JP2022183784A - 液晶素子、液晶装置、照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶ポリマー層が設けられた液晶素子における透過率低下の抑制等。【解決手段】第1基板及び第2基板と、第1配向容易軸を有する第1垂直配向膜と、前記第1垂直配向膜の上側に配置された第1液晶性ポリマー層と、第2配向容易軸を有する第2垂直配向膜と、前記第2垂直配向膜の上側に配置された第2液晶性ポリマー層と、カイラル材を含有する液晶材料を用いて構成されており、前記第1液晶性ポリマー層と前記第2液晶性ポリマー層の間に配置された略垂直配向の液晶層と、を含み、前記液晶層は、前記第1液晶性ポリマー層による第1配向方向が前記第1垂直配向膜の前記第1配向容易軸の方向と異なり、かつ前記第2液晶性ポリマー層による第2配向方向が前記第2垂直配向膜の前記第2配向容易軸の方向と異なる、液晶素子である。【選択図】図1
Description
本開示は、液晶素子、液晶装置、照明装置に関する。
特開2013-140195号公報(特許文献1)には、垂直配向型の液晶素子であって、垂直配向膜の上側に液晶ポリマー層が設けられた液晶素子が記載されている。
本開示に係る具体的態様は、液晶ポリマー層が設けられた液晶素子における透過率の低下を抑制することを目的の1つとする。
本開示に係る具体的態様は、透過率の低下が抑制された液晶素子を備える液晶装置並びに照明装置を提供することを他の目的の1つとする。
本開示に係る具体的態様は、透過率の低下が抑制された液晶素子を備える液晶装置並びに照明装置を提供することを他の目的の1つとする。
[1]本開示に係る一態様の液晶素子は、(a)互いの一面側を向かい合わせて配置された第1基板及び第2基板と、(b)前記第1基板の一面側に配置されており第1配向容易軸を有する第1垂直配向膜と、(c)前記第1基板の一面側において前記第1垂直配向膜の上側に配置された第1液晶性ポリマー層と、(d)前記第2基板の一面側に配置されており第2配向容易軸を有する第2垂直配向膜と、(e)前記第2基板の一面側において前記第2垂直配向膜の上側に配置された第2液晶性ポリマー層と、(f)カイラル材を含有する液晶材料を用いて構成されており、前記第1液晶性ポリマー層と前記第2液晶性ポリマー層の間に配置された略垂直配向の液晶層と、を含み、(g)前記液晶層は、前記第1液晶性ポリマー層による第1配向方向が前記第1垂直配向膜の前記第1配向容易軸の方向と異なり、かつ前記第2液晶性ポリマー層による第2配向方向が前記第2垂直配向膜の前記第2配向容易軸の方向と異なる、液晶素子である。
[2]本開示に係る一態様の液晶装置は、上記[1]の液晶素子と、当該液晶素子に接続されて駆動電圧を供給する駆動装置と、を含む、液晶装置である。
[3]本開示に係る一態様の照明装置は、上記[2]の液晶装置と、この液晶装置の前記液晶素子に光を入射させる光源と、を含む、照明装置である。
[2]本開示に係る一態様の液晶装置は、上記[1]の液晶素子と、当該液晶素子に接続されて駆動電圧を供給する駆動装置と、を含む、液晶装置である。
[3]本開示に係る一態様の照明装置は、上記[2]の液晶装置と、この液晶装置の前記液晶素子に光を入射させる光源と、を含む、照明装置である。
上記[1]の構成によれば、液晶ポリマー層が設けられた液晶素子における透過率の低下を抑制することが可能になる。また、上記[2]、[3]の構成によれば、透過率の低下が抑制された液晶素子を備える液晶装置並びに照明装置を提供することが可能になる。
図1は、一実施形態の液晶素子の構成を示す模式的な断面図である。図示のように、本実施形態の液晶素子10は、一対の偏光板(偏光素子)21、22の間に配置されている。この液晶素子10は、例えば光源と組み合わせて表示装置あるいは照明装置などとして用いられるものである。なお、各偏光板21、22と液晶素子10との間には適宜、視角補償板が配置されてもよい。
第1基板11と第2基板12は、互いの一面側を向かい合わせ、相互間に隙間(例えば数μm程度の隙間)を設けて配置されており、互いに貼り合わされている。第1基板11及び第2基板12としては、少なくとも可視光に対して透明(高透過率)なガラス基板やプラスチック基板が好適に用いられる。
画素電極(個別電極)13は、第1基板11の一面側に配置されている。また、対向電極(共通電極)14は、第2基板12の一面側に配置されている。これらの画素電極13、対向電極14は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物膜(ITO膜)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって得られる。各画素電極13と対向電極14との重なる領域がそれぞれ画素部(光変調領域)となる。
第1垂直配向膜15は、第1基板11の一面側において各画素電極13を覆うようにして配置されている。同様に、第2垂直配向膜16は、第2基板12の一面側において対向電極14を覆うようにして配置されている。垂直配向膜とは、液晶層19の液晶分子を基板面に対して垂直かそれに近い角度(例えば80°~89.9°)に配向させる能力を有する膜である。本実施形態では、第1垂直配向膜15及び第2垂直配向膜16として、それぞれラビング処理などの配向処理が施されており、その配向処理方向と一致する配向容易軸を有する垂直配向膜が用いられている。
