JP2021116795A - 排気浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】選択的還元触媒装置の温度を適切に保ち、窒素酸化物の浄化率を向上する排気浄化システムを提供する。【解決手段】内燃機関1の排気通路2に配置されたフィルタ装置13と選択的還元触媒装置15とを備えた排気浄化システム10において、一端が選択的還元触媒装置15の入口の近傍の排気通路3に連通するとともに他端が大気に開口する大気開口通路17と、この大気開口通路17に配置された送風機18および加熱装置19と、温度取得装置21と、制御装置20と、を備え、制御装置20は、温度取得装置21が取得した温度Txを予め設定された範囲(Ta〜Tb)に収めるように、送風機18の送風および加熱装置19の加熱を制御する構成にした。【選択図】図1
Description
本開示は排気浄化システムに関し、より詳細には粒子状物質を捕集するフィルタ装置と窒素酸化物を還元浄化する選択的還元触媒装置とを備える排気浄化システムに関する。
内燃機関始動前にヒータを通電し、ファンを駆動し、通路開閉弁を開弁して、ヒータで暖められた空気がファンにより強制的に触媒フィルタを通り触媒フィルタ下流側に排出され、更に、連通路を通って触媒フィルタ上流側へ戻り、ヒータで再び暖められ触媒フィルタ内に送られる装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、排気浄化システムにおいては、排気の流れに関して粒子状物質を捕集するフィルタ装置よりも下流側に窒素酸化物を還元浄化する選択的還元触媒装置が配置されるものがある。この種のシステムではフィルタ装置の再生中に選択的還元触媒装置が高温の排気に曝されることになる。また、内燃機関の運転が停止した状態の車両の減速中に選択的還元触媒装置が低温の排気に曝されることになる。
上記の特許文献1に記載の装置は内燃機関の始動時における触媒フィルタの温度を昇温する装置であって、フィルタ装置の再生中や車両の減速中の選択的還元触媒装置の温度を適切に保つことができない。
本開示の目的は、選択的還元触媒装置の温度を適切に保ち、窒素酸化物の浄化率を向上する排気浄化システムを提供することである。
上記の目的を達成する本発明の一態様の排気浄化システムは、内燃機関から排出された排気が流通する排気通路の中途位置に配置されて排気に含有する窒素酸化物を還元浄化する選択的還元触媒装置を備えた排気浄化システムにおいて、一端が前記選択的還元触媒装置の入口の近傍の前記排気通路に連通するとともに他端が大気に開口する大気開口通路と、この大気開口通路に配置された送風機と、前記大気開口通路の他端から前記選択的還元触媒装置までの間に配置された加熱装置と、前記選択的還元触媒装置の温度を直接的にまたは間接的に取得する温度取得装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記温度取得装置が取得した前記選択的還元触媒装置の温度を予め設定された範囲に収めるように、前記送風機の送風および前記加熱装置の加熱を制御する構成にしたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、送風機の送風および加熱装置の加熱を組み合わせることで、選択的還元触媒装置に対する暖気、保温、温度上昇の抑制を行うことができる。これにより、選択的還元触媒装置の温度を適切に保つには有利になり、窒素酸化物の浄化率を向上することができる。
以下に、本開示における排気浄化システムの実施形態について説明する。図中において、白抜き矢印は吸気または空気の流れを示し、塗り潰し矢印は排気の流れを示し、一点鎖線は信号線を示す。なお、本実施形態において、吸気は内燃機関1の気筒に吸入される気体であり、空気に排気が混合されたものを含むものとする。
図1に例示するように、本実施形態の排気浄化システム11は車両の内燃機関1から燃料の燃焼により生じた排気が流通する排気通路2の中途位置に配置されて、排気を浄化するものである。なお、排気浄化システム10は車両に搭載される内燃機関1に限定されない。
