JP2020111444A - 無端状平ベルト - Google Patents
無端状平ベルト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020111444A JP2020111444A JP2019004435A JP2019004435A JP2020111444A JP 2020111444 A JP2020111444 A JP 2020111444A JP 2019004435 A JP2019004435 A JP 2019004435A JP 2019004435 A JP2019004435 A JP 2019004435A JP 2020111444 A JP2020111444 A JP 2020111444A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flat belt
- endless flat
- belt
- reinforcing cloth
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Belt Conveyors (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】ベルト表面の摩耗を抑制することができる無端状平ベルトを提供する。【解決手段】コード心線12を含む無端状平ベルト10Aであって、周方向に巻き付けられ幅方向に所定のピッチで螺旋状に配置された前記コード心線12を含む心体層14と、前記心体層14の少なくとも一側表面に設けられた補強布16と、少なくとも一側の最表面に設けられた表面ゴム層18とを備え、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、無端状平ベルトに関し、特に紙管巻き用ベルトのような、ねじれた状態で走行する用途に適したものである。
従来、高速伝動用ベルトとして使用されている平ベルトは、ポリアミドフィルムを心体とした帯状のベルトの両端をスカイバー継手、フィンガー継手等の継手形状に加工した後、接着剤や熱接着を用いて一体に接着されているのが一般的である。
例えば、紙管は、紙テープをマンドレルに螺旋状に巻き付けて製造される。マンドレルに巻き付けられた紙テープは、平ベルトにより軸方向に搬送される(特許文献1)。平ベルトは、強くねじられながら紙テープを巻き付けて圧着しながら高速走行する。したがって、ベルトの中央部と側端部の伸び率が異なり、側端部の伸び率が中央部よりも大きいために負荷がかかり、継手部が破断に至ってしまうことがある。
これに対し、内部ゴム層と、この内部ゴム層内に埋設されかつベルト幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻回されたコード心線と、内部ゴム層に貼付された補強布とを備えた無端状平ベルトが開示されている(例えば、特許文献2)。上記特許文献2によれば、ねじれ走行時のベルトの側端部にかかる負荷によるベルトの破断や片伸びを抑制し、ベルト張力および走行性を安定化させることができる。
紙管の製造において平ベルトは、紙管を巻き掛けているマンドレル部分で、紙テープに対し滑りが生じると、ベルト表面が紙テープと擦れて摩耗する。特に、製筒する紙管径が大きい場合、マンドレル部分でベルト表面が紙テープと接触する距離が長くなることから、紙管径が小さい場合に比べ、ベルト表面が摩耗しやすい。
本発明は、ベルト表面の摩耗を抑制することができる無端状平ベルトを提供することを目的とする。
本発明に係る無端状平ベルトは、コード心線を含む無端状平ベルトであって、周方向に巻き付けられ幅方向に所定のピッチで螺旋状に配置された前記コード心線を含む心体層と、前記心体層の少なくとも一側表面に設けられた補強布と、少なくとも一側の最表面に設けられた表面ゴム層とを備え、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下である。
本発明によれば、張り側と緩み側のベルトの歪を小さくすることができるので、搬送物に対する滑りが抑制され、結果としてベルト表面の摩耗を抑制することができる。
本発明に係る無端状平ベルトは、周方向に巻き付けられ幅方向に所定のピッチで螺旋状に配置されたコード心線を含む心体層と、前記心体層の少なくとも一側表面に設けられた補強布と、少なくとも一側の最表面に設けられた表面ゴム層とを備え、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下である。無端状平ベルトは、張り側と緩み側のベルトの歪差を小さくすることができるので、例えば、紙管の製筒時におけるマンドレルでの紙テープに対する滑りが抑制され、結果としてベルト表面の摩耗を抑制することができる。
