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JP2022048469A - ゴム組成物、架橋用ゴム組成物、ゴム組成物成形体の製造方法、及びタイヤ用トレッド - Google Patents

ゴム組成物、架橋用ゴム組成物、ゴム組成物成形体の製造方法、及びタイヤ用トレッド Download PDF

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JP2022048469A
JP2022048469A JP2020154300A JP2020154300A JP2022048469A JP 2022048469 A JP2022048469 A JP 2022048469A JP 2020154300 A JP2020154300 A JP 2020154300A JP 2020154300 A JP2020154300 A JP 2020154300A JP 2022048469 A JP2022048469 A JP 2022048469A
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rubber
rubber composition
polymer
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JP2020154300A
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大悟 松岡
Daigo Matsuoka
祥文 荒木
Yoshifumi Araki
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】良好な成形性を有し、組成ムラが発生し難く、タイヤの材料として用いたときに優れた引張強度及び耐摩耗性を示す、ゴム組成物を得る。【解決手段】ヨウ素価が10~270g/100g、エチレン構造を3質量%以上含み、ビニル芳香族単量体ブロック量が10質量%以下、ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上であり、GPC法によるゴム状重合体の分子量分布において、分子量35万以上にピークを有し、分子量5,000~350,000未満にピークを有し、粘度計付きGPC測定において、分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度が3分岐以上であり、GPCの分子量分布曲線において、分子量350,000以上のゴム状重合体の面積をAA、分子量5,000~35万未満のゴム状重合体の面積をBAとした場合に、AAとBAの合計面積に対するBAの割合(BA)/(AA+BA)が、50~90%である、ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、架橋用ゴム組成物、ゴム組成物成形体の製造方法、及びタイヤ用トレッドに関する。
近年、タイヤトレッド、シート、フィルム、及びアスファルト改質用のゴム材料分野において、機械強度や圧縮永久歪みを高める目的で、エチレン構造を有し架橋可能な不飽和基を導入したゴム状重合体を含有するゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。
国際公開第2017/150645号公報 国際公開第2019/151126号公報 国際公開第2019/151127号公報 国際公開第2019/078083号公報
しかしながら、従来提案されているエチレン構造を有し、架橋可能な不飽和基を含有するゴム状重合体は、粘度が高くなり易く、かかるゴム状重合体の高い粘度に起因して、タイヤの製造工程でゴム状重合体を含むシートを製造する際に、加硫前のゴム組成物シート肌が荒れ、シートが切れやすいという問題点を有している。
また、エチレン構造を有するゴム状重合体を溶液重合で製造する場合においても、ゴム状重合体の高い粘度が課題になる。具体的には、スチームストリッピング工程で得られるゴム状重合体のクラムが乾燥押出機で必要以上にトルクがかかり、乾燥押出機に過負荷を与えてしまうという問題点を有している。
上述したようなエチレン構造を有するゴム状重合体の問題点は、ゴム状重合体の分子量を下げることで改善できるが、ゴム状重合体の分子量を下げると、得られるタイヤ組成物の機械特性、特に引張強度と耐摩耗性が悪化する傾向にある、という問題点を有している。
タイヤ組成物の機械特性を維持しつつ、タイヤ組成物を製造する際の加工性を改善するための方法として、高分子量のゴム状重合体に、特定の分子量のゴム状重合体を混合し、ゴム組成物を得る方法が挙げられる。
しかしながら、エチレン構造を有するゴム状重合体は溶液粘度も高いため、高分子のゴム状重合体溶液と低分子のゴム状重合体溶液が混ざりにくく、溶液として不均一になり、結果として混合溶液から得られるゴム組成物中の高分子量成分と低分子量成分の存在比率が、目標とする割合になりにくいという問題点を有している。
そこで、本発明においては、実用上十分な成形性を有し、ゴム組成物中の組成ムラが発生し難く、タイヤの材料として用いたときに優れた引張強度及び耐摩耗性を示すゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために、鋭意研究検討した結果、特定構造を有し、特定の分子量であるゴム状重合体を、特定比率で含有するようにすることにより、ゴム組成物の成形性が低くなり難く、成形後もゴム組成物成形体中の組成ムラが発生し難く、タイヤに用いたときに優れた引張強度及び耐摩耗性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
〔1〕
ヨウ素価が10~270g/100gであり、
エチレン構造を3質量%以上含み、
ビニル芳香族単量体ブロック量が10質量%以下であり、
ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上であり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、ゴム状重合体の分子量分布において、分子量35万以上に少なくとも1つのピークを有し、
かつ、分子量5,000~350,000未満に少なくとも1つのピークを有し、
粘度計付きGPC測定において、分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度が3分岐以上であり、
GPCの分子量分布曲線において、分子量350,000以上のゴム状重合体の面積をAA、分子量5,000~35万未満のゴム状重合体の面積をBAとした場合に、AAとBAの合計面積に対するBAの割合(BA)/(AA+BA)が、50%以上90%以下である、ゴム組成物。
〔2〕
GPCの分子量分布曲線において、最も高分子量のピークトップ分子量Mpが、650,000以上である、前記〔1〕に記載のゴム組成物。
〔3〕
ビニル芳香族単量単位以外のα-オレフィンの含有量が、15質量%以上である、
前記〔1〕又は〔2〕に記載のゴム組成物。
〔4〕
窒素原子を含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のゴム組成物。
〔5〕
カラム吸着GPC法で測定される変性率が、20質量%以上である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のゴム組成物。
〔6〕
カラム吸着GPC法で測定される変性率において、
350,000以上の分子量のゴム状重合体の変性率が60質量%以上である、
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のゴム組成物。
〔7〕
ケイ素含有量が、50ppm以上である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のゴム組成物。
〔8〕
分子量350,000以上の領域のゴム状重合体の分岐度が、分子量350,000未満の領域のゴム状重合体の分岐度よりも大きい、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のゴム組成物。
〔9〕
ムーニー緩和率(MSR)が、0.5以下である、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載のゴム組成物。
〔10〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のゴム組成物と、
架橋剤と、
を、含有し、
前記架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下含有する、
架橋用ゴム組成物。
〔11〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のゴム組成物、又は前記〔10〕に記載の架橋用ゴム組成物を用いたゴム組成物成形体の製造方法であって、
分子量350,000以上にピークトップを有するゴム状重合体Aを重合する工程と、
分子量5,000~350,000未満にピークトップを有するゴム状重合体Bを重合する工程と、
ゴム状重合体A及びゴム状重合体Bを溶液中で混合し、混合溶液を得る工程と、
前記混合溶液から溶媒を除去し、ゴム組成物を得る工程と、
前記ゴム組成物を用いて成形する工程と、
を、有する、
ゴム組成物成形体の製造方法。
〔12〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のゴム組成物、又は前記〔10〕に記載の架橋用ゴム組成物を用いたゴム組成物成形体の製造方法であって、
分子量350,000以上にピークトップを有するゴム状重合体Aを重合する工程と、
分子量5,000~350,000未満にピークトップを有するゴム状重合体Bを重合する工程と、
分岐度の異なる2種類以上の官能基化剤を、前記ゴム状重合体A、前記ゴム状重合体Bのそれぞれに添加し、重合鎖末端を官能基化する工程と、
重合溶液から溶媒を除去し、ゴム組成物を得る工程と、
得られたゴム組成物を用いて、成形する工程を有する、
ゴム組成物成形体の製造方法。
〔13〕
前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のゴム組成物、又は前記〔10〕に記載の架橋用ゴム組成物を含有する、タイヤ用トレッド。
本発明によれば、実用上十分な成形性を有し、ゴム組成物中の組成ムラが発生し難く、タイヤの材料として用いたときに優れた引張強度及び耐摩耗性を示す、ゴム組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施することができる。
〔ゴム状重合体〕
本実施形態のゴム組成物は、
ヨウ素価が10~270g/100gであり、
エチレン構造を3質量%以上含み、
ビニル芳香族単量体ブロック量が10質量%以下であり、
ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上であり、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、ゴム状重合体の分子量分布において、分子量350,000以上に少なくとも1つのピークを有し、
かつ、分子量5,000~350,000未満に少なくとも1つのピークを有し、
粘度計付きGPC測定において、分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度が3分岐以上であり、
GPC分子量分布曲線において、
分子量350,000以上のゴム状重合体の面積をAA、分子量5,000~350,000未満のゴム状重合体の面積をBAとした場合に、AAとBAの合計面積に対するBAの割合(BA)/(AA+BA)が、50%以上90%以下である。
<ヨウ素価>
本実施形態のゴム組成物のヨウ素価は、10~270g/100gである。
ヨウ素価は、架橋のしやすさの観点で、10g/100g以上である。15g/100g以上が好ましく、30g/100g以上がより好ましく、50g/100g以上がさらに好ましく、70g/100g以上がさらにより好ましい。
一方、本実施形態のゴム組成物成形体の耐候性の観点で、270g/100g以下である。200g/100g以下が好ましく、150g/100g以下がより好ましく、110g/100g以下がさらに好ましく、80g/100g以下がさらにより好ましい。
ヨウ素価は、「JIS K 0070:1992」に記載の方法に準じて測定することができる。
ヨウ素価は、対象となる物質100gと反応するハロゲンの量をヨウ素のグラム数に換算して表す値であるため、ヨウ素価の単位は「g/100g」である。
共役ジエン単量体をモノマーとして使用して重合させた場合、重合後にも二重結合が残っているため、後述するゴム組成物の製造方法において、例えば、共役ジエン単量体とビニル芳香族単量体とを共重合した場合は、ゴム組成物のヨウ素価は、共役ジエン単量体の含有量が低い方が低くなり、また、共役ジエン単量を水素添加する場合は、水素添加率が高い方が、ヨウ素価は低くなる。
ゴム組成物のヨウ素価は、不飽和結合を有する共役ジエン単量体等の添加量、重合時間、重合温度等の重合条件、水素添加工程における水素添加量、水素添加時間等の条件を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
<エチレン構造の含有量>
本実施形態のゴム組成物は、エチレン構造を3質量%以上含有する。
エチレン構造含有量が3質量%以上であることにより機械的強度が優れたものとなる。エチレン構造は5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
また、エチレン構造含有量は、好ましくは90質量%以下であり、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
エチレン構造が90質量%以下であることにより本実施形態のゴム組成物は成形性に優れたものとなる。
ゴム組成物のエチレン構造は、エチレン単量体を共重合して得られるエチレン構造や、共役ジエン単量体を重合後に水素添加して得られるエチレン構造等、様々な態様を含む。
例えば、1,4-ブタジエン単位が水素添加した場合は、二つのエチレン構造が得られ、1,4-イソプレン単位が水素添加された場合は、一つのプロピレン構造と一つのエチレン構造が得られる。
ゴム組成物及び当該ゴム組成物を構成するゴム状重合体のエチレン構造は、後述する実施例に記載する方法により測定することができ、エチレンの添加量、共役ジエン単量体の添加量と水素添加率等により、上記数値範囲に制御することができる。
<ビニル芳香族単量体ブロック含有量>
