JP2022124394A - 開閉弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】可撓性に優れた開閉弁を提供する。【解決手段】開閉弁1は、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2と、磁力によって弾性空間部を変形させる弾性空間部変形生起要素6と、を備えており、弾性空間部変形生起要素は、前記磁力による前記弾性空間部変形生起要素と前記硬磁性弾性体との引き合い力もしくは反発力と、前記弾性空間部および前記硬磁性弾性体の少なくともいずれか1つの復元力と、これらの力の合力と、の少なくともいずれか1つによって弾性空間部2を変形させ、弾性空間部内に形成された空間S1を開く開放モードと、前記空間を閉じる閉鎖モードと、を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、開閉弁に関する。
従来の開閉弁としては、例えば、板状の磁性材料からなるダイヤフラムに弾性体を取り付けた電磁弁がある(例えば、特許文献1参照。)。前記電磁弁は、コイルばねによる付勢力によって前記ダイヤフラムとともに前記弾性体を液体出入口の開口から離間させ、これによって、前記電磁弁は開状態となる。また、前記電磁弁は、ソレノイドコイルが発生する磁力によって前記ダイヤフラムとともに前記弾性体を液体出入口の開口に接近させ、これによって、前記電磁弁は閉状態となる。
しかしながら、上記従来の開閉弁において、ダイヤフラムは合金を用いるものである。このため、上記従来の開閉弁は、弁体が剛性でありその用途は限られている。したがって、上記従来の開閉弁は、可撓性が求められる開閉弁の利用が困難であった。
本発明の目的は、可撓性に優れた開閉弁を提供することである。
本発明に係る開閉弁は、硬磁性弾性体を含む弾性空間部と、磁力によって前記弾性空間部を変形させる弾性空間部変形生起要素と、を備えており、前記弾性空間部変形生起要素は、前記磁力による前記弾性空間部変形生起要素と前記硬磁性弾性体との引き合い力もしくは反発力と、前記弾性空間部および前記硬磁性弾性体の少なくともいずれか1つの復元力と、これらの力の合力と、の少なくともいずれか1つによって前記弾性空間部を変形させ、前記弾性空間部内に形成された空間を開く開放モードと、前記空間を閉じる閉鎖モードと、を行う。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性空間部は、弾性空間部本体と、前記硬磁性弾性体とを、備えており、前記硬磁性弾性体は、前記弾性空間部本体の外側に固定されており、前記弾性空間部変形生起要素は、前記弾性空間部の外側に設けられている。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性空間部の少なくとも一部は、前記硬磁性弾性体によって形成されており、前記弾性空間部変形生起要素は、前記弾性空間部の外側に設けられている。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性弁体は、前記硬磁性弾性体によって形成されている。
本発明に係る開閉弁は、初期状態において、前記空間が閉じられているものとすることができる。
本発明に係る開閉弁は、初期状態において、前記空間が開かれているものとすることができる。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性空間部は、前記硬磁性弾性体を含むチューブであるものとすることができる。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性空間部は、ロータリーベーンおよびロータリーベーンケースを備えており、前記ロータリーベーンおよび前記ロータリーベーンケースの少なくともいずれか一方は、前記硬磁性弾性体を含んでいるものとすることができる。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性空間部は、シート部材を備えており、前記シート部材は、前記硬磁性弾性体を含むものとすることができる。
本発明に係る開閉弁において、前記弾性空間部変形生起要素は、電磁石であるものとすることができる。
本発明によれば、可撓性に優れた開閉弁を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の、様々な実施形態に係る開閉弁について、説明を行う。なお、以下の説明において、実質的に同一の構成には、同一の符号を使用する。
本実施形態に係る開閉弁1は、硬磁性弾性体を含む弾性空間部と、磁力によって前記弾性空間部を変形させる弾性空間部変形生起要素と、を備えている。前記弾性空間部変形生起要素は、前記磁力による前記弾性空間部変形生起要素と前記硬磁性弾性体との引き合い力もしくは反発力と、前記弾性空間部および前記硬磁性弾性体の少なくともいずれか1つの復元力と、これらの力の合力と、の少なくともいずれか1つによって前記弾性空間部を変形させ、前記弾性空間部内に形成された空間S1を開く開放モードと、前記空間S1を閉じる閉鎖モードと、を行う。
この明細書中では、用語の意味を次のとおりに定義する。
「磁性」には、「硬磁性」と「軟磁性」とが含まれる。
「硬磁性」とは、「保磁力が大きく、自発磁化性を有し、自ら磁力(又は磁場)を発生する性質」をいう。また、「硬磁性体」とは、いわゆる磁石であり、「硬磁性を有する、物体又は物質」をいう。「硬磁性弾性体」とは、「硬磁性体のうち、硬磁性を有する、弾性体」をいう。
「軟磁性」とは、「磁力(又は磁場)を受けると応答するが、自らは磁力(又は磁場)を発生しない性質」をいう。また、「軟磁性体」とは、「軟磁性を有する、物体又は物質」をいう。更に、「軟磁性弾性体」とは、「軟磁性体のうち、軟磁性を有する、弾性体」をいう。
1:硬磁性弾性体を含むチューブを使用した開閉弁
以下、硬磁性弾性体を含むチューブを使用した開閉弁1について説明をする。
以下、硬磁性弾性体を含むチューブを使用した開閉弁1について説明をする。
まず、弾性空間部変形生起要素と硬磁性弾性体とが弾性空間部本体を挟む位置に配置されている開閉弁を例示する。
<開閉弁1A>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、開閉弁1Aの要部を模式的に示した図である。図1中、図面左側は、開閉弁1Aの初期状態及び開放状態を示し、図面右側は、開閉弁1Aの閉鎖状態を示す。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、開閉弁1Aの要部を模式的に示した図である。図1中、図面左側は、開閉弁1Aの初期状態及び開放状態を示し、図面右側は、開閉弁1Aの閉鎖状態を示す。
図面左側を参照すれば、開閉弁1Aは、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2を備えている。本実施形態では、弾性空間部2は、弾性空間部本体3と、硬磁性弾性体5とを、備えている。本実施形態では、弾性空間部2は、弾性空間部本体3と硬磁性弾性体5とを別体に形成し、弾性空間部本体3と硬磁性弾性体5とを固定させることによって形成されている。すなわち、開閉弁1Aは、弾性空間部本体3と、硬磁性弾性体5とを積層させた積層部分を弾性空間部2に含む。
弾性空間部本体3は、対向壁3aと対向壁3bとの2つの対向壁を備えている。2つの対向壁3a,3bは、開閉弁1の中心軸線O1(以下、「中心軸線O1」ともいう。)を挟んで対向する位置に配置された壁である。本実施形態では、例えば、対向壁3aは上壁であり、対向壁3bは下壁である。ただし、対向壁3a及び3bは、上下方向の対向する位置に配置される場合に限定されるものではなく、左右方向(水平方向)に配置するなど、中心軸線O1の周りの任意の対向位置に配置することができる。図面左側に示すように、開閉弁1Aの初期状態において、2つの対向壁3a,3bは中心軸線O1を挟んで離間している。これによって、開閉弁1Aの初期状態において、2つの対向壁3a,3bの間には、容積V1の空間S1が形成されている。例えば、弾性空間部本体3が弾性チューブである場合、前記弾性チューブの弾性力によって、当該弾性チューブの中空状態を維持させている。これによって、図面左側に示すように、開閉弁1Aの初期状態において、2つの対向壁3a,3bの間には、空間S1を形成することができる。なお、本実施形態では、対向壁3aの位置は固定されていることが好ましい。
空間S1には、流通対象物Mが流通している。本実施形態では、弾性空間部本体3が弾性チューブである場合、開閉弁1Aは、流通対象物Mを流通させるための通路Rの一部となる。流通対象物Mとしては、例えば、気体、液体、流体、スラリー、粉体が挙げられる。
硬磁性弾性体5は、例えば、永久磁石と弾性体との両方の機能を兼ね備えた永久磁石弾性体である。本実施形態では、図面左側に示すように、硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5(弾性空間部2)の動作方向(軸直方向)において分極している。硬磁性弾性体5の外面5f1と内面5f2とでは、異なる磁極を有している。具体例としては、硬磁性弾性体5の外面5f1がS極(N極)である場合、当該硬磁性弾性体5の内面5f2は、N極(S極)である。
硬磁性弾性体5は、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。本実施形態では、硬磁性弾性体5は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの一方の位置(本実施形態では、下壁の位置)であって、弾性空間部本体3よりも外側の位置に配置されている。具体的には、硬磁性弾性体5は、弾性空間部本体3の対向壁3bの外面3f1に固定されている。
なお、本明細書において、「外面」とは、「軸直方向外側の面」をいう。また、本明細書において、「内面」とは、軸直方向内側の面をいう。ここで、「軸直方向」とは、中心軸線O1に対して直交する方向をいう。また、「軸直方向外側」とは、軸直方向のうち、中心軸線O1よりも遠い側をいう。さらに、「軸直方向内側」とは、軸直方向のうち、中心軸線O1に近い側をいう。
前記弾性空間部変形生起要素は、磁力によって弾性空間部2を変形させることができる。前記磁力は、硬磁性弾性体と前記弾性空間部変形生起要素との相互作用によって、弾性空間部2と前記弾性空間部変形生起要素との間に生じる磁力である。前記弾性空間部変形生起要素は、磁性体によって構成することができる。本実施形態では、前記弾性空間部変形生起要素は、電磁石6である。電磁石6は、弾性空間部2の外側に設けられている。
ここで、「外側に設けられている」とは、「外面に固定されていること」、「(固定されることなく)外面に接していること」、「外面に対して間隔を置いて配置されていること」、のいずれか1つの意味を含む。
本実施形態では、電磁石6は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの硬磁性弾性体とは異なる他方の位置であって、弾性空間部本体3よりも外側に設けられている。具体的には、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3aの外側に設けられている。より具体的には、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3aの外面3f1に接していることが好ましい。例えば、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3aの外面3f1に固定することができる。ただし、電磁石6は、弾性空間部2に接していなくてもよい。例えば、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3aの外面3f1に対して間隔を置いて配置することができる。なお、本実施形態において、電磁石6の位置は、例えば、当該電磁石6を開閉弁筐体などに固定させることによって、固定させることができる。
(開閉弁1Aの基本動作)
開閉弁1Aは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Aを開閉させることができる。以下、開閉弁1Aの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Aは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Aを開閉させることができる。以下、開閉弁1Aの基本的な動作について説明をする。
初期状態(開放状態):開動作(開放モード)
本実施形態において、開閉弁1Aの初期状態は、電磁石6がOFF(非通電状態)である。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は開かれている。本実施形態では、空間S1は、弾性空間部本体3の弾性力によって維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Aの初期状態は、電磁石6がOFF(非通電状態)である。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は開かれている。本実施形態では、空間S1は、弾性空間部本体3の弾性力によって維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をON(通電状態)にする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の内側の磁極N(S)と異なる磁極S(N)である。これによって、図面右側に示すように、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力65aは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、弾性空間部本体3の対向壁3bが対向壁3aに向かって移動する。これによって、特に、本実施形態によれば、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2は最終的に対向壁3bの内面3f2と接触する。これによって、図面右側に示すように、空間S1は完全に閉じられる。すなわち、電磁石6をONにすると、開閉弁1Aは、図面左側に示すように、閉じられる。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。
電磁石6をON(通電状態)にする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の内側の磁極N(S)と異なる磁極S(N)である。これによって、図面右側に示すように、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力65aは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、弾性空間部本体3の対向壁3bが対向壁3aに向かって移動する。これによって、特に、本実施形態によれば、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2は最終的に対向壁3bの内面3f2と接触する。これによって、図面右側に示すように、空間S1は完全に閉じられる。すなわち、電磁石6をONにすると、開閉弁1Aは、図面左側に示すように、閉じられる。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。
