JP2021012760A - 鞍乗型車両用の灯火器、及び、鞍乗型車両 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の目的は、発光ダイオードを供え、発光ダイオードの光軸に垂直な方向に長い形状を有する鞍乗型車両用の灯火器において、製造コストの増大を抑えながら、灯火器の被視認性を向上させることにある。
【解決手段】第１透光部は、第１傾斜面と第２傾斜面とを含む。第１傾斜面は、第１透光部の外面に設けられる。第１傾斜面は、発光ダイオードの光軸に対して傾斜している。第２傾斜面は、第１透光部の外面に設けられる。第２傾斜面は、発光ダイオードの光軸に対して傾斜している。第１傾斜面は、第１透光部内で導光された発光ダイオードからの光を、アウターレンズの外方に向けて案内する。第２傾斜面の光軸に対する傾斜角度は、第１傾斜面の光軸に対する傾斜角度よりも大きい。第２傾斜面は、第１透光部内で導光された発光ダイオードからの光を、第２透光部に向けて反射して、第２透光部内に導光させる。
【選択図】図１０

Description

本発明は、鞍乗型車両用の灯火器、及び、鞍乗型車両に関する。

鞍乗型車両は、フラッシャー、ヘッドライト、或いはポジションライトなどの灯火器を備えている。例えば、特許文献１の車両用灯火器は、ハウジングと、レンズと、バルブと、リフレクタとを備えている。バルブとリフレクタとは、ハウジング内に配置されている。リフレクタは、バルブからの光を反射して、レンズを通して灯火器の外方へと導く。

特開２００９−１５８４０９号公報

近年、鞍乗型車両用の灯火器において、光源として発光ダイオードが用いられるようになっている。発光ダイオードは、高い省エネ性、及び長寿命などの利点を有する。一方、発光ダイオードは、指向性が高いことから、照射範囲が狭い。そのため、灯火器の被視認性を向上させるために、多数の発光ダイオードが灯火器に備えられる。その場合、灯火器の製造コストが増大してしまう。

また、灯火器のアウターレンズが、発光ダイオードの光軸に垂直な方向に長い形状を有している場合、発光ダイオードからの光をアウターレンズ内に導光させて、アウターレンズの広い範囲を光らせることは困難である。特に、灯火器に設けられる発光ダイオードが１つだけである場合には、アウターレンズの広い範囲を光らせることは困難である。

さらに、アウターレンズが一体の部品である場合には、アウターレンズ内における導光の経路の自由度が低い。例えば、アウターレンズが、発光ダイオードの光軸に垂直な方向に長い形状を有している場合、アウターレンズは、発光ダイオードに対して、重畳部分と非重畳部分とを含む。重畳部分は、光軸に垂直な方向に発光ダイオードと重なる。非重畳部分は、光軸に垂直な方向に発光ダイオードと重ならない。そして、非重畳部分は、光軸に垂直な方向に長い形状を有している。製造コストの低減のためには、この重畳部分と非重畳部分とが一体的に形成されていることが好ましい。しかし、重畳部分と非重畳部分とが一体的に形成されている場合には、アウターレンズ内における導光の経路の自由度が低い。そのため、単一の発光ダイオードからの光で、非重畳部分の広い範囲を光らせることは、さらに困難である。

本発明の目的は、発光ダイオードを供え、発光ダイオードの光軸に垂直な方向に長い形状を有する鞍乗型車両用の灯火器において、製造コストの増大を抑えながら、灯火器の被視認性を向上させることにある。

第１の態様は、鞍乗型車両用の灯火器である。灯火器は、ハウジングと、単一の発光ダイオードと、アウターレンズとを備える。発光ダイオードは、透光性を有し、ハウジングに取り付けられる。発光ダイオードは、発光ダイオードの光軸と垂直な方向に延びる。アウターレンズは、第１透光部と第２透光部とを含む。第１透光部は、発光ダイオードの光軸方向において発光ダイオードと重なる。第２透光部は、光軸方向において発光ダイオードと重ならない位置に配置される。第１透光部と第２透光部とは一体的に形成される。第２透光部は、アウターレンズの長手方向において第１透光部よりも長い。