無端状平ベルトは、厚さ方向において、心体層を中心に対称である場合と、非対称である場合とを含む。補強布は、心体層に接して設けられる。無端状平ベルトは、補強布が1層の場合と、2層の場合とを含む。表面ゴム層は、補強布に接して設けられる場合と、心体層に接して設けられる場合とを含む。無端状平ベルトは、表面ゴム層が1層の場合と、2層の場合とを含む。表面ゴム層が1層の場合、無端状平ベルトの最表面は、一方が表面ゴム層で、他方が補強布である。以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(1)全体構成
図1に示す無端状平ベルト10Aは、コード心線12を含む心体層14と、心体層14の両側表面に設けられた一対の補強布16と、最表面に設けられた一対の表面ゴム層18とを備える。無端状平ベルト10Aは、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下である。伸張率が上記範囲内であると、無端状平ベルト10Aは、紙管を製筒するときのマンドレル部分における張り側と緩み側のベルトの歪差を小さくすることができる。伸張率は、2.2%以下であるのがより好ましい。
図1に示す無端状平ベルト10Aは、コード心線12を含む心体層14と、心体層14の両側表面に設けられた一対の補強布16と、最表面に設けられた一対の表面ゴム層18とを備える。無端状平ベルト10Aは、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下である。伸張率が上記範囲内であると、無端状平ベルト10Aは、紙管を製筒するときのマンドレル部分における張り側と緩み側のベルトの歪差を小さくすることができる。伸張率は、2.2%以下であるのがより好ましい。
(心体層)
心体層14は、内部ゴム層13と、当該内部ゴム層13に埋設されたコード心線12とを有する。内部ゴム層13は、例えば、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、EPM、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴムからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。この内部ゴム層13の厚さは0.1〜2.0mmであるのがよい。
心体層14は、内部ゴム層13と、当該内部ゴム層13に埋設されたコード心線12とを有する。内部ゴム層13は、例えば、ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、EPM、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴムからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。この内部ゴム層13の厚さは0.1〜2.0mmであるのがよい。
コード心線12は、ベルトの周方向に巻き付けられ、幅方向に所定のピッチで螺旋状に配置される。コード心線12は、ベルト走行時の斜行抑制のために、繊維がS撚に撚られたコード心線とZ撚に撚られたコード心線とを交互に配列するのが好ましい。
コード心線12は、ビニロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ポリアミド等の繊維が単独または混合して使用される。また特性を損なわない範囲で他の繊維を含有していてもよい。
コード心線12の太さは、長繊維または短繊維を引きそろえて撚りをかけた撚糸として、通常1000〜42000dtex、好ましくは1670〜31000dtexであるのがよい。
(補強布)
補強布16は、ベルトに耐久性を付与するものである。補強布16は、ベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、好ましくは1〜200MPaである。補強布16のベルト幅方向の引張弾性率は、200〜2000MPa、好ましくは300〜1000MPaである。補強布16はベルト周方向に伸縮性を有すると共に、ひねりに対するベルト幅方向に剛性が保持され、巻き付き圧力を均等化できる。
補強布16は、ベルトに耐久性を付与するものである。補強布16は、ベルト周方向の引張弾性率が0.1〜2000MPa、好ましくは1〜200MPaである。補強布16のベルト幅方向の引張弾性率は、200〜2000MPa、好ましくは300〜1000MPaである。補強布16はベルト周方向に伸縮性を有すると共に、ひねりに対するベルト幅方向に剛性が保持され、巻き付き圧力を均等化できる。
