JP2021075678A - 熱収縮積層フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
高エネルギー線の照射によって架橋処理が施された熱収縮フィルムであって、
JIS C3005:2014 4.25に準拠して測定された架橋度が43%以上であり、かつ、引張モードでの周波数0.5Hzの動的粘弾性測定により得られる昇温時50℃での貯蔵弾性率(E’1)に対する冷却時50℃での貯蔵弾性率(E’2)の百分率である復元率が14%以上である。
加えて、本発明者らの鋭意研究により、昇温時の貯蔵弾性率に対する冷却時の貯蔵弾性率の百分率(100×E’2/E’1)が14%以上であることにより、熱収縮フィルムの熱収縮性が向上することが明らかとなった。あくまで推測ではあるが、架橋が進行することによってゴム弾性化した非晶部分に、加熱後の冷却時に戻ろうとする力が働くためと推測される。
これらのことから、上記の構成により、耐熱性及び熱収縮性の点で優れた特性を有する熱収縮フィルムを実現することができる。
構成材料として、エチレン−酢酸ビニル系樹脂を含むことが好ましい。
構成材料としてアイオノマー樹脂を含むことが好ましい。
構成材料として、エチレン−ビニルアルコール系樹脂を含むことが好ましい。
前記架橋度が50%以上であり、かつ、前記復元率が25%以上であることが好ましい。
上述した各構成の熱収縮フィルムを少なくとも一層含む。
酢酸ビニル含有量16%のエチレン−酢酸ビニル共重合体の、厚み100μmの単層フィルム(三井・ダウポリケミカル社製エバフレックスV5714C)を準備した。このフィルムを60cm×60cmの大きさにカットし、エリアビーム型電子線照射装置(NHVコーポレーション社製、型番;EBC−200−100)を用いて、電子線照射による架橋処理を行った。電子線の加速電圧は175kVとし、照射線量は30kGy,60kGy,90kGy,120kGyとした。これらと、電子線を照射しなかったもの(照射線量0kGyに相当)とを合わせて、計5種のフィルムを試験用サンプルとした。
酢酸ビニル含有量19%のエチレン−酢酸ビニル共重合体の単層フィルム(三井・ダウポリケミカル社製エバフレックスV430RC)を用い、それ以外の点は試験例1と同様にして試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った(図2を参照)。この試験例2では、照射線量が60kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
ポリエチレンを5%添加した酢酸ビニル含有量16%のエチレン−酢酸ビニル共重合体の単層フィルム(三井・ダウポリケミカル社製エバフレックスV5714C)を用い、それ以外の点は試験例1と同様にして試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った(図3を参照)。この試験例3では、照射線量が90kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
エチレン−ビニルアルコール系樹脂の単層フィルム(三菱ケミカル社製GH3804B)を用い、それ以外の点は試験例1と同様にして試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った(図4を参照)。この試験例4では、全ての試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
ナトリウム系アイオノマー樹脂の単層フィルム(三井・ダウポリケミカル社製ハイミラン1601)を用い、それ以外の点は試験例1と同様にして試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った(図5を参照)。この試験例5では、照射線量が60kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
亜鉛系アイオノマー樹脂の単層フィルム(三井・ダウポリケミカル社製ハイミラン1652)を用い、それ以外の点は試験例1と同様にして試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った(図6を参照)。この試験例6では、照射線量が60kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
Tダイによる共押出法により、図7に示す、エチレン−酢酸ビニル層(EVA層)−亜鉛系アイオノマー層(Zn−ION層)−接着層(AD層)−エチレン−ビニルアルコール系樹脂層(EVOH層)−接着層(AD層)−ナトリウム系アイオノマー層(Na−ION層)−混合ポリエチレン層(PEmix層)の順に積層された積層フィルムを作成した。なお、混合ポリエチレン層は、低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とを重量比40:60で混合したものを原料として作成した。そして、その積層フィルムを用いて試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った(図8を参照)。この試験例7では、照射線量が60kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