第１透光部は、第１傾斜面と第２傾斜面とを含む。第１傾斜面は、第１透光部の外面に設けられる。第１傾斜面は、発光ダイオードの光軸に対して傾斜している。第２傾斜面は、第１透光部の外面に設けられる。第２傾斜面は、発光ダイオードの光軸に対して傾斜している。第１傾斜面は、第１透光部内で導光された発光ダイオードからの光を、アウターレンズの外方に向けて案内する。第２傾斜面の光軸に対する傾斜角度は、第１傾斜面の光軸に対する傾斜角度よりも大きい。第２傾斜面は、第１透光部内で導光された発光ダイオードからの光を、第２透光部に向けて反射して、第２透光部内に導光させる。

本態様に係る灯火器では、第１透光部内で導光された発光ダイオードからの光が、第１傾斜面を通って、アウターレンズの外方に向けて照射される。また、第１透光部内で導光された発光ダイオードからの光が、第２傾斜面によって、第２透光部に向けて反射される。それにより、発光ダイオードからの光が、第２透光部内で導光される。従って、単一の発光ダイオードからの光を、第１透光部と第２透光部とに分けて外方に照射することができる。

また、第２傾斜面の光軸に対する傾斜角度は、第１傾斜面の光軸に対する傾斜角度よりも大きい。そのため、第２透光部は、アウターレンズの長手方向に第１透光部よりも長いが、第２透光部の広範囲に光を行き届かせることができる。それにより、製造コストの増大を抑えながら、灯火器の被視認性を向上させることができる。

第２透光部の内面は、反射面を含んでもよい。反射面は、第２傾斜面から第２透光部内に導光された光を、アウターレンズの外方に向けて反射してもよい。この場合、反射面によって、光を第２透光部から広範囲に照射することができる。

反射面は、複数の傾斜面を含んでもよい。この場合、複数の傾斜面によって、光を第２透光部から、さらに広範囲に照射することができる。

複数の傾斜面のそれぞれは、湾曲した形状を有してもよい。この場合、複数の傾斜面によって、光を第２透光部から、さらに広範囲に照射することができる。

反射面は、第１延伸部と第２延伸部とを含んでもよい。第１延伸部は、光軸に交差する方向に延びていてもよい。第２延伸部は、光軸に交差する方向に延びていてもよい。第２延伸部は、第１延伸部に対して間隔をおいて配置されてもよい。この場合、第１延伸部と第２延伸部との間が暗いことで、第１延伸部と第２延伸部とを目立たせることができる。それにより、被視認性を向上することができる。

アウターレンズは、第３透光部をさらに含んでもよい。第３透光部の少なくとも一部は、第１透光部と第２透光部の周辺に配置されてもよい。第３透光部の内面には、シボ加工が施されていてもよい。この場合、シボ加工によって光が乱反射されることで、灯火器の内部の構造を、外部から見え難くすることができる。

第２傾斜面の傾斜方向に沿った第２傾斜面の長さは、第１傾斜面の傾斜方向に沿った第１傾斜面の長さよりも大きくてもよい。この場合、発光ダイオードから多くの光を第２透光部に導光させることができる。

第２傾斜面は、平坦な形状を有してもよい。この場合、光の反射方向の制御が容易になる。

第１傾斜面は、光軸方向から見て、光軸周りに湾曲した形状を有してもよい。この場合、第１傾斜面での光の照射範囲を拡大することができる。それにより、被視認性を向上させることができる。

第１透光部は、第１透光部の外面に設けられた平坦面を含んでもよい。平坦面は、発光ダイオードの光軸に垂直に配置されてもよい。この場合、平坦面を通して、光軸方向に強い光を照射することができる。それにより、光軸方向からの被視認性を向上させることができる。

平坦面は、光軸方向から見て、第１傾斜面と第２傾斜面との間に位置してもよい。この場合、平坦面から光軸方向に強い光を照射すると共に、第１傾斜面と第２傾斜面とによって、広範囲に光を照射することができる。

