以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの下段、中可変表示列10Mの下段、右可変表示列10Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60と、有利期間報知ランプ80とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。また、有利期間報知ランプ80は、例えばLEDにより構成され、有利期間において点灯し、有利期間ではない通常期間において消灯する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では「3」に設定。)をいう。演出操作部81は、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
演出操作部81を含む各種スイッチは、各々に対応する操作部(ボタン部)への操作を検出する。各種スイッチに対応する操作部は、光を透過する透過部材から構成されている。また、各種スイッチに対応する操作部の内部には、例えばLEDなどの光源が搭載されており、遊技の進行に応じて操作可能なタイミング(操作を有効に受付けるタイミング)等において発光することにより演出を実行する。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「R7」「G7」「BR」「C1」「C2」「BE」「RP」「MD」「T1」「T2」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「R7」として赤色の「7」の絵柄、「G7」として緑色の「7」の絵柄、「BR」として「BAR」の絵柄、「BE」として「ベル」の絵柄、「RP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。なお、「C1」および「C2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「C」ともいう。同様に、「T1」および「T2」も外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「T」ともいう。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数(本実施形態では「3」に設定)分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、遊技状態にかかわらず規定数として「3」が設定されている例について説明するが、これに限らず、遊技状態に応じて異なる規定数が設定(例えば「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」が設定、「ボーナス状態」の規定数として「2」が設定)されているものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(遊技結果)に応じて遊技者に対して所定の特典を新たに付与する。特典としては、例えば、遊技状態の移行(ボーナス状態等への移行)、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定することにより付与される再遊技、所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されている遊技メダルエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されているオーバーフローエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていない払出し遊技メダル切れエラーなどを含む。なお、各種エラーについては、図24を用いて後述する。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、総遊技回数に対するボーナス入賞からボーナス終了までの遊技回数の役物等状態比率、メダルの総払出枚数に対して有利期間中におけるナビ演出(指示)による払出枚数とボーナス状態中における払出枚数との合計払出枚数が占める比率(例えば、指示込役物比率ともいう)などを表示する表示器が搭載されている。なお、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率、役物比率、役物等状態比率、および指示込役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、および演出操作部81などが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際に決定スイッチ81aへの操作を促す促進演出を実行し、決定スイッチ81aが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、および、「携帯連動サービスON/OFF設定」などを行うことができる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときにおいて、決定スイッチ81aが操作されることにより、遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度調整などを行うことができる。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず(遊技待機中)、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態において、予め定められているデモ演出を実行する。また、デモ演出実行中において操作(例えば、賭数を設定するための操作など)が検出されたときには、復帰時の演出が実行可能となる。サブCPU71は、デモ演出が開始されてから操作が検出されるまでの時間に応じて復帰時演出を実行する。デモ演出および復帰時演出は、ともに、液晶表示器27において予め定められているデモ画面や復帰時画面を表示することにより行われる演出である。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転していない遊技待機中であって、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出が実行されていないときには、遊技者メニュー状態に移行させずとも遊技待機中の画面(例えば、遊技画面、デモ画面など)を維持したまま、演出操作部81の上下左右スイッチが操作されることにより、演出等にかかわる所定の遊技項目を選択する処理を実行する。遊技待機中の画面を維持したまま遊技項目が選択されたときには、決定操作(例えば演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作)を要することなく、選択された遊技項目が設定される。所定の遊技項目には、例えば、演出の実行確率にかかわる演出確率モードや、スピーカ31L、31Rから出力される音(楽曲など)などが含まれる。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行という特典を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定して再遊技を付与するという特典を伴う役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する。小役は、所定枚数のメダルを払い出す(あるいはクレジット加算)という特典を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「RBB1」「RBB2」「RBB3」が設けられている。「RBB1」「RBB2」の図柄組合せには、各々、「R7」の3つ揃い、「G7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB3」の図柄組合せには、「BR」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」「RBB2」「RBB3」各々に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(図6の備考欄に記載の枚数)を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「RPC」「RTT1」〜「RTT9」が設けられている。「RPC」の図柄組合せには、「RP」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「RTT1」〜「RTT9」の図柄組合せが入賞ラインNLに停止したときには、「T」図柄がリール11L〜11R各々の下段・中段・上段に停止される場合があり、見た目上は「T」図柄が斜めに揃う。また、「RTT1」〜「RTT9」は、有利RTに制御する契機となる役であるため、昇格リプレイともいう。
小役としては、役名称「BE」「ATA1」〜「ATA12」および「CH」が設けられている。「BE」の図柄組合せには、「BE」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「ATA1」〜「ATA12」および「CH」についても、各々、図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「BE」は、押し順が正解したときに入賞となり、メダルが9枚払い出される。「ATA1」〜「ATA12」は、押し順が不正解(失敗)したときであってストップスイッチ21L〜21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが1枚払出される。「CH」は、入賞するとメダルが1枚払い出される。また、「CH」は、有利期間に制御するか否かの有利期間抽選の契機となる役である。
内部抽選処理では、図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「RBB1」「RBB2」「RBB3」が設けられている。「RBB1」「RBB2」「RBB3」は、それぞれ1つのボーナス役から構成される当選役グループである。
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプ」および「昇格リプ」が設けられている。「通常リプ」は、「RPC」のみから構成される当選役グループである。一方、「昇格リプ」は、「RTT1」〜「RTT9」から構成される当選役グループである。
小役の当選役グループとしては、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」および「1枚役」が設けられている。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、「BE」に加えて、「ATA1」〜「ATA12」のうちの2種類以上の役であって、互いに異なる組合せとなる役を含むように構成される当選役グループである。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、まとめて「押し順ベル」ともいう。「1枚役」は、「CH」から構成される当選役グループである。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「初期RT」、「通常RT」、「有利RT」、「RBB」が当選している「RBB内部当選状態」、およびボーナス役の種類に応じた「RBB」などが設けられている。「初期RT」、「通常RT」、および「有利RT」は、まとめて一般遊技状態ともいう。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「RBB1」「RBB2」「RBB3」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。「RBB1」「RBB2」「RBB3」は、設定値にかかわらず一律の確率(1/1000)で当選するように判定値が定められている。なお、ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる(例えば、当選確率が設定値1:1/1000、設定値6:1/900)ように定められているものであってもよい。なお、「RBB1」「RBB2」「RBB3」は、各々、RBBとともに特定の役(例えばCH)と同時に当選するものであってもよい。
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプ」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となり、「有利RT」中の当選確率が1/1.7となりそれ以外の状態(例えば「通常RT」)における当選確率が1/8となるように判定値が定められている。また、「昇格リプ」は、「通常RT」においてのみ役抽選の対象となり、1/20の当選確率となるように判定値が定められている。再遊技役を含む当選役グループの当選確率は、制御されているRTの種類に応じた当選確率となる。
通常リプおよび昇格リプのいずれかに当選する確率は、「通常RT」<「初期RT」<「RBB内部当選状態」<「有利RT」の関係となるように判定値が記憶されている。このため、一般遊技状態のうち「有利RT」は、他の遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
小役を含む当選役グループのうち「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」、および「RBB」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選する確率は、1/5となり、かつ「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」各々の当選確率が同一となるように、判定値が均等に振分けられている。「RBB」中においては、ほぼ1/1の確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選するように判定値が定められている。「RBB」は、一般遊技状態などと比較して「BE」に入賞する確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
「1枚役」は、一般遊技状態、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となる。一般遊技状態中などにおいて「1枚役」に当選する確率は、いずれの設定値が設定されているときでも1/50の確率で当選するように、設定値にかかわらず共通の判定値が定められている。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300の有利期間関連処理に移行する。
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「RBB1」「RBB2」「RBB3」に当選したときにはいずれかの「RBB」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「通常リプ」「昇格リプ」に当選したときにはいずれかの再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには押し順ベルに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
(有利期間関連処理)
S300の有利期間関連処理では、有利期間にかかわる処理を行う。本実施形態においては、通常期間において、所定の有利期間移行条件が成立することにより有利期間に制御可能となる。有利期間は、有利一般、チャンスゾーン(以下、CZという)、および、アシストタイム(以下、ATという)を含む。有利一般は、CZに移行するか否かのCZ移行抽選を実行可能な期間である。CZは、AT遊技を実行可能なATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。有利一般は、CZあるいはAT遊技を実行可能なATに移行するか否かの移行抽選(CZ移行抽選、AT移行抽選)を実行可能な期間である。CZは、ATに移行するか否かのAT移行抽選を実行可能な期間である。AT移行抽選においてATに移行する旨が決定される割合は、有利一般中であるときよりもCZ中であるときの方が高い。
有利期間のうちの有利一般およびCZは、当該期間中の払出率が1を超えない期間(例えば、有利期間中非出玉期間ともいう)であるのに対し、ATは、AT遊技が行われる結果、AT中の払出率が1を超える期間(例えば、有利期間中出玉期間ともいう)であるといえる。有利期間においては、まず有利一般に制御される。また、有利一般中においては、所定のCZ移行抽選条件が成立することにより行われるCZ移行抽選において当選することによりCZに制御可能となる。また、有利一般中およびCZ中においては、所定のAT移行抽選条件が成立することにより行われるAT移行抽選において当選することによりATに制御可能となる。よって、有利期間は、ATに制御可能な期間であるといえる。また、有利期間のうちのATは、遊技者にとって有利な有利状態であるといえる。
所定の有利期間移行条件は、内部抽選処理における役抽選の結果に基づいて成立する条件であって、例えば再遊技役および小役を含む当選役グループのうちのいずれかに当選することにより成立する条件などを含む。有利期間への移行条件は、当選確率に設定差が設けられている当選役グループに当選することによっても成立し、当選確率に設定差が設けられていない当選役グループに当選することによっても成立する。有利期間への移行条件は、役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている特定の当選役グループに当選することにより成立するものであってもよい。「役抽選における当選確率が制御されている状態の種類にかかわらず一律に定められている」とは、図8を用いて後述するいずれの状態においても役抽選における当選確率が一律に定められているものをいう。
また、所定のCZ移行抽選条件および所定のAT移行抽選条件各々についても、例えば「1枚役」「昇格リプ」などのいずれかに当選することにより成立する条件や「RBB1」〜「RBB3」などの当選により成立する条件などを含む。このため、これらの役に当選したときには、有利移行条件が成立するとともに、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件が成立する。その結果、通常期間であっても、「1枚役」「昇格リプ」「RBB1」〜「RBB3」に当選することにより、CZ移行抽選およびAT移行抽選で当選することにより、有利期間のうちATに制御される場合も生じ得る。なお、有利期間移行条件、CZ移行抽選条件およびAT移行抽選条件は、全く同じ条件であってもよく、また全く異なる条件であってもよく、さらには共通する条件を含むものであってもよい。
