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JP2020030952A - 蓄電モジュール - Google Patents

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JP2020030952A JP2018155541A JP2018155541A JP2020030952A JP 2020030952 A JP2020030952 A JP 2020030952A JP 2018155541 A JP2018155541 A JP 2018155541A JP 2018155541 A JP2018155541 A JP 2018155541A JP 2020030952 A JP2020030952 A JP 2020030952A
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Abstract

【課題】アルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを抑制できる蓄電モジュールを提供する。【解決手段】蓄電モジュール4は、複数のバイポーラ電極14及び負極終端電極18を含む電極積層体11と、電極積層体11の積層端に当接する導電板5と、電極積層体11の側面11aを囲み、隣り合う電極間にそれぞれ形成された内部空間Vを封止する封止体12と、内部空間Vに収容されたアルカリ溶液を含む電解液Lとを備え、封止体12は、電極積層体11の各電極を構成する電極板15の縁部15cのそれぞれに結合された第1封止部(樹脂部)21を有し、電極積層体11における積層方向Dの一端側の最外層に位置する第1封止部(樹脂部)21Bと導電板5との間には、導電板5からの荷重を負極終端電極18の電極板15の縁部15cと第1封止部21Aとの結合領域Kに伝達する弾性体Bが配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、蓄電モジュールに関する。
従来の蓄電モジュールとして、電極板の一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成されたバイポーラ電極を備えるバイポーラ電池が知られている(特許文献1参照)。バイポーラ電池は、セパレータを介して複数のバイポーラ電極を積層してなる積層体を備えている。積層体の側面には、積層方向に隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体が設けられており、バイポーラ電極間に形成された内部空間に電解液が収容されている。
特開2011−204386号公報
上述したような蓄電モジュールでは、積層体における積層方向の一端に、負極終端電極が配置されている。負極終端電極は、電極板の片面に負極のみが設けられ、負極が積層方向の中央側を向くように積層方向の一端に配置されている。この負極終端電極の電極板の縁部も他のバイポーラ電極と同様に封止体によって封止されている。しかしながら、電解液がアルカリ溶液からなる場合、いわゆるアルカリクリープ現象により、電解液が負極終端電極の電極板の表面を伝わり、封止体と当該電極板との間を通って当該電極板の外面側に滲み出てしまうことが生じ得る。電解液が外面側に漏れ出て拡散すると、例えば負極終端電極に隣接して配置された導電板の腐食や、負極終端電極と拘束部材との短絡などが生じるおそれがあり、信頼性を低下させる要因となり得る。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、アルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを抑制できる蓄電モジュールを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る蓄電モジュールは、複数のバイポーラ電極が積層された積層体と、当該積層体の積層方向の一端側に配置された負極終端電極とを含んで構成された電極積層体と、電極積層体の積層端に当接するように配置された導電板と、電極積層体の側面を囲むように設けられ、隣り合う電極間に内部空間をそれぞれ形成すると共に当該内部空間を封止する封止体と、内部空間に収容されたアルカリ溶液を含む電解液と、を備え、封止体は、電極積層体の各電極を構成する電極板の縁部のそれぞれに結合された樹脂部を有し、電極積層体における積層方向の一端側の最外層に位置する樹脂部と導電板との間には、導電板からの荷重を負極終端電極の電極板の縁部と樹脂部との結合領域に伝達する弾性体が配置されている。
この蓄電モジュールでは、弾性体を介して導電板からの荷重が負極終端電極の電極板の縁部と樹脂部との結合領域に伝達される。この荷重により、アルカリクリープ現象によって樹脂部が電極板から引き剥がされることを抑制できる。したがって、電極板と樹脂部との間の隙間の拡大が抑制され、アルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを抑制できる。電解液の浸み出