平坦面の少なくとも一部は、光軸方向から見て、発光ダイオードと重なってもよい。この場合、平坦面から光軸方向に強い光を照射することができる。

第２傾斜面は、光軸方向から見て、発光ダイオードと重なってもよい。この場合、第２傾斜面によって、大きな光量の光を第２透光部へ向けて反射することができる。それにより、第２透光部において広範囲に光を行き届かせることができる。

第１透光部は、光軸方向から見て円形の形状を有してもよい。この場合、第１透光部によって、広範囲に光を照射することができる。

灯火器は、フラッシャーであってもよい。この場合、フラッシャーの被視認性を向上させることができる。

第２の態様は、鞍乗型車両である。鞍乗型車両は、上述した灯火器を備えてもよい。

本発明によれば、発光ダイオードを供え、発光ダイオードの光軸に垂直な方向に長い形状を有する鞍乗型車両用の灯火器において、製造コストの増大を抑えながら、灯火器の被視認性を向上させることができる。

実施形態に係る鞍乗型車両の側面図である。 灯火器の斜視図である。 アウターレンズの正面図である。 アウターレンズの背面図である。 灯火器の図２におけるV−V断面図である。 アウターレンズの拡大断面図である。 灯火器の図５におけるVII−VII断面図である。 アウターレンズの内面を示す斜視図である。 アウターレンズの外面を示す拡大斜視図である。 アウターレンズ内の導光経路を示す灯火器の断面図である。

以下、実施形態に係る鞍乗型車両について図面を参照して説明する。図１は、実施形態に係る鞍乗型車両１の側面図である。鞍乗型車両１は、いわゆるスポーツ型のモーターサイクルである。鞍乗型車両１は、車体フレーム２と、ヘッドライト３と、ステアリング装置４と、燃料タンク５と、シート６と、パワーユニット７と、前輪８と、後輪９とを含む。

車体フレーム２は、ヘッドパイプ１１を含む。ヘッドパイプ１１は、ステアリング装置４を回転可能に支持する。ヘッドライト３は、ヘッドパイプ１１の前方に配置されている。ステアリング装置４は、フロントフォーク１２とハンドル１３とを含む。フロントフォーク１２は、前輪８を回転可能に支持している。ハンドル１３は、フロントフォーク１２の上部に接続されている。

燃料タンク５は、ヘッドパイプ１１の後方に配置されている。シート６は、燃料タンク５の後方に配置されている。パワーユニット７は、燃料タンク５の下方に配置されている。パワーユニット７は、例えば内燃エンジンを含む。ただし、パワーユニット７は、電動モータなどの他の動力源を含んでもよい。後輪９は、リアアーム１４に回転可能に支持されている。後輪９は、リアアーム１４を介して、車体フレーム２に支持されている。

鞍乗型車両１は、灯火器１５，１６を備える。灯火器１５，１６は、フラッシャーであり、ライダーの操作に応じて点滅する。図２は、灯火器１５の斜視図である。以下、前側の灯火器１５について説明するが、後側の灯火器１６も、前側の灯火器１５と同様の構成を有している。

図２に示すように、灯火器１５は、ハウジング２１とアウターレンズ２２とを含む。ハウジング２１は、不透明な材料で形成されている。例えば、ハウジング２１は、樹脂製である。ただし、ハウジング２１は、金属などの他の材料で形成されてもよい。ハウジング２１は、取付部２３と、支持部２４と、本体部２５とを含む。取付部２３は、鞍乗型車両１に取り付けられる。支持部２４は、取付部２３から車幅方向に延びている。本体部２５は、支持部２４から車幅方向に延びている。

アウターレンズ２２は、ハウジング２１の本体部２５に取り付けられる。アウターレンズ２２は、透光性を有する材料で形成されている。アウターレンズ２２は、例えば樹脂製である。図３は、アウターレンズ２２の正面図である。図４は、アウターレンズ２２の背面図である。なお、以下の説明において、ハウジング２１の本体部２５からアウターレンズ２２に向かう方向が前方と定義され、その反対の方向が後方と定義される。

