JP2020124739A - 両面摩擦攪拌接合方法および両面摩擦攪拌接合装置 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 対向する一対の回転ツールを少なくとも2枚以上の鋼板の未接合部の表面側と裏面側にそれぞれ配置し、前記未接合部に前記回転ツールを押圧し、前記回転ツールを回転駆動装置により互いに逆方向に回転させながら接合方向に移動することにより、鋼板同士を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合方法であって、
前記回転ツールの肩部およびピン部は、回転軸を共有し、かつ前記鋼板よりも硬い材質であり、
前記回転ツールの一方の接合方向前方に設けられた加熱装置により加熱された前記鋼板の表面側の領域を加熱領域としたとき、加熱する際に、
前記加熱領域における、鋼板表面温度TP(℃)が式(1)〜式(3)を満たし、対向する前記肩部の隙間G(mm)と前記鋼板の厚さt(mm)が式(5)を満たすように制御し、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする両面摩擦撹拌接合方法。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
0.4×t≦G≦t ・・・(5)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置、
D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。
[2] 対向する一対の回転ツールを少なくとも2枚以上の鋼板の未接合部の表面側と裏面側にそれぞれ配置し、前記未接合部に前記回転ツールを押圧し、前記回転ツールを回転駆動装置により互いに逆方向に回転させながら接合方向に移動することにより、鋼板同士を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合方法であって、
前記回転ツールの肩部およびピン部は、回転軸を共有し、かつ前記鋼板よりも硬い材質であり、
前記回転軸は、前記鋼板に対して鉛直方向から接合方向に傾斜させた傾斜角度αが0°<α≦3°であり、
前記回転ツールの一方の接合方向前方に設けられた加熱装置により加熱された前記鋼板の表面側の領域を加熱領域としたとき、加熱する際に、
前記加熱領域における、鋼板表面温度TP(℃)が式(1)〜式(3)を満たし、対向する前記肩部の隙間G(mm)、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)が、式(6)を満たすように制御し、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする両面摩擦撹拌接合方法。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
(0.4×t)−(0.2×D×sinα)≦G≦t−(0.2×D×sinα) ・・・(6)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置、
D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。
[3] 前記回転ツールの接合方向後方に設けた冷却装置および/または後方加熱装置を用いて、前記摩擦撹拌接合後、さらに、処理1〜処理4のいずれか1つを行うことを特徴とする[1]または[2]に記載の両面摩擦撹拌接合方法。
(処理1)前記接合部を冷却する。
(処理2)前記接合部を再加熱する。
(処理3)前記接合部を冷却した後、前記接合部を再加熱する。
(処理4)前記接合部を再加熱した後、前記接合部を冷却する。
[4] 前記肩部の直径D(mm)が、前記鋼板の厚さt(mm)に対して式(7)を満たすことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一つに記載の両面摩擦撹拌接合方法。
4×t≦D≦20×t ・・・(7)
[5] 対向する前記ピン部の隙間g(mm)が、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)に対して式(8)を満たすことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一つに記載の両面摩擦撹拌接合方法。
0<g≦[1−0.9×exp{-0.011×(D/t)2}]×t ・・・(8)
[6] 前記加熱装置が高周波誘導加熱装置であり、該加熱装置の使用周波数を20kHz以上360kHz以下とすることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一つに記載の両面摩擦攪拌接合方法。
[7] 少なくとも2枚以上の鋼板を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合装置であって、
肩部および該肩部と回転軸を共有するピン部を有し、該肩部および該ピン部を前記鋼板よりも硬い材質で形成した一対の回転ツールと、
