JP2020158395A - 歯科用成形体及び歯科用樹脂材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の口腔内粘膜面に簡易に適合可能な歯科用成形体及び歯科用樹脂材料を提供する。【解決手段】歯科用成形体は、口腔内に使用される所定形状を有し、ポリカプロラクトン、熱可塑性ポリエステル樹脂、粉末状シリカ、アスコルビン酸、酸化チタン、顔料及びステアリン酸亜鉛を含む。ポリカプロラクトンに対する重量比率は、それぞれ熱可塑性ポリエステル樹脂が5〜30%、粉末状シリカが5〜25%、アスコルビン酸が0.3〜1.8%、酸化チタンが0.001〜0.02%、顔料が0.001〜0.1%、ステアリン酸亜鉛が0.001〜0.1%に設定されている。【選択図】図1
Description
本発明は、歯科用成形体及び歯科用樹脂材料に関する。
歯科用成形体として、義歯(入れ歯)の義歯床、歯冠補綴物、暫間被覆冠、人工歯等が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
上記歯科用成形体を代表する義歯床は、歯科医師による印象採得(型取り)によって製作されるのが一般的である。ところが、顎の可動粘膜域の厚さ、硬さ等が一定でない等の理由から、この印象採得で得られる型の精度を高めることが困難であり、患者の個人差や施術者である歯科医師の熟練度の多少とも相まって、製作される義歯床が患者の口腔に対して不適合となる場合が多い。製作される義歯床が患者の口腔に対して不適合であると、患者の口腔内において安定した装着が見込めず、飲食時等に容易に離脱しやすくなる。
本発明の課題は、仮に印象採得の不正確性に起因して患者の口腔内において安定した装着が見込めない場合であっても、患者の口腔内粘膜面や歯肉に簡易に適合可能な歯科用成形体及び歯科用樹脂材料を提供することにある。
このような課題を解決するために本発明の第一は、所定形状を有し口腔内で使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用成形体であって、熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜30%の熱可塑性ポリエステル樹脂と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%の粉末状シリカと、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.3〜1.8%のアスコルビン酸と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.02%の酸化チタンと、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%の顔料と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%のステアリン酸亜鉛と、残部がポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする。
上記した本発明の第一の更に望ましい発明は、所定形状を有し口腔内で使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用成形体であって、ポリカプロラクトンに対する重量比率が10〜25%の熱可塑性ポリエステル樹脂と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜20%の粉末状シリカと、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.3〜1.8%のアスコルビン酸と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.02%の酸化チタンと、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%の顔料と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%のステアリン酸亜鉛と、残部がポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために本発明の第二は、口腔内で使用される歯科用成形体に付随して使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用樹脂材料であって、熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、ポリカプロラクトンに対する重量比率5〜30%の熱可塑性ポリエステル樹脂と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%の粉末状シリカと、残部がポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする。
