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JP2022096795A - 弁ユニットおよび弁装置 - Google Patents

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善之 東出
Yoshiyuki Higashide
眞裕 大平
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Abstract

【課題】弁装置の小型化が可能、かつ、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能な弁ユニットを提供する。【解決手段】本発明の一実施形態に係る弁ユニット1は、弁装置3および制御装置8を含む。弁装置3は、油圧アクチュエータに対する作動油の給排方向を切り換えるスプール弁61と、スプール弁61と油圧ポンプ21との間に介在するポペット式のロジック弁71を含む。制御装置8は、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さい場合はスプール弁61のメータイン流路(6aまたは6c)の開口面積がロジック弁71の開口面積よりも小さくなり、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が前記所定値よりも大きい場合はスプール弁61のメータイン流路の開口面積がロジック弁71の開口面積よりも大きくなるように、スプール弁61およびロジック弁71を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、双方向に作動する油圧アクチュエータ用の弁装置、およびその弁装置を含む弁ユニットに関する。
従来から、双方向に作動する油圧アクチュエータがどちらの方向に作動する場合でもメータイン制御とメータアウト制御とを独立して行うことができるように構成された油圧回路が知られている。例えば、特許文献1には、図5に示すような油圧回路100が開示されている。
具体的に、図5に示す油圧回路100では、油圧アクチュエータ140に対する作動油の給排方向を切り換えるメータアウト切換弁130がポンプライン111およびタンクライン121により油圧ポンプ110および油圧タンク120と接続されているとともに、一対の給排ライン141,142により油圧アクチュエータ140と接続されている。さらに、ポンプライン111には、メータイン弁150が設けられている。
油圧アクチュエータを一方向および他方向へ作動させる際のメータイン弁150の開口面積は、メータアウト切換弁130のメータイン流路の開口面積よりも小さく設定されている。このため、メータイン弁150によるメータイン制御と、メータアウト切換弁130によるメータアウト制御とを独立して行うことができる。
特開2016-145592号公報
特許文献1には、メータアウト切換弁130およびメータイン弁150がどのような弁であるか記載されていないが、メータアウト切換弁130は一般的にスプール弁である。一方、メータイン弁150に関しては、メータイン流量を制御するという観点からは、メータイン弁150がスプール弁であると推測される。ポペット弁では、微小流量の制御が困難なためである。
しかし、メータアウト切換弁130およびメータイン弁150の双方がスプール弁である場合には、メータアウト切換弁130およびメータイン弁150を1つの弁装置に組み込んだときに、弁装置が大きくなる。これに対し、メータイン弁150としてポペット弁を用いた場合には、メータアウト切換弁130およびメータイン弁150を含む弁装置を小型化できるものの、メータイン流量が微小であるときの制御が困難である。
そこで、本発明は、弁装置の小型化が可能、かつ、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能な弁ユニットを提供することを目的とする。また、本発明は、その弁ユニットに含まれる弁装置を提供することも目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の弁ユニットは、油圧アクチュエータに対する作動油の給排方向を切り換えるスプール弁、および前記スプール弁と油圧ポンプとの間に介在するポペット式のロジック弁を含む弁装置と、前記油圧アクチュエータを作動させる際、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さい場合は前記スプール弁のメータイン流路の開口面積が前記ロジック弁の開口面積よりも小さくなり、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が前記所定値よりも大きい場合は前記スプール弁のメータイン流路の開口面積が前記ロジック弁の開口面積よりも大きくなるように、前記スプール弁および前記ロジック弁を制御する制御装置と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さい場合はスプール弁によってメータイン制御を行うことができる。