本開示の原理について、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的のみで記載され、本開示の範囲に関するいかなる限定を示唆することなく、当業者が本開示を理解して実施することに寄与することを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施されることができる。
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者にとって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末デバイスが通信できるセル又はカバレッジを提供し、又はホストすることができるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、V2X通信用のインフラデバイス、送信/受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低パワーノードなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ機器(UE:User Equipment)、車載端末デバイス、歩行者のデバイス、路側機、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽記憶及び再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングを可能にするインターネット機器などが挙げられるが、これらに限定されない。説明の目的のために、以下、端末デバイスの例としてUEを参照していくつかの実施形態を説明し、「端末デバイス」及び「ユーザ機器」(UE)という用語は、本開示の文脈で互換的に使用されることができる。
本明細書で使用されるとき、単数形である「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「...含むが、これに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読み取られる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」として読み取られる。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読み取られる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」として読み取られる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指すことができる。以下には、明示的及び暗黙的なその他の定義が含まれることがある。
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして言及される。そのような記述は、多くの使用される機能的選択肢から選択可能であることを示すと意図しており、このような選択は、他の選択に比べてより良い、小さい、高い、又はより好ましい必要がないことを理解されたい。
図1は、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な通信環境100の概略図である。図1に示すように、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130は、第4デバイス105のカバレージにある。言い換えれば、第4デバイス105は、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130にサービスを提供し、それらに無線接続を提供することができる。特に、第1デバイス110は、通信チャネル112を介して第4デバイス105と通信してもよく、第2デバイス120は、通信チャネル122を介して第4デバイス105と通信してもよく、第3デバイス130は、通信チャネル132を介して第4デバイス105と通信してもよい。
第4デバイス105から第1デバイス110、第2デバイス120、又は第3デバイス130への送信の場合、通信チャネル112、122、又は132はダウンリンクチャネルと呼ばれることがあり、一方、第1デバイス110、第2デバイス120、又は第3デバイス130から第4デバイス105への送信の場合、通信チャネル112、122、又は132は代替的にアップリンクチャネルと呼ばれることがある。さらに、第1デバイス110は、サイドリンクチャネル115とも呼ばれるデバイス間(D2D:device-to-device)のチャネルを介して第2デバイス120と通信してもよい。同様に、第1デバイス110は、サイドリンクチャネル125を介して第3デバイス130と通信してもよく、第2デバイス120は、サイドリンクチャネル135を介して第3デバイス130と通信してもよい。いくつかの場合に、第4デバイス105は、通信環境100に存在しなくてもよい。例えば、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130は、第4デバイス105のカバレッジ外である。このような場合、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130、ならびに図1に示されていない他の可能な端末デバイスの間にサイドリンク通信のみが存在する。
いくつかの実施形態では、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130、ならびに可能な他のデバイスは、これらのデバイスの間でサイドリンク送信を行うための同じリソースプールを共有してもよい。複数のデバイスがそれぞれのサイドリンク送信を同時に実行する場合、特にリソースプールに関連付けられる輻輳レベル(輻輳状態とも呼ばれ、例えば、チャネル予約、CR、又はチャネルビジー率、CBRなど)が高いと、複数のデバイスがそれらのサイドリンク送信のためにリソースプール内の同一の送信リソースを選択する可能性がある。言い換えれば、第1デバイス110がサイドリンク送信を実行するためにリソースプールから送信リソースを選択している場合、第1デバイス110と、それらのサイドリンク送信を実行するためにこの送信リソースも選択している他のデバイスとの間で送信リソースの選択衝突が発生する可能性がある。
本明細書で使用される場合、「リソース」、「送信リソース」、又は「サイドリンクリソース」という用語は、時間領域のリソース、周波数領域のリソース、空間領域のリソース、コード領域のリソース、又は通信を可能にする任意の他のリソースなどの、通信、例えば、サイドリンク通信を行うための任意のリソースを指してもよい。従って、「リソースプール」という用語は、時間領域におけるリソースユニット(例えば、タイムスロット)、周波数領域におけるリソースユニット(例えば、サブチャネル)、空間領域におけるリソースユニット、コード領域におけるリソースユニットなどのセットを指してもよい。以下、本開示のいくつかの実施形態を説明するためのサイドリンクリソースの例として、周波数領域と時間領域の両方におけるリソースが使用される。本開示の実施形態は、他の領域における他のリソースにも同等に適用可能であることを理解されたい。
サイドリンク送信の例示的なシナリオでは、第1デバイス110は、サイドリンクチャネル115を介してデータ140を第2デバイス120に送信してもよい。いくつかの実施形態では、データ140は、ユニキャスト送信を介して送信されてもよく、この場合に、第2デバイス120が唯一の所期の受信デバイス(宛先デバイスとも呼ばれる)である。いくつかの他の実施形態では、データ140は、グループキャスト送信を介して送信されてもよく、この場合に、第2デバイス120が所期の受信デバイスのグループのうちの1つである。いくつかのさらなる実施形態では、データ140は、ブロードキャスト送信又は他の任意の適切な送信方法を介して送信されてもよい。本明細書で使用されるとき、データ140は、ユーザープレーンデータ、制御プレーンデータなどの、サイドリンクチャネルを介して送信されることができる任意のデータを含んでもよい。例えば、データ140は、TB又はパケットであってもよい。
第1デバイス110から送信されたデータ140に対して、受信デバイスとしての第2デバイス120は、データ140が第2デバイス120によって正常に受信されたか否かを示すフィードバック(例えば、HARQフィードバック)を第1デバイス110に提供することが可能である。データ140が第2デバイス120によって正常に受信された場合、第2デバイス120は、第1デバイス110に肯定的なフィードバック(肯定応答、略してACKとも呼ばれる)を提供してもよい。逆に、データ140が第2デバイス120によって正常に受信されなかった場合、第2デバイス120は、第1デバイス110に否定的なフィードバック(否定応答、略してNACKとも呼ばれる)を提供してもよい。本明細書で使用するとき、このようなフィードバックを提供するための通信チャネルは、ACK/NACKチャネルと呼ばれることがある。同様に、データ140がグループキャスト送信を介して送信される場合、所期の受信デバイスのグループのうちの他の受信デバイスも、それぞれのフィードバックを、それぞれのACK/NACKチャネルを介して第1デバイス110に送信することができる。
以下、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:physical sidelink feedback channel)がACK/NACKチャネルの一例として使用されることがある。一般的に、PSFCHは、3GPP会議での最近の合意で定義されており、PSFCHを介してユニキャスト及びグループキャスト用のサイドリンクフィードバック制御情報(SFCI:sidelink feedback control information)を伝送することがサポートされる。しかしながら、本明細書で使用されるACK/NACKチャネルは、PSFCHに限定されず、他のデバイスによって送信されたデータに対する肯定的なフィードバック又は否定的なフィードバックを提供するための任意の適切なチャネルを参照してもよいことを理解されたい。
