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JP2021028404A - 中低炭素フェロマンガンの製造方法 - Google Patents

中低炭素フェロマンガンの製造方法 Download PDF

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一平 樋口
Ippei HIGUCHI
一平 樋口
匡伸 増川
Masanobu Masukawa
匡伸 増川
敏生 塩田
Toshio Shioda
敏生 塩田
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Abstract

【課題】マンガンのスラグ生成による損失と蒸発損失の両方を抑制してトータルとしてマンガンの歩留を向上できる中低炭素フェロマンガンの製造方法の提供。【解決手段】上吹きランス16と底吹き羽口18とを備えた反応容器10に高炭素フェロマンガン溶湯を装入し、上吹きランス16から酸素含有ガスを吹きつけるとともに、底吹き羽口18から不活性ガスを吹き込むことで脱炭精錬する中低炭素フェロマンガンの製造方法であって、前記高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬前および/または脱炭精錬中に過去の高炭素フェロマンガンの脱炭精錬で生成されたリターンスラグを前記反応容器10に装入する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、マンガン歩留を向上できる中低炭素フェロマンガンの製造方法に関する。
中低炭素フェロマンガンを製造する従来の技術の中には、いわゆる脱珪法と呼ばれる方法がある。この方法は、まず、電気炉等において目標炭素含有量のシリコマンガン溶湯を準備し、その後、この溶湯にマンガン鉱石等のマンガン酸化物を装入してシリコマンガン溶湯中のシリコンを酸化除去する方法である。この方法は、電気炉を使用するために電力コストが嵩むという問題点がある。
このような問題点に対し、特許文献1には、転炉型の反応容器を用いて、炉底に設けられた羽口から不活性ガスを吹き込んで溶湯を撹拌しつつ、上吹きランスから酸素ガスを吹きつけることで、高炭素フェロマンガン溶湯中の炭素を酸化除去して中低炭素フェロマンガンを製造する方法が開示されている。
特公平6−17537号公報
上記の転炉型の反応容器での操業は、操業末期に溶湯温度が高温になるので、主要成分であるマンガンの蒸発損失が過大になる。これを防止するために、吹錬開始前や吹錬中に造滓材を反応容器に装入して、溶湯表面を覆うスラグを生成させることが行われる。しかしながら、造滓材を装入してスラグを生成させると、当該スラグによって主要成分であるマンガンがスラグに吸収されてしまい結局マンガンの損失が大きくなるという課題がある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたもので、その目的とすることは、マンガンのスラグ生成による損失と蒸発損失の両方を抑制してトータルとしてマンガンの歩留を向上できる中低炭素フェロマンガンの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)上吹きランスと底吹き羽口とを備えた反応容器に高炭素フェロマンガン溶湯を装入し、前記上吹きランスから酸素含有ガスを吹きつけるとともに、前記底吹き羽口から不活性ガスを吹き込むことで脱炭精錬する中低炭素フェロマンガンの製造方法であって、
前記高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬前および/または脱炭精錬中に過去の高炭素フェロマンガンの脱炭精錬で生成されたリターンスラグを前記反応容器に装入する、中低炭素フェロマンガンの製造方法。
(2)前記反応容器に10kg/t以上の前記リターンスラグを装入する、(1)に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
本発明に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法を実施することで、高炭素フェロマンガンの脱炭精錬で生成されるスラグへのマンガンの損失を抑えることができ、且つ、溶湯温度が上昇した吹錬終盤においてはマンガンの蒸発損失を抑制できる。これにより、中低炭素フェロマンガン製造におけるマンガンの歩留を向上できる。