このため、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能である。一方、油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも大きい場合はロジック弁によってメータイン制御を行うことができる。しかも、油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも大きい場合は、スプール弁によってメータアウト制御を行うことができるため、ロジック弁によるメータイン制御とスプール弁によるメータアウト制御とを独立して行うことができる。このようにロジック弁とスプール弁を用いることにより、メータイン制御専用のスプール弁とメータアウト制御専用のスプール弁を用いた場合に比べて弁装置を小型化することができる。
また、本発明の弁装置は、油圧ショベルに用いられる弁装置であって、ブームシリンダに対する作動油の給排方向を切り換えるブーム用スプール弁と、前記ブーム用スプール弁と油圧ポンプとの間に介在する、ポペット式のブーム用ロジック弁と、アームシリンダに対する作動油の給排方向を切り換えるアーム用スプール弁と、前記アーム用スプール弁と前記油圧ポンプまたは前記油圧ポンプとは別の油圧ポンプとの間に介在する、ポペット式のアーム用ロジック弁と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、ブームシリンダおよびアームシリンダのそれぞれに対して、シリンダへの作動油の供給流量が少ない場合にはスプール弁によるメータイン制御を行うことが可能であるとともに、シリンダへの作動油の供給流量が多い場合にはロジック弁によるメータイン制御とスプール弁によるメータアウト制御とを独立して行うことが可能である。
本発明によれば、弁装置の小型化が可能、かつ、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能な弁ユニットが提供される。
本発明の一実施形態に係る弁ユニットの概略構成図である。 油圧ショベルの側面図である。 弁ユニットの電気機器のブロック図である。 操作装置の操作量とスプール弁のメータイン流路の開口面積およびロジック弁の開口面積との関係を示すグラフである。 従来の油圧回路を示す図である。
図1に、本発明の一実施形態に係る弁ユニット1を示す。弁ユニット1は、油圧回路に組み込まれる弁装置3と、弁装置3に含まれる機器を制御する制御装置8を含む。本実施形態では、弁ユニット1が図2に示す油圧ショベル10に用いられる。
図2に示す油圧ショベル10は自走式であり、走行体11を含む。また、油圧ショベル10は、走行体11に旋回可能に支持された旋回体12と、旋回体12に対して俯仰するブームを含む。ブームの先端にはアームが揺動可能に連結されており、アームの先端にはバケットが揺動可能に連結されている。旋回体12には、運転席が設置されたキャビン16が設けられている。なお、油圧ショベル10は自走式でなくてもよい。
油圧ショベル10は、双方向に作動する油圧アクチュエータとして、ブームを俯仰させるブームシリンダ13と、アームを揺動させるアームシリンダ14と、バケットを揺動させるバケットシリンダ15を含む。また、図示は省略するが、油圧ショベル10は、双方向に作動する油圧アクチュエータとして、走行体11の左クローラを駆動する左走行モータおよび右クローラを駆動する右走行モータと、旋回体12を旋回させる旋回モータも含む。
本実施形態では、油圧ショベル10に2つの油圧ポンプ(第1油圧ポンプ21および第2油圧ポンプ22)が搭載されている。第1油圧ポンプ21からは弁装置3を介してブームシリンダ13およびバケットシリンダ15へ作動油が供給され、第2油圧ポンプ22からは弁装置3を介してアームシリンダ14へ作動油が供給される。なお、ブームシリンダ13、アームシリンダ14およびバケットシリンダ15以外の油圧アクチュエータへの作動油の供給については説明を省略する。
本実施形態では、弁装置3が第1ブロック31と第2ブロック32を含む。ただし、弁装置3は、必ずしも複数のブロックを含む必要はなく、単一のブロックを含んでもよい。
第1ブロック31は、第1油圧ポンプ21と接続されるポンプポート31aと、油圧タンク20と接続されるタンクポート31bを有する。さらに、第1ブロック31は、ブームシリンダ13と接続される一対の給排ポート31cと、バケットシリンダ15と接続される一対の給排ポート31dを有する。
同様に、第2ブロック32は、第2油圧ポンプ22と接続されるポンプポート32aと、油圧タンク20と接続されるタンクポート32bを有する。さらに、第2ブロック32は、アームシリンダ14と接続される一対の給排ポート32cを有する。
第1ブロック31には、ブーム用スプール弁61とバケット用スプール弁62が組み込まれており、第2ブロック32には、アーム用スプール弁63が組み込まれている。
