JP2022130037A - 光電変換装置及び機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】垂直走査回路からの制御信号を伝える導電部材が他の導電線に与える影響を低減する。【解決手段】第1基板と第2基板とが接合した光電変換装置が提供される。第1基板は、複数の受光回路がアレイ状に配置された受光アレイと、受光アレイに制御信号を供給するための複数の駆動線と、を有する。第2基板は、制御信号を生成するドライバ回路群を含み、複数の駆動線の少なくとも一部の駆動線に制御信号を供給する垂直走査回路として機能する第1回路と、ドライバ回路群と同一の構成の回路群を含む第2回路と、を有する。第2回路は、第1基板と第2基板との境界に対する平面視において、第1回路によって制御信号が供給される少なくとも一部の駆動線に重なる位置にある。第1回路によって制御信号が供給される少なくとも一部の駆動線は、第2回路に電気的に接続されていない駆動線を含む。第2基板は、境界に対する平面視において、第2回路に重なる位置に、制御信号とは異なる信号の伝達又は電力供給に使用される導電線を有する。【選択図】図6
Description
本発明は、光電変換装置及び機器に関する。
2枚の基板を互いに接合することによって形成される光電変換装置が知られている。特許文献1には、分割露光と一括露光とを組み合わせて光電変換装置の一方の基板を生成する技術が記載されている。
受光回路と垂直走査回路とを別々の基板に形成すると、受光回路に制御信号を供給するための駆動線と、垂直走査回路とを導電部材で接続することになる。垂直走査回路から延びるこの導電部材の近くに他の導電線が位置する場合に、この導電線を細くすることによって抵抗値が大きくなったり、導電部材と導電線との間にカップリングが発生したりすることがある。本発明は、垂直走査回路からの制御信号を伝える導電部材が他の導電線に与える影響を低減することを目的とする。
一部の実施形態によれば、第1基板と第2基板とが接合した光電変換装置であって、前記第1基板は、複数の受光回路がアレイ状に配置された受光アレイと、前記受光アレイに制御信号を供給するための複数の駆動線と、を有し、前記第2基板は、前記制御信号を生成するドライバ回路群を含み、前記複数の駆動線の少なくとも一部の駆動線に前記制御信号を供給する垂直走査回路として機能する第1回路と、前記ドライバ回路群と同一の構成の回路群を含む第2回路と、を有し、前記第2回路は、前記第1基板と前記第2基板との境界に対する平面視において、前記第1回路によって前記制御信号が供給される前記少なくとも一部の駆動線に重なる位置にあり、前記第1回路によって前記制御信号が供給される前記少なくとも一部の駆動線は、前記第2回路に電気的に接続されていない駆動線を含み、前記第2基板は、前記境界に対する平面視において、前記第2回路に重なる位置に、前記制御信号とは異なる信号の伝達又は電力供給に使用される導電線を有することを特徴とする光電変換装置が提供される。
上記手段により、垂直走査回路からの制御信号を伝える導電部材が他の導電線に与える影響を低減できる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置100の構造例について説明する。図1は、光電変換装置100の側面107に近い部分に着目した断面図である。光電変換装置100は、受光基板101と回路基板102とによって構成される。受光基板101と回路基板102とは互いに重ね合わされており、受光基板101と回路基板102との間の境界103において接合している。「接合」とは、受光基板101と回路基板102とが互いに重ね合わされた状態を維持することを意味し、その具体的手法に応じて「貼り合わせ」と表現されてもよい。
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置100の構造例について説明する。図1は、光電変換装置100の側面107に近い部分に着目した断面図である。光電変換装置100は、受光基板101と回路基板102とによって構成される。受光基板101と回路基板102とは互いに重ね合わされており、受光基板101と回路基板102との間の境界103において接合している。「接合」とは、受光基板101と回路基板102とが互いに重ね合わされた状態を維持することを意味し、その具体的手法に応じて「貼り合わせ」と表現されてもよい。
以下では、光電変換装置100が撮像に用いられる実施形態について主に説明する。この場合に、光電変換装置100は、画像を生成するための撮像素子(イメージセンサ)として使うことができる。また、光電変換装置100の他の例として、測距素子(焦点検出やTOF(Time Of Flight)を用いた距離測定等に用いられるセンサ)、測光素子(入射光量の測定等に用いられるセンサ)、LiDAR(Light Detection and Ranging)センサなどがある。以下に説明する実施形態は光電変換装置一般に適用できる。
光電変換装置100は、境界103に対する平面視において、受光領域104と、周辺領域105とを含む。受光領域104とは、複数の受光回路106が配列されている領域である。図1では、受光回路106がSPAD(Single Photon Avalanche Diode)センサを含む例を説明する。これにかえて、受光回路106は他の構造、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを含んでもよい。周辺領域105には、外部接続のための電極パッド111まで延びる開口110が形成されている。
受光基板101は、光学層120と、半導体層130と、配線層140と、接合層150とを有する。以下、受光基板101の各層の構成について具体的に説明する。
半導体層130は、複数の受光回路106が形成された半導体基板131を含む。半導体基板131は、例えばシリコンを材料とする。半導体基板131には、不純物領域132及び133が形成されている。不純物領域132は、SPADセンサのアノードとして機能する。不純物領域133は、SPADセンサのカソードとして機能する。このように、不純物領域132及び133によって受光回路106が構成される。
配線層140は、層間絶縁膜141と、層間絶縁膜141に埋め込まれた複数の導電パターン142~144と、複数のビア145とによって構成される。複数のビア145のそれぞれは、異なる導電パターン同士又は導電パターンと不純物領域とを互いに接続する。図1の例では3層の導電パターン142~144を示しているが、導電パターンの層数はこれに限られない。3層の導電パターン142~144のうち、導電パターン144が境界103に最も近く、導電パターン143が境界103にその次に近く、導電パターン142が境界103にその次に近い(すなわち、最も遠い)。
接合層150は、ビア151と、バリア膜152と、接合膜153と、複数の電極154とによって構成される。複数の電極154はいずれも境界103に面している。ビア151は、電極154と導電パターン144とを接続する。電極154と、ビア151とは、例えば銅を材料とする。
接合膜153は複数の電極154の周囲に配置されており、複数の電極154を互いに絶縁する。接合膜153は、境界103に面している。接合膜153は、例えば酸化物を材料とする。バリア膜152は、配線層140と接合膜153との間に位置する。バリア膜152は、例えば窒化物を材料とする。バリア膜152は、電極154の材料の銅が半導体層130へ拡散することを防ぐ。
光学層120は、光学層間膜122と、光学分離部材125と、カラーフィルタ層間膜121と、カラーフィルタ124と、マイクロレンズ123とによって構成される。光学分離部材125は、光学層間膜122に埋め込まれている。光学分離部材125は、隣接する受光回路106間の混色を抑制する。カラーフィルタ124は、カラーフィルタ層間膜121に埋め込まれている。マイクロレンズ123は、光学層120の方(図1において上側)から入射した光を受光回路106へ集光する。