第1液晶性ポリマー層17は、第1基板11の一面側において第1垂直配向膜15を覆うようにして配置されている。同様に、第2液晶性ポリマー層18は、第2基板12の一面側において第2垂直配向膜16を覆うようにして配置されている。第1液晶性ポリマー層17及び第2液晶性ポリマー層18は、それぞれ液晶層19の形成時に液晶材料に含有させておいた液晶性モノマーを外部からの光照射によってポリマー化して得られるものである。
液晶層19は、第1基板11と第2基板12の間、詳細には第1液晶性ポリマー層17及び第2液晶性ポリマー層18の間において両者と接するように配置されている。本実施形態では、誘電率異方性が負であり、流動性を有するネマティック液晶材料を用いて液晶層19が構成されている。また、液晶層19の液晶材料には、液晶分子の配向にねじれを生じさせる機能を発揮するカイラル材が添加されている。また、液晶層19は、電圧無印加時において液晶分子の配向が第1基板11ないし第2基板12の基板面に対して90°未満であって垂直に近い角度(例えば89°)で一様に傾斜した配向を有する。また、液晶層19は、閾値以上の電圧印加時においてはカイラル材の効果によりねじれ配向となる。
図2(A)は、液晶素子の配向容易軸と各偏光板の透過軸との位置関係を説明するための図である。図2(A)では、液晶素子10を偏光板22側から平面視した場合の配向容易軸と透過軸が示されている。座標系としては、例えば液晶素子10の平面視における左右方向(3時方位-9時方位)を0°、180°とし、液晶素子10の平面視における上下方向(12時方位-6時方位)を90°、270°とする。このとき、第1基板11の第1垂直配向膜15における第1配向容易軸(配向処理方向)31を45°方位に配置し、第2基板12の第2垂直配向膜16における第2配向容易軸(配向処理方向)32を225°方位に配置している。すなわち、第1配向容易軸31と第2配向容易軸32は互いに反平行(アンチパラレル)状態に設定されている。また、偏光板21、22の透過軸33、34は互いに略直交配置(クロスニコル配置)とされており、例えば透過軸33を0°-180°方位に配置し、透過軸34を90°-270°方位に配置している。これにより、電圧無印加時における透過光はその透過率が著しく低い暗状態となる。
図2(B)は、各液晶性ポリマー層における配向方向を説明するための図である。図示のように、本実施形態の液晶素子10では、第1配向方向35は、第1垂直配向膜15における第1配向容易軸31の方向(図中、45°-225°方位の点線で示す)と異なる。同様に、第2配向方向36は、第2垂直配向膜16における第2配向容易軸32の方向(図中、45°-225°方位の点線で示す)と異なる。ここでいう「異なる」とは、平行(同方向)ではないことをいう。また、本実施形態では、第1配向容易軸31と第1配向方向35とのなす角度と、第2配向容易軸32と第2配向方向36とのなす角度とが略等しい。別言すれば、第1配向方向35と第2配向方向とは、第1配向容易軸31(又は第2配向容易軸32)を挟んで略対称に配置されている。なお、第1配向方向35は、第1液晶ポリマー層17が自身と液晶層19との界面近傍領域の液晶分子に与える配向方向である。第2配向方向36も同様である。
図3(A)及び図3(B)は、図1に示した実施形態の液晶素子の製造方法を説明するための図である。
まず、第1基板11の一面側に各画素電極13が形成され、さらに第1垂直配向膜15が形成される。同様に、第2基板12の一面側に対向電極14が形成され、さらに第2垂直配向膜16が形成される。第1垂直配向膜15と第2垂直配向膜16には、それぞれラビング処理等の配向処理が施される。
このようにして得られた第1基板11と第2基板12の一方に樹脂等からなるスペーサー粒子(粒径約4μm)が散布され、他方にはガラス粒子等のスペーサー粒子(粒径約4μm)を均等に分散させたシール材が印刷された後、両基板が貼り合わされる。第1基板11と第2基板12は、第1垂直配向膜15と第2垂直配向膜16の各々の配向処理方向がアンチパラレルとなるように位置合わせされる。
貼り合わされた第1基板11と第2基板12を一定の圧力下でプレスした状態でシール材を熱硬化させることで、両基板が一定の隙間をもって略平行に配置された空セルが得られる。この空セルに、液晶性モノマーが略0.3wt%添加された液晶材料(液晶組成物)を真空注入法により注入する。なお、液晶材料には、液晶層厚をd、カイラルピッチをpとしたときのd/pを0.31に設定可能な左ねじれのカイラル材が添加されている。