前記回転ツールを互いに逆方向に回転させる回転駆動装置と、
前記回転ツールの一方の接合方向前方に設け、前記鋼板の表面を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置および前記回転ツールを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記加熱装置により加熱された前記鋼板の表面側の領域を加熱領域としたとき、
前記加熱領域における、鋼板表面温度TP(℃)が式(1)〜式(3)を満たし、対向する前記肩部の隙間G(mm)と前記鋼板の厚さt(mm)が式(5)を満たすように制御して、少なくとも2枚以上の鋼板の摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする両面摩擦撹拌接合装置。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
0.4×t≦G≦t ・・・(5)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置、
D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。
[8] 前記制御部は、前記回転ツールの回転軸を前記鋼板に対して鉛直方向から接合方向に傾斜させた傾斜角度αが0°<α≦3°を満たすとき、
対向する前記肩部の隙間G(mm)、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)が、前記式(5)に変えて、式(6)を満たすように制御することを特徴とする請求項7に記載の両面摩擦撹拌接合装置。
(0.4×t)−(0.2×D×sinα)≦G≦t−(0.2×D×sinα) ・・・(6)
ここで、D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。
[9] さらに、前記回転ツールの接合方向後方に冷却装置および後方加熱装置を備え、冷却装置および/または後方加熱装置を用いて処理1〜処理4のいずれか1つを行うことを特徴とする[7]または[8]に記載の両面摩擦撹拌接合装置。
(処理1)前記接合部を冷却する。
(処理2)前記接合部を再加熱する。
(処理3)前記接合部を冷却した後、前記接合部を再加熱する。
(処理4)前記接合部を再加熱した後、前記接合部を冷却する。
[10] 前記回転ツールは、前記肩部の直径D(mm)が前記鋼板の厚さt(mm)に対して式(7)を満たすことを特徴とする[7]〜[9]のいずれか一つに記載の両面摩擦撹拌接合装置。
4×t≦D≦20×t ・・・(7)
[11] 前記回転ツールは、対向する前記ピン部の隙間g(mm)が、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)に対して式(8)を満たすことを特徴とする[7]〜[10]のいずれか一つに記載の両面摩擦撹拌接合装置。
0<g≦[1−0.9×exp{-0.011×(D/t)2}]×t ・・・(8)
[12] 前記加熱装置が高周波誘導加熱装置であり、該加熱装置の使用周波数を20kHz以上360kHz以下とすることを特徴とする[7]〜[11]のいずれか一つに記載の両面摩擦攪拌接合装置。
0.4×t≦G≦t ・・・(5)
その結果、互いに対向する回転ツール1、8の肩部5、9が鋼板3の表面側および裏面側に十分な荷重で押圧されるため、回転ツール1、8の肩部5、9による摩擦とせん断方向への塑性変形により、発熱と塑性流動が促進される。これより、鋼板3の厚さ方向に対して均質的に塑性流動が促進され、良好な接合状態を達成することができる。
(0.4×t)−(0.2×D×sinα)≦G≦t−(0.2×D×sinα) ・・・(6)
肩部5、9間の隙間Gが、((0.4×t)−(0.2×D×sinα))未満では、接合部4の表面と裏面が凹形となり接合継手強度に悪影響を及ぼす。一方、肩部5、9間の隙間Gが、(t−(0.2×D×sinα))超えでは、回転ツール1、8の肩部5、9が鋼板3の表面側および裏面側に十分な荷重で押圧することができず、上記の効果が得られない。したがって、傾斜角度が0°<α≦3°の場合には、肩部間の隙間Gを((0.4×t)−(0.2×D×sinα))以上(t−(0.2×D×sinα))以下とする必要がある。好ましくは、(0.5×t)−(0.2×D×sinα)≦G≦t−(0.2×D×sinα)とする。
なお、重ね接合の場合も同様の効果は得られる。重ね接合の場合には、式(6)中のtは鋼板3の総厚さt(mm)を示す。
4×t≦D≦20×t ・・・(7)
なお、式(7)中の鋼板の厚さtは、突合せ接合においては鋼板3の厚さt(mm)を示し、重ね接合においては重ね合せた鋼板3の総厚さt(mm)を示す。
上記した効果、すなわち鋼板3の厚さ方向に対して均質的に温度上昇とせん断応力を得て、接合時における欠陥発生を抑制しつつ接合速度の高速度化を達成する効果を、より有効に得ることができる。
0<g≦[1−0.9×exp{-0.011×(D/t)2}]×t ・・・(8)
