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JP2021100071A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置及び基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去する。【解決手段】基板を処理する基板処理装置であって、前記基板の表面には表面膜が形成され、前記基板処理装置は、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、前記第1の基板の内部にレーザ光を照射して、除去対象の周縁部と中央部の境界に沿って前記周縁部の剥離の基点となる周縁改質層を形成する周縁改質部を備え、前記第1の基板の外周部には、前記表面膜を除去することで前記第1の基板の表面を露出させた基板露出領域が形成されている。【選択図】図7

Description

本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
特許文献1には、エッジトリムを行う装置として、外周部に砥粒が設けられた円板状の研削工具を回転し、研削工具の少なくとも外周面を半導体ウェハに線状に当接させて半導体ウェハの周端部を略L字状に研削することが開示されている。半導体ウェハは、二枚のシリコンウェハを貼り合わせて作製されたものである。
また特許文献2には、被加工物の加工方法であって、外周部が切削ブレードにより除去された被加工物をサブストレートと貼着し、その後、貼着された被加工物の裏面を研削して所定の厚みにすることが開示されている。
特開平9−216152号公報 特開2018−114581号公報
本開示にかかる技術は、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去する。
本開示の一態様は、基板を処理する基板処理装置であって、前記基板の表面には表面膜が形成され、前記基板処理装置は、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、前記第1の基板の内部にレーザ光を照射して、除去対象の周縁部と中央部の境界に沿って前記周縁部の剥離の基点となる周縁改質層を形成する周縁改質部を備え、前記第1の基板の外周部には、前記表面膜を除去することで前記第1の基板の表面を露出させた基板露出領域が形成されている。
本開示によれば、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去することができる。
重合ウェハの構成例を示す側面図である。 第1のウェハに形成された基板露出領域の概略を示す説明図である。 本実施形態に係るウェハ処理システムの構成の概略を示す平面図である。 半導体ウェハ製造工程における主な工程の一例を示す説明図である。 第1のウェハの内部における改質層の形成例を示す平面図である。 半導体ウェハ製造工程における主な工程の一例を示すフロー図である。 第1のウェハの内部における改質層の形成例を示す説明図である。 第1のウェハの内部における改質層の形成例を示す説明図である。 他の実施形態に係るウェハ処理システムの構成の概略を示す平面図である。 基板露出領域の形成方法の一例を示す説明図である。 基板露出領域の形成例を示す説明図である。
近年、半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成された半導体基板(以下、「第1の基板」という。)と第2の基板が接合された重合基板に対し、当該第1の基板の裏面を研削して薄化することが行われている。
ところで、通常、第1の基板の周縁部は面取り加工がされているが、特許文献1にも開示されるように、第1の基板の裏面に研削処理を行うと、第1の基板の周縁部が鋭く尖った形状(いわゆるナイフエッジ形状)になる。そうすると、第1の基板の周縁部でチッピングが発生し、第1の基板が損傷を被るおそれがある。そこで、研削処理前に予め第1の基板の周縁部を削る、いわゆるエッジトリムが行われている。
上述した特許文献2に記載の研削方法は、ウェハ(第1のウェハ)の外周部にこのナイフエッジ形状が形成されるのを抑制するための研削方法である。しかしながら特許文献2に記載の方法で第2の基板に接合された第1の基板の裏面を研削して薄化すると、当該第1の基板の薄化に伴いチッピング問題が発生する場合があった。具体的には、例えば第1の基板の薄化時に飛散する破片が研削装置のチャンバー内や排液ラインに溜まり、装置内の排液を阻害したり、破片の除去のためのメンテナンスにより装置の稼働率を低下させたりする場合があった。また例えば、破片が第1の基板の研削面に付着することで研削を適切に行うことができなくなる場合があった。したがって、従来のエッジトリムには改善の余地がある。