さらに、いくつかの実施形態では、サイドリンク通信において肯定的なフィードバック又は否定的なフィードバックを送信するために、受信デバイスは、2つの異なるACK/NACK送信モードのうちの1つを採用してもよい。第1ACK/NACK送信モードは、ACK/NACKチャネルにおいて受信デバイスによる受信成功を示す信号がない、HARQフィードバックのオプション1とも呼ばれてもよい。第2ACK/NACK送信モードは、ACK/NACKチャネルにおけるACKが受信デバイスによる受信成功を示す、HARQフィードバックのオプション2とも呼ばれてもよい。
特に、HARQフィードバックのオプション1及びオプション2に関して、以下のようにいくつかの合意が得られている。オプション1の場合、受信側UEは、関連する物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:physical sidelink control channel)を復号した後、対応するTBを復号できなかった場合、PSFCH上でHARQ-NACKを送信する。それ以外の場合、PSFCH上で信号を送信しない。オプション2の場合、受信側UEは対応するTBの復号に成功した場合、PSFCH上でHARQ-ACKを送信する。また、受信側UEは、受信側UEをターゲットとする関連PSCCHを復号した後、対応するTBの復号に成功しなかった場合、PSFCH上でHARQ-NACKを送信する。2つのACK/NACK送信モードが例として上述されたが、本開示の実施形態は、他の既存又は将来のACK/NACK送信モードにも同等に適用可能であることを理解されたい。
第1デバイス110が、第2デバイス120から(ユニキャスト送信の場合)、又は所期の受信デバイスのグループのうちの任意の受信デバイスから(グループキャスト送信の場合)NACKを受信する場合、第1デバイス110は、リソースプールから選択された再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要がある。再送リソース150を選択する際に、サイドリンク送信を実行するために同じく当該再送リソース150を選択している他のデバイスとの衝突の可能性を回避するために、第1デバイス110は、例えば、データ140の最初の送信用の送信リソースがリソースプールから、又はデータ140の以前の送信に関連付けられるシグナリングによって選択される時点で、再送リソース150を事前に予約することができる。
第1デバイス110による再送リソース150の予約は、予約情報160によって、同じリソースプールを共有する他のデバイスに通知されることができる。これらの他のデバイスには、第2デバイス120及び第3デバイス130も含まれることに留意されたい。予約情報160は、データ140の潜在的な再送のために、再送リソース150が第1デバイス110によって予約されていることを示してもよい。再送リソース150の予約により、第1デバイス110がデータ140に対するNACKを受信した場合、第1デバイス110は、データ140を再送すると判定した後に利用可能なリソースを再度選択する代わりに、再送リソース150を使用してデータ140を再送することができる。第1デバイス110がいずれの受信デバイスからもNACKを受信しない場合、第1デバイス110はデータ140を再送する必要がなく、再送リソース150を解放してもよく、これは、再送リソース150が他のデバイス及び第1デバイス110自身による他のサイドリンク送信に利用可能であることを意味する。
いくつかの実施形態では、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130は、端末デバイスであってもよく、第4デバイス105は、ネットワークデバイスであってもよい。いくつかの他の実施形態では、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130、並びに第4デバイス105は、互いに通信可能な他の任意の適切な通信デバイスであってもよい。本開示の実施形態は、図1の例示的なシナリオに限定されない。この点に関して、図1では、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130が携帯電話として概略的に描かれているが、この描写は、いかなる限定を示唆することなく、例示的なものに過ぎないことを理解されたい。他の実施形態では、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130は、例えば、車載端末デバイスなど、他の任意の無線通信デバイスであってもよい。
第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130が車載端末デバイスである場合、第1デバイス110、第2デバイス120、及び第3デバイス130に関連する通信は、V2X通信と呼ばれることがある。より一般的には、図1に示されていないが、第1デバイス110、第2デバイス120、又は第3デバイス130に関連するV2X通信は、第1デバイス110、第2デバイス120、又は第3デバイス130と、他の通信デバイスとの間の通信を構成してもよく、ここでの他の通信デバイスは、インフラ装置、他の車載端末デバイス、歩行者のデバイス、路側機等を含むが、これらに限定されない。さらに、図示されていないが、図1に示すような全ての通信リンクは、1つ以上のリレーを経由してもよい。
図1に示されるような通信デバイスの数は、いかなる限定を示唆することなく、説明のためのものに過ぎないことを理解されたい。通信環境100は、本開示の実施形態の実施に適した任意の適切な数の通信デバイスを含んでもよい。さらに、これらの追加の通信デバイスの間には、様々な有線通信、(必要な場合)及び無線通信が存在してもよいことを理解されたい。
通信環境100における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、ここでの規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、EC‐GSM‐IoT(Extended Coverage Global System for Mobile Internet of Things)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)などを含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来に開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実施されることができる。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
上述したように、サイドリンク通信におけるデバイスは、同じTBの以前の送信に関連付けられるシグナリングによって、潜在的な将来のデータの再送用の再送リソースを予約できることが合意されている。しかし、この再送リソースの予約にはいくつかの問題がある可能性がある。具体的には、送信デバイスによって肯定的なフィードバックが受信された場合、即ち、再送が必要ない場合、予約リソースは未使用のままであるので、無駄になる。この問題は、オーバーブッキング問題として知られ、非効率的なリソース利用をもたらす可能性がある。いくつかのシミュレーション結果によると、HARQによる再送の確率は約10%しかない。これは、HARQによる再送のリソースの90%がオーバーブッキングされ、明示的又は暗黙的に解放されることを意味する。従って、オーバーブッキングの問題を緩和し、予約デバイスによって使用されていない予約リソースを適切に処理する必要がある。
上記のオーバーブッキングの問題に対処するためのアプローチが提案されている。このアプローチでは、ある条件下で送信リソースがさらなる端末デバイスによって予約されている場合でも、端末デバイスが当該送信リソースを選択することができる。前記条件とは、送信リソース上の基準信号受信電力(RSRP:reference signal received power)の測定値がRSRP閾値以下であること、又は、端末デバイスによって送信されるデータが、さらなる端末デバイスによって再送されるデータよりも重要であることであってもよい。しかしながら、このアプローチにはいくつかの欠点がある。例えば、このアプローチでは、端末デバイスによって予約されている送信リソースは、RSRP又は優先度が低いため、依然として別の端末デバイスによって使用可能であり、これは送信リソースの予約の本来の意図に反している。再送が必要でない限り、予約されている送信リソースが他の端末デバイスによって占有されるべきではないことは適切である。
従来のソリューションにおける上記の技術問題及び潜在的な他の技術問題を解決するために、本開示の実施形態は、サイドリンクチャネルにおける再送用のリソース予約のためのソリューションを提供する。本開示の実施形態の主な考え方は、再送用の再送リソースを予約する際にデータの送信デバイスの動作を定義して不要な予約を避け、かつデータの受信UEの動作及び解放されたリソースを使用する他のUEの動作を定義することである。本開示の実施形態により、フィードバックによる再送用のリソース予約を可能にするサイドリンク通信用のリソースプールのより良いリソース利用を達成する。本開示の原理及び実施について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
図2は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法200のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、方法200は、図1に示すような第1デバイス110などの端末デバイスで実施されることができる。追加的に又は代替的に、方法200は、図1に示されていない他の通信デバイスで実施されることもできる。説明の目的のために、方法200は、一般性を損なうことなく、第1デバイス110によって実行されるように、図1を参照して説明される。
