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JP2021122655A - 異常検知システム、異常検知装置、及び異常検知方法 - Google Patents

異常検知システム、異常検知装置、及び異常検知方法 Download PDF

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JP2021122655A
JP2021122655A JP2020019882A JP2020019882A JP2021122655A JP 2021122655 A JP2021122655 A JP 2021122655A JP 2020019882 A JP2020019882 A JP 2020019882A JP 2020019882 A JP2020019882 A JP 2020019882A JP 2021122655 A JP2021122655 A JP 2021122655A
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泰史 森田
秀樹 日高
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秀樹 日高
博 能登
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博 能登
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Abstract

【課題】運転者の健康状態の異常を正しく検知する。【解決手段】車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部とを有するシステムで用いる異常検知方法は、前記健康状態の異常を検知する異常検知ステップを有する。前記異常検知ステップは、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析するステップを含む。【選択図】図5

Description

本発明は、異常検知システム、異常検知装置、及び異常検知方法に関する。
従来、運転者が車両を運転する能力を失っている異常状態(例えば、居眠り運転状態又は心身機能停止状態)に陥っているか否かを判定する装置が提案されている。また、近年、運転者の健康状態に関する生体データ(例えば、心拍数、血圧)を監視して健康状態の異常を検知することは、事故予防策等として注目されている。
特開2009−172205号公報 特開2009−172204号公報 特開2006−034803号公報 特開2019−191754号公報 特開2019−086813号公報
従来の異常検知技術は、車両の周辺の運転環境(運転シーン)が生体データに与える影響について考慮していない。例えば、運転者の健康状態が正常である場合であっても、子供が急に飛び出した場合等において、運転者の心拍数や血圧等が急速に上がることがあり、生体データを用いて正しく健康状態を判断することが難しい。
よって、従来の異常検知技術では、運転者の健康状態を誤認識し得るため、運転者の健康状態の異常を正しく検知できない場合がある。
そこで、本発明は、運転者の健康状態の異常を正しく検知できる異常検知システム、異常検知装置、及び異常検知方法を提供することを目的とする。
第1の態様に係る異常検知システムは、車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部と、前記健康状態の異常を検知する異常検知部とを備える。前記異常検知部は、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析する。
第2の態様に係る異常検知装置は、車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部とを有するシステムで用いる装置である。前記異常検知装置は、前記健康状態の異常を検知する異常検知部を備える。前記異常検知部は、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析する。
第3の態様に係る異常検知方法は、車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部とを有するシステムで用いる方法である。前記異常検知方法は、前記健康状態の異常を検知する異常検知ステップを有する。前記異常検知ステップは、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析するステップを含む。
本発明の一態様によれば、運転者の健康状態の異常を正しく検知できる異常検知システム、異常検知装置、及び異常検知方法を提供できる。
一実施形態に係る異常検知システムの構成を示す図である。 一実施形態に係る車両の構成を示す図である。 一実施形態に係る撮像部の構成例を示す図である。 一実施形態に係るサーバの構成を示す図である。 一実施形態に係る異常検知システムにおける主要な動作を示す図である。