回路基板102は、半導体層180と、配線層170と、接合層160とを有する。回路基板102は、受光回路106を制御するための制御信号を生成する回路及び受光回路106で発生した信号を処理するための回路などを有する。
半導体層180は、半導体基板181を含む。半導体基板181は、例えばシリコンを材料とする。半導体基板181には、不純物領域182が形成されている。また、半導体基板181の表面の一部を覆うようにゲート電極183が形成されている。不純物領域182及びゲート電極183によってトランジスタが形成される。このように、半導体層180には、複数の回路素子が形成されている。
配線層170は、層間絶縁膜171と、層間絶縁膜171に埋め込まれた複数の導電パターン172~174と、複数のビアとによって構成される。3層の導電パターン172~174のうち、導電パターン172が境界103に最も近く、導電パターン173が境界103にその次に近く、導電パターン174が境界103にその次に近い(すなわち、最も遠い)。導電パターン172~174はアルミニウムを材料としてもよい。
導電パターン172は、外部接続のための電極パッド111を含む。上述のように電極パッド111は開口110によって外部に露出されている。光電変換装置100をパッケージに実装する際に、電極パッド111にボンディングワイヤが接続される。電極パッド111は、ワイヤボンディングが可能なように、アルミニウムを材料としてもよい。
接合層160は、接合膜161と、バリア膜162と、複数の電極163とによって構成される。接合膜153と接合膜161とが接合し、電極154と電極163とが接合することによって、受光基板101と回路基板102とが接合する。
図2を参照して、第1実施形態に係る光電変換装置100の回路レイアウト例について説明する。回路レイアウトは、境界103に対する平面視におけるレイアウトである。以下の回路レイアウトについても同様である。図2(a)は受光基板101のレイアウト例を示し、図2(b)は回路基板102のレイアウト例を示す。図1に示す例において、光電変換装置100は、受光アレイ201と、複数のAD(アナログ・デジタル)変換部205と、複数のロジック部206と、複数のインタフェース(I/F)部207と、複数の垂直走査回路208とを有する。以下の説明において、複数の構成要素のうち個別の構成要素に着目する場合には参照符号に後にアルファベットの添え字を付す。例えば、AD変換器205aは、複数のAD変換器205の特定の1つのAD変換器を表す。
受光アレイ201は、受光基板101に含まれる。受光アレイ201には、受光回路106が2次元アレイ状に配置されている。受光回路106は、入射した光を電気信号に変換する。光電変換装置100が固体撮像装置として使用される場合に、受光回路106は画素回路とも呼ばれうる。受光基板101には、受光アレイ201の行ごとに設けられた複数の駆動線202と、受光アレイ201の列ごとに設けられた複数の信号線203とを含む。受光アレイ201の行とは、図1において左右方向に並んだ複数の受光回路106のことである。受光アレイ201の列とは、図1において上下方向に並んだ複数の受光回路106のことである。駆動線202は、受光アレイ201に制御信号を供給するための導電線である。信号線203は、受光アレイ201で生成された信号を伝達するための導電線である。
複数のAD変換部205と、複数のロジック部206と、複数のインタフェース部207と、複数の垂直走査回路208とは、回路基板102に含まれる。回路基板102は、左半分にある領域204aと、右半分にある領域204bとを含む。領域204aと領域204bとの一部の層は、共通のマスクセットを使用して2回に分けて形成されてもよい。例えば、半導体層180、導電パターン173及び174及びこれらの層の間のビアは、領域204aと領域204bとで共通のマスクセットを使用した分割露光によって形成されてもよい。その結果、半導体層180、導電パターン173及び174及びこれらの層の間のビアは、領域204aと領域204bとにおいて同一の回路構成を有する。一方、導電パターン172及びそれに接続されているビアは、一括露光によって形成されてもよい。図1(b)の例では、回路基板102を2つの領域204a及び204bに分割したが、回路基板102は、一部を除いて互いに同一の構成を有する3つ以上の領域に分割されてもよい。
複数の垂直走査回路208はいずれも、受光回路106へ供給される制御信号を生成可能である。垂直走査回路208と駆動線202との接続関係については後述する。垂直走査回路208a及び208bは領域204aに含まれる。垂直走査回路208c及び208dは領域204bに含まれる。領域204aと領域204bとが同一の回路構成を有するため、垂直走査回路208aと垂直走査回路208cとは同一の回路構成を有し、垂直走査回路208bと垂直走査回路208dとは同一の回路構成を有する。また、垂直走査回路208a~208dのすべてが同一の回路構成を有してもよい。
AD変換部205aは、受光アレイ201の一部の受光回路106で生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。ロジック部206aは、AD変換部205aからデジタル信号を読み出し、このデジタル信号を処理する。例えば、ロジック部206aは、デジタル信号に対して補正処理や補完処理などを行ってもよい。インタフェース部207は、ロジック部206aによって処理されたデジタル信号を光電変換装置100の外部に出力する。AD変換部205b~205d、ロジック部206b~206d及びインタフェース部207b~207dは、AD変換部205a、ロジック部206a及びインタフェース部207aと同様であるため、重複する説明を省略する。
AD変換部205、ロジック部206及びインタフェース部207によって、受光アレイ201で得られた信号を処理する処理回路210が構成される。回路基板102は、領域204aと領域204bとにそれぞれ別個の処理回路210を有する。具体的に領域204aは処理回路210aを含み、領域204bは処理回路210bを含む。処理回路210aと処理回路210bとは、回路基板102のうち導電パターン173以下の部分において同一の回路構成を有する。
処理回路210aと処理回路210bとは、最上位の導電パターンに含まれる導電線209によって電気的に接続されている。図2(b)の例では、AD変換部205aとAD変換部205cとが導電線209aによって電気的に接続されており、AD変換部205bとAD変換部205dとが導電線209bによって電気的に接続されている。導電線209a及び209bは、例えば、一括露光によって形成される回路基板102の最上位の導電パターン172に含まれる。
垂直走査回路208b及び208cは、処理回路210aと処理回路210bとの間に位置する。そのため、導電線209a及び209bはそれぞれ、境界103に対する平面視において、垂直走査回路208b及び208cに重なり、垂直走査回路208b及び208cに交差するように延在する。垂直走査回路208aは、処理回路210aと、光電変換装置100の縁との間に位置する。垂直走査回路208bは、処理回路210bと、光電変換装置100の縁との間に位置する。導電線209a及び209bはどちらも、境界103に対する平面視において、垂直走査回路208a及び208dに交差しない。処理回路210aは、垂直走査回路208aと垂直走査回路208bとの間に位置するとともに、垂直走査回路208aと垂直走査回路208cとの間にも位置する。処理回路210bは、垂直走査回路208dと垂直走査回路208bとの間に位置するとともに、垂直走査回路208dと垂直走査回路208cとの間にも位置する。垂直走査回路208b及び208cは、境界103に対する平面視において、受光アレイ201に重なる位置にある。垂直走査回路208a及び208dは、境界103に対する平面視において、受光アレイ201に重ならない位置にある。垂直走査回路208bは、垂直走査回路208cと処理回路210aとの間に位置する。垂直走査回路208cは、垂直走査回路208bと処理回路210bとの間に位置する。