内燃機関1は排気通路2、吸気通路3、還流通路4、還流用バルブ5、ターボチャージャ6、排気バルブ7を備えて構成される。排気通路2は排気が流通する。吸気通路4は吸気が流通する。還流通路4は排気の流れに関して排気浄化システム10より下流側の排気通路3から分岐して吸気通路3に合流する。還流用バルブ5は還流通路4の中途位置に配置される。ターボチャージャ6は排気により駆動するタービンおよび吸気を圧縮するコンプレッサを有する。排気バルブ7は排ガスの流れに関して排気通路2における還流通路4の分岐点よりも下流側に配置される。
排気浄化システム10は、排気通路2の中途位置に配置されて、排気管燃料噴射装置11、酸化触媒装置12、フィルタ装置13、還元剤噴射装置14、選択的還元触媒装置15、および、還元剤吸着触媒装置16を備える。排気管燃料噴射装置11は排気の流れに関して酸化触媒装置12の上流側に配置されて、排気通路2に未然の燃料を噴射する。酸化触媒装置12は排気の流れに関してフィルタ装置13の上流側に配置されて、排気に含有する炭化水素、一酸化炭素、及び一酸化窒素を酸化する。フィルタ装置13は排気に含有する粒子状物質を捕集する。還元剤噴射装置14は排気の流れに関して選択的還元触媒装置15の上流側に配置されて、尿素水を噴射して選択的還元触媒装置15に還元剤であるアンモニアを供給する。選択的還元触媒装置15は排気の流れに関して還元剤吸着触媒装置16の上流側に配置されて、アンモニアを還元剤として排気に含有する窒素酸化物を還元浄化する。還元剤吸着触媒装置16は、選択的還元触媒装置15を通過後の排気に含まれる還元剤を吸着除去する。排気浄化システム10は排気管燃料噴射装置11を備えない代わりに、内燃機関1の図示しない燃料噴射装置のポスト噴射により酸化触媒装置12に未然燃料を供給する構成にしてもよい。
排気浄化システム10は上記の構成に加えて、大気開口通路17、送風機18、および、加熱装置19を備える。また、排気浄化システム10は制御装置20と各種センサ類(21〜)を備える。
大気開口通路17は一端が選択的還元触媒装置15の入口の近傍の排気通路2に連通するとともに他端が大気に開口してなる。本開示において、選択的還元触媒装置15の入口の近傍はその位置から選択的還元触媒装置15までの間に他の装置が存在しない位置を示す。但し、例外的に加熱装置19に関してはその位置と選択的還元触媒装置15との間に存在してもよいこととする。本実施形態において、その位置はフィルタ装置13と選択的還元触媒装置15の間の位置である。大気開口通路17は大気に開口する開口部17aが車両の走行中に生じる走行風が吹き込まないように、車両の走行方向に対して反対側に向けられることが望ましい。大気開口通路17の開口部17aにはエアクリーナを設けてもよい。
送風機18は大気開口通路17の中途位置に配置される。送風機18は大気側から排気通路3の側に向かう方向を正方向とし、排気通路3の側から大気側に向かう方向を逆方向とし、正逆それぞれの方向に送風可能に構成される。送風機18は送風量が調節可能な構成が望ましく、例えば、ブロアファンが例示される。送風機18は正方向に送風することで大気から取り込んだ空気を排気通路3に供給し、逆方向に送風することで排気通路3から取り込んだ排気を大気に排出するように構成される。
加熱装置19は大気開口通路17の開口部17aから選択的還元触媒装置15までの間の大気開口通路17または排気通路3に配置される。加熱装置19は大気開口通路17に配置されることが望ましく、大気開口通路17における排気通路3に合流する合流地点の近傍の大気開口通路17に配置されることがより望ましい。加熱装置19が大気開口通路17に配置されることで、排気通路3に加熱装置19が配置される場合に比して排圧抵抗を低くするには有利となる。また、加熱装置19が合流地点の近傍の大気開口通路17に配置されることで、加熱装置19により加熱した空気が大気開口通路17を流通することで冷却されることを回避するには有利となる。加熱装置19としては自身を通過する空気を加熱する電気ヒータが例示される。