有利期間を終了させる条件は、後述するように有利期間の上限値(例えば上限ゲーム数:1500)到達を示す有利期間カウンタ=1500となることにより成立する第1の条件と、有利期間において賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数が有利期間の上限値(例えば上限累計数:2400)に到達することにより成立する第2の条件を含む。累計数は、有利期間中において更新される累計数カウンタの値に応じて特定される。有利期間カウンタおよび累計数カウンタは、ともに、RAM65の所定領域において更新される。なお、第1の条件である上限ゲーム数1500や、第2の条件である上限累計数2400については、必ずしもその数値に到達するとは限らず、これらの条件を超えることのない数値で有利期間が終了されることもあり、例えば、第1の条件においては1450前後で終了したり、第2の条件においては2300前後で終了したりするようにしてもよい。
有利期間を終了させる条件としては、さらに、ATゲーム数やATナビ回数が終了したことや、ATが終了した後における有利一般中においてCZあるいはATに移行されることなく遊技を所定回数消化することや、ATが終了した後におけるCZ中においてATに移行されることなく遊技を所定回数消化することなどにより成立する第3の条件などを含む。以下においては、有利期間(有利一般、CZおよびATのいずれか)を終了させる条件をまとめて「有利期間を終了させる条件(有利期間終了条件)」ともいう。有利期間を終了させる条件は、少なくとも第1の条件と第2の条件とを含むものであれば、本実施形態において例示したものに限らず、他の特定事象により成立し得る条件であってもよい。
有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件(例えば所定の当選役グループに当選)、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況(例えば今回遊技により有利期間の上限遊技回数(1500)あるいは上限累計数(2400)に到達等)であるか否かを判定し、成立させ得る状況であるときには当該条件が成立する可能性があることを煽る演出を実行する。例えば、メインCPU61は、すべてのセグメントを点滅させる態様でペイアウト表示器46、報知用表示器60等を駆動制御する。
また、有利期間関連処理では、有利期間中において、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および今回遊技の終了に伴って当該有利期間が終了し得る状況であるときには、メインCPU61は成立する可能性がある条件を特定可能な条件関連コマンドをサブ制御基板73に出力する。これにより、例えば、所定のCZ移行抽選条件、所定のAT移行抽選条件、および有利期間を終了させる条件各々について成立する可能性を液晶表示器27により報知することができる。このように、有利期間関連処理は、有利期間にかかわる条件等が成立し得るか否かに応じた処理を実行するものである。実際に有利期間に移行させるための処理、および有利期間を終了させる条件が成立したか否かを判定して有利期間を終了させるための処理等については、後述するS700の有利期間設定処理により行われる。
また、有利期間関連処理では、有利期間のうちのAT中における役抽選の結果に応じて、有利操作態様を報知用表示器60により報知するための報知処理を実行可能とする。例えば、当選役グループのうち「左正解ベル1」に当選しているときには、後述するように「BE」を入賞させるために左のリール11Lから停止させるように、報知用表示器60を構成する7セグメントのうちアルファベットの大文字「L」に対応する位置のセグメント(左辺の上下2つ下辺の1つ)を点灯させる態様で報知用表示器60を駆動制御する。さらに、有利期間関連処理では、当該有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても有利操作態様を報知するための演出を液晶表示器27等において実行可能となる。有利期間関連処理が終了すると、S400のリール制御処理に移行する。
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール制御処理では、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
「ボーナス役」を構成する図柄は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L〜11Rに1つしか配列されていない。また、他の「ボーナス役」を構成する図柄についても、少なくとも1つのリールにおいて引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「ボーナス役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、図7に示すように、「ボーナス役」のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB1」「RBB2」「RBB3」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「通常リプ」に含まれる「RPC」を構成する図柄「RP」は、図3に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。また、「昇格リプ」に含まれる「RTT1」〜「RTT9」各々を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在するが、「昇格リプ」当選時には「RTT1」〜「RTT9」のすべてに当選する。その結果、「昇格リプ」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RTT1」〜「RTT9」のうちのいずれかを入賞させることができる。
小役のうち「1枚役」に含まれる「CH」を構成する図柄(「R7」「MD」)は、図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「1枚役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインに「CH」を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
また、リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。
ここで、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときのリール停止処理について説明する。「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときには、第1停止されたリールの種類に応じて優先して引き込む対象が異なるように定められている。第1停止とは、すべてのリール11L〜11Rが回転しているときに最初にリールを停止させることをいう。また、第1停止されたリールは、第1停止リールともいう。
例えば、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、図7に示すように、左第1停止(左のリール11Lを第1停止)したときには、「BE」を他の役よりも優先して引き込むように定められている。「BE」を構成する図柄「BE」は、引込み可能範囲内に配列されているために、「BE」の取りこぼしが発生することはない。よって、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、左第1停止したときには、必ず「BE」に入賞するようにリール制御が行われる。
一方、「左正解ベル1」に当選しているときにおいて、中あるいは右第1停止(中あるいは右のリール11Mあるいは11Rを第1停止)したときには、「BE」よりも同時当選している「ATA1」または「ATA4」を優先して引き込むように定められている。「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄「R7」「T1」および「T2」は、いずれも、図3に示されるようにリール11L〜11Rの図柄配列から引込み可能範囲内に配列されていない箇所が存在する。このため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、入賞ラインに「ATA1」および「ATA4」を構成する図柄を引き込むことができず、「左正解ベル1」に当選してもいずれの役にも入賞させることができない場合が生じる。
また、「左正解ベル2」〜「左正解ベル4」当選時においても、左第1停止したときには必ず「BE」を入賞させることができるものの、中あるいは右第1停止したときにはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じるようにリール制御が行われる。同様に、「中正解ベル1」〜「中正解ベル4」当選時においても、中第1停止したときには必ず「BE」を入賞させることができるものの、左あるいは右第1停止したときにはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じるようにリール制御が行われ、「右正解ベル1」〜「右正解ベル4」当選時においても、右第1停止したときには必ず「BE」を入賞させることができるものの、左あるいは中第1停止したときにはいずれの役にも入賞させることができない場合が生じるようにリール制御が行われる。なお、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選しているとき(例えば、「RBB」中など)には、ストップスイッチ21L〜21Rの操作態様にかかわらず、必ず「BE」に入賞するようにリール制御が行われる。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて「BE」を入賞させる押し順は、正解手順ともいう。前述したAT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときには、有利操作態様として正解手順を特定可能な情報が報知される。
「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選しているときにおいて、正解手順で操作できず、かつ「ATA1」〜「ATA12」のうちの当選している役のいずれも入賞させることができないタイミングで停止操作されたときには、「はずれ」図柄組合せのうち、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」に当選していないときには入賞ライン上に停止することがない特定の「はずれ」図柄組合せを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。特定の「はずれ」図柄組合せは、「初期RT」あるいは「有利RT」において入賞ラインNL上に停止すると「通常RT」への移行を伴う。このため、特定の「はずれ」図柄組合せは、通常移行出目ともいう(図7参照)。
また、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L〜11Rすべてが停止すると、S500の出目判定処理に移行する。
(出目判定処理)
S500の出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、図6の払出欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率、役物比率、および役物等状態比率等を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S600の遊技状態設定処理に移行する。メダルを払い出す(あるいはクレジット加算する)ための払出処理、および再遊技フラグを設定するための処理は、役に対応する特典を付与するための制御を行う特典付与手段に含まれる。
(遊技状態設定処理)
S600の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図8には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、「初期RT」または「有利RT」において通常移行出目が入賞ラインNL上に停止されたときに、「通常RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「通常RT」において昇格リプレイである「RTT1」〜「RTT9」に入賞したときに、「有利RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。
また、遊技状態設定処理は、「初期RT」「通常RT」および「有利RT」のいずれかにおいて「RBB」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RBB内部当選状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RBB」に入賞したときに、「RBB」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理は、「RBB1」「RBB2」「RBB3」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると「初期RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態設定処理が終了すると、S700の有利期間設定処理に移行する。
ここで、図8を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、まず、有利期間のうちのATに制御されないとき(以下、非ATともいう)の遊技状態の遷移について説明する。
スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると遊技状態として初期RTに設定されて遊技が開始される。初期RTにおいては、「押し順ベル」が比較的高確率(1/5)で当選する一方、「押し順ベル」当選時において有利操作態様を報知するAT遊技が行われることがない。このため、比較的早いタイミングで押し順ベルを取りこぼして通常移行出目が停止されることになり、通常RTに制御されることになる。
通常RTでは、「昇格リプ」に当選して「昇格リプレイ」が入賞すると有利RTに制御される。しかし、有利RTに制御された後においも非AT中であるため、初期RT中と同様、「押し順ベル」が比較的高確率で当選する結果、比較的早いタイミングで通常移行出目が停止されて「通常RT」に制御されることになる。よって、非AT中においては、遊技の大半を通常RTにおいて行うことになる。
また、通常RT中等において「RBB」に当選したとしても、当該「RBB」を構成する図柄を入賞ラインNL上に引き込むことができるタイミングで停止操作しなければ入賞させることができない。その結果、「RBB」に当選した遊技において入賞させることができなかった場合、「RBB内部当選状態」に制御される。
「RBB」に入賞すると、「RBB」に制御される。RBB中においては、高確率で「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のすべてに当選する結果、操作態様にかかわらず「BE」を入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。払出枚数が所定枚数を超えるとボーナス終了となり「初期RT」に制御される。
一方、有利期間のうちのATに制御されているときには、「通常RT」「有利RT」中において「押し順ベル」に当選したときに、「BE」を入賞させるための有利操作態様が報知用表示器60および液晶表示器27により報知される。これにより、停止操作を誤らない限り、確実に「BE」を入賞させることができる。その結果、メダルが9枚払い出される割合が高まる。また、通常移行出目を回避できるため、「有利RT」から「通常RT」に転落してしまうことも防止でき、「再遊技役」に当選・入賞する割合も高まった状態を保った有利な状態で遊技を行うことができる。なお、有利期間のうちのCZは、所定回数遊技が行われた後において「押し順ベル」当選時に有利操作態様を報知するか、「RBB」に制御されることにより終了する。
また、AT中に当選したRBBが終了した後においては、ATゲーム数が持ち越されるため再びAT中となり、有利操作態様が報知されて「有利RT」に制御される。AT中に当選したRBBが終了した後において「有利RT」に制御されるまでの「初期RT」および「通常RT」に制御される期間は、「有利RT」に制御されるまでの準備段階であるため、準備期間ともいう。なお、AT中に当選したRBBが終了した後に制御される「初期RT」中において「押し順ベル」に当選したときには、「通常RT」へ移行可能となるようにするため、「ベル」を入賞させるための有利操作態様が報知されることはない。
(有利期間設定処理)
S700の有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立したことに基づいて有利期間に制御する。有利期間設定処理では、有利期間中における状態の遷移を制御するための処理を実行する。
有利期間設定処理では、通常期間において有利期間移行条件が成立することに基づいて有利期間に制御する。有利期間移行条件は、例えば内部抽選において再遊技役および小役を含む当選役グループのうちのいずれかに当選することにより成立する。このため、遊技の大半は、有利期間において行われる。有利期間中においては、当該有利期間が開始されてからの賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数(いわゆるMY値)や遊技回数がカウントされる。
通常期間から有利期間に制御されたときには、有利一般に制御される。有利一般中においては、CZ移行抽選において当選する確率(遊技者にとっての有利度合い)が異なる、低確・通常・高確等の複数種類のモードのうちのいずれかに制御されるようにしてもよく、例えば、通常期間から有利期間に制御されたときには、複数種類のモードのうち、CZ移行抽選において当選する確率が高いモードに制御されてもよい。このようにすることで、AT終了直後の通常期間から有利期間に制御されるときに、遊技者の期待感を持続させることができる。また、有利一般中におけるAT移行抽選の有利度合い(例えばAT当選する割合等)も、低確・通常・高確等のモードの種類に応じて異なるようにしてもよい。なお、CZ移行抽選やAT移行抽選の一方または両方は一定となるように定められていてもよい。