本実施形態のゴム組成物は、ビニル芳香族単量体ブロック含有量が10質量%以下である。
ビニル芳香族単量体ブロックとは、ビニル芳香族単量体単位が8個以上連鎖しているブロックをいう。
ビニル芳香族単量体ブロック含有量が10質量%以下であると、本実施形態のゴム組成物を用いたシート状又はブロック状の成形体の計量時の裁断性に優れたものとなる。具体的には、ゴム組成物を含むシートやブロック状のベールを大きなカッターで切断する工程において、硬すぎることなく裁断できるという利点がある。
ビニル芳香族単量体ブロック含有量は、7質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
ビニル芳香族単量体ブロックは、ゴム組成物やタイヤ組成物の柔軟性の観点から、ビニル芳香族単量体単位が30個以上連鎖しているブロックの数が、少ないか又はないものであることが好ましい。
ビニル芳香族単量体ブロックの形態は、具体的には、重合体がブタジエン-スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析することができる。その他の方法として、国際公開第2014-133097号公報に記載されているように、NMRを用いてスチレン単位の連鎖を測定すること等の公知の方法で測定できる。
ゴム組成物のビニル芳香族単量体ブロック含有量は、ビニル芳香族単量体の添加方法や極性物質の添加や重合温度等により、上記数値範囲に制御することができる。より具体的には、ビニル芳香族単量体を単独で反応器に供給せず、共役ジエン単量体と一緒に供給するようにすることで、ブロック含有量を低減でき、極性物質の添加量を増やしたり、重合温度を高温にすることでよりビニル芳香族単量体ブロック量を少なくできる傾向にある。
<ビニル芳香族単量体単位の含有量>
本実施形態のゴム組成物は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、成形体の運搬時の耐変形性や、タイヤトレッドに用いた時の破壊強度やウェットスキッド抵抗性の観点から5質量%以上であり、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらにより好ましい。
一方、シート状又はブロック状の成形体の計量時の切断性、溶媒除去工程でゴム成分が凝集し難くする観点、ゴム組成物中の金属量の調整のし易さや、タイヤトレッドに用いた際の省燃費性や耐摩耗性の観点から、ビニル芳香族単量体単位の含有量は、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
また、本実施形態のゴム組成物の製造工程において、複数のゴム状重合体溶液同士を混合してゴム組成物溶液を得る場合、溶液粘度を低下させる観点から、ビニル芳香族単量体単位の含有量は5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。
本実施形態のゴム組成物のビニル芳香族単量体単位の含有量は、後述する実施例に記載する方法により測定でき、重合工程におけるビニル芳香族単量体の添加量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
<ゴム組成物の分子量>
本実施形態のゴム組成物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる分子量分布において、分子量350,000以上に少なくとも1つのピークを有する。
これにより、本実施形態のゴム組成物を用いたタイヤ用成形体は高い耐摩耗性が得られる。より好ましくは、400,000以上に少なくとも1つのピークを有し、450,000以上に少なくともピークを有することがさらに好ましい。
一方で、ゴム組成物のシート成形性の観点から、ゴム組成物中の最も低分子のピーク分子量は220,000以下が好ましく、より好ましくは200,000以下であり、さらに好ましくは180,000以下である。
また、本実施形態のゴム組成物は、分子量5,000~350,000未満に少なくとも1つのピークを有する。ゴム組成物を用いた成形体のべたつき抑制や高い機械強度を得る観点から、本実施形態のゴム組成物の、当該分子量範囲におけるピーク分子量は、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、さらに好ましくは30,000以上である。一方で、ピーク分子量が350,000未満であることにより、ゴム組成物を用いてタイヤ用成形体を加工するときの良好な成形性が得られる。より好ましくは330,000以下であり、さらに好ましくは300,000以下である。
ゴム組成物の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリスチレン換算の分子量から計算でき、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
また、本実施形態のゴム組成物におけるピーク分子量は、ゴム組成物の製造工程において、複数の分子量のゴム状重合体を製造することや、複数種の分岐化剤を添加することや、予め作製した複数種の分子量のゴム状重合体を混合することにより、上記のように制御することができる。
ゴム組成物全体の重量平均分子量は、耐摩耗性の観点から500,000以上が好ましく、550,000以上がより好ましく、600,000以上がさらに好ましい。
<ゴム組成物を構成するゴム状重合体の分岐度>
本実施形態のゴム組成物は、GPC法により求められるゴム状重合体の分子量分布において、350,000以上に少なくとも1つのピークを有し、分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度は3分岐以上である。
350,000以上の分子量のゴム状重合体の平均分岐度は3分岐以上であることにより、本実施形態のゴム組成物を用いて加工するときの良好なシート成形性や、ゴム状重合体同士を混合してゴム組成物溶液を得る場合、良好な混合性が得られる。
分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度は、4分岐以上が好ましく、6分岐以上がより好ましく、10分岐以上がさらに好ましく、12分岐以上がさらにより好ましい。
一方で、タイヤにした時の耐摩耗性の観点から、分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度は、84分岐以下が好ましく、60分岐以下がより好ましく、40分岐以下がさらに好ましく、30分岐以下がさらにより好ましい。
本実施形態を構成するゴム状重合体の分岐度は、粘度検出器付きGPC-光散乱法測定法による収縮因子(g’)の値により、求めることができる。
一般的に、分岐を有する重合体は、同一の絶対分子量である直鎖状の重合体と比較した場合に、分子の大きさが小さくなる傾向にある。
収縮因子(g’)は、想定上同一の絶対分子量である直鎖状重合体に対する、分子の占める大きさの比率の指標である。すなわち、重合体の分岐度が大きくなれば、収縮因子(g’)は小さくなる傾向にある。
本明細書においては、分子の大きさの指標として固有粘度を用い、直鎖状の重合体は、固有粘度[η]=-3.927×M0.743の関係式従うものとして用いる。
ゴム組成物を構成するゴム状重合体の、各分子量のときの収縮因子を算出し、各分子量領域の収縮因子の平均値(平均収縮因子値)から、各分子量領域の平均分岐度を算出求めることができる。
分岐度が上がると、平均収縮因子値は下がる傾向にあり、分岐度が1分岐の場合、その平均収縮因子値0.60以上0.85以下である。また、分岐度が3分岐以上の場合は、その平均収縮因子値は0.60未満であり、分岐度が6分岐以上の場合は、その平均収縮因子値は0.55以下である。
平均収縮因子値は、後述する実施例に記載の方法により測定することができ、これによりゴム状重合体の分岐度を求めることができる。
ここで、「分岐」とは、1つの重合体に対して、他の重合体とが直接的又は間接的に結合することにより形成されるものである。また、「分岐度」は、1の分岐に対して、直接的又は間接的に互いに結合している重合体の数である。例えば、後述する後述のカップリング剤残基を介して間接的に、後述の5つのゴム状重合体鎖が互いに結合している場合には、分岐度は5である。
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体の分岐度は、後述する分岐化剤の種類や添加量とカップリング剤の種類や添加量との組み合わせにより制御することができる。
<分子量35万未満のゴム状重合体の分岐度>
本実施形態のゴム組成物を構成する、分子量350,000未満のゴム状重合体の分岐度は、分子量350,000以上のゴム状重合体の分岐度よりも小さいことが好ましく、具体的には、2分岐以下が好ましく、1がより好ましい。分子量350,000未満のゴム状重合体の分岐度が2分岐以下であることにより、ゴム状重合体溶液同士を混合する際に、良好な混合性が得られる。
<ゴム状重合体の分子量分布>
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体の分子量分布(=重量平均分子量/数平均分子量)は、本実施形態のゴム組成物をタイヤに使用した時の省燃費性の観点から、2.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.8以下がさらに好ましい。
一方、本実施形態のゴム組成物を架橋用ゴム組成物にした時の加工性の観点から、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.4以上がさらに好ましい。
<分子量分布曲線における、所定の分子量範囲の面積比>
本実施形態のゴム組成物の、GPC法により求められる分子量分布曲線において、分子量350,000以上のピーク面積をAA、分子量5,000~350,000未満のピーク面積BAとした時に、AAとBAの合計面積に対するBAの割合(BA/(AA+BA))は50%以上90%以下である。
AAとBAの合計面積に対するBAの割合が50%以上であることにより、ゴム組成物を用いて加工するときに良好なシート成形性が得られる。同様の観点から、BAの割合は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
一方で、AAとBAの合計面積に対するBAの割合が90%以下であることにより、ゴム組成物の高い機械強度や、タイヤにした時の高い耐摩耗性が得られる。機械強度の観点から85%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。
ゴム組成物中の分子量350,000以上のゴム状重合体の存在は、ゴム組成物のシート加工時に悪影響を与え、350,000未満のゴム状重合体の存在は良好な加工性に寄与する。従って、分子量350,000前後の分子量の存在比率を調整することで、ゴム組成物としての十分な加工性を得ることができる。
ゴム組成物の分子量分布は、GPC法によって測定されたポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量から計算でき、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
またゴム組成物のAA及びBAはGPC法により、後述する実施例に記載の方法により算出することができる。
前記割合(BA/(AA+BA))は、本実施形態のゴム組成物の製造工程において、構成するゴム状重合体の分子量、及び比率を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
本実施形態のゴム組成物においては、GPC分子量分布曲線において、最も高分子量のピークトップ分子量Mpは、650,000以上であることが好ましい。
前記Mpが、650,000以上であることにより、優れた耐摩耗性の効果が得られる。
前記ピークトップ分子量Mpは、680,000以上あることがより好ましく、700,000以上であることがさらに好ましい。
前記ピークトップ分子量Mpは、重合開始剤の添加量を下げることやカップリング剤の分岐度を上げることにより、上記数値範囲に制御することができる。
<ゴム状重合体に不飽和基を含有させる単量体単位>
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体は、共役ジエン単量体単位やミルセン等の他にも、不飽和基を有する単量体単位を2質量%以上含有することが好ましい。
経済性や製造性の観点から、本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体は、共役ジエン単量体単位を含有することがより好ましい。
共役ジエン単量体単位やミルセンは二重結合を有しているため、得られるゴム状重合体は架橋可能な不飽和基となる。
ゴム組成物における共役ジエン単量体単位やミルセン等の不飽和基を有する単量体単位の含有量は、上述したヨウ素価と密接に関係している。
共役ジエン単量体単位やミルセン等の不飽和基を有する単量体単位の含有量が2質量%以上であることにより、架橋のしやすさの観点で優れたものとなる。共役ジエン単量体単位の含有量はより好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上である。
また、共役ジエン単量体単位やミルセン等の不飽和基を有する単量体単位の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましく30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。この場合、耐候性や耐経年劣化性が優れたものとなる。
共役ジエン単量体単位やミルセン等の不飽和基を有する単量体単位の中では、経済性や製造性の観点で、共役ジエン単量体単位が好ましい。
ゴム状重合体の共役ジエン単量体単位やミルセン等の不飽和基を有する単量体単位の含有量は、後述する実施例に記載する方法により測定することができ、後述する共役ジエン単量体単位やミルセン等の不飽和基を有する単量体の添加量や、共役ジエン単量体の水素添加率により、上記数値範囲に制御することができる。
ゴム組成物の、水素添加率、エチレン、共役ジエン単量体、ミルセン及びビニル芳香族単量体等の単量体の分子間や分子内の分布は、特に限定されず、均一でも、不均一でも、分布があってもよい
<ゴム組成物のα-オレフィンの含有量>
本実施形態のゴム組成物は、ビニル芳香族単量単位を除いた全ての単量体単位中のα-オレフィンの含有量が、ゴム状重合体の生産性の観点から、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。
