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JP2022051415A - スカイビング加工における歯形コントロール方法 - Google Patents

スカイビング加工における歯形コントロール方法 Download PDF

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Abstract

【課題】はすば歯車の加工および歯形修正が可能なスカイビング加工における歯形コントロール方法を提供する。【解決手段】歯形形コントロール方法は、スカイビングカッタ102でワーク104からはすば歯車を加工するスカイビング加工において、スカイビングカッタ102を先端108がワーク軸S0に沿って移動するよう送りながらスカイビングカッタ102の送り量に応じてワークの軸S0に対するスカイビングカッタ102のカッタ軸S1の軸交差角Σを変化させ、軸交差角Σの変化に同期してワーク104のリード量Cを設定することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、スカイビング加工における歯形コントロール方法に関するものである。
歯車を創成する加工法として、スカイビング加工が知られている。スカイビング加工は、加工対象物であるワークの回転に切削工具であるスカイビングカッタの回転を同期させつつ、ワークの回転軸(ワーク軸)に対してスカイビングカッタの回転軸(カッタ軸)を傾けた状態で行われる。これによって、ワークの回転方向とスカイビングカッタの回転方向とに差異が生じ、ワークにスカイビングカッタを干渉させた際に“すべり”が生じる。このすべりを利用してワークから干渉部分をそぎ落とし、ワークに歯溝などを加工する。
一般的な平歯車を加工するときのスカイビング加工では、ワーク軸に対してカッタ軸がなす軸交差角を一定に保ち、スカイビングカッタをワークの歯幅方向に平行に移動させて歯切りが行われる。その他、歯幅方向において歯先の位置が変化するバイアス歯形を加工する手法として、例えば本願の特許出願人による特許文献1の歯車加工方法では、スカイビングカッタをワークの歯幅方向だけでなく円周方向にも移動させながら歯切りが行われる。
特開2020-19096号公報
上述した平歯車等の他、はすば歯車などのねじれた歯を加工する場合には、スカイビングカッタの送り量(ワークの歯幅方向への移動量)に同期してワークの回転を制御しながら歯切りが行われる。しかしながら、ねじれ角を有する歯の歯形修正および工作精度の向上を図るためには、新たな手法の確立も望まれている。
本発明は、このような課題に鑑み、はすば歯車の加工および歯形修正において所望のねじれ角を有しつつ歯形を歯幅内で変化させることが可能なスカイビング加工における歯形コントロール方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明にかかるスカイビング加工における歯形コントロール方法の代表的な構成は、スカイビングカッタでワークからはすば歯車を加工するスカイビング加工において、スカイビングカッタの先端がワーク軸に沿って移動するよう送りながらスカイビングカッタの送り量に応じてワークの軸に対するスカイビングカッタのカッタ軸の軸交差角を変化させ、軸交差角の変化に同期してはすば歯車のリード量を設定することを特徴とする。
ここで、「リード」ははすば歯車を一回転させることで歯車上の一点が軸方向に移動する量であり、「リード量C」は軸交差角がΣaからΣbまで変化する間に歯車上の一点が軸方向に移動する量(C軸上の変化量)である。上記構成によれば、スカイビングカッタをワークの歯幅方向に送りながら、スカイビングカッタの軸交差角に同期してリード量を設定することで、所望のねじれ角を有しつつ歯形が歯幅内で変化したはすば歯車を効率よく加工することが可能となる。
本発明によれば、はすば歯車の加工および歯形修正において所望のねじれ角を有しつつ歯形を歯幅内で変化させることが可能なスカイビング加工における歯形コントロール方法を提供することが可能になる。