制御装置20は排気浄化システム10の制御を行う装置であり、フィルタ装置13の再生制御や還元剤の噴射制御に加えて、選択的還元触媒装置15の温度Txを予め設定された範囲(Ta〜Tb)に収めるように送風機18の送風および加熱装置19の加熱を制御する。制御装置20は信号線により還流用バルブ5、排気バルブ7、内燃機関用制御装置8、排気管燃料噴射装置11、還元剤噴射弁13、送風機18、加熱装置19、および、各種センサに電気的に接続される。
制御装置20および内燃機関用制御装置8のそれぞれは各種情報処理を行う中央演算装置(CPU)、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。
内燃機関用制御装置8は図示しない各センサが取得した取得値に基づいて内燃機関1の図示しない燃料噴射装置、還流用バルブ5、および、排気バルブ7を制御する装置である。本実施形態において、内燃機関用制御装置8はアクセルペダルの開度、車速、内燃機関1の回転速度に基づいた減速信号S1を制御装置20に送信する装置である。この減速信号S1は内燃機関1の運転が停止した状態、つまり、燃料噴射装置から駆動に寄与する燃料の噴射が停止した状態でその内燃機関1を搭載した車両が減速していることを示す信号である。また、内燃機関用制御装置8は排気ブレーキスイッチのオン、オフに基づいた排気ブレーキの作動信号S2を制御装置20に送信する装置でもある。作動信号S2は排気バルブ7が閉じて排気ブレーキが作動したことを示す信号である。加えて、内燃機関用制御装置8は目標EGR率R1から実際のEGR率Rxを減算した差分ΔRに基づいて還流用通路4を介して吸気通路3に供給される排気の還流量を還流用バルブ5の開度により調節する制御を行い、その差分ΔRを制御装置20に送信する装置でもある。なお、目標EGR率R1は予め設定した固定値でもよく、車両の運転状態や内燃機関1の運転状態に応じて可変する可変値でもよい。また、実際のEGR率Rxは排気通路2および吸気通路3のそれぞれに配置された図示しない二酸化炭素センサを用いて算出される値が例示されるが、EGR率Rxの算出方法は特に限定されるものではない。さらに、内燃機関用制御装置8はアクセサリ電源がオンになり、車両に搭載された電気的なシステムが駆動したこと示すアクセサリ信号S3を制御装置に送信する装置でもある。
制御装置20は、機能要素として再生制御部23、還元剤制御部24、送風制御部25、加熱制御部26、バルブ制御部27、および、始動制御部28を有する。各機能要素は、プログラムとして内部記憶装置に記憶されていて、適時、中央演算装置により実行されている。なお、各機能要素としては、プログラムの他にそれぞれが独立して機能するプログラマブルコントローラ(PLC)や電気回路で構成されてもよい。
温度取得装置21は選択的還元触媒装置15の温度を間接的に取得するものであり、排気の流れに関して選択的還元触媒装置15よりも下流側に配置され、選択的還元触媒装置15を通過した排気の温度Txを選択的還元触媒装置15の温度として取得する。温度取得装置19は選択的還元触媒装置15の温度を直に取得するものでもよい。また、温度取得装置21は選択的還元触媒装置15の前後のそれぞれに配置されて前後の温度差も用いて選択的還元触媒装置15の温度を間接的に取得する構成にしてもよい。
差圧取得装置22はフィルタ装置13の前後の差圧を取得するものである。差圧取得装置22はフィルタ装置13が捕集した粒子状物質によりフィルタ装置13が詰まった状態を取得することができればよく、内燃機関1から排出された排気の状態を監視してフィルタ装置13が詰まった状態を予測する装置を代わりに用いてもよい。
再生制御部23は差圧取得装置22が取得したフィルタ装置13の前後の差圧が入力されて、入力されたその差圧が予め設定された差圧閾値以上の場合にフィルタ装置13の再生制御を行う機能要素である。フィルタ装置13の再生制御は排気管燃料噴射装置11により未然の燃料を噴射して酸化触媒装置12で噴射されたその未然の燃料を酸化することで、排気の温度を上昇させて、フィルタ装置13が捕集した粒子状物質を加熱除去する制御である。再生制御部23はフィルタ装置13の再生制御を行う場合に、再生制御を行っていることを示す再生信号S4を送風制御部25に送信する。