開放状態:開動作(開放モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Aを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3bが対向壁3aから離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Aは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。このように、本実施形態において、開閉弁1Aの開動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Aの開動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を開く場合、開閉弁1Aによれば、電磁石6に通じる電流の向きを閉動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力を発生させることができる。この場合、弾性体(弾性空間部2)の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Aの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との反発力を用いることが好ましい。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Aを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3bが対向壁3aから離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Aは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。このように、本実施形態において、開閉弁1Aの開動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Aの開動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を開く場合、開閉弁1Aによれば、電磁石6に通じる電流の向きを閉動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力を発生させることができる。この場合、弾性体(弾性空間部2)の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Aの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との反発力を用いることが好ましい。
また、開閉弁1Aの開動作は、磁力のみによって行うことができる。例えば、開閉弁1Aの開動作は、上述のとおり、電磁石6において、閉動作の際とは異なる向きに電流を流すことにより行うことができる。この場合、電磁石6に発生する磁極が硬磁性弾性体5の内側の磁極と同じ磁極になることにより、硬磁性弾性体5と電磁石6との間に反発力が発生する。これによって、空間S1は、弾性体(弾性空間部2)の弾性力の有無にかかわらず、開かれる。
上述のとおり、開閉弁1Aによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Aによれば、空間S1内を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
なお、開閉弁1Aにおいて、弾性空間部本体3の対向壁3aの位置は固定されている。これによって、弾性空間部本体3全体が硬磁性弾性体5の移動に追従することなく、2つの対向壁3a,3bは、互いに接近及び離間させることができる。具体例として、対向壁3aは、支持台、装置(収納ケース)、作業テーブル(作業ステージ)に固定することができる。ただし、本発明によれば、対向壁3aを固定しておくことは必須ではない。対向壁3aの位置の固定は、例えば、弾性空間部本体3に対して、中心軸線O1に沿った一定の張力を加えることによって省略することができる。この場合、弾性空間部本体3全体が硬磁性弾性体5の移動に追従することなく、2つの対向壁3a,3bは、互いに接近及び離間させることができる。
また、開閉弁1Aによれば、硬磁性弾性体5は、2つの対向壁3a,3bのうちの、少なくともいずれか一方に固定することができる。例えば、硬磁性弾性体5は、対向壁3aの外面3f1に固定することができる。この場合、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3bの外側に設ける。
開閉弁1Aにおいて、硬磁性弾性体5の位置を固定したうえで、電磁石6を軸直方向に移動させるか当該電磁石6のON/OFFを行うかのいずれか少なくとも一方を行っている。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3bの変形を生起させることができる。
電磁石6を移動させる場合、開閉弁1Aを駆動させる方法としては、例えば、電磁石6をONにして移動させる方法と、電磁石6のON/OFF制御と当該電磁石6の移動との組み合わせる方法が挙げられる。これらの方法は、例えば、前記弾性空間部変形生起要素として永久磁石を利用する場合に応用することができる。ただし、開閉弁1Aは、電磁石6の位置を固定することによって、空間S1の開放及び閉鎖を行うことができる。
また、開閉弁1Aは、図面右側の状態を初期状態とすることができる。すなわち、弾性空間部本体3は、図面右側のような、空間S1が閉じられた状態を初期状態とすることができる。この場合、開閉弁1Aの初期状態において、電磁石6は、ONである。あるいは、弾性空間部本体3は、当該弾性空間部本体3の弾性力によって、図面右側のような状態を初期状態とすることができる。弾性空間部本体3の弾性力によって空間S1が閉じられた状態を初期状態とする場合、電磁石6は、開閉弁1Aの初期状態において、OFFにすることができる。ただし、この場合、電磁石6は、硬磁性弾性体5の外側であって、当該硬磁性弾性体5に対して間隔を置いた位置に配置する。これによって、開閉弁1Aは、電磁石6のON/OFFによって、弾性空間部本体3の対向壁3bを変形させることができる。
<開閉弁1B>
図2は、本発明の第2の実施形態に係る、開閉弁1Bの要部を模式的に示した図である。図2中、図面左側は、開閉弁1Bの初期状態及び閉鎖状態を示し、図面右側は、開閉弁1Bの開放状態を示す。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る、開閉弁1Bの要部を模式的に示した図である。図2中、図面左側は、開閉弁1Bの初期状態及び閉鎖状態を示し、図面右側は、開閉弁1Bの開放状態を示す。
図面左側を参照すれば、開閉弁1Bは、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2を備えている。本実施形態では、弾性空間部2は、弾性空間部本体3と、硬磁性弾性体5と、を備えている。
図面左側に示すように、開閉弁1Bの初期状態において、弾性空間部本体3の、2つの対向壁3a,3bは接している。具体的には、対向壁3aの内面3f2と対向壁3bの内面3f2とは接触している。すなわち、開閉弁1Bの初期状態では、空間S1は閉じられている。例えば、弾性空間部本体3が弾性チューブである場合、前記弾性チューブの弾性力によって、当該弾性チューブは、完全に潰された状態に維持されている。
硬磁性弾性体5は、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。本実施形態では、硬磁性弾性体5は、開閉弁1Aと同様、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの一方の位置であって、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。具体的には、弾性空間部本体3の対向壁3bの外面3f1に固定されている。
前記弾性空間部変形生起要素は、磁力によって弾性空間部2を変形させることができる。前記磁力は、磁性弾性体と前記弾性空間部変形生起要素との相互作用によって、弾性空間部2と前記弾性空間部変形生起要素との間に生じる磁力である。前記弾性空間部変形生起要素は、磁性体によって構成することができる。本実施形態では、前記弾性空間部変形生起要素は、電磁石6である。電磁石6は、弾性空間部2の外側に設けられている。
(開閉弁1Bの基本動作)
開閉弁1Bは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Bを開閉させることができる。以下、開閉弁1Bの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Bは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Bを開閉させることができる。以下、開閉弁1Bの基本的な動作について説明をする。
初期状態(閉鎖状態):閉動作(閉鎖モード)
本実施形態において、開閉弁1Bの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は、閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。本実施形態では、空間S1は、弾性空間部本体3の弾性力によって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Bを停止させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Bの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は、閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。本実施形態では、空間S1は、弾性空間部本体3の弾性力によって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Bを停止させることができる。
開放状態:開動作(開放モード)
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の内側の磁極N(S)と同じ磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。具体的には、図面右側に示すように、空間S1は、2つの対向壁3a,3bの間に形成される。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の内側の磁極N(S)と同じ磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。具体的には、図面右側に示すように、空間S1は、2つの対向壁3a,3bの間に形成される。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
閉鎖状態(停止状態):閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Bを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに近づく向きに移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは、最終的に接触する。これによって、図面左側に示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Bは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Bの閉動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Bの閉動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を閉じる場合、開閉弁1Bによれば、電磁石6に通じる電流の向きを開動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力を発生させることができる。この場合、弾性体(弾性空間部2)の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。また、この場合、弾性体の復元力のみに依るよりも、閉じる力を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Bの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との引き合い力を用いることが好ましい。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Bを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに近づく向きに移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは、最終的に接触する。これによって、図面左側に示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Bは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Bの閉動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Bの閉動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を閉じる場合、開閉弁1Bによれば、電磁石6に通じる電流の向きを開動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力を発生させることができる。この場合、弾性体(弾性空間部2)の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。また、この場合、弾性体の復元力のみに依るよりも、閉じる力を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Bの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との引き合い力を用いることが好ましい。
また、開閉弁1Bの閉動作は、磁力のみによって行うことができる。例えば、開閉弁1Bの閉動作は、上述のとおり、電磁石6において、開動作の際とは逆向きに電流を流すことにより行うことができる。この場合、電磁石6に発生する磁極が硬磁性弾性体5の内側の磁極と異なる磁極になることにより、硬磁性弾性体5と電磁石6との間に引き合い力が発生する。これによって、空間S1は、弾性体の弾性力の有無にかかわらず、閉じられる。
上述のとおり、開閉弁1Bによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Bによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
なお、開閉弁1Bにおいて、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3aに固定されている。これによって、電磁石6は、対向壁3aとともに、弾性空間部2の動作方向に移動させることができる。また、開閉弁1Bにおいて、硬磁性弾性体5は、弾性空間部本体3の対向壁3bに固定されている。これによって、硬磁性弾性体5は、対向壁3bとともに、弾性空間部2の動作方向に移動させることができる。すなわち、開閉弁1Bにおいて、当該開閉弁1Bの動作は、硬磁性弾性体5及び電磁石6を互いに自由な位置に移動させることによって実現される。このため、開閉弁1Bは、硬磁性弾性体5の位置又は電磁石6の位置を固定させることなく、使用することができる。
また、開閉弁1Bは、図面右側の状態を初期状態とすることができる。すなわち、弾性空間部本体3は、空間S1が維持された状態を初期状態とすることができる。この場合、開閉弁1Bの初期状態は、電磁石6をONにして電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力F65rを生じさせることによって維持することができる。なお、弾性空間部本体3の弾性力によって空間S1が開かれた状態を初期状態とする場合、電磁石6は、開閉弁1Bの初期状態において、OFFにすることができる。
<開閉弁1C>
図3は、本発明の第3の実施形態に係る、開閉弁1Cの要部を模式的に示した図である。図3中、図面左側は、開閉弁1Cの初期状態及び閉鎖状態を示し、図面右側は、開閉弁1Cの開放状態を示す。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る、開閉弁1Cの要部を模式的に示した図である。図3中、図面左側は、開閉弁1Cの初期状態及び閉鎖状態を示し、図面右側は、開閉弁1Cの開放状態を示す。