転炉型の反応容器にリターンスラグを事前装入した状態を示す断面模式図である。 反応容器にて高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭精錬する状態を示す断面模式図である。 中低炭素フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯する状態を示す断面模式図である。 実施例1、比較例1および比較例2のマンガンロス指数を示すグラフである。 実施例1、比較例1および比較例2の酸素原単位指数を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を通じて本発明を説明する。図1は、転炉型の反応容器に造滓材34とともに、リターンスラグ32を事前装入した状態を示す断面模式図である。反応容器10は、転炉型の反応容器であって、高炭素フェロマンガン溶湯を収容する容器本体12と、高炭素フェロマンガン溶湯20に酸素含有ガスを吹きつける上吹きランス16とを備える。容器本体12の側面には、精錬処理後の中低炭素フェロマンガン溶湯21を出湯する出湯口14が設けられ、容器本体12の底部には、不活性ガス26を高炭素フェロマンガン溶湯20に吹き込む底吹き羽口18が複数設けられている。
本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法では、反応容器10に高炭素フェロマンガン溶湯を装入する前に、造滓材34とともに、リターンスラグ32を容器本体12に事前装入する。ここで、造滓材は塩基度が0.5以上1.5以下のものであり、リターンスラグとは、過去の高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬で生成したスラグを冷却し、粉砕したものである。本実施形態では、例えば、塩基度(CaO/SiO)が0.5〜2.0、マンガン濃度が30〜70質量%のリターンスラグ32を用いる。なお、上記はリターンスラグを事前装入する場合を述べたが、精錬処理中に装入してもよいのは言うまでもない。
図2は、反応容器を用いて高炭素フェロマンガン溶湯20を脱炭精錬する状態を示す断面模式図である。造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に装入した後に、高炭素フェロマンガン溶湯20を容器本体12に装入する。反応容器10で脱炭精錬される高炭素フェロマンガン溶湯20は、例えば、竪型製錬炉で還元製錬されて製造される。なお、高炭素フェロマンガン溶湯20は、電気炉を用いて還元製錬されて製造されてもよい。また、造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に事前装入することに代えて、容器本体12に前チャージのスラグを残してもよい。
容器本体12へのリターンスラグ32の事前装入量を10kg/t以上とすることが好ましい。ここで、kg/tとは、高炭素フェロマンガン溶湯1t当りに装入するリターンスラグ32の質量を示す。一方、リターンスラグ32の事前装入量を10kg/t未満にすると、リターンスラグ32からのマンガン回収量が減りマンガンの歩留向上効果が少なくなるので好ましくない。一方、スラグ総量(リターンスラグ32の装入量と造滓材34の装入量を合わせた量)が多くなり過ぎると、熱収支が悪化するほか、溶融物が容器本体12の炉口から吹き出すスロッピングが発生する可能性が高くなる。このため、スラグ総量を40kg/t以下とすることが好ましい。リターンスラグ32の装入量の上限は、造滓材34の装入量や熱収支との兼ね合いで決定される。
造滓材34は、炉体保護等や溶湯表面を覆うスラグを生成させるために装入される。造滓材34は、MgO、CaO、SiOなどの成分からなり、たとえば、焼石灰、ドロマイトなどから適宜選択される。造滓材34の組成や装入量は、操業条件(操業温度、炉体の状況他)によって適宜決定してよい。
容器本体12に装入された高炭素フェロマンガン溶湯20は、底吹き羽口18から不活性ガス26が吹き込まれて撹拌されるとともに、上吹きランス16から酸素含有ガス24が吹きつけられ炭素が酸化除去される。上吹きランス16から吹きつける酸素含有ガス24としては、例えば、酸素と希ガスなどの酸素分圧を下げる非酸化性ガスとの混合ガスを用いてもよく、また、酸素のみを含む酸素ガスを用いてもよい。底吹き羽口18から吹き込む不活性ガス26としては、例えば、アルゴンガスを用いてよい。造滓材34とリターンスラグ32は、高炭素フェロマンガン溶湯20によって溶解される。これにより、高炭素フェロマンガン溶湯20の表面を覆うスラグ22が形成される。