図５は、図２におけるＶ−Ｖ断面図である。図５に示すように、灯火器１５は、基板２６と発光ダイオード２７とを含む。基板２６は、ハウジング２１内に配置されている。基板２６は、アウターレンズ２２の後方に配置されている。基板２６は、発光ダイオード２７の光軸方向から見て、アウターレンズ２２と重なる。発光ダイオード２７は、基板２６上に実装されている。発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１は、前後方向を向いている。発光ダイオード２７は、光軸方向（Ａｘ１）において、アウターレンズ２２と重なる。灯火器１５に設けられた発光ダイオードの数は１つである。灯火器１５は、発光ダイオード２７を１つだけ有している。すなわち、灯火器１５は、単一の発光ダイオード２７を有している。

アウターレンズ２２は、発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１と垂直な方向に延びている。アウターレンズ２２は、鞍乗型車両１の上下方向よりも車幅方向に長い形状を有している。以下の説明において、発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１と垂直、且つ、アウターレンズ２２が延びる方向が、長手方向と定義される。また、発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１と垂直、且つ、長手方向と垂直な方向が短手方向と定義される。なお、垂直な方向とは、完全に垂直な方向だけではなく、実質的に垂直な方向を含む。すなわち、垂直な方向とは、完全に垂直な方向から±２０度の範囲を含む。

アウターレンズ２２は、長手方向の一方に向かって先細りの形状を有している。アウターレンズ２２は、第１透光部３１と、第２透光部３２と、第３透光部３３とを含む。第１透光部３１と第２透光部３２と第３透光部３３とは、一体的に形成されている。

第１透光部３１は、アウターレンズ２２において短手方向の長さが最大となる位置に配置されている。第１透光部３１は、発光ダイオード２７の光軸方向（Ａｘ１）から見て円形の形状を有する。第１透光部３１は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、発光ダイオード２７と重なる。

第２透光部３２は、光軸方向（Ａｘ１）において発光ダイオード２７と重ならない位置に配置されている。第２透光部３２は、長手方向において第１透光部３１と隣接して配置されている。第２透光部３２は、長手方向に延びている。第２透光部３２は、長手方向において、第１透光部３１よりも大きい。第２透光部３２は、長手方向においてアウターレンズ２２の全長の半分よりも大きい。第２透光部３２は、短手方向において、第１透光部３１よりも小さい。第２透光部３２の外表面は、灯火器１５の先端側へ向かって後方へ傾斜している。或いは、第２透光部３２の外表面は、灯火器１５の先端側へ向かって前方へ傾斜していてもよい。

図６は、アウターレンズ２２の拡大断面図である。図７は、図５におけるVII−VII断面図である。図８は、アウターレンズ２２の内面を示す斜視図である。図６から図８に示すように、第１透光部３１の内面は、凸部３４と凹部３５とを含む。凸部３４は、円形の外形を有している。凹部３５は、凸部３４の頂上部に設けられている。凹部３５は、半球状の形状を有している。発光ダイオード２７は、光軸方向（Ａｘ１）において、凹部３５に向かい合って配置されている。発光ダイオード２７は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、凹部３５と重なる。

図９は、アウターレンズ２２の外面を示す拡大斜視図である。図９に示すように、第１透光部３１の外面は、第１傾斜面３６と第２傾斜面３７とを含む。第１傾斜面３６は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、光軸Ａｘ１周りに湾曲した形状を有する。第１傾斜面３６は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、円弧状の形状を有する。図６に示すように、第１傾斜面３６は、発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１に対して傾斜している。第１傾斜面３６は、第１透光部３１内で導光された発光ダイオード２７からの光を、アウターレンズ２２の外方に向けて反射する。

第２傾斜面３７は、発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１に対して傾斜した平坦な形状を有する。第２傾斜面３７は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、発光ダイオード２７と重なる。第２傾斜面３７は、第１透光部３１内で導光された発光ダイオード２７からの光を、第２透光部３２に向けて反射して、第２透光部３２内に導光させる。第２傾斜面３７の光軸Ａｘ１に対する傾斜角度Ａ１は、第１傾斜面３６の光軸Ａｘ１に対する傾斜角度Ａ２よりも大きい。第２傾斜面３７の傾斜方向に沿った第２傾斜面３７の長さＬ１は、第１傾斜面３６の傾斜方向に沿った第１傾斜面３６の長さＬ２よりも大きい。