図面左側を参照すれば、開閉弁1Cは、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2を備えている。本実施形態では、弾性空間部2は、弾性空間部本体3と、硬磁性弾性体5とを、備えている。
図面左側に示すように、開閉弁1Cの初期状態において、弾性空間部本体3の、2つの対向壁3a,3bは接している。すなわち、開閉弁1Cの初期状態では、空間S1は閉じられている。例えば、弾性空間部本体3が弾性チューブである場合、前記弾性チューブの弾性力によって、当該弾性チューブは、完全に潰された状態に維持されている。なお、本実施形態では、対向壁3bの位置は固定されている。
硬磁性弾性体5は、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。本実施形態では、硬磁性弾性体5は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの他方の位置であって、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。具体的には、弾性空間部本体3の対向壁3aの外面3f1に固定されている。
弾性空間部変形生起要素は、電磁石6である。電磁石6は、弾性空間部2の外側に設けられている。本実施形態では、電磁石6は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの他方の位置であって、弾性空間部2よりも外側の位置に配置されている。具体的には、電磁石6は、硬磁性弾性体5の外面5f1に対して間隔を置いて配置されている。本実施形態では、電磁石6の位置は固定されている。
(開閉弁1Cの基本動作)
開閉弁1Cは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Cを開閉させることができる。以下、開閉弁1Cの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Cは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Cを開閉させることができる。以下、開閉弁1Cの基本的な動作について説明をする。
初期状態(閉鎖状態):閉動作(閉鎖モード)
本実施形態において、開閉弁1Cの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。本実施形態では、空間S1は、当該弾性空間部本体3の弾性力によって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Cを停止させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Cの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。本実施形態では、空間S1は、当該弾性空間部本体3の弾性力によって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Cを停止させることができる。
開放状態:開動作(開放モード)
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力F65aは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bから離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。具体的には、図面右側に示すように、空間S1は、2つの対向壁3a,3bの間に形成される。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力F65aは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bから離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。具体的には、図面右側に示すように、空間S1は、2つの対向壁3a,3bの間に形成される。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
閉鎖状態(停止状態):閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Cを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bに向かって移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2は最終的に対向壁3bの内面3f2と接触する。これによって、図面左側に示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Cは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Cの閉動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Cの閉動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を閉じる場合、開閉弁1Cによれば、電磁石6に通じる電流の向きを開動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力を発生させることができる。この場合、弾性体(弾性空間部2)の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。また、この場合、弾性体の復元力のみに依るよりも、閉じる力を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Cの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との反発力を用いることが好ましい。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Cを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bに向かって移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2は最終的に対向壁3bの内面3f2と接触する。これによって、図面左側に示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Cは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Cの閉動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Cの閉動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を閉じる場合、開閉弁1Cによれば、電磁石6に通じる電流の向きを開動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力を発生させることができる。この場合、弾性体(弾性空間部2)の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。また、この場合、弾性体の復元力のみに依るよりも、閉じる力を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Cの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との反発力を用いることが好ましい。
また、開閉弁1Cの閉動作は、磁力のみによって行うことができる。例えば、開閉弁1Cの閉動作は、上述のとおり、電磁石6において、開動作の際とは異なる向きに電流を流すことにより行うことができる。この場合、電磁石6に発生する磁極が硬磁性弾性体5の内側の磁極と同じ磁極になることにより、硬磁性弾性体5と電磁石6との間に反発力が発生する。これによって、空間S1は、弾性体の弾性力の有無にかかわらず、閉じられる。
上述のとおり、開閉弁1Cによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Cによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
また、開閉弁1Cは、図面右側の状態を初期状態とすることができる。すなわち、弾性空間部本体3は、空間S1が維持された状態を初期状態とすることができる。この場合、開閉弁1Bの初期状態は、電磁石6をONにして電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力F65aを生じさせることによって維持することができる。なお、弾性空間部本体3の弾性力によって空間S1が開かれた状態を初期状態とする場合、電磁石6は、開閉弁1Cの初期状態において、OFFにすることができる。
<開閉弁1D>
図4は、本発明の第4の実施形態に係る、開閉弁1Dの要部を模式的に示した図である。図4中、図面左側は、開閉弁1Dの初期状態及び開放状態を示し、図面右側は、開閉弁1Dの閉鎖状態を示す。開閉弁1Dは、開閉弁1Cの変形例である。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る、開閉弁1Dの要部を模式的に示した図である。図4中、図面左側は、開閉弁1Dの初期状態及び開放状態を示し、図面右側は、開閉弁1Dの閉鎖状態を示す。開閉弁1Dは、開閉弁1Cの変形例である。
図面左側に示すように、開閉弁1Dの初期状態において、2つの対向壁3a,3bは中心軸線O1を挟んで離間している。これによって、開閉弁1Dの初期状態において、弾性空間部本体3の、2つの対向壁3a,3bの間には、空間S1が形成されている。例えば、弾性空間部本体3が弾性チューブである場合、前記弾性チューブの弾性力によって、当該弾性チューブの中空状態を維持させている。これによって、開閉弁1Dの初期状態において、2つの対向壁3a,3bの間には、空間S1を形成することができる。
(開閉弁1Dの基本動作)
開閉弁1Dは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる、特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Dを開閉させることができる。以下、開閉弁1Dの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Dは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる、特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Dを開閉させることができる。以下、開閉弁1Dの基本的な動作について説明をする。
初期状態(開放状態):開動作(開放モード)
本実施形態において、開閉弁1Dの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は維持されている。本実施形態では、空間S1は、弾性空間部本体3の弾性力によって維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Dの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は維持されている。本実施形態では、空間S1は、弾性空間部本体3の弾性力によって維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と同じ磁極S(N)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bに向かって移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2は最終的に対向壁3bの内面3f2と接触する。これによって、図面右側に示すように、空間S1は完全に閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Dは、図面右側に示すように、閉じられる。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と同じ磁極S(N)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、弾性空間部本体3の弾性力(復元力)よりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bに向かって移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2は最終的に対向壁3bの内面3f2と接触する。これによって、図面右側に示すように、空間S1は完全に閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Dは、図面右側に示すように、閉じられる。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。
開放状態(停止状態):開動作(開放モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Dを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bから離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Dは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。このように、本実施形態において、開閉弁1Dの開動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Dの開動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を開く場合、開閉弁1Dによれば、電磁石6に通じる電流の向きを閉動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力を発生させることができる。この場合、弾性体の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Dの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との引き合い力を用いることが好ましい。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Dを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、弾性空間部本体3の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aが対向壁3bから離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Dは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。このように、本実施形態において、開閉弁1Dの開動作は、弾性空間部2(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Dの開動作は、弾性空間部2の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。空間S1を開く場合、開閉弁1Dによれば、電磁石6に通じる電流の向きを閉動作の場合とは逆にすることができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力を発生させることができる。この場合、弾性体の復元力のみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Dの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との引き合い力を用いることが好ましい。
