2回)、有機物を、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。TFA(0.1mL)を、残渣に添加し、反応物を、1h撹拌し真空濃縮し、酸性prepHPLC(水中の35-65%MeOH)により精製して、表題化合物(6mg、5%収率)を白色固体として与えた。
LCMS m/z 376.2(M+H) (ES)。
H NMR(DMSO-d)δ8.88(s, 1H),8.66(d, J=2.2 Hz, 1H),8.56(dd、 J=4.8, 1.7 Hz, 1H),7.89-7.82(m, 1H),7.43(dd, J=7.8, 4.8 Hz, 1H),6.91(s, 1H),5.33(s, 2H),2.81(t, J=7.4 Hz, 4H),2.62(t, J=7.4 Hz, 4H),1.95(p, J=7.4 Hz, 4H)。1つの交換可能なプロトンは、観察されなかった。
以下の実施例を、先に概説されたものと類似の方法により合成した。
Figure 2022547882000042
Figure 2022547882000043
実施例 - 生物学的試験
NLRP3およびパイロトーシス
NLRP3の活性化が細胞のパイロトーシスを導き、この特色が臨床疾患の症状発現における重要な部分を担うことは、確定されている(Yan-gang Liu et al., Cell Death & Disease, 2017, 8(2), e2579; Alexander Wree et al., Hepatology, 2014, 59(3), 898-910; Alex Baldwin et al., Journal of Medicinal Chemistry, 2016, 59(5), 1691-1710; Ema Ozaki et al., Journal of Inflammation Research, 2015, 8, 15-27; Zhen Xie & Gang Zhao, Neuroimmunology Neuroinflammation, 2014, 1(2), 60-65; Mattia Cocco et al., Journal of Medicinal Chemistry, 2014, 57(24), 10366-10382; T. Satoh et al., Cell Death & Disease, 2013, 4, e644)。それゆえ、NLRP3の阻害剤がパイロトーシスに加え、細胞からの炎症促進性サイトカイン(例えば、IL-1β)放出を遮断することが、予期される。
THP-1細胞:培養および調製
10%ウシ胎児血清(FBS)(Sigma #F0804)中の1mMピルビン酸ナトリウム(Sigma #S8636)およびペニシリン(100単位/ml)/ストレプトマイシン(0.1mg/ml)(Sigma #P4333)を補充されたL-グルタミン含有RPMI(Gibco#11835)で、THP-1細胞(ATCC#TIB-202)を生育させた。細胞を日常的に継代して、コンフルエント(約10細胞/ml)まで生育させた。実験当日、THP-1細胞を回収して、RPMI培地(FBS不含)に再懸濁させた。その後、細胞をカウントして、生存性(>90%)をトリパンブルー(Sigma #T8154)でチェックした。適当な希釈により、625,000細胞/mlの濃度を与えた。この希釈細胞溶液にLPS(Sigma #L4524)を添加して、 1μg/mlの最終アッセイ濃度(FAC)を与えた。最終調製物40μlを、96ウェルプレートの各ウェルに分取した。こうして調製されたプレートを、化合物スクリーニングに用いた。
THP-1細胞パイロトーシスアッセイ
化合物スクリーニングのために、以下の段階的アッセイ法に従った。
1.poly-D-リシンをコーティングされた96ウェルの黒色壁・透明底の細胞培養プレート(VWR #734-0317)において、RPMI培地(FBS不含)40μl中に1.0μg/ml LPSを含有するTHP-1細胞を播種する(25,000細胞/ウェル)
2.5μlの化合物(10μMを最高用量とする8点ハーフログ希釈)またはビヒクル(DMSO 0.1%FAC)を適当なウェルに添加する
3.37℃、5%COで3時間インキュベートする
4.5μlのナイジェリシン(Sigma #N7143)(FAC 5μM)を全てのウェルに添加する
5.37℃、5%COで1時間インキュベートする
6.インキュベーション期間の終了時に、プレートを300×gで3分間スピンして、上清を除去する
7.その後、50μlのレサズリン(Sigma #R7017)(FBS不含のRPMI培地中のFAC 100μMレサズリン)を添加して、プレートを37℃および5%COでさらに1~2時間インキュベートする
8.Ex560nmおよびEm590nmのEnvisionリーダーでプレートを読み取った
9.IC50データを非線形回帰式にあてはめる(log阻害剤 vs 応答-変数スロープ4パラメータ)
Figure 2022547882000044
パイロトーシスアッセイの結果を、THP IC50として以下の表1に要約する。
ヒト全血IL1β放出アッセイ
全身送達では、化合物が血流に存在する際のNLRP3を阻害する能力が、非常に重要である。この理由から、ヒト全血中の複数の化合物のNLRP3阻害活性を、以下のプロトコルに従って検討した。
Li-ヘパリンチューブ中のヒト全血を、志願者ドナー班の健常ドナーから得た。
1.1μg/mlのLPSを含有する全血80μlを96ウェルの透明底細胞培養プレート(Corning #3585)内に播種する
2.10μlの化合物(10μMを最高用量とする8点ハーフログ希釈)またはビヒクル(DMSO 0.1%FAC)を適当なウェルに添加する
3.37℃、5%COで3時間インキュベートする
4.10μlのナイジェリシン(Sigma #N7143)(10μM FAC)を全てのウェルに添加する
5.37℃および5%COで1時間インキュベートする
6.インキュベーション期間の終了時に、プレートを300×gで5分間スピンして細胞をペレット化し、上清20μlを取り出し、IL-1β分析用の96ウェルv底プレートに添加する(注:上清を含有するこれらのプレートは、-80℃で貯蔵して後日、分析することが可能である)
7.IL-1βを、製造業者のプロトコル(Perkin Elmer-AlphaLisa IL-1 Kit AL220F-5000)に従って測定した
8.IC50データを非線形回帰式にあてはめる(log阻害剤 vs 応答-変数スロープ4パラメータ)
