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JP2020163759A - チューブ状フィルム及び袋体 - Google Patents

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JP2020163759A JP2019067664A JP2019067664A JP2020163759A JP 2020163759 A JP2020163759 A JP 2020163759A JP 2019067664 A JP2019067664 A JP 2019067664A JP 2019067664 A JP2019067664 A JP 2019067664A JP 2020163759 A JP2020163759 A JP 2020163759A
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Abstract

【課題】紙のような風合い、紙のような腰の強さを有し、かつ、シール強度により優れるチューブ状フィルム及び袋体。【解決手段】内周面Aを形成する内層10と、外周面Bを形成する外層20とを有するチューブ状フィルムであって、内層10は、線状低密度ポリエチレン70〜90質量%と、ブロックポリプロピレン10〜30質量%とを含有し、外層20は、線状ポリエチレン50〜75質量%と、無機粒子20〜30質量%と、オレフィン系低結晶性エラストマー5〜20質量%とを含有し、内層10の厚さT10と、外層20の厚さT20との比が、[内層10の厚さT10]:[外層20の厚さT20]=50:50〜70:30である、チューブ状フィルム1。【選択図】図2

Description

本発明は、チューブ状フィルム及び袋体に関する。
近年、ポリオレフィンに筆記性、印刷性等の特性や、紙的風合い、感触等を付与する目的で、無機充填剤を配合したポリオレフィンのフィルムが提案されている。
例えば、特許文献1には、特定の物性を有するポリエチレンと無機充填剤とを含む無機充填剤配合ポリオレフィン組成物を特定の製造条件で押出成形して得られる無機充填剤配合フィルムが提案されている。
特許文献2には、特定量の高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、エチレン酢ビコポリマー及びタルクからなる紙状フィルム製造用樹脂組成物が提案されている。
特許文献3には、最外層及び最内層に無機フィラーを特定量含有し、最外層表面の静摩擦係数、動摩擦係数、グロスが特定の値である、多層ポリエチレンフィルムよりなる包装袋が提案されている。
特許文献4には、無機鉱物粉末及び合成樹脂を主原料とする紙本体層と、紙本体層に積層され、ポリオレフィン及びエチレン−プロピレン共重合体を主原料とする滑り止め層とを有する滑り止め合成紙が提案されている。
特開昭54−47746号公報 特開昭57−74343号公報 特開平7−276587号公報 特開2016−41486号公報
しかしながら、従来の技術では、シール強度が充分ではなく、紙のような風合い、紙のような腰の強さについて、満足のいくものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、紙のような風合い、紙のような腰の強さを有し、かつ、シール強度により優れるチューブ状フィルム及び袋体を目的とする。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、以下の構成を備えるチューブ状フィルムが、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のチューブ状フィルムは、以下の構成を有する。
[1]内周面を形成する内層と、外周面を形成する外層とを有するチューブ状フィルムであって、前記内層は、密度が0.915〜0.926g/cmの線状低密度ポリエチレンと、ブロックポリプロピレンとを含有し、前記線状低密度ポリエチレンの含有量は、前記線状低密度ポリエチレンと前記ブロックポリプロピレンとの総質量に対して70〜90質量%であり、前記ブロックポリプロピレンの含有量は、前記線状低密度ポリエチレンと前記ブロックポリプロピレンとの総質量に対して10〜30質量%であり、前記外層は、密度が0.926g/cm超0.945g/cm以下の線状ポリエチレンと、無機粒子と、オレフィン系低結晶性エラストマーとを含有し、前記線状ポリエチレンの含有量は、前記線状ポリエチレンと前記無機粒子と前記オレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して50〜75質量%であり、前記無機粒子の含有量は、前記線状ポリエチレンと前記無機粒子と前記オレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して20〜30質量%であり、前記オレフィン系低結晶性エラストマーの含有量は、前記線状ポリエチレンと前記無機粒子と前記オレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して5〜20質量%であり、前記内層の厚さと、前記外層の厚さとの比が、[前記内層の厚さ]:[前記外層の厚さ]=50:50〜70:30である、チューブ状フィルム。