また、開閉弁1Dの開動作は、磁力のみによって行うことができる。例えば、開閉弁1Dの開動作は、上述のとおり、電磁石6において、閉動作の際とは異なる向きに電流を流すことにより行うことができる。この場合、電磁石6に発生する磁極が硬磁性弾性体5の内側の磁極と異なる磁極になることにより、硬磁性弾性体5と電磁石6との間に引き合い力が発生する。これによって、空間S1は、弾性体の弾性力の有無にかかわらず、開かれる。
上述のとおり、開閉弁1Dによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Dによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
なお、開閉弁1C、1Dにおいて、弾性空間部本体3は、硬磁性弾性体5と電磁石6(弾性空間部変形生起要素)との間に存在しない。すなわち、弾性空間部本体3は、硬磁性弾性体5と電磁石6との間の磁束の外に位置している。このため、弾性空間部本体3の対向壁3bの位置が固定されていない場合、弾性空間部本体3全体が硬磁性弾性体5の移動に追従してしまう。したがって、開閉弁1C、1Dのような開閉弁の場合、弾性空間部本体の2つの対向壁のうち、硬磁性弾性体5が固定されてない対向壁の位置を固定することが好ましい。開閉弁1C、1Dでは、弾性空間部本体3の対向壁3bの位置を固定している。
上述のとおり、開閉弁1C、1Dでは、弾性空間部本体3の対向壁3bの位置を固定している。これによって、弾性空間部本体3全体が硬磁性弾性体5の移動に追従することなく、2つの対向壁3a,3bは、互いに接近及び離間させることができる。具体例として、対向壁3bは、支持台、装置(収納ケース)、作業テーブル(作業ステージ)、開閉弁筐体に固定することができる。ただし、本発明によれば、対向壁3bを固定しておくことは必須ではない。対向壁3bの位置の固定は、例えば、弾性空間部本体3(弾性空間部2)に対して、中心軸線O1に沿った一定の張力を加えることによって省略することができる。この場合、弾性空間部本体3全体が硬磁性弾性体5の移動に追従することなく、2つの対向壁3a,3bは、互いに接近及び離間させることができる。
なお、開閉弁1A~1Dにおいて、硬磁性弾性体5は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの一方又は他方(片側)の位置に配置されている。ただし、開閉弁1A~1Dによれば、硬磁性弾性体5は、2つの対向壁3a,3bのうちのいずれか一方に固定することができる。例えば、開閉弁1Bにおいて、硬磁性弾性体5は、対向壁3aの外側に設けることができる。この場合、電磁石6は、弾性空間部本体3の対向壁3bの外側に設けることができる。
また、本発明によれば、硬磁性弾性体5は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置に配置することができる。
<開閉弁1E>
図5は、本発明の第5の実施形態に係る、開閉弁1Eの要部を模式的に示した図である。図5中、図面左側は、開閉弁1Eの初期状態及び閉鎖状態を示し、図面右側は、開閉弁1Eの開放状態を示す。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る、開閉弁1Eの要部を模式的に示した図である。図5中、図面左側は、開閉弁1Eの初期状態及び閉鎖状態を示し、図面右側は、開閉弁1Eの開放状態を示す。
図面左側を参照すれば、開閉弁1Eは、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2を備えている。本実施形態では、弾性空間部2は、弾性空間部本体3と、硬磁性弾性体5とを、備えている。
図面左側に示すように、開閉弁1Eの初期状態において、弾性空間部本体3の、2つの対向壁3a,3bは接している。すなわち、開閉弁1Eの初期状態では、空間S1は閉じられている。本実施形態では、後述するように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、磁力による引き合い力F55aによって接触している。例えば、弾性空間部本体3が弾性チューブである場合、上記引き合い力F55aによって、当該弾性チューブは、完全に潰された状態に維持されている。
開閉弁1Eにおいて、弾性空間部2は、2つの硬磁性弾性体5a,5bを備えている。2つの硬磁性弾性体5a,5bは、それぞれ、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。本実施形態では、硬磁性弾性体5aは、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの他方の位置であって、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。具体的には、硬磁性弾性体5aは、弾性空間部本体3の対向壁3aの外面3f1に固定されている。また、本実施形態では、硬磁性弾性体5bは、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの一方の位置であって、弾性空間部本体3の外面3f1に固定されている。具体的には、硬磁性弾性体5bは、弾性空間部本体3の対向壁3bの外面3f1に固定されている。
弾性空間部生起変形要素は、電磁石6である。開閉弁1Eは、2つの電磁石6a,6bを備えている。2つの電磁石6a,6bは、それぞれ、弾性空間部2の外側に設けられている。本実施形態では、電磁石6aは、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの他方の位置であって、硬磁性弾性体5よりも外側の位置に配置されている。具体的には、電磁石6aは、硬磁性弾性体5aの外面5f1に対して間隔を置いて配置されている。また、本実施形態では、電磁石6bは、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの一方の位置であって、硬磁性弾性体5よりも外側の位置に配置されている。具体的には、電磁石6bは、硬磁性弾性体5bの外面5f1に対して間隔を置いて配置されている。
(開閉弁1Eの基本動作)
開閉弁1Eは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる、特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Eを開閉させることができる。以下、開閉弁1Eの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Eは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる、特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Eを開閉させることができる。以下、開閉弁1Eの基本的な動作について説明をする。
初期状態(閉鎖状態):閉動作(閉鎖モード)
本実施形態において、開閉弁1Eの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。このとき、本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2と、硬磁性弾性体5bの内面5f2とは、中心軸線O1を挟んで対向する位置に配置されている。加えて、本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2に生じる磁極N(S)は、硬磁性弾性体5bの内面5f2に生じる磁極S(N)と異なっている。これによって、硬磁性弾性体5aと硬磁性弾性体5bとには、それぞれ、磁力による引き合い力F55aが生じている。弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、引き合い力F55aによって互いに近づく向きに移動する。本実施形態では、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは接触している。したがって、開閉弁1Eの初期状態において、空間S1は、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する引き合い力F55aによって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Eを停止させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Eの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図面左側に示すように、空間S1は閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。このとき、本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2と、硬磁性弾性体5bの内面5f2とは、中心軸線O1を挟んで対向する位置に配置されている。加えて、本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2に生じる磁極N(S)は、硬磁性弾性体5bの内面5f2に生じる磁極S(N)と異なっている。これによって、硬磁性弾性体5aと硬磁性弾性体5bとには、それぞれ、磁力による引き合い力F55aが生じている。弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、引き合い力F55aによって互いに近づく向きに移動する。本実施形態では、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは接触している。したがって、開閉弁1Eの初期状態において、空間S1は、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する引き合い力F55aによって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Eを停止させることができる。
開放状態:開動作(開放モード)
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力F65aは、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する引き合い力F55aよりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。具体的には、図面右側に示すように、空間S1は、2つの対向壁3a,3bの間に形成される。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力F65aは、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する引き合い力F55aよりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。具体的には、図面右側に示すように、空間S1は、2つの対向壁3a,3bの間に形成される。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Eを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する引き合い力F55aの影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに近づく向きに移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは、最終的に接触する。これによって、図面左側に示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Eは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作は、硬磁性弾性体5どうしの引き合い力F55aによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって行うことができる。本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6に通じる電流の向きを開動作の場合とは逆にすることによって行うことができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力を発生させることができる。この場合、硬磁性弾性体5どうしの引き合い力F55aのみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。また、この場合、硬磁性弾性体5どうしの引き合い力F55aのみに依るよりも、閉じる力を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Eの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との反発力を用いることが好ましい。さらに、本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、弾性体(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力を付加することによって行うことが可能であるが、弾性体の弾性力の有無は任意である。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Eを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する引き合い力F55aの影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに近づく向きに移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは、最終的に接触する。これによって、図面左側に示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Eは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作は、硬磁性弾性体5どうしの引き合い力F55aによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって行うことができる。本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6に通じる電流の向きを開動作の場合とは逆にすることによって行うことができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に反発力を発生させることができる。この場合、硬磁性弾性体5どうしの引き合い力F55aのみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。また、この場合、硬磁性弾性体5どうしの引き合い力F55aのみに依るよりも、閉じる力を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Eの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との反発力を用いることが好ましい。さらに、本実施形態において、開閉弁1Eの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、弾性体(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力を付加することによって行うことが可能であるが、弾性体の弾性力の有無は任意である。
上述のとおり、開閉弁1Eによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Eによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