また、通常期間から有利期間に制御されるときには、ATに制御するまでに要する天井遊技回数を設定する。ATは、天井遊技回数に到達することやAT当選することにより制御される状態である点において、役抽選においてボーナスに当選することにより制御可能となるRBB等とは異なる。天井遊技回数とは、ATに強制的に制御する回数である。有利期間が開始されてから消化した遊技回数が天井遊技回数に到達することにより、ATに制御される。天井遊技回数は、所定のゲーム数(例えば999回)に一律に定められているものであってもよく、また、通常期間から有利期間に制御されるときに複数のゲーム数(例えば、250回、500回、999回)のうちから抽選により決定されるものであってもよい。
有利一般中のCZ移行抽選において当選したときには、所定期間(例えば所定ゲーム数消化する期間等)に亘りCZに制御される。CZにおいてAT移行当選することなく所定期間が経過したときには、再び有利一般に制御される。有利一般またはCZにおけるAT移行抽選において当選したときや天井遊技回数に到達したときには、ATに制御される。ATを開始するときには、有利期間報知ランプ80を点灯させる。
AT中は、「押し順ベル」および「RT移行リプレイ」(以下、まとめてナビ対象役ともいう)に当選したときに有利操作態様(正解手順)を報知するナビ演出が実行される。また、AT中においては、ATに制御可能とするATゲーム数を上乗せするか否か(上乗せ抽選)、1回のATの終了条件が成立(例えばATゲーム数を消化)した後に再度ATに制御するか否か(ATストック抽選)、1回のATの終了条件が成立した後にATストックがない場合に有利一般およびCZのいずれに制御するか(AT終了後状態抽選)などについて抽選する各種AT中抽選が行われる。各種AT中抽選は、例えば、内部抽選において所定の当選役グループ(例えば、「1枚役」「昇格リプ」「RBB1」〜「RBB3」など)に当選することにより行われる。また、ATストック抽選では、当選することにより、ATに制御可能な回数(ATストック回数)を1加算する。ATストック回数は、AT終了後においてATに繰返し制御可能となり、制御される毎に1ずつ減算される。なお、AT中における各種AT中抽選の有利度合い(当選確率等)は、一律に定められているものであってもよく、また、複数のモード(低確率モード、通常確率モード、高確率モードなど)のうち制御されているモードに応じた有利度合いとなるようにしてもよい。
各種AT中抽選のうち上乗せ抽選において、ATゲーム数が上乗せされたときには、当該ATの残りATゲーム数に加算される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上であるときには、再度ATに制御される。また、制御中のATの終了条件が成立したときであって、ATストック回数が1以上ではないときには、AT終了後状態抽選の結果に応じて、有利一般およびCZのいずれかに制御される。有利期間中においてATに少なくとも1回制御された後、AT終了後において制御される有利一般およびCZ中のAT移行抽選において当選することなく、所定の終了条件が成立(例えば、予め定められたゲーム数を消化したときなど)したときには、通常期間に制御される。このとき、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
また、有利期間は、有利期間中の遊技回数が上限遊技回数の1500に到達することにより第1の条件が成立するか、有利期間中の賭数とメダル付与数とに基づく差数を累計した累計数が最低となる最下値を0として基点とし、該基点からの現在の累計数上限累計数の2400に到達することにより第2の条件が成立することにより終了する。このような、第1の条件および第2の条件が成立するまでの残り遊技回数あるいは累計数が所定値未満となったときには、エンディングに制御される。具体的には、AT中において、有利期間中の遊技回数が1200に到達したときや、有利期間中の差数が2000に到達したときにエンディングに制御される。エンディング中においても、ナビ演出が実行されるように定められている。エンディングは、第1の条件または第2の条件が成立するまで継続し、第1の条件または第2の条件が成立することにより有利期間終了条件が成立したときに、通常期間に制御する。このときにも、有利期間報知ランプ80を消灯させ、有利期間中に更新されていた差数や遊技回数等、有利期間に関するすべての情報がリセットされる。
有利期間設定処理では、遊技状態設定処理および有利期間設定処理により設定された結果、次回以降の遊技がいずれの遊技状態であるのか、通常期間、有利期間のうちの有利一般、CZ、およびAT(残りATゲーム数カウンタの値を含む)のうちのいずれであるか、有利期間中において更新される各種情報(各種AT中抽選を行う条件の成立)などを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。有利期間設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S700の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
また、メインCPU61は、設定変更処理を開始したときにはその旨を特定可能な設定変更開始コマンドをサブCPU71に出力し、設定変更処理を終了するときにはその旨を特定可能な設定変更終了コマンドをサブCPU71に出力する。また、メインCPU61は、設定変更処理においてスタートスイッチ19への操作が検出されて設定値が設定されたときに、設定値が設定されたことを特定可能な設定値設定コマンドをサブCPU71に出力する。サブCPU71は、これらのコマンドに基づき設定変更処理中であることを特定する。また、サブCPU71は、過去所定回数分の設定変更処理が実行された日時をRAM75に格納する。
また、メインCPU61は、メインCPU61側において所定のエラーが発生しているか否かを判定するエラー判定処理を実行する。メインCPU61は、エラー判定処理においてエラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドをサブCPU71に出力する。なお、メインCPU61は、設定変更処理を実行しているときにはエラー判定処理を実行せず、メインCPU61側におけるエラー判定を行わない。このことについては、図13等を用いて後述する。
また、メインCPU61は、予め定められた設定示唆情報の報知条件が成立(例えば所定役(1枚役、RBBなど)当選、AT2への制御が開始)しているときに設定示唆情報を報知するための処理を実行する。設定示唆情報を報知するための処理では、報知する設定示唆情報の種類を決定してペイアウト表示器46において報知するとともに、設定示唆情報の種類を特定可能な設定示唆コマンドをサブCPU71へ出力する。サブCPU71は、設定示唆コマンドの種類に予め対応付けられている設定示唆演出を実行する。設定示唆情報および設定示唆情報に対応する設定示唆演出としては、例えば、設定値が奇数であることを示唆可能な情報(演出)、設定値が偶数であることを示唆可能な情報(演出)、設定値が「5」以上であることを示唆可能な情報(演出)などが含まれる。これにより、メインCPU61側からサブCPU71側へは、設定値に関するコマンドではなく、メインCPU61側において決定された設定示唆情報に対応するコマンドが送信される。このため、メインCPU61側からサブCPU71側への送信信号を不正に取得されて設定値が不正に読み取られてしまうことを未然に防止できる。また、設定示唆情報の報知条件が成立したときには、メインCPU61側において決定した設定示唆情報をペイアウト表示器46において報知するとともに、サブCPU71側において設定示唆情報に対応する設定示唆演出を液晶表示器27などにおいて実行することができる。これにより、ペイアウト表示器46の設定示唆情報と、液晶表示器27などにおいて実行される設定示唆演出とを対比することにより、不正な設定示唆演出が行われているか否かを早期に発見することができる。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。所定の演出を実行するための演出実行手段は、サブCPU71により行われる演出制御処理に含まれる。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。演出制御処理は、当選種別コマンドを受信したことに基づいて、例えば、「RBB」の当選種別コマンド受信時は「ボーナス確定!」などを含む確定画面を液晶表示器27に表示する演出や、「押し順ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御処理では、AT中に有利操作態様を特定可能な有利操作態様コマンドを受信したときには、当該コマンドから特定される有利操作態様を特定可能な画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、AT中において「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときに正解手順で停止操作を行って、確実に「BE」を入賞させることが可能となる。また、「有利RT」かつAT中であるART中は、「左正解ベル1」〜「右正解ベル4」のいずれかに当選したときでも「BE」を入賞させることができるため、通常移行出目が停止してしまい「通常RT」に転落してしまうことを確実に防止できる。なお、有利操作態様を特定可能な画像は、ナビ演出ともいう。また、演出制御処理では、前述したように、設定示唆情報に対応する設定示唆演出を液晶表示器27などにおいて実行する。
<管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態について>
演出制御処理では、設定変更処理中において管理者メニュー状態に制御し、管理者用の管理項目の表示・設定を行う管理者メニュー画面を表示するための処理を実行可能である。また、演出制御処理では、遊技待機中において遊技者メニュー状態に制御して、遊技者用の遊技項目の表示・設定を行う遊技者メニュー画面を表示するための処理を実行可能である。図9は、管理者メニュー画面および遊技者メニュー画面各々の表示契機、終了契機、およびメニュー表示中のエラー発生時の制御内容を説明するための図である。
サブCPU71は、設定変更処理中において演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー画面を表示する。また、サブCPU71は、当該設定変更処理においてスタートスイッチ19への操作が検出(設定確定)されかつ変更処理開始スイッチ56がOFF(キーオフ)となるか(つまり設定変更終了コマンド受信)、演出操作部81が操作されることなく予め定められている特定時間が経過するか、管理者メニュー状態においていずれかの管理項目の設定が完了することなどにより、管理者メニュー画面の表示を終了する。サブCPU71は、設定変更開始コマンドを受信してから設定変更終了コマンドを受信するまでの間を設定変更処理中であると判定する。この間において、サブCPU71は、図18を用いて後述するサブ側設定変更状態処理を実行することにより管理者メニュー画面を表示する。
サブCPU71は、サブCPU71側において所定のエラーが発生しているか否かを判定するエラー判定処理を実行するが、管理者メニュー状態中においても同様に実行する。一方、前述したとおり、メインCPU61は、設定変更処理を実行しているときにはメインCPU61側のエラー判定処理を実行しない。このため、管理者メニュー画面表示中において、サブCPU71は、サブCPU71側のエラー判定処理においてエラーが発生していると判定したときに、管理者メニュー画面よりも当該サブCPU71側のエラー(サブ系エラー)報知を優先して報知する。ここでサブ系エラーとは、メイン制御基板とサブ制御基板間との通信エラーや、サブCPUと液晶表示器との通信エラー等をいう。
サブCPU71は、遊技待機中において演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー画面を表示する。また、サブCPU71は、遊技者メニュー画面の表示を終了する「終了」項目が選択された状態で決定スイッチ81aが操作されるか、演出操作部81が操作されることなく予め定められている所定時間が経過するか、遊技者メニュー画面において携帯連動サービス(後述するクイックスタートを含む)の設定が完了することなどにより、遊技者メニュー画面の表示を終了する。サブCPU71は、例えば、遊技結果コマンドを受信してからリール回転開始コマンドを受信するまでの間を遊技待機中であると判定する。この間において、サブCPU71は、図19を用いて後述するサブ側遊技待機処理を実行することにより遊技者メニュー画面を表示する。
サブCPU71は、サブCPU71側において所定のエラーが発生しているか否かを判定するエラー判定処理を実行するが、遊技者メニュー状態中においても同様に実行する。また、メインCPU61は、遊技待機中においてもメインCPU61側のエラー判定処理を実行する。このため、サブCPU71は、メインCPU61側およびサブCPU71側各々のエラー判定処理においてエラーが発生していると判定したときには、遊技者メニュー画面よりも当該エラー報知を優先して報知する。
管理者メニュー画面および遊技者メニュー画面の表示は、ともに、演出操作部81が操作されることなく予め定められている時間が経過することにより終了する。管理者メニュー画面を終了させる時間として定められている特定時間は、遊技者メニュー画面を終了させる時間として定められている所定時間よりも短い時間が定められている。例えば、特定時間は、30秒に定められているのに対し、所定時間は、3分に定められている。このため、メニュー画面において操作せずに放置された場合、遊技者メニュー画面の表示を終了させるタイミングよりも早いタイミングで、管理者メニュー画面の表示を終了させることができる。これにより、スロットマシン1は、管理者メニュー画面が遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。以下に、管理者メニュー画面および遊技者メニュー画面各々について具体的に説明する。
図10は、管理者メニュー状態中における管理者メニュー画面の遷移を説明するための図である。電源投入されてメインCPU61側において設定変更処理が開始されると、サブCPU71は、所定の起動処理を行った後に、液晶表示器27の表示領域が黒画面(以下、基本画面ともいう)となるように液晶表示器27を制御する。基本画面は、液晶表示器27が起動しているのみであって描画データが入力されていない状態であってもよく、また表示領域全面において黒色を表示している状態などであってもよい。
サブCPU71は、基本画面において演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されることにより、管理項目の表示・設定が可能な管理者メニュー画面を液晶表示器27に表示する。図10では、基本画面からまず管理者メニュー画面のうち「サブクリア」画面に遷移している。サブクリア画面では、例えば、「クリア」項目と「次」項目とが表示される。「クリア」項目は、管理項目の一つである。サブクリア画面においては、演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより、「クリア」項目と「次」項目とのうちのいずれかを選択し、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより選択されている項目に決定する。サブCPU71は、決定された項目に対応する処理を実行する。管理者メニュー画面において上下左右スイッチを操作することによりいずれかの管理項目が選択されているときには、当該項目が反転表示される。
サブクリア画面において、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときに、サブCPU71は、サブクリア画面を終了して基本画面に遷移する。基本画面は、前述したとおり、黒画面である。このため、サブクリア画面が表示されていたことが特定不能となる。特定不能とは、例えば、把握できないことのみならず、予測すらできないことをいう。特定時間は、前述した所定時間よりも短い時間が定められている。これにより、遊技者メニュー画面と比較して、サブクリア画面を遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。
一方、サブクリア画面において「クリア」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、液晶表示器27の左上に「サブクリア」といったメッセージが表示されるとともに、中央に「設定完了」といったメッセージを報知する完了画面を表示するとともに、RAM75の特定情報を初期化する。特定情報は、遊技の進行に応じて更新される情報であって、例えば後述する携帯連動サービスなどが開始されてから蓄積される遊技履歴や、遊技者メニュー状態において設定される設定情報などを含む。なお、初期化の対象は、特定情報に限らず、RAM75に格納されている他の情報を含むものであってもよい。
特定情報には、後述する基準音量情報、許否情報、エコモードか否かを特定するための情報、エラー履歴表示に用いる情報などを含まない。基準音量情報、許否情報、エコモードか否かを特定するための情報、エラー履歴表示に用いる情報は、RAM75においてサブクリアの対象となる特定情報が記憶される領域とは異なる特定領域に格納されている。また、特定領域は、設定変更などに伴う初期化の対象にも設定されていない。このため、基準音量情報、許否情報、エコモードか否かを特定するための情報、エラー履歴表示に用いる情報などは、サブクリアや設定変更されることによっては初期化されない。なお、特定領域は、設定変更などに伴う初期化の対象となっていない領域であればよく、例えば、サブクリアの対象となる領域であってもよい。つまり、基準音量情報、許否情報、エコモードか否かを特定するための情報、エラー履歴表示に用いる情報などは、設定変更されることによっては初期化されないものであればよく、サブクリアにより初期化されるものであってもよい。
また、完了画面を表示してから第1設定後時間が経過したときに、サブCPU71は、完了画面を終了して基本画面に遷移する。これにより、サブクリアされたことが特定不能となる。第1設定後時間は、特定時間よりもさらに短い時間が定められている。また、第1設定後時間が経過するまでに演出操作部81が操作されたとしても、第1設定後時間が経過したときに必ず基本画面に遷移する。これにより、サブクリアされたことを特定可能となる完了画面が遊技者に見られてしまう可能性を、サブクリア画面などの選択中の画面よりもなお一層低減できる。