還元剤制御部24は温度取得装置21が取得した温度Txが入力されて、その温度Txが予め設定された範囲(Ta〜Tb)に収まっている場合に還元剤噴射装置14から還元剤を噴射させる制御を行う。また、還元剤制御部24は図示しないNOxセンサが検出した窒素酸化物の含有量に応じて還元剤の噴射量を調節する制御を行う。範囲(Ta〜Tb)は選択的還元触媒装置15が活性化し、還元剤噴射装置14から噴射された還元剤を用いて排気に含有される窒素酸化物を効果的に還元浄化可能な温度の範囲である。なお、温度Txが範囲に収まっている場合に比して浄化率が低下するが、温度Txが範囲(Ta〜Tb)から外れた場合でも選択的還元触媒装置15は窒素酸化物を還元浄化できない状態ではない。
送風制御部25は温度取得装置21が取得した温度Txと再生制御部23からの再生信号S4と内燃機関用制御装置8からの減速信号S1、作動信号S2が入力されて、それらに基づいて送風機18の送風方向を決定する機能要素である。また、送風制御部25は決定した送風方向が正方向の場合に内燃機関用制御装置8からの差分ΔRに基づいて送風機18の送風量Qxを調節する機能要素である。
図2に例示するように、差分ΔRと送風機18が正方向に送風する場合の送風量Qxの増減量ΔQとの相関は負の相関となる。送風制御部25は差分ΔRと増減量ΔQとの相関に基づいて送風量Qxを算出する。送風機18の送風量Qxは予め設定された設定量Q0に差分ΔRに基づいて求まる増減量ΔQを加算した値となる。設定料Q0は差分ΔRが正の最大値になり、増減量ΔQが負の最大値となった場合にでも正の値となる。つまり、送風機18が正方向に送風する場合の送風量Qxは常に正の値となる。この差分ΔRと増減量ΔQとの相関と設定量Q0は予め実験や試験、あるいは、シミュレーションにより求めるものとする。
加熱制御部26は温度取得装置21が取得した温度Txが入力されて、入力されたその温度Txに基づいて加熱装置19による加熱を制御する機能要素である。
バルブ制御部27は温度取得装置21が取得した温度Txと減速信号S1が入力されて、入力されたその温度Txと減速信号S1とに基づいて、内燃機関用制御装置8が行う還流用バルブ5による排気の還流量の調節とは別に還流用バルブ5の開閉を制御し、内燃機関用制御装置8が行う排気バルブ7による排気ブレーキの作動とは別に、排気バルブ7の開閉を制御する機能要素である。
始動制御部28はタイマ29を有してなり、タイマ29により設定された設定時刻txになると、あるいは、内燃機関用制御装置8からアクセサリ信号S3が入力されると、温度取得装置21が取得した温度Txに基づいて送風制御部25および加熱制御部26に指示を出す機能要素である。タイマ29の設定時刻txは運転手により任意の時刻に設定することが可能である。
図3〜図6に例示するように、本実施形態の排気浄化システム10の制御方法を制御装置20の機能として説明する。この制御方法は図3〜図5に示す制御フローが車両の運転中に行われ、図6に示す制御フローが車両の運転前に行われる。本実施形態において車両の運転中はイグニッションキーがオンの状態であり、車両の運転前は予め設定した時刻txになったとき、あるいは、イグニッションキーがオフの状態で、かつ、アクセサリ電源がオンの状態を示すものとする。なお、イグニッションキーがオンの状態は内燃機関1が始動する状態であり、アクセサリ電源がオンの状態は制御装置20や内燃機関用制御装置8を含む電装品が通電した状態である。制御フローは所定の周期ごとに繰り返し行われ、リターンでスタートや前のステップに戻ると一周期が経過するものとする。
図3に例示するように、車両の運転中に、温度取得装置21が温度Txを取得すると(S110)、送風制御部25は取得した温度Txが予め設定した範囲(Ta〜Tb)に収まるか否かを判定する(S120)。