また、開閉弁1Eは、図面右側の状態を初期状態とすることができる。すなわち、弾性空間部本体3は、空間S1が維持された状態を初期状態とすることができる。この場合、開閉弁1Eの初期状態は、電磁石6をONにして電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力F65aを生じさせることによって維持することができる。
<開閉弁1F>
図6は、本発明の第6の実施形態に係る、開閉弁1Fの要部を模式的に示した図である。図6中、図面左側は、開閉弁1Fの初期状態及び開放状態を示し、図面右側は、開閉弁1Fの閉鎖状態を示す。開閉弁1Fは、開閉弁1Eの変形例である。
図6は、本発明の第6の実施形態に係る、開閉弁1Fの要部を模式的に示した図である。図6中、図面左側は、開閉弁1Fの初期状態及び開放状態を示し、図面右側は、開閉弁1Fの閉鎖状態を示す。開閉弁1Fは、開閉弁1Eの変形例である。
図面左側に示すように、開閉弁1Fの初期状態において、2つの対向壁3a,3bは中心軸線O1を挟んで離間している。これによって、開閉弁1Fの初期状態において、弾性空間部本体3の、2つの対向壁3a,3bの間には、空間S1が形成されている。後述するように、本実施形態では、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、磁力による反発力F55rによって離間している。これによって、開閉弁1Fの初期状態において、空間S1は維持されている。
(開閉弁1Fの基本動作)
開閉弁1Fは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Fを開閉させることができる。以下、開閉弁1Fの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Fは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる。特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Fを開閉させることができる。以下、開閉弁1Fの基本的な動作について説明をする。
初期状態(開放状態):開動作(開放モード)
本実施形態において、開閉弁1Fの初期状態は、電磁石6がOFFである。図面左側に示すように、開閉弁1Fの初期状態において、空間S1は維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2と、硬磁性弾性体5bの内面5f2とは、中心軸線O1を挟んで対向する位置に配置されている。加えて、本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2に生じる磁極N(S)は、硬磁性弾性体5bの内面5f2に生じる磁極N(S)と同じ磁極である。これによって、硬磁性弾性体5aと硬磁性弾性体5bとには、それぞれ、磁力による反発力F55rが生じている。弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、反発力F55rによって互いに離れた位置に離間している。したがって、本実施形態では、空間S1は、反発力F55rによって維持されている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Fを開放させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Fの初期状態は、電磁石6がOFFである。図面左側に示すように、開閉弁1Fの初期状態において、空間S1は維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2と、硬磁性弾性体5bの内面5f2とは、中心軸線O1を挟んで対向する位置に配置されている。加えて、本実施形態では、硬磁性弾性体5aの内面5f2に生じる磁極N(S)は、硬磁性弾性体5bの内面5f2に生じる磁極N(S)と同じ磁極である。これによって、硬磁性弾性体5aと硬磁性弾性体5bとには、それぞれ、磁力による反発力F55rが生じている。弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、反発力F55rによって互いに離れた位置に離間している。したがって、本実施形態では、空間S1は、反発力F55rによって維持されている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Fを開放させることができる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と同じ磁極S(N)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する反発力F55rよりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに近づく向きに移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは、最終的に接触する。これによって、図面右側に示すように、空間S1は完全に閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Fは、図面右側に示すように、閉じられる。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。
電磁石6をONにする。このとき、図面右側に示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と同じ磁極S(N)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する反発力F55rよりも強くする。その結果、図面右側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに近づく向きに移動する。これによって、弾性空間部本体3の対向壁3aの内面3f2と、当該弾性空間部本体3の対向壁3bの内面3f2とは、最終的に接触する。これによって、図面右側に示すように、空間S1は完全に閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Fは、図面右側に示すように、閉じられる。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。したがって、流通対象物Mの流通は、遮断される。
開放状態(停止状態):開動作(開放モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Fを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する反発力F55rの影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Fは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。このように、本実施形態において、開閉弁1Fの開動作は、硬磁性弾性体5どうしの反発力F55rによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Fの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって行うことができる。本実施形態において、開閉弁1Fの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6に通じる電流の向きを閉動作の場合とは逆にすることによって行うことができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力を発生させることができる。この場合、硬磁性弾性体5どうしの反発力F55rのみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Fの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との引き合い力を用いることが好ましい。さらに、本実施形態において、開閉弁1Fの開動作もまた、他の開閉弁と同様、弾性体(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力を付加することによって行うことが可能であるが、弾性体の弾性力の有無は任意である。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Fを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、2つの硬磁性弾性体5a,5bに対する反発力F55rの影響が支配的となる。その結果、図面左側に示すように、弾性空間部本体3の対向壁3aと、当該弾性空間部本体3の対向壁3bとは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Fは、図面左側に示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。このように、本実施形態において、開閉弁1Fの開動作は、硬磁性弾性体5どうしの反発力F55rによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Fの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって行うことができる。本実施形態において、開閉弁1Fの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6に通じる電流の向きを閉動作の場合とは逆にすることによって行うことができる。これによって、電磁石6と硬磁性弾性体5との間に引き合い力を発生させることができる。この場合、硬磁性弾性体5どうしの反発力F55rのみに依るよりも、復元速度を大きくすることができる。したがって、開閉弁1Fの場合、弾性体の復元力と併せ、電磁石6と硬磁性弾性体5との引き合い力を用いることが好ましい。さらに、本実施形態において、開閉弁1Fの開動作もまた、他の開閉弁と同様、弾性体(弾性空間部本体3及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力を付加することによって行うことが可能であるが、弾性体の弾性力の有無は任意である。
上述のとおり、開閉弁1Fによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Fによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
なお、開閉弁1E,1Fの説明では、電磁石6のON/OFFは、電磁石6a及び電磁石6bの両方で行っていたが、開閉弁1E,1Fによれば、電磁石6のON/OFFは、電磁石6a及び電磁石6bの少なくとも一方で行うことができる。
また、開閉弁1E,1Fにおいて、硬磁性弾性体5と電磁石6との相互作用は、電磁石6と当該電磁石6に近い硬磁性弾性体5との間の相互作用のみを考慮している。また、電磁石6と当該電磁石6から遠い硬磁性弾性体5との間の相互作用は無視することができると考えられる。
2:硬磁性弾性体を含むシート部材を使用した開閉弁
以下、硬磁性弾性体を含むシート部材を使用した開閉弁1について説明をする。
以下、硬磁性弾性体を含むシート部材を使用した開閉弁1について説明をする。
<開閉弁1G>
図7Aは、本発明の第7実施形態である開閉弁1Gの初期状態及び閉鎖状態を概略的に示す断面図である。また、図7Bは、開閉弁1Gの開放状態を概略的に示す断面図である。
図7Aは、本発明の第7実施形態である開閉弁1Gの初期状態及び閉鎖状態を概略的に示す断面図である。また、図7Bは、開閉弁1Gの開放状態を概略的に示す断面図である。
図7Bを参照すれば、開閉弁1Gは、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2を備えている。弾性空間部2は、対向壁11と対向壁12との2つの対向壁を備えている。2つの対向壁11,12は、中心軸線O1を挟んで対向する位置に配置された壁である。本実施形態では、対向壁11は、シート部材である。図7Bに示すように、開閉弁1Gにおいて、対向壁11と、対向壁12とは、中心軸線O1を挟んで離間することによって、対向壁11と対向壁12との間に、容積V1の空間S1を形成することができる。また、この場合、開閉弁1Gは、流通対象物Mを流通させるための通路Rの一部となる。なお、本実施形態では、対向壁12の位置は固定されている。これによって、本実施形態では、対向壁11は、弁体として機能し、対向壁12は、弁座として機能する。
本実施形態において、対向壁11は、硬磁性弾性体5と、対向壁本体13とを備えている。対向壁本体13は、弁体本体として機能する。本実施形態において、対向壁本体13は、変形及び復元が可能な弾性材料からなる。こうした弾性材料としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、高分子弾性体等が挙げられる。また、本実施形態において、対向壁本体13は、シート部材である。硬磁性弾性体5は、対向壁本体13の外面13f1に固定されている。これにより、対向壁本体13は、磁力を受けた硬磁性弾性体5の動きに追従して変形することができる。なお、本実施形態では、硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5の外面5f1がN極であり、当該硬磁性弾性体5の内面5f2は、S極である。
対向壁本体13の内面13f2は、図7Aに示すように、開閉弁1Gの初期状態において、対向壁12の内面12f2に接触している。対向壁12の内面12f2は、対向壁本体13の内面13f2とともに、空間S1を開放可能な封止面として機能する。本発明によれば、対向壁12を形成する材質自体には、磁力(磁場)に対する応答性は必須ではない。このため、対向壁12には、様々な材質によって形成することができる。対向壁12は、非磁性体とすることができる。ここで、「非磁性」とは、「磁力(又は磁場)を受けても応答することなく、自ら磁力(又は磁場)を発生しない性質という。前記非磁性体としては、例えば、銅、金、銀、亜鉛、鉛等の金属、樹脂、ガラス、セラミック、木材等の非金属が挙げられる。また、対向壁12は、例えば、磁性体とすることができる。
本実施形態では、弾性空間部生起変形要素は、2つの弾性空間部生起変形要素を含む。本実施形態では、一方の弾性空間部生起変形要素は、電磁石6である。電磁石6は、弾性空間部2の外側に設けられている。本実施形態では、電磁石6は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの他方の位置であって、硬磁性弾性体5よりも外側の位置に配置されている。具体的には、電磁石6は、硬磁性弾性体5の外面5f1に対して間隔を置いて配置されている。また、本実施形態では、他の弾性空間部生起変形要素として、軟磁性体7が設けられている。本実施形態では、軟磁性体7は、対向壁12に設けられている。具体的には、軟磁性体7は、中心軸線O1を挟んで対向する2つの位置のうちの他方の位置であって、対向壁12の内部に設けられている。この場合、他の弾性空間部生起変形要素としての、軟磁性体7が追加されたことによって、開閉弁1Gの閉鎖状態を、より強固なものとすることができる。ただし、軟磁性体7は省略することもできる。
本実施形態において、軟磁性体7は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の軟磁性金属によって形成されている。軟磁性体7は、例えば、対向壁12に埋設し、又は、対向壁12の内面12f2と反対の面(対向壁12の外面12f1)に配置することができる。この場合、対向壁本体13は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との磁力による引き合い力F75によって対向壁12に向かって歪む。これによって、対向壁本体13は、開閉弁1Gの初期状態において、対向壁12に接触している。したがって、開閉弁1Gは、図7Aのとおり、開閉弁1Gの初期状態において、空間S1は閉じられている。