上記した本発明の第二の更に望ましい発明は、口腔内で使用される歯科用成形体に付随して使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用樹脂材料であって、ポリカプロラクトンに対する重量比率が10〜25%の熱可塑性ポリエステル樹脂と、ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜20%の粉末状シリカと、残部がポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る歯科用成形体及び歯科用樹脂材料(以下、両者を総称するときは歯科用成形体等という)は、樹脂成分としてポリカプロラクトンと、熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜30%とされ、また、粉末シリカのポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%とされ、残余の樹脂成分がポリカプロラクトンとされている。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、それ自体は周知のものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンナフタレート(PEN樹脂)など、市販されている熱可塑性のポリエステルを使用することができる。
粉末状シリカ(フィラー)は、歯科用成形体等の材料の粘度や、ポリカプロラクトンの含有と相まって硬度、曲げ強度等に影響を与える。粉末状シリカは、不定形、球形又は綿状をなし、例えば1〜100nm程度の粒子径を有する。
これにより、本発明に係る歯科用成形体等は、融点が60〜85℃程度となる一方で、常温時は高い曲げ強度及び引張強度を有するものとなる。このため、歯科医師が、例えば本発明に係る歯科用成形体としての義歯床を患者の口腔内へ装着する場合は、70〜75℃程度の湯に30秒程浸漬し、軟化状態となった義歯床を患者の口腔内粘膜面に強く押し当てれば、義歯床の内面(裏面)を口腔内粘膜面の形状に適合(顎堤に適合)させることが可能となる。したがって、印象採得における欠点を補うことが可能となる一方で、患者に対して印象採得をしなくても、患者の口腔内粘膜面に適合した、吸着力の高い義歯床を簡易に製作することが可能となる。
また、患者自身が歯科用樹脂材料を70〜75℃程度の湯に30秒程浸漬し、軟化状態となった歯科用樹脂材料を既存の義歯の内面(裏面)に貼り付けた状態で口腔内粘膜面に強く押し当てれば、その吸着作用により義歯の口腔内からの離脱を良好に防止することが可能となる。つまり、本発明に係る歯科用樹脂材料は、いわゆる入れ歯安定剤の代用とすることが可能である。
上述したとおり、本発明に係る歯科用成形体等は、少なくとも45%程度のポリカプロラクトンを含有している。ポリカプロラクトンは、生分解性樹脂材料であり、部分結晶性(準結晶性高分子)を有し、他の非結晶性樹脂とは化学的に強固な接合が可能である。ところが、そのホモポリマー単独の成形体を口腔内で使用した場合には、酸化による加水分解が著しく、短期間の使用に留まらざるを得ない。一方、融点が低く(約60℃)、その温度以上の湯に浸せば形状を自由に変化させ得るという特性を有している。本願発明は、このようなポリカプロラクトンの欠点を解消しつつ、その特性を生かすことで口腔内での長期の使用が可能な歯科用成形体等を知見するに至ったものである。
また、本発明に係る歯科用成形体等は、熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜30%とされ、粉末状シリカのポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%とされている。好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が10〜25%、粉末状シリカのポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜20%である。熱可塑性ポリエステル樹脂と粉末状シリカとの両者のポリカプロラクトンに対する重量比率で言うと、20〜40%であると効果的であり、30〜35%であると、より一層効果的である。
熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜30%であり、残余の樹脂成分がポリカプロラクトンであると、口腔内でのポリカプロラクトンの加水分解による樹脂劣化を防止し、歯科用成形体等の人体に対する硬さの適切化を図りつつ、口腔内に装着した場合の剥離、割れといった剥離破折の発生を防止し、しかも融点の上昇を抑制することができる。本発明に係る歯科用成形体等では、融点が65〜80℃程度となっている。これらの効果は、熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜30%、粉末状シリカのポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%であると効果的であり、その重量比率が熱可塑性ポリエステル樹脂が10〜25%、粉末状シリカが5〜20%であると、より一層効果的である。
熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が5%に満たないと、ポリカプロラクトンの加水分解による樹脂劣化が発生しやすくなる。一方、熱可塑性ポリエステル樹脂のポリカプロラクトンに対する重量比率が30%を超えると、非結晶性樹脂で製作される義歯床体の場合には化学的接合力が弱まり剥離破折が発生するおそれが高まって歯科用成形体としては不向きな特性となる。また、融点が上昇することで形状を変化させるための作業性が悪くなる。
本発明に係る歯科用成形体等の添加成分の一つであるアスコルビン酸は、歯科用成形体等の酸化を防止し耐久性を向上させることができ、ひいては歯科用成形体等を口腔内の環境に適合させ、それらの機能を長期的に維持させることができる。ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.3%に満たないと、酸化防止の役割を十分に果たすことができない。他方、重量比率が1.8%を超えるとその効果は飽和する。そこで、ポリカプロラクトンに対するアスコルビン酸の重量比率を0.3〜1.8%に設定した。好ましくは、0.6〜1.2%である。
歯科用成形体を口腔内の歯肉等の色に近づける場合には、樹脂がピンク色に染色される。酸化チタン及び顔料(例えば、赤系顔料)は、色付け(発色)のために添加される。例えば、実際の歯肉に近い色(ピンク色)を生じさせるには、赤系顔料と酸化チタン(白系)との混合比が調整される。
酸化チタン及び顔料の含有量は、主に染色をどのようにするかによって定められる。酸化チタンは、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.02%である。この重量比率が0.001%未満であると、顔料に対する色調整の役割が果たせない。他方、0.02%を超えると逆に色調整の機能を逸脱し、樹脂材料の強度等の物性を阻害する。そこで、歯科用成形体を口腔内の歯肉等の色に近づける場合、ポリカプロラクトンに対する酸化チタンの重量比率を0.001〜0.02%に設定した。好ましくは、0.003〜0.01%である。
顔料(例えば、赤系)は、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%である。この重量比率が0.001%未満であると、歯肉に近い色にする染色効果が得られない。他方、0.1%を超えると却って目的とする染色性を損なうとともに、樹脂材料の物性上も好ましくない。そこで、歯科用成形体を口腔内の歯肉等の色に近づける場合、ポリカプロラクトンに対する顔料の重量比率を0.001〜0.1%に設定した。好ましくは、0.001〜0.008%である。
ステアリン酸亜鉛は、酸化チタン、顔料及びポリカプロラクトン樹脂を均一に混ぜる撹拌性、ひいては均一に発色させる均一染色性に寄与し、添加剤相互の撹拌性及び混合性を向上させる。このステアリン酸亜鉛は、顔料(例えば、赤系顔料)が添加されている場合には、ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%である。この重量比率が0.001%未満であると、染色における撹拌性及び混合性を向上させる効果が期待できない。他方、0.1%を超えると、撹拌及び混合自体が困難になる。そこで、歯科用成形体を口腔内の歯肉等の色に近づける場合、ポリカプロラクトンに対するステアリン酸亜鉛の重量比率を0.001〜0.1%に設定した。好ましくは、0.001〜0.05%である。なお、ステアリン酸亜鉛に加えて又は代えて、例えばステアリン酸マグネシウムを使用しても同様な効果を得ることができる。
このようにステアリン酸亜鉛、酸化チタン及び顔料を添加することで、歯科用成形体にふさわしい染色が可能となり、更には射出成形時の樹脂の流動性が増すようになって、歯科用成形体の細部の再現度が向上する。その上、口腔内で歯科用成形体を着脱させる場合には、上記の添加剤により患者の口腔内の残存組織及び歯牙と、歯科用成形体との間の摩擦による抵抗を軽減でき、滑りが良好となる。その結果、患者の口腔内で歯科用成形体の装着及び取外しが容易になる。
