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JP2020199850A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置 Download PDF

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JP2020199850A
JP2020199850A JP2019107424A JP2019107424A JP2020199850A JP 2020199850 A JP2020199850 A JP 2020199850A JP 2019107424 A JP2019107424 A JP 2019107424A JP 2019107424 A JP2019107424 A JP 2019107424A JP 2020199850 A JP2020199850 A JP 2020199850A
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heat exchanger
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徹也 石関
Tetsuya Ishizeki
徹也 石関
武史 東宮
Takeshi Tomiya
武史 東宮
尭之 松村
Takayuki Matsumura
尭之 松村
謙太朗 守屋
Kentaro Moriya
謙太朗 守屋
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Abstract

【課題】冷房時に空調用熱媒体の排熱を促し、運転効率の向上を図る。【解決手段】周囲を通過する外気と内部を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行なう熱交換器13と、内部を個別に通過する空調用熱媒体と冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう熱交換器43と、を備える。冷房時には、膨張弁37、蒸発器15、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、及び熱交換器13を順に経由するように、空調用熱媒体を循環させる。また、熱交換器43、及びラジエータ42を順に経由するように、冷却用熱媒体を循環させる。【選択図】図6

Description

本発明は、車両用空気調和装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、空調用熱媒体を循環させ、ヒートポンプによって車室内の温度を調整する車両用空気調和装置と、冷却用熱媒体を循環させてバッテリを冷却する冷却装置と、を備えたものがある。そして、空調用熱媒体が低圧となる流路に熱交換器を配置し、暖房運転によって低温になった空調用熱媒体と、バッテリの冷却によって高温になった冷却用熱媒体との熱交換を行なうことにより、バッテリの排熱を回収し、車室内の暖房に有効利用している。
特開2018−184108号公報
空調用熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なうために、空調用熱媒体が低圧となる流路に熱交換器を配置すると、バッテリの排熱を暖房に利用することしかできず、逆に冷房時には、空調用熱媒体の排熱を促すことができない。
本発明の課題は、冷房時に空調用熱媒体の排熱を促し、運転効率の向上を図ることである。
本発明の課題は、空調能力の安定性を向上させることである。
本発明の一態様に係る車両用空気調和装置は、
車室内へ空気を供給する供給流路に設けられ、周囲を通過する空気と内部を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行ない、空調用熱媒体に吸熱させる蒸発器と、
供給流路のうち蒸発器よりも下流側に設けられ、周囲を通過する空気と内部を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行ない、空調用熱媒体に放熱させる凝縮器と、
周囲を通過する外気と内部を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行なう第一の熱交換器と、
空調用熱媒体を圧縮する圧縮機と、
冷房時に空調用熱媒体を膨張させる冷房時膨張弁と、
暖房時に空調用熱媒体を膨張させる暖房時膨張弁と、
発熱体を冷却するための冷却用熱媒体が内部を通過し、周囲を通過する外気との間で熱交換を行なう放熱用熱交換器と、
内部を個別に通過する空調用熱媒体と冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう第二の熱交換器と、
冷房時に、冷房時膨張弁、蒸発器、圧縮機、凝縮器、第二の熱交換器、及び第一の熱交換器を順に経由するように、空調用熱媒体を循環させる冷房時空調用経路と、
暖房時に、圧縮機、凝縮器、第二の熱交換器、暖房時膨張弁、及び第一の熱交換器を順に経由するように、空調用熱媒体を循環させる暖房時空調用経路と、
冷房時に、第二の熱交換器、及び放熱用熱交換器を順に経由するように、冷却用熱媒体を循環させる冷房時冷却用経路と、を備える。