これに対し、サブクリア画面において、「次」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、管理者メニュー画面のうち「日時設定」画面に遷移する。日時設定画面では、例えば、「日時設定」項目が表示されるとともに、「完了」項目と「次」項目とが表示される。「日時設定」項目としては、例えば、RAM75に格納されている日時(例えば、「2019年3月12日15時00分」)が表示される(後述する図25(a)参照)。「日時設定」項目は、管理項目の一つである。
日時設定画面において、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときに、サブCPU71は、日時設定画面を終了して基本画面に遷移する。これにより、日時設定画面を遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。また、日時設定画面が表示されていたことが特定不能となる。
一方、演出操作部81の上下左右スイッチを操作して、「日時設定」項目のうちの変更対象項目(年・月・日・時・分のいずれか)を選択して、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作すると、変更対象項目の数値が1加算される。例えば、月の項目に対応する「09」を選択して決定スイッチ81aを操作すると、「10」に変更され、続けて決定スイッチ81aを操作すると「11」→「12」→「01」といったように月の数値が更新される。このようにして、設定したい日時を入力する。
設定したい日時を入力した後、「完了」項目を選択して演出操作部81の決定スイッチ81aを操作して決定されたとき(決定操作時)に、サブCPU71は、液晶表示器27の左上に「日時設定」といったメッセージが表示されるとともに、中央に「設定完了」といったメッセージを報知する完了画面を表示するとともに、入力された日時を特定可能な情報をRAM75に格納する。
また、完了画面を表示してから第2設定後時間が経過したときに、サブCPU71は、完了画面を終了して基本画面に遷移する。このため、「日時設定」されたことが特定不能となる。第2設定後時間は、特定時間よりもさらに短い時間が定められている。また、第2設定後時間が経過するまでに演出操作部81が操作されたとしても、第2設定後時間が経過したときに必ず基本画面に遷移する。これにより、日時設定されたことを特定可能となる完了画面が遊技者に見られてしまう可能性を、日時設定画面などの選択中の画面よりもなお一層低減できる。
これに対し、日時設定画面において、「次」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、管理者メニュー画面のうち「設定変更履歴」画面に遷移する。設定変更履歴画面では、例えば、設定変更処理を実行した過去所定回数(例えば10回)分の日時が列挙表示される。これにより、管理者は、設定変更処理が実行された日時を過去に遡って確認し、不正に設定値が変更されていないか等を確認できるとともに、設定値を変更すべきか否かの判断材料に用いることができる。設定変更履歴は、管理項目の一つである。
設定変更履歴画面において演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときに、サブCPU71は、設定変更履歴画面を終了して基本画面に遷移する。これにより、設定変更履歴画面を遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。また、設定変更履歴画面が表示されていたことが特定不能となる。
一方、設定変更履歴画面において演出操作部81が操作されたときに、サブCPU71は、管理者メニュー画面のうち「携帯連動サービスON/OFF設定」画面に遷移する。携帯連動サービスON/OFF設定画面では、例えば、「ON/OFF」項目が表示されるとともに、「完了」項目と「次」項目とが表示される。「ON/OFF」項目としては、例えば、遊技者メニュー画面において携帯連動サービス(クイックサービスを含む)を許可するON状態とするか、許可しないOFF状態とするかを選択する項目である。「ON/OFF」項目は、管理項目の一つである。
携帯連動サービスON/OFF設定画面において、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときに、サブCPU71は、携帯連動サービスON/OFF設定画面を終了して基本画面に遷移する。これにより、携帯連動サービスON/OFF設定画面を遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。また、携帯連動サービスON/OFF設定画面が表示されていたことが特定不能となる。
一方、携帯連動サービスON/OFF設定画面において演出操作部81の上下左右スイッチを操作して、「ON/OFF」項目を選択して、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作すると、ON状態とOFF状態とが交互に切り替えられる。これにより、携帯連動サービスを許可するか否かを選択する。
選択した後、「完了」項目を選択して演出操作部81の決定スイッチ81aを操作して決定されたときに、サブCPU71は、液晶表示器27の左上に「携帯連動サービス」といったメッセージが表示されるとともに、中央に「設定完了」といったメッセージを報知する完了画面を表示するとともに、携帯連動サービスを許可するON状態であるか許可しないOFF状態であるかを特定可能な情報をRAM75に格納する。
また、完了画面を表示してから第3設定後時間が経過したときに、サブCPU71は、完了画面を終了して基本画面に遷移する。このため、携帯連動サービスが設定されたことが特定不能となる。第3設定後時間は、特定時間よりもさらに短い時間が定められている。また、第3設定後時間が経過するまでに演出操作部81が操作されたとしても、第3設定後時間が経過したときに必ず基本画面に遷移する。これにより、携帯連動サービスが設定されたことを特定可能となる完了画面が遊技者に見られてしまう可能性を、携帯連動サービスON/OFF設定画面などの選択中の画面よりもなお一層低減できる。また、第1〜第3設定後時間は、設定項目の情報を記憶・処理に要する時間に応じて異なる時間であって、たとえば、第1設定後時間が最も短く、第2設定後時間が最も長くなっており、設定項目の情報を記憶・処理に要する時間(動作完了を担保する時間)より長い時間が定められている。また、第1〜第3設定後時間は、完了画面を管理者が確認することを担保する時間でもある。つまり、第1〜第3設定後時間は、動作完了を担保する時間でもあり、かつ管理者が完了画面を確認することを担保する時間でもある。このため、完了画面が終了したにもかかわらず、内部的な設定が未だ完了していないといった不具合を未然に防止でき、また完了画面が表示されることにより管理者を安心させることができる。また、故障などにより動作完了していない場合には完了画面が表示され続けるため、逆に、完了画面の表示が終了することにより、故障などしておらず設定が完了したことを管理者は把握することができる。これに対し、携帯連動サービスON/OFF設定画面において、「次」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、携帯連動サービスON/OFF設定画面を終了して「サブクリア」画面に遷移する。これにより、管理項目を一通り確認したことを管理者に報知することができる。以降においては、演出操作部81への操作に応じて同様の処理が実行される。
また、サブCPU71は、管理者メニュー状態において管理者メニュー画面を表示しているときにおいて設定変更処理が終了したことを特定したときには管理者メニュー状態を終了するとともに、液晶表示器27に表示している画面の種類にかかわらず予め定められているデモ画面を表示する。
図10においては、電源投入されてメインCPU61側において設定変更処理が開始されることにより管理者メニュー画面を表示し、所定の管理項目について設定する例について説明した。しかし、管理項目についての設定は、これに限らず、例えば、「エコモード設定」、「基準音量設定」、および「遊技者音量調整許否設定」などが含まれる。
「エコモード設定」とは、エコモードにするか通常モードにするかを管理者が設定するための項目である。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行時に消費される電力を通常モード(通常時)よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常モード設定時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御、駆動させる機器の数を少なくする制御などが行われる。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED、スピーカ31L、31R等を制御する。
「エコモード設定」については、例えば、前面扉5が開放(その旨を扉センサ20により検出)されているときに変更処理開始スイッチ56をONにすることにより制御される状態であって設定確認状態(現在の設定値を確認することができる状態)中において設定可能となる。設定確認状態中においては、例えば、現在の設定値がペイアウト表示器46に表示されるとともに、液晶表示器27に「エコ機能有効」項目と「エコ機能無効」項目とが表示される。演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより、「エコ機能有効」項目と「エコ機能無効」項目とのうちのいずれかを選択し、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作して変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、選択されている項目に決定する。「エコ機能有効」項目が選択されて決定されたときには、「エコモード設定完了」といったメッセージが表示されるとともに、消費電力が節約されるエコモードが設定される。これに対し、「エコ機能無効」項目が選択されて決定されたときには、「通常モード設定完了」といったメッセージが表示されるとともに、通常モードが設定される。設定後においては、当該設定されたモードに応じて各種の演出手段が制御される。
「基準音量設定」とは、スピーカ31L、31Rの基準音量を管理者が設定するための項目である。基準音量とは、遊技者による遊技音の音量調整が可能となる範囲をいう。後述する遊技者音量調整が許可されているときには、基準音量に対応する範囲のうちから遊技者が音量を調整することができる。また、基準音量が設定されたときには、当該設定された基準音量に応じて定められている音量が設定後の初期音量となる。
「遊技者音量調整許否設定」とは、前述した基準音量に対応する範囲のうちから遊技者が音量を調整することを許可するか否かを設定するための項目である。遊技者音量調整許否設定において許可されているときには、設定されている基準音量の範囲内で遊技者が音量を調整可能となる一方、許可されていないときには、遊技者が遊技音の音量を調整することができず、設定されている基準音量に応じた初期音量となる。
「基準音量設定」および「遊技者音量調整許否設定」については、例えば、前面扉5が開放(その旨を扉センサ20により検出)されているときに演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより制御される状態において設定可能となる。「基準音量設定」および「遊技者音量調整許否設定」については、図21〜図24等を用いて後述する。
なお、前述した「エコモード設定」、「基準音量設定」、および「遊技者音量調整許否設定」などの管理項目についても、電源投入されてメインCPU61側において設定変更処理が開始されることにより管理者メニュー画面において設定可能となるようにしてもよい。例えば、図10の携帯連動サービスON/OFF設定画面において、「次」項目が選択されることに応じて、サブCPU71は、「エコモード設定」画面→「基準音量設定」画面→「遊技者音量調整許否設定」画面→基本画面に遷移し、「エコモード設定」、「基準音量設定」、および「遊技者音量調整許否設定」を行うようにしてもよい。
図11は、遊技者メニュー状態中における遊技者メニュー画面の遷移を説明するための図である。サブCPU71は、遊技待機中において、まず遊技画面(リール回転中から表示されている画面を含む)を液晶表示器27に表示し、予め定められた時間が経過するとデモ画面に遷移する。このように、遊技待機中における遊技画面あるいはデモ画面を液晶表示器27に表示しているときに、演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されると、サブCPU71は、遊技者メニュー状態に制御して、遊技者メニュー画面としてメニュートップ画面を液晶表示器27に表示する。メニュートップ画面では、遊技項目の一例である、「クイックスタート」項目、「携帯連動サービス」項目、「役構成」項目、「演出カスタマイズ」項目、「音量調整」項目、および「終了」項目が表示される。
「クイックスタート」項目は、クイックスタートを開始するための項目である。クイックスタートとは、パスワードを入力することなく、クイックスタートが選択されてから蓄積した遊技数や小役当選回数やボーナス当選回数などの遊技履歴を特定可能な情報を遊技終了時において出力可能な遊技モードである。遊技者は、携帯端末などを用いて、遊技終了時に出力される情報を所定のサーバに対して出力することにより、当該サーバにおいて管理されている遊技者の遊技履歴などを更新することができる。
「携帯連動サービス」項目とは、携帯連動サービスを開始するための項目である。携帯連動サービスとは、所定のサーバにより発行されたパスワードを入力することによって遊技者の遊技履歴を反映させた状態で遊技を行うことができるとともに、サーバにおける遊技者の遊技履歴を更新することができる遊技モードである。遊技終了時においては、クイックスタートと同様に、蓄積した遊技履歴を特定可能な情報を出力して、サーバにおいて管理されている遊技者の遊技履歴などを更新することができる。
「役構成」項目とは、スロットマシン1に定められている役に関する情報(例えば、役名称、図柄組合せ、払出枚数など、図6に示す情報)や遊技状態の遷移(例えば図8やATの遷移など)などを表示するための項目である。「演出カスタマイズ」項目とは、遊技者の好みに合わせて背景や遊技の進行に応じて実行される演出などの種類を選択して設定するための項目である。「音量調整」項目とは、管理項目における「遊技者音量調整許否設定」において遊技者による音量調整が許可されているときにスピーカ31L、31Rの音量を基準音量に対応する範囲のうちから遊技者が調整するための項目である。「終了」項目とは、遊技者メニュー画面を終了させてデモ画面に遷移させるための項目である。
メニュートップ画面においては、演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより表示された項目のうちのいずれかを選択し、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより選択されている項目に決定する。サブCPU71は、決定された項目に対応する処理を実行する。遊技者メニュー画面において上下左右スイッチを操作することにより選択されている遊技項目に対してカーソルが表示されるとともに、当該遊技項目が反転表示される(図11、図12(a)等参照)。
「クイックスタート」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、クイックスタートを開始する旨の開始画面を液晶表示器27に表示した後にデモ画面に遷移する。開始画面を表示しているときに、CPU71は、クイックスタートを開始するための処理(RAM75において遊技履歴の蓄積開始など)を実行する。
「携帯連動サービス」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、携帯連動サービスの開始画面を液晶表示器27に表示した後にデモ画面に遷移する。携帯連動サービスの開始画面としては、まず、パスワード入力画面を表示し、入力されたパスワードが適正なパスワードであるときに携帯連動サービスを開始する旨の画面を液晶表示器27に表示する。また、CPU71は、携帯連動サービスを開始するための処理(遊技履歴反映、RAM75において遊技履歴の蓄積開始など)を実行する。
「役構成」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、第2階層の画面として、スロットマシン1に定められている役に関する情報(例えば、役名称、図柄組合せ、払出枚数など、図6に示す情報)や遊技状態の遷移(例えば図8やATの遷移など)などを液晶表示器27に表示する。「役構成」項目が選択されて決定されたときには、まずスロットマシン1に定められている役に関する情報を示す役構成画面を表示するとともに、「次」項目と「メニュートップへ戻る」項目とを表示する。「次」項目が選択されて決定されたときには、遊技状態の遷移(例えば図8やATの遷移など)に関する情報を示すゲームフロー画面を表示するとともに、「戻る」項目と「メニュートップへ戻る」項目とを表示する。「戻る」項目が選択されて決定されたときは役構成画面に戻り、また、「メニュートップへ戻る」項目が選択されて決定されたときには、メニュートップ画面に戻る。なお、「ゲームフロー画面」は、「役構成」項目に含まれる例について説明したが、これに限らず、メニュートップ画面において「役構成」項目とは別に「ゲームフロー」項目を選択可能に設け、当該「ゲームフロー」項目が選択されて決定されたときに表示される画面であってもよい。
「演出カスタマイズ」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、第2階層の画面として、演出カスタマイズ画面を液晶表示器27に表示する。演出カスタマイズ画面では、第2階層の画面として、図12(a)に示すように、「ナビボイス」項目、「コスチューム」項目、「壁紙」項目、「デフォルトに戻す」項目、および「メニュートップへ戻る」項目が表示される。
