以下、本発明を具現化した地下水利用システム1について説明する。まず、図1を参照し、地下水利用システム1の概要について説明する。図1に示す地下水利用システム1は、地下水17の熱を利用して、建物78の室内781内の空調を行うシステムである。以下の説明において、図1の紙面上側及び下側を、地下水利用システム1の上側及び下側という。また、地下水利用システム1の下側は重力方向であり、上側は反重力方向である。
地下水利用システム1が設置される現場の環境について説明する。地下水利用システム1が配置される現場には、第一井戸81、第二井戸82、及び建物78が存在する。建物78は、地表105の上側に建っている。第一井戸81及び第二井戸82は、夫々、地表105から下側に向けて設けられている。第一井戸81及び第二井戸82には、地下水17が溜まっている。第一井戸81及び第二井戸82内の地下水17は、図示しない透水性地層から供給されている。
地下水利用システム1の構成について説明する。地下水利用システム1は、室内機10、室外機20、熱交換ユニット5、流路11,12,13,14,901,902,903,904等を備えている。
第一井戸81の地下水17の中には、流路901と流路902の一端が配置されている。流路901の第一井戸81の中の端部には、ポンプ151が接続されている。流路902の第一井戸81の中の端部は、開口部である流出口141である。流出口141及びポンプ151は、第一井戸81の地下水17の水面811より下側に配置されている。第二井戸82の地下水17の中には、流路903と流路904の一端が設けられている。流路903の第二井戸82の中の端部には、ポンプ152が接続されている。流路904の第二井戸82の中の端部は、開口部である流出口142である。流出口142及びポンプ152は、第二井戸82の地下水17の水面821より下側に配置されている。
第一井戸81において、地下水17の水面811の上方には、水位センサ971が配置されている。第二井戸82において、地下水17の水面821の上方には、水位センサ972が配置されている。水位センサ971,972は、水面811,821が水位センサ971,972の位置まで上昇した場合にオンするスイッチ式である。ポンプ151,152及び水位センサ971,972は、図示しない電気配線によって、熱交換ユニット5の制御盤580に電気的に接続されている。
熱交換ユニット5は、外装であるケース部590に覆われた1つの装置である。ケース部590には、熱交換ユニット5の外部に設けられた流路と接続可能な接続口591,592,593,594,595,596が設けられている。ケース部590の内側には、断熱材598が設けられている。
熱交換ユニット5は、直方体状のケース部590の内部に、流路501〜514、排出流路515、エア抜き弁941,942、排水ドレンパン599、温度センサ571〜574、圧力センサ576,577、安全弁943、電動弁561〜568、開閉弁569,570、廃液弁944、流量計575、ポンプ579、膨張タンク578、制御盤580、接続口591〜596、操作部588、及び報知器589を備えている。流路501〜509は、地下水17が流れる流路である。流路510〜514は、不凍液である液体18が流れる流路である。制御盤580には、各種の電子部品が実装され、熱交換ユニット5を制御する。
熱交換器50は、地下水17と液体18との熱交換を行う装置である。熱交換器50は、接続部材であるフランジ541,542,543,544によって、熱交換ユニット5の内部に固定されている。熱交換器50は、フランジ541〜544を開放することで、熱交換ユニット5から、取り外し可能である。よって、熱交換器50は、熱交換ユニット5から、取り外して、新たな熱交換器50を熱交換ユニット5内に設置可能である。すなわち、熱交換器50は、フランジ接続により交換可能である。熱交換器50を交換する場合、使用者は、例えば、ケース部590の一部を取り外して、熱交換器50を交換する。
接続口591〜596は、ケース部590に固定されている。流路901は、接続口591に接続されている。流路902は、接続口592に接続されている。流路903は、接続口593に接続されている。流路904は、接続口594に接続されている。
流路501は、フランジ541を介して、熱交換器50に接続されている。流路501は、熱交換器50から延び、接続部521において、流路502,503に分岐する。流路502は、接続口591に接続されている。流路503は、接続口592に接続されている。流路502と流路901とは、接続口591を介して、互いに接続されている。流路503と流路902とは、接続口592を介して、互いに接続されている。
流路504は、フランジ542を介して、熱交換器50に接続されている。流路504は、熱交換器50から延び、接続部522において、流路505,506に分岐する。流路505は、接続口593に接続されている。流路506は、接続口594に接続されている。流路505と流路903とは、接続口593を介して、互いに接続されている。流路506と流路904とは、接続口594を介して、互いに接続されている。
エア抜き弁941は流路507の一端に接続されている。本実施形態においては、エア抜き弁941は、一例として、逆止弁付きのエア抜き弁であるとする。エア抜き弁941は機械式であり、自動的に動作する。流路507の他端は、接続部523において流路501に接続されている。
流路508は、接続部524において流路501に接続されている。流路508は、排水ドレンパン599に向けて延びる。流路501の一端は、排水ドレンパン599の上方に配置された開口部である流出口551である。
流路509は、接続部525において流路504に接続されている。流路509は、排水ドレンパン599に向けて延びる。流路504の一端は、排水ドレンパン599の上方に配置された開口部である流出口552である。
排水ドレンパン599には、排出流路515が接続されている。排出流路515は、ケース部590の外部に延びる。排水ドレンパン599は、流路508,509の流出口551,552から排出される地下水17を受ける。排水ドレンパン599に排出された地下水17は、排出流路515を介して、熱交換ユニット5の外部に排出される。
電動弁561は、流路501の接続部523と熱交換器50の間に設けられている。電動弁562は、流路504の接続部525と熱交換器50の間に設けられている。電動弁563は、流路502に設けられている。電動弁564は、流路503に設けられている。電動弁565は、流路505に設けられている。電動弁566は、流路506に設けられている。電動弁567は流路508に設けられている。電動弁568は、流路509に設けられている。
温度センサ571と圧力センサ576は、流路501において、電動弁561と熱交換器50との間に設けられている。温度センサ572と圧力センサ577は、流路504において、電動弁562と熱交換器50との間に設けられている。
流路510は、フランジ543を介して、熱交換器50に接続されている。流路510は、接続口595に接続されている。流路511は、接続部526において流路510に接続されている。流路512は、接続部527において、流路511に接続されている。流路511の一端には、エア抜き弁942が設けられている。流路512の一端には、安全弁943が設けられている。エア抜き弁942及び安全弁943は、機械式であり、自動的に動作する。
開閉弁569は、流路510において、接続部526と熱交換器50との間に設けられている。開閉弁569は、手動により開閉する。温度センサ573は、流路510において、開閉弁569と接続部526との間に設けられている。
流路513は、フランジ544を介して、熱交換器50に接続されている。流路513は、接続口596に接続されている。流路514は、接続部528において流路513に接続されている。流路514の一端には、メンテナンス用の廃液弁944が設けられている。熱交換ユニット5のメンテナンスが行われる場合には、手動により廃液弁944が開かれ、液体18が排出される。排出される液体18は、図示しない容器で受ける。なお、液体18を流路510及び流路513側に封入する場合には、廃液弁944から流路510及び流路513側に液体18が注入される。
開閉弁570、温度センサ574、流量計575、ポンプ579、及び膨張タンク578は、流路513において、熱交換器50から接続部528に向かう方向に順に設けられている。液体18は、気温によって密度が変わる。膨張タンク578は、液体18の密度の変化を吸収するために設けられたタンクである。流量計575は、流路513を流れる液体18の流量を計測する。開閉弁570は、手動により開閉する。