一方で、タイヤに用いた際の機械強度の観点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましく、50質量%以下がさらにより好ましい。
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体を、共役ジエン単量体の重合体又は共重合体を水素添加して製造する場合、α-オレフィンの含有量は、水素添加反応前の共役ジエン単量体含有量やビニル結合量や水素添加率を調整することによって制御できる。
具体的には、1,2-ビニルブタジエンが水素添加されるとブチレンとなり、α-オレフィン構造となる。
ゴム状重合体のα-オレフィン含有量は実施例に記載の方法で測定することができる。
<ゴム組成物を構成するゴム状重合体の変性>
本実施形態のゴム組成物は、タイヤにした時の省燃費性の観点から、当該ゴム組成物を構成するゴム状重合体が、スズ原子又は窒素原子を含有することが好ましく、窒素原子を含有することがより好ましい。
本実施形態のゴム組成物は、カラム吸着GPC法で測定される変性率が20質量%以上であることは好ましい。変性率が20質量%以上であることにより、優れた省燃費性能が得られる。ゴム組成物の変性率は、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。
本実施形態のゴム組成物の変性率は、ゴム組成物を構成するゴム状重合体に対する変性剤の添加量、変性工程時間を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
本実施形態のゴム組成物は、シリカを用いた材料によりタイヤに製造する際のシリカの分散性の観点から、GPC法で測定される分子量350,000以上のゴム状重合体の変性率が、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
本明細書中、ゴム状重合体の変性が窒素変性の場合、「(窒素)変性率」は、ゴム組成物の総量に対する窒素原子含有官能基を有する重合体の質量比率を表す。
本実施形態のゴム組成物における分子量350,000以上のゴム状重合体中への窒素原子の導入位置は、ゴム状重合体の重合開始末端、分子鎖中(グラフト生成物を含む)、及び重合末端のいずれであってもよい。
本実施形態のゴム組成物を構成する分子量350,000以上のゴム状重合体が、共役ジエン単量体の水素添加物の場合は、重合生産性や高い変性率を得る観点や、タイヤにした時の耐摩耗性及び省燃費性の観点から、窒素原子を含有するカップリング効果を持つ変性剤を用いて、窒素原子をゴム状重合体に導入し、分子量350,000以上の変性ゴム状重合体を得る方法を適用することが好ましい。
なお、本明細書中、「カップリング効果を持つ変性剤」とは前述の窒素元素を含有し、ゴム状重合体と反応することができる化合物のことを示す。
カップリング効果をもつ変性剤としては、重合生産性や高い変性率の観点から、イソシアナート化合物、イソチオシアナート化合物、イソシアヌル酸誘導体、窒素基含有カルボニル化合物、窒素基含有ビニル化合物、窒素基含有エポキシ化合物、窒素基含有アルコキシシラン化合物等が好ましい。
これらのカップリング効果をもつ変性剤としては、分子量350,000以上のゴム状重合体の重合生産性や高い変性率を得る観点やタイヤにした時の引張強度の観点から、窒素基含有アルコキシシラン化合物がより好ましい。
窒素基含有アルコキシシラン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジメトキシ-1-(4-トリメトキシシリルブチル)-1-アザ-2-シラシクロヘキサン、2,2-ジメトキシ-1-(5-トリメトキシシリルペンチル)-1-アザ-2-シラシクロヘプタン、2,2-ジメトキシ-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ,2-メチル-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-エトキシ,2-エチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ,2-メチル-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、及び2-エトキシ,2-エチル-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2-トリメトキシシリルエチル)アミン、及びトリス(4-トリメトキシシリルブチル)アミン、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びN1-(3-(ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N1-メチル-N3-(3-(メチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N3-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,3-プロパンジアミン、3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシランが挙げられる。
本実施形態のゴム組成物を構成する分子量350,000以上のゴム状重合体が、エチレンと共役ジエン単量体を共重合して製造されるものである場合は、本実施形態のゴム組成物において、含有金属量を所望の値に制御しやすい利点がある。
また、本実施形態のゴム組成物をタイヤに用いた時の省燃費性や耐摩耗性や柔軟性の観点から、分子量350,000以上のゴム状重合体は、スズ原子、窒素原子、及びや珪素原子の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
分子量350,000以上のゴム状重合体の製造性の観点から、重合反応の転化率が100%に達した際に、スズ原子や窒素原子や珪素原子を含有するカップリング剤を用いて導入する方法が好ましい。
スズ原子、窒素原子又は珪素原子を含有するカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビス(マレイン酸-1-オクタデシル)ジオクチルスズ等のスズ含有化合物、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。
本実施形態のゴム組成物を構成する分子量5,000~350,000未満のゴム状重合体は、ゴム組成物を用いタイヤ組成物を加工する際の補強材の分散性の観点から、補強材と親和性の高い官能基を有することが好ましい。例えば、本実施形態のゴム組成物にシリカを含有させた材料を用いたタイヤを製造する場合、ゴム状重合体の官能基としては、アルコキシシリル基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、メルカプト基等が好ましいが、これに限らない。より好ましくは、アルコキシシリル基、アミノ基である。
以下、本明細書中では炭素及び水素元素以外の元素を有する化合物を「官能基化剤」と表記する。
官能基化剤として変性剤を用いる場合、省燃費性の観点から分子量5,000~350,000未満のゴム状重合体の変性率は40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。分子量5,000~350,000未満のゴム状重合体の変性率は後述の実施例に記載の方法で算出することができる。
分子量5,000~350,000未満のゴム状重合体への官能基の導入方法は、重合生産性の観点から、ゴム状重合体の活性末端と官能基化剤を反応させることが好ましい。官能基化剤はカップリング効果を有してもよいが、カップリングをした場合、分子量を当該の範囲内にとどめるために、重合開始剤を多く添加する必要があり、コストの観点から好ましくない。したがって、分子量5,000~350,000未満のゴム状重合体への官能基の導入方法はカップリング機能を有していない官能基化剤を使用する、または、カップリング機能を有する官能基化剤の添加量を活性重合末端に対して同等以上のmol比で添加することが好ましい。
官能基化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジメトキシ-1-(4-トリメトキシシリルブチル)-1-アザ-2-シラシクロヘキサン、2,2-ジメトキシ-1-(5-トリメトキシシリルペンチル)-1-アザ-2-シラシクロヘプタン、2,2-ジメトキシ-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ,2-メチル-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-エトキシ-2-エチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ-2-メチル-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-エトキシ-2-エチル-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2-トリメトキシシリルエチル)アミン、トリス(4-トリメトキシシリルブチル)アミン、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、N1-(3-(ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N1-メチル-N3-(3-(メチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N3-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,3-プロパンジアミン、1-ブチル-2-ピロリドン、1-シクロヘキシル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジヒドロ-2,5-フランジオン、2,2-ジメチルこはく酸無水物、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、フタル酸無水物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリメトキシメチルシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジメトキジメチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシヂメチルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシデカン等が挙げられる。
<ゴム組成物のケイ素含有量>
本実施形態のゴム組成物は、ケイ素含有量が50ppm以上であることが好ましい。ケイ素含有量が50ppm以上であることによりゴムと補強材との相互作用が強まり優れた引張強度が得られる。
ゴム組成物のケイ素含有量は、100ppm以上がより好ましく、150ppm以上がさらに好ましい。
ゴム組成物のケイ素含有量は、ケイ素含有カップリング剤の添加量により上記数値範囲に制御できる。
<ムーニー緩和率(MSR)>
本実施形態のゴム組成物は、100℃で測定されるムーニー緩和率が、ゴム組成物を用いて加工するときの良好な加工性の観点から、0.7以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.5以下がさらに好ましい。
ムーニー緩和率は、ゴム状重合体の分子の絡み合いの指標となり、低いほど分子の絡み合いが多いことを意味し、ゴム組成物を構成するゴム状重合体の分子量を大きくしたり、上述するカップリング剤や分岐化剤等で分岐度を高くしたり、ゴム用軟化剤の添加量を低くしてムーニー粘度を高くさせることで、低くすることができる。
ムーニー緩和率は、ゴム組成物を、100℃で1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、その4分後のトルクからムーニー粘度(ML(1+4))を測定した後に、即座にローターの回転を停止させ、停止後1.6秒間~5秒間の0.1秒ごとのトルクをムーニー単位で記録し、トルクと時間(秒)とを両対数プロットした際の直線の傾きを求め、その絶対値をムーニー緩和率とすることで求めることができる。
より具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
<ガラス転移温度>
本実施形態のゴム組成物は、タイヤにした時の引張強度の観点から、ガラス転移温度が、-90℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましく、-75℃以上がさらに好ましい。
一方、タイヤ製造時のシートの耐切れ性やタイヤにした時の柔軟性の観点から、-15℃以下が好ましく、-30℃以下がより好ましく、-40℃以下がさらに好ましい。
ガラス転移温度については、ISO 22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
本実施形態のゴム組成物のガラス転移温度は、ゴム組成物を構成するゴム状重合体のビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の組成比、ヨウ素価を調整することにより制御できる。
ガラス転移温度を制御する方法は特に限定されないが、例えば、ビニル芳香族化合物の組成比を増やすことによりガラス転移温度を上げることができ、共役ジエン化合物中の1,2-結合の組成比を増やすことによりガラス転移温度を上げることができる。より具体的には、重合体中のビニル芳香族単量体単位の含有量が20質量%以上の場合、ヨウ素価を38~94程度にすることにより、ガラス転移温度を-50℃以上にすることができる。
他方、ヨウ素価を110に設定する場合は、ビニル芳香族単量体単位の含有量を20質量%以上にすることにより、ガラス転移温度を-50℃以上にすることができる。
<ムーニー粘度>
ゴム状重合体やゴム組成物のムーニー粘度は、分子量、分子量分布、分岐度、軟化剤の含有量等の情報を含んだ指標となる。
本実施形態のゴム組成物の100℃で測定されるムーニー粘度は、架橋用ゴム組成物をタイヤに用いた時の耐摩耗性、操縦安定性、破壊強度の観点から、50以上が好ましく、70以上がより好ましく、90以上がさらに好ましい。
一方、本実施形態のゴム組成物の生産性、充填剤等を配合した組成物としたときの加工性の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましく、110以下がさらにより好ましい。