ブロック210において、第1デバイス110と第2デバイス120との間のサイドリンク通信において、第1デバイス110は、サイドリンクチャネル115を介して第2デバイス120に送信されようとするデータ140を生成する。データ140の最初の送信のために、第1デバイス110は、第1デバイス110と、第2デバイス120及び第3デバイス130を含む別のデバイスとによって共有されるリソースプールから送信リソースを選択してもよい。上述したように、第1デバイス110が第2デバイス120から(ユニキャスト送信の場合)、又は所期の受信デバイスのグループのうちの任意の受信デバイスから(グループキャスト送信の場合)NACKを受信すると、第1デバイス110は、リソースプールから選択される再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要がある場合がある。
同様に、再送されたデータ140に対して、第2デバイス120(ユニキャスト送信の場合)又は所期の受信デバイス(グループキャスト送信の場合)は、第1デバイス110にACK/NACKフィードバックを提供することができる。第1デバイス110が、第2デバイス120から(ユニキャスト送信の場合)、又は所期の受信デバイスのグループの任意の受信デバイスから(グループキャスト送信の場合)再びNACKを受信すると、第1デバイス110は、リソースプールから選択される第2再送リソースを使用してデータ140の2回目の再送を実行する必要がある場合がある。データ140の複数回の再送は、同様の方法で実行されることができる。
以下、図3に示すリソースプールの例を参照しながら、上記の送信プロシージャ及び再送プロシージャについて詳述する。なお、本説明書では、分かりやすくするために、データ140のユニキャスト送信を例とすることがある。しかしながら、本開示の実施形態は、グループキャスト送信を含む他の送信方法にも同等に適用可能であることを理解されたい。
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる端末デバイス間のサイドリンク通信用のリソースを含むリソースプール300の概略図である。図3において、横軸は時間を表し、縦軸は周波数を表し、各ブロックは、サイドリンク送信用の送信リソースを表す。いくつかの実施形態では、1つのブロックは、時間領域におけるタイムスロット、及び周波数領域におけるサブチャネルに対応する。しかしながら、1つのブロックは、時間領域における任意の他の適切な時間単位及び周波数領域における任意の他の適切な周波数単位に対応してもよいことを理解されたい。
図3の例では、第1デバイス110が、時点T0でデータ140を生成すると想定されている。次に、第1デバイス110は、データ140を送信するために、リソースプール300から送信リソース310を選択してもよい。送信リソース310の開始時点は、時点T1である。その後、第1デバイス110は、送信リソース310を使用してデータ140の最初の送信を実行することができる。第2デバイス120がデータ140を正常に受信しなかった場合、第2デバイス120は、時点T2でNACKを送信してもよい。
第2デバイス120からNACKを受信すると、第1デバイス110は、データ140を第2デバイス120に再送してもよい。第1デバイス110が再送リソースの予約を行わない場合、第1デバイス110は、第2デバイス120からNACKを受信した後に、データ140の再送用の送信リソースを再び選択することができる。しかし、リソースプール300は、サイドリンク送信を行うための複数のデバイスによって共有されるため、最も早く再送に利用可能なリソースは、時点T2から相対的に離れている可能性がある。この場合、データ140を送信するための遅延が相対的に大きくなることがあり、これは望ましくない。
データ140の再送用の再送リソースの選択衝突の可能性を回避するために、第1デバイス110は、データ140が最初に送信される前に、特に送信リソース310が第1デバイス110によって選択されると同時に、データ140の潜在的な再送用の再送リソースを予約してもよい。同様に、第1デバイス110は、データ140の可能な2回目の再送用の第2再送リソース330を予約してもよく、図3に示されていないが、より多くの可能な再送のために、より多くのリソースが第1デバイス110によって予約されることができる。予約リソースの数は、構成可能であってもよい。
データ140の1回目の再送について、第2デバイス120は、時点T4でACK/NACKフィードバックを提供することもできる。1回目の再送に対するフィードバックが再びNACKである場合、第1デバイス110は、データ140の2回目の再送を実行するために、時点T5での第2再送リソース330を使用することができる。1回目の再送に対するフィードバックがACKである場合、第1デバイス110は、第2再送リソース330を解放してもよい。データ140のより多くの再送及びより多くの予約リソースの解放は、同様の方法で実行されてもよい。
データ140の送信失敗の比較的低い確率(例えば、前述のように10%)を考慮すると、第1デバイス110が、サイドリンクチャネルを介して送信されるデータを有するとき常に再送リソースを予約することは不利であり、これにより、リソースプール300内のリソースの非効率な利用をもたらす可能性がある。
従って、図2に戻って、ブロック220において、サイドリンクチャネル115を介して第2デバイス120に送信されようとするデータ140を生成した後、第1デバイス110は、データ140の再送用の再送リソース150を予約するための予約基準が満たされたか否かを判定する。予約基準が満たされた場合、第1デバイス110は、将来の潜在的な再送のために再送リソース150を予約すると判定する。そうでない場合、第1デバイス110は、再送リソース150を予約せず、第2デバイス120からNACKを受信した後に、データ140の再送を行うための送信リソースを選択することが可能である。このように、第1デバイス110は、送信しようとするデータがあるとき常に再送リソースを予約するのではなく、予約基準に基づいて再送リソースを選択的に予約するので、第1デバイス110による不要な予約を有利に回避することができる。
いくつかの実施形態では、第1デバイス110は、様々な予約基準のうちの1つ又は複数で構成されることができる。例えば、第1デバイス110は、サービス品質(QoS)レベルを使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定することができる。ここでのQoSレベルは、データ140のQoSレベル又はデータ140の送信QoSレベルを含んでもよい。前者は、パケット遅延や信頼性要件など、データ140自身に対するQoS要求を示してもよい。後者は、データ140に関連付けられる送信に対するQoS要求を示してもよい。例えば、データ140の再送は、データ140の最初の再送よりも高いQoS要求を有してもよい。いくつかの実施形態では、QoSレベルは、上位層構成、又はサイドリンク送信に関連付けられるサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)で搬送されるQoSパラメータから導出されることができる。
従って、データ140のQoSレベルが構成可能な閾値(第1閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、データ140が高いQoS要求を有する場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。同様に、データ140の送信QoSレベルが構成可能な閾値(第2閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、データ140に関連付けられる送信が高いQoS要求を有する場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2閾値は、上位層(データリンク層又はネットワーク層など)からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的又は追加的に、第1デバイス110は、データ140の優先度を使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定してもよい。いくつかの実施形態では、データ140の優先度は、上位層構成、又はサイドリンク送信に関連付けられるSCIで搬送される優先度フィールドから導出されることができる。従って、データ140の優先度が構成可能な閾値(第3閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、データ140の重要度が高い場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第3閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的又は追加的に、第1デバイス110は、第1デバイス110の利用可能な送信電力を使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定することができる。1つのオプションにおいて、第1デバイス110の利用可能な送信電力が構成可能な閾値(第4閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、第1デバイス110が追加の情報を送信するための余分な電力を有する場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第4閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