なお、式(8)中の鋼板の厚さtは、突合せ接合の場合には鋼板3の厚さを示し、重ね接合の場合には鋼板3の総板厚さを示す。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置を示す。
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲(加熱領域I)における鋼板の表面温度TP:100≦TP≦1200・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲(加熱領域J)における鋼板の表面温度TP:40≦TP≦1200・・・(3)
上述のように、温度の上昇と共に鋼板3の強度は低下する傾向がある。そのため、加熱領域H、I、Jにおける鋼板3の表面温度TPが上昇し過ぎないように調節することが必要である。具体的には、鋼板3の厚さ方向へ加熱領域を確保するには、加熱領域の鋼板表面に温度勾配(表面における温度のばらつき)が存在していても本発明の効果は得られるが、その場合には、加熱領域において鋼板3の最も高い表面温度は1200℃以下とする。これにより、接合部4の温度が過度に上昇することに起因して、一対の回転ツール1、8が損傷することや、加熱領域の周辺でのミクロ組織が変質することを抑えることができる。
一方、加熱領域において鋼板3の最も低い表面温度は40℃以上とする。これにより、塑性流動を良好に確保できる。
例えば、図2に示す例では、回転ツール1の接合方向Pの後方に設けた冷却装置14により、接合部4を冷却する。この場合には、例えば、800〜500℃の温度範囲における平均冷却速度を30〜300℃/sとすることが好ましい。平均冷却速度が30℃/s未満では、焼き入れによる強度向上が見込めず、接合継手の強度が十分に得られない恐れがある。一方、平均冷却速度が300℃/s超えでは、硬質な組織が形成し靱性が低下してしまう恐れがある。
例えば、図2に示す例では、回転ツール1の接合方向Pの後方に設けた後方加熱装置15により、接合部4を再加熱する。この場合には、例えば、後方加熱装置15の再加熱を制御することにより、800〜500℃の温度範囲における平均冷却速度を10〜30℃/sとすることが好ましい。800〜500℃を外れた温度範囲では冷却速度の適切な制御による組織の改善が十分に得られない。平均冷却速度が10℃/s未満では、接合継手の強度の向上が得られない恐れがある。一方、平均冷却速度が30℃/s超えでは、硬質な組織が形成し、靱性が低下してしまう恐れがある。
例えば、図2に示す例では、回転ツール1の接合方向Pの後方に設けた冷却装置14により接合部4を冷却した後、該冷却装置14の接合方向Pの後方に設けた後方加熱装置15により接合部4を再加熱する。これにより、接合部4が冷却装置14による冷却で焼入れされて過度に硬化しても、後方加熱装置15で焼き戻しすることにより高度を抑え、強度と靭性を併せ持つ継手特性を得ることができる。この場合には、例えば、冷却装置14は800〜500℃の温度範囲における平均冷却速度を30〜300℃/sとすることが好ましく、後方加熱装置15は再加熱の温度範囲を550〜650℃とすることが好ましい。
例えば、図示はしないが、回転ツール1の接合方向Pの後方で、かつ冷却装置14の接合方向Pの前方(すなわち、回転ツール1と冷却装置14の間)に設けた後方加熱装置15により接合部4を再加熱した後、該冷却装置14により接合部4を冷却する。このように、接合直後に、接合部4を後方加熱装置15で再加熱して冷却速度を適切に制御し、その後、冷却装置14で冷却を行うことで、ミクロ組織を複合化でき、強度と延性を併せ持つ継手特性を得ることができる。この場合には、例えば、後方加熱装置15の再加熱により800〜600℃の温度範囲における平均冷却速度を0〜30℃/sとし、その後、冷却装置14は600〜400℃の温度範囲における平均冷却速度を30〜300℃/sとすることが好ましい。
表面欠陥の評価は、接合した継手の外観観察により行った。観察には、得られた接合継手の接合速度が表2−1および表2−2の「接合速度」に記載の値となった部位を用いた。表面欠陥の有無は、塑性流動不足により溝状の未接合状態、もしくは過度な塑性流動によるバリの発生が見られるか否かを目視で判定する。評価は、以下に示す基準で行った。なお、ここでは、表面欠陥の有無は得られた継手の外観を目視で観察し、一部でも未接合部があれば有りとしている。
・無し:上記に記載の表面欠陥がいずれも見られない。
・有り:上記に記載の表面欠陥のいずれかが見られた。
内部欠陥の評価は、接合した継手の断面観察により行った。観察には、得られた接合継手の接合速度が表2−1および表2−2の「接合速度」に記載の値となった部位において、断面をそれぞれ切断したものを試験片として用いた。発明例1〜18、比較例10〜14、比較例18、比較例22、比較例24は、接合開始側の端部から接合方向(進行方向)へ220mm離れた位置、および接合終了側の端部から接合方向(進行方向)の反対方向へ60mm離れた位置の断面を切断し、それぞれ試験片とした。また、比較例1〜9、比較例15〜17、比較例19〜21、比較例23は、接合開始側の端部から接合方向(進行方向)へ65mm離れた位置、および接合終了側の端部から接合方向(進行方向)の反対方向へ70mm離れた位置の断面を切断し、それぞれ試験片とした。内部欠陥の有無は、塑性流動不足により接合部内部に形成した未接合状態が見られるか否かを、光学顕微鏡(倍率:5倍)を用い、以下に示す基準に従い評価した。