[2]インフレーションフィルム成形された、[1]に記載のチューブ状フィルム。
[3][1]又は[2]に記載のチューブ状フィルムが製袋された袋体。
本発明のチューブ状フィルムによれば、紙のような風合い、紙のような腰の強さを有し、かつ、シール強度により優れる。
本発明の一実施形態に係るチューブ状フィルムの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ状フィルムの断面図である。
本発明のチューブ状フィルムは、内周面を形成する内層と、外周面を形成する外層とを有する。
本明細書において、チューブ状フィルムとは、インフレーションフィルム成形にて筒状に成形されるフィルム、又は、平面状の積層フィルムの内層同士をヒートシールしてチューブ状にしたフィルムをいう。
以下、本発明のチューブ状フィルムについて、実施形態を挙げて説明する。
≪チューブ状フィルム≫
本発明の一実施形態に係るチューブ状フィルムについて、図面を参照して説明する。
図1のチューブ状フィルム1は、内周面Aと外周面Bとを有する、筒状のフィルムである。チューブ状フィルム1の長手方向(押出方向)の長さは、特に限定されないが、例えば、1〜3,000mとすることができる。
図2に、図1のチューブ状フィルム1の積層構造を表す断面図を示す。図2に示すように、チューブ状フィルム1は、内周面Aを形成する内層10と、外周面Bを形成する外層20とを有する。内層10の内周面Aの反対側には、外層20が積層されている。すなわち、本実施形態のチューブ状フィルム1は、2種2層の積層構造である。
チューブ状フィルム1の厚さTは、特に限定されないが、例えば、50〜200μmが好ましく、60〜180μmがより好ましく、80〜150μmがさらに好ましい。厚さTが上記下限値以上であると、チューブ状フィルム1の引張強度、引裂き強度、突刺し強度及び衝撃強度を袋として使用できる充分な強度にできる。厚さTが上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1を充分に冷却でき、チューブ状フィルム1の成形不良を抑制できる。
チューブ状フィルム1の厚さTは、例えば、シックネスゲージ等で測定できる。
内層10の厚さT10は、例えば、25〜140μmが好ましく、30〜126μmがより好ましく、40〜105μmがさらに好ましい。厚さT10が上記下限値以上であると、チューブ状フィルム1のシール強度をより高くすることができる。厚さT10が上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1を巻き取りやすくでき、チューブ状フィルム1の生産性をより高くすることができる。
内層10の厚さT10は、例えば、厚さ方向に切断した切断面を顕微鏡等で観察することにより測定できる。
外層20の厚さT20は、例えば、15〜100μmが好ましく、18〜90μmがより好ましく、21〜80μmがさらに好ましい。厚さT20が上記下限値以上であると、チューブ状フィルム1の腰の強さをより高くすることができる。厚さT20が上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1を巻き取りやすくでき、チューブ状フィルム1の生産性をより高くすることができる。
外層20の厚さT20は、例えば、厚さ方向に切断した切断面を顕微鏡等で観察することにより測定できる。
内層10の厚さT10と、外層20の厚さT20との比は、T10:T20=50:50〜70:30であり、T10:T20=55:45〜65:35が好ましい。内層10の厚さT10と、外層20の厚さT20との比が上記数値範囲内であると、チューブ状フィルム1のシール強度が高く、本願発明の目的に適した物性が得られる。
<内層>
内層10は、線状低密度ポリエチレンと、ブロックポリプロピレンとを含有する。内層10は、チューブ状フィルム1のシール層として機能する。
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、密度が0.915〜0.926g/cmの直鎖状のポリエチレンである。