ムーニー粘度の測定方法は、ISO289に規定されている方法を適用できる。
ゴム組成物のムーニー粘度は、重合開始剤の添加量や、カップリング機能を有する官能基化剤の添加量、種類を調整することにより制御することができる。
<ゴム用軟化剤>
本実施形態のゴム組成物は、必要に応じてゴム用軟化剤を含有してもよい。
ゴム用軟化剤の含有量は30質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のゴム組成物において、タイヤ製造時の無機充填剤等を配合したときの加工性を改善するために、ゴム用軟化剤の添加量は1~30質量%であることが好ましい。
ゴム組成物を構成するゴム状重合体の分子量が高い場合、例えば重量平均分子量が100万を超える場合などは、ゴム用軟化剤の添加量を15~30質量%とすることが好ましく、一方充填剤を配合した組成物とする場合の配合の自由度を広げる観点からはゴム用軟化剤の添加量は、1~15質量%であることが好ましい。
本実施形態のゴム組成物中のゴム用軟化剤の含有量は、タイヤにした時の経年劣化を抑制する観点から、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がさらにより好ましい。
ゴム用軟化剤としては、特に限定されないが、例えば、伸展油、低分子のゴム状重合体、樹脂等が挙げられるが、加工性や生産性や経済性の観点から、伸展油が好ましい。また、タイヤ組成物の耐摩耗性の観点から架橋に寄与することができる低分子のゴム状重合体が好ましい。
ゴム用軟化剤を本実施形態のゴム組成物に添加する方法としては、以下のものに限定されないが、ゴム用軟化剤を重合体溶液に加え、混合して、ゴム用軟化剤含有の重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。
好ましい伸展油としては、以下に限定されないが、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。
これらの中でも、環境安全上の観点、並びにオイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)、MES(Mild Extraction Solvate)等の他、RAE(Residual Aromatic Extracts)が挙げられる。
<その他の添加剤>
本実施形態のゴム組成物は、必要に応じて、酸化防止剤等の種々の添加剤を用いてもよい。
〔ゴム組成物の製造方法〕
本実施形態のゴム組成物、及び当該ゴム組成物を構成するゴム状重合体は、分子構造の制御が容易な観点から、アニオン重合で製造することが好ましく、少なくとも共役ジエン単量体を重合又は共重合した共役ジエン系重合体に重合体中の二重結合の一部又は大部分を水素化(水素添加)してもよい。
本実施形態のゴム組成物及びこれを構成するゴム状重合体の製造方法に関し、少なくとも共役ジエン単量体を重合又は後述する他の単量体と共重合した共役ジエン系重合体中の二重結合の一部又は大部分を水素化(水素添加)を行わない製造方法としては、例えば、国際公開第2019/078083号公報、国際公開第2019/111496号公報、国際公開第2019/142501号公報、国際公開2019/171679号公報、国際公開第2019/216100号公報に記載されている配位重合法で製造する方法が挙げられる。
一方において、共役ジエン単量体を重合又は共重合した後に水素添加する方法としては、例えば、国際公開第96/05250号公報、特開2000-053706号公報、国際公開第2003/085010号公報、国際公開第2019/151126号公報、国際公開第2019/151127号公報、国際公開第2002/002663号公報、国際公開第2015/006179号公報に記載されているように、種々の添加剤や条件のもとに、アニオン重合で共役ジエン単量体を重合、必要に応じてその他の単量体と共重合した後に水素添加する方法が挙げられる。
これらにおいて重合時添加するビニル芳香族単量体、エチレン、α-オレフィン、共役ジエン単量体、及びその他の単量体は、同じであることが好ましい。
上記の重合工程や水添工程は、各々、バッチ式あるいは連続式のいずれで行ってもよい。
共役ジエン単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、及び1,3-ヘプタジエン等が挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3-ブタジエンやイソプレンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記他の単量体は、特に限定されないが、タイヤにした時の機械強度の観点から、ビニル芳香族単量体を用いることが好ましい。
ビニル芳香族単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4-ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、N,N-ジメチルアミノメチルスチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレン(例えば、1-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-1-フェニルエチレン)等が挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記のビニル芳香族単量体の他にも、必要に応じてその他の単量体を用いることができる。
その他の単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸、α,β―不飽和ニトリル化合物、α-オレフィン(ブチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン等)、エチレン、ミルセン、エチリデンノルボルネン、イソプロピリデンノルボルネン、シクロペンタジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
<分岐化工程>
本実施形態のゴム組成物の製造工程においては、ゴム組成物を構成するゴム状重合体の分岐度を調整する工程を実施してもよい。
ゴム状重合体の分岐度を上げる方法として、上述したカップリング剤に加えて、必要に応じて下記のアルコキシシリル基及び/又はハロシリル基を含むビニル系単量体に由来する化合物(以下、分岐化剤)を用いる方法が挙げられる。
アルコキシシリル基及び/又はハロシリル基を含むビニル系単量体としては、特に制限されないが、例えば、下記式(1)又は式(2)で表される化合物が挙げられる。
分岐化剤を重合工程中に添加し、その後、単量体を添加して重合を継続することにより、分岐点により分岐した高分子鎖を伸長させることができる。そして、その後に、上述した変性剤やカップリング剤等を添加し、変性工程を実施してもよい。
Figure 2022048469000001
(式(1)中、R1は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を示し、
2及びR3は、各々独立して、炭素数1~20のアルキル基、又は炭素数6~20のアリール基を示し、
1は、各々独立して、ハロゲン原子を示し、
mは、0~2の整数を示し、nは、0~3の整数を示し、lは、0~3の整数を示し、(m+n+l)は、3である。)
Figure 2022048469000002
(式(2)中、R2~R5は、各々独立して、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基を示し、
2~X3は、各々独立して、ハロゲン原子を示し、
mは、0~2の整数を示し、nは、0~3の整数を示し、lは、0~3の整数を示し、(m+n+l)は、3であり、
aは、0~2の整数を示し、bは、0~3の整数を示し、cは、0~3の整数を示し、(a+b+c)は、3である。)
これらの分岐化剤を用いたとき、アルコキシシリル基及び/又はハロシリル基を含むビニル系単量体に由来する部分により形成される分岐点は、29Si-NMRにより検出することができる。より具体的には、これら分岐点は、29Si-NMRにおいて、-45ppmから-65ppmの範囲、さらに限定的には-50ppmから-60ppmの範囲に分岐構造由来のピークを示す。
<ゴム組成物のピークトップ分子量の調整方法>
本実施形態のゴム組成物は、GPC分析において、分子量350,000以上にピークを少なくとも1つ有する。また、分子量5,000以上350,000未満にピークを少なくとも1つ有する。
本実施形態のゴム組成物中における分子量の調整方法は特に限定されないが、例えば、2種類以上のゴム状重合体を溶液ブレンドする方法、分岐数が異なる2種類以上の官能基化剤を活性重合末端に添加する方法、ゴム状重合体の重合中に、全ての原料が消費される前に官能基化剤、又は重合開始剤を反応器へ添加する方法が挙げられる。
ゴム組成物の生産性の観点から、分岐数が異なる2種類以上の官能基化剤を活性重合末端に添加する方法が好ましい。また、ゴム組成物の分子量の調整の簡便性から、2種類以上のゴム状重合体を溶液ブレンドする方法が好ましい。
<ゴム組成物を構成するゴム状重合体の重合工程の後工程>
本実施形態のゴム組成物の製造工程においては、ゴム組成物を構成するゴム状重合体の重合工程の後に、官能基化剤、重合失活剤、中和剤等を添加する工程を実施することが好ましい。
重合失活剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。
ゴム状重合体の重合中に分岐化剤を添加しない場合には、ゴム状重合体の重合工程の後にカップリング剤を添加する工程は必須である。カップリング剤は、重合反応が完結し重合成長末端の活性が維持されている状態で添加することによりゴム状重合体に分岐構造を付与することができる。カップリング剤として、残基にも官能基を含むものを使用する場合、カップリング反応で分岐を形成することと同時に、重合体を変性することが可能である。
中和剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸(炭素数9~11個で、10個を中心とする、分岐の多いカルボン酸混合物)等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガスが挙げられる。
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体の重合工程の後には、ゲル生成の防止や加工安定性の観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。
ゴム用安定剤としては、以下のものに限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(以下「BHT」とも記す。)、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピネート、2-メチル-4,6-ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましいものとして挙げられる。
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体の重合工程の後には、必要に応じてゴム用軟化剤を含有してもよい。
本実施形態のゴム組成物を構成するゴム状重合体の重合工程の後に、必要に応じて、さらに各種添加剤を加えることができる。
当該添加剤としては、下記に示す充填剤、タッキファイヤーとしての樹脂成分等をマスターバッチとして成形前の工程で加えることができる。その場合、添加剤は15質量%以下であることが好ましい。
<ゴム組成物を構成するゴム状重合体の重合溶液からの溶媒除去工程>
本実施形態のゴム組成物の製造方法において、ゴム状重合体の重合体溶液から溶媒を除去する方法としては、例えば、フラッシング、スチームストリッピング、脱水後の乾燥コンベア、脱揮押出機、ドラムドライヤー及び脱揮ニーダー等を利用する方法が挙げられる。
熱履歴が小さい観点から、少なくとも、スチームストリッピングを用いる方法が好ましい。
スチームストリッピングやその前後の処理方法としては、例えば、特開平10-168101号公報、特開平10-204136公報、国際公開第2013-146530号公報、特開2019-131810号公報等に記載されている方法が挙げられる。
本実施形態のゴム組成物の製造方法においては、押出乾燥工程の前に、重合体溶液から溶剤をスチームストリッピングにより除去する脱溶媒工程、重合体のスラリーからストリッピング水と分離して、含水クラムを取り出すスクリーニング工程を実施することが好ましい。
また、スチームストリッピングの前に、溶液濃度を上げるために、フラッシング工程を設けてもよい。
押出乾燥工程の前に、ゴム状重合体溶液から溶剤をスチームストリッピングにより除去する脱溶媒工程を実施することにより、溶剤を含まず、水分を含んだ多孔質の粒状のクラムが熱水中に分散したスラリーが得られる。
ゴム状重合体のスラリーからストリッピング水と分離して含水クラムを取り出すスクリーニング工程を実施することにより、水分を含んだ多孔質の粒状のクラムを得ることができる。
また、必要により、ロール、スクリュー圧縮絞り機等で脱水する絞り脱水工程を実施することが好ましい。これらの脱水工程により、押出乾燥工程の前段階で、含水率をより少なくした含水クラムを得ることができる。
本実施形態のゴム組成物の残存溶媒は、臭気やVOC削減の観点から、低い方が好ましく、5000ppm以下が好ましく、3000ppm以下がより好ましく、1500ppm以下がさらに好ましい。また、経済性のバランスの観点から、50ppmm以上が好ましく、150ppm以上がより好ましく、300ppm以上がさらに好ましい。
本実施形態のゴム組成物中の水分の含有量は、0.05質量%以上1.5質量%以下が好ましい。ゴム組成物中の水分は溶媒除去後の乾燥時のゲル抑制の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がさらに好ましい。一方、ゴム組成物中の結露抑制や耐変色性の観点から、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい。
〔ゴム組成物成形体の製造方法〕
本実施形態のゴム組成物成形体の製造方法は、本実施形態のゴム組成物を製造する工程と、当該ゴム組成物を用いて成形する工程とを有する。
なお、成形するゴム組成物は、後述するように、架橋剤を含有する架橋用ゴム組成物であってもよい。
