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JP2020124833A - ボトル缶及びその製造方法 - Google Patents

ボトル缶及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップ開封時の印刷剥がれ及び開封時のトルク増大を抑制できるボトル缶を提供すること。【解決手段】底部を有する円筒状の筒体の外面に印刷を施す印刷工程と、印刷工程後の筒体を加工して、円筒部に対して缶軸方向上側に向かうに従って縮径する縮径するテーパ部及びテーパ部の缶軸方向上側に缶軸に沿って延びる小径部を形成するネッキング工程と、小径部を加工して、膨出部及び雄ねじ部を有する口部を形成する口部成形工程と、を備え、印刷工程では、筒体における円筒部、テーパ部及び膨出部となる領域に対してインキを塗布し、かつ、領域における膨出部となる第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を領域における円筒部となる第2塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量より少なくする。【選択図】図1

Description

本発明は、飲料等の内容物が充填されるボトル缶及びその製造方法に関する。
飲料等の内容物が充填、密封される缶体として、缶の開口端部にキャップが装着されたボトル缶が知られている。このボトル缶は、ネッキング工程の縮径率がいわゆる2ピース缶よりも大きく、その縮径した口部に膨出部や雄ねじ部等を成形する口部形成工程が施される。このようなボトル缶において、印刷は、絞りしごき工程、トリミング工程後の底部を有する円筒状の筒体に対して行われる。
このような筒体の外面に印刷する方法として、特許文献1や特許文献2に記載された方法が知られている。
特許文献1に記載の方法は、凸版を用いた印刷法であり、凹凸のある版の凸部にインキを付けて、筒体に転写する方法である。
特許文献2に記載の方法は、水なし平版を用いた印刷法であり、画像部以外の部分のインキ反発部をシリコーン樹脂により形成し、画像部にインキを付けて、筒体に転写する方法である。
いずれの場合も、印刷版からブランケットを介して筒体にインキを転写する。
特開昭63‐162241号公報 特開2002‐36710号公報
ところで、近年、ボトル缶の意匠性を向上させる観点から、キャップに形成されたスリットの間から印刷がされていないボトル缶のアルミ地が見えることを抑制することが望まれている。
しかしながら、キャップに形成されたスリットの間からアルミ地が見えることを抑制するため、ボトル缶の口部の下端部に位置する膨出部まで、円筒部と同様に印刷を施した場合、ボトル缶の材料となるアルミニウム合金板は、圧延方向とその交差方向とで伸びが異なるため、印刷工程後のネッキング工程により膨出部のみならず、雄ねじ部にまで印刷範囲が拡大することがある。この場合、ボトル缶のねじ成型時、またはその後の工程で、塗膜がざらつき、開栓トルクが高くなるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、キャップ開封時の印刷剥がれ及び開封時のトルク増大を抑制できるボトル缶及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のボトル缶の製造方法は、底部を有する円筒状の筒体の外面に印刷を施す印刷工程と、前記印刷工程後の筒体を加工して、円筒部に対して缶軸方向上側に向かうに従って縮径するテーパ部及び該テーパ部の缶軸方向上側に缶軸に沿って延びる小径部を形成するネッキング工程と、前記小径部を加工して、膨出部及び雄ねじ部を有する口部を形成する口部成形工程と、を備え、前記印刷工程では、前記筒体における前記円筒部、前記テーパ部及び前記膨出部となる領域に対してインキを塗布し、かつ、前記領域における前記膨出部となる第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を前記領域における前記円筒部となる第2塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量より少なくする。
本発明では、口部の膨出部にインキを塗布するので、ボトル缶にキャップを装着した際に、該キャップに形成されたスリットからアルミ地が露出することを抑制できる。また、円筒部等と同様に印刷が施されているので、意匠性に優れる。