「ナビボイス」項目とは、音声を発生する演出(例えばナビ演出)を実行する際のキャラクタの種類(出力する音声の種類)を選択するための項目である。演出カスタマイズ画面において「ナビボイス」項目が選択されて決定されたときには、第3階層の画面として、図12(b)に示すように、複数種類のキャラクタA〜Eのいずれかを選択可能な「キャラクタ」項目が表示される。これにより、演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより表示されたキャラクタのうちのいずれかを選択する。選択された際には、当該キャラクタの音声がスピーカ31L、31Rから出力される。また、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより選択されている項目に決定すると、当該キャラクタを特定するための設定情報をRAM75に格納して、「キャラクタ」項目の表示を終了して第2階層の画面に戻る。この際に、「ナビボイスをキャラクタ○○に設定しました」等の設定完了メッセージを表示することで、設定したことを遊技者に伝えることができるとともに、遊技者は設定されたことを認識することができる。そして、遊技中においては、設定されたキャラクタの音声データを用いてナビ演出が実行される。「キャラクタ」項目のうち「キャラクタ?」項目は、現在は選択できないキャラクタであって、遊技者が遊技履歴を蓄積するなどして所定レベルに到達した以降において選択可能となるキャラクタである。また、演出カスタマイズ中においては、「キャラクタ」項目が表示されているときに限らず、第3階層の画面において遊技者が項目を決定などした場合、第1階層の画面ではなく第2階層の画面に戻る。つまり、演出カスタマイズが継続される。これにより、遊技者は続けて別の項目を設定することができ、利便性を向上させることができる。
「コスチューム」項目とは、キャラクタの衣装の種類を選択するための項目である。演出カスタマイズ画面において「コスチューム」項目が選択されて決定されたときには、第3階層の画面として、複数種類のコスチュームA〜Eのいずれかを選択可能な「コスチューム」項目が表示される。これにより、演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより表示されたコスチュームのうちのいずれかを選択する。選択された際には、当該コスチュームの画像が液晶表示器27に表示されるものであってもよい。また、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより選択されている項目に決定すると、当該コスチュームを特定するための設定情報をRAM75に格納して、液晶表示器27の「コスチューム」項目の表示を終了して第2階層の画面に戻る。この際に、「コスチューム○○に設定しました」等の設定完了メッセージを表示することで、設定したことを遊技者に伝えることができるとともに、遊技者は設定されたことを認識することができる。そして、遊技中においては、設定されたコスチュームの衣装によりキャラクタが表示される。「コスチューム」項目のうち「コスチューム?」項目は、現在は選択できないコスチュームであって、遊技者が遊技履歴を蓄積するなどして所定レベルに到達した以降において選択可能となるコスチュームである。
「演出カスタマイズ」項目が選択されて決定されたときの画面として、図12では、第2階層の画像(図12(a))において項目が選択されて決定されると第3階層の画像に切り替え(図12(b))、第3階層の画像において項目が選択されて決定されると、再び第2階層の画像に戻る(図12(a))例について説明した。しかし、項目が選択されて決定されたときの画面は、これに限らず、第2階層の画像において項目が選択されて決定されたときには、第2階層の画像を表示しつつ第3階層の画像を表示するようにしてもよい。例えば、図12(c)に示すように、「ナビボイス」項目が選択されて決定されたときには、第3階層の画面として、複数種類のキャラクタのいずれかを選択可能な「キャラクタ」項目が液晶表示器27の右側の表示領域に表示されるようにしてもよい。また、図12(d)に示すように、「コスチューム」項目が選択されて決定されたときには、第3階層の画面として、複数種類のコスチュームのいずれかを選択可能な「コスチューム」項目が液晶表示器27の右側の表示領域に表示されるようにしてもよい。この場合、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより選択されている項目に決定すると、当該キャラクタあるいは当該コスチュームを特定するための設定情報をRAM75に格納して、液晶表示器27の右側の表示領域の「キャラクタ」項目あるいは「コスチューム」項目の表示を終了して第2階層の画面に戻るようにしてもよい。
「壁紙」項目とは、遊技中に表示される背景のうちある程度固定されている画像(枠画像など)の種類を選択するための項目である。演出カスタマイズ画面において「壁紙」項目が選択されて決定されたときには、第3階層の画面として、複数種類の壁紙のいずれかを選択可能な「壁紙種類」項目が表示される。これにより、演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより表示されたいずれかの種類の壁紙を選択する。選択された際には、当該壁紙のイメージ画像が液晶表示器27に表示されるものであってもよい。また、演出操作部81の決定スイッチ81aを操作することにより選択されている項目に決定すると、当該壁紙の種類を特定するための設定情報をRAM75に格納して、液晶表示器27の「壁紙種類」項目の表示を終了して第2階層の画面に戻る。この際に、「壁紙○○に設定しました」等の設定完了メッセージを表示することで、設定したことを遊技者に伝えることができるとともに、遊技者は設定されたことを認識することができる。そして、遊技中においては、設定された壁紙により背景が表示される。
「デフォルトに戻す」項目とは、演出カスタマイズにおいて設定されたナビボイスやコスチューム、壁紙などをデフォルト状態に戻すための項目である。演出カスタマイズ画面において「デフォルトに戻す」項目が選択されて決定されたときには、RAM75に格納した設定情報を初期化するとともに、演出カスタマイズ画面において「設定情報をクリアしました」といったメッセージなどを表示した後、再び第2階層の画面に戻る。
遊技者による音量調整が許可されている状態において「音量調整」項目が選択されて決定されたときに、サブCPU71は、現在の音量を示すとともに、現在の音量が調整可能な音量の範囲のうちのどのレベル(度合い、高い、低い等)であるかを特定可能にするための音量を想起させる画像を液晶表示器27に表示し、演出操作部81への操作に応じて遊技音の音量を調整することができ、「戻る」が選択されたときにはメニュートップ画面に戻る。音量を想起させる画像としては、例えば、調整可能な音量の範囲に対応する画像として高さの異なる棒状の画像が5本表示され、調整可能な音量の範囲のうち現在の音量がどのレベル(度合い、高い、低い等)であるかを棒状の画像を反転して表示することにより報知する画像である(図22(c)に示す選択度合画像と類似)。
一方、遊技者による音量調整が許可されていないときには、遊技者メニュー状態において「音量調整」項目が選択できない(項目がグレー表示、あるいは項目自体が非表示等)か、選択できたとしても「音量調整できません」といったメッセージが表示されるようにしてもよい。なお、「音量調整」は、遊技者メニュー状態に制御せずとも、遊技待機中における演出操作部81の上下スイッチへの操作に応じて設定可能となるようにしてもよい。
「メニュートップへ戻る」項目とは、メニュートップ画面に戻すための項目である。演出カスタマイズ画面において「メニュートップへ戻る」項目が選択されて決定されたときには、演出カスタマイズ画面を終了してメニュートップ画面が表示される。
図11では、遊技者メニュー画面として、第1階層のメニュートップ画面、第2階層の各種表示画面や演出カスタマイズ画面、第3階層の演出カスタマイズ画面を例示した。このうち、いずれの遊技者メニュー画面を表示しているときであっても、演出操作部81が操作されることなく所定時間が経過したときには、デモ画面に遷移する。遊技者メニュー画面は、遊技者用の遊技項目を表示あるいは設定する画面である。このため、所定時間は、管理者メニュー画面に対して定められている特定時間よりも長く定めれている。その結果、遊技者のペースで遊技項目を確認しながら比較的余裕を持って設定を行うことができる。
また、サブCPU71は、遊技者メニュー状態においていずれの遊技者メニュー画面を表示しているときであっても、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17への操作かメダル投入口25へのメダル投入などにより賭数が設定されるか、スタートスイッチ19が操作されることにより、遊技者メニュー画面を終了して遊技画面に遷移する。これにより、遊技者から遊技開始の意思が確認されたときには、すぐに遊技を開始することができる。
<電源投入時処理について>
電源スイッチ50がOFF状態からON状態に操作されると、スロットマシン1への電力供給が開始される。スロットマシン1への電力供給が開始されると、メインCPU61は、図13に示す電源投入時処理を行う。
電源投入時処理では、まずS01において、電断信号がONであるか否かの判定が行われる。電断信号とは、電源ユニット49からの出力電圧が所定の閾値以上になるまでONとなる信号である。S01において電断信号がONであると判定されたときには、そのまま待機する。一方、電断信号がONであると判定されなくなったときには、S02において、RAM65へのアクセスが許可される。
S03においては、RAM65についてバックアップ不良判定処理が行われる。バックアップ不良判定処理では、例えば、チャックサム値を用いてバックアップ不良を判定するチェックサム判定や、電断フラグの値に基づき異常電断を判定する電断フラグ判定、電源断時のスタックポインタの範囲を判定するスタックポインタ判定、設定値が所定範囲内(1〜6)であるか否かの設定値判定、内部当せん情報上位が所定範囲内であるか否かの内部当せん情報上位判定などが行われ、異常であると判定されたときにRAM65のバックアップの状態が不良であると判定し、RAMエラーフラグをエラーデータとして設定する。エラーデータは、種々のタイミングで発生したエラーの有無を特定するためのデータである。
S04においては、扉センサ20からの検出信号がON状態であるか否かが判定される。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態においては、扉センサ20からの検出信号がON状態となる。扉センサ20がON状態であると判定されなかったときには、前面扉5が筐体3に対して開放された状態であるため、S05において、変更処理開始スイッチ56が操作されてON状態であるか否かが判定される。変更処理開始スイッチ56がON状態であると判定されたときには、S10において設定変更処理を行う。設定変更処理については、図16を用いて後述する。
一方、S04において扉センサ20がON状態であると判定されたときや、S05において変更処理開始スイッチ56がON状態であると判定されなかったときには、S06においてS03のRAMバックアップ不良判定処理の結果が不良であるか否かが判定される。具体的には、RAMエラーフラグが設定されているか否かが判定される。RAMエラーフラグが設定されており不良であると判定されたときには、S11においてエラー処理を行い、電源投入時処理を終了する。エラー処理については、図15を用いて後述する。これに対し、RAMエラーフラグが設定されておらず、S06において不良であると判定されなかったときには、S07においてリール11L〜11Rのうちのいずれかが回転中であったか否かが判定される。
S07においてリール11L〜11Rのうちのいずれかが回転中であったと判定されたときには、S08においてリール再起動状態を設定する。これにより、リールの回転状態を電源断前の状態に復元する設定が行われる。S09においては、センサエラー(EAエラー)判定処理を行い、電源投入時処理を終了する。センサエラー(EAエラー)判定処理では、メダルセレクタ48内の投入センサ53がON状態であるか否かを判定し、ON状態であると判定されたときにセンサエラー(EAエラー)フラグをエラーデータとして設定するための処理である。
図13に示されるように、S10における設定変更処理中においては、例えばS06およびS09などのエラー判定処理が行われない。このため、前述したとおり、メインCPU61は、設定変更処理を実行しているときにはエラー判定処理を実行しない。
<タイマ割込処理について>
前述したように、メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有している。メインCPU61は、電源投入時処理を終了した後においては、所定時間経過毎に図14に示すタイマ割込処理を行う。タイマ割込処理では、まずS15において、リールモータ14L〜14Rに位相出力処理が行われる。具体的には、リールモータ14L〜14Rを構成するステッピングモータに対して、リール11L〜11R各々の回転のための励磁データを出力する。
S16においては、正常状態においてメインCPU61側からサブCPU71側へコマンドを送信するためのコマンド送信処理が行われる。S17においては、電断信号がONとなり電源断されるか否かが判定される。電源断されると判定されたときには、S23において電断処理を行う。電断処理では、スタックポインタ、電断フラグ、およびチェックサム値などの設定が行われる。
S17において電源断されると判定されなかったときには、S18においてランプ処理を行う。ランプ処理では、メイン制御基板63に接続されたランプ・LED等を駆動制御する。S19においては、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサからの信号が入力される。
S20においては、各種センサの監視処理を行う。各種センサの監視処理では、例えば、セレクターに搭載されている投入センサ53などのセレクターセンサを監視する処理、払出センサ54を監視する処理、および扉センサ20などの検知状態を監視する処理などを行い、各種センサの検知結果に基づいてエラー判定を行う。また、エラーを検知した場合には、エラー発生時の送信用コマンドを設定するとともに、各種エラーデータを設定する。
S21においては、S20の監視処理において設定されたエラーを特定するための送信用コマンドが設定されているか否かが判定される。送信用コマンドがあると判定されなかったときには、S24へ移行し、送信用コマンドがあると判定されたときには、S22においてメインCPU61側からサブCPU71側へ、エラーを特定するための送信用コマンドを送信するためのコマンド送信処理を行う。
S24においては、エラーデータが設定されているか否かが判定される。S24においてエラーデータが設定されていると判定されたときには、S25において、エラー処理を行って、タイマ割込処理を終了する。エラー処理については、図15を用いて後述する。
一方、S24においてエラーデータが設定されていると判定されなかったときには、S26においてメダルの投入判定を行う。S27においては、メダルの払出判定を行う。S28においては、タイマ更新処理を行う。S29においては、ポート出力処理を行う。S30においては、外部信号出力処理を行う。外部信号出力処理では、エラー発生を特定するための信号や前面扉5の開閉状態を特定するための信号などを遊技場の管理者が管理するホールコンピュータへ外部出力する。S31においては、リール11L〜11Rの制御処理を行い、タイマ割込処理を終了する。
<エラー処理について>
次に、図13のS11および図14のS25などにおいて実行されるエラー処理について説明する。エラー処理では、まず、S35において現在の遊技状態が保存される。S36においては、エラーデータに対応するエラーフラグを設定し、サブCPU71へ送信する。
S37においては、ペイアウト表示器46(遊技メダル払出し枚数表示器)の内容が保存される。S38においては、ペイアウト表示器46によりエラーコードが表示される。S39においては、ホッパーユニット43(遊技メダル払出装置)および切替ソレノイド51(キャンセルコイル)の状態が保存される。S40においては、ホッパーユニット43(遊技メダル払出装置)および切替ソレノイド51(キャンセルコイル)の設定(オフ状態設定)が行われる。
続いて、S41においては、E4エラーの状態(図13のS11参照)であるか否かが判定される。E4エラーの状態であると判定されたときには、S53に移行し、設定変更処理が行われるまで待機状態となる。
S41においてE4エラーの状態であると判定されなかったときには、S42において、E3エラー状態(ホッパーエンプティエラー)であるか否かが判定される。E3エラー状態であると判定されたときには、S43に移行し、E3エラー状態でないと判定されたときには、S44に移行する。
S43においては、エラー解除センサがオン状態であるか否かが判定される。なお、このS43は、ホッパーエンプティエラーであるため、ここでのエラー解除センサは、ドアキーリセットとなる。ドアキーリセットは、前面扉5を開くための鍵(ドアキー)を、前面扉5の解錠方向とは反対の方向に回すことで成立するものである。エラー解除センサがオン状態であると判定されたときには、S46に移行し、エラー解除センサがオン状態でないと判定されたときには、S44に移行する。
S44においては、リセットスイッチ52(設定変更スイッチ)がON状態であるか否かが判定される。リセットスイッチ52がON状態であると判定されたときには、S45に移行し、オン状態でないと判定されたときには、S41に移行する。
S45においては、前面扉5のドア開閉センサである扉センサ20がオン状態であるか否かが判定される。オン状態であると判定されたときには、S41に移行し、オン状態でないと判定されたときにはS46に移行する。
S46において、投入センサ53を構成する3つのセレクターセンサA、B、C、および、払出センサ54を構成する2つの払出センサA、Bのいずれかがオン状態であるか否かが判定される。オン状態であると判定されたときには、S41に移行し、オン状態でないと判定されたときにはS47に移行する。
S47においては、ホッパーユニット43(遊技メダル払出装置)および切替ソレノイド51(キャンセルコイル)の状態を元の状態に復帰させる。S48においては、エラーコード表示がクリア(初期化)される。S49においては、ペイアウト表示器46(遊技メダル払出し枚数表示器)の内容の復帰が行われる。S50においては、遊技状態の復帰が行われる。S51においては、サブCPU71へエラー解除イベント(コマンド)を送信する。S52においては、サブCPU71へ遊技メダル払出開始イベント(コマンド)の送信判定が行われ、エラー処理が終了する。
<設定変更処理について>
次に、図13のS10において実行される設定変更処理について図16を用いて説明する。メインCPU61は、設定変更処理を開始するときに、その旨を特定可能な設定変更開始コマンドをサブCPU71に出力して設定変更処理を実行する。設定変更処理では、まずS60において、メインCPU61のRAMのバックアップ不良が設定されているか否かが判定される。バックアップ不良が設定されていると判定されなかったときには、S61において設定値情報の読み取りが行われて、S65に移行する。このとき、設定変更処理中において設定値表示器として機能するペイアウト表示器46に設定値を表示する。設定値表示器は、ペイアウト表示器46などのように前面扉5が閉状態においても表示状態を確認可能となる表示器に限らず、前面扉5の裏面側に設けられており、前面扉5を開状態にしなければ表示状態を確認できない表示器であってもよい。また、設定値表示器は、他の情報を表示する表示器を兼用するものに限らず、設定値を表示するためだけに設けられた専用の表示器であってもよい。