本開示にかかる技術は上記事情に鑑みてなされたものであり、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去する。具体的には、第1の基板の内部にレーザを照射して、除去対象の第1の基板の周縁部と中央部の境界に沿って周縁改質層を形成し、当該周縁改質層を基点に周縁部を剥離して除去する(レーザトリミング加工)。以下、本実施形態にかかる基板処理装置および基板処理方法ついて、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態に係る基板処理装置としてのウェハ処理システム1では、図1に示すように第1の基板としての第1のウェハWと、第2の基板としての第2のウェハSとが接合された重合基板としての重合ウェハTに対して処理を行う。そしてウェハ処理システム1では、第1のウェハWの周縁部Weを除去しつつ、当該第1のウェハWを薄化する。以下、第1のウェハWにおいて、第2のウェハSに接合された面を表面Waといい、表面Waと反対側の面を裏面Wbという。同様に、第2のウェハSにおいて、第1のウェハWに接合された面を表面Saといい、表面Saと反対側の面を裏面Sbという。また、第1のウェハWにおいて、除去対象としての周縁部Weの径方向内側を中央部Wcという。
第1のウェハWは、例えばシリコン基板等の半導体ウェハであって、表面Waに複数のデバイスを含むデバイス層Dが形成されている。デバイス層Dにはさらに、表面膜Fwが形成され、当該表面膜Fwを介して第2のウェハSの表面膜Fsと接合されている。表面膜Fwとしては、例えば酸化膜(SiO膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。なお、第1のウェハWの周縁部Weは面取り加工がされており、周縁部Weの断面はその先端に向かって厚みが小さくなっている。また、周縁部Weは後述のエッジトリムにおいて除去される部分であり、例えば第1のウェハWの外端部から径方向に0.5mm〜3mmの範囲である。
第2のウェハSは、例えば第1のウェハWを支持するウェハである。第2のウェハSの表面Saには表面膜Fsが形成され、周縁部は面取り加工がされている。表面膜Fsとしては、例えば酸化膜(SiO膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。また、第2のウェハSは、第1のウェハWのデバイス層Dを保護する保護材(サポートウェハ)として機能する。なお、第2のウェハSはサポートウェハである必要はなく、第1のウェハWと同様にデバイス層が形成されたデバイスウェハであってもよい。かかる場合、第2のウェハSの表面Saには、デバイス層を介して表面膜Fsが形成される。
なお、第1のウェハWの外周部には、前述のレーザトリミング加工により正常に第1のウェハWの周縁部Weの除去を行うため、当該周縁部Weにおける第2のウェハSとの接合力をなくすための前処理が行われている。当該前処理は、図2に示すように、第1のウェハWと第2のウェハSの接合に先立ち、第1のウェハWの外周部に形成された表面膜Fw及びデバイス層Dを研削部材により除去し、少なくとも第1のウェハWの表面Waを露出させることにより、より好ましくは、表面Waを完全に露出させるため、表面Waを研削部材により削ることにより行われる。なお以下の説明においては、第1のウェハWの露出部分を「基板露出領域Wed」、基板露出領域Wedにおける第1のウェハWの露出面を「露出面Wad」という場合がある。そしてこれにより、重合ウェハTにおいては、第1のウェハWと第2のウェハSとが接合された接合領域と、前処理により第1のウェハWと第2のウェハSとが接合されない未接合領域が形成されている。
図3に示すようにウェハ処理システム1は、搬入出ステーション2と処理ステーション3を一体に接続した構成を有している。搬入出ステーション2は、例えば外部との間で複数の重合ウェハT(図1及び図2を参照)を収容可能なカセットCtが搬入出される。処理ステーション3は、重合ウェハTに対して所望の処理を施す各種処理装置を備えている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセットCtをY軸方向に一列に載置自在になっている。なお、カセット載置台10に載置されるカセットCtの個数は、本実施形態に限定されず、任意に決定することができる。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10のX軸負方向側において、当該カセット載置台10に隣接してウェハ搬送装置20が設けられている。ウェハ搬送装置20は、Y軸方向に延伸する搬送路21上を移動自在に構成されている。また、ウェハ搬送装置20は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム22、22を有している。各搬送アーム22は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム22の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置20は、カセット載置台10のカセットCt及び後述するトランジション装置30に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