一実施形態に係る異常検知システムについて図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
(異常検知システムの構成)
まず、一実施形態に係る異常検知システム1の構成について説明する。図1は、一実施形態に係る異常検知システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、異常検知システム1は、車両100と、サーバ200とを有する。車両100及びサーバ200は、ネットワーク10を介して互いに通信する。ネットワーク10は、基地局11を有する。なお、道路の路側に設置される基地局11は、路側機と呼ばれることがある。
車両100は、運転者により運転される装置である。一実施形態に係る車両100は、道路上を移動する車両、例えば、普通自動車や軽自動車等の自動車、又は自動二輪車(オートバイ)である。他の実施形態において、車両100は、飛行可能な自動車(いわゆる、スカイカー)であってもよい。
車両100は、所定の無線通信方式による無線通信を基地局11と行う。所定の無線通信方式は、特に限定されるものではないが、セルラ通信方式又は路車間通信方式であってもよい。セルラ通信方式は、例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)のV2X(Vehicle−to−everything)規格に準拠した方式である。路車間通信方式は、例えば、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)のT109規格に準拠した方式である。
サーバ200は、ネットワーク10に接続されており、ネットワーク10を介して車両100と通信する。一実施形態において、サーバ200は、車両100の運転者の健康状態の異常を検知する異常検知装置を構成する。サーバ200は、インターネット上に設けられるクラウドサーバであってもよいし、基地局11の近くに設けられるエッジサーバであってもよい。このようなエッジサーバは、基地局11の一部とみなしてもよい。
なお、運転者の健康状態の異常とは、正常な運転を行うことが困難になる程度の健康不良をいい、例えば、心臓疾患、血管疾患、又は脳疾患が健康状態の異常に相当する。
ここで、一実施形態に係る異常検知システム1の動作の概要について説明する。
車両100は、車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部110(図2参照)と、車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部120(図2参照)とを有する。生体データは、運転者の健康状態に関するものであればよいが、例えば、運転者の心拍数、血圧、又は心電を生体データとすることができる。
サーバ200は、車両100と通信することにより、運転者の健康状態の異常を検知する。サーバ200は、生体データの異常が検知された場合、生体データの異常が検知された際の運転環境データに基づいて、運転環境が生体データの異常に与えた影響について解析する。これにより、車両の周辺の運転環境(運転シーン)が生体データに与える影響を考慮して運転者の健康状態の異常を適切に検知できる。
車両100の前方に障害物が存在する(例えば、子供が急に飛び出した)といった運転環境を想定すると、運転者の心拍数や血圧等の生体データが急速に上がり生体データの異常が検知され得るが、このような運転環境に起因する生体データの異常を運転者の健康状態の異常とみなさないことが可能である。
また、車両100が後方車両から煽り運転を受けたという運転環境においても、生体データの異常が検知され得るが、このような運転環境に起因する生体データの異常を運転者の健康状態の異常とみなさないことが可能である。
一方、通常の運転環境において、生体データの異常が検知された場合、運転者の健康状態の異常とみなし、事故予防のための措置をとることができる。
(車両の構成)
次に、一実施形態に係る車両100の構成について説明する。図2は、一実施形態に係る車両100の構成を示す図である。
図2に示すように、車両100は、生体計測部110と、環境計測部120と、車両側検知部130と、タイムスタンプ付与部141乃至144と、通信部150と、通知部160とを有する。
生体計測部110は、車両100の運転者の健康状態に関する生体データを計測し、計測した生体データを車両側検知部130及びタイムスタンプ付与部141に出力する。一実施形態において、生体計測部110は、心拍センサ、血圧センサ、及び心電センサのうち少なくとも1つを有する。生体計測部110は、例えば車両100の座席に設けられ、生体データを非侵襲に計測する。生体計測部110は、運転者が着用するウェアラブルデバイスに設けられていてもよい。
環境計測部120は、車両100の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する。一実施形態において、環境計測部120は、撮像部121と、視線計測部122と、操作計測部123とを有する。撮像部121及び視線計測部122は、運転者が視認した視認物を特定するために用いられる。操作計測部123は、運転者の運転操作内容を特定するために用いられる。
