JP2022022075A - 車両制御装置、車両制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転モードの切替に際してユーザに煩わしさを与える恐れを低減可能な車両制御装置を提供する。【解決手段】HCU20は、すべての運転タスクをシステムが実行する自動運転モードと、自動化レベルが異なる複数の手動運転モードと、を備える車両で使用される。HCU20は手動運転モード時において自動運転モードに移行となった場合、自動運転モードに切り替えるための操作として、現在の運転モードの自動化レベルに対応する操作をユーザに要求する。自動運転モードに切り替えるための一連の操作の回数は、現行モードの自動化レベルが低いほど多くなるように構成されている。【選択図】図5
Description
この明細書における開示は、自動運転を実行可能な車両のユーザに対する情報の提示を制御する技術に関する。
特許文献1には、渋滞が発生しており、且つ渋滞の発生している区間の長さが所定値以上である場合に、自動運転を開始させる車両制御装置が開示されている。
運転操作の自動化レベルとしては、例えば米国自動車技術会(SAE International)が定義しているように、複数のレベルが存在し得る。なお、自動運転の対義語としての手動運転には、すべての運転タスクをユーザが実施する完全手動運転だけでなく、運転支援が実行されている状態も含めることができる。ここでのユーザは主として、運転席に着座している乗員を指す。運転タスクには、操舵操作及び加減速操作が含まれる。また、車両周辺における交通状況を監視することも運転タスクに含まれうる。
自動運転機能を提供する車両制御装置は、動作モードとして、運転タスクの少なくとも一部をユーザが行う手動運転モードと、すべての運転タスクをシステムが行う自動運転モードとを備えることが想定される。ここでのシステムとは、車両制御装置を主体とする車載システムを指す。
そのような車両制御装置における手動運転モードから自動運転モードへの移行は、所定の入力装置からの入力信号に基づいて、ユーザが自動運転モードに切り替えるための所定の操作を行ったことを検知したことに基づいて実施される。例えば、入力装置を介して自動運転の開始を指示するユーザ操作が行われた場合、車両制御装置は画像や音声メッセージを用いてユーザの意思を確認した上で、運転モードを自動運転モードに切り替える。自動運転モードから手動運転モードへの切り替えも所定のユーザ操作をトリガとして実行されうる。
上記のような所定のユーザ操作をトリガとして運転交代が行われるシステム構成を前提とすると、運転モードの切り替えに際し、なるべくユーザに煩わしさを与えないように構成されていることが好ましい。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、運転モードの切替に際してユーザに煩わしさを与える恐れを低減可能な車両制御装置を提供することにある。
その目的を達成するための車両制御装置の1つは、運転操作の自動化レベルが異なる複数の運転モードを備える車両制御装置であって、運転モードを切り替えるためのユーザの操作に対応する信号である操作信号を入力装置(19)から取得する操作信号取得部(F3)と、操作信号取得部が取得した操作信号に基づいて、運転モードの切替を制御する運転モード制御部(F5)と、を備え、現在設定されている運転モードである現行モードと、変更先の運転モードである移行先モードの組み合わせに応じて、運転モードの切り替えを、異なる操作内容で実行可能に構成されている。
また、上記目的を達成するための車両制御方法は、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、ユーザの操作に基づいて車両の運転モードを変更するための車両制御方法であって、運転モードを切り替えるためのユーザの操作に対応する信号である操作信号を入力装置(19)から取得する操作信号取得ステップ(S202、S205、S302、S402)と、操作信号取得ステップで取得した操作信号に基づいて、運転モードを切り替える運転モード変更ステップ(S206、S304、S404)と、を備え、現在設定されている運転モードである現行モードと、変更先の運転モードである移行先モードの組み合わせに応じて、運転モードを切り替えるためのユーザの操作の内容を変更可能に構成されている。
上記構成/方法によれば、運転モードを切り替える操作は、現行モードと移行先モードの組み合わせに応じて定まる。すなわち、上記構成/方法によれば現行モードにおけるユーザの運転操作への関わり度合いに応じた操作で、運転モードを変更可能となる。その結果、運転モードの切替操作として、現行モードにおけるユーザの状況に合わない操作手順を要求する恐れを低減することができる。つまり、運転モードの切替に際してユーザに煩わしさを与える恐れを低減できる。
また、目的を達成するための車両制御装置の1つは、運転操作の自動化レベルが異なる複数の運転モードを備える車両制御装置であって、運転モードとして、ユーザが車両前方を監視する必要がない運転モードである自動運転モードと、ユーザが全ての運転操作を行う運転モードである完全手動モードと、ユーザが一部の運転操作を行う運転モードである運転支援モードと、を含み、所定の入力装置(19)に対するユーザの操作に対応する信号である操作信号を取得する操作信号取得部(F3)と、操作信号取得部が取得した操作信号に基づいて、運転モードの切替を制御する運転モード制御部(F5)と、を備え、自動運転モードから運転支援モード又は完全手動モードへ切り替えるための条件は、運転支援モードから完全手動モードへ切り替えるための条件よりも厳しく設定されている。
当該構成によれば、意図せずに自動運転モードが解除される恐れを低減できる。その結果、運転モードの切替に際してユーザに煩わしさを与える恐れを低減できる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
図面を参照しながら、本開示の実施形態の一例を説明する。なお、以下では、左側通行が法制化されている地域を例に挙げて説明を行う。右側通行が法制化されている地域では、左右を逆にして実施可能である。本開示は、以下の車両制御装置が適用される地域の法規及び慣習に適合するように適宜変更して実施可能である。
図1は、本開示に係る自動運転システム1の概略的な構成の一例を示す図である。自動運転システム1は、道路上を走行可能な車両に搭載可能である。自動運転システム1が適用される車両としては、四輪自動車のほか、二輪自動車、三輪自動車等であってもよい。原動機付き自転車も二輪自動車に含めることができる。自動運転システム1が適用される車両は、個人によって所有されるオーナーカーであってもよいし、シェアカーや、レンタカー、運送サービスカーであってもよい。運送サービスカーには、タクシーや路線バス、乗り合いバスなどが含まれる。シェアカーは、カーシェアリングサービスに供される車両であり、レンタカーは車両貸し出しサービスに供される車両である。
以降では自動運転システム1が搭載されている車両を自車両Maとも記載するとともに、自車両Maの運転席に着座している乗員(つまり運転席乗員)のことをユーザとも記載する。なお、以下の説明における前後、左右、上下の各方向は、自車両Maを基準として規定される。具体的に、前後方向は、自車両Maの長手方向に相当する。左右方向は、自車両Maの幅方向に相当する。上下方向は、車両高さ方向に相当する。別の観点によれば、上下方向は、前後方向及び左右方向に平行な平面に対して垂直な方向に相当する。
自動運転システム1は自車両Maを自律的に走行させる、いわゆる自動運転機能を提供する。運転操作の自動化の度合い(以下、自動化レベル)としては、例えば米国自動車技術会(SAE International)が定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えばSAEの定義では、以下のようにレベル0~5の6段階に区分される。
レベル0は、システムが介入せずに運転席乗員としてのユーザが全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクには、例えば操舵及び加減速が含まれる。また、運転タスクには、例えば車両前方など、車両の周辺を監視することも含まれる。レベル0は、いわゆる完全手動運転レベルに相当する。レベル1は、操舵と加減速との何れかをシステムがサポートするレベルである。レベル2は、操舵操作と加減速操作のうちの複数をシステムがサポートするレベルを指す。レベル1~2は、いわゆる運転支援レベルに相当する。
レベル3は、運行設計領域(ODD:Operational Design Domain)内においてシステムが全ての運転タスクを実行する一方、緊急時にはシステムからユーザに操作権限が移譲されるレベルを指す。ODDは、例えば走行位置が高速道路内であること等の、自動運転を実行可能な条件を規定するものである。レベル3では、システムから運転交代の要求があった場合に、ユーザが迅速に対応可能であることが求められる。なお、ユーザの代わりに、車両外部に存在するオペレータが運転操作を引き継いでもよい。レベル3は、いわゆる条件付き自動運転に相当する。
レベル4は、対応不可能な道路、極限環境等の特定状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル4は、ODD内にてシステムが全ての運転タスクを実施するレベルに相当する。レベル4は、いわゆる高度自動運転に相当する。レベル5は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。レベル5は、いわゆる完全自動運転に相当する。レベル3~5が自動運転に相当する。レベル3~5は、車両の走行に係る制御のすべてを自動で実行する、自律走行レベルと呼ぶこともできる。本開示の「自動運転」が指すレベルは、例えばレベル3相当であってもよいし、レベル4以上であってもよい。以降では、自動運転システム1は少なくとも自動化レベル3以上の自動運転を実施可能に構成されている場合を例に挙げて説明を行う。
自動運転システム1は図1に示すように周辺監視センサ11、車両状態センサ12、ロケータ13、地図記憶部14、V2X車載器15、乗員状態センサ16、運行記録装置17、情報提示装置18、入力装置19、HCU20、及び自動運転装置30を備える。情報提示装置18、入力装置19、及びHCU20を含む構成はHMIシステム2として構成されている。なお、HMIは、Human Machine Interfaceの略である。HMIシステム2は、ユーザ操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ユーザへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを提供するシステムである。HCUは、HMI Control Unitの略である。部材名称中のV2XはVehicle to X(Everything)の略で、車を様々なものをつなぐ通信技術を指す。V2Xの「V」は自車両Maとしての自動車を指し、「X」は、歩行者や、他車両、道路設備、ネットワーク、サーバなど、自車両Ma以外の多様な存在を指しうる。
自動運転システム1を構成する上記の種々の装置又はセンサは、ノードとして、車両内に構築された通信ネットワークである車両内ネットワークNwに接続されている。車両内ネットワークNwに接続されたノード同士は相互に通信可能である。なお、特定の装置同士は、車両内ネットワークNwを介することなく直接的に通信可能に構成されていてもよい。例えば自動運転装置30と運行記録装置17は専用線によって直接的に電気接続されていても良い。また、図1において車両内ネットワークNwはバス型に構成されているが、これに限らない。ネットワークトポロジは、メッシュ型や、スター型、リング型などであってもよい。ネットワーク形状は適宜変更可能である。車両内ネットワークNwの規格としては、例えばController Area Network(以降、CAN:登録商標)や、イーサネット(イーサネットは登録商標)、FlexRay(登録商標)など、多様な規格を採用可能である。
周辺監視センサ11は、自車の周辺を監視するセンサである。周辺監視センサ11は、所定の検出対象物の存在及びその位置を検出するように構成されている。検出対象物には、例えば、歩行者や、他車両などの移動体が含まれる。他車両には自転車や原動機付き自転車、オートバイも含まれる。また、周辺監視センサ11は、所定の地物も検出可能に構成されている。周辺監視センサ11が検出対象とする地物には、道路端や、中央分離帯、路面標示、道路沿いに設置される立体構造物が含まれる。路面標示とは、交通制御、交通規制のための路面に描かれたペイントを指す。例えば、レーンの境界を示す車線区画線や、横断歩道、停止線、導流帯、安全地帯、規制矢印などが路面標示に含まれる。車線区画線は、レーンマークあるいはレーンマーカーとも称される。車線区画線には、チャッターバーやボッツドッツなどの道路鋲によって実現されるものも含まれる。道路沿いに設置される立体構造物とは、例えば、ガードレールや道路標識、信号機などである。道路標識には、方面看板や道路名称看板などの案内標識などが含まれる。周辺監視センサ11は、後述するローカライズ処理においてランドマークとして使用されうる立体構造物を検出可能に構成されていることが好ましい。周辺監視センサ11は、路上落下物も検出可能に構成されていてもよい。
周辺監視センサ11としては、例えば、周辺監視カメラ、ミリ波レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)、ソナー等を採用することができる。周辺監視カメラは自車両の外側、所定方向を撮像するように配置されている車載カメラである。周辺監視カメラには、自車両Maの前方を撮影するようにフロントガラスの車室内側の上端部や、フロントグリル等に配置された、前方カメラが含まれる。前方カメラは、例えばCNN(Convolutional Neural Network)やDNN(Deep Neural Network)などを用いた識別器を用いて上記の検出対象物を検出する。
周辺監視センサ11が生成する観測データに基づく物体認識処理は、自動運転装置30など、センサ外のECU(Electronic Control Unit)が実行しても良い。前方カメラやミリ波レーダなどの周辺監視センサ11が備える物体認識機能の一部又は全部は、自動運転装置30が備えていてもよい。その場合、各種周辺監視センサ11は、画像データや測距データといった観測データを検出結果データとして自動運転装置30に提供すればよい。
車両状態センサ12は、自車両Maの走行制御に関わる状態量を検出するセンサ群である。車両状態センサ12には、車速センサ、操舵センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ等が含まれる。車速センサは、自車の車速を検出する。操舵センサは、自車の操舵角を検出する。加速度センサは、自車の前後加速度、横加速度等の加速度を検出する。加速度センサは負方向の加速度である減速度も検出するものとすればよい。ヨーレートセンサは、自車の角速度を検出する。なお、車両状態センサ12として自動運転システム1が使用するセンサの種類は適宜設計されればよく、上述した全てのセンサを備えている必要はない。
ロケータ13は、複数の情報を組み合わせる複合測位により、自車両Maの高精度な位置情報等を生成する装置である。ロケータ13は、例えば、GNSS受信機を用いて構成されている。GNSS受信機は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する測位衛星から送信される航法信号(以降、測位信号)を受信することで、当該GNSS受信機の現在位置を逐次検出するデバイスである。例えばGNSS受信機は4機以上の測位衛星からの測位信号を受信できている場合には、100ミリ秒ごとに測位結果を出力する。GNSSとしては、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等を採用可能である。
ロケータ13は、GNSS受信機の測位結果と、慣性センサの出力とを組み合わせることにより、自車両Maの位置を逐次測位する。例えば、ロケータ13は、トンネル内などGNSS受信機がGNSS信号を受信できない場合、ヨーレートと車速を用いてデッドレコニング(Dead Reckoning :すなわち自律航法)を行う。車両位置は、例えば緯度、経度、及び高度の3次元座標で表される。測位した車両位置情報は車両内ネットワークNwに出力され、自動運転装置30等で利用される。
なお、ロケータ13は、ローカライズ処理を実施可能に構成されていても良い。ローカライズ処理は、前方カメラなどの周辺監視カメラで撮像された画像に基づいて特定されたランドマークの座標と、地図データに登録されているランドマークの座標とを照合することによって自車両Maの詳細位置を特定する処理を指す。ランドマークとは、例えば、方面看板などの案内標識や、信号機、ポールなど、道路沿いに設置された立体構造物などである。また、ロケータ13は、前方カメラやミリ波レーダで検出されている道路端からの距離に基づいて、自車両Maが走行しているレーンの識別子である走行レーンIDを特定するように構成されていても良い。走行レーンIDは、例えば左端又は右端の道路端から何番目のレーンを自車両Maが走行しているかを示す。ロケータ13が備える一部又は全部の機能は、自動運転装置30が備えていてもよい。
地図記憶部14は、高精度地図データを記憶している不揮発性メモリである。ここでの高精度地図データは、道路構造、及び、道路沿いに配置されている地物についての位置座標等を、自動運転に利用可能な精度で示す地図データに相当する。高精度地図データは、例えば、道路の3次元形状データや、車線データ、地物データ等を備える。上記の道路の3次元形状データには、複数の道路が交差、合流、分岐する地点(以降、ノード)に関するノードデータと、その地点間を結ぶ道路(以降、リンク)に関するリンクデータが含まれる。
リンクデータには、道路端の位置座標を示す道路端情報や、道路の幅員などが含まれる。リンクデータには、自動車専用道路であるか、一般道路であるかといった、道路種別を示すデータも含まれていてもよい。ここでの自動車専用道路とは、歩行者や自転車の進入が禁止されている道路であって、例えば高速道路などの有料道路などを指す。リンクデータには、自律走行が許容される道路であるか否かを示す属性情報を含んでもよい。車線データは、車線数や、車線ごとの区画線の設置位置情報、車線ごとの進行方向、車線レベルでの分岐/合流地点を示す。
地物データは、一時停止線などの路面標示の位置及び種別情報や、ランドマークの位置、形状、及び種別情報を含む。ランドマークには、前述の通り、交通標識や信号機、ポール、商業看板など、道路沿いに設置された立体構造物が含まれる。なお、地図記憶部14は、自車両から所定距離以内の領域についての部分的な高精度地図データを一時的に記憶する構成であっても良い。
V2X車載器15、自車両Maが他の装置と無線通信を実施するための装置である。V2X車載器15は、通信モジュールとして広域通信部と狭域通信部を備える。広域通信部は、所定の広域無線通信規格に準拠した無線通信を実施するための通信モジュールである。ここでの広域無線通信規格としては例えばLTE(Long Term Evolution)や4G、5Gなど多様なものを採用可能である。自車両Maは、V2X車載器15の搭載により、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。例えば自動運転装置30は、V2X車載器15との協働により、地図サーバから自車両Maの現在位置に応じた最新の部分地図データをダウンロードする。また、V2X車載器15は、外部サーバや路側機などから、渋滞情報や、天気情報を取得する。渋滞情報には渋滞区間の開始地点や終了地点などの位置情報が含まれる。
V2X車載器15が備える狭域通信部は、通信距離が数百m以内に限定される通信規格
(以降、狭域通信規格)によって、自車両Ma周辺に存在する他の移動体や路側機と直接的に無線通信を実施するための通信モジュールである。他の移動体としては、車両のみに限定されず、歩行者や、自転車などを含めることができる。狭域通信規格としては、IEEE1709にて開示されているWAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)規格や、DSRC(Dedicated Short Range Communications)規格など、任意のものを採用可能である。狭域通信部は、例えば所定の送信周期で自車両Maについての車両情報を周辺車両に向けて同報送信するとともに、他車両から送信された車両情報を受信する。車両情報は、車両IDや、現在位置、進行方向、移動速度、方向指示器の作動状態、タイムスタンプなどが含まれる。
乗員状態センサ16は、ユーザの状態を検出するセンサ群である。乗員状態センサ16として、例えば、ドライバステータスモニタ(以降、DSM:Driver Status Monitor)16A、及びハンドルセンサ16Bを備える。なお、自動運転システム1はこれらすべてのセンサを備えている必要はない。また、自動運転システム1は運転席を撮像するように配置された車室内カメラを備えていても良い。ユーザの画像を解析することでユーザの姿勢等を特定できるため、上記車室内カメラもまた乗員状態センサ16に該当する。車室内カメラは例えばウインドシールドの上端部やルームミラー付近に設置されうる。
DSM16Aは、ユーザの顔画像に基づいてユーザの状態を逐次検出する。具体的には、DSM16Aは、近赤外カメラを用いてユーザの顔部を撮影し、その撮像画像に対して画像認識処理を施すことで、ユーザの顔の向きや視線方向、瞼の開き度合い等を逐次検出する。DSM16Aは、運転席に着座している乗員の顔を撮影可能なように、例えば運転席のヘッドレスト部に近赤外カメラを向けた姿勢にて、ステアリングコラムカバーの上面や、インストゥルメントパネルの上面、ルームミラー等に配置されている。DSM16Aは、撮影画像から特定したユーザの顔の向きや、視線方向、瞼の開き度合い等を示す情報を乗員状態データとして車両内ネットワークNwへ逐次出力する。また、本実施形態ではより好ましい態様として、DSM16Aは、ユーザの顔画像データを自動運転装置30や運行記録装置17などに提供する。画像データは映像信号の形式で出力されてもよい。なお、DSM16Aもまた車室内カメラの一例に相当する。
ハンドルセンサ16Bは、ハンドルに設けられてあって、ユーザがハンドルを握る圧力を検出する。なお、ハンドルセンサ16Bは、静電容量の変化に基づいて乗員がハンドルを握っていることを検出する、静電容量式のセンサであってもよい。ハンドルセンサ16Bはハンドルに作用するトルクを検出するもの(例えばトーションバー)であっても良い。ハンドルにトルク(いわゆる操舵反力)がかかっていることはユーザがハンドルを把持していることを示すためである。ハンドルセンサ16Bの出力信号は、ユーザが両手でハンドルを把持しているか否かを示す信号として利用可能である。ハンドルセンサ16Bの検出結果は、例えば車両内ネットワークNwを介して自動運転装置30などに提供される。
運行記録装置17は、車両の走行時の車両内、及び、車室外の状況を示すデータを記録する装置である。車両の走行時の車両内の状況には、自動運転装置30の作動状態や、ユーザの状態を含めることができる。自動運転装置30の作動状態を示すデータには、自動運転装置30における周辺環境の認識結果や、走行計画、各走行アクチュエータの目標制御量などの算出結果も含まれる。また、メータディスプレイ18B等の表示画面をキャプチャした画像又は動画データを記録対象に含めても良い。記録対象とするデータは、車両内ネットワークNw等を介して、自動運転装置30や周辺監視センサ11など、車両に搭載されているECUやセンサから取得する。運行記録装置17は所定の記録イベントが発生した場合に、当該イベント発生時点の前後所定時間における各種データを記録する。記録イベントとしては、例えば運転操作の権限移譲や、ODDの退出、MRM(Minimum Risk Maneuver)の実行、衝突、急減速等を採用可能である。データの記録先は、自車両Maに搭載された不揮発性の記憶媒体であってもよいし、外部サーバであってもよい。
情報提示装置18は、ユーザに自動運転システム1の作動状態等を提示するためのデバイス群である。情報提示装置18には、例えば図2に示すように、HUD18A、メータディスプレイ18B、音響装置18C、およびステアリングインジケータ18Dが含まれる。HUD18Aは、HCU20から入力される制御信号及び映像データに基づき、フロントガラスの所定領域に画像光を投影することにより、ユーザによって知覚されうる虚像を映し出す装置である。メータディスプレイ18Bはインストゥルメントパネルにおいて運転席の正面に位置する領域に配置されたディスプレイである。メータディスプレイ18Bは、フルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて実現できる。HUD18A、メータディスプレイ18Bが表示装置に相当する。
音響装置18Cは、HCU20から入力される制御信号に基づいて、少なくとも1つのスピーカから音を出力する装置である。音との記載には音声や音楽も含まれる。音響装置18Cは複数のスピーカを備えていても良い。音響装置18Cは、3個以上のスピーカから音響信号を出力することによって、3次元空間の任意の方向及び任意の距離に仮想音源の音像を定位させる、立体音響装置であってもよい。
ステアリングインジケータ18Dは、ステアリングホイールの例えばリム部分に沿って設けられた複数の発光素子を含むデバイスである。発光素子としては発光ダイオード(LED:light emitting diode)や、発光トランジスタなどを採用可能である。個々の発光素子は点状光源とすることができる。ステアリングインジケータ18Dは複数種類の色を出力可能に構成されている。ステアリングインジケータ18Dの点灯状態は、HCU20から入力される制御信号に基づいて制御される。ステアリングインジケータ18Dは、発光色に基づいて、ユーザに対してステアリングホイール、すなわちハンドルを把持するように要求したり、自動運転中か否かなどの運転モードを通知したりする役割を担う。
なお、自動運転システム1は情報提示装置18として上述したすべてのデバイスを備えている必要はない。また、ユーザへの情報提示の手段としては、運転席の背もたれ部等に埋め込まれたバイブレータ等、ユーザの触覚を刺激するデバイスも採用可能である。情報提示装置18として、インストゥルメントパネルの車幅方向中央部の最上部に設けられたセンターディスプレイを含んでいても良い。以降におけるメータディスプレイ18Bは、センターディスプレイに置き換えて実施可能である。便宜上、本開示ではメータディスプレイ18Bやセンターディスプレイなど、インストゥルメントパネルに設けられた、実像としての画像を表示するデバイスのことを、HUD18Aとの区別のため、実像ディスプレイ又はインパネディスプレイとも記載する。
入力装置19は、自動運転システム1に対するユーザの指示操作を受け付けるための装置である。入力装置19としては、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアリングスイッチ、ステアリングコラム部に設けられた操作レバー、センターディスプレイに積層されたタッチパネルなどを採用可能である。上述した複数種類のデバイスを入力装置19として備えていても良い。ユーザの操作は、ユーザの行為又は指示入力と読み替える事ができる。入力装置19は、当該装置に対してユーザが行った操作に対応する電気信号をユーザ操作信号としてHCU20に出力する。ユーザ操作信号は、ユーザの操作内容を示す情報を含む。
本実施形態のHMIシステム2は、例えば入力装置19として、モード切替スイッチ19Aと音声入力装置19Bを備える。モード切替スイッチ19Aは、ユーザが運転モードを切り替えるためのスイッチである。モード切替スイッチ19Aには、自動運転モードの開始を指示又は許可するためのAD(Autonomous Driving)許可スイッチと、自動運転モードを解除(換言すれば終了)させるためのAD解除スイッチとが含まれる。AD許可スイッチとAD解除スイッチとは別々に設けられていても良いし、同一のスイッチであっても良い。ここでは一例としてAD許可スイッチとAD解除スイッチは同一のスイッチで実現されているものとする。すなわち、同一のスイッチが、自動運転モードではない場合にはAD許可スイッチとして機能し、自動運転モードにおいてはAD解除スイッチとして機能するように構成されている。
