JP2022088989A - 銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全でかつ実用的な銀イオン水ベースの消毒液の供給を目的として、銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法を提供する。【解決手段】純水と純銀(4N グレード)を用いた電気分解によって生成された銀イオン水と、キレート材料としてリンゴ酸(D型)を0.01 % から 10 % wt の範囲で溶解させた液体。キレート材料としては、りんご酸だけでなく、システイン(cysteine), チロシン(tyroshine), グルタミン酸(glutamic acid), アスパラギン酸(aspartic acid)、アルギニン、リジン、ヒスチジンなど塩基性アミノ酸も含む。【選択図】図1
Description
本発明は、銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法に関するものである。
銀は、有史を遡ること紀元前4000年頃に発見され、紀元前3000年頃にはヒトの生活に登場してそれ以来、通貨、装飾などにはじまり、食器や殺菌、消臭用途などで様々な用途で活用されてきた。近年では、カチオン系銀イオン(以下、Ag+ も併記)あるいはそれを含む溶液はバクテリア(脂肪酸エステルより構成される細胞膜を持つ原核生物)などに対して強い殺菌力を示すことが判明してきたため、現在では広く抗菌剤としての活用も多く、例えば抗菌加工と表示されている製品の一部に、銀化合物を使用した加工を施しているものなどその応用製品は枚挙に暇がない。
Ag+複合体は近年,医薬分野で着目されつつある.とくにその抗菌・抗ガン作用などで注目を集めている。Ag+イオンは様々なタンパク質と相互作用することが強く示唆されている。
発明者らは、純水と4N グレード(99.99%以上)の純銀を用いて、電気分解による方法で、銀イオン水の製造装置を作成して実用に供している。第三者試験機関による様々な試験でその有効性を検証してきた。
とりわけ、社会的に緊急でかつ重要な問題である新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)に対する不活性化効果は(ヒトにやさしい)安全で安心なAg+の応用として期待されるところが大きい。我々は、Ag+ がエボラウィルスを構成するタンパク質と相互作用し,構造変化を起こすことで複製阻害を行うシミュレーション結果など、Ag+ が一部のアミノ酸,そして一部の側鎖を持ったペプチドやタンパク質と特に強い相互作用があることに着目してきた。さらに、Ag+ のデリバリー効果を高めるための、キレート材料の検討など、総合的な検討を行ってきた。
とりわけ、社会的に緊急でかつ重要な問題である新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)に対する不活性化効果は(ヒトにやさしい)安全で安心なAg+の応用として期待されるところが大きい。我々は、Ag+ がエボラウィルスを構成するタンパク質と相互作用し,構造変化を起こすことで複製阻害を行うシミュレーション結果など、Ag+ が一部のアミノ酸,そして一部の側鎖を持ったペプチドやタンパク質と特に強い相互作用があることに着目してきた。さらに、Ag+ のデリバリー効果を高めるための、キレート材料の検討など、総合的な検討を行ってきた。
谷本久典・橋口和弘・神谷真史・市川大晶,「クエン酸銀水溶液の可視光照射による銀イオン還元・六角板ナノ粒子形成」,日本物理学会講演概要集,一般社団法人日本物理学会,2018年,73.2巻
すでに、クエン酸(C6H8O7・H2O)を使った銀イオン水が実用化されており、米国EPA 認定の消毒用商品となっている。クエン酸は表面保護基として、また還元材料としても利用可能で、水溶液中の貴金属ナノ粒子分散安定に使われるが、還元力は高くなく、100℃以上の加熱や紫外光や高エネルギー粒子線照射などが必要とされるのが通常である。ここで、我々が目指す実用化に関しての問題の一つは、クエン酸が水に難溶なことである。従来研究(非特許文献1)では、アンモニア添加クエン酸銀溶液で実験を行い、可視光照射でも銀ナノ粒子が形成できることを示している。しかしながら、クエン酸の濃度もさることながら、このように完全に溶解させるために多くのアンモニア(NH3)を用いることはAg+ 効果を抑制することにつながり我々の目的には合致しない。クエン酸濃度が高いために手に付いたべとつきや、粘性が生じてくるとそのぬれ性のために噴霧などの目的にも不向きである。さらに、我々の実験では、クエン酸を用いた銀イオン水による新型コロナウィルスに対する不活化するまでの時間短縮などさらなる機能向上も求められていた。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、安全でかつ実用的な銀イオン水ベースの消毒液の供給を目的として、銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法を提供しようとするものである。