別のオプションとして、第1デバイス110の利用可能な送信電力が、さらなる構成可能な電力閾値以下である場合、即ち、第2デバイス120がデータ140を受信することに失敗する確率がより高い場合、第1デバイス110は、再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は、再送リソース150を予約しなくてもよい。いくつかの実施形態では、さらなる構成可能な電力閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的又は追加的に、第1デバイス110は、利用可能な再送リソースに関連付けられる時間間隔を使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定することができる。特に、図3を参照すると、第2デバイス120がデータ140に対するACK/NACKを送信する時点T2と利用可能な再送リソース150の開始時点である時点T3との間の時間間隔(第1時間間隔とも呼ばれる)が、構成可能な閾値(第5閾値とも呼ばれる)よりも短い場合、即ち、データ140の再送が大きな遅延を起こさない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。図3に示すように、時点T2及びT3は関連付けられるリソースブロックの開始を示すが、他の実施形態では、時点T2及びT3は代替的に関連付けられるリソースブロックの終了を示すことがあることに留意されたい。
そうでない場合、第1時間間隔が第5閾値よりも長い場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。この場合、第1デバイス110が予約を実行するときに占有されている送信リソースは、第1デバイス110がNACKを受信した後に解放される可能性があるので、第1デバイス110は第2デバイス120からNACKを受信した後に、より前の送信リソースを選択することが可能であることがあると留意されたい。いくつかの実施形態では、第5閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的に又は追加的に、第1デバイス110は、データ140の遅延バジェットを使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定してもよい。特に、図3を参照すると、データ140の遅延バジェットが、データ140が生成される時点T0と利用可能な再送リソース150の開始時点である時点T3との間の時間間隔(第2時間間隔とも呼ばれる)を超える場合、即ち、データ140の再送に関連付けられる遅延がデータ140の遅延バジェット以下である場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。図3に示すように、時点T3は利用可能な再送リソース150の開始を示すが、他の実施形態では、時点T3は代替的に利用可能な再送リソース150の終了を示す場合があることに留意されたい。
いくつかの他の実施形態では、第1デバイス110は、遅延バジェットを、構成可能な閾値(第6閾値とも呼ばれる)と比較して、再送リソース150を予約するか否かを判定することができる。従って、データ140の遅延バジェットが第6閾値以下である場合、即ち、データ140が緊急のデータである場合、第1デバイス110は、再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第6閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的に又は追加的に、第1デバイス110は、リソースプール300に関連付けられる輻輳レベルを使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定してもよい。従って、リソースプール300に関連付けられる輻輳レベルが構成可能な閾値(第7閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、予約が実行されないと、利用可能な再送リソースの選択に衝突が生じる確率が高い場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第7閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第7閾値は、データ140が高い優先度を有する場合に再送リソース150を確実に予約できるように、データ140の優先度と関連付けられてもよい。例えば、高い優先度を有するTBに対して、低い第7閾値が構成されることができる。
代替的又は追加的に、第1デバイス110は、再送回数を使用して、再送リソース150を予約するか否かを判定してもよい。特に、データ140の再送回数が構成可能な閾値(第8閾値とも呼ばれる)以下である場合、第1デバイス110は、再送リソース150を予約することができる。そうでない場合、第1デバイス110は再送リソース150を予約しなくてもよい。即ち、第1デバイス110は、データ140の最初のN回の再送に対してリソースを予約することができる。数Nは、予め構成されることができる。いくつかの実施形態では、データ140の最後の再送に対して予約が行われない。
いくつかの実施形態では、図3に示されているように、時間領域における再送リソース150の位置は、第2デバイス120がデータ140に対するACK/NACKを送信する時点T2の後であってもよい。言い換えれば、時間領域における再送リソース150の開始時点である時点T3は、時点T2よりも後であってもよい。これにより、第1デバイス110は、第2デバイス120からNACKを受信する前にデータ140の再送を行うことができないため、第1デバイス110が時間領域における時点T2以前の送信リソースを使用してデータ140を再送することができず、第1デバイス110による無駄な予約を効果的に回避することができる。従って、第1デバイス110によって予約されることができる最も早い利用可能なリソースは、関連するPSFCHの時点T2の後であることができ、PSFCHの周期及びPSSCHのスロットインデックスの構成に応じて決定されることができる。
図2に戻って、ブロック230において、第1デバイス110は予約基準が満たされたと判定した場合、第1デバイス110は、予約情報160を別のデバイスに送信する。当該別のデバイスは、第2デバイス120及び第3デバイス130を含む。予約情報160は、再送リソース150が第1デバイス110によって予約されていることを示すので、別のデバイスは、再送リソース150が第1デバイス110によって予約されていることを考慮して、リソースプール300から送信リソースを選択してそのサイドリンク送信を実行することが可能である。
第1デバイス110は、任意の適切な方法で予約情報160を送信してもよい。例えば、第1デバイス110は、既存のシグナリングのコンテンツ及び構造を変更することなく、予約情報160を送信するために新しい専用のシグナリングを使用してもよい。別の例として、第1デバイス110は、既存のシグナリングを十分に活用するように、サイドリンク通信用の既存のシグナリングに予約情報160を含めることができる。特に、第1デバイス110は、予約情報160をSCIに含め、SCIを第2デバイス120及び他のデバイスに送信してもよい。1つのオプションにおいて、予約情報160を含むSCIは、データ140の前回の送信のSCI(第1SCIとも呼ばれる)であってもよい。別のオプションにおいて、予約情報160を含むSCIは、データ140の前回の送信用の送信リソースを予約するためのSCI(第2SCIとも呼ばれる)であってもよい。
時間領域及び周波数領域における再送リソース150の位置を示すために、予約情報160を含むSCIは、時間位置インジケータ及び周波数位置インジケータをさらに含むことができる。時間位置インジケータは、時間領域における再送リソース150の位置を示し、周波数位置インジケータは、周波数領域における再送リソース150の位置を示す。例えば、データ140の最初の送信のSCIは、時間領域及び周波数領域における第1再送リソース150の位置を示すことができ、データ140の1回目の再送のSCIは、時間領域及び周波数領域における第2再送リソース330の位置を示すことができる、などである。
言い換えれば、再送リソースが前回の送信に関連付けられるSCIに示され、送信リソースのSCIは、次の再送用の送信リソースを示すことができる。この指示アプローチは、チェーン方式と呼ばれてもよく、データ140の送信に関連付けられる複数のSCIに、全ての予約送信リソースの時間位置インジケータと周波数位置インジケータを分配して、SCIにおけるシグナリングオーバーヘッドを均等化することができる。
このチェーン方法での指示アプローチの例として、再送予約があるか否かを示すように、フィードバックによる再送リソース予約のフラグフィールドをSCIに定義してもよい。SCIにおいて、再送予約がない場合、フラグフィールドは0に設定され、時間オフセットフィールドはSCIの末尾に0でパディングされ、周波数オフセット又は周波数位置フィールドもSCIの末尾に0でパディングされることができる。あるいは、再送予約がある場合、フラグフィールドを1に設定し、時間オフセットフィールドと周波数オフセット又は周波数位置フィールドをSCIの末尾に定義することができる。時間オフセットフィールドは、SCIのタイムスロットインデックスに対するオフセットを示し、例えば、スロット数又はシンボル数で表されることができる。周波数オフセット又は周波数位置フィールドは、SCIの周波数位置に対するオフセットを示し、例えば、サブチャネル数で表されることができる。他のデバイスは、SCIを復号した後、再送予約の有無及び予約リソースの位置を知ることができる。