さらに、膨出部となる第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を円筒部となる第2塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量より少なくするので、膨出部の単位面積当たりのインキの塗布量が少なくなる。このため、膨出部を超えて雄ねじ部の一部に印刷面がはみ出した場合でも、このはみ出した部分の単位面積当たりのインキの塗布量が少ないので、キャップ開封時の印刷剥がれ及び開封時のトルク増大を抑制できる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい態様としては、前記印刷工程では、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域の両方に前記インキを転写する第1版と、前記第2塗布領域のみに前記インキを転写する第2版とを用いて前記筒体の外面に印刷を施すとよい。
上記態様では、第2版には、円筒部となる第2塗布領域のみにインキを転写する領域が設けられている、すなわち、第2版に第1塗布領域にインキを転写する領域が設けられていないので、これら2つの版を用いて印刷するだけで、第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を容易に少なくできる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい別の態様としては、前記印刷工程では、前記第1塗布領域に対して前記インキを転写する第1領域及び前記第2塗布領域に対して前記第1領域よりも多量の前記インキを転写する第2領域を有する1つの版を用いて前記筒体の外面に印刷を施すとよい。
上記態様では、第1領域及び第2領域を有する1つの版を用いて筒体の外面に印刷を施すことができるので、印刷工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい別の態様としては、前記印刷工程では、前記第2塗布領域に印刷される前記インキの網点密度を前記第1塗布領域に印刷される前記インキの網点密度より高くするとよい。
上記態様では、第1塗布領域及び第2塗布領域のそれぞれに印刷されるインキの網点密度を変更するだけで、第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を第2塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量よりも少なくできる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい別の態様としては、前記印刷工程では、前記第1塗布領域を網点印刷し、かつ前記第2塗布領域をベタ印刷するとよい。
上記態様では、第1塗布領域を網点印刷し、第2塗布領域をベタ印刷することで、第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を第2塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量よりも確実に少なくできる。
本発明のボトル缶の製造方法の好ましい別の態様としては、前記印刷工程では、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域の両方に前記インキを転写する第1版を用いて、前記第1塗布領域を網点印刷するとともに前記第2塗布領域をベタ印刷し、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域の両方に前記インキを転写する前記第2版を用いて、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域をベタ印刷するとよい。
上記態様では、第2塗布領域に対してベタ印刷が二回実行されるので、円筒部及びテーパ部の美観を高めることができる。また、第1塗布領域に対しては、網点印刷が実行された後、ベタ印刷が実行されるので、第1塗布領域のインキの塗布量を第2塗布領域のインキの塗布量よりも確実に少なくできる。
本発明のボトル缶は、底部に接続される円筒状の円筒部と、該円筒部の上端から缶軸方向上側に向かうに従って縮径するテーパ部と、前記テーパ部の缶軸方向上側に設けられ、径方向に膨出する膨出部及び雄ねじ部を有する口部と、を備え、前記円筒部、前記テーパ部及び前記膨出部には、インキが塗布されており、前記膨出部の前記インキの単位面積当たりの塗布量は、前記円筒部の前記インキの単位面積当たりの塗布量より少ない。
本発明では、口部の膨出部にインキが塗布されているので、ボトル缶にキャップを装着した際に、該キャップに形成されたスリットからアルミ地が露出することを抑制できる。また、円筒部等と同様に印刷が施されているので、意匠性に優れる。
さらに、膨出部の単位面積当たりのインキの塗布量が円筒部の単位面積当たりのインキの塗布量より少ないので、膨出部を超えて雄ねじ部の一部に印刷面がはみ出した場合でも、キャップ開封時の印刷剥がれ及び開封時のトルク増大を抑制できる。
本発明によれば、ボトル缶のように印刷工程の後に胴部に大きな加工が施される缶において、インキの密着性を向上させ、また印刷面の色調も合わせることができる。