高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度が、所定の濃度に低下するまで酸素含有ガス24の吹きつけ、および、不活性ガス26の吹き込みを継続して、高炭素フェロマンガン溶湯20に含まれる炭素を酸化除去する。さらに、高炭素フェロマンガン溶湯20の表面に形成されたスラグ22に含まれるMnOは、高炭素フェロマンガン溶湯20に含まれる炭素と反応(MnO+C→Mn+CO)する。これにより、リターンスラグ32に含まれるマンガンを回収できるとともに、リターンスラグ32に含まれる酸素も回収できる。このスラグ22に含まれるMnOと高炭素フェロマンガン溶湯20に含まれる炭素との反応により、マンガン歩留を向上でき、酸素原単位も低減できる。
また、高炭素フェロマンガン溶湯20の表面に形成されたスラグ22は、フェロマンガン溶湯中におけるマンガンの蒸発を抑制する役割を果たす。これにより、マンガンの蒸発損失が抑制され、さらにマンガン歩留を向上できる。高炭素フェロマンガン溶湯20は、中炭素フェロマンガンを製造する場合には、炭素濃度が2.0質量%以下になるまで脱炭され、低炭素フェロマンガンを製造する場合には、炭素濃度が1.0質量%以下になるまで脱炭される。
脱炭処理中の高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度は、竪型製錬炉から出湯した高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度の測定値と、上吹きランス16から吹きつける酸素含有ガス24の供給量と、経験的に得られているフェロマンガン溶湯の脱炭酸素効率とから推定できる。このため、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度の測定値と、脱炭酸素効率と、目標とする炭素濃度とから算出された供給量の酸素が、酸素含有ガス24として高炭素フェロマンガン溶湯20に供給されたことで、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度が上述した炭素濃度まで低下したと判断する。なお、脱炭精錬中に高炭素フェロマンガン溶湯20を採取して炭素濃度を実測し、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度の推定値と実測値とに差がないことを確認してもよい。
高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度が上述した炭素濃度まで低下したら、上吹きランス16からの酸素含有ガス24の吹きつけを停止して脱炭精錬を終了する。図3は、中低炭素フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯する状態を示す断面模式図である。図3に示すように、脱炭され炭素濃度が低下した中低炭素フェロマンガン溶湯21は、容器本体12が傾動されて、出湯口14から樋28を介して鋳型30へ出湯される。鋳型30へ出湯された中低炭素フェロマンガン溶湯21は、鋳型30内で空気冷却および散水冷却され、中低炭素フェロマンガンが製造される。
このように、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法は、容器本体12に造滓材34とリターンスラグ32を事前装入した後に高炭素フェロマンガン溶湯20を装入して脱炭精錬を行う。これにより、高炭素フェロマンガン溶湯20の表面にスラグ22を形成させ、マンガンのスラグ生成による損失と蒸発損失を抑制することができ、マンガンの歩留が向上する。また、表面に形成されたスラグ22に含まれるMnOは、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素と脱炭反応するので、上吹きランス16から吹きつけられる酸素を用いることなくマンガンを回収できる。これにより、マンガンの歩留をさらに向上できるとともに、酸素原単位をも低減できる。
なお、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法として、造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に事前装入する例を示したが、これに限られない。例えば、高炭素フェロマンガン溶湯20を容器本体12に装入した後であって脱炭精錬を開始する前に、造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に装入してもよい。但し、造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に事前装入する方が高炭素フェロマンガン溶湯20でリターンスラグ32を効率的に加熱でき、造滓材34とリターンスラグ32の融解を促進できるのでより好ましい。