ゴム組成物は、分子量350,000以上にピークトップを有するゴム状重合体Aを重合する工程と、分子量5,000~350,000未満にピークトップを有するゴム状重合体Bを重合する工程と、ゴム状重合体A及びゴム状重合体Bを溶液中で混合し、混合溶液を得る工程と、前記混合溶液から溶媒を除去する工程とにより、製造することができる。
また、ゴム組成物は、単一の反応器で分子量350,000以上にピークトップを有するゴム状重合体Aを重合する工程と、分子量5,000~350,000未満にピークトップを有するゴム状重合体Bを重合する工程と、分岐度の異なる2種類以上の官能基化剤を、前記ゴム状重合体A、前記ゴム状重合体Bのそれぞれに添加し、重合鎖末端を官能基化する工程と、を有し、重合溶液から溶媒を除去することにより製造してもよい。
(ゴム組成物成形体の成形方法)
本実施形態のゴム組成物成形体は、取扱い性の観点で、シート状あるいはブロック状の成形体であることが好ましい。ブロック状の方がより好ましく、1,000cm3以上のブロック状(ベール)がさらに好ましい。17.5kgから35kgの直方体型ベールがさらにより好ましい。
成形方法は、比表面積が0.7m2/g~3.2m2/gであるゴム組成物のクラムを作製し、クラムを圧縮成形する方法が好ましい。成形性の観点から、成形前に、クラムをふるい分ける工程をさらに有することが好ましい。
ゴム組成物のクラムを圧縮成形する際に、クラムも同士が密着する場合があるため、成形体の比表面積はクラムの比表面積に比べて低くなる。圧縮成形時のクラムの密着性は、ゴム状重合体の分子量や組成や構造、ゴム用軟化剤組成、圧縮時の温度、圧力によって調整することができ、例えばクラムの密着性を上げてベールの比表面積を下げたい場合には、ゴム状重合体の分子量を下げる、ゴム用軟化剤量を増やす、圧縮時の温度及び圧力を上げる等の条件を選択することが好ましい。
ゴム組成物成形体の比表面積は、好ましくは0.005~0.05m2/gであり、より好ましくは、フィルム包装性の観点から0.01~0.04m2/gである。成形体の比表面積が0.005m2/g以上であることによりベールの膨張が抑えられ、成形体の比表面積が0.05m2/g以下であることにより成形体からのクラムの剥離が低減する。
成形体の比表面積はBET法により求めることができる。
通常、大きなサイズ成形体の比表面積は場所によって異なることがあるため、成形体の中央部付近から採取することが好ましい。
クラムは成形する前に、粒径別にふるい分けした後に、適切な量比で混合することが好ましい。
脱溶剤後のクラムをそのまま用いて成形された成形体の比表面積が上記範囲の上限を超える場合は、ふるい分けされたクラムのうち、大粒径のクラム組成を増やして小粒径のクラム組成を減らすとよく、下限に満たない場合は大粒径のクラム組成を減らして、小粒径のクラムを増やすとよい。
成形体の成形圧縮圧力は、好ましくは3~40MPa、より好ましくは10~25MPaである。
成形時の圧縮圧力が30MPa以下では装置をコンパクトに設計することができ、設置効率がよく、成形時の圧縮圧力が3MPa以上では成形性が良好である。成形性が良い場合は、成形体の表面が滑らかで、成形工程以降での重合体の剥離が無く、成形後の膨張が抑えられる傾向にある。
成形時のゴム状重合体の温度は30~140℃が好ましく、より好ましくは残溶剤低減と熱劣化抑制の観点から50~100℃である。成形時のゴム組成物の温度が30℃以上では、成形性がよく、一方で、温度が140℃以下では、ゴム組成物の熱劣化によるゲル生成が抑えられるため好ましい。
成形時の温度及び圧力は高い程、ベールの比表面積は小さくなる。
成形時の保圧時間は、好ましくは3~30秒で、より好ましくは5~20秒である。圧縮時の保圧時間が30秒以下では生産効率がよく、5秒以上では成形性がよい。
成形体同士の密着を避けるために樹脂フィルム(包装シート)で包装することが好ましい。
フィルムの樹脂の種類は、例えば、ポリエチレン、エチレン共重合体樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、PETが挙げられる。
成形体の運搬時の取扱い性や、包装シートとベールの間隙に結露が発生し難いという観点からで、包装シートの密着性が高いことが好ましい。
ゴム組成物成形体は運送用の容器に収納される。
成形後1日経過後の成形体の膨張率が5%未満であると、容器への収納性が良く、好ましい。
(ゴム組成物、ゴム組成物成形体に含有できるその他の成分)
本実施形態のゴム組成物成形体は、より高い機械強度等の観点から、架橋剤を添加し、架橋用ゴム組成物を作製して、架橋後に架橋体として、種々の用途に用いることもできる。
また、本実施形態のゴム組成物、架橋用ゴム組成物、ゴム組成物成形体は、更に必要に応じて、その他のゴム、充填剤、架橋剤、等を含むことができる。
その他のゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スチレン-ブタジエンゴム(乳化重合タイヤや溶液重合タイプ)、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエンゴム(ハイシスポリブタジエン、ローシスポリブタジエン、シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム(EPM)等のエチレン-α-オレフィン共重合体ゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、及び、本実施形態のゴム組成物とは異なるヨウ素化が10~270、エチレン構造量が3質量%以上、ビニル芳香族単量体ブロックが10質量%以下のゴム状共重合体が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。混合は、重合後にドライの重合体を混合しても、重合中に溶液状態で混合してもよい。
少なくとも、本実施形態のゴム組成物を用いたタイヤ組成物成形体は、引張強度や、引張伸びの観点から、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して、樹脂を、3~40質量部を含有することが好ましい。引張エネルギーの観点で、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。一方、ゴム組成物の混合時の容易性の観点から、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましい。
樹脂は、室温(23℃)において固体で、炭素と水素を本質的にベースとする(他の原子も含み得る)化合物である。
樹脂は、脂肪族、脂環式、芳香族、水素化芳香族、脂肪族及び/又は芳香族モノマーをベースとし得る脂肪族/芳香族が例示される。樹脂は、石油樹脂としても、石油系でない天然又は合成樹脂でもよい。
樹脂は、シクロペンタジエン(CPD)のホモポリマー又はコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)のホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分のホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分のホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンのホモポリマー又はコポリマー樹脂及びこれらの樹脂のブレンドからなる群から選ばれる炭化水素樹脂を挙げることができる。上記のコポリマー樹脂のうちでは、さらに詳細には、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、及びこれらの樹脂のブレンドからなる群から選ばれるコポリマーが好ましい。樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂は、引張強度や、引張伸びの点で、ガラス転移温度が、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。一方、架橋用ゴム組成物の混合時の容易性の点で、ガラス転移温度は100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
本実施形態のゴム組成物を含むタイヤ組成物は、補強性の向上の観点で、充填剤を用いることができる。
充填剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、10~130質量部が好ましく、30~90質量部がより好ましい。
なお、ここで、ゴム成分とは、本実施形態の組成物を構成するゴム状重合体の他にも、上述したその他のゴムを含む。
充填剤の配合量が10質量部以上では、充填剤を配合したことによる補強性向上の効果が得られ、また、130質量部以下であることにより、タイヤにした時の省燃費性の大幅な低下を回避しつつ、良好な作業性を保持することができる。
充填剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化 マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等が挙げられるが、これらの中でも、カーボンブラックを用いることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FEF、GPF、SRF、HAF、N339、IISAF、ISAF、SAFなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K6217-2:2001に準拠して測定する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択 することができる。
これらの充填剤の中では、架橋用ゴム組成物をタイヤタイヤトレッドにした時の省燃費性や、ウェットスキッド抵抗性の観点からで、シリカが好ましい。沈降性シリカがより好ましい。
また、本実施形態の架橋用ゴム組成物中のシリカの添加量としては、ゴム成分100質量部に対し、省燃費性や、ウェットスキッド抵抗性の観点から、40~120質量部が好ましい。50~100質量部がより好ましく、60~80質量部がさらに好ましい。
本実施形態のゴム組成物、架橋用ゴム組成物、ゴム組成物成形体は、充填剤の分散性の改善や架橋体の引張物性強度の観点で、シランカップリング剤を含んでもよい。
シランカップリング剤は、ゴム成分と無機充填剤との相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分及び充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、硫黄結合部分とアルコキシシリル基又はシラノール基部分とを一分子中に有する化合物が好ましい。
このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビス-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-ジスルフィド、ビス-[2-(トリエトキシシリル)-エチル]-テトラスルフィド、S-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]オクタンチオエート及びS-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]オクタンチオエートと[(トリエトキシシリル)-プロピル]チオールの縮合物、少なくとも1個のチオール(-SH)官能基(メルカプトシランと称する)及び/又は、少なくとも1個のマスクトチオール基を担持するシラン類が挙げられる。
タイヤ組成物中のシランカップリング剤の含有量は、上述した充填剤100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上20質量部以下がより好ましく、1.0質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる傾向にある。
〔架橋用ゴム組成物〕
本実施形態の架橋用ゴム組成物は、
本実施形態のゴム組成物と、架橋剤とを含有し、前記架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下含有する。
なお、ゴム成分とは、本実施形態の組成物を構成するゴム状重合体の他にも、上述したその他のゴムを含む。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム-ニトロソアミン系架橋剤等が挙げられ、これらを併用してもよい。
なお、タイヤ用ゴム組成物としては、これらの中でも硫黄系架橋剤(加硫剤)がより好ましい。特に硫黄がさらに好ましい。
架橋用ゴム組成物中の架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であり高い引張強度や早い架橋速度の観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。一方、架橋ムラの抑制や高い引張強度の観点から、20質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましい。
架橋用ゴム組成物においては、加硫剤に更に、加硫促進剤を併用することもできる。
前記加硫促進剤としては、例えば、グアニジン系、アルデヒドーアミン系、アルデヒドーアンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が挙げられる。
また、架橋用ゴム組成物には、上述した以外の、その他の軟化剤及び充填剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤等の各種添加剤を用いてもよい。その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。その他の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウムが挙げられる。上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、潤滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
(架橋用組成物の混練り方法)
ゴム成分、シリカ系無機充填剤、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤を混合する方法については、以下のものに限定されないが、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法が挙げられる。これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の点から好ましい。また、ゴム成分とその他の充填剤、シランカップリング剤、及び添加剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