第１透光部３１の外面は、平坦面３８を含む。平坦面３８は、発光ダイオード２７の光軸Ａｘ１に垂直に配置される。平坦面３８は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、第１傾斜面３６と第２傾斜面３７との間に位置する。平坦面３８の少なくとも一部は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、発光ダイオード２７と重なる。第２傾斜面３７の後端３７１は、第１傾斜面３６の後端３６１よりも後方に位置する。すなわち、光軸方向（Ａｘ１）において、第２傾斜面３７の後端３７１は、第１傾斜面３６の後端３６１よりも発光ダイオード２７の近くに位置する。

第２傾斜面３７は、アウターレンズ２２の長手方向において、第１傾斜面３６よりも大きい。第２傾斜面３７は、アウターレンズ２２の長手方向において、平坦面３８よりも大きい。第２傾斜面３７は、長手方向において平坦面３８と隣接して配置されている。第１傾斜面３６は、長手方向において平坦面３８と隣接して配置されている。第１傾斜面３６は、短手方向において、第２傾斜面３７と隣接して配置されている。

第１透光部３１の外面は、溝部３９を含む。溝部３９は、円形の外形を有している。溝部３９は、光軸方向（Ａｘ１）から見て、第１傾斜面３６と第２傾斜面３７との周囲に配置されている。溝部３９は、第２透光部３２と第１傾斜面３６との間に配置されている。溝部３９は、第３透光部３３と第２傾斜面３７との間に配置されている。

第２透光部３２の内面は、反射面４１を含む。反射面４１は、第２傾斜面３７から第２透光部３２内に導光された光を、アウターレンズ２２の外方に向けて反射する。図６に示すように、反射面４１は、複数の傾斜面４２を含む。なお、図面においては、複数の傾斜面４２の１つのみに符号が付されており、他の傾斜面４２の符号は省略されている。複数の傾斜面４２のそれぞれは、湾曲した形状を有する。複数の傾斜面４２のそれぞれは、前方に向けて膨出した形状を有する。

第２傾斜面３７の後端３７１は、複数の傾斜面４２の後端４２１よりも前方に位置する。第２傾斜面３７の後端３７１は、複数の傾斜面４２の前端４２２よりも後方に位置する。複数の傾斜面４２は、長手方向に並んで配置されている。複数の傾斜面４２の間には、複数の段部４３が設けられている。

図４に示すように、反射面４１は、二股に分かれた形状を有している。反射面４１は、第１延伸部４５と第２延伸部４６とを含む。第１延伸部４５と第２延伸部４６とは、長手方向に延びている。第２延伸部４６は、第１延伸部４５に対して間隔をおいて配置されている。反射面４１は、内凹部４７を含む。内凹部４７は、第１延伸部４５と第２延伸部４６との間に配置されている。内凹部４７は、長手方向に延びている。

図３に示すように、第２透光部３２の外面は、第３延伸部４８と第４延伸部４９とを含む。光軸方向（Ａｘ１）から見て、第３延伸部４８は、第１延伸部４５と重なる。光軸方向（Ａｘ１）から見て、第４延伸部４９は、第２延伸部４６と重なる。第２透光部３２の外面は、外凹部５１を含む。外凹部５１は、第３延伸部４８と第４延伸部４９との間に配置されている。外凹部５１は、長手方向に延びている。光軸方向（Ａｘ１）から見て、外凹部５１は、内凹部４７と重なる。短手方向において、外凹部５１は、内凹部４７よりも小さい。

第３透光部３３は、第１透光部３１と第２透光部３２との周辺に配置されている。図４では、理解の容易のため、第３透光部３３にハッチングが付されている。光軸方向（Ａｘ１）から見て、第３透光部３３は、アウターレンズ２２の端面５２と第１透光部３１との間に配置されている。アウターレンズ２２の端面５２は、ハウジング２１への取付面である。光軸方向（Ａｘ１）から見て、第３透光部３３は、アウターレンズ２２の端面５２と第２透光部３２との間に配置されている。第３透光部３３の内面にはシボ加工が施されている。すなわち、第３透光部３３の内面には、微細な複数の凹凸が設けられている。