撮像部121は、車両100の前方、後方、及び側方の少なくとも1つを撮影し、画像データをタイムスタンプ付与部142に出力する。画像データとしては動画像データ(映像データ)を想定しているが、周期的な静止画像データであってもよい。撮像部121は、少なくとも1つのカメラを有する。例えば、撮像部121は、図3に示すように、車両100の前方を撮影するフロントカメラ121aと、車両100の後方を撮影するリアカメラ121bとを有する。フロントカメラ121aの撮影範囲には、車内の一部(例えば、バックミラー)が含まれてもよい。また、撮像部121は、車両100の側方を撮影するサイドカメラをさらに有していてもよい。
視線計測部122は、運転者の視線に関する視線データを計測し、計測した視線データをタイムスタンプ付与部143に出力する。視線計測部122は、アイトラッカーと呼ばれることがある。視線計測部122は、運転者の視点の場所(どこを見ているのか)及び頭部に対する眼球の動きを計測及び追跡することにより視線データを出力する。視線計測部122の方式としては、例えば、眼に直接物体を接触させずに光学的に計測を行うオプティカルトラッキングの方式を用いることができる。
操作計測部123は、車両100に対する運転者の運転操作内容に関する操作データを計測し、計測した操作データをタイムスタンプ付与部144に出力する。操作計測部123は、例えば、車両100のハンドルの操作データ(回転速度等)、車両100のアクセルペダルの操作データ(踏み込み量等)、及び車両100のブレーキペダルの操作データ(踏み込み量等)のうち少なくとも1つを計測することにより計測データを出力する。
このように、環境計測部120は、運転環境データとして、撮像部121からの画像データと、視線計測部122からの視線データと、操作計測部123からの操作データとを出力する。
車両側検知部130は、生体計測部110からの生体データの異常を検知する。生体データの異常とは、例えば、生体計測部110が出力する生体データの値が、予め設定された値域(閾値)をある一定期間にわたって継続的に超えたことをいう。車両側検知部130は、生体データの異常を検知すると、その旨を通信部150に通知する。生体データの異常検知に用いる閾値は、予め設定された固定値であってもよいし、運転者の正常な生体データの統計値に応じて設定される可変値であってもよい。
タイムスタンプ付与部141は、生体計測部110が出力する時系列の生体データに周期的にタイムスタンプを付与し、タイムスタンプが付与された時系列の生体データを一時的に保持したうえで通信部150に出力する。
タイムスタンプ付与部142は、撮像部121が出力する時系列の画像データに周期的にタイムスタンプを付与し、タイムスタンプが付与された時系列の画像データを一時的に保持したうえで通信部150に出力する。
タイムスタンプ付与部143は、視線計測部122が出力する時系列の視線データに周期的にタイムスタンプを付与し、タイムスタンプが付与された時系列の視線データを一時的に保持したうえで通信部150に出力する。
タイムスタンプ付与部144は、操作計測部123が出力する時系列の操作データに周期的にタイムスタンプを付与し、タイムスタンプが付与された時系列の操作データを一時的に保持したうえで通信部150に出力する。
タイムスタンプ付与部141乃至144は互いに同期しており、同じタイミングで同じタイムスタンプを付与する。
通信部150は、基地局11との無線通信を介して、サーバ200との通信を行う。通信部150は、アンテナ151を介して無線信号を受信する受信部と、アンテナ151を介して無線信号を送信する送信部と、送信部及び受信部を制御する通信制御部とを有する。
通信部150は、車両側検知部130が生体データの異常を検知した際に、運転環境データ(画像データ、視線データ、及び操作データ)をサーバ200に送信する。例えば、通信部150は、生体データの異常を検知した旨が車両側検知部130から通知された通知タイミングの前後一定期間又はこの通知タイミング以前の一定期間における運転環境データをサーバ200に送信する。通信部150は、運転環境データをサーバ200に送信する際に、この運転環境データの解析要求をサーバ200に送信してもよい。
通信部150は、車両側検知部130が生体データの異常を検知した際に、生体データをサーバ200にさらに送信してもよい。或いは、通信部150は、車両側検知部130が生体データの異常を検知した際に、異常を検知したタイミングを示すタイムスタンプをサーバ200にさらに送信してもよい。
通信部150は、車両側検知部130が生体データの異常を検知していない間は、運転環境データをサーバ200に送信しない。或いは、通信部150は、車両側検知部130が生体データの異常を検知していない間は、遠隔監視用に生体データのみをサーバ200に送信してもよい。運転環境データはデータ量が大きいため、運転環境データをサーバ200に送信しないことにより、通信リソース及び電力の消費量を抑制可能である。
運転環境データをサーバ200に送信した後、通信部150は待ち状態になり、サーバ200からの解析結果を待つ。サーバ200における解析により、運転者の健康状態の異常が検知された場合、通信部150は、健康異常有りを示す通知(警告メッセージ)をサーバ200から受信する。通信部150は、この通知をサーバ200から受信すると、運転者に対する警告情報の通知を通知部160に要求する。