制御盤580は、ケース部590の内側に設けられている。操作部588と報知器589は、ケース部590の外面に設けられている。
室外機20は、屋外(建物78の外側)に設けられている。室外機20は、例えば、地中熱対応の水冷式ビル用マルチ室外機である。室外機20は、ヒートポンプ2及び制御盤210を備えている。流路11及び流路12は、夫々、ヒートポンプ2と室内機10とに接続されている。流路13及び流路14は、ヒートポンプ2に接続されている。流路11及び流路12は、流体16が流れる流路である。流体16は、例えば、冷媒である。流路11,12は、冷媒配管である。制御盤210は、ヒートポンプ2を制御する。また、制御盤210は、図示しない電気配線によって、熱交換ユニット5の制御盤580に接続されている。
流路13は、ヒートポンプ2から、室外機20の外側に延び、熱交換ユニット5の接続口595に接続されている。流路14は、ヒートポンプ2から、室外機20の外側に延び、熱交換ユニット5の接続口596に接続されている。流路510と流路13とは接続口595を介して、互いに接続されている。流路513と流路14とは、接続口596を介して、互いに接続されている。
液体18は、流路13,14,510,513の内側を流れる。液体18は、ポンプ579によって、流路510、流路13、ヒートポンプ2、流路14、流路513、及び熱交換器50の順に流され、該経路を循環する。より詳細には、液体18は、流路513を介して熱交換器50に流入し、地下水17との熱交換が行われ、流路510から流出する。液体18は、流路13を介してヒートポンプ2に流入し、流体16との熱交換が行われ、流路14から流出する。
室内機10は、建物78の室内781に配置されている。流体16は、ヒートポンプ2、流路11、室内機10、流路12、ヒートポンプ2の順に流れ、該経路を循環する。室内機10は、室内781から空気を取り込み、流体16との熱交換を行って、空気の温度を調整し、送風機で室内781に送風する。これによって、室内781の冷房又は暖房が行われる。なお、室内機10は1つだけ図示しているが、複数の部屋に、複数存在してもよい。
図2を参照して、地下水利用システム1の電気的構成について説明する。熱交換ユニット5の制御盤580は、CPU581、ROM582、及びRAM583等を備えている。室外機20の制御盤210は、CPU211、ROM212、及びRAM213を備えている。CPU581とCPU211とは、互いに電気的に接続され、協働により、地下水利用システム1の制御を行う。CPU581は、熱交換ユニット5と、ポンプ151,152の制御を行う。
室外機20のCPU211は、ヒートポンプ2と室内機10とに、電気的に接続されている。CPU211は、ヒートポンプ2と室内機10の制御を行う。室内機10は、操作部101を備えている。CPU211及びCPU581は、操作部101から入力される使用者からの指示に基づいて、室内機10による冷房及び暖房の制御を行う。
室外機20のCPU211は、ROM212とRAM213とに電気的に接続されている。ROM212には、後述する室外機処理(図5参照)のプログラム等の種々のプログラムデータ、その他の種々のデータが記憶されている。RAM213には、種々の一時データが記憶される。
熱交換ユニット5のCPU581は、ROM582とRAM583とに電気的に接続されている。ROM582には、後述するメイン処理(図6及び図7参照)のプログラム等、種々のプログラムデータが記憶されている。RAM583には、種々の一時データが記憶される。
CPU581は、熱交換器50、ポンプ151,152、ポンプ579、水位センサ971,972、流量計575、温度センサ571〜574、圧力センサ576,577、操作部588、報知器589、及び電動弁561〜568と、電気的に接続されている。CPU581は、電動弁561〜568を制御し、流路の開閉を行う。
CPU581は、温度センサ571,572の出力に基づいて、流路501,504を流れる地下水17の温度を検出する。CPU581は、温度センサ573,574の出力に基づいて、流路510,513を流れる液体18の温度を検出する。
CPU581は、圧力センサ576,577の出力に基づいて、流路501,504を流れる地下水17の圧力を検出する。CPU581は、流量計575の出力に基づいて、流路513を流れる液体18の流量を検出する。
CPU581は、ポンプ151,152を制御して、第一井戸81及び第二井戸82から熱交換器50に地下水17を供給する。本実施形態においては、一例として、ポンプ151,152は、地下水17の流量を調整可能なポンプ(例えば、インバータポンプ)であるとする。CPU581は、ポンプ151,152の地下水17の流量を制御して、第一井戸81から熱交換器50に供給する地下水17の流量を調整する。CPU581は、温度センサ571,572の出力を参照しながら、ポンプ151,152による地下水17の流量を調整する。
CPU581は、ポンプ579を制御して、液体18を流す。液体18は、流路510、流路13、ヒートポンプ2、流路14、流路513、及び熱交換器50の順に流れる。本実施形態においては、一例として、ポンプ579は、地下水17の流量を調整可能なポンプ(例えば、インバータポンプ)であるとする。CPU581は、温度センサ573,574の出力を参照しながら、ポンプ579による液体18の流量を調整する。また、CPU581は、流量計575の出力を参照しながら、液体18の流量を調整する。
CPU581は、操作部588を介して入力される、使用者の指示を取得する。報知器589は、光を点灯させることができる。CPU581は、報知器589の点灯を制御して、使用者に報知する。
図3を参照し、データテーブル95について説明する。データテーブル95は、例えば、ROM582又はRAM583等の各種の記憶媒体に記憶されている。データテーブル95には、第一井戸81の基準水位、第二井戸82の基準水位、第一井戸81の所定上昇量、第二井戸82の所定上昇量、第一所定時間、第二所定時間、及び所定時刻が記憶されている。第一井戸81の基準水位とは、例えば、地下水17の揚水及び還元を行っていない状態の、第一井戸81の水位の平均値である。第二井戸82の基準水位とは、例えば、地下水17の揚水及び還元を行っていない状態の、第二井戸82の水位の平均値である。
第一井戸81の所定上昇量とは、第一井戸81の基準水位からの地下水17の上昇量の所定値である。本実施形態においては、一例として、第一井戸81において許容される地下水17の最大の上昇量よりも低い値(例えば、最大の上昇量の70%)に設定されている。
第二井戸82の所定上昇量とは、第二井戸82の基準水位からの地下水17の上昇量の所定値である。本実施形態においては、一例として、第二井戸82において許容される地下水17の最大の上昇量よりも低い値(例えば、最大の上昇量の70%)に設定されている。
第一所定時間は、運転時間が第一所定時間以上となる場合に、後述する断続逆洗を実行する基準となる時間である。第二所定時間は、運転時間が第二所定時間以上となる場合に、断続逆洗を実行する基準となる時間である。第二所定時間は、第一所定時間より長い時間である。例えば、第一所定時間は48時間であり、第二所定時間は72時間である。所定時刻は、断続逆洗を行う時刻である。
本実施形態においては、第一井戸81の基準水位は「K1」、第二井戸82の基準水位は「K2」、第一井戸81の所定上昇量は「K11」、第二井戸82の所定上昇量は「K21」、第一所定時間は「T1」、第二所定時間は「T2」、所定時刻は「T3」であるとする。また、水位センサ971は、第一井戸81の地下水17が所定上昇量「K11」に到達した場合にオンする位置に配置されている。水位センサ972は、第二井戸82の地下水17が所定上昇量「K21」に到達した場合にオンする位置に配置されている。
図1を参照し、室内781の冷房又は暖房が行われる場合の、地下水17、液体18、及び流体16の流れについて説明する。熱交換器50は、流路501又は流路504から流入する地下水17の温度を利用して、流路513から流入する液体18を冷却又は加熱するように構成されている。ヒートポンプ2は、ヒートポンプ方式により、流路13から流入する液体18の温度を利用して、流路14から流入する流体16を冷却又は加熱するように構成されている。
CPU581が、電動弁561,562,563,566を開き、電動弁564,565,567,568を閉じ、ポンプ151を駆動する。この場合、地下水17は、第一井戸81から揚水され、流路901、流路502,流路501を介して熱交換器50に流入する。熱交換器50は、流入した地下水17の熱を利用し、液体18を冷却又は加熱する。熱交換に利用された地下水17は、流路504、流路506、流路903、流出口142を介して第二井戸82に流出する。以下の説明においては、第一井戸81から揚水され、熱交換器50を介して、第二井戸82に流出する地下水17の流れる方向を、第一方向H1という。