補強布16のベルト周方向に、前記した引張弾性率で表される伸縮性を付与するには、例えばベルト周方向に加工糸が用いられる。加工糸とは、一般に、フィラメント糸に細かい捲縮を与え、その捲縮を熱処理によって固定し、伸縮性とかさ高性を与えた糸をいう。材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド等の繊維糸が使用できる。また他に伸縮性を有する糸材料として、ウレタン弾性糸、ポリエーテル・エステル系高弾性糸、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等を芯糸とするカバードヤーンを使用できる。
ベルト幅方向に前記した引張弾性率を付与する補強布16の材料としては、例えばポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、綿糸、ビニロン繊維、及びポリケトン繊維から成る群より選択される少なくとも1つの材料から形成される。これらの繊維のフィラメント糸に捲縮を与えないか、あるいはわずかに捲縮を与えた状態で使用される。
(表面ゴム層)
表面ゴム層18は、無端状平ベルト10Aの表面において、ベルトと搬送物や動力伝達装置との間で安定した伝達能力を持つ摩擦伝動に適したものが好ましい。このような表面ゴム層18の材質としては、例えばニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、EPM、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。表面ゴム層18の厚さは0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mmであるのがよい。
表面ゴム層18は、無端状平ベルト10Aの表面において、ベルトと搬送物や動力伝達装置との間で安定した伝達能力を持つ摩擦伝動に適したものが好ましい。このような表面ゴム層18の材質としては、例えばニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、EPM、EPDM、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。表面ゴム層18の厚さは0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mmであるのがよい。
前記表面ゴム層18は、搬送物との摩擦係数の低下を防止するため、表面に微細な凹凸形状のパターン(いわゆる目付形状のパターン)が形成されていてもよい。表面ゴム層18の表面に設けられる上記パターンは、加硫成形時に形成することができるが、加硫前または加硫後に形成してもよい。形成方法としては、例えば、未加硫の状態の表面ゴム層18の表面に微細な凹凸形状のパターンが施された成形ロール、もしくは布パターン素材を載置し、ついで加圧加硫して前記布パターン素材を表面ゴム層18の表面に強く押し付け、そのまま加硫をすすめて加硫完了後に前記布パターン素材をはがすことで表面ゴム層18の表面に凹凸を設けることができる。
(2)製造方法
次に、本発明の無端状平ベルト10Aの製造方法を説明する。無端状平ベルト10Aの製造方法は、補強布処理工程、打ち抜き加工工程、両端接着工程、巻き掛け工程、加硫成形工程を備える。
次に、本発明の無端状平ベルト10Aの製造方法を説明する。無端状平ベルト10Aの製造方法は、補強布処理工程、打ち抜き加工工程、両端接着工程、巻き掛け工程、加硫成形工程を備える。
(補強布処理工程)
帯状の補強布16の表面にゴムシートを貼付するか、あるいは液状ゴムを塗布乾燥させた後、所定の長さに切断する。ゴムシートの貼付は、接着剤を使用してもよく、あるいは加熱加圧による接着でもよい。使用するゴムシートの厚さまたは液状ゴムの塗布量は、形成される内部ゴム層13の厚さに応じて調整する。
帯状の補強布16の表面にゴムシートを貼付するか、あるいは液状ゴムを塗布乾燥させた後、所定の長さに切断する。ゴムシートの貼付は、接着剤を使用してもよく、あるいは加熱加圧による接着でもよい。使用するゴムシートの厚さまたは液状ゴムの塗布量は、形成される内部ゴム層13の厚さに応じて調整する。
(打ち抜き加工工程)
補強布16のそれぞれの端面同士の凹凸部が嵌合して接着される、いわゆるフィンガー継手形状の凸部と凹部を形成するために、補強布16に打ち抜き加工を行う。フィンガー継手では、補強布16の一端にベルトの長手方向に突出する複数の略二等辺三角形の凸部が幅方向に連続して鋸刃状に形成され、他端に凸部に対応する凹部が形成されている。
補強布16のそれぞれの端面同士の凹凸部が嵌合して接着される、いわゆるフィンガー継手形状の凸部と凹部を形成するために、補強布16に打ち抜き加工を行う。フィンガー継手では、補強布16の一端にベルトの長手方向に突出する複数の略二等辺三角形の凸部が幅方向に連続して鋸刃状に形成され、他端に凸部に対応する凹部が形成されている。