温度Txが範囲(Ta〜Tb)から外れると判定すると(S120:NO)、送風制御部25は送風機18の送風方向を正方向に決定し、差分ΔRに基づいて送風量Qxを算出する(S160)。このとき、差分ΔRが正の値の場合に送風量Qxは設定量Q0よりも小さい量となり、差分ΔRが負の値の場合に送風量Qxは設定量Q0よりも大きい値となる。次いで、送風制御部25は算出された送風量Qxに基づいて送風機18に正方向の送風を行わせる(S170)。一方、温度Txが範囲(Ta〜Tb)に収まると判定すると(S120:YES)、送風制御部25は再生制御部23からの再生信号S4が入力されたか否かによりフィルタ装置13の再生制御が行われているか否かを判定する(S130)。
フィルタ装置13の再生制御が行われていると判定すると(S130:YES)、送風制御部25は送風機18の送風方向を正方向に決定し、差分ΔRに基づいて送風量Qxを算出する(S160)。次いで、送風制御部25は送風機18に正方向の送風を行わせる(S170)。一方、フィルタ装置13の再生制御が行われていないと判定すると(S130:NO)、内燃機関用制御装置8からの減速信号S1が入力されたか否かにより車両が内燃機関1における燃料の噴射が停止した状態で減速しているか否かを判定する(S140)。
減速信号S1が入力されていないと判定すると(S140:NO)、送風制御部25は送風機18の送風を停止する(S190)。一方、減速信号S1が入力されたと判定すると(S140:YES)、送風制御部25は内燃機関用制御装置8から作動信号S2が入力されたか否かにより排気バルブ7が閉じて排気ブレーキが作動したか否かを判定する(S150)。
作動信号S2が入力されたと判定すると(S150:YES)、送風制御部25は送風機18の送風方向を正方向に決定し、差分ΔRに基づいて送風量Qxを算出する(S160)。次いで、送風制御部25は送風機18に正方向の送風を行わせる(S170)。一方、作動信号S2が入力されていないと判定すると(S150:NO)、送風制御部25は送風機18の送風方向を逆方向に決定し、送風量Qxを最大にして、送風機18に逆方向の送風を行わせる(S180)。
図4に例示するように、車両の運転中に、温度取得装置21が温度Txを取得すると(S210)、加熱制御部26は取得した温度Txが予め設定した範囲の下限値Taよりも低いか否かを判定する(S220)。
温度Txが下限値Taよりも低いと判定すると(S220:YES)、加熱制御部26は加熱装置19への通電を開始して送風機18により送風された大気を加熱させる(S230)。一方、温度Txが下限値Ta以上と判定すると(S220:NO)、加熱制御部26は加熱装置19への通電を停止して加熱を停止させる(S240)。
図5に例示するように、車両の運転中に、バルブ制御部27は送風機18により正方向の送風が行われたか否かを判定する(S310)。正方向の送風が行われたと(S310:YES)、バルブ制御部27は排気バルブ7を全閉にする(S320)。一方、正方向の送風が行われていないと判定すると(S310:NO)、制御フローはスタートに戻り、このときの還流用バルブ5および排気バルブ7は内燃機関用制御装置8により制御される。
ついで、バルブ制御部27は内燃機関用制御装置8からの減速信号S1が入力されたか否かにより車両が内燃機関1における燃料の噴射が停止した状態で減速しているか否かを判定する(S330)。減速信号S1が入力されていないと判定すると(S330:NO)、バルブ制御部27は還流用バルブ5を全開にする(S340)。一方、減速信号S1が入力されたと判定すると(S330:YES)、制御フローはスタートに戻り、このときの還流用バルブ5および排気バルブ7は内燃機関用制御装置8により制御される。
図6に例示するように、始動制御部28はタイマ29に設定された時刻txになると(S410)、あるいは、内燃機関用制御装置8からアクセサリ信号S3が入力されると(S420)、温度取得装置21により温度Txを取得する(S430)。
始動制御部28は取得した温度Txが予め設定した範囲の下限値Taよりも低いか否かを判定する(S440)。温度Txが下限値Taよりも低いと判定すると(S440:YES)、始動制御部28は加熱制御部26に加熱装置19への通電を開始させる指示を出す(S450)。次いで、始動制御部28は送風制御部25に送風機18により正方向に送風させる指示を出す(S460)。