また、モード切替スイッチ19Aとして、所定の運転支援モードを開始するための支援開始スイッチと、自動運転モードを開始するためのAD許可スイッチとが別々に設けられていても良い。もちろん、支援開始スイッチとAD許可スイッチは同一のボタンであってもよい。支援開始スイッチやAD許可スイッチは、自動化レベルを上げるためのレベルアップスイッチに相当する。また、モード切替スイッチ19AとしてAD解除スイッチと支援解除スイッチとが別々に設けられていても良い。もちろん、支援解除スイッチとAD解除スイッチは同一のボタンであってもよい。支援解除スイッチやAD解除スイッチは、自動化レベルを下げるためのレベルダウンスイッチに相当する。
このようなモード切替スイッチ19Aは、後述する自動運転装置30が提供する自動運転機能や運転支援機能を作動させたり停止させたりするためのスイッチに相当する。モード切替スイッチ19Aは例えばステアリングスイッチとして構成されている。なお、ステアリングに設けられた、アップボタン又は進むボタンをモード切替スイッチ19Aとして兼用しても良い。アップボタン又は進むボタンは、音響装置18Cの音量や、空調の設定温度を上げるためのボタンに相当する。なお、自動運転システム1は、ステアリングに設けられたダウンボタン又は戻るボタンを運転モードの切替をキャンセルするためのボタンであるキャンセルスイッチとして援用するように構成されていても良い。ステアリングコラム部に設けられた操作レバーがモード切替スイッチ19Aとして作動するように構成されていてもよい。
その他、モード切替スイッチ19Aは、インパネディスプレイに表示される画像とタッチパネルとの組み合わせによって実現されていてもよい。つまり、モード切替スイッチ19Aは、タッチパネルによって選択されたことを検出可能なボタン画像(スイッチ画像)として実現されていても良い。ボタン画像の概念にはアイコン画像も含めることができる。なお、モード切替スイッチ19Aがタッチパネル方式で実現される場合、自動運転モード中は、AD解除スイッチとしてのモード切替スイッチ19Aは常にインパネディスプレイの所定領域に表示され続けるものとする。
音声入力装置19Bは、音声認識用の辞書等を用いてユーザの発話内容を認識する装置である。音声入力装置19Bは、インストゥルメントパネルやステアリングホイール等に設けられたマイクと、マイクで集音した音声信号を解析する音声認識処理ユニットなどを構成要素として含む。なお、音声認識処理は外部サーバが実行するように構成されていてもよい。
なお、ブレーキペダルやアクセルペダル、ハンドル、シフトレバーなどの操作部材もまた、自動運転システム1を含む車両に対してユーザが指示を入力するための装置である。故に、ブレーキペダルやアクセルペダル、ハンドル、シフトレバーなども入力装置19の概念に含まれうる。ブレーキペダルとアクセルペダルとを区別しない場合にはペダル類とも記載する。例えばHCU20には、ブレーキペダルセンサからブレーキペダルの踏込量を示す信号(例えば電圧値)が入力される。ペダル類の踏込量はストローク量と呼ぶこともできる。また、HCU20には、アクセルペダルセンサからアクセルペダルの踏込量を示す信号が入力される。さらに、HCU20には操舵角センサから操舵角を示す信号が入力される。その他、HCU20にはシフトポジションセンサからシフトポジションを示す信号が入力されうる。各種ペダル類の踏込量/踏み込み力を示す信号や、操舵角を示す信号なども操作信号に該当しうる。なお、シフトポジションを変更するための操作部材はスイッチタイプであってもよい。本開示におけるシフトレバーはシフトスイッチと読み替えることができる。
HCU20は、ユーザへの情報提示を統合的に制御する構成である。HCU20は、自動運転装置30から入力される制御信号や、入力装置19から入力されるユーザ操作信号に基づき、メータディスプレイ18B等の表示画面を制御する。例えばHCU20は、自動運転装置30から提供される情報に基づき、自動運転機能の動作状態を示す画像をHUD18A及びメータディスプレイ18Bに表示する。また、HCU20は、画像や光、音を用いた所定の通知態様でユーザに運転操作を引き継ぐように要求するハンドオーバー要求処理を実行する。
このようなHCU20は、処理部21、RAM22、ストレージ23、通信インターフェース24、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として構成されている。処理部21は、RAM22と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部21は、CPU(Central Processing Unit)等の演算コア、換言すればプロセッサを少なくとも一つ含む構成である。処理部21は、RAM22へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。ストレージ23は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージ23には、処理部21によって実行されるプログラム(以降、車両制御プログラム)が格納されている。処理部21が車両制御プログラムを実行することは、車両制御方法として、車両制御プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。通信インターフェース24は、車両内ネットワークNwを介して他の装置と通信するための回路である。通信インターフェース24は、アナログ回路素子やICなどを用いて実現されればよい。HCU20の詳細については別途後述する。
自動運転装置30は、周辺監視センサ11の検出結果などをもとに走行アクチュエータを制御することにより、運転操作の一部又は全部をユーザの代わりに実行するECU(Electronic Control Unit)である。自動運転装置30は自動運行装置とも称される。走行アクチュエータには例えば制動装置としてのブレーキアクチュエータや、電子スロットル、操舵アクチュエータなどが含まれる。操舵アクチュエータには、EPS(Electric Power Steering)モータも含まれる。なお、自動運転装置30と走行アクチュエータとの間には、操舵制御を行う操舵ECU、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU及びブレーキECU等が介在していてもよい。
自動運転装置30は、自動化レベルが異なる複数の運転モードを備える。ここでは一例として自動運転装置30は図3に示すように、完全手動モード、第1支援モード、第2支援モード、第3支援モード、及び自動運転モードを切替可能に構成されている。各運転モードは、ユーザが担当する運転タスクの範囲、換言すればシステムが介入する運転タスクの範囲が異なる。ここでのシステムとは、自動運転システム1、実態的には自動運転装置30を指す。
完全手動モードは、ユーザがすべての運転タスクを実行する運転モードである。完全手動モードは自動化レベル0に相当する。故に、完全手動モードは、レベル0モードと呼ぶこともできる。第1支援モードは、システムが加減速の制御を実行又は支援するとともに、その他の運転タスクはユーザが実行する運転モードである。第1支援モードは、1つの側面として、ACC(Adaptive Cruise Control)が機能している状態と解釈することができる。
なお、第1支援モードは、フットオフ可能である一方、ハンズオン及びアイズオンが必要な運転モードに相当する。フットオフは、アクセルペダルやブレーキペダルから足を離すことを指す。ハンズオンはユーザがハンドルを把持することを指し、ハンズオフはユーザがハンドルから手を離すことを指す。アイズオンはユーザが車両前方などの周囲の交通状況を監視することを指し、アイズオフは、ユーザが周辺状況の監視しないこと、すなわち、車両前方から目を離すことを指す。第1支援モードは自動化レベル1に相当する。故に第1支援モードは、レベル1モードと呼ぶこともできる。
第2支援モードは、システムが加減速の制御を実行又は支援するとともに、操舵操作についてもシステムが支援する運転モードである。第2支援モードの操舵操作の実行主体はユーザである。第2運転モードは、フットオフ可能である一方、ハンズオン及びアイズオンが必要な運転モードに相当する。第2支援モードは、例えば、ACCとLTA(Lane Tracing Assist)とが動作している運転モードに相当する。第2支援モードは自動化レベル2.0に相当する。第2支援モードは、ハンズオンレベル2モードと呼ぶこともできる。また、第2支援モードは操舵支援モードと呼ぶこともできる。
第3支援モードは、システムが加減速と操舵の制御を実行する運転モードである。第3支援モードは、アイズオンは必要である一方、フットオフ及びハンズオフが可能な運転モードに相当する。第3支援モードは、例えば、ACC、LTC(Lane Trace Control)が動作している運転モードに相当する。第3支援モードは自動化レベル2.1~2.9に相当する。第3支援モードは、ハンズオフレベル2モードと呼ぶこともできる。第3支援モードは高度支援モードと呼ぶこともできる。
完全手動モードから第3支援モードまでは、運転タスクのうちの少なくともの一部はユーザが担当する。故に、完全手動モードから第3支援モードまでを手動運転モードとも記載する。手動運転モードは、換言すれば、ユーザが少なくとも一部の運転タスクに関与している運転モードであるため、乗員関与モードと呼ぶこともできる。また、第1支援モードから第3支援モードまでを運転支援モードとも記載する。本実施形態における手動運転には、システムによる運転支援が実行されている状態も含まれる。
自動運転モードは、システムがすべての運転タスクを実行する運転モードである。ここでは一例として自動運転モードは、自動化レベル3に相当する運転モードとする。なお、自動運転モードは、レベル4やレベル5の自動運転を実施するものであっても良い。自動運転モードは、アイズオフ可能な運転モード、換言すればユーザがセカンドタスクを実施可能な運転モードに相当する。
セカンドタスクは、ユーザの実施が許容される運転以外の行為であって、予め規定された行為である。セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ又はアザーアクティビティ等と呼ばれ得る。例えば動画等のコンテンツの視聴、スマートフォン等の操作、電子書籍の閲覧、および片手での食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。レベル3相当の自動運転モードにおいては、ユーザは自動運転システムからの運転操作の引き継ぎ要求に対して直ちに対応可能である必要がある。そのため、レベル3相当の自動運転モードでは、セカンドタスクとして、例えば睡眠や両手をすぐに解放できない作業、運転席からの離脱を伴う行為などは禁止されうる。なお、セカンドタスクとして実行可能な行為および禁止行為は車両が使用される地域の法規に基づいて設定可能である。
自動運転モードにおいては、自動運転装置30は、ユーザによって設定された目的地まで、道路に沿って自車両Maが走行するように、車両の操舵、加速、減速(換言すれば制動)等を自動で実施する。なお、動作モードの切り替えは、ユーザ操作の他、システム限界や、ODDの退出等に起因して自動的に実行される。
ODDとしては、例えば、(a)走行路が高速道路又は中央分離帯とガードレール等が整った片側2車線以上の自動車専用道路であること、(b)渋滞状況であること、等が挙げられる。なお、ここでの渋滞状況は、例えば、自車両の前後左右に他車両が存在し、かつ、走行速度が60km/h以下となっている状態とすることができる。その他、ODDとしては、(c)降雨量が所定の閾値以下であること、(d)車載カメラを含む周辺監視センサ11が正常に動作していることなどが挙げられる。さらに、(e)自車両の所定距離以内に落下物や路上駐車車両が存在しないこと、(f)周辺監視センサの検知範囲に交通信号及び歩行者が存在しないこと、などもODDに含めることができる。自動運転可能/不可と判定する条件、換言すればODDを定義する詳細条件は適宜変更可能である。
ここでは一例として、渋滞状況である場合と、特定の道路区間を走行している場合のそれぞれの場合に自動運転可能であると判定するものとする。便宜上、渋滞状況である場合の自動運転を渋滞時自動運転と称するとともに、特定の道路区間を奏している場合の自動運転をエリア限定自動運転と称する。なお、前述の通り、ODDの設定内容によっては、特定の道路区間を走行中であって、かつ、渋滞中のみ自動運転が可能となる自動運転装置30のモデルも存在しうる。
上記の自動運転装置30は、処理部31、RAM32、ストレージ33、通信インターフェース34、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として構成されている。ストレージ33には、処理部31によって実行されるプログラム(以降、自動運転プログラム)が格納されている。処理部31が自動運転プログラムを実行することは、自動運転プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。自動運転プログラムには、上述したACCや、LTA、LTCなどのアプリケーションソフトウェアが含まれる。なお、運転支援にかかる処理を実行するプロセッサは、自動運転にかかる処理を実行するプロセッサとは別に設けられていても良い。
自動運転装置30は自動運転プログラムを実行することによって実現される機能部として、図4に示すように情報取得部G1、環境認識部G2、制御計画部G3、及び制御実行部G4を有する。
情報取得部G1は、運転支援又は自動運転を実施するための多様な情報を取得する構成である。例えば情報取得部G1は、ロケータ13から自車位置情報を取得するとともに、当該自車位置情報に基づいて地図記憶部14から自車両周辺の地図データを読み出す。また、情報取得部G1は、周辺監視センサ11から周辺監視センサ11の検出結果(つまり、センシング情報)を取得する。センシング情報には、自車両Ma周辺に存在する他の移動体や、地物、障害物などの位置や、移動速度、種別などが含まれる。地物についてのセンシング情報には、区画線や道路端の位置、ランドマークの検出位置などが含まれる。また、情報取得部G1は、車両状態センサ12から、走行速度などの車両挙動データを取得する。情報取得部G1は、V2X車載器15から、他車両から受信した他車両情報や、路車間通信にて路側機から受信した交通情報等を取得可能である。交通情報には、道路工事が行われている位置情報や、落下物の有無、渋滞区間の位置情報、気象情報、交通規制情報の少なくとも一部が含まれる。
環境認識部G2は、自車位置情報と、周辺地図データと、センシング情報に基づいて、自車両の走行環境を認識する。他車両から受信した他車両情報や、路車間通信にて路側機から受信した交通情報等を用いて周辺環境を特定しても良い。具体的には、環境認識部G2は、複数レーンのうちで自車が走行する自車レーンの位置、自車レーンのレーン形状、並びに自車周囲の他車両の相対位置及び相対速度等を把握する。尚、自車レーンの位置の特定は、ロケータ13にて実施されてもよい。また、環境認識部G2による走行環境の認識結果は、周辺環境情報としてHCU20に提供される。
制御計画部G3は、運転支援又は自動運転として実行する制御内容を計画する構成である。例えば制御計画部G3は自動運転モード時、環境認識部G2による走行環境の認識結果に基づき、自車両を走行させる予定走行ラインを生成する。制御実行部G4は、制御計画部G3で策定された予定走行ラインに基づく制御指令を生成し、走行アクチュエータへ向けて逐次出力する。また、制御実行部G4は、制御計画部G3の計画や外部環境に基づき、方向指示器やヘッドライト、ハザードランプ等の点灯/消灯なども、走行計画や外部環境に応じて制御する。
その他、自動運転装置30は、自動運転機能を提供するための要素機能(アプリケーション)として、ACC機能、LTA機能、LTC機能、AEB(Automatic Emergency Braking)機能などを備える。ACCは、目標車速で自車両を定速走行させるか、又は前走車との車間距離を維持しつつ自車両を追従走行させる機能である。LTAは車線情報に基づいて、車両の車線内走行を維持する機能である。LTC機能は、LTCは、自車走行レーンに沿って自車走行レーン内で自車両を走行させる機能であって、自車走行レーンに沿った予定走行ラインを生成し、EPS等を制御する。AEB機能(いわゆる衝突被害軽減ブレーキ)は、車両前方に存在する物体との衝突を予見した場合に制動を自動的に実施する。その他、制御計画部G3は、第1又は第2支援モード時において、自車両が車線を逸脱しそうになっている場合にユーザに対して警報を発するLDA(Lane Departure Alert)機能を備えていてもよい。LDA機能は、LDW(Lane Departure Warning)機能とも呼ばれる。
<HCU20の構成について>
ここでは図5を用いてHCU20の機能及び作動について説明する。HCU20は、ストレージ23に保存されている車両制御プログラムを実行することにより、図5に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、自動運転装置30は機能ブロックとして、周辺状態把握部F1、運転モード取得部F2、操作信号取得部F3、情報提示処理部F4、及びモード変更指示部F5を備える。
ここでは図5を用いてHCU20の機能及び作動について説明する。HCU20は、ストレージ23に保存されている車両制御プログラムを実行することにより、図5に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、自動運転装置30は機能ブロックとして、周辺状態把握部F1、運転モード取得部F2、操作信号取得部F3、情報提示処理部F4、及びモード変更指示部F5を備える。
周辺状態把握部F1は、例えば自動運転装置30から周辺環境に関する情報を取得する。例えば周辺状態把握部F1は自車両の走行環境が自動運転可能な状況であるか否かを示す情報を取得する。自動運転可能な状況であるか否かを直接的に表現された情報を取得していてもよいし、その判断材料を取得してもよい。判断材料となる情報種別は、例えば、自車両が走行している道路が自動車専用道路であるか否か、自車両の走行速度、渋滞状況であるか否かなどである。また、自車両の進行方向(例えば前方)の道路情報も取得可能である。自車両の前方の道路情報には、渋滞区間の有無や、道路種別、天候情報、路面状態などが含まれる。上記の情報は、自動運転装置30から取得可能である。なお、上記の情報は、周辺監視センサ11や車両状態センサ12、V2X車載器15など、自動運転装置30以外のデバイスから取得しても良い。
運転モード取得部F2は、自動運転装置30から現在設定されている運転モードである現行モードを示すデータを取得する。操作信号取得部F3は、入力装置19からユーザ操作信号を取得する。すなわち、ユーザの入力装置19に対するユーザの操作内容を示す情報を取得する。具体的には、モード切替スイッチ19Aに対するユーザの操作内容や、発話内容などを取得する。このような操作信号取得部F3は、運転モードを切り替えるためのユーザ操作を受け付ける構成に相当する。故に、操作信号取得部F3はユーザ操作受付部と呼ぶこともできる。
周辺状態把握部F1や運転モード取得部F2、操作信号取得部F3が逐次取得する種々の情報は、例えばRAM22等のメモリに保存され、情報提示処理部F4やモード変更指示部F5によって利用される。なお、各種情報は、種別ごとに区分されてメモリに保存されうる。また、各種情報は、例えば最新のデータが先頭となるようにソートされて保存されうる。取得から一定時間が経過したデータは破棄されうる。
情報提示処理部F4は、ユーザに提示する情報を生成するとともに、当該提示情報に応じた制御信号を情報提示装置18に出力する構成である。すなわち、情報提示処理部F4はユーザに自動運転システム1の作動状態等に関する情報を通知するための処理を実行する構成に相当する。情報提示処理部F4は、サブ機能として、モード通知部F41、操作案内部F42、許可事項通知部F43、及び禁止事項通知部F44を備える。
モード通知部F41は、例えば現行モードを示すアイコン画像である現行モード通知画像をHUD18A及びメータディスプレイ18Bの少なくとも何れか一方に表示する。現行モード通知画像は、運転モードの名称を表す画像であっても良い。また、現行モード通知画像は、ユーザが実施するべき運転タスクのアイコン画像を含んでも良い。現行モード通知画像は、システムが主体的に実行している運転タスクのアイコン画像を含んでいても良い。現行モード通知画像は、システムが支援している運転タスクのアイコン画像であってもよい。
現行モード通知画像は、ハンズオフしてよいか否か、アイズオフしてよいか否かなどを表す画像であっても良い。なお、メータディスプレイ18Bに表示するアイコン画像とHUD18Aに表示するアイコン画像は共通させることが好ましい。メータディスプレイ18BとHUD18Aのそれぞれに表示されるアイコン画像の構成が異なっているとユーザを戸惑わせてしまう恐れがあるためである。
現行モード通知画像は、各運転タスクに対応する複数のアイコン画像を組み合わせて実現されていても良い。現行モード通知画像は、例えば図6に示すようにユーザが実施するべき運転タスクと、システムが実施している運転タスクを明示する画像としてもよい。図6の(A)は第2支援モードを表しており、(B)は第3支援モードを表しており、(C)は自動運転モードを表している。図6に示すハンドルおよび手を模したアイコン画像は、ハンズオフしてよいか否かを示している。図6において顔及び視線を模したアイコン画像はアイズオフしてよいか否かを表す。図6に示すペダルと足部を模したアイコン画像は、加減速操作をユーザとシステムのどちらが担当するかを表している。運転モードが切り替わった直後においては、運転モードの切り替わりに伴って担当がシステム側あるいはユーザ側に移った運転タスクについてのアイコンを強調表示しても良い。強調表示は、明滅や輝度変更、色合いの変更などによって実施可能である。
また、モード通知部F41は、HUD18A及びメータディスプレイ18Bの少なくとも何れか一方の隅部に、移行可能な運転モードを示すアイコン画像を、切替可能モード画像として表示しても良い。モード通知部F41は、HUD18A及びメータディスプレイ18Bの隅部に、すべての運転モードのアイコン画像を表示しても良い。その場合には、現行モードと、現時点において移行可能である運転モードと、現時点では移行できない運転モードとをそれぞれ異なる表示態様で表示しても良い。例えば現行モードについてのアイコン画像は、移行可能な運転モードと区別するため、移行可能な運転モードのアイコンよりも明るい色合いで表示することが好ましい。移行できない運転モードのアイコンについてはグレーで表示したり、バツ印「×」を付加して表示したりすることが好ましい。
モード通知部F41は、ユーザによる自動運転モードの移行操作が行われた場合に最終的に確定した運転モードを通知する処理も実施する。また、周辺環境の予期せぬ変化等により、自動運転モードへの移行が失敗した場合には、自動運転モードへの移行が失敗した旨の通知を行う。
操作案内部F42は、運転操作の自動化レベルを上げることができる状態となった場合に、自動化レベルを上げるためにユーザが実施すべき操作等を案内する処理を実行する。すなわち、操作案内部F42は、運転モードを変更可能となった場合に、情報提示装置18を用いて運転モードを変更するための操作を案内する構成である。例えば、手動運転モード時において自動運転モードに移行可能となった場合に、自動運転モードに移行するための操作を案内する。運転モードを変更するための一連の操作手順は現行モードと、遷移先の運転モードとの組み合わせに応じて相違しうる。自動運転モードへの切替操作にかかるHCU20の作動詳細については別途後述する。なお、操作案内部F42は、ユーザへの操作案内を実施した場合には、そのことをモード変更指示部F5に出力する。操作案内部F42が切替操作案内部に相当する。
許可事項通知部F43は、自動運転モードに遷移した場合に、セカンドタスクとしてユーザが実施可能な行為の一例を提示する構成である。例えば許可事項通知部F43は、セカンドタスクとして実施可能な行為の一例を示すテキスト及びアイコン画像の少なくとも何れか一方を、HUD18A及びメータディスプレイ18Bの少なくとも何れか一方に表示する。なお、セカンドタスクとして実施可能な行為の一例を示すアイコン画像群の表示先や表示させるか否かなどのシステムの設定は、ユーザが変更可能に構成されていても良い。許可事項通知部F43は、図7に示すように、セカンドタスクとして許容される行為を示す情報とともに、緊急時には運転操作を速やかに引き継ぎ可能な状態を維持する必要があることを示すメッセージを情報提示装置18から出力しても良い。緊急時には運転操作を速やかに引き継ぎ可能な状態であるべきことを注意喚起するメッセージは、セカンドタスクが可能であることを示すテキスト又はアイコンよりもユーザの目につくように強調表示されていることが好ましい。メッセージの強調表示はフォントの大きさや色合いなどの組み合わせよって実現可能である。許可事項通知部F43は必須の要素ではなく、任意の要素とすることができる。
禁止事項通知部F44は、自動運転モードに遷移した場合に、セカンドタスクとして禁止されている行為の一例を提示する構成である。例えば禁止事項通知部F44は、例えば睡眠などの、セカンドタスクとして禁止されている行為の一例を示すテキスト又はアイコン画像をHUD18A及びメータディスプレイ18Bの少なくとも何れか一方に表示する。なお、セカンドタスクとして禁止されている行為の一例を示すアイコン画像群の表示先や表示させるか否かなどのシステムの設定は、ユーザが変更可能に構成されていても良い。禁止事項通知部F44は必須の要素ではなく、任意の要素とすることができる。
モード変更指示部F5は、ユーザが運転モードを変更する一連の操作を完了させたことに基づいて、自動運転装置30に対し、運転モードをユーザが指示する運転モードに変更するように指示する信号を出力する。例えばモード変更指示部F5は、ユーザが自動運転モードに切り替えるための操作を完結させたことに基づいて、自動運転モードに移行するように指示する信号を自動運転装置30に出力する。なお、自動運転装置30は、HCU20から入力される指示信号に基づき、運転モードを変更する。モード変更指示部F5が運転モード制御部に相当する。
HCU20は、上記以外にも、運転モードの変更に伴う、ユーザ-システム間の多様なインタラクション処理を実行する。例えばハンズオフ可能な運転モードから、ハンズオンが必要な運転モードに移る場合には、ステアリングインジケータ18Dを赤色などの所定の点灯態様で点灯させることにより、ユーザに対してハンズオンを要求する。ハンズオンが必要な運転モードにおいてハンドルセンサ16Bによってハンドルが把持されていないことが検出されている場合にも同様に、ハンズオンが必要なことが認識可能な態様でステアリングインジケータ18Dを点灯させる。点灯の態様には、出力させる光の色合いの他、明滅や、明滅の周期、明るさの変化速度なども含まれる。なお、ハンズオンが必要な運転モードにおいてハンドルセンサ16Bによってハンドルが把持されていることが検出されている場合にも緑や青色など所定の点灯態様でステアリングインジケータ18Dを点灯させても良い。また、ハンズオンが必要な運転モードからハンズオフ可能な運転モードに移る場合には、ステアリングインジケータ18Dを所定の点灯態様で点灯させたり、消灯させたりすることにより、ユーザに対してハンズオフ可能であることを通知してもよい。
<モード切替関連処理>
次に図8に示すフローチャートを用いて自動運転モードへ移行するためのHCU20が実行する処理であるモード切替換言処理について説明する。図8に示すフローチャートは、手動運転モード時において、例えば1秒ごとなど、所定の周期で開始されれば良い。ここでは一例としてモード切替関連処理は、ステップS101~S109を備える。なお、モード切替関連処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
次に図8に示すフローチャートを用いて自動運転モードへ移行するためのHCU20が実行する処理であるモード切替換言処理について説明する。図8に示すフローチャートは、手動運転モード時において、例えば1秒ごとなど、所定の周期で開始されれば良い。ここでは一例としてモード切替関連処理は、ステップS101~S109を備える。なお、モード切替関連処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