線状低密度ポリエチレンの密度は、0.915〜0.926g/cmであり、0.918〜0.925g/cmが好ましい。線状低密度ポリエチレンの密度が上記下限値以上であると、冷却不足による内周面A同士のブロッキングを抑制できる。線状低密度ポリエチレンの密度が上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1のシール強度を袋として使用できる充分な強度にできる。
線状低密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、例えば、0.5〜3.0g/10分が好ましく、1.0〜2.5g/10分がより好ましい。線状低密度ポリエチレンのMFRが上記下限値以上であると、内層10の原料となる樹脂組成物を押出成形しやすく、チューブ状フィルム1を安定して成形しやすい。線状低密度ポリエチレンのMFRが上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1のシール強度を袋として使用できる充分な強度にできる。
線状低密度ポリエチレンのMFRは、例えば、JIS K 7210:1999に従い、試験温度190℃、試験荷重2.16kgで測定できる。
線状低密度ポリエチレンの含有量は、線状低密度ポリエチレンとブロックポリプロピレンとの総質量に対して、70〜90質量%が好ましく、75〜85質量%がより好ましい。線状低密度ポリエチレンの含有量が上記下限値以上であると、チューブ状フィルム1のシール強度を袋として使用できる充分な強度にできる。線状低密度ポリエチレンの含有量が上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1がカールする(反る)ことを抑制できる。
ブロックポリプロピレン(ブロックPP)は、ホモポリプロピレンの中にポリエチレンとゴム相とが分散しているポリプロピレンやゴム成分(EPR)がホモ・ランダムポリマーに均一微細に分散したポリプロピレンである。内層10がブロックPPを含有することで、チューブ状フィルム1が反ることを抑制し、チューブ状フィルム1をフラットにできる。
ブロックPPのMFRは、例えば、2.0〜8.0g/10分が好ましく、3.0〜6.0g/10分がより好ましい。ブロックPPのMFRが上記下限値以上であると、LLDPEとの分散が良好になり、シール強度をより高められる。ブロックPPのMFRが上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1が反ることを抑制できる。
ブロックPPのMFRは、例えば、JIS K 7210:1999に従い、試験温度230℃、試験荷重2.16kgで測定できる。
ブロックPPの含有量は、線状低密度ポリエチレンとブロックポリプロピレンとの総質量に対して、10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。ブロックPPの含有量が上記下限値以上であると、チューブ状フィルム1が反ることを抑制できる。ブロックPPの含有量が上記上限値以下であると、LLDPEとの分散が良好になり、チューブ状フィルム1のシール強度をより高められる。
内層10は、線状低密度ポリエチレン及びブロックポリプロピレン以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤;他の樹脂等が挙げられる。
添加剤は、マスターバッチ用樹脂で希釈して用いてもよい。内層10が添加剤を含有する場合、添加剤の含有量は、線状低密度ポリエチレンとブロックポリプロピレンとの総質量100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
他の樹脂としては、LLDPE及びブロックPPと相溶性が高いことから、ポリオレフィン樹脂(ただし、LLDPE及びブロックPPを除く。)が好ましい。内層10が他の樹脂を含有する場合、他の樹脂の含有量は、線状低密度ポリエチレンとブロックポリプロピレンとの総質量100質量部に対して、1〜20質量部が好ましい。
<外層>
外層20は、線状ポリエチレンと、無機粒子と、オレフィン系低結晶性エラストマーとを含有する。外層20は、チューブ状フィルム1に、紙のような風合い及び紙のような腰の強さを付与する層として機能する。
線状ポリエチレン(LDPE)は、密度が0.926g/cm超0.945g/cm以下の直鎖状のポリエチレンである。
線状ポリエチレンの密度は、0.926g/cm超0.945g/cm以下であり、0.930〜0.944g/cmが好ましい。線状ポリエチレンの密度が上記下限値超であると、引張弾性率が高められ、チューブ状フィルム1に紙のような腰の強さを付与できる。線状ポリエチレンの密度が上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1が硬くなることを抑制でき、ガイド板で折り畳まれるときのシワの発生を抑制できる。