CPU581が、電動弁561,562,564,565を開き、電動弁563,566,567,568を閉じ、ポンプ152を駆動する。この場合、地下水17は、第二井戸82から揚水され、流路903、流路505、及び流路504を介して熱交換器50に流入する。熱交換器50は、流入した地下水17の熱を利用し、液体18を冷却又は加熱する。熱交換に利用された地下水17は、流路501、流路503、流路902、流出口141を介して第一井戸81に流出する。以下の説明においては、第二井戸82から揚水され、熱交換器50を介して、第一井戸81に流出する地下水17の流れる方向を、第二方向H2という。
CPU581は、ポンプ579を駆動する。この場合、液体18は、熱交換器50、流路510、流路13、ヒートポンプ2、流路14、流路513、及び熱交換器50の順に流れ、該経路を循環する。より詳細には、液体18は、流路513を介して熱交換器50に流入し、流路510から流出する。液体18は、流路13を介してヒートポンプ2に流入し、流路14から流出する。液体18が流れる方向を、方向H3とする。熱交換器50は、地下水17の熱を利用し、流入した液体18を冷却又は加熱する。ヒートポンプ2は、流入した液体18の熱を利用し、流体16を冷却又は加熱する。
流体16は、ヒートポンプ2、流路11、室内機10、流路12、及びヒートポンプ2の順に流れ、該経路を循環する。流体16が流れる方向を、方向H4とする。室内機10では、冷却又は加熱された流体16との熱交換によって、空気を冷却又は加熱して、室内781の冷房又は暖房を行う。
このように、室内781の冷房又は暖房が行われる。第一井戸81及び第二井戸82の地下水17の温度は外気の気温に比べて安定している。このため、外気との熱交換によって、室内781の冷房又は暖房を行う場合に比べて、ヒートポンプの効率が向上する。
図1を参照し、逆洗について説明する。室内781の冷房又は暖房時に、第一方向H1に地下水17が流れる場合、地下水17は流出口142から第二井戸82に流出する。第一方向H1への地下水17の流れが継続されると、第二井戸82等に、異物等が溜まり、地下水17が流れ難くなる可能性がある。このため、第二井戸82から地下水17を揚水し、第一方向H1とは逆方向に地下水17を流す逆洗を行い、地下水17が流れに難くなる可能性を低減する。
さらに、具体的に説明する。第二井戸82との周囲を形成する壁部は、例えばメッシュ状に形成されたり、丸穴が形成されたりする。該壁部を介して、第二井戸82の周囲の地層と、第二井戸82との間で、地下水17が流出入する。第一方向H1への地下水17の流れが継続されると、第二井戸82の周囲を形成する壁部、及び、流出口142の周囲に、異物が溜まり、地下水17が流れ難くなる可能性がある。よって、第二井戸82から地下水17を揚水し、第一方向H1とは逆方向に地下水17を流す逆洗を行い、第二井戸82において異物を除去し、地下水17が流れに難くなる可能性を低減するのである。
なお、第一方向H1への地下水17の流れが継続されると、第一井戸81から第二井戸82に至る流路にも異物が溜まる場合がある。逆洗が行われる場合、第一井戸81から第二井戸82に至る流路の一部においても、逆方向に地下水17が流れるため、該流路も洗浄される。よって、該流路において地下水17が流れ難くなる可能性も低減できる。
この逆洗を行う場合、CPU581は、電動弁561,562,565、567を開き、電動弁563,564,566,568を閉じ、ポンプ152を駆動する。この場合、地下水17は、第二井戸82から揚水され、流路903、流路505、流路504、熱交換器50、流路501、流路508、及び流出口551を介して、排水ドレンパン599に排出される。この逆洗において、第二井戸82から揚水され、流出口551から排出される地下水17の流れる方向を逆洗方向H5という(図4参照)。排水ドレンパン599に排出された地下水17は、排出流路515を介して、熱交換ユニット5の外側に排出される。
室内781の冷房又は暖房時に、第二方向H2に地下水17が流れる場合、地下水17は流出口141から第一井戸81流出する。第二方向H2への地下水17の流れが継続されると、第一井戸81等に、異物等が溜まり、地下水17が流れ難くなる可能性がある。このため、第一井戸81から地下水17を揚水し、第二方向H2とは逆方向に地下水17を流す逆洗を行い、地下水17が流れ難くなる可能性を低減する。なお、上述した第二井戸82の場合と同様に、第一井戸81との周囲を形成する壁部は、例えばメッシュ状に形成されたり、丸穴が形成されたりする。しかし、逆洗が行われることで、第一井戸81の周囲を形成する壁部、及び、流出口141の周囲に溜まる異物を除去し、地下水17が流れに難くなる可能性を低減するのである。また、逆洗により、第二井戸82から第一井戸81に至る流路の一部も洗浄される。
この逆洗を行う場合、CPU581は、電動弁561,562,563,568を開き、電動弁564,565,566,567を閉じ、ポンプ151を駆動する。この場合、地下水17は、第一井戸81から揚水され、流路901、流路502、流路501、熱交換器50、流路504、流路509、及び流出口552を介して、排水ドレンパン599に排出される。この逆洗において、第一井戸81から揚水され、流出口552から排出される地下水17の流れる方向を逆洗方向H6という(図4参照)。排水ドレンパン599に排出された地下水17は、排出流路515を介して、熱交換ユニット5の外側に排出される。
なお、本実施形態においては、地下水17を逆方向に断続的に流して第一井戸81又は第二井戸82を洗浄する断続逆洗が行われる。断続逆洗は、例えば、10分間逆洗を行い、10分間逆洗を停止し、再び10分間逆洗を行い、10分間逆洗を停止するという動作を繰り返す逆洗である。
CPU581及びCPU211によって実行される処理について説明する。まず、図5を参照し、室外機20のCPU211によって実行される、室外機処理について説明する。室外機20の電源がONされると、CPU211は、ROM212から室外機処理のプログラムを読み出し、RAM213に展開する。CPU211は、室外機処理のプログラムに従って、室外機処理を行う。
室外機処理においては、まず、冷房又は暖房を開始するか否かが判断される(S11)。冷房又は暖房を開始しない場合(S11:NO)、待機する。例えば、使用者によって、室内機10の操作部101が操作され、冷房又は暖房の開始の指示が入力された場合、CPU211は、冷房又は暖房を開始すると判断する(S11:YES)。また、例えば、室内781の温度と、設定温度との差が、所定の温度以上になり、CPU211が、冷房又は暖房を開始すると判断した場合に、冷房又は暖房を開始すると判断する(S11:YES)。
冷房又は暖房を開始すると判断されると(S11:YES)、冷房又は暖房の開始指示を示す信号である開始指示信号が、熱交換ユニット5のCPU581に送信される(S12)。送信された開始指示信号は、CPU581のS21の処理(図6参照)において受信される。
次いで、冷房又は暖房が開始される(S13)。より詳細には、ヒートポンプ2と室内機10が駆動される。ヒートポンプ2において、液体18と流体16との熱交換が行われる。流体16は、室内機10に送液され、室内機10において、室内781の冷房又は暖房が行われる。
次いで、冷房又は暖房を停止するか否かが判断される(S14)。冷房又は暖房を停止しない場合(S14:NO)、処理はS14に戻る。すなわち、冷房又は暖房が継続される。例えば、使用者によって、操作部101が操作され、冷房又は暖房の停止の指示が入力された場合、冷房又は暖房を停止すると判断される(S14:YES)。また、例えば、室内781の温度が、設定温度に達成し、CPU211が、冷房又は暖房を停止すると判断した場合に、冷房又は暖房を停止すると判断する(S14:YES)。次いで、冷房又は暖房の停止指示を示す信号である停止指示信号が、CPU581に送信される(S15)。送信された停止指示信号は、CPU581のS42の処理(図7参照)において受信される。
次いで、冷房又は暖房が停止される(S16)。より詳細には、ヒートポンプ2と室内機10の駆動が停止される。次いで、処理は、S11に戻る。
図6及び図7を参照し、熱交換ユニット5のCPU581によるメイン処理について説明する。熱交換ユニット5の電源がONされると、CPU581は、ROM582からメイン処理のプログラムを読み出し、RAM583に展開する。CPU581は、メイン処理のプログラムに従って、メイン処理を行う。