Tダイによる共押出法により、図9に示す、エチレン−酢酸ビニル層(EVA層)−接着層(AD層)−エチレン−ビニルアルコール系樹脂層(EVOH層)−接着層(AD層)−ナトリウム系アイオノマー層(Na−ION層)−混合ポリエチレン層(PEmix層)の順に積層された積層フィルムを作成した。なお、混合ポリエチレン層は、低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とを重量比40:60で混合したものを原料として作成した。そして、その積層フィルムを用いて試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った。この試験例8では、照射線量が60kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
Tダイによる共押出法により、図10に示す、エチレン−酢酸ビニル層(EVA層)−接着層(AD層)−エチレン−ビニルアルコール系樹脂層(EVOH層)−接着層(AD層)−混合ポリエチレン層(PEmix層)の順に積層された積層フィルムを作成した。なお、混合ポリエチレン層は、低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とを重量比40:60で混合したものを原料として作成した。そして、その積層フィルムを用いて試験用サンプルを作成した。各試験用サンプルについて、ゲル分率を算出し、また、動的粘弾性測定を行った。この試験例9では、照射線量が60kGy以上の試験用サンプルにおいて、貯蔵弾性率の良好な復元が見られた。
試験例1〜9のフィルムを用いて、以下の手順に従ってスキンパック包装体を製造した。まず、被包装物として、偽薬錠剤(φ10、厚み5mmの円柱状)とリップスティック(φ15、長さ65mm)とを準備した。偽薬錠剤は、一包装当たり10個を2個×5列(1cm間隔)に並べて配置した。以下、これを「被包装物A」と言う。リップスティックは、一包装当たり1本を配置した。以下、これを「被包装物B」と言う。
上記で得られた各スキンパック包装体について、以下の要領に基づいて搬送評価を行った。被包装物及びフィルムに応じた18組(被包装物2種×フィルム9種)のスキンパック包装体を30個ずつ準備し、それぞれ段ボール箱に詰め込んだ。これらの段ボール箱18箱を延べ600km搬送した後に、箱内の状態を目視で確認した。搬送時のズレに関しては、30個全てのスキンパック包装体において内部でズレが生じていなければ「良好」と判定し、内部でズレが生じていたスキンパック包装体が1個でもあれば「不良」と判定した。また、搬送時の破損に関しても、30個全てのスキンパック包装体が破損していなければ「良好」と判定し、破損したスキンパック包装体が1個でもあれば「不良」と判定した。
Claims (9)
- 高エネルギー線の照射によって架橋処理が施された熱収縮フィルムであって、
JIS C3005:2014 4.25に準拠して測定された架橋度が43%以上であり、かつ、引張モードでの周波数0.5Hzの動的粘弾性測定により得られる昇温時50℃での貯蔵弾性率(E’1)に対する冷却時50℃での貯蔵弾性率(E’2)の百分率である復元率が14%以上である、熱収縮フィルム。 - 構成材料として、エチレン−酢酸ビニル系樹脂を含む、請求項1に記載の熱収縮フィルム。
- 構成材料としてアイオノマー樹脂を含み、前記架橋度が50%以上であり、かつ、前記復元率が25%以上である、請求項1に記載の熱収縮フィルム。
- 構成材料として、エチレン−ビニルアルコール系樹脂を含む、請求項1に記載の熱収縮フィルム。
- 食品包装用である、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱収縮フィルム。
- 医療包装用である、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱収縮フィルム。
- 化粧品包装用である、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱収縮フィルム。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の熱収縮フィルムを少なくとも一層含む、積層フィルム。
- ポリエチレン層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体層と、を少なくとも含む、請求項8に記載の積層フィルム。
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JP2014148652A (ja) * | 2013-02-04 | 2014-08-21 | Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd | 架橋物、フィルム、および接着性フィルム |
JP2014533612A (ja) * | 2011-11-30 | 2014-12-15 | 株式会社クレハ | 熱収縮性多層フィルム及びその製造方法 |
WO2017153439A1 (en) * | 2016-03-07 | 2017-09-14 | Cryovac, Inc. | Multilayer film for vacuum skin packaging, method of packaging and packages obtained therewith |
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