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JP2022046137A - 基板処理方法及び基板処理システム - Google Patents

基板処理方法及び基板処理システム Download PDF

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JP2022046137A
JP2022046137A JP2020152043A JP2020152043A JP2022046137A JP 2022046137 A JP2022046137 A JP 2022046137A JP 2020152043 A JP2020152043 A JP 2020152043A JP 2020152043 A JP2020152043 A JP 2020152043A JP 2022046137 A JP2022046137 A JP 2022046137A
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武 田村
Takeshi Tamura
知広 金子
Tomohiro Kaneko
宗久 児玉
Munehisa Kodama
信貴 福永
Nobutaka Fukunaga
貴志 坂上
Takashi Sakagami
和哉 池上
Kazuya Ikegami
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Abstract

【課題】基板の研削を含む基板処理のスループットを向上させる。【解決手段】基板を処理する基板処理方法であって、加工装置において、基板保持部に保持された第1基板を研削部で研削することと、前記基板保持部に保持された研削後の前記第1基板を、当該基板保持部から第1洗浄装置に搬送することと、前記第1洗浄装置において、研削後の前記第1基板の厚みを複数点で測定することと、を含む。【選択図】図13

Description

本開示は、基板処理方法及び基板処理システムに関する。
特許文献1には、チャックテーブルの傾き角度を調整してウェハ厚さを調整する研削加工装置が開示されている。この研削加工装置では、二次研削位置の近傍に、二次研削されたウェハのみの厚さを径方向に複数ポイント測定する仕上げ厚さ測定装置を配設し、該装置で測定されたウェハの厚さからウェハの径方向の厚さ分布を把握する。そして、把握した径方向の厚さ分布に基づき、傾き角度調整機構によってチャックテーブルを傾斜させて砥石に対するウェハの角度を調整し、二次研削後のウェハ厚さを調整する。
特開2008-264913号公報
本開示にかかる技術は、基板の研削を含む基板処理のスループットを向上させる。
本開示の一態様は、基板を処理する基板処理方法であって、加工装置において、基板保持部に保持された第1基板を研削部で研削することと、前記基板保持部に保持された研削後の前記第1基板を、当該基板保持部から第1洗浄装置に搬送することと、前記第1洗浄装置において、研削後の前記第1基板の厚みを複数点で測定することと、を含む。
本開示によれば、基板の研削を含む基板処理のスループットを向上させることができる。
ウェハ処理システムで処理される重合ウェハの構成例を示す側面図である。 ウェハ処理システムの構成を示す平面図である。 ウェハ処理システムの内部構成を示す側面図である。 各研削ユニットの構成の一例を示す側面図である。 第1洗浄装置の構成を示す平面図である。 第1洗浄装置の構成を示す側面図である。 上ウェハの厚み、下ウェハの厚み、及び重合ウェハの全体厚みを示す説明図である。 上ウェハの厚みを測定する様子を示す説明図である。 アライメント装置の構成を示す平面図である。 アライメント装置の構成を示す側面図である。 全体厚み測定部の構成を示す斜視図である。 重合ウェハの全体厚みを測定する様子を示す説明図である。 ウェハ処理の主な工程を示すフロー図である。 測定点が3点の場合の上ウェハの厚みの径方向分布を示す説明図である。 測定点が5点の場合の上ウェハの厚みの径方向分布を示す説明図である。 測定点が5点の場合の上ウェハの厚みの近似直線を示す説明図である。説明図である。
近年、半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成された半導体基板(以下、「上ウェハ」という。)と、下ウェハとが接合された重合ウェハに対し、上ウェハの裏面を研削して薄化することが行われている。
上ウェハの薄化は、下ウェハの裏面をチャックにより保持した状態で、上ウェハの裏面に研削砥石を当接させ、研削することにより行われる。しかしながら、このように上ウェハの研削を行う場合、上ウェハの裏面に当接される研削砥石と下ウェハを保持するチャックとの相対的な傾きにより、研削後の上ウェハの平坦度(TTV:Total Thickness Variation)が悪化するおそれがある。
上述した特許文献1に開示された研削加工装置では、チャックテーブルの傾き角度を調整することで、ウェハの厚みを調整して、例えば均一厚みにすることを図っている。具体的には、二次研削(仕上研削)終了後、ウェハの厚みを径方向に複数ポイント測定して、ウェハの径方向の厚み分布を把握し、この厚み分布に基づき、チャックテーブルを傾斜させて砥石に対するウェハの角度を調整する。また、この研削加工装置では、仕上げ厚み測定装置が二次研削位置の近傍に設けられており、ウェハをチャックに保持したまま厚みを測定する。そして、径方向の厚み分布を把握する作業時間を短縮し、その結果として生産効率の向上を図っている。
しかしながら、特許文献1に開示された研削加工装置では、二次研削位置において、ウェハの二次研削とウェハの厚み測定が行われる。二次研削後の傾向を次のウェハの研削時のチャックテーブルの傾きの調整に利用する場合、研削加工装置の二次研削位置における作業時間は長くなり、その結果ウェハ処理全体のスループットが低下する。したがって、従来のウェハ処理には改善の余地がある。
本開示にかかる技術は、基板の研削を含む基板処理のスループットを向上させる。以下、本実施形態にかかる基板処理システムとしてのウェハ処理システム、及び基板処理方法としてのウェハ処理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態にかかる後述のウェハ処理システム1では、図1に示すように基板(他方基板)としての上ウェハWと、基板(一方基板)としての下ウェハSとが接合された重合ウェハTに対して処理を行う。そしてウェハ処理システム1では、上ウェハWを薄化する。以下、上ウェハWにおいて、下ウェハSに接合される側の面を表面Waといい、表面Waと反対側の面を裏面Wbという。同様に、下ウェハSにおいて、上ウェハWに接合される側の面を表面Saといい、表面Saと反対側の面を裏面Sbという。
上ウェハWは、例えばシリコン基板等の半導体ウェハであって、表面Waに複数のデバイスを含むデバイス層Dwが形成されている。また、デバイス層Dwにはさらに表面膜Fwが形成され、当該表面膜Fwを介して下ウェハSと接合されている。表面膜Fwとしては、例えば酸化膜(SiO膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。