まずステップS101では運転モード取得部F2が自動運転装置30から現行モードを示す情報を取得してステップS102に移る。ステップS102では周辺状態把握部F1が、自動運転装置30などから渋滞区間の有無などを含む、周辺環境に関する情報を取得してステップS103に移る。
ステップS103では例えば情報提示処理部F4が自動運転モードに移行可能かどうかを判定する。ステップS103において自動運転モードに移行可能であると判定された場合にはステップS104に移る。一方、自動運転モードに移行可能であると判定されなかった場合には、本フローを終了する。例えば高速道路などの自動車専用道路を走行中に渋滞区間に進入した場合に自動運転モードに移行可能と判定することができる。
なお、ステップS103は、例えばHCU20が自動運転モードへの移行条件を保持しておき、周辺状態把握部F1が取得した周辺環境情報に基づいてHCU20が判断しても良い。また、ステップS103は、HCU20が自動運転装置30に対して自動運転モードに移行可能かどうかを問い合わせ、その回答に基づいて判断されても良い。さらに、自動運転モードに移行可能となった場合には自動運転装置30から自発的に自動運転開始可能である旨の通知信号がHCU20に入力されるように構成されていても良い。その場合には、自動運転開始可能である旨の通知信号が入力されたか否かに基づいて、自動運転モードに移行可能であるか否かを判定すればよい。
ステップS104では情報提示処理部F4が、現行モードは完全手動モードであるか否かを判定する。現行モードは完全手動モードである場合にはステップS104を肯定判定してステップS106に移る。一方、現行モードは完全手動モードではない場合にはステップS104を否定判定してステップS105に移る。ステップS105では現行モードが第1支援モードであるか否かを判定する。現行モードは第1支援モードである場合にはステップS105を肯定判定してステップS106に移る。一方、現行モードは第1支援モードではない場合にはステップS105を否定判定してステップS107に移る。すなわち、現行モードが完全手動モード又は第1支援モードである場合には、ステップS106に移り、手動時案内処理を実行する。
ステップS106では情報提示処理部F4が、完全手動モード又は第1支援モードから自動運転モードに移行するための操作等を案内する処理である手動時案内処理を実行する。手動時案内処理については別途説明する。
ステップS107では、情報提示処理部F4が、現行モードは第2支援モードであるか否かを判定する。現行モードは第2支援モードである場合にはステップS107を肯定判定してステップS108に移る。一方、現行モードは第2支援モードではない場合、すなわち、現行モードが第3支援モードである場合にはステップS107を否定判定してステップS109に移る。
ステップS108では情報提示処理部F4が、第2支援モードから自動運転モードに移る為の操作等を案内する処理である操舵支援時案内処理を実行する。操舵支援時案内処理については別途説明する。ステップS109では情報提示処理部F4が、第3支援モードから自動運転モードに移るための操作等を案内する処理である高度支援時案内処理を実行する。高度支援時案内処理については別途説明する。
<手動時案内処理について>
ここでは図9を用いてHCU20が実施する手動時案内処理について説明する。図9に示す手動時案内処理は、モード切替関連処理におけるステップS106として開始される。本実施形態における手動時案内処理は、一例としてステップS201~S210を含む。なお、手動時案内処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
ここでは図9を用いてHCU20が実施する手動時案内処理について説明する。図9に示す手動時案内処理は、モード切替関連処理におけるステップS106として開始される。本実施形態における手動時案内処理は、一例としてステップS201~S210を含む。なお、手動時案内処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
まずステップS201では、自動運転モードに移行可能である旨を通知する処理である自動運転可能通知処理を実行する。例えば、自動運転可能通知処理として、自動運転を開始可能であることと、自動運転モードに移行するためにユーザが実施するべき操作内容を通知する。例えば「自動運転が可能となりました。自動運転モードへの移行を開始するには、ハンドルに設けられた、モード切替スイッチを押してください」といった主旨の案内メッセージを情報提示装置18から出力する。上記案内メッセージはテキストメッセージとしてメータディスプレイ18B等に画像表示されてもよい。また、上記案内メッセージは、音声メッセージとして、音響装置18Cから出力されても良い。
なお、例えば自動運転に対して馴染みの無いユーザなど、ユーザの中には、自動運転モードへの移行がどのようなメリットがあるか直感的にわかりにくいユーザも存在しうる。そのため、ユーザへの操作案内メッセージにおいては、自動運転モードへの移行を操作の目的としてはせずに、セカンドタスクを実行可能な運転モードへの移行を操作の目的としてもよい。例えば「スマートフォンの閲覧など、セカンドタスクを実行可能な運転モードに移行するには、モード切替スイッチを押してください。」といった内容のメッセージとすることもできる。すなわち操作案内メッセージは、自動運転モードへ切り替えるためにユーザが実行すべき操作内容とともに、自動運転モードへ移行した後においてユーザが実施可能な運転操作以外の行為の例示を含んでいてもよい。その他、操作案内メッセージは、自動運転モードへ切り替えるためにユーザが実行すべき操作内容とともに、自動運転モードへ移行した後においてもユーザが実施することが禁止されている行為の例示を含んでいてもよい。
また、完全手動モード又は第1支援モードから自動運転モードへの移行を開始するための操作、換言すれば、ステップS201の自動運転可能通知処理でユーザに対して要求する操作は、モード切替スイッチ19Aの押下に限定されない。特定の音声コマンドである移行開始コマンドの発話であってもよい。移行開始コマンドはたとえば「移行開始」や「はい」など、自動運転モードへの移行に対して肯定的なフレーズを採用可能である。ステップS201の自動運転可能通知が完了すると、ステップS202を実行する。自動運転モードへ切り替えるための操作は、モード切替スイッチ19Aの押下と音声入力の両方など、複数種類の操作を受付可能に構成されていても良い。音声入力は手を動かさなくともよい利点を有する一方、音声入力は行いづらい状況が存在しうる。音声入力を実施しにくい状況とは、例えば、同乗している子供が寝ている場合や、大声で泣いている場合、他の同乗者と会話している場合などである。また、ユーザの中には音声入力を好まないユーザの存在も想定される。そのような事情を踏まえると、音声入力だけでなく、モード切替スイッチ19Aの押下などの他の手段によっても、ユーザは運転モードの切替を指示可能に構成されていることが好ましい。複数の手段で運転モードの切替を指示可能に構成されていることにより、ユーザは状況や好みに応じた方法で運転モードを切り替えることが可能となる。
ステップS202では、入力装置19から入力される操作信号に基づき、ステップS201で案内した、自動運転モードへの移行を開始するためのユーザ操作が実行されたか否かを判定する。ステップS201の通知が出力されたのちに、ステップS201で案内された操作をユーザが実行したことを検出するとステップS202を肯定判定してステップS204に移る。一方、上述した案内メッセージが出力されてから所定時間経過しても上記のユーザ操作に対応する操作信号が入力されなかった場合や、所定のキャンセル操作が行われた場合には、ステップS202を否定判定してステップS203に移る。キャンセル操作はハンドルに設けられたキャンセルスイッチの押下であってもよいし、音声入力であっても良い。
ステップS203では、ユーザは現時点では自動運転モードへの移行は望んでいないものと見なして現行モードを維持するとともに、自動運転可能アイコンをメータディスプレイ18Bに表示して本フローを終了する。自動運転可能アイコンは自動運転モードに移行可能であることを示すアイコン画像である。なお、自動運転可能アイコンの表示は任意の要素であって、必須ではない。
ステップS204では、自動運転モードに移行することを確認する処理である移行確認処理を実行する。例えば、移行確認処理として、本当に自動運転モードに移行するか否かを問い合わせるテキストメッセージをメータディスプレイ18Bに表示出力する。なお、当該メッセージは、音響装置18Cから音声メッセージとして出力されても良い。また、移行確認処理として、自動運転モードに移行するためにユーザが次に実施するべき操作を通知する。
ステップS204でユーザに要求する操作の内容は、ステップS201でユーザに要求した操作と同一であっても良いし、異なっていても良い。ステップS201でユーザに要求する操作のことを1回目の操作と記載するとともに、ステップS204でユーザに要求する操作のことを2回目の操作とも記載する。例えば1回目の操作と2回目の操作はともにモード切替スイッチ19Aの押下とすることができる。また、1回目の操作はモード切替スイッチ19Aを1回押す操作とする一方、2回目の操作はモード切替スイッチ19Aを2回押す操作又は長押しとしてもよい。1回目の操作はモード切替スイッチ19Aの押下とする一方、2回目の操作は移行開始コマンドの発話としてもよい。また、1回目の操作はモード切替スイッチ19Aの押下又は移行開始コマンドの発話とする一方、2回目の操作はハンズオフとしてもよい。
以上で例示した1回目の操作と2回目の操作の内容は入れ替え可能である。1回目又は2回目の操作の少なくとも何れか一方を、モード切替スイッチ19Aを複数回連続的に押す操作とすることで、例えば誤操作などで自動運転モードに移行することを抑制することができる。同様に、1回目又は2回目の操作の少なくとも何れか一方を、移行開始コマンドの発話とすることで、誤操作などにより自動運転モードに移行することを抑制できる。
なお、より好ましい態様として本実施形態では、ステップS204での確認メッセージの出力が完了するまでは2回目の操作は入力できない、又は受け付けないように構成されている。ユーザが通知内容をきちんと確認した上で、自動運転モードに移行するための操作をユーザに実施させるためである。なお、他の態様として、ステップS204での確認メッセージの出力の途中においても2回目の操作をユーザが入力可能に構成されていても良い。
また、自動運転装置30の構成としては、シフトレバーを介してユーザが選択可能なシフトポジションのうち、自動運転を実施可能なポジションである自動運転可能ポジションが設定されている構成も想定される。例えば、エンジンやモータが発生させた駆動力を、自車両が前進するように駆動輪に伝達するシフトポジションであるドライブポジション(いわゆるDレンジ)が自動運転可能ポジションとなりうる。そのように自動運転可能ポジションが規定されているシステムでは、1回目の操作の後にシフトポジションが自動運転可能ポジション以外の位置に変更された場合、シフトポジションを自動運転可能ポジションに戻すように通知してもよい。その場合、シフトポジションが自動運転可能ポジションに復元された後に、自動運転装置30と連携して自動運転モードへと移行する。
ステップS205では、入力装置19から入力される操作信号に基づき、ステップS204で案内した、自動運転モードへ移行するためのユーザ操作が実行されたか否かを判定する。ステップS204のメッセージの出力が完了したのちに、ステップS204で案内された操作が実行されたことを検出するとステップS205を肯定判定してステップS206に移る。一方、確認メッセージが出力されてから所定時間経過しても上記のユーザ操作に対応する操作信号が入力されなかった場合や、所定のキャンセル操作が行われた場合には、ステップS205を否定判定してステップS210に移る。
なお、ステップS204で確認メッセージが出力された時点を起算時点として定まる所定の応答待機時間中に、走行環境の急変等の予期せぬ事象が発生し、自動運転モードへ移行する為の条件が満たさなくなる場合も生じうる。応答待機時間中に、自動運転モードへ移行するための条件が充足されなくなった場合、すなわち自動運転モードに移行できなくなった場合には、ステップS209を実行する。
ステップS206ではモード変更指示部F5が自動運転装置30に対して自動運転モードに移行するように指示する信号を出力する。自動運転装置30はHCU20からの入力信号に基づいて自動運転モードへの移行を開始する。そして、自動運転装置30は自動運転モードへの移行が完了した場合、自動運転モードへの移行が成功したことを示す移行完了信号をHCU20に出力する。一方、急な状況変化等の予期せぬ事象の発生により、自動運転モードへ移行できなくなった場合には、自動運転装置30は移行失敗信号を出力する。なお、予期せぬ事象の発生とは、例えば自車両前方で事故が起きた場合や、走行車線を塞ぐ落下物が出現した場合、前方を走行する車両から人が降りてきた場合などである。また、予期せぬ事象には、周辺監視センサ11の故障や、処理部31のフリーズ、DSM16Aの故障、運行記録装置17の不具合、V2X車載器15の不具合などの車両内部の異常も含まれる。
ステップS207では、自動運転装置30から入力される信号に基づき、自動運転モードへの移行が正常に完了したか否かを判定する。自動運転装置30から移行完了信号が入力されるとステップS207を肯定判定してステップS208に移る。一方、ステップS206を実行してから所定時間経過しても自動運転装置30から応答信号が入力されなかった場合や、移行失敗信号が入力された場合には、ステップS207を否定判定してステップS209に移る。
ステップS208では、自動運転モードへの移行が正常に完了したことを通知する処理である移行完了通知処理を実施する。情報提示処理部F4は、移行完了通知処理として、例えば、自動運転モードになったことを示すテキストメッセージ及びアイコン画像をメータディスプレイ18Bに表示する。出力するメッセージは、例えば「モード切替スイッチが押されたことに基づき、自動運転モードに移りました。セカンドタスク可能です」等、ユーザの操作と結果とを対応付けた情報を出力してもよい。そのような構成によれば、ユーザは自分の行動と結果とを対応付けて認識可能となる。
また、ステップS208では、移行完了通知処理として、運転モードの変更が正常に完了したことに加えて、セカンドタスクとしてユーザが実施可能な行為の一例を示す画像又は音声メッセージを出力してもよい。移行完了通知処理としてHCU20は、ユーザが実施することが禁止されている行為を示す画像又は音声メッセージを出力しても良い。例えば図7に例示する画像をメータディスプレイ18Bに表示させてもよい。さらに、移行完了通知処理として、セカンドタスクとして実施可能な行為と禁止されている行為の両方の一例を提示しても良い。なお、当該ステップは、許可事項通知部F43及び禁止事項通知部F44の少なくとも何れか一方によって実施されればよい。その他、HCU20は、現行モードが自動運転モードであることを示す共通のアイコン画像がHUD18Aとメータディスプレイ18Bに表示しても良い。
ステップS209では、自動化中断処理として、第2支援モードへの移行を案内する処理を実行する。例えば、「自動運転モードへ移行できません。第2支援モードに移行してもよいですか?」などといった確認メッセージを出力する。自動化中断通知処理として出力する情報には、自動運転モードに移行できないこと、及び、代替的に移行先とする運転モードの概要情報が含まれていることが好ましい。移行先とする運転モード(つまり移行先モード)の概要情報は、運転モードの名称や自動化レベルであってもよい。ただし、ユーザにとって運転モードの名称や自動化レベルは、それがどのような運転モードであるのか、換言すれば、ユーザが行うべき運転タスクが何なのかが分かりにくい可能性がある。故に、移行先モードの概要情報は、ユーザが行う必要がある運転タスクや、システムが行う運転タスクといった、運転タスクの役割分担を表す情報とすることが好ましい。例えば自動化中断通知は、「自動運転モードへ移行できません。アイズオン及びハンズオンが必要なモードに移行してもよいですか?システムは操舵の支援と、速度調整を行います」などといったメッセージとしても良い。
そして、当該確認メッセージに対して、モード切替ボタンの押下などの確定操作が実行された場合に第2支援モードへ切り替えるように自動運転装置30に要求信号を出力する。なお、確認メッセージには、自動運転モードに移行できなくなった理由が含まれていることが好ましい。例えば自動運転モードに移行できなくなった理由が、システムの故障などの車両内の問題であるのか、周辺車両の事故など、車両外部にあるのかが判別可能な情報を含んでいることが好ましい。当該構成によればユーザの納得感及び安心感を高める効果が期待できる。
なお、自動運転モードへの移行に失敗した場合の移行先モードは、完全手動モードであっても良いし、第1支援モードであっても良い。自動運転モードへの移行に失敗した場合に、代替案として変更先とする運転モードは、ハンズオフ可能な第3支援モードではなく、ハンズオンが必要な第2支援モード以下であることが好ましい。自動運転モードへの移行が失敗する場合とは、渋滞の解消以外の理由である可能性、すなわち、自動運転システム1にとって予期せぬ事象が生じている可能性が高い。そのような状況においては、ユーザが周囲の交通状況をしっかり確認した上で運転操作を行うことが好ましい。自動運転モードへの移行に失敗した場合に移行する運転モードは、ユーザがハンズオン必要な状態とすることで、ユーザに周辺状況の確認を確実に実施させる効果が期待できる。その他、自動運転モードへの移行に失敗した場合には、現行モードを維持してもよい。当該構成によれば、ユーザを戸惑わせることなく、運転操作を継続させることが可能となる。
なお、ステップS209では、第2支援モード以下への移行を案内するとともに、周辺の状況を確認する必要があることを通知してもよい。例えば、「周辺状況を確認してください」などの音声メッセージを音響装置18Cから出力してもよい。周辺状況の確認を速やかに実行させるため、上記の注意喚起は、テキストメッセージとして画像表示するよりも、音声出力されることが好ましい。もちろん、上記の注意喚起はテキストメッセージ及びアイコン画像の少なくとも何れかを画像表示することで実施されても良い。
ステップS210では、例外処理を実施する。ステップS210を実行する場合とは、ステップS204で自動運転モードに移行する旨の確認メッセージが出力されてから所定時間経過しても上記のユーザ操作に対応する操作信号が入力されなかった場合や、所定のキャンセル操作が行われた場合である。確認メッセージが出力されてから所定時間経過しても上記のユーザ操作に対応する操作信号が入力されなかった場合には、ステップS204を再実行しても良い。つまり、確認メッセージを再出力してもよい。また、ステップS205において所定のキャンセル操作が行われた場合には、ステップS203と同様に現行モードを維持するとともにメータディスプレイ18B等に自動運転可能アイコンを表示しても良い。ステップS210は任意の処理であって、省略可能である。また、手動時案内処理は、ステップS205が否定判定された場合はステップS203に移るように構成されていても良い。
図10は上記の手動時案内処理による自動運転システム1とユーザとのインタラクションを概念的に示したシーケンス図である。図10の(a)は走行環境として自動運転可能な状態であるか否かの経時変化を示している。(b)は、HCU20からユーザに通知する内容とそのタイミングを示している。(c)は、ユーザの操作内容とそのタイミングを示している。(d)は、運転モードの経時変化を示している。
時刻T11は、自動運転モードに移行可能となったタイミングを表しており、HCU20は当該環境変化に基づいて自動運転可能通知処理(ステップS201)を実行する。時刻T12は、自動運転可能通知に対する応答として、ユーザが1回目の操作としての移行指示操作を実行したタイミングを表している。HCU20はユーザの応答操作に対応する操作信号が入力されたことに基づいて、時刻T13にて本当に自動運転モードに移行するのかの確認処理を実行する。例えば確認メッセージを音声又は画像出力する。時刻T14は、HCU20からの確認メッセージに対する応答として、ユーザが確定操作(つまり2回目の操作)を実行したタイミングを表している。HCU20はユーザの確定操作に対応する操作信号が入力されたことに基づいて、自動運転装置30と連携して運転モードを自動運転モードに移行する。自動運転モードへの移行が成功すると、HCU20は時刻T15にて、自動運転モードへの移行が完了したことを示すメッセージを音声又は画像出力する。
手動時案内処理ではユーザに複数回の操作を要求する。このような構成によればユーザが本当に自動運転モードへの移行を希望しているのか否かを確認可能となる。換言すれば、押し間違い等の操作間違いによって自動運転モードに移行する恐れを低減できる。特に、第2支援モードや第3支援モードなどの操舵支援~高度支援モードを備える車両において、手動運転モードを利用しているユーザは、運転操作を楽しんでいるユーザ、又は、システムを信頼していないユーザの可能性が相対的に高い。本当に自動運転モードに移行するのかを複数の操作によって確定することにより、操作間違いによってユーザが意図せずに自動運転モードとなってしまう恐れを低減できる。
図11もまた、手動時案内処理による自動運転システム1とユーザとのインタラクションを概念的に示したシーケンス図である。図11の(a)~(d)の項目は図10と同様である。図10との違いは、自動運転モードへの移行途中で走行環境が自動運転不可となる点にある。
時刻T21は、自動運転モードに移行可能となったタイミングを表しており、当該環境変化に基づいてHCU20は自動運転可能通知(ステップS201)を実行する。時刻T22は、自動運転可能通知に対する応答として、ユーザが移行指示操作(つまり1回目の操作)を実行したタイミングを表している。HCU20はユーザの応答操作に対応する操作信号が入力されたことに基づいて、時刻T23にて本当に自動運転モードに移行するのかの確認処理を実行する。例えば確認メッセージを音声又は画像出力する。
当該確認メッセージの出力に対してユーザが応答操作を実行するにはタイムラグが存在しうる。例えば時刻T23で確認メッセージが出力されてユーザが応答操作するまでの間に走行環境が急変し、時刻T24で自動運転不可となった場合には、自動化中断通知処理として確認メッセージを出力し、ユーザからの応答を待機する。
時刻T25は、HCU20からのメッセージに対する応答として、ユーザが承諾操作を実行したタイミングを表している。HCU20はユーザの承諾操作に対応する操作信号が入力されたことに基づいて、自動運転装置30と連携して運転モードを第2支援モードに移行する。第2支援モードへの移行が成功すると、HCU20は時刻T26にて、第2支援モードへの移行が完了したことを示すメッセージを音声又は画像出力する。また、ユーザがすべき運転タスクや、周辺への注意喚起を含む情報を出力する。
上記の構成によれば、自動運転モードへの移行途中において予期せぬ事象が起きた場合には、ユーザがハンドルを握る運転モードへとシフトする。これにより安全性を高めることができる。また、ユーザがすべき運転タスクを明示的に通知することにより、ユーザが運転モードを誤認識する恐れを低減できる。
なお、図10及び図11では、図の視認性を確保するために、移行完了の通知タイミングを自動運転モードに切り替わったタイミングよりも遅い位置に示しているが、これらはほぼ同一タイミングとする事ができる。また、図の視認性を確保するために、運転モードの切り替わったタイミングをユーザの指示を受け付けたタイミングよりも遅くしているが、これらはほぼ同一タイミングとする事ができる。以降の図13等も同様である。なお、タイミングがほぼ同一とは例えば時間差が1秒以下であることを指す。
<操舵支援時案内処理について>
ここでは図12を用いてHCU20が実施する操作支援時案内処理について説明する。操舵支援時案内処理は、ハンズオンが必要な自動化レベル2に相当する運転モードである第2支援モードから、自動運転モードへ移行するための操作を案内する処理である。図12に示す操舵支援時案内処理は、モード切替関連処理におけるステップS108として開始される。本実施形態における操作支援時案内処理は、一例としてステップS301~S307を含む。なお、操舵支援時案内処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
ここでは図12を用いてHCU20が実施する操作支援時案内処理について説明する。操舵支援時案内処理は、ハンズオンが必要な自動化レベル2に相当する運転モードである第2支援モードから、自動運転モードへ移行するための操作を案内する処理である。図12に示す操舵支援時案内処理は、モード切替関連処理におけるステップS108として開始される。本実施形態における操作支援時案内処理は、一例としてステップS301~S307を含む。なお、操舵支援時案内処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
まずステップS301では、自動運転可能通知処理を実行する。例えば「自動運転モードを利用可能です。自動運転モードへの移行を開始するには、ハンドルに手を触れたまま、ハンドルを握る力を弱めてください」といった主旨の操作案内メッセージを情報提示装置18から出力する。例えば上記案内メッセージはテキストメッセージとしてメータディスプレイ18B等に画像表示されてもよい。また、音声メッセージとして、音響装置18Cから出力されても良い。なお、第2支援モードから自動運転モードに移行するための操作案内メッセージは、例えば「セカンドタスクを実行可能な運転モードに移行するには、ハンドルから手を離してください。」といった内容とすることもできる。
なお、操作案内メッセージは、自動運転モードへ切り替えるための操作内容の他に、自動運転モードへの移行後にユーザが実施可能なセカンドタスクの例示を含んでいてもよい。さらに、操作案内メッセージは、自動運転モードへ切り替えるための操作内容とともに、自動運転モードへ移行した後においてもユーザが実施することが禁止されている行為の例示を含んでいてもよい。
また、第2支援モードから自動運転モードへ移行するための操作、換言すれば、ステップS301の自動運転可能通知処理でユーザに対して要求する操作は、ハンドルの把持力を弱める操作に限定されない。上記要求操作はハンドルの内側部分から親指を離すこととしてもよい。便宜上、親指をハンドルから離すことをサムオフとも記載する。また、上記要求操作は、手のひらだけハンドルに当てて、各指をハンドルから浮かせる行為であってもよい。さらに、上記要求操作はハンドルから完全に手を離すこととしてもよい。ただし、完全には自動運転モードには移行していないため、万が一に備えてハンドル付近に手を残すことが好ましい。
第2支援モードから自動運転モードへの切替操作としてハンズオフを採用する場合の自動運転可能通知には、「すぐにハンドルを握れるように待機しておいてください」といった注意情報が含まれていることが好ましい。そのような構成によれば、より安全に権限移譲が可能となる。なお、ハンドルの把持状況は、ハンドルセンサ16B及びDSM16Aなどの出力信号に基づいて判定されればよい。本開示におけるハンズオフには、ハンドルから完全に手を離すこととのほか、ハンドルに手が触れているだけ程度まで把持力を弱めることや、親指を含む少なくとも1つの指をハンドルから浮かせることを含める事ができる。その他、第2支援モードから自動運転モードへの移行を開始するための操作は、移行開始コマンドの発話や、モード切替スイッチの押下などであってもよい。HCU20は自動運転可能通知処理として、第2支援モードから自動運転モードへの移行を開始するための操作のリストを提示するとともに、それらのうちの何れか1つを実行するように案内しても良い。ステップS301の自動運転可能通知が完了すると、ステップS302を実行する。
ステップS302では、ハンドルセンサ16B及び入力装置19から入力される操作信号に基づき、ステップS301で案内した自動運転モードへ移行するためのユーザ操作が実行されたか否かを判定する。ステップS301の通知が出力されたのちに、ステップS301で案内された操作をユーザが実行したことを検出するとステップS302を肯定判定してステップS304に移る。一方、上述した案内メッセージが出力されてから所定時間経過しても上記のユーザ操作に対応する操作信号が入力されなかった場合や、所定のキャンセル操作が行われた場合には、ステップS302を否定判定してステップS303に移る。