ヒト全血アッセイの結果を、HWB IC50として以下の表1に要約する。
Figure 2022547882000045
表1に表された結果から明白な通り、本発明の化合物は、驚くべきことに先行技術の化合物に対する構造的差異にも関わらず、パイロトーシスアッセイおよびヒト全血アッセイにおいて高レベルのNLRP3阻害活性を示す。
本発明が例示として先に記載されているに過ぎないことは、理解されよう。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。以下の特許請求の範囲のみに定義される本発明の範囲および主旨を逸脱することなく、様々な改変および実施形態を施すことが可能である。

Claims (24)

  1. 式(I):
    Figure 2022547882000046

    (式中、
    およびQはそれぞれ独立して、NまたはCRから選択され、但しQおよびQの少なくとも一方がNであることを条件とし;
    は、O、SまたはNRqqであり;
    各Rは独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NO、-NH、-N、-SH、-SOH、-SONH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、前記ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってよく、または1個もしくは複数の環状基であるか環状基を含んでよく、前記ヒドロカルビル基は、場合により置換されてよく、かつ前記ヒドロカルビル基は、その炭素骨格中に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでよく;
    各Rqqは独立して、水素または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、前記ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってよく、または1個もしくは複数の環状基であるか環状基を含んでよく、前記ヒドロカルビル基は、場合により置換されてよく、かつ前記ヒドロカルビル基は、その炭素骨格中に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでよく;
    Gは、-O-、-C(R-、または-NRgg-であり;
    各Rは独立して、水素、あるいはハロ、-OH、-NO、-NH、-N、-SH、-SOH、-SONH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、前記ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってよく、または1個もしくは複数の環状基であるか環状基を含んでよく、前記ヒドロカルビル基は、場合により置換されてよく、かつ前記ヒドロカルビル基は、その炭素骨格中に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでよく、あるいは任意の2個のRが、それらが付着される炭素原子と一緒に、環状基を形成してよく、前記環状基は、場合により置換されてよく;
    各Rggは独立して、水素、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基から選択され、前記ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってよく、または1個もしくは複数の環状基であるか環状基を含んでよく、前記ヒドロカルビル基は、場合により置換されてよく、かつ前記ヒドロカルビル基は、その炭素骨格中に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでよく;
    は、水素、-OH、-NH、または飽和もしくは不飽和ヒドロカルビル基であり、前記ヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってよく、または1個もしくは複数の環状基であるか環状基を含んでよく、前記ヒドロカルビル基は、場合により置換されてよく、かつ前記ヒドロカルビル基は、その炭素骨格中に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでよく;
    は、α位で置換された環状基であり、Rは、場合によりさらに置換されてよい)
    の化合物。
  2. およびQが、両者ともNである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、NRqqである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. qqが独立して、水素、またはC~CアルキルもしくはC~Cシクロアルキル基から選択され、前記C~CアルキルまたはC~Cシクロアルキル基が、1個または複数のフルオロおよび/またはクロロ基で場合により置換されてよい、請求項3に記載の化合物。
  5. が、NHである、請求項3に記載の化合物。
  6. Gが、-NH-である、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. が、飽和または不飽和C~C20ヒドロカルビル基であり、前記ヒドロカルビル基が、直鎖もしくは分枝鎖であってよく、または1個もしくは複数の環状基であるか環状基を含んでよく、前記ヒドロカルビル基が、場合により置換されてよく、かつ前記ヒドロカルビル基が、その炭素骨格中に1個または複数のヘテロ原子N、OまたはSを場合により含んでよい、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. が、R10-O-、(R10)NH-または(R10N-から選択され、各R10が独立して、C~C12アルキル、C~C12アルケニル、C~C12アルキニルまたはR11-L-基から選択され、R11が、3~12員環状基であり、かつLが、結合またはC~Cアルキレン、C~CアルケニレンもしくはC~C12アルキニレン基であるか、あるいは2個のR10が、それらが付着される窒素原子と一緒に、3~12員複素環基を形成してよく、任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基が、それらの炭素骨格中に酸素および窒素から独立して選択される