これに対し、本実施形態において、電磁石6は、磁性素子(芯材)61に通電コイル62を巻き付けたものである。本実施形態では、通電コイル62には、電源70が繋がる。電源70から流れる電流の向きは、コンピュータ等のコントローラ80によって制御することができる。従って、本実施形態において、電磁石6の極性の向きは、コントローラ80によって制御することができる。また、本実施形態において、電源70をOFFしたときは、電磁石6の極性は消滅する。すなわち、本実施形態において、開閉弁1Gさらに、電源70及びコントローラ80を備えている。
本実施形態において、電磁石6は、通電コイル62に流す電流の向きを変えることによって、硬磁性弾性体5との関係で、磁力による引き合い力F65aまたは反発力F65rのいずれかを生起させることができる。例えば、硬磁性弾性体5において、硬磁性弾性体5の外面5f1がS極(N極)である場合、電磁石6の磁極がS極(N極)となるように電流を流せば(ON)、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には反発力F65rが生じる。また、この場合、反対に、電磁石6の極性がS極(N極)となるように電流を流せば(ON)、磁力F1は、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には引き合い力F65aが生じる。そして、通電コイル62への通電を停止すれば(OFF)、磁力による引き合い力F65a又は反発力F65rは消滅する。
本実施形態では、開閉弁1Gは、電源70及びコントローラ80を含む。本実施形態では、弾性空間部2は、対向壁11と対向壁12によって形成されている。対向壁11は、硬磁性弾性体5と対向壁本体13とを備えている。さらに、対向壁本体13は、弾性を有するシート部材である。
(開閉弁1Gの基本動作)
開閉弁1Gは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる、特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Gを開閉させることができる。以下、開閉弁1Gの基本的な動作について説明をする。
開閉弁1Gは、弾性空間部2を変形させることによって、空間S1を開閉させることができる、特に、本実施形態では、電磁石6のON/OFFによって、開閉弁1Gを開閉させることができる。以下、開閉弁1Gの基本的な動作について説明をする。
初期状態(閉鎖状態):閉動作(封止モード)
本実施形態において、開閉弁1Gの初期状態は、電磁石6がOFFである。図7Aを参照すれば、電磁石6がOFFの場合、対向壁本体13の内面13f2は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との引き合い力F75aによって対向壁12の内面12f2に対して接触している。したがって、開閉弁1Gの初期状態において、空間S1は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との間の引き合い力F75aによって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Gを停止させることができる。
本実施形態において、開閉弁1Gの初期状態は、電磁石6がOFFである。図7Aを参照すれば、電磁石6がOFFの場合、対向壁本体13の内面13f2は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との引き合い力F75aによって対向壁12の内面12f2に対して接触している。したがって、開閉弁1Gの初期状態において、空間S1は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との間の引き合い力F75aによって閉じられている。また、電磁石6をOFFにすれば、開閉弁1Gを停止させることができる。
開放状態:開動作(開放モード)
電磁石6をONにする。このとき、図7Bに示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力F65aは、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との引き合い力F75aよりも強くする。その結果、図7Bに示すように、対向壁本体13の内面13f2は、対向壁12の内面12f2から離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
電磁石6をONにする。このとき、図7Bに示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。引き合い力F65aは、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との引き合い力F75aよりも強くする。その結果、図7Bに示すように、対向壁本体13の内面13f2は、対向壁12の内面12f2から離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Gを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、軟磁性体7と電磁石6との間の引き合い力F75aの影響が支配的となる。その結果、図7Aに示すように、対向壁11は、対向壁12に近づく向きに移動する。これによって、対向壁本体13の内面13f2は、最終的に、対向壁12の内面12f2に接触する。これによって、図7Aに示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Gは、図7Aに示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Gの閉動作は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との引き合い力F75aによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Gの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との磁力を付加することによって行うことができる。さらに、本実施形態において、開閉弁1Gの閉動作は、他の開閉弁と同様、弾性体(対向壁本体13及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力を付加することによって行うことができる。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Gを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、軟磁性体7と電磁石6との間の引き合い力F75aの影響が支配的となる。その結果、図7Aに示すように、対向壁11は、対向壁12に近づく向きに移動する。これによって、対向壁本体13の内面13f2は、最終的に、対向壁12の内面12f2に接触する。これによって、図7Aに示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Gは、図7Aに示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。このように、本実施形態において、開閉弁1Gの閉動作は、硬磁性弾性体5と軟磁性体7との引き合い力F75aによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Gの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との磁力を付加することによって行うことができる。さらに、本実施形態において、開閉弁1Gの閉動作は、他の開閉弁と同様、弾性体(対向壁本体13及び硬磁性弾性体5の少なくとも1つ)の弾性力を付加することによって行うことができる。
上述のとおり、開閉弁1Gによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Gによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
なお、開閉弁1Gによれば、初期状態において、電磁石6をONとすることができる。このとき、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の内側の磁極N(S)と同じ磁極N(S)とする。この場合、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。これによって、開閉弁1Gは、初期状態において、通路Rを強固に閉じることができる。
さらに、上述した、各開閉弁1A~1Fもまた、弾性空間部2を、対向壁11と対向壁12とによって形成するとともに、対向壁11と対向壁12とをシート部材とすることができる。これによって、弾性空間部2は、シート部材を備えるものとすることができる。図8A,B~図11A,Bには、弾性空間部2をチューブに代えて、シート部材とした場合の、一例を示す。
<開閉弁1H>
図8Aは、本発明の第8実施形態である開閉弁1Hの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図8Bは、開閉弁1Hの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
図8Aは、本発明の第8実施形態である開閉弁1Hの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図8Bは、開閉弁1Hの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
開閉弁1Hは、図1A,Bに開示済みの開閉弁1Aの変形例である。開閉弁1Hは、弾性空間部2をチューブに代えて、複数のシート部材によって形成した実施形態である。本実施形態では、開閉弁1Hは、対向壁11と対向壁12とによって形成されている。本実施形態では、対向壁11は上壁であり、対向壁12は下壁である。ただし、対向壁11及び12は、上下方向の対向する位置に配置される場合に限定されるものではなく、左右方向(水平方向)に配置するなど、中心軸線O1の周りの任意の対向位置に配置することができる。対向壁11は、硬磁性弾性体5と対向壁本体13とを備えている。さらに、対向壁本体13は、弾性を有するシート部材である。また、対向壁12は、シート部材である。また、本実施形態では、電磁石6は、対向壁12の外面12f1に対して間隔を置いて配置されている。開閉弁1Hの基本動作は、開閉弁1Aと同じとすることができる。なお、対向壁12は、弾性を有するシート部材とすることができる。なお、本実施形態では、硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5の外面5f1がN極であり、当該硬磁性弾性体5の内面5f2は、S極である。
<開閉弁1I>
図9Aは、本発明の第9実施形態である開閉弁1Iの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図9Bは、開閉弁1Iの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
図9Aは、本発明の第9実施形態である開閉弁1Iの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図9Bは、開閉弁1Iの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
開閉弁1Iは、図4A,Bに開示済みの開閉弁1Dの変形例である。開閉弁1Iは、弾性空間部2をチューブに代えて、複数のシート部材によって形成した実施形態である。本実施形態では、開閉弁1Iは、対向壁11と対向壁12とによって形成されている。本実施形態では、対向壁11は上壁であり、対向壁12は下壁である。ただし、対向壁11及び12は、上下方向の対向する位置に配置される場合に限定されるものではなく、左右方向(水平方向)に配置するなど、中心軸線O1の周りの任意の対向位置に配置することができる。対向壁11は、硬磁性弾性体5と対向壁本体13とを備えている。さらに、対向壁本体13は、弾性を有するシート部材である。また、対向壁12は、シート部材である。開閉弁1Iの基本動作は、開閉弁1Dと同じとすることができる。なお、対向壁12は、弾性を有するシート部材とすることができる。また、本実施形態では、硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5の外面5f1がN極であり、当該硬磁性弾性体5の内面5f2は、S極である。
<開閉弁1J>
図10Aは、本発明の第10実施形態である開閉弁1Jの初期状態及び閉鎖状態を概略的に示す断面図である。また、図10Bは、開閉弁1Jの開放状態を概略的に示す断面図である。
図10Aは、本発明の第10実施形態である開閉弁1Jの初期状態及び閉鎖状態を概略的に示す断面図である。また、図10Bは、開閉弁1Jの開放状態を概略的に示す断面図である。
開閉弁1Jは、図5A,Bに開示済みの開閉弁1Eの変形例である。開閉弁1Jは、弾性空間部2をチューブに代えて、複数のシート部材によって形成した実施形態である。本実施形態では、開閉弁1Jは、対向壁11と対向壁12とによって形成されている。対向壁11は、硬磁性弾性体5aと対向壁本体13aとを備えている。対向壁12は、硬磁性弾性体5bと対向壁本体13bとを備えている。さらに、対向壁本体13a,13bは、それぞれ、弾性を有するシート部材である。開閉弁1Jの基本動作は、開閉弁1Eと同じとすることができる。なお、本実施形態では、硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5の外面5f1がN極であり、当該硬磁性弾性体5の内面5f2は、S極である。
<開閉弁1K>
図11Aは、本発明の第11実施形態である開閉弁1Kの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図11Bは、開閉弁1Kの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
図11Aは、本発明の第11実施形態である開閉弁1Kの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図11Bは、開閉弁1Kの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
開閉弁1Kは、開閉弁1Jの変形例である。この場合、開閉弁1Kの基本動作は、図6で開示済みの開閉弁1Fと同じとすることができる。なお、本実施形態では、硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5の外面5f1がN極であり、当該硬磁性弾性体5の内面5f2は、S極である。
開閉弁1H~1Kは、開閉弁1A~1Fの弾性空間部2を、対向壁11と対向壁12とによって形成するとともに、対向壁11と対向壁12とをシート部材によって形成することができることを例示的に説明するものである。したがって、開閉弁1H~1Kで説明した開閉弁1A,1D~1F以外の、開閉弁1B及び1Cについても、対向壁11と対向壁12とによって形成するとともに、対向壁11と対向壁12とをシート部材によって形成することができることはもちろんである。
3:ロータリーベーンアクチュエータに適用した開閉弁
以下、ロータリーベーンアクチュエータに適用した開閉弁1について説明をする。
以下、ロータリーベーンアクチュエータに適用した開閉弁1について説明をする。
<開閉弁1L>
図12Aは、本発明の第12実施形態である開閉弁1Lを含むロータリーベーンアクチュエータであって、開閉弁1Lの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図13Bは、開閉弁1Lの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
図12Aは、本発明の第12実施形態である開閉弁1Lを含むロータリーベーンアクチュエータであって、開閉弁1Lの初期状態及び開放状態を概略的に示す断面図である。また、図13Bは、開閉弁1Lの閉鎖状態を概略的に示す断面図である。