下ウェハSは、例えば上ウェハWと同様の構成を有しており、表面Saにはデバイス層Ds及び表面膜Fsが形成されている。なお、下ウェハSはデバイス層Dsが形成されたデバイスウェハである必要はなく、例えば上ウェハWを支持する支持ウェハであってもよい。かかる場合、下ウェハSは上ウェハWのデバイス層Dwを保護する保護材として機能する。
なお、以降の説明で用いられる図面においては、図示の煩雑さを回避するため、デバイス層Dw、Ds及び表面膜Fw、Fsの図示を省略する場合がある。
図2及び図3に示すようにウェハ処理システム1は、搬入出ステーション2と処理ステーション3を一体に接続した構成を有している。搬入出ステーション2は、例えば外部との間で複数の重合ウェハTを収容可能なカセットCが搬入出される。処理ステーション3は、重合ウェハTに対して所望の処理を施す各種処理装置を備えている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば2つのカセットCをY軸方向に一列に載置自在になっている。なお、カセット載置台10に載置されるカセットCの個数は、本実施形態に限定されず、任意に決定することができる。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10のX軸正方向側において、当該カセット載置台10に隣接してウェハ搬送領域20が設けられている。
処理ステーション3には、例えば3つの処理ブロックG1~G3が設けられている。第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2及び第3処理ブロックG3は、X軸負方向側(搬入出ステーション2側)から正方向側にこの順で並べて配置されている。
第1処理ブロックG1には、エッチング処理装置30及びウェハ搬送装置40が設けられている。エッチング処理装置30は、例えば鉛直方向に2段に積層して設けられている。ウェハ搬送装置40は、エッチング処理装置30のY軸正方向側に配置されている。なお、エッチング処理装置30及びウェハ搬送装置40の数や配置はこれに限定されない。
エッチング処理装置30は、研削後の上ウェハWの裏面Wb及び下ウェハSの裏面Sbをエッチングする。この際、パーティクル除去や金属成分除去などの洗浄処理も行われる。例えば裏面Wb、Sbに対してエッチング液(薬液)を供給し、当該裏面Wbをウェットエッチングする。エッチング液には、例えばHF、HNO、HPO、TMAH、Choline、KOHなどが用いられる。
ウェハ搬送装置40は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム41を有している。各搬送アーム41は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。そして、ウェハ搬送装置40は、カセット載置台10のカセットC、エッチング処理装置30、後述する第1洗浄装置50、後述する第2洗浄装置51、及び後述するアライメント装置52に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
第2処理ブロックG2には、第1洗浄装置50、第2洗浄装置51、アライメント装置52、及びウェハ搬送装置60が設けられている。第1洗浄装置50、第2洗浄装置51、及びアライメント装置52は、上方からこの順で積層して設けられている。ウェハ搬送装置60は、第1洗浄装置50、第2洗浄装置51、及びアライメント装置52のY軸負方向側に配置されている。なお、第1洗浄装置50、第2洗浄装置51、アライメント装置52、及びウェハ搬送装置60の数や配置はこれに限定されない。
第1洗浄装置50は、後述する加工装置70における研削後の上ウェハWの裏面Wbと下ウェハSの裏面Sbを洗浄する。例えば裏面Wbに洗浄液を供給して当該裏面Wbをスピン洗浄し、裏面Sbにブラシを当接させて当該裏面Sbをスクラブ洗浄する。また、第1洗浄装置50では、重合ウェハTにおける上ウェハWの厚みを測定する。なお、第1洗浄装置50の詳細な構成については後述する。
第2洗浄装置51は、後述する加工装置70における研削前の上ウェハWの裏面Wbと下ウェハSの裏面Sbを洗浄する。第2洗浄装置51も、第1洗浄装置50と同様に、例えば裏面Wbに洗浄液を供給して当該裏面Wbをスピン洗浄し、裏面Sbにブラシを当接させて当該裏面Sbをスクラブ洗浄する。また、第2洗浄装置51では、重合ウェハTにおける上ウェハWの厚みを測定する。なお、例えば上ウェハWの厚みをアライメント装置52で測定する場合には、第2洗浄装置51における上ウェハWの厚み測定機能を省略することができる。また、第2洗浄装置51の詳細な構成については後述する。
なお、本実施形態では、研削後の重合ウェハTの処理を行う第1洗浄装置50と、研削前の重合ウェハTの処理を行う第2洗浄装置51とを区別したが、これら第1洗浄装置50と第2洗浄装置51の構成は実質的に同じである。したがって、第1洗浄装置50と第2洗浄装置51のいずれにおいても、研削後又は研削前の重合ウェハTのいずれか一方の処理を行ってもよい。
アライメント装置52は、後述する加工装置70における研削前の重合ウェハTの水平方向の向き及び位置を調節する。また、アライメント装置52は、研削前の重合ウェハTの全体厚みを測定し、本開示における厚み測定装置として機能する。なお、アライメント装置52の詳細な構成については後述する。
ウェハ搬送装置60は、重合ウェハTを吸着保持面(図示せず)により吸着保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム61を有している。各搬送アーム61は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。そして、ウェハ搬送装置60は、第1洗浄装置50、第2洗浄装置51、アライメント装置52、及び後述する加工装置70に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
第3処理ブロックG3には、加工装置70が1つ設けられている。なお、加工装置70の数や配置はこれに限定されない。
加工装置70は、回転テーブル71を有している。回転テーブル71上には、重合ウェハTを吸着保持する、基板保持部としてのチャック72が4つ設けられている。チャック72には例えばポーラスチャックが用いられ、重合ウェハTのうち下ウェハSの裏面Sbを吸着保持する。チャック72の表面、すなわち重合ウェハTの保持面は、側面視において中央部が端部に比べて突出した凸形状を有している。なお、この中央部の突出は微小であるため、以下の説明の図示においては、チャック72の凸形状を省略している。
