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JP2020513836A - 組換えクラミジア活性化b細胞プラットフォーム及びその使用方法 - Google Patents

組換えクラミジア活性化b細胞プラットフォーム及びその使用方法 Download PDF

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JP2020513836A JP2019552261A JP2019552261A JP2020513836A JP 2020513836 A JP2020513836 A JP 2020513836A JP 2019552261 A JP2019552261 A JP 2019552261A JP 2019552261 A JP2019552261 A JP 2019552261A JP 2020513836 A JP2020513836 A JP 2020513836A
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ミゲル、ロドルフォ ディー. ヴィセッティ
ミゲル、ロドルフォ ディー. ヴィセッティ
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Abstract

本明細書では、組換えクラミジア活性化B細胞(CAB)プラットフォーム、ワクチン、及びその使用方法が開示される。B細胞の集団を増強させる方法が開示され、当該B細胞の増殖及び分化が生じ、当該B細胞が抗原に曝露又は架橋されるように、B細胞の集団を増強させるために好適な条件下で、当該B細胞をクラミジア種由来の組換えポリペプチドに曝露することを含む。また、無関係な抗原に対する向上した体液性免疫(例えば、HIV抗原に対する体液性免疫)の誘導のためのアジュバントとして、クラミジア種由来の組換えポリペプチドを使用する方法も開示される。当該CABを産生し、処置を必要とする対象を当該CABで処置する方法も開示される。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年3月23日出願の米国仮出願第62/475,413号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
樹状細胞(DC)は、強力な抗原提示細胞(APC)であると考えられており、感染症及びがんに対する防御免疫の有効な誘導因子である。これらの特性は、細胞ワクチンとしてDC、とりわけ末梢血液単球から分化したDCの使用に多大な利益を促す。しかしながら、DCを使用する臨床試験は、非常に低率の全体的な臨床応答を実証してきたのみであり、DC系ワクチンを改善する必要性を強調している。これらの細胞療法の成功に対する具体的な制限は、DCがエクスビボで増殖させることができないため、単球から産生することができるDCの数が限られていることであり、長期的な多回投与プロトコルにおける使用のためにこれらの細胞を大量に生成することは困難である。更に、DCは、凍結保存後、免疫応答を惹起するためのそれらの能力における著しい程度の変動性を有する。より多くのDC数及び処置が、より強固な抗腫瘍免疫を生じさせ、かつ臨床応答を改善することが示されているため、これらの制限は特に意味を持つ。
B細胞は、多くの強力なAPCを提示し、免疫療法の目的上、エクスビボで生成することができる、DCの唯一の自己APC代替物である可能性が高い。B細胞は、T細胞耐性を誘導する、又は更にはインビボで抗腫瘍免疫応答を遮断することが説明されている一方で、これらの報告は、アクセサリ及び共刺激分子の重要な発現を欠く休止B細胞に制限されていた。サイトカイン又はToll様受容体(TLR)リガンドと組み合わせ、CD40Lを発現する細胞によって有効なAPCになるように活性化されたB細胞は、同様に、最適なB細胞活性化を誘導しなかったか、又は細胞株の使用を必要としなかった。これらの制限により、上記の手法は、臨床用途に不適であった。
活性化B細胞は、MHC及び共刺激分子発現を増強し、未感作及び記憶T細胞を完全に活性化させるための大幅に改善された抗原提示能力を呈する。また、重要なことに、活性化B細胞は、ケモカインの分泌によってT細胞を動員し、有効な抗腫瘍免疫応答のインビボ誘導に対する重要な要件である、二次リンパ器官に移動する。B細胞はエクスビボで容易に得られるため、それらは、免疫療法用途に対する魅力的な自己APC源である。更に、活性化B細胞は、MHCクラスI及びII分子を発現し、したがって、広範な抗原と共に使用できる。よって、複数の種類の腫瘍及び感染性疾患を標的と細胞性ワクチンを提供するために、B細胞の活性化及び増殖を増強する実用的な方法が、当該技術分野において必要とされている。
本明細書では、免疫療法としてクラミジア活性化B細胞を使用する細胞性ワクチンプラットフォーム、並びにそのプラットフォームを使用する方法が開示される。本明細書では、ロバストなB細胞活性化を誘発するクラミジア・トラコマチス主要外膜タンパク質(MOMP)の組換え型が開示される。これらの組換えタンパク質を使用して、クラミジア活性化B細胞(CAB)を生成することができ、これは、クラミジア系ワクチンにおいて免疫原として使用することができる。また、これらの組換えタンパク質を使用して、他の無関係な抗原に対する抗体の産生及び親和性を増加させることもできる。
具体的には、本明細書では、活性化された抗原提示細胞(APC)を作製するためのプラットフォームが開示され、このプラットフォームは、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド又は糖ポリペプチドであって、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている、ポリペプチド又は糖ポリペプチドと、B細胞集団と、抗原であって、抗原がクラミジア種に由来しない、抗原と、を含む。本明細書に記載されるプラットフォームを使用して作製されたワクチンも開示される。本明細書に記載されるプラットフォームによって産生されるクラミジア活性化B細胞が、更に説明される。
本明細書では、対象から活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞を産生するための方法が開示され、この方法は以下を含む:大腸菌をプラスミドで形質転換することであって、プラスミドが、クラミジアの主要外膜(MOMP)タンパク質と、野生型又は改変されたシグナル配列の大腸菌OmpA又は他の大腸菌タンパク質とをコードする核酸を含むことによって、大腸菌は組換えMOMPを産生すること;対象のB細胞を組換えMOMPに曝露すること;抗原がクラミジア種に由来しない所望の抗原にB細胞を曝露することにより、活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞(CAB)を取得すること。
本明細書に開示されるのは、それを必要とする対象を処置する方法であって、この方法は以下を含む:
対象からB細胞を得ること;B細胞をクラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチドに曝露することであって、ここでMOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている、こと;B細胞を抗原に曝露することであって、抗原がクラミジア種に由来せず、これにより活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞(CAB)を得ること;及び活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞で対象を処置すること。
更に、クラミジア種に由来しない抗原、及び、
天然に生じるMOMPが、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように修飾された、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド、
を含む、ワクチンが開示される。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明において示されている。本発明の他の特性、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から、明らかとなろう。
組換えC.トラコマチス(C.trachomatis)MOMPを発現している大腸菌K−12株の発生の概略図を示す。その外膜上にMOMPを呈する遺伝子操作された大腸菌株の構築は、大腸菌K−12中のプラスミドにコードされたC.トラコマチスompA(ompACt)を発現させることによって達成される。 組換えC.トラコマチスMOMPが大腸菌K−12中で受けるプロセシング及び集合を示す図を示す。外膜タンパク質(OMP)は、輸送され、プロセシングされ、βバレルに組み立てられなければならない。シグナル配列(SS)は、タンパク質を、内膜(IM)を超えて移行させる、Secトランスロコンへの前駆タンパク質を標的とする。シグナルペプチダーゼはSSを切断し、成熟タンパク質は標的化され、ペリプラズムシャペロン及びβ−barrel assembly machine(Bam複合体)の助けを借りてβバレル構造に組み上げられる。 大腸菌OmpAシグナル配列(SSEC)の使用が、いかにして外膜内での組換えC.トラコマチスMOMP(Ct−MOMP)の適切な輸送と折り畳みを可能にするのかを示す概略図を示す。 pET23/42ChOmpAプラスミドを保有している大腸菌株におけるMOMP産生を示す。MOMPの産生は、L−ラムノースを添加した(パネルC)株NR4424[遺伝子型KRX(pET23/42ChOmpA)](パネルA及びB)において誘導することができる。室温(〜20℃、RT)又は30℃のいずれかの温度で3時間又は一晩(O/N)、terrific broth(TB)中で増殖させると、組換えCt−MOMPが生成される。Ct−MOMPは、クマシーブルー(パネルD)又は抗MOMP抗血清(パネルE)で染色したゲル中で検出できる。Ct−MOMPに対応するバンドは矢印が付けられている。Ct−MOMPをコードする遺伝子を欠く対照ベクターを保持する対照株NR4432[遺伝子型KRX(pET23/42)]からのサンプルも試験した。 pET23/42ChOmpAプラスミドを保有している大腸菌株におけるMOMP産生を示す。MOMPの産生は、L−ラムノースを添加した(パネルC)株NR4424[遺伝子型KRX(pET23/42ChOmpA)](パネルA及びB)において誘導することができる。室温(〜20℃、RT)又は30℃のいずれかの温度で3時間又は一晩(O/N)、terrific broth(TB)中で増殖させると、組換えCt−MOMPが生成される。Ct−MOMPは、クマシーブルー(パネルD)又は抗MOMP抗血清(パネルE)で染色したゲル中で検出できる。Ct−MOMPに対応するバンドは矢印が付けられている。Ct−MOMPをコードする遺伝子を欠く対照ベクターを保持する対照株NR4432[遺伝子型KRX(pET23/42)]からのサンプルも試験した。 pET23/42ChOmpAプラスミドを保有している大腸菌株におけるMOMP産生を示す。MOMPの産生は、L−ラムノースを添加した(パネルC)株NR4424[遺伝子型KRX(pET23/42ChOmpA)](パネルA及びB)において誘導することができる。室温(〜20℃、RT)又は30℃のいずれかの温度で3時間又は一晩(O/N)、terrific broth(TB)中で増殖させると、組換えCt−MOMPが生成される。Ct−MOMPは、クマシーブルー(パネルD)又は抗MOMP抗血清(パネルE)で染色したゲル中で検出できる。Ct−MOMPに対応するバンドは矢印が付けられている。Ct−MOMPをコードする遺伝子を欠く対照ベクターを保持する対照株NR4432[遺伝子型KRX(pET23/42)]からのサンプルも試験した。 pET23/42ChOmpAプラスミドを保有している大腸菌株におけるMOMP産生を示す。MOMPの産生は、L−ラムノースを添加した(パネルC)株NR4424[遺伝子型KRX(pET23/42ChOmpA)](パネルA及びB)において誘導することができる。室温(〜20℃、RT)又は30℃のいずれかの温度で3時間又は一晩(O/N)、terrific broth(TB)中で増殖させると、組換えCt−MOMPが生成される。Ct−MOMPは、クマシーブルー(パネルD)又は抗MOMP抗血清(パネルE)で染色したゲル中で検出できる。Ct−MOMPに対応するバンドは矢印が付けられている。Ct−MOMPをコードする遺伝子を欠く対照ベクターを保持する対照株NR4432[遺伝子型KRX(pET23/42)]からのサンプルも試験した。 pET23/42ChOmpAプラスミドを保有している大腸菌株におけるMOMP産生を示す。MOMPの産生は、L−ラムノースを添加した(パネルC)株NR4424[遺伝子型KRX(pET23/42ChOmpA)](パネルA及びB)において誘導することができる。室温(〜20℃、RT)又は30℃のいずれかの温度で3時間又は一晩(O/N)、terrific broth(TB)中で増殖させると、組換えCt−MOMPが生成される。Ct−MOMPは、クマシーブルー(パネルD)又は抗MOMP抗血清(パネルE)で染色したゲル中で検出できる。Ct−MOMPに対応するバンドは矢印が付けられている。Ct−MOMPをコードする遺伝子を欠く対照ベクターを保持する対照株NR4432[遺伝子型KRX(pET23/42)]からのサンプルも試験した。 TLR1/2アゴニストと組み合わせたときの、大腸菌中で過剰発現したC.トラコマチスMOMPのインビトロでのヒトB細胞増殖誘導能を示す。ヒトPBMCからネガティブ免疫磁気選択によって単離された、蛍光標識B細胞及びCD4 T細胞を、ベクターKRX(pET23/42)(ベクターのみ)又はKRX(pET23/42ChOmpA)(MOMP)をトランスフェクトした不活性化大腸菌に曝露させるか、又は刺激しなかった。また示されるように、蛍光標識B細胞及びCD4 T細胞を、Pam3CSK4(TLR1/2アゴニスト)の存在下でも同条件に曝露させた。増殖性B細胞のフローサイトメトリー分析を4日後に行った。(A)代表的なドットプロットは、MOMPを過剰発現している大腸菌に応答したヒトB細胞の増殖を示す。(B)TLR1/2アゴニストの存在下における不活性化大腸菌の両方の株に曝露された細胞についての、正規化したB細胞増殖の倍率増加。