補強布16にフィンガー継手を形成する方法としては、打ち抜き加工が挙げられるが、切削加工にて形成してもよい。打ち抜き加工後、次の両端接着工程に送られる。
(両端接着工程)
フィンガー継手形状で嵌合された補強布16の継手部をプレス機にて加熱加圧し、両端を接着させて無端状にする。凸部と凹部の幅は、通常5〜100mm、好ましくは10〜30mmであり、長さLは、通常1000〜20000mm、好ましくは50〜150mmであるのがよい。
フィンガー継手形状で嵌合された補強布16の継手部をプレス機にて加熱加圧し、両端を接着させて無端状にする。凸部と凹部の幅は、通常5〜100mm、好ましくは10〜30mmであり、長さLは、通常1000〜20000mm、好ましくは50〜150mmであるのがよい。
フィンガー継手は、補強布16の長さ方向に直交している場合に限らず、補強布16の長さ方向に対して傾斜して形成されてもよい。またフィンガー継手形状は、前記した凸部や凹部が二等辺三角形以外の形状、四角形、略半円形、台形、凸形等の凹凸形状であってもよい。また、糸で補強布16の両端を縫合してもよい。補強布16の両端は、互いに突き合わせた状態で縫合されているか、隙間がある状態で縫合してもよい。
(巻き掛け工程)
無端状の補強布16を、駆動プーリと受動プーリの少なくとも2軸からなるコード巻き装置(図示しない)に巻き掛けて適正な張力を与えながら、コード張力制御装置にて張力を制御したコード心線12を、補強布16の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻き回す(ワインディング加工)。さらに、別の補強布16を心体層14の表面に貼り付けて、心体層(内部ゴム層13とコード心線12)14と、心体層14の両側表面に配置された一対の補強布16とからなる積層体を得る。
無端状の補強布16を、駆動プーリと受動プーリの少なくとも2軸からなるコード巻き装置(図示しない)に巻き掛けて適正な張力を与えながら、コード張力制御装置にて張力を制御したコード心線12を、補強布16の幅方向に所定のピッチで螺旋状に巻き回す(ワインディング加工)。さらに、別の補強布16を心体層14の表面に貼り付けて、心体層(内部ゴム層13とコード心線12)14と、心体層14の両側表面に配置された一対の補強布16とからなる積層体を得る。
コード心線12は、S撚に撚られたコード心線とZ撚に撚られたコード心線とが交互に補強布16の幅方向に配列されるように巻き付けるのが、ベルトの斜行を防止するうえで好ましい。また、無端状の補強布16の周長が長い場合、コード巻き装置の駆動プーリと受動プーリとの間に1または2以上のガイドローラを設けて、行程を長くすればよい。
(加硫成形工程)
積層体の両面に、表面ゴム層18を形成するためのシート状のゴム素材を重ね合わせ、加熱加圧して、内部ゴム層13および表面ゴム層18の加硫成形を同時に行う。ゴム素材の重ね合わせと、加硫成形とは、連続的に行うようにしてもよい。上記のようにして図1に示す無端状平ベルト10Aが得られる。
積層体の両面に、表面ゴム層18を形成するためのシート状のゴム素材を重ね合わせ、加熱加圧して、内部ゴム層13および表面ゴム層18の加硫成形を同時に行う。ゴム素材の重ね合わせと、加硫成形とは、連続的に行うようにしてもよい。上記のようにして図1に示す無端状平ベルト10Aが得られる。
(3)作用及び効果
無端状平ベルト10Aは、例えば、図2に示すように、紙管21の製造機械11に配置される。製造機械11は、鉄製の円柱状の型であるマンドレル9と、当該マンドレル9を挟んで両側に配置された第1プーリ15と第2プーリ17とを備える。無端状平ベルト10Aは、マンドレル9に一側23が巻き付けられ、他側25がマンドレル9の下側を通って、第1プーリ15と第2プーリ17に巻き掛けられている。接着剤が塗布された搬送物としての紙テープ19が、マンドレル9の上流側から供給される。無端状平ベルト10Aは、供給された紙テープ19をマンドレル9に沿って、螺旋状に巻き付けて紙管21を形成し、当該紙管21を下流側から排出する。
無端状平ベルト10Aは、例えば、図2に示すように、紙管21の製造機械11に配置される。製造機械11は、鉄製の円柱状の型であるマンドレル9と、当該マンドレル9を挟んで両側に配置された第1プーリ15と第2プーリ17とを備える。無端状平ベルト10Aは、マンドレル9に一側23が巻き付けられ、他側25がマンドレル9の下側を通って、第1プーリ15と第2プーリ17に巻き掛けられている。接着剤が塗布された搬送物としての紙テープ19が、マンドレル9の上流側から供給される。無端状平ベルト10Aは、供給された紙テープ19をマンドレル9に沿って、螺旋状に巻き付けて紙管21を形成し、当該紙管21を下流側から排出する。