搬入出ステーション2には、ウェハ搬送装置20のX軸負方向側において、当該ウェハ搬送装置20に隣接して、重合ウェハTを受け渡すためのトランジション装置30が設けられている。
処理ステーション3には、例えば3つの処理ブロックG1〜G3が設けられている。第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2、及び第3の処理ブロックG3は、X軸正方向側(搬入出ステーション2側)から負方向側にこの順で並べて配置されている。
第1の処理ブロックG1には、エッチング装置40、洗浄装置41、及びウェハ搬送装置50が設けられている。エッチング装置40と洗浄装置41は、積層して配置されている。なお、エッチング装置40と洗浄装置41の数や配置はこれに限定されない。例えば、エッチング装置40と洗浄装置41はそれぞれX軸方向に並べて載置されていてもよい。さらに、これらエッチング装置40と洗浄装置41はそれぞれ積層されていてもよい。
エッチング装置40は、後述する加工装置80で研削された第1のウェハWの研削面をエッチング処理する。例えば、研削面に対して薬液(エッチング液)を供給し、当該研削面をウェットエッチングする。薬液には、例えばHF、HNO、HPO、TMAH、Choline、KOHなどが用いられる。
洗浄装置41は、後述する加工装置80で研削された第1のウェハWの研削面を洗浄する。例えば研削面にブラシを当接させて、当該研削面をスクラブ洗浄する。なお、研削面の洗浄には、加圧された洗浄液を用いてもよい。また、洗浄装置41は、第1のウェハWの研削面と共に、第2のウェハSの裏面Sbを洗浄する構成を有していてもよい。
ウェハ搬送装置50は、例えばエッチング装置40と洗浄装置41のY軸負方向側に配置されている。ウェハ搬送装置50は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム51、51を有している。各搬送アーム51は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム51の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置50は、トランジション装置30、エッチング装置40、洗浄装置41、後述する改質装置60、及び後述する周縁除去装置61に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
第2の処理ブロックG2には、周縁改質部としての改質装置60、周縁除去部としての周縁除去装置61及びウェハ搬送装置70が設けられている。改質装置60と周縁除去装置61は、積層して配置されている。なお、改質装置60と周縁除去装置61の数や配置はこれに限定されない。例えば、改質装置60と周縁除去装置61はそれぞれX軸方向に並べて載置されていてもよい。さらに、これら改質装置60と周縁除去装置61はそれぞれ、積層されていてもよい。
改質装置60は、第1のウェハWの内部にレーザ光(内部用レーザ光、例えばYAGレーザ)を照射し、周縁改質層M1及び分割改質層M2を形成する。周縁改質層M1は、後述のエッジトリムにおいて周縁部Weを剥離する際の基点となるものである。分割改質層M2は、除去される周縁部Weを小片化するための基点となるものである。
周縁除去装置61は、改質装置60において形成された周縁改質層M1を基点として、第1のウェハWの周縁部Weの除去、すなわちエッジトリムを行う。エッジトリムの方法は、任意に選択することができる。
ウェハ搬送装置70は、例えば改質装置60及び周縁除去装置61のY軸正方向側に配置されている。ウェハ搬送装置70は、重合ウェハTを図示しない吸着保持面により吸着保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム71、71を有している。各搬送アーム71は、多関節のアーム部材72に支持され、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム71の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置70は、エッチング装置40、洗浄装置41、改質装置60、周縁除去装置61及び後述する加工装置80に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
第3の処理ブロックG3には、加工部としての加工装置80が設けられている。なお、加工装置80の数や配置は図示の例に限定されず、複数の加工装置80が任意に配置されていてもよい。
加工装置80は、回転テーブル81を有している。回転テーブル81は、回転機構(図示せず)によって、鉛直な回転中心線82を中心に回転自在に構成されている。回転テーブル81上には、重合ウェハTを吸着保持するチャック83が2つ設けられている。チャック83は、回転テーブル81と同一円周上に均等に配置されている。2つのチャック83は、回転テーブル81が回転することにより、受渡位置A0及び加工位置A1に移動可能になっている。また、2つのチャック83はそれぞれ、回転機構(図示せず)によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
