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JP2021017217A - 運転支援装置 - Google Patents

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JP2021017217A
JP2021017217A JP2019135873A JP2019135873A JP2021017217A JP 2021017217 A JP2021017217 A JP 2021017217A JP 2019135873 A JP2019135873 A JP 2019135873A JP 2019135873 A JP2019135873 A JP 2019135873A JP 2021017217 A JP2021017217 A JP 2021017217A
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聡 半田
Satoshi Handa
聡 半田
井上 聡
Satoshi Inoue
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】車両がカーブを走行する場合において、運転者に対して操舵を開始するタイミングを教示し、適切な操舵量で操舵しているかを教示することが可能な運転支援装置を提供する。【解決手段】運転支援装置は、車両がカーブを走行する場合、走行状態に関する情報と、その走行状態に関する目標値との比較に基づいて、シートの一部の変形の度合い又はシートの傾斜の度合いを変更するように構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、運転支援装置に関する。
従来より、車両がカーブに進入する手前で、運転者のシートの一部(例えば、サイドフレーム)を駆動することにより、操舵のタイミングを運転者に報知する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2009−277141号公報
特許文献1の装置(以下、「従来装置」と称呼する。)は、カーブの手前で運転者に操舵を開始するタイミングを報知するだけである。従って、従来装置においては、車両がカーブを走行している最中に、運転者自身が適切な操舵量で操舵しているかを判断することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、車両がカーブを走行する場合において、運転者に対して操舵を開始するタイミングを教示し、且つ、運転者に対して適切な操舵量で操舵しているかを教示することが可能な運転支援装置を提供することである。
本発明の運転支援装置(以下、「本発明装置」と称呼される場合がある。)は、
車両の運転者(90)が着座するシート(40)であって、前記運転者に接する面の一部(41、42、31)が変形するか又は前記シートの全体が傾斜するように構成されたシートと、
前記車両の走行状態に関する走行状態情報(θr、SPD、YR)を取得する走行状態情報取得部(11、12、13)と、
前記車両が走行している道路の道路情報を取得する道路情報取得部(20、22、14b)と、
前記道路情報に基いて前記車両の前方にカーブが存在すると判定した場合(ステップ310:Yes)、前記車両が前記カーブを走行する際の前記車両の前記走行状態に関する目標値(θ*、SPD*、YR*)を求め(ステップ320)、
前記車両が前記カーブを走行する際に、前記走行状態情報取得部によって取得された前記走行状態情報(θr、SPD、YR)と前記目標値(θ*、SPD*、YR*)との比較に基いて、前記シートの前記一部の変形の度合い又は前記シートの傾斜の度合いを変更する(ステップ325、ステップ330)ように構成された制御部(10)と、
を備える。
上記の構成によれば、本発明装置は、車両がカーブを走行する状況において、シートの一部の変形の度合い又はシートの傾斜の度合いを変更させることによって、運転者に対して操舵を開始するタイミングを教示し、且つ、運転者に対して適切な操舵量で操舵しているかを教示することができる。