一方、バックアップ不良が設定されていると判定されたときには、S62においてペイアウト表示器46に「C」の表示が行われ、S63においてリセットスイッチ52(設定スイッチ)がオン状態になっているか否かが判定される。オン状態になっていると判定されなかったときには待機状態となり、オン状態になっていると判定されたときにはS64において、設定値として「1」が設定されて、S65に移行する。
S65においては、リセットスイッチ52(設定スイッチ)がオン状態になっているか否かが判定される。オン状態になっていると判定されたときには、S66で設定値の更新が行われる。一方、オン状態になっていると判定されなかったときには、S67において、スタートスイッチ19のオン状態が検知されたか否かが判定される。検知されたと判定されなかったときにはS65へ移行する。
一方、検知されたと判定されたときには、S68において、変更処理開始スイッチ56がオフ状態であるか否かが判定される。オフ状態であると判定されなかったときには待機状態となり、オフ状態であると判定されたときには、S69において、設定値の確定(RAM65に格納)が行われて、設定変更処理が終了する。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。これにより、E4エラーが解除される。また、メインCPU61は、設定変更処理を終了したときに、その旨を特定可能な設定変更終了コマンドをサブCPU71に出力する。
<サブ制御部処理について>
スロットマシン1への電力供給が開始されると、サブCPU71は、図17に示すサブ制御部処理を行う。サブ制御部処理では、まずS900において電源がON状態となったか否かを判定する。具体的には、電源ユニット49からの出力電圧が所定の閾値以上となったか否かが判定される。S900において電源がON状態となったと判定されたときには、S901においてセキュリティチェックや液晶表示器27などの動作確認など所定の起動処理が行われる。その後、S902において、各種状態に応じた処理が行われる。
<サブ側設定変更状態処理について>
図18は、サブ制御部処理におけるS902の処理に含まれるサブ側設定変更状態処理を説明するためのフローチャートである。S910において、メインCPU61側において設定変更処理が実行されている設定変更状態か(設定変更開始コマンドを受信したか)否かが判定される。S910において設定変更状態であると判定されなかったときには、サブ側設定変更状態処理を終了する。
一方、S910において設定変更状態であると判定されたときには、図10に示したように液晶表示器27の表示状態が基本画面となるように制御される。また、S911において演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されたか否かが判定される。演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されていると判定されたときには、S913において管理者メニュー処理が行われる。これにより、図10に示した管理者メニュー画面が表示される。
S914においては、特定時間に相当するタイムアウトのタイマがセットされる。S915においては、演出操作部81への操作が検出されたか否かが判定される。S915において演出操作部81への操作が検出されたと判定されたときには、S913に移行して図10に示したように当該操作に対応する表示あるいは設定が行われる。また、S914において特定時間に相当するタイムアウトのタイマが再セットされる。
一方、S915において演出操作部81への操作が検出されたと判定されなかったときには、S916においてS914でセットされたタイマがタイムアウトしたか否かが判定される。S916においてタイムアウトしたと判定されなかったときには、S917において設定変更状態が終了したか(設定変更終了コマンドを受信したか)、つまり設定変更処理が終了したか否かが判定される。S917において設定変更状態が終了したと判定されていないときにはS915へ移行する。S917において設定変更状態が終了したと判定されたときには、サブ側設定変更状態処理を終了する。
これに対して、S916においてタイムアウトしたと判定されたときには、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときであるため、S911へ移行する。これにより、図10で示した基本画面が表示される。なお、S913において図10で示した完了画面を表示した後においては、各々対応する設定後時間(第1〜第3設定後時間)が経過したときにS911へ移行し、図10で示した基本画面が表示される。
S911に戻り、演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されていると判定されなかったときには、S912において設定変更状態が終了したか否かが判定される。S912において設定変更状態が終了したと判定されていないときにはS911へ移行する。一方、S912において設定変更状態が終了したと判定されたときには、サブ側設定変更状態処理を終了する。なお、サブ側設定変更状態処理において管理者メニュー画面あるいは基本画面を終了した後においては、液晶表示器27にデモ画面が表示される。
<サブ側遊技待機処理について>
図19は、サブ制御部処理におけるS902の処理に含まれるサブ側遊技待機処理を説明するためのフローチャートである。S920において、遊技待機状態(特定の演出が実行されていないときであって、遊技結果コマンドを受信からリール回転開始コマンドを受信するまでの間)か否かが判定される。S920において遊技待機状態であると判定されなかったときには、サブ側遊技待機処理を終了する。
一方、S920において遊技待機状態であると判定されたときには、図11に示したように液晶表示器27に遊技画面またはデモ画面が表示される。また、S921においては、演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されたか否かが判定される。演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されていると判定されたときには、S923において遊技者メニュー処理が行われる。これにより、図11に示した遊技者メニュー画面が表示される。
S924においては、所定時間に相当するタイムアウトのタイマがセットされる。S925においては、演出操作部81への操作が検出されたか否かが判定される。S925において演出操作部81への操作が検出されたと判定されたときには、S923に移行して図11に示したように当該操作に対応する表示あるいは設定が行われる。また、S924において所定時間に相当するタイムアウトのタイマが再セットされる。
一方、S925において演出操作部81への操作が検出されたと判定されなかったときには、S926においてS924でセットされたタイマがタイムアウトしたか否かが判定される。S926においてタイムアウトしたと判定されなかったときには、S927において賭数設定(BET)されるかまたはスタートスイッチ19(スタートレバー)が操作されたか(ベットコマンドあるいはリール回転開始コマンドを受信したか)否かが判定される。
S927において賭数設定もスタートスイッチ19が操作されたとも判定されていないときにはS925へ移行する。S927において賭数設定されるかまたはスタートスイッチ19が操作されたと判定されたときには、サブ側遊技待機処理を終了する。これにより、図11で示した遊技画面が表示される。これに対して、S926においてタイムアウトしたと判定されたときには、演出操作部81が操作されることなく所定時間が経過したときであるため、S921へ移行する。これにより、図11で示したデモ画面が表示される。
S921に戻り、演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作が検出されていると判定されなかったときには、S922において賭数設定されるかまたはスタートスイッチ19が操作されたか否かが判定される。S922において賭数設定もスタートスイッチ19が操作されたとも判定されていないときにはS921へ移行する。一方、S922において賭数設定されるかまたはスタートスイッチ19が操作されたと判定されたときには、サブ側遊技待機処理を終了する。これにより、図11で示した遊技画面が表示される。
<サブ側エラー報知処理について>
図20は、サブ側エラー報知処理を説明するためのフローチャートである。S930においては、メインCPU61からの送信用コマンドを受信したか否かが判定される。送信用コマンドは、図14のタイマ割込処理において、S20の監視結果に基づきS22において送信されるコマンドである。S930において送信用コマンドを受信したと判定されなかったときには、サブ側エラー報知処理を終了する。
S930において送信用コマンドを受信したと判定されたときには、S931において当該送信用コマンドが前面扉5のドア状態に関するコマンドであるか否かが判定される。S931において送信用コマンドが前面扉5のドア状態に関するコマンドであると判定されなかったときには、S932において送信用コマンドに対応するエラー報知が行われる。具体的には、スピーカ31L、31Rから「エラーです」といった音声が出力され、液晶表示器27には例えば「E3」等のエラーコードの表示が行われる。なお、エラー報知時における音量は、管理者により設定される基準音量や遊技者により調整される音量となるが、これに限らず、管理者により設定される基準音量や遊技者により調整される音量にかかわらずに所定の音量(例えば、最大音量)となるようにしてもよい。
S933においては、エラーフラグを受信したか否かが判定される。エラーフラグは、エラー発生後における図15のエラー処理のS36において送信されるフラグである。エラーフラグを受信したと判定されたときには、S934において対応するエラー報知が再度行われる。
S935においては、エラー解除イベントを受信しているか否かが判定される。エラー解除イベントは、図15のエラー処理においてエラー解除後のS51において送信されるイベントである。エラー解除イベントを受信していると判定されなかったときには、待機状態となり、エラー報知を継続する。一方、エラー解除イベントを受信していると判定されたときには、S936においてエラー報知がクリア(初期化)され、サブ側エラー報知処理を終了する。
一方、S931においてドア状態に関するコマンドを受信したと判定されたときには、S937において、前面扉5が開状態であるか否かが判定される。前面扉5が開状態であると判定されたときには、S939においてエラー報知が行われて、サブ側エラー報知処理を終了する。一方、S937において前面扉5が開状態であると判定されなかったときには、前面扉5が閉状態となったときであるため、S938においてエラー報知がクリア(初期化)され、サブ側エラー報知処理を終了する。なお、後述する基準音量情報、許否情報、エコモードか否かを特定するための情報、エラー履歴表示に用いる情報などについては、エラー報知を特定するため情報を記憶する記憶領域とは異なる記憶領域に格納される。このため、基準音量情報、許否情報、エコモードか否かを特定するための情報、エラー履歴表示に用いる情報などについては、エラー解除に伴ってエラー報知がクリアされること(つまりエラー解除されること)によっては初期化されることがない。
<音量調整関連処理について>
図21は、サブCPU71により実行される音量調整関連処理を説明するためのフローチャートである。音量調整関連処理は、スロットマシン1が正常に動作しているときのみならずエラーが発生しているときであっても実行される。また、図22は、液晶表示器27において表示される基準音量設定画面および遊技者音量調整許否設定画面の一例を説明するための図である。図22(a)に示すように遊技中においては、遊技の進行に応じた遊技画面が液晶表示器27に表示される。この状態において、図21のS950においては、前面扉5のドア状態が開状態であるか否かが判定される。前面扉5が開状態であると判定されなかったときには、音量調整関連処理を終了して遊技画面の表示が継続される。
一方、前面扉5が開状態であると判定されたとき、つまり前面扉5が開放されているときには、図22(b)に示すように液晶表示器27の上部において「扉が開いています」といったメッセージが表示されるとともに、「扉が開いています」といった音声がスピーカ31L、31Rから繰り返し出力される。「扉が開いています」といった音声の音量は、管理者により設定される基準音量や遊技者により調整される音量となるが、これに限らず、管理者により設定される基準音量や遊技者により調整される音量にかかわらずに所定の音量(例えば、最大音量)となるようにしてもよい。なお、図22(b)に示す画面においては、例えば、「決定スイッチへの操作により基準音量等を設定可能です。また、変更処理開始スイッチへの操作により設定確認およびエコモード等を設定可能です。」といった案内メッセージを表示するようにしてもよい。
また、前面扉5が開状態であると判定されたときには、図21のS951において変更処理開始スイッチ56がONにされており設定確認状態中であるか否かが判定される。変更処理開始スイッチ56がOFFでありS951において設定確認状態中であると判定されなかったときには、S960において演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたか否かが判定される。S960において演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されなかったときには、音量調整関連処理を終了する。なお、この場合(S960でNO)において、前面扉5が開状態であると判定されているときでは図22(b)に示す画面や、「扉が開いています」といった音声は継続される。
一方、S960において演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されたときには、S961に移行して基準音量設定処理を行う。基準音量設定処理では、図22(c)に例示される基準音量設定画面を液晶表示器27に表示するとともに、基準音量を設定するための処理を行う。
基準音量設定画面としては、図22(c)に示すように、「扉が開いています」といったメッセージが継続して表示されるとともに、画面下方において「音量調整」といったメッセージの右側において基準音量を想起させる画像が表示される。図23は、基準音量設定処理において設定可能となる基準音量を説明するための図である。基準音量としては、1〜5の5段階が定められている。このため、図22(c)に示すように、基準音量を想起させる画像として、高さの異なる棒状の画像が5本表示され、左から4本までの棒状画像が反転して表示されているため、現在選択されている基準音量が「4」であることを示している。基準音量を想起させる画像は、現在選択されており決定スイッチ81aなどへの設定操作に応じて設定されることとなる基準音量を特定可能となる選択度合画像であるともいえる。
設定可能となる基準音量には、各々、図23に示すように、音量を遊技者が調整できる調整可能範囲と、設定直後の音量(初期音量)とが定められている。音量の調整可能範囲としては、最小1から最大10に定められている。例えば、基準音量「1」については、調整可能範囲として「1〜6」が定められ、設定直後の音量として「6」が定められている。また、基準音量「4」については、調整可能範囲として「1〜9」が定められ、設定直後の音量として「9」が定められている。このため、基準音量が大きくなる程、遊技者が調整できる音量の範囲も広くなるとともに、設定可能となる音量および設定直後の音量も大きくなる。
基準音量として最小の「1」が設定されたときには、「エコモード」設定によりエコモード(エコ機能有効)に設定されているか否かにかかわらず、エコモードに設定されている状態と同じ状態に制御される。つまり、基準音量「1」が設定されたときには、図23に示す調整可能範囲や設定直後の音量のみならず、基準音量「2」以上の場合と比較して、消費電力が節約されるように、LED、スピーカ31L、31R、液晶表示器27等の機器類が制御される。
基準音量設定処理においては、演出操作部81の上下スイッチへの操作により基準音量1〜5のいずれかが選択される。例えば、上スイッチへの操作により現在選択中の基準音量を一つ上の基準音量に切り替え、下スイッチへの操作により現在選択中の基準音量を一つ下の基準音量に切り替える。また、上下スイッチへの操作に応じて、基準音量を想起させる画像(選択度合画像の反転位置)も更新表示される。なお、図22(c)に示す画面においては、例えば、「上スイッチへの操作により基準音量UP。下スイッチへの操作により基準音量DOWN。」といった案内メッセージを表示するようにしてもよい。
図21のS962においては、演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたか否かが判定される。演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されなかったときには、S967において前面扉5が閉められてドア状態が閉状態となったか否かを判定する。ドア状態が閉状態となっていると判定されなかったときには、S961へ移行し基準音量設定処理が継続する。これにより、基準音量設定画面が継続して表示される。
基準音量設定画面が表示されているときにおいて前面扉5が閉められて、S967においてドア状態が閉状態となっていると判定されたときには、選択されている基準音量をS968において設定(RAM75の特定領域に基準音量情報を格納)し、音量調整関連処理を終了する。これにより、図22(a)に示すように遊技画面に切り替えられて、遊技が再開可能となる。また、以降の遊技に応じた遊技音は、設定された基準音量に従った音量で出力される。RAM75に格納された基準音量情報は、基準音量設定処理が開始されることによっては更新されず、当該基準音量設定処理において設定されている基準音量とは異なる基準音量が選択されて設定されることにより更新される。
これに対し、基準音量設定画面が表示されているときにおいて演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されて、S962において決定スイッチ81aが操作されたと判定されたときには、選択されている基準音量をS963において設定(RAM75の所定領域に基準音量情報を格納)し、S964へ移行して遊技者音量調整許否設定処理を行う。遊技者音量調整許否設定処理では、図22(d)に例示される遊技者音量調整許否画面を液晶表示器27に表示するとともに、遊技者音量調整の許否を設定するための処理を行う。