本発明によれば、第二の熱交換器により、冷房時に、蒸発器、及び圧縮機を順に通過して高温高圧になった空調用熱媒体と、放熱用熱交換器を通過して低温になった冷却用熱媒体との熱交換が行なわれる。また、第二の熱交換器を通過して高温になった冷却用熱媒体は、放熱用熱交換器で外気と熱交換されて低温になる。このように、冷房時に空調用熱媒体の排熱が促され、運転効率の向上を図ることができる。
車両用空気調和装置を示す図である。 暖房運転を示す図である。 冷凍サイクルを表すp−h線図である。 第2実施形態を示す図である。 第2実施形態の暖房運転を示す図である。 第2実施形態の冷房運転を示す図である。 第3実施形態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、車両用空気調和装置の一部を示す図である。
車両用空気調和装置11は、自動車に搭載されるヒートポンプシステムからなり、車室側に設けられた室内熱交換ユニット12(供給流路)と、車室外に設けられた熱交換器13(第一の熱交換器)と、を備える。車室側と車室外とは、例えばダッシュパネルによって隔てられている。
室内熱交換ユニット12は、ダッシュボードの内部に配置されており、一端側から外気や内気を導入し、他端側から車室内へ空気を供給するダクトによって形成されている。室内熱交換ユニット12は、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)とも呼ばれる。室内熱交換ユニット12の内部には、送風ファン14と、蒸発器15と、凝縮器16と、エアミックスダンパ17と、ヒータ18と、が設けられている。
送風ファン14は、室内熱交換ユニット12の一端側に設けられており、モータによって駆動されるときに、外気や内気を吸引し、他端側へと吐出する。
蒸発器15は、送風ファン14よりも下流側に設けられており、吸熱器及び除湿器として、放熱フィンの周囲を通過する空気とチューブ内を通過する低温の空調用熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体が吸熱によって蒸発気化することにより、放熱フィンの周囲の空気を冷却すると共に、放熱フィンの表面に結露を生じさせて除湿を行なう。送風ファン14から吹き出された空気は、全て蒸発器15を通過する。
凝縮器16は、蒸発器15よりも下流側に設けられており、放熱器として、放熱フィンの周囲を通過する空気とチューブ内を通過する高温の空調用熱媒体(熱媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体が放熱によって凝縮液化することにより、放熱フィンの周囲の空気を加温する。凝縮器16は、室内熱交換ユニット12の断面のうち、略半分を塞ぐように配置されることで、凝縮器16を通過する流路と、凝縮器16を迂回する流路と、が形成されている。すなわち、蒸発器15を通過した空気の一部が凝縮器16を通過し、残りが凝縮器16を迂回する。
エアミックスダンパ17は、凝縮器16を通過する流路を開放して凝縮器16を迂回する流路を閉鎖する位置と、凝縮器16を通過する流路を閉鎖して凝縮器16を迂回する流路を開放する位置と、の間で回動可能である。エアミックスダンパ17が凝縮器16を通過する流路を開放して凝縮器16を迂回する流路を閉鎖する位置にあるときには、蒸発器15を通過した空気は全て凝縮器16を通過する。エアミックスダンパ17が凝縮器16を通過する流路を閉鎖して凝縮器16を迂回する流路を開放する位置にあるときには、蒸発器15を通過した空気は全て凝縮器16を迂回する。エアミックスダンパ17が凝縮器16を通過する流路と凝縮器16を迂回する流路の双方を開放する位置にあるときには、蒸発器15を通過した空気のうち、一部が凝縮器16を通過し、残りが凝縮器16を迂回する。そして、凝縮器16の下流側で、凝縮器16を通過した空気と、凝縮器16を迂回した空気とが混合される。
ヒータ18は、例えば温度によって抵抗値が変化するPTCヒータ(PTC:Positive Temperature Coefficient)であり、凝縮器16の風下側に設けられ、凝縮器16を通過した空気は、全てヒータ18を通過する。ヒータ18は、ON/OFFの切り替えが可能であり、ONのときに通過する空気を加温する。
熱交換器13は、エンジンルーム内又はモータルーム内に設けられており、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行なう。外気とは主に走行風であるが、十分な走行風が得られないときは、図示しない送風機が駆動されることで、放熱フィンに対して外気が送風される。
運転モードを暖房とするときには、熱交換器13を蒸発器、つまり吸熱器として機能させ、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する低温の空調用熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体に吸熱させ、蒸発気化させる。
運転モードを冷房とするときには、熱交換器13を凝縮器、つまり放熱器として機能させ、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する高温の空調用熱媒体(熱媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体に放熱させ、凝縮液化させる。