マンドレル9に巻き付けられた無端状平ベルト10Aは、マンドレル9を挟んで、張り側(第1プーリ15側)23と緩み側(第2プーリ17側)27に張力が生じる。当該張力差によって無端状平ベルト10Aには歪差が生じる。すなわち無端状平ベルト10Aは、張り側23で伸長し、緩み側27で収縮する。このようにして生じた歪差は、マンドレル9上で吸収される。
無端状平ベルト10Aは、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下であるので、紙管21を製筒するときのマンドレル9部分における張り側23と緩み側25のベルトの歪差を小さくすることができる。無端状平ベルト10Aは、上記歪差が小さいことによって、マンドレル9部分での紙テープ19に対する滑りが抑制され、結果としてベルト表面の摩耗を抑制することができる。
従来は、製筒する紙管サイズに合わせ、無端状平ベルトのサイズを変える場合が多く、一般的に、製筒する紙管の外径が大きくなるほど、マンドレル径、ドラム径、紙テープ幅、ベルトサイズが大きくなる。製筒する紙管の外径が大きい場合、無端状平ベルトは、長寿命化を図るため、表面材を厚くして耐摩耗性を向上する必要があるので、重量が重くなり、交換時の作業性が悪いという問題があった。
無端状平ベルト10Aは、表面ゴム層18を厚くせずに長寿命化を図るので、重量の増加を避けることができる。したがって無端状平ベルト10Aは、単位重量が従来と変わらない8.0kg/m2以下にすることができるので、ベルト交換時における作業性の低下を防止できる。
無端状平ベルト10Aは、コード心線12が螺旋状に巻き付けられた無端状であるから、継手部の損傷を防止することができる。
(4)変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施形態の場合、無端状平ベルト10Aは、5層構造である場合について説明したが、本発明はこれに限らない。図3に示す無端状平ベルト10Bは、3層構造であり、心体層14と、心体層14の一側表面に設けられた補強布16と、他側表面に設けられた表面ゴム層18とを備える。無端状平ベルト10Bは、上記(巻き掛け工程)においてコード心線12が巻きまわされた心体層14の片側のみに補強布16が配置された積層体を用い、上記(加硫成形工程)において積層体の心体層14の表面のみに、表面ゴム層18を形成するためのシート状のゴム素材を重ね合わせ、加硫成形することによって得られる。無端状平ベルト10Bは、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下であるから、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
図4に示す無端状平ベルト10Cは、4層構造であり、心体層14と、心体層14の一側表面に設けられた補強布16と、最表面に設けられた一対の表面ゴム層18とを備える。無端状平ベルト10Cは、上記(巻き掛け工程)においてコード心線12が巻きまわされた心体層14の片側のみに補強布16が配置された積層体を用い、上記(加硫成形工程)において積層体の両側表面に、表面ゴム層18を形成するためのシート状のゴム素材を重ね合わせ、加硫成形することによって得られる。無端状平ベルト10Cは、100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下であるから、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(5)実施例
(試料の準備)
補強布の材料としてポリアミド66長繊維を用い、ベルト周方向に220dtexの加工糸を71本/25mm、ベルト幅方向に235dtexの糸を108本/25mmの糸密度で織った帆布を補強布として使用した。次に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)シートを貼付した後、帆布の両端を突合せて配置し、100℃でプレス加工を行い、無端状の帆布を形成した。
(試料の準備)
補強布の材料としてポリアミド66長繊維を用い、ベルト周方向に220dtexの加工糸を71本/25mm、ベルト幅方向に235dtexの糸を108本/25mmの糸密度で織った帆布を補強布として使用した。次に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)シートを貼付した後、帆布の両端を突合せて配置し、100℃でプレス加工を行い、無端状の帆布を形成した。