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者らは、以下の着想を得た。
クエン酸、グリコール酸、グルコン酸など様々のキレート剤を使った多くの実験の結果、我々はリンゴ酸(C4H6O5)が本目的に合致しているキレート材料であることを見出した。安定でかつ適切なキレート特性(全体として新型コロナウィルスには銀イオンが直ちに反応できるような柔らかいイオン封鎖特性を有する化合物に変える特性)が重要である。りんご酸はクエン酸とくらべて分子量も小さく水に対する可溶性もよいことも目的に合致している。
また、従来、リンゴ酸は、胃腸の働きを良くし、殺菌作用などの効果もあり、乳酸を減して疲れを取り除き、肩こり腰痛の防止にも効果があるとされてきた。りんご酸が体内の炎症を癒し、体内を浄化する効果は知られており、発熱疾患に対して解熱作用、気管支炎や風邪に際しては、去痰作用、消炎作用を発揮する。このようにりんご酸が安全な有機酸であることも重要なキレート選定のポイントである。
一方、超音波技術は、担体に金属ナノ粒子を坦持させたり、あるいは分散液の分散効果を向上させるために重要な役割を果たしている。金属ナノ粒子としては、すくなくてもAg, Au, Pt などに対して有効であることが判明しており、また、担体は、CNT などナノ炭素材料やカーボンに限らず、高分子材料に対しても効果がある。
クエン酸、グリコール酸、グルコン酸など様々のキレート剤を使った多くの実験の結果、我々はリンゴ酸(C4H6O5)が本目的に合致しているキレート材料であることを見出した。安定でかつ適切なキレート特性(全体として新型コロナウィルスには銀イオンが直ちに反応できるような柔らかいイオン封鎖特性を有する化合物に変える特性)が重要である。りんご酸はクエン酸とくらべて分子量も小さく水に対する可溶性もよいことも目的に合致している。
また、従来、リンゴ酸は、胃腸の働きを良くし、殺菌作用などの効果もあり、乳酸を減して疲れを取り除き、肩こり腰痛の防止にも効果があるとされてきた。りんご酸が体内の炎症を癒し、体内を浄化する効果は知られており、発熱疾患に対して解熱作用、気管支炎や風邪に際しては、去痰作用、消炎作用を発揮する。このようにりんご酸が安全な有機酸であることも重要なキレート選定のポイントである。
一方、超音波技術は、担体に金属ナノ粒子を坦持させたり、あるいは分散液の分散効果を向上させるために重要な役割を果たしている。金属ナノ粒子としては、すくなくてもAg, Au, Pt などに対して有効であることが判明しており、また、担体は、CNT などナノ炭素材料やカーボンに限らず、高分子材料に対しても効果がある。
実際の製造では、次の2つの方法で消毒液を作成することが可能である。
方法1.純水に予めリンゴ酸を溶解させて、この準備溶液に対して電気分解を行って銀イオンを生成する方法
方法2.純水のみから電気分解によって作成した銀イオンに後処理としてリンゴ酸を溶解させる方法
上記の方法1及び2に対しても超音波技術を適用することで、短時間で安定した消毒液を生成することが可能である。また、実際の実証実験においても本発明による消毒液を生成後、一ヶ月以上時間経過したしたのちに、新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)不活化実験が行われた。
後述する実験の詳細で明らかであるが、第三者研究機関による公式な実験結果の文書として、銀イオン+リンゴ酸(銀イオン30 ppm+リンゴ酸5%)溶液は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して不活化効果を有することが判明した。しかも、1 分で減少率99.580%、10 分で減少率>99.998%と検出限界まで感染価が減少することが示された。これはクエン酸合成や次亜塩素酸合成の銀イオン水よりも大きく秀でた結果となった。
方法1.純水に予めリンゴ酸を溶解させて、この準備溶液に対して電気分解を行って銀イオンを生成する方法
方法2.純水のみから電気分解によって作成した銀イオンに後処理としてリンゴ酸を溶解させる方法