第1ブロック31には、ポンプポート31aから延びるポンプ流路41と、ポンプ流路41をブーム用スプール弁61と接続するブーム用分配路42と、ポンプ流路41をバケット用スプール弁62と接続するバケット用分配路43が形成されている。また、第1ブロック31には、ブーム用スプール弁61およびバケット用スプール弁62をタンクポート31bと接続するタンク流路44が形成されている。さらに、第1ブロック31には、ブーム用スプール弁61を一対の給排ポート31cと接続する一対の給排路45と、バケット用スプール弁62を一対の給排ポート31dと接続する一対の給排路46が形成されている。
同様に、第2ブロック32には、ポンプポート32aから延びるポンプ流路51と、ポンプ流路51をアーム用スプール弁63と接続するアーム用分配路52が形成されている。また、第2ブロック32には、アーム用スプール弁63をタンクポート32bと接続するタンク流路53が形成されている。さらに、第2ブロック32には、アーム用スプール弁63を一対の給排ポート32cと接続する一対の給排路54が形成されている。
ブーム用スプール弁61は、ブームシリンダ13に対する作動油の供給方向を切り換える。ブーム用スプール弁61は、中立位置、第1作動位置および第2作動位置の間で移動するスプールを含む。スプールは、中立位置ではブーム用分配路42、タンク流路44および一対の給排路45をブロックし、第1位置または第2位置では一対の給排路45の一方をブーム用分配路42と連通させ、他方をタンク流路44と連通させる。つまり、ブーム用スプール弁61は、第1作動位置でのメータイン流路6aおよびメータアウト流路6bと、第2作動位置でのメータイン流路6cおよびメータアウト流路6dを有する。
同様に、アーム用スプール弁63は、アームシリンダ14に対する作動油の供給方向を切り換える。アーム用スプール弁63は、中立位置、第1作動位置および第2作動位置の間で移動するスプールを含む。スプールは、中立位置ではアーム用分配路52、タンク流路53および一対の給排路54をブロックし、第1作動位置または第2作動位置では一対の給排路54の一方をアーム用分配路52と連通させ、他方をタンク流路53と連通させる。つまり、アーム用スプール弁63は、第1作動位置でのメータイン流路6eおよびメータアウト流路6fと、第2作動位置でのメータイン流路6gおよびメータアウト流路6hを有する。
バケット用スプール弁62は、バケットシリンダ15に対する作動油の供給方向を切り換える。バケット用スプール弁62は、中立位置、第1作動位置および第2作動位置の間で移動するスプールを含む。スプールは、中立位置ではバケット用分配路43、タンク流路44および一対の給排路46をブロックし、第1作動位置または第2作動位置では一対の給排路46の一方をバケット用分配路43と連通させ、他方をタンク流路44と連通させる。
ブーム用分配路42には、ポペット式のブーム用ロジック弁71が設けられている。すなわち、ブーム用ロジック弁71は、ブーム用スプール弁61と第1油圧ポンプ21との間に介在する。さらに、ブーム用分配路42には、ブーム用ロジック弁71の下流側に、ブーム用ロジック弁71からブーム用スプール弁61へ向かう流れは許容するがその逆の流れは禁止するチェック弁72が設けられている。
同様に、アーム用分配路52には、ポペット式のアーム用ロジック弁73が設けられている。すなわち、アーム用ロジック弁73は、アーム用スプール弁63と第1油圧ポンプ21とは別の第2油圧ポンプ22との間に介在する。さらに、アーム用分配路52には、アーム用ロジック弁73の下流側に、アーム用ロジック弁73からアーム用スプール弁63へ向かう流れは許容するがその逆の流れは禁止するチェック弁74が設けられている。
さらに、弁ユニット1は、図3に示すように、ブームシリンダ13を作動させるためのブーム操作装置81と、アームシリンダ14を作動させるためのアーム操作装置82と、バケットシリンダ15を作動させるためのバケット操作装置83を含む。これらの操作装置81~83は、キャビン16内に配置されている。
本実施形態では、ブーム操作装置81、アーム操作装置82およびバケット操作装置83のそれぞれが、操作レバーを含み、操作レバーの操作量(傾倒角)に応じた電気信号を操作信号として出力する電気ジョイスティックである。このため、操作装置81~83は制御装置8と電気的に接続されている。ブーム操作装置81、アーム操作装置82およびバケット操作装置83のそれぞれから出力される電気信号は、制御装置8へ入力される。
ただし、ブーム操作装置81、アーム操作装置82およびバケット操作装置83のそれぞれは、操作レバーの操作量(傾倒角)に応じたパイロット圧を操作信号として出力するパイロット操作弁であってもよい。この場合、各パイロット操作弁から出力されるパイロット圧が圧力センサで検出されて制御装置8へ入力される。
例えば、制御装置8は、ROMやRAMなどのメモリと、HDDやSSDなどのストレージと、CPUを有するコンピュータであり、ROMまたはストレージに記憶されたプログラムがCPUにより実行される。
制御装置8は、ブーム用第1~第3電磁比例弁91~93、アーム用第1~第3電磁比例弁94~96、ならびにバケット用第1および第2電磁比例弁97,98とも電気的に接続されている。図1では図面の簡略化のために図示を省略するが、ブーム用第1~第3電磁比例弁91~93ならびにバケット用第1および第2電磁比例弁97,98は第1ブロック31に取り付けられ、アーム用第1~第3電磁比例弁94~96は第2ブロック32に取り付けられる。