1個または複数のヘテロ原子を場合により含んでよく、かつ任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、環状または複素環基が、場合により置換されてよい、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. が、R10-O-であり、R10が、C~Cアルキル、C~CアルケニルまたはR11-L-基から選択され、R11が、3~7員単環基または7~10員縮合二環基であり、かつLが、結合またはC~CアルキレンもしくはC~Cアルケニレン基であり、任意のアルキル、アルケニル、アルキレンまたはアルケニレン基が、それらの炭素骨格中に酸素および窒素から独立して選択される1または2個のヘテロ原子を場合により含んでよく、任意のアルキル、アルケニル、アルキレンまたはアルケニレン基が、ハロ、-CN、-OH、-NHおよびオキソ(=O)から独立して選択される1個または複数の置換基で場合により置換されてよく、任意の単環または縮合二環基が、ハロ、-CN、-OH、-NH、オキソ(=O)、-Me、-Et、-OMe、-OEt、-NHMe、-MHEt、-N(Me)、-N(Me)Etまたは-N(Et)から独立して選択される1個または複数の置換基で場合により置換されてよく、かつ任意のメチル(Me)またはエチル(Et)基が、1個または複数のハロ基で場合により置換されてよい、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. が、R10-O-であり、R10が、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cシクロアルキル、またはC~Cハロシクロアルキル基から選択されるか;または
    が、R11-CH-O-であり、R11が、フェニル、ハロフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール基から選択され、前記5または6員ヘテロアリール基が、場合によりハロ置換されてよい、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. が、フェニル、または5もしくは6員ヘテロアリール基であり、前記フェニルまたは前記ヘテロアリール基が、α位で置換され、かつRが、場合によりさらに置換されてよい、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 前記フェニルまたはヘテロアリール基が、αおよびα’位で置換され、かつRが、場合によりさらに置換されてよい、請求項11に記載の化合物。
  13. αおよび/またはα’位での少なくとも1つの置換基が、炭素原子を含む、請求項11または12に記載の化合物。
  14. αおよびα’位での両方の置換基が、炭素原子を含む、請求項12に記載の化合物。
  15. -Rが、
    Figure 2022547882000047
    Figure 2022547882000048
    (ここで
    およびAはそれぞれ独立して、直鎖アルキレン基または直鎖アルケニレン基から選択され、前記アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーン中の1個または複数の炭素原子は、窒素および酸素から独立して選択される1または2個のヘテロ原子で場合により置き換えられてよく、AまたはAを含有する任意の環は、5または6員環であり、かつ前記アルキレンまたはアルケニレン基は、ハロ、-OH、-CN、-NO、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、-O(C~Cアルキル)または-O(C~Cハロアルキル)から独立して選択される1個または複数の置換基で場合により置換されてよく、
    各Rは独立して、水素、ハロ、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択され、但し少なくとも1個のRが、-Raa、-ORaaまたは-CORaaであることを条件とし;
    各Rは独立して、水素、ハロ、-NO、-CN、-Raa、-ORaaまたは-CORaaから選択され;
    但し環窒素原子に直接付着された任意のRまたはRが、ハロ、-NO、-CNまたは-ORaaでないことを条件とし;
    各Raaは独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは3~7員環状基から選択され、各C~Cアルキル、C~Cアルケニル、またはC~Cアルキニル基は、ハロ、-OH、-CN、-NO、-O(C~Cアルキル)または-O(C~Cハロアルキル)から独立して選択される1個または複数の置換基で場合により置換され、かつ各3~7員環状基は、ハロ、-OH、-NH、-CN、-NO、-B、-CH、-OB、-OCH、-NHB、-N(B、-CONH、-CONHB、-CON(B、-NHCOB、-NBCOB、または-B11-から独立して選択される1個または複数の置換基で場合により置換され;
    各Bは独立して、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10シクロアルケニル、C~C10アリール、または1もしくは2個の環ヘテロ原子Nおよび/もしくはOを含有する4~10員複素環基から選択され、あるいは2個のBが、それらが付着される窒素原子と一緒に、1または2個の環ヘテロ原子Nおよび/またはOを含有する4~10員複素環基を形成してよく、任意のBは場合により、ハロ置換されてよくかつ/または-OH、-NH、-B12、-OB12、-NHB12もしくは-N(B12から独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換されてよく;
    各B11は独立して、C~CアルキレンまたはC~Cアルケニレン基から選択され、前記アルキレンまたはアルケニレン基のバックボーン中の1または2個の炭素原子は、1または2個のヘテロ原子Nおよび/またはOで場合により置き換えられてよく、かつ前記アルキレンまたはアルケニレン基は場合により、ハロ置換されてよくかつ/または-OH、-NH、-B12、-OB12、-NHB12もしくは-N(B12から独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換されてよく;