本発明の実施形態にかかる歯形コントロール方法の概要を示す図である。 第1比較例および第2比較例のスカイビング加工を示した図である。 第3比較例のスカイビング加工を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示または説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかる歯形コントロール方法の概要を示す図である。図1(a)は、当該方法を実施したスカイビング加工機100のスカイビングカッタ102およびワーク104を示している。スカイビング加工機100は、回転するスカイビングカッタ102によってワーク104に歯溝等を加工する工作機械である。
スカイビングカッタ102は、加工機本体の工具主軸ユニット106に取り付けられ、カッタ軸S1を中心に回転してワーク104を切削する。ワーク104は、工作物主軸ユニットに設置され、ワーク軸S0を中心に回転しながら加工が施される。
スカイビングカッタ102が取り付けられる工具主軸ユニット106は、上下方向に移動および旋回することが可能になっている。ワーク104は左右前後方向に移動可能になっている。ここでワーク104の左右の径方向をX軸方向、ワーク104の前後の径方向をY軸方向、ワーク104の歯幅方向をZ軸方向と呼ぶ。
工具主軸ユニット106は、スカイビングカッタ102のカッタ軸S1がワーク軸S0に対して軸交差角Σaを成した状態で加工を開始し、このスカイビングカッタ102をワーク104の歯幅方向に送る。このとき、本発明にかかる歯形コントール方法では、工具主軸ユニット106はスカイビングカッタ102を送りつつ軸交差角を変化させ、この軸交差角の変化に同期してリード量Cを設定することで、ワーク104から歯形の変化したはすば歯車を効率よく加工することが可能になっている。
スカイビングカッタ102の移動は、ワーク104に接触する先端108がワーク軸S0に沿って移動するように行われる。図1(a)では、スカイビングカッタ102の切削ストロークとして、先端108の加工開始位置から加工完了位置までの移動量を距離Zで示している。
当該歯形コントロール方法では、ワーク104に加工する歯形を変化させるために、工具主軸ユニット106は、スカイビングカッタ102をワーク104の歯幅方向に送る途中において次第に旋回し、開始当初の軸交差角Σaを軸交差角Σbに変化させる。軸交差角を変化させることで、後述する図1(c)から図1(e)に示すように、加工される歯形を意図的に修正することができる。
工具主軸ユニット106は、先端108をワーク軸S0上に保ちつつ軸交差角を変化させるために、工具主軸ユニット106をワーク104の径方向に距離Xaほど移動しながら旋回する。そのため、ワーク104の歯幅方向においては、先端108の移動量Zに比べると、工具主軸ユニット106の移動量は軸交差角を変化させた分(Za+Zb)だけ大きくなっている(Z+Za+Zb)。
図1(b)は、当該歯形コントロール方法における各パラメータの関係を示した図である。図1(b)の三角の図形のうち、縦軸の長さは軸交差角の変化量(Σa-Σb)、横軸の長さはワーク104に加工する歯筋のリード量C、斜辺の傾きは加工する歯筋のねじれ角βを表している。なお、「リード」ははすば歯車を一回転させることで歯車上の一点が軸方向に移動する量であり、「リード量C」は軸交差角がΣaからΣbまで変化する間に歯車上の一点が軸方向に移動する量(C軸上の変化量)である。
当該歯形コントロール方法では、図1(b)の各パラメータの関係に応じてワーク104のリード量Cを制御している。詳しくは、加工中において、工具主軸ユニット106から把握される軸交差角をΣaからΣbまで変化させると共に、その角度変化の範囲に対応させてリード量Cを設定する。
図1(c)は工具の交差角より軸交差角が小さい場合の歯形110aの例、図1(d)は工具の交差角と軸交差角が一致している場合の歯形110bの例、図1(e)は工具の交差角より軸交差角が大きい場合の歯形110cの例である。当該歯形コントロール方法では、スカイビングカッタ102の軸交差角を次第に大きくすることで、右に偏った歯形110aから次第に左に偏った歯形110cへと、意図的に歯形修正を施したはすば歯車を加工することができる。なお、軸交差角を次第に小さくしてもよく、また次第に大きくしたあとに次第に小さくするなど、必要と目的に応じて任意の歯形変化を設定することができる。
上記で図1(b)を参照して説明したように、当該歯形コントロール方法では、ワーク104のリード量Cを、軸交差角の変化に同期(対応)させている。この点について、以下図2および図3の各比較例を参照しながら説明する。