上述したブーム用スプール弁61は、スプールを中立位置から第1作動位置へ移動させるための第1パイロットポートと、スプールを中立位置から第2作動位置へ移動させるための第2パイロットポートを含む。ブーム用スプール弁61の第1および第2パイロットポートは、ブーム用第1および第2電磁比例弁91,92とそれぞれ接続されている。つまり、制御装置8は、ブーム用第1および第2電磁比例弁91,92を介してブーム用スプール弁61を制御する。
ただし、ブーム用スプール弁61が第1および第2パイロットポートを含まずに、スプールと連結された電動アクチュエータを含み、制御装置8がブーム用スプール弁61を直接的に制御してもよい。
ブーム操作装置81がブーム上げ方向に操作されると、制御装置8はブーム操作装置81の操作量が大きくなるほどブーム用第1電磁比例弁91に高い二次圧を出力させる。これにより、ブーム用スプール弁61のメータイン流路6aおよびメータアウト流路6bの開口面積は、ブーム操作装置81の操作量が大きくなるほど大きくなる。逆に、ブーム操作装置81がブーム下げ方向に操作されると、制御装置8はブーム操作装置81の操作量が大きくなるほどブーム用第2電磁比例弁92に高い二次圧を出力させる。これにより、ブーム用スプール弁61のメータイン流路6cおよびメータアウト流路6dの開口面積は、ブーム操作装置81の操作量が大きくなるほど大きくなる。
上述したブーム用ロジック弁71は、中立位置と開位置との間で移動するポペットを含む。ポペットは、中立位置ではブーム用分配路42の上流側部分を下流側部分から遮断し、開位置ではブーム用分配路42の上流側部分を下流側部分と連通する。また、ポペットが開位置に位置するときのブーム用ロジック弁71の開口面積は、任意に変更可能である。
本実施形態では、ブーム用ロジック弁71がポペットを中立位置から開位置へ移動させるためのパイロットポートを含む。ブーム用ロジック弁71のパイロットポートは、ブーム用第3電磁比例弁93と接続されている。つまり、制御装置8は、ブーム用第3電磁比例弁93を介してブーム用ロジック弁71を制御する。ブーム用ロジック弁71の開口面積は、ブーム用第3電磁比例弁93から出力される二次圧が大きくなるほど大きくなる。
ただし、ブーム用ロジック弁71は必ずしもパイロット式である必要はなく、電磁式であってもよい。この場合、ブーム用ロジック弁71は制御装置8により直接的に制御される。
本実施形態では、図4に示すように、制御装置8が、ブームシリンダ13を作動させる際(ブーム上げ時もブーム下げ時も)、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも小さい場合はブーム用スプール弁61のメータイン流路(6aまたは6c)の開口面積がブーム用ロジック弁71の開口面積よりも小さくなり、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも大きい場合はブーム用スプール弁61のメータイン流路(6aまたは6c)の開口面積がブーム用ロジック弁71の開口面積よりも大きくなるように、ブーム用スプール弁61およびブーム用ロジック弁71を制御する。例えば、所定値Q1は、第1油圧ポンプ21の最大吐出流量の1/6~1/3の範囲内で設定される。
本実施形態では、制御装置8が、ブーム操作装置81の操作量(ブーム操作装置81から出力される電気信号)に基づいて、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも小さいか大きいかを判定する。具体的には、制御装置8は、ブーム操作装置81の操作量が所定値αよりも小さければ、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも小さいと判定し、ブーム操作装置81の操作量が所定値αよりも大きければ、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも大きいと判定する。
さらに、本実施形態では、制御装置8が、ブームシリンダ13を作動させる際(ブーム上げ時もブーム下げ時も)、ブーム用スプール弁61のメータイン流路(6aまたは6c)が開口するよりも先にブーム用ロジック弁71が開口するように、ブーム用スプール弁61およびブーム用ロジック弁71を制御する。
上述したアーム用スプール弁63は、スプールを中立位置から第1作動位置へ移動させるための第1パイロットポートと、スプールを中立位置から第2作動位置へ移動させるための第2パイロットポートを含む。アーム用スプール弁63の第1および第2パイロットポートは、アーム用第1および第2電磁比例弁94,95とそれぞれ接続されている。つまり、制御装置8は、アーム用第1および第2電磁比例弁94,95を介してアーム用スプール弁63を制御する。