本発明の実施形態に係る運転支援装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る運転者用のシート及びシートに内蔵されたエアセルモジュールの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る運転支援ECUのCPUが実行する「運転操作誘導ルーチン」を示したフローチャートである。 前方注視モデルを説明する図である。 車両が左カーブに進入する状況において、目標舵角θ*、実舵角θr及びエアセルの変位量Rの時系列変化を示す図であって、本発明の実施形態に係る運転支援装置を搭載した車両の実舵角θrの時系列変化と、比較例の車両の実舵角θrの時系列変化とを含む図である。 車両が左カーブから直線の道路に移行する状況において、目標舵角θ*、実舵角θr及びエアセルの変位量Rの時系列変化を示す図である。 運転者用のシートの変形例であって、シートを正面から見た図である。
(構成)
本発明の実施形態に係る運転支援装置は、車両に適用される。図1に示したように、車両は、運転支援ECU10を備えている。運転支援ECU10は、CPU10a、RAM10b、ROM10c、不揮発性メモリ10d及びインターフェース(I/F)10e等を含むマイクロコンピュータを備える。なお、本明細書において、「ECU」は電気制御装置(Electric Control Unit)を意味する。ECUは、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ及びI/F等を含むマイクロコンピュータを含む。CPUはROMに格納されたインストラクションを実行することにより各種機能を実現する。
運転支援ECU10は、以下に列挙するセンサと接続されていて、それらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。
舵角センサ11は、車両の舵角を検出し、実舵角θrを表す信号を出力する。なお、実舵角θrの値は、車両が所定の基準走行状態(例えば、車両が直進している状態)から左方向に旋回した場合に正の値となり、車両が基準走行状態から右方向に旋回した場合に負の値になる。
車速センサ12は、車両の走行速度(車速)を検出し、車速SPDを表す信号を出力する。
ヨーレートセンサ13は、車両のヨーレートを検出し、ヨーレートYRを表す信号を出力する。
以降、センサ11乃至13から出力される「車両の走行状態に関する情報」を「走行状態情報」と称呼する場合がある。
周囲センサ14は、車両の周囲の道路(例えば、車両が走行している道路)に関する情報、及び、その道路に存在する立体物に関する情報を取得するようになっている。立体物は、例えば、自動車、歩行者及び自転車などの移動物、並びに、ガードレール及びフェンスなどの固定物を表す。以下、これらの立体物は「物標」と称呼される場合がある。周囲センサ14は、レーダセンサ14a及びカメラセンサ14bを備えている。
レーダセンサ14aは、例えば、ミリ波帯の電波(以下、「ミリ波」と称呼する。)を少なくとも車両の前方領域を含む車両の周辺領域に放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。更に、レーダセンサ14aは、物標の有無について判定し、且つ、車両と物標との相対関係を示すパラメータ(即ち、自車両に対する物標の位置、自車両と物標との距離、及び、自車両と物標との相対速度等)を演算して出力する。
カメラセンサ14bは、ステレオカメラを備え、車両前方の左側領域及び右側領域の風景を撮影して左右一対の画像データを取得する。カメラセンサ14bは、その撮影した左右一対の画像データに基いて、物標の有無について判定し、且つ、車両と物標との相対関係を示すパラメータを演算して出力する。この場合、運転支援ECU10は、レーダセンサ14aによって得られた車両と物標との相対関係を示すパラメータと、カメラセンサ14bによって得られた車両と物標との相対関係を示すパラメータと、を合成することにより、車両と物標との相対関係を示すパラメータを決定する。
更に、カメラセンサ14bは、その撮影した左右一対の画像データに基いて、道路の左及び右の区画線を認識し、道路の形状(例えば、道路の曲率)、及び、道路と車両との位置関係(例えば、車両が走行している道路の左端又は右端から車両の車幅方向の中心位置までの距離)を演算して出力する。
以降、周囲センサ14から出力される「車両の周辺状況(物標及び道路等)に関する情報」を「車両周辺情報」と称呼する場合がある。
更に、運転支援ECU10は、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して、ナビゲーションECU20に接続されている。これらのECUは、CANを介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。