温度Txが下限値Ta以上となったと判定すると(S440:NO)、始動制御部28は加熱制御部26に加熱装置19への通電を停止させる指示を出す(S470)。次いで、始動制御部28は送風制御部25に送風機18による送風を停止させる指示を出す(S480)。
以上のように、本開示の排気浄化システム10によれば、送風機18の送風および加熱装置19の加熱を組み合わせることで、選択的還元触媒装置15に対する暖気、保温、温度上昇の抑制を行うことができる。これにより、選択的還元触媒装置15の温度を適切に保つには有利になり、選択的還元触媒装置15が窒素酸化物を除去できない状態になる頻度を減らすことで窒素酸化物の浄化率を向上することができる。
具体的に、排気浄化システム10は、車両の運転中に温度Txが下限値Taを下回ると、送風機18の送風により大気開口通路17を介して大気から排気通路3に空気を供給し、加熱装置19によりその空気を加熱し、加熱した空気が排気に混合されることにより選択的還元触媒装置15を通過する排気の温度Txを上昇させる。この結果、選択的還元触媒装置15の温度を上昇させることができる。
また、排気浄化システム10は、車両の運転中に温度Txが上限値Tbを上回ると、送風機18の送風により大気開口通路17を介して大気から排気通路3に空気を供給し、その空気が排気に混合されることにより選択的還元触媒装置15を通過する排気の温度Txを低下させる。この結果、選択的還元触媒装置15の温度を低下させることができる。
また、排気浄化システム10は、車両の運転中にフィルタ装置13の再生制御が行われると、送風機18の送風により大気開口通路17を介して大気から排気通路3に空気を供給し、その空気が排気に混合されることにより選択的還元触媒装置15を通過する排気の温度の上昇を抑制することができる。この結果、選択的還元触媒装置15のフィルタ装置13の再生中の熱害を回避することができる。
加えて、排気浄化システム10は、選択的還元触媒装置15の温度が窒素酸化物を効果的に還元除去できない状態からできる状態になるまでの間、排気バルブ7を全閉にし、還流用バルブ5を全開にする。これにより、選択的還元装置15で還元浄化できない窒素酸化物を含んだ排気を吸気通路3に還流することで、大気への窒素酸化物の放出を回避することができる。
さらに、排気浄化システム10は、送風機18が正方向に送風する場合の送風機18の送風量Qxを排気の還流量に基づいて設定する、つまり、目標EGR率R1と実際のEGR率Rxとの差分ΔRに基づいて設定する。これにより、排気バルブ7を全閉にし、かつ、還流用バルブ5を全開にした状態でも目標EGR率R1を達成することができる。
また、排気浄化システム10は、車両の運転中に内燃機関1の運転が停止した状態で車両が減速すると、送風機18の送風により大気開口通路17を介して排気通路3から大気に排気を排出する。これにより、車両の減速中の低温の排気の選択的還元触媒装置15への到達量を減らすことができる。この結果、選択的還元触媒装置15を保温することができる。送風機18の送風方向を逆方向にして排気通路3から大気へ排気を排出する場合に、送風機18の送風量Qxを最大にすることで、選択的還元触媒装置15の保温効果を高めるには有利になる。
また、排気浄化システム10は、車両の運転中に排気バルブ7が全閉して排気ブレーキが作動すると、送風機18の送風により大気開口通路17を介して大気から排気通路3に空気を供給して、排気圧力を上昇することができる。この結果、排気ブレーキによる制動力を高めることができる。なお、排気ブレーキの作動中に温度Txが下限値Taよりも低くなると、加熱装置19による加熱を行うことで、排気ブレーキ中に選択的還元触媒装置15の温度が下限値Taよりも低くなることを回避することができる。
