JP2022056515A - 防水シート材 - Google Patents
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Abstract
Description
コンクリート部材に施工する防水シート材であって、
防水層と補強層とを接合してなる基材を備え、
前記コンクリート部材に前記基材を密着させるための密着層を有することにある。
前記防水層は、第一防水層と第二防水層とを有し、
前記基材は、前記補強層の両面が前記第一防水層と前記第二防水層とで挟まれるように構成されており、
前記密着層は、前記第一防水層又は前記第二防水層の前記補強層が接合されている側とは反対側に設けられていることが好ましい。
前記密着層は、不織布シートを含むことが好ましい。
前記不織布シートは、ニードルパンチ単層構造、又はスパンボンド/ニードルパンチ複層構造を有するように構成されていることが好ましい。
前記密着層は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、ポリウレタン、加硫ゴム、シリコーン、レーヨン、及び綿からなる群から選択される少なくとも一種で構成されていることが好ましい。
前記基材は、前記第一防水層の厚みと前記第二防水層の厚みとが異なるように構成されていることが好ましい。
[全体構成]
図1は、本発明の第一実施形態にかかる防水シート材101の概略断面図である。防水シート材101は、当該防水シート材101に防水機能を与える防水層11と、当該防水シート材101にハリやコシを与える補強層12とを備える。防水層11と補強層12とは、互いに接合されて基材10を成している。この接合は、加熱による融着又は接着剤による接着により行うことができる。第一実施形態では、防水層11は、第一防水層11a及び第二防水層11bの二つの防水層から構成され、第一防水層11a及び第二防水層11bが補強層12を両面から挟み込むように接合され、上側(シート表面側)から順に、第一防水層11a、補強層12、及び第二防水層11bからなる三層構造の基材10が形成されている。このような三層構造の基材10とすれば、当該基材10にハリやコシが出て防水シート材101の耐久性向上に寄与する。
防水層11を構成する素材としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリウレタン、加硫ゴム、シリコーン等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独又は組み合わせて使用することができる。好ましい樹脂は、柔軟で凹凸追従性が良く、弾力性あり、これが低温環境でも維持される点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体である。一つの防水層11(第一防水層11a及び第二防水層11bの夫々)の形態(組織)は、単層、複層、又は混合層の何れでも構わないが、コンクリート部材Aの表面形状への追随性を良好に維持するという観点から、単層とすることが好ましい。第一実施形態では、第一防水層11a及び第二防水層11bの厚みは、ともに0.1~0.4mmに設定されることが好ましく、防水層11の厚みは、0.2~0.6mmに設定される。防水層11の厚みが0.2mm未満である場合、コンクリート部材Aの防水性を十分に高めることができない虞がある。防水層11の厚みが0.6mmを超える場合、防水シート材101そのものの厚みも大きくなるため、コンクリート部材Aの表面形状への追随性が悪化する虞がある。
補強層12を構成する素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独又は組み合わせて使用することができる。好ましい樹脂は、汎用性(入手し易く、安価である。)の観点から、ポリエチレンテレフタレートである。補強層12の形態(組織)は、織物、編物、又は不織布の何れでも構わないが、防水層11(第一防水層11a及び第二防水層11b)との接合を強固にするという観点から、シート状の織物とすることが好ましい。補強層12の厚みは、第一実施形態では、0.1~5.0mmに、好ましくは0.2~1.0mmに設定される。補強層12の厚みが0.1mm未満である場合、防水シート材101は十分なハリやコシを発現できない虞がある。補強層12の厚みが5.0mmを超える場合、防水シート材101が堅くなり過ぎるためコンクリート部材Aの表面形状への追随性が悪化し、さらには防水シート材101の重量が増加するため施工性が低下する虞がある。
密着層20を構成する素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、ポリウレタン、加硫ゴム、シリコーン、レーヨン、及び綿等が挙げられ、これらの素材は単独又は組み合わせて使用することができる。好ましい素材は、耐アルカリ性及び汎用性(入手し易く、安価である。)の観点から、ポリプロピレンである。密着層20をこれらの素材で構成すると、密着層20とコンクリートとの親和性が良好なものとなるため、コンクリート部材Aに対する防水シート材101の密着性と防水層11により付与されるコンクリート部材Aの防水性とを一層高めることができる。なお、密着層20に親水性を付与すれば、密着層20とコンクリートとの親和性がさらに良好なものとなり、防水シート材101の密着性及びコンクリート部材Aの防水性をより一層高めることができる。密着層20に親水性を付与する方法としては、不織布を構成する繊維としてレーヨン、綿等の吸水性の高い繊維を用いる方法(この場合、耐アルカリ性の観点から、例えば、ポリプロピレン及びレーヨンの複合繊維とすることが好ましい。)や、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の吸水性に乏しい素材からなる不織布に後加工(含浸処理など)で吸水剤(界面活性剤など)を付与する方法等が挙げられる。密着層20の形態(組織)は、織物、編物、又は不織布の何れでも構わないが、コンクリート部材Aに食い込んで密着性を高めるという観点から、シート状の不織布とすることが好ましい。