メイン処理では、まず、冷房又は暖房を開始するか否かが判断される(S21)。冷房又は暖房を開始しない場合(S21:NO)、断続逆洗を開始する所定時刻「T3」(図3参照)になったか否かが判断される(S22)。所定時刻「T3」は、例えば、夜間など、地下水利用システム1が停止されている時間に設定されている。なお、所定時刻は、使用者が操作部101を操作することで、設定可能である。断続逆洗を開始する所定時刻「T3」になっていない場合(S22:NO)、処理はS21に戻る。
S12の処理(図5参照)において送信された開始指示信号が受信された場合、冷房又は暖房を開始すると判断され(S21:YES)、地下水17の熱交換器50への供給方向について、第一方向H1にするか、第二方向H2にするかが、決定される(S23)。
例えば、1日ごとに、供給方向を変更する場合において、前日に、第二方向H2に地下水17を流した場合には、第一方向H1に流すと決定される。また、前日に、第一方向H1に地下水17を流した場合には、第二方向H2に流すと決定される。また、使用者によって、供給方向が予め設定されている場合には、設定されている方向に地下水17を流すと決定される。本実施形態では、一例として、S45又はS49(図7参照)において、断続逆洗が行われた後、再度、S24において地下水17の揚水及び排水を行う場合に、第一井戸81と第二井戸82とのうち、断続逆洗が行われた場合に地下水17が揚水された井戸と同じ井戸から、地下水17を揚水するように、地下水17を流す方向が決定されるとする。
次いで、ポンプ151又はポンプ152が制御され、地下水17が熱交換器50に供給される(S24)。S23において、地下水17を第一方向H1に地下水17を供給すると決定された場合、ポンプ151が駆動され、第一井戸81から、地下水17が熱交換器50に供給される(S24)。熱交換器50から排出された地下水17は、流出口142から第二井戸82に排出される。S23において、地下水17を第二方向H2に供給すると決定された場合、ポンプ152が駆動され、第二井戸82から、地下水17が熱交換器50に供給される(S24)。熱交換器50から排出された地下水17は、流出口141から第一井戸81に排出される。すなわち、S24においては、第一井戸81と第二井戸82とのうち、一方の井戸から地下水17を揚水し、流路を介して、他方の井戸に地下水17を排出する処理が行われる。なお、第一方向H1又は第二方向H2に地下水17を流す場合、前述したように、電動弁561〜568の開閉が行われる。
次いで、ポンプ579が制御され、液体18の送液が行われる(S25)。これによって、液体18が、熱交換器50に供給され、熱交換された後の液体18がヒートポンプ2に供給される状態となる。
次いで、熱交換器50が制御され、地下水17と液体18との熱交換が開始される(S26)。これによって、熱交換器50及びヒートポンプ2において、熱交換がなされ、室内781の冷房又は暖房が行われる。次いで、地下水17が流される時間である運転時間の測定が開始される(S27)。なお、運転時間は、後述するS47の処理において、運転時間が「0」に設定されるまで、累積して計測される。すなわち、一旦S27において運転時間の計測が開始され、後述するS43において運転時間の計測が停止された状態で、再度S27が実行された場合、S43において計測が停止された運転時間の続きから、時間が累積される。
次いで、図7に示すように、熱交換器50に流入する地下水17の温度である第一温度が計測される(S28)。地下水17が第一方向H1(図1参照)に流れている場合、温度センサ571の出力に基づいて、第一温度が計測される。地下水17が第二方向H2(図2参照)に流れている場合、温度センサ572の出力に基づいて、第一温度が計測される。
熱交換器50から流出する地下水17の温度である第二温度が計測される(S29)。地下水17が第一方向H1に流れている場合、温度センサ572の出力に基づいて、第二温度が計測される。地下水17が第二方向H2に流れている場合、温度センサ571の出力に基づいて、第二温度が計測される。
次いで、S28において取得された第一温度と、S29において取得された第二温度との温度差に基づいて、ポンプ151,152による地下水17の流量が調整される(S30)。これによって、調整された流量で、地下水17が熱交換器50に供給される。例えば、CPU581は、第一温度と第二温度との温度差が一定(例えば、5度)になるように、地下水17の流量を調整する。
次いで、熱交換器50に流入する液体18の温度である第三温度が計測される(S31)。S31においては、温度センサ574の出力に基づいて、第三温度が計測される。
次いで、熱交換器50から流出する液体18の温度である第四温度が計測される(S32)。S32においては、温度センサ573の出力に基づいて、第四温度が計測される。
次いで、S31において取得された第三温度と、S32において取得された第四温度との温度差に基づいて、ポンプ579による液体18の流量が調整される(S33)。これによって、調整された流量で、液体18が熱交換器50に供給される。例えば、CPU581は、第三温度と第四温度との温度差が一定(例えば、5度)になるように、液体18の流量を調整する。
次いで、熱交換器50に流入する地下水17の圧力が計測される(S34)。地下水17が第一方向H1に流れている場合、圧力センサ576の出力に基づいて、熱交換器50に流入する地下水17の圧力が計測される。地下水17が第二方向に流れている場合、圧力センサ577の出力に基づいて、熱交換器50に流入する地下水17の圧力が計測される。
次いで、S34において取得された地下水17の圧力が、所定圧力以上であるか否かが判断される(S35)。所定圧力は、例えば、熱交換器50に異物が詰まり、地下水17が流れ難くなったために圧力が上昇し、熱交換器50の交換が必要な状態となる圧力に設定されている。所定圧力は、RAM583に記憶されている。所定圧力は、例えば、0.2MPaGである。S34において取得された地下水17の圧力が、所定圧力以上でない場合(S35:NO)、後述するS37の処理が実行される。
S34において取得された地下水17の圧力が、所定圧力以上である場合(S35:YES)、報知が行われる(S36)。本実施形態においては、報知器589(図1及び図2参照)が点灯する。これによって、使用者に、熱交換器50が交換の時期であることを報知できる。なお、S35における熱交換器50の目詰まりの判定は熱交換器50の圧力差(圧力損失)でもよい。例えば、圧力センサ576と圧力センサ577の圧力差が所定の圧力差(例えば、0.1Mpa)以上となった場合に(S35:YES)、後述するS36の処理が実行されてもよい。
次いで、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位が検出される(S37)。S37においては、第一方向H1に向けて地下水17が流れている場合、水位センサ972の出力に基づき、第二井戸82の地下水17の水位が検出される。第二方向H2に向けて地下水17が流れている場合、水位センサ971の出力に基づき、第一井戸81の地下水17の水位が検出される。本実地形態では、水位センサ971,972は、スイッチ式であるので、地下水17の水面811,821が水位センサ971,972の位置まで到達したか否かが検出される。
次いで、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上であるか否かが判断される(S38)。第一方向H1に向けて地下水17が流れている場合、第二井戸82の水位の上昇量が、第二井戸82の所定上昇量「K21」(図3参照)以上であるか否かが判断される(S38)。S37において、水位センサ972の位置まで地下水17の水面821が到達したことが検出された場合、地下水17が排出される第二井戸82の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量「K21」以上であると判断される(S38:YES)。また、第二方向H2に向けて地下水17が流れている場合、第一井戸81の水位の上昇量が、第一井戸81の所定上昇量「K11」(図3参照)以上であるか否かが判断される(S38)。S37において、水位センサ971の位置まで地下水17の水面811が到達したことが検出された場合、地下水17が排出される第一井戸81の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量「K11」以上であると判断される(S38:YES)。