・無し:上記に記載の2箇所のいずれの位置においても、トンネル状に形成した未接合状態が見られない。
・良好:上記に記載の2箇所の位置において、接合部内部に形成した未接合状態が1箇所見られた。
・有り:上記に記載の2箇所の位置において、接合部内部に形成した未接合状態が2箇所以上見られた。
施工性の評価は、上記に記載の表面欠陥、内部欠陥および引張試験の各結果に基づいて、以下に示す基準で評価し、記号◎、○、×のいずれかを付与した。本実施例では、記号◎、○を合格とし、記号×を不合格とした。なお、以下の基準に示した「接合速度」とは表2−1および表2−2に記載の接合速度を指す。
・◎:接合速度が5m/分以上で表面欠陥および内部欠陥が発生せず、引張強度が母材の85%以上
・○:接合速度が5m/分未満で表面欠陥および内部欠陥が発生せず、引張強度が母材の85%以上
・×:表面欠陥または内部欠陥の発生、もしくは引張強度が母材の85%未満
2 表面側の回転ツールの回転軸
3 金属板
4 接合部
5 表面側の回転ツールの肩部
6 表面側の回転ツールのピン部
7 接合中央線
8 裏面側の回転ツール
9 裏面側の回転ツールの肩部
10 裏面側の回転ツールのピン部
11 裏面側の回転ツールの回転軸
12 未接合部
13 加熱装置
14 冷却装置
15 後方加熱装置
16 回転駆動装置
17 制御部
20 両面摩擦撹拌装置
Claims (12)
- 対向する一対の回転ツールを少なくとも2枚以上の鋼板の未接合部の表面側と裏面側にそれぞれ配置し、前記未接合部に前記回転ツールを押圧し、前記回転ツールを回転駆動装置により互いに逆方向に回転させながら接合方向に移動することにより、鋼板同士を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合方法であって、
前記回転ツールの肩部およびピン部は、回転軸を共有し、かつ前記鋼板よりも硬い材質であり、
前記回転ツールの一方の接合方向前方に設けられた加熱装置により加熱された前記鋼板の表面側の領域を加熱領域としたとき、加熱する際に、
前記加熱領域における、鋼板表面温度TP(℃)が式(1)〜式(3)を満たし、対向する前記肩部の隙間G(mm)と前記鋼板の厚さt(mm)が式(5)を満たすように制御し、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする両面摩擦撹拌接合方法。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
0.4×t≦G≦t ・・・(5)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置、
D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。 - 対向する一対の回転ツールを少なくとも2枚以上の鋼板の未接合部の表面側と裏面側にそれぞれ配置し、前記未接合部に前記回転ツールを押圧し、前記回転ツールを回転駆動装置により互いに逆方向に回転させながら接合方向に移動することにより、鋼板同士を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合方法であって、
前記回転ツールの肩部およびピン部は、回転軸を共有し、かつ前記鋼板よりも硬い材質であり、
前記回転軸は、前記鋼板に対して鉛直方向から接合方向に傾斜させた傾斜角度αが0°<α≦3°であり、
前記回転ツールの一方の接合方向前方に設けられた加熱装置により加熱された前記鋼板の表面側の領域を加熱領域としたとき、加熱する際に、
前記加熱領域における、鋼板表面温度TP(℃)が式(1)〜式(3)を満たし、対向する前記肩部の隙間G(mm)、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)が、式(6)を満たすように制御し、摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする両面摩擦撹拌接合方法。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
(0.4×t)−(0.2×D×sinα)≦G≦t−(0.2×D×sinα) ・・・(6)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置、
D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。 - 前記回転ツールの接合方向後方に設けた冷却装置および/または後方加熱装置を用いて、前記摩擦撹拌接合後、さらに、処理1〜処理4のいずれか1つを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の両面摩擦撹拌接合方法。