上記の方法1及び2に対しても超音波技術を適用することで、短時間で安定した消毒液を生成することが可能である。また、実際の実証実験においても本発明による消毒液を生成後、一ヶ月以上時間経過したしたのちに、新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)不活化実験が行われた。
後述する実験の詳細で明らかであるが、第三者研究機関による公式な実験結果の文書として、銀イオン+リンゴ酸(銀イオン30 ppm+リンゴ酸5%)溶液は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して不活化効果を有することが判明した。しかも、1 分で減少率99.580%、10 分で減少率>99.998%と検出限界まで感染価が減少することが示された。これはクエン酸合成や次亜塩素酸合成の銀イオン水よりも大きく秀でた結果となった。
以上、説明したように、本発明の銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法によれば、安全でかつ実用的な銀イオン水ベースの消毒液の供給が実現される。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
考察
「銀イオンとアミノ酸、蛋白質との相互作用」
1893年、スイスの植物学者であるカールウィルヘルムフォンネーゲリ(Karl Wilhelm von Nageli,)は、銀イオン、銅イオンは、藻類の一種であるアオミドロを不活させることを発見した。銅や銀は蛋白質沈殿剤としてもよく知られているが、全体を概観した化学反応の観点からの説明は次の通りである。すなわち、 -SH 酵素のH とAg+ が置換され、
R-SH + Ag+ = R-SAg + H+
のような反応が起き、この-SHの不可逆的な生成が蛋白質の構造を変えて細胞膜を破壊し、増殖機能を奪い不活化させるという銀イオンによる殺菌の基本的な解釈となっている。また、銀カチオンはマイナスイオンに帯電した水中の細菌や藻に吸着して上記のような反応が起こるという説明がなされてきた。
近年の研究では、まず、銀イオンと選択されたいくつかのアミノ酸およびタンパク質との相互作用がすでに報告されている(Leeetal。1998; Shoeibetal。2002; Novikovetal。2010; Eckhardt et al.2013)。
また、理論的研究では、3つの塩基性アミノ酸であるアルギニン、リジン、ヒスチジンが最も強い銀イオン結合剤であるのに対し、メチオニンを除く非極性(脂肪族)アミノ酸は最も弱い銀イオン親和性を持っていると報告されている(Shoeib et al.2002; Eckhardt et al.2013 )。
一方、近年、分子の化学現象を理論的に解明する研究も発展してきており、有機化学の分野でもシミュレーション技術が急速に広がりをみせている。特に、密度汎関数法などは実験値との誤差が少ない方法の提案など、より優れた分子設計や考察に生かすための研究も活発化している。
シミュレーションによる研究(V.Saranya et al.)では、エボラウィルスを構成するタンパク質(エボラウィルスのviral protein 40と呼ばれるタンパク質(エボラウィルスにとって複製に不可欠なタンパク))と相互作用し,構造変化を起こすことで複製阻害を示唆する結果も報告されている。また蛋白質だけでなく核酸とも相互作用するという報告もある。
一方、文献(Andrey et,al)ではPBE-D3およびMP2法を導入し、アミノ酸と銀イオンとの結合を量子化学的な手法で研究を行っている。論文中では、脱プロン化アニオン性アミノ酸と銀カチオンとの結合を考察した結果、システイン(cysteine), チロシン(tyroshine), グルタミン酸(glutamic acid), アスパラギン酸(aspartic acid)などが特に高い相互作用を示すとしている(図1)。
少し内容を詳しく検討すると、4つの脱プロトン化されたアニオン性アミノ酸はすべて、Ag +付着の異なるバリアントでなっていることがわかる。
たとえば、システインのプロトンCys(-H +)は、硫黄およびカルボニルとの結合を介してAg +と二座錯体を形成していることがわかる。同様に、アスパラギン酸のAsp(-H +)は、アミノ基の窒素と2つのカルボニルを介して銀イオンと3座錯体を形成していることがわかる。このように 銀イオンとの反応を考察する上で非常に有用な情報が得られることがわかる。我々の発明においても、このような分子構造に対しての考察を活用して、自然由来のアミノ酸から適切なキレート選択に生かしてきた。
一方、このような銀イオン複合体は、医薬分野で着目されつつある.とくにその抗菌・抗ガン作用などで注目を集めている(Hecel et al.)