以上説明した本実施形態に係る灯火器１５では、発光ダイオード２７からの光は、アウターレンズ２２の内部で導光されて、アウターレンズ２２の外方に照射される。詳細には、図１０において矢印Ｂ１−Ｂ３で示すように、第１透光部３１内で導光された発光ダイオード２７からの光が、第１傾斜面３６と第２傾斜面３７と平坦面３８とを通って、アウターレンズ２２の外方に向けて照射される。また、矢印Ｂ４で示すように、第１傾斜面３６に向かう光の一部は、第１傾斜面３６で反射されて、アウターレンズ２２の外方に向けて照射される。それにより、広い範囲に光を照射することができる。

また、矢印Ｂ５，Ｂ６で示すように、第１透光部３１内で導光された発光ダイオード２７からの光が、第２傾斜面３７によって、第２透光部３２に向けて反射される。詳細には、矢印Ｂ５で示すように、第２傾斜面３７において第２透光部３２に向かって反射される。矢印Ｂ６で示すように、発光ダイオード２７からの光は、凸部３４で第２傾斜面３７に向かって反射され、さらに第２傾斜面３７において第２透光部３２に向かって反射される。それにより、発光ダイオード２７から多くの光が、第２透光部３２内で導光される。第２透光部３２内で導光された光は、反射面４１において反射されて、アウターレンズ２２の外方に照射される。また、矢印Ｂ７で示すように、発光ダイオード２７からの光の一部は、第２傾斜面３７を介さずに、直接、第２透光部３２内で導光されて、アウターレンズ２２の外方に照射される。このように、本実施形態に係る灯火器１５では、単一の発光ダイオード２７からの光を、第１透光部３１と第２透光部３２とに分けて外方に照射することができる。

また、第２傾斜面３７の光軸Ａｘ１に対する傾斜角度Ａ１は、第１傾斜面３６の光軸Ａｘ１に対する傾斜角度Ａ２よりも大きい。そのため、第２透光部３２はアウターレンズ２２の長手方向に第１透光部３１よりも長いが、第２透光部３２の広範囲に光を行き届かせることができる。それにより、製造コストの増大を抑えながら、灯火器１５の視認性を向上させることができる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。鞍乗型車両は、スポーツ型のモーターサイクルに限らず、スクータ、モペッドなどの他の車両であってもよい。灯火器は、フラッシャーに限らず、ポジションライト、或いはヘッドライトなど等の他の装置であってもよい。

上記の実施形態では、前後の灯火器１５，１６は同じ構造を有している。しかし、前側の灯火器のみが、上記の実施形態の灯火器１５の構造を有してもよい。或いは、後側の灯火器のみが、上記の実施形態の灯火器１５の構造を有してもよい。

上記の実施形態では、灯火器１５は、灯火器１５の長手方向が車幅方向を向くように配置されている。しかし、灯火器１５が配置される向きは、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、灯火器１５は、灯火器１５の長手方向が、鞍乗型車両１の上下方向を向くように配置されてもよい。

ハウジング２１、或いはアウターレンズ２２の構造は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第１透光部３１の形状、及び／又は、配置が変更されてもよい。第２透光部３２の形状、及び／又は、配置が変更されてもよい。第３透光部３３の形状、及び／又は、配置が変更されてもよい。

本発明によれば、発光ダイオードを供え、発光ダイオードの光軸に垂直な方向に長い形状を有する鞍乗型車両用の灯火器において、製造コストの増大を抑えながら、灯火器の被視認性を向上させることができる。

２１ ハウジング
２２ アウターレンズ
２７ 発光ダイオード
３１ 第１透光部
３２ 第２透光部
３３ 第３透光部
３６ 第１傾斜面
３７ 第２傾斜面
３８ 平坦面
４１ 反射面
４２ 傾斜面
４５ 第１延伸部
４６ 第２延伸部

