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JP2021073922A - ビスケット類用小麦粉組成物 - Google Patents

ビスケット類用小麦粉組成物 Download PDF

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【課題】本発明は、軽くサクサクとした食感及び口溶けに優れたビスケット類を得ることができる、ビスケット類用小麦粉組成物を提供することを課題とする。【解決手段】ビスケット類の製造において、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(以下、「GA−SX小麦粉」と称する場合がある)を原料の小麦粉全量に対して10質量%以上使用することで上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスケット類用小麦粉組成物及びそれから製造されるビスケット類に関する。
ビスケットとは、小麦粉、糖類、食用油脂及び食塩を原料とし、必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤、食品添加物等の原材料を混合して得られる生地を焼成して製造される食品であり、弾性が低く、含水率が低く、水分活性が低いという特徴がある。ビスケットのうち、「ビスケット類の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」によれば、手作り風の外観を有し、原料全量に対して糖分と脂肪分との合計が40質量%以上のものはクッキーとされる。クッキーよりも食用油脂の使用量が多く、バターやマーガリン等の油脂の風味が強いものはサブレである。また、グルテン形成によってもビスケットは二種に大別され、グルテンを形成させるように練り上げた腰のある生地を焼成したものはハードビスケットであり、なるだけグルテンを形成させないように練り上げた生地を焼成したものはソフトビスケットである。更に前記原料にイーストや酵素を添加して得られるものはクラッカー、乾パン、プレッツェル等であり、ビスケットを含めこれら一群の食品がビスケット類である。ビスケット類は、保存性に富み、主食代用にもなるため、広く愛好されている焼き菓子の一種である。
このようなビスケット類には、軽くサクサクとしており、口溶けが良く、口中でさらりと解け消える食感が望まれている。このような食感を付与するために油脂含量を高めることが一般的であるが、近年の健康志向から敬遠される傾向にあり、製造においては生地がベタつきまとまり難くなるために作業性が悪くなるという欠点がある。サクサク感を向上させるために、澱粉類等の副資材を使用することもあるが、ビスケットにおける小麦粉の風味が薄れてしまうという問題がある。
ビスケットの食感を改良するために種々検討されている。特許文献1では、次亜塩素酸処理澱粉、置換度が0.01〜0.04のアセチル化澱粉及び膨潤度が4〜15の架橋澱粉から選択される少なくとも1種の澱粉変性品を小麦粉に対して特定量使用するビスケット等の焼き菓子の製造方法が開示されている。特許文献2では、特定比率のHLBが15〜19であるショ糖脂肪酸エステルと糖類化合物との水溶液を噴霧乾燥した焼き菓子用食感改良剤が開示されている。何れもサクサクとした食感と口溶けに優れるビスケットを得ることができるが、特殊な資材を必要とするものであり、更なる改良が求められている。
特開平10−99011号公報 特開2011−125310号公報
本発明は、軽くサクサクとした食感及び口溶けに優れたビスケット類を得ることができる、ビスケット類用小麦粉組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ビスケット類の製造において、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(以下、「GA−SX小麦粉」と称する場合がある)を原料の小麦粉全量に対して10質量%以上使用すると、軽くサクサクとした食感及び口溶けに優れたビスケット類を提供することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SX小麦粉)を小麦粉全量に対して10質量%以上含有する、小麦粉からなるビスケット類用小麦粉組成物。
[2]前記GA−SX小麦粉が、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−B1及びSSIIa−D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SA小麦粉)である、前記[1]に記載のビスケット類用小麦粉組成物。
[3]GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SX小麦粉)を穀粉の全量に対して10質量%以上含有する、ビスケット類用プレミックス粉。
[4]前記GA−SX小麦粉が、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−B1及びSSIIa−D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SA小麦粉)である、前記[3]に記載のビスケット類用プレミックス粉。
[5]前記[1]若しくは[2]記載のビスケット類用小麦粉組成物又は前記[3]若しくは[4]記載のビスケット類用プレミックス粉を含むビスケット類用生地。