その他、今後の応用上の重要な例としてSiLE がある。耐銀イオン性をもつバクテリアは、SilEと呼ばれるsilver resistance protein(抗Agタンパク)を産出しており,タンパク質のヒスチジンとメチオニン残基と銀イオンが相互作用することを述べている(Chabert et al.)。また、Ag+とペプチド,Ag+とタンパク質といった複合体の作成(Li et al.)も有用な情報である。Ag(I)銀イオンはピアソンの分類(HSAB則)によれば柔らかいカチオン(正に荷電したイオン)であり,このことから,柔らかい塩基と高い親和性を持つ(Pearson)ことが示されている。タンパク質を構成するアミノ酸の中でも,システインとメチオニン側鎖は(硫黄原子を有することで)とくに「柔らかい」 (Glusker) と指摘されている。さらにバクテリアの場合、銀イオンがどのように細胞と相互作用するかという概略(Hecel et al.)がまとめられている。(図2)
「銀イオンとアミノ酸、蛋白質との相互作用」
1893年、スイスの植物学者であるカールウィルヘルムフォンネーゲリ(Karl Wilhelm von Nageli,)は、銀イオン、銅イオンは、藻類の一種であるアオミドロを不活させることを発見した。銅や銀は蛋白質沈殿剤としてもよく知られているが、全体を概観した化学反応の観点からの説明は次の通りである。すなわち、 -SH 酵素のH とAg+ が置換され、
R-SH + Ag+ = R-SAg + H+
のような反応が起き、この-SHの不可逆的な生成が蛋白質の構造を変えて細胞膜を破壊し、増殖機能を奪い不活化させるという銀イオンによる殺菌の基本的な解釈となっている。また、銀カチオンはマイナスイオンに帯電した水中の細菌や藻に吸着して上記のような反応が起こるという説明がなされてきた。
近年の研究では、まず、銀イオンと選択されたいくつかのアミノ酸およびタンパク質との相互作用がすでに報告されている(Leeetal。1998; Shoeibetal。2002; Novikovetal。2010; Eckhardt et al.2013)。
また、理論的研究では、3つの塩基性アミノ酸であるアルギニン、リジン、ヒスチジンが最も強い銀イオン結合剤であるのに対し、メチオニンを除く非極性(脂肪族)アミノ酸は最も弱い銀イオン親和性を持っていると報告されている(Shoeib et al.2002; Eckhardt et al.2013 )。
一方、近年、分子の化学現象を理論的に解明する研究も発展してきており、有機化学の分野でもシミュレーション技術が急速に広がりをみせている。特に、密度汎関数法などは実験値との誤差が少ない方法の提案など、より優れた分子設計や考察に生かすための研究も活発化している。
シミュレーションによる研究(V.Saranya et al.)では、エボラウィルスを構成するタンパク質(エボラウィルスのviral protein 40と呼ばれるタンパク質(エボラウィルスにとって複製に不可欠なタンパク))と相互作用し,構造変化を起こすことで複製阻害を示唆する結果も報告されている。また蛋白質だけでなく核酸とも相互作用するという報告もある。
一方、文献(Andrey et,al)ではPBE-D3およびMP2法を導入し、アミノ酸と銀イオンとの結合を量子化学的な手法で研究を行っている。論文中では、脱プロン化アニオン性アミノ酸と銀カチオンとの結合を考察した結果、システイン(cysteine), チロシン(tyroshine), グルタミン酸(glutamic acid), アスパラギン酸(aspartic acid)などが特に高い相互作用を示すとしている(図1)。
少し内容を詳しく検討すると、4つの脱プロトン化されたアニオン性アミノ酸はすべて、Ag +付着の異なるバリアントでなっていることがわかる。