歯科用成形体としては、例えば義歯床(ぎししょう)、歯冠補綴物、暫間被覆冠(ざんかんひふくかん)及び歯科矯正器具から選ばれたいずれか1の形態を有するものとすることができる。
義歯床は、例えば総義歯の義歯床、部分義歯の義歯床であり、人工歯を支持するとともに、口腔内への装着部としての機能を果たす。より具体的には、針金(口腔内維持装置:クラスプとも言う)及び金属を使用しない有床義歯床(ノンクラスプ義歯床)などを含む。このような義歯床では、一般に歯肉の色に対応してピンク色に着色され、その着色のために赤系顔料が用いられ、これに混ざり合う白系添加剤として酸化チタンが用いられる。また、赤系顔料に対して、くすんだ色添加剤として酸化鉄を加え、実際の歯肉の色に近い自然な色を出すこともできる。
歯冠補綴物は、患者の前歯に貼り合わせ審美性を高める非常に薄い補綴物(審美ラミネート)や、歯が大きく壊れた場合に修復する修復物であり、歯の全部又は一部を修復するインレー、人工歯冠クラウン(被覆冠)、抜けた歯の隣の歯を削って支台歯にして橋渡しをするようにして被せるブリッジ等を含む。また、歯冠修復材は口腔内で直接的に破折破損した人工歯冠や天然歯冠を修復する材料であり、本発明品は歯冠修復材として活用することが可能である。
歯冠補綴物、暫間被覆冠及び歯科矯正器具の場合には、必ずしも歯肉の色に対応する赤系色に着色する必要はないが、そのものの存在を目立ちにくくする等の目的がある場合には、義歯床と同様に歯肉に対応する着色を施すことができる。暫間被覆冠及び歯科矯正器具を歯肉の色に対応させない場合には、所望の色の顔料を酸化チタンや酸化鉄とともに用いて、適宜の色に着色すればよい。
暫間被覆冠は、長時間装着でなく一定の限られた間(暫間)に使用される、例えばマウスピース、抜歯後に仮に装着する仮歯、インプラントの施術後にインプラントが安定するまで被せる被覆冠等である。歯科矯正器具は、例えば上顎と下顎のかみ合わせの矯正、歯床の矯正、歯並びや歯の角度の矯正等のために口腔内に装着されるものである。
その他にも部分床義歯(部分入れ歯)を維持するための維持装置(クラスプ)、上顎の奥歯の間を橋渡しする装置(パラタルバー)等の代用品として本発明の歯科用成形体を用いることが可能である。
上記の義歯床、歯冠補綴物、暫間被覆冠、歯科矯正器具等の歯科用成形体を、ポリカプロラクトンを主成分とする樹脂製とすることで、金属アレルギーの心配が解消する。また、吸水性が極めて低いために含水しにくく、雑菌停滞もないため衛生的である。一方、ポリアミド、ナイロン製の、例えばノンスクラプ義歯(針金、金属を留め金として使用しない義歯床)の場合には、人工歯と義歯床との間の接着力が十分でないために人工歯と義歯床の境に食物残渣が侵入停滞して雑菌が繁殖することで非衛生的になりがちである。これに対して、本発明に係る歯科用成形体であれば、溶剤を使用して人工歯と義歯床とを化学的に結合させることが可能であり、雑菌の繁殖を効果的に抑えることが可能である。
なお、本発明に係る歯科用成形体に対して、歯科用成形体の表面に接着した状態で表面を被覆して位置するアクリル樹脂又はエポキシ樹脂のコーティング層を設けてもよい。これによれば、歯科用成形体の表面をアクリル樹脂又はエポキシ樹脂で覆うことができ、患者の口腔内で歯科用成形体の表面が粗造になるのを抑制できる。また、コーティング層がアクリル樹脂又はエポキシ樹脂であるため、ポリカプロラクトンにコーティング層を接着させることも可能となる。具体的には、アクリル系、エポキシ系の既存の歯科用表面滑沢剤を使用することで、歯科用成形体の表面が粗造になるのを抑制することができる。
また、本発明に係る歯科用成形体は、寸法の安定性に優れているため、歯科医師が採取する歯型(印象)に対して精密に適合させることが可能であり、特にノンスクラプ義歯の場合には、装着感に優れたものを患者に提供できる。本発明に係る歯科用成形体は、弾性率も高く、義歯床としての安定性にも優れている。
以上のような本発明に係る歯科用成形体は、ペレット状、シート状、ブロック状等の各種形態の樹脂材料を溶融し、例えば射出成形や填入圧成形により製造される。本発明に係る歯科用成形体は、ポリカプロラクトン及び熱可塑性ポリエステル樹脂を溶融若しくは混和して製造される。これにより、人体に樹脂アレルギーを発生させるアクリル樹脂のみを材料とした場合と異なり、人体に樹脂アレルギーを発生させない。同様に、ビスフェノールA等を溶出させるポリカーボネート樹脂等を材料とした場合と異なり、ビスフェノールAなどの溶出のない安全性に優れた歯科用成形体を製造することが可能となる。そして、本発明に係る歯科用成形体は、他の樹脂との接着力を十分に確保し得るものであり、かつ患者の口腔内の環境に適合し得るものである。