次に、空調用熱媒体を循環させる基本的な回路構成について説明する。
凝縮器16の出口は、流路21を介して熱交換器13の入口に連通している。流路21には、膨張弁31(暖房時膨張弁)が設けられている。
膨張弁31は、液相である高圧の空調用熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
熱交換器13の出口は、流路22を介して凝縮器16の入口に連通している。流路22には、熱交換器13の側から凝縮器16の側に向かって、開閉弁32、逆止弁33、アキュムレータ34、及び圧縮機35が、順に設けられている。
開閉弁32は、流路22を開放又は閉鎖する。
逆止弁33は、開閉弁32の側からアキュムレータ34の側への通過を許容し、逆方向の通過を阻止する。
アキュムレータ34は、空調用熱媒体の気液分離を行ない、気相の空調用熱媒体だけを圧縮機35へと供給する。
圧縮機35は、気相である低圧の空調用熱媒体を圧縮することにより、液化しやすい高圧の空調用熱媒体に昇圧させるものであり、空調用熱媒体と共に循環するオイルによって潤滑が行なわれる給油式である。例えば、ロータリー圧縮機、斜板式圧縮機、スクロール圧縮機等である。空調用熱媒体に対するオイル濃度は数%程度である。圧縮機35の駆動源は、エンジンや電動モータである。
流路21のうち、熱交換器13と膨張弁31との間には分岐点があり、この分岐点は、流路23を介して蒸発器15の入口に連通している。流路23には、分岐点の側から蒸発器15の側に向かって、開閉弁36、及び膨張弁37(冷房時膨張弁)が、順に設けられている。
開閉弁36は、流路23を開放又は閉鎖する。
膨張弁37は、液相である高圧の空調用熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
流路22のうち、熱交換器13と開閉弁32との間には分岐点があり、また流路23のうち、開閉弁36と膨張弁37との間には分岐点があり、これら分岐点同士は、流路24を介して連通している。流路24には、逆止弁38が設けられている。
逆止弁38は、流路22の側から流路23の側への通過を許容し、逆方向の通過を阻止する。
流路22のうち、開閉弁32と逆止弁33との間には分岐点があり、この分岐点は、流路25を介して蒸発器15の出口に連通している。
次に、付加的な回路構成について説明する。
自動車には、発熱する発熱体41が搭載されている。発熱体41とは、エンジン自動車であればエンジン、電気自動車であればモータ、インバータ等であり、冷却用熱媒体によって冷却される。冷却用熱媒体は、例えば水であるが、冷媒やクーラント等、他の流体を用いてもよい。
車両用空気調和装置11は、熱交換器43(第二の熱交換器)を備える。
熱交換器43は、内部を個別に通過する空調用熱媒体と冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう。
熱交換器43のうち、空調用熱媒体が通過する流路の入口は、凝縮器16の出口に連通し、空調用熱媒体が通過する流路の出口は、膨張弁31の入口に連通する。
熱交換器43のうち、冷却用熱媒体が通過する流路の出口は、流路51を介して発熱体41の入口に連通し、冷却用熱媒体が通過する流路の入口は、流路52を介して発熱体41の出口に連通する。
流路51には、発熱体41の側から熱交換器43の側に向かって、ポンプ44、及びリザーバタンク45が、順に設けられている。
ポンプ44は、冷却用熱媒体を熱交換器43の側から吸入し、ラジエータ42の側へ吐出する。
リザーバタンク45は、回路内の圧力を調整する働きがあり、冷却用熱媒体の液量を点検したり補給したりする際にも用いられる。
次に、運転モードについて説明する。
[暖房運転]
図2は、暖房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
運転モードが暖房であるときには、膨張弁31を僅かに解放し、開閉弁32を開放し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、ポンプ44を駆動する。
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、熱交換器13、開閉弁32、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。このとき、流路21及び流路22を含め、空調用熱媒体の循環する経路が、暖房時空調用経路である。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、凝縮器16で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、熱交換器43で吸熱することで高温になり、膨張弁31で膨張され低圧となり、熱交換器13でさらに吸熱することで蒸発気化し、さらに高温になる。
また、冷却用熱媒体は、ポンプ44、発熱体41、熱交換器43、及びリザーバタンク45を順に経由して循環する。このとき、流路52、及び流路51を含め、冷却用熱媒体の循環する経路が、暖房時冷却用経路である。この循環経路において、冷却用熱媒体は、発熱体41で吸熱することで高温となり、熱交換器43で放熱することで低温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を開放する。これにより、導入された空気が凝縮器16で加温され、温かい空気が車室内に供給される。また、ヒータ18を駆動すると、さらに加温される。