Claims (17)

1. ハウジングと、
   単一の発光ダイオードと、
   前記ハウジングに取り付けられ、前記発光ダイオードの光軸と垂直な方向に延び、透光性を有するアウターレンズと、
   を備え、
   前記アウターレンズは、
   前記発光ダイオードの光軸方向において前記発光ダイオードと重なる第１透光部と、
   前記光軸方向において前記発光ダイオードと重ならない位置に配置された第２透光部と、
   を含み、
   前記第１透光部と前記第２透光部とは一体的に形成され、
   前記第２透光部は、前記アウターレンズの長手方向において前記第１透光部よりも長く、
   前記第１透光部は、
   前記第１透光部の外面に設けられ、前記発光ダイオードの光軸に対して傾斜した第１傾斜面と、
   前記第１透光部の外面に設けられ、前記発光ダイオードの光軸に対して傾斜した第２傾斜面と、
   を含み、
   前記第１傾斜面は、前記第１透光部内で導光された前記発光ダイオードからの光を、前記アウターレンズの外方に向けて案内し、
   前記第２傾斜面の前記光軸に対する傾斜角度は、前記第１傾斜面の前記光軸に対する傾斜角度よりも大きく、
   前記第２傾斜面は、前記第１透光部内で導光された前記発光ダイオードからの光を、前記第２透光部に向けて反射して、前記第２透光部内に導光させる、
   鞍乗型車両用の灯火器。
2. 前記第２透光部の内面は、前記第２傾斜面から前記第２透光部内に導光された光を、前記アウターレンズの外方に向けて反射する反射面を含む、
   請求項１に記載の鞍乗型車両用の灯火器。
3. 前記反射面は、複数の傾斜面を含む、
   請求項２に記載の鞍乗型車両用の灯火器。
4. 前記複数の傾斜面のそれぞれは、湾曲した形状を有する、
   請求項３に記載の鞍乗型車両用の灯火器。
5. 前記反射面は、
   前記光軸に交差する方向に延びる第１延伸部と、
   前記光軸に交差する方向に延び、前記第１延伸部に対して間隔をおいて配置された第２延伸部と、
   を含む、
   請求項２から４のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
6. 前記アウターレンズは、少なくとも一部が前記第１透光部と前記第２透光部の周辺に配置された第３透光部をさらに含み、
   前記第３透光部の内面にはシボ加工が施されている、
   請求項１から５のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
7. 前記第２傾斜面の傾斜方向に沿った前記第２傾斜面の長さは、前記第１傾斜面の傾斜方向に沿った前記第１傾斜面の長さよりも大きい、
   請求項１から６のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
8. 前記第２傾斜面は、平坦な形状を有する、
   請求項１から７のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
9. 前記第１傾斜面は、前記光軸方向から見て、前記光軸周りに湾曲した形状を有する、
   請求項１から８のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
10. 前記第１透光部は、前記第１透光部の外面に設けられた平坦面を含み、
    前記平坦面は、前記発光ダイオードの光軸に垂直に配置される、
    請求項１から９のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
11. 前記平坦面は、前記光軸方向から見て、前記第１傾斜面と前記第２傾斜面との間に位置する、
    請求項１０に記載の鞍乗型車両用の灯火器。
12. 前記平坦面の少なくとも一部は、前記光軸方向から見て、前記発光ダイオードと重なる、
    請求項１０又は１１に記載の鞍乗型車両用の灯火器。
13. 前記第２傾斜面は、前記光軸方向から見て、前記発光ダイオードと重なる、
    請求項１から１２のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
14. 前記第１透光部は、前記光軸方向から見て円形の形状を有する、
    請求項１から１３のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
15. 前記灯火器は、フラッシャーである、
    請求項１から１４のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
16. 前記光軸方向（Ａｘ１）において、前記第２傾斜面の後端は、前記第１傾斜面の後端よりも発光ダイオードの近くに位置する、
    請求項１から１５のいずれかに記載の鞍乗型車両用の灯火器。
17. 請求項１から１６のいずれかに記載の灯火器を備える鞍乗型車両。

Images