線状ポリエチレンのMFRは、例えば、0.2〜2.0g/10分が好ましく、0.5〜1.5g/10分がより好ましい。線状ポリエチレンのMFRが上記下限値以上であると、外層20の原料となる樹脂組成物の分散が良好になり、チューブ状フィルム1に紙のような風合いを付与できる。線状ポリエチレンのMFRが上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1のダートインパクト強度(衝撃強度)の低下を抑制できる。
線状ポリエチレンのMFRは、例えば、JIS K 7210:1999に従い、試験温度190℃、試験荷重2.16kgで測定できる。
線状ポリエチレンの含有量は、線状ポリエチレンと無機粒子とオレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して、50〜75質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。線状ポリエチレンの含有量が上記下限値以上であると、チューブ状フィルム1の引張強度、引裂き強度、突刺し強度及び衝撃強度を袋として使用できる充分な強度にできる。線状ポリエチレンの含有量が上記上限値以下であると、チューブ状フィルム1に紙のような風合いを付与できる。
無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、ゼオライト、タルク、カオリナイト、長石、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。無機粒子としては、外層20の表面の光沢を抑制し、チューブ状フィルム1に紙のような風合いを付与できる観点から、タルクが特に好ましい。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。無機粒子の平均粒子径が上記下限値以上であると、紙のような風合いが得られやすい。無機粒子の平均粒子径が上記上限値以下であると、孔開きもなく、チューブ状フィルム1を成形しやすい。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、コールター法により測定される重量平均粒子径である。
無機粒子の含有量は、線状ポリエチレンと無機粒子とオレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して、20〜30質量%が好ましく、22〜28質量%がより好ましい。無機粒子の含有量が上記下限値以上であると、紙のような風合いが得られやすい。無機粒子の含有量が上記上限値以下であると、バブルが切れることもなく、チューブ状フィルム1をインフレーションフィルム成形しやすい。
オレフィン系低結晶性エラストマー(以下、単に「エラストマー」ともいう。)は、非晶性又は低結晶性のα−オレフィン共重合体である。外層20は、エラストマーを含有することで、表面を滑りにくくできる。すなわち、エラストマーは、均一に外層20の表面に分散して、摩擦係数を上げる働きがある。
エラストマーとしては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。エラストマーとしては、比重が軽く、外層20の表面をより滑りにくくする観点から、EPM、EPDMが好ましい。
エラストマーの密度は、0.860〜0.880g/cmが好ましく、0.862〜0.870g/cmがより好ましい。エラストマーの密度が上記下限値以上であると、外層20の表面のべたつきを抑制できる。エラストマーの密度が上記上限値以下であると、外層20の表面をより滑りにくくできる。
エラストマーのMFRは、例えば、0.5〜5.0g/10分が好ましく、1.0〜3.0g/10分がより好ましい。エラストマーのMFRが上記下限値以上であると、線状ポリエチレンとの分散が良好になり、チューブ状フィルム1を成形しやすい。エラストマーのMFRが上記上限値以下であると、外層20の原料となる樹脂組成物の分散が良好になり、チューブ状フィルム1の表面のムラを抑制できる。
エラストマーのMFRは、例えば、JIS K 7210:1999に従い、試験温度230℃、試験荷重2.16kgで測定できる。
エラストマーの含有量は、線状ポリエチレンと無機粒子とエラストマーとの総質量に対して、5〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。エラストマーの含有量が上記下限値以上であると、外層20の表面をより滑りにくくできる。エラストマーの含有量が上記上限値以下であると、外層20の表面のべたつきを抑制できる。