《作用》
次に、第1実施形態の主要な作用効果について説明する。
空調用熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なうために、空調用熱媒体が低圧となる流路に熱交換器を配置することが考えられる。しかしながら、空調用熱媒体と冷却用熱媒体との温度差が大きくなり過ぎることがある。そのため、熱移動が増大し、圧縮機の吐出圧が高くなり過ぎたり、空調用熱媒体の相転移が過敏になり過ぎたりして、空調能力の安定性に影響を与える可能性がある。
そこで、空調用熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なう熱交換器43を、凝縮器16と膨張弁31との間、つまり凝縮器16の出口側に配置した。これにより、暖房時には、凝縮器16を通過して低温になった高圧の空調用熱媒体と、冷却用熱媒体との間で熱交換が行なわれる。すなわち、空調用熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なう熱交換器43は、空調用熱媒体が高圧となる流路に配置される。これにより、空調用熱媒体と冷却用熱媒体との温度差が大きくなり過ぎることを抑制できる。したがって、圧縮機の吐出圧が高くなり過ぎたり、空調用熱媒体の相転移が過敏になり過ぎたりすることを抑制し、空調能力の安定性を向上させることができる。
また、暖房時には、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、及び熱交換器13を順に経由するように、空調用熱媒体を循環させる。また、発熱体41、及び熱交換器43を順に経由するように、冷却用熱媒体を循環させる。これにより、凝縮器16を通過して低温になった空調用熱媒体と、発熱体41を通過して高温になった冷却用熱媒体との間で熱交換が行なわれる。
図3は、冷凍サイクルを表すp−h線図である。
凝縮器16を通過した空調用熱媒体は、T1まで温度が低下するが、高温の冷却用熱媒体との熱交換によってT2まで温度を上昇させることができる。このように、発熱体41の排熱を回収し、車室内の暖房に有効利用することができる。さらに、着霜を抑制し、暖房能力の向上を図ることができる。なお、T1は例えば40〜50度ほどであるが、空調用熱媒体の温度をT1から上昇させるために、冷却用熱媒体がT1よりも高温でなければならない。したがって、エンジン自動車であればエンジン、電気自動車であればモータ、インバータ等、高温になる発熱体41を想定している。
《第2実施形態》
《構成》
第2実施形態は、冷房時に空調用熱媒体の排熱を行ない、運転効率を向上させるものである。
ここでは、冷房時に空調用熱媒体の排熱を行なう構成を追加したことを除いては、前述した第1実施形態と同様であるため、共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4は、第2実施形態を示す図である。
車両用空気調和装置11は、ラジエータ42(放熱用熱交換器)を備える。
ラジエータ42は、熱交換器13の風下側に配置され、内部を通過する冷却用熱媒体と周囲を通過する外気との間で熱交換を行ない、チューブ内の冷却用熱媒体に放熱させる。
流路52のうち、発熱体41とポンプ44との間には分岐点があり、この分岐点は、流路53を介してラジエータ42の入口に連通している。また、流路52のうち、発熱体41と熱交換器43との間には分岐点があり、この分岐点は、流路54を介してラジエータ42の出口に連通している。発熱体41とポンプ44との間の分岐点には、三方弁46が設けられている。
三方弁46は、ポンプ44から送られてきた冷却用熱媒体を、発熱体41に送るか、ラジエータ42に送るか、何れか一方に切り換える。
次に、各運転モードについて説明する。
[暖房運転]
図5は、第2実施形態の暖房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
運転モードが暖房であるときには、膨張弁31を僅かに解放し、開閉弁32を開放し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を閉鎖した状態で、圧縮機35を駆動する。また、三方弁46の出口を発熱体41の側に切り替えた状態で、ポンプ44を駆動する。
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、熱交換器13、開閉弁32、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。このとき、流路21及び流路22を含め、空調用熱媒体の循環する経路が、暖房時空調用経路である。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、凝縮器16で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、熱交換器43で吸熱することで高温になり、膨張弁31で膨張され低圧となり、熱交換器13でさらに吸熱することで蒸発気化し、さらに高温になる。