たとえば、システインのプロトンCys(-H +)は、硫黄およびカルボニルとの結合を介してAg +と二座錯体を形成していることがわかる。同様に、アスパラギン酸のAsp(-H +)は、アミノ基の窒素と2つのカルボニルを介して銀イオンと3座錯体を形成していることがわかる。このように 銀イオンとの反応を考察する上で非常に有用な情報が得られることがわかる。我々の発明においても、このような分子構造に対しての考察を活用して、自然由来のアミノ酸から適切なキレート選択に生かしてきた。
一方、このような銀イオン複合体は、医薬分野で着目されつつある.とくにその抗菌・抗ガン作用などで注目を集めている(Hecel et al.)
その他、今後の応用上の重要な例としてSiLE がある。耐銀イオン性をもつバクテリアは、SilEと呼ばれるsilver resistance protein(抗Agタンパク)を産出しており,タンパク質のヒスチジンとメチオニン残基と銀イオンが相互作用することを述べている(Chabert et al.)。また、Ag+とペプチド,Ag+とタンパク質といった複合体の作成(Li et al.)も有用な情報である。Ag(I)銀イオンはピアソンの分類(HSAB則)によれば柔らかいカチオン(正に荷電したイオン)であり,このことから,柔らかい塩基と高い親和性を持つ(Pearson)ことが示されている。タンパク質を構成するアミノ酸の中でも,システインとメチオニン側鎖は(硫黄原子を有することで)とくに「柔らかい」 (Glusker) と指摘されている。さらにバクテリアの場合、銀イオンがどのように細胞と相互作用するかという概略(Hecel et al.)がまとめられている。(図2)
「キレート」
我々の発明は、上述のような分子構造に対しての考察を行い、自然由来のアミノ酸から適切なキレート選択を行ってきた結果、りんご酸が選択された。すべに述べたように、クエン酸は表面保護基として、また還元材料としても利用可能で、水溶液中の貴金属ナノ粒子分散安定に使われるが、還元力は高くなく、100℃以上の加熱や紫外光や高エネルギー粒子線照射などが必要とされるのが通常である。ここで、我々が目指す実用化に関しての問題の一つは、クエン酸が水に難溶なことである。非特許文献1では、アンモニア添加クエン酸銀溶液で実験を行い、可視光照射でも銀ナノ粒子が形成できることを示している。しかしながら、クエン酸の濃度もさることながら、このように完全に溶解させるために多くのアンモニア(NH3)を用いることはAg+ 効果を抑制することにつながり我々の目的には合致しない。クエン酸濃度が高いために手に付いたべとつきや、粘性が生じてくるとそのぬれ性のために噴霧などの目的にも不向きである。さらに、我々の実験では、クエン酸を用いた銀イオン水による新型コロナウィルスに対する不活化するまでの時間短縮などさらなる機能向上も求められていた。
図3にクエン酸とりんご酸の分子構造を併記して示す。りんご酸はクエン酸よりも分子量が小さく、水にも可溶性が高い。りんご酸は、不斉炭素を持つ立体化学においても重要な分子である。不斉炭素は、要するに4つの結合が全て違う基と繋がっている炭素の総称で、分子式は同じでも違った構造を持つ分子が存在する。ワルデンはL-りんご酸に五塩化リンを反応させ酸化銀を介して水を反応させる事によりD-りんご酸を作成した。D-りんご酸とL-りんご酸はミラーイメージのように対称な構造であるが、施光性などでは異なる性質を持つことが知られている。