また、排気浄化システム10は、車両の運転前であって、予め設定された時刻txになったときに、あるいは、アクセサリ電源がオンになったときに、送風機18の送風により大気開口通路17を介して大気から排気通路3に空気を供給し、加熱装置19によりその空気を加熱し、加熱した空気により選択的還元触媒装置15を通過する排気の温度を上昇させる。これにより、イグニッションキーがオンになる前に、予め選択的還元触媒装置15の暖気を行うことで、内燃機関1の始動直後の窒素酸化物の不完全浄化を防止することができる。さらに、予め選択的還元触媒装置15を暖気しておくことで、内燃機関1の燃料の噴射タイミングをリタードする必要がなくなり、リタードによる燃費の悪化を改善することができる。
実施形態の大気開口通路17は他端が大気に開口するものを例示したが、本開示の大気開口通路17はこれに限定されない。例えば、大気開口通路17は一端がフ選択的還元触媒装置15の入口の近傍の排気通路2に連通するとともに他端が吸気の流れに関して還流通路4の合流地点よりも上流側の吸気通路3に連通する構成にしてもよい。つまり、大気開口通路17は直に大気に開口するものに限定されずに、吸気通路3を介して間接的に大気に開口する構成にしてもよい。
制御装置20と内燃機関用制御装置8とは別々の装置として構成されるが、これらの装置は一つの制御装置として構成されてもよい。また、制御装置20のバルブ制御部27を内燃機関用制御装置8の機能要素としてもよい。
送付機18が正方向に送風する場合のEGR率Rxは送風機18の送風量Qxで調節されるが、EGR率Rxは送風機18の送風量Qxと還流用バルブ5の開度とを組み合わせて調節されてもよい。例えば、送風機18の送風により大気から排気通路3に空気を供給する場合に、還流用バルブ5を全開としたが、送風機18の送風量Qxを調節しても所望のEGR率Rxが得られない場合に還流用バルブ5の開度で調節してもよい。また、予め目標EGR率R1とEGR率Rxとの差分ΔRに基づいた送風機18の送風量Qxの増減値ΔQと還流用バルブ5の開度の増減量とが設定されたマップを用いてEGR率Rxを調節してもよい。
加熱装置19は出力が一定の電気ヒータを用いたが、出力が可変の電気ヒータを用いてもよい。出力が可変の加熱装置19を用いる場合に、制御装置20は目標EGR率R1に基づいて送風機19の送風量Qxと還流用バルブ5の開度とを調節する際に、送風機19の送風量Qxが選択的還元触媒装置15の昇温に影響する場合に加熱装置19の出力を大きくするようにしてもよい。
上記の構成に加えて、排気浄化システム10は大気の温度を取得する装置を備え、大気の温度に応じて、送風機18の送風量Qxや加熱装置19の出力を調節するように構成されてもよい。
1 内燃機関
2 排気通路
10 排気浄化システム
13 フィルタ装置
15 選択的還元触媒装置
17 大気開口通路
18 送風機
19 加熱装置
20 制御装置
21 温度取得装置
2 排気通路
10 排気浄化システム
13 フィルタ装置
15 選択的還元触媒装置
17 大気開口通路
18 送風機
19 加熱装置
20 制御装置
21 温度取得装置
Claims (10)
- 内燃機関から排出された排気が流通する排気通路の中途位置に配置されて排気に含有する窒素酸化物を還元浄化する選択的還元触媒装置を備えた排気浄化システムにおいて、
一端が前記選択的還元触媒装置の入口の近傍の前記排気通路に連通するとともに他端が大気に開口する大気開口通路と、この大気開口通路に配置された送風機と、前記大気開口通路の他端から前記選択的還元触媒装置までの間に配置された加熱装置と、前記選択的還元触媒装置の温度を直接的にまたは間接的に取得する温度取得装置と、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記温度取得装置が取得した前記選択的還元触媒装置の温度を予め設定された範囲に収めるように、前記送風機の送風および前記加熱装置の加熱を制御する構成にしたことを特徴とする排気浄化システム。 - 前記制御装置は、前記内燃機関を搭載した車両の運転中に前記送風機の送風および前記加熱装置の加熱を制御する構成にした請求項1に記載の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記内燃機関を搭載した車両の運転前に前記送風機の送風および前記加熱装置の加熱を制御する構成にした請求項1または2に記載の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記温度取得装置が取得した前記選択的還元触媒装置の温度が前記範囲の下限値を下回る場合に前記加熱装置により加熱する制御を行い、それ以外の場合に前記加熱装置による加熱を停止する制御を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記温度取得装置が取得した前記選択的還元触媒装置の温度が前記範囲を外れる場合に前記送風機の送風により前記大気開口通路を介して大気から前記排気通路に空気を供給する制御を行う請求項4に記載の排気浄化システム。
- 排気の流れに関して前記選択的還元触媒装置よりも上流側の前記排気通路に配置されて排気に含有される微粒子状物質を捕集するフィルタ装置を備え、
前記制御装置は、前記フィルタ装置を再生する場合に前記送風機の送風により前記大気開口通路を介して大気から前記排気通路に空気を供給する制御を行う請求項4または5に記載の排気浄化システム。 - 前記制御装置は、前記内燃機関が搭載された車両がその内燃機関の運転が停止した状態で減速中である場合に前記送風機の送風により前記大気開口通路を介して前記排気通路から大気に排気を排出する制御を行う請求項4〜6のいずれか1項に記載の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、排気の流れに関して前記選択的還元触媒装置よりも下流の前記排気通路に配置された排気バルブが閉じて排気ブレーキが作動している場合に前記送風機の送風により前記大気開口通路を介して大気から前記排気通路に空気を供給する制御を行う請求項4〜7のいずれか1項に記載の排気浄化システム。
- 前記制御装置は、前記送風機の送風により前記大気開口通路を介して前記排気通路から大気に排気を排出する制御を行う場合に、排気の流れに関して前記選択的還元触媒装置よりも下流側の前記排気通路から分岐して吸気通路に合流する還流流路を介して前記吸気通路に還流する排気の還流量に基づいて前記送風機の送風量を調節する制御を行う請求項4〜8のいずれか1項に記載の排気浄化システム。
- 前記加熱装置が前記大気開口通路に配置される請求項1〜9のいずれか1項に記載の排気浄化システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020012819A JP2021116795A (ja) | 2020-01-29 | 2020-01-29 | 排気浄化システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020012819A JP2021116795A (ja) | 2020-01-29 | 2020-01-29 | 排気浄化システム |
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JP2021116795A true JP2021116795A (ja) | 2021-08-10 |
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ID=77174420
Family Applications (1)
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JP2020012819A Pending JP2021116795A (ja) | 2020-01-29 | 2020-01-29 | 排気浄化システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021116795A (ja) |
-
2020
- 2020-01-29 JP JP2020012819A patent/JP2021116795A/ja active Pending
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