ナビゲーションECU20は、車両が位置している場所の「緯度及び経度」を検出するためのGPS信号を受信するGPS受信機21、地図情報を記憶した地図データベース(DB)22、及び、タッチパネル(タッチパネル式ディスプレイ)23を備えている。ナビゲーションECU20は、車両が位置している場所の緯度及び経度、並びに地図情報等に基いて各種の演算処理を行い、タッチパネル23に地図上での車両の位置を表示させる。
なお、地図DB22に記憶されている地図情報は、道路情報を含む。道路情報は、道路の区間のそれぞれにおける道路のパラメータを含む。例えば、道路情報において、道路の区間のそれぞれに対して、道路の幅員、道路の曲率、及び、道路の勾配等が対応付けられている。更に、道路情報は、道路の区間のそれぞれに関して、道路標識の有無に関する情報及び信号の有無に関する情報を含む。ナビゲーションECU20は、所定時間(便宜上、以降では「第1時間」とも称呼する。)が経過する毎に、「車両が現在走行している道路に関する道路情報」及び「車両の前方の道路(車両から前方へ所定の距離範囲内の道路)に関する道路情報」を運転支援ECU10に出力する。
更に、運転支援ECU10は、エアセルモジュール30に接続されている。図2に示すように、エアセルモジュール30は、運転者90が着座するシート40に配置されている。シート40は、座面部(着座部)41と、シートバック42と、ヘッドレスト43とを備える。本例において、エアセルモジュール30は、シートバック42に内蔵されている。
エアセルモジュール30は、袋部(以下、「エアセル」と称呼する。)31と、空気管(例えば、チューブ)32と、ポンプ33とを含む。エアセル31は、可撓性を有する。エアセル31の材料は、例えば、塩化ビニル、ナイロン又はポリプロピレン等の樹脂である。エアセル31は、気体(例えば、空気)を収容することが可能であり、内部の気圧(空気圧)によって膨張及び収縮する。
エアセル31は、シートバック42のうち「運転者90に接する面の一部」に配置されている。具体的には、エアセル31は、シートバック42の運転者90の背中の上部が接する面に配置されている。従って、エアセル31は、運転者90の骨盤に対応する位置P1から上方に距離Lhだけ離れた位置に配置されている。好ましくは、距離Lhは、300mm〜500mmの範囲内の距離である。これは、以下の理由による。運転者90が操舵ハンドルSWを操作する際、腕の裏側の筋肉(上腕三頭筋M1)を主に使う。運転者90の背中の上部の位置でエアセル31を変形(膨張)させると、その変形による刺激が上腕三頭筋M1に作用する。これにより、運転者90が操舵ハンドルSWを操作する際の上腕三頭筋M1の負担を軽減させることができる。従って、エアセル31が本実施形態の位置に配置された場合、運転者に対して操舵の開始のタイミングや操舵量を教示するだけでなく、運転者の運転操作の負担を軽減させることもできる。
空気管32の一端はエアセル31に接続され、空気管32の他端はポンプ33に接続されている。運転支援ECU10は、ポンプ33を制御することにより、空気管32を通してエアセル31の内部に空気を供給したり、空気管32を通してエアセル31の内部から空気を排出させたりするようになっている。
エアセル31は、通常時において所定の基準状態(基準空気圧)に設定されている。エアセル31は、基準状態よりも膨張した状態である第1状態と、基準状態よりも収縮した状態である第2状態との間で変形が可能である。第1状態は、エアセル31の内部に空気が供給されて気圧が高い状態である。エアセル31が第1状態であるとき、基準状態からの「第1方向(運転者90の背中を押圧する方向)D1への変位量R」の大きさ(絶対値)が最大となる。第2状態は、エアセル31の内部から空気が排出されて気圧が低い状態である。エアセル31が第2状態であるとき、基準状態からの「第1方向D1とは反対の第2方向D2への変位量R」の大きさ(絶対値)が最大となる。
以降において、エアセル31が基準状態から膨張したときの変位量(第1方向D1への変位量)Rを正の値とし、エアセル31が基準状態から収縮したときの変位量(第2方向D2への変位量)Rを負の値として表現する。
なお、第1状態及び第2状態は、運転者90の姿勢が大きく変化しない範囲で設定されるのが好ましい。例えば、第1状態の変位量Rは「+15mm」であり、第2状態の変位量Rは「−15mm」であってもよい。