(定義)
「a」及び「an」という冠詞は、冠詞の文法上の目的語の1つ、又は1つを超える(即ち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は1つを超える要素を意味する。
「約」とは、本明細書において使用される際、量、時間的な持続時間など等の測定可能な値を指すとき、かかる変動が、開示される方法を実施するのに適切である際、指定される値から.+−.20%又は.+−.10%、より好ましくは.+−.5%、更により好ましくは.+−.1%、なおより好ましくは.+−.0.1%の変動を包含することを意味する。
「抗原組成物」という用語は、宿主又は対象において、免疫系を刺激し、免疫応答を生じさせる材料を含む組成物を指す。
「免疫応答を生じさせる」という用語は、抗原などの刺激に応答したインビボでの免疫細胞の刺激を指す。免疫応答は、細胞免疫応答、例えば、T細胞及びマクロファージ刺激と、体液性免疫応答、例えばB細胞及び補足刺激並びに抗体産生の両方からなる。免疫応答は、抗体イムノアッセイ、増殖アッセイ、及び他のものが挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野において公知の技術を使用して測定され得る。
「予防的」処置は、病変を発症するリスクを減少させる目的で、疾患の兆候を呈しないか、又は早期兆候のみを呈する対象に施される処置である。本明細書に開示されているワクチンは、病変を発症する可能性を低減するため、又は発症した場合、病変の重症度を最小化するために、予防的処置として与えることができる。
「治療的」処置は、病変の兆候又は症状を呈する対象に、それらの兆候又は症状を減退又は排除する目的で施される処置である。兆候又は症状は、生化学的、細胞的、組織学的、機能的、主観的、又は客観的であり得る。
「不活性化」は、「殺滅」又は「死滅」微生物としても当該技術分野において既知である、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ(C. psittaci)、及びC.ムリダルム(C. muridarum)を含む)等の微生物を説明するために本明細書において使用される。不活性化細菌は、感染特性を有しない全細菌であり、細菌が以前に任意の方法で弱毒化されたかどうかにかかわらず、「生きている」細菌から産生される。
ポリペプチドの「断片」は、全長ポリペプチド又はタンパク質発現産物よりも小さい、ポリペプチドの任意の部分を指す。断片は、一態様において、1つ以上のアミノ酸残基が全長ポリペプチドから除去されている、全長ポリペプチドの欠失アナログである。したがって、「断片」は、以下に記載される欠失アナログのサブセットである。
本明細書で使用するとき、用語「抗体」は、抗原上の特異的エピトープを、多くの場合高い特異性及び親和性で結合することができる免疫グロブリン分子を指す。抗体は、天然源又は組換え源に由来する完全免疫グロブリンとすることができ、完全免疫グロブリンの免疫応答性部分となり得る。抗体は、本明細書において説明されるワクチンから産生することができ、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ」)、Fv、Fab、及びF(ab)2、並びに単鎖抗体(scFv)、重鎖抗体、例えば、ラクダ抗体、合成抗体、キメラ抗体、及びヒト化抗体を含む、様々な形態において存在し得る(Harlow et al.,1999,Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY;Harlow et al.,1989,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,N.Y.;Houston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883;Bird et al.,1988,Science 242:423-426)。
「異常」という用語は、生物、組織、細胞、又はその構成要素の文脈において使用されるとき、「正常な」(予想される)それぞれの特徴を示す、それらの生物、組織、細胞、又はその構成要素からの少なくとも1つの観察可能な又は検出可能な特徴(例えば、年齢、処置、時刻など)において異なる、それらの生物、組織、細胞、又はその構成要素を指す。1つの細胞又は組織型に対して正常であるか、又は予想される特徴は、異なる細胞又は組織型に対しては異常である場合がある。
本明細書において使用される場合、疾患を「緩和する」ことは、疾患又は障害の少なくとも1つの兆候又は症状の頻度又は重症度を低減することを意味する。
「有効量」は、本明細書において使用される場合、治療的又は予防的利益を提供する量を意味する。
本明細書において使用される場合、「イムノアッセイ」は、標的分子を検出及び定量化するために、標的分子に特異的に結合することが可能な抗体を使用する、任意の結合アッセイを指す。
本明細書において使用される場合、「説明資料」は、本明細書において記載されている方法を実践するためのキットにおける、本発明の化合物、組成物、方法、プラットフォーム、又はシステムの有用性を伝えるために使用することができる、公開物、記録、図、又は任意の他の表現媒体を含む。本発明のキットの説明資料は、例えば、本発明の識別される化合物、組成物、プラットフォーム、若しくは送達システムを含有する容器に付着され得るか、又は本発明の特定される化合物、組成物、方法構成要素、プラットフォーム、若しくはシステムを含有する容器と共に出荷され得る。代替的に、説明資料は、説明資料及び化合物が受容者によって協働的に使用されることを意図して、容器から別個に出荷することができる。
本明細書において使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、同義的に使用され、ペプチド結合によって共有結合されたアミノ酸残基からなる化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質又はペプチドの配列を含むことができるアミノ酸の最大数に制限は設けられない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに接合された2つ以上のアミノ酸を含む、任意のペプチド又はタンパク質を含む。本明細書において使用される場合、この用語は、短鎖(当該技術分野において、例えば、ペプチド、オリゴペプチド、及びオリゴマーとしても一般的に称される)、並びにより長い鎖(当該技術分野において、タンパク質として一般的に称され、これには多くの型が存在する)の両方を指す。「ポリペプチド」としては、とりわけ、例えば、生物学的に活性な断片、実質的に相同的なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモダイマー、ヘテロダイマー、ポリペプチドの変異体、修飾されたポリペプチド、誘導体、アナログ、融合タンパク質が挙げられる。ポリペプチドとしては、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ペプチドを構成するアミノ酸残基の側鎖に共有結合した炭水化物部分(グリカン)を含有するペプチドである、糖ペプチドも含まれる。
「疾患」は、動物が恒常性を維持することができず、疾患が改善されない場合、動物の健康が悪化し続ける、動物の健康状態である。対照的に、動物における「障害」は、動物が恒常性を維持することができるが、動物の健康状態が、障害がないときよりも良くない、健康状態である。未処置のまま放置されても、障害は、動物の健康状態における更なる悪化を必ずしも引き起こさない。
用語「対象」とは、投与又は処置の標的である任意の個体を指す。対象は、脊椎動物、例えば哺乳動物とすることができる。したがって、対象は、ヒト又は獣医的患者とすることができる。用語「患者」は、臨床医、例えば医師の処置下にある対象を指す。
本明細書において使用される際、「療法」又は「治療レジメン」という用語は、障害又は疾患状態を緩和又は改変するために採られるそれらの活動、例えば、薬理学的、外科的、食物的、及び/又は他の技術を使用した、疾患又は障害の少なくとも1つの兆候又は症状を低減又は排除することが意図される処置過程を指す。治療レジメンは、処方された投与量の1つ以上の薬物又は外科的技術を含み得る。療法は、ほとんどの場合有益であり、かつ障害又は疾患状態の少なくとも1つの兆候又は症状を低減又は排除するが、一部の例において、療法の効果は、望ましくない、又は副作用を有する。療法の効果はまた、対象の生理学的状態、例えば、年齢、性別、遺伝的特徴、体重、他の疾患状態などによって、影響される。
「治療有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師、又は他の臨床医によって求められている、組織、系、又は対象の生物学的又は医学的応答を生じさせる、対象化合物の量を指す。「治療有効量」という用語は、投与されるとき、処置されている障害又は疾患の兆候又は症状のうちの1つ若しくは2つ以上の発症を予防するか、あるいはある程度緩和させるのに十分である、化合物の当該量である。治療有効量は、化合物、疾患及びその重症度、並びに処置される対象の年齢、体重などに応じて、様々となろう。
この用語が本明細書において使用される場合、疾患を「処置する」ことは、対象によって経験される疾患又は障害の少なくとも1つの兆候又は症状の頻度又は重症度を低減することを意味する。
「細胞」という用語は、本明細書において使用される場合、具体的に示されない限り、個々の細胞、細胞株、初代培養物、又はこのような細胞に由来する培養物を指す。「培養物」は、同じ又は異なる型の単離された細胞を含む組成物を指す。細胞株は、無限に再現することができ、このため、細胞株を「不死」にする、特定の種類の細胞の培養物である。細胞培養物は、寒天等の培地上で成長させた細胞の集団であり得る。初代細胞培養物は、細胞からの培養物であるか、又は生きた生物から直接採られ、これは、不死化されていない。
「生物学的試料」という用語は、組織(例えば、組織生検)、器官、細胞(培養物において維持される細胞を含む)、細胞溶解物(若しくは溶解物画分)、細胞若しくは細胞性物質に由来する生体分子(例えば、ポリペプチド若しくは核酸)、又は対象からの体液を指す。体液の非限定的な例としては、血液、尿、血漿、血清、涙液、リンパ液、胆汁、脳脊髄液、間質液、房水若しくは硝子体液、初乳、痰、羊水、唾液、肛門及び膣分泌物、汗、精液、浸出液、滲出液、並びに滑液が挙げられる。
単数若しくは複数形のいずれかで使用される「腫瘍細胞」又は「がん細胞」という用語は、細胞を宿主生物に対して病的なものにする悪性転換を生じた細胞を指す。原発性がん細胞(つまり、悪性転換の部位近傍から得られる細胞)は、十分に確立された技術、具体的には、組織学的検査によって、非がん性細胞から容易に区別することができる。がん細胞の定義は、本明細書において使用される場合、原発性がん細胞だけでなく、がん細胞の祖先に由来する任意の細胞を含む。これは、転移したがん細胞、並びにがん細胞に由来するインビトロ培養物及び細胞株を含む。「腫瘍関連抗原」又は「TAA」という用語は、同じ組織型の非腫瘍細胞よりも、腫瘍細胞によって、より高い頻度又は密度で発現される、分子又は複合体を指すために使用される。腫瘍関連抗原は、宿主によって通常発現されない抗原であり得る。それらは、突然変異しているか、切断されているか、ミスフォールドしているか、又はそうでなければ宿主によって通常発現される分子の異常発現であり得る。それらは、通常発現されるが、異常に高いレベルで発現された分子と同一であり得る。又は、それらは、異常である状況若しくは環境において発現され得る。腫瘍関連抗原は、例えば、タンパク質若しくはタンパク質断片、複合炭水化物、ガングリオシド、ハプテン、核酸、又はこれら若しくは他の生物学的分子の任意の組み合わせであり得る。特定の腫瘍関連抗原の存在又は特徴の知識は、本発明の実践に必要ではない。
「B細胞」という用語は、Bリンパ球を指す。B細胞前駆体は、未成熟B細胞が産生される骨髄に存在する。B細胞発生は、いくつかの段階を通じて生じ、各段階は、抗体遺伝子座におけるゲノム量の変化を表す。ゲノム重鎖可変領域において、3つのセグメント、V、D、及びJが存在し、これらは、VDJ再構成と呼ばれるプロセスにおいてランダムに再結合して、各B細胞の免疫グロブリンにおいて固有の可変領域を産生する。同様の再構成が、関与する2つのみのセグメント、V及びJが存在することを除き、軽鎖可変領域に対して生じる。完全な再構成後、B細胞は、骨髄においてIgM未成熟段階に達する。これらの未成熟B細胞は、それらの表面上に膜結合IgM、即ち、BCRを提示し、脾臓に移動し、ここでは、それらは、移行B細胞と呼ばれる。これらの細胞の一部は、成熟Bリンパ球に分化する。それらの表面上にBCRを発現する成熟B細胞は、血液及びリンパ系を循環し、免疫監視の役割を果たす。それらは、それらが完全に活性化されるまで、可溶性抗体を産生しない。各B細胞は、1つの特定の抗原に結合する、固有の受容体タンパク質を有する。一度B細胞がその抗原に遭遇し、Tヘルパー細胞から追加のシグナルを受信すると、それは、可溶性抗体を発現及び分泌するプラズマB細胞、又は記憶B細胞のいずれかに更に分化することができる。
「B細胞」という用語はまた、その表面上に、完全に再構成された、すなわち、成熟した、B細胞受容体(BCR)を提示する、任意のBリンパ球を指し得る。例えば、B細胞は、未成熟又は成熟B細胞であり得、好ましくは未感作B細胞、すなわち、当該B細胞の表面上のBCRによって特異的に認識された抗原に曝露されていないB細胞である。B細胞は、記憶B細胞、好ましくは、IgG記憶B細胞とすることができる。「B細胞」という用語はまた、B細胞の混合物を指し得る。B細胞の混合物は、混合物中のB細胞が、異なる抗原特異性を有する、すなわち、様々な抗原を認識する抗体又は完全に再構成されたBCRを産生することを意味し得る。単一B細胞の抗体又はBCRは、抗原特異性に関しても、通常同一である。
「抗体を分泌するB細胞」という用語は、好ましくは、プラズマB細胞を指す。「それらの表面上にBCRを担持するB細胞」という用語は、好ましくは、それらの原形質膜において、BCRを、好ましくは完全に再構成されたBCRを発現する、B細胞を指す。この文脈において、「BCR」は、好ましくは、単一のBCRを意味するのではなく、好ましくは、同じ抗原を有する多数のBCRを意味する。