本発明の一実施形態のボトル缶における製造途中の筒体の外周面に印刷を施した例を模式的に示す正面図である。 図1に示す筒体から製造したボトル缶とキャップとを示す正面図である。 上記実施形態のボトル缶の製造工程を(a)〜(c)の順に示す図であり、(a)及び(b)が缶軸を通る縦断面図、(c)が正面図である。 筒体の外周面に印刷を施すための印刷機の概略構成を示す模式図である。 上記実施形態の変形例を模式的に示す正面図であり、その左側に印刷層の網点密度分布を示している。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の製造方法により製造されるボトル缶101は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、図2に示すように、筒状の胴部10とドーム状をなす底部20とを備える有底円筒状に形成されている。また、胴部10は、底部20側において円筒状に形成された円筒部11と、円筒部11の上端で径方向内方に屈曲するように縮径された肩部12と、缶軸C方向の上方(開口部10a側)に向けて漸次縮径するテーパ部13と、テーパ部13の上端に形成された口部15と、を備える。口部15の外周部には、径方向外側に向けて膨出する帯状の膨出部151と、膨出部151の缶軸C方向の上方に位置する雄ねじ部152とが形成されている。この膨出部151は、キャップ102の裾を巻き締めるために用いられる。
なお、本実施形態のボトル缶101は、胴部10における円筒部11の外径D1が公称径で211径缶に用いられるものであるが、これに限定されるものではなく、それ以外の例えば204径缶等に適用してもよい。口部15のねじ外径は例えば38mmに形成される。また、テーパ部13と円筒部11の缶軸Cとがなす角度(傾斜角度)をαとすると、傾斜角度θは例えば10°以上41°以下に設けられる。
このボトル缶101は、口部15にキャップ102を被せて、そのキャップ102を口部15の雄ねじ部152に倣うようにねじ加工することにより、内部が密封される。なお、キャップ102の裾が膨出部151に巻き締められ、キャップ102がボトル缶101に装着されると、膨出部151はキャップ102により覆われ、かつ、キャップ102に形成されたスリットから膨出部151の一部が外部から視認可能な状態となる。
このボトル缶101を製造するには、まず、アルミニウム板材を打ち抜いて絞り加工することにより、図3(a)に示すように比較的大径で浅いカップ31を成形する(カップ成形工程)。その後、このカップ31に再度の絞り加工及びしごき加工(DI加工)を加えて同図(b)に示すように所定高さの有底円筒状の筒体32を成形する(絞りしごき工程(DI工程))。この絞りしごき加工により、筒体32の上端部に耳部が発生するので、上端部をトリミングして、高さを周方向に揃えた状態とする(トリミング工程)。この絞りしごき工程により、筒体32の底部は最終のボトル缶101としての底部20の形状に成形される。
次いで、筒体32を脱脂及び化成処理した後、印刷機50に供給して、外周面32aに印刷を施すとともに、その印刷層33を含む外周面32a全体に透明な塗膜(オーバーコート又は仕上げニス)を形成し、塗装後の筒体32をオーブン内に通して印刷層33及び塗膜を焼き付け、乾燥する(外面印刷塗装工程)。図1が印刷・塗装後の筒体32を示しているが、便宜上、印刷層33のみ符号を付して示している。印刷層33の下の下地層及び印刷層33の上の塗膜はいずれも印刷層33よりも広い面積で形成される。
下地塗装は、筒体32と印刷層33との密着性を高めるために形成され、例えば高分子ポリエステル‐アミノ樹脂系塗料を塗布することにより形成される。透明な塗料による下地塗装もあるが、チタンホワイト等の白色顔料を添加したホワイトコートによる下地塗装もある。
印刷機50は、図4に示すようにインキ付着機構60と缶移動機構70とを備えている。インキ付着機構60は、色毎のインキを供給する複数のインカーユニット61と、各インカーユニット61の印刷版胴62に接触してインキを写し取った後、筒体32に接触してインキを筒体32の外周面32aに転写するブランケット胴63とから構成されている。印刷版胴62の外周面には、筒体32に印刷される図柄に応じた凸版が形成されている。ブランケット胴63はその外周に各印刷版胴62の凸版よりインキが転写される複数のブランケット64を備えている。
一方、缶移動機構70は、筒体32を取り入れる供給シュータ71と、この供給シュータ71から供給された筒体32を回転自在に保持する複数のマンドレル72と、このマンドレル72に装着された筒体32を順次インキ付着機構60のブランケット胴63側に移動させるマンドレルターレット73とを備えており、印刷後の筒体32は、マンドレル72からチェーンコンベア(図示略)に渡されてオーブン(図示略)に搬送される。また、マンドレルターレット73において、印刷後の筒体32を移送する途中位置に、筒体32の外面に塗膜を形成するためのロールコーター75が設けられている。