遊技者音量調整許否画面としては、図22(d)に示すように、前述した基準音量設定画面の一部に別ウィンドウを重畳させ、当該別ウィンドウ内において「遊技者音量調整 遊技者メニュー画面で音量調整できます。」といったメッセージとともに、音量調整を許可する「ON」項目と、音量調整を許可しない「OFF」項目とが表示される。遊技者音量調整許否画面が表示されるときであっても、基準音量設定画面における基準音量を想起させる画像(選択度合画像)が表示される。遊技者音量調整許否設定処理においては、演出操作部81の左右スイッチへの操作により「ON」または「OFF」のいずれかが選択される。例えば、左スイッチへの操作により「ON」に切り替え、右スイッチへの操作により「OFF」に切り替える。なお、遊技者音量調整許否画面は、別ウィンドウにて表示するものに限らず、例えば、液晶表示器27の全表示領域を遊技者音量調整許否画面に切り替えることにより行われるものであってもよい。また、図22(d)に示す画面においては、例えば、「右スイッチへの操作により遊技者音量調整機能OFF。左スイッチへの操作により遊技者音量調整機能ON。」といった案内メッセージを表示するようにしてもよい。
図21のS965においては、演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたか、あるいは前面扉5のドア状態が閉状態となったか否かが判定される。S965においては、S962およびS967各々において判定対象となる操作のいずれかが行われたか否かが判定される。遊技者音量調整許否画面が表示されているときにおいて演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されるか前面扉5が閉められることにより、S965において決定スイッチ81aが操作されたと判定されたか、前面扉5のドア状態が閉状態となったと判定されたときには、遊技者による音量調整を許可するか否かについて選択されている状態を特定するための許否情報をS966において設定(RAM75の所定領域に許否情報を格納)し、音量調整関連処理を終了する。これにより、図22(a)に示すように遊技画面に切り替えられて、遊技が再開可能となる。また、以降の遊技においてRAM75に格納された許否情報に基づいて遊技音による音量調整が許可あるいは不許可となる。RAM75に格納された許否情報は、基準音量設定処理や遊技者音量調整許否設定処理が開始されることによっては更新されず、当該遊技者音量調整許否設定処理において設定されている許否情報とは異なる許否情報が選択されて設定されることにより更新される。
図21のS951に戻り、変更処理開始スイッチ56がONにされており設定確認状態中であると判定されたときには、例えば、現在の設定値がペイアウト表示器46に表示されるとともに、液晶表示器27に「エコ機能有効」項目と「エコ機能無効」項目とが表示されて「エコモード設定」が可能となる。演出操作部81の上下左右スイッチを操作することにより、「エコ機能有効」項目と「エコ機能無効」項目とのうちのいずれかを選択可能となる。液晶表示器27においては、「エコ機能有効」項目および「エコ機能無効」項目とともに、「決定スイッチへの操作によりエラー履歴表示されます」といったメッセージが表示される。
S952においては、演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたか否かを判定する。演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されるまで、「エコ機能有効」項目と「エコ機能無効」項目とを選択可能となる。演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されたときには、「エコ機能有効」項目および「エコ機能無効」項目のうち選択されていた項目を設定し、S953においてエラー履歴表示処理が行われる。
エラー履歴表示処理では、各種エラーについての履歴が表示される。例えば、各種エラーについて前回発生した日時等を特定可能な情報(例えば、5分前、2日前等)が表示される。図24は、各種エラーについて説明するための図である。図24には、左から、「エラー名称」、エラーの「コード」、エラー発生時のペイアウト表示器46における「7セグ表示」、エラー発生時の「状態」がエラー毎に示されている。図24に示される「状態」となると「エラー名称」に記載のエラーが発生したことを検出し、ペイアウト表示器46における表示状態が「7セグ表示」に例示する状態(コードに対応する「E」と「0〜7、A」のいずれかとの組合せ)となり、エラー報知が行われる。発生したエラー履歴は、エラー毎に日時とともにRAM75に記憶されている。エラー履歴表示処理では、RAM75に記憶されているエラー履歴に基づいて、各種エラーについて前回発生した日時等を特定可能な情報(エラー履歴表示ともいう)が表示される。
本実施形態におけるエラー履歴表示は、「エコモード設定」画面の一部に別ウィンドウを重畳させ、エラー履歴を当該ウィンドウ内において表示される。しかし、エラー履歴表示は、前述した「エコモード設定」画面における液晶表示器27の全表示領域をエラー履歴表示画面に切り替えることにより行われるようにしてもよい。
エラー履歴表示処理では、例えば、複数種類のエラーのうちのある種類のエラーについてのエラー履歴を表示し、演出操作部81の左右スイッチ(または上下スイッチ)への操作により、別の種類のエラーについてのエラー履歴に切り替えて表示する(エラー履歴表示の頁を切り替えて表示可能)。なお、エラー履歴表示処理におけるエラー履歴表示は、エラー履歴を特定可能となる態様で表示されるものであればこれに限らず、例えば、エラーの発生順に所定数のエラー履歴を表示し、演出操作部81の左右スイッチ(または上下スイッチ)への操作により、エラー発生順に基づく次の所定数のエラー履歴に切り替えて表示するようにしてもよい。
S954においては、演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたか否かを判定する。演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されるまで、S953におけるエラー履歴表示処理が行われる。演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されたと判定されたときには、S955においてエラー履歴表示を終了する。
S951において設定確認状態中であると判定されたときには、変更処理開始スイッチ56がOFFとなるまで、S952〜S955のいずれの処理を実行中であっても設定値がペイアウト表示器46に表示された設定確認状態が維持される。なお、変更処理開始スイッチ56をOFFとした場合には、設定確認状態が終了して通常の状態に戻り、決定スイッチ81aへの操作に応じて基準音量設定が可能な基準音量設定画面へ移行される。「エコ機能有効」項目と「エコ機能無効」項目とのいずれかを選択中に変更処理開始スイッチ56をOFFとした場合には、「エコ機能有効」項目および「エコ機能無効」項目のうち選択されている項目に設定して通常の状態に戻るようにしてもよく、前回設定された状態を維持したまま通常の状態に戻るようにしてもよい。液晶表示器27については、S952〜S955で示したように、演出操作部81への操作に応じた表示状態に更新される。S955においてエラー履歴表示を終了した後における液晶表示器27の表示状態は、すでに「エコモード設定」が終了した後であるため、図10で示した黒画面(基本画面)と同様の画面となる。なお、エラー履歴表示を終了した後における液晶表示器27の表示状態は、これに限らず、エラー履歴表示前の「エコモード設定」画面に戻るものであってもよく、この場合、再度「エコモード設定」を行うことができるようにしてもよく、「エコモード設定」画面が表示されるものの「エコモード設定」を行うことができないようにしてもよい。
<スロットマシン1により奏される効果の例>
上記実施形態のスロットマシン1においては、第2設定可能状態である基準音量設定画面が表示されている状態(図22(c))において演出効果の度合いとしての基準音量を設定可能となる。基準音量は、演出操作部81の上下ボタンにより選択し、第1設定操作としての決定スイッチ81aが操作されて設定されたときには、引き続き許否設定状態としての遊技者音量調整許否設定画面が表示されている状態(図22(d))に移行される。一方、第2設定操作としての前面扉5を閉じた状態(その旨を扉センサ20により検出)とすることにより基準音量が設定されたときには、音量調整関連処理を終了する。このため、遊技店における運営方針等に則って、管理者は必要に応じた設定操作を行うことにより、不必要なときにまで遊技者音量調整許否設定画面に移行させてしまうことを防止できる。その結果、管理者の利便性を向上させるとともに管理者の管理操作を簡素化できる。
また、基準音量設定画面においては、決定スイッチ81aが操作(図21のS962)されるか前面扉5を閉じた状態にする(図21のS967)ことにより基準音量が設定(図21のS963、S968)され、基準音量設定画面に移行されることのみでは基準音量が変更されてしまう(例えば、前回設定時の基準音量からデフォルトの基準音量が設定されてしまう等)ことがない。このため、管理者の意図に反して気付かない間に度合いが変更されてしまうような不都合の発生を防止できる。
また、遊技者音量調整許否設定画面においては、決定スイッチ81aが操作されるか前面扉5を閉じた状態にする(図21のS965)ことにより許否情報が設定(図21のS966)され、基準音量設定画面あるいは遊技者音量調整許否設定画面に移行することのみでは許否情報が変更されてしまう(例えば、前回設定時の許否情報からデフォルトの許否情報が設定されてしまう等)ことがない。このため、管理者の意図に反して気付かない間に許否情報が変更されてしまうような不都合の発生を防止できる。また、基準音量設定画面に移行させたとしても、必要に応じて遊技者音量調整許否設定画面に移行させて許否情報を設定することで事足りるため不必要な手間を生じさせてしまうことを防止できる。
また、基準音量設定画面においては、図22(c)に示すように、現在選択されており設定操作に応じて設定されることとなる基準音量を特定可能となる選択度合画像が表示される。また、決定スイッチ81aが操作されることにより基準音量が設定された後においても、図22(d)に示すように、選択度合画像の表示を維持したまま、「遊技者音量調整許否設定」が可能な状態に制御する。このように、「遊技者音量調整許否設定」が可能な状態においても設定された基準音量を確認でき、管理者の意図していない度合いに設定されたまま遊技が再開されてしまうことを防止できる。
また、RAM75において遊技の進行に応じて更新される情報を含む特定情報が格納される記憶領域とは異なる記憶領域において、基準音量情報および許否情報を格納する。基準音量情報および許否情報が格納される記憶領域は、「サブクリア」や設定変更されたとしても初期化されずに維持される。このため、「サブクリア」や設定変更のたびに、基準音量情報および許否情報を設定し直すような手間を生じさせてしまうことを防止できる。また、設定変更されたか否かが基準音量情報や許否情報の変更状態から特定されてしまうような不都合の発生を防止できる。
また、基準音量情報および許否情報が格納される記憶領域は、エラー発生することやエラー解除されたとしても初期化されずに維持される。このため、エラー発生やエラー解除のたびに、基準音量情報および許否情報を設定し直すような手間を生じさせてしまうことを防止できる。
また、基準音量設定画面へは、図21のS950、S960に示すように、前面扉5を開放状態(その旨を扉センサ20により検出)であるときに、決定スイッチ81aが操作されることにより移行される。このため、管理者とは異なる例えば遊技者により基準音量設定画面に移行されてしまい、管理者の意図していない設定状態で遊技が行われてしまうことを防止できる。
また、設定値にかかわる処理により設定確認状態に制御されているときには、図21のS951〜S955で示したように、前面扉5を開放状態であるときに決定スイッチ81aが操作されたとしても基準音量設定画面へ移行されない。このため、設定確認状態において「基準音量設定」が可能な状態にも制御されてしまい、管理者の注意力が分散されることにより設定値確認等を誤ってしまうこと(読み違えてしまう等)を防止できる。
また、エラー報知は、前面扉5を開放状態にしてエラーの発生事項(メダル詰まり、メダル切れ等)を解消させた後に、リセットスイッチ52等への操作により解除される。また、エラー報知中においても、図21に示す音量調整関連処理は実行可能である。このため、エラー報知中にエラー解除すべく前面扉5を開放状態とした際に、合せて「基準音量設定」が可能な状態に制御させることが可能となるため、管理者の操作性を向上させることができる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
(基準音量関連処理について)
上記実施形態では、基準音量設定画面が表示されている状態(第2設定可能状態)において設定可能となる演出効果の度合いとして、調整可能となる最大音量および初期音量が異なる複数の基準音量を例示した。しかし、複数の基準音量は、調整可能となる最大音量のみならず、調整可能となる最小音量も異なるものであってもよい。また、基準音量設定画面において設定可能となる演出効果の度合いは、基準音量のような調整可能な範囲を設定するものに限らず、調整可能な全範囲(最小1〜最大10)からスロットマシンへの電源投入後の音量(例えば「5」等)を設定するものであってもよい。この場合、遊技者による音量調整が許可されているときには、当該電源投入後の音量から他の音量(最小1〜最大10のいずれか)に調整できるようにしてもよい。
また、設定可能となる演出効果の度合いとしてスピーカ31L、31Rの音量の度合いを例示したが、設定可能となる演出効果の度合いは、これに限らず、遊技音を出力するスピーカの数(2つのスピーカから出力、1つのスピーカから出力)であってもよい。また、設定可能となる演出効果の度合いは、音にかんする度合いに限らず、ランプ部33L、33M、33Rなどから発する光量・輝度等であってもよく、また、光を発するランプ部の数であってもよく、また、液晶表示器27のバックライト輝度等であってもよい。
上記実施形態および変形例では、第1設定操作として決定スイッチ81aへの操作を例示したが、第1設定操作としては、これに限らず、スタートスイッチ19やストップスイッチ21L〜21R等への操作や、液晶表示器27がタッチパネル式の表示器である場合に当該タッチパネルへの操作などであってもよい。また、第2設定操作として、遊技画面に切り替えられて遊技が再開可能となる前面扉5を閉状態とする操作を例示した。これにより、遊技を再開可能にするための操作が不要となり、管理者の操作負担を軽減できる。しかし、第2設定操作としては、第1設定操作と異なる操作であればこれに限らず、スタートスイッチ19やストップスイッチ21L〜21R等への操作や、液晶表示器27がタッチパネル式の表示器である場合に当該タッチパネルへの操作などであってもよい。
上記実施形態および変形例における「遊技者音量調整許否設定」が可能な状態においては、当該状態への移行契機となった決定スイッチ81aへの操作により基準音量が既に設定されているため、新たに基準音量を選択して設定することができない(その必要がない)例について説明した。しかし、これに限らず、「遊技者音量調整許否設定」が可能な状態においては、許否情報を選択して設定するとともに、基準音量についても引き続き選択して設定することができるようにしてもよい。例えば、基準音量設定画面において決定スイッチ81aが操作されたときには、S963を行わず、S965においてYESと判定されるまで、S961における基準音量設定処理に相当する処理とS964における遊技者音量調整許否設定処理に相当する処理とを繰り返し実行し、S965においてYESと判定されたときには、S966とともにS963を行って選択されている基準音量および許否情報が設定されるようにしてもよい。なお、この場合における基準音量設定処理に相当する処理においては、演出操作部81の上下スイッチにより基準音量を選択し、遊技者音量調整許否設定処理に相当する処理においては、演出操作部81の左右スイッチにより基準音量を選択するようにしてもよい。
上記実施形態および変形例では、設定値にかかわる処理を実行可能な設定関連状態として、設定値を確認する設定確認状態を例示し、当該設定確認状態中であるときには、図21のS951に示したように、基準音量設定画面に移行させない例について説明した。しかし、設定関連状態としては、設定確認状態に限らず、これに替えてあるいは加えて、設定値を変更可能な設定変更処理が行われている設定変更状態としてもよい。また、設定変更状態中であるときには、基準音量設定画面に移行させないようにしてもよい。
上記実施形態および変形例では、設定関連状態中を除いて、前面扉5が開放されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより基準音量設定画面に移行される例について説明した。しかし、基準音量設定画面へは、さらにペイアウト表示器46に情報が表示されていないこと(例えば、小役入賞によりペイアウト表示器46に払出枚数が表示されていないこと等)を条件として移行可能となるようにしてもよい。つまり、基準音量設定画面へは、ペイアウト表示器46に情報が表示されていない状態において、前面扉5が開放され、決定スイッチ81aが操作されることにより移行されるようにしてもよい。
また、前面扉5が開放されているときに変更処理開始スイッチ56をONにすることにより「エコモード設定」が可能な状態に移行される例について説明した。しかし、「エコモード設定」が可能な状態へは、さらにペイアウト表示器46に情報が表示されていないことを条件として移行可能となるようにしてもよい。つまり、「エコモード設定」が可能な状態へは、ペイアウト表示器46に情報が表示されていない状態において、前面扉5が開放され、変更処理開始スイッチ56をONにすることにより移行されるようにしてもよい。また、「ペイアウト表示器46に情報が表示されていないこと」の具体例として、「払出枚数が表示されていないこと」を挙げたが、これに限らず、例えば図24に示したような「エラーコードが表示されていないこと(エラー中でないこと)」であってもよい。これは、ペイアウト表示器46に現在設定されている設定値を表示するに際して、払出枚数やエラーコードが表示された状態の場合、設定値であるか、払出枚数であるか、エラーコードであるか分かり難くなってしまうことを防ぐためである。また、「ペイアウト表示器46に情報が表示されていないこと」を条件としていたが、これに限らず、例えば再遊技中(リプレイ中)以外であることや、賭数設定されていないこと等を条件としてもよい。なお、ここに挙げた条件はこれらのうち何れかが単体で成立することや、複数が組み合わさって成立することも含む。