(運転操作の誘導の概要)
運転支援ECU10は、車両がカーブを走行する場合、車両がそのカーブを適切な位置で(例えば、道路の中央付近の位置で)走行するための目標走行ラインTLを求める。運転支援ECU10は、車両が目標走行ラインTL上を走行すると仮定した場合の目標舵角θ*を求める。
運転支援ECU10は、目標舵角θ*と実舵角θrとの比較に基いてエアセル31の目標変位量R*を求める。運転支援ECU10は、実際のエアセル31の変位量Rが目標変位量R*に一致するようにポンプ33を制御して、エアセル31を膨張又は収縮させる。
この構成によれば、運転支援ECU10は、車両がカーブを走行する場合、エアセル31の変形(膨張)により、運転者90に対して操舵を開始するタイミングを教示することができる。更に、運転支援ECU10は、車両がカーブを走行している間において、エアセル31の変形(膨張又は収縮)の度合いを変更することにより、運転者90に対して適切な操舵量で操舵ハンドルSWを操舵しているかを教示することができる。
(運転支援ECUの具体的作動)
次に、図3のルーチンを参照して、車両がカーブを走行する場合の運転支援ECU10の具体的な作動を説明する。運転支援ECU10のCPU10a(以下、単に「CPU」と称呼する。)は、「第1時間と等しいか又は第1時間よりも長い第2時間」が経過する毎に図3のルーチンを実行するようになっている。
なお、CPUは、図示しないルーチンを第1時間が経過する毎に実行することにより、ナビゲーションECU20から道路情報を取得する。更に、CPUは、図示しないルーチンを第1時間が経過する毎に実行することにより、各種センサ11乃至13から走行状態情報を取得するとともに、周囲センサ14から車両周辺情報を取得する。
加えて、CPUは、車両のイグニッション・キー・スイッチ(始動スイッチ)がオフ位置からオン位置へと変更されたとき、図示しない初期化ルーチンを実行して、後述する実行フラグF1の値を「0」に設定している(フラグをクリアする)。
所定のタイミングになると、CPUは、図3のステップ300から処理を開始してステップ305に進み、実行フラグF1の値が「0」であるか否かを判定する。実行フラグF1は、その値が「0」であるとき後述する運転操作誘導処理を実行していないことを示し、その値が「1」であるとき運転操作誘導処理が実行中であることを示す。
いま、実行フラグF1の値が「0」であると仮定すると、CPUはステップ305にて「Yes」と判定してステップ310に進み、所定の実行条件が成立するか否かを判定する。実行条件は、条件A1及び条件A2の両方が成立したときに成立する。
(条件A1)車両の前方にカーブが存在する。
(条件A2)車両の前方に信号が存在しない。
なお、CPUは、道路情報から、車両の前方の道路の曲率を取得する。当該曲率が所定のカーブ曲率閾値よりも大きい場合、CPUは、車両の前方にカーブが存在すると判定する。更に、CPUは、道路情報から、車両の前方に信号が存在するか否かを判定する。
実行条件が成立しない場合、CPUは、ステップ310にて「No」と判定してステップ395に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。
一方、実行条件が成立する場合、CPUは、ステップ310にて「Yes」と判定して、以下に述べるステップ315、320、325及び330の処理を順に実行する。その後、CPUは、ステップ395に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ315:CPUは、実行フラグF1の値を「1」に設定する。
ステップ320:CPUは、車両がカーブを走行する場合の目標舵角θ*を求める。具体的には、CPUは、道路情報から、車両の前方の道路の曲率を取得する。そして、図4に示すように、CPUは、車両100の現在の位置Pcから当該取得された曲率に従って前方に延びる目標走行ラインTLを求める。更に、CPUは、前方注視モデルに従って目標舵角θ*を求める。
ここで、前方注視モデルについて簡単に説明する。人間は、図4に示すように、車両100の現在位置Pcから前方(進行方向)へ距離Lだけ離れた地点Fpを注視し、現在の車両100の姿勢のまま現在の進行方向に距離Lだけ進んだと仮定した場合の目標走行ラインTLからのずれ量εを検知し、フィードバック制御を行っていることが知られている(非特許文献:安部、「自動車の運動と制御」、P212−213、山海堂、1992)。この前方注視モデルに従って目標舵角θ*を求める手法は周知である(例えば、特開2010−100123号公報及び特開2017−065323号公報等を参照。)。従って、CPUは、上記の公知の手法に従って目標舵角θ*を求める。なお、CPUは、他のモデル(一次予測モデル又は二次予測モデル等)を用いて目標舵角θ*を求めてもよい。