我々の発明は、上述のような分子構造に対しての考察を行い、自然由来のアミノ酸から適切なキレート選択を行ってきた結果、りんご酸が選択された。すべに述べたように、クエン酸は表面保護基として、また還元材料としても利用可能で、水溶液中の貴金属ナノ粒子分散安定に使われるが、還元力は高くなく、100℃以上の加熱や紫外光や高エネルギー粒子線照射などが必要とされるのが通常である。ここで、我々が目指す実用化に関しての問題の一つは、クエン酸が水に難溶なことである。非特許文献1では、アンモニア添加クエン酸銀溶液で実験を行い、可視光照射でも銀ナノ粒子が形成できることを示している。しかしながら、クエン酸の濃度もさることながら、このように完全に溶解させるために多くのアンモニア(NH3)を用いることはAg+ 効果を抑制することにつながり我々の目的には合致しない。クエン酸濃度が高いために手に付いたべとつきや、粘性が生じてくるとそのぬれ性のために噴霧などの目的にも不向きである。さらに、我々の実験では、クエン酸を用いた銀イオン水による新型コロナウィルスに対する不活化するまでの時間短縮などさらなる機能向上も求められていた。
図3にクエン酸とりんご酸の分子構造を併記して示す。りんご酸はクエン酸よりも分子量が小さく、水にも可溶性が高い。りんご酸は、不斉炭素を持つ立体化学においても重要な分子である。不斉炭素は、要するに4つの結合が全て違う基と繋がっている炭素の総称で、分子式は同じでも違った構造を持つ分子が存在する。ワルデンはL-りんご酸に五塩化リンを反応させ酸化銀を介して水を反応させる事によりD-りんご酸を作成した。D-りんご酸とL-りんご酸はミラーイメージのように対称な構造であるが、施光性などでは異なる性質を持つことが知られている。
我々の新型コロナウィルスに対する不活化実験においては、りんご酸は一般に入手可能なDL-りんご酸(一級, DL-Malic acid HOOCCHOHCH2COOH, 昭和化学株式会社)を用いて実施された。
「新型コロナウィルスに対する不活化効果評価実験」
一連の評価実験は奈良県立医科大学医学部 微生物感染症学講座にて実施された。以下に実験の条件設定と結果を述べる。
「評価実験の条件設定」
研究目的
新型コロナウィルスに対して不活化効果があるか明らかにすること。
試験品(サンプル)
試験品:銀イオン+リンゴ酸(銀イオン30 ppm+リンゴ酸5%)
試験微生物:新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)
新型コロナウィルスをVeroE6/TMPRSS2 細胞に感染させ、細胞変性効果が確認されたもの
を回収し、-80℃のフリーザーに凍結保存した。凍結融解を2 回繰り返したものを遠心分離し、上清を限外濾過膜で濃縮・精製した。これを試験ウイルス液とし、試験まで-80℃ のフリーザーに凍結保存した。なお、SARS-Co V-2 は国立感染症研究所より、VeroE6/TMPRSS2細胞は国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所JCRB 細胞バンクよりそれぞれ入手した。
「新型コロナウィルスに対する不活化効果評価実験」
一連の評価実験は奈良県立医科大学医学部 微生物感染症学講座にて実施された。以下に実験の条件設定と結果を述べる。
「評価実験の条件設定」
研究目的
新型コロナウィルスに対して不活化効果があるか明らかにすること。
試験品(サンプル)
試験品:銀イオン+リンゴ酸(銀イオン30 ppm+リンゴ酸5%)
試験微生物:新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)
新型コロナウィルスをVeroE6/TMPRSS2 細胞に感染させ、細胞変性効果が確認されたもの
を回収し、-80℃のフリーザーに凍結保存した。凍結融解を2 回繰り返したものを遠心分離し、上清を限外濾過膜で濃縮・精製した。これを試験ウイルス液とし、試験まで-80℃ のフリーザーに凍結保存した。なお、SARS-Co V-2 は国立感染症研究所より、VeroE6/TMPRSS2細胞は国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所JCRB 細胞バンクよりそれぞれ入手した。
試験内容
・ウイルス液20 μl に試験品180 μl を混合し、それぞれ1 分および10 分間静置した。