通知部160は、運転者に対する通知を行う。通知部160は、健康状態の異常が検知された旨の警告情報を表示する表示部161及び警告情報を音声で出力する音声出力部162のうち少なくとも一方を有する。表示部161は、例えばダッシュボード又はハンドルに設けられるディスプレイである。音声出力部162は、車内に設けられるスピーカである。
運転者の健康状態に異常が生じた場合、運転中の運転者はこの異常に気付いていないことがある。特に、運転者の健康状態に異常が生じてから暫くの間は、運転者は自信の健康状態の異常に気付かないことがある。
ここでは、異常検知部220が運転者の健康状態の異常を検知した場合、健康状態の異常が検知された旨を通知部160が運転者に通知する一例について説明した。しかしながら、異常検知部220が運転者の健康状態の異常を検知した場合の措置は、運転者への通知に限定されない。
例えば、車両100が自動運転に対応した車両である場合、車両100を制御する車両制御部(ECU:Electronic Control Unit)は、道路の路肩に停車するように車両100の運転を自動で制御してもよい。また、車両制御部は、車両100のハザードランプを点灯させたり、クラクションにより周囲の運転者又は歩行者に通知したりしてもよい。さらに、車両100が車車間通信に対応した車両である場合、車両制御部は、警告情報を車車間通信により周囲の車両に送信してもよい。
(サーバの構成)
次に、一実施形態に係るサーバ200の構成について説明する。図4は、一実施形態に係るサーバ200の構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ200は、通信部210と、異常検知部220とを有する。
通信部210は、ネットワーク10を介して車両100と通信する。通信部210は、生体データ及び運転環境データを車両100から受信し、受信した生体データ及び運転環境データを異常検知部220に出力する。運転環境データは、画像データ、視線データ、及び操作データを含む。
異常検知部220は、通信部210が受信したデータに基づいて、車両100の運転者の健康状態の異常を検知する。具体的には、異常検知部220は、車両100側で生体データの異常が検知された場合、生体データの異常が検知された際の運転環境データに基づいて、運転環境が生体データの異常に与えた影響について解析する。
異常検知部220は、生体データ解析部221と、視認物特定部222と、操作判定部223と、異常判別部224とを有する。
生体データ解析部221は、通信部210が車両100から受信した生体データを解析し、生体データの異常が検出された期間を特定し、特定した期間を視認物特定部222(及び操作判定部223)に通知する。生体データ解析部221は、車両側検知部130と同様な方法で生体データの異常を検出してもよい。或いは、生体データ解析部221は、車両側検知部130よりも高度な方法、例えば運転者固有の学習済みモデルを用いて生体データの異常を検出してもよい。車両側検知部130が生体データの異常を検知したタイミングを示すタイムスタンプを通信部210が車両100から受信した場合、生体データ解析部221は、このタイムスタンプに基づいて、生体データの異常が検出された期間を特定してもよい。
視認物特定部222は、通信部210が車両100から受信した画像データ及び視線データに基づいて、生体データの異常が検知された際に運転者が視認していた視認物を特定する(視認物特定処理)。具体的には、視認物特定部222は、タイムスタンプに基づいて、生体データの異常が検出された期間に対応する画像データ及び視線データを時系列に同期させる。
そして、視認物特定部222は、視線データが示す場所(座標)に対応する画像データ中のオブジェクトを視認物として画像認識処理により特定し、特定した視認物を操作判定部223及び異常判別部224に通知する。この画像認識処理には、パターンマッチングを用いた画像認識手法を用いてもよいし、学習済みモデルを用いた画像認識手法を用いてもよい。
操作判定部223は、タイムスタンプに基づいて、生体データの異常が検出された期間に対応する操作データを取得する。操作判定部223は、取得した操作データに基づいて、運転者による危険回避操作の有無を判定する(操作判定処理)。危険回避操作とは、運転者が危険を回避するために行う運転操作をいい、例えば、急ブレーキ、急アクセル、又は急ハンドルが危険回避操作に相当する。
操作判定部223は、視認物特定部222が特定した視認物も考慮して、危険回避操作の有無を判定してもよい。例えば、操作判定部223は、視認物が車両100の前方の倒木であり、運転者が急ブレーキ操作を行ったような場合、危険回避操作有りと判定してもよい。操作判定部223は、視認物が車両100の右斜め前方の事故車両であり、運転者が左方向への急ハンドル操作を行ったような場合、危険回避操作有りと判定してもよい。
異常判別部224は、視認物特定部222が特定した視認物及び操作判定部223が判定した危険回避操作の有無に基づいて、生体データの異常が運転者の健康状態及び運転環境のどちらに起因したものであるかを判別する(異常判別処理)。