開閉弁1Lは、ロータリーベーンアクチュエータ100(以下、「アクチュエータ100」ともいう。)に適用した例である。図12A、12Bは、それぞれ、アクチュエータ100の一部を、シャフト103の回転軸線O2に対して直交する断面で示している。
本実施形態において、アクチュエータ100は、ケース101、ベーン102と、シャフト103とを備えている。ケース101には、シリンダ室S2が形成されている。ベーン102およびシャフト103は、シリンダ室100Sに配置されている。ベーン102は、シャフト103に対して固定されている。これによって、ベーン102は、シャフト103を回転軸線O2の周りに回転させることができる。
図12Aを参照すれば、本実施形態では、開閉弁1Lは、硬磁性弾性体を含む弾性空間部2を備えている。弾性空間部2は、硬磁性弾性体5を備えるケース101とベーン102とによって形成されている。本実施形態では、ケース101に形成されたシリンダ室S2の内面には、硬磁性弾性体5が取り付けられている。硬磁性弾性体5は、硬磁性弾性体5とベーン102との間に空間(隙間)S1を形成するように取り付けられている。
さらに、アクチュエータ100は、弾性空間部変形生起要素を備えている。前記弾性空間部変形生起要素には、電磁石6を用いることができる。これによって、図12Bに示すように、硬磁性弾性体5は、電磁石6と硬磁性弾性体5との磁力による引き合い力F65aによって、ベーン102に対して着座させることができる。
(開閉弁1Lの基本動作)
以下に、開閉弁1Lの基本的な動作について説明をする。
以下に、開閉弁1Lの基本的な動作について説明をする。
初期状態(開放状態):開動作(開放モード)
本実施形態において、開閉弁1Lの初期状態は、電磁石6がOFFである。図12Aを参照すれば、開閉弁1Lの初期状態において、空間S1は維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。シリンダ室S2のインレット(INLET)側から入力された流通対象物(例えば、作動液)Mは、空間S1を通して、シリンダ室S2のアウトレット(OUTLET)側に流出する。このとき、インレット(INLET)側から入力され、ベーン102に作用する流通対象物Мは、シャフト103を回転させない。したがって、アクチュエータ100は、初期状態において、動力を伝達しないニュートラル状態となる。
本実施形態において、開閉弁1Lの初期状態は、電磁石6がOFFである。図12Aを参照すれば、開閉弁1Lの初期状態において、空間S1は維持されている。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。シリンダ室S2のインレット(INLET)側から入力された流通対象物(例えば、作動液)Mは、空間S1を通して、シリンダ室S2のアウトレット(OUTLET)側に流出する。このとき、インレット(INLET)側から入力され、ベーン102に作用する流通対象物Мは、シャフト103を回転させない。したがって、アクチュエータ100は、初期状態において、動力を伝達しないニュートラル状態となる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をONにする。図12Bに示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。その結果、図12Bに示すように、硬磁性弾性体5の内面5f2は、ベーン102の外面102fに近づく向きに移動する。これによって、硬磁性弾性体5の内面5f2は、最終的に、ベーン102の外面102fに接触する。これによって、図12Bに示すように、空間S1は完全に閉じられる。したがって、電磁石6をONにすると、流通対象物Mの流通は、遮断される。このとき、ベーン102は、硬磁性弾性体5との間の封鎖状態を維持したまま、インレット(INLET)側から入力された流通対象物Mによってシャフト103を回転させる。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のON状態(通電状態)において、ベーン102に作用する流通対象物Mの力を、シャフト103を回転させる動力として伝達する動力伝達状態となる。
電磁石6をONにする。図12Bに示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と異なる磁極N(S)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による引き合い力F65aが生じる。その結果、図12Bに示すように、硬磁性弾性体5の内面5f2は、ベーン102の外面102fに近づく向きに移動する。これによって、硬磁性弾性体5の内面5f2は、最終的に、ベーン102の外面102fに接触する。これによって、図12Bに示すように、空間S1は完全に閉じられる。したがって、電磁石6をONにすると、流通対象物Mの流通は、遮断される。このとき、ベーン102は、硬磁性弾性体5との間の封鎖状態を維持したまま、インレット(INLET)側から入力された流通対象物Mによってシャフト103を回転させる。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のON状態(通電状態)において、ベーン102に作用する流通対象物Mの力を、シャフト103を回転させる動力として伝達する動力伝達状態となる。
開放状態(停止状態):開動作(開放モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Lを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、硬磁性弾性体5の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図12Aに示すように、硬磁性弾性体5がベーン102から離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Lは、図12Aに示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のOFF状態(非通電状態)において、ベーン102に対してシャフト013を回転させる動力を伝達しないニュートラル状態となる。このように、本実施形態において、開閉弁1Lの開動作は、弾性空間部2(硬磁性弾性体5)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Lの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、弾性体(弾性空間部2)の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。また、本実施形態において、開閉弁1Lの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、磁力のみによって行うことができる。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Lを停止させることができる。このとき、引き合い力F65aは消滅し、硬磁性弾性体5の復元力(弾性力)の影響が支配的となる。その結果、図12Aに示すように、硬磁性弾性体5がベーン102から離れる向きに移動する。これによって、空間S1は再び完全に開かれる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Lは、図12Aに示すように、初期状態に復帰する。したがって、空間S1には、流通対象物Mを再び流通させることができる。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のOFF状態(非通電状態)において、ベーン102に対してシャフト013を回転させる動力を伝達しないニュートラル状態となる。このように、本実施形態において、開閉弁1Lの開動作は、弾性空間部2(硬磁性弾性体5)の弾性力によって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Lの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、弾性体(弾性空間部2)の弾性力と、磁力との合力によって行うことができる。また、本実施形態において、開閉弁1Lの開動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、磁力のみによって行うことができる。
ところで、ベーン102は、例えば、磁性を有した金属によって形成することができる。この場合、図12Bに示すように、開閉弁1Lは、初期状態において、硬磁性弾性体5とベーン102との磁力による引き合い力F65aによって、硬磁性弾性体5をベーン102に対して接触させることができる。以下に、その場合の開閉弁1Lの基本的な動作について説明をする。
初期状態(開放状態):閉動作(閉鎖モード)
本実施形態において、開閉弁1Mの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図12Bに示すように、空間S1は閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。このとき、本実施形態では、本実施形態では、硬磁性弾性体5の内面5f2と、ベーン102bの外面102fには、それぞれ、磁力による引き合い力F53aが生じている。これによって、本実施形態では、硬磁性弾性体5と、ベーン102とは完全に接触している。すなわち、開閉弁1Lの初期状態において、空間S1は、完全に閉じられている。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のOFF状態(非通電状態)において、ベーン102に作用する流通対象物Мの力を、シャフト103を回転させる動力として伝達する動力伝達状態となる。
本実施形態において、開閉弁1Mの初期状態は、電磁石6がOFFである。本実施形態では、図12Bに示すように、空間S1は閉じられている。したがって、空間S1を通した流通対象物Mの流通は、遮断されている。このとき、本実施形態では、本実施形態では、硬磁性弾性体5の内面5f2と、ベーン102bの外面102fには、それぞれ、磁力による引き合い力F53aが生じている。これによって、本実施形態では、硬磁性弾性体5と、ベーン102とは完全に接触している。すなわち、開閉弁1Lの初期状態において、空間S1は、完全に閉じられている。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のOFF状態(非通電状態)において、ベーン102に作用する流通対象物Мの力を、シャフト103を回転させる動力として伝達する動力伝達状態となる。
開放状態:開動作(開放モード)
電磁石6をONにする。このとき、図12Aに示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と同じ磁極S(N)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、硬磁性弾性体5とベーン102bとの間の引き合い力F53aよりも強くする。その結果、図12Aに示すように、硬磁性弾性体5と、ベーン102とは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のON状態(通電状態)において、ベーン102に対してシャフト013を回転させる動力を伝達しないニュートラル状態となる。
電磁石6をONにする。このとき、図12Aに示すように、電磁石6の内側に生じる磁極は、硬磁性弾性体5の外側の磁極S(N)と同じ磁極S(N)である。これによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との間には磁力による反発力F65rが生じる。反発力F65rは、硬磁性弾性体5とベーン102bとの間の引き合い力F53aよりも強くする。その結果、図12Aに示すように、硬磁性弾性体5と、ベーン102とは、互いに離れる向きに移動する。これによって、空間S1は開かれる。したがって、空間S1には、流通対象物Mを流通させることができる。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のON状態(通電状態)において、ベーン102に対してシャフト013を回転させる動力を伝達しないニュートラル状態となる。
閉鎖状態:閉動作(閉鎖モード)
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Lを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、硬磁性弾性体5とベーン102との間の引き合い力F53aの影響が支配的となる。その結果、図12Bに示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Fは、図12Bに示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のOFF状態(非通電状態)において、再び、ベーン102に作用する流通対象物Mの力を、シャフト103を回転させる動力として伝達する動力伝達状態となる。このように、本実施形態において、開閉弁1Lの閉動作は、硬磁性弾性体5とベーン102との間の引き合い力F53aによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Lの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との磁力を付加することによって行うことができる。さらに、本実施形態において、開閉弁1Lの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、弾性空間部2(硬磁性弾性体5)の弾性力を付加することによって行うことができる。
電磁石6をOFFにする。これによって、開閉弁1Lを停止させることができる。このとき、反発力F65rは消滅し、硬磁性弾性体5とベーン102との間の引き合い力F53aの影響が支配的となる。その結果、図12Bに示すように、空間S1は再び閉じられる。すなわち、電磁石6をOFFにすると、開閉弁1Fは、図12Bに示すように、初期状態に復帰する。したがって、流通対象物Mの流通は、再び遮断される。したがって、アクチュエータ100は、電磁石6のOFF状態(非通電状態)において、再び、ベーン102に作用する流通対象物Mの力を、シャフト103を回転させる動力として伝達する動力伝達状態となる。このように、本実施形態において、開閉弁1Lの閉動作は、硬磁性弾性体5とベーン102との間の引き合い力F53aによって行われている。ただし、本実施形態において、開閉弁1Lの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、電磁石6の電流の向きを切り替えることによって、硬磁性弾性体5と電磁石6との磁力を付加することによって行うことができる。さらに、本実施形態において、開閉弁1Lの閉動作もまた、他の開閉弁と同様、弾性空間部2(硬磁性弾性体5)の弾性力を付加することによって行うことができる。
上述のとおり、開閉弁1Lによれば、電磁石6のON、OFFを交互に切り替えることによって、もしくは電流の向きを切り替えることによって、閉鎖モードと開放モードとが繰り返される。これによって、本実施形態に係る開閉弁1Lによれば、空間S1を通した流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。
また、開閉弁1Lにおいて、硬磁性弾性体5は、ケース101に代えて、ベーン102に取り付けることができる。さらに、硬磁性弾性体5は、ケース101とベーン102との両方に取り付けることができる。すなわち、本実施形態において、硬磁性弾性体5は、ケース101とベーン102との少なくともいずれか一方に取り付けることができる。
さらに、アクチュエータ100において、ベーン102は、シャフト103に対して回転可能に支持することができる。これによって、ベーン102は、シャフト103の周りを回転させることができる。この場合、アクチュエータ100は、ロータリーベーンポンプの一部として機能させることができる。