上記のようにして得られた第1基板11と第2基板12の結合体(液晶セル)に対して、図3(A)に示すように、液晶材料に電圧を印加しながら、高圧水銀ランプ等の光源を用いて紫外線(UV)を照射する。例えば、約18mW/cm2の強度にて8分間の照射を行う。これにより、図3(B)に示すように、液晶材料中の液晶モノマー19bがポリマー化することになり、第1基板11と第2基板12の各一面側にそれぞれ第1液晶性ポリマー層17、第2液晶性ポリマー層18が形成される。また、これらの間に液晶分子19aとカイラル材を含んだ液晶層19が形成される。液晶材料へ印加される電圧の大きさは適宜設定されるものであり、例えば液晶材料の閾値の5倍以上(一例として17V)の電圧とされる。以上のようにして液晶素子10が完成する。
次に、上記のような構成の液晶素子10の有用性並びに好適条件についての検討結果を詳細に説明する。
図4(A)は、液晶素子の電気光学特性の測定例を示す図である。ここでは、上記した条件にて作製した実施例の液晶素子10を一対の偏光板21、22で挟んで配置し、各偏光板21、22の透過軸を液晶素子10の第1垂直配向膜15と第2垂直配向膜16の各配向容易軸に対してそれぞれ45°方位となるように配置し、かつ互いの透過軸が略直交するように配置した状態(図2(A)参照)として、第2基板12の基板面法線方向から観察したときの印加電圧と透過率の関係を示している。この実施例の液晶素子10の特性線を図中では「UV照射時電圧印加」と示している。なお、UV照射時の印加電圧の大きさは上記で例示した17Vである。また、比較例として、液晶性ポリマー層を有しない以外は実施例と同様の条件で作製した液晶素子と、液晶性ポリマー層の形成時(紫外線照射時)に液晶層19へ電圧を印加しなかった液晶素子のそれぞれについても同様の電気光学特性を測定した。各比較例の液晶素子の特性線を図中では「ポリマー無し」、「UV照射時電圧無印加」と示している。
図示のように、各比較例(「ポリマー無し」、「UV照射時電圧無印加」)の液晶素子は、電気光学特性における閾値が同等であり、透過率の変化についてもほぼ同等な曲線が得られている。一方、実施例(UV照射時電圧印加)の液晶素子10では、電気光学特性における閾値及び高電圧印加時の透過率が明らかに低下する傾向が観察された。
図4(B)は、液晶素子の電気光学特性の測定例を示す図である。ここでは、第1基板11と第2基板12の間に介在させるスペーサーを粒径約3μmのものとし、シール材に混合されるスペーサーも粒径約3μmのものとした点以外は同様の条件で作製した実施例の液晶素子10と、同様にして作製した比較例の液晶素子とを用いた。図示のように、各比較例の液晶素子は、電気光学特性における閾値が同等であり、透過率の変化についてもほぼ同等な曲線が得られている。一方、実施例の液晶素子10では、電気光学特性における閾値が低くなっているが高電圧印加時の最大透過率には差がほとんどないという結果が得られた。
上記の結果を検証するために、3種類(UV照射時電圧印加、UV照射時電圧無印加、液晶性ポリマー層無し)の液晶素子について、カイラル材を添加せず、それ以外の条件は同様にした検証用の液晶素子を作製し、それら液晶素子の電圧無印加時における傾斜角、すなわち液晶層19の液晶分子の平均傾斜角(プレティルト角)をクリスタルローテーション法にて測定した。プレティルト角は、第1基板11及び/又は第2基板12の液晶層19と近い側の基板面を基準にして定義されるものであり、基板面と平行方向が0°、基板面法線方向が90°となる。測定の結果、液晶性ポリマー層無しの液晶素子ではプレティルト角が89.1°であり、UV照射時電圧無印加の液晶素子ではプレティルト角が88.8°であり、UV照射時電圧印加(17V)の液晶素子ではプレティルト角が82.0°であった。このことから、図4(A)、図4(B)に示したUV照射時電圧印加の液晶素子における電気光学特性の閾値低下は、上記した定義によるプレティルト角の相違によるものと考えられる。このプレティルト角の相違は、各配向膜の表面に形成された各液晶性ポリマー層によるものと考えられる。
上記現象の理由を検討するために、液晶性ポリマー層を有しない比較例の垂直配向型の液晶素子において液晶層へ明状態が得られる十分な電圧を印加した場合の液晶層厚方向の方位角配向分布を計算機シミュレーションによって計算した。シミュレーションにはシンテック製LCDMASTER9(1次元解析)を用いた。液晶層を構成する液晶材料には誘電率異方性Δεが-5.1で相転移温度が約100℃の液晶材料を想定し、液晶層厚は4μmを想定し、液晶層と垂直配向膜のそれぞれにおけるプレティルト角や配向方向を変化させた場合の依存性を計算した。方位角の座標系は上記した図2(A)に示したように、3時方位を0°、12時方位を90°、9時方位を180°、6時方位を270°とした。
図5は、方位角方位の液晶分子の配向分布の印加電圧依存性の計算結果である。ここでは、裏基板及び表基板の各基板面におけるプレティルト角を89°に設定し、裏基板の垂直配向膜の配向容易軸(配向処理方向)を45°、表基板の垂直配向膜の配向容易軸(配向処理方向)を225°のアンチパラレル配向に設定し(図2(A)参照)、左ねじれのカイラル材を用いた想定でd/pを0.315に設定した。液晶材料のプレティルト角89°における電気光学特性における閾値電圧は約2Vである。