図3の回路図を参照して、受光回路106の具体的な回路構成例について説明する。受光回路106は、入射した光を電気信号に変換する任意の構成をとりうる。図3では、その一例について説明するが、受光回路106は他の構成であってもよい。
図3に説明する例において、受光回路106は、光電変換素子301と、転送トランジスタ302と、増幅トランジスタ303と、選択トランジスタ304と、リセットトランジスタ305と、ゲイン変更トランジスタ306と、を含む。図3の例で、受光アレイ201の各行に対して4本の駆動線202が配置されている。駆動線202aは、制御信号SELを供給する。駆動線202bは、制御信号RESを供給する。駆動線202cは、制御信号FDINCを供給する。受光回路106の構成によっては、各行に対して2本以上の他の本数の駆動線が配置されていてもよいし、1本のみの駆動線が配置されてもよい。
光電変換素子301は、入射した光を電荷に変換し、この電荷を蓄積する。光電変換素子301は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタであってもよい。光電変換素子301は、CMOSセンサであってもよいし、SPADセンサであってもよい。
光電変換素子301は、転送トランジスタ302を通じてフローティングディフュージョン307に接続されている。転送トランジスタ302のゲートには垂直走査回路208から駆動線202dを通じて制御信号TXが供給される。制御信号TXがアクティブレベルになったことに応じて、転送トランジスタ302が導通状態となる。これに応じて、光電変換素子301に蓄積されていた信号電荷がフローティングディフュージョン307に転送される。フローティングディフュージョン307に付随する寄生容量によって、光電変換素子301から転送された電荷信号が電圧信号に変換される。
フローティングディフュージョン307は、増幅トランジスタ303のゲートにも接続されている。増幅トランジスタ303の一方の主電極は、選択トランジスタ304を介して信号線203に接続されている。増幅トランジスタ303の他方の主電極は、電源電圧VDDが供給される電源線308に接続されている。選択トランジスタ304のゲートには垂直走査回路208から駆動線202aを通じて制御信号SELが供給される。制御信号SELがアクティブレベルになったことに応じて、選択トランジスタ304が導通状態となる。これに応じて、増幅トランジスタ303の一方の主電極がAD変換部205の電流源402(図4)に接続される。これによって、増幅トランジスタ303はソースフォロワとして動作し、フローティングディフュージョン307の電位に応じた信号が信号線203に読み出される。
リセットトランジスタ305は、ゲイン変更トランジスタ306と電源線308との間に接続されている。リセットトランジスタ305のゲートには、垂直走査回路208から駆動線202bを通じて制御信号RESが供給される。制御信号RESがアクティブレベルになったことに応じて、リセットトランジスタ305が導通状態となる。これに応じて、フローティングディフュージョン307の電位が電源電圧VDDにリセットされる。
ゲイン変更トランジスタ306は、フローティングディフュージョン307とリセットトランジスタ305との間に接続されている。ゲイン変更トランジスタ306のゲートには、垂直走査回路208から駆動線202cを通じて制御信号FDINCが供給される。制御信号FDINCがアクティブレベルになったことに応じて、ゲイン変更トランジスタ306が導通状態となる。ゲイン変更トランジスタ306が導通状態となることによって、フローティングディフュージョン307による電荷電圧変換のゲインが変更される。
受光回路106は上述の構成に限られない。例えば、信号線203の本数は受光アレイ201の列に対して1本であってもよいし、2本以上であってもよい。1つの受光回路106に選択トランジスタ304が複数含まれてもよい。フローティングディフュージョン307は複数の光電変換素子301によって共有されてもよい。
図4の回路図を参照して、AD変換部205a及び205cの具体的な回路構成例について説明する。AD変換部205b及び205dについても同様であってもよいため、説明を省略する。AD変換部205は、アナログ信号をデジタル信号に変換する任意の構成をとりうる。図4では、その一例について説明するが、AD変換部205は他の構成であってもよい。
AD変換部205a及び205cは、受光アレイ201の列に対応する複数のAD変換回路400と、ランプ信号生成回路410と、カウンタ420とを有する。AD変換回路400と信号線203とは、導電部材401によって電気的に接続されている。導電部材401は、境界103に直交する方向に延在している。導電部材401は、配線層140、接合層150、接合層160及び配線層170に含まれる導電パターン(導電パターン142など)の一部分、ビア(ビア145など)、電極(電極154など)によって構成される。
AD変換回路400は、電流源402と、比較器403と、メモリ404及び405とを含む。電流源402は、導電部材401及び信号線203を通じて、受光回路106の増幅トランジスタ303に供給されるバイアス電流を生成する。
比較器403の反転入力端子に受光回路106からの信号が供給され、比較器403の非反転入力端子にランプ信号生成回路410からランプ信号が供給される。比較器403は、受光回路106からの信号とランプ信号との比較結果をメモリ404に供給する。メモリ404は、比較器403からの出力の値が反転した時点のカウンタ420のカウント値を記憶する。このカウント値が受光回路106からの信号のデジタル値を表す。メモリ404に記憶されたデジタル信号は、メモリ405に転送された後、ロジック部206によって読み出される。
図4では、図2(b)で示したAD変換部205a、205cを接続する導電線209aの一例として、ランプ信号を伝送する導電線209cを示している。 AD変換部205aに含まれるランプ信号生成回路410によって生成されるランプ信号は、AD変換部205aのAD変換回路400だけでなく、導電線209cを通じて、AD変換部205cのAD変換回路400にも供給される。共通のランプ信号を使用することによって、AD変換部205aとAD変換部205cとの特性の差が低減される。AD変換部205cのランプ信号生成回路410は、AD変換部205aのランプ信号生成回路410と同一の回路構成を有する。AD変換部205cのランプ信号生成回路410は、使用されず、非動作とされてもよい。図4の例では、複数のAD変換回路400に対して共通のカウンタ420が配置されている。これにかえて、AD変換回路400ごとに個別のカウンタ420が配置されてもよい。
図5の回路図を参照して、垂直走査回路208の具体的な回路構成例について説明する。垂直走査回路208a~208dのいずれもこの回路構成を有しうる。垂直走査回路208は、受光アレイ201の行ごとに対応して配置された行ドライバ回路500と、シフトレジスタ501とを有する。1つの行ドライバ回路500は、ドライバ回路510、520、530及び540を含むドライバ回路群を有する。図5では、左側に垂直走査回路208の全体構成を示し、右側に1つの行ドライバ回路500の構成を示す。