受渡位置A0では、重合ウェハTの受け渡しが行われる。加工位置A1には、研削ユニット84が配置され、第1のウェハWを研削する。研削ユニット84は、環状形状で回転自在な研削砥石(図示せず)を備えた研削部85を有している。また、研削部85は、支柱86に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。そして、チャック83に保持された重合ウェハTに研削砥石に当接させた状態で、チャック83と研削砥石をそれぞれ回転させる。
以上のウェハ処理システム1には、制御部としての制御装置90が設けられている。制御装置90は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1における重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、ウェハ処理システム1における後述のウェハ処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御装置90にインストールされたものであってもよい。
次に、以上のように構成されたウェハ処理システム1を用いて行われる基板処理方法としてのウェハ処理について説明する。なお、本実施形態では、予めウェハ処理システム1の外部の接合装置(図示せず)において、前処理装置(図示せず)により外周部に基板露出領域Wedが形成された第1のウェハWと、基板露出領域が形成されていない第2のウェハSが接合され、重合ウェハTが形成されている。そして、このように第1のウェハWに基板露出領域Wedが形成されているため、重合ウェハTにおいては接合領域Acと未接合領域Aeとが形成されている(図4参照)。
先ず、図4(a)に示す重合ウェハTを複数収納したカセットCtが、搬入出ステーション2のカセット載置台10に載置される。次に、ウェハ搬送装置20によりカセットCt内の重合ウェハTが取り出され、トランジション装置30に搬送される。
続けて、ウェハ搬送装置50により、トランジション装置30の重合ウェハTが取り出され、改質装置60に搬送される。改質装置60では、図4(b)及び図5に示すように第1のウェハWの内部に、順次、周縁改質層M1と分割改質層M2が形成される(図6のステップP1及びステップP2)。なお、図示の煩雑さを回避するため、図4(c)以降の図面においては、分割改質層M2の図示を省略している。なお、周縁改質層M1と分割改質層M2の形成順序は任意である。
周縁改質層M1の形成にあたっては、重合ウェハT(第1のウェハW)を回転させながら、レーザヘッド(図示せず)から第1のウェハWの内部にレーザ光を周期的に照射する。これにより、周縁改質層M1は接合領域Ac(未接合領域Ae)と同心円状の環状に形成される。なお、第1のウェハW1の厚み方向における周縁改質層M1の形成数は図示の例には限定されず、任意に決定できる。
また、第1のウェハWの内部には、周縁改質層M1から厚み方向(以下、「上下方向」という場合があり、第1のウェハWの裏面Wb側を「上方」、表面Wa側を「下方」とする。)にクラックC1が伸展する。周縁改質層M1から上方に伸展するクラックC1は、例えば第1のウェハWの裏面Wbに到達させる。また、下方に伸展するクラックC1は、基板露出領域Wedの露出面Wadに到達させる。
なお、本実施形態に係るウェハ処理システム1においては、周縁改質層M1の形成に先立って、周縁改質層M1の形成位置の基準となる接合領域Acと未接合領域Aeとの境界Ad、すなわち基板露出領域Wedの内周側端部がアライメント位置として検知される。かかるアライメント位置の検知は、ウェハ処理システム1における任意の位置において行われる。
ここで、アライメント位置としての境界Adにデバイス層Dが形成されている場合、アライメント処理を行うためのIR光がデバイス層Dにより遮断され、適切に境界Adを検知できない場合がある。しかしながら本実施形態に係る重合ウェハTにおいては、第1のウェハWの外周部に予め前処理、具体的には表面膜Fw及びデバイス層Dの除去により少なくとも第1のウェハWの表面Waが露出しているため、IR光がデバイス層Dにより遮断されることがない。すなわち、アライメント位置である接合領域Acと未接合領域Aeとの境界Adを適切に検知することができる。
第1のウェハWの内部に周縁改質層M1が形成されると、レーザヘッド(図示せず)とステージ(図示せず)とを相対的に水平方向に移動させて、周縁改質層M1の径方向外側に、第1のウェハWの径方向に延伸する分割改質層M2を形成する。
第1のウェハWの内部に分割改質層M2が形成されると、次に、ウェハ搬送装置70によって重合ウェハTが改質装置60から周縁除去装置61へと搬送される。