(処理1)前記接合部を冷却する。
(処理2)前記接合部を再加熱する。
(処理3)前記接合部を冷却した後、前記接合部を再加熱する。
(処理4)前記接合部を再加熱した後、前記接合部を冷却する。 - 前記肩部の直径D(mm)が、前記鋼板の厚さt(mm)に対して式(7)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の両面摩擦撹拌接合方法。
4×t≦D≦20×t ・・・(7) - 対向する前記ピン部の隙間g(mm)が、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)に対して式(8)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の両面摩擦撹拌接合方法。
0<g≦[1−0.9×exp{-0.011×(D/t)2}]×t ・・・(8) - 前記加熱装置が高周波誘導加熱装置であり、該加熱装置の使用周波数を20kHz以上360kHz以下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の両面摩擦攪拌接合方法。
- 少なくとも2枚以上の鋼板を摩擦撹拌接合する両面摩擦撹拌接合装置であって、
肩部および該肩部と回転軸を共有するピン部を有し、該肩部および該ピン部を前記鋼板よりも硬い材質で形成した一対の回転ツールと、
前記回転ツールを互いに逆方向に回転させる回転駆動装置と、
前記回転ツールの一方の接合方向前方に設け、前記鋼板の表面を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置および前記回転ツールを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記加熱装置により加熱された前記鋼板の表面側の領域を加熱領域としたとき、
前記加熱領域における、鋼板表面温度TP(℃)が式(1)〜式(3)を満たし、対向する前記肩部の隙間G(mm)と前記鋼板の厚さt(mm)が式(5)を満たすように制御して、少なくとも2枚以上の鋼板の摩擦撹拌接合を行うことを特徴とする両面摩擦撹拌接合装置。
-0.5×D≦W<-0.1×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(1)
-0.1×D≦W≦0.1×Dの範囲において、100≦TP≦1200 ・・・(2)
0.1×D<W≦0.5×Dの範囲において、40≦TP≦1200 ・・・(3)
0.4×t≦G≦t ・・・(5)
ここで、W(mm)は、接合中央線から接合部の幅方向に離間する位置、
D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。 - 前記制御部は、前記回転ツールの回転軸を前記鋼板に対して鉛直方向から接合方向に傾斜させた傾斜角度αが0°<α≦3°を満たすとき、
対向する前記肩部の隙間G(mm)、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)が、前記式(5)に変えて、式(6)を満たすように制御することを特徴とする請求項7に記載の両面摩擦撹拌接合装置。
(0.4×t)−(0.2×D×sinα)≦G≦t−(0.2×D×sinα) ・・・(6)
ここで、D(mm)は、回転ツールの肩部の直径、
G(mm)は、肩部の隙間、
t(mm)は、鋼板の厚さ、をそれぞれ示す。 - さらに、前記回転ツールの接合方向後方に冷却装置および後方加熱装置を備え、冷却装置および/または後方加熱装置を用いて処理1〜処理4のいずれか1つを行うことを特徴とする請求項7または8に記載の両面摩擦撹拌接合装置。
(処理1)前記接合部を冷却する。
(処理2)前記接合部を再加熱する。
(処理3)前記接合部を冷却した後、前記接合部を再加熱する。
(処理4)前記接合部を再加熱した後、前記接合部を冷却する。 - 前記回転ツールは、前記肩部の直径D(mm)が前記鋼板の厚さt(mm)に対して式(7)を満たすことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の両面摩擦撹拌接合装置。
4×t≦D≦20×t ・・・(7) - 前記回転ツールは、対向する前記ピン部の隙間g(mm)が、前記鋼板の厚さt(mm)並びに前記肩部の直径D(mm)に対して式(8)を満たすことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の両面摩擦撹拌接合装置。
0<g≦[1−0.9×exp{-0.011×(D/t)2}]×t ・・・(8) - 前記加熱装置が高周波誘導加熱装置であり、該加熱装置の使用周波数を20kHz以上360kHz以下とすることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の両面摩擦攪拌接合装置。
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