ドライバ回路510は、シフトレジスタ501から供給された制御信号SELINに応じて制御信号SELを生成し、導電部材511に供給する。導電部材511は、ドライバ回路510と駆動線202aとを電気的に接続する。ドライバ回路520は、シフトレジスタ501から供給された制御信号RESINに応じて制御信号RESを生成し、導電部材521に供給する。導電部材521は、ドライバ回路510と駆動線202bとを電気的に接続する。ドライバ回路530は、シフトレジスタ501から供給された制御信号FDINCINに応じて制御信号FDINCを生成し、導電部材531に供給する。導電部材531は、ドライバ回路510と駆動線202cとを電気的に接続する。ドライバ回路540は、シフトレジスタ501から供給された制御信号TXINに応じて制御信号TXを生成し、導電部材541に供給する。導電部材541は、ドライバ回路510と駆動線202dとを電気的に接続する。
導電部材511、521、531及び541はいずれも、垂直走査回路208(具体的に、行ドライバ回路500)から、境界103に直交する方向に延在している。導電部材511、521、531及び541は、配線層140、接合層150、接合層160及び配線層170に含まれる導電パターン(導電パターン142など)の一部分、ビア(ビア145など)、電極(電極154など)によって構成される。
図6及び図7を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との接続関係について説明する。図6(a)は、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dと、4つの垂直走査回路208a~208dとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係であってもよい。上述したように、導電線209aは、垂直走査回路208b及び208cと駆動線202との間に位置するものの、垂直走査回路208a及び208dと駆動線202との間に位置しない。
垂直走査回路208a、208b及び208dはそれぞれ、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。このように1本の駆動線202に対して基板の両端及び中央から制御信号を供給することによって、受光回路106を高速に制御することが可能となる。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係である場合に、垂直走査回路208a、208b及び208dは、受光アレイ201に対して配置された複数の駆動線202のすべてに電気的に接続されており、制御信号を供給する。
一方、垂直走査回路208cは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのいずれにも電気的に接続されていない。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係である場合に、垂直走査回路208cは、受光アレイ201に対して配置された複数の駆動線202の何れにも電気的に接続されていない。本明細書では、垂直走査回路208cのように、行ドライバ回路500を有していることによって制御信号を生成可能であるものの、制御信号をいずれの駆動線202にも供給できない回路も垂直走査回路と表す。
図7(a)は、図6(a)の領域601における導電パターン172(図2)のレイアウト例を示す。図7(a)において、領域701は、境界103に対する平面視において垂直走査回路208bに重なる位置を表し、領域702は、境界103に対する平面視において垂直走査回路208cに重なる位置を表す。
導電部材703は、導電パターン172のうち、導電部材541を構成する部分である。導電部材704は、導電パターン172のうち、導電部材531を構成する部分である。導電部材705は、導電パターン172のうち、導電部材521を構成する部分である。導電部材706は、導電パターン172のうち、導電部材511を構成する部分である。図7(a)において横方向に並んだ4つの導電部材703~706によって、受光アレイ201の1つの行に対する制御信号が供給される。図7(a)には、受光アレイ201の4つの行の導電部材703~706が示される。
領域701において、垂直走査回路208bから、境界103に直交する方向に導電部材511、521、531及び541が延在するため、導電パターン172は、導電部材703~706を含む。したがって、導電線209aは、導電部材703~706を回避するように一部が細くなった形状を有する。これにより、導電線209aは、領域701において、単位長あたりの抵抗値が周囲の部分と比較して大きくなる。
一方、領域702において、垂直走査回路208cから、境界103に直交する方向に導電部材511、521、531及び541が延在する必要がないため、導電パターン172は、導電部材703~706を含まなくてもよい。したって、導電線209aは、領域702において、単位長あたりの抵抗値は周囲の部分と同じである。また、領域701では、導電線209aと、導電部材703~706及びこれらに接続しているビアとの間にカップリングが発生する。しかし、領域702では、導電部材703~706及びこれらに接続しているビアが存在しないため、このようなカップリングが低減される。
このように、図6(a)及び図7(a)に示す接続関係では、垂直走査回路208b及び208cの一方のみを駆動線202に電気的に接続する。これによって、垂直走査回路208b及び208cの両方を駆動線202に電気的に接続する場合と比較して、導電線209aの抵抗及びカップリングを低減できる。すなわち、垂直走査回路208からの制御信号を伝える導電部材が、制御信号以外の信号を伝達する導電線209に与える影響を低減できる。
図6(a)及び図7(a)に示す接続関係では、境界103に対する平面視において受光アレイ201に重なる位置にある垂直走査回路208b及び208cの一方から駆動線202に制御信号を供給することによって、受光回路106を高速に制御する。これにかえて、垂直走査回路208b及び208cの両方を複数の駆動線202の何れにも電気的に接続しなくてもよい。この場合でも、垂直走査回路208a及び208dから複数の駆動線202のすべてへ制御信号を供給可能である。また、垂直走査回路208からの制御信号を伝える導電部材が他の導電線209に与える影響をさらに低減できる。
図6(b)及び図7(b)を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との他の接続関係について説明する。図6(a)及び図7(a)と同様であってもよい構成については説明を省略する。図6(b)は、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dと、4つの垂直走査回路208a~208dとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係であってもよい。
垂直走査回路208a及び208dはそれぞれ、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係である場合に、垂直走査回路208a及び208dは、受光アレイ201に対して配置された複数の駆動線202のすべてに電気的に接続されており、制御信号を供給する。
一方、垂直走査回路208cは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのうちの一部に電気的に接続されており、当該4本の駆動線202a~202dのうちの他の一部に電気的に接続されていない。具体的に、垂直走査回路208cは、駆動線202a及び202bに電気的に接続されており、駆動線202c及び202dに電気的に接続されていない。図6(b)に示される接続関係では、図6(a)に示される接続関係とは異なり、垂直走査回路208cは、複数の駆動線202の一部に制御信号を供給する垂直走査回路として機能する。