図4に示すように、チャック72はチャックベース73に保持されている。チャックベース73には、後述する各研削ユニット(粗研削ユニット80、中研削ユニット90及び仕上研削ユニット100)が備える研削ホイールとチャック72の相対的な傾きを調整する傾き調整部74が設けられている。傾き調整部74は、チャックベース73の下面に設けられた固定軸75と複数、例えば2本の昇降軸76を有している。各昇降軸76は伸縮自在に構成され、チャックベース73を昇降させる。この傾き調整部74によって、チャックベース73の外周部の一端部(固定軸75に対応する位置)を基点に、他端部を昇降軸76によって鉛直方向に昇降させることで、チャック72及びチャックベース73を傾斜させることができる。そしてこれにより、加工位置A1~A3の各研削ユニット80、90、100が備える研削ホイールの表面とチャック72の表面との相対的な傾きを調整することができる。
なお、傾き調整部74の構成はこれに限定されず、研削ホイールの表面に対するチャック72の表面の相対的な角度(平行度)を調整することができれば、任意に選択できる。
図2に示すように4つのチャック72は、回転テーブル71が回転することにより、受渡位置A0及び加工位置A1~A3に移動可能になっている。また、4つのチャック72はそれぞれ、回転機構(図示せず)によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
受渡位置A0では、ウェハ搬送装置60による重合ウェハTの受け渡しが行われる。加工位置A1には粗研削ユニット80が配置され、上ウェハWを粗研削する。加工位置A2には中研削ユニット90が配置され、上ウェハWを中研削する。加工位置A3には仕上研削ユニット100が配置され、上ウェハWを仕上研削する。
図4に示すように、粗研削ユニット80は、下面に環状の粗研削砥石を備える粗研削ホイール81、当該粗研削ホイール81を支持するマウント82、当該マウント82を介して粗研削ホイール81を回転させるスピンドル83、及び、例えばモータ(図示せず)を内蔵する駆動部84を有している。また粗研削ユニット80は、図2に示す支柱85に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。
中研削ユニット90は粗研削ユニット80と同様の構成を有している。すなわち中研削ユニット90は、環状の中研削砥石を備える中研削ホイール91、マウント92、スピンドル93、駆動部94、及び支柱95を有している。中研削砥石の砥粒の粒度は、粗研削砥石の砥粒の粒度より小さい。
仕上研削ユニット100は粗研削ユニット80及び中研削ユニット90と同様の構成を有している。すなわち仕上研削ユニット100は、研削部としての環状の仕上研削砥石を備える仕上研削ホイール101、マウント102、スピンドル103、駆動部104、及び支柱105を有している。仕上研削砥石の砥粒の粒度は、中研削砥石の砥粒の粒度より小さい。
図2に示すように、以上のウェハ処理システム1には、制御部としての制御装置110が設けられている。制御装置110は、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1におけるウェハ処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御装置110にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した第1洗浄装置50と第2洗浄装置51について説明する。なお、本実施形態では、研削後の重合ウェハTの処理を行う第1洗浄装置50と、研削前の重合ウェハTの処理を行う第2洗浄装置51とを区別したが、これら第1洗浄装置50と第2洗浄装置51の構成は実質的に同じである。したがって、以下の説明においては、第1洗浄装置50について説明し、第2洗浄装置51の説明を省略する。
図5及び図6に示すように第1洗浄装置50は、上ウェハWが上側、下ウェハSが下側に配置された状態で、重合ウェハTを保持する保持機構200を有している。保持機構200は、重合ウェハTの外側面を保持する複数、例えば4つの保持ローラ201を有している。保持ローラ201は、重合ウェハTの周方向に等間隔に配置されている。
保持ローラ201は、重合ウェハTの外側面に当接し、その摩擦力により重合ウェハTを保持する。なお、保持ローラ201による重合ウェハTの保持方法はこれに限定されない。例えば、保持ローラ201の側面に形成された窪み部に、重合ウェハTを嵌め込んで保持してもよい。また、重合ウェハTの外側面の保持方法は、保持ローラ201を用いた方法に限定されない。例えば、重合ウェハTの外側面を固定保持部材(図示せず)によって固定保持し、当該固定保持部材と重合ウェハTを全体として回転させてもよい。あるいは、例えば上ウェハWの裏面Wbのみを洗浄する場合、下ウェハSの裏面Sbを吸着保持部材(図示せず)によって吸着保持してもよい。
保持ローラ201は、鉛直軸を回転軸として、回転自在に構成されている。保持ローラ201には、当該保持ローラ201を回転させるための駆動機構(図示せず)が設けられている。なお、駆動機構は、1つの保持ローラ201を回転させてもよいし、複数の保持ローラ201を回転させてもよい。そして、駆動機構によって少なくとも1つの保持ローラ201が回転することで、重合ウェハTが鉛直軸周りに回転する。また、各保持ローラ201は、移動機構(図示せず)により水平方向に移動自在に構成されている。
保持機構200に保持された重合ウェハTの上方には、洗浄液ノズル210が設けられている。洗浄液ノズル210は、上ウェハWの裏面Wbを洗浄、より具体的にはスピン洗浄する。例えば、保持機構200によって重合ウェハTを回転させながら、洗浄液ノズル210から上ウェハWの裏面Wbに洗浄液、例えば純水を供給する。そうすると、供給された洗浄液は裏面Wb上を拡散し、当該裏面Wbが洗浄される。なお、洗浄液ノズル210は、移動機構(図示せず)により重合ウェハTの上方において水平方向に移動自在に構成されている。
保持機構200に保持された重合ウェハTの下方には、洗浄ブラシ211が設けられている。洗浄ブラシ211は、下ウェハSの裏面Sbを洗浄、より具体的にはスクラブ洗浄する。例えば洗浄ブラシ211は、下ウェハSの裏面Sbに当接した状態で洗浄液ノズル(図示せず)から洗浄液、例えば純水を噴射して、裏面Sbが洗浄される。
このように第1洗浄装置50は、保持機構200に重合ウェハTが保持された状態で、上ウェハWの裏面Wbと下ウェハSの裏面Sbを同時に洗浄可能に構成されている。
保持機構200に保持された重合ウェハTの上方には、部分厚み測定部220が設けられている。部分厚み測定部220は、図7に示す上ウェハWの厚みHwを測定する。部分厚み測定部220は、上ウェハWに接触せずに当該上ウェハWの厚みを測定するセンサを有している。センサは、上ウェハWに対して光を照射し、さらに上ウェハWの表面Waから反射した反射光と、裏面Wbから反射した反射光とを受光する。そして、部分厚み測定部220では、両反射光に基づいて、上ウェハWの厚みHwを測定する。
また、部分厚み測定部220は、移動機構221により重合ウェハTの上方において水平方向に移動自在に構成されている。これにより、部分厚み測定部220は、上ウェハWの厚みHwを複数点で測定することができる。
本実施形態では、図8に示すように部分厚み測定部220は、上ウェハWの厚みHwを例えば径方向に3点で測定する。測定点P1は上ウェハWの中心部である。測定点P2は上ウェハWの中間部であり、上ウェハWの半径をRとした場合の、中心部からR/2の位置である。測定点P3は上ウェハWの外周部である。