ステップS303では、ユーザは現時点では自動運転モードへの移行は望んでいないものと見なして現行モードとしての第2支援モードを維持するとともに、自動運転可能アイコンをメータディスプレイ18Bに表示して本フローを終了する。なお、ステップS203と同様に自動運転可能アイコンの表示は任意の要素であって、必須ではない。
ステップS304では、モード変更指示部F5が自動運転装置30に対して自動運転モードに移行するように指示する信号を出力する。自動運転装置30はHCU20からの入力信号に基づいて自動運転モードへ移行する。自動運転モードへの移行が正常に完了した場合、自動運転装置30は移行完了信号をHCU20に出力する。一方、予期せぬ事象の発生により、自動運転モードへ移行できなかった場合には、自動運転装置30は移行失敗信号を出力する。
ステップS305では、自動運転装置30から入力される信号に基づき、自動運転モードへの移行が正常に完了したか否かを判定する。自動運転装置30から移行完了信号が入力されるとステップS305を肯定判定してステップS306に移る。一方、ステップS305を実行してから所定時間経過しても自動運転装置30から応答信号が入力されなかった場合や、移行失敗信号が入力された場合には、ステップS305を否定判定してステップS307に移る。
ステップS306では、ステップS208と同様に移行完了通知処理を実施する。なお、ステップS306で出力する移行完了通知は、例えば、「ハンドルから手が離したことに基づき、自動運転モードに移りました。セカンドタスク可能です」等、ユーザの操作と結果とを対応付けた情報を出力してもよい。
ステップS307では、自動化中断通知処理として、自動運転モードへの移行が失敗したこと、及び、第2支援モードを維持することを通知する処理を実行する。例えば、「自動運転モードへ移行できません。第2支援モードを維持します」などといった報告メッセージを出力する。なお、ステップS307で出力される自動化中断通知は、ステップS209で出力される自動化中断通知と同様に、ユーザが実施すべき運転タスクを明示的に示す情報を含むことが好ましい。例えば「自動運転モードへ移行できません。引き続き、アイズオン及びハンズオンが必要なモードを継続します。システムは操舵の支援と、速度調整を行います」などといったメッセージとしても良い。当該内容によれば、ユーザが実施する必要がある行為、及び、システムが実施する行為をユーザが明確に認識可能となる。
図13は、操舵支援時案内処理による自動運転システム1とユーザとのインタラクションを概念的に示したシーケンス図である。図13の(a)~(d)の項目は図10と同様である。時刻T31は、例えば渋滞区間への進入など、自動運転モードに移行可能となったタイミングを表しており、当該環境変化に基づいてHCU20は自動運転可能通知(ステップS301)を実行する。時刻T32は、自動運転可能通知に対する応答として、ユーザが例えばハンズオフなどの移行指示操作を実行したタイミングを表している。HCU20はユーザの応答操作に対応する操作信号が入力されたことに基づいて、自動運転装置30と連携して運転モードを自動運転モードに移行する。自動運転モードへの移行が成功すると、HCU20は時刻T33にて、自動運転モードへの移行が完了したことを示すメッセージを音声又は画像出力する。
上記構成によればユーザによる1つのアクションに基づいて、第2支援モードから自動運転モードへと移行する。すなわち、手動運転モード又は第1支援モードから自動運転モードに移行する場合よりも、ユーザとのインタラクションの数を抑制する。このような構成によれば、ユーザはより簡単な操作で自動運転モードを利用可能となる。
また、第2支援モードを利用しているユーザは、手動運転モードを利用しているユーザよりも、システムを信頼しているユーザ、又は、運転タスクはより少ない状態を好むユーザである能性が相対的に高い。すなわち、第2支援モードを利用しているユーザは、完全手動モードを使用するユーザよりも、自動運転可能な状況下においては自動運転モードへの切替を希望する可能性が高い。故に、本当に自動運転モードに移行するのかを確認する回数を低減しても、ユーザが意図せずに自動運転モードとなる恐れを低減できる。
また、第2支援モードから自動運転モードに遷移する場合は、完全手動モードから遷移する場合に比べて、ユーザに対して操作を要求する操作数を低減する。これにより、ユーザに煩わしさを与えるおそれも低減できる。換言すればユーザの利便性を高めることができる。加えて上記の構成によれば、ユーザのハンズオフをトリガとして自動運転モードに移行する。ハンズオフは、第2支援モードから自動運転モードへの移行がユーザに与える変化の1つである。上記の構成によれば、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、自動運転モードを開始可能となる。
<高度支援時案内処理について>
ここでは図14を用いてHCU20が実施する高度支援時案内処理について説明する。高度支援時案内処理は、ハンズオフ可能な運転モードである第3支援モードから自動運転モードへ移行するための操作を案内する処理である。図14に示す高度支援時案内処理は、モード切替関連処理におけるステップS109として開始される。本実施形態における高度支援案内処理は、一例としてステップS401~S407を含む。なお、高度支援案内処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
ここでは図14を用いてHCU20が実施する高度支援時案内処理について説明する。高度支援時案内処理は、ハンズオフ可能な運転モードである第3支援モードから自動運転モードへ移行するための操作を案内する処理である。図14に示す高度支援時案内処理は、モード切替関連処理におけるステップS109として開始される。本実施形態における高度支援案内処理は、一例としてステップS401~S407を含む。なお、高度支援案内処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
まずステップS401では、自動運転可能通知処理を実行する。例えば「自動運転モードへの移行を中止するには、キャンセルスイッチを押下してください」といった操作案内メッセージを情報提示装置18から出力する。上記操作案内メッセージはテキストメッセージとしてメータディスプレイ18B等に画像表示されてもよい。また、上記の案内メッセージは、音声メッセージとして、音響装置18Cから出力されても良い。上記操作案内メッセージは、S201と同様に、自動運転が可能となったことを明示的に示す情報を含むことが好ましい。なお、第3支援モードから自動運転モードに移行するための操作案内メッセージは、例えば「間もなくセカンドタスクを実行可能な運転モードに移行します。中止するには、キャンセル操作を実施してください」といった内容とすることもできる。操作案内メッセージは、自動運転モードへの移行後にユーザが実施可能なセカンドタスクの例示や、自動運転モードにおいても禁止される行為の例示を含んでいてもよい。
第3支援モード時には、ハンズオフ可能であるため、ステップS401の実行時点でユーザは既に例えばアームレストや膝の上等、ハンドルから離れた位置に手をおいている可能性が高い。そのような状況下で仮にモード切替スイッチ19Aの押下などを要求すると、ユーザに手をハンドル付近まで手を伸ばさせることとなり、ユーザに煩わしさを与えてしまうおそれがある。そのような懸念に対し、上記のように中止操作がなければ自動的に自動運転モードに移行する構成によれば、ユーザに煩わしさを与えるおそれを低減できる。
なお、第3支援モードから自動運転モードへ移行するためのトリガは、キャンセル操作が行われないことに限定されない。自動運転モードへ移行するための操作、換言すればトリガは、移行開始コマンドの発話や、モード切替スイッチの押下などであってもよい。第3支援モードから自動運転モードへの移行がユーザに与える変化は、アイズオフ禁止からアイズオフ許可しかない。そのため、自動運転可能通知から一定時間以内にキャンセル操作が行われないことを含む、何らかの少なくとも1つのユーザの操作行為に基づいてユーザの意思を確認することが好ましい。ステップS401の自動運転可能通知が完了すると、ステップS402を実行する。
ステップS402では、ハンドルセンサ16B及び入力装置19から入力される操作信号に基づき、ステップS401で案内した自動運転モードへ移行するためのユーザ操作が実行されたか否かを判定する。ここでは、キャンセル操作が行われないことが、自動運転モードへ移行するためのユーザ操作に相当する。ステップS401の通知が出力されたのちに、ステップS401で案内された操作をユーザが実行したことを検出するとステップS402を肯定判定してステップS404に移る。一方、所定のキャンセル操作が行われた場合には、ステップS402を否定判定してステップS403に移る。なお、キャンセル操作の待機中に予期せぬ事象が発生し、自動運転できない状態となった場合にはステップS407に移っても良い。
ステップS403では、ユーザは現時点では自動運転モードへの移行は望んでいないものと見なして現行モードとしての第3支援モードを維持するとともに、自動運転可能アイコンをメータディスプレイ18Bに表示して本フローを終了する。なお、ステップS303等と同様に自動運転可能アイコンの表示は任意の要素であって、必須ではない。
ステップS404では、モード変更指示部F5が自動運転装置30に対して自動運転モードに移行するように指示する信号を出力する。ステップS405では、自動運転装置30から入力される信号に基づき、自動運転モードへの移行が正常に完了したか否かを判定する。自動運転装置30から移行完了信号が入力されるとステップS405を肯定判定してステップS406に移る。一方、ステップS405を実行してから所定時間経過しても自動運転装置30から応答信号が入力されなかった場合や、移行失敗信号が入力された場合には、ステップS405を否定判定してステップS407に移る。
ステップS406では、ステップS208と同様に移行完了通知処理を実施する。なお、ステップS306で出力する移行完了通知は、例えば、「自動運転モードに移りました。セカンドタスク可能です」等とすることができる。もちろん、セカンドタスクが実施可能となったことだけを通知してもよい。
ステップS407では、自動化中断通知処理として、自動運転モードへの移行が失敗したこと、及び、第3支援モードを維持することを通知する。例えば、「自動運転モードへ移行できません。第3支援モードを維持します」などといった報告メッセージを出力する。なお、ステップS407の自動化中断通知処理で出力する報告メッセージは、例えば「自動運転モードへ移行できません。引き続き、アイズオンが必要なモードを継続します。操舵と速度調整はシステムが行います」などといったメッセージとしても良い。
なお、高度支援時案内処理による自動運転システム1とユーザとのインタラクションは、基本的に、図13と同様である。自動運転モードに移行するためのトリガが異なるだけである。具体的には、第2支援モードから自動運転モードに移行する場合にはハンズオフ等の手を動かす操作をトリガとするが、第3支援モードから自動運転モードに移行する場合位は、ユーザは手を動かす必要は無い。何もせずに、あるいは所定の音声コマンドの発話により自動運転モードに移行させることができる。このようにより一層簡単な操作で自動運転モードに移行させることが可能となる為、ユーザの利便性をより一層高めることができる。
<運転モードの切替についての補足>
移行先モードは第2支援モードや第3支援モードなどであってもよい。完全手動モードから第1支援モードへ切り替えるためにユーザが指示入力する合計回数(つまり総操作数)は、1回であってもよいし、2回であってもよい。ここでは一例として、完全手動モードから第1支援モードへ切り替えは1回の指示入力によって実施可能に構成されている。例えばHCU20は、ユーザ操作の受付→切替実行の手順で運転モードの切替処理を実行する。また、完全手動モードから第1支援モードへの操作内容は、モード切替スイッチ19Aを押下することでもよいし、音声入力でも良い。第1支援モードから第2支援モードへの切替処理、及び、第2支援モードから第3支援モードへの切替処理も同様とすることができる。
移行先モードは第2支援モードや第3支援モードなどであってもよい。完全手動モードから第1支援モードへ切り替えるためにユーザが指示入力する合計回数(つまり総操作数)は、1回であってもよいし、2回であってもよい。ここでは一例として、完全手動モードから第1支援モードへ切り替えは1回の指示入力によって実施可能に構成されている。例えばHCU20は、ユーザ操作の受付→切替実行の手順で運転モードの切替処理を実行する。また、完全手動モードから第1支援モードへの操作内容は、モード切替スイッチ19Aを押下することでもよいし、音声入力でも良い。第1支援モードから第2支援モードへの切替処理、及び、第2支援モードから第3支援モードへの切替処理も同様とすることができる。
完全手動モード及び第1支援モードから第3支援モードへの切替は、ユーザに許容される運転姿勢としてハンズオフが可能となるという大きな変化をもたらす。そのため、自動運転モードへの切替時と同様に、複数回のユーザ操作に基づいて実行するように構成されていることが好ましい。例えば、HCU20は、モード移行可能通知→ユーザ操作の受付→確認処理→ユーザ操作の受付→モード切替実行の手順で運転モードの切替処理を実行する。このような構成によればユーザの誤操作で運転モードを2段階以上一気に切り替えてしまうおそれを低減できる。
なお、上述した構成では、1回のユーザ操作にて第2支援モードから自動運転モードへと切り替える態様を開示したがこれに限らない。第2支援モードから自動運転モードへの切替にも、ユーザに許容される運転姿勢としてハンズオフが可能となるといった大きな変化がある。そのため、第2支援モードから自動運転モードへの切替もまた、複数回のユーザ操作に基づいて実行するように構成されていてもよい。運転モードが2段階以上異なると、ユーザが実施すべき運転タスク、換言すればシステムの作動状態が大きく異なる。仮に誤操作等によって意図せず運転モードが2段階以上変化すると、ユーザにとってはシステムの作動状態が急変したように感じられ、困惑するおそれがある。そのような課題に対し、移行前の運転モードと移行先の運転モードとが互いに隣接しあう運転モードではない場合には、複数のユーザ操作を必要とするとともに確認処理を含めることで、運転モードの切替によってユーザを困惑させてしまうおそれを低減できる。
<効果等の説明>
上記の通り、運転操作の自動化レベルとしては複数のレベルが存在し得る。これに伴い、手動運転中においてユーザが運転操作に関わっている度合いは複数段階存在しうる。例えばユーザが運転タスクのすべてを行っている場合や、操舵のみを行っている場合、車両周辺の監視のみを行っている場合などがある。そのような事情を踏まえると、手動運転モードから自動運転モードに切り替えるための操作手順が1パターンしか存在しないと、ユーザに煩わしさを与えてしまう虞がある。
上記の通り、運転操作の自動化レベルとしては複数のレベルが存在し得る。これに伴い、手動運転中においてユーザが運転操作に関わっている度合いは複数段階存在しうる。例えばユーザが運転タスクのすべてを行っている場合や、操舵のみを行っている場合、車両周辺の監視のみを行っている場合などがある。そのような事情を踏まえると、手動運転モードから自動運転モードに切り替えるための操作手順が1パターンしか存在しないと、ユーザに煩わしさを与えてしまう虞がある。
そのような課題に対し、上述した実施形態の構成によれば、図15に一例を示すように、自動運転モードに切り替える前の運転モードに応じて、自動運転モードに切り替えるためのユーザ操作の内容や回数は相違する。例えば完全手動モード又は第1支援モードから自動運転モードに切り替える場合にユーザに指示入力を求める回数は2回とする。他方、第2支援モード又は第3支援モードから自動運転モードに切り替える場合にユーザに指示入力を求める回数は1回とする。
当該構成によれば、車両が備える運転支援機能を積極的に使用している状態においては、自動運転モードへ切り替えるためのユーザに要求する操作数が低減されるため、ユーザの手間を抑制する事ができる。また、運転支援機能を積極的に使用しているユーザは、自動運転モードへの切替を希望する可能性が相対的に高いため、自動運転モードへ切り替えるための操作を受け付けた場合、当該操作が誤操作である可能性は低い。つまり、誤操作に基づいて自動運転モードへ移行する可能性を抑制しつつ、ユーザの利便性を高めることができる。また、当該構成によれば自動運転モードへの移行をユーザが望んでいるにも関わらず、自動運転モードへの切替が途中で止まってしまい、自動運転モードへの移行が失敗する恐れを低減できる。
また、第2支援モードから自動運転モードへは、ハンズオフをトリガとして、移行を開始する。このような遷移後の運転モードにおいてユーザが許容される姿勢の変化点に対応する操作を、モード切替のトリガとして採用する構成に相当する。また、当該第2支援モードから自動運転モードへ切り替えるユーザの目的としては、ハンドルから手を離して運転負荷を減らしたいことが想定される。当該想定に基づけば、上記構成によれば、ユーザの目的に直接的に対応する操作を、自動運転モードへ切り替えるための操作として採用しているため、どのような操作をすれば自動運転モードになるのかをユーザが直感的に理解しやすい。つまり、ユーザが実施すべき操作内容を理解しやすいユーザインターフェースとなっている。
加えて上記の実施形態では一例として第3支援モードから自動運転モードへの切替は、システムからの通知から一定時間以内にキャンセル操作がなければ自動的に実行される。第3支援モードにおいては、ハンズオフが許容されているため、ユーザはハンドル等から離れた位置に手をおいている可能性が高い。上記構成によればユーザに手を動かせることなく自動運転モードに切り替わる為、ユーザに煩わしさを感じさせるおそれを低減できる。また、自動運転モードへの切替を希望しない場合にはキャンセル可能に構成されているため、ユーザの意図に反して自動運転モードに切り替えることを抑制できる。なお、前述の通り、第3支援モードから自動運転モードへの切り替えるためのトリガは、音声入力であってもよい。当該構成によっても同様の効果を奏する。
なお、第2支援モードや第3支援モードは、完全手動モードや第1支援モードに比べて、自動運転モードに近い運転モードである。上記の構成は、現行モードが、相対的に自動化レベルの高いほど自動運転モードに移行するための操作を簡単にする構成に相当する。また、上記構成は別の観点によれば、変化前の運転モードが変化後の運転モードに近い状態であるほど、運転モードを切り替えるためのユーザ操作を簡単にする構成に相当する。
このような構成によれば、相対的に現行モードから近い運転モードへの切替は簡単な操作で切り替えることができるためユーザの利便性を高めることができる。また、相対的に現行モードから遠い運転モードへの切替は、複雑又は手数の多い操作となるため、誤操作等により運転モードが切り替わる恐れを低減できる。
なお、ユーザ操作が簡単であるということは、ユーザの手間がかからないこと、あるいは、複雑ではないことを意味する。ユーザ操作の簡単さは、例えばスイッチ操作及び音声入力といった指示の入力方法や、操作回数によって規定されうる。基本的に操作回数が少ないほど操作の難易度は低い。また、スイッチ操作はユーザが手を動かす必要がある一方、音声入力はユーザが手を動かす必要はない。故に、指示入力方法としてはスイッチ操作よりも音声入力のほうが簡単な操作に相当する。
なお、手動運転モードはユーザがアイズオフ禁止、すなわち周辺監視必要な状態に相当する。自動運転モードはユーザがアイズオフ可能、すなわち周辺監視不要な状態に相当する。故に、上記構成は、自動運転装置30の作動状態を、ユーザが周辺監視必要な状態からユーザが周辺監視不要な状態に変化させる際に、変化前の運転モードに応じて、自動運転装置の作動状態を変化させるためのユーザ操作を変化させる構成に相当する。
また、第3支援モードから自動運転モードに移るパターンはハンズオフが許容される運転モードから、アイズオフが許容される運転モードに移る場合に相当する。第1支援モード等から自動運転モードに移るパターンは、ハンズオンが必要な運転モードからアイズオフが許容される運転モードに移る場合に相当する。つまり、上記の構成は、ハンズオフが許容される運転モードからアイズオフが許容される運転モードに移る場合の操作は、ハンズオンが必要な運転モードからアイズオフが許容される運転モードに移る場合よりも簡単な操作とする構成に相当する。
さらに、以上の構成によれば、運転モードを切替可能となったタイミングで、運転モードを切り替えるための操作方法が案内されるため、自動運転機能付きの車両に慣れていないユーザも容易に運転モードを切替可能となる。例えば、自動運転システム1が搭載される車両が、レンタカーやシェアカーなどのサービスカーなどである場合、当該車両のユーザは、自動運転機能の使用方法等に不慣れである可能性が高い。また、車両モデルごとに運転モードを切り替えるための操作方法は異なりうる。自動運転や、運転支援機能、自車両の車両モデルの操作に習熟していないユーザにとっては、操作方法とその結果としてシステムが行ってくれる運転タスクが明示されることにより、安心して運転モードの切替操作を実施可能となる。換言すれば、サービスカーを利用するユーザの利便性や満足感を高めることができる。上記自動運転システム1を搭載した車両をユーザが試乗車として乗車した場合も、運転モードの変更にかかる操作方法がわかりやすい。故に、運転モードの変更にかかる操作方法がわかりにくいことに起因して購買意欲が損なわれてしまう恐れを低減できる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用できる。
例えば以上では、操作の回数だけでなく操作の内容も含めて、自動運転を開始するための操作を現行モードの自動化レベルが高いほど簡単化する態様を開示したがこれに限らない。現行モードごとに、自動運転モードに切り替えるための操作回数が異なるように構成されていても良い。その場合、現行モードと自動運転モードとの自動化レベルのギャップが大きいほどユーザの操作数、換言すれば確認処理の回数が多くなるように構成することができる。
<完全手動モードから自動運転モードへの移行処理の補足>
上述した実施形態においては、完全手動モードから自動運転モードへの切替の為の操作数は、第2支援モードや第3支援モードから自動運転モードへの切替のための操作数よりも多くする。このような構成においては、完全手動モードから自動運転モードへの切替所要時間は、第2支援モードや第3支援モードから自動運転モードへの切替所要時間よりも長くなる可能性が高い。なお、ここでの切替所要時間は運転モードを切り替えるためにかかる時間であって切替開始から切替完了までの時間を指す。
上述した実施形態においては、完全手動モードから自動運転モードへの切替の為の操作数は、第2支援モードや第3支援モードから自動運転モードへの切替のための操作数よりも多くする。このような構成においては、完全手動モードから自動運転モードへの切替所要時間は、第2支援モードや第3支援モードから自動運転モードへの切替所要時間よりも長くなる可能性が高い。なお、ここでの切替所要時間は運転モードを切り替えるためにかかる時間であって切替開始から切替完了までの時間を指す。
そのような事情を踏まえると、自動運転モードに移行可能なことが予見できる場合には運転モードを完全手動モードから自動運転モードに近い、第2支援モードや第3支援モードへ、事前に移行するように案内しても良い。
例えば図16に示すように、完全手動モード時において、渋滞情報として所定時間以内に渋滞区間に進入することを検知した場合には、第2支援モードへ移行することを案内しても良い。図16中の時刻T41は渋滞等の検知に伴い、所定時間以内に自動運転モードに移行可能となるとHCU20が判定した時点を示している。HCU20は上記の判定結果及び現行モードが完全手動モードであることに基づき、時刻T42にて、より自動化レベルの高い運転モードに移行することを案内する。例えば第2支援モードへ移行すること、及び、そのための操作内容を含む情報(以降、支援開始案内)を出力する。支援開始案内は、例えば「間もなく自動運転が可能となります。その準備として、操舵支援機能を有効化することをお勧めします。操舵支援機能を有効化する場合には、モード切り替えスイッチを押下してください。」などのメッセージを音声又は画像にて出力する。
時刻T43は、ユーザが上記の案内に従って第2支援モードへ移行するための操作を実施したタイミングを表している。HCU20は時刻T43でのユーザ操作に基づいて自動運転装置30を第2支援モードへ移行させるとともに、移行が完了次第、その旨を通知する(時刻T44)。
時刻T45は、例えば渋滞区間への進入などにより、自動運転モードに移行可能となったタイミングを表しており、当該環境変化に基づいてHCU20は自動運転可能通知(S201)を実行する。時刻T46は、自動運転可能通知に対する応答として、例えばハンズオフなどの移行指示操作をユーザが実行したタイミングを表している。HCU20はユーザ操作に対応する操作信号が入力されたことに基づいて、自動運転装置30と連携して運転モードを自動運転モードに移行する。自動運転モードへの移行が成功すると、HCU20は時刻T47にて、自動運転モードへの移行が完了したことを示すメッセージを音声又は画像出力する。
上記構成によれば、自動運転が可能となる前に自動化レベルを上げておくことにより、実際に自動運転が可能となった際に、自動運転モードに切り替えるための操作をより簡単な操作にできる。当該構成によれば自動運転モードへの切替所要時間を低減することができる。なお、渋滞区間の情報は路側機やサーバから無線で受信しても良いし、車々間通信で取得する、自車両前方を走行する他車両の挙動から判断しても良い。また、周辺監視センサ11としての前方カメラから提供される、前方車両のハザードランプの点灯状態や、電光掲示板の表示テキストの認識結果に基づいて特定しても良い。
なお、車両がマニュアルモードを備える車両の場合、自動運転機能はマニュアルモードでは作動しないことが想定される。あるいは、前述の通り、自動運転装置30の構成として、自動運転可能ポジションが限定されている構成も想定される。車両が自動運転モードを利用できない動作モードに設定されている場合には、HCU20は渋滞等の自動運転可能な区間を事前検知したときに、自動運転可能ポジションに切り替えるように提案してもよい。HCU20としての機能は自動運転装置30が備えていても良い。
<完全手動運転モードから自動運転の切替方法について>
上述した実施形態では完全手動モードから自動運転モードへ移行するための操作と、自動化レベル1に相当する第1支援モードから自動運転モードに移行する為の操作を同様とする態様を開示したが、これに限らない。例えば第1支援モードから自動運転モードに移行する為の操作は、完全手動モードから自動運転モードへ移行するための操作よりも簡単に設定されていても良い。
上述した実施形態では完全手動モードから自動運転モードへ移行するための操作と、自動化レベル1に相当する第1支援モードから自動運転モードに移行する為の操作を同様とする態様を開示したが、これに限らない。例えば第1支援モードから自動運転モードに移行する為の操作は、完全手動モードから自動運転モードへ移行するための操作よりも簡単に設定されていても良い。
例えば、完全手動モードから自動運転モードへ移行するための操作は2回ともモード切替スイッチの押下とする一方、第1支援モードから自動運転モードに移行する為の2回目の操作はハンズオフとしてもよい。完全手動モードから自動運転モードへ移行するための2回目の操作はモード切替スイッチをダブルクリックとする一方、第1支援モードから自動運転モードに移行する為の2回目の操作はシングルクリックとしてもよい。完全手動モードから自動運転モードへ移行するための操作数は3回とする一方、第1支援モードから自動運転モードに移行する為の操作数は2回としてもよい。
<運転モードの構成について>
以上では、運転モードとして、完全手動モード、第1支援モード、第2支援モード、第3支援モード、及び自動運転モードの5つのモードを備える態様を開示したが、自動運転システム1が備える運転モードの設定態様はこれに限定されない。例えば第1支援モードと第2支援モードは統合されていても良い。