他の例示的な指示アプローチとして、予約情報160を含むSCIは、数インジケータ、時間位置インジケータ、及び周波数位置インジケータを含んでもよい。数インジケータは、データ140の複数の再送のための再送リソースの数を示し、時間位置インジケータは、時間領域における再送リソースの複数の位置を示し、周波数位置インジケータは、周波数領域における再送リソースの複数の位置を示している。このようにして、データ140の送信に関連付けられる他のSCIに影響を与えることなく、全ての予約送信リソースの時間位置インジケータ及び周波数位置インジケータを、1つのSCIに含めることができる。
例えば、フィードバックによる再送リソース予約のフラグフィールドは、データ140の再送用の予約リソースの数を示すように、最初の送信のSCI又は最初の送信の予約SCIにおいて定義されることが可能である。SCIにおいて、再送予約がない場合、フラグフィールドは0に設定され、時間オフセットフィールドはSCIの末尾に0でパディングされ、周波数オフセット又は周波数位置フィールドもSCIの末尾に0でパディングされることができる。あるいは、再送予約がある場合、フラグフィールドは、再送リソースの数、即ち、データ140の再送回数を示す。時間オフセットフィールドと周波数オフセット又は周波数位置フィールドはSCIの末尾に定義されることができる。時間オフセットフィールドは、各送信のタイムスロットインデックスに対するオフセットを示し、例えば、スロット数で表される。周波数オフセット又は周波数位置フィールドは、各送信の周波数位置に対するオフセットを示し、例えば、サブチャネル数で表される。他のデバイスは、SCIを復号した後、再送予約の有無及び予約リソースの位置を知ることができる。
別の例として、時間オフセットフィールドは、時間領域におけるすべての予約リソースの位置を示すことができる。例えば、時間オフセットフィールドは、時間領域におけるSCIに対する全部の予約リソースのすべての時間オフセット値を含んでもよい。周波数オフセット又は周波数位置フィールドは、周波数領域におけるすべての予約リソースの位置を示すことができる。例えば、周波数オフセット又は周波数位置フィールドは、周波数領域におけるSCIに対する全部の予約リソースのすべての周波数オフセット値を含んでもよい。上述したような特定のフィールド及びその特定の値は、本開示の範囲に関するいかなる限定も示唆することなく、単なる例示に過ぎないことを理解されたい。他の実施形態では、SCIは、インジケータとして使用される任意の適切な値を有する任意の適切なフィールドを有してもよい。
上記において、いくつかの実施形態は、サイドリンク送信の送信デバイス(例えば、第1デバイス110)の観点から説明された。以下、図4を参照しながら、いくつかの他の実施形態をサイドリンク送信の受信デバイス(例えば、第2デバイス120)の観点から説明する。
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的な方法400のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、方法400は、図1に示すような第2デバイス120などの端末デバイスで実施されることができる。追加的に又は代替的に、方法400は、図1に示されていない他の通信デバイスで実施されることもできる。説明の目的のために、方法400は、一般性を損なうことなく、第2デバイス120によって実行されるように、図1を参照して説明される。
ブロック410において、第2デバイス120は、第1デバイス110から予約情報160を受信する。予約情報160は、再送リソース150が、サイドリンクチャネル115を介する第1デバイス110から第2デバイス120へのデータ140の再送のために予約されていることを示す。上述したように、再送リソース150は、第2デバイス120及び別のデバイスのサイドリンク通信用のリソースプール300に含まれる。別のデバイスは、第1デバイス110及び第3デバイス130を含む。
ブロック420において、第1デバイス110から予約情報160を受信した後、第2デバイス120は、第2デバイス120から別のデバイスの少なくとも1つへのサイドリンク送信に対する再送リソース150の利用可能性を判定する。言い換えれば、第2デバイス120が、同じリソースプール300を共有する他のデバイス(第1デバイス110及び第3デバイス130を含む)に対してサイドリンク送信を行う場合、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に、予約情報160に示された再送リソース150が利用可能であるか否か、即ち、第2デバイス120が、その自身のサイドリンク送信を行うために、この第1デバイス110によって予約されている再送リソース150を使用できるか否かを判定する必要がある。
一般的に、第2デバイス120は第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送しないと判定できる場合、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に、再送リソース150が利用可能であると判定してもよい。逆に、第2デバイス120は第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要があると判定できる場合、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に、再送リソース150が利用不可能であると判定してもよい。さらに、第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要があるか否かについて第2デバイス120が知ることができない場合、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に、再送リソース150が利用不可能であると判定することもできる。
言い換えれば、再送リソース150の利用可能性を判定するために、第2デバイス120は、第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要があるか否か、即ち、データ140が、当該データ140の所期の受信デバイスによって正常に受信されたか否かを知る必要がある。この目的のために、第2デバイス120は、データ140がグループキャスト送信又はユニキャスト送信のいずれで送信されるかを最初に判定することができ、それは、データ140を再送する必要があるか否かに関する第2デバイス120による判定が、これら2つの送信方式によって異なるからである。グループキャスト送信では、第1デバイス110は、第2デバイス120を含むデバイスのグループにデータ140を送信し、一方、ユニキャスト送信では、第1デバイス110は、第2デバイス120にのみデータ140を送信する。
いくつかの実施形態では、データ140がグループキャスト送信を介して送信される場合、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用不可能であると直接判定することができる。即ち、データ140のグループキャスト送信の場合、受信デバイスの観点からは、データ140が受信デバイス自身によって正常に受信及び復号されたか否かにかかわらず、予約された再送リソース150が第1デバイス110によって占有され、受信デバイス自身のサイドリンク送信のために選択されることができないと見なされてもよい。
データ140は、グループキャスト送信でデバイスのグループに送信され、第2デバイス120は、受信グループ内の他の受信デバイスから第1デバイス110へのACK/NACKチャネルを監視しなければ、他の受信デバイスがデータ140を正常に受信したか否かを知ることができないからである。そこで、第2デバイス120が再送リソース150の利用可能性を判定するための簡易ルールとして、第2デバイス120は、グループ送信において再送リソース150を利用不可能と見なしてもよい。このように、第2デバイス120の動作を大幅に簡略化することができる。
あるいは、データ140のグループキャスト送信において、第2デバイス120は、グループキャスト送信のACK/NACK送信モードに基づいて、他の受信デバイスから第1デバイス110へのACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定することができる。例えば、図1を参照して説明したように、グループキャスト送信の受信デバイスは、第1デバイス110にACK/NACKを送信するための2つの異なるACK/NACK送信モードのうちの1つを採用してもよい。第1ACK/NACK送信モードは、ACK/NACKチャネルにおいて受信成功を示す信号がない、HARQフィードバックのオプション1とも呼ばれてもよい。また、第2ACK/NACK送信モードは、ACK/NACKチャネルにおいて受信成功を示すACKが存在する、HARQフィードバックのオプション2とも呼ばれてもよい。
オプション1がグループキャスト送信の受信デバイスによって使用される場合には、第2デバイス120によってデータ140が正常に受信されると、第2デバイス120はACKを送信する必要がない。つまり、サイドリンク通信における第2デバイス120は一般的に半二重動作を用いるが、第2デバイス120は、他の受信デバイスから第1デバイス110へのPSFCHを監視して、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用可能であるか否かを判定することができる。監視の結果に応じて、第2デバイス120がACK/NACKチャネルのいずれにおいても信号を検出しなかった場合、即ち、すべての他の受信デバイスがデータ140を正常に受信した場合、第1デバイス110は再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要がないため、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用可能であると判定することができる。