測定点P1では、重合ウェハTの回転を停止した状態で、部分厚み測定部220によって上ウェハWの厚みHwを測定する。なお、この際、重合ウェハTを回転させながら、上ウェハWの厚みHwを測定してもよい。
測定点P2では、重合ウェハTを回転させながら、部分厚み測定部220によって上ウェハWの厚みHwを周方向に複数点で測定する。そして、測定点P2において、測定された周方向の複数点の移動平均値を算出し、当該測定点P2における上ウェハWの厚みHwとする。なお、測定点P2における上ウェハWの厚みHwは、周方向の複数点の移動中央値としてもよい。また、測定点P3においても、測定点P2と同様に上ウェハWの厚みHwを測定する。
なお、本実施形態では測定点P2、P3において、周方向の複数点の移動平均値又は移動中央値を上ウェハWの厚みHwとしたが、例えば指定座標における上ウェハWの厚みHwを測定してもよい。例えば測定点P2、P3において、重合ウェハTの回転を停止した状態で、上ウェハWの厚みHwを測定する。そうすると、測定点P2、P3において、周方向に1点の上ウェハWの厚みHwが測定される。
また、本実施形態では、上ウェハWの厚みHwの測定結果は、後述するようにチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整するために用いられるが、その用途はこれに限定されない。例えば、上ウェハWの厚みHwの傾向を把握するために、指定した測定点で上ウェハWの厚みHwを測定してもよい。
次に、上述したアライメント装置52について説明する。図9及び図10に示すようにアライメント装置52は、重合ウェハTを保持する、基板保持部としてのチャック300を有している。チャック300は、重合ウェハTのうち下ウェハSの裏面Sbの中央部を吸着保持する。なお、チャック300の径は、例えば重合ウェハTの径の半分以下である。
チャック300には、チャック300の中心部から外端部まで径方向(Y軸方向)に延伸する切り欠き部301が形成されている。切り欠き部301は、後述する全体厚み測定部330の下センサ332が進退可能に形成されている。
チャック300は、鉛直軸周りに回転自在であるとともに、水平方向に移動自在に構成されている。チャック300の下方には、当該チャック300を回転させる回転機構310が設けられている。回転機構310には、例えばモータなどの駆動部(図示せず)が内蔵されている。回転機構310は、支持部材311に支持されている。支持部材311は、水平方向(Y軸方向)に延伸するレール312に取り付けられている。支持部材311は、レール312に設けられた移動機構313により、当該レール312に沿って移動自在に構成されている。移動機構313には、例えばモータなどの駆動部(図示せず)が内蔵されている。
チャック300の側方(X軸負方向側)には、検出部320が設けられている。検出部320は、研削前の重合ウェハTの水平方向の向き及び位置を調節する。検出部320は、チャック300に保持された上ウェハWの外周に光を照射し、さらにその光を受光するセンサを有している。あるいは検出部320は、上ウェハWの外周を撮像するセンサを有していてもよい。そして、チャック300に保持された重合ウェハTを回転させながら、検出部320で上ウェハWのノッチ部の位置を検出し、さらに上ウェハWの中心部の位置を検出する。この検出結果に基づいて、重合ウェハTの水平方向の向きを調節し(θアライメント)、水平方向の位置を調節する(X-Yアライメント)。
チャック300の上方及び下方には、全体厚み測定部330が設けられている。全体厚み測定部330は、図7に示す重合ウェハTの全体厚みHtを測定する。なお、全体厚み測定部330で測定された重合ウェハTの全体厚みHtと、部分厚み測定部220で測定された上ウェハWの厚みHwはそれぞれ、制御装置110に出力される。制御装置110では、重合ウェハTの全体厚みHtから上ウェハWの厚みHwを差し引いた、上ウェハW以外の厚みHsを算出する。この厚みHsは、下ウェハSの厚み、デバイス層Dw、Dsの厚み、及び表面膜Fw、Fsの厚みを含むものであるが、以下の説明では簡略化して、下ウェハSの厚みHsという場合がある。
図9~図11に示すように全体厚み測定部330は、上センサ331と下センサ332を有している。上センサ331は、チャック300に保持された重合ウェハTの上方に配置され、上センサ331から上ウェハWの裏面Wbまでの距離を測定する。下センサ332は、チャック300に保持された重合ウェハTの下方に配置され、下センサ332から下ウェハSの裏面Sbまでの距離を測定する。また、上センサ331と下センサ332は同じ座標軸上に対向して配置され、上センサ331の測定点と下センサ332の測定点は平面視において同じ位置になる。そして、全体厚み測定部330では、上センサ331と上ウェハWの裏面Wb間の距離と、下センサ332と下ウェハSの裏面Sb間の距離とに基づいて、重合ウェハTの全体厚みHtを導出する。
上センサ331と下センサ332はそれぞれ、チャック300が水平方向に移動することで、当該チャック300に対して相対的に移動する。また、下センサ332は、切り欠き部301に対して相対的に進退自在に構成されている。すなわち、チャック300が水平方向に移動することで、下センサ332は、切り欠き部301に対して進入し、又は退避する。そして、全体厚み測定部330は、重合ウェハTの全体厚みHtを複数点で測定することができる。
全体厚み測定部330による重合ウェハTの全体厚みHtの測定点は、上記部分厚み測定部220による上ウェハWの厚みHwの測定点と同じである。すなわち、図12に示すように全体厚み測定部330は、重合ウェハTの全体厚みHtを例えば径方向に3点で測定する。測定点P1は上ウェハWの中心部である。測定点P2は上ウェハWの中間部であり、上ウェハWの半径をRとした場合の、中心部からR/2の位置である。測定点P3は上ウェハWの外周部である。
図12(a)に示すように測定点P1では、チャック300(重合ウェハT)の回転を停止した状態で、全体厚み測定部330によって重合ウェハTの全体厚みHtを測定する。この際、下センサ332は、切り欠き部301に進入している。したがって、下センサ332とチャック300の干渉を回避するため、チャック300を回転させない。
図12(b)に示すように測定点P2では、チャック300を回転させながら、全体厚み測定部330によって重合ウェハTの全体厚みHtを周方向に複数点で測定する。この際、チャック300の径が重合ウェハTの径の半分以下であって、下センサ332は切り欠き部301から退避しているので、チャック300を回転させても、下センサ332とチャック300が干渉することはない。そして、測定点P2において、測定された周方向の複数点の移動平均値を算出し、当該測定点P2における重合ウェハTの全体厚みHtとする。なお、測定点P2における重合ウェハTの全体厚みHtは、周方向の複数点の移動中央値としてもよい。
図12(c)に示すように測定点P3においても、測定点P2と同様に重合ウェハTの全体厚みHtを測定する。