上記実施形態および変形例では、エラー報知中であっても、図21に示す音量調整関連処理を実行することにより基準音量設定および遊技者音量調整許否設定を行うことができる例について説明した。しかし、発生しているエラーの種類が特定種類であるときには、音量調整関連処理が実行されないようにし、基準音量設定および遊技者音量調整許否設定を行うことができないようにしてもよい。特定種類のエラーは、例えば、エラー解除に設定変更を要するE4エラーであってもよい。エラー解除に設定変更を要するエラー報知中においては、基準音量設定および遊技者音量調整許否設定ができないようにし、エラー解除に設定変更を要しないエラー(例えばE3エラー等)報知中においては、音量調整関連処理を実行し、管理者からの操作に応じて基準音量設定および遊技者音量調整許否設定を行うことができるようにしてもよい。これにより、エラーの重要度に応じて、管理者をエラー解除に集中させることができる。
(管理者メニュー状態および管理者メニュー画面について)
上記実施形態においては、設定変更処理に移行させることにより管理者メニュー状態に制御可能となり、管理者メニュー画面を表示できる例について説明した。しかし、管理者メニュー状態は、管理者による操作によって制御可能となるものであれば設定変更処理に移行させる場合に限らず、例えば、電源が投入された状態で変更処理開始スイッチ56をONにすることにより制御されて現在の設定値を確認することができる設定確認状態において、管理者メニュー状態に制御して管理者メニュー画面を表示可能としてもよい。なお、設定確認状態中に制御される管理者メニュー状態においても、管理者メニュー画面の表示制御については、設定変更処理中に制御される管理者メニュー状態と同じ処理(図10等参照)が実行される。すなわち、設定確認状態中においても液晶表示器27の表示領域が基本画面となるように制御され、演出操作部81の決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー画面を液晶表示器27に表示し、演出操作部81への操作に応じて管理項目を選択あるいは設定する。また、いずれかの管理項目が設定された場合には、完了画面を表示した後、第1〜第3設定後時間が経過したときに基本画面に遷移する。また、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときに、管理者メニュー画面を終了して基本画面に遷移する。また、設定確認状態において変更処理開始スイッチ56をOFFにして設定確認状態を終了することにより、当該管理者メニュー状態を終了させるとともに管理者メニュー画面の表示を終了させる。この場合は、設定変更処理が終了したときと同様に、液晶表示器27にデモ画面が表示される。これにより、管理者のみが確認・設定すべき管理者メニュー画面が遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。
また、設定変更処理中あるいは設定確認状態中においては、特定の操作(演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作)を契機として、基本画面から管理者メニュー画面に遷移する例について説明したが、これに限らず、例えば設定変更処理あるいは設定確認状態が開始されたときには、特定の操作を待たずして、管理者メニュー画面に遷移するようにしてもよい。
上記実施形態においては、管理者メニュー画面の表示を終了した際に、表示されていた管理項目の種類にかかわらず共通の基本画面を表示する例について説明した。しかし、管理者メニュー画面の表示を終了した際の液晶表示器27の表示状態は、表示あるいは設定された管理項目が特定不能となる表示状態であればこれに限らず、例えば、所定のキャラクタが表示される画面であってもよく、また、複数種類の画面を所定の順番で表示することにより管理者メニュー画面の表示を終了する毎に異なる画面が表示されるものであってもよい。
上記実施形態においては、管理項目として「サブクリア」「日時設定」「設定変更履歴」「携帯連動サービス設定」「エコモード設定」「基準音量設定」「遊技者音量調整許否設定」などを例示した。しかし、管理項目は、これに限らず、これらに替えてあるいは加えて、例えば、発生したエラー履歴を表示する「エラー履歴」や、前面扉5が開放された履歴を表示する「ドア開放履歴」、払出されたメダルの総数を表示する「トータルメダル」などが定められているものであってもよい。
また、管理者メニュー画面では、管理項目をひとつずつ所定の順番で表示する例について説明した。しかし、管理者メニュー画面は、遊技者メニュー画面のメニュートップのように、複数の管理項目を第1階層の画面として表示し、いずれかの管理項目が選択されると当該管理項目に対応する画面を第2階層の画面として表示し、当該第2階層以下の階層の画面において管理項目の表示や設定を行うものであってもよい。この場合、管理者メニュー画面として第2階層以下の階層の画面を表示しているときに、演出操作部81が操作されることなく特定時間が経過したときには、当該第2階層以下の階層の画面の表示を終了して、管理者メニュー画面のメニュートップ画面(第1階層の画面)に遷移するようにしてもよい。この場合におけるメニュートップ画面は、表示される複数の管理項目のいずれも選択されていない状態(カーソルや反転表示などがされていない状態)で表示されるものであってもよく、また、複数の管理項目のうちデフォルトとして定められている管理項目が選択されている状態で表示されるものであってもよい。これにより、管理者メニュー画面のメニュートップ画面からでは、表示されていた管理項目を特定することができない(管理項目が特定不能となる)。その結果、管理者のみが確認・設定すべき管理者メニュー画面のうちの第2階層以下の階層の画面が遊技者に見られてしまう可能性を低減できる。同様に、管理者メニュー画面のうち第2階層以下の階層の画面において演出操作部81が操作されて管理項目が設定されたときには、完了画面を設定後時間にわたり表示した後に、上記実施形態のように基本画面に遷移するようにしてもよく、また、管理者メニュー画面のメニュートップ画面(第1階層の画面)に遷移するようにしてもよい。また、管理者メニュー画面のメニュートップ画面を表示しているときに演出操作部81が操作されることなく特定時間(あるいは特定時間よりも長く所定時間よりも短い時間)が経過したときには、当該メニュートップ画面の表示を終了して、上記実施形態のように基本画面に遷移するようにしてもよい。また、管理者メニュー画面を第1階層の画面と第2階層の画面とを含む複数階層の画面から構成する場合においては、例えば、第2階層以下の階層の画面を表示しているときに前面扉5を閉状態とすることにより、第1階層の画面(メニュートップ画面)に遷移するようにしてもよい。
また、「設定変更履歴」としては、設定変更処理を実行した過去所定回数分の日時を表示する例について説明した。しかし、「設定変更履歴」としては、設定変更処理を実行した過去所定回数分の日時とともに、設定された設定値を表示するようにしてもよい。この場合、メインCPU61は、設定変更処理において設定された設定値を特定可能な設定値コマンドをサブCPU71に出力し、設定された設定値をRAM75に蓄積するようにしてもよい。
上記実施形態では、完了画面として設定された管理項目が特定可能となる画面を例示した。しかし、完了画面は、設定が完了している旨を報知する画面であればこれに限らず、例えば、設定された管理項目が特定不能となる画面(例えば、「設定完了」といったメッセージを報知する画面)であってもよい。つまり、演出制御手段は、第2メニュー状態においていずれかの管理項目が設定されたときから設定後時間が経過するまでの間においても、当該設定した管理項目にかかわらず共通の設定完了表示を表示することにより設定した管理項目が特定不能となるように制御し、設定後時間が経過したときに設定完了表示を終了しつつその後においても継続して当該設定した管理項目が特定不能となるように表示領域を制御するものであってもよい。この場合、設定された管理項目にかかわらず完了画面を共通化することができるとともに、設定された管理項目を特定不能にすることができる。
上記実施形態では、設定変更処理に移行されると、図13のS03において仮にRAMエラーフラグが設定されているときであっても、管理者メニュー状態に制御して管理者メニュー画面を表示できる例について説明した。しかし、RAMエラーフラグが設定されているときには、設定変更処理において例えばリセットスイッチ52(設定スイッチ)が操作されて設定値が更新されるか、さらにスタートスイッチ19が操作されて設定する設定値が確定するまでは、管理者メニュー状態に制御せず、管理者メニュー画面を表示できないようにしてもよい。これにより、RAMエラーが生じている状態で管理者メニュー画面が表示されてしまうことを防止できる。
(特定時間、所定時間、設定後時間について)
上記実施形態における特定時間は30秒に定められている。また、所定時間は3分に定められている。また、第1設定後時間は、設定後時間のうちで最も短い1秒に定められ、第2設定後時間は、設定後時間のうちで最も長い2.5秒に定められ、第3設定後時間は、1.5秒に定められている。しかし、特定時間、所定時間、および第1〜第3設定後時間は、所定時間>特定時間>第1〜第3設定後時間となるように定められているものであれば、例示した時間に限るものではない。
また、特定時間は、表示している管理項目の種類に応じて異なる時間が定められているものであってもよい。例えば、管理項目のうち「設定変更履歴」については、その他の管理項目よりも長い時間が特定時間として定められているものであってもよい。これにより、比較的余裕を持って管理者が設定変更履歴を確認できる。また、所定時間は、表示している遊技項目の種類に応じて異なる時間が定められているものであってもよい。例えば、遊技項目のうち「役構成」については、その他の遊技項目よりも長い時間が所定時間として定められているものであってもよい。これにより、比較的余裕を持って遊技者が役構成の各種表示を確認できる。また、第1〜第3設定後時間は、共通の時間が定められているものであってもよい。
また、管理者メニュー画面においては、特定時間が経過するまでの残り時間を表示するようにしてもよい。同様に、遊技者メニュー画面においては、所定時間が経過するまでの残り時間を表示するようにしてもよい。これにより、操作者が表示を継続させたいときには、最適なタイミングで操作することができ、操作者の利便性を向上させることができる。
(その他)
上記実施形態においては、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において操作を受け付ける操作手段として、決定スイッチ81aと、左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81eとを備える演出操作部81を例示した。しかし、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において操作を受け付ける操作手段は、これに限らず、2つのスイッチ(決定用のスイッチと選択用のスイッチ)から構成されるものであってもよい。また、遊技の進行において用いる操作手段(例えば、スタートスイッチ19、ストップスイッチ21L〜21Rなど)を兼用するものであってもよい。
また、管理者メニュー画面、遊技者メニュー画面、図22(c)および図22(d)などに示した画面においては、いずれのスイッチ(操作手段)を操作すべきかを管理者や遊技者に対して案内する案内表示を行ってもよい。図25(a)は、管理者メニュー画面の左下部において案内表示を行っている例を示す図である。図25(b)は、遊技者メニュー画面の左下部において案内表示を行っている例を示す図である。案内表示としては、図25(a)および(b)各々に示すように、演出操作部81を模した画像(以下、操作部模擬画像という)が表示されることが好ましい。また、演出操作部81のいずれのスイッチが決定操作となり、いずれのスイッチが選択操作となるかを案内したり、反転表示させて強調したりするようにしてもよい。このようにすることでいずれのスイッチを操作すべきかを管理者や遊技者に案内することができ、不要なスイッチを操作してしまうことを防止できる。また、操作部模擬画像は、管理者メニュー画面、遊技者メニュー画面、図22(c)および図22(d)などに示した画面のいずれにおいても、共通または同様の画像としてもよい。このように共通または同様の画像を用いることで、処理の負荷やデータ量を削減できるとともに、遊技者や管理者に対して異なる演出操作部が存在するのではないかという誤認を招くことを防止できる。
上記実施形態においては、サブCPU71側のエラー判定処理においてエラーが発生していると判定したときに、管理者メニュー画面および遊技者メニュー画面のいずれを表示しているときであってもエラー報知を優先する例について説明した。しかし、サブCPU71により駆動制御される演出装置の動作チェックなどを検証するための検査モード中においては、サブCPU71側のエラー判定処理においてエラーが発生していると判定したときであってもエラー報知せずに、検査モード中の表示を継続するようにしてもよい。これにより、エラー報知により検査が妨げられてしまうことを防止できる。
上記実施形態においては、遊技項目として「ナビボイス」「コスチューム」「壁紙」等を例示した。しかし、遊技項目は、これに限らず、これらに替えてあるいは加えて、例えば、BGMを選択する「BGM選択」、RBBや小役の当選履歴あるいは入賞履歴を表示する「遊技履歴」などが定められているものであってもよく、遊技者が確認できたり、設定できたりする項目であればよい。
上記実施形態における遊技項目のうちの「演出カスタマイズ」は、遊技者メニュー画面を経由して各種設定できる例について説明したが、これに限らず、カスタマイズ可能な項目のうち特定の項目については、遊技者メニュー画面を経由しなくても変更して設定できるようにしてもよい。例えば、カスタマイズ可能な項目のうち「壁紙」項目等は、遊技者メニュー画面を経由しなくても、遊技待機中の左選択スイッチ81bと右選択スイッチ81cの操作、または上選択スイッチ81dと下選択スイッチ81eの操作によって変更して設定できるようにしてもよい。図25(c)は、遊技待機中の液晶表示器27の表示状態を示す図であり、図25(d)は、遊技待機中において壁紙が変更設定されたときの液晶表示器27の表示状態を示す図である。遊技待機中(遊技待機中となってから所定時間経過したとき)になると、図25(c)に示すように、図25(a)などを用いて説明したように、案内表示として操作部模擬画像が表示されるとともに、「左右ボタンで壁紙変更」といったメッセージが表示される。遊技待機中における演出カスタマイズに用いる操作ボタンは、左右などの一の方向と対になっている他の方向同士のスイッチとした方が遊技者にとって分かり易い。なお、左右ボタンに限らず、上下ボタンであってもよい。また、案内表示を行ったときには、図25(c)に吹き出しで示すように「壁紙を変更できます」といった変更可能であることを特定可能な音(以下、変更可能演出)を出力する方が好ましい。これにより、左右ボタンを操作することにより壁紙が変更可能であることを遊技者に報知することができる。
また、左右ボタンが操作されると、図25(d)に示すように、壁紙の画像が変更設定される。図25(d)における斜線は、図25(c)の壁紙と異なる画像であることを示す。また、各種壁紙を変更するためにスイッチを操作したときには、図25(d)に吹き出しで示すように「壁紙を変更しました」といった、変更されたことを特定可能な音(以下、変更特定演出)を出力する方が好ましい。これにより、遊技者は、壁紙を変更するための操作である変更操作が反映されたことを認識することができる。さらに、変更操作をする度に変更特定演出を行うようにしてもよいが、これに限らず、一の変更操作をしてから一定時間が経過するまでの期間内においては、仮にさらなる変更操作がされたとしても変更特定演出は行わず、一定時間経過後の変更操作で再度変更特定演出を行い、また一定時間経過するまでに変更操作をしても変更特定演出を行わないようにしてもよい。これにより、変更操作の度に変更特定操作が出力されるといった煩わしさを低減することができる。なお、特定の項目については、遊技待機中であれば、案内表示が行われていないときであっても、左右ボタンなどの所定のボタンを操作することによりカスタマイズ可能となるものであってもよい。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。
本発明のある局面に従う遊技機は、遊技を行うことが可能であり、遊技の結果に応じて特典を付与可能な遊技機であって、所定の演出を実行する演出手段と、前記演出手段による演出効果の度合いを複数の度合いのうちから設定する度合設定手段と、前記度合設定手段により設定された度合いで前記演出手段を制御する演出制御手段と、前記演出手段を制御する度合いを遊技者による操作に応じて設定可能な第1設定可能状態と、前記演出手段を制御する度合いを管理者による操作に応じて設定可能な第2設定可能状態とを含む複数種類の状態のうちのいずれかに制御する状態制御手段とを備え、前記度合設定手段は、前記第2設定可能状態においては、選択操作に応じて前記演出手段を制御する度合いを選択し、当該選択している度合いを設定操作に応じて設定し、前記設定操作は、第1設定操作と、当該第1設定操作とは異なる第2設定操作とを含み、前記状態制御手段は、前記第2設定可能状態において前記度合いを設定する契機となった設定操作が前記第1設定操作であるときには当該度合いを設定した後において、前記第1設定可能状態への移行を許容するか否かを特定するための許否情報を管理者による操作に応じて設定可能な許否設定状態とする一方、前記設定操作が前記第2設定操作であるときには前記許否設定状態とすることなく当該第2設定可能状態を終了し、前記第2設定可能状態において前記第2設定操作ではなく前記第1設定操作により移行される前記許否設定状態においては、選択操作に応じて前記第1設定可能状態への移行を許容するか否かを選択し、当該選択している方を特定するための許否情報を前記第1設定操作および前記第2設定操作のいずれであっても設定する。
このような構成によると、第2設定可能状態において演出効果の度合いを設定する設定操作を、第1設定操作とすることにより引き続き許否情報が設定可能となり、第2設定操作とすることにより許否設定状態とすることなく第2設定可能状態を終了させることができる。このため、必要に応じた設定操作を行うことにより、不必要なときにまで許否設定状態に移行させてしまうことを防止できる。その結果、管理者の利便性を向上させるとともに管理者の管理操作を簡素化できる。
好ましくは、前記状態制御手段は、遊技機に所定のエラーが発生しているときであっても前記第2設定可能状態に制御可能である。
好ましくは、遊技機に発生し得るエラーとしては、前記所定のエラーと、特定エラーとを含み、前記状態制御手段は、前記特定エラーが発生しているときには前記第2設定可能状態への制御を規制する。