一方、垂直走査回路208bは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのうち、垂直走査回路208cに電気的に接続されていない駆動線202に電気的に接続されている。具体的に、垂直走査回路208bは、駆動線202c及び202dに電気的に接続されており、駆動線202a及び202bに電気的に接続されていない。図6(b)の接続関係であっても、このように1本の駆動線202に対して基板の両端及び中央から制御信号を供給することによって、受光回路106を高速に制御することが可能となる。
図7(b)は、図6(b)の領域602における導電パターン172(図2)のレイアウト例を示す。このレイアウト例においても、垂直走査回路208からの制御信号を伝える導電部材が、制御信号以外の信号を伝達する導電線209に与える影響を低減できる。 図6(c)及び図7(c)を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との他の接続関係について説明する。図6(a)及び図7(a)と同様であってもよい構成については説明を省略する。図6(c)は、受光アレイ201の2つの行に対する計8本の駆動線202a~202dと、2つの垂直走査回路208b及び208cとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の2行についても同様の接続関係であってもよい。垂直走査回路208a及び208dは、図6(a)の例と同様にすべての駆動線202に電気的に接続されていてもよいため、説明を省略する。
垂直走査回路208bのうち、受光アレイ201の1つの行604に対して配置された行ドライバ回路500aは、行604に対して配置された4本の駆動線202a~202dのいずれにも電気的に接続されていない。一方、垂直走査回路208bのうち、受光アレイ201の別の1つの行605に対して配置された行ドライバ回路500bは、行605に対して配置された4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。行604と行605とは互いに隣接していてもよい。
垂直走査回路208cのうち、受光アレイ201の行604に対して配置された行ドライバ回路500cは、行604に対して配置された4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。一方、垂直走査回路208cのうち、受光アレイ201の行605に対して配置された行ドライバ回路500dは、行605に対して配置された4本の駆動線202a~202dのいずれにも電気的に接続されていない。
図6(c)の接続関係であっても、このように1本の駆動線202に対して基板の両端及び中央から制御信号を供給することによって、受光回路106を高速に制御することが可能となる。
図7(c)は、図6(c)の領域602における導電パターン172(図2)のレイアウト例を示す。このレイアウト例においても、垂直走査回路208からの制御信号を伝える導電部材が、制御信号以外の信号を伝達する導電線209に与える影響を低減できる。 <第2実施形態>
図8及び図9を参照して、第2実施形態に係る光電変換装置100の構成例について説明する。第1実施形態と同様であってもよい構成については説明を省略する。
図8及び図9を参照して、第2実施形態に係る光電変換装置100の構成例について説明する。第1実施形態と同様であってもよい構成については説明を省略する。
図8を参照して、第2実施形態に係る光電変換装置100の回路レイアウト例について説明する。図8(a)は受光基板101のレイアウト例を示し、図8(b)は回路基板102のレイアウト例を示す。第2実施形態において、回路基板102のすべての層が一括露光によって形成されてもよい。そのため、回路基板102の中央に位置する垂直走査回路208は、垂直走査回路208fのみであってもよい。
垂直走査回路208fは、処理回路210aと処理回路210bとの間に位置する。そのため、導電線209a及び209bはそれぞれ、境界103に対する平面視において、垂直走査回路208fに重なり、垂直走査回路208fに交差するように延在する。垂直走査回路208eは、処理回路210aと、光電変換装置100の縁との間に位置する。垂直走査回路208gは、処理回路210bと、光電変換装置100の縁との間に位置する。導電線209a及び209bはどちらも、境界103に対する平面視において、垂直走査回路208fに交差するが、垂直走査回路208e及び208fに交差しない。処理回路210aは、垂直走査回路208eと垂直走査回路208fとの間に位置する。処理回路210bは、垂直走査回路208gと垂直走査回路208fとの間に位置する。垂直走査回路208fは、境界103に対する平面視において、受光アレイ201に重なる位置にある。垂直走査回路208e~208gのすべてが同一の回路構成を有してもよい。
図9を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との接続関係について説明する。図9は、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dと、3つの垂直走査回路208e~208gとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係であってもよい。導電線209aは、垂直走査回路208fと駆動線202との間に位置するものの、垂直走査回路208e及び208gと駆動線202との間に位置しない。
垂直走査回路208e及び208fはそれぞれ、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係である場合に、垂直走査回路208e及び208fは、受光アレイ201に対して配置された複数の駆動線202のすべてに電気的に接続されており、制御信号を供給する。
一方、垂直走査回路208fは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dの一部のみに電気的に接続されている。例えば、垂直走査回路208fは、駆動線202a及び202dに電気的に接続されており、駆動線202b及び202cに電気的に接続されていない。そのため、駆動線202a及び202dについては、回路基板102の中央からも制御信号が供給されるため、駆動線202b及び202cと比較して高速な制御を実現できる。また、垂直走査回路208fが4本の駆動線202のうちの一部に電気的に接続されていないため、垂直走査回路208からの制御信号を伝える導電部材が、制御信号以外の信号を伝達する導電線209に与える影響を低減できる。
<第3実施形態>
図10及び図11を参照して、第3実施形態に係る光電変換装置100の構成例について説明する。第1実施形態と同様であってもよい構成については説明を省略する。
図10及び図11を参照して、第3実施形態に係る光電変換装置100の構成例について説明する。第1実施形態と同様であってもよい構成については説明を省略する。
図10を参照して、第3実施形態に係る光電変換装置100の回路レイアウト例について説明する。図10(a)は受光基板101のレイアウト例を示し、図10(b)は回路基板102のレイアウト例を示す。第3実施形態において、回路基板102のすべての層が一括露光によって形成されてもよい。第3実施形態では、回路基板102は、回路基板102の中央(すなわち、受光アレイ201に重なる位置)に垂直走査回路208を含まない。