電圧無印加時(0V)においては、裏基板(液晶層厚=0μm)と表基板(液晶層厚=4μm)の位置ではいずれもアンチパラレル配向のため方位角が45°であり、液晶層内部で一定となっている。しかし、閾値電圧付近の2Vでは裏基板と表基板の双方の近傍にて、基板面での配向容易軸(配向処理方向)と液晶層の方位角とに違いが生じている。このような、基板面での配向容易軸(配向処理方向)と液晶層の方位角との相違(以下「方位角ズレ」という。)は、印加電圧に応じて大きくなり、かつ最大の方位角ズレがみられる液晶層厚方向での位置が両基板面に近接していく傾向がみられる。閾値電圧の約2.5倍である5V印加時には最大の方位角ズレが得られ、さらに印加電圧を増加すると方位角ズレが減少する傾向があるがその最大の方位角ズレが生じる液晶層厚はより基板表面に近接する傾向がみられる。
ここで、上記したシミュレーションでは、両基板表面に関する設定として強いアンカリング条件を想定しているため、高電圧印加時でも両基板表面では各配向容易軸(配向処理方向)に沿った方位角が維持されている。しかし、実際の液晶素子に用いられる垂直配向膜ではこのような強いアンカリング条件は得られない。このため、実際の液晶素子では、カイラル材によるねじれ力が影響し、電圧印加時には両基板表面近傍においても配向方向が大きく変化していると推察される。
5V印加時において、基板表面の影響を受けにくい液晶層厚1μm~3μmの範囲ではほぼ線形的な左ねじれ配向が得られている。この方位角(ねじれ角)の変化が一定である範囲を両基板面まで直線で外挿したものを図中に細い点線による直線で示す。この外挿によると、裏基板の基板面での方位角(配向方向)は約90°、表基板の基板面での方位角(配向方向)は約0°であった。なお、5V以上の印加電圧においては計算条件としての強いアンカリング条件の影響を受けて最大の方位角ズレが小さくなっているが、実際の液晶素子では閾値電圧の2.5倍以上の電圧を印加した際にはほぼ同等な最大の方位角ズレが生じているものと推察される。
図6は、液晶層へのカイラル材の添加量を調整することによりd/pを変化させたときの実質ねじれ角の変化を両基板面がアンチパラレル配向の場合について示した図である。ここでいう「実質ねじれ角」とは、図5で示した印加電圧5V時における1μm~3μmの範囲(配向方向が線形に変化する範囲)の傾きを両基板面まで外挿したときの両配向方向の差である。d/pに対する実質ねじれ角のプロットが線形近似できている。具体的には、d/pをx軸、実質ねじれ角をy軸にとると、y=278.0228617x+1.23589346と表せる。このことから、閾値の2.5倍の印加電圧である5V印加時における実質ねじれ角はd/pにより定められることが分かった。なお、プレティルト角が80°~89.95°の範囲で設定されていれば上記と同様な現象が生じると考えられる。
以上のような検討結果を参照し、図4(A)で示されたポリマー無し、UV照射時電圧無印、UV照射時電圧印加(17V)の各条件下における最大透過率の差の理由を明らかにする。図5に示した方位角方位の液晶分子の配向分布の印加電圧依存性の計算と同様の計算を行う際に、プレティルト角を80°、85°、89°のそれぞれに設定し、両基板の垂直配向膜の配向容易軸をアンチパラレルに配置するとともに、上下基板間での液晶層の配向のねじれ方向をカイラル材によるねじれ方向と同方向になるように設定した。両基板における配向容易軸のなす角度を以下では「基板面ねじれ角」という。また、d/pは0.315に設定した。電気光学特性は液晶素子の法線方向から観察したものである。液晶素子の裏表には偏光板を配置し、電圧印加時における液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向に対して各偏光板の透過軸が45°の角度をなすよう配置し、かつ透過軸同士を直交配置とした。使用する偏光板としては全波長領域で同じ透過率が得られる理想的な偏光板を想定した。なお、印加電圧は15Vまで設定しており、各条件における最大透過率はほとんどの条件でその最大の印加電圧(15V)で得られていた。
図7は、プレティルト角をパラメータにして電気光学特性における最大透過率をプロットしたグラフである。基板面ねじれ角が大きくなるにしたがって最大透過率が低下する傾向が観察される。この現象はプレティルト角に依存していない。一方、プレティルト角の小さい場合のほうが基板ねじれ角の増加に対する透過率の低下が少ない傾向がみられる。
以上の計算結果より、図4(A)で示されたポリマー無し、UV照射時電圧無印加、UV照射時電圧印加(17V)の各条件下における最大透過率の差の理由は以下の通りと考えられる。図4(A)で示したように、閾値の2.5倍以上の印加電圧を加えることにより両基板面の配向容易軸(配向処理方向)がアンチパラレル配向であっても基板面と接する界面近傍の液晶層内では基板面の配向容易軸と異なる配向方向になっていると考えられる。一方、図7に示したように、基板面ねじれ角を増加させた場合の電気光学特性の計算結果からは、最大透過率が低下するためには両基板間で初期状態(電圧無印加時)から液晶層がねじれ配向となっている必要性があると考えられる。