例えば、異常判別部224は、視認物特定部222が特定した視認物のみに基づいて異常判別処理を行ってもよい。異常判別部224は、視認物が車両100の前方の障害物(子供や倒木等)である場合、生体データの異常が運転環境に起因したものであり、運転者の健康状態に異常は無いと判別してもよい。
異常判別部224は、視認物特定部222が特定した視認物及び操作判定部223が判定した危険回避操作の有無の両方に基づいて異常判別処理を行ってもよい。異常判別部224は、視認物が車両100の前方の障害物であり、且つ、運転者が危険回避操作を行った場合、生体データの異常が運転環境に起因したものであり、運転者の健康状態に異常は無いと判別してもよい。
異常判別部224は、視認物がバックミラー(すなわち、後方車両)であり、運転者が危険回避操作として急アクセル操作を行ったような場合、生体データの異常が運転環境(具体的には、煽り運転車両)に起因したものであり、運転者の健康状態に異常は無いと判別してもよい。
異常判別部224は、運転者の健康状態に異常が無いと判別した場合、処理を終了する。或いは、異常判別部224は、運転者の健康状態に異常が無いと判別した場合、健康異常無しを示す通知を通信部210から車両100に送信させてもよい。
一方、異常判別部224は、運転者の健康状態に異常が有ると判別した場合、健康異常有りを示す通知(警告メッセージ)を通信部210から車両100に送信させる。また、異常判別部224は、運転者の健康状態に異常が有ると判別した場合、予め設定された連絡先(例えば、医療機関)への通知を通信部210に送信させてもよい。
(異常検知システムの動作例)
次に、一実施形態に係る異常検知システム1の動作例について説明する。図5は、一実施形態に係る異常検知システム1における主要な動作を示す図である。
図5に示すように、ステップS1において、車両100の車両側検知部130は、生体計測部110からの生体データの異常の有無を判定する。生体データの異常が無いと判定した場合(ステップS2:NO)、車両100の車両側検知部130は、ステップS1に処理を戻し、生体データの異常の有無判定を継続する。
一方、生体データの異常が有ると判定した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、車両100の通信部150は、生体データ、及び運転環境データ(画像データ、視線データ、及び操作データ)をサーバ200に送信する。サーバ200の通信部210は、生体データ及び運転環境データを車両100から受信する。
ステップS4において、サーバ200の視認物特定部222は、車両100から受信した画像データ及び視線データに基づいて、生体データの異常が検知された際に運転者が視認していた視認物を特定する(視認物特定処理)。
ステップS5において、サーバ200の操作判定部223は、生体データの異常が検出された期間に対応する操作データに基づいて、運転者による危険回避操作の有無を判定する(操作判定処理)。
ステップS6において、サーバ200の異常判別部224は、視認物特定部222が特定した視認物及び操作判定部223が判定した危険回避操作の有無に基づいて、生体データの異常が運転者の健康状態及び運転環境のどちらに起因したものであるかを判別する(異常判別処理)。具体的には、サーバ200の異常判別部224は、生体データの異常に対する運転環境の影響の有無を判定する。サーバ200の異常判別部224は、運転環境の影響有りと判定した場合(ステップS7:YES)、処理を終了する。
一方、サーバ200の異常判別部224は、運転環境の影響無しと判定した場合(ステップS7:NO)、ステップS8において、健康異常有りを示す通知(警告メッセージ)を通信部210から車両100に送信させる。車両100の通信部150は、この警告メッセージを受信する。
ステップS9において、車両100の通知部160は、健康状態の異常が検知された旨を運転者に通知する。
このように、一実施形態に係るサーバ200(異常検知部220)は、生体データの異常が検知された場合、生体データの異常が検知された際の運転環境データに基づいて、運転環境が生体データの異常に与えた影響について解析する。これにより、運転環境(運転シーン)が生体データに与える影響を考慮して、運転者の健康状態の異常を適切に検知できる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態において、環境計測部120が操作計測部123を有する一例について説明した。しかしながら、環境計測部120は、操作計測部123を有していなくてもよい。すなわち、操作データに基づく異常検知処理(操作判定部223)は必須の構成でなくてもよい。
また、上述した実施形態において、異常検知部220がサーバ200側に設けられる一例について説明した。しかしながら、将来的に、運転環境データを解析可能な程度の高い演算処理能力を有する車両100が実現される可能性がある。このため、他の実施形態において、異常検知部220が車両100側に設けられてもよい。このような実施形態において、車両100(又は車載機)は、運転者の健康状態の異常を検知する異常検知装置を構成する。このような実施形態においては、通信に伴う各種データの同期ずれを無視できるため、タイムスタンプ付与部141乃至144を不要としてもよい。