第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上でない場合(S38:NO)、S27において測定が開始された運転時間が、第一所定時間「T1」(図3参照)以上であるか否かが判断される(S39)。第一所定時間「T1」は、例えば、48時間である。
S27において測定が開始された運転時間が、第一所定時間「T1」以上でない場合(S39:NO)、冷房又は暖房を停止するか否かが判断される(S42)。S42においては、S15(図5参照)において送信される停止指示信号が受信された場合に、冷房又は暖房を停止すると判断される。冷房又は暖房を停止しない場合(S42:NO)、処理はS28に戻る。
第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上である場合(S38:YES)、処理はS40に進む。また、運転時間が第一所定時間「T1」以上である場合(S39:YES)、処理はS40に進む。S40においては、逆洗フラグMが「1」に設定され、RAM583に記憶される。逆洗フラグMは、逆洗を行うか否かを判断するための変数である。逆洗フラグMが「1」の場合、後述するS45の処理(図6参照)において、断続逆洗が実行される。
次いで、S27において測定が開始された運転時間が、第二所定時間「T2」(図3参照)以上であるか否かが判断される(S41)。第二所定時間「T2」は、例えば、72時間である。第二所定時間「T2」(図3参照)以上でない場合(S41:NO)、処理はS42に進む。
冷房又は暖房を停止する場合(S42:YES)、冷房又は暖房の動作が停止される(S43)。S43においては、ポンプ151,152、ポンプ579が停止される。これによって、第一井戸81と第二井戸82とのうち、一方の井戸から地下水17を揚水し、流路を介して、他方の井戸に地下水17を排出する動作が停止される。また、液体18の送液が停止される。また、熱交換器50の動作も停止される。また、S27で開始されていた運転時間の測定が停止される。なお、室外機20のCPU211の制御によってヒートポンプ2及び室内機10の動作も停止される(図5のS16参照)。次いで、処理はS21(図6参照)に戻る。
図6に示すように、S22において、所定時刻「T3」(図3参照)になったと判断された場合(S22:YES)、逆洗フラグMが「1」であるか否かが判断されることで、逆洗を実行するか否かが判断される(S44)。逆洗フラグMが「0」の場合、逆洗を実行しないと判断され(S44:NO)、処理はS21に戻る。
逆洗フラグMが「1」の場合、逆洗を実行すると判断され(S44:YES)、断続逆洗が実行される(S45)。本実施形態においては、一例として、10分間の逆洗を行い、10分間逆洗を停止する動作を、5回繰り返すとする。すなわち、10分間の逆洗が5回行われる。
断続逆洗が終了すると、逆洗フラグMが「0」に設定され、RAM583に記憶される(S46)。次いで、S27において測定が開始されていた運転時間が「0」に設定される(S47)。次いで、処理はS21に戻る。このように、地下水利用システム1の運転が停止(すなわち、一方の井戸から地下水17を揚水し、流路を介して、他方の井戸に地下水17を排出する動作の停止、及び、冷房又は暖房の停止など)されている間(例えば、夜間など)に、断続逆洗が行われる(S45)
地下水利用システム1が運転している状態において、S41において、運転時間が第二所定時間「T2」以上となった場合には(S41:YES)、S43と同様に、冷房又は暖房の動作が停止される(S48)。これによって、一方の井戸から地下水17を揚水し、流路を介して、他方の井戸に地下水17を排出する動作が停止される。次いで、S45と同様に、断続逆洗が行われる(S49)。次いで、S46と同様に、逆洗フラグMが「0」に設定される(S50)。次いで、S47と同様に、S27において測定が開始されていた運転時間が「0」に設定される(S51)。次いで、処理はS23に戻る。
このように、S42において冷暖房の停止指示が入力されず、運転時間が第二所定時間「T2」になった場合には(S41:YES)、地下水利用システム1の運転が強制的に停止され(S48)、断続逆洗が行われる(S49)。そして、断続逆洗が終了したら、自動的に、地下水利用システム1の運転(すなわち、冷房又は暖房)が開始される(S23〜S27)。
なお、S45又はS49において断続逆洗が行われた後、再度、S24において地下水17の揚水及び排水が行われる場合には、第一井戸81と第二井戸82とのうち、断続逆洗が行われた場合に地下水17が揚水された井戸と同じ井戸から、地下水17が揚水される。すなわち、S45又はS49の断続逆洗において、第二井戸82から地下水17が揚水された場合には(図4の逆洗方向H5)、S24において、第二井戸82から地下水17が揚水される(図1の第二方向H2)。S45又はS49の断続逆洗において、第一井戸81から地下水17が揚水された場合には(図4の逆洗方向H6)、S24において第一井戸81から地下水17が揚水される(図1の第一方向H1)。
以上のように、本実施形態における処理が実行される。本実施形態においては、熱交換ユニット5は、ケース部590を備えている。また、熱交換ユニット5は、地下水17と液体18との熱交換を行う熱交換器50を備えている。また、熱交換ユニット5は、ポンプ151又はポンプ152を制御し、地下水17を熱交換器50に供給するCPU581を備えている。また、熱交換ユニット5は、ポンプ579を制御し、液体18を熱交換器50に供給するCPU581を備えている。CPU581と熱交換器50とは、ケース部590の内側に設けられている。すなわち、地下水17と液体18とを熱交換器50に供給する制御を行うCPU581と、熱交換器50と、ケース部590とが1つの熱交換ユニット5に設けられている。よって、現地での設置工事を行う場合に、1つの熱交換ユニット5を設置するだけで、地下水17の熱交換器50への供給の制御を行う第一制御手段であるCPU581と、液体18の熱交換器50への供給の制御を行う第二制御手段であるCPU581と、熱交換器50とを設置できる。すなわち、予め製造工場等で生産された熱交換ユニット5を設置するだけで、CPU581と熱交換器50とを設置できるのである。このため、地下水17を熱交換器50に供給する第一制御手段と、液体18を熱交換器50に供給する第二制御手段と、熱交換器50とが、それぞれ別々に設けられ、ケース部590が設けられていない場合に比べて、設置工事の工数が少なくなる。また、設置工事のための設計図を作成する工数も少なくなる。よって、設置工事のコストを低減することができる。
また、CPU581は、1つの制御盤580に配置された1つの部品である。すなわち、地下水17の熱交換器50への供給の制御を行う第一制御手段と、液体18の熱交換器50への供給の制御を行う第二制御手段とが、1つの部品であるCPU581によって構成され、1つの制御盤580に配置されている。よって、地下水17を熱交換器50に供給する第一制御手段と、液体18を熱交換器50に供給する第二制御手段とが、別の部品であり、別々の制御盤に配置される場合に比べて、制御盤の数が少なくなり、熱交換ユニット5のコストを低減することができる。
また、ポンプ151,152は、地下水17の流量を調整可能なポンプである。そして、第一温度が計測され(S28)、第二温度が計測される(S29)。第一温度と第二温度との温度差に基づいて、ポンプ151,152が制御され、地下水17の流量が調整される(S30)。よって、地下水17の流量を小さくできる場合に、流量を小さくしてポンプ151,152の消費電力を低減することができる。このため、地下水17の流量を調整せず、常に一定の流量で地下水17を流す場合に比べて、消費電力が少なくなる。よって、熱交換ユニット5、及び、地下水利用システム1の運転コストを低減できる。
また、ポンプ579は、液体18の流量を調整可能なポンプである。そして、第三温度が計測され(S31)、第四温度が計測される(S32)。第三温度と第四温度との温度差に基づいて、液体18の流量が調整される(S33)。よって、液体18の流量を小さくできる場合に、流量を小さくしてポンプ579の消費電力を低減することができる。このため、液体18の流量を調整せず、常に一定の流量で地下水17を流す場合に比べて、消費電力が少なくなる。よって、熱交換ユニット5、及び、地下水利用システム1の運転コストを低減できる。
また、熱交換器50は、フランジ接続により交換可能である。このため、熱交換器50に異物が詰まるなどして、交換が必要な場合に、熱交換ユニット5内の配管を切断および溶接する工事を行う必要がない。また、分解洗浄や薬液洗浄および中和処理などの大きな費用のかかる熱交換器の洗浄の必要もない。よって、熱交換器50が劣化した場合の交換コストが低減される。これによって、熱交換ユニット5、及び、地下水利用システム1のメンテナンスコストが低減される。