そして、ブランケット胴63の各ブランケット64に、各インカーユニット61の印刷版胴62から各色のインキが図柄パターンとして順次転写され、そのブランケット64に、マンドレル72により内側から支持された筒体32が接触して転動することにより、筒体32の外周面32aに印刷される。印刷後、ロールコーター75によって印刷層を含む外周面32a全体に樹脂塗膜のオーバーコートが形成される。印刷・外面塗装後の筒体32は、乾燥・焼き付け処理される。
印刷層の上に形成される塗膜は、印刷層の表面を保護し滑り性を向上させるためのもので、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂等の透明塗料が用いられる。
次いで、筒体32の内周面にスプレー等により塗料を吹き付けて内面塗装を行い、焼き付け、乾燥する(内面塗装工程)。
その後、筒体32の上端部を成形して、図3(c)に示すように、下側部分をそのまま円筒部11とし、円筒部11より上方部分を縮径して肩部12及びテーパ部13、その上方に小径部18を形成する(ネッキング工程)。このネッキング工程により、外形がボトル形状の缶(ボトル形状缶35とする)となり、円筒部11からテーパ部13までの胴部10は最終形状となる。最後に、このボトル形状缶35の小径部18に膨出部151及び雄ねじ部152等を有する口部15を形成する(口部成形工程)。
この一連の製造工程における外面塗装工程では、筒体32の外周面32aのうち口部15の膨出部151となる部分及び胴部10となる外周面32aに印刷層33及び塗膜を焼き付け、乾燥させる。すなわち、口部15の膨出部151にインキを塗布するので、ボトル缶101にキャップ102を装着した際に、該キャップ102に形成されたスリットからアルミ地が露出することを抑制できる。
ここで、口部15の膨出部151となる部分に胴部10(円筒部11)となる部分と同じ量のインキを塗布すると、ボトル缶101の材料となるアルミニウム合金板は、圧延方向とその交差方向とで伸びが異なるため、外面塗装工程後のネッキング工程により膨出部151のみならず、雄ねじ部152にまで印刷範囲が拡大することがある。この場合、ボトル缶101のねじ成型時、またはその後の工程で、塗膜がざらつき、開栓トルクが高くなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、外面印刷塗装工程における塗布量を調整する。
図1は、外面印刷塗装工程後の筒体32の外面を示しており、印刷層33a,33bは、底部20からわずかな部分を残し、胴部10となる領域(第2塗布領域10aとする)と、口部15の膨出部151となる領域(第1塗布領域151aとする)とに形成される。開口端部付近は、口部15の雄ねじ部152となる領域(雄ねじ部予定領域152aとする)である。
そして、外面印刷塗装工程では、筒体32において第2塗布領域10aよりも第1塗布領域151aの単位面積当たりの塗布量を少なくする。外面の印刷層において、第1塗布領域151aに施される印刷層を第1印刷層33b、第2塗布領域10aに施される印刷層を第2印刷層33aとする。
筒体32への印刷はオフセット印刷形式が採用されており、前述したように、色毎に設けた印刷版胴62に各色のインキを付着させ、これら印刷版胴62から一旦ブランケット64に順次転写してから、そのブランケット64から筒体32に転写する。その印刷版胴62としては、凸版又は水なし平版が用いられ、印刷画像は、凸版の凸部や水なし平板の画線部による多数の網点により構成される。
そして、第1塗布領域151aと第2塗布領域10aとでインキの塗布量を異ならせる方法としては、網点の密度(スクリーン線数)を異ならせ、第1塗布領域151aの第1印刷層33bにおける網点の密度(単位面積当たりの塗布量)を第2塗布領域の第2印刷層33aにおける網点の密度より小さくする。
例えば、網点としては、スクリーン線数は80線〜175線、網点の最小直径は38μmが可能とすると、第2塗布領域10aの第2印刷層33aと第1塗布領域151aの第1印刷層33bとで同じ網点直径でスクリーン線数を異ならせ、第1塗布領域151aの第1印刷層33bで網点密度が小さくなるように設定する、あるいは、スクリーン線数は同じで網点直径を異ならせ、第1塗布領域151aの第1印刷層33bで網点密度が小さくなるように設定する、等の方法が可能である。あるいは、スクリーン線数及び網点直径の両方を異ならせ、第1塗布領域151aの第1印刷層33bでスクリーン線数を少なくしかつ網点直径を小さくしてもよい。
なお、網点密度としては、第2塗布領域10aの第2印刷層33aを100%、第1塗布領域151aの第1印刷層33bを100%未満〜60%の範囲で網点印刷の密度を小さくする。あるいは、第2印刷層33aを特定密度の網点印刷とし、第1印刷層33bを第2印刷層33aにおける網点密度より小さい密度の網点印刷とする。