また、高炭素フェロマンガン溶湯20の脱炭精錬の開始後に造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に装入してもよく、また、脱炭精錬前および脱炭精錬中に造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に装入してもよい。但し、脱炭精錬の開始後に造滓材34とリターンスラグ32を装入する場合には、マンガンの蒸発ロスが激しくなる前に、造滓材34とリターンスラグ32が融解してスラグ22が形成されるように造滓材34とリターンスラグ32を容器本体12に装入する。
また、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法として、造滓材34とに加えて、リターンスラグ32を容器本体12に装入する例を示したが、これに限られない。例えば、リターンスラグ32に代えて、マンガン鉱石のようにマンガン酸化物を20質量%以上含むものを容器本体12に装入してもよい。ただし、マンガン鉱石を用いる場合においては、マンガン酸化物の含有量が多いマンガン鉱石を用いることが好ましい。マンガン酸化物の含有量が多いマンガン鉱石を用いることで、脱炭精錬中にスラグから回収できるマンガン量が増加する。
次に、本発明の実施例を説明する。実施例として、造滓材10kg/tとリターンスラグ20kg/tを図1に示した反応容器10の容器本体12に事前装入し、その後、竪型製錬炉で還元製錬されて製造された高炭素フェロマンガン溶湯を装入して脱炭精錬を実施した。
底吹き羽口からアルゴンガスを高炭素フェロマンガン溶湯に吹き込み、上吹きランスから酸素ガスを高炭素フェロマンガン溶湯に吹きつけて脱炭精錬を実施した。フェロマンガン溶湯の炭素濃度が1.0質量%になった段階で、上吹きランスからの酸素ガスの吹きつけを停止して脱炭精錬を終了した。その後、フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、鋳型内でフェロマンガン溶湯を空気冷却および散水冷却して低炭素フェロマンガンを製造した。このようにして製造された低炭素フェロマンガンの成分は、Mn:75.3質量%、Fe:23.1質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.14質量%であった。
低炭素フェロマンガンを製造した後、実施例の低炭素フェロマンガン製造におけるマンガンのスラグロスとダストロスを、装入した高炭素フェロマンガン溶湯に含まれるマンガン量と、生成されたスラグに含まれるマンガン量と、発生したダストに含まれるマンガン量とを用いて算出した。また、低炭素フェロマンガン1トンを製造するのに用いた酸素量である酸素原単位を算出した。
比較例1として、リターンスラグを事前装入せずに、造滓材30kg/tを、実施例と同じ反応容器10の容器本体12に事前装入し、その後、竪型製錬炉で還元製練されて製造された高炭素フェロマンガン溶湯を、実施例と同じ反応容器10の容器本体12に装入した。底吹き羽口からアルゴンガスを高炭素フェロマンガン溶湯に吹き込み、上吹きランスから酸素ガスを高炭素フェロマンガン溶湯に吹きつけて脱炭精錬を実施した。
フェロマンガン溶湯の炭素濃度が1.0質量%になった段階で、上吹きランスからの酸素ガスの吹きつけを停止して脱炭精錬を終了した。その後、フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、鋳型を空気冷却および散水冷却して低炭素フェロマンガンを製造した。このようにして製造された低炭素フェロマンガンの成分は、Mn:75.2質量%、Fe:23.2質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.15質量%であった。
低炭素フェロマンガンを製造した後、比較例1の低炭素フェロマンガン製造におけるマンガンのスラグロスとダストロスを、装入した高炭素フェロマンガン溶湯に含まれるマンガン量と、生成されたスラグに含まれるマンガン量と、発生したダストに含まれるマンガン量とを用いて算出した。また、低炭素フェロマンガン1トンを製造するのに用いた酸素量である酸素原単位を算出した。
比較例2として、リターンスラグを事前装入せずに、造滓材40kg/tを、実施例と同じ反応容器10の容器本体12に事前装入し、その後、竪型製錬炉で還元製練されて製造された高炭素フェロマンガン溶湯を、実施例と同じ反応容器10の容器本体12に装入した。底吹き羽口からアルゴンガスを高炭素フェロマンガン溶湯に吹き込み、上吹きランスから酸素ガスを高炭素フェロマンガン溶湯に吹きつけて脱炭精錬を実施した。