また、冷却用熱媒体は、ポンプ44、三方弁46、発熱体41、熱交換器43、及びリザーバタンク45を順に経由して循環する。このとき、流路52、及び流路51を含め、冷却用熱媒体の循環する経路が、暖房時冷却用経路である。この循環経路において、冷却用熱媒体は、発熱体41で吸熱することで高温となり、熱交換器43で放熱することで低温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を開放する。これにより、導入された空気が凝縮器16で加温され、温かい空気が車室内に供給される。また、ヒータ18を駆動すると、さらに加温される。
[冷房運転]
図6は、第2実施形態の冷房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
運転モードが冷房であるときには、膨張弁31を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37を僅かに解放した状態で、圧縮機35を駆動する。また、三方弁46の出口をラジエータ42の側に切り替えた状態で、ポンプ44を駆動する。
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、熱交換器13、逆止弁38、膨張弁37、蒸発器15、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。このとき、流路21、流路22の一部、流路24、流路23の一部、及び流路25を含め、空調用熱媒体の循環する経路が、冷房時空調用経路である。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、熱交換器43で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液化しつつある空調用熱媒体は、熱交換器13でさらに放熱することで凝縮液化し、さらに低温になる。液相の空調用熱媒体は、膨張弁37で膨張され低圧となり、蒸発器15で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
また、冷却用熱媒体は、ポンプ44、三方弁46、ラジエータ42、熱交換器43、及びリザーバタンク45を順に経由して循環する。このとき、流路51の一部、流路53、流路54、流路52の一部を含め、冷却用熱媒体の循環する経路が、冷房時冷却用経路である。この循環経路において、冷却用熱媒体は、ラジエータ42で放熱することで低温となり、熱交換器43で吸熱することで高温となる。
一方、室内熱交換ユニット12では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ17で凝縮器16を通過する流路を閉鎖する。これにより、導入された空気が蒸発器15で冷却及び除湿された後に、凝縮器16を迂回し、除湿された涼しい空気が車室内に供給される。
《作用》
次に、第2実施形態の主要な作用効果について説明する。
暖房時には、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、及び熱交換器13を順に経由するように、空調用熱媒体を循環させる。また、発熱体41、及び熱交換器43を順に経由するように、冷却用熱媒体を循環させる。これにより、凝縮器16を通過して低温になった空調用熱媒体と、発熱体41を通過して高温になった冷却用熱媒体との間で熱交換が行なわれる。このように、発熱体41の排熱を回収し、車室内の暖房に有効利用することができる。さらに、着霜を抑制し、暖房能力の向上を図ることができる。
冷房時には、膨張弁37、蒸発器15、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、及び熱交換器13を順に経由するように、空調用熱媒体を循環させる。また、熱交換器43、及びラジエータ42を順に経由するように、冷却用熱媒体を循環させる。これにより、蒸発器15、及び圧縮機35を順に通過して高温高圧になった空調用熱媒体は、ラジエータ42を通過して低温になった冷却用熱媒体と熱交換され、次いで外気と熱交換されて低温になる。一方、熱交換器43を通過して高温になった冷却用熱媒体は、ラジエータ42で外気と熱交換されて低温になる。このように、冷房時に空調用熱媒体の排熱を行ない、運転効率の向上を図ることができる。
したがって、暖房時に発熱体41の排熱を回収し、暖房に有効利用すること、及び冷房時に空調用熱媒体の排熱を行ない、運転効率を向上させることの双方を実現することができる。
また、冷却用熱媒体を循環させる回路では、発熱体41、及びラジエータ42が、並列に接続されている。これにより、ポンプ44から冷却用熱媒体を発熱体41に送る経路と、ポンプ44から冷却用熱媒体をラジエータ42に送る経路と、が形成される。したがって、暖房時に冷却用熱媒体を発熱体41に送れば、発熱体41の排熱を回収することが可能となり、冷房時に冷却用熱媒体をラジエータ42に送れば、空調用熱媒体の排熱を促進することが可能となる。
また、三方弁46により、冷却用熱媒体を発熱体41に送る経路、冷却用熱媒体をラジエータ42に送る経路の何れか一方に切り換え可能である。これにより、冷却用熱媒体を分流させて、発熱体41及びラジエータ42の双方に送る場合と比較して、暖房時と冷房時とで夫々の作用効果がより顕著になる。