「部分」という用語は、ほんの一部を意味する。部分は、好ましくは、エンティティ全体の少なくとも20%、少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも80%、及び最も好ましくは少なくとも90%を意味する。「相当な部分」という用語は、好ましくは、エンティティ全体の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、及び最も好ましくは少なくとも99%を指す。
「クローン性増殖」という用語は、特異的エンティティが増殖されるプロセスを指す。本発明の文脈において、当該用語は、好ましくは、リンパ球、好ましくはBリンパ球が、抗原によって刺激され、増殖し、当該抗原を認識する特異的リンパ球が増幅される、免疫学的応答の文脈において使用される。好ましくは、クローン性増殖は、リンパ球の、好ましくは、抗体を産生及び分泌するリンパ球への分化につながる。抗体を分泌するBリンパ球は、例えば、プラズマB細胞である。
「抗原」という用語は、免疫応答がそれに対して生成されるエピトープを含む物質に関する。「抗原」という用語は、具体的には、タンパク質、ペプチド、多糖、脂質、核酸、特に、RNA及びDNA、並びにヌクレオチドを含む。「抗原」という用語はまた、トランスフォーメーション(例えば、体タンパク質での完了によって、分子において中間で)を通じてのみ、抗原性(及び感作性)になる、二次物質としての誘導体化された抗原、並びに原子団(例えば、イソシアネート、ジアゾニウム塩)の人工的な組み込みを通じて、新たな構成的特異性を示す、接合抗原を含む。好ましい実施形態では、抗原は、細胞質、細胞表面、及び細胞核に由来し得る、腫瘍抗原、すなわち、がん細胞の構成物、具体的には、好ましくは、細胞内に、又は腫瘍細胞上の表面抗原として多量に産生される、それらの抗原である。例は、癌胎児性抗原、1−フェトタンパク質、イソフェリチン及び胎児スルホ糖タンパク質(sulfoglycoprotein)、a2−H−鉄タンパク質及びγ−フェトタンパク質、並びに種々のウイルス性腫瘍抗原である。更なる実施形態において、抗原は、ウイルス性リボ核タンパク質又はエンベロープタンパク質等のウイルス抗原である。具体的には、抗原又はそのペプチドは、B細胞受容体、又は抗体等の免疫グロブリン分子によって認識可能であるべきである。好ましくは、抗原は、B細胞受容体によって認識される場合、適切な共刺激シグナルの存在下で、抗原を特異的に認識するBCRを担持するB細胞のポリクローン性/クローン性増殖、及びこのようなB細胞の抗体分泌B細胞への分化を誘導することができる。抗原は、反復性機構において提示することができ、すなわち、抗原は、免疫応答がそれに対して生成されるか、又は産生される抗体に対する、1個を超える、好ましくは少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、最大6個、10個、12個以上の物質又はエピトープを含む。このような反復性抗原は、好ましくは、同じ特異性の1つを超える抗体に結合することが可能である。言い換えると、このような反復性抗原は、1つを超えるエピトープ、好ましくは同一のエピトープを含み、このため、当該エピトープを対象とする抗体を「架橋する」ことが可能である。1つを超える物質又はエピトープは、共有又は非共有結合され得、共有結合は、ペプチド結合などによる任意の化学物質のグルーピングによるものであってもよい。抗原は、抗原ペプチドの反復を含むか、又は共通のエピトープを有する異なる抗原ペプチドを含む、融合分子であり得る。1つの好ましい実施形態では、当該抗原ペプチドは、ペプチドリンカーによって結合される。
範囲:本開示を通じて、本発明の種々の態様は、範囲形式において提示され得る。範囲形式での説明は、便宜性及び簡潔性のためであるにすぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、具体的に開示された全ての可能な部分範囲、並びにその範囲内の個々の数値を有すると見なされるべきである。例えば、1〜6等の範囲の説明は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など等の具体的に開示された部分範囲、並びにその範囲内の個々の数値、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6を有すると見なされるべきである。これは、その範囲の幅にかかわらず適用される。
本明細書において教示される方法によると、対象は、有効量の薬剤が投与される。有効量及び有効な投与量という用語は、同義的に使用される。有効量という用語は、所望の生理学的応答をもたらすために必要な任意の量として定義される。薬剤を投与するための有効量及びスケジュールは、経験的に判定され得、このような判定を行うことは、当該技術分野の技術内である。投与のための投与量範囲は、疾患又は障害の1つ以上の症状が影響される(例えば、低減又は遅延される)、所望の効果をもたらすのに十分に大きいものである。投与量は、望ましくない交差反応、アナフィラキシー反応などの相当な有害な副作用を引き起こすほど大きくあるべきではない。一般的に、投与量は、年齢、状態、性別、疾患の種類、疾患若しくは障害の程度、投与経路、又は他の薬物がレジメンに含まれているかどうかと共に変動し、当業者によって判定することができる。投与量は、いずれかの禁忌がある場合には、個々の医師によって調整することができる。用量は、毎日、1日、又は数日間、変更することができ、かつ1つ以上の投与量の投与において投与することができる。指針は、所与のクラスの医薬製品に対する適切な用量に関する文献において見出すことができる。
本明細書において使用される際、処置(treatment)、処置する(treat)、又は処置している(treating)という用語は、疾患若しくは状態、又は疾患若しくは状態の症状の影響を低減する方法を指す。このため、開示される方法において、処置は、確立された疾患若しくは状態、又は疾患若しくは状態の症状の重症度の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の低減を指し得る。例えば、疾患を処置するための方法は、対照と比較して、対象における疾患の1つ以上の症状の10%の低減が存在する場合、処置とみなされる。したがって、低減は、未感作又は対照レベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%又は10%〜100%の任意の割合の低減であり得る。処置が、必ずしも、疾患、状態、又は疾患若しくは状態の症状の治癒又は完全切除を指すわけではないことが理解される。
本明細書において使用される場合、疾患又は障害を予防する(prevent)、予防している(preventing)、及び予防(prevention)という用語は、対象が疾患又は障害の1つ以上の症状を示し始める前、又はそれとほぼ同時に行われる、行為、例えば、治療薬の投与を指し、これは、疾患又は障害の1つ以上の症状の発病又は増悪を阻害又は遅延する。本明細書において使用される場合、減少、低減、又は阻害への言及は、対照レベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上の変化を含む。このような用語は、完全な排除を含むことができるが、必ずしも含まない。
(概説)
本明細書では、免疫療法としてクラミジア活性化B細胞を使用する細胞性ワクチンプラットフォーム、並びにそのプラットフォームを使用する方法が開示される。本明細書では、ロバストなB細胞活性化を誘発するChlamydia trachomatis主要外膜タンパク質(MOMP)の組換え型が開示される。これらの組換えタンパク質を使用して、クラミジア活性化B細胞(CAB)を生成することができる。参照により本明細書に組み込まれるのは、国際公開第2016/1320667号に記載されるものなどのプラットフォーム、ワクチン、及びCABの使用方法である。
本明細書には、組換え型Chlamydia trachomatis主要外膜タンパク質(MOMP)を、クラミジアに関連しない1つ以上の抗原と組み合わせて使用し、これらの抗原に対する抗体の産生及び親和性を増加させる体液性ワクチンが開示される。
具体的には、大腸菌株を、MOMPの誘導体を産生するように遺伝子操作している。一例では、天然MOMPは、C.トラコマチス株L2/434に由来する(配列番号1及び2には、それぞれ、天然MOMPの核酸及びアミノ酸配列を開示する)。しかしながら、本明細書に記載の方法に従って、任意のクラミジア外膜タンパク質を使用できることに留意されたい。例えば、MOMPは天然であるが、大腸菌由来の野生型又は改変されたシグナル配列を更に含むMOMP誘導体を提供することができる。大腸菌シグナル配列をコードしている核酸は配列番号5にあり、その対応するポリペプチド(又は糖ポリペプチド)は配列番号6にある。これらのシグナル配列は、任意のMOMP又はMOMP誘導体と共に使用できる。大腸菌シグナル配列に融合したMOMPをコードしている核酸の例は配列番号7及び9にあり、対応するアミノ酸配列は配列番号8及び10にある。
また、本明細書では、1つ以上のシステイン残基が他のアミノ酸で置換されているMOMPも開示される。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9個又はそれ以上のシステイン残基を、別のアミノ酸と置換することができる。一例では、全てのシステイン残基を別のアミノ酸と置換することができる。一例では、システイン残基の1つ以上をセリンと置換することができる。システイン残基の置換は、MOMPの発現を改善できる。
本明細書に開示されるMOMP誘導体は、例えば、遺伝子操作された大腸菌株の外膜に集合できる。適切に折り畳まれた組換えMOMPは、哺乳類B細胞の活性化能力を呈示でき、クラミジアワクチンにおいて免疫原として機能でき、体液性ワクチンにおけるアジュバントとして機能できる。
一例では、大腸菌株は、MOMP誘導体をコードしているpET23/42誘導プラスミドを保有している。これらの誘導体は、外膜におけるMOMPの輸送及び集合を最適化するように設計された組換え遺伝子によってコードされる。MOMPの内膜のSecトランスロコンへの標的化、及び成熟型へのプロセシングを最適化するために、これらの遺伝子の5’末端は、大腸菌ompA遺伝子のシグナル配列をコードすることができる。この5’末端は、本明細書に記載されるように、成熟した野生型又はシステインが少ないMOMPをコードしているクラミジアのompA遺伝子のコドン最適化部分にインフレームで融合することができる。
全MOMPタンパク質又はその断片のいずれかを、本明細書に記載される方法及びプラットフォームと共に使用することができる。当業者であれば、哺乳類B細胞の活性化に関与するクラミジアタンパク質の断片、並びに、例えば、CAB系ワクチンに必要とされる正確なエピトープを容易に同定することができる。本明細書に記載される方法及びプラットフォームは、そのような断片と共に使用することができる。加えて、MOMP誘導体を発現している全大腸菌細胞及び精製した組換えMOMPタンパク質を、上記の適用のため更なるプロセシングを行い、又は行わずに使用することができる。
本明細書に開示される核酸は、精製タグを更に含むことができる。例えば、His6タグ又はHis8タグを加え、融合タンパク質(すなわち、キメラ)の精製を可能にするために使用できる。宿主大腸菌株の外膜から折り畳まれたタンパク質を精製するために、例えば、OmpAEcのシグナル配列と成熟型MOMPCt配列(Cys含有タイプとCysが少ないタイプ)との間の接合部にタグを追加することができる。得られた成熟MOMP誘導体は、例えば、そのN末端にタグを含有することができる。宿主大腸菌株の細胞質(封入体)から折り畳まれていないタンパク質を精製するために、シグナル配列をコードしている配列を、タグが後続している開始コドンと置換することができる。折り畳まれていない成熟MOMP誘導体は、そのN末端にタグを含有し、標準的な公表されている方法を使用して精製後にリフォールディングすることができる。
また、本明細書では、MOMPの抗原性断片も開示される。例えば、本明細書では、MOMP又はその抗原性断片の使用を含むいくつかの方法及びプラットフォームが開示される。当業者は、MOMPの全配列を本明細書に開示される方法及びプラットフォームと共に使用する必要はなく、むしろ、方法及びプラットフォームでの使用を可能にする特性を示すMOMPの任意の部分を使用できることを理解するであろう。例えば、米国特許出願公開第2014/0275478(A1)号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、それ自体又は無関係の抗原(アジュバントとして使用される場合)に対する最大抗体応答のための、Chlamydia trachomatis(Ct)の表面露出断片、及びその反復部を開示している。これらの表面露出断片は、T細胞エピトープを含有し得る表面露出断片の隣接領域に広がるように延長することができる。一例は、Ct−MOMP抗原のVD1又はVD4領域の延長バージョンを提示する定義された大きな断片であり、免疫反復部において、Ctに対する抗体の高レベルの表面結合及び中和を提供する。これらの表面露出された反復部を、PMP又はOMPなどの他の表面露出された抗原の断片と組換え的に融合させることができる。活性断片はまた、クラミジアに無関係の抗原に対する抗体の誘導に使用することもできる。