液晶性ポリマー層を形成する際にUV照射時電圧無印加とした比較例では、図5に示す「0V」の場合の配向状態と同様、液晶層内にねじれが生じない状態で液晶性ポリマー層が形成されることから、その際の配向方向が反映されており、最大透過率はポリマー無しの条件と同等になる。これに対して、UV照射時電圧印加とした場合には、その印加電圧の大きさに応じ、かつカイラル材の効果により、液晶層がねじれ配向となった状態で液晶ポリマー層が形成される。このため、その状態が反映されたプレティルト角になるとともに、配向方向も初期のアンチパラレルとは異なる方向に変化した状態が液晶性ポリマー層によって固定化される。液晶層内に添加される液晶性モノマーは例えば0.3wt%程度と非常に少ないので、実質的には、配向膜上に薄膜状に液晶性ポリマー層が形成される。このため、図5で示した配向分布における両基板面とほぼ同じ配向方向が液晶性ポリマー層によって固定化されると考えられる。
以上の考察結果より、UV照射時電圧印加の条件では両基板面の配向膜上に形成された液晶ポリマー層により、両基板面では、UV照射前に垂直配向膜の配向容易軸によって定まっていた配向方向ではない配向方向へ液晶層が配向しており、液晶層全体としてはねじれ配向を形成することから最大透過率が低下したものと考えられる。
このため、UV照射時電圧印加の液晶素子においてその透過率低下を防ぐためにはd/pの設定値を小さくすることが有効と考えられる。そこで、図4(A)に示した電気光学特性を得た液晶素子とd/p以外を同条件とし、カイラル材を調整することでd/pを0.22~0.31の間で可変に設定した液晶素子のサンプルを作製した、それぞれのd/pにおいて、ポリマー無し、UV照射時電圧無印加、UV照射時電圧印加(17V)の条件を設定し、正面観察時の電気光学特性を図4(A)の測定時と同じ偏光板、及び配置、測定条件で測定した。
図8は、各電気光学特性において得られた最大透過率をd/pに対してプロットしたグラフである。ポリマー無し、及びUV照射時電圧無印加の各液晶素子に比べてUV照射時電圧印加の液晶素子のほうがd/pの違いに対する最大透過率の変化が大きく、上記した解析から想定された結果が反映されていることが分かった。UV照射時電圧印加の液晶素子においてはd/pが0.22以下でポリマー無し及びUV照射時電圧無印加の各液晶素子とほぼ同じ最大透過率が得られることが分かった。UV照射時電圧印加(17V)の液晶素子のプレティルト角は82°であるが、図7に示した結果から考えると、プレティルト角が80°~85°の範囲では同等な最大透過率が得られると考えられる。
ここで、d/pが0.22のカイラル材の場合、カイラル材自体は79.2°のねじれを生じさせる効果を有する。これに対して図7に示したように基板面ねじれ角が45°の場合に基板面ねじれ角が0°の場合と同等の最大透過率が得られていることから、カイラル材によるねじれ角と基板面ねじれ角の差は34.2°となる。このことから、各液晶性ポリマー層での第1配向方向と第2配向方向とのなす角度は34.2°又はそれ以下と考えられる。従って、第1垂直配向膜15の配向容易軸と第1液晶性ポリマー層17の第1配向方向とのなす角度は0°より大きく17.1°以下の範囲であり、同様に第2垂直配向膜16の配向容易軸と第2液晶性ポリマー層18の第2配向方向とのなす角度も0°より大きく17.1°以下の範囲であると考えられる。
d/pを0.22以下に設定することで、プレティルト角が80°~85°の範囲であれば、第1液晶性ポリマー層17及び第2液晶性ポリマー層18によって液晶層19に発現するねじれ角をより小さくすることができる。それにより、液晶性ポリマー層の形成時に電圧印加を行った場合における液晶素子の透過率の減少を抑制することができる。これは、第1液晶性ポリマー層17及び第2液晶性ポリマー層18を形成する際の電圧印加時に液晶層19に生じるねじれ角をより小さくし、その状態を固定化することができるためである。
図9は、上記した液晶素子の各サンプルを用いて測定された室温時における立ち上がり応答の測定結果を示す図である。なお、ここでは最大透過率を100%、最低透過率を0%としたとき、0%から90%まで変化するのに要する時間を「応答速度」と定義する。オフ電圧は0V、オン電圧は12Vとした。ポリマー無し、及びUV照射時電圧無印加の液晶素子ではd/pの設定値に関わらず応答速度が非常に遅い。この原因は、閾値の5倍以上の高電圧を印加したことからバックフロー効果が生じているためと考えられる。一方、UV照射時電圧印加(17V)の液晶素子の場合、d/pに依存せず立ち上がり応答速度が飛躍的に改善されている。これはプレティルト角が約82°と低く設定されており、バックフローの影響を抑制できているためと考えられる。
上記においてはd/pの設定値をより小さい値に設定することによりUV照射時に液晶層へ電圧を印加した場合でも電気光学特性における最大透過率の低下を抑制する構成を提示した。以下ではd/pの設定値を変化させずに最大透過率の低下を招かないようにすることができる構成例を示す。詳細には、上記においては液晶材料へ添加するカイラル材によって生じるねじれ方向と、基板面ねじれ角によるねじれ方向が同じである場合のみ取り扱ってきた。以下では、基板面ねじれ角によるねじれ方向とカイラル材によるねじれ方向を互いに逆方向とした場合における最大透過率と基板面ねじれ角との関係を計算した結果を示す。なお、プレティルト角をパラメータとして最大透過率を求めた。