反対的に、第2デバイス120がACK/NACKチャネルのいずれかにおいて信号を検出した場合、即ち、他の受信デバイスのうちの1つ又は複数がデータ140を正常に受信しなかった場合、第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要があるので、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用不可能であると判定することができる。このように、第2デバイス120は、他の受信デバイスのACK/NACKチャネルを監視することが可能である場合、再送リソース150の利用可能性の判定の正確さを高めることができる。
同様に、データ140が第2デバイス120によって正常に受信されなかった場合、即ち、第2デバイス120がPSFCHでNACKを送信する必要があるので、半二重制限のために他の受信デバイスのPSFCHを監視する機会がない場合、第2デバイス120は、他の受信デバイスがデータ140を正常に受信したか否かを知ることができないので、再送リソース150がサイドリンク送信に利用不可能であると判定してもよい。さらに、この状況では、第2デバイス120は、その自身にデータ140を再送する必要があることを知ることができ、これも再送リソース150の利用可能性に対しての否定判定につながる。このように、第2デバイス120の動作を簡略化することができる。
グループキャスト送信と対照的に、データ140は第2デバイス120がデータ140の唯一の所期の受信デバイスであるユニキャスト送信で送信される場合、第2デバイス120による再送リソース150の利用可能性の判定は、より簡単になる。従って、データ140が第2デバイス120によって正常に受信された場合、第2デバイス120は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用可能である、即ち、再送リソース150が第1デバイス110によって解放されると判定することができる。反対的に、データ140が第2デバイス120によって正常に受信されなかった場合、第2デバイス120は、再送リソース150が第1デバイス110によってデータ140を第2デバイス120に再送するために使用されるので、自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用不可能であると判定することができる。このように、第2デバイス120は、ユニキャスト送信の場合に、再送リソース150の利用可能性を正確に判定することができる。
ブロック430において、第2デバイス120は、再送リソース150の利用可能性に基づいて、リソースプール300から自身のサイドリンク送信用の送信リソースを選択する。より具体的には、第2デバイス120が、再送リソース150が利用可能であると判定した場合、第2デバイス120は、再送リソース150を当該第2デバイス120自身のサイドリンク送信用の送信リソースの候補として見なすことができ、これにより、リソースプール300のリソース利用率を増加させることができる。
一方、第2デバイス120は再送リソース150が利用不可能であると判定した場合、第2デバイス120は、第1デバイス110との再送リソース150における潜在的な送信衝突を回避するように、再送リソース150を当該第2デバイス120自身のサイドリンク送信用の送信リソースの候補として見なさなくてもよい。このように、送信デバイスである第1デバイス110からのサイドリンク送信における受信デバイスである第2デバイス120は、送信デバイスが解放した送信リソースを利用することができる。
同様に、データ140の送信デバイスとしての第1デバイス110も、再送リソース150の利用可能性に基づいて、リソースプール300から別のサイドリンク送信用の送信リソースを選択してもよい。例えば、第1デバイス110が第2デバイス120からデータ140に対するNACKを受信しなかった場合(ユニキャスト送信の場合)、又は所期の受信デバイスのいずれからもデータ140に対するNACKを受信しなかった場合(グループキャスト送信の場合)、第1デバイス110は再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要がない。この場合、第1デバイス110は、再送リソース150が利用可能であると判定することができるので、再送リソース150を第1デバイス110の別のサイドリンク送信用の送信リソースの候補として見なすことができ、これにより、リソースプール300のリソース利用率を増加させることができる。
一方、第1デバイス110が第2デバイス120からデータ140に対するNACKを受信した場合(ユニキャスト送信の場合)、又は所期の受信デバイスのいずれかからデータ140に対するNACKを受信した場合(グループキャスト送信の場合)、第1デバイス110は再送リソース150を使用してデータ140を再送する必要がある。この場合、第1デバイス110は、再送リソース150が利用不可能であると判定することができ、このため、再送リソース150を第1デバイス110の別のサイドリンク送信用の送信リソースの候補として見なさなくてもよい。
上記において、サイドリンク送信の送信デバイス(例えば、第1デバイス110)及び受信デバイス(例えば、第2デバイス120)の観点からいくつかの実施形態を説明した。以下、図5を参照して、いくつかの他の実施形態について、サイドリンク送信の送信デバイス及び受信デバイス以外のデバイス(例えば、第3デバイス130)の観点から説明する。
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかるさらなる例示的な方法500のフローチャートである。いくつかの実施形態では、方法500は、図1に示されるような第3デバイス130などの端末デバイスで実施されることができる。追加的に又は代替的に、方法500は、図1に示されていない他の通信デバイスで実施されることもできる。説明の目的のために、方法500は、一般性を損なうことなく、第3デバイス130によって実行されるように、図1を参照して説明される。
ブロック510において、第3デバイス130は、例えばサイドリンクチャネル125を介して、第1デバイス110から予約情報160を受信する。上述したように、第1デバイス110は、第2デバイス120とサイドリンク通信しており、例えば、第1デバイス110は、サイドリンクチャネル115を介して第2デバイス120にデータ140を送信する。予約情報160は、サイドリンクチャネル115を介する第1デバイス110から第2デバイス120へのデータ140の再送のために、再送リソース150が予約されていることを示す。上述のように、再送リソース150は、第3デバイス130及び別のデバイスのサイドリンク通信用のリソースプール300に含まれる。別のデバイスは、第1デバイス110及び第2デバイス120を含む。
第1デバイス110から予約情報160を受信した後、第3デバイス130は、予約情報160に示された再送リソース150が、第3デバイス130から第1デバイス110及び第2デバイス120を含む別のデバイスへのサイドリンク送信に利用可能であるか否か、即ち、第3デバイス130が、この第1デバイス110が予約している再送リソース150を利用して当該第3デバイス130自身のサイドリンク送信を実行できるか否かを判定する必要がある。
この目的のために、ブロック520において、第3デバイス130は、第2デバイス120から第1デバイス110へのACK/NACKチャネルを監視して、第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送しようとするか否かを判定する。例えば、第3デバイス130は、第1デバイス110から第2デバイス120への関連するPSSCH(例えば、予約された再送の先行PSSCH)のPSFCH、即ち、第2デバイス120のPSFCHを監視してもよい。
いくつかの実施形態では、第3デバイス130の監視動作は、上位層によって構成又は予め構成されることができる。例えば、上位層は、第3デバイス130が第2デバイス120から第1デバイス110へのACK/NACKチャネルを監視するか否かを構成することができる。第3デバイス130がACK/NACKチャネルを監視するように構成されている場合、第3デバイス130は、監視の結果に基づいて再送リソース150の利用可能性を判定してもよい。第3デバイス130がACK/NACKチャネルを監視するように構成されていない場合、第3デバイス130は、第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送しようとするか否かに関する情報を有していないので、再送リソース150を利用不可能と見なしてもよい。
いくつかの他の実施形態において、第3デバイス130は、予め定義された監視基準に基づいて、ACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定してもよい。例えば、ACK/NACKチャネルを監視する前に、第3デバイス130は、監視基準が満たされたか否かを判定してもよい。監視基準が満たされた場合、第3デバイス130は、ACK/NACKチャネルを監視し、監視の結果に基づいて再送リソース150の利用可能性を判定することができる。そうでない場合、第3デバイス130は、ACK/NACKチャネルを監視せず、第1デバイス110が再送リソース150を使用してデータ140を再送しようとするか否かについて分からないので、再送リソース150を利用不可能と見なすことができる。このようにして、第3デバイス130によるACK/NACKチャネルの不要な監視を回避することができる。
いくつかの実施形態では、第3デバイス130は、様々な監視基準のうちの1つ又は複数で構成されることができる。例えば、第3デバイス130は、QoSレベルを使用して、ACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定することができる。QoSレベルは、第3デバイス130のデータのQoSレベル、又は第3デバイス130のデータの送信QoSレベルを含んでもよい。前者は、パケット遅延/信頼性要求など、第3デバイス130のデータ自身に対するQoS要求を示してもよい。後者は、第3デバイス130のデータに関連付けられる送信に対するQoS要求を示してもよい。いくつかの実施形態では、QoSレベルは、上位層構成、又はSCIで搬送されるQoSパラメータから導出されることができる。