ただし、アーム用スプール弁63が第1および第2パイロットポートを含まずに、スプールと連結された電動アクチュエータを含み、制御装置8がアーム用スプール弁63を直接的に制御してもよい。
アーム操作装置82がアーム引き方向に操作されると、制御装置8はアーム操作装置82の操作量が大きくなるほどアーム用第1電磁比例弁94に高い二次圧を出力させる。これにより、アーム用スプール弁63のメータイン流路6eおよびメータアウト流路6fの開口面積は、アーム操作装置82の操作量が大きくなるほど大きくなる。逆に、アーム操作装置82がアーム押し方向に操作されると、制御装置8はアーム操作装置82の操作量が大きくなるほどアーム用第2電磁比例弁95に高い二次圧を出力させる。これにより、アーム用スプール弁63のメータイン流路6gおよびメータアウト流路6hの開口面積は、アーム操作装置82の操作量が大きくなるほど大きくなる。
上述したアーム用ロジック弁73は、中立位置と開位置との間で移動するポペットを含む。ポペットは、中立位置ではアーム用分配路52の上流側部分を下流側部分から遮断し、開位置ではアーム用分配路52の上流側部分を下流側部分と連通する。また、ポペットが開位置に位置するときのアーム用ロジック弁73の開口面積は、任意に変更可能である。
本実施形態では、アーム用ロジック弁73がポペットを中立位置から開位置へ移動させるためのパイロットポートを含む。アーム用ロジック弁73のパイロットポートは、アーム用第3電磁比例弁96と接続されている。つまり、制御装置8は、アーム用第3電磁比例弁96を介してアーム用ロジック弁73を制御する。アーム用ロジック弁73の開口面積は、アーム用第3電磁比例弁96から出力される二次圧が大きくなるほど大きくなる。
ただし、アーム用ロジック弁73は必ずしもパイロット式である必要はなく、電磁式であってもよい。この場合、アーム用ロジック弁73は制御装置8により直接的に制御される。
本実施形態では、図4に示すように、制御装置8が、アームシリンダ14を作動させる際(アーム引き時もアーム押し時も)、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも小さい場合はアーム用スプール弁63のメータイン流路(6eまたは6g)の開口面積がアーム用ロジック弁73の開口面積よりも小さくなり、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも大きい場合はアーム用スプール弁63のメータイン流路(6eまたは6g)の開口面積がアーム用ロジック弁73の開口面積よりも大きくなるように、アーム用スプール弁63およびアーム用ロジック弁73を制御する。例えば、所定値Q2は、第2油圧ポンプ22の最大吐出流量の1/6~1/3の範囲内で設定される。
本実施形態では、制御装置8が、アーム操作装置82の操作量(アーム操作装置82から出力される電気信号)に基づいて、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも小さいか大きいかを判定する。具体的には、制御装置8は、アーム操作装置82の操作量が所定値αよりも小さければ、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも小さいと判定し、アーム操作装置82の操作量が所定値αよりも大きければ、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも大きいと判定する。
さらに、本実施形態では、制御装置8が、アームシリンダ14を作動させる際(アーム引き時もアーム押し時も)、アーム用スプール弁63のメータイン流路(6eまたは6g)が開口するよりも先にアーム用ロジック弁73が開口するように、アーム用スプール弁63およびアーム用ロジック弁73を制御する。
以上説明したように、本実施形態の弁ユニット1では、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも小さい場合はブーム用スプール弁61によってメータイン制御を行うことができる。このため、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能である。一方、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも大きい場合はブーム用ロジック弁71によってメータイン制御を行うことができる。しかも、ブームシリンダ13への作動油の供給流量が所定値Q1よりも大きい場合は、ブーム用スプール弁61によってメータアウト制御を行うことができるため、ブーム用ロジック弁71によるメータイン制御とブーム用スプール弁61によるメータアウト制御とを独立して行うことができる。このようにブーム用ロジック弁71とブーム用スプール弁61を用いることにより、メータイン制御専用のスプール弁とメータアウト制御専用のスプール弁を用いた場合に比べて弁装置3の第1ブロック31を小型化することができる。
さらに、本実施形態では、ブーム用スプール弁61のメータイン流路(6aまたは6c)が開口するよりも先にブーム用ロジック弁71が開口するので、ブーム用スプール弁61のメータイン流路(6aまたは6c)が開口したときにブームシリンダ13へ作動油が供給されてブームシリンダ13が作動し始める。このため、ブームシリンダ13の作動開始時からブーム用スプール弁61によってメータイン制御を行うことができる。