図10は、基板面ねじれ角の回転方向とカイラル材によるねじれ方向との関係を示す図である。図10に示す時計回り方向を「右ねじれ」、反時計方向を「左ねじれ」とする。カイラル材によるねじれ方向r2は左ねじれに設定し、d/p=0.315に設定し、各液晶性ポリマー層17、18による第1配向方向35、第2配向方向36によって定まる基板面ねじれ角のねじれ方向r1を右ねじれに設定する。このとき、液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子配向方向は、クロスニコル配置の偏光板のうち一方の偏光板の透過軸に対して45°となるように配置する。
図11は、正面観察時の電気光学特性における最大透過率の基板面ねじれ角依存をプロットした図である。図示のように、プレティルト角、基板面ねじれ角に依存せず最大透過率はほぼ変化せず約45%であることが分かった。基板面ねじれ角が-120°以下であればプレティルト角80°~89°の範囲において透過率の変化はほとんどないと考えられる。
図12は、他の実施形態の液晶素子の構成を示す模式的な断面図である。また、図13は、図12に示す液晶素子の構成を示す模式的な平面図である。なお、図13に示すA-A線方向の断面が図12に示す断面図に対応している。各図に示す液晶素子10aは、基本的に上記した実施形態の液晶素子10と同様の構成を有しており、第1基板11側において画素電極13の下層側に画素間電極23a等が追加された点が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
各図に示すように、平面視において各画素電極13の図中左右方向における相互間にそれぞれ画素間電極23a、23b、23cが配置されている。また、画素間電極23aには配線部24aが一体化され、画素間電極23bには配線部24bが一体化され、画素間電極23cには配線部24cが一体化されている。各配線部24a、24b、24cは、図中上側へ向かって延びるように設けられている。また、配線部24bは、図中上下方向に隣り合う画素電極13の相互間に配置される部位と、各画素電極13と平面視において重なるようにして配置される部位を有している。同様に、配線部24cは、図中上下方向に隣り合う画素電極13の相互間に配置される部位と、各画素電極13と平面視において重なるようにして配置される部位を有している。
また、配線部24aは、絶縁膜25に設けられたスルーホールを介して1つの画素電極13と接続されている。同様に、配線部24bは、絶縁膜25に設けられたスルーホールを介して1つの画素電極13と接続されており、配線部24cは、絶縁膜25に設けられたスルーホールを介して1つの画素電極13と接続されている。これにより、配線部24aと一体化されている画素間電極23aと、この配線部24aに接続されている1つの画素電極13とが電気的に接続され、同電位化される。同様に、配線部24bと一体化されている画素間電極23bと、この配線部24bに接続されている1つの画素電極13とが電気的に接続され、同電位化される。同様に、配線部24cと一体化されている画素間電極23cと、この配線部24cに接続されている1つの画素電極13とが電気的に接続され、同電位化される。
各画素間電極23a、23b、23c、各配線部24a、24b、24cは、第1基板11の一面側に設けられている。これらはそれぞれ、例えばインジウム錫酸化物膜(ITO膜)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって得られる。各画素間電極23a、23b、23c、各配線部24a、24b、24cの上側には、例えばSiO2膜などからなる絶縁膜25が設けられている。絶縁膜25の膜厚は例えば1μm程度である。そして、各画素電極13は、絶縁膜25の上側に設けられている。さらに、各画素電極13の上側にはそれぞれ、例えばSiO2膜などからなる絶縁膜26が設けられている。各絶縁膜26の膜厚は例えば0.8μm(絶縁膜25の0.8倍程度)である。そして、これら絶縁膜26及び画素電極13を覆うようにして第1垂直配向膜15が設けられ、その上側に第1液晶性ポリマー層17が設けられている。
このような構造の液晶素子10aによれば、画素間電極を設けない場合において各画素電極13の一部のエッジと対向電極14との間で生じ得る斜め電界を生じないようにすることができる。それにより、第1液晶性ポリマー層17、第2液晶性ポリマー層18を形成する際において斜め電界による影響を排除し、均一なプレティルト角分布が得られる。液晶素子10aの平面視での中央付近の部分において斜め電界の影響がないため、特にプレティルト角分布を均一にできる。従って、当該中央付近での液晶配向の均一性を向上することが可能となる。この利点は、次に説明する図14に示すような車両用灯具システムに液晶素子10aを用いる場合において特に重要となる液晶素子10aの平面視での中央付近での光度を向上させることができる。