従って、第3デバイス130によって送信されるデータのQoSレベルが構成可能な閾値(第9閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、第3デバイス130のデータが高いQoS要求を有する場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130は、ACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。同様に、第3デバイス130のデータの送信QoSレベルが構成可能な閾値(第10閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、第3デバイス130のデータに関連付けられる送信が高いQoS要求を有する場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130は、ACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第9及び第10閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的に又は追加的に、第3デバイス130は、第3デバイス130のデータの優先度を使用して、ACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定してもよい。いくつかの実施形態では、第3デバイス130のデータの優先度は、上位層構成、又はSCIで搬送される優先度フィールドから導出されることができる。これにより、第3デバイス130のデータの優先度が構成可能な閾値(第11閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、第3デバイス130のデータの重要度が高い場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第11閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
別のオプションとして、第3デバイス130は、送信されるデータの優先度をデータ140の優先度と比較することができる。このオプションでは、第3デバイス130のデータの優先度がデータ140の優先度を超える場合、即ち、第3デバイス130のデータがデータ140よりも重要である場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。
代替的又は追加的に、第3デバイス130は、第3デバイス130の利用可能な送信電力を使用して、ACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定してもよい。これにより、第3デバイス130の利用可能な送信電力が構成可能な閾値(第12閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、第3デバイス130がACK/NACKチャネルを監視するための余分な電力を有する場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130は、ACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第12閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
代替的に又は追加的に、第3デバイス130は、リソースプール300に関連付けられる輻輳レベルを使用して、ACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定してもよい。これにより、リソースプール300に関連付けられる輻輳レベルが構成可能な閾値(第13閾値とも呼ばれる)を超える場合、即ち、第3デバイス130のサイドリンク送信に利用可能なリソースの数が少ない場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第13閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。さらに、第13閾値は、第3デバイス130のデータの優先度と関連付けられてもよい。例えば、より高い優先度を有するTBに対して、より低い第13閾値が構成されることができる。
代替的又は追加的に、第3デバイス130は、その自身のサイドリンク送信のデータの遅延バジェットを使用して、ACK/NACKチャネルを監視するか否かを判定してもよい。特に、第3デバイス130のデータの遅延バジェットが構成可能な閾値(第14閾値とも呼ばれる)以下である場合、即ち、第3デバイス130のデータが緊急のデータである場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視することができる。そうでない場合、第3デバイス130はACK/NACKチャネルを監視しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第14閾値は、上位層からのパラメータであってもよく、又は予め構成されてもよい。
ブロック530において、監視の結果に基づいて、第3デバイス130は、リソースプール300を共有する別のデバイスの少なくとも1つへのサイドリンク送信に対する再送リソース150の利用可能性を判定する。第2デバイス120について説明した場合と同様に、データ140を再送する必要があるか否かに関する第3デバイス130による判定は、グループキャスト送信又はユニキャスト送信の2つの送信方法によって異なるため、第3デバイス130は、最初にデータ140がグループキャスト送信又はユニキャスト送信のいずれを介して送信されるかを判定することができる。
第1デバイス110と第2デバイス120との間のサイドリンク通信がユニキャスト送信を含む場合、データ140は第2デバイス120にのみ送信される。この場合、第3デバイス130が、第2デバイス120から第1デバイス110へのACK/NACKチャネルにおいてACKを検出すると、第3デバイス130は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用可能であると判定することができる。ACKは、第1ACK/NACK送信モード、即ち、HARQフィードバックのオプション1において、ACK/NACKチャネルに信号がないことによって表されることに留意されたい。第3デバイス130が第2デバイス120から第1デバイス110へのACK/NACKチャネルにおいてNACKを検出すると、第3デバイス130は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用不可能であると判定することができる。このように、第3デバイス130は、データ140がユニキャスト送信で送信される場合、再送リソース150の利用可能性を正確に判定することができる。
第1デバイス110と第2デバイス120との間のサイドリンク通信がグループキャスト送信を含む場合、データ140は、第2デバイス120を含む所期の受信デバイスのグループに対して送信される。この場合、ACK/NACK送信モードが異なると、監視態様が異なる可能性があるため、第3デバイス130は、どのACK/NACK送信モードがグループキャスト送信に使用されるかをさらに判定する必要がある。
グループキャスト送信に第1ACK/NACK送信モードが使用される場合、グループキャスト送信の受信デバイスは、受信成功を示すための信号を送信しない。この場合、第3デバイス130が、受信デバイスから第1デバイス110へのACK/NACKチャネルのいずれにおいても信号を検出しなかった場合、即ち、すべての受信デバイスがデータ140を正常に受信した場合、第3デバイス130は、その自身のサイドリンク送信に再送リソースが利用可能であると判定することができる。第3デバイス130がACK/NACKチャネルのいずれかにおいて信号を検出した場合、即ち、受信デバイスの少なくとも1つがデータ140を正常に受信しなかった場合、第3デバイス130は、その自身のサイドリンク送信に再送リソースが利用不可能であると判定することができる。このように、第3デバイス130は、データ140がグループキャスト送信で送信され、かつグループキャスト送信に第1ACK/NACK送信モードが使用される場合、再送リソース150の利用可能性を正確に判定することができる。
グループキャスト送信に第2ACK/NACK送信モードが使用される場合、グループキャスト送信の受信デバイスは、受信成功を示すためにACKを送信する。この場合、各受信デバイスは、第1デバイス110が異なる受信デバイスからのACK/NACKフィードバックを区別できるように、その識別子を使用してそのACK/NACKフィードバックをスクランブルすることができる。従って、第3デバイス130は、受信デバイスの識別子を使用して、受信デバイスから第1デバイス110へのACK/NACKチャネルを復号化することができる。例えば、第3デバイス130は、グループキャスト送信における宛先デバイスのすべての識別子を、予め構成され、又は無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して通知されることができる。そして、第3デバイス130は、各識別子をスクランブルシーケンスとして使用して、受信デバイスから第1デバイス110へのPSFCHのそれぞれを復号することができる。