なお、本実施形態のアライメント装置52では、チャック300が水平方向(Y軸方向)に移動し、全体厚み測定部330の上センサ331と下センサ332が固定されていたが、チャック300と全体厚み測定部330が相対的に水平方向に移動すればよい。例えば、チャック300が固定され、上センサ331と下センサ332が水平方向に移動してもよい。あるいは、チャック300が水平方向に移動し、さらに上センサ331と下センサ332も水平方向に移動してもよい。
次に、以上のように構成されたウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。本実施形態では、ウェハ処理システム1の外部に設けられた接合装置(図示せず)において上ウェハWと下ウェハSが接合され、予め重合ウェハTが形成されている。
先ず、重合ウェハTを複数収納したカセットCが、搬入出ステーション2のカセット載置台10に載置される。次に、ウェハ搬送装置40によりカセットC内の重合ウェハTが取り出され、第2洗浄装置51に搬送される。
第2洗浄装置51では、先ず、保持機構200によって重合ウェハTが保持される。続いて、洗浄液ノズル210を重合ウェハTの中心部上方に配置し、洗浄ブラシ211を重合ウェハTの中心部下方に配置する。そして、重合ウェハTを回転させながら、洗浄液ノズル210から上ウェハWの裏面Wbに洗浄液を供給し、当該裏面Wbをスピン洗浄する。また、洗浄ブラシ211を下ウェハSの裏面Sbに当接させた状態で洗浄液ノズル(図示せず)から洗浄液を噴射して、当該裏面Sbをスクラブ洗浄する。(図13のステップE1)。なお、本実施形態のステップE1では、裏面Wb、Sbの両面を洗浄したが、少なくともチャック72に保持される側の裏面Sbを洗浄すればよい。
次に、洗浄液ノズル210を重合ウェハTの上方から退避させ、洗浄ブラシ211を重合ウェハTの下方から退避させると共に、部分厚み測定部220を重合ウェハTの上方に配置する。そして、図8に示したように部分厚み測定部220を測定点P1、P2、P3に順次移動させ、当該部分厚み測定部220によって各測定点P1、P2、P3における上ウェハWの厚みHwを測定する(図13のステップE2)。測定された上ウェハWの厚みHw(厚みHwの分布)は、制御装置110に出力される。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置40によりアライメント装置52に搬送される。アライメント装置52では、先ず搬入出位置(ホーム位置)において、チャック300によって重合ウェハTが吸着保持される。続いて、チャック300を検出部320側に移動させる。そして、重合ウェハTを回転させながら、検出部320で上ウェハWのノッチ部の位置を検出し、さらに上ウェハWの中心部の位置を検出する。この検出結果に基づいて、重合ウェハTの水平方向の向きが調節され(θアライメント)、水平方向の位置も調節される(X-Yアライメント)(図13のステップE3)。
次に、チャック300を全体厚み測定部330側に移動させる。この際、図12(a)に示すように全体厚み測定部330の上センサ331と下センサ332がそれぞれ、測定点P1に位置する。すなわち、下センサ332は切り欠き部301に進入している。そして、重合ウェハTの回転を停止した状態で、全体厚み測定部330によって測定点P1における重合ウェハTの全体厚みHtを測定する。
次に、図12(b)に示すようにチャック300をY軸正方向側に移動させ、上センサ331と下センサ332をそれぞれ、測定点P2に位置させる。この際、下センサ332は切り欠き部301から退避している。そして、チャック300を回転させながら、全体厚み測定部330によって測定点P2における重合ウェハTの全体厚みHtを周方向に複数点で測定する。さらに、測定された周方向の複数点の移動平均値を算出し、当該測定点P2における重合ウェハTの全体厚みHtとする。
次に、図12(c)に示すようにチャック300をY軸正方向側に移動させ、上センサ331と下センサ332をそれぞれ、測定点P3に位置させる。そして、測定点P2と同様に、測定点P3における重合ウェハTの全体厚みHtを測定する。こうして、全体厚み測定部330によって各測定点P1、P2、P3における重合ウェハTの全体厚みHtが測定される(図13のステップE4)。このように測定された重合ウェハTの全体厚みHt(全体厚みHtの分布)は、制御装置110に出力される。
以上のようにステップE3におけるアライメントと、ステップE4における重合ウェハTの全体厚みHtの測定が終了すると、チャック300を搬入出位置に移動させる。
制御装置110では、ステップE4で測定された重合ウェハTの厚みHtから、ステップE2で測定された上ウェハWの厚みHwを差し引いて、下ウェハSの厚みHsを算出する(図13のステップE5)。なお、この厚みHsは、上述したように下ウェハSの厚み、デバイス層Dw、Dsの厚み、及び表面膜Fw、Fsの厚みを含む。下ウェハSの厚みHsは各測定点P1、P2、P3において算出され、これにより下ウェハSの厚みHsの分布が得られる。
また制御装置110では、ステップE5で算出された下ウェハSの厚みHsの分布に基づいて、加工装置70の加工位置A3における傾き調整部74を制御する。具体的には、下ウェハSの厚みHsの分布に基づいて、当該下ウェハSに接合された上ウェハWの仕上研削後の面内厚みが均一になるように、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度が調整される(図13のステップE6)。以下の説明においては、このチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面との平行度の調整を、チルト補正という場合がある。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置60により加工装置70に搬送され、受渡位置A0のチャック72に受け渡される。
次に、回転テーブル71を回転させて、重合ウェハTを加工位置A1に移動させる。そして、粗研削ユニット80によって、上ウェハWの裏面Wbが粗研削される(図13のステップE7)。この際、接触式の厚み測定器(図示せず)を用いて重合ウェハTの全体厚みHtを測定しながら、上ウェハWを所望の厚みに研削する。
次に、回転テーブル71を回転させて、重合ウェハTを加工位置A2に移動させる。そして、中研削ユニット90によって、上ウェハWの裏面Wbが中研削される(図13のステップE8)。この際、接触式の厚み測定器(図示せず)を用いて重合ウェハTの全体厚みHtを測定しながら上ウェハWを研削し、その後、非接触式の厚み測定器(図示せず)を用いて上ウェハWの厚みHwを測定しながら上ウェハWを研削する。
次に、回転テーブル71を回転させて、重合ウェハTを加工位置A3に移動させる。そして、仕上研削ユニット100によって、上ウェハWの裏面Wbが仕上研削される(図13のステップE9)。この仕上研削では、ステップE6においてチルト補正が行われた、チャック72と仕上研削ホイール101が用いられる。またこの際、非接触式の厚み測定器(図示せず)を用いて上ウェハWの厚みHwを測定しながら、上ウェハWを所望の厚みに研削する。