同様に、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも小さい場合はアーム用スプール弁63によってメータイン制御を行うことができる。このため、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能である。一方、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも大きい場合はアーム用ロジック弁73によってメータイン制御を行うことができる。しかも、アームシリンダ14への作動油の供給流量が所定値Q2よりも大きい場合は、アーム用スプール弁63によってメータアウト制御を行うことができるため、アーム用ロジック弁73によるメータイン制御とアーム用スプール弁63によるメータアウト制御とを独立して行うことができる。このようにアーム用ロジック弁73とアーム用スプール弁63を用いることにより、メータイン制御専用のスプール弁とメータアウト制御専用のスプール弁を用いた場合に比べて弁装置3の第2ブロック32を小型化することができる。
さらに、本実施形態では、アーム用スプール弁63のメータイン流路(6eまたは6g)が開口するよりも先にアーム用ロジック弁73が開口するので、アーム用スプール弁63のメータイン流路(6eまたは6g)が開口したときにアームシリンダ14へ作動油が供給されてアームシリンダ14が作動し始める。このため、アームシリンダ14の作動開始時からアーム用スプール弁63によってメータイン制御を行うことができる。
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、本発明の弁ユニットは、必ずしも油圧ショベルに用いられる必要はなく、その他の建設機械に用いられてもよい。あるいは、本発明の弁ユニットは、建設機械以外の様々な機械に用いられてもよい。
また、弁装置3は、必ずしも複数のスプール弁および複数のロジック弁を含む必要はなく、1つのスプール弁および1つのロジック弁を含んでもよい。
制御装置8は、必ずしも操作装置の操作量に基づいて油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さいか大きいかを判定する必要はない。例えば、油圧ショベル10が無人運転される場合、制御装置8がカメラで撮影される画像に基づいて操作指令を決定し、その操作指令に基づいて油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さいか大きいかを判定してもよい。
油圧ショベル10には油圧ポンプが1つだけ搭載されてもよい。この場合、その油圧ポンプから弁装置3を介して全ての油圧アクチュエータへ作動油が供給される。また、油圧ショベル10に油圧ポンプが1つだけ搭載される場合、油圧ポンプとブーム用スプール弁61の間および油圧ポンプとアーム用スプール弁63の間にブーム用ロジック弁71およびアーム用ロジック弁73がそれぞれ介在してもよい。
ブーム用ロジック弁71およびアーム用ロジック弁73を含む弁装置3であれば、ブームシリンダ13およびアームシリンダ14のそれぞれに対して、シリンダへの作動油の供給流量が少ない場合にはスプール弁によるメータイン制御を行うことができ、シリンダへの作動油の供給流量が多い場合にはロジック弁によるメータイン制御とスプール弁によるメータアウト制御とを独立して行うことが可能である。ただし、ロジック弁は、別の制御にも利用可能である。
例えば、第2油圧ポンプ22から弁装置3を介して旋回モータへ作動油が供給される場合、アーム用ロジック弁73は、アーム操作と旋回操作とが同時に行われた場合に優先弁として使用されてもよい。この場合の優先弁は、アームシリンダ14と旋回モータのうちの優先的に作動させたい方へ作動油を多く供給するものである。
(まとめ)
前記課題を解決するために、本発明の弁ユニットは、油圧アクチュエータに対する作動油の給排方向を切り換えるスプール弁、および前記スプール弁と油圧ポンプとの間に介在するポペット式のロジック弁を含む弁装置と、前記油圧アクチュエータを作動させる際、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さい場合は前記スプール弁のメータイン流路の開口面積が前記ロジック弁の開口面積よりも小さくなり、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が前記所定値よりも大きい場合は前記スプール弁のメータイン流路の開口面積が前記ロジック弁の開口面積よりも大きくなるように、前記スプール弁および前記ロジック弁を制御する制御装置と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さい場合はスプール弁によってメータイン制御を行うことができる。このため、メータイン流量が微小であるときでもメータイン制御が可能である。一方、油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも大きい場合はロジック弁によってメータイン制御を行うことができる。しかも、油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも大きい場合は、スプール弁によってメータアウト制御を行うことができるため、ロジック弁によるメータイン制御とスプール弁によるメータアウト制御とを独立して行うことができる。このようにロジック弁とスプール弁を用いることにより、メータイン制御専用のスプール弁とメータアウト制御専用のスプール弁を用いた場合に比べて弁装置を小型化することができる。