以上では、運転モードとして、完全手動モード、第1支援モード、第2支援モード、第3支援モード、及び自動運転モードの5つのモードを備える態様を開示したが、自動運転システム1が備える運転モードの設定態様はこれに限定されない。例えば第1支援モードと第2支援モードは統合されていても良い。
また、他の態様として、完全手動モードと第1支援モードは統合されていても良い。例えば図17に示すように運転モードは設定されていても良い。すなわち、自動運転装置30が提供する運転モードは、手動操作モード、操舵支援モード、自動操舵モード、及び自動運転モードの4つであってもよい。手動操舵モードは複数の運転モードの中で最も自動運転レベルが低い運転モードである。手動操作モードは、前述の完全手動モード又は第1支援モードに相当する。操舵支援モードは前述の第2支援モードに相当する。操舵支援モードはハンズオンレベル2モードと呼ぶことができる。自動操舵モードは、前述の第3支援モードに相当する。自動操舵モードはハンズオフレベル2モードと呼ぶことができる。
また、自動運転装置30は自動運転モードとして、レベル3モードと、レベル4モードとを備えていても良い。レベル3モードは自動化レベル3に相当する運転モードであり、レベル4モードは自動化レベル4に相当する運転モードである。レベル4モードは、レベル3よりも多様なセカンドタスクが許容される運転モードに相当する。例えばレベル3モードでは睡眠が禁止される一方、レベル4モードでは睡眠が許容されうる。また、例えばレベル3モードでは運転席からの離席が禁止される一方、レベル4モードでは運転席からの離席が許容されうる。レベル4モードとレベル3モードでは、許容されるセカンドタスクの範囲が異なるため、移行完了通知では、当該相違点についての情報を通知することが好ましい。例えばレベル3モードに移行した場合に通知するセカンドタスクの例と、レベル4モードに移行した場合に通知するセカンドタスクの例は異なるものとする。なおレベル3モードの方がレベル4モードよりも許容されるセカンドタスクの範囲は狭い。そのような事情を鑑みると、レベル3モードの移行完了通知では禁止事項を主として通知する一方、レベル4モードの移行完了通知では許容される行為を主として通知してもよい。つまり、自動運転のレベルに応じて、移行完了通知を注意喚起の位置づけで出力するか否かを変えても良い。
<運転モードを切り替えるための操作数と自動運転レベルの関係について>
運転モードを切り替えるための操作数は、現行モードと遷移先の運転モードとの自動化レベルの差に比例させても良い。例えば自動化レベルを1段階上げるための操作回数は1回とする一方、2段階以上自動化レベルを上げる場合には操作回数を複数回としてもよい。また、自動化レベルを上げる方向に運転モードを1段階上げるための操作回数は1回とする一方、運転モードを2段階又はそれよりも多く上げる場合には確認処理を実行することとしてもよい。
運転モードを切り替えるための操作数は、現行モードと遷移先の運転モードとの自動化レベルの差に比例させても良い。例えば自動化レベルを1段階上げるための操作回数は1回とする一方、2段階以上自動化レベルを上げる場合には操作回数を複数回としてもよい。また、自動化レベルを上げる方向に運転モードを1段階上げるための操作回数は1回とする一方、運転モードを2段階又はそれよりも多く上げる場合には確認処理を実行することとしてもよい。
<移行キャンセル時のシステム応答について>
運転モードの移行が途中でキャンセルされた場合に、最終的に設定される運転モードは、キャンセル理由がユーザ操作であるのかシステム判断によるのかによって変更されてもよい。便宜上、運転モードの移行が途中でキャンセルされた場合に実行されうる一連の処理を途中キャンセル処理とも記載する。図18は途中キャンセル処理の流れを概念的に示したフローチャートである。
運転モードの移行が途中でキャンセルされた場合に、最終的に設定される運転モードは、キャンセル理由がユーザ操作であるのかシステム判断によるのかによって変更されてもよい。便宜上、運転モードの移行が途中でキャンセルされた場合に実行されうる一連の処理を途中キャンセル処理とも記載する。図18は途中キャンセル処理の流れを概念的に示したフローチャートである。
例えば自動運転モードへの移行を途中でキャンセルする原因がユーザによるキャンセル操作である場合には(S501 YES)、現行モードを維持する(S502)。その場合、メータディスプレイ18Bの隅部などに自動運転可能であることを示すアイコン画像を所定時間表示し続けても良い。一方、自動運転モードへの移行を途中でキャンセルする原因が予期せぬ事象の発生などのシステム判断による場合には(S501 NO)、例えば代替案として第2支援モードへの移行を案内する(S503)。なお、積雪区間への進入に伴う区画線の認識不良などによって第2支援モードも実行不可である場合には、例えば完全手動モードなど、その時点で実行可能な運転モードを提示してもよい。そして、当該案内に対するユーザの承諾操作が行われたことを検出した場合(S504 YES)には、当該案内した運転モードへ移行させる。一方、S503での案内に対してユーザの承諾が得られなかった場合には、所定の例外処理を実行する。例えば、例外処理として現行モードを維持することを決定し、その旨を通知しても良い。また、例外処理としてMRMを実行しても良い。なお、図18に示す途中キャンセル処理を構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。
<自動運転可能な状況に応じたシステム応答について>
渋滞時であることを条件とする自動運転モードであるか、エリア限定での自動運転モードかに応じて自動運転モードに切り替えるための操作を変更してもよい。例えば、渋滞時においては、走行速度が遅く、かつ、交通環境が急変しにくいことが想定される。そのような事情を踏まえると、エリア限定自動運転よりも渋滞時自動運転の方が安全に自動運転可能である可能性が高い。そのため、エリア限定自動運転を開始する場合よりも渋滞時自動運転を開始する場合のほうが、ユーザに要求する操作を簡易化してもよい。例えば、エリア限定自動運転を開始する場合のユーザ指示の受付媒体はモード切替スイッチ19Aの押下を必須要素とする。一方、渋滞時自動運転の場合は、モード切替スイッチ19Aの押下は選択肢の1つとしてもよい。より具体的には、渋滞時自動運転の場合は、音声入力やハンズオフなど、モード切替スイッチ19Aの押下以外の行為によって自動運転の開始指示を受け付けても良い。
渋滞時であることを条件とする自動運転モードであるか、エリア限定での自動運転モードかに応じて自動運転モードに切り替えるための操作を変更してもよい。例えば、渋滞時においては、走行速度が遅く、かつ、交通環境が急変しにくいことが想定される。そのような事情を踏まえると、エリア限定自動運転よりも渋滞時自動運転の方が安全に自動運転可能である可能性が高い。そのため、エリア限定自動運転を開始する場合よりも渋滞時自動運転を開始する場合のほうが、ユーザに要求する操作を簡易化してもよい。例えば、エリア限定自動運転を開始する場合のユーザ指示の受付媒体はモード切替スイッチ19Aの押下を必須要素とする。一方、渋滞時自動運転の場合は、モード切替スイッチ19Aの押下は選択肢の1つとしてもよい。より具体的には、渋滞時自動運転の場合は、音声入力やハンズオフなど、モード切替スイッチ19Aの押下以外の行為によって自動運転の開始指示を受け付けても良い。
<その他>
HCU20は、上記構成に加えて、例えばモード切替スイッチ19Aが、例えばダブルクリックのように、連続的に所定回数押した場合には、一連の確認処理を省略して、速やかに自動運転モードへ切り替えるように構成されていても良い。例えばステップS202においてモード切替スイッチ19Aが3回以上連続的に押下された場合には、ステップS204~S205の確認処理をスキップして自動運転モードに移行させてもよい。確認処理をスキップして自動運転モードへ移行するための指示行為(以降、確認省略操作)は、ユーザが自動運転モードへの切替を確実に希望していると判断できる操作、換言すれば誤操作として行われにくい操作とすることが好ましい。確認省略操作は、モード切替スイッチ19Aを一定時間押し続ける、いわゆる長押し操作であってもよい。
HCU20は、上記構成に加えて、例えばモード切替スイッチ19Aが、例えばダブルクリックのように、連続的に所定回数押した場合には、一連の確認処理を省略して、速やかに自動運転モードへ切り替えるように構成されていても良い。例えばステップS202においてモード切替スイッチ19Aが3回以上連続的に押下された場合には、ステップS204~S205の確認処理をスキップして自動運転モードに移行させてもよい。確認処理をスキップして自動運転モードへ移行するための指示行為(以降、確認省略操作)は、ユーザが自動運転モードへの切替を確実に希望していると判断できる操作、換言すれば誤操作として行われにくい操作とすることが好ましい。確認省略操作は、モード切替スイッチ19Aを一定時間押し続ける、いわゆる長押し操作であってもよい。
また、予め決められた音声コマンドである即時切替コマンドが発話されたことを検出した場合には、一連の確認処理を省略して、速やかに自動運転モードへ変更しても良い。即時切替コマンドは、例えば「即時モード切替」、「切替確定」などとすることができる。即時切替コマンドとして作用するフレーズは、ユーザによって設定変更可能に構成されていることが好ましい。即時切替コマンドは、日常会話での誤作動を防ぐために、2単語以上組み合わせたフレーズに限定されていることが好ましい。即時切替コマンドは、認識精度を高めるために、ユーザが発話することにより登録可能に構成されていても良い。移行開始コマンドも同様である。
確認省略操作や即時切替コマンドは、現行モードに依らずに一定としてもよい。そのような構成によれば、ユーザとしては、当該操作方法さえ覚えておけば、どのような現行モードから一気に自動運転モードを開始させることができ、手動運転モードから自動運転モードへの切替時間を短縮可能となる。
モード変更指示部F5は、ブレーキペダルやアクセルペダル、ハンドルに対するユーザ操作に基づいて運転モードを切り替えてもよい。例えばモード変更指示部F5は、アクセルペダルから足を離したことをトリガに完全手動モードから第1支援モードに移行しても良い。操作信号取得部F3は、図19に示すように、ブレーキペダル19αやアクセルペダル19β、ハンドル19γなどに対するユーザの操作状態を、各操作部材に対応するセンサから直接的に又は所定のECUを介して取得しうる。例えば操作信号取得部F3は、ブレーキペダルセンサ12αからブレーキペダル19αの踏込量を取得する。なお、ブレーキペダルセンサ12αは、ブレーキペダル19αに対するユーザの踏み込み力を検出するセンサであってもよい。ペダルの踏み込み力は、たとえば、ブレーキ油圧から推定されてもよい。ブレーキペダル19αが減速のためのペダルに相当する。
また、操作信号取得部F3は、アクセルペダルセンサ12βからアクセルペダル19βの踏込量を取得する。アクセルペダルセンサ12βは、アクセルペダルに対する踏み込み力を検出するセンサであってもよい。アクセルペダル19βが減速のためのペダルに相当する。さらに、操作信号取得部F3は、操舵角センサ12γから操舵角を取得する。操作信号取得部F3はトルクセンサ12δからユーザがハンドルに付与しているトルクである操舵トルクを取得する。トルクセンサ12δは、例えばステアリングシャフト上に設けられたトーションバーのねじれ角に基づいて操舵トルクを検出しうる。その他、HCU20にはシフトポジションセンサからシフトポジションを示す信号が入力されうる。各種ペダル類の踏込量/踏み込み力を示す信号や、操舵角を示す信号などもユーザ操作信号に該当しうる。
以上では自動化レベルを上げるためのユーザ操作、換言すればトリガを現行モードに応じて異ならせる場合の具体例を列挙した。一方、本開示の技術思想は、ユーザが意図的に自動化レベルを下げるための操作にも適用可能である。例えばユーザが意図的に自動化レベルを下げるための操作量を、現行モードに応じて異ならせてもよい。例えば図20に示すように、自動運転モードから完全手動モードに切り替えるための条件は、第3支援モードから完全手動モードに切り替えるための条件よりも厳しく設定されていてもよい。運転モードの切替条件を厳しくすることは、運転モードが偶発的に又は誤操作により切り替わりにくくすることに対応する。
図20は、遷移元となる運転モードと遷移先となる運転モードの組み合わせに応じた、自動化レベルを下げる操作パターンの一例を示したものである。運転モードを切り替えるための条件を厳しくすることは、1つの側面において、操作量を増やすことに相当する。操作量を増やすことは、具体的には、ユーザに要求するスイッチの操作回数を増やしたり、スイッチを押し続けさせる時間を長くたり、ハンズオンを維持させる時間を長くしたり、ペダル類の踏込量やハンドル把持圧に対する要求値を高めたりすることなどを指す。
なお、運転モードを切り替えるための条件には、操作量だけでなく、ユーザの状態や走行環境に対する条件も含まれうる。例えば、自動運転モードから、完全手動モードなどの乗員関与モードへの移行処理は、ユーザが運転操作可能な状態であることを確認した上で実行されることが好ましい。そのような観点からHCU20は図21に示すように、ユーザが運転可能な状態であるか否かを判定するユーザ状態取得部F6を備えていても良い。
ユーザ状態取得部F6は、DSM16Aやハンドルセンサ16Bといった乗員状態センサ16の出力信号をもとにユーザの状態を判定する。例えばユーザ状態取得部F6は、ユーザの視線が車両前方を向いており、かつ、ハンドルに手を添えていることに基づいて、ユーザは運転可能な状態であると判断する。ユーザが運転可能な状態を規定する条件である運転可能条件は、視線方向と姿勢によって規定されうる。ユーザがサイドミラーやバックミラーを見ている状態も周辺を確認しているため、運転可能な状態に含めることができる。姿勢には、頭部の位置や向きを含めることができる。その他、運転可能条件には、目の開度や脈拍などの生体情報に基づいて推定される眠気レベルや疲労度が所定の閾値以下であることが含まれていても良い。
また、ユーザ状態取得部F6は、センターディスプレイなどの車載ディスプレイで動画を再生している状態において、ユーザが当該車載ディスプレイのほうに目/顔を向けている場合には、運転可能な状態ではないと判断しうる。運転できない状態には、動画視聴やスマートフォンの操作中など、セカンドタスク実行中も含まれる。ユーザ状態取得部F6は、ユーザ状態のより詳細な分類として、車載機器の動作状態やユーザ画像を解析することにより、ユーザがセカンドタスクを実行中であるか否かを判別可能に構成されていても良い。ユーザ状態取得部F6は、車室内カメラが撮像したユーザの画像を解析することでユーザがセカンドタスクを実行しているか否かを判別可能に構成されていても良い。ユーザ状態取得部F6は、車両とユーザのスマートフォンとが無線又は有線接続されている場合には、スマートフォンから当該スマートフォンの作動状態を取得し、ユーザがセカンドタスクを実行しているか否かを判定してもよい。ユーザ状態取得部F6がユーザ状態判定部に相当する。
情報提示処理部F4は、自動運転モードを解除するためのユーザ操作を検出した場合に、操作内容等に応じたメッセージを出力する解除操作応答部F45を備えていても良い。解除操作応答部F45は、複数種類の入力装置19の何れかに対するユーザの操作態様が、所定の要確認パターンに該当する場合には、自動運転モードを解除してもよいかを確認するメッセージを、音響装置18Cなどから出力する。ここでの要確認パターンとは、ユーザが自動運転モードの解除を希望しているのか否かが不明確な操作パターンに相当する。また、解除操作応答部F45は、ユーザ操作に基づいてモード変更指示部F5が自動運転モードを終了させた場合には、例えば「自動運転モードを終了しました」といったメッセージをHUD18A等に出力する。なお、自動運転中における確認メッセージはユーザが前方を見ていない可能性があるため音声出力することが好ましい。また、解除完了のメッセージは、ユーザが前方を見ている可能性が高いためHUD18Aでの通知に留めてもよい。解除完了のメッセージはテキスト画像であってもよいし、アイコン画像などであってもよい。
[自動化レベルダウン操作への適用例]
自動運転システム1においては、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えも所定のユーザ操作をトリガとして実行される。そのため、なるべくシンプルな操作で自動運転モードから手動運転モードに切替可能に構成されていることが好ましい。ただし、例えばハンドルに意図せずに手がぶつかっただけで、自動運転モードから手動運転モードに切り替わると、ユーザの利便性が損なわれうる。故に、HCU20は、自動運転モード時において入力装置19へのユーザ操作を検知した場合、ユーザが意図的に動作モードを切り替えようとしているのか否かを精度よく判別可能に構成されている好ましい。以下では、自動運転モードを解除する操作を誤検知するおそれを低減可能な構成について開示する。
自動運転システム1においては、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えも所定のユーザ操作をトリガとして実行される。そのため、なるべくシンプルな操作で自動運転モードから手動運転モードに切替可能に構成されていることが好ましい。ただし、例えばハンドルに意図せずに手がぶつかっただけで、自動運転モードから手動運転モードに切り替わると、ユーザの利便性が損なわれうる。故に、HCU20は、自動運転モード時において入力装置19へのユーザ操作を検知した場合、ユーザが意図的に動作モードを切り替えようとしているのか否かを精度よく判別可能に構成されている好ましい。以下では、自動運転モードを解除する操作を誤検知するおそれを低減可能な構成について開示する。
なお、自動運転モードを解除するための操作としては、(A)ペダルの踏み込み、(B)ハンドル操作、(C)モード切替スイッチ19Aの操作などが考えられる。自動運転モードを解除することは、自動運転モードから、例えば完全手動モードなど、相対的により自動化レベルが低い運転モードに切り替えることに対応する。遷移先の運転モードは、操作内容によらずに、予め設定された一定の運転モードであってもよいし、操作内容によって動的に決定されても良い。より具体的にはブレーキペダル19αの踏み込みをトリガとして自動運転モードを解除する場合には完全手動モードに移行する一方、ハンドル操作によって自動運転モードを解除する場合の遷移先は、第2支援モードや第1支援モードであってもよい。また、モード切替スイッチ19Aの押下によって自動運転モードを終了する場合の遷移先は、第3支援モードとすることができる。
以下の開示は、自動運転モードを終了する制御だけでなく、第2支援モードを終了する場合や、第1支援モードを終了する場合などにも適用可能である。つまり、以下の開示は1つの側面において自動化レベルを下げる操作を誤検知する恐れを低減可能な構成と解する事ができる。
[ペダル類の操作に基づく運転モードの切替制御例]
ここではペダル類に対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する場合のHCU20の作動例について図22に示すフローチャートを用いて説明する。図22は、ペダル類に対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する処理であるペダルオーバーライド処理に対応するフローチャートである。ペダルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードであることを条件として、例えば50ミリ秒ごとや100ミリ秒ごとなど、所定の周期で開始されうる。なお、ペダルオーバーライド処理が備える処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。例えば、ペダルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードである状態において、ブレーキペダル又はアクセルペダルが踏み込まれたことをトリガとして開始されても良い。その場合、図22に示すフローチャートはステップS603以降の処理ステップを備えていればよい。
ここではペダル類に対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する場合のHCU20の作動例について図22に示すフローチャートを用いて説明する。図22は、ペダル類に対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する処理であるペダルオーバーライド処理に対応するフローチャートである。ペダルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードであることを条件として、例えば50ミリ秒ごとや100ミリ秒ごとなど、所定の周期で開始されうる。なお、ペダルオーバーライド処理が備える処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。例えば、ペダルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードである状態において、ブレーキペダル又はアクセルペダルが踏み込まれたことをトリガとして開始されても良い。その場合、図22に示すフローチャートはステップS603以降の処理ステップを備えていればよい。
まずステップS601では各種センサから以降の判断処理で使用する情報(判断材料)を取得する。例えば操作信号取得部F3がブレーキペダルセンサ12αやアクセルペダルセンサ12βから、アクセルペダルの踏込量やブレーキペダルの踏込量を取得する。また、ユーザ状態取得部F6がDSM16Aなどからユーザの視線方向など、ユーザが運転操作可能な状態であるか否かを判断するための情報などを取得する。加えて、周辺状態把握部F1が自動運転装置30又は周辺監視センサ11などから、自車両の周辺の交通状況を示すデータを取得する。ステップS601が完了するとステップS602に移る。
以降ではブレーキペダルが踏み込まれた場合を例にとって説明するが、アクセルペダルが踏み込まれた場合も同様とすることができる。
ステップS602ではモード変更指示部F5が、ブレーキペダルが踏まれたか否かを判定する。例えばブレーキペダルの踏込量が所定の踏込検出閾値以上である場合にブレーキペダルが踏まれたと判定する。踏込検出閾値は、例えばブレーキランプが点灯開始する程度の微小値とすることができる。より具体的には踏込検出閾値は10mm~30mmなどとすることができる。なお、踏込量は、角度や圧力の単位で表現されても良い。踏込検出閾値は、踏込量と同様の単位系で設定されれば良い。その他、ブレーキ操作がなされたか否かは、ブレーキランプに流れる電流値の変化に基づいて判断されても良い。また、ペダル踏込の有無に連動してオンオフが切り替わるスイッチの出力に基づいてブレーキペダルに足が載せられているか否かを判定しても良い。
ブレーキペダルの踏込を検出した場合には、ステップS603に移る。一方、ブレーキペダルの踏込を検出しなかった場合には本フローを終了する。その場合、例えば50ミリ秒後や100ミリ秒後など、所定時間後に本フローをステップS601から開始する。
ステップS603ではユーザ状態取得部F6がDSM16Aから提供されるユーザの生体情報に基づき、ユーザが運転可能な状態であるか否かを判定する。ユーザが運転可能な状態ではない場合、換言すれば運転可能条件を充足していない場合には、ステップS604に移り、所定内容の報知を行うとともに、自動運転モードを継続させる。運転可能ではない状態におけるペダル踏込は、足がペダルに当たっただけなどの誤操作の可能性が相対的に高いためである。
なお、ステップS603からステップS604に移った場合の報知内容は、例えば、ブレーキ操作を検出したが操作量が微量であるため踏み間違いと判断し、自動運転モードを継続するといった内容とすることができる。当該報知内容によれば、システムが何に反応し、どう判断したかをユーザが理解可能となる。そのため、仮にユーザが真に自動運転モードの解除を希望する場合には踏込量を大きくするなどの対応を取ることが可能となる。また、ユーザが真に自動運転モードの解除を希望していた場合には、当該ユーザの意図的なペダル操作に対してシステムが何かしらのレスポンスを返すことにより、ユーザがシステムに対して不信感を抱く恐れを低減できる。加えて、システムの判断通り、検知したペダル踏込が誤操作であった場合には自動運転モードが維持されるため、ユーザの利便性を損なう恐れを低減できる。
一方、ステップS603においてユーザが運転可能な状態である場合には、ステップS605に移る。ステップS605では、ブレーキペダルセンサ12αからの信号を解析することで定まる踏込加速度AcDが、所定の踏込加速度閾値ThAcD以上であるか否かを判定する。踏込加速度AcDは、ユーザがブレーキペダルを踏み込む勢いに対応するパラメータである。踏込加速度AcDは踏込量の単位時間当りの増加量を示す踏込速度を、さらに時間微分したものに相当する。踏込速度及び踏込加速度は、直近所定時間以内に取得した踏込量の時系列データに基づいて算出されうる。踏込加速度閾値ThAcDは、例えば、急ブレーキなどに相当する値に設定される。具体的には、3m/sec^2(約0.3G)~4m/sec^2(約0.4G)の減速度が車両に作用する値に設定されうる。急ブレーキの概念にはフルブレーキも含めることができる。
ステップS605は、1つの側面において、緊急性のあるペダル操作が行われたか否かを判定するステップに相当する。踏込加速度AcDが踏込加速度閾値ThAcD以下である場合にはステップS605を否定判定してステップS607に移る。一方、踏込加速度AcDが踏込加速度閾値ThAcDを超過している場合にはステップS605を肯定判定してステップS606に移り、所定内容の報知を行うとともに、自動運転モードを終了する。
自動運転モード終了後に設定される運転モード、すなわち遷移先の運転モードは、例えば、完全手動モードとすることができる。急ブレーキ又は急加速相当のペダル操作が行われたということは、システムが認識できていない、緊急性のある事象に対するオーバーライドである可能性が高く、全ての操作をユーザに委ねたほうが好ましいためである。なお、遷移先の運転モードは完全手動モードではなく、第1支援モードなどであってもよい。また、遷移先の運転モードは、予めユーザが指定したデフォルトモードや、自動運転モードに移行する前に採用されていた運転モードであってもよい。
ステップS605からステップS606に移った場合の報知内容は、例えば、「自動運転モードを終了し、完全手動モードに移行しました」といった内容とすることができる。ステップS605からステップS606に移った場合の報知内容は、遷移先の運転モードの情報、例えばユーザが実施する必要がある運転タスクを明示するものであることが好ましい。なお、ステップS605からステップS606に移った場合は緊急性が高いシーンであることが想定される。緊急性の高いシーンにおいて相対的に多くの情報をユーザに提示すると、ユーザに煩わしさを与えてしまう恐れがある。そのような事情から、急ブレーキ又は急加速相当のペダル操作によって自動運転モードを終了した場合には、報知内容を自動運転が終了した、あるいは完全手動モードに遷移したことのみに限定した、シンプルな報知としてもよい。その場合、踏込量が所定値以下に復元されたことや、自動運転モードが終了してから所定の報知待機時間が経過したことに基づいて、アイコン画像等を用いて、ユーザが実施する必要がある運転タスクを明示的に提示することが好ましい。
なお、本実施形態では一例として、緊急性のあるペダル操作が行われたか否かの判定指標として、踏込加速度AcDを用いる態様を開示したが、これに限らない。緊急性のあるペダル操作が行われたか否かの判断は、踏込速度や、車両に作用する前後方向の加速度を採用することもできる。つまり、ステップS605の判定は、踏込加速度AcD、踏込速度、及び前後方向加速度の少なくとも何れか1つを所定の閾値と比較することで実施されても良い。もちろん、緊急性のあるペダル操作が行われたか否かは、例えば踏込速度と前後方向加速度など、複数のパラメータを組み合わせて判断されても良い。例えばモード変更指示部F5は、踏込速度が所定の閾値以上であり、且つ、前後方向加速度が所定の閾値以上であることに基づいて自動運転モードを解除しても良い。
ステップS607ではモード変更指示部F5が、ブレーキペダルセンサ12αからの信号に基づいて定まる踏込量AmDが、所定の踏込量閾値ThAmDを超過しているか否かを判定する。踏込量閾値ThAmDは、ユーザが意図的にペダルを踏んだか、換言すれば、足がペダルに当たっただけなどの誤操作であるかを切り分けるためのパラメータである。踏込量閾値ThAmDは、40mmなどに設定されうる。また、踏込量閾値ThAmDは、ペダルの可動範囲の40%や50%、60%に相当する値に設定されうる。踏込量閾値ThAmDは、ペダルの角度変位量や、ブレーキ圧の概念で設定されても良い。