〔用途〕
本実施形態のゴム組成物は、好ましくは架橋用ゴム組成物として、タイヤ部材、自動車の内装及び外装品、防振ゴム、ベルト、履物、発泡体、各種工業用品用途等に利用できる。
これらの中でも、タイヤ部品に好適に用いられる。
タイヤ部材としては、省燃費タイヤ、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、スノー用タイヤ、スタッドレスタイヤ等の各種タイヤ:タイヤトレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等のタイヤ各部位への利用が可能である。特に、タイヤ部材としては、加硫物としたときに耐摩耗性能、省燃費性、ウェットスキッド抵抗性及びスノー性能とのバランスに優れているため、省燃費タイヤや高性能タイヤ用、スノー用タイヤのタイヤトレッド用として、好適に用いられる。
タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫の架橋用ゴム組成物及びコードよりなる群から選択される少なくとも1つのカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)を製造することができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態は以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例における各種の物性は下記に示す方法により測定した。
(水素添加前のゴム状重合体の、ブタジエン部分のミクロ構造(1,2-ビニル結合量))
試料として、水素添加前のゴム状重合体50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600~1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,2-ビニル結合量(mol%)を求めた(測定装置:日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT-IR230」)。
(ゴム状重合体及びゴム組成物のピークトップ分子量(Mp))
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線に基づいてピークトップ分子量(Mp)を求めた。
溶離液は、5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを使用した。
カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperH-H」、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel SuperH5000」、「TSKgel SuperH6000」、「TSKgel SuperH7000」を使用した。
オーブン温度40℃、THF流量0.6mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製の商品名「HLC8020」)を用いた。
測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液20μLをGPC測定装置に注入して測定した。
(ゴム状重合体及びゴム組成物の重合体ムーニー粘度(ML)、及びムーニー粘度緩和率(MSR))
ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、ISO 289に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度(ML)を測定した。
測定温度は100℃とした。
まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。
ムーニー測定後、ムーニー粘度計のローターの回転を止め、ローターにかかるトルクの衰弱を緩和時間に対して両対数でプロットし、その傾きからムーニー粘度緩和率(MSR)を算出した。
(ゴム状重合体及びゴム組成物の変性率)
カラム吸着GPC法で以下のとおり測定した。窒素原子含有官能基で変性したゴム状重合体及びゴム組成物がカラムに吸着する特性を利用し、測定した。
試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系カラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムと、の差分よりシリカ系カラムへの吸着量を測定し、変性率を求めた。
具体的には、以下に示すとおりである。
試料溶液の調製 :
試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とした。
5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを溶離液として用い、試料溶液20μLを装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperH-H」、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel SuperH5000」、「TSKgel SuperH6000」、「TSKgel SuperH7000」を使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量0.6mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製 HLC8020)を用いて測定しクロマトグラムを得た。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:
東ソー社製の商品名「HLC-8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、商品名「Zorbax PSM-1000S」、「PSM-300S」、「PSM-60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用した。
変性率の計算方法 :
ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1-(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
(ゴム状重合体及びゴム組成物の分子量350,000以上の領域の変性率)
ゴム状重合体及びゴム組成物の分子量350,000以上の領域の変性率は先述の変性率と同様の手法で、分子量350,000以上の領域に限って算出した。
分子量350,000以上の領域の変性率を算出するにあたって、事前にシリカ系カラムを用いたGPCで、標準ポリスチレンを使用した検量線を作成した。
分子量350,000以上の領域の変性率の計算方法
:ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料中の350,000以上のピーク面積をQ1、標準ポリスチレンのピーク面積をQ2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料中の350,000以上のピーク面積をQ3、標準ポリスチレンのピーク面積をQ4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1-(Q2×Q3)/(Q1×Q4)]×100
(ただし、Q1+Q2=Q3+Q4=100)
(ゴム状重合体及びゴム組成物のケイ素含有量)
ゴム状重合体及びゴム組成物を試料として、ICP質量分析装置(アジレント・テクノロジー社製Agilnet7700s)を用いて、ケイ素含有量の測定を行った。
(ゴム状重合体及びゴム組成物のヨウ素価)
「JIS K 0070:1992」に記載の方法に準じてヨウ素価を算出した。
(ゴム状重合体及びゴム組成物の結合スチレン量、エチレン構造量、α-オレフィン含有量、共役ジエン単量体単位量、及び、水素添加率)
試料として、ゴム状重合体及びゴム組成物を用いて、1H-NMR測定によって、結合スチレン量、エチレン構造量、αオレフィン含有量、共役ジエン単量体単位、及び、水素添加率を測定した。1HNMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM-LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ゴム状ブロック重合体もしくは重合体ブロック
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
(ゴム状重合体及びゴム組成物のスチレンブロック含有量)
スチレン構造単位が8個以上連なった連鎖をスチレンブロックとし、スチレンブロック含有量を下記のようにして求めた。
重クロロホルムを溶媒として測定した400MHzの1H-NMRスペクトルから、以下の(X)の各化学シフト範囲の積分値割合を求め、ゴム状ブロック重合体中に含まれるスチレンブロックの含有量を求めた。
(X)芳香族ビニル化合物連鎖8以上: 6.00≦S<6.68
(平均収縮因子値(g’))
ゴム状重合体及びゴム組成物を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置(Malvern社製の商品名「GPCmax VE-2001」)を使用して、光散乱検出器、RI検出器、粘度検出器(Malvern社製の商品名「TDA305」)の順番に接続されている3つの検出器を用いて測定し、標準ポリスチレンに基づいて、光散乱検出器とRI検出器結果から絶対分子量を、RI検出器と粘度検出器の結果から固有粘度を求めた。
直鎖ポリマーは、固有粘度[η]=-3.927×M0.743に従うものとして用い、各分子量に対応する固有粘度の比としての収縮因子(g’)を算出した。
算出された収縮因子を、分子量350,000を境に、分子量350,000以上の範囲、及び分子量5,000~350,000未満の範囲で平均化することで平均収縮因子値を求めた。
溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを使用した。
カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G5000HXL」、及び「TSKgel G6000HXL」を接続して使用した。測定用の試料20mgを10mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液100μLをGPC測定装置に注入して、オーブン温度40℃、THF流量1mL/分の条件で測定した。
(分岐度)
ゴム状重合体の分岐度は重合完結後に添加する官能基化剤の種類、分岐化剤の添加、及びそれぞれの添加量で任意に調整した。
分岐度の異なる官能基化剤を用いて分岐度の調整を行った。
<最大分岐度: 2>
3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中 Y)
<最大分岐度: 4>
・2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン(表中X)
・テトラクロロシラン
<最大分岐度: 8>
・トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン(表中Z)
重合活性末端に対して、官能基化中の反応性官能基当量が1当量になる際に最大分岐度を取ることができる。また重合活性末端に対して、過剰の官能基当量になるように官能基化剤を加えることで分岐度を抑えることも可能である。
(GPC曲線における、面積割合(BA)/(AA+BA))
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線に基づいてゴム状重合体及びゴム組成物の分子量曲線(GPC曲線)を得た。得られたGPC曲線において分子量5,000~350,000の領域の面積、及び分子量350,000以上の領域の面積をそれぞれBA、AAとし、求める(BA)/(AA+BA))を算出した。
〔ゴム状重合体の製造〕
(水素添加触媒の調製)
後述する製造例において、ゴム状重合体を調製する際に用いる水素添加触媒を、下記の方法により調製した。
<製造例α>
窒素置換した反応容器に乾燥及び精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn-ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させ水素添加触媒(TC-1)を得た。
(ゴム状重合体の重合)
<(製造例1)ゴム状重合体A>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを2,318g、スチレンを1290g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン1.7gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム1.6gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら追加の1,3-ブタジエンを692g添加した。
追加ブタジエンの反応熱による反応器内の温度上昇が終了したら、第1官能基化剤である2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン1.6g(表中ではXと記載)を反応器内へ添加し、5分間攪拌した。一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで、水素添加前のゴム状重合体を得た。
その後、水素添加前のゴム状重合体溶液に、前記<製造例α>で調製した水素添加触媒(TC-1)を、水素添加前のゴム状重合体100質量部当たり、Ti基準で60ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を50分間行い、ゴム状重合体を得た。
得られたゴム状重合体Aの水素添加率は94mоl%であった。
得られたゴム状重合体の溶液に、酸化防止剤としてn-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロオキシフェニル)-プロピオネートを12.6gと、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-о-クレゾールを3.0g添加した。