次に、回転テーブル71を回転させて、重合ウェハTを受渡位置A0に移動させる。受渡位置A0では、洗浄部(図示せず)によって研削後の上ウェハWの裏面Wbを洗浄してもよい。
加工装置70における処理が終了した重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置60により第1洗浄装置50に搬送される。第1洗浄装置50では、ステップE1と同様の洗浄が行われる。すなわち、保持機構200によって重合ウェハTが保持された状態で、洗浄液ノズル210を用いて上ウェハWの裏面Wbをスピン洗浄し、洗浄ブラシ211を用いて下ウェハSの裏面Sbをスクラブ洗浄する。(図13のステップE10)。
また、第1洗浄装置50では、ステップE2と同様の厚み測定が行われる。すなわち、部分厚み測定部220を用いて、各測定点P1、P2、P3における上ウェハWの厚みHwを測定する(図13のステップE11)。測定された上ウェハWの厚みHw(厚みHwの分布)は、制御装置110に出力される。
なお、第1洗浄装置50では、ステップE10における重合ウェハTの洗浄と、ステップE11における上ウェハWの厚みHwの測定とがこの順で行われた。この点、ウェハ処理のスループット向上の観点からは、これら重合ウェハTの洗浄と上ウェハWの厚み測定は並行して行われるのが好ましい。但し、重合ウェハTの洗浄処理のスループットがウェハ処理全体のスループットを低下させない(影響しない)場合、上ウェハWの厚み測定は、重合ウェハTの洗浄の前又は後のいずれに実施されてもよい。
制御装置110では、ステップE11で測定された上ウェハWの厚みHwの分布に基づいて、加工装置70の加工位置A3における傾き調整部74を制御する。具体的には、研削後の上ウェハWの厚みHwの分布に基づいて、次に処理される上ウェハWの仕上研削後の面内厚みが均一になるように、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度が調整される(図13のステップE12)。すなわち、ステップE12では、n枚目(nは1以上の整数)の重合ウェハTに対してステップE1~E11を行った後、n+1枚目の重合ウェハT(上ウェハW)の研削を行うために、加工位置A3においてチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整する。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置40によりエッチング処理装置30に搬送される。エッチング処理装置30では、上ウェハWの裏面Wb及び下ウェハSの裏面Sbに対してウェットエッチング処理(洗浄処理)が行われる(図13のステップE13)。
その後、すべての処理が施された重合ウェハTは、ウェハ搬送装置40によりカセット載置台10のカセットCに搬送される。こうして、ウェハ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。
なお、ウェハ処理システム1では、n枚目の重合ウェハTに対する処理と、n+1枚目の重合ウェハTに対する処理が並行して行われる場合がある。かかる場合、n枚目の重合ウェハTに対してステップE1~E11を行って、ステップE12においてn+1枚目の上ウェハWの研削用のチルト補正を行う。一方、n+1枚目の重合ウェハTに対してステップE1~E5を行って、ステップE6においてn+1枚目の上ウェハWの研削用のチルト補正を行う。このようにn枚目のステップE12とn+1枚目のステップE6では、同じn+1枚目の上ウェハWの研削用のチルト補正を行う。そこで、このような場合には、ステップE11で測定したn枚目の上ウェハWの厚みHwと、ステップE5で算出したn+1枚目の下ウェハSの厚みHsとに基づいて、加工位置A3おけるチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整する。
以上の実施形態によれば、ステップE11における研削後の上ウェハWの厚みHwの測定は、加工装置70の外部に設けられた第1洗浄装置50で行われる。したがって、従来のように加工装置70において厚み測定を行う場合に比べて、本実施形態では加工装置70におけるウェハ処理時間を短縮することができる。その結果、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
また、本実施形態では、ステップE11で測定された上ウェハWの厚みHwに基づいて、ステップE12においてチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整するので、次に処理される上ウェハWの仕上研削後の面内厚みを均一にすることができる。
また、本実施形態では、ステップE2における研削前の上ウェハWの厚みHwの測定を第2洗浄装置51で行い、ステップE4における研削前の重合ウェハTの全体厚みHtの測定をアライメント装置52で行う。このように研削前の2回の厚み測定を、加工装置70の外部に設けれた第2洗浄装置51及びアライメント装置52で行うので、加工装置70におけるウェハ処理時間をさらに短縮することができる。その結果、ウェハ処理のスループットをさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、ステップE5で算出した下ウェハSの厚みHsに基づいて、ステップE6においてチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整するので、当該上ウェハWの仕上研削後の面内厚みを均一にすることができる。
また、本実施形態では、ステップE2における厚みHwの測定、ステップE4における全体厚みHtの測定、ステップE11における厚みHwの測定は、それぞれ同じ測定点P1、P2、P3で行われる。このため、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を適切に行うことができる。
また、本実施形態では、ステップE2における厚みHwの測定、ステップE4における全体厚みHtの測定、ステップE11における厚みHwの測定はそれぞれ、第2洗浄装置51、アライメント装置52、第1洗浄装置50で行われ、別途の測定装置を設けていない。したがって、ウェハ処理システム1の構成を簡略化でき、設備コストを低廉化することも可能となる。
特に、ステップE2における厚みHwの測定と、ステップE11における厚みHwの測定はそれぞれ、第1洗浄装置50と第2洗浄装置51のいずれで行ってもよい。したがって、装置を共通化することができるので、ウェハ処理システム1の構成をさらに簡略化することができる。
また、本実施形態では、ステップE4における全体厚みHtの測定をアライメント装置52で行うので、例えば厚み測定装置を別途設けた場合の装置間搬送に伴う重合ウェハTの位置ずれを無くすることができる。
なお、以上の実施形態では、第1洗浄装置50と第2洗浄装置51のそれぞれに部分厚み測定部220を設け、アライメント装置52に全体厚み測定部330を設けて、加工位置A3におけるチルト補正に必要な情報(厚み)を収集したが、チルト補正以外に使用される情報(厚み)を収集してもよい。