また、熱交換器50に流入する地下水17の圧力が計測される(S34)。測定された圧力が、所定圧力以上である場合(S35:YES)、報知される(S36)。熱交換器50に異物が詰まった場合、熱交換器に流入する前記地下水の圧力が所定圧力以上に上昇する。この場合に、報知されるので、使用者は、熱交換器50の交換時期になったことを容易に判断できる。よって、使用者の利便性が向上する。なお、使用者は、例えば、熱交換器50を交換したり、熱交換ユニット5全体を交換したり、熱交換器50内部のフィルタを交換したりして、熱交換器50に異物が詰まっていない状態にすることができる。
また、ケース部590の内側には、地下水17の流路501〜506、液体18の流路510,513、及び熱交換器50が設けられている。ケース部590には、断熱材598が設けられている。このため、ケース部590の内側に設けられた地下水17の流路501〜506、液体18の流路510、及び熱交換器50が、断熱材598によって、熱交換ユニット5の外側の気温から保護される。断熱材598が設けられているので、地下水17の流路501〜506、液体18の流路510,513、及び熱交換器50の個々に断熱材を配置する必要がない。よって、地下水17の流路501〜506、液体18の流路510,513、及び熱交換器50の個々に断熱材を配置する場合に比べて、コストを低減することができる。また、熱交換ユニット5を現地に配置する場合に、現地で、断熱材の工事をする必要がない。よって、工期を短縮することができ、設置工事のコストを低減することができる。
地下水17の流路には、逆止弁付きエア抜き弁941が設けられている。この場合、熱交換ユニット5の地下水17の流路に含まれている空気を抜くことができる。また、ポンプ151,152が停止中でも、流路内の地下水17が流出する可能性を低減できる。よって、ポンプ151,152の駆動開始時のポンプ動力を削減することができるとともに、サイフォン効果によってポンプ151,152の動力は揚水分が不要となり、流路の配管抵抗分のみとなる。
また、CPU581は、第一井戸81と第二井戸82とのうち、一方の井戸から地下水17を揚水し、流路を介して、他方の井戸に地下水17を排出する(S24)。また、CPU581は、地下水17を逆方向に断続的に流して第一井戸81又は第二井戸82を洗浄する断続逆洗を実行する(S45)。逆洗を行う場合に、断続的に地下水17が流されるので、一定の流量で逆洗を行う場合に比べて、水流の変化が生じ、第一井戸81又は第二井戸82のうち、揚水が行われる井戸の洗浄の効果が向上する。
また、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上である場合に(S38:YES)、断続逆洗が実行される(S44)。地下水17の水位の上昇量が所定上昇量以上になる場合、同じ井戸に、長時間排水が行われ、地下水17の流路、及び、地下水17が排出される第一井戸81又は第二井戸82に異物等が溜まった状態となっている可能性が高くなる。この場合に、自動的に断続逆洗が行われるので、使用者が手動で断続逆洗を実行する操作を行う必要がない。よって、使用者の利便性が向上する。
また、S24において送液が開始された地下水17が流される時間である運転時間が測定される(S27)。運転時間が第一所定時間「T1」以上である場合(S39:YES)、断続逆洗が行われる(S45)。運転時間が第一所定時間「T1」以上となった場合に、自動的に断続逆洗が行われるので、使用者が手動で断続逆洗を実行する操作を行う必要がない。よって、使用者の利便性が向上する。
また、S27において開始された地下水17の揚水及び排水が、S43において停止される。地下水17の揚水及び排水が停止されている間において、所定時刻になった場合に(S22:YES)、断続逆洗が実行される(S45)。この場合、地下水17の揚水及び排水が停止している時間に、逆洗が行われる。よって、地下水17の揚水及び排水が行われている時間に逆洗が行われることを防止できる。
また、運転時間が第一所定時間「T1」以上であると判断された場合(S39:YES)、且つ、S24において開始された地下水17の揚水及び排水が停止された場合に(S43)、断続逆洗が行われる(S45)。また、運転時間が、第一所定時間「T1」より長い時間である第二所定時間「T2」以上である場合(S41:YES)、地下水17の揚水及び排水を停止して(S48)、断続逆洗が実行される(S49)。このように、本実施形態では、第一所定時間「T1」を経過した場合において、地下水17の揚水及び排水が停止した場合に、断続逆洗が行われる(S45)。地下水17の揚水及び排水が行われていないときに、断続逆洗が行われるので、地下水の揚水及び排水の動作が妨げられることが防止される。一方、第一所定時間「T1」を経過しても、地下水17の揚水及び排水が停止されず、第二所定時間「T2」が経過した場合には(S41:YES)、地下水の揚水及び排水を停止して(S48)、強制的に断続逆洗を行う(S49)。このため、第二所定時間「T2」が経過しても、断続逆洗が行われない場合に比べて、井戸及び流路に溜まる異物等の量を減らすことができる。
また、S45又はS49において断続逆洗が行われた後、再度、S24において地下水17の揚水及び排水が行われる場合には、第一井戸81と第二井戸82とのうち、断続逆洗が行われた場合に地下水17が揚水された井戸と同じ井戸から、地下水17が揚水される。この場合、第一井戸81と第二井戸82とのうち、断続逆洗が行われる前に地下水の揚水されていた井戸が、断続逆洗後に、排水が行われる井戸となる。また、断続逆洗が行われる前に地下水が排水されていた井戸が、断続逆洗後に、地下水が揚水される井戸となる。よって、第一井戸81と第二井戸82とのうち、一方の井戸から常に揚水され、他方の井戸に常に排水される場合に比べて、第一井戸81と第二井戸82との揚水及び排水の負荷のバランスがよくなる。よって、常に排水される井戸に異物等が溜まり続ける可能性を低減できる。また、第一井戸81のポンプ151及び第二井戸82のポンプ152のうち、一方のポンプが、使用され続けることがないので、ポンプ151,152の耐用年数が延びる。
上記実施形態において、第一井戸81及び第二井戸82は本発明の「井戸」の一例である。液体18は本発明の「液体」の一例である。ポンプ151,152は本発明の「第一ポンプ」の一例である。ポンプ579は本発明の「第二ポンプ」の一例である。S24及びS30の処理を行うCPU581は本発明の「第一制御手段」の一例である。S25及びS33の処理を行うCPU581は本発明の「第二制御手段」の一例である。S28の処理を行うCPU581は本発明の「第一温度計測手段」の一例である。S29の処理を行うCPU581は本発明の「第二温度計測手段」の一例である。S31の処理を行うCPU581は本発明の「第三温度計測手段」の一例である。S32の処理を行うCPU581は本発明の「第四温度計測手段」の一例である。S34の処理を行うCPU581は本発明の「圧力計測手段」の一例である。S35の処理を行うCPU581は本発明の「第一目詰まり判断手段」の一例である。S36の処理を行うCPU581は本発明の「第一報知手段」の一例である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、地下水17の熱交換器50への供給の制御を行う第一制御手段と、液体18の熱交換器50への供給の制御を行う第二制御手段とが、1つの部品であるCPU581であったが、これに限定されない。地下水17の熱交換器50への供給の制御を行う第一制御手段と、液体18の熱交換器50への供給の制御を行う第二制御手段とが、別々のCPUであってもよい。該別々のCPUが、別々の制御盤に配置されてもよい。
また、第一温度と第二温度との温度差に基づいて、ポンプ151,152が制御され、地下水17の流量が調整されていたが、温度差に基づいて地下水17の流量が調整されなくてもよい。また、ポンプ151,152は、地下水17の流量を調整できず、一定の流量で地下水17を送液するポンプであってもよい。
第三温度と第四温度との温度差に基づいて、ポンプ579が制御され、液体18の流量が調整されていたが、温度差に基づいて液体18の流量が調整されなくてもよい。また、ポンプ579は、液体18の流量を調整できず、一定の流量で液体18を送液するポンプであってもよい。