また、ラジエータ42は、熱交換器13の風下側に配置される。これにより、暖房時には、熱交換器13で空調用熱媒体が外気から吸熱し、ラジエータ42で冷却用熱媒体が外気へ放熱する。すなわち、風上側となる熱交換器13で吸熱された外気が、風下側のラジエータ42へと流れるので、冷却用熱媒体の温度を効率よく低下させることができる。したがって、発熱体41の冷却効率が向上する。
その他の作用効果については、前述した第1実施形態と同様である。
《変形例》
本実施形態では、冷却用熱媒体を循環させる回路において、発熱体41に流すかラジエータ42に流すかを三方弁46で切り替えているが、これに限定されるものではない。例えば、発熱体41に流す流路、及びラジエータ42に流す流路に、夫々、開閉可能な二方弁を設け、一方を開くときに他方を閉じ、一方を閉じるときに他方を開くようにしてもよい。
本実施形態では、冷房時に膨張弁31を全開にする構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、膨張弁31を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス流路を開閉可能に構成してもよい。これにより、冷房時に膨張弁31を閉鎖し、バイパス流路を開放すれば、圧力損失を低減することができる。
《第3実施形態》
《構成》
第3実施形態は、冷房時に、発熱体41の温度上昇を抑制するものである。
ここでは、低圧低温となる空調用熱媒体の一部と高温の冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことを除いては、前述した第2実施形態と同様であるため、共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7は、第3実施形態を示す図である。
流路23のうち、流路24への分岐点と膨張弁37との間には分岐点があり、また流路22のうち、逆止弁33とアキュムレータ34との間には分岐点があり、これら分岐点同士は、流路61を介して連通している。流路61には、流路23の側から流路22の側に向かって、膨張弁62、及び熱交換器63が、順に設けられている。
膨張弁62は、液相である高圧の空調用熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
熱交換器63は、内部を個別に通過する空調用熱媒体と冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう。
流路52のうち、熱交換器43と発熱体41との間には分岐点があり、また流路51のうち、熱交換器43とリザーバタンク45との間には分岐点があり、これら分岐点同士は、流路64を介して連通している。流路64には、熱交換器63が設けられている。
熱交換器63のうち、空調用熱媒体が通過する流路の入口は、膨張弁62の出口に連通し、空調用熱媒体が通過する流路の出口は、流路22に連通する。
熱交換器63のうち、冷却用熱媒体が通過する流路の出口は、流路51に連通し、冷却用熱媒体が通過する流路の入口は、流路52に連通する。
熱交換器43と発熱体41との間の分岐点には、三方弁65が設けられている。三方弁65は、発熱体41から送られてきた冷却用熱媒体を、熱交換器43に送るか、熱交換器63に送るか、何れか一方に切り換える。
[冷房運転]
運転モードが冷房であり、発熱体41の発熱量が予め定めた閾値を超えたときには、膨張弁31を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁36を閉鎖し、膨張弁37及び膨張弁62の双方を僅かに解放した状態で、圧縮機35を駆動する。また、三方弁65の出口を熱交換器63の側に切り替えた状態で、ポンプ44を駆動する。
これにより、空調用熱媒体の一部は、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、熱交換器13、逆止弁38、膨張弁37、蒸発器15、逆止弁33、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、熱交換器13で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、膨張弁37で膨張され低圧となり、蒸発器15で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
また、空調用熱媒体の残りは、圧縮機35、凝縮器16、熱交換器43、膨張弁31、熱交換器13、逆止弁38、膨張弁62、熱交換器63、及びアキュムレータ34を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機35で圧縮され高圧となり、熱交換器13で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、膨張弁62で膨張され低圧となり、熱交換器63で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
また、冷却用熱媒体は、ポンプ44、三方弁46、発熱体41、三方弁65、熱交換器63、及びリザーバタンク45を順に経由して循環する。この循環経路において、冷却用熱媒体は、熱交換器63で放熱することで低温となり、発熱体41で吸熱することで高温となる。