回路基板102は、左側の縁に、外部接続用の電極パッド(例えば、電極パッド111)が配置されたパッド領域1000aを有する。回路基板102は、右側の縁に、外部接続用の電極パッド(例えば、電極パッド111)が配置されたパッド領域1000bを有する。回路基板102は、垂直走査回路208h及び208iを有する。垂直走査回路208hは、処理回路210とパッド領域1000aとの間に位置する。パッド領域1000aは、垂直走査回路208hと光電変換装置100の縁との間に位置する。垂直走査回路208iは、処理回路210とパッド領域1000bとの間に位置する。パッド領域1000bは、垂直走査回路208iと光電変換装置100の縁との間に位置する。垂直走査回路208h及び208iは、境界103に対する平面視において、受光アレイ201に重ならない位置にある。
処理回路210とパッド領域1000a内の電極パッドとは、導電線1001によって電気的に接続されている。導電線1001は、信号の伝達又は電力供給に使用される。導電線1001は、境界103に対する平面視において、垂直走査回路208hに重なり、垂直走査回路208hに交差するように延在する。
処理回路210とパッド領域1000b内の電極パッドとは、導電線1002によって電気的に接続されている。導電線1002は、信号の伝達又は電力供給に使用される。垂直走査回路208h及び208iは同一の回路構成を有してもよい。導電線1002は、境界103に対する平面視において、垂直走査回路208iに重なり、垂直走査回路208iに交差するように延在する。
図11を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との接続関係について説明する。図11(a)は、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dと、2つの垂直走査回路208h及び208iとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係であってもよい。垂直走査回路208hと駆動線202との間に導電線1001が位置し、垂直走査回路208iと駆動線202との間に導電線1002が位置する。
垂直走査回路208hは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係である場合に、垂直走査回路208hは、受光アレイ201に対して配置された複数の駆動線202のすべてに電気的に接続されており、制御信号を供給する。
一方、垂直走査回路208iは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dの一部のみに電気的に接続されている。例えば、垂直走査回路208iは、駆動線202a及び202dに電気的に接続されており、駆動線202b及び202cに電気的に接続されていない。そのため、駆動線202a及び202dについては、回路基板102の両側から制御信号が供給されるため、駆動線202b及び202cと比較して高速な制御を実現できる。また、垂直走査回路208iが4本の駆動線202のうちの一部に電気的に接続されていないため、垂直走査回路208iからの制御信号を伝える導電部材が、導電線1002に与える影響を低減できる。
図11(b)を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との他の接続関係について説明する。図11(a)と同様であってもよい構成については説明を省略する。図11(b)は、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dと、4つの垂直走査回路208h及び208iとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の行についても同様の接続関係であってもよい。
垂直走査回路208iは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのうちの一部に電気的に接続されており、当該4本の駆動線202a~202dのうちの他の一部に電気的に接続されていない。具体的に、垂直走査回路208iは、駆動線202a及び202bに電気的に接続されており、駆動線202c及び202dに電気的に接続されていない。
一方、垂直走査回路208hは、受光アレイ201の1つの行に対する4本の駆動線202a~202dのうち、垂直走査回路208iに電気的に接続されていない駆動線202に電気的に接続されている。具体的に、垂直走査回路208hは、駆動線202c及び202dに電気的に接続されており、駆動線202a及び202bに電気的に接続されていない。図11(b)の接続関係であっても、それぞれの駆動線202に対して制御信号が供給される。このレイアウト例においても、垂直走査回路208h及び208iからの制御信号を伝える導電部材が、導電線1001及び1002に与える影響を低減できる。
図11(c)を参照して、垂直走査回路208と駆動線202との他の接続関係について説明する。図11(a)と同様であってもよい構成については説明を省略する。図11(c)は、受光アレイ201の2つの行に対する計8本の駆動線202a~202dと、2つの垂直走査回路208h及び208iとの接続関係を示す。受光アレイ201の他の2行についても同様の接続関係であってもよい。
垂直走査回路208hのうち、受光アレイ201の1つの行604に対して配置された行ドライバ回路500aは、行604に対して配置された4本の駆動線202a~202dのいずれにも電気的に接続されていない。一方、垂直走査回路208hのうち、受光アレイ201の別の1つの行605に対して配置された行ドライバ回路500bは、行605に対して配置された4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。行604と行605とは互いに隣接していてもよい。
垂直走査回路208iのうち、受光アレイ201の行604に対して配置された行ドライバ回路500cは、行604に対して配置された4本の駆動線202a~202dのすべてに電気的に接続されている。一方、垂直走査回路208iのうち、受光アレイ201の行605に対して配置された行ドライバ回路500dは、行605に対して配置された4本の駆動線202a~202dのいずれにも電気的に接続されていない。
図11(c)の接続関係であっても、それぞれの駆動線202に対して制御信号が供給される。このレイアウト例においても、垂直走査回路208h及び208iからの制御信号を伝える導電部材が、導電線1001及び1002に与える影響を低減できる。
<変形例>
上述の第1実施形態及び第2実施形態において、垂直走査回路208に交差する導電線209は、ランプ信号を伝達した。これにかえて、垂直走査回路208に交差する導電線209は、制御信号とは異なる他の信号の伝達に使用されてもよいし、電力供給に使用されてもよい。例えば、導電線209は、AD変換部205の電源電圧又は接地電圧を伝送してもよいし、バイアス電圧を伝送してもよいし、パルス信号を伝送してもよい。
上述の第1実施形態及び第2実施形態において、垂直走査回路208に交差する導電線209は、ランプ信号を伝達した。これにかえて、垂直走査回路208に交差する導電線209は、制御信号とは異なる他の信号の伝達に使用されてもよいし、電力供給に使用されてもよい。例えば、導電線209は、AD変換部205の電源電圧又は接地電圧を伝送してもよいし、バイアス電圧を伝送してもよいし、パルス信号を伝送してもよい。
上述の実施形態では、回路基板102に配置されたすべての垂直走査回路208が、境界103に対する平面視において、複数の駆動線202のすべてに重なる位置にある。これにかえて、垂直走査回路208は、複数の駆動線202の一部のみに重なってもよい。例えば、垂直走査回路208aが2分割され、一方が複数の駆動線202の上半分を走査し、他方が駆動線202の下半分を走査してもよい。