[6]前記[5]に記載のビスケット類用生地を焼成する工程を含む、ビスケット類の製造方法。
[7]前記[5]記載のビスケット類用生地を焼成してなる、ビスケット類。
本発明によれば、油脂類、澱粉類及び特殊な原料を使用することなく、作業性が良好で、軽くサクサクとした食感及び口溶けに優れるビスケット類を得ることができる。
本発明においてビスケット類は、小麦粉、糖類、食用油脂及び食塩を原料とし、必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤、食品添加物等の原材料を混合して得られる生地を焼成して製造される食品をいい、そのようなビスケット類の種類としてはビスケット、クッキー、クラッカー、パイ、乾パン、プレッツェルなどが挙げられる。
本発明のビスケット類用小麦粉組成物は、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SX小麦粉)を含んでいる。
普通系コムギは、異質6倍体であり、その染色体には同祖染色体であるA、B、Dの3つのゲノムがそれぞれ1〜7番まで存在する(1A〜7A、1B〜7B、1D〜7D)。
「GBSSI」とは、アミロースの合成に関与する顆粒結合性澱粉合成酵素であり、GBSSI−A1、GBSSI−B1、GBSSI−D1が、それぞれ7A、4A、7D染色体上に座乗する遺伝子によってコードされている。
「SSIIa」とは、アミロペクチンの分岐鎖合成に関与する澱粉合成酵素であり、SSIIa−A1、SSIIa−B1、SSIIa−D1が、それぞれ7A、7B、7D染色体上に座乗する遺伝子によってコードされている。
「酵素活性を欠損する」とは、コムギ植物体内で正常な酵素活性を有するタンパク質が機能していないこと、好ましくは正常な酵素活性を有するタンパク質が発現していないことをいう。具体的には、遺伝子配列の変異(一つ又は複数の塩基の置換、欠失、挿入、逆位、転座などの変異をいい、遺伝子領域全体の欠失も含む)、mRNA転写の欠損、タンパク質翻訳の欠損、コムギ植物体内での酵素活性の阻害などの態様が挙げられ、野生型の酵素活性の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満にまで酵素活性が低下ないし欠失していれば、いずれの態様であってもよい。
GA−SX小麦粉としては、酵素活性を欠損した2種類のSSIIaの組み合わせにより、以下の小麦粉が挙げられる。
GA−SA小麦粉:GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−B1及びSSIIa−D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉;
GA−SB小麦粉:GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−B1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−A1及びSSIIa−D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉;
GA−SD小麦粉:GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−D1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−A1及びSSIIa−B1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉。
これらのうち、GA−SA小麦粉が好ましい。
GA−SX小麦粉は、公知の方法、例えば、特開2013−188206号記載の方法に従って、製造することができる。
本発明のビスケット類用小麦粉組成物は、GA−SX小麦粉と、任意にGA−SX小麦粉以外の小麦粉を含み、小麦粉からなる。GA−SX小麦粉以外の小麦粉としてはGA−SX小麦以外の小麦から製粉した小麦粉であれば特に限定はない。例えば、GBSSI(GBSSI−A1、GBSSI−B1及びGBSSI−D1)及びSSIIa(SSIIa−A1,SSIIa−B1及びSSIIa−D1)の6種の酵素活性の欠損の組み合わせ(ただし、GA−SXを除く)で酵素活性を欠損した小麦並びにGBSSI及びSSIIaの何れの酵素活性も欠損していない小麦から製粉して得られた小麦粉が挙げられる。あるいは一般に使用される、強力粉、中力粉、薄力粉及びそれらの混合物であってよい。
GA−SX小麦粉の含有量は、ビスケット類用小麦粉組成物中の小麦粉全量に対して、10質量%以上であり、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは50質量%であり、最も好ましくは60〜90質量%である。10質量%であれば、作業性が良好で、軽くサクサクとした食感及び口溶けに優れるビスケット類を提供することができる。