上述した実施形態に係る各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
1 :異常検知システム
10 :ネットワーク
11 :基地局
100 :車両
110 :生体計測部
120 :環境計測部
121 :撮像部
121a :フロントカメラ
121b :リアカメラ
122 :視線計測部
123 :操作計測部
130 :車両側検知部
141 :タイムスタンプ付与部
142 :タイムスタンプ付与部
143 :タイムスタンプ付与部
144 :タイムスタンプ付与部
150 :通信部
151 :アンテナ
160 :通知部
161 :表示部
162 :音声出力部
200 :サーバ
210 :通信部
220 :異常検知部
221 :生体データ解析部
222 :視認物特定部
223 :操作判定部
224 :異常判別部

Claims (10)

  1. 車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、
    前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部と、
    前記健康状態の異常を検知する異常検知部と、を備え、
    前記異常検知部は、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析する
    異常検知システム。
  2. 前記環境計測部は、
    前記車両の前方、後方、及び側方の少なくとも1つを撮影して画像データを出力する撮像部と、
    前記運転者の視線に関する視線データを計測する視線計測部と、を含み、
    前記運転環境データは、前記画像データ及び前記視線データを含む
    請求項1に記載の異常検知システム。
  3. 前記異常検知部は、
    前記画像データ及び前記視線データに基づいて、前記生体データの異常が検知された際に前記運転者が視認していた視認物を特定する視認物特定処理と、
    前記視認物に基づいて、前記生体データの異常が前記健康状態及び前記運転環境のどちらに起因したものであるかを判別する異常判別処理と、を実行する
    請求項2に記載の異常検知システム。
  4. 前記環境計測部は、前記車両に対する前記運転者の運転操作内容に関する操作データを計測する操作計測部をさらに含み、
    前記運転環境データは、前記操作データをさらに含む
    請求項2又は3に記載の異常検知システム。
  5. 前記異常検知部は、前記操作データに基づいて、前記運転者による危険回避操作の有無を判定する操作判定処理をさらに実行し、
    前記異常判別処理は、前記視認物及び前記危険回避操作の有無に基づいて、前記生体データの異常が前記健康状態及び前記運転環境のどちらに起因したものであるかを判別する処理を含む
    請求項3を引用する請求項4に記載の異常検知システム。
  6. 前記車両と通信するサーバをさらに備え、
    前記生体計測部及び前記環境計測部は、前記車両側にあり、
    前記異常検知部は、前記サーバ側にある
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の異常検知システム。
  7. 前記生体データの異常を前記車両側で検知する車両側検知部と、
    前記車両側検知部が前記生体データの異常を検知した際に、前記運転環境データを前記車両側から前記サーバ側に送信する通信部と、をさらに備える
    請求項6に記載の異常検知システム。
  8. 前記異常検知部が前記健康状態の異常を検知した場合、前記健康状態の異常が検知された旨を前記運転者に通知する通知部をさらに備える
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の異常検知システム。
  9. 車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部とを有するシステムで用いる異常検知装置であって、
    前記健康状態の異常を検知する異常検知部を備え、
    前記異常検知部は、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析する
    異常検知装置。
  10. 車両の運転者の健康状態に関する生体データを計測する生体計測部と、前記車両の周辺の運転環境に関する運転環境データを計測する環境計測部とを有するシステムで用いる異常検知方法であって、
    前記健康状態の異常を検知する異常検知ステップを有し、
    前記異常検知ステップは、前記生体データの異常が検知された場合、前記生体データの異常が検知された際の前記運転環境データに基づいて、前記運転環境が前記生体データの異常に与えた影響について解析するステップを含む
    異常検知方法。
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