図2は、第1比較例10および第2比較例20のスカイビング加工を示した図である。図2(a)は、第1比較例10のスカイビング加工を示した図である。第1比較例10は、歯形の変化しないはすば歯車を加工するときの例である。第1比較例10では、軸交差角Σは加工開始から加工完了にわたるまで一定に保たれる。軸交差角Σが一定であれば、工具主軸ユニット106の移動量Zは、スカイビングカッタ102の先端108の移動量Zと一致する。すなわち、工具主軸ユニット106の移動量Zを把握すれば、先端108の移動量Zを知ることができる。したがって移動量Zに同期させてリード量Cを設定すれば、所望のねじれ角βを得ることができる。
図2(b)は、第1比較例10のスカイビング加工における各パラメータの関係を示した図である。図2(b)では、図1(b)と異なり、縦軸の長さは工具主軸ユニット106の移動量Zを表している。上述したように、第1比較例10では、工具主軸ユニット106の移動量Zは先端108の移動量Zと一致するため、単に工具主軸ユニット106の移動量の変化に同期してリード量Cを設定すれば(Z軸とC軸を同期させれば)、所望のねじれ角βの歯筋を加工することができる。ただし、当然ながら、軸交差角Σを変化させていないため、第1比較例10では歯形を変化させることができない。
図2(c)は、第2比較例20のスカイビング加工を示した図である。第2比較例20のスカイビング加工は、図2(a)の第1比較例10に比べて、工具主軸ユニット106を旋回させて軸交差角を変化させた例である。しかし、単に工具主軸ユニット106を旋回させただけでは、工具の歯筋の後端が既に研削したワークの歯筋と干渉してしまうため、加工不能となる。
図3は、第3比較例30のスカイビング加工を示した図である。図3(a)は、第3比較例の概要を示している。第3比較例30では、図1(a)の本実施形態におけるスカイビング加工と同様に、工具主軸ユニット106は先端108をワーク軸S0上に保ちつつ軸交差角を変化させている。したがって、ワーク104の歯幅内でおいて、先端108の移動量(Z)に比べると、工具主軸ユニット106の移動量は軸交差角を変化させた分(Za+Zb)だけ大きい量(Z+Za+Zb)になっている。つまり、先端108の移動量Zは、工具主軸ユニット106から把握される移動量(Z+Za+Zb)とは一致しない。
図3(b)は、第3比較例30のスカイビング加工における各パラメータの関係を示した図である。図3(b)に示すように、工具主軸ユニット106の移動量(Z+Za+Zb)と、実際の先端108の移動量Zには、軸交差角の変化分(Za+Zb)のずれが生じる。したがって、工具主軸ユニット106の移動量Zに同期してリード量Cを設定しても、実際には工具主軸ユニット106は(Z+Za+Zb)だけ移動するのであるから、歯車のリードは、差分(Za+Zb)に対応する誤差Caが含まれた値になってしまう(C+Ca)。したがって、ねじれ角β2は所望したねじれ角βと異なってしまう。
以上の第1比較例10から第3比較例30を踏まえて、図1(b)の当該歯形コントロール方法では、工具主軸ユニット106から把握されるパラメータのうち、移動量ではなく軸交差角の変化量(Σa-Σb)に同期してリード量Cを設定している。この構成によれば、所望のねじれ角を有しつつ歯形が歯幅内で変化したはすば歯車を精度よく加工することができる。加工精度の高いはすば歯車は、自動車部品などとして有益に利用することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、スカイビング加工における歯形コントロール方法に利用することができる。
100…スカイビング加工機、102…スカイビングカッタ、104…ワーク、106…工具主軸ユニット、108…先端、110a~110b…歯形の例、S0…ワーク軸、S1…カッタ軸、10…第1比較例、20…第2比較例、30…第3比較例

Claims (1)

  1. スカイビングカッタでワークからはすば歯車を加工するスカイビング加工において、
    前記スカイビングカッタを先端がワーク軸に沿って移動するよう送りながら該スカイビングカッタの送り量に応じて該ワークの軸に対する該スカイビングカッタのカッタ軸の軸交差角を変化させ、
    前記軸交差角の変化に同期して前記はすば歯車のリード量を設定することを特徴とするスカイビング加工における歯形コントロール方法。
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