本発明のビスケット類用プレミックス粉は、GA−SX小麦粉を穀粉の全量に対して10質量%以上含有する。好ましくはGA−SX小麦粉を穀粉の全量に対して20質量%以上、より好ましくは50質量%、最も好ましくは60〜90質量%含有する。また本発明のビスケット類用プレミックス粉において、GA−SX小麦粉は好ましくはGA−SA小麦粉である。ここで一般にプレミックス粉は、その使用用途に応じて、小麦粉に、小麦粉以外の穀粉、化学膨張剤、調味料、香料、色素等の粉末原料、任意に油脂類などを混合したものをいう。本発明のビスケット類用プレミックス粉は、上記本発明の小麦粉組成物に加えて、ライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、米粉等、小麦粉以外の穀粉類;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉などの澱粉類及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理等を行った加工澱粉類;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトースなどの糖類;卵黄、卵白、全卵その他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;油脂類;乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等の通常ビスケット類製造に用いる副原料を含むことができる。
本発明のビスケット類用プレミックス粉が小麦粉以外の穀粉を含む場合、ビスケット類用プレミックス粉に含まれる穀粉全体の質量に対する小麦粉全量の割合は好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
本発明のビスケット類用生地は、上記ビスケット類用小麦粉組成物又は上記ビスケット類用プレミックス粉を含む。
また本発明のビスケット類の製造方法は、上記ビスケット類用生地を焼成する工程を含む以外は常法に従って製造することが出来る。例えばシュガーバッター法やフラワーバッター法が挙げられる。
シュガーバッター法は、砂糖と油脂をよくすり混ぜ、分離しないように数回に分けて卵を加えながら都度混合した後、小麦粉と、必要に応じてベーキングパウダーを加えて生地を得る。
フラワーバッター法は、油脂をクリーム状になるまで練り、小麦粉と、必要に応じてベーキングパウダーを加えて撹拌したところに、予め混ぜておいた卵と砂糖を分離しないように数回に分けて加えながら都度混合して生地を得る。
イーストを使用する場合には、適宜、生地を発酵させる。
上記により得た生地を、定法によりシーティング及び成型(ロール、ワイヤーカット、ルートプレス、ロータリーモルダー、デポジッター、ステンシル等)し、その後焼成してビスケット類を製造することができる。
また本発明のビスケット類は、前記ビスケット類用生地を焼成してなる。
本発明のビスケット類は、小麦粉原料以外のその他原材料としてライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、米粉等、小麦粉以外の穀粉類;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉などの澱粉類及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理等を行った加工澱粉類;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトースなどの糖類;卵黄、卵白、全卵その他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等の油脂類;イースト;イーストフード;乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等の通常ビスケット類を製造する為に使用する副原料を使用して製造することができる。
さらに本発明のビスケット類は、チョコレート、ナッツ、ごま、果実加工品などを生地に加えたり、さらに飾りとして使用して製造しても良く、また生地に紅茶葉やココアパウダーやインスタントコーヒー、及びこれらを煮出したもの、抹茶やすりごまやアマニ粉末などの農産品の粉末、濃縮果汁や蜂蜜などを混ぜ込んで製品の特徴づけを行うことも出来る。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<製造例1 型抜きクッキーの製造>
(1)上白糖46質量部、脱脂粉乳3質量部、塩0.8質量部、重曹0.4質量部、重炭酸アンモニウム0.5質量部、水22質量部、ショートニング30質量部をミキサーに投入し、低速1分、中速3分、高速3分間すりあわせてクリーム状のペーストを得た。
(2)ついで標準的な薄力小麦粉(日本製粉株式会社製:商品名 ダイヤ)100質量部を加え、低速1分間ミキシングし、クッキー生地を得た。
(3)麺棒で7mm厚に延し、直径6cmの抜き型で抜いた後、200℃に予熱したオーブンに投入し、14分間200℃で焼成して型抜きクッキーを得た。
<試験例1:型抜きクッキーの作業性、食感、口溶け及び破断強度に与える影響GA−SX小麦粉の影響>
標準的な薄力小麦粉とGA−SA小麦粉の添加量を表2記載の割合にした以外は製造例1に従って型抜きクッキーを製造した。
それぞれのクッキーについて、作業性と食感及び口溶けを、熟練パネラー10名により下記の表1の評価基準に従って評価した。また、クッキーの物性の客観的な指標として、破断強度を評価した。破断応力は、テクスチャーアナライザーTA−XT Plus(英弘精機株式会社製)を用いて測定した。すなわち、直径1cmのプランジャーを使用し、クッキーの平面視略中心に向かってプランジャーが降下するようにクッキーを設置し、圧縮速度2cm/分で破断応力を測定した。測定値は3試料の平均値で示す。作業性についてはクッキー製造時、食感、口溶け及び破断強度についてはクッキー製造の翌日に評価した。