踏込量AmDが踏込量閾値ThAmDを超過している場合にはステップS607を肯定判定してステップS608に移る。一方、踏込量AmDが踏込量閾値ThAmD以下である場合にはステップS609に移る。
ステップS608では周辺状態把握部F1が認識している周辺状況が運転操作を交代可能な状況に該当するか否かを判定する。運転操作を交代可能な状況とは、周辺環境が安定している状況に対応するものであって、例えば道路の曲率が所定値以下である略直線路であることなどを要件として含めることができる。また、自車両に前方に進入する車線変更を計画している周辺車両が存在しないことや、自車両が車線変更中ではないこと、先行車両との相対速度が所定値未満であることなどを運転交代可能な状況を定義する要件として採用しても良い。
周辺環境が運転操作を交代可能な状況である場合にはステップS606に移り、自動運転モードを終了し、手動運転モードに属する所定の運転モードに切り替えるとともに、自動運転モードを終了した旨の報知を実行する。一方、周辺環境が運転操作を交代可能な状況ではない場合にはステップS604に移り、自動運転モードを維持するとともに所定内容の報知を実行する。ステップS608からステップS604に移った場合の報知内容は、例えば、「運転交代操作を受け付けましたが周辺状況が運転交代可能な状況ではないため、自動運転モードを維持します」といった内容とすることができる。
ステップS609ではモード変更指示部F5は直近所定時間のブレーキペダルの踏込量の履歴に基づいて、踏込時間DuDが所定の踏込時間閾値ThDuDを超過しているか否かを判定する。踏込時間閾値ThDuDもまた、ユーザが意図的にペダルを踏んだか否かを切り分けるためのパラメータである。踏込時間DuDは、ブレーキペダルが踏まれていると判定されている時間、例えばブレーキペダルの踏込量が踏込検出閾値以上である状態が継続している時間に相当する。
踏込時間閾値ThDuDは例えば2秒や、3秒、4秒などとすることができる。踏込時間DuDが踏込時間閾値ThDuDを超過している場合にはステップS610に移る。一方、踏込時間DuDが踏込時間閾値ThDuD以下である場合にはステップS604に移り、自動運転モードを継続するとともに、自動運転モードを維持する旨の報知を実施する。
ステップS610では手動運転モードに移行することを確認する処理である意思確認処理を実行する。例えば、意思確認処理として、本当に手動運転モードに移行するか否かを問い合わせるテキストメッセージをメータディスプレイ18Bに表示出力する。具体的には「自動運転モードを解除しますか?」といったユーザへの問いかけを行うとともに、解除を希望する場合には運転可能な状態(姿勢)となるように指示してもよい。なお、当該メッセージは、音響装置18Cから音声メッセージとして出力されても良い。
なお、上記問いかけに対するユーザの回答は、ユーザの音声又はスイッチ操作によって入力されうる。また、上記問いかけに対するユーザの回答は、ペダル類やハンドル操作に基づいて受付可能に構成されていても良い。HCU20は意思確認処理として、自動運転モードを終了するためにユーザが次に実施するべき操作を通知してもよい。手動運転モードに移行するためにユーザが次に実施するべき操作とは例えばペダルを踏み続けることや、再度踏み込むこと、踏込量を増大させること、ハンドルに手を添えることなどを採用することができる。例えば「手動運転モードへの移行を希望する場合は両手でハンドルを握ってください」などといった指示を出力しても良い。
ステップS610での結果として、ユーザが自動運転モードの解除を希望していることを示す操作信号を取得できた場合にはステップS611を肯定判定してステップS608に移り、周辺状況を鑑みて自動運転モードを終了させる(S606)。なお、周囲の状況が運転交代可能な状態でなければ自動運転モードを継続する(S604)。
また、ステップS610での結果として自動運転モードを解除するための操作信号が入力されなかった場合にはステップS611を否定判定してステップS604に移り、自動運転モードを継続するとともに、所定の内容の報知を実施する。ステップS609、S611からステップS604に移った場合の報知内容は、例えば「ブレーキ操作を検出しましたが誤操作と判断し、自動運転モードを継続します」といった内容とすることができる。
なお、ステップS608は任意の要素であって省略されても良い。ユーザが希望する場合には周辺状況によらずに運転権限をユーザに移譲するべきであるとの考え方もあるためである。ステップS608を省略する構成においては、ステップS607やS611を肯定判定した場合にはステップS606を実行すればよい。また、HCU20は、周辺状況に応じて自動運転モードの終了に係る報知の仕方を替えても良い。例えば周囲に自車前方への割り込み等を計画している他車両や、先行車両が減速している場合には、運転モードの切替に関する情報に加えて、それらに対する注意を促す運転支援情報を出力しても良い。
本開示のHCU20は一例として、上記のようにユーザが運転可能な状態において、或る閾値以上の加速度(勢い)でのペダル踏込を検出した場合には、緊急性があるものと見なして、自動運転モードを即解除する。当該構成によれば、緊急性の高いシーンにおいては、ユーザのペダル操作に基づき速やかにユーザに運転権限を移譲することができる。
また、ユーザが運転可能な状態において、或る踏込量閾値以上の踏込量がある場合には、緊急性は低いが、解除の意志がある可能性が高い。そのため、HCU20は自動運転モードを終了させる。ここで適用される踏込量閾値は、微小な踏込検出閾値よりも有意に大きい値に設定される。踏込量が踏込量閾値以上であることに基づいて自動運転モードを終了する構成によれば、ユーザの意図に反して自動運転モードを終了させてしまう恐れを低減できる。また、ユーザが意図的にブレーキペダルを踏んだ場合には自動運転モードを終了するため、ユーザの意図に反して自動運転モードが継続される恐れも低減可能となる。
また、ユーザが運転可能な状態において、踏込量は小さいものの(S607 NO)、踏込時間が長い場合には(S609 YES)、緊急性は低いが、解除の意志がある可能性が高い。そのため、自動運転モードの終了に向かった処理を実行する。このような構成によってもユーザの意図に反した運転モードの維持/切替を抑制することができる。
さらに、ユーザが運転可能な状態ではない場合や、運転可能な状態だが踏込量AmDと踏込時間DuDが閾値以下である場合には、誤操作として自動運転モードを継続させる。当該構成によればユーザの意図に反して自動運転モードを終了させる恐れを低減できる。
なお、ステップS610の意思確認処理では、自動運転モードを完全に終了させるか、一時的に手動運転モードに切り替えるかをユーザが選択可能に構成されていても良い。ユーザが運転可能な状態において、踏込量は小さいが(S607 NO)、踏込時間が長い場合には、自動運転モードを終了させるべきか否かをユーザが迷っていることが考えられるためである。
なお、自動運転モードを一時的に終了させた状態とは、バックグランドで周辺環境のセンシング結果に基づく自動制御の計画の逐次作成を行い、例えばユーザがハンドルやペダル類から手足を離したことに基づいて自動運転を再開できる状態である。つまり自動運転機能を一時的に解除した状態は、いつでも自動運転モードを再開できる状態に相当する。自動運転機能を一時的に解除した状態においては、セカンドタスクを許容するアイコン画像は、例えばグレーアウトした状態で表示され続けても良い。HCU20はペダル等に対する操作を検出すると即座に一時的に自動運転モードを終了させてもよい。また、HCU20は、自動運転モードを一時的に終了させている状態が所定時間(例えば30秒)継続した場合に、通知をした上で完全に自動運転モードを終了するように構成されていても良い。
なお、以上では踏込加速度AcD、踏込量AmD、及び踏込時間DuDの3つの指標を順番に使用して自動運転モードを解除するか否かを決定する態様を開示したがこれに限らない。複数の指標のうちの何れか1つだけを用いてもよい。また、個別に用いるのではなく、組み合わせて用いても良い。例えば踏込量AmDが踏込量閾値ThAmD以上であり且つ踏込時間DuDが踏込時間閾値ThDuD以上である場合に、自動運転モードを解除するように構成されていても良い。
HCU20はブレーキペダル又はアクセルペダルの踏込加速度AcD、踏込速度、踏込量AmD、及び踏込時間DuDの少なくとも1つが、所定の解除閾値を越えた場合に自動運転モードを終了させるように構成することができる。ここでの解除閾値は、誤操作と意図ある操作とを切り分けるための閾値である。解除閾値は1つの側面において自動運転モードを解除するための閾値である自動運転解除閾値と解する事ができる。踏込加速度閾値ThAcDや、踏込量閾値ThAmD、踏込時間閾値ThDuDなどが自動運転解除閾値に相当する。
また、上記HCU20は、踏込加速度や、踏込速度、踏込量、踏込時間といった踏込方によって、意思確認処理を実行したり、周辺状況を考慮したりするなどの、最終的に自動運転モードを終了させるか否かの判断ルートや報知内容を異ならせる。なお、HCU20は、ペダル類の踏込方によって自動運転モード終了後の遷移先とする運転モードを変更してもよい。例えば、踏込加速度が踏込加速度閾値を超過している場合や、踏込量が踏込量閾値を超過している場合には完全手動モードに遷移する一方、踏込時間が踏込時間閾値を超過しているだけである場合には第1又は第2支援モードを遷移先に設定されても良い。そのようなHCU20は、踏込方によって終了パターンを変化させる構成に相当する。
また、上記構成は、ペダル踏込時のドライバ状態が運転可能な状態であることを条件として自動運転モードを解除する構成に相当する。ところで、自動運転モードにおいてはユーザのセカンドタスクの実行が許容される。当然、ペダルの踏み込みを検知した際、ユーザがセカンドタスク実行中の場合よりも、ユーザが運転可能な状態を維持している場合のほうが、ユーザが意図的にペダルを踏み込んだ可能性が高い。換言すればユーザがセカンドタスク実行中に行われたペダル操作は、誤操作の可能性が相対的に高い。
そのような事情から、ユーザが運転可能な状態か否か、換言すれば、セカンドタスク実行中か否かに応じて、踏込加速度AcDや、踏込量AmD、及び踏込時間DuDに対する自動運転解除閾値の具体的な値を変更しても良い。ユーザがセカンドタスク実行中の解除閾値は、ユーザが運転可能な状態である場合の解除閾値よりも高く設定されていてもよい。そのような構成によればユーザの意図に反して自動運転モードを解除する恐れを低減できる。なお、図22に示すフローチャートにおいてユーザが運転可能な状態ではない場合には(S603)、各種解除閾値を相対的に高い値に変更してステップS605以降の処理を実行することにより、上記の技術思想に対応する制御が実現されうる。
また、セカンドタスク実行中か否かに応じて自動運転モードを継続又は終了したことの報知の仕方を変更しても良い。セカンドタスク実行中の場合、ユーザは車両の状態に関する意識が薄いため、ユーザが運転可能な状態である場合よりも、報知態様をより強くすることが好ましい。例えばユーザが運転可能な状態である場合には、例えば所定の効果音とともに、HUD18A又はメータディスプレイ18Bに運転モードの維持/変更に関する画像を表示する。一方、ユーザがセカンドタスク実行中である場合には、例えばHUD18A又はメータディスプレイ18Bに運転モードの維持/変更に関する画像を表示するとともに、同様の内容を示す音声メッセージを出力する。効果音だけでなく音声メッセージを出力することでユーザの意識を車両に向けさせる効果が期待できる。
以上では、ペダル操作に基づいて自動運転モードを終了する場合について述べたが、第3支援モードや第1支援モードの終了もペダル操作によって実施されても良い。例えば、ブレーキペダル又はアクセルペダルの踏込加速度、踏込速度、踏込量、及び踏込時間の少なくとも何れか1つが所定の支援解除閾値を越えた場合に完全手動モードに移行するように構成されていても良い。支援解除閾値は運転支援機能を解除するための閾値であって、指標の種別に応じた値が適宜設定されうる。支援解除閾値は、踏込検出閾値相当に設定されていても良い。つまり、運転支援モードはペダル類が踏まれたことを検知したら終了するように構成されていても良い。また、支援解除閾値は、踏込検出閾値と自動運転解除閾値との間の値に設定されていても良い。
自動運転の解除は、運転支援の解除よりもユーザに与える影響が大きいため、自動運転解除閾値は支援解除閾値よりも厳しく(大きく)設定されていることが好ましい。当該構成は、自動運転モードを解除する条件とは異なる条件で、運転支援モードを終了する構成に相当する。
[ハンドル操作に基づく運転モードの切替制御例]
ここではハンドルに対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する場合のHCU20の作動例について図23に示すフローチャートを用いて説明する。図23は、ハンドルに対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する処理であるハンドルオーバーライド処理に対応するフローチャートである。ハンドルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードであることを条件として、例えば50ミリ秒や100ミリ秒ごとなど、所定の周期で開始されうる。なお、ハンドルオーバーライド処理に係るフローを構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。例えば、ハンドルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードである状態においてハンドルが把持又は操作されたことをトリガとして開始されても良い。その場合、図23に示すフローチャートはステップS703以降の処理ステップを備えていればよい。
ここではハンドルに対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する場合のHCU20の作動例について図23に示すフローチャートを用いて説明する。図23は、ハンドルに対するユーザ操作に基づいて自動運転モードを解除する処理であるハンドルオーバーライド処理に対応するフローチャートである。ハンドルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードであることを条件として、例えば50ミリ秒や100ミリ秒ごとなど、所定の周期で開始されうる。なお、ハンドルオーバーライド処理に係るフローを構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。例えば、ハンドルオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードである状態においてハンドルが把持又は操作されたことをトリガとして開始されても良い。その場合、図23に示すフローチャートはステップS703以降の処理ステップを備えていればよい。
まずステップS701では、以降の判断処理で使用する情報を取得する。例えば操作信号取得部F3が各種センサからハンドルの把持状況や、操舵角、操舵反力を取得する。なお、ユーザがハンドルを把持しているか否かは例えばハンドルセンサ16Bから、操舵角は操舵角センサ12γから、操舵反力はトルクセンサ12δから、それぞれ取得可能である。便宜上、ハンドルセンサ16Bや操舵角センサ12γ、トルクセンサ12δをハンドル系センサと称する。なお、ハンドルの把持状況は、運転席を撮像するように配置された車室内カメラの画像を解析することで特定されてもよい。
また、ステップS701ではユーザ状態取得部F6がDSM16Aなどからユーザの視線方向など、ユーザが運転操作可能な状態であるか否かを判断するための情報などを取得する。加えて、周辺状態把握部F1が自動運転装置30又は周辺監視センサ11などから、自車両の周辺の交通状況を示すデータを取得する。ステップS701が完了するとステップS702に移る。
ステップS702ではモード変更指示部F5が、ハンドルが操作されたか否かを判定する。例えば操舵量AmSが所定の操舵検出閾値以上である場合に、ハンドルが操作されたと判定する。操舵量AmSは、例えばユーザがハンドルを把持し始めた時点を基準とする操舵角の変位量とすることができる。なお、車両がステアバイワイヤ方式で構成されてあって、自動運転モード中はハンドルが回動せずに中立位置で維持される構成においては、操舵角がそのまま操舵量となりうる。操舵検出閾値は、例えば3~5°程度の微小値とすることができる。なお、ハンドル操作がなされたか否かは、所定の反力閾値以上の操舵トルクが検出されたことに基づいて判断されても良い。反力閾値もまた、例えば0.5Nm程度の値に設定されうる。その他、ハンドルセンサ16Bからの入力信号に基づいてハンドルが操作されたか否かを判定してもよい。
ステップS702においてハンドル操作を検出した場合には、ステップS703に移る。一方、ハンドル操作を検出しなかった場合には本フローを終了する。その場合、例えば50ミリ秒後や100ミリ秒後など、所定時間後に本フローをステップS701から開始する。
以降ではハンドルの操作量を示すパラメータとして操舵角を用いる場合を例にとって説明するが、操舵トルクを用いても同様に実施することができる。
ステップS703ではステップS603と同様に、ユーザが運転可能な状態であるか否かが判定される。ユーザが運転可能な状態ではない場合、換言すれば運転可能条件を充足していない場合には、ステップS704に移り、所定内容の報知を行うとともに、自動運転モードを継続(維持)させる。なお、ステップS703からステップS704に移った場合の報知内容は、例えば、ハンドル操作を検出したが操作量が微量であるため誤操作と判断し、自動運転モードを継続するといった内容とすることができる。
一方、ステップS703においてユーザが運転可能な状態である場合には、ステップS705に移る。ステップS705では、操舵加速度AcSが所定の操舵加速度閾値ThAcS以上であるか否かを判定する。操舵加速度AcSは、ユーザがハンドルを回す勢いに対応するパラメータである。操舵加速度AcSは操舵角の単位時間あたりの変化量を示す操舵速度を、さらに時間微分したものに相当する。操舵速度及び操舵加速度は、直近所定時間以内に取得した操舵角の時系列データに基づいて算出されうる。操舵加速度閾値ThAcSは、例えば、急ハンドルなどに相当する値に設定される。具体的には、0.25m/sec^2(約0.25G)程度の横加速度が車両に作用する値、あるいは、8.5deg/sec以上のヨーレートが車両に作用しうる値に設定されうる。
ステップS705は緊急性のあるハンドル操作が行われたか否かを判定するステップに相当する。操舵加速度AcSが操舵加速度閾値ThAcS以下である場合にはステップS705を否定判定してステップS707に移る。一方、操舵加速度AcSが操舵加速度閾値ThAcSを超過している場合にはステップS705を肯定判定してステップS706に移り、所定内容の報知を行うとともに、自動運転モードを終了する。自動運転モードを終了した際の遷移先の運転モードは、例えば、完全手動モードとすることができる。急ハンドル相当の操舵介入が行われたということは、緊急性のある事象に対するオーバーライドである可能性が高く、全ての操作をユーザに委ねたほうが、安全性が高くなりうるためである。もちろん、遷移先の運転モードは完全手動モードではなく、第1支援モードなどであってもよい。ステップS705からステップS706に移った場合の報知内容は、ステップS605からステップS606に移った場合と同様とする事ができる。
なお、本実施形態では一例として、緊急性のあるハンドル操作が行われたか否かの判定指標として、操舵加速度AcSを用いる態様を開示したが、これに限らない。緊急性のあるハンドル操作が行われたか否かは、操舵速度や、車両に作用する左右方向の加速度、ヨーレートなどを採用することもできる。つまり、ステップS705の判定は、操舵加速度AcSの他、操舵速度、左右方向加速度、及びヨーレートの少なくとも何れか1つを、所定の閾値と比較することによって実施されても良い。
ステップS707ではモード変更指示部F5が、操舵量AmSが所定の操舵量閾値ThAmSを超過しているか否かを判定する。操舵量閾値ThAmSは、ユーザが意図的にハンドルを操作したか否かを切り分けるためのパラメータである。操舵量閾値ThAmSは30°などに設定されうる。操舵量AmSが操舵量閾値ThAmSを超過している場合にはステップS707を肯定判定してステップS708に移る。一方、操舵量AmSが操舵量閾値ThAmS以下である場合にはステップS709に移る。
なお、ステップS707は操舵トルクが所定の操舵介入閾値以上であるか否かによって判別されてもよい。操舵介入閾値は例えば1.5Nmや2.0Nmなど、手などがハンドルに当たっただけでは検出されないほど大きい値に設定されうる。
ステップS708ではステップS608と同様に周辺状態把握部F1が認識している周辺状況が運転操作を交代可能な状況に該当するか否かを判定する。周辺環境が運転操作を交代可能な状況である場合にはステップS706に移り、自動運転モードを終了し、手動運転モードに属する所定の運転モードに切り替えるとともに、自動運転モードを終了した旨の報知を実行する。一方、周辺環境が運転操作を交代可能な状況ではない場合にはステップS704に移り、自動運転モードを維持するとともに、所定内容の報知を実行する。ステップS708からステップS704に移った場合の報知内容は、例えば、「運転交代操作を受け付けましたが周辺状況が運転交代可能な状況ではないため、自動運転モードを維持します」といった内容とすることができる。
ステップS709ではモード変更指示部F5は直近所定時間の操舵角の履歴に基づいて、操舵時間DuSが所定の操舵時間閾値ThDuSを超過しているか否かを判定する。操舵時間閾値ThDuSもまた、ユーザが意図的にハンドルを操作しているのか否かを切り分けるためのパラメータである。操舵時間DuSは例えば操舵角が操舵検出閾値以上である状態が継続している時間とすることができる。操舵時間DuSは、ハンドルセンサ16Bがユーザによるハンドル把持を検出している状態の継続時間であってもよい。操舵時間DuSは、操舵トルクが反力閾値以上である状態の継続時間であってもよい。
操舵時間閾値ThDuSは例えば1.5秒や2秒、3秒などとすることができる。操舵時間DuSが操舵時間閾値ThDuSを超過している場合にはステップS710に移る。一方、操舵時間DuSが操舵時間閾値ThDuS以下である場合にはステップS704に移り、自動運転モードを継続するとともに、所定の内容の報知を実施する。ステップS709からステップS704に移った場合の報知内容は、例えばステップS703からステップS704に移った場合と同様に、「ハンドル操作を検出しましたが誤操作と判断し、自動運転モードを継続します」といった内容とすることができる。なお、報知は省略されてもよい。
ステップS710ではステップS610と同様に手動運転モードに移行することを確認する処理である意思確認処理を実行する。ステップS710での結果としてユーザが自動運転モードの解除を希望していることを示す操作信号を取得できた場合にはステップS711を肯定判定してステップS708に移り、周辺状況を鑑みて自動運転モードを終了させる(S706)。なお、周囲の状況が運転交代可能な状態でなければステップS704に移り、自動運転モードを継続しうる。
また、ステップS710での結果として自動運転モードを解除するための操作信号が入力されなかった場合にはステップS711を否定判定してステップS704に移り、自動運転モードを継続するとともに、所定の内容の報知を実施する。
上記のようにユーザが運転可能な状態において、或る閾値以上の加速度(勢い)でのハンドル操作を検出した場合には、緊急性があるものと見なして、自動運転モードを即解除する。当該構成によれば、緊急性の高いシーンにおいては、ユーザのハンドル操作に基づき速やかにユーザに運転権限を移譲することができる。
また、ユーザが運転可能な状態において、或る操舵量閾値以上の操舵量が観測された場合には、緊急性は低いが、解除の意志がある可能性が高い。そのため、HCU20は自動運転装置30と連携して自動運転モードを終了する。操舵角が、操舵検出閾値よりも大きい操舵量閾値以上であることに基づいて自動運転モードを終了する構成によれば、ユーザの意図に反して自動運転モードを終了させてしまう恐れを低減できる。また、ユーザが意図的にハンドルを操作した場合には自動運転モードを終了するため、ユーザの意図に反して自動運転モードが継続される恐れも低減可能となる。なお、ステップS708はステップS608と同様、任意の要素であって省略されても良い。ステップS708を省略する構成においては、ステップS707、S711を肯定判定した場合にはステップS706を実行すればよい。
また、ユーザが運転可能な状態において、操舵量は小さいが(S707 NO)、操舵時間が長い場合には(S709 YES)、緊急性は低いものの解除の意志がある可能性が高い。そのため、意思確認を行った上で自動運転モードを終了させる。このような構成によってもユーザの意図に反した運転モードの維持/切替を抑制することができる。
さらに、ユーザが運転可能な状態ではない場合や、運転可能な状態だが操舵量が閾値以下である場合には、誤操作として自動運転モードを継続させる。これにより、ユーザの意図に反して自動運転モードを終了させる恐れを低減できる。
なお、ステップS710はステップS610と同様、自動運転モードを完全に終了させるか、一時的に手動運転モードに切り替えるかをユーザが選択可能に構成されていても良い。
また、以上では操舵加速度、操舵量、及び操舵時間の3つの指標を順番に使用して自動運転モードを解除するか否かを決定する態様を開示したがこれに限らない。操舵加速度AcS、操舵量AmS、及び操舵時間DuS複数の指標のうちの何れか1つだけを用いてもよい。例えば操舵加速度AcSが操舵加速度閾値ThAcS以下である場合には自動運転モードを継続するように構成されていても良い。また、個別に用いるのではなく、組み合わせて用いても良い。例えば操舵量が操舵量閾値以上であり且つ操舵時間が操舵時間閾値以上である場合に、自動運転モードを解除するように構成されていても良い。HCU20は操舵加速度、操舵速度、操舵量、操舵トルク、及び操舵時間の少なくとも何れか1つが所定の自動運転解除閾値(解除閾値)を越えた場合に自動運転モードを終了させるように構成することができる。操舵加速度閾値ThAcSや、操舵量閾値ThAmS、操舵時間閾値ThDuS、操舵速度に対する閾値、操舵トルクなどが自動運転解除閾値に相当する。
また、上記HCU20は、操舵加速度や、操舵速度、操舵トルク、操舵量、操舵時間といった操舵態様によって、意思確認処理を実行したり、周辺状況を考慮したりするなどの、最終的に自動運転モードを終了させるか否かの判断ルートや報知内容を異ならせる。HCU20は、ユーザによる操舵の仕方に応じて自動運転モード終了後の遷移先とする運転モードを変更してもよい。例えば、操舵加速度が操舵加速度閾値を超過している場合や、操舵量が操舵量閾値を超過している場合には完全手動モードに遷移する一方、操舵時間が操舵時間閾値を超過しているだけである場合には第1又は第2支援モードを遷移先に設定されても良い。このようなHCU20は、操舵加速度等の操舵態様によって終了パターンを変化させる構成に相当する。
また、上記構成は、ハンドル操作時のドライバ状態が運転可能な状態であることを条件として自動運転モードを解除する構成に相当する。他の態様として、ハンドル操作時のドライバ状態がセカンドタスク実行中であっても、ハンドル操作の内容が所定の条件を充足している場合には、報知とともに自動運転モードを終了させても良い。
HCU20はユーザが運転可能な状態か否かに応じて、操舵加速度や、操舵速度、操舵量、及び操舵時間に対する自動運転解除閾値の具体的な値を変更しても良い。ユーザがセカンドタスク実行中の解除閾値は、ユーザが運転可能な状態である場合の解除閾値よりも高く設定されることが好ましい。当該構成によればユーザの意図に反して自動運転モードを解除する恐れをより一層低減できる。ユーザが運転可能な状態ではない場合には、ユーザが運転可能な状態である場合よりも各種解除閾値を高い値に変更してステップS705以降の処理を実行することにより、上記の技術思想に対応する制御が実現されうる。