本明細書に開示される配列に関して、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列について「同一」又は「同一性」パーセントは、BLAST又はBLAST2.0配列比較アルゴリズムを以下に説明するデフォルトパラメータを用いて、又はマニュアルアライメント及び目視検査(例えば、NCBIのウェブサイトなどを参照)によって測定するとき、同一であるか、又は同一のアミノ酸残基又はヌクレオチドの特定の割合を有する、2つ以上の配列又はサブ配列を指す(例えば、比較ウィンドウ、つまり指定領域全体に最大一致するように比較しアライメントするとき、指定領域において約60%の同一性、好ましくは61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性がある)。このとき、このような配列は「実質的に同一」であると言われる。この定義はまた、試験配列の相補体を指すか、又はそれに適用されてもよい。この定義はまた、欠失及び/又は付加を有する配列、並びに置換を有する配列も含む。以下に説明するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを考慮することができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約10個のアミノ酸又は20ヌクレオチドの長さの領域、より好ましくは10〜50個のアミノ酸又は20〜50ヌクレオチドの長さの領域にわたって存在する。本明細書で使用するとき、アミノ酸配列同一性パーセント(%)は、必要に応じて最大パーセントの配列同一性を得るために、配列のアライニング及びギャップの導入後に、参照配列中のアミノ酸と同一である候補配列中のアミノ酸のパーセンテージとして定義される。配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、ALIGN−2、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術の範囲内である様々な方法で達成することができる。比較される配列の全長にわたって最大アライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメータは、既知の方法によって決定することができる。
配列比較のため、典型的には、1つの配列が参照配列となり、試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用するとき、試験及び参照配列をコンピュータに入力し、サブ配列座標が指定され、必要に応じて、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。好ましくは、デフォルトのプログラムパラメータを使用することができ、又は別のパラメータを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
配列同一性パーセント及び配列類似性を決定するのに好適なアルゴリズムの一例は、それぞれAltschul et al.(1977)Nuc.Acids Res.25:3389-3402、及びAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410に記載されるBLAST及びBLAST 2.0アルゴリズムである。BLAST分析を行うソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationから公的に入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、クエリ配列における長さWの短いワードを識別することによって高スコア配列対(HSP)を同定することを含み、このワードは、データベース配列内の同じ長さのワードとアライメントしたときに、いくつかの正値閾値スコアTに一致するか、又は満たすかのいずれかである。Tは、近傍ワードスコア閾値と称される(Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410)。これらの初期近傍ワードヒットは、検索を開始するための手がかりになり、それらを含むより長いHSPを見つける。ワードヒットは、累積アライメントスコアを増加できる限り、各配列に沿って両方向に延長される。ヌクレオチド配列について、累積スコアは、パラメータM(一対のマッチ残基のリワードスコア、常に>0)及びN(ミスマッチ残基のペナルティスコア、常に<0)を用いて計算する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを使用して累積スコアを計算する。各方向におけるワードヒットの延長は、累積アライメントスコアが、その最大達成値からのX量低下したとき、累積スコアが、1つ以上の負のスコアの残基のアライメントの蓄積に起因して、ゼロ以下になったとき、あるいは、いずれかの配列の末端に到達したときに、停止される。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXは、アライメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列に対して)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)又は10、M=5、N=−4、及び両ストランドの比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長3、及び期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915参照)アライメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、及び両ストランドの比較を使用する。
また、このBLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5787参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度は、最小合計確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間のマッチが偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸と参照核酸との比較における最小合計確率が、約0.2未満、より好ましくは約0.01未満である場合、参照配列と類似していると考えられる。
また、本明細書では、B細胞活性化に関与するドメインを同定するMOMPの変化が開示され、MOMPCt変異型(例えば、Cys含有、Cysが少ないもの、タグ付き型)をコードしているプラスミドの部位特異的突然変異誘発を使用して、B細胞活性化に関与するドメインを同定するために、成熟型MOMPCt誘導体の配列を変更することができる。
したがって、本明細書では、活性化された抗原提示細胞(APC)を作製するためのプラットフォームが開示される。このプラットフォームは、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように天然に生じるMOMPが修飾されている、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド又は糖ポリペプチドと、B細胞集団と、クラミジア種に由来しない抗原と、を含む。本明細書に記載されるプラットフォームを使用して作製されたワクチンも開示される。本明細書に記載されるプラットフォームによって産生されるクラミジア活性化B細胞が、更に説明される。
本明細書では、対象から、活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞を産生するための方法が開示される。この方法は、大腸菌をプラスミドで形質転換することであって、プラスミドが、クラミジアの主要外膜(MOMP)タンパク質と、野生型又は改変されたシグナル配列の大腸菌OmpA又は他の大腸菌タンパク質とをコードする核酸を含むことによって、大腸菌が組換えMOMPを産生すること;対象のB細胞を組換えMOMPに曝露すること;及び、B細胞を所望のクラミジア種に由来しない抗原に曝露して、活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞(CAB)を得ること、を含む。
上記の方法において更に開示されるのは、
B細胞を、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている、クラミジア種の主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチドに曝露した後に;抗原である、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、又はこれらの断片を、CABに架橋する工程を追加することである。
本明細書に開示されるのは、それを必要とする対象を処置する方法であって、この方法は、対象からB細胞を得ること、B細胞をクラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチドに曝露することであって、ここで、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている、こと、B細胞を抗原に曝露することであって、抗原がクラミジア種に由来せず、これにより活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞(CAB)を得ること、及び、活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞で対象を処置すること、を含む。
この方法は、更に、B細胞を、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチドに曝露する工程の後に、抗原である、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、又はこれらの断片をCABに架橋する工程を追加することである。
更に、抗原と、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド又はその断片を含む、ワクチンが開示され、このときMOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている。
抗原と、クラミジアのタンパク質、ペプチド、若しくは炭水化物、又は全不活性化クラミジア、又はそれらの断片とは、アジュバントとして使用するために抗原に化学的に結合され得る。あるいは、抗原と、クラミジア種のタンパク質、ペプチド、若しくは炭水化物、又は全不活性化クラミジア、又はそれらの断片とは、結合せずに単に混合され得る。ナノ粒子を使用することもでき、このナノ粒子は、クラミジア種のタンパク質、ペプチド、若しくは炭水化物、又は全不活性化クラミジアでコーティングされる。クラミジア種のタンパク質、ペプチド、若しくは炭水化物、又は全不活性化クラミジア種は、ナノ粒子による投与の前に、抗原(化学的に結合されない)に結合されてもよく、又は単に抗原と混合されてもよい。
「クラミジア種に由来しない抗原」とは、抗原が、クラミジア種から得られたタンパク質、ペプチド、炭水化物、核酸、又はこれらのいずれかの断片ではないことを意味する。換言すると、抗原は、別の感染性因子などのクラミジア以外の供給源、又は腫瘍に由来する。例えば、抗原は、クラミジアのタンパク質又は核酸と90、80、70、60、50、40、30、20、又は10%未満の相同性を持つことができる。
クラミジア種のタンパク質、ペプチド、又は炭水化物(又はそれらの断片)は、所望の免疫応答を生じさせ得る任意の機能的断片であり得る。本明細書に開示されるワクチン及び方法において使用されるクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、及びC.ムリダルムを含む)は、生きていても、不活性化されていてもよく、又はクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、及びC.ムリダルムを含む)由来のタンパク質、炭水化物、若しくは断片であってもよい。クラミジア種は、既知の種の変異型であり得、かつ依然として、本明細書に開示される効果を付与する機能を保持することができる。例えば、全細菌を使用することができる(生菌は白血球に感染せず、抗生物質含有培地中で生存できない)。代替的に、不活性化された全細菌(X線若しくはガンマ線を照射した)、又は全細菌から生成された溶解物を使用することができる。別の実施形態では、特定のタンパク質、炭水化物、又はそれらの断片を使用することができる。例えば、クラミジア・トラコマチスの主要外膜タンパク質(MOMP)又はその断片を使用することができる。別の例では、不活性化C.トラコマチス基本小体(EB)又は網状体(RB)を使用することができる。当業者であれば、クラミジア種のどのタンパク質、ペプチド、若しくは炭水化物、又はそれらの断片が、所望の効果を付与するために使用することができるかを容易に判定することができる。
任意の疾患、障害、又は状態からの任意の抗原を使用することができる。例示的な抗原としては、細菌、ウイルス、寄生虫、アレルゲン、自己抗原、及び腫瘍関連抗原が挙げられるが、これらに限定されない。DNAに基づくワクチンが使用される場合、抗原は、典型的に、投与されたDNA構築物の配列によってコードされる。代替的に、抗原がコンジュゲートとして投与される場合、抗原は、典型的に、投与されたコンジュゲートに含まれるタンパク質である。具体的には、抗原は、タンパク質抗原、ペプチド、全不活性化生物などを含むことができる。
本明細書に開示されるワクチン及び方法に単一の抗原を使用してもよく、又は複数の抗原を共に使用してもよい。例としては、同じワクチン中に使用される(即ち、同時に投与される)か、又は互いの一定時間枠内で使用される、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の抗原が挙げられる。
一態様では、抗原は、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、ヒトパラインフルエンザ2型、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、野兎病、大痘瘡(天然痘)、ウイルス性出血熱、エルシニア・ペスティス(疫病)、水痘ウイルス、ブタヘルペスウイルス1、リステリア、サイトメガロウイルス、リッサウイルス、ポリオウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ジステンパーウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎、ネコ白血病ウイルス、レオウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ラッサ熱ウイルス、ポリオーマ腫瘍ウイルス、イヌパルボウイルス、乳頭腫ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、牛疫ウイルス、ヒトライノウイルス種、エンテロウイルス種、メンゴウイルス、パラミクソウイルス、トリ伝染性気管支炎ウイルス、ヒトT細胞白血病−リンパ腫ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス2、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、パルボウイルスB19(paro-virus B 19)、アデノウイルス、風疹ウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、ウシRSウイルス、コロナウイルス、ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussis)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ボルデテラ・パラパータシス(Bordetella parapertussis)、ブルセラ・アボルタス(Brucella abortis)、ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)、ブルセラ・スイス(Brucella suis)、ブルセラ・オビス(Brucella ovis)、ブルセラ種、エシェリキア・コリ(Esherichia coli)、サルモネラ種、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、連鎖球菌(Streptococci)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)、ビブリオ・パラヘモリチカス(Vibrio parahaemolyticus)、シゲラ(Shigella)、シュードモナス(Pseudomonas)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・ボビス(カルメット・ゲラン桿菌)(Mycobacterium bovis (Bacille Calmette Guerin)、マイコバクテリウム・レプレ(Mycobacterium leprae)、肺炎球菌(Pneumococci)、ブドウ球菌(Staphylococci)、エンテロバクター種、ロシャリメア・ヘンセラ(Rochalimaia henselae)、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasterurella haemolytica)、パスツレラ・マルトシダ(Pasterurella multocida)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)、ヘモフィルス(Haemophilus)種、マイコプラズマ・ボビゲニタリウム(Mycoplasma bovigenitalium、マイコプラズマ・プルモニス(Mycoplasma pulmonis)、マイコプラズマ種、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionalla pneumophila)、クロストリジウム・ボツリヌム(Colstridium botulinum)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、エルシニア・エンテロコルチカ(Yersinia entercolitica)、リケッチア・リケッチィ(Rickettsia rickettsii)、リケッチア・チフィ(Rickettsia typhi)、リケッチア・プロワツェキイ(Rickettsia prowsaekii)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、住血吸虫(Schistosomes)、トリパノソーマ(Trypanosomes)、リーシュマニア(Leishmania)種、フィラリア線虫、トリコモナス症、肉胞子虫症(Sarcosporidiasis)、無鉤条虫(Taenia saginata)、有鉤条虫(Taenia solium)、リーシュマニア(Leishmania)、トキソプラズマ・ゴンディ(Txoplasma gondii)、旋毛虫(Trichinella spiralis)、コクシジウム症(Coccidosis)、ニワトリ盲腸コクシジウム(Eimertia tanella)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ・アルビカンス(Candida albican)、アスペルギルス・フミガーツス(Apergillus fumigatus)、コクシジオイデス症(Coccidioidomycosis)、ナイセリア・ゴノレエ(Neisseria gonorrhoeae)、マラリア・サーカムスポロゾイテ(Malaria circumsporozoite)タンパク質、マラリア・メロゾイト(Malaria merozoite)タンパク質、トリパノソーマ表面抗原タンパク質、百日咳ウイルス、アルファウイルス、アデノウイルス、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、髄膜炎菌外膜タンパク質、連鎖球菌Mタンパク質、インフルエンザ血球凝集素、癌抗原、腫瘍抗原、毒素、外毒素、神経毒、サイトカイン、サイトカイン受容体、モノカイン、モノカイン受容体、植物花粉、動物のフケ、及びイエダニからなる群から選択されるか、又はこれらに由来する。他の抗原には、自己免疫状態、炎症性状態、アレルギー、ぜんそく及び移植拒絶反応と関連する抗原が挙げられる。
具体的には、本明細書に開示されるのは、HIV特異的抗体の親和性成熟の加速と、HIV特異的中和活性を有する抗体の発生との両方を促進する、HIV−1エンベロープ糖タンパク質(Env)及びクラミジアを投与するためのワクチン戦略である。
広域HIV−1中和活性を有する有効な抗体応答を生じさせるのに必要な免疫原的特性を有するEnvの開発に、多大な努力が払われてきた。しかしながら、ウイルススパイク上の保存Ab決定基が立体構造及びグリカンにより遮蔽されているため、HIV−1は中和抵抗性の高いウイルスである。したがって、Env上のより接触しやすいエピトープ領域にほとんど結合しない広域中和抗体を生じさせることは、極めて困難であり、特異的な次位決定基の選択的標的化と、親和性成熟を増大及び/又は加速させる強力なアジュバントの使用とが必要である。上記のように、クラミジアは、HIV−1又はその他微生物病原体に関連する抗原に対する親和性成熟を増大させるアジュバントとして働く実質的な能力を有する。
抗原と、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド、又はその抗原性断片を含む、キットが開示され、このときMOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されており、抗原は、クラミジア種由来ではない。
また、対象における疾患又は感染を予防する方法も開示され、この方法は、抗原を対象に投与することであって、抗原が、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体であり、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、天然に生じるMOMPが修飾されている、ことと、それにより、対象における疾患又は感染を予防することと、を含む。
このプラットフォームを使用して、末梢血又は二次リンパ器官から得られる、動物(例えば、マウス、ネコ、イヌ、及びアカゲザル)及びヒトB細胞を、様々な投与プロトコルを使用して、レシピエントに点滴するために、インビトロで活性化及び増殖させることができる。B細胞は、同じ個体(自己)から得ることができるか、若しくはそこにおいて使用することができ、又はB細胞は、1つの個体から得ることができるか、若しくは別の個体(同種異系)において使用することができる。これらの細胞は、本明細書に開示される組換えMOMPペプチドの存在下で、末梢血単核細胞又は全リンパ器官細胞調製物の培養物によってインビトロで活性化され、それらの活性化及び増殖を誘導することができ、これは、サイトカイン等の追加の因子によって更に増強される。活性化B細胞の数は、初期B細胞数から何倍も増殖させることができる。例えば、活性化B細胞の数は、対照と比較して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20倍以上、又はそれ以上増殖させることができる。これらの細胞は、外来タンパク質抗原をプロセシングすること、免疫原性ペプチドを提示すること、かつ同種異系の、未感作CD4及びCD8 T細胞、並びに未感作及び記憶抗原特異的CD8 T細胞を刺激することが可能である効率的なAPCであるということが、本明細書において示されている。更に、抗原は、それらの治療能力を増加させるために、CABに架橋することによって負荷され得る。
これらの活性化B細胞のインビボ投与は、腫瘍を拒絶し、ウイルス感染を制御することが可能な、強固なCD8 T細胞応答をプライムすることから、同族抗原での負荷のために利用可能な効率的なAPCの数を増殖させることは、自己細胞性ワクチンを産生するプロセスをより効果的にする。したがって、細胞性ワクチンプラットフォームが、腫瘍及び感染性疾患に対する免疫療法における使用のために開発されている。このプラットフォーム及び関連方法は、他の現在利用可能な細胞性ワクチンよりも侵襲性、費用、及び労働集約度が低い。
本明細書に開示されている条件下で産生されるCABは、当業者に公知の様々な技術によって、任意の所望の抗原又は抗原の組み合わせ、並びに免疫原性ペプチドと組み合わせることができる。CABは、例えば、対象に静脈内投与することができる。T細胞増殖及び活性化の大きさは、投与されるAPCの数に依存する。本明細書に開示される方法で得ることができる高い数の細胞により、高い数のCABの反復投与によって誘導されるT細胞応答は、DCの限られた数により、現在利用可能なDCの調製物によって誘導されるものを上回る。例えば、本明細書に開示されるCABは、同種腫瘍抗原又は腫瘍特異的ペプチドでパルスすることができ、マウス腫瘍負荷モデルにおいて対応する腫瘍を拒絶することが可能な腫瘍特異的CD8 T細胞応答を誘導することができる。
B細胞を活性化する開示される方法の結果として、CABは、腫瘍関連抗原等の所望の抗原をT細胞に提示するための広範なアプローチにおいて使用することができる。ヒトCABは、非常に効率的なAPCであり、ヒト同種異系未感作CD4及びCD8 T細胞の増殖を刺激する。それらはまた、ヒト及び他の動物において、ウイルス及び腫瘍抗原に特異的な自己未感作及び記憶T細胞をプライムすることができる。更に、マウスにおいて、これらのT細胞応答は、致死的なウイルス感染から救い、確立された腫瘍を退縮させることが可能である。
本明細書において使用される元のB細胞は、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、感染部位からの組織、脾臓組織、及び腫瘍を含む、いくつかの源から得ることができる。当該技術分野において利用可能な任意の数のB細胞株を、本明細書に開示されるプラットフォーム及び方法と共に使用することができる。本明細書において記載されている方法の、ある種の実施形態では、B細胞は、FICOLL(商標)(高密度溶液を調製するために使用され得る、スクロースとエピクロロヒドリンとのコポリマー)分離などの、当業者に公知の任意の数の技術を使用して、対象から採取されたある単位の血液から得ることができる。
MOMPは、任意のクラミジア種(例えば、C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア、及びC.ムリダルムを含む)由来であり得る。MOMPに加えて、CAB形成を強化するために他のタンパク質も使用され得る。例えば、クラミジア・trachomatis多形膜タンパク質(例えば、PmpA、PmpB、PmpC、PmpD、PmpE、PmpF、PmpG、PmpH、PmpI);死ドメイン関連クラミジアタンパク質(CADD);クラミジアプロテアーゼ様活性因子(CPAF);主要外膜タンパク質及びシステイン富化タンパク質(例えば、OmcA及びOmcB);クラミジア・trachomatis70−kDa熱ショックタンパク質;PulD/YscC;PorB;CTL0887;CTL0541;OprB;OMP85;CTL0645;Pal;Ef−Tu/TufA;GroEL;CopD;DnaK/HSP70;CTL0255;Hc1;CTL0850;並びにRpoB。更に、Heinzら(Comprehensive in silico Prediction and Analysis of Chlamydial Outer Membrane Proteins Reflects Evolution and Lifestyle of the Chlamydiae.BMC Genomics.2009 Dec 29;10:634)が記載しているクラミジア構成成分が開示され、使用することができる。
多数の疾患、障害、又は状態に起因する免疫原性抗原を、本明細書に記載されるプラットフォームと共に使用することができる。例示的な抗原としては、細菌、ウイルス、寄生虫、アレルゲン、自己抗原、及び腫瘍関連抗原が挙げられるが、これらに限定されない。DNAに基づくワクチンが使用される場合、抗原は、典型的に、投与されたDNA構築物の配列によってコードされる。代替的に、抗原がコンジュゲートとして投与される場合、抗原は、典型的に、投与されたコンジュゲートに含まれるタンパク質である。具体的には、抗原は、タンパク質抗原、ペプチド、全不活性化生物などを含むことができる。
使用することができる抗原の具体的な例としては、A、B、C、若しくはD型肝炎、インフルエンザウイルス、リステリア菌、ボツリヌス菌、結核、ツラレミア、大痘瘡(天然痘)、ウイルス性出血熱、ペスト菌(腺ペスト)、HIV、ヘルペス、パピローマウイルス由来抗原、及び感染性因子に関連する他の抗原が挙げられるが、これらに限定されない。他の抗原としては、自己免疫状態、炎症性状態、アレルギー、ぜんそく、及び移植拒絶反応と関連する抗原が挙げられる。抗原負荷CABは、単独で、又は疾患状態を処置するための治療的若しくは予防的ワクチンとしての使用のための、CD40アゴニスト又はTLRリガンド、具体的には抗CD40アゴニスト抗体等の他の治療薬と併せて投与することができる。別の実施例において、本明細書に開示されるCABプラットフォームは、チェックポイント阻害剤と併せて使用することができる。チェックポイント阻害剤技術の例は、国際公開第1999015157(A2)号、国際公開第2015016718(A1)号及び国際公開第2010149394(A1)号において見出すことができ、これらは、チェックポイント阻害剤に関するそれらの開示に対するそれらの全体が、本明細書に組み込まれている。他の組み合わせ療法もまた、本明細書において考察される。
一実施形態において、抗原は、腫瘍関連抗原を含むことができる。処置可能な腫瘍の例としては、以下の膵臓腫瘍、例えば、膵管腺癌;肺腫瘍、例えば、小細胞及び大細胞腺癌、扁平上皮細胞癌、並びに細気管支肺胞上皮癌;結腸腫瘍、例えば、上皮腺癌及びそれらの転移;並びに肝臓腫瘍、例えば、肝細胞種及び胆管癌が挙げられる。また、乳腺腫瘍、例えば、管状及び小葉腺癌;婦人科腫瘍、例えば、子宮頸部の扁平上皮及び腺癌、並びに子宮及び卵巣上皮腺癌;前立腺腫瘍、例えば、前立腺腺癌;膀胱腫瘍、例えば、移行扁平上皮癌;RES系の腫瘍、例えば、結節性又はびまん性B又はT細胞リンパ腫、形質細胞腫、及び急性又は慢性白血病;皮膚腫瘍、例えば、悪性黒色腫;並びに軟部腫瘍、例えば、軟部肉腫及び平滑筋肉腫も挙げられる。星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、髄芽腫、及び未分化神経外胚葉性腫瘍等の脳腫瘍が、特に関心が高い。この分類には、神経膠腫、神経膠芽腫及び膠肉腫が含まれる。
具体的には、以下の抗原は、以下の種類のがんに関連し、表1に開示されるプラットフォーム及び方法において使用することができる。
個体の免疫は、以下のうちのいずれかであり得る:個体は、組成物中に存在するある腫瘍関連抗原に対して、免疫学的に未感作であり得、この場合、当該組成物は、抗腫瘍応答の成熟を開始又は促進するために与えられ得る。個体は、現在、抗腫瘍免疫を発現していない可能性があるが、ワクチンに含まれる腫瘍関連抗原に関連する免疫学的記憶、具体的には、T細胞記憶を有し得る。この場合、当該組成物は、記憶応答を刺激するために与えられ得る。個体はまた、ワクチンに含まれる腫瘍関連抗原に対して、活性免疫(体液性若しくは細胞性免疫のいずれか又は両方)を有し得る。この場合、当該組成物は、応答を維持、強化、若しくは成熟させるために、又は免疫系の他のアームを動員させるために投与され得る。対象は、ワクチンは、内因性T細胞応答を誘導することができるように、少なくとも部分的に免疫応答性であるべきである。
別の実施形態では、抗原は、感染性因子を含むことができる。本明細書に開示されるプラットフォーム及び方法を使用して処置することができる感染性因子の例としては、インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス、及び他のヘルペスウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。他の例としては、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、サルモネラ属(Salmonella)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、プラスモジウム種(Plasmodium sp.)(マラリア)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、及びクルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)が挙げられる。具体的には、CABは、マウスに免疫付与するために、及びマウスにおいては、致死的な感染である、HSV−2(ヘルペスウイルス)による眼内感染から、それらを保護するために、使用することができることが示されている。
本明細書に開示されるCABは、同時に、又は逐次的に、1つを超える抗原に曝露又は架橋することができる。例えば、本明細書に開示されるCABは、同時に、又は逐次的に、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、若しくはそれ以上の抗原に曝露することができるか、又は異なる単一抗原を負荷したCABが、投与のために一緒に組み合わされてもよい。
本明細書に開示されるCABは、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていないB細胞の集団と比較して、著しく増殖することができる。本明細書において使用される際、B細胞の増殖は、細胞の増殖の刺激、並びにアポトーシス又は他の細胞死の予防を含む。本明細書において使用される際、「培養」及び「インキュベーション」は、細胞が、適切な添加物(フィーダ細胞、サイトカイン、アゴニスト、他の刺激分子、若しくは緩衝剤、塩、糖、血清、若しくは種々の他の構成物を含み得る培地)を伴って、ある期間、細胞培養培地において維持されることを示すために使用される。当業者は、培養又はインキュベーション時間が、適切な増殖を可能にするように、異なる細胞密度若しくは個々のサブセットの頻度を調整するように、及び研究者が細胞の使用を適切に時間調整することを可能にするように、変動してもよいことを理解するであろう。このため、正確な培養の長さは、当業者によって、経験的に判定され得る。
CABは、不活性又は静止B細胞と比較して、増加した主要組織適合性複合体(MHC)及び/又は共刺激分子発現レベルを有することができる。例えば、CABは、不活性B細胞、あるいはクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていないB細胞と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、50、60、70、90、100%高いMHC及び/又は共刺激分子発現レベルを有することができる。CABは、不活性B細胞、あるいはクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていないB細胞と比較して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍、又はそれ以上の倍数高いMHC及び共刺激分子発現レベルを有することができる。
CABは、不活性B細胞と比較して、抗原を提示し、かつT細胞を活性化させるための改善された能力を有することができる。「改善された能力」は、それらが、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていない細胞の集団と比較して、抗原を提示し、かつT細胞を活性化させるための1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、50、60、70、90、又は100%多い能力を有することを意味する。CABは、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む))又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていない細胞の集団と比較して、抗原を提示し、かつT細胞を活性化させるための2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍、又はそれ以上の能力を有することができる。
CABは、不活性B細胞、あるいはクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていないB細胞を上回る速度で、二次リンパ器官に移動することができる。例えば、CABは、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていない細胞の集団と比較したとき、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、50、60、70、90、又は100%速い速度で移動することができる。CABは、クラミジア種((C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていない細胞の集団と比較して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍、又はそれ以上である速度で移動することができる。
CABは、不活性B細胞を上回る速度で、T細胞動員を増強するために、サイトカインを分泌することができる。例えば、CABは、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていない細胞の集団と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、50、60、70、90、又は100%上回る速度でT細胞増強を動員することができる。CABは、クラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのタンパク質若しくは断片に曝露されていない細胞の集団と比較して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍、又はそれ以上の速度で、T細胞動員を増強することができる。
本明細書に開示されるCABは、それらを、B細胞活性化因子、例えば、様々なサイトカイン、成長因子、又はB細胞を活性化及び/若しくは分化させることが既知である細胞株のうちのいずれかと接触させることによって更に増強されるそれらの活性を有することができる(例えば、Fluckiger,et al.Blood 1998 92:4509-4520;Luo,et al.,Blood 2009 1 13:1422-1431を参照されたい)。かかる因子は、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、IL−34、及びIL−35、IFN−γ、IFN−α、IFN−β、IFN−δ、C型ケモカインXCL1及びXCL2、C−C型ケモカイン、及びCXC型ケモカイン、並びにTNFスーパーファミリー{例えば、TNF−a、4−1 BBリガンド、B細胞活性化因子(BLyS)、FASリガンド、sCD40L(sCD40Lの多量体型を含む;例えば、複数のsCD40L分子を一緒にグループ化するために抗ポリヒスチジンmAbと組み合わせたヒスチジンで標識された可溶性組換えCD40L)、リンホトキシン、OX40L、RANKL、TRAIL)、CpG、並びに他のToll様受容体アゴニストのメンバからなるが、これらに限定されない群から選択され得る。
一実施形態において、具体的には、CABは、フィーダ細胞に接触させることができるか、又はその上で培養することができる。他の実施形態において、本明細書において説明される培養系は、フィーダ細胞の不在下で実行することができ、フィーダ細胞を必要とする当該技術分野で既知の他の系に勝る利点を提供する。フィーダ細胞が使用され得る場合、フィーダ細胞は、間質細胞株、例えば、マウス間質細胞株S17又はMS5である。更なる実施形態では、精製されたCD19細胞は、IL−10及びIL−4などのB細胞活性化サイトカインの存在下で、CD40リガンドを発現する、線維芽細胞の存在下で培養され得る。CD40Lはまた、組織培養プレート又はビーズ等の表面に結合されて提供され得る。別の実施形態において、精製されたB細胞は、IL−10、IL−4、IL−7、p−ODN、CpG DNA、IL−2、IL−15、IL6、IFN−α、及びIFN−δから選択される1つ若しくは2つ以上のサイトカイン又は因子の存在下で、CD40Lと共に、フィーダ細胞の存在若しくは不在下で、培養され得る。
別の実施形態において、B細胞活性化因子は、CD40L及びB細胞に関するその教示に関して、その全体として参照により本明細書に組み込まれる、国際出願PCT/US2000/030426号に開示されるもの等のB細胞又は他のフィーダ細胞へのトランスフェクションによって提供され得る。この文脈において、抗体分泌細胞へのB細胞の分化を促進する1つ若しくは2つ以上の因子、及び/又は抗体産生細胞の寿命を促進する1つ若しくは2つ以上の因子が、使用され得る。かかる因子としては、例えば、Blimp−1、TRF4、Bcl−xl若しくはBcl5のような抗アポトーシス因子、又はCD40受容体の構造的活性突然変異体が挙げられる。更に、TNF受容体関連因子(TRAF)等の下流シグナル伝達分子の発現を促進する因子もまた、B細胞の活性化/分化において使用され得る。この点において、TNF受容体スーパーファミリーの細胞活性化、細胞生存、及び抗アポトーシス機能は、TRAF1−6によってほとんど媒介される(例えば、R.H.Arch,et al.,Genes Dev.12(1998),pp.2821-2830を参照されたい)。TRAFシグナル伝達の下流エフェクタとしては、細胞及び免疫機能の種々の態様に関与する遺伝子をオンにすることができる、NF−κΒ及びAP−1ファミリー内の転写因子が挙げられる。更に、NF−κΒ及びAP−1の活性化は、抗アポトーシス遺伝子の転写を介して、アポトーシスから細胞保護を提供することが示されている。
プラットフォームは、全体として、又は部分的に、エクスビボ又はインビボのどちらか一方で、実施することができる。「エクスビボ」は、自然状態の最小限の改変を伴って、生物の外側の人工的環境において、細胞又は組織内又はそれらの上で行われる方法を指す。対照的に、「インビボ」という用語は、生きている生物内でそれらの正常な無傷状態において行われる方法を指す一方、「インビトロ」方法は、その通常の生物学的状況から単離された生物の構成成分を使用して行われる。例えば、細胞は、インビボで不活性化されたクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はペプチド若しくは断片に、あるいはエクスビボで生きている若しくは不活性化されたクラミジア種(C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア及びC.ムリダルムを含む)又はそのペプチドに曝露させることができ、当該方法は、本明細書においてより詳細に説明される。増殖したB細胞は、抗原に曝露又は架橋され、そのため、それらが結果的に分化し得る。やはり、これは、インビボ又はエクスビボで行うことができる。例えば、抗原は、対象に直接注射されてもよいか、又は対象のB細胞は、増殖した、分化したB細胞と、インビトロ(エクスビボ)で修飾された抗原に曝露若しくは架橋し、次いで、対象に戻すことができる。CABは、例えば、直接的インビボ投与、エクスビボ体細胞療法、インビボ移植可能なデバイス、及びエクスビボ体外デバイスにおいて使用することができる。
処置される対象は、様々な疾患又は障害を有し得る。インビボで抗原特異性応答を誘導するために活性化B細胞を使用して処置され得る任意の疾患又は障害は、本明細書に開示される方法を使用して処置され得る。例えば、感染性疾患及びがんは、これらの方法を使用して処置され得る。
本明細書に開示されるクラミジア活性化B細胞を含むワクチンも開示される。エクスビボ免疫付与のための細胞ベースのワクチン、並びに抗原に対して指向された免疫応答を誘発するためのインビボ免疫付与のための組成物及び方法が本明細書に開示される。一実施形態において、腫瘍特異的抗原を発現するある種類のがんを有する対象が開示される。これにより、例えば、腫瘍特異的抗原を発現するがん細胞若しくは固形腫瘍の成長の遅延若しくは減退、又はがん細胞の総数若しくは総腫瘍量の低減により証明される、患者の治療結果の改善がもたらされ得る。関連実施形態において、患者は、特定の抗原、例えば、ウイルス抗原の発現に関連するウイルス感染、細菌感染、真菌感染、又は他の種類の感染に罹患していると診断されている。このワクチンにより、患者における原因となる感染性因子の成長の遅延、及び/又は典型的には特定の感染性疾患に関連する検出可能な症状の軽減若しくは排除により証明される、患者の治療結果の改善がもたらされ得る。
ワクチンが投与のために調製される場合、それは、薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と組み合わせられて、医薬製剤又は単位剤形を形成することができる。かかる製剤中の全活性成分は、製剤の0.1〜99.9重量%を含む。「薬学的に許容される」物質とは、製剤の他の成分と適合性であり、かつその受容者に有害ではない担体、希釈剤、賦形剤、及び/又は塩である。投与のための活性成分は、粉末若しくは顆粒として、溶液、懸濁液、又は乳剤として存在し得る。
発現ベクター、形質導入細胞、ポリヌクレオチド、及びポリペプチド(活性成分)が製剤化及び投与されて、活性成分と生物の身体におけるそれらの薬剤の作用部位との接触をもたらす任意の手段により様々な疾患状態を処置することができる。それらは、個別の治療活性成分として、又は治療活性成分の組み合わせでのいずれかで医薬品との併用に利用可能な任意の従来の手段によって投与され得る。それらは単独で投与され得るが、一般に、選択される投与経路及び標準の薬務に基づいて選択される薬学的担体と投与される。
一般に、水、好適な油、生理食塩水、水性ブドウ糖(グルコース)、並びに関連糖溶液及びグリコール、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールが、非経口溶液に好適な担体である。非経口投与用の溶液は、活性成分、好適な安定剤、及び必要な場合、緩衝物質を含有する。単独又は組み合わせのいずれかでの重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、又はアスコルビン酸などの酸化防止剤が、好適な安定剤である。クエン酸並びにそのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)塩及びナトリウムも使用される。加えて、非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル−又はプロピル−パラベン、及びクロロブタノールなどの防腐剤を含有し得る。好適な薬学的担体については、この分野の標準参照文章であるRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
更に、標準の薬学的方法を用いて、作用持続期間を制御することができる。これらは、当該技術分野で周知であり、放出制御調製物を含み、適切な巨大分子、例えば、ポリマー、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニル、ピロリドン、エチレンビニルアセテート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又は硫酸プロタミンを含み得る。巨大分子の濃度、並びに組み込み方法を調整して、放出を制御することができる。更に、この薬剤は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)、又はエチレンビニルアセテートコポリマーなどのポリマー物質の粒子に組み込まれ得る。組み込みに加えて、これらの薬剤を使用して、この化合物をマイクロカプセル内に捕捉することもできる。
本明細書に開示される治療薬を含有する医薬製剤は、周知の容易に入手可能な成分を使用した当該技術分野で公知の手技によって、調製され得る。治療薬は、例えば、筋肉内、皮下、又は静脈内経路により、非経口投与に適切な溶液としても製剤化され得る。治療薬の医薬製剤は、水溶液若しくは無水溶液又は分散液の形態、又は代替的に乳剤又は懸濁液の形態も採り得る。
投与される用量は、所望の治療応答、免疫応答の刺激、又は本開示の他の箇所に定義されるがんの処置をもたらすのに「有効な」量である。本発明の薬学的組成物の場合、有効用量は、典型的には、約10〜1011個の細胞の範囲内に入る。好ましくは、約10〜1010個の細胞が使用され、より好ましくは約1×10〜2×10個の細胞が使用される。所望の効果を達成するために組み合わせで使用される場合、複数の用量は各々、有効量の定義内に入る。これらの用量は、例えば、1日に複数回、又は毎日、又は2日毎に、又は3日毎に投与され得る。追加の用量が、所望の効果が達成されるまで、例えば、月1回又は週1回ベースで投与され得る。その後、かつ具体的には免疫学的又は臨床的利益が弱まっているように見えたときに、追加のブースタ又は維持用量が必要に応じて投与され得る。
細胞性ワクチンの種々の成分が「有効な組み合わせ」で存在し、これは、ワクチンが有効になるのに十分な量の成分が各々存在することを意味する。ワクチンが全体として有効である限り、任意の数の構成細胞又は他の構成物が使用され得る。これは、ワクチンを調製するために使用される方法にも依存する。
薬学的組成物は、免疫応答の発生に関連する他の療法又は対象におけるがんの処置後に、処置前に、処置の代わりに、又は処置と組み合わせて投与され得る。例えば、対象は、外科的減量、化学療法、放射線療法、チェックポイント阻害剤、並びに免疫療法及び養子移入の他の形態によって事前に又は同時に処置され得る。かかる様式が使用される場合、それらは、好ましくは、本明細書に開示される組成物の免疫原性を妨害しない方法で、又はそれを妨害しないときに用いられる。免疫応答を刺激するために、対象に別のワクチン又は他の組成物が投与されている場合もある。このような代替組成物としては、腫瘍抗原ワクチン、腫瘍抗原をコードする核酸ワクチン、抗イディオタイプワクチン、及びサイトカイン発現腫瘍細胞株を含む、他の種類の細胞性ワクチンを挙げることができる。
抗腫瘍免疫学的応答の提供を目的とする別の戦略と共に本明細書に記載の細胞性ワクチンを併用投与することを含む併用療法が、本明細書に開示される。一併用療法では、対象に、刺激された同種異系リンパ球の腫瘍内留置剤が、腫瘍から離れた部位の本明細書に開示される抗原負荷CABを含む組成物での処置前、処置中、又は処置後のいずれかに投与される。別の併用療法では、対象が、腫瘍から離れた部位の本明細書に開示される抗原負荷CABでの処置前、処置中、又は処置後のいずれかに、代替細胞性ワクチン組成物で処置される。別の併用療法では、対象に、チェックポイント阻害剤が投与される。複数の異なる組成物又は投与方法が処置過程を通して用いられる場合、処置の各要素の順序及びタイミングは、処置の免疫刺激又は抗腫瘍効果を最適化するように選択される。
様々な培養培地のうちのいずれかが、当業者に知られているであろう方法で使用され得る(例えば、John Wiley & Sons,Inc.によるCurrent Protocols in Cell Culture,2000-2009を参照されたい)。一実施形態において、本明細書に記載の方法で使用するための培地としては、改変ダルベッコ培地(ウシ胎児又は他の適切な血清を含む、若しくは含まない)が挙げられるが、これに限定されない。例示的な培地としては、IMDM、RPMI1640、AIM−V、DMEM、MEM、a−MEM、F−12、X−Vivo15及びX−Vivo20も挙げられるが、これらに限定されない。更なる実施形態において、培地は、界面活性剤、抗体、プラスマネート若しくは還元剤(例えば、N−アセチル−システイン、2−メルカプトエタノール)、又は1つ若しくは2つ以上の抗生物質を含み得る。いくつかの実施形態において、IL−2、IL−6、IL−10、可溶性CD40L、及び架橋増強剤も使用され得る。B細胞は、所望の活性化を達成するための条件下で、所望の活性化を達成するのに十分な期間培養され得る。ある種の実施形態では、B細胞は、B細胞の10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は更には100%の活性化が所望される条件下で、それに十分な期間培養される。
一例では、CABは、PBMC又は全血由来のCD4 T細胞及びB細胞を除く全ての細胞型を枯渇させるための陰性免疫磁気選択系又はRosetteSep(商標)系を使用することによって生成され得る。選択された細胞は、適切な数のCABが本明細書における方法で使用するために産生されるまで、クラミジア種及びIL−2の存在下で培養される(細胞を1〜5日毎(好ましくは、2〜3日毎)に継代培養し、これによりクラミジア種及びIL−2を含有する培地が補充される)。使用のために採取したときに、CD4 T細胞頻度のフローサイトメトリー評価を使用して、更なる免疫磁気選択が更なるCD4 T細胞枯渇に必要であるかを判定することができる。
B細胞活性化の誘導は、細胞増殖に関連したDNA合成を測定するH−チミジン組み込み又はカルボキシフルオセインスクシンイミジルエステル等の蛍光マーカを使用したフローサイトメトリーアッセイ等の技法によって測定され得る。B細胞増殖の最適測定のために、IL−2又はIL−4が適切な濃度で培養培地に添加され得る。代替的に、B細胞活性化が、免疫グロブリン分泌の関数として測定され得る。
適切な期間、例えば、2,3,4,5,6,7,8,9日間、又はそれ以上の日数(通常、約3日間)培養した後、追加量の培養培地が添加され得る。個々の培養からの上清が培養中の種々の時点で採取され、Noelle et al.,(1991)J.Immunol.146:1 1 18-1 124に記載されるようにIgM及びlgG1について定量され得る。更なる実施形態において、酵素結合免疫吸着法(ELISA)がIgM又は他の抗体アイソタイプの測定に使用され得る。ある特定の実施形態において、IgG判定が、ヤギ抗ヒトIgG等の市販の抗体を捕捉抗体として使用して行われ、続いて、ビオチン化ヤギ抗ヒトIg、ストレプトアビジンアルカリホスファターゼ、及び基質等の様々な適切な検出試薬のうちのいずれかを使用した検出が行われ得る。
一例では、異なる大腸菌株をタンパク質産生に使用することができる。例えば、CD43(DE3)/pLysS(PubMedの参照資料番号8757792)を使用することができ、IPTGによってMOMP発現を誘導することができる。
pET23/42ChOmpA上にコードされたCt−MOMPのシグナル配列はまた、内膜を横切る移動を増加させるように変更することができる。戦略としては、現在のシグナル配列(天然大腸菌OmpA由来)を別の大腸菌タンパク質のものに置換し、部位特異的突然変異により既存の配列を変更することが挙げられる。本明細書では、MOMP又はその抗原性断片を、内膜を横切る移動を増加させることができる、当業者に既知の任意のシグナル配列と共に使用することが開示される。
また、本明細書では、Ct−MOMPを産生する大腸菌株において、ペリプラズムシャペロン(SurAなど)及び折り畳み因子(Bam複合体)の産生を増加させる方法であって、この産生を増加させるプラスミド又は染色体突然変異のいずれかを誘発させることによる方法も開示される。これらの因子は当業者に既知であり、容易に入手可能である。発現を増加させるために、文献に記載されているような突然変異を含むことができる。
また、Ct−MOMPを産生する大腸菌株において天然の外膜タンパク質をコードする遺伝子を欠失させることによって、折り畳み因子に対する競合を制限する方法も開示される。標準的な遺伝的方法を使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態について説明されている。それでもなお、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の修正を加えてもよいことが理解される。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、開示される発明に属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において引用される刊行物及びそれらが引用される資料は、参照により具体的に組み込まれている。
当業者であれば、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の本発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物を理解するか、又は解明することができる。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
(配列)
配列番号1:クラミジア・トラコマチス株L2/434(GenBank:DQ064295.1)のMOMPをコードしている天然ompA遺伝子のDNA配列
下線部=MOMPのシグナル配列をコードする配列
残部=成熟MOMPをコードする配列
配列番号2:クラミジア・トラコマチスL2/434(GenBank:ABB51013.1)の天然MOMPのタンパク質配列
下線部=MOMPのシグナル配列に対応する配列
残部=成熟MOMPに対応する配列
配列番号3:クラミジア・トラコマチス株L2/434のMOMPをコードしているコドン最適化ompA遺伝子のDNA配列。
下線部=MOMPのシグナル配列をコードする配列
残部=成熟MOMPをコードする配列
配列番号4:クラミジア・トラコマチス株L2/434の成熟MOMPをコードしているコドン最適化ompA遺伝子のDNA配列。
配列番号5:外膜タンパク質OmpAのシグナル配列をコードする大腸菌ompA遺伝子のDNA配列。
配列は、大腸菌株K−12亜株MG1655のゲノム中、ompA遺伝子、遺伝子座タグb0957に由来した(GenBank:U00096.3)
配列番号6:大腸菌外膜タンパク質OmpAのシグナル配列に対応するタンパク質配列(GenBank:AAC74043.1由来)。
配列番号7:C.トラコマチス成熟MOMPに融合した大腸菌OmpAのシグナル配列をコードしているハイブリッド遺伝子(ompAEc−Ct)のDNA配列。
大腸菌OmpA(ompA遺伝子)のシグナル配列をコードするDNA配列は下線を付している。MOMPの成熟部分をコードするDNA配列は、コドン最適化された対立遺伝子に由来し、下線が引かれていない。
配列番号8:C.トラコマチス成熟MOMPに融合した大腸菌OmpAのシグナル配列をコードしているハイブリッドタンパク質OmpAEc−MOMPCt)のタンパク質配列。
(シグナル配列は下線であり、残りは成熟MOMPである)。
配列番号9:C.トラコマチスの成熟したCysが少ないMOMPに融合した大腸菌OmpAのシグナル配列をコードしているハイブリッド遺伝子(ompAΔcysEc−Ct)の配列(シグナル配列は下線であり、残りは成熟したCysが少ないMOMPである)。
配列番号7から配列を変更し、9個のCysコドン(TGC)をSerコドン(TCT)に置換した。
配列番号10:C.トラコマチスの成熟したCysが少ないMOMPに融合した大腸菌OmpAのシグナル配列をコードしているハイブリッドタンパク質遺伝子OmpAEc−MOMPΔCysCt(ompAΔcysEc−Ct)の配列(下線=シグナル配列、残部=Cysが少ないMOMP)。
配列番号11:C.トラコマチスの成熟したCysが少ないMOMP

Claims (47)

  1. クラミジア種の主要外膜タンパク質(MOMP)をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子であって、前記MOMPをコードするヌクレオチド配列が、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号9と少なくとも90%同一である、単離された核酸分子。
  2. クラミジア種の主要外膜タンパク質(MOMP)をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号9を含む、単離された核酸分子。
  3. 配列番号8、配列番号10、又は配列番号11と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、クラミジア種の単離されたMOMPポリペプチド又は糖ポリペプチド。
  4. 配列番号8、配列番号10、又は配列番号11を含む、クラミジア種の単離されたMOMPポリペプチド又は糖ポリペプチド。
  5. 前記核酸が精製タグをコードする核酸を更に含む、請求項1又は2に記載の単離された核酸。
  6. 前記精製タグがHisタグである、請求項5に記載の単離された核酸。
  7. 前記ポリペプチド又は糖ポリペプチドが精製タグを更に含む、請求項6に記載のポリペプチド又は糖ポリペプチド。
  8. 前記精製タグがHisタグである、請求項7に記載の単離された核酸。
  9. 活性化された抗原提示細胞(APC)を作製するためのプラットフォームであって、前記プラットフォームが、
    a)MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように前記天然に存在するMOMPが修飾されている、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド若しくは糖ポリペプチド又はこれらの抗原性断片と、
    b)B細胞集団と、
    c)抗原であって、抗原がクラミジア種に由来しない、抗原と、
    を含む、プラットフォーム。
  10. 前記ポリペプチドが、クラミジア由来MOMPと共には天然に存在しないシグナル配列を含む、請求項9に記載のプラットフォーム。
  11. 前記シグナル配列が大腸菌由来である、請求項10に記載のプラットフォーム。
  12. 前記シグナル配列が、配列番号6を含むアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項11に記載のプラットフォーム。
  13. MOMPが、C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア、若しくはC.ムリダルム、又は別のクラミジア種に由来し、少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように修飾されている、請求項9〜12のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
  14. 前記少なくとも1つのシステイン残基がセリン残基で置換されている、請求項9〜13のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
  15. MOMPの抗原性断片が、1つ以上のMOMPの表面露出断片を含む、請求項9〜14のいずれか一項に記載のプラットフォーム。
  16. 請求項9に記載のプラットフォームを使用して作製された、ワクチン。
  17. 請求項9に記載のプラットフォームによって産生された、クラミジア活性化B細胞。
  18. 対象において、活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞を生成する方法であって、前記方法が、
    a)主要外膜(MOMP)タンパク質の誘導体又はその抗原性断片をコードする核酸、及びシグナル配列を含み、それによって組換えMOMPを産生する、プラスミド
    を用いて細胞を形質転換すること、
    b)前記対象のB細胞を、工程a)の前記組換えMOMPに曝露すること、及び
    c)工程b)の前記B細胞を所望のクラミジア種に由来しない抗原に曝露することであって、それによって活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞(CAB)を得ること
    を含む、方法。
  19. プラスミドで形質転換された前記細胞が大腸菌である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記シグナル配列が大腸菌OmpAである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記シグナル配列が配列番号5を含む、請求項20に記載の方法。
  22. MOMPが、C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア、若しくはC.ムリダルム、又は別のクラミジア種に由来し、少なくとも1つのシステインが異なるアミノ酸で置換されるように修飾されている、請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 天然に存在するMOMPの全てのシステイン残基がセリン残基で置換されている、請求項18〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記工程a)から、前記B細胞を、MOMPを含むポリペプチドに曝露することであって、ここでMOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、前記天然に生じるMOMPが修飾されている、曝露の後に、
    抗原性である、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、又はこれらの断片を、前記CABに架橋する工程を追加する、請求項23に記載の方法。
  25. MOMPの前記抗原性断片が、1つ以上のMOMPの表面露出断片を含む、請求項18〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 請求項18〜25のいずれか一項に記載の方法によって産生される、クラミジア活性化B細胞。
  27. 処置を必要とする対象を、処置する方法であって、前記方法が、
    a)前記対象からB細胞を得ること、
    d)工程a)から、前記B細胞を、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体含むポリペプチド又はその抗原性断片に曝露すること、
    b)工程b)の前記B細胞をクラミジア種に由来しない抗原に曝露することであって、前記抗原がそれによって活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞(CAB)を得る、曝露、及び
    c)工程c)の前記活性化された抗原提示クラミジア活性化B細胞で前記対象を処置すること、
    を含む、方法。
  28. 天然に生じるMOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、前記天然に生じるMOMPの誘導体が修飾されている、請求項27に記載の方法。
  29. MOMPが、C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア、若しくはC.ムリダルム、又は別のクラミジア種に由来し、少なくとも1つのシステイン残基がセリン残基で置換されるように修飾されている、請求項27又は28に記載の方法。
  30. 前記天然に存在するMOMPの全てのシステイン残基がセリン残基で置換されている、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 工程a)から、前記B細胞を、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチドに曝露することであって、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、前記天然に生じるMOMPが修飾されている、曝露、の後に、
    タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、又はこれらの断片を、CABに架橋する工程であって、前記タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、又はこれらの断片が抗原である、工程を追加する、請求項30に記載の方法。
  32. MOMPの前記抗原性断片が、1つ以上のMOMPの表面露出断片を含む、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 抗原と、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド又はその抗原性断片と、を含む、ワクチンであって、
    MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、前記天然に生じるMOMPが修飾されており、
    前記抗原がクラミジア種由来ではない、ワクチン。
  34. MOMPが、C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア、若しくはC.ムリダルムに由来し、少なくとも1つのシステイン残基がセリン残基で置換されるように修飾されている、請求項33に記載のワクチン。
  35. 前記ポリペプチドの全てのシステイン残基がセリン残基で置換されている、請求項34に記載のワクチン。
  36. 前記ワクチンが2つ以上の抗原を含む、請求項33〜35のいずれか一項に記載のワクチン。
  37. 前記ワクチンが3つ以上の抗原を含む、請求項36に記載のワクチン。
  38. 前記抗原が感染性因子を含む、請求項33〜37のいずれか一項に記載のワクチン。
  39. 前記感染性因子がウイルスである、請求項38に記載のワクチン。
  40. 前記ウイルス感染性因子がHIVである、請求項39に記載のワクチン。
  41. 前記抗原が腫瘍関連抗原を含む、請求項33〜37のいずれか一項に記載のワクチン。
  42. 前記ワクチンが、抗原のみによって誘発される体液性免疫応答と比較して、特異的な体液性免疫(例えば、抗体親和性成熟又は同種抗原への抗体結合の強度)を増加させる、請求項33〜41のいずれか一項に記載のワクチン。
  43. 抗原と、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体を含むポリペプチド又はその抗原性断片と、を含む、キットであって、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、前記天然に生じるMOMPが修飾されており、前記抗原がクラミジア種由来ではない、キット。
  44. 対象における疾患又は感染を予防する方法であって、前記方法が、
    抗原負荷CABを前記対象に投与することであって、前記B細胞の活性化に使用した抗原が、クラミジア種の天然に存在する主要外膜タンパク質(MOMP)の誘導体又は抗原性断片であり、MOMPの少なくとも1つのシステイン残基が異なるアミノ酸で置換されるように、前記天然に生じるMOMPが修飾されている、投与と;
    それにより、前記対象における疾患又は感染を予防することと、
    を含む、方法。
  45. MOMPが、C.トラコマチス、C.シッタシ、肺炎クラミジア、若しくはC.ムリダルム由来である、請求項44に記載の方法。
  46. MOMPが、少なくとも1つのシステイン残基がセリン残基で置換されるように修飾されている、請求項44又は45に記載の方法。
  47. 前記ポリペプチドの全てのシステイン残基がセリン残基で置換されている、請求項46に記載の方法。
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