<その他の実施形態>
図12(a)を参照しながら、半導体装置1203を備える機器1200に係る実施形態について詳細に説明する。半導体装置1203は、上述の何れの実施形態の光電変換装置であってもよい。半導体装置1203は、半導体デバイス1201と、半導体デバイス1201を収容するパッケージ1202とを含んでもよい。パッケージ1202は、半導体デバイス1201が固定された基体と、半導体デバイス1201に対向するガラスなどの蓋体と、を含んでもよい。パッケージ1202は、基体に設けられた端子と半導体デバイス1201に設けられた端子(ボンディングパッド)とを接続するボンディングワイヤやバンプなどの接合部材をさらに含んでもよい。
図12(a)を参照しながら、半導体装置1203を備える機器1200に係る実施形態について詳細に説明する。半導体装置1203は、上述の何れの実施形態の光電変換装置であってもよい。半導体装置1203は、半導体デバイス1201と、半導体デバイス1201を収容するパッケージ1202とを含んでもよい。パッケージ1202は、半導体デバイス1201が固定された基体と、半導体デバイス1201に対向するガラスなどの蓋体と、を含んでもよい。パッケージ1202は、基体に設けられた端子と半導体デバイス1201に設けられた端子(ボンディングパッド)とを接続するボンディングワイヤやバンプなどの接合部材をさらに含んでもよい。
機器1200は、光学装置1204、制御装置1205、処理装置1206、表示装置1207、記憶装置1208、および機械装置1209の少なくともいずれかを備えてもよい。光学装置1204は、例えばレンズやシャッター、ミラーである。制御装置1205は、半導体装置1203を制御する。制御装置1205は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの半導体装置である。
処理装置1206は、半導体装置1203から出力された信号を処理する。処理装置1206は、AFE(アナログフロントエンド)あるいはDFE(デジタルフロントエンド)を構成するための、CPU(Central Processing Unit)やASICなどの半導体装置である。表示装置1207は、半導体装置1203で得られた情報(画像)を表示する、EL(Electro-Luminescence)表示装置や液晶表示装置である。記憶装置1208は、半導体装置1203で得られた情報(画像)を記憶する、磁気デバイスや半導体デバイスである。記憶装置1208は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリ、又はフラッシュメモリやハードディスクドライブなどの不揮発性メモリである。
機械装置1209は、モーターやエンジンなどの可動部又は推進部を有する。機器1200では、半導体装置1203から出力された信号を表示装置1207に表示したり、機器1200が備える通信装置(不図示)によって外部に送信したりする。そのために、機器1200は、半導体装置1203が有する記憶回路や演算回路とは別に、記憶装置1208や処理装置1206をさらに備えてもよい。機械装置1209は、半導体装置1203から出力され信号に基づいて制御されてもよい。
また、機器1200は、撮影機能を有する情報端末(例えばスマートフォンやウェアラブル端末)やカメラ(例えばレンズ交換式カメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ)などの電子機器に適する。カメラにおける機械装置1209は、ズーミングや合焦、シャッター動作のために光学装置1204の部品を駆動してもよい。これにかえて、カメラにおける機械装置1209は防振動作のために半導体装置1203を移動してもよい。
また、機器1200は、車両や船舶、飛行体などの輸送機器であり得る。輸送機器における機械装置1209は移動装置として用いられてもよい。輸送機器としての機器1200は、半導体装置1203を輸送するものや、撮影機能により運転(操縦)の補助および/または自動化を行うものであってもよい。運転(操縦)の補助および/または自動化のための処理装置1206は、半導体装置1203で得られた情報に基づいて移動装置としての機械装置1209を操作するための処理を行ってもよい。これにかえて、機器1200は、内視鏡などの医療機器や、分析測距センサなどの計測機器、電子顕微鏡のような分析機器、複写機などの事務機器であってもよい。
図12(b)及び図12(c)を用いて、撮像システム及び移動体に係る実施形態について説明する。図12(b)は、車載カメラに関する撮像システム1210の一例を示したものである。撮像システム1210は、光電変換装置1211を有する。光電変換装置1211は、上述の実施形態の何れの光電変換装置であってもよい。撮像システム1210は、光電変換装置1211により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う処理装置である画像処理部1212を有する。また、撮像システム1210は、光電変換装置1211により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う処理装置である視差取得部1213を有する。さらに、撮像システム1210は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する処理装置である距離取得部1214と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する処理装置である衝突判定部1215と、を有する。ここで、視差取得部1213や距離取得部1214は、対象物までの距離情報等の情報を取得する情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部1215はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。上述した各種の処理装置は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールに基づいて演算を行う汎用のハードウェアによって実現されてもよい。また、処理装置は、FPGA、ASIC等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
撮像システム1210は、車両情報取得装置1216と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム1210は、衝突判定部1215での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU1217に接続されている。すなわち、制御ECU1217は、距離情報に基づいて移動体を制御する移動体制御手段の一例である。また、撮像システム1210は、衝突判定部1215での判定結果に基づいて、ドライバへ警報を発する警報装置1218にも接続されている。例えば、衝突判定部1215の判定結果として衝突可能性が高い場合に、制御ECU1217はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置1218は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム1210で撮像する。図12(c)に、車両前方(撮像範囲1219)を撮像する場合の撮像システム1210を示した。車両情報取得装置1216は、撮像システム1210を動作させ撮像を実行させるように指示を送る。