・反応後、EDTA 含有SCDLP 培地1,800 μl を混ぜて反応を停止した。
・ 回収液を用いてウイルス感染価(PFU/mL)をプラーク法にて測定した。
・ 反応温度(室温)は20~25℃であった。
・各2 回実施した。
不活化効果は以下のように算出した。
不活化効果(Mv)= log(Ct/C0) - log(Nt/N0)
= logCt/Nt
Ct: コントロールt 時間後の感染価
C0: コントロール0 時間後の感染価
Nt: 試験品t 時間後の感染価
N0: 試験品0 時間後の感染価
減少率は対数減少値より次の通り算出した。
減少率 =(1-1/10 対数減少値)x100%
なお全試験は、本学内のバイオセーフティレベル3(BSL3)の実験施設において、適切な病原体封じ込め措置のもとに行なった。
・ウイルス液20 μl に試験品180 μl を混合し、それぞれ1 分および10 分間静置した。
・反応後、EDTA 含有SCDLP 培地1,800 μl を混ぜて反応を停止した。
・ 回収液を用いてウイルス感染価(PFU/mL)をプラーク法にて測定した。
・ 反応温度(室温)は20~25℃であった。
・各2 回実施した。
不活化効果は以下のように算出した。
不活化効果(Mv)= log(Ct/C0) - log(Nt/N0)
= logCt/Nt
Ct: コントロールt 時間後の感染価
C0: コントロール0 時間後の感染価
Nt: 試験品t 時間後の感染価
N0: 試験品0 時間後の感染価
減少率は対数減少値より次の通り算出した。
減少率 =(1-1/10 対数減少値)x100%
なお全試験は、本学内のバイオセーフティレベル3(BSL3)の実験施設において、適切な病原体封じ込め措置のもとに行なった。
「実験結果」
結果を図4,5に示した。
図4
表1 試験品によるウイルス感染価の推移
表2 試験品によるウイルスの不活化効果
図5
試験品によるウイルス感染価の推移
数値は試験2回の平均値である。新型コロナウィルスに対して、試験品は8.50 x 106 PFU/ml から1 分で3.25 x 104 PFU/ml(減少率99.580%)、10 分で<1.00 x 102 PFU/ml(減少率>99.998%)と検出限界まで感染価が減少した。
結果を図4,5に示した。
図4
表1 試験品によるウイルス感染価の推移
表2 試験品によるウイルスの不活化効果
図5
試験品によるウイルス感染価の推移
数値は試験2回の平均値である。新型コロナウィルスに対して、試験品は8.50 x 106 PFU/ml から1 分で3.25 x 104 PFU/ml(減少率99.580%)、10 分で<1.00 x 102 PFU/ml(減少率>99.998%)と検出限界まで感染価が減少した。
「比較検討」
今回の発明品とそれ以外の消毒薬や銀イオンとの組み合わせ(異なるキレートあるいは添加剤)に対する比較検討を行う目的で実施された新型コロナウィルスに対する不活化効果評価実験について述べる。
実験は発明品に対する「評価実験の条件設定」と全く同じ条件で行われたが、不活化までに要する時間などが異なるため評価時間設定は異なる場合がある。
結果を図6(表3 ウイルスの不活化効果(異なるキレート・添加物との比較実験結果))にまとめて提示する。
実験では、異なるキレートあるいは添加剤として、ミョウバン、クエン酸(5%重量比)、次亜塩素酸などを取りあげ比較実験が行われた。
一見して、他の添加物の場合と比し、1分、10分間という短時間で新型コロナウィルスに対する不活化が完了しているのは、りんご酸キレートによる発明品のみであることがわかる。さらに、10分間で<1.00 x 102 PFU/ml(減少率>99.998%)と検出限界まで感染価が減少しているため、他の場合よりも消毒効果自体も秀でている結果となった。