次にコード巻き装置の駆動プーリと受動プーリに無端状の帆布を巻き掛け、コード心線として2070dtexのビニロン長繊維を引き揃えて20700dtexとして撚りをかけた撚糸を用い、コード心線の張力制御装置にて張力制御しながら、無端状の帆布のNBRシート中に螺旋状に埋没させた後、外面にポリアミド帆布(補強布)を巻き付けて、積層体を得た。
次に、積層体の両面に厚さ1mmのNBRシートを貼付して加硫成形を行い、厚さ4.6mm、幅10mm、周長3100mmである実施例No.1の無端状平ベルトを得た。実施例No.1の無端状平ベルトの単位重量は、7.0kg/m2であった。
上記実施例No.1に対し、コード心線として1670dtexのPET長繊維を引き揃えて16700dtexとして撚りをかけた撚糸を用いた点のみを変えて、実施例No.2の無端状平ベルトを作製した。実施例No.2の無端状平ベルトの単位重量は、6.8kg/m2であった。
上記実施例No.1に対し、2100dtexのポリアミド66長繊維を引き揃えて12600dtexとして撚りをかけた撚糸を用いた点のみを変えて、比較例の無端状平ベルトを作製した。比較例の無端状平ベルトの単位重量は、6.5kg/m2であった。
(引張特性)
無端状平ベルトの引張特性を測定した。無端状平ベルトの幅10mmのベルトをφ25のプーリに二軸で掛け、ベルトの長手方向に10%/分で引っ張ることにより、その伸び率と引張強度との関係を求めた。その結果を図5に示す。図5は、縦軸が張力(N/mm)、横軸が伸張率(%)を示す。100N/mmの張力を加えたときの伸張率は、実施例No.1が1.0%、No.2が2.2%であったのに対し、比較例は6.2%であった。
無端状平ベルトの引張特性を測定した。無端状平ベルトの幅10mmのベルトをφ25のプーリに二軸で掛け、ベルトの長手方向に10%/分で引っ張ることにより、その伸び率と引張強度との関係を求めた。その結果を図5に示す。図5は、縦軸が張力(N/mm)、横軸が伸張率(%)を示す。100N/mmの張力を加えたときの伸張率は、実施例No.1が1.0%、No.2が2.2%であったのに対し、比較例は6.2%であった。
(負荷トルクとスリップ率)
図6に示す試験装置20を用いて、無端状平ベルトに負荷トルクをかけたときのスリップ率を測定した。負荷トルクは、紙管を製筒する際にマンドレルにおいてベルトにかかる力に相当し、スリップ率は、製筒時のマンドレル部分におけるベルトの滑りに相当する。試験装置20は、φ100の駆動プーリ22と、φ100の負荷プーリ24と、負荷プーリ24のトルクを測定するロードセル26とを備える。
図6に示す試験装置20を用いて、無端状平ベルトに負荷トルクをかけたときのスリップ率を測定した。負荷トルクは、紙管を製筒する際にマンドレルにおいてベルトにかかる力に相当し、スリップ率は、製筒時のマンドレル部分におけるベルトの滑りに相当する。試験装置20は、φ100の駆動プーリ22と、φ100の負荷プーリ24と、負荷プーリ24のトルクを測定するロードセル26とを備える。
駆動プーリ22と、負荷プーリ24の間に、無端状平ベルト10が巻き掛けられている。駆動プーリ22には、プーリ28を介して重錘30が接続されており、無端状平ベルト10に1200N(一定)の軸荷重が加えられている。負荷プーリ24の回転数は、1000rpm(一定)とする。駆動プーリ22の回転数を上げていったとき、負荷プーリ24の回転数を一定に抑えるために必要なトルクをロードセル26で測定した。スリップ率は、駆動プーリ22と負荷プーリ24の回転数から算出した。その結果を図7に示す。
図7は、縦軸がスリップ率(%)、横軸が負荷トルク(N・m)を示す。負荷トルクが15N・mのときのスリップ率は、実施例No.1,2は0.8%未満であったのに対し、比較例は0.8%を超えた。この結果から実施例は、比較例に比べ、スリップ率が低く、摩耗を抑制する効果が得られることが確認された。特に実施例No.1は、負荷トルクが15N・mのときのスリップ率が0.5%程度であり、摩耗を抑制する効果がより高いといえる。
10A、10B,10C 無端状平ベルト
12 コード心線
13 内部ゴム層
14 心体層
16 補強布
18 表面ゴム層
12 コード心線
13 内部ゴム層
14 心体層
16 補強布
18 表面ゴム層
Claims (5)
- コード心線を含む無端状平ベルトであって、
周方向に巻き付けられ幅方向に所定のピッチで螺旋状に配置された前記コード心線を含む心体層と、
前記心体層の少なくとも一側表面に設けられた補強布と、
少なくとも一側の最表面に設けられた表面ゴム層と
を備え、
100N/mmの張力を長さ方向に加えたときの伸張率が2.5%以下である無端状平ベルト。 - 単位重量が8.0kg/m2以下である請求項1記載の無端状平ベルト。
- 前記心体層の一側表面に前記補強布が設けられており、