なお、目標舵角θ*の値は、前述した実舵角θrと同様に、車両を左方向に旋回させる場合に正の値となり、車両を右方向に旋回させる場合に負の値になる。
ステップ325:CPUは、以下の式(1)に従って目標変位量R*を求める。
R* = K1(θ*−θr)+Rs1 ・・・(1)
ここで、K1は、比例定数である。K1は、カーブの曲率に応じて変更されてもよい。Rs1は、所定の定数である。K1及びRs1は、目標変位量R*が「+15mm」から「−15mm」の範囲で収まるように設定される。
式(1)によれば、実舵角θrが目標舵角θ*よりも小さい状況では、目標変位量R*は正の値となる。一方、実舵角θrが目標舵角θ*よりも大きい状況では、目標変位量R*は負の値となり得る。
ステップ330:CPUは、運転操作誘導処理を実行する。具体的には、運転支援ECU10は、実際のエアセル31の変位量Rが目標変位量R*に一致するようにポンプ33を制御して、エアセル31を膨張又は収縮させる。
運転操作誘導処理を開始した後にCPUが再び図3のルーチンをステップ300から処理を開始してステップ305に進む。この場合、実行フラグF1の値が「1」であるので、CPUは、ステップ305にて「No」と判定してステップ335に進む。CPUは、ステップ335にて、所定の終了条件が成立するか否かを判定する。終了条件は、車両がカーブから直線の道路に移行した(又は車両がカーブの出口に到達した)ときに成立する。例えば、道路の曲率がカーブ曲率閾値未満である状態が所定時間継続したときに、CPUは、終了条件が成立したと判定する。
終了条件が成立しない場合、CPUは、ステップ335にて「No」と判定して、前述のようにステップ320乃至330の処理を実行する。即ち、CPUは、運転操作誘導処理を継続する。
これに対し、終了条件が成立する場合、CPUは、ステップ335にて「Yes」と判定してステップ340に進み、実行フラグF1の値を「0」に設定する。このとき、CPUは、エアセル31の状態を基準状態に戻す。これにより、運転操作誘導処理が終了される。
次に、本実施形態に係る運転支援装置の効果について図4及び図5を参照して説明する。車両100が、図4に示すように直線の道路から左カーブに進入すると仮定する。この場合、図5に示すように、目標舵角θ*は時間とともに徐々に大きくなる。
図5の時点t1は、車両100が左カーブの進入した直後の時点である。時点t1では、車両100が左カーブに進入したにも関わらず、運転者90が操舵ハンドルSWの操舵を開始していない(即ち、運転者90の操舵が遅れている。)。この場合、実舵角θrが目標舵角θ*よりも小さいので、式(1)に従って目標変位量R*は正の値となる。従って、運転者90の背中が、エアセル31によって第1方向D1に加圧される(図2を参照。)。従って、運転者90は、自身の操舵操作が遅れていることを認識することができる。これにより、運転者90は、車両100を左旋回させるために、操舵ハンドルSWの反時計回りの操舵を開始する。
その後、時点t2では、運転者90が操舵ハンドルSWを操舵しているものの、その操舵量が不足している。この場合も、実舵角θrが目標舵角θ*よりも小さいので、式(1)に従って目標変位量R*は正の値となる。運転者90は、時点t1に比べて、背中に対する加圧の度合い(即ち、エアセル31の膨張の度合い)が小さくなったが、背中が依然としてエアセル31によって第1方向D1に加圧されていると感じる。従って、運転者90は、操舵量がやや不足していることを認識することができる。これにより、運転者90は、操舵量を大きくする。
その後、時点t3では、運転者90が適切な操舵量で操舵ハンドルSWを操舵している。実舵角θrが目標舵角θ*に実質的に同じである。この場合、式(1)に従って目標変位量R*はゼロに近い値となる。運転者90は、時点t2に比べて、背中に対する加圧の度合い(即ち、エアセル31の膨張の度合い)が小さくなり、背中が第1方向D1に加圧されていないと感じる。従って、運転者90は、自身の操舵量が適切であることを認識することができる。