図14は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。図14に示す車両用灯具システムは、上記の実施形態に係る液晶素子10又は10aを用いて構成されるものであり、ランプユニット(車両用灯具)101と、コントローラ102と、カメラ103を含んで構成されている。この車両用前照灯システムは、カメラ103によって撮影される画像に基づいて自車両の周囲に存在する前方車両や歩行者の顔等の位置を検出し、前方車両等の位置を含む一定範囲を非照射範囲(減光領域)に設定し、それ以外の範囲を光照射範囲に設定して選択的な光照射を行うとともに、路面上へ種々形状の光照射を行うものである。
ランプユニット101は、車両前部の所定位置に配置されており、車両前方を照明するための照射光を形成する。なお、ランプユニット101は車両の左右それぞれに1つずつ設けられるがここでは1つのみ図示する。
コントローラ102は、車両用灯具101の光源110や液晶素子115の動作制御を行うものである。このコントローラ102は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータシステムを用い、このコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって実現される。本実施形態のコントローラ102は、運転席に設置されたライトスイッチ(図示せず)の操作状態に応じて光源10を点灯させるとともに、カメラ103によって検出される前方車両(対向車両、先行車両)、歩行者、道路標識、路上白線などの対象体に応じた配光パターンを設定し、この配光パターンに対応する像を形成するための制御信号を液晶素子115へ供給する。
カメラ103は、自車両の前方空間を撮影して画像を生成し、この画像に対して所定の画像認識処理を行って上記した前方車両等の対象体の位置、範囲、大きさ、種別などを検出する。画像認識処理による検出結果は、カメラ103と接続されているコントローラ102へ供給される。カメラ103は、自車両の車室内の所定位置(例えば、フロントガラス上部)に設置されるか、または自車両の車室外の所定位置(例えば、フロントバンパー内)に設置される。車両に他の用途(例えば、自動ブレーキシステム等)のためのカメラが備わっている場合にはそのカメラを共用してもよい。
なお、カメラ103における画像認識処理の機能をコントローラ102にて代替してもよい。その場合には、カメラ103は、生成した画像をコントローラ102へ出力、この画像に基づいてコントローラ102側で画像認識処理が行われる。あるいは、カメラ103から画像とそれに基づく画像認識処理の結果の双方がコントローラ2へ供給されてもよい。その場合に、コントローラ102は、カメラ103から得た画像を用いてさらに独自の画像認識処理を行ってもよい。
図14に示すランプユニット101は、光源110、リフレクタ111、113、偏光ビームスプリッタ112、1/4波長板114、液晶素子115、光学補償板116、偏光板117、投影レンズ118を含んで構成されている。これらの各要素は、例えば1つのハウジング(筐体)に収容されて一体化されている。また、光源110と液晶素子115は、それぞれコントローラ102と接続されている。なお、本実施形態では、偏光ビームスプリッタ112と偏光板117が「偏光素子」に対応する。
光源110は、コントローラ102による制御を受けて光を放出する。この光源110は、例えばいくつかの白色LED(Light Emitting Diode)などの発光素子と駆動回路を含んで構成される。なお、光源10の構成はこれに限定されない。例えば、光源110としては、レーザ素子、さらには電球や放電灯など車両用ランプユニットに一般的に使用されている光源が使用可能である。
リフレクタ111は、光源110に対応づけて配置されており、光源110から放出される光を反射及び集光して偏光ビームスプリッタ112の方向へ導き、液晶素子115へ入射させる。リフレクタ111は、例えば楕円面状の反射面を有する反射鏡である。この場合、光源110は、リフレクタ111の反射面の焦点付近に配置することができる。なお、リフレクタ111に代えて集光部として集光レンズを用いてもよい。
偏光ビームスプリッタ112は、入射光のうち特定方向の偏光成分を透過し、これと直交方向の偏光成分を反射させる反射型偏光素子である。このような偏光ビームスプリッタ112としては、例えばワイヤーグリッド型偏光素子や多層膜偏光素子などを用いることができる。
リフレクタ113は、偏光ビームスプリッタ112によって反射される光が入射し得る位置に設けられており、入射した光を偏光ビームスプリッタ112の方向へ反射させる。
1/4波長板114は、偏光ビームスプリッタ112とリフレクタ113の間の光路上に配置されており、入射する光に位相差を与える。本実施形態では、偏光ビームスプリッタ112によって反射された光は、1/4波長板114を透過し、リフレクタ113で反射されて再度1/4波長板114を透過することで偏光方向が90°回転して偏光ビームスプリッタ112へ再入射する。それにより、再入射した光は偏光ビームスプリッタ112を透過することができるので光の利用効率が向上する。