また、ハンドルオーバーライド処理においても、ペダルオーバーライド処理と同様にセカンドタスク実行中か否かに応じて自動運転モードを継続又は終了したことの報知の仕方を変更しても良い。HCU20は、セカンドタスク実行状態であると判定している場合には、セカンドタスク実行状態であると判定していない場合に比べてより強い態様で報知を実施してもよい。
報知態様を強めることには、例えば光を用いた通知においては、表示画像やインジケータの輝度を高めたり、明滅させたり、表示画像を警告色にすることが含まれる。また、報知態様を強めることは、音を用いた通知においては音量を大きくしたり、周波数を高めたりすることが含まれる。その他、セカンドタスク実行中ではない場合にはバイブレータを駆動させない一方、セカンドタスク実行中である場合にはバイブレータを所定の振動パターンで振動させても良い。セカンドタスク実行中ではない場合には駆動させないデバイスをセカンドタスク実行中には駆動させる態様も、1つの側面において報知態様を強めることに相当する。
以上では、ハンドル操作に基づいて自動運転モードを終了する場合について述べたが、第3支援モードなどの運転支援モードの終了も、ハンドル操作をトリガとして実施されても良い。例えば、操舵加速度、操舵量、操舵速度、操舵トルク、及び操舵時間の少なくとも1つに、運転支援モードを解除するための支援解除閾値を設け、当該支援解除閾値を越えた場合に完全手動モードに移行するように構成されていても良い。支援解除閾値は、操舵検出閾値相当に設定されていても良いし、操舵検出閾値と自動運転解除閾値との間の値に設定されていても良い。自動運転解除閾値は支援解除閾値よりも厳しく(大きく)設定されていることが好ましい。
[スイッチ操作に基づく運転モードの切替制御例]
ここではスイッチ操作に基づいて自動運転モードを解除する場合のHCU20の作動例について、図24に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでのスイッチ操作とは、モード切替スイッチ19Aに対するユーザ操作を指す。また、仮にAD許可スイッチとAD解除スイッチとが別々に設けられている場合には、AD解除スイッチに対するユーザ操作を指す。
ここではスイッチ操作に基づいて自動運転モードを解除する場合のHCU20の作動例について、図24に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ここでのスイッチ操作とは、モード切替スイッチ19Aに対するユーザ操作を指す。また、仮にAD許可スイッチとAD解除スイッチとが別々に設けられている場合には、AD解除スイッチに対するユーザ操作を指す。
図24はスイッチ操作に基づいて自動運転モードを解除する処理であるスイッチオーバーライド処理に対応するフローチャートである。スイッチオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードであることを条件として、例えば50ミリ秒や100ミリ秒ごとなど、所定の周期で開始されうる。なお、スイッチオーバーライド処理に係るフローを構成する処理ステップの数や順番は適宜変更可能である。例えば、スイッチオーバーライド処理は、現行モードが自動運転モードである状態においてモード切替スイッチ19Aが操作されたことをトリガとして開始されても良い。その場合、図24に示すフローチャートはステップS803以降の処理ステップを備えていればよい。
まずステップS801では、以降の判断処理で使用する情報を取得する。例えば操作信号取得部F3がモード切替スイッチ19Aに対するユーザの操作状況を示す信号を取得する。また、ステップS801ではユーザ状態取得部F6がDSM16Aなどからユーザの視線方向など、ユーザが運転操作可能な状態であるか否かを判断するための情報などを取得する。加えて、周辺状態把握部F1が自動運転装置30又は周辺監視センサ11などから、自車両の周辺の交通状況を示すデータを取得する。ステップS801が完了するとステップS802に移る。
ステップS802ではモード変更指示部F5が、モード切替スイッチ19Aが押されたか否かを判定する。モード切替スイッチ19Aを押す行為には、モード切替スイッチ19Aとしての画像が表示されている領域をタッチする行為も含まれる。ステップS802においてスイッチ操作を検出した場合には、ステップS803に移る。一方、スイッチ操作を検出しなかった場合には本フローを終了する。その場合、例えば50ミリ秒後や100ミリ秒後など、所定時間後に本フローをステップS801から開始する。
ステップS803ではステップS603と同様に、ユーザが運転可能な状態であるか否かが判定される。ステップS803においてユーザが運転可能な状態である場合には、ステップS804に移る。一方、ユーザが運転可能な状態ではない場合、換言すれば運転可能条件を充足していない場合には、ステップS807に移る。
ステップS804では、ユーザによるスイッチ操作内容がモード切替スイッチ19Aを用いた自動運転モードの解除方法として予め規定された条件に適合しているか否かを判定する。例えばスイッチを用いた自動運転モードの解除方法としては、モード切替スイッチ19Aが所定時間(例えば3秒)以上押し続けること、又は、所定回数(例えば2回)連続して押下することなどが採用されうる。自動運転モードの解除方法として予め規定された条件に適合する操作が、自動運転モードの終了指示に相当する。ステップS804では、ステップS802で取得した操作内容が当該条件を充足しているか否か、換言すればスイッチ操作パターンが予め定められた終了パターンに適合しているか否かを判定する。
ユーザによるスイッチ操作内容が所定の終了パターンに適合している場合にはステップS804を肯定判定してステップS805に移る。一方、ユーザによるスイッチ操作内容が所定の終了パターンに適合していない場合にはステップS807に移る。なお、ステップS804は任意の要素であって、省略されても良い。ステップS804を省略する場合、ステップS803においてユーザが運転可能な状態である場合にはステップS805又はS806を実行し、ユーザが運転可能な状態ではない場合にはステップS807を実行するようにHCU20は構成可能である。さらに、ユーザによるスイッチ操作の態様が所定の終了パターンに適合していない場合には、ステップS807ではなくステップS809に移ってもよい。つまり、ユーザによるスイッチ操作の態様が所定の終了パターンに適合していない場合には意思確認処理を省略して自動運転モードを継続しても良い。
ステップS805ではステップS608と同様に周辺状態把握部F1が認識している周辺状況が運転操作を交代可能な状況に該当するか否かを判定する。周辺環境が運転操作を交代可能な状況である場合にはステップS806に移り、自動運転モードを終了し、手動運転モードに属する所定の運転モードに切り替えるとともに、自動運転モードを終了した旨の報知を実行する。一方、周辺環境が運転操作を交代可能な状況ではない場合にはステップS805を否定判定してステップS809に移る。ステップS805からステップS809に移った場合の報知内容は、例えば、「運転交代操作を受け付けましたが周辺状況が運転交代可能な状況ではなかったため、自動運転モードを維持します」などとすることができる。
なお、ステップS805はステップS608などと同様、省略されても良い。ステップS805を省略する構成においては、ステップS804やS808を肯定判定した場合にはステップS806を実行すればよい。
ステップS806では、所定内容の報知を行うとともに、自動運転モードを終了する。自動運転モードを終了した際の遷移先の運転モードは、例えば、完全手動モードとすることができる。なお、遷移先の運転モードは、予めユーザが指定したデフォルトモードや、自動運転モードに移行する前に採用されていた運転モードであってもよい。また、操作パターンや、スイッチ操作時のユーザの状態に応じて決定されても良い。換言すれば、ユーザはスイッチ操作時の状態と操作パターンの組み合わせに応じて遷移先の運転モードを選択可能に構成されていてもよい。
例えば、ユーザがハンドルに手を添えずに前を見てモード切替スイッチ19Aを押下された場合には遷移先の運転モードは第3支援モードに設定してもよい。また、ユーザがハンドルに両手又は片手を添えた状態でモード切替スイッチ19Aを押した場合には、第2支援モードに遷移してもよい。ユーザがハンドルを把持した状態でモード切替スイッチ19Aを2回押した場合には第1支援モードに遷移しても良い。ユーザがハンドルを把持し且つペダル類に足を乗せた状態でモード切替スイッチ19Aを2回押した場合には完全手動モードに移行しても良い。当該構成は遷移先の運転モードに応じて解除方法を変化させる構成に相当する。ステップS805からステップS806に移った場合の報知内容は、例えば「自動運転モードを終了しました」や「第1支援モードに移行しました」などとする事ができる。
ステップS807ではステップS610と同様に手動運転モードに移行することを確認する処理である意思確認処理を実行する。例えば「自動運転モードを解除しますか?」といったユーザへの問いかけを行うとともに、解除を希望する場合には運転状態になるように指示してもよい。ステップS807での結果としてユーザが自動運転モードの解除を希望していることを示す操作信号を取得できた場合にはステップS808を肯定判定してステップS805に移り、周辺状況を鑑みて自動運転モードを終了させる(S806)。
また、ステップS807での結果として自動運転モードを解除するための操作信号が入力されなかった場合には、ステップS808を否定判定してステップS809に移る。
ステップS809では、自動運転モードを維持するとともに、所定内容の報知を実行する。ステップS808からステップS809に移った場合の報知内容は、「自動運転モードを継続します」といった応答メッセージとすることができる。ステップS808でユーザの意思を確認済みであるため、意思確認を行わなかった場合よりも応答メッセージは簡素であることが好ましい。
上記の構成は、スイッチ操作時のユーザ状態が運転可能な状態である場合に自動運転モードの解除を実行する構成に相当する。他の態様として、ユーザ状態が運転可能な状態ではないと判定されていても、スイッチ操作の内容が所定の条件を充足している場合には、報知とともに自動運転モードを終了させても良い。ユーザの状態をシステムが誤認識している可能性が0ではないためである。
HCU20は、自動運転モード時、ユーザが運転可能な状態か否かに応じて、自動運転モードを解除するためのスイッチ操作内容を変更しても良い。例えばユーザがセカンドタスク実行中と判定している場合には、ユーザが運転可能な状態である場合よりも、自動運転モードを解除するためのスイッチ操作の量が多く設定されていてもよい。ここでの操作量の概念には、押下回数や、押下継続時間、押込量、押圧などが含まれる。当該構成によればユーザの意図に反して自動運転モードを解除する恐れをより一層低減できる。
また、HCU20は自動運転モード時、ユーザが運転可能な状態か否かに応じて、スイッチ操作に対する応答内容を変化させてもよい。例えば、ユーザ状態が運転状態である場合には自動運転モードを解除するとともに「自動運転モードを終了しました」といったメッセージを出力する。一方、ユーザが運転状態でない場合には「自動運転モードを終了しますか?」と問いかけるとともに、運転状態になるように指示してもよい。なお、当該問いかけに対するユーザの回答は、音声やスイッチ操作、ペダル操作、ハンドル把持などに基づいて受付可能に構成されうる。HCU20は上記問いかけの出力後に、自動運転モードを終了させるためのユーザ応答を検出し、かつ、ユーザが運転可能な状態に移行した場合には、自動運転モードを解除するとともに「自動運転モードを終了しました」といったメッセージを出力する。もちろん、自動運転モードを終了させるためのユーザ応答を検出しなかった場合や、ユーザが運転可能な状態に移行しなかった場合には、自動運転モードを継続することを報知しうる。
また、HCU20は、ユーザが運転不能な状態のうち、ユーザがセカンドタスクを実行しているか否かに応じてスイッチ操作に対する応答内容を変化させてもよい。例えばセカンドタスク実行中であると判定している場合には、セカンドタスクを中断することを提案しても良い。また、セカンドタスクが車載ディスプレイなどの車載設備を用いたものである場合には、自動運転解除のためのスイッチ操作に基づき、HCU20が該当設備の作動を一時停止させてもよい。
さらに、自動運転モードを解除するために必要なスイッチ操作量は、セカンドタスク実行中であると判定している場合には、セカンドタスク実行中であると判定していない場合よりも多く設定されていてもよい。例えばより長い時間、解除スイッチを押し続けることを要求しても良い。なお、HCU20は、ユーザによるモード切替スイッチ19Aの押下を検知した場合、自動運転モードを解除するための規定時間に対する現在の押下時間の比率を示すゲージの画像をHUD18Aやメータディスプレイ18Bなどに表示してもよい。当該構成によれば、ユーザがモード切替スイッチ19Aをどれくらい押し続ければ自動運転モードを解除できるのかを知覚可能となり、ユーザの利便性を高めることができる。ゲージ画像はダイヤル型であってもよいし、縦又は横向きに伸びるバー型であっても良い。
HCU20は自動運転モード時、スイッチ操作の態様に応じて、スイッチ操作に対する報知内容を変化させてもよい。例えば1回の短い押下操作の場合には「自動運転モードを解除しますか?」などの意思確認処理を実行する一方、複数回の押下又は長押しが行われた場合には意思各確認処理を省略して自動運転モードを終了するとともにその旨を報知しても良い。
以上では、スイッチ操作に基づいて自動運転モードを終了する場合について述べたが、運転支援モードの終了もスイッチ操作をトリガとして実施されても良い。なお、自動運転の解除は、運転支援の解除よりもユーザに与える影響が大きい。故に、自動運転モードの解除は、運転支援モードの解除よりも確実に解除の意思を検知できるように解除条件が設定されていることが好ましい。例えば自動運転解除のためのスイッチ操作は、運転支援解除のためのスイッチ操作よりも操作量が多く設定されていてもよい。
より具体的には、運転支援モードは解除スイッチが1回押下されたことに基づいて解除する一方、自動運転モードは複数回押下されたことに基づいて解除してもよい。また運転支援モードは解除スイッチが短押しされたことに基づいて解除する一方、自動運転モードは長押しされたことに基づいて解除してもよい。このような態様は、自動運転機能の解除は、運転支援機能の解除とは異なる操作パターンで実行する構成に相当する。ここでの短押しとは普通に押下すること、換言すれば長押しではない押下態様を指す。長押しは所定時間以上押し続ける操作を指す。長押しを規定する押下継続時間は例えば1.5秒や2秒などとすることができる。
その他、自動運転モードを解除するためのスイッチ操作として、自動運転モードを完全に解除する操作である完全解除操作と、一時的に解除する操作である一時解除操作の2種類を設けても良い。自動運転モードを一時的に終了させた状態とは、前述の通り、バックグランドで自動運転機能を動作させておき、例えばユーザがハンドルやペダル類から手足を離したことに基づいて自動運転を再開する状態に相当する。完全解除操作は例えば解除スイッチを2回押下又は長押しする行為とし、一時解除操作は解除スイッチを1回押す操作とすることができる。一時解除操作は、解除スイッチを1回押下したあとにハンドルを把持する行為とすることもできる。また、車載ディスプレイに一時解除用のスイッチと、完全解除用のスイッチとを表示しても良い。一時解除中である場合にはその旨を示す情報、例えば所定のアイコン画像をHUD18Aやメータディスプレイ18Bに表示してもよい。
[自動運転モードの解除条件の補足]
ここでは自動運転モードを解除するための操作/条件に関する種々の補足について述べる。なお、ここでの操作対象は、特に断りがない場合には、ペダル類、ハンドル、及び解除スイッチのどれであってもよい。
ここでは自動運転モードを解除するための操作/条件に関する種々の補足について述べる。なお、ここでの操作対象は、特に断りがない場合には、ペダル類、ハンドル、及び解除スイッチのどれであってもよい。
HCU20は、自動運転モードを開始してからの経過時間に応じて、自動運転モードを解除するための操作の内容(換言すれば解除条件)を変化させても良い。すなわち、自動運転モードに移行した直後か否かで解除条件を変更しても良い。自動運転開始直後のほうが、所定時間経過後よりも解除条件を緩和することが好ましい。自動運転モードに移行した直後においては、心変わりによって手動運転モードに戻す可能性が相対的に高いためである。また、ユーザが誤って自動運転モードに切り替えた場合には、その直後に元に戻す操作が行われうる。故に、自動運転モードを切り替えた直後は相対的に簡単な操作で手動運転モードに戻せるとユーザの利便性は向上しうる。なお、解除条件を緩和することは、操作量を低減することに対応する。開始直後とは、例えば開始時点から1分以内や2分以内、5分以内などを指す。つまり開始直後か否かを規定する上記の所定時間とは1分や2分、5分などを指す。便宜上、開始直後か否かを規定する時間をキャンセル対応時間とも称する。
より具体的には自動運転モードを開始してからキャンセル対応時間以内においてはペダル類又はハンドルへの操作量が検出閾値以上となった場合に自動運転モードを終了する。一方、自動運転モードを開始してからの経過時間がキャンセル対応時間を超過している場合には、図22、図23に示すフローチャートに示す条件で解除する。上記の技術士思想は、モード切替スイッチ19Aを用いて解除する場合にも同様に適用可能である。例えばHCU20は、自動運転モードを開始してからキャンセル対応時間以内においては短押し1回で自動運転モードを終了する。一方、自動運転モードを開始してからキャンセル対応時間以上経過した状態においては、複数回の押下、又は長押しで自動運転モードを終了するように構成されていても良い。
当該構成によれば、自動運転開始直後は、所定時間経過後よりも簡単な操作で自動運転モードを解除可能となるため、ユーザに煩わしさを与える恐れを低減できる。また、ユーザがうっかり自動運転モードに移行させてしまった場合においても、自動運転モード開始直後は相対的に簡単な操作で手動運転モードに戻せるため、ユーザの利便性を向上可能となる。さらに、自動運転モードを開始してから所定時間経過後は、自動運転モード開始直後よりも解除条件が厳しくなるため、誤操作によって自動運転モードが終了する恐れも低減できる。故に、ユーザに煩わしさを与えてしまう恐れを低減できる。なお、上記の技術思想は自動運転モードに切り替わった場合だけでなく、完全手動モードから運転支援モードに移った場合など、他のケースにおいても適用されうる。例えば自動化レベルの上昇を伴う多様な運転モードの切り替え時に適用可能である。
また、自動運転モードの解除条件は、自動運転の種別が渋滞時自動運転かエリア限定自動運転か、換言すれば、走行環境が渋滞中か否かに応じて変更されても良い。エリア限定自動運転時は、渋滞時自動運転に比べて走行速度が高く、周囲の車も巡航速度で走行している。故に、他車両による自車両前方への割り込み等も相対的に短時間で実行されうる。また、走行速度が渋滞中に比べて高いため、障害物等の検知から回避行動までの余裕時間も相対的に短くなりうる。
このようにエリア限定自動運転時のほうが渋滞時自動運転時に比べてダイナミックに走行環境が変動しやすい。そのため、エリア限定自動運転時のほうが渋滞時自動運転時に比べてオーバーライドが行われやすいことが想定される。よって、エリア限定自動運転時のほうが、渋滞時自動運転が実行されている場合に比べて、ユーザが入力装置19に行った操作が手動運転モードに切り替えるための意図的な操作である可能性が高い。また、渋滞時にこそ自動運転を活用してセカンドタスクを行いたいというニーズも想定される。故に、渋滞時には意図的に手動運転モードに切り替えるための操作が行われる可能性は相対的に低い。そのような事情から、エリア限定自動運転も解除条件は、渋滞時自動運転の解除条件よりも緩く設定されていても良い。換言すれば、渋滞時は、渋滞時ではない場合よりも解除条件が厳しく設定されていてもよい。
また、HCU20は、自動運転モードの解除条件は、自車両から所定距離(例えば50m)以内に他車両が存在するか否か、より好ましくは、接近速度が所定の閾値以上の他車両が存在するか否かに応じて変更されても良い。他車両が存在する場合には、ユーザによって行われた操作が、ユーザが危険を感じて行った意図的な操作である可能性が相対的に高い。故に、自車両から一定距離以内に他車両が存在する場合には、自車両から一定距離以内に他車両が存在しない場合に比べて、自動運転解除条件は緩和されてもよい。ここでの一定距離は50mや100mとすることができる。
HCU20は、自動運転モード時においてユーザが操作した入力装置19の種類によって遷移先とする運転モード換言すれば自動化レベルを変更しても良い。例えば自動運転モード時において、ユーザがブレーキペダル19αを踏んだことを検知した場合には、完全手動モード(レベル0)に移行してもよい。また、自動運転モード時において、ユーザがアクセルペダル19βを踏んだことを検知した場合には、第2又は第3支援モード(レベル2)に移行してもよい。自動運転モード時において、ユーザがハンドル19γを操作したことを検知した場合には、第1支援モード(レベル1)に移行してもよい。
その他、HCU20は、自動運転モード時においてユーザが操作した入力装置19の種類によって解除の意思確認の有無を変更しても良い。例えば、自動運転モード時において、ユーザが操作した入力装置19がブレーキペダル19αの場合には解除の意思確認を省略して手動運転モードに切り替えてもよい。スイッチ操作に比べて相対的に緊急性が高い可能性が高いためである。また、例えば、自動運転モード時において、ユーザが操作した入力装置19が解除スイッチとしてのモード切替スイッチ19Aの場合には解除の意思確認を実施してもよい。緊急性が相対的に低いことが予想されるためである。
<付言(その1)>
ステップS202、S205、S302、及びステップS402が操作信号取得ステップに相当する。各種判定ステップは、HCU20によって実行されうる。HCU20内の機能配置は適宜変更可能であって、各種判定ステップは、モード変更指示部F5が実行しても良いし、情報提示処理部F4が実行しても良い。またステップS206、S304、及びステップS404が運転モード変更ステップに相当する。完全手動モード、第1支援モード、第2支援モード、手動操舵モード、及び操舵支援モードがハンズオフ禁止モードに相当する。第3支援モード及び自動操舵モードがハンズオフ許容モードに相当する。ステップS201、S204、S301、S401での自動運転可能通知処理として出力される操作案内メッセージが、モード切替案内情報に相当する。また、ステップS208、S306、S406の移行完了通知で出力されるメッセージ等がモード変更完了情報に相当する。
ステップS202、S205、S302、及びステップS402が操作信号取得ステップに相当する。各種判定ステップは、HCU20によって実行されうる。HCU20内の機能配置は適宜変更可能であって、各種判定ステップは、モード変更指示部F5が実行しても良いし、情報提示処理部F4が実行しても良い。またステップS206、S304、及びステップS404が運転モード変更ステップに相当する。完全手動モード、第1支援モード、第2支援モード、手動操舵モード、及び操舵支援モードがハンズオフ禁止モードに相当する。第3支援モード及び自動操舵モードがハンズオフ許容モードに相当する。ステップS201、S204、S301、S401での自動運転可能通知処理として出力される操作案内メッセージが、モード切替案内情報に相当する。また、ステップS208、S306、S406の移行完了通知で出力されるメッセージ等がモード変更完了情報に相当する。
<付言(その2)>
以上では、1つの実施形態として現行モードと移行先モードの組み合わせに応じて、運転モードの切り替えを、異なる操作内容で実行可能な構成を開示したが、当該構成は任意の要素であって、当該構成を省略した構成も本開示の範囲に含まれる。また、以上では1つの実施形態として、自動運転モードから手動運転モードへ切り替えるための条件は、運転支援モードから完全手動モードへ切り替えるための条件よりも厳しく設定されている構成を開示したが当該構成も任意の要素である。当該構成を省略した構成も本開示の範囲に含まれる。以上で述べた構成の一部を抽出して適宜実施することができる。
以上では、1つの実施形態として現行モードと移行先モードの組み合わせに応じて、運転モードの切り替えを、異なる操作内容で実行可能な構成を開示したが、当該構成は任意の要素であって、当該構成を省略した構成も本開示の範囲に含まれる。また、以上では1つの実施形態として、自動運転モードから手動運転モードへ切り替えるための条件は、運転支援モードから完全手動モードへ切り替えるための条件よりも厳しく設定されている構成を開示したが当該構成も任意の要素である。当該構成を省略した構成も本開示の範囲に含まれる。以上で述べた構成の一部を抽出して適宜実施することができる。
<付言(その3)>
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。つまり、自動運転装置30が提供する手段および/又は機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供できる。自動運転装置30が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。処理部21は、CPUの代わりに、MPUやGPUを用いて実現されていてもよい。また、処理部21は、CPUや、MPU、GPUなど、複数種類の演算処理装置を組み合せて実現されていてもよい。さらに、ECUは、FPGA(field-programmable gate array)や、ASIC(application specific integrated circuit)を用いて実現されていても良い。各種プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等、多様な記憶媒体を採用可能である。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。つまり、自動運転装置30が提供する手段および/又は機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供できる。自動運転装置30が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。処理部21は、CPUの代わりに、MPUやGPUを用いて実現されていてもよい。また、処理部21は、CPUや、MPU、GPUなど、複数種類の演算処理装置を組み合せて実現されていてもよい。さらに、ECUは、FPGA(field-programmable gate array)や、ASIC(application specific integrated circuit)を用いて実現されていても良い。各種プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等、多様な記憶媒体を採用可能である。
上述したHCU20を構成要素とするシステムや、HCU20が実施する方法など、種々の形態も本開示の範囲に含まれる。例えば、コンピュータをHCU20として機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も本開示の範囲に含まれる。
1 自動運転システム、11 周辺監視センサ、12 車両状態センサ、16 乗員状態センサ、18 情報提示装置、18A HUD(表示装置)、18B メータディスプレイ(表示装置)、18C 音響装置、18D ステアリングインジケータ、19 入力装置、19A モード切替スイッチ、19B 音声入力装置、20 HCU(車両制御装置)、21 処理部(プロセッサ)、30 自動運転装置、F1 周辺状態把握部、F2 運転モード取得部、F3 操作信号取得部、F4 情報提示処理部、F5 モード変更指示部(運転モード制御部)、F6 ユーザ状態取得部(ユーザ状態判定部)、F41 モード通知部、F42 操作案内部(切替操作案内部)、F43 許可事項通知部、F44 禁止事項通知部、S202・S205・S302・S402 操作信号取得ステップ、S206・S304・ステップS404 運転モード変更ステップ。
Claims (44)
- 運転操作の自動化レベルが異なる複数の運転モードを備える車両制御装置であって、