今回の発明品とそれ以外の消毒薬や銀イオンとの組み合わせ(異なるキレートあるいは添加剤)に対する比較検討を行う目的で実施された新型コロナウィルスに対する不活化効果評価実験について述べる。
実験は発明品に対する「評価実験の条件設定」と全く同じ条件で行われたが、不活化までに要する時間などが異なるため評価時間設定は異なる場合がある。
結果を図6(表3 ウイルスの不活化効果(異なるキレート・添加物との比較実験結果))にまとめて提示する。
実験では、異なるキレートあるいは添加剤として、ミョウバン、クエン酸(5%重量比)、次亜塩素酸などを取りあげ比較実験が行われた。
一見して、他の添加物の場合と比し、1分、10分間という短時間で新型コロナウィルスに対する不活化が完了しているのは、りんご酸キレートによる発明品のみであることがわかる。さらに、10分間で<1.00 x 102 PFU/ml(減少率>99.998%)と検出限界まで感染価が減少しているため、他の場合よりも消毒効果自体も秀でている結果となった。
「他の細菌に対する不活化効果の確認」
銀イオン水はこれまでも様々な殺菌効果の確認(酢酸消臭試験、アンモニア消臭試験)や殺菌効果試験(クロカビ、ネコカリシウイルス、大腸菌など)を行ってその効果が優れていることは実証してきた。ここではカルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)に対して不活化効果の確認実験を行った。これによって、本発明による消毒液が幅広いスペクトルで応用できることを再確認することが目的である。図7(表4 細菌に対する不活化実験)に示す。結果から、CRE に対しても他の菌に対する場合と同様に銀イオンが高い不活化効果があることを改めて確認することができた。
銀イオン水はこれまでも様々な殺菌効果の確認(酢酸消臭試験、アンモニア消臭試験)や殺菌効果試験(クロカビ、ネコカリシウイルス、大腸菌など)を行ってその効果が優れていることは実証してきた。ここではカルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)に対して不活化効果の確認実験を行った。これによって、本発明による消毒液が幅広いスペクトルで応用できることを再確認することが目的である。図7(表4 細菌に対する不活化実験)に示す。結果から、CRE に対しても他の菌に対する場合と同様に銀イオンが高い不活化効果があることを改めて確認することができた。
本発明によって、安全な銀イオンの性能を生かしたヒトにやさしい消毒液でありながら、新型コロナウィルスに対する不活化効果も高いレベルで達成することができた。今後、実用化とともに、たとえば、広域の場所での噴霧、ドアノブなどあらゆる接触するものの消毒、マスクへの噴霧など広範な応用で社会に貢献できるものと期待される。
Claims (3)
- 純水と純銀(4N グレード)を用いた電気分解によって生成された銀イオン水と、キレート材料としてリンゴ酸(D型)を0.01 % から 10 % wt の範囲で溶解させた液体。
- 請求項1に記載の液体中で超音波発生装置から超音波を照射(少なくても数十Wから1000W 出力で、1分以上照射)して作成さる銀イオンベースの消毒液。
- 請求項1又は2に記載の液体又は消毒液において、
キレート材料としては、りんご酸だけでなく、システイン(cysteine), チロシン(tyroshine), グルタミン酸(glutamic acid), アスパラギン酸(aspartic acid)、アルギニン、リジン、ヒスチジンなど塩基性アミノ酸も含む。
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- 2020-12-03 JP JP2020201150A patent/JP2022088989A/ja active Pending
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