前記心体層の他側表面に前記表面ゴム層が設けられている
請求項1又は2記載の無端状平ベルト。 - 前記心体層の一側表面に前記補強布が設けられており、
前記心体層の他側表面、及び前記補強布の表面に、前記表面ゴム層が設けられている
請求項1又は2記載の無端状平ベルト。 - 前記心体層の両側表面に前記補強布が設けられており、
前記補強布の表面に、それぞれ前記表面ゴム層が設けられている
請求項1又は2記載の無端状平ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019004435A JP2020111444A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 無端状平ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019004435A JP2020111444A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 無端状平ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020111444A true JP2020111444A (ja) | 2020-07-27 |
Family
ID=71666580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019004435A Pending JP2020111444A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 無端状平ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020111444A (ja) |
-
2019
- 2019-01-15 JP JP2019004435A patent/JP2020111444A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2391108C (en) | Power transmission belt using stabilized open mesh textile material in overcord for enhanced rubber penetration | |
TWI432659B (zh) | V形肋皮帶及其製造方法 | |
JP6741400B2 (ja) | 無端状平ベルトおよびその製造方法 | |
KR20050022337A (ko) | 마찰전동벨트 및 그 제조방법 | |
JPH0760877A (ja) | 幅広ベルト | |
TWI694186B (zh) | 有機纖維合撚紗線、纖維強化複合材料、及有機纖維合撚紗線之製造方法 | |
WO2003011615A1 (en) | Tire-use rubber-covered fabric, production method therefor, production method for pneumatic tire using rubber-covered fabric, and pneumatic tire | |
JP6532416B2 (ja) | 伝動ベルト、伝動ベルトの製造方法、補強布、及び補強布の製造方法 | |
JP2017100848A (ja) | 無端状平ベルトおよびその製造方法 | |
WO2015108074A1 (ja) | 無端状平ベルトおよびその製造方法 | |
JP2020111444A (ja) | 無端状平ベルト | |
JP2018058338A (ja) | 伝動ベルト、及び伝動ベルトの製造方法 | |
JP2972978B2 (ja) | 幅広ベルト用帆布芯体及び同帆布芯体の製造方法 | |
JPS6228340B2 (ja) | ||
TW200404962A (en) | Belt | |
WO2005116313A1 (ja) | 糸撚り用ベルト | |
JP5545951B2 (ja) | 紡績用エプロンバンド | |
JPH0746828Y2 (ja) | Vリブドベルト | |
JPH07180747A (ja) | 歯付ベルトの駆動装置 | |
JP6883505B2 (ja) | 有端なvベルト、及び、その製造方法 | |
JP2510458B2 (ja) | 幅広ベルト用帆布芯体 | |
JP2004144105A (ja) | ポリウレタン製歯付ベルト | |
JP2020037257A (ja) | 結合ベルトの製造方法 | |
JP2007314895A (ja) | 糸撚りベルト | |
JPH09159000A (ja) | 歯付ベルト駆動装置及び歯付ベルト |