第3デバイス130が、ACK/NACKチャネルのいずれにおいてもNACKを検出しなかった場合、即ち、すべての受信デバイスがデータ140を正常に受信した場合、第3デバイス130は、その自身のサイドリンク送信に再送リソース150が利用可能であると判定することができる。第3デバイス130が、ACK/NACKチャネルのいずれかにおいてNACKを検出した場合、即ち、受信デバイスがデータ140を正常に受信しなかった場合、第3デバイス130は、再送リソース150がサイドリンク送信に利用不可能であると判定することができる。このように、第3デバイス130は、データ140がグループキャスト送信で送信され、かつ第2ACK/NACK送信モードがグループキャスト送信に使用される場合、再送リソース150の利用可能性を正確に判定することができる。
ブロック540において、再送リソース150の利用可能性に基づいて、第3デバイス130は、第3デバイス130から第1デバイス110及び第2デバイス120を含む別のデバイスへの当該第3デバイス130自身のサイドリンク送信のために、リソースプール300から送信リソースを選択する。より具体的には、第3デバイス130が、再送リソース150が利用可能であると判定した場合、第3デバイス130は、再送リソース150を当該第3デバイス130自身のサイドリンク送信用の送信リソースの候補として見なすことができ、これにより、リソースプール300のリソース利用率を向上させることができる。
一方、第3デバイス130が、再送リソース150が利用不可能であると判定した場合、第3デバイス130は、第1デバイス110との再送リソース150における潜在的な送信衝突を回避するように、再送リソース150を当該第3デバイス130自身のサイドリンク送信用の送信リソースの候補として見なさなくてもよい。このようにして、サイドリンク送信の送信デバイス及び受信デバイス以外の第3デバイス130は、送信デバイスが解放したリソースを利用することができる。
図6は、本開示のいくつかの実施形態の実施に適したデバイス600の簡略化したブロック図である。デバイス600は、図1に示す第1デバイス110、第2デバイス120、第3デバイス130、及び第4デバイス105のさらなる例示的な実施形態とみなすことができる。従って、デバイス600は、第1デバイス110、第2デバイス120、第3デバイス130、及び第4デバイス105の少なくとも一部で実施され、あるいはそれらの少なくとも一部として実施されることができる。
図示されるように、デバイス600は、プロセッサ610と、プロセッサ610に接続されているメモリ620と、プロセッサ610に接続されている適切な送信機(TX)及び受信機(RX)640と、TX/RX640に接続されている通信インターフェースとを含む。メモリ620は、プログラム630の少なくとも一部を格納する。TX/RX640は、双方向通信用である。TX/RX640は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で言及されるアクセスノードは複数のアンテナを有してもよい。通信インターフェースは、gNB又はeNB間の双方向通信用のX2インターフェース、モビリティマネジメントエンティティ(MME:Mobility Management Entity)/サービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)とgNB又はeNBとの間の通信用のS1インターフェース、gNB又はeNBとリレーノード(RN:relay node)との間の通信用のUnインターフェース、あるいはgNB又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
プログラム630は、関連するプロセッサ610によって実行されると、デバイス600が、本明細書で図2、図4及び図5を参照して説明したように、本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本明細書の実施形態は、デバイス600のプロセッサ610によって実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実施されてもよい。プロセッサ610は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ610とメモリ620の組み合わせは、本開示の様々な実施形態の実施に適した処理手段650を形成してもよい。
メモリ620は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリデバイス及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施されてもよい。デバイス600には1つのメモリ620のみが示されているが、デバイス600には物理的に別個である複数のメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ610は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。デバイス600は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
本開示の装置及び/又はデバイスに含まれる構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々な態様で実施されてもよい。一実施形態では、1つ又は複数のユニットは、ソフトウェア及び/又はファームウェア、例えば、記憶媒体に記憶されたマシン実行可能な命令を使用して実装されてもよい。マシン実行可能な命令に加えて又はその代わりに、装置及び/又はデバイスにおけるユニットの一部又は全部は、少なくとも部分的には1つ又は複数のハードウェアロジックコンポーネントによって実装されてもよい。例えば、使用され得るハードウェアロジックコンポーネントの例示的なタイプには、FPGA(Field‐programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application‐specific Integrated Circuit)、特定用途向け標準製品(ASSP:Application‐specific Standard Product)、SOC(System‐on‐a‐chip system)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)などが含まれるが、これらに限定されない。
一般的に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。いくつかの態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されたが、本明細書に記載されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらのいくつかの組み合わせで実施されてもよいことを理解されたい。
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図2、図4及び図5を参照して上記したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行されるコンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実施したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で記載されたプログラムモジュール間で組み合わせる、又は分割されることができる。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイス内で実行されてもよい。分散型デバイスでは、プログラムモジュールがローカル記憶媒体とリモート記憶媒体の両方に配置されてもよい。
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、これにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシンで実行されてもよく、その一部がマシンで実行されてもよく、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、一部がマシンで実行され且つ一部がリモートマシンで実行されてもよく、完全にリモートマシン又はサーバで実行されてもよい。
上記プログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれと関連付けられて使用されるためのプログラムを含む、又は格納することができる任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体で具現化されてもよい。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であってもよい。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、あるいは前記の任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例として、1つ又は複数のワイヤによる電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前記の任意の適切な組み合わせが挙げられる。
さらに、動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又はすべての描かれた動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。同様に、上述した説明にはいくつかの特定の実施形態の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴も、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上記した特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。