また、熱交換器50に流入する地下水17の圧力が計測され(S34)、測定された圧力が、所定圧力以上である場合(S35:YES)、報知されていたが(S36)、これに限定されない。例えば、熱交換器50から流出する地下水17の圧力が計測されてもよい。この場合においても、熱交換器50に異物が詰まった場合、熱交換器に流出する前記地下水の圧力が所定圧力以上に上昇する。そして、圧力が所定圧力以上の場合に、報知されるので、使用者は、熱交換器50の交換時期になったことを容易に判断できる。よって、使用者の利便性が向上する。また、S35においては、地下水17の圧力に基づいて、熱交換器50に目詰まりが発生したか否かが判断されればよく、上記実施形態の他の方法でもよい。例えば、S34において、熱交換器50に対して流入する地下水17の圧力と、流出する地下水17の圧力とが計測され、熱交換器50に対して流入する地下水17の圧力と、流出する地下水17の圧力との圧力差に基づいて、熱交換器50に目詰まりが発生したか否かが判断されてもよい(S35)。例えば、圧力差が所定値(例えば、0.1Mpa)以上である場合(S35:YES)、報知される(S36)。
また、S36において報知される場合は、報知器589が点灯していたが、これに限定されない。例えば、操作部588又は報知器589から音が発せられてもよい。また、報知器589が設けられなくてもよい。また、熱交換器50に対して流入又は流出する地下水17の圧力が計測されなくてもよい。
また、ケース部590に断熱材598が設けられていたが、これに限定されない。断熱材598が設けられなくてもよい。また、ケース部590の内部には、熱交換器50が設けられていればよく、制御盤580などの他の部品は、ケース部590の外側に設けられてもよい。例えば、CPU581は、ケース部590の外面に設けられてもよい。この場合、一例として図8に点線で示すように、CPU581を備える制御盤580を収納する収納部986を設け、収納部986が、ケース部590の外面に固定されてもよい。この場合、ケース部590の内側の制御盤580は設けなくてもよい。CPU581がケース部590の外面に設けられている場合も、地下水17と液体18とを熱交換器50に供給する制御を行うCPU581と、熱交換器50と、ケース部590とが1つの熱交換ユニット5に設けられているので、設置工事のコストを低減することができる。
なお、ケース部590の外面又は内側に配置される制御盤580の位置は、図8の場合に限定されない。また、制御盤580を収納する収納部986と、操作部588が別々に設けられているが、これに限定されない。例えば、収納部986の表面に操作部588が配置されてもよい。
また、CPU581と熱交換器50とが、1つの熱交換ユニット5に設けられていればよく、他の部品は、熱交換ユニット5に含まれなくてもよい。また、ヒートポンプ2を有する装置である室外機20が、建物78の屋外に配置されていたが、ヒートポンプ2を有する装置は、建物78の屋内に配置されてもよい。室外機20の全部または一部がケース部590と一体または密着して連結できるようにしてもよい。また、複数の室外機20が、1台の熱交換ユニット5のケース部590に接続されてもよい。
また、流路508,509の流出口551,552から排出される地下水17は、排水ドレンパン599を経由して、外部に排出されていたが、これに限定されない。例えば、排水ドレンパン599が設けられなくてもよい。この場合、流路508,509に接続される流路が、ケース部590の外側に延び、地下水17が排水されてもよい。
また、S22の処理が実行されなくてもよい。また、S27の処理において、運転時間が測定されなくてもよい。S39の処理が実行されなくてもよい。また、S37において、地下水17の水位が検出されなくてもよい。S38の処理が実行されなくてもよい。逆洗が自動で実行されなくてもよく、使用者が操作部588を介して逆洗の指示を熱交換ユニット5に入力した場合に、逆洗が実行されてもよい。
また、S45及びS49において断続逆洗が行われる場合に、地下水17は排水ドレンパン599に排出されていたが、これに限定されない。例えば、逆洗方向H6に向けての逆洗が行われるのではなく、第一方向H1に向けて地下水17が流されてもよい。すなわち、断続逆洗が行われる場合に、第一井戸81から揚水され、第二井戸82に還元されるように、地下水17が流されてもよい。また、例えば、逆洗方向H5に向けての断続逆洗が行われるのではなく、第二方向H2に向けて地下水17が流されてもよい。すなわち、断続逆洗が行われる場合に、第二井戸82から揚水され、第一井戸81に還元されるように、地下水17が流されてもよい。この場合、第一方向H1及び第二方向H2に地下水17が流れる場合の全ての流路501〜506,901〜904において、断続逆洗が行われる。
また、S45及びS49において断続逆洗が行われる場合、最初の所定時間、又は、所定回数、逆洗方向H6に向けての断続逆洗が行われ、その後、第一方向H1に向けての断続逆洗に切り替えられてもよい。また、最初の所定時間、又は、所定回数、逆洗方向H5に向けての断続逆洗が行われ、その後、第二方向H2に向けての断続逆洗に切り替えられてもよい。この場合、逆洗が開始された直後は、排出される地下水17に異物が混入している可能性が高いので、排水ドレンパン599から排水することができる。そしてその後、第一井戸81又は第二井戸82に地下水17を還元することができる。
また、水位センサ971は水面811の上方に設けられ、水位センサ972は水面821の上方に設けられていたが、これに限定されない。例えば、水位センサ971は第一井戸81の地下水17の中に設けられ、水位センサ972は第二井戸82の地下水17の中に配置されてもよい。この場合、水位センサ971,972は、例えば、水圧を計測することで、地下水17の水位を検出する(S37)。
また、各流路の構成は一例であり、本実施形態の場合に限定されない。2方弁や3方弁を組み合わせて、本実施形態とは異なる種々の流路を構成してもよい。例えば、図1に示す第一方向H1に地下水17が流れる場合と、第二方向H2に地下水17が流れる場合とで、熱交換器50に流れる地下水17の向きは反対方向になっていたが、熱交換器50に流れる地下水17の向きが、常に同じ方向になるように、流路が構成されてもよい。また、エア抜き弁942は、試運転時にエアを抜いていれば、流路にエアが入ることはないため、設けなくてもよい。また、開閉弁569,570は、CPU581によって制御される電動弁であってもよい。また、電動弁561〜568は、手動により開閉可能な開閉弁であってもよい。また、安全弁943、エア抜き弁941,942は、CPU581の制御によって動作してもよい。
また、断続逆洗が行われる場合に、地下水17が熱交換器50を流れていたが(図4の逆洗方向H5及び逆洗方向H6参照)、地下水17が熱交換器50を流れなくてもよい。例えば、断続逆洗が行われる場合に、図4の逆洗方向H5の流れではなく、図8の逆洗方向H7に、地下水17が流れてもよい。逆洗方向H7に地下水17が流れる場合、CPU581は、少なくとも電動弁565、568を開き、少なくとも電動弁562,566を閉じ、ポンプ152を駆動する。この場合、地下水17は、第二井戸82から揚水され、流路903、流路505、流路504の一部、流路509、及び流出口552を介して、排水ドレンパン599に排出される。排水ドレンパン599に排出された地下水17は、排出流路515を介して、熱交換ユニット5の外側に排出される。
また、断続逆洗が行われる場合に、図4の逆洗方向H6の流れではなく、図8の逆洗方向H8に、地下水17が流れてもよい。逆洗方向H8に地下水17が流れる場合、CPU581は、少なくとも電動弁563、567を開き、少なくとも電動弁561,564を閉じ、ポンプ151を駆動する。この場合、地下水17は、第一井戸81から揚水され、流路901、流路502,流路501の一部、流路508、及び流出口551を介して、排水ドレンパン599に排出される。排水ドレンパン599に排出された地下水17は、排出流路515を介して、熱交換ユニット5の外側に排出される。
また、図8に示すように、地下水17の流路に接続された取水口982を設け、取水口982に蛇口983を取り付けてもよい。図8に示す例では、流路508,509に接続される流路981が、ケース部590に延びる。取水口982は、ケース部590の外側に配置されている。熱交換ユニット5には、発電機984が接続可能である。取水口982には、蛇口983を取り付け可能である。例えば、災害時に発電機984で熱交換ユニット5に給電可能である。この場合、発電機984から供給される電力によって、熱交換ユニット5はポンプ151又はポンプ152を駆動し、地下水17を井戸81,82から汲み上げ、蛇口983から地下水17を災害用水として供給することができる。なお、取水口982が接続されるのは地下水17の流路であればよく、取水口982が接続される流路は限定されない。また、流出口551,552に向かう流路と、取水口982に向かう流路981とを切り替える開閉弁が設けられてもよい。また、流出口551,552が設けらず、流路508,509が、流路981に接続されてもよい。この場合、流路508,509を流れる排水は、取水口982又は蛇口983を介して、熱交換ユニット5の外部に排出されてもよい。また、災害時でない場合、熱交換ユニット5に供給される電力源は限定されず、発電機984から電力が供給されてもよいし、電力網から電力が供給されてもよい。蛇口983は、取水口982に着脱可能であってもよい。