また、以上の実施形態では、第1洗浄装置50と第2洗浄装置51のそれぞれに部分厚み測定部220を設け、アライメント装置52に全体厚み測定部330を設けたが、部分厚み測定部220と全体厚み測定部330が設置される装置はこれに限定されない。例えば、部分厚み測定部220をアライメント装置52に設け、全体厚み測定部330を第2洗浄装置51に設けてもよい。
あるいは、部分厚み測定部220と全体厚み測定部330を、例えばアライメント装置52に設けてもよい。かかる場合、例えば、重合ウェハTの上方にセンサを配置する。センサはレーザ光を照射し、上ウェハWの裏面Wbからの反射光と上ウェハWの表面Waからの反射光を受光する。そして、センサから裏面Wbまでの距離と、センサから表面Waまでの距離とが測定される。これらセンサから裏面Wbまでの距離と、センサから表面Waまでの距離とに基づいて、上ウェハWの厚みHwを算出する。また、重合ウェハTの下方に別のセンサを配置し、当該別のセンサから下ウェハSの裏面Sbまでの距離を測定する。そして、センサから裏面Wbまでの距離と、センサから裏面Sbまでの距離とに基づいて、重合ウェハTの全体厚みHtを算出する。
また、以上の実施形態では、ステップE11において3点の測定点P1、P2、P3における上ウェハWの厚みHwを測定したが、測定点は5点以上であってもよい。
例えば研削前の上ウェハWの裏面Wbが平坦になっていない場合などの種々の要因により、図14に示すように研削後の上ウェハWの厚みHwがウェハ面内で均一でない場合がある。特に図14に示した例では、上ウェハWの厚みHwは径方向に複数回上下動している。なお、図14の縦軸は上ウェハWの厚みHwを示し、横軸は上ウェハWの径方向位置を示す。かかる場合、ステップE11において測定点P1、P2、P3の厚みHwを測定したとしても、測定点P1、P2間の厚みHwの変動、及び測定点P2、P3間の厚みHwの変動を測定できず、上ウェハWの厚みHwの分布を適切に把握できないおそれがある。そして、このように測定点P1、P2、P3の厚みHwに基づいて、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整すると、測定点P1、P2、P3の厚みHwは略同じにできるが、その他の点で厚みHwを均一にできないおそれがある。
そこでステップE11において、図15に示すように測定点P1、P2、P3に加えて、測定点P4、P5の厚みHwを測定する。測定点P4は、測定点P1、P2の径方向中間位置の点である。測定点P5は、測定点P2、P3の径方向中間位置の点である。かかる場合、上ウェハWの厚みHwの分布を適切に把握することができる。なお、このように5点の測定点P1~P5がある場合、チャック300の径は、例えば重合ウェハTの径の1/4以下である。
そして、続くステップE12では、測定点P1~P5の厚みHwに基づいて、加工位置A3におけるチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を適切に調整する。この際のチルト補正方法は任意であるが、以下の2つの方法が例示できる。
1つ目の方法は、上ウェハWの厚みHwのTTVを用いる方法である。すなわち、ステップE12で測定された厚みHwにおいて、最大厚みと最小厚みの差(TTV)が最小になるように、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整する。例えば、研削後の測定で求められたTTVに対して、各加工位置A1~A3の研削ユニット80、90、100を予め定められた移動量かつ複数点で昇降させた場合に予想されるTTVデータを取得するシミュレーションを行う。その予想されるTTVデータを比較し、TTVが最小になる各研削ユニット80、90、100の移動量を求める。求められた各研削ユニット80、90、100の移動量で、各研削ユニット80、90、100を移動させることにより、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整してもよい。
2つ目の方法は、上ウェハWの厚みHwの近似直線を用いる方法である。先ず、図16に示すように測定点P1~P5の厚みHwの近似直線(図中の点線)を導出する。この近似直線の導出は公知の方法が用いられる。そして、この近似直線の傾きが最小になるように、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を調整する。
いずれの方法を用いてチルト補正を行った場合でも、チャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を適切に調整することができる。
なお、本実施形態では、上ウェハWにおいて5点の測定点P1~P5の厚みHwを測定したが、測定点は6点以上であってもよい。測定点の数が多いほど、上ウェハWの厚みHwの分布を適切に把握することができる。
また、例えば研削後の上ウェハWの厚みHwに凹凸が生じる位置、すなわち特異点が予め分かっている場合には、当該特異点を厚みHwの測定点としてもよい。
また、以上の実施形態では、ステップE11における研削後の上ウェハWの厚みHwの測定点を5点以上としたが、ステップE2における研削前の上ウェハWの厚みHwの測定点を5点以上としてもよい。同様に、ステップE4における研削前の重合ウェハTの全体厚みHの測定点も5点以上としてもよい。かかる場合、ステップE5において下ウェハSの厚みHsの分布を適切に把握することができ、その結果、ステップE6においてチャック72の表面と仕上研削ホイール101の表面の平行度を適切に調整することができる。
また、以上の上ウェハWの厚みHwの測定点と重合ウェハTの全体厚みHtの測定点を5点以上にする場合、その測定装置は本実施形態に限定されない。例えば、第1洗浄装置50、第2洗浄装置51、アライメント装置52以外の装置に厚み測定部を設けてもよい。あるいは、加工装置70の受渡位置A0や加工位置A3に厚み測定部を設けてもよい。
また、以上の実施形態のウェハ処理システム1では、上ウェハWと下ウェハSとが接合された重合ウェハTにおいて、上ウェハWを研削して薄化する場合を例に説明を行ったが、薄化される上ウェハWは下ウェハSと接合されていなくてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 ウェハ処理システム
50 第1洗浄装置
60 ウェハ搬送装置
70 加工装置
72 チャック
101 仕上研削ホイール
110 制御装置
220 部分厚み測定部
S 下ウェハ
T 重合ウェハ
W 上ウェハ

Claims (20)

  1. 基板を処理する基板処理方法であって、
    加工装置において、基板保持部に保持された第1基板を研削部で研削することと、
    前記基板保持部に保持された研削後の前記第1基板を、当該基板保持部から第1洗浄装置に搬送することと、
    前記第1洗浄装置において、研削後の前記第1基板の厚みを複数点で測定することと、を含む、基板処理方法。
  2. 測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記基板保持部と前記研削部の相対的な傾きを調整することと、