図5の比較例は、従来装置を使用した場合の実舵角θrの変化である。従来装置においては、報知に従って運転者が操舵ハンドルの操舵を開始したとしても、車両が左カーブを走行している最中に、運転者自身が適切な操舵量で操舵しているかを判断することができない。従って、操舵量が不足する期間が長くなる虞がある。更に、運転者が急激に操舵ハンドルを操作して、実舵角θrが目標舵角θ*よりも大きくなる状況も生じ得る。この場合、車両が目標走行ラインTLをオーバーシュートする。即ち、車両が目標走行ラインTLを通り越して、目標走行ラインTLよりも内側に進入してしまう。このように、従来装置においては、運転者が、車両を適切な位置で走行させることができない虞がある。その結果、運転者は、操舵ハンドルの修正操作を行う頻度が多くなり、運転者の負担が大きくなる。
これに対し、本実施形態に係る運転支援装置は、操舵量が不足している場合、エアセル31を基準状態よりも膨張させることにより、運転者90に操舵量が不足していることを教示することができる。更に、運転支援装置は、操舵量が大きすぎる場合、エアセル31を基準状態よりも収縮させることにより、運転者90に操舵量が過剰であることを教示することができる。更に、運転支援装置は、膨張又は収縮の度合いを変化させることにより、操舵量がどの程度不足しているか又は大きいかを運転者に対して感覚的に教示することができる。以上から、運転支援装置は、車両がカーブを適切な位置で走行できるように、運転者90の運転操作(操舵ハンドルSWの操作)を誘導することができる。運転者が操舵ハンドルSWの修正操作を行う頻度が少なくなり、運転者の負担も軽減される。
なお、運転支援装置は、カーブの出口付近での運転操作の誘導にも有効である。この効果について図6を参照して説明する。車両100が、左カーブから直線の道路へと移行すると仮定する。この場合、図6に示すように、目標舵角θ*は時間とともに徐々に小さくなり、最終的にゼロになる。
時点t4では、運転者90が、直線の道路への移行のために操舵ハンドルSWの時計回りの操舵しているものの、その操舵量が不足している。この場合、実舵角θrが目標舵角θ*よりも大きいので、式(1)に従って目標変位量R*は負の値となる。従って、運転者90は、背中が加圧されることなく、エアセル31が第2方向D2に収縮するのを感じる。従って、運転者90は、操舵量が不足していることを認識することができる。これにより、運転者90は、操舵量(時計回りの操舵)を大きくする。その結果、車両100が、適切な位置(例えば、道路の中央付近の位置)で左カーブから直線の道路へとスムーズに移行することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
(変形例1)
図3のルーチンのステップ320及びステップ325は、上述の例に限定されない。これらのステップにおいて、実舵角θr以外の走行状態情報が使用されてもよい。
例えば、ステップ320及びステップ325は、以下のステップ320’及びステップ325’に置き換えられてもよい。
ステップ320’:CPUは、車両が目標走行ラインTLを走行するための目標ヨーレートYR*を求める。
ステップ325’:以下の式(2)に従って目標変位量R*を求める。
R* = K2(YR*−YR)+Rs2 ・・・(2)
ここで、K2は、比例定数である。K2は、カーブの曲率に応じて変更されてもよい。Rs2は、所定の定数である。K2及びRs2は、目標変位量R*が「+15mm」から「−15mm」の範囲で収まるように設定される。
本例の運転支援装置は、ヨーレートの情報を用いて、運転者90の運転操作(操舵ハンドルSWの操作)を誘導することができる。
更に、ステップ320及びステップ325は、以下のステップ320’’及びステップ325’’に置き換えられてもよい。
ステップ320’’:CPUは、車両がカーブを走行する際の目標速度SPD*を求める。例えば、目標速度SPD*は、カーブの曲率に応じて決定される。
ステップ325’’:以下の式(3)に従って目標変位量R*を求める。
R* = K3(SPD*−SPD)+Rs3 ・・・(3)
ここで、K3は、比例定数である。K3は、カーブの曲率に応じて決定されてもよい。Rs3は、所定の定数である。K3及びRs3は、目標変位量R*が「+15mm」から「−15mm」の範囲で収まるように設定される。
本例の運転支援装置は、エアセル31の変形(膨張又は収縮)の度合いにより、車速SPDが目標速度SPD*に対してどの程度速いか又は遅いかを運転者90に対して教示することができる。従って、運転支援装置は、車両がカーブを適切な速度にて走行できるように、運転者90のペダル操作(アクセルペダル又はブレーキペダルの操作)を誘導することができる。