なお、小麦粉として標準的な薄力小麦粉のみを使用して製造したもの(比較例1)の各評点を3点とした。結果を表2に示す。
Figure 2021073922
Figure 2021073922
GA−SA小麦粉を使用した実施例1〜4において、作業性・食感・口溶けのいずれも良好であった。これらの結果より、クッキー用小麦粉としてGA−SA小麦粉を使用することで、作業性・食感・口溶けが向上することが示された。
実施例1〜3において、GA−SA小麦粉の割合の増加に依存して破断応力が大きくなり、クッキーが硬くなるにつれ、サクサクとした歯応えがある食感が付与されることが示唆された。GA−SA小麦粉のみを使用した実施例4ではGA−SA小麦粉を80質量%使用する実施例3よりもわずかに食感及び口溶けの評点が下がる結果となったが、実施例4の破断応力が更に大きくなったため、硬さが口溶けなどに影響したためであると考えられた。
<製造例2:クラッカーの製造>
(1)標準的な薄力小麦粉(日本製粉株式会社製:商品名 ダイヤ)100質量部、生イースト2質量部、重曹0.6質量部、酸性ピロリン酸ナトリウム0.3質量部、重炭酸アンモニウム0.6質量部、塩1質量部、ショートニング10質量部、モルトフラワー2質量部、水31質量部をミキサーに投入し、低速3分間ミキシングした後、27℃で4時間発酵させて生地を得た。
(2)9層に折込みした後、2.5mm厚に延し、直径6cmの抜き型で抜いた後、220℃、10分間焼成してクラッカーを得た。
<試験例2:クラッカーの作業性、食感及び口溶けに与えるGA−SX小麦粉の影響>
標準的な薄力小麦粉とGA−SA小麦粉の使用量を表3記載の割合にした以外は製造例2に従ってクラッカーを製造した。
それぞれのクラッカーについて、作業性と食感及び口溶けを、熟練パネラー10名により上記の表1の評価基準に従って評価した。作業性についてはクラッカー製造時、食感及び口溶けについてはクラッカー製造の翌日に評価した。
なお、小麦粉として標準的な薄力小麦粉のみを使用して製造したもの(比較例2)の各評点を3点とした。結果を表3に示す。
Figure 2021073922
その結果、GA−SA小麦粉を使用した実施例5〜7において、作業性・食感・口溶けのいずれも良好であった。
<製造例3:アイスボックスクッキーの製造>
(1)上白糖45質量部、バター65質量部、塩0.7質量部をミキサーに投入し、中速5分間すりあわせ、ついで全卵10質量部を投入し、低速2分間ミキシングする。更に、標準的な薄力小麦粉(日本製粉株式会社製:商品名 ダイヤ)100質量部を投入し、低速1分間ミキシングし、生地を得た。
(2)冷蔵庫にて1時間休ませた前記生地を直径約3cmの棒状に成形し、再び冷蔵庫で休ませた後、厚さ約1cmにスライスし、170℃、15分間焼成しクッキーを得た。
<試験例3:アイスボックスクッキーの作業性、食感及び口溶けに与える影響GA−SX小麦粉の影響>
標準的な薄力小麦粉とGA−SA小麦粉の使用量を表4記載の割合にした以外は製造例3に従ってアイスボックスクッキーを製造した。
それぞれのアイスボックスクッキーについて、作業性と食感及び口溶けを、熟練パネラー10名により上記の表1の評価基準に従って評価した。作業性についてはアイスボックスクッキー製造時、食感及び口溶けについてはアイスボックスクッキー製造の翌日に評価した。
なお、小麦粉として標準的な薄力小麦粉のみを使用して製造したもの(比較例3)の各評点を3点とした。結果を表4に示す。
Figure 2021073922
その結果、GA−SA小麦粉を使用した実施例8〜10において、作業性・食感・口溶けのいずれも良好であった。

Claims (7)

  1. GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SX小麦粉)を小麦粉全量に対して10質量%以上含有する、小麦粉からなるビスケット類用小麦粉組成物。
  2. 前記GA−SX小麦粉が、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−B1及びSSIIa−D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SA小麦粉)である、請求項1に記載のビスケット類用小麦粉組成物。
  3. GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1、SSIIa−B1及びSSIIa−D1のうちのいずれか2つの酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SX小麦粉)を穀粉の全量に対して10質量%以上含有する、ビスケット類用プレミックス粉。
  4. 前記GA−SX小麦粉が、GBSSI−A1の酵素活性を欠損しておらず、GBSSI−B1及びGBSSI−D1の酵素活性を欠損し、かつ、SSIIa−A1の酵素活性を欠損しておらず、SSIIa−B1及びSSIIa−D1の酵素活性を欠損したコムギの収穫物を製粉して得られた小麦粉(GA−SA小麦粉)である、請求項3に記載のビスケット類用プレミックス粉。
  5. 請求項1若しくは請求項2記載のビスケット類用小麦粉組成物又は請求項3若しくは請求項4記載のビスケット類用プレミックス粉を含むビスケット類用生地
  6. 請求項5に記載のビスケット類用生地を焼成する工程を含む、ビスケット類の製造方法。
  7. 請求項5に記載のビスケット類用生地を焼成してなる、ビスケット類。
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