以上、様々な実施形態を用いて説明したとおり、開閉弁1によれば、磁力による弾性空間部変形生起要素と硬磁性弾性体との引き合い力もしくは反発力と、弾性空間部2および前記硬磁性弾性体の少なくともいずれか1つの復元力と、これらの力の合力と、の少なくともいずれか1つによって前記弾性空間部2を変形させ、弾性空間部2内に形成された空間S1の開放及び閉鎖を行うことによって、流通対象物Mの流通を断続的に行うことができる。したがって、開閉弁1によれば、可撓性に優れた開閉弁を提供することができる。
また、開閉弁1は、可撓性に優れることにより、その適用範囲が拡大される。さらに、効率的なエネルギー消費で弁の開閉を行うことができ、また、開閉弁1は、金属等の剛性の高い部分が削減されることにより、従来の開閉弁に比べて、弁の開閉が制御し易く、装置全体の軽量化を実現しやすい。
また、上記各実施形態に係る、開閉弁1において、弾性空間部2は、弾性空間部本体(3、13、101)と、硬磁性弾性体5とを、備えている。硬磁性弾性体5は、弾性空間部本体(3、13、101)の外側に固定されている。また、弾性空間部変形生起要素(6)は、弾性空間部2の外側に設けられている。この場合、弾性空間部2は、弾性空間部本体3と硬磁性弾性体5とを別体に形成し、弾性空間部本体3と硬磁性弾性体5とを固定させることによって形成されている。これによって、弾性空間部2は、弾性空間部本体(3、13、101)と、硬磁性弾性体5との積層構造とすることができる。弾性空間部2を積層構造とすれば、当該弾性空間部2の、磁力、弾性力、剛性、硬度を所望の条件に合わせて、当該弾性空間部(2)をチューニングすることができ出力を容易に最適化することができる。
本発明によれば、弾性空間部2の少なくとも一部は、前記磁性弾性体によって形成することができる。このとき、前記弾性空間部変形生起要素(6)は、弾性空間部2の外側に設けられていることが好ましい。具体例としては、硬磁性弾性体5を設けることなく、対向壁(3a,13)全体を硬磁性弾性体で形成することができる。また、他の具体例としては、対向壁(3a,13)の軸直方向の少なくとも1層が磁性弾性体として積層された積層構造となるように、当該対向壁(3a,13)を多色成形することができる。この場合、弾性空間部2の、磁力、弾性力、剛性、硬度を所望の条件に合わせて、当該弾性空間部2をチューニングすることができ出力を容易に最適化することができる。また、この場合、弾性空間部2が単一の部材として構成されることにより、開閉弁1の部品点数を削減することができる。
また、弾性空間部2を前記磁性弾性体によって形成する場合、上述のとおり、弾性空間部2全体は、前記磁性弾性体によって形成することができる。この場合、弾性空間部2の部分ごとに、弾性材料を使い分ける必要がないため、簡易な構成の開閉弁とすることができる。
また、開閉弁(1A、1D,1F、1H、1I、1K、1L)は、初期状態において、弾性空間部2内に形成された空間S1が開かれている。この場合、弾性空間部変形生起要素(6)は、空間S1を閉じるときだけ、通電(ON)すればよい。したがって、この場合、開閉弁1の開閉時のエネルギー効率を向上させることができる。
これに対し、開閉弁(1B、1C、1E,1G、1J)は、初期状態において、弾性空間部2内に形成された空間S1が閉じられている。この場合、弾性空間部変形生起要素(6)は、空間S1を開くときだけ、通電(ON)すればよい。したがって、この場合、開閉弁1の開閉時のエネルギー効率を向上させることができる。
また、開閉弁(1A~1F)において、弾性空間部2は、前記硬磁性弾性体を含むチューブである。この場合、チューブ部材を用いることによって、開閉弁と、流通対象物Mを流通させるための通路とを一体的に形成することができる。また、この場合、既存のチューブ部材を用いた場合、開閉弁1を容易かつ安価に製造することができる。
また、開閉弁(1G~1K)において、弾性空間部2は、シート部材を備えており、前記シート部材は、硬磁性弾性体(5)を含んでいる。この場合、シート部材を組み合わせることによって、開閉弁と、流通対象物Mを流通させるための通路とを一体的に形成することができる。また、この場合、既存のシート部材を用いた場合、開閉弁1を容易かつ安価に製造することができる。
また、開閉弁1Lにおいて、弾性空間部2は、ロータリーベーンおよびロータリーベーンケースを備えており、前記ロータリーベーンおよび前記ロータリーベーンケースの少なくともいずれか一方は、前記硬磁性弾性体を含んでいる。この場合、動力伝達のON/OFFを容易に行うことができる。なお、ロータリーベーンアクチュエータ100は、例えば、ロボット制御に用いることができる。また、ロータリーベーンアクチュエータ100は、上述のとおり、ロータリーベーンポンプとして用いることができる。
また、上述の各開閉弁(1A~1L)は、前記弾性空間部変形生起要素として主として、電磁石6を用いている。この場合、硬磁性弾性体(5)及び弾性空間部変形生起要素の間に生じる磁力を、電磁石6に印加する電流により簡易に制御できる。また、この場合、弾性空間部2の変形動作を、簡易にかつ応答性良く制御することができる。
本実施形態では、前記硬磁性弾性体は、硬磁性エラストマからなる。前記硬磁性エラストマの具体例としては、着磁されたネオジム合金粉末を含有するシリコンエラストマが挙げられる。また、前記硬磁性エラストマとしては、例えば、非磁性粒子を分散媒M3中に分散し固定化したのちに着磁操作して、硬磁性粒子P3が分散媒M3中に分散された状態に作製されたものが挙げられる。
(硬磁性粒子)
硬磁性粒子P3は、硬磁性を有する粒子である。硬磁性粒子P3を形成する硬磁性体としては、例えば、ニッケル、コバルト、フェライト、ネオジムの鉄含有合金等の磁石等が挙げられる。前記硬磁性エラストマには、複数の硬磁性粒子P3が含まれる。前記硬磁性エラストマに含まれる硬磁性粒子P3は、同種の硬磁性体であっても、2種以上の異なる硬磁性体であってもよい。また、硬磁性粒子P3の大きさは、硬磁性弾性体(5)の形状・大きさ、分散媒M3の性質、硬磁性弾性体(5)に要求される弾性力(例えば、開閉弁の仕様として要求される弾性力)、硬磁性弾性体(5)に要求される押圧力(例えば、開閉弁の仕様として要求される、開閉弁の開閉動作を満たすための押圧力)等に応じて、適宜、選択することができる。前記硬磁性エラストマに含まれる硬磁性粒子P3の平均粒子径は、同一であっても、異なっていてもよい。硬磁性粒子P3の平均粒子径としては、例えば、0.1~150μmの範囲、好ましくは、0.3~80μmの範囲の平均粒子径である。硬磁性粒子P3の平均粒子径が、150μmを上回る場合、均一なエラストマが得られにくくなる。また、硬磁性粒子P3の平均粒子径が、0.1μmを下回る場合、磁場によるエラストマの十分な変形が得られにくくなる。本発明において、平均粒子径とは、粒子径分布の中央値(メジアン径)を意味する。平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置または走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて測定する。
硬磁性粒子P3は、硬磁性を有する粒子である。硬磁性粒子P3を形成する硬磁性体としては、例えば、ニッケル、コバルト、フェライト、ネオジムの鉄含有合金等の磁石等が挙げられる。前記硬磁性エラストマには、複数の硬磁性粒子P3が含まれる。前記硬磁性エラストマに含まれる硬磁性粒子P3は、同種の硬磁性体であっても、2種以上の異なる硬磁性体であってもよい。また、硬磁性粒子P3の大きさは、硬磁性弾性体(5)の形状・大きさ、分散媒M3の性質、硬磁性弾性体(5)に要求される弾性力(例えば、開閉弁の仕様として要求される弾性力)、硬磁性弾性体(5)に要求される押圧力(例えば、開閉弁の仕様として要求される、開閉弁の開閉動作を満たすための押圧力)等に応じて、適宜、選択することができる。前記硬磁性エラストマに含まれる硬磁性粒子P3の平均粒子径は、同一であっても、異なっていてもよい。硬磁性粒子P3の平均粒子径としては、例えば、0.1~150μmの範囲、好ましくは、0.3~80μmの範囲の平均粒子径である。硬磁性粒子P3の平均粒子径が、150μmを上回る場合、均一なエラストマが得られにくくなる。また、硬磁性粒子P3の平均粒子径が、0.1μmを下回る場合、磁場によるエラストマの十分な変形が得られにくくなる。本発明において、平均粒子径とは、粒子径分布の中央値(メジアン径)を意味する。平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置または走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて測定する。
(分散媒)
分散媒M3は、硬磁性粒子P3が分散している媒質である。分散媒M3としては、例えば、硬磁性粒子P3を分散させた状態でゲル化するものが挙げられる。こうした分散媒M3としては、例えば、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂等を含むものが挙げられる。また、これらの樹脂を複合化して使用してもよい。分散媒M3は、硬磁性弾性体(5)の形状・大きさ、硬磁性粒子P3の性質、硬磁性弾性体(5)に要求される弾性力(例えば、開閉弁の仕様として要求される弾性力)、硬磁性弾性体(5)に要求される押圧力(例えば、開閉弁の仕様として要求される、開閉弁の開閉動作を満たすための押圧力)等に応じて、適宜、選択することができる。更に、分散媒M3に対して硬磁性粒子P3が占める割合(硬磁性粒子P3の濃度)も、硬磁性弾性体(5)の形状・大きさ、硬磁性粒子P3の性質、硬磁性弾性体(5)に要求される弾性力(例えば、開閉弁の仕様として要求される弾性力)、硬磁性弾性体(5)に要求される押圧力(例えば、開閉弁の仕様として要求される、開閉弁の開閉動作を満たすための押圧力)等に応じて、適宜、選択することができる。硬磁性粒子P3の濃度としては、例えば、25~95重量%の範囲、好ましくは、35~90重量%の範囲の濃度である。硬磁性粒子P3の濃度が、25重量%を下回る場合、磁場存在下でのエラストマの十分な変形が得られにくくなる。また、硬磁性粒子P3の濃度が、95重量%を上回る場合、分散媒Mに均一に分散させることが困難となったり、硬磁性弾性体(5)の弾性復元力が得られにくくなる。
分散媒M3は、硬磁性粒子P3が分散している媒質である。分散媒M3としては、例えば、硬磁性粒子P3を分散させた状態でゲル化するものが挙げられる。こうした分散媒M3としては、例えば、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂等を含むものが挙げられる。また、これらの樹脂を複合化して使用してもよい。分散媒M3は、硬磁性弾性体(5)の形状・大きさ、硬磁性粒子P3の性質、硬磁性弾性体(5)に要求される弾性力(例えば、開閉弁の仕様として要求される弾性力)、硬磁性弾性体(5)に要求される押圧力(例えば、開閉弁の仕様として要求される、開閉弁の開閉動作を満たすための押圧力)等に応じて、適宜、選択することができる。更に、分散媒M3に対して硬磁性粒子P3が占める割合(硬磁性粒子P3の濃度)も、硬磁性弾性体(5)の形状・大きさ、硬磁性粒子P3の性質、硬磁性弾性体(5)に要求される弾性力(例えば、開閉弁の仕様として要求される弾性力)、硬磁性弾性体(5)に要求される押圧力(例えば、開閉弁の仕様として要求される、開閉弁の開閉動作を満たすための押圧力)等に応じて、適宜、選択することができる。硬磁性粒子P3の濃度としては、例えば、25~95重量%の範囲、好ましくは、35~90重量%の範囲の濃度である。硬磁性粒子P3の濃度が、25重量%を下回る場合、磁場存在下でのエラストマの十分な変形が得られにくくなる。また、硬磁性粒子P3の濃度が、95重量%を上回る場合、分散媒Mに均一に分散させることが困難となったり、硬磁性弾性体(5)の弾性復元力が得られにくくなる。
本実施形態において、前記弾性空間部変形生起変形要素は、硬磁性体である。前記硬磁性体は、いわゆる磁石であり、保磁力が大きく、自発磁化性を有し、自ら磁力(又は磁場)を発生する性質を有している。前記硬磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、その金属酸化物、前述の金属を含む合金、金属酸化物等の磁石、電磁石が挙げられる。上記各実施形態は、電磁石6である。
(軟磁性体)
軟磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、その金属酸化物、前述の金属を含む合金、前述の合金の金属酸化物等が挙げられる。
軟磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、その金属酸化物、前述の金属を含む合金、前述の合金の金属酸化物等が挙げられる。
上述したところは、本発明のいくつかの実施形態について説明を行ったにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。上述した各実施形態に採用された様々な構成は、互いに組み合わせて使用することができる。また、上述した各実施形態に採用された様々な構成は、相互に適宜、置き換えることができる。
1,1A~1L:開閉弁1, 2:弾性空間部, 3:弾性空間部本体, 5:硬磁性弾性体, 6:電磁石(弾性空間部変形生起要素), 61:磁性素子, 62:通電コイル, 7:軟磁性体, 100:ロータリーベーンアクチュエータ, S2:シリンダ室, 101:ケース, 102:ベーン, 103:シャフト, S1:空間
Claims (10)
- 硬磁性弾性体を含む弾性空間部と、磁力によって前記弾性空間部を変形させる弾性空間部変形生起要素と、を備えており、
前記弾性空間部変形生起要素は、前記磁力による前記弾性空間部変形生起要素と前記硬磁性弾性体との引き合い力もしくは反発力と、前記弾性空間部および前記硬磁性弾性体の少なくともいずれか1つの復元力と、これらの力の合力と、の少なくともいずれか1つによって前記弾性空間部を変形させ、前記弾性空間部内に形成された空間を開く開放モードと、前記空間を閉じる閉鎖モードと、を行う、開閉弁。 - 前記弾性空間部は、弾性空間部本体と、前記硬磁性弾性体とを、備えており、
前記硬磁性弾性体は、前記弾性空間部本体の外側に固定されており、
前記弾性空間部変形生起要素は、前記弾性空間部の外側に設けられている、請求項1に記載された開閉弁。 - 前記弾性空間部の少なくとも一部は、前記硬磁性弾性体によって形成されており、
前記弾性空間部変形生起要素は、前記弾性空間部の外側に設けられている、請求項1に記載された開閉弁。 - 前記弾性空間部は、前記硬磁性弾性体によって形成されている、請求項3に記載された開閉弁。
- 初期状態において、前記空間が閉じられている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された開閉弁。
- 初期状態において、前記空間が開かれている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載された開閉弁。
- 前記弾性空間部は、前記硬磁性弾性体を含むチューブである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された開閉弁。
- 前記弾性空間部は、ロータリーベーンおよびロータリーベーンケースを備えており、前記ロータリーベーンおよび前記ロータリーベーンケースの少なくともいずれか一方は、前記硬磁性弾性体を含んでいる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された開閉弁。
- 前記弾性空間部は、シート部材を備えており、前記シート部材は、前記硬磁性弾性体を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された開閉弁。
- 前記弾性空間部変形生起要素は、電磁石である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載された開閉弁。
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