周縁除去装置61においては、図4(c)に示すように、周縁改質層M1及びクラックC1を基点に第1のウェハWの周縁部Weが除去される(図6のステップP3)。周縁部Weの除去の方法は任意に決定することができるが、例えば、くさび形状からなる挿入部材としてのブレードを挿入してもよい。また例えば、エアブローやウォータジェットを噴射し、当該周縁部Weを打圧して除去してもよい。このように、エッジトリムにあたっては第1のウェハWの周縁部Weに対して衝撃を加えることにより、適切に周縁部Weが分割改質層M2を基点に小片化されるとともに、周縁改質層M1を基点に剥離される。また、本実施形態に係る重合ウェハTにおいては、第1のウェハWの外周部に基板露出領域Wedが形成され、これにより第1のウェハWと第2のウェハSの接合力をなくした未接合領域Aeが形成されているため、周縁部Weがさらに適切に除去される。
第1のウェハWの周縁部Weが除去された重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置70によって周縁除去装置61から加工装置80へと搬送される。加工装置80では、図4(d)に示すように、第1のウェハWの裏面Wbが研削部85により研削され、これにより第1のウェハWが所望の厚みまで薄化される(図4のステップP4)。なおその後、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、第1のウェハWの研削面が洗浄液によって洗浄されてもよい。
ここで本実施形態に係る重合ウェハTにおいては、加工装置80による第1のウェハWの薄化に先立ち、周縁除去装置61において周縁部Weの除去が行われている。これにより、本実施形態においては第1のウェハWの薄化、すなわち研削中にチッピング問題が発生することが抑制される。具体的には、第1のウェハWの研削中に破片が飛散することが抑制されるため、加工装置80において破片が排液ラインに溜まったり、破片が第1のウェハWの研削面に付着したりすることが抑制される。
加工装置80において第1のウェハWが所望の厚みまで薄化されると、次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置70により洗浄装置41に搬送される。洗浄装置41では第1のウェハWの研削面がスクラブ洗浄される(図4のステップP5)。なお、洗浄装置41では、第1のウェハWの研削面と共に、第2のウェハSの裏面Sbが洗浄されてもよい。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置50によりエッチング装置40に搬送される。エッチング装置40では第1のウェハWの研削面が薬液によりウェットエッチングされる(図4のステップP6)。上述した加工装置80で研削された研削面には、研削痕が形成される場合がある。本ステップP6では、ウェットエッチングすることによって研削痕を除去でき、研削面を平滑化することができる。
その後、すべての処理が施された重合ウェハTは、ウェハ搬送装置50によりトランジション装置30に搬送され、さらにウェハ搬送装置20によりカセット載置台10のカセットCtに搬送される。こうして、ウェハ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。
以上の実施形態によれば、第1のウェハWの周縁部Weを予めレーザトリミングにより除去するため、研削後の第1のウェハWにナイフエッジ形状が形成されることがない。また、このように予め周縁部Weが除去された第1のウェハWの裏面Wbを研削するため、研削に際して破片の飛散が抑制され、これにより加工装置80におけるチッピング問題が抑制される。
また更に、本実施形態に係る重合ウェハTにおいては、予め前処理により第1のウェハWの外周部において表面膜Fw及びデバイス層Dが除去されているため、周縁改質層M1を形成するためのアライメント処理を適切に行うことができ、また、周縁除去装置61において周縁部Weを容易に除去できる。
なお、上記実施形態においては、図4(b)に示したように、周縁改質層M1を接合領域Acと未接合領域Aeの境界Adに沿って、すなわち基板露出領域Wedの内周側端部に沿って形成し、またクラックC1を下方に伸展させたが、周縁改質層M1の形成方法はこれに限定されない。
例えば図7(a)に示すようにクラックC1を斜め下方に伸展させてもよいし、図7(b)〜(e)に示すように、周縁改質層M1は境界Wdから径方向内側、または、径方向外側に若干ずれた位置に形成されてもよい。かかる場合、周縁改質層M1が形成される境界Wdから径方向へのずれ量Lは、10μm程度であることが好ましい。またこの時、周縁改質層M1から上方に伸展するクラックC1は第1のウェハWの裏面Wbに、下方に伸展するクラックC1は基板露出領域Wedにおける露出面Wadに、それぞれ到達するようにクラックC1の進展を制御する。クラックC1の進展方向は、例えば周縁改質層M1の形成時におけるレーザ光の集光状況やパルスエネルギー、及び集光位置(高さ、周方向位置等)を調節することにより制御される。なお、本開示に係る技術においては、このように境界Wdから径方向に若干ずれた位置に周縁改質層M1を形成する場合を、「境界Adに沿って周縁改質層M1を形成する」ことに含むものとする。