ゴム状重合体Aの分析値を表1に示す。
<(製造例2)ゴム状重合体B>
2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパンの添加量を2.1gに変更し、n-ブチルリチウムの添加量を2.0gに変更し、第1官能基化剤の種類を3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)に変更し、その添加量を7.6gに変更したこと以外は、前記(製造例1)と同様にしてゴム状重合体Bを得た。
ゴム状重合体Bの分析値を表1に示す。
<(製造例3)ゴム状重合体C>
水素添加量を変更し、水素添加率を調整したこと以外は、前記(製造例1)と同様にして、ゴム状重合体Cを得た。
ゴム状重合体Cの分析値を表1に示す。
<(製造例4)ゴム状重合体D>
水素添加量を変更し、水素添加率を調整したこと以外は、前記(製造例2)と同様にして、ゴム状重合体Dを得た。
ゴム状重合体Dの分析値を表1に示す。
<(製造例5)ゴム状重合体E>
水素添加量を変更し、水素添加率を調整したこと以外は、前記(製造例1)と同様にして、ゴム状重合体Eを得た。
ゴム状重合体Eの分析値を表1に示す。
<(製造例6)ゴム状重合体F>
水素添加量を変更し、水素添加率を調整したこと以外は、前記(製造例2)と同様にして、ゴム状重合体Fを得た。
ゴム状重合体Fの分析値を表1に示す。
<(製造例7)ゴム状重合体G>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを1,720g、スチレンを1、987g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン1.5gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム1.5gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら追加の1,3-ブタジエンを593g添加した。
追加ブタジエンの反応熱による反応器内の温度上昇が終了したら、第1官能基化剤である2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン1.6g(表中ではXと記載)を反応器内へ添加し、5分間攪拌した。
一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
続く水素添加工程は、水素添加量以外は製造例1と同様にして水素添加率を調整し、ゴム状重合体Gを得た。
ゴム状重合体Gの分析値を表1に示す。
<(製造例8)ゴム状重合体H>
第1官能基化剤である3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)の添加量を3.8gに変更し、水素添加量を変更し、水素添加率を調整したこと以外は、前記(製造例2)と同様にしてゴム状重合体Hを得た。
ゴム状重合体Hの分析値を表1に示す。
<(製造例9)ゴム状重合体I>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを2,318g、スチレンを1290g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン1.7gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム1.6gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら追加の1,3-ブタジエンを692g添加した。
追加ブタジエンの反応熱による反応器内の温度上昇が終了したら、第1官能基化剤である2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン0.4g(表中Xと記載)を反応器内へ添加し、1分間攪拌した。
その後、第2の官能基化剤である3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)5.9gを添加し、4分間攪拌した。
一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
続く水素添加工程は、水素添加量以外は前記<製造例1>と同様にして水素添加率を調整し、ゴム状重合体Iを得た。
ゴム状重合体Iの分析値を表1に示す。
<(製造例10)ゴム状重合体J>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを2,318g、スチレンを1290g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2―ジ(2―テトラヒドロフリル)プロパン1.4gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム1.3gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら第1官能基化剤である2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン1.3g(表中Xと記載)を反応器内へ添加し、1分間攪拌した。
その後、追加の1,3-ブタジエンを692g添加した。
追加ブタジエンの反応熱による反応器内の温度上昇が終了したら、第2官能基化剤である3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン4.9g(表中Yと記載)を反応器内へ添加し、4分間攪拌した。
一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
続く水素添加工程は、水素添加量以外は前記<製造例1>と同様にして、水素添加率を調整し、ゴム状重合体Jを得た。
ゴム状重合体Jの分析値を表1に示す。
<(製造例11)ゴム状重合体K>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを2,318g、スチレンを1290g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン2.6gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム2.4gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら追加の1,3-ブタジエンを692g添加した。
追加ブタジエンの反応熱による反応器内の温度上昇が終了したら、第1官能基化剤であるトリス(3-トリメトキシシリルプロピル)-[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン0.7g(表中Zと記載)を反応器内へ添加し、1分間攪拌した。
その後、第2の官能基化剤である3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)9.2gを添加し、4分間攪拌した。
一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
続く水素添加工程は、水素添加量以外は前記<製造例1>と同様にして、水素添加率を調整し、ゴム状重合体Kを得た。
ゴム状重合体Kの分析値を表2に示す。
<(製造例12)ゴム状重合体L>
2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパンの添加量を5.3gに変更し、n-ブチルリチウムの添加量を5.0gに変更し、第1官能基化剤3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)の添加量を45.2gに変更し、水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記<製造例2>と同様にしてゴム状重合体Lを得た。
ゴム状重合体Lの分析値を表2に示す。
<(製造例13)ゴム状重合体M>
第1官能基化剤をテトラクロロシランに変更し、その添加量0.9gに変更し、水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記<製造例1>と同様にしてゴム状重合体Mを得た。
ゴム状重合体Mの分析値を表2に示す。
<(製造例14)ゴム状重合体N>
水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記<製造例1>と同様にしてゴム状重合体Nを得た。
ゴム状重合体Nの分析値を表2に示す。
<(製造例15)ゴム状重合体O>
水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記<製造例2>と同様にしてゴム状重合体Oを得た。
ゴム状重合体Oの分析値を表2に示す。
<(製造例16)ゴム状重合体P>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを4,300g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2―ジ(2―テトラヒドロフリル)プロパン2.1gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム2.0gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら、第1官能基化剤である2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン2.0g(表中ではXと記載)を反応器内へ添加し、5分間攪拌した。
一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
その後、水素添加前のゴム状重合体溶液に、前記<製造例α>で調製した水素添加触媒(TC-1)を、水素添加前のゴム状重合体100質量部当たり、Ti基準で60ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を50分間行い、ゴム状重合体を得た。
得られたゴム状重合体Pの水素添加率は85mоl%であった。
得られたゴム状重合体の溶液に、酸化防止剤としてn-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロオキシフェニル)-プロピオネートを12.6gと、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-о-クレゾールを3.0g添加した。
ゴム状重合体Pの分析値を表2に示す。
<(製造例17)ゴム状重合体Q>
2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパンの添加量を2.7gに変更し、n-ブチルリチウムの添加量を2.6gに変更し、第1官能基化剤3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)の添加量を9.9gに変更し、水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記製造例15と同様にしてゴム状重合体Qを得た。
ゴム状重合体Qの分析値を表2に示す。
<(製造例18)ゴム状重合体R>
2,2―ジ(2―テトラヒドロフリル)プロパンの添加量を1.1gに変更し、n-ブチルリチウムの添加量を1.0gに変更し、第1官能基化剤3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)の添加量を1.9gに変更し、水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記製造例1と同様にしてゴム状重合体Rを得た。
ゴム状重合体Rの分析値を表2に示す。
<(製造例19)ゴム状重合体S>
水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記<製造例1>と同様にして、ゴム状重合体Sを得た。
ゴム状重合体Sの分析値を表2に示す。
<(製造例20)ゴム状重合体T>
水素添加量を変更して水素添加率を調整したこと以外は、前記<製造例2>と同様にして、ゴム状重合体Tを得た。
ゴム状重合体Tの分析値を表2に示す。
<(製造例21)ゴム状重合体U>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを3,112g、スチレンを258g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2―ジ(2―テトラヒドロフリル)プロパン2.4gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム2.2gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら、第1官能基化剤である2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン2.2g(表中ではXと記載)を反応器内へ添加し、5分間攪拌した。一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
その後、水素添加前のゴム状重合体溶液に、前記<製造例α>で調製した水素添加触媒(TC-1)を、水素添加前のゴム状重合体100質量部当たり、Ti基準で60ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を50分間行い、ゴム状重合体を得た。
得られたゴム状重合体Uの水素添加率は85mоl%であった。
得られたゴム状重合体の溶液に酸化防止剤としてn-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロオキシフェニル)-プロピオネートを12.6gと、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-о-クレゾールを3.0g添加した。
ゴム状重合体Uの分析値を表3に示す。
<(製造例22)ゴム状重合体V>
内容積43Lで、撹持機及びジャケットを具備する温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、予め不純物を除去した、1,3-ブタジエンを3,112g、スチレンを258g、シクロヘキサンを25,800g、極性物質として、2,2―ジ(2―テトラヒドロフリル)プロパン2.9gを、反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。