外層20は、線状ポリエチレン、無機粒子及びエラストマー以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、着色剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤;他の樹脂等が挙げられる。
添加剤は、マスターバッチ用樹脂で希釈して用いてもよい。外層20が添加剤を含有する場合、添加剤の含有量は、線状ポリエチレンと無機粒子とエラストマーとの総質量100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
他の樹脂としては、LDPE及びエラストマーとの相溶性が高いことから、ポリオレフィン樹脂(ただし、LDPE及びエラストマーを除く。)が好ましい。外層20が他の樹脂を含有する場合、他の樹脂の含有量は、線状ポリエチレンと無機粒子とエラストマーとの総質量100質量部に対して、1〜40質量部が好ましい。
<中間層>
チューブ状フィルムは、上述の実施形態に限定されず、本発明の効果を損ねない範囲で、内層と外層との間に中間層を有していてもよい。
中間層としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂を含有する層、接着性樹脂を含有する層、バリア性樹脂を含有する層、再生樹脂を含有する層等が挙げられる。
チューブ状フィルムは、中間層を有することにより、引張弾性率や衝撃強度等の向上、内層と外層との接着性の向上、機能性の向上、経済性の向上等が図れる。
中間層の厚さは、特に限定されず、例えば、1〜40μmが好ましい。
≪チューブ状フィルムの製造方法≫
チューブ状フィルム1の製造方法としては、例えば、内層10の原料となる内層樹脂組成物と、外層20の原料となる外層樹脂組成物とを共押出する方法が挙げられる。この製造方法は、内層樹脂組成物で内層10を形成しつつ、内層10の一方の面に外層樹脂組成物で外層20を形成するものである。
共押出成形の方法としては、公知のインフレーションフィルム成形によりチューブ状のフィルムを得る方法が挙げられる。
インフレーションフィルム成形としては、例えば、サーキュラーダイを用いた多層インフレーションフィルム成形が挙げられる。多層インフレーションフィルム成形では、例えば、内層樹脂組成物を160〜190℃、外層樹脂組成物を165〜195℃の条件で共押出するとともに、ブロー比1.5〜3.5、引取速度5.0〜20.0m/分の条件で成形する。
この間、内層樹脂組成物は、ブロー比と引取速度とに応じて所望の厚さにされて、内層10となる。
外層樹脂組成物は、ブロー比と引取速度とに応じて所望の厚さにされて、外層20となる。
内層10と外層20とは密着している。インフレーションフィルム成形によれば、内層10と外層20とが積層されたチューブ状フィルム1を一工程で容易に製造できる。
加えて、インフレーションフィルム成形によれば、ヒートシールすることなく、チューブ状フィルム1が得られるので、両側部にヒートシール部分がない長尺のチューブ状フィルム1とすることができる。両側部にヒートシール部分がないため、チューブ状フィルム1を製袋して得られる袋体も、両側部にヒートシール部分がない見栄えのよい袋体とすることができる。
チューブ状フィルムは、インフレーションフィルム成形によって得られることが好ましいが、共押出成形によって内層と外層とを有する平面状の積層フィルムを得、この積層フィルムの内層同士をヒートシールして、チューブ状フィルムとしてもよい。平面状の積層フィルムを得てからチューブ状フィルムとすることで、任意の大きさのチューブ状フィルムを得られる。
また、多層インフレーションフィルム成形では、円筒状の積層フィルムが得られるが、例えば、1箇所又は2箇所を切り開くことで、平面状の積層フィルムが得られる。
≪袋体≫
チューブ状フィルム1を用いた袋体について説明する。
本実施形態の袋体は、チューブ状フィルム1が製袋されたものである。袋体としては、例えば、チューブ状フィルム1を任意の長さでカットし、一方の開口部の内層10同士をヒートシールして製袋された袋体が挙げられる。
袋体の大きさは、特に限定されないが、例えば、縦100〜1,000mm、横100〜800mmとすることができる。
袋体の形態としては、例えば、一方をヒートシールした一方シール袋が挙げられる。袋体は、ヒートシールした一辺に対向する辺の近傍に穴開き成形が施されたものでもよく、外層20の表面に印刷加工が施されたものでもよい。