本発明に係る歯科用樹脂材料は、例えば義歯床裏装材や義歯床補修材、義歯床補強材、歯冠補綴材及び歯冠修復材として使用することができる。義歯床裏装材は義歯床の高さを再調整する等の機能を果たし、義歯床補修材は義歯床の傷んだ部位を修復する機能を果たし、義歯床補強材は義歯床において強度が不足する部位を強化する機能を果たす。義歯床裏装材は義歯床の内面側(口腔内粘膜面、歯肉側)に設けられるため、着色に関して特に制限はない。義歯床補修材及び義歯床補強材については、義歯床の内面側に設けられるときは、義歯床補修材と同様、着色に関して特に制限はないが、義歯床の外面側に設けられるときは、口腔粘膜や歯肉の色に対応する着色を施すことができる。
また、本発明に係る歯科用成形体としての義歯床であるか、あるいはPMMA樹脂(ポリメチルメタクリレート)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、PSU樹脂(ポリスルフォン)樹脂等の非晶性樹脂製の義歯床体に、本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床裏装材により内面裏装が施されている場合には、義歯床裏装材の軟化温度が70〜75℃程度であるため、患者自ら70〜75℃程度の湯に浸漬して義歯床内面を軟化させ、その軟化状態のまま口腔内で強く押し当てることで、義歯床体を口腔内に装着することができる。
なお、PMMAのみから成る非晶性樹脂製の義歯床体に、本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床裏装材により内面裏装を施す場合には、例えばジクロメタンプライマーやアクリル系モノマーを接合部に塗布することで、化学的に強固に接合することが可能である。また、本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床裏装材は、強固に接合する特性を有しているため、軟化により増量させることも可能である。
また、PMMAのみから成る従来の義歯床に、本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床補強材を使用した場合には、破折しやすいという従来の義歯床の欠点を良好に解消することが可能である。さらに、本発明に係る歯科用成形体としてノンスクラプ義歯(針金、金属を留め金として使用しない義歯床)を作製した場合には、作製した成形物を築造して補修することが可能である。例えば、ノンスクラプ義歯の作製後に、患者に顎堤吸収(欠損部顎堤の形態的変化)が発生した場合、歯科医師自らがその義歯床の形状を軟化により変化させ、あるいは本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床裏装材を用いて義歯床内面の形状等を築造して補修することで、簡易的に適合精度を上げることが可能である。
ところで、患者の使用している義歯床が本発明に係る歯科用成形体ではない場合、あるいは患者の使用しているPMMA樹脂製等の義歯床体が、本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床裏装材により内面裏装の施されたものでない場合には、患者自ら既存の入れ歯安定剤を用いて義歯床体の口腔内における安定化を図るのが一般的である。
この場合、本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床安定材を患者自ら70〜75℃程度の湯に浸漬して軟化させ、その軟化状態で患者の使用している義歯床の内面(裏面)に貼り付けて口腔粘膜面に強く押し当てることにより、義歯床体を口腔内に装着することができる。本発明に係る歯科用樹脂材料としての義歯床安定材は、装着感に優れ、かつ義歯床としての安定性を十分に確保し得るものである。
図1〜図8は本発明の歯科用成形体の実施例を示したものであり、図1は部分義歯1の義歯床1a(符号1bは人工歯)の例を、図2はその部分義歯1を人の口腔内に装着した例を示す。図3はクラウン2(歯冠補綴物)の例を、図4は審美ラミネート3(歯冠補綴物)の例を、図5はその審美ラミネート3を人の前歯に装着した例を示す。図6は歯科矯正器具4の例を、図7はその歯科矯正器具4を人の口腔内に装着した例を示す。図8はマウスピース5(暫間被覆冠)の例を示す。
図9〜図11は本発明の歯科用樹脂材料の実施例を示したものであり、図9は義歯床補修材6aの使用例(符号6は総義歯)を、図10は義歯床安定材6bが装着された総義歯6の例を、図11は同じく義歯床安定材6bが装着された総義歯7の例を示す。