以上の説明では、他の車両と衝突しないように制御する例を述べたが、他の車両に追従して自動運転する制御、車線からはみ出さないように自動運転する制御等にも適用可能である。更に、撮像システムは、自動車等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(輸送機器)に適用することができる。移動体(輸送機器)における移動装置はエンジン、モーター、車輪、プロペラなどの各種の移動手段である。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
以上、説明した実施形態は、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。なお、本明細書の開示内容は、本明細書に記載したことのみならず、本明細書および本明細書に添付した図面から把握可能な全ての事項を含む。また本明細書の開示内容は、本明細書に記載した概念の補集合を含んでいる。すなわち、本明細書に例えば「AはBよりも大きい」旨の記載があれば、「AはBよりも大きくない」旨の記載を省略しても、本明細書は「AはBよりも大きくない」旨を開示しているといえる。なぜなら、「AはBよりも大きい」旨を記載している場合には、「AはBよりも大きくない」場合を考慮していることが前提だからである。発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100 光電変換装置、101 受光基板、102 回路基板、202 駆動線、208 垂直走査回路、209 導電線
Claims (15)
- 第1基板と第2基板とが接合した光電変換装置であって、
前記第1基板は、
複数の受光回路がアレイ状に配置された受光アレイと、
前記受光アレイに制御信号を供給するための複数の駆動線と、を有し、
前記第2基板は、
前記制御信号を生成するドライバ回路群を含み、前記複数の駆動線の少なくとも一部の駆動線に前記制御信号を供給する垂直走査回路として機能する第1回路と、
前記ドライバ回路群と同一の構成の回路群を含む第2回路と、を有し、
前記第2回路は、前記第1基板と前記第2基板との境界に対する平面視において、前記第1回路によって前記制御信号が供給される前記少なくとも一部の駆動線に重なる位置にあり、
前記第1回路によって前記制御信号が供給される前記少なくとも一部の駆動線は、前記第2回路に電気的に接続されていない駆動線を含み、
前記第2基板は、前記境界に対する平面視において、前記第2回路に重なる位置に、前記制御信号とは異なる信号の伝達又は電力供給に使用される導電線を有することを特徴とする光電変換装置。 - 前記第2回路は、前記複数の駆動線の少なくとも一部に前記制御信号を供給する垂直走査回路として機能することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記受光アレイの各行に対して2本以上の駆動線が配置されており、
前記第2回路は、前記受光アレイの1つの行に対する2本以上の駆動線の一部に電気的に接続されており、当該2本以上の駆動線の他の一部に電気的に接続されていないことを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。 - 前記受光アレイの各行に対して2本以上の駆動線が配置されており、
前記第2回路は、
前記受光アレイの1つの行に対する2本以上の駆動線の何れにも電気的に接続されておらず、
前記受光アレイの別の1つの行に対する2本以上の駆動線の何れかに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換装置。 - 第2回路は、前記複数の駆動線の何れにも電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記受光アレイの各行に対して2本以上の駆動線が配置されており、
前記第1回路は、前記受光アレイの1つの行に対する2本以上の駆動線のすべてに電気的に接続されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第2基板は、前記第1回路と前記第2回路との間に、前記受光アレイで得られた信号を処理する処理回路をさらに有することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の光電変換装置。
- 前記第2基板は、
前記制御信号を生成するドライバ回路群を含み、前記複数の駆動線の少なくとも一部の駆動線に前記制御信号を供給する垂直走査回路として機能する第3回路をさらに有し、
前記第3回路は、前記処理回路と前記第2回路との間に位置することを特徴とする請求項7に記載の光電変換装置。 - 前記複数の駆動線は、
前記第2回路に電気的に接続されておらず、前記第3回路に電気的に接続されている駆動線を含むことを特徴とする請求項8に記載の光電変換装置。 - 前記第2基板は、回路素子が形成された半導体層を含み、
前記半導体層は、それぞれ同一の回路構成を有する第1領域及び第2領域を含み、
前記第1回路は、前記第1領域に含まれ、
前記第2回路は、前記第2領域に含まれることを特徴とする請求項2乃至9の何れか1項に記載の光電変換装置。 - 前記導電線は、前記第1領域に形成された回路と、前記第2領域に形成された回路とを電気的に接続することを特徴とする請求項10に記載の光電変換装置。
- 前記第2回路は、前記境界に対する平面視において、前記受光アレイに重なる位置にあることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の光電変換装置。
- 前記第2回路は、前記境界に対する平面視において、前記受光アレイと前記光電変換装置の縁との間に位置することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の光電変換装置。
- 前記第2基板は、前記境界に対する平面視において、第2回路と前記光電変換装置の縁との間に位置する電極パッドをさらに有し、
前記導電線は、前記電極パッドに電気的に接続されていることを特徴とする請求項13に記載の光電変換装置。 - 請求項1乃至14の何れか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置に対応した光学装置、
前記光電変換装置を制御する制御装置、
前記光電変換装置から出力された信号を処理する処理装置、
前記光電変換装置で得られた情報を表示する表示装置、
前記光電変換装置で得られた情報を記憶する記憶装置、及び
前記光電変換装置で得られた情報に基づいて動作する機械装置、の少なくともいずれかと、を備える機器。
Priority Applications (2)
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JP2021028981A JP7630298B2 (ja) | 2021-02-25 | 光電変換装置及び機器 | |
US17/674,906 US11616925B2 (en) | 2021-02-25 | 2022-02-18 | Photoelectric conversion apparatus and equipment |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021028981A JP7630298B2 (ja) | 2021-02-25 | 光電変換装置及び機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022130037A true JP2022130037A (ja) | 2022-09-06 |
JP7630298B2 JP7630298B2 (ja) | 2025-02-17 |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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