袋体の形態としては、インフレーションフィルム成形で得られたチューブ状フィルムを製袋した場合は、ガゼット袋、スタンド袋、これらのチャック付き袋等が挙げられる。このほか、平面状の積層フィルムの内層同士をヒートシールして得られたチューブ状フィルムを製袋した場合は、三方シール袋、四方シール袋、合掌貼り袋、ガゼット袋、スタンド袋、これらのチャック付き袋等が挙げられる。
本実施形態の袋体は、チューブ状フィルム1が製袋されて得られる。
袋体の製造方法としては、例えば、チューブ状フィルム1を任意の長さでカットし、一方の開口部の内層10同士をヒートシールする方法が挙げられる。
ヒートシールする際のシール温度は、内層樹脂組成物に含まれる線状低密度ポリエチレンの融点よりも高い温度とすることが好ましい。シール温度をこの範囲とすることで、内層10同士が溶着された袋体が容易に得られる。
上述した通り、本実施形態のチューブ状フィルム1は、内層10と外層20とを有するため、紙のような風合い、紙のような腰の強さを有し、かつ、シール強度により優れる袋体を得られる。
加えて、本実施形態のチューブ状フィルム1は、共押出成形で容易に製造できる。
さらに、本実施形態の袋体は、インフレーションフィルム成形されているため、生産性に優れ、使用時に内容物を充填しやすい。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
チューブ状フィルムは、インフレーションフィルム成形によって得られることが好ましいが、共押出成形によって内層と外層とを有する平面状の積層フィルムを得、この積層フィルムの内層同士をヒートシールして、チューブ状フィルムとしてもよい。平面状の積層フィルムを得てからチューブ状フィルムとすることで、任意の大きさのチューブ状フィルムを得られる。
また、多層インフレーションフィルム成形では、円筒状の積層フィルムが得られるが、例えば、1箇所又は2箇所を切り開くことで、平面状の積層フィルムが得られる。この平面状の積層フィルムを用いて、多種多様な袋体を得ることができる。
本発明の袋体は、米袋、肥料袋、ファッションバッグ、デリバリーバッグ、パン等の食品を包装する袋等、種々の用途に適用できる。
以下、実施例を示して本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した材料は下記のとおりである。
[使用材料]
<内層>
・LL−A1:線状低密度ポリエチレン、MFR1.9g/10分(試験温度190℃、試験荷重2.16kg)、密度0.919g/cm
・LL−A2:線状低密度ポリエチレン、MFR0.9g/10分(試験温度190℃、試験荷重2.16kg)、密度0.925g/cm
・LL−B3:線状ポリエチレン、MFR2.0g/10分(試験温度190℃、試験荷重2.16kg)、密度0.935g/cm
・B−PP:ブロックポリプロピレン、品番「F704V」、株式会社プライムポリマー製、MFR4.0g/10分(試験温度230℃、試験荷重2.16kg)。
<外層>
・LL−B1:線状ポリエチレン、MFR0.5g/10分(試験温度190℃、試験荷重2.16kg)、密度0.940g/cm
・LL−B2:線状ポリエチレン、MFR0.6g/10分(試験温度190℃、試験荷重2.16kg)、密度0.936g/cm
・LL−B4:線状ポリエチレン、MFR1.0g/10分(試験温度190℃、試験荷重2.16kg)、密度0.940g/cm
・タルク:無機粒子(タルク)、重量平均粒子径17μm、三協化学株式会社製。
・エラストマー:オレフィン系低結晶性エラストマー(プロピレン−エチレン・コポリマー)、商品名「バーシファイ(登録商標)DE2400.05」、ダウ・ケミカル日本株式会社製、MFR2.0g/10分(試験温度230℃、試験荷重2.16kg)、密度0.863g/cm
[実施例1〜3、比較例1〜2]
上記の使用材料を用いて、表1に示す配合割合で各種樹脂とタルクのマスターバッチ(MB)とを配合して、その後、50φ及び50φの2台の押出機(株式会社プラコー製)、及び100φのリップ径、3.0mmのリップ幅を有する2層ダイスよりなるインフレーションフィルム成形機により、成形温度210℃にて、表1に示す厚さのチューブ状フィルムを得た。これを長さ400mmにカットし、底部をヒートシールして折径300mmのサンプル袋を得た。この袋について各種試験を行った。結果を表1に示す。なお、表中の「−」は、該当する物性の測定を行っていないことを示す。各種試験の試験方法は次の通りである。
<ダートインパクト強度>
得られた各例のチューブ状フィルムから試験片を切り出し、JIS K7124−1:1999に記載のステアケース法に準じて、衝撃破壊質量(g)を測定した。衝撃破壊質量が大きいほど、ダートインパクト強度に優れ、衝撃強度に優れることを示す。
<シール強度>