図9〜図11は本発明の歯科用樹脂材料の実施例を示したものであり、図9は義歯床補修材6aの使用例(符号6は総義歯)を、図10は義歯床安定材6bが装着された総義歯6の例を、図11は同じく義歯床安定材6bが装着された総義歯7の例を示す。
次に、このような各種の歯科用成形体を製造するための歯科用樹脂材料の実施例を説明する。
まず、熱可塑性ポリエステル樹脂として、粉末状のPET樹脂を用意した。PET樹脂は、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを重縮合して得られた市販品である。なお、PET樹脂に代えて、PBT樹脂やPEN樹脂など、市販されている他の熱可塑性のポリエステルを用いてもよい。
次に、ε−カプロラクトン[C6H10O2](「2−オキセパノン」ホモポリマー)の合成によって得られたポリカプロラクトン(PCL)と、そのポリカプロラクトン(PCL)に対する重量比率が15%のPET樹脂とを共重合させて共重合ポリカプロラクトンを精製した。得られた共重合ポリカプロラクトンに対し、上記ポリカプロラクトン(PCL)に対する重量比率がそれぞれ、アスコルビン酸0.8%、酸化チタン0.009%、赤系顔料(例えば、法定色素であるアルミニウムレーキやベンガラ等の有機及び無機顔料等の中から1つ又は複数を選択)0.003%、ステアリン酸亜鉛0.018%となるように調整した。
義歯床歯肉部に用いられる場合、具体的には、ポリカプロラクトン(PCL)(50kg)に対し、PET樹脂が20%(10kg)、粉末状シリカが15%(7.5kg)、アスコルビン酸が0.8%(400g)、酸化チタンが0.009%(4.5g)、赤系顔料が0.003%(1.5g)、ステアリン酸亜鉛が0.018%(9g)である。
以上の各材料(共重合ポリカプロラクトン、アスコルビン酸、酸化チタン、赤系顔料及びステアリン酸亜鉛)を押出機により混ぜ合わせ、色付きのペレット状の歯科用樹脂材料(歯肉等の代わりとなる歯科用成形体を製造するのに用いる歯科用樹脂材料)を得た。なお、これらの歯科用樹脂材料には、ポリカプロラクトンに対する重量比率で極僅かな不可避不純物が混入するが、本発明の本質的要件及び効果とは関係がなく、これらに影響を及ぼすことはない。
精製した歯科用樹脂材料により、図1〜図8に示す義歯床1a、クラウン2(歯冠補綴物)、審美ラミネート3(歯冠補綴物)、歯科矯正器具4、マウスピース5(暫間被覆冠)等の歯科用成形体が成形される。このような歯科用成形体を成形する際には、射出成形法、コンプレッション成形法及び真空加圧成形法等のいずれでも、一般汎用成形機を使用して容易に加工が可能である。なお、図1に示す義歯床1aと人工歯1bは、溶剤を使用して化学的に結合させることで、義歯床1aと人工歯1bの境に食物残滓が侵入停滞して雑菌が繁殖することを抑制することができる。
射出成形により本発明に係る歯科用成形体を製造する場合、例えばペレット状の歯科用樹脂材料を汎用樹脂成形機のバレルに入れ、ファーネス温度を70〜100℃に設定し原料を軟化・溶解させて射出成形を行う。この歯科用樹脂材料には、ステアリン酸亜鉛が配合されているため、樹脂流動性が高く、成形体の細部に至るまで精密に再現することが可能である。
また、上記した歯科用樹脂材料は、図9〜図11にそれぞれ示すように、義歯床補修材6a、義歯床安定材6b,6bとしても使用することができる。この場合は、特別な形状に成形する必要がなく、例えば四角形の板状等に成形し、使用時に軟化させて総義歯6,7に装着すればよい。
以上のような歯科用成形体及び歯科用樹脂材料は、次に列挙するように極めて有利な特長・特性を備えている。
1.人体での樹脂アレルギー反応が無い。
2.内分泌撹乱作用物質であるビスフェノールAの溶出がないため、人体に使用しても安全性が高い。
3.全ての添加剤に対して、この樹脂成分は口腔内での溶出がないため安全性が高く、また、添加剤、顔料についても安全面で心配はない。
4.義歯床の審美的自然感を増すために、成形体中に人間の口腔内の血管を模した色に着色されたポリエステル繊維体が埋設されてもよい。
5.ステアリン酸亜鉛を添加剤として配合することにより、樹脂染色時において顔料が全てにまんべんなく混ざり、染色性が非常に高まる。
6.ステアリン酸亜鉛を配合することにより、樹脂自体の表面の滑沢度が増し、滑りが良くなるため、義歯床体の脱着に有効的である。
7.酸化チタンを添加剤として配合することにより、義歯床染色時において人体歯肉に合った自然観のある色合いを再現できる。