例えば、前記制御装置は、前記油圧アクチュエータを作動させるための操作装置の操作量または当該制御装置が決定する操作指令に基づいて前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が前記所定値よりも小さいか大きいかを判定してもよい。
前記制御装置は、前記油圧アクチュエータを作動させる際、前記スプール弁のメータイン流路が開口するよりも先に前記ロジック弁が開口するように、前記スプール弁および前記ロジック弁を制御してもよい。この構成によれば、スプール弁のメータイン流路が開口したときに油圧アクチュエータへ作動油が供給されて油圧アクチュエータが作動し始めるため、油圧アクチュエータの作動開始時からスプール弁によってメータイン制御を行うことができる。
また、本発明の弁装置は、油圧ショベルに用いられる弁装置であって、ブームシリンダに対する作動油の給排方向を切り換えるブーム用スプール弁と、前記ブーム用スプール弁と油圧ポンプとの間に介在する、ポペット式のブーム用ロジック弁と、アームシリンダに対する作動油の給排方向を切り換えるアーム用スプール弁と、前記アーム用スプール弁と前記油圧ポンプまたは前記油圧ポンプとは別の油圧ポンプとの間に介在する、ポペット式のアーム用ロジック弁と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、ブームシリンダおよびアームシリンダのそれぞれに対して、シリンダへの作動油の供給流量が少ない場合にはスプール弁によるメータイン制御を行うことができ、シリンダへの作動油の供給流量が多い場合にはロジック弁によるメータイン制御とスプール弁によるメータアウト制御とを独立して行うことが可能である。
1 弁ユニット
10 油圧ショベル
13 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
14 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
21,22 油圧ポンプ
3 弁装置
61 ブーム用スプール弁
63 アーム用スプール弁
6a,6c,6e,6g メータイン流路
71 ブーム用ロジック弁
73 アーム用ロジック弁
8 制御装置
81~83 操作装置

Claims (4)

  1. 油圧アクチュエータに対する作動油の給排方向を切り換えるスプール弁、および前記スプール弁と油圧ポンプとの間に介在するポペット式のロジック弁を含む弁装置と、
    前記油圧アクチュエータを作動させる際、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が所定値よりも小さい場合は前記スプール弁のメータイン流路の開口面積が前記ロジック弁の開口面積よりも小さくなり、前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が前記所定値よりも大きい場合は前記スプール弁のメータイン流路の開口面積が前記ロジック弁の開口面積よりも大きくなるように、前記スプール弁および前記ロジック弁を制御する制御装置と、
    を備える、弁ユニット。
  2. 前記制御装置は、前記油圧アクチュエータを作動させるための操作装置の操作量または当該制御装置が決定する操作指令に基づいて前記油圧アクチュエータへの作動油の供給流量が前記所定値よりも小さいか大きいかを判定する、請求項1に記載の弁ユニット。
  3. 前記制御装置は、前記油圧アクチュエータを作動させる際、前記スプール弁のメータイン流路が開口するよりも先に前記ロジック弁が開口するように、前記スプール弁および前記ロジック弁を制御する、請求項1または2に記載の弁ユニット。
  4. 油圧ショベルに用いられる弁装置であって、
    ブームシリンダに対する作動油の給排方向を切り換えるブーム用スプール弁と、
    前記ブーム用スプール弁と油圧ポンプとの間に介在する、ポペット式のブーム用ロジック弁と、
    アームシリンダに対する作動油の給排方向を切り換えるアーム用スプール弁と、
    前記アーム用スプール弁と前記油圧ポンプまたは前記油圧ポンプとは別の油圧ポンプとの間に介在する、ポペット式のアーム用ロジック弁と、
    を備える、弁装置。
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