(変形例2)
エアセル31の位置は、上述の例に限定されない。例えば、エアセル31は、座面部41のうちの「運転者90の臀部又は太腿に接する面の一部」に配置されてもよい。本例の運転支援装置は、臀部又は太腿への加圧の変化により、運転者90に対して、操舵を開始するタイミングを教示し、且つ、適切な操舵量で操舵しているかを教示することができる。
(変形例3)
運転者90に対する教示の方法は、エアセル31の膨張又は収縮に限定されない。例えば、図7に示すように、シート40が、車両前後方向に延びる軸を中心として左右に傾斜するように構成されてもよい。この場合、運転支援ECU10は、図3のルーチンのステップ330にて、目標変位量R*に応じてシート40の傾斜の度合いを変更してもよい。例えば、図5の時点t1の場合、運転支援ECU10は、図7に示すように、シート40の右端が目標変位量R*だけ下方に下がり且つシート40の左端が目標変位量R*だけ上方に上がるように傾斜させる。
車両は左カーブを走行する際に、車体が左側へ傾斜(ロール)する。シート40を同じように傾斜させてしまうと、運転者90が、「自身が適切なタイミングで操舵を開始している(又は適切な操舵量で操舵している)」と誤認する可能性がある。これに対して、運転支援ECU10は、シート40を逆向きに傾斜(ロール)させるので、運転者90が、「操舵が遅れている(又は適切な操舵量で操舵できていない)」ことを認識できる。
なお、運転支援ECU10は、図示しないアクティブサスペンションを制御して車体自体を傾斜させることにより、シート40の全体を傾斜させるように構成されてもよい。
(変形例4)
運転支援ECU10は、カメラセンサ14bからの情報に基いて、車両の前方の道路の曲率を取得してもよい。従って、実行条件の条件A1は、カメラセンサ14bからの情報に基いて判定されてもよい。更に、運転支援ECU10は、カメラセンサ14bから取得された道路の曲率に基いて、目標走行ラインTLを求めてもよい。別の例によれば、運転支援ECU10は、カメラセンサ14bによって認識された道路の左右の区画線の間の道路幅方向における中央位置を結ぶラインを目標走行ラインTLとして求めてもよい。
(変形例5)
ステップ310における実行条件は、上述の例に限定されない。実行条件は、以下の条件A3及びA4の一方又は両方を含んでもよい。
(条件A3)車速SPDが次の条件を満たす。Vmax > SPD >Vmin
ここで、Vmaxは、車両がカーブを走行する際の車速の上限値であり、Vminは、車両がカーブを走行する際の車速の下限値である。
(条件A4)車両から前方に所定の距離範囲内に物標(障害物)が存在しない。
(変形例6)
前方注視モデルに用いられる各種パラメータは、運転者90の運転操作の履歴に応じて変更されてもよい。例えば、車両がカーブに進入する際に運転者90の操舵の開始が遅れる傾向にある場合、運転支援ECU10は、距離Lを所定の値だけ大きくなるように設定してもよい。これにより、車両がカーブに進入した時点にて実舵角θrと目標舵角θ*との差分が大きくなり易くなるので、運転者90が、自身の操舵が遅れていることを認識し易くなる。
10…運転支援ECU、11…舵角センサ、12…車速センサ、13…ヨーレートセンサ、14…周囲センサ、20…ナビゲーションECU、30…エアセルモジュール、31…袋部(エアセル)、32…空気管、33…ポンプ。

Claims (1)

  1. 車両の運転者が着座するシートであって、前記運転者に接する面の一部が変形するか又は前記シートの全体が傾斜するように構成されたシートと、
    前記車両の走行状態に関する走行状態情報を取得する走行状態情報取得部と、
    前記車両が走行している道路の道路情報を取得する道路情報取得部と、
    前記道路情報に基いて前記車両の前方にカーブが存在すると判定した場合、前記車両が前記カーブを走行する際の前記車両の前記走行状態に関する目標値を求め、
    前記車両が前記カーブを走行する際に、前記走行状態情報取得部によって取得された前記走行状態情報と前記目標値との比較に基いて、前記シートの前記一部の変形の度合い又は前記シートの傾斜の度合いを変更するように構成された制御部と、
    を備える運転支援装置。

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