そして、このように少なくとも周縁改質層M1から上方に伸展するクラックC1を第1のウェハWの裏面Wb、下方に伸展するクラックC1を露出面Wadに到達させることにより、周縁除去装置61において、周縁改質層M1及びクラックC1を基点に周縁部Weを適切に除去することができる。
なお、このように周縁改質層M1の径方向における形成位置、及びクラックC1の進展方向を制御する場合であって、クラックC1を基板露出領域Wedの露出面Wadにおける内周側端部に到達させない場合、加工装置80における第1のウェハWの研削に際して、周縁部Weの一部が破片として飛散する場合がある。しかしながら、上記実施形態によれば、図4(c)に示したように周縁部Weの大部分が予め除去され、また、周縁改質層M1が形成される境界Adからのずれ量Lは10μm程度であるため、飛散する破片が微小になり、チッピング問題の発生は抑制される。
なお、第1のウェハWの周縁部Weの除去に際しては、第1のウェハWの内部に、周縁改質層M1及び分割改質層M2に加え、改質装置60において周縁部Weの剥離の基点となる内部面改質層が更に形成されてもよい。かかる場合、改質装置60は本開示の技術に係る内部面改質部を構成する。
具体的には、図8(a)に示すように、第1のウェハWの内部には、第1のウェハWの中央部Wcと周縁部Weの境界Adに沿った周縁改質層M1と、第1のウェハWの面方向に沿って形成される内部面改質層M3と、が形成される。この時、周縁改質層M1は境界Adよりも径方向内側に位置することが好ましい。また、内部面改質層M3、及び内部面改質層M3から伸展するクラックC3は、それぞれ薄化後の第1のウェハWの最終仕上面よりも上方であって、基板露出領域Wedの露出面Wadよりも表面Wa側に位置することが好ましい。すなわち内部面改質層M3及びクラックC3は、周縁部Weを適切に除去することができ、また加工装置80における第1のウェハWの研削により除去される位置に形成されることが好ましい。
そして、このように内部面改質層M3を形成することで、内部面改質層M3及びクラックC3を境として周縁部Weにおける第1のウェハWの表面Wa側と裏面Wb側が縁切りされる。これにより、クラックC1が第1のウェハWの最終仕上げ面よりも下方まで伸展することを適切に抑制できる。
このように第1のウェハWの内部に周縁改質層M1と分割改質層M2に加え内部面改質層M3を形成した場合、除去対象としての周縁部Weは、図8(b)に示すように、周縁改質層M1、クラックC1、内部面改質層M3及びクラックC3を基点として除去される。そして、上述のように第1のウェハWの表面Wa側と裏面Wb側が縁切りされるため、周縁部Weを適切に除去できるとともに、第1のウェハWの研削に際して破片が生じること、すなわち、上記チッピング問題をさらに適切に抑制できる。
なお、周縁改質層M1と内部面改質層M3の形成順序は特に限定されない。ただし、例えば内部面改質層M3を周縁改質層M1よりも先に形成することで、周縁改質層M1の形成時においてクラックC1が下方まで伸展することを、さらに容易に制御することができる。
なお、上記実施形態におけるウェハ処理システム1は、エッチング装置40、洗浄装置41、改質装置60、周縁除去装置61及び加工装置80を備えていたが、ウェハ処理システム1の構成もこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては第1のウェハWの薄化をウェハ処理システム1に設けられた加工装置80において行ったが、第1のウェハWの薄化はウェハ処理システム1の外部で行われてもよい。すなわち、ウェハ処理システム1においては加工装置80が省略されてもよく、加工装置80はウェハ処理システム1の外部に設けられていてもよい。
また例えば、上記実施形態においては外周部に基板露出領域Wedが形成された第1のウェハWと、基板露出領域が形成されていない第2のウェハSと、が接合された重合ウェハTがウェハ処理システム1に搬入されたが、これら前処理及び接合処理はウェハ処理システム1の内部で行われてもよい。すなわち、前処理部としての前処理装置100及び接合部としての接合装置110がウェハ処理システム1の内部に設けられてもよい。かかる場合、前処理装置100及び接合装置110の配置は任意であるが、例えば図9に示すように、それぞれ第1の処理ブロックG1及び第2の処理ブロックG2に積層して配置されていてもよい。
このように前処理装置100がウェハ処理システム1に設けられる場合、前処理装置100では、第1のウェハWの外周部に未接合領域Aeとなる基板露出領域Wedを形成する。具体的には、図10に示すように、例えばチャック101に吸着保持された第1のウェハWの外周部に形成された表面膜Fwに研削部材102を押圧し、かかる状態で第1のウェハWを回転させることで、外周部における表面膜Fw及びデバイス層Dを除去する。この際、第1のウェハWの外周部に形成された基板露出領域Wedの露出面Wadは、図11に示すように、重合ウェハTにおいて薄化後の第1のウェハWの最終仕上面Eよりも上方に位置することが好ましい。