また、密着層20として不織布シートを使用する場合、単独種の不織布シートからなる単層構造であってもよいし、異なる複数種の不織布シートを重ねた複層構造であってもよい。不織布の種類としては、スパンボンド、ニードルパンチ、スパンレース、サーマルボンド、メルトブローン等が挙げられる。特に、不織布シートをニードルパンチ単層構造、又はスパンボンド/ニードルパンチ複層構造を有するように構成すると、密着層20が適度な空隙を有するため、防水層11によるコンクリート部材Aの防水性をさらに高めることができる。第一実施形態では、ポリプロピレン製のスパンボンド不織布シートとポリプロピレン製のニードルパンチ不織布シートとを重ねて複層構造の密着層20を形成している。密着層20の厚みは、第一実施形態では、0.1~5.0mmに設定される。密着層20の厚みが0.1mm未満である場合、密着層20がコンクリート部材Aに十分に食い込むことができず、密着性が低下する虞がある。密着層20の厚みが5.0mmを超える場合、防水層11とコンクリート部材Aとの距離が大きくなるためコンクリート部材Aの防水性を高めることができず、さらには防水シート材101の重量が増加するため施工性が低下する虞がある。
図2は、本発明の第二実施形態にかかる防水シート材102の概略断面図である。第二実施形態にかかる防水シート材102において、第一実施形態にかかる防水シート材101と同一又は同様の構成を有するものについては、図に同一符号を付すに留め、その詳細な説明は省略する。
図3は、本発明の第三実施形態にかかる防水シート材103の概略断面図である。第三実施形態にかかる防水シート材103において、第一実施形態にかかる防水シート材101又は第二実施形態にかかる防水シート材102と同一又は同様の構成を有するものについては、図に同一符号を付すに留め、その詳細な説明は省略する。
本発明の防水シート材は、上記の第一実施形態~第三実施形態にかかる防水シート材101,102,103において、構成の一部を改変したものとすることも可能である。そのような幾つかの改変例について、別実施形態として説明する。
上記の第一実施形態にかかる防水シート材101、又は第二実施形態にかかる防水シート材102では、第一防水層11a及び第二防水層11bは同一の厚みに設定されているが、第一防水層11aの厚みと第二防水層11bの厚みとを異ならせることも可能である。この場合、二つの防水層11a,11bによって付与されるコンクリート部材Aの防水性の程度を調整することができる。また、第一防水層11aの厚みと第二防水層11bの厚みとを変更すれば、二つの防水層11a,11bに挟まれる補強層12の位置を密着層20側寄りの位置から表面側寄りの位置まで変更できるため、基材10の柔軟性(ハリやコシ)や耐久性を調整することができ、コンクリート部材Aの表面形状に応じた防水シート材101,102の追随性の程度も変化させることができる。
上記の第三実施形態にかかる防水シート材103では、補強層12の防水層11が接合されている側とは反対側に密着層20が直接設けられているが、補強層12と密着層20とを一体物として構成することも可能である。補強層12及び密着層20の形態(組織)は、織物、編物、又は不織布の何れでも構わないため、例えば、補強層12及び密着層20を何れも織物シート又は不織布シートとすれば、補強層12及び密着層20を多層構造の織物シート又は不織布シートの積層体(図示せず)で構成することができる。この積層体を防水層11に接合すると、当該積層体のうち防水層11に接する層が補強層12として機能し、その他の層が密着層20として機能する。
上記の第一実施形態にかかる防水シート材101、第二実施形態にかかる防水シート材102、又は第三実施形態にかかる防水シート材103では、密着層20は基材10の片側のみに設ける構成であったが、基材10の両側に設けることも可能である。この場合、防水シート材101,102,103は、密着層20が両面に露出しているため、二つのコンクリート部材A,Aで防水シート材101,102,103を挟み込むように施工することで、二つのコンクリート部材A,Aに対して同時に防水性を高めることができる。
11 防水層
11a 第一防水層
11b 第二防水層
12 補強層
20 密着層
101,102,103 防水シート材
A コンクリート部材
Claims (6)
- コンクリート部材に施工する防水シート材であって、
防水層と補強層とを接合してなる基材を備え、
前記コンクリート部材に前記基材を密着させるための密着層を有する防水シート材。 - 前記防水層は、第一防水層と第二防水層とを有し、
前記基材は、前記補強層の両面が前記第一防水層と前記第二防水層とで挟まれるように構成されており、
前記密着層は、前記第一防水層又は前記第二防水層の前記補強層が接合されている側とは反対側に設けられている請求項1に記載の防水シート材。 - 前記密着層は、不織布シートを含む請求項1又は2に記載の防水シート材。
- 前記不織布シートは、ニードルパンチ単層構造、又はスパンボンド/ニードルパンチ複層構造を有するように構成されている請求項3に記載の防水シート材。
- 前記密着層は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、ポリウレタン、加硫ゴム、シリコーン、レーヨン、及び綿からなる群から選択される少なくとも一種で構成されている請求項1~4の何れか一項に記載の防水シート材。
- 前記基材は、前記第一防水層の厚みと前記第二防水層の厚みとが異なるように構成されている請求項2~5の何れか一項に記載の防水シート材。
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2020
- 2020-09-30 JP JP2020164310A patent/JP2022056515A/ja active Pending
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