前記運転モードを切り替えるためのユーザの操作に対応する信号である操作信号を入力装置(19)から取得する操作信号取得部(F3)と、
前記操作信号取得部が取得した前記操作信号に基づいて、前記運転モードの切替を制御する運転モード制御部(F5)と、を備え、
現在設定されている前記運転モードである現行モードと、変更先の前記運転モードである移行先モードの組み合わせに応じて、前記運転モードの切り替えを、異なる操作内容で実行可能に構成されている車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記現行モードと前記移行先モードと自動化レベルの差が小さいほど、前記運転モードを切り替えるための前記ユーザの操作は簡単となるように構成されている車両制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車両制御装置であって、
前記運転モードとして、前記ユーザが車両前方を監視する必要がある前記運転モードである手動運転モードと、前記ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードとを備え、
前記手動運転モードから前記自動運転モードに切り替える為の前記ユーザの操作は、前記現行モードに応じて変更可能に構成されている車両制御装置。 - 請求項3に記載の車両制御装置であって、
前記手動運転モードとして、自動化レベルが異なる複数の前記運転モードを備え、
前記現行モードが自動化レベルの高い前記手動運転モードであるほど、前記自動運転モードを切り替えるための前記ユーザの操作は簡単となるように構成されている車両制御装置。 - 請求項3又は4に記載の車両制御装置であって、
前記手動運転モードとして、
前記ユーザがハンドルから手を離すことが禁止されている前記運転モードであるハンズオフ禁止モードと、前記ユーザがハンドルから手を離すことが許容される前記運転モードであるハンズオフ許容モードとを備え、
前記ハンズオフ許容モードから前記自動運転モードに移る場合の操作は、前記ハンズオフ禁止モードから前記自動運転モードに移る場合の操作よりも簡単となるように構成されている車両制御装置。 - 請求項5に記載の車両制御装置であって、
前記自動運転モードへ移行する処理を実行している途中において、自動運転を実行するための条件が充足されなくなった場合には、前記移行先モードを前記自動運転モードから前記ハンズオフ禁止モードに変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項3から6の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記手動運転モードから前記自動運転モードを切り替えるための操作内容を案内する切替操作案内部(F42)を備え、
前記現行モードが前記手動運転モードである場合に、前記自動運転モードへ切替可能となったことに基づいて、前記現行モードから前記自動運転モードへ切り替えるための操作内容を含むモード切替案内情報を表示装置(18A、18B)及び音響装置(18C)の少なくとも何れか一方から出力させる車両制御装置。 - 請求項7に記載の車両制御装置であって、
前記モード切替案内情報は、前記自動運転モードへ切り替えるために前記ユーザが実行すべき操作内容とともに、前記自動運転モードにおいて前記ユーザが実施可能な運転操作以外の行為についての情報を含む、車両制御装置。 - 請求項7又は8に記載の車両制御装置であって、
前記モード切替案内情報は、前記自動運転モードへ切り替えるために前記ユーザが実行すべき操作内容とともに、前記自動運転モードでも前記ユーザが実施することが禁止されている行為の例示を含む、車両制御装置。 - 請求項1から9の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記ユーザの操作に基づく前記運転モードの変更が実施された場合には、前記運転モードの変更が完了したことに加えて、変更後の前記運転モードにおいて前記ユーザが実施可能な行為、及び、前記ユーザが実施することが禁止されている行為の少なくとも何れか一方を含むモード変更完了情報を、表示装置(18A、18B)及び音響装置(18C)の少なくとも何れか一方から出力させる情報提示処理部(F4)を備える車両制御装置。 - 請求項1から10の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モードとして、前記ユーザが車両前方を監視する必要がある前記運転モードである手動運転モードと、前記ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードとを備え、
車両が特定の領域に進入したことに基づいて前記手動運転モードから前記自動運転モードへ切替可能となるように構成されている車両制御装置。 - 請求項1から11の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モードとして、前記ユーザが車両前方を監視する必要がある前記運転モードである手動運転モードと、前記ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードとを備え、
車両の周辺が渋滞していることに基づいて前記手動運転モードから前記自動運転モードへ切替可能となるように構成されている車両制御装置。 - 請求項12に記載の車両制御装置であって、
前記手動運転モードとして、自動化レベルが異なる複数の前記運転モードを備え、
進行方向に存在する渋滞区間についての情報を取得する周辺状態把握部(F1)を備え、
前記周辺状態把握部が、前記進行方向に前記渋滞区間が存在することを示す情報を取得したことに基づいて、前記手動運転モードの中で自動化レベルが高い前記運転モードに切り替えることを提案する情報を表示装置(18A、18B)及び音響装置(18C)の少なくとも何れか一方から出力させる車両制御装置。 - 請求項1から13の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モードとして、前記ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードと、前記ユーザが全ての運転操作を行う前記運転モードである完全手動モードと、前記ユーザが一部の運転操作を行う前記運転モードである運転支援モードと、を含み、
前記自動運転モードから前記運転支援モード又は前記完全手動モードへ切り替えるための条件は、前記運転支援モードから前記完全手動モードへ切り替えるための条件よりも厳しく設定されている車両制御装置。 - 運転操作の自動化レベルが異なる複数の運転モードを備える車両制御装置であって、
前記運転モードとして、
ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードと、
前記ユーザが全ての運転操作を行う前記運転モードである完全手動モードと、
前記ユーザが一部の運転操作を行う前記運転モードである運転支援モードと、を含み、
所定の入力装置(19)に対する前記ユーザの操作に対応する信号である操作信号を取得する操作信号取得部(F3)と、
前記操作信号取得部が取得した前記操作信号に基づいて、前記運転モードの切替を制御する運転モード制御部(F5)と、を備え、
前記自動運転モードから前記運転支援モード又は前記完全手動モードへ切り替えるための条件は、前記運転支援モードから前記完全手動モードへ切り替えるための条件よりも厳しく設定されている車両制御装置。 - 請求項14又は15に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、減速又は加速のためのペダル(19α、19β)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、
前記運転支援モード時には、前記ペダルが踏まれたことを示す前記操作信号を取得した場合には前記運転支援モードを終了するように構成されており、
前記自動運転モード時には、前記ペダルが踏まれたことに加えて、前記操作信号に基づいて特定される踏込加速度、踏込速度、踏込量、及び踏込時間の少なくとも何れか1つが所定の自動運転解除閾値を超過したことに基づいて前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14又は15に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、減速又は加速のためのペダル(19α、19β)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、
前記運転支援モード時には、前記操作信号に基づいて特定される前記ペダルの踏込加速度、踏込速度、踏込量、及び踏込時間の少なくとも何れか1つが所定の支援解除閾値を超過したことに基づいて前記運転支援モードを終了するように構成されており、
前記自動運転モード時には、前記踏込加速度、前記踏込速度、前記踏込量、及び前記踏込時間の少なくとも何れか1つが前記支援解除閾値よりも大きい所定の自動運転解除閾値を超過したことに基づいて前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から17の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、減速又は加速のためのペダル(19α、19β)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時、前記操作信号が示す前記ユーザによる前記ペダルの踏込方に応じて前記自動運転モードの終了パターンを変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から18の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
車室内カメラが撮像した前記ユーザの画像に基づいて前記ユーザが運転可能な状態であるか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、減速又は加速のためのペダル(19α、19β)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時、前記ユーザ状態判定部が前記ユーザは運転可能な状態であると判定していることを条件に、前記ペダルへの操作に基づき前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から19の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
車室内カメラが撮像した前記ユーザの画像に基づき、前記ユーザが自動運転可能な状態であるか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)と、
前記自動運転モード中における前記入力装置に対する前記ユーザの操作に対して音声出力又は画像表示にて応答する操作応答部(F45)と、を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、減速又は加速のためのペダル(19α、19β)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記操作応答部は、前記自動運転モード中に前記ユーザが前記ペダルを踏んだことを示す信号を前記操作信号取得部が取得した場合、前記ユーザ状態判定部が判定している前記ユーザの状態に応じて異なる応答を実施するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から20の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、ハンドル(19γ)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、
前記運転支援モード時においては、前記ハンドルが把持されたことを示す前記操作信号を取得した場合に前記運転支援モードを終了するように構成されており、
前記自動運転モード時においては、前記ハンドルが把持されたことに加えて、前記操作信号に基づいて特定される操舵加速度、操舵速度、操舵トルク、操舵量、及び操舵時間の少なくとも1つが所定の自動運転解除閾値を超過したことに基づいて前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から20の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、ハンドル(19γ)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、
前記運転支援モード時には、前記操作信号に基づいて特定される操舵加速度、操舵速度、操舵トルク、操舵量、及び操舵時間の少なくとも何れか1つが所定の支援解除閾値を超過したことに基づいて前記運転支援モードを終了するように構成されており、
前記自動運転モード時には、前記操舵加速度、前記操舵速度、前記操舵トルク、前記操舵量、及び前記操舵時間の少なくとも何れか1つが、前記支援解除閾値よりも大きい所定の自動運転解除閾値を超過したことに基づいて前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から22の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、ハンドル(19γ)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時、前記操作信号が示す前記ハンドルに対する前記ユーザの操作態様に応じて前記自動運転モードの終了パターンを変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から23の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記ユーザの顔部を撮像した画像を解析することで定まる、前記ユーザの視線方向に基づいて前記ユーザが運転可能な状態であるか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、ハンドル(19γ)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時、前記ユーザ状態判定部が前記ユーザは運転可能な状態であると判定していることを条件に、前記ハンドルへの操作に基づき前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から24の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
車室内カメラが撮像した前記ユーザの画像に基づき、前記ユーザが自動運転可能な状態であるか否か、及び、前記ユーザがセカンドタスクを実施しているか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)と、
前記自動運転モード中における前記入力装置に対する前記ユーザの操作に対して音声出力又は画像表示にて応答する操作応答部(F45)と、を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、ハンドル(19γ)に対する前記ユーザの操作状態を示す信号を取得し、
前記操作応答部は、前記自動運転モード中に前記ユーザが前記ハンドルを操作したことを示す信号を前記操作信号取得部が取得した場合、前記ユーザ状態判定部が判定している前記ユーザの状態に応じて異なる応答を実施するように構成されている車両制御装置。 - 請求項16、17、21、及び22の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
車室内カメラが撮像した前記ユーザの画像に基づき、前記ユーザがセカンドタスクを実施しているか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)を備え、
前記ユーザ状態判定部によって前記セカンドタスクを実施しているか否かに応じて、前記自動運転解除閾値として異なる値を適用するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から26の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、
前記運転支援モード時には、前記スイッチを用いた前記自動運転モードの終了指示は、前記運転支援モードを終了させるための指示操作とは異なる操作態様で受付可能に構成されている車両制御装置。 - 請求項27に記載の車両制御装置であって、
前記スイッチを用いた前記自動運転モードの終了指示は、前記運転支援モードを終了させるための指示操作よりも操作量が多く設定されている車両制御装置。 - 請求項14から28の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、
前記自動運転モード時、前記スイッチが押下されたことに基づいてより自動化レベルが低い前記運転モードに切り替えるように構成されており、
前記スイッチに対する前記ユーザの押下態様に応じて、前記自動運転モードからの遷移先とする前記運転モードを変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から29の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記自動運転モードを開始するための前記スイッチである許可スイッチと、前記自動運転モードを終了するための前記スイッチである解除スイッチは同一のスイッチであり、
前記スイッチは、現在設定されている前記運転モードである現行モードが前記自動運転モードではない場合には前記許可スイッチとして機能するとともに、現行モードが前記自動運転モードである場合には前記解除スイッチとして機能するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から30の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記スイッチは、表示装置に表示される所定のスイッチ画像とタッチパネルとの協働によって実現されるタッチパネル方式のスイッチであって、
前記自動運転モード時は常に前記表示装置に前記スイッチ画像を表示するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から31の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記ユーザの顔部を撮像した画像を解析することで定まる前記ユーザの視線方向に基づいて、前記ユーザが運転可能な状態であるか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時、前記ユーザ状態判定部が前記ユーザは運転可能な状態であると判定していることを条件に、前記スイッチへの操作に基づき前記自動運転モードを終了するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から32の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
車室内カメラが撮像した前記ユーザの画像に基づき、前記ユーザが自動運転可能な状態であるか否かを判定するユーザ状態判定部(F6)と、
前記自動運転モード中における前記入力装置に対する前記ユーザの操作に対して音声出力又は画像表示にて応答する操作応答部(F45)と、を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記操作応答部は、前記自動運転モード中に前記ユーザが前記スイッチを押下したことを示す信号を前記操作信号取得部が取得した場合、前記ユーザ状態判定部が判定している前記ユーザの状態に応じて異なる応答を実施するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から33の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記自動運転モード中における前記入力装置に対する前記ユーザの操作に対して音声出力又は画像表示にて応答する操作応答部(F45)を備え、
前記操作信号取得部は、前記操作信号として、前記運転モードを切り替えるための少なくとも1つのスイッチ(19A)に対する前記ユーザの操作を示す信号を取得し、
前記操作応答部は、前記自動運転モード中に前記ユーザが前記スイッチを押下したことを示す信号を前記操作信号取得部が取得した場合、前記スイッチに対する前記ユーザの押下態様に応じて異なる応答を実施するように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から34の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モードが開始されてから経過時間に応じて、前記自動運転モードを終了するための条件である解除条件を変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項35に記載の車両制御装置であって、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モードが開始されてから経過時間が所定のキャンセル対応時間未満である場合には、前記経過時間が前記キャンセル対応時間以上である場合よりも前記解除条件を緩くするように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から36の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モード制御部は、渋滞中か否かに応じて、前記自動運転モードを終了するための条件である解除条件を変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項37に記載の車両制御装置であって、
前記運転モード制御部は、渋滞中ではない場合には渋滞中である場合よりも、前記解除条件を緩くするように構成されている車両制御装置。 - 請求項14から38の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モード制御部は、車両から一定距離以内に他車両が存在するか否かに応じて、前記自動運転モードを終了するための条件である解除条件を変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項1から39の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モードとして、前記ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードと、前記ユーザが全ての運転操作を行う前記運転モードである完全手動モードと、前記ユーザが一部の運転操作を行う前記運転モードである運転支援モードと、を含み、
前記操作信号取得部は、複数種類の前記入力装置のそれぞれに対する前記ユーザの操作状態を示す前記操作信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時において、前記ユーザが操作した前記入力装置の種類に応じて、前記自動運転モードからの遷移先とする前記運転モードを変更するように構成されている車両制御装置。 - 請求項40に記載の車両制御装置であって、
前記運転支援モードとして、車両の速度調整を自動的に実行する一方、操舵にかかる支援は実施しない第1支援モードと、前記速度調整の調整と操舵操作の支援を実施する第2支援モードと、を備え、
前記操作信号取得部は、ブレーキペダル、アクセルペダル、及びハンドルのそれぞれに対する前記ユーザの操作状態を示す前記操作信号を取得し、
前記運転モード制御部は、前記自動運転モード時において、
前記ユーザが前記ブレーキペダルを操作したことを示す前記操作信号を取得した場合には前記完全手動モードに移行し、
前記ユーザが前記アクセルペダルを操作したことを示す前記操作信号を取得した場合には前記第2支援モードに移行し、
前記ユーザが前記ハンドルを操作したことを示す前記操作信号を取得した場合には前記第1支援モードに移行するように構成されている車両制御装置。 - 請求項1から41の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記運転モードとして、前記ユーザが車両前方を監視する必要がない前記運転モードである自動運転モードを含み、
前記操作信号取得部は、複数種類の前記入力装置のそれぞれに対する前記ユーザの操作状態を示す前記操作信号を取得し、
前記自動運転モード中における前記入力装置に対する前記ユーザの操作に対して音声出力又は画像表示にて応答する操作応答部(F45)と、を備え、
前記操作応答部は、前記自動運転モード時において、前記ユーザが操作した前記入力装置の種類に応じて、前記自動運転モードの終了を希望するか否かを確認するメッセージである確認メッセージを出力するか否かを変更する車両制御装置。 - 請求項42に記載の車両制御装置であって、
前記操作信号取得部は、ブレーキペダル及び所定のスイッチのそれぞれに対する前記ユーザの操作状態を示す前記操作信号を取得し、
前記自動運転モード時において、前記ユーザによって前記ブレーキペダルが操作されたことを検出した場合には前記操作応答部は前記確認メッセージの出力を省略する一方、
前記自動運転モード時において、前記ユーザによって前記スイッチが押下されたことを検出した場合には、前記操作応答部は前記確認メッセージを出力するように構成されている車両制御装置。 - 少なくとも1つのプロセッサによって実行される、ユーザの操作に基づいて車両の運転モードを変更するための車両制御方法であって、
前記運転モードを切り替えるための前記ユーザの操作に対応する信号である操作信号を入力装置(19)から取得する操作信号取得ステップ(S202、S205、S302、S402)と、
前記操作信号取得ステップで取得した前記操作信号に基づいて、前記運転モードを切り替える運転モード変更ステップ(S206、S304、S404)と、を備え、
現在設定されている前記運転モードである現行モードと、変更先の前記運転モードである移行先モードの組み合わせに応じて、前記運転モードを切り替えるための前記ユーザの操作の内容を変更可能に構成されている車両制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2021/026193 WO2022019173A1 (ja) | 2020-07-22 | 2021-07-12 | 車両制御装置、車両制御方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020125489 | 2020-07-22 | ||
JP2020125489 | 2020-07-22 |
Publications (1)
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JP2022022075A true JP2022022075A (ja) | 2022-02-03 |
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ID=80220765
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022022075A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024195360A1 (ja) * | 2023-03-20 | 2024-09-26 | 株式会社デンソー | 自動運転制御装置及び自動運転制御方法 |
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2021
- 2021-02-26 JP JP2021030067A patent/JP2022022075A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024195360A1 (ja) * | 2023-03-20 | 2024-09-26 | 株式会社デンソー | 自動運転制御装置及び自動運転制御方法 |
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