得られた各例のサンプル袋から試験片を採取し、JIS Z0238:1998に記載の試験方法に準じて、シール強度(N/15mm)を測定した。シール強度が大きいほど、シール強度に優れる。
<グロス>
得られた各例のチューブ状フィルムから試験片を切り出し、JIS Z8741−1997に記載の測定方法に準じて試験片の外層の鏡面光沢度(グロス、%)を測定した。鏡面光沢度が小さいほど、紙のような風合いを有する。
<摩擦係数>
得られた各例のチューブ状フィルムから試験片を切り出し、JIS K7125:1999に記載の試験方法に準じて、試験片の外層同士を重ねて、外層の静摩擦係数を測定した。表中の摩擦係数の値は、静摩擦係数を示す。摩擦係数の値が大きいほど、外層の表面が滑りにくい。
<落袋試験>
得られた各例のサンプル袋に樹脂ペレット2kgを充填し、トップをヒートシールして試験体とした。この試験体を高さ1mからコンクリートの床に落下させ、試験体の破れの有無を目視で確認した。それぞれ3個の試験体について落袋試験を行い、3個とも破れなかった場合を「○」、1個でも破れた場合を「△」、3個とも破れた場合を「×」として評価した。評価が「○」の場合、サンプル袋は、衝撃強度及びシール強度に優れる。
<引張弾性率>
得られた各例のチューブ状フィルムから試験片を切り出し、JIS K7127:1999に記載の試験方法に準じて、引張弾性率を測定した。引張弾性率が大きいほど、腰の強さに優れる。
Figure 2020163759
表1に示すように、本発明を適用した実施例1〜3は、比較例1〜2に比べてダートインパクト強度及びシール強度が大きく、落袋試験の評価結果が「○」で、シール強度により優れることが確認できた。加えて、実施例1〜3は、グロスの値が5.1%以下で、紙のような風合いを有することが確認できた。また、実施例1〜3は、引張弾性率が500MPa以上で、紙のような腰の強さを有することが確認できた。
一方、内層に線状低密度ポリエチレンを含有しない比較例1〜2は、ダートインパクト強度が240g以下、シール強度が8N/mm以下、落袋試験の評価結果が「×」で、衝撃強度及びシール強度に劣っていた。加えて、外層に線状ポリエチレンを含有しない比較例2は、グロスが12%と大きく、引張弾性率が420MPaで、紙のような風合いと紙のような腰の強さが充分ではなかった。また、外層にオレフィン系低結晶性エラストマーを含有しない比較例1は、摩擦係数が0.2と小さく、外層の表面のすべりやすさを改善できていなかった。
以上の結果から、本発明のチューブ状フィルムによれば、紙のような風合い、紙のような腰の強さを有し、かつ、シール強度により優れることが確認できた。
1 チューブ状フィルム
10 内層
20 外層
A 内周面
B 外周面

Claims (3)

  1. 内周面を形成する内層と、外周面を形成する外層とを有するチューブ状フィルムであって、
    前記内層は、密度が0.915〜0.926g/cmの線状低密度ポリエチレンと、ブロックポリプロピレンとを含有し、
    前記線状低密度ポリエチレンの含有量は、前記線状低密度ポリエチレンと前記ブロックポリプロピレンとの総質量に対して70〜90質量%であり、
    前記ブロックポリプロピレンの含有量は、前記線状低密度ポリエチレンと前記ブロックポリプロピレンとの総質量に対して10〜30質量%であり、
    前記外層は、密度が0.926g/cm超0.945g/cm以下の線状ポリエチレンと、無機粒子と、オレフィン系低結晶性エラストマーとを含有し、
    前記線状ポリエチレンの含有量は、前記線状ポリエチレンと前記無機粒子と前記オレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して50〜75質量%であり、
    前記無機粒子の含有量は、前記線状ポリエチレンと前記無機粒子と前記オレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して20〜30質量%であり、
    前記オレフィン系低結晶性エラストマーの含有量は、前記線状ポリエチレンと前記無機粒子と前記オレフィン系低結晶性エラストマーとの総質量に対して5〜20質量%であり、
    前記内層の厚さと、前記外層の厚さとの比が、[前記内層の厚さ]:[前記外層の厚さ]=50:50〜70:30である、チューブ状フィルム。
  2. インフレーションフィルム成形された、請求項1に記載のチューブ状フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載のチューブ状フィルムが製袋された袋体。
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