上記実施形態では、口部15の膨出部151にインキを塗布するので、ボトル缶101にキャップ102を装着した際に、該キャップ102に形成されたスリットからアルミ地が露出することを抑制できる。また、円筒部11等と同様に印刷が施されているので、意匠性に優れる。さらに、膨出部151となる第1塗布領域151aの単位面積当たりのインキの塗布量を胴部10(円筒部11)となる第2塗布領域10aの単位面積当たりのインキの塗布量より少なくするので、膨出部151の単位面積当たりのインキの塗布量が少なくなる。このため、膨出部151を超えて雄ねじ部152の一部に印刷面がはみ出した場合でも、このはみ出した部分の単位面積当たりのインキの塗布量が少ないので、キャップ102の開封時の印刷剥がれ及び開封時のトルク増大を抑制できる。
また、印刷工程(外面塗装工程)では、第1塗布領域151aに対してインキを転写する第1領域及び第2塗布領域10aに対して第1領域よりも多量のインキを転写する第2領域を有する1つの版を用いて筒体32の外面に印刷を施すので、第1領域及び第2領域を有する1つの版(実際には、YMCKの4つの版)を用いて筒体32の外面に印刷を施すことができるので、印刷工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
さらに、第2塗布領域10aに印刷されるインキの網点密度を第1塗布領域151aに印刷されるインキの網点密度より高くするので、第1塗布領域151a及び第2塗布領域10aのそれぞれに印刷されるインキの網点密度を変更するだけで、第1塗布領域151aの単位面積当たりのインキの塗布量を第2塗布領域10aの単位面積当たりのインキの塗布量よりも少なくできる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、円筒部11及びテーパ部13を含む胴部10となる領域を第2塗布領域10aとしたが、これに限らず、例えば、第2塗布領域10aを、円筒部11となる領域を第3塗布領域11aとテーパ部13となる領域を第4塗布領域13aとの2つに分けることとしてもよい。この場合、第4塗布領域13aについては、グラデーションとしてもよい。
すなわち、上記一連の製造工程において、ネッキング工程では、胴部10の円筒部11より上方部分が大きく縮径加工されて肩部12及びテーパ部13が形成される。このため、その前工程の外面印刷塗装工程において形成した印刷層が肩部12からテーパ部13においては周方向に圧縮され、ネッキング工程前よりも厚肉となる。言い換えると、単位面積当たりのインキの塗布量がネッキング工程前よりも多くなる。このため、肩部12からテーパ部13においては、ネッキング工程前の状態よりもインキが厚肉になり、加工による歪みも残存するので、クラックや剥離が生じやすい。
そこで、このネッキング工程後の印刷層33が円筒部11と肩部12及びテーパ部13とで単位面積当たりのインキの塗布量がほぼ同じとなるように、外面印刷塗装工程における塗布量を調整してもよい。
本変形例では、網点直径やスクリーン線数を異ならせて網点密度を変える場合、ネッキング工程において、肩部12からテーパ部13の縮径率が、円筒部11との境界から口部15に向けて漸次大きくなるので、その縮径率の増大に合わせるように、網点直径とスクリーン線数のいずれか、またはその両方を連続的に変化させて、筒体32における網点の密度を成形後に円筒部となる第3塗布領域11aとの境界から第1塗布領域151aに向けて漸次小さくするようにしている。
例えば、図5に示すように、第3塗布領域11aの第3印刷層33cを密度100%のベタ印刷で、成形後にテーパ部13となる第4塗布領域13aの第4印刷層33dは第3塗布領域11aとの境界から第1塗布領域151aに向かうにしたがって漸次網点密度を小さくして第4塗布領域13aの缶軸方向上側の先端で密度60%となるように設定する、などの形態が可能である。図5では、網点密度を第3塗布領域11aとの境界から第1塗布領域151aに向かうにしたがって段階的に小さくしているが、連続的(直線的)に小さくしてもよい。
このようにして第3塗布領域11aと第4塗布領域13aとで網点密度を変えて印刷した筒体32をネッキング工程でネッキング加工すると、円筒部11とテーパ部13との印刷層33における濃度や色調を合わせることができるとともに、テーパ部13において印刷層33が厚肉になることを抑制し、その後の内容物充填、レトルト殺菌等を経た後の印刷面のクラックの発生等を抑制することができる。
上記実施形態の印刷工程(外面塗装工程)では、第1塗布領域151a及び第2塗布領域10aの両方にインキを転写する第1版と、第2塗布領域10aのみにインキを転写する第2版とを用いて筒体32の外面に印刷を施すこととしてもよい。この場合、第2版に第1塗布領域151aにインキを転写する領域が設けられていないので、これら2つの版を用いて印刷するだけで、第1塗布領域151aの単位面積当たりのインキの塗布量を第2塗布領域10aに比べて容易に少なくできる。
また、上記実施形態では、第1塗布領域151a及び第2塗布領域10aの網点密度を異ならせることにより、第1塗布領域151aのインクの塗布量を第2塗布領域10aのインクの塗布量より少なくすることとしたが、これに限らず、例えば、第1塗布領域151aを網点印刷し、第2塗布領域10aをベタ印刷することとしてもよい。