8.本発明に係る歯科用成形体によれば、従来から使用されている歯科用成形樹脂材料(ポリカーボネート、ポリアミド、ナイロン、アクリル等)に比べ、機械的強度、曲げ強度、耐熱性が同等あるいは優れているため、義歯床の破折も生じにくく、かつ非常にコンパクトで口腔内での違和感のない義歯床製作が可能であり、吸水性も従来からの樹脂材料に比べ非常に低いため、吸水による雑菌の繁殖や樹脂物性劣化が極めて少ない。
9.本発明に係る歯科用成形体等は、空気中の水分を吸収しにくいため、常温での保管状態においても問題がなく、射出成形時においても水分を除去するために熱乾燥させる必要もなく、作業効率性においても優れている。
10.本発明に係る歯科用成形体等は、約70〜75℃の温度で軟化することが可能であるため、形状を自由に変えることができ、粘膜面や歯頚、成形歯牙の形態に簡易的に適合させることが可能である。
2.内分泌撹乱作用物質であるビスフェノールAの溶出がないため、人体に使用しても安全性が高い。
3.全ての添加剤に対して、この樹脂成分は口腔内での溶出がないため安全性が高く、また、添加剤、顔料についても安全面で心配はない。
4.義歯床の審美的自然感を増すために、成形体中に人間の口腔内の血管を模した色に着色されたポリエステル繊維体が埋設されてもよい。
5.ステアリン酸亜鉛を添加剤として配合することにより、樹脂染色時において顔料が全てにまんべんなく混ざり、染色性が非常に高まる。
6.ステアリン酸亜鉛を配合することにより、樹脂自体の表面の滑沢度が増し、滑りが良くなるため、義歯床体の脱着に有効的である。
7.酸化チタンを添加剤として配合することにより、義歯床染色時において人体歯肉に合った自然観のある色合いを再現できる。
8.本発明に係る歯科用成形体によれば、従来から使用されている歯科用成形樹脂材料(ポリカーボネート、ポリアミド、ナイロン、アクリル等)に比べ、機械的強度、曲げ強度、耐熱性が同等あるいは優れているため、義歯床の破折も生じにくく、かつ非常にコンパクトで口腔内での違和感のない義歯床製作が可能であり、吸水性も従来からの樹脂材料に比べ非常に低いため、吸水による雑菌の繁殖や樹脂物性劣化が極めて少ない。
9.本発明に係る歯科用成形体等は、空気中の水分を吸収しにくいため、常温での保管状態においても問題がなく、射出成形時においても水分を除去するために熱乾燥させる必要もなく、作業効率性においても優れている。
10.本発明に係る歯科用成形体等は、約70〜75℃の温度で軟化することが可能であるため、形状を自由に変えることができ、粘膜面や歯頚、成形歯牙の形態に簡易的に適合させることが可能である。
以上のような本発明品の歯科用成形体(歯肉等の代わりとなる歯科用成形体)について評価試験を行い、その結果を表1に示した。
表1に示されるように、例えば繰返し折曲げ試験においては、吸水前後を測定した結果、本発明品ではともに他の歯科用樹脂材料(ポリプロピレンを除くポリアミド及びポリカーボネート)よりも優れた結果が得られた。例えば吸水前の繰返し折曲げ試験で、ポリカーボネートは5回で折れ、ポリアミドは120回で折れたが、本発明品では、200回の折曲げでも裂け目や折損は生じなかった。
また,吸水後の繰返し折曲げ試験では、ポリカーボネートは6回で折れ、ポリアミドは118回で折れたが、本発明品では、250回で裂け目なしであった。また本発明の樹脂材料(成形体)においては曲げ強度が170MPa、伸度16mm以上、吸水率0.1〜0.4wt%であり、非常に良好な数値が得られた。その他、作業性、着色等の実験結果も、添付するように良好な結果が得られた。
着色の試験に関して補足すれば、表1の下から2段目の「着色ΔEカレー」とは、カレー粉を溶解した湯中に37℃で1週間、試料としての樹脂片を浸漬し、その後試料の樹脂片を取り出して、専用の試験機でカレー粉溶液によってどれだけ着色されたかを検査し、その検査結果を数値化したものである。数値が小さいほど着色の程度が低い、換言すれば変色が少ないことを意味する。また、「着色ΔEフクシン」とは、カレー粉の代わりに着色料のフクシンを用いて同様の検査を行ったものであり、検査数値が小さいほど変色が少ないことを意味する。これらの結果から明らかなように、本発明品では「着色ΔEカレー」の検査値が1.2、「着色ΔEフクシン」の検査値が5であって、ポリアミド、ポリカーボネートの検査値に比べて充分小さく、変色しにくいことがわかる。
1 部分義歯
1a 義歯床
2 クラウン(歯冠補綴物)
3 審美ラミネート(歯冠補綴物)
4 歯科矯正器具
5 マウスピース(暫間被覆冠)
6,7 総義歯
6a 義歯床補修材
6b 義歯床安定材
1a 義歯床
2 クラウン(歯冠補綴物)
3 審美ラミネート(歯冠補綴物)
4 歯科矯正器具
5 マウスピース(暫間被覆冠)
6,7 総義歯
6a 義歯床補修材
6b 義歯床安定材
Claims (4)
- 所定形状を有し口腔内で使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用成形体であって、
熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜30%の前記熱可塑性ポリエステル樹脂と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%の前記粉末状シリカと、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.3〜1.8%のアスコルビン酸と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.02%の酸化チタンと、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%の顔料と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%のステアリン酸亜鉛と、
残部が前記ポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする歯科用成形体。 - 所定形状を有し口腔内で使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用成形体であって、
熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が10〜25%の前記熱可塑性ポリエステル樹脂と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜20%の前記粉末状シリカと、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.3〜1.8%のアスコルビン酸と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.02%の酸化チタンと、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%の顔料と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が0.001〜0.1%のステアリン酸亜鉛と、
残部が前記ポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする歯科用成形体。 - 口腔内で使用される歯科用成形体に付随して使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用樹脂材料であって、
熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率5〜30%の前記熱可塑性ポリエステル樹脂と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜25%の前記粉末状シリカと、
残部が前記ポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする歯科用樹脂材料。 - 口腔内で使用される歯科用成形体に付随して使用される、ポリカプロラクトンを含有する歯科用樹脂材料であって、
熱可塑性ポリエステル樹脂と、粉末状シリカとを有し、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が10〜25%の前記熱可塑性ポリエステル樹脂と、
前記ポリカプロラクトンに対する重量比率が5〜20%の前記粉末状シリカと、
残部が前記ポリカプロラクトン及び不可避不純物と、を含むことを特徴とする歯科用樹脂材料。
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JP2019055897A JP2020158395A (ja) | 2019-03-25 | 2019-03-25 | 歯科用成形体及び歯科用樹脂材料 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023242735A1 (en) * | 2022-06-13 | 2023-12-21 | Zinkh Nv | Granulate for a personalized dental device |
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-
2019
- 2019-03-25 JP JP2019055897A patent/JP2020158395A/ja active Pending
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