    各B12は独立して、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキル基から選択され;
    各Rは、水素、ハロ、-OH、-NO、-CN、-Rcc、-Rcx、-ORcc、-CORcc、-COORcc、-CONH、-CONHRcc、-CON(Rcc、-C(=NH)Rcc、-C(=NH)NH、-C(=NH)NHRcc、-C(=NH)N(Rcc、-C(=NRcc)Rcc、-C(=NRcc)NHRcc、-C(=NRcc)N(Rcc、-C(=NOH)Rccまたは-C(=NORcc)Rccから選択され;
    各Rccは独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cハロシクロアルキルから選択され、または同じ窒素原子に付着された任意の2個のRccが、それらが付着される窒素原子と一緒に、3~6員飽和複素環基を形成してよく、前記3~6員飽和複素環基は場合により、ハロ置換され;かつ
    各Rcxは、3~7員環状基から選択され、前記3~7員環状基は場合により、ハロ置換される)
    から選択される式を有する、請求項11~14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. が、水素またはハロゲン以外の原子を10~35個含有する、請求項11~15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. Figure 2022547882000049
    からなる群から選択される化合物。
  18. 請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物の医薬的に許容できる塩、溶媒和物またはプロドラッグ。
  19. 請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または請求項18に記載の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグと、医薬的に許容できる賦形剤とを含む、医薬組成物。
  20. 薬品中での使用のための、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または請求項18に記載の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 疾患、障害または病気の処置または予防における使用のための、請求項20に記載の化合物、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物であって、疾患、障害または病気が、NLRP3阻害に応答性である、化合物、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物。
  22. 疾患、障害または病気の処置または予防における使用のための、請求項20または21に記載の化合物、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物であって、疾患、障害または病気が、
    (i)炎症;
    (ii)自己免疫性疾患;
    (iii)癌;
    (iv)感染;
    (v)中枢神経系疾患;
    (vi)代謝疾患;
    (vii)心血管疾患;
    (viii)呼吸器疾患;
    (ix)肝臓疾患;
    (x)腎臓疾患;
    (xi)眼科疾患;
    (xii)皮膚疾患;
    (xiii)リンパ病;
    (xiv)精神障害;
    (xv)移植片対宿主病;
    (xvi)疼痛;
    (xvii)糖尿病に関連する病気;
    (xviii)関節炎に関連する病気;
    (xix)頭痛;
    (xx)創傷または熱傷;および
    (xxi)個体がNLRP3での生殖系または体細胞系非サイレント突然変異を有すると決定されている任意の疾患、
    から選択される、化合物、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物。
  23. 疾患、障害または病気の処置または予防における使用のための、請求項20または21に記載の化合物、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物であって、疾患、障害または病気が、
    (i)クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS);
    (ii)マックル・ウェルズ症候群(MWS);
    (iii)家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS);
    (iv)新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID);
    (v)家族性地中海熱(FMF);
    (vi)化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・ざ瘡症候群(PAPA);
    (vii)高免疫グロブリンDおよび周期性発熱症候群(HIDS);
    (viii)腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS);
    (ix)全身若年性特発性関節炎;
    (x)成人発症スチル病(AOSD);
    (xi)再発性多発性軟骨炎;
    (xii)シュニッツラー症候群;
    (xiii)スウィート症候群;
    (xiv)ベーチェット病;
    (xv)抗合成酵素症候群;
    (xvi)インターロイキン1受容体アンタゴニスト欠損症(DIRA);ならびに
    (xvii)A20ハプロ不全症(HA20)
    から選択される、化合物、医薬的に許容できる塩、溶媒和物、プロドラッグまたは医薬組成物。
  24. NLRP3を阻害するための、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または請求項18に記載の医薬的に許容できる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、または請求項19に記載の医薬組成物の使用を含む、NLRP3を阻害する方法。
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