続けて、重合開始剤として、n-ブチルリチウム2.8gを前記反応器に供給した。
重合反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、温度の上昇が確認されなくなったら、第1官能基化剤である3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピルトリエトキシシラン(表中Yと記載)7.8gを反応器内へ添加し、5分間攪拌した。
一部重合溶液を抜き出し、乾燥させることで水素添加前のゴム状重合体を得た。
その後、水素添加前のゴム状重合体溶液に、前記<製造例α>で調製した水素添加触媒(TC-1)を、水素添加前のゴム状重合体100質量部当たり、Ti基準で60ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水素添加反応を50分間行い、ゴム状重合体を得た。
得られたゴム状重合体Vの水素添加率は85mоl%であった。
得られたゴム状重合体の溶液に酸化防止剤としてn-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロオキシフェニル)-プロピオネートを12.6gと、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-о-クレゾールを3.0g添加した。
ゴム状重合体Vの分析値を表3に示す。
<(製造例23)ゴム状重合体W>
2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパンの添加量を2.0gに変更し、n-ブチルリチウムの添加量を1.8gに変更し、第1官能基化剤2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン(表中ではXと記載)の添加量を1.9gに変更したこと以外は、前記<製造例3>と同様にしてゴム状重合体Wを得た。
ゴム状重合体Wの分析値を表3に示す。
<(製造例24)ゴム状重合体X>
第一官能基化剤をテトラクロロシランに変更し、その添加量を4.2gと変更したこと以外は、前記<製造例4>と同様にしてゴム状重合体Xを得た。
ゴム状重合体Xの分析値を表3に示す。
Figure 2022048469000003
Figure 2022048469000004
Figure 2022048469000005
〔実施例1~16(製造例25~40)〕、〔比較例1~7(製造例41~47)〕
(ゴム組成物の溶液の製造)
上述のようにして製造したゴム状重合体の溶液を、下記の方法で混合し、ゴム組成物(a~w)の溶液を得た。
ゴム状重合体溶液の混合方法:
10Lの攪拌翼付き攪拌槽に、表4~表6のブレンド比に従い、2種類のゴム状重合体溶液を添加した。
添加後、2分間攪拌を続けることで混合した。攪拌条件を以下に記す。
<攪拌条件>
温度: 60℃
液量: 10L
攪拌槽: 10Lの攪拌翼付き攪拌槽
攪拌翼:タービン翼2枚
攪拌翼回転速度:200rpm
(ゴム組成物成形体の製造)
上述のようにして作製したゴム組成物の溶液を、後述のスチームストリッピング法により溶媒を除去し、ゴム組成物成形体のクラムを得、当該クラムを乾燥させ、下記の方法で圧縮することでゴム組成物成形体を得た。
スチームストリッピング法の条件を以下に記す。
<スチームストリッピング法の条件>
水温: 90℃
水量: 15kg
攪拌槽: 50Lの攪拌翼付き攪拌槽
攪拌翼:タービン翼2枚
攪拌翼回転速度:500rpm
スチームストリッピングに用いる重合体量: 500g
溶液の攪拌槽への添加速度:30g/分
クラムの圧縮方法を以下に示す。
<クラムの圧縮方法>
寸法が長辺42cm、短辺21cm、深さ40cmの直方型容器に、上記方法で調製されたクラム35kgを60℃に加温した後に充填し、シリンダーで3.5MPaの圧力を10秒間かけて圧縮することでゴム組成物成形体を得た。
(ゴム組成物、及びゴム組成物成形体の分析)
得られたゴム組成物、及びゴム組成物成形体の物性、及び下記<評価1>の結果を表4~表6に示す。
<評価1:ゴム組成物成形体中の組成ムラの評価>
上述のように得られたゴム組成物成形体中の混合ムラ由来の、組成ムラを評価するために、ゴム組成物成形体の任意の場所から3点サンプリングし、100℃ムーニー粘度をそれぞれ測定した。
3点の100℃ムーニー粘度の値の差から標準偏差値を出すことで、ゴム組成物成形体中の組成ムラを評価した。
この標準偏差値が低いほど、ゴム組成物成形体中に組成ムラがなく、ゴム状重合体同士の混合ムラが無いことを意味する。
Figure 2022048469000006
Figure 2022048469000007
Figure 2022048469000008
実施例1~16は、比較例1~7と比較してゴム組成物成形体中の組成ムラが小さいことが分かった。
〔実施例17~32(製造例48~63)〕、〔比較例8~14(製造例64~70)〕
(架橋用ゴム組成物の調製、物性評価)
表4~表6に示す、製造例25~47で得られたゴム組成物a~wを原料ゴムとして、以下に示す配合に従い、それぞれの原料ゴムを含有する架橋用ゴム組成物を得た。
配合条件は以下に示す。
(配合条件)
各配合剤の添加量は、ゴム用軟化剤を含まないゴム成分100質量部に対する質量部数で示した。
・ゴム組成物a~w:100.0質量部
・シリカ1(エボニック デグサ社製の商品名「Ultrasil 7000GR」窒素吸着比表面積170m2/g):50.0質量部
・シリカ2(ローディア社製の商品名「Zeosil Premium 200MP」窒素吸着比表面積220m2/g):25.0質量部
・カーボンブラック(東海カーボン社製の商品名「シーストKH(N339)」):5.0質量部
・シランカップリング剤(エボニック デグサ社製の商品名「Si75」、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド):6.0質量部
・SRAEオイル(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「プロセスNC140」):25.0質量部
・亜鉛華:2.5質量部
・ステアリン酸:1.0質量部
・老化防止剤(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン):2.0質量部
・硫黄:2.2質量部
・加硫促進剤1(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.7質量部
・加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン):2.0質量部
・合計:222.4質量部
(混練り方法、及びゴム組成物の成形性の評価)
上記した材料を次の方法により混練して架橋用ゴム組成物を得た。
温度制御装置を備える密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数30~50rpmの条件で、原料ゴム、充填剤(シリカ1、シリカ2、カーボンブラック)、シランカップリング剤、SRAEオイル、亜鉛華及びステアリン酸を混練した。
このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度は155~160℃で各ゴム組成物(配合物)を得た。
次に、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により、配合物の排出温度を155~160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤1、2を加えて混練した。混練り後、オープンロールから排出される架橋用ゴム組成物のシート表面粗さから、ゴム組成物の成形性の評価を行った。
その後成形し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫し、加硫後のゴム組成物を評価した。
具体的には、下記の方法により評価した。その結果を表7~表9に示す。
<評価2:ゴム組成物の成形性>
ゴム組成物成形性の評価は以下の指標に従い、目視評価により行った。
5:ロールから排出されるシート肌が十分に綺麗で、シートの端もひび割れていない。
4:ロールから排出されるシート肌が綺麗で、シートの端のひび割れも目立たない。
3:ロールから排出されるシート肌に目立った凹凸がないが、シートの端のひび割れが確認される。
2:ロールから排出されるシート肌が凸凹しており、シートの端の大部分がひび割れている。
1:ロールから排出されるゴム組成物がシート状にならない。
<評価3:引張強度>
JIS K6251の引張試験法に準拠し、引張強度を測定した。
表7~表9には、実施例17~32、及び、比較例8~14の評価結果を、実施例22(製造例53)の引張強度を100として指数化した。
指数が大きいほど引張強度に優れることを示す。
<評価4:耐摩耗性>
JIS K6264-2のDIN摩耗試験に準拠し、耐摩耗性能を測定した。
表7~表9には、実施例17~32、及び、比較例8~14の評価結果を、実施例22(製造例53)の耐摩耗性能を100として指数化した。
指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 2022048469000009
Figure 2022048469000010
Figure 2022048469000011
表7~9に示す通り、実施例17~32は、比較例8~14に比較して、ゴム組成物の成形性、引張強度、耐摩耗性のバランスに優れていることが確認された。
本発明のゴム組成物は、架橋用ゴム組成物の構成材料として好適であり、具体的には、タイヤ部材、自動車の内装及び外装品、防振ゴム、ベルト、履物、発泡体、各種工業用品用途等の分野において産業上の利用可能性がある。

Claims (13)

  1. ヨウ素価が10~270g/100gであり、
    エチレン構造を3質量%以上含み、
    ビニル芳香族単量体ブロック量が10質量%以下であり、
    ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上であり、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、ゴム状重合体の分子量分布において、分子量35万以上に少なくとも1つのピークを有し、
    かつ、分子量5,000~350,000未満に少なくとも1つのピークを有し、
    粘度計付きGPC測定において、分子量350,000以上のゴム状重合体の平均分岐度が3分岐以上であり、
    GPCの分子量分布曲線において、分子量350,000以上のゴム状重合体の面積をAA、分子量5,000~35万未満のゴム状重合体の面積をBAとした場合に、AAとBAの合計面積に対するBAの割合(BA)/(AA+BA)が、50%以上90%以下である、ゴム組成物。
  2. GPCの分子量分布曲線において、
    最も高分子量のピークトップ分子量Mpが、650,000以上である、
    請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ビニル芳香族単量単位以外のα-オレフィンの含有量が、15質量%以上である、
    請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 窒素原子を含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. カラム吸着GPC法で測定される変性率が、20質量%以上である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. カラム吸着GPC法で測定される変性率において、
    350,000以上の分子量のゴム状重合体の変性率が60質量%以上である、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. ケイ素含有量が、50ppm以上である、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  8. 分子量350,000以上の領域のゴム状重合体の分岐度が、分子量350,000未満の領域のゴム状重合体の分岐度よりも大きい、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  9. ムーニー緩和率(MSR)が、0.5以下である、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のゴム組成物と、
    架橋剤と、
    を、含有し、
    前記架橋剤を、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下含有する、
    架橋用ゴム組成物。
  11. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のゴム組成物又は請求項10に記載の架橋用ゴム組成物を用いたゴム組成物成形体の製造方法であって、
    分子量350,000以上にピークトップを有するゴム状重合体Aを重合する工程と、
    分子量5,000~350,000未満にピークトップを有するゴム状重合体Bを重合する工程と、
    ゴム状重合体A及びゴム状重合体Bを溶液中で混合し、混合溶液を得る工程と、
    前記混合溶液から溶媒を除去し、ゴム組成物を得る工程と、
    前記ゴム組成物を用いて成形する工程と、
    を、有する、
    ゴム組成物成形体の製造方法。
  12. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のゴム組成物又は請求項10に記載の架橋用ゴム組成物を用いたゴム組成物成形体の製造方法であって、
    分子量350,000以上にピークトップを有するゴム状重合体Aを重合する工程と、
    分子量5,000~350,000未満にピークトップを有するゴム状重合体Bを重合する工程と、
    分岐度の異なる2種類以上の官能基化剤を、前記ゴム状重合体A、前記ゴム状重合体Bのそれぞれに添加し、重合鎖末端を官能基化する工程と、
    重合溶液から溶媒を除去し、ゴム組成物を得る工程と、
    得られたゴム組成物を用いて、成形する工程を有する、
    ゴム組成物成形体の製造方法。
  13. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のゴム組成物、又は請求項10に記載の架橋用ゴム組成物を含有する、タイヤ用トレッド。
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