フェロマンガン溶湯の炭素濃度が1.0質量%になった段階で、上吹きランスからの酸素ガスの吹きつけを停止して脱炭精錬を終了した。その後、フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、鋳型を空気冷却および散水冷却して低炭素フェロマンガンを製造した。このようにして製造された低炭素フェロマンガンの成分は、Mn:75.1質量%、Fe:23.3質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.15質量%であった。
低炭素フェロマンガンを製造した後、比較例2の低炭素フェロマンガン製造におけるマンガンのスラグロスとダストロスを、装入した高炭素フェロマンガン溶湯に含まれるマンガン量と、生成されたスラグに含まれるマンガン量と、発生したダストに含まれるマンガン量とを用いて算出した。また、低炭素フェロマンガン1トンを製造するのに用いた酸素量である酸素原単位を算出した。
図4は、実施例、比較例1および比較例2のマンガンロス指数を示すグラフである。図4の縦軸は、比較例1のスラグとダストによるマンガンロスの合計を100とした時の、マンガンロス指数(−)である。このため、図4において、比較例1のマンガンロス指数の合計は100になっている。
図5は、実施例、比較例1および比較例2の酸素原単位指数を示すグラフである。図5の縦軸は、比較例1酸素原単位を1とした時の、酸素原単位指数(−)である。このため、図5において、比較例1の酸素原単位指数は1になっている。
図4に示すように、造滓材30kg/tのみを装入した比較例1に対して、マンガン蒸発ロスを減らすために造滓材の装入量を40kg/tに増やした比較例2では、ダストへのマンガンロスは減っているが、スラグへのマンガンロスがその分だけ増えており、メタルへのマンガン歩留は向上していない。それに対して、実施例では、過去の高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬で生成したリターンスラグを事前装入することで、当該スラグ中のMnOと高炭素フェロマンガン溶湯中の炭素との反応によってスラグ中のマンガンが回収されるのでマンガン歩留まりは比較例1および比較例2よりも向上する。
図5に示すように、造滓材30kg/tのみを装入した比較例1に対して、造滓材の装入量を40kg/tに増やした比較例2では酸素原単位が増えている。図4に示したように、比較例2では、マンガンのスラグロス量は増えるので、その分のマンガンを酸化するのに酸素を多く使用した結果である。それに対して、実施例では、過去の高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬で生成したリターンスラグを事前装入することで、高炭素フェロマンガン溶湯中の炭素が当該スラグ中のMnOにより脱炭されるため、その分、上吹きランスから吹きつける酸素の原単位が低減した。
なお、本実施例においては、炭素濃度が1.0質量%の低炭素フェロマンガンの製造例を示したが、同様の方法で中炭素フェロマンガンも製造でき、同様の効果が得られることは明らかである。このように、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法を実施することで、マンガン歩留を向上でき、さらに、酸素原単位を低減できることが確認された。
10 反応容器
12 容器本体
14 出湯口
16 上吹きランス
18 底吹き羽口
20 高炭素フェロマンガン溶湯
21 中低炭素フェロマンガン溶湯
22 スラグ
24 酸素含有ガス
26 不活性ガス
28 樋
30 鋳型
32 リターンスラグ
34 造滓材

Claims (2)

  1. 上吹きランスと底吹き羽口とを備えた反応容器に高炭素フェロマンガン溶湯を装入し、前記上吹きランスから酸素含有ガスを吹きつけるとともに、前記底吹き羽口から不活性ガスを吹き込むことで脱炭精錬する中低炭素フェロマンガンの製造方法であって、
    前記高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬前および/または脱炭精錬中に過去の高炭素フェロマンガンの脱炭精錬で生成されたリターンスラグを前記反応容器に装入する、中低炭素フェロマンガンの製造方法。
  2. 前記反応容器に10kg/t以上の前記リターンスラグを装入する、請求項1に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
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