また、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上であると判断された場合でも(S38:YES)、井戸への地下水17の排出が継続されていたが、これに限定されない。例えば、図9に示す変形例のように、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上であると判断された場合(S38:YES)、第一井戸81と第二井戸82との外側に、地下水17が排出されてもよい(S52)。
例えば、図1の第一方向H1に地下水17が流れている状態において、第二井戸82の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量「K21」以上であると判断された場合(S38:YES)、図4の逆洗方向H6と同じ方向に地下水17が流されてもよい(S52)。この場合、地下水17は、流出口552、排水ドレンパン599、及び排出流路515を介して、第一井戸81と第二井戸82との外側に排出される(S52)。この場合、逆洗方向H6に地下水17を流す場合と同じように、電動弁561〜568の開閉が制御される(S52)。熱交換器50に地下水17が流れている状態が継続されるので、熱交換器50による熱交換は継続可能である。
また、例えば、図1の第二方向H2に地下水17が流れている状態において、第一井戸81の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量「K11」以上であると判断された場合(S38:YES)、図4の逆洗方向H5と同じ方向に地下水17が流されてもよい(S52)。この場合、地下水17は、流出口551、排水ドレンパン599、及び排出流路515を介して、第一井戸81と第二井戸82との外側に排出される(S52)。この場合、逆洗方向H5に地下水17を流す場合と同じように、電動弁561〜568の開閉が制御される(S52)。熱交換器50に地下水17が流れている状態が継続されるので、熱交換器50による熱交換は継続可能である。なお、S52は断続逆洗ではない。
S52の処理が実行された後、処理はS40に進む。該変形例の場合、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上であると判断された場合(S38:YES)、第一井戸81と第二井戸82との外側に、地下水17が排出される(S52)。よって、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量を超えて増え続ける状態となることを防止できる。また、地下水17が排出される第一井戸81又は第二井戸82に溜まる異物等の量の増加を抑制できる。また、第一井戸81又は第二井戸82からの揚水を停止することなく、地下水利用システム1を運転することが可能になる。故に、後述する図10の場合とは異なり、熱交換による空調運転を停止することなく、揚水した地下水17を第一井戸81と第二井戸82との外側に排出することができる。
また、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上であるか否かが判断された場合でも(図7のS38:YES)、S42において停止指示信号が受信されるまで、冷暖房の動作が継続された。そして、S42において停止指示信号が受信され(図7のS42:YES)、冷暖房が停止された後(図7のS43)、断続逆洗が実行されたが(図6のS45)、これに限定されない。例えば、図10に示す変形例のように、第一井戸81と第二井戸82とのうち、地下水17が排出される井戸の地下水17の水位の上昇量が、所定上昇量以上であると判断された場合(S38:YES)、すぐに冷暖房が停止され(S48)、断続逆洗が実行されてもよい(S49)。この場合、図9のS52の処理は実行されなくてもよい。なお、図9及び図10においては、図7と同様の処理は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
また、S34において取得された地下水17の圧力が、所定圧力以上である場合(図7のS35:YES)、報知が行われていたが(図7のS36)、これに限定されない。平均温度差等により熱交換性能を判定する方法で、熱交換器50の目詰まりを判定し、報知してもよい。図11は、図7の変形例である。図11において、図7のS34の処理は省略されている。そして、S33の処理の後、S351の処理が実行され、目詰まりの判定が行われる。
S351においては、熱交換器50に対して、地下水17が流入する温度、地下水17が流出する温度、液体18が流入する温度、及び液体18が流出する温度に基づき、平均温度差を算出し、平均温度差に基づいて、熱交換器50に目詰まりが発生したか否かを判断する。そして、熱交換器50に目詰まりが発生したと判断された場合に(S351:YES)、報知される(S36)。熱交換器50に目詰まりが発生していないと判断された場合(S351:NO)、処理はS37に進む。なお、本実施形態においては、熱交換器50に対して、地下水17が流入する温度T01は、S28で計測される第一温度であり、地下水17が流出する温度T02は、S29で計測される第二温度であり、液体18が流入する温度T03はS31で計測される第三温度であり、液体18が流出する温度T04はS32で計測される第四温度である。
S351においては、例えば、平均温度差ΔT11が、所定の温度差(例えば、10度の差)である場合に、目詰まりと判断してもよい。S351における平均温度差ΔT11の算出には、種々の算出方法を用いることができる。例えば、平均温度差ΔT11は、以下の式(1)のように算術平均温度差であってもよい。
ΔT11=(|T01−T04|+|T02−T03|)/2・・・式(1)
また、平均温度差ΔT11は、対数平均温度差としてもよい。
また、S351において、平均温度差ΔT11に基づいて、熱交換器50に目詰まりが発生したか否かを判断する場合、以下の式(2)を使用してもよい。
KA=Q/ΔT11・・・式(2)
K:熱通過率[W/{(m^2)×K}]
A:伝熱面積[m^2]
Q:熱交換量[W]
ΔT11:平均温度差[K]
Q=ρCVΔT12
ΔT12=|T04−T03|
ρ:密度[kg/(m^3)](例えば液体18)
C:比熱[J/(kg・K)](例えば液体18)
V:流量[(m^3)/s](例えば液体18)
ΔT12:温度差[K](例えば液体18)
本変形例においては、KAが、所定値以下となった場合に、目詰まりと判断され(S351:YES)、報知される(S36)。
なお、式(1)ではなく、下記の式(3)を用いてもよい。
ΔT11=(|T01−T03|+|T02−T04|)/2・・・式(3)
一例として、地下水17が第一方向H1(図1参照)に流れ、液体18が方向H3に流れる場合、熱交換器50において、地下水17と液体18の流れが反対方向となる「対向流」となる。対向流である場合に、上記式(1)が用いられてもよい。また、地下水17が第二方向H2(図1参照)に流れ、液体18が方向H3に流れる場合、熱交換器50において、地下水17と液体18の流れが同じ方向となる「並行流」となる。並行流となる場合に、上記式(3)が用いられてもよい。なお、上記は平均温度差を算出する一例であり、他の方法で平均温度差を算出してもよいし、他の条件を付加してもよい。
熱交換器50に異物が詰まった場合に、平均温度差が変化する。本変形例においては、平均温度差に基づき熱交換器に目詰まりが発生したと判断された場合に(S351:YES)、報知されるので(S36)、使用者は、熱交換器50の交換時期になったことを容易に判断できる。よって、使用者の利便性が向上する。また、圧力によって目詰まりを判定する必要がないので、圧力センサ576,577を削減することも可能であり、コストを削減できる。本変形例において、S351の処理を行うCPU581は本発明の「第二目詰まり判断手段」の一例である。S36の処理を行うCPU581は本発明の「第二報知手段」の一例である。
また、逆洗が行われる場合に、断続逆洗が行われていたが(S46参照)、これに限定されない。例えば、断続的な逆洗ではなく、所定時間(例えば、50分間)の間、継続的に逆洗が行われてもよい。