    前記加工装置において、前記相対的な傾きが調整された前記基板保持部と前記研削部を用いて第2基板を研削することと、を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記第1洗浄装置において、研削後の前記第1基板を洗浄する、請求項1又は2に記載の基板処理方法。
  4. 研削後の前記第1基板の厚みの測定点は、当該第1基板の径方向に5点以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 研削後の前記第1基板の厚みの測定点は、当該第1基板の厚みの特異点を含む、請求項4に記載の基板処理方法。
  6. 測定された前記第1基板の厚みに基づいて、最大厚みと最小厚みの差が最小になるように、前記基板保持部と前記研削部の相対的な傾きを調整する、請求項4又は5に記載の基板処理方法。
  7. 測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記第1基板における複数点の厚みの近似直線を導出し、
    前記近似直線の傾きが最小になるように、前記基板保持部と前記研削部の相対的な傾きを調整する、請求項4又は5に記載の基板処理方法。
  8. 前記第1基板及び第2基板は、複数の基板を接合した重合基板であり、
    前記重合基板のうち一方基板を前記基板保持部で保持し、
    前記重合基板のうち他方基板を前記研削部で研削し、
    研削後の前記第1基板の厚みを複数点で測定する際、前記第1基板の第1他方基板の厚みを複数点で測定する、請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記第2基板を前記基板保持部で保持する前において、
    前記第2基板の第2他方基板の厚みを複数点で測定することと、
    前記第2他方基板の厚みと、前記第2基板の全体厚みとに基づいて、前記第2基板の前記第2他方基板以外の厚みを算出することと、
    前記第2基板の前記第2他方基板以外の厚みと、研削後の前記第1他方基板の厚みとに基づいて、前記基板保持部と前記研削部の相対的な傾きを調整することと、を含む、請求項8に記載の基板処理方法。
  10. 第2洗浄装置において、研削前の前記第1基板を洗浄し、
    前記第2洗浄装置において、前記第2他方基板の厚みを複数点で測定する、請求項9に記載の基板処理方法。
  11. アライメント装置において、前記第2基板の水平方向の位置調整を行い、
    前記アライメント装置において、前記第2基板の全体厚みを複数点で測定する、請求項10に記載の基板処理方法。
  12. アライメント装置において、前記第2基板の水平方向の位置調整を行い、
    前記アライメント装置において、前記第2他方基板の厚みを複数点で測定し、且つ、前記第2基板の全体厚みを複数点で測定する、請求項9に記載の基板処理方法。
  13. 前記第1他方基板の厚みの測定点、前記第2他方基板の厚みの測定点、及び前記第2基板の全体厚みの測定点は、平面視において同じ位置である、請求項9~12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  14. 基板を処理する基板処理システムであって、
    基板を加工する加工装置と、
    基板を洗浄する第1洗浄装置と、
    前記加工装置と前記第1洗浄装置の間で基板を搬送する搬送装置と、
    前記加工装置、前記第1洗浄装置及び前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記加工装置は、
    基板を保持する基板保持部と、
    前記基板保持部に保持された基板を研削する研削部と、を備え、
    前記第1洗浄装置は、基板の厚みを測定する測定部を備え、
    前記制御装置は、
    前記加工装置において、前記基板保持部に保持された第1基板を研削部で研削することと、
    前記搬送装置によって、前記基板保持部に保持された研削後の前記第1基板を、当該基板保持部から前記第1洗浄装置に搬送することと、
    前記第1洗浄装置において、前記測定部によって、研削後の前記第1基板の厚みを複数点で測定することと、
    を実行するように、前記加工装置、前記第1洗浄装置及び前記搬送装置を制御する基板処理システム。
  15. 前記制御装置は、
    測定された前記第1基板の厚みに基づいて、前記基板保持部と前記研削部の相対的な傾きを調整することと、
    前記加工装置において、前記相対的な傾きが調整された前記基板保持部と前記研削部を用いて第2基板を研削することと、を実行するように、前記加工装置を制御する、請求項14に記載の基板処理システム。
  16. 前記制御装置は、研削後の前記第1基板の厚みの測定点が、当該第1基板の径方向に5点以上となるように、前記第1洗浄装置を制御する、請求項14又は15に記載の基板処理システム。
  17. 前記第1基板及び第2基板は、複数の基板を接合した重合基板であり、
    前記重合基板のうち一方基板を前記基板保持部で保持し、
    前記重合基板のうち他方基板を前記研削部で研削し、
    前記制御装置は、研削後の前記第1基板の厚みを複数点で測定する際、前記第1基板の第1他方基板の厚みを複数点で測定するように、前記第1洗浄装置を制御する、請求項14~16のいずれか一項に記載の基板処理システム。
  18. 基板を洗浄する第2洗浄装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記第2基板を前記基板保持部で保持する前において、
    前記第2洗浄装置において、前記第2基板の第2他方基板の厚みを複数点で測定することと、
    前記第2他方基板の厚みと、前記第2基板の全体厚みとに基づいて、前記第2基板の前記第2他方基板以外の厚みを算出することと、
    前記第2基板の前記第2他方基板以外の厚みと、研削後の前記第1他方基板の厚みとに基づいて、前記基板保持部と前記研削部の相対的な傾きを調整することと、
    を実行するように、前記第2洗浄装置を制御する、請求項17に記載の基板処理システム。
  19. 前記第2基板の水平方向の位置調整を行うアライメント装置を備え、
    前記アライメント装置は、前記第2基板の全体厚みを複数点で測定する全体厚み測定部を備える、請求項18に記載の基板処理システム。
  20. 前記第1他方基板の厚みの測定点、前記第2他方基板の厚みの測定点、及び前記第2基板の全体厚みの測定点は、平面視において同じ位置である、請求項18又は19に記載の基板処理システム。
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WO2024106266A1 (ja) * 2022-11-18 2024-05-23 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法及び基板処理システム

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