なお、前処理装置100における表面膜Fw及びデバイス層Dの除去は、上述の研削部材102による研削に代え、例えば研磨や切削等により行われてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 ウェハ処理システム
60 改質装置
Ad 境界
Fw 表面膜
W 第1のウェハ
Wa 表面
Wc 中央部
We 周縁部
Wed 基板露出領域
M1 周縁改質層
S 第2のウェハ
T 重合ウェハ

Claims (15)

  1. 基板を処理する基板処理装置であって、
    前記基板の表面には表面膜が形成され、
    前記基板処理装置は、
    第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、前記第1の基板の内部にレーザ光を照射して、除去対象の周縁部と中央部の境界に沿って前記周縁部の剥離の基点となる周縁改質層を形成する周縁改質部を備え、
    前記第1の基板の外周部には、前記表面膜を除去することで前記第1の基板の表面を露出させた基板露出領域が形成されている、基板処理装置。
  2. 前記第1の基板の内部にレーザ光を照射して、前記周縁部において面方向に沿って、前記周縁部の剥離の基点となる内部面改質層を形成する内部面改質部を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記周縁改質部及び前記内部面改質部の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記周縁改質層を前記基板露出領域の内周側端部よりも径方向内側、
    前記内部面改質層を前記基板露出領域における前記第1の基板の露出面よりも表面側、に形成するように、前記周縁改質部及び前記内部面改質部の動作を制御する、請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記第1の基板の表面と前記第2の基板の表面とを接合する接合部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 接合前の前記第1の基板の外周部における表面膜を除去して前記基板露出領域を形成する前処理部を備える、請求項3に記載の基板処理装置。
  6. 前記第1の基板の内部に形成された改質層を基点として前記周縁部を剥離する周縁除去部を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記第1の基板と前記第2の基板とが接合された前記重合基板において、前記第1の基板の裏面を研削して薄化する加工部を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 基板を処理する基板処理方法であって、
    前記基板の表面には表面膜が形成され、
    第1の基板と第2の基板が接合された重合基板において、前記第1の基板の内部にレーザ光を照射して、前記第1の基板の除去対象の周縁部と中央部の境界に沿って前記周縁部の剥離の基点となる周縁改質層を形成することを含み、
    前記第1の基板の外周部には、前記表面膜を除去することで前記第1の基板の表面を露出させた基板露出領域が形成されている、基板処理方法。
  9. 前記第1の基板の内部にレーザ光を照射して、前記周縁部において面方向に沿って、前記周縁部の剥離の基点となる内部面改質層を形成することを含む、請求項8に記載の基板処理方法。
  10. 前記周縁改質層を前記基板露出領域の内周側端部よりも径方向内側に形成し、
    前記内部面改質層を前記基板露出領域における前記第1の基板の露出面よりも表面側に形成する、請求項9に記載の基板処理方法。
  11. 前記第1の基板の表面と前記第2の基板の表面とを接合することを含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 接合前の前記第1の基板の外周部における表面膜を除去して前記基板露出領域を形成することを含む、請求項11に記載の基板処理方法。
  13. 前記第1の基板の内部に形成された改質層を基点として前記周縁部を除去することを含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  14. 前記第1の基板と前記第2の基板とが接合された前記重合基板において、前記第1の基板の裏面を研削して薄化することを含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  15. 前記基板露出領域の内周側端部をアライメント位置として検知することを含み、
    前記アライメント位置に沿って前記周縁改質層を形成する、請求項8〜14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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