《作用効果》
次に、第3実施形態の主要な作用効果について説明する。
運転モードが冷房であり、発熱体41の発熱量が予め定めた閾値を超えたときには、膨張弁62を僅かに解放し、空調用熱媒体の一部に膨張弁62、及び熱交換器63を経由させる。さらに、三方弁65の出口を熱交換器63の側に切り替え、熱交換器63、及び発熱体41を順に通過するように、冷却用熱媒体を循環させる。これにより、熱交換器13、及び膨張弁62を順に通過して低温低圧になった空調用熱媒体は、発熱体41を通過して高温になった冷却用熱媒体と熱交換されて高温になる。一方、熱交換器63を通過して低温になった冷却用熱媒体は、発熱体41で高温になる。このように、冷房時にも発熱体41の温度上昇を抑制することができる。
その他の作用効果については、前述した第2実施形態と同様である。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
11…車両用空気調和装置、12…室内熱交換ユニット、13…熱交換器、14…送風ファン、15…蒸発器、16…凝縮器、17…エアミックスダンパ、18…ヒータ、21…流路、22…流路、23…流路、24…流路、25…流路、31…膨張弁、32…開閉弁、33…逆止弁、34…アキュムレータ、35…圧縮機、36…開閉弁、37…膨張弁、38…逆止弁、41…発熱体、42…ラジエータ、43…熱交換器、44…ポンプ、45…リザーバタンク、46…三方弁、51…流路、52…流路、53…流路、54…流路、61…流路、62…膨張弁、63…熱交換器、64…流路、65…三方弁

Claims (7)

  1. 車室内へ空気を供給する供給流路に設けられ、周囲を通過する空気と内部を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行ない、前記空調用熱媒体に吸熱させる蒸発器と、
    前記供給流路のうち前記蒸発器よりも下流側に設けられ、周囲を通過する空気と内部を通過する前記空調用熱媒体との間で熱交換を行ない、前記空調用熱媒体に放熱させる凝縮器と、
    周囲を通過する外気と内部を通過する前記空調用熱媒体との間で熱交換を行なう第一の熱交換器と、
    前記空調用熱媒体を圧縮する圧縮機と、
    冷房時に前記空調用熱媒体を膨張させる冷房時膨張弁と、
    暖房時に前記空調用熱媒体を膨張させる暖房時膨張弁と、
    発熱体を冷却するための冷却用熱媒体が内部を通過し、周囲を通過する外気との間で熱交換を行なう放熱用熱交換器と、
    内部を個別に通過する前記空調用熱媒体と前記冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう第二の熱交換器と、
    冷房時に、前記冷房時膨張弁、前記蒸発器、前記圧縮機、前記凝縮器、前記第二の熱交換器、及び前記第一の熱交換器を順に経由するように、前記空調用熱媒体を循環させる冷房時空調用経路と、
    暖房時に、前記圧縮機、前記凝縮器、前記第二の熱交換器、前記暖房時膨張弁、及び前記第一の熱交換器を順に経由するように、前記空調用熱媒体を循環させる暖房時空調用経路と、
    冷房時に、前記第二の熱交換器、及び前記放熱用熱交換器を順に経由するように、前記冷却用熱媒体を循環させる冷房時冷却用経路と、を備えることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記第二の熱交換器は、冷房時に、前記蒸発器、及び前記圧縮機を順に通過して高温高圧になった前記空調用熱媒体と、前記放熱用熱交換器を通過して低温になった前記冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 暖房時に、前記発熱体、及び前記第二の熱交換器を順に経由するように、前記冷却用熱媒体を循環させる暖房時冷却用経路を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記第二の熱交換器は、暖房時に、前記凝縮器、及び前記暖房時膨張弁を順に通過して低温低圧になった前記空調用熱媒体と、前記発熱体を通過して高温になった前記冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことを特徴とする請求項3に記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記発熱体、及び前記放熱用熱交換器は、並列に接続されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用空気調和装置。
  6. 前記冷房時冷却用経路、及び前記暖房時冷却用経路の何れか一方に切り換え可能であることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の車両用空気調和装置。
  7. 前記放熱用熱交換器は、前記第一の熱交換器の風下側に配置されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の車両用空気調和装置。
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