液晶素子115は、リフレクタ111、113のそれぞれにより反射及び集光された光が入射し得る位置に配置されている。液晶素子115は、互いに独立に制御可能な複数の画素部(光変調部)を備えている。本実施形態では、液晶素子115は、各画素部に駆動電圧を与えるためのドライバ(図示せず)を有している。ドライバは、コントローラ102から供給される制御信号に基づいて、液晶素子115に対して、各画素部を個別に駆動するための駆動電圧を与える。この液晶素子115として、上記の実施形態に係る液晶素子10又は10aが用いられる。本実施形態では、液晶素子115、図示しないドライバ及びコントローラ102が「液晶装置」に対応する。
光学補償板116は、液晶素子115を透過した光の位相差を補償し、偏光度を高めるためのものである。なお、光学補償板116は省略されてもよい。
偏光板117は、液晶素子115の光出射側に配置されている。偏光ビームスプリッタ112、偏光板117とこれらの間に配置された液晶素子115によって、自車両の前方へ照射する光の配光パターンに対応した像が形成される。
投影レンズ118は、リフレクタ111、113により反射及び集光され、液晶素子115を透過した光が入射し得る位置に配置されており、この入射した光を自車両の前方へ投影する。投影レンズ118は、その焦点が液晶素子115の液晶層の位置に対応するように配置されている。
以上のような実施形態によれば、液晶素子における透過率の低下を抑制することが可能になる。また、透過率の低下が抑制された液晶素子を備える車両用灯具システムを提供することが可能になる。
なお、本開示は上記した各実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、車両用灯具システムの構成は上記した実施形態の構成に限定されず、液晶素子を用いて配光パターンを形成するものであれば本開示に係る液晶素子を適用することができる。また、各実施形態の液晶素子は、車両用途に限らず種々の照明装置(例えば液晶プロジェクタ、街路灯、踏切信号、方向案内照明等)に適用することも可能であり、また一般的な表示用途の液晶素子に適用することも可能である。
10、10a:液晶素子、11:第1基板、12:第2基板、13:画素電極、14:対向電極、15:第1垂直配向膜、16:第2垂直配向膜、17:第1液晶性ポリマー層、18:第2液晶性ポリマー層、19:液晶層、19a:液晶分子、19b:液晶性モノマー、21、22:偏光板、31、32:配向処理方向
Claims (9)
- 互いの一面側を向かい合わせて配置された第1基板及び第2基板と、
前記第1基板の一面側に配置されており第1配向容易軸を有する第1垂直配向膜と、
前記第1基板の一面側において前記第1垂直配向膜の上側に配置された第1液晶性ポリマー層と、
前記第2基板の一面側に配置されており第2配向容易軸を有する第2垂直配向膜と、
前記第2基板の一面側において前記第2垂直配向膜の上側に配置された第2液晶性ポリマー層と、
カイラル材を含有する液晶材料を用いて構成されており、前記第1液晶性ポリマー層と前記第2液晶性ポリマー層の間に配置された略垂直配向の液晶層と、
を含み、
前記液晶層は、前記第1液晶性ポリマー層による第1配向方向が前記第1垂直配向膜の前記第1配向容易軸の方向と異なり、かつ前記第2液晶性ポリマー層による第2配向方向が前記第2垂直配向膜の前記第2配向容易軸の方向と異なる、
液晶素子。 - 前記第1液晶性ポリマー層及び/又は前記第2液晶性ポリマー層によって前記液晶層に発現するプレティルト角が80°以上85°以下である、
請求項1に記載の液晶素子。 - 前記第1配向容易軸と前記第2配向容易軸とが反平行に配置された、
請求項1又は2に記載の液晶素子。 - 前記第1配向方向と前記第2配向方向とのなす角度が0°より大きく、
前記第1配向方向と前記第2配向方向との相対的な位置関係から定まる第1ねじれ方向と前記カイラル材により定まる第2ねじれ方向とが同方向であり、
前記カイラル材のピッチをpとし、前記液晶層の層厚をdとしたときのd/pが0より大きく0.22以下である、
請求項3に記載の液晶素子。 - 前記第1配向方向と前記第2配向方向とのなす角度が0°より大きく、
前記第1配向方向と前記第2配向方向との相対的な位置関係から定まる第1ねじれ方向と前記カイラル材により定まる第2ねじれ方向とが逆方向である、
請求項3に記載の液晶素子。 - 前記第1配向容易軸と前記第1配向方向とのなす角度と前記第2配向容易軸と前記第2配向方向とのなす角度とが略等しい、
請求項4又は5に記載の液晶素子。 - 前記第1配向容易軸と前記第1配向方向とのなす角度は0°より大きく17.1°以下であり、
前記第2配向容易軸と前記第2配向方向とのなす角度は0°より大きく17.1°以下である、
請求項4~6の何れか1項に記載の液晶素子。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載の液晶素子と、当該液晶素子に接続されて駆動電圧を供給する駆動装置と、
を含む、液晶装置。 - 請求項8に記載の液晶装置と、
前記液晶装置の前記液晶素子に光を入射させる光源と、
を含む、照明装置。
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