また、印刷工程において、第1塗布領域151a及び第2塗布領域10aの両方にインキを転写する第1版を用いて第1塗布領域151aに網点印刷するとともに第2塗布領域10aをベタ印刷し、第1塗布領域151a及び第2塗布領域10aの両方にインキを転写する第2版を用いて、第1塗布領域151a及び第2塗布領域10aをベタ印刷することとしてもよい。この場合、第2塗布領域10aに対してベタ印刷が二回実行されるので、円筒部11及びテーパ部13の美観を高めることができる。また、第1塗布領域151aに対しては、網点印刷が実行された後、ベタ印刷が実行されるので、第1塗布領域151aのインキの塗布量を第2塗布領域10aのインキの塗布量よりも確実に少なくできる。
また、ボトル缶101として、予め一体成型された有底円筒状の筒体を形成して、その外面に印刷したが、筒体は一体成型された底部を有していないものも含むものとし、筒体に、別に形成した底部を巻き締めるようにしてもよい。
また、印刷前に、筒体32の外周面32aにベースコートやサイズコート塗装を施してもよい。
10 胴部
10a 第2塗布領域
11 円筒部
11a 第3塗布領域(第2塗布領域)
12 肩部
13 テーパ部
13a 第4塗布領域(第2塗布領域)
15 口部
151 膨出部
152 雄ねじ部
151a 第1塗布領域
18 小径部
20 底部
31 カップ
32 筒体
32a 外周面
33 印刷層
33a 第2印刷層
33b 第1印刷層
33c 第3印刷層
33d 第4印刷層
35 ボトル形状缶 50 印刷機
60 インキ付着機構
61 インカーユニット
62 印刷版胴
63 ブランケット胴
64 ブランケット
72 マンドレル
73 マンドレルターレット
75 ロールコーター
101 ボトル缶
102 キャップ

Claims (7)

  1. 底部を有する円筒状の筒体の外面に印刷を施す印刷工程と、前記印刷工程後の筒体を加工して、円筒部に対して缶軸方向上側に向かうに従って縮径するテーパ部及び該テーパ部の缶軸方向上側に缶軸に沿って延びる小径部を形成するネッキング工程と、前記小径部を加工して、膨出部及び雄ねじ部を有する口部を形成する口部成形工程と、を備え、
    前記印刷工程では、前記筒体における前記円筒部、前記テーパ部及び前記膨出部となる領域に対してインキを塗布し、かつ、前記領域における前記膨出部となる第1塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量を前記領域における前記円筒部となる第2塗布領域の単位面積当たりのインキの塗布量より少なくすることを特徴とするボトル缶の製造方法。
  2. 前記印刷工程では、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域の両方に前記インキを転写する第1版と、前記第2塗布領域のみに前記インキを転写する第2版とを用いて前記筒体の外面に印刷を施すことを特徴とする請求項1に記載のボトル缶の製造方法。
  3. 前記印刷工程では、前記第1塗布領域に対して前記インキを転写する第1領域及び前記第2塗布領域に対して前記第1領域よりも多量の前記インキを転写する第2領域を有する1つの版を用いて前記筒体の外面に印刷を施すことを特徴とする請求項1に記載のボトル缶の製造方法。
  4. 前記印刷工程では、前記第2塗布領域に印刷される前記インキの網点密度を前記第1塗布領域に印刷される前記インキの網点密度より高くすることを特徴とする請求項1に記載のボトル缶の製造方法。
  5. 前記印刷工程では、前記第1塗布領域を網点印刷し、かつ前記第2塗布領域をベタ印刷することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボトル缶の製造方法。
  6. 前記印刷工程では、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域の両方に前記インキを転写する第1版を用いて、前記第1塗布領域を網点印刷するとともに前記第2塗布領域をベタ印刷し、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域の両方に前記インキを転写する第2版を用いて、前記第1塗布領域及び前記第2塗布領域をベタ印刷することを特徴とする請求項1に記載のボトル缶の製造方法。
  7. 底部に接続される円筒状の円筒部と、該円筒部の上端から缶軸方向上側に向かうに従って縮径するテーパ部と、前記テーパ部の缶軸方向上側に設けられ、径方向に膨出する膨出部及び雄ねじ部を有する口部と、を備え、
    前記円筒部、前記テーパ部及び前記膨出部には、インキが塗布されており、
    前記膨出部の前記インキの単位面積当たりの塗布量は、前記円筒部の前記インキの単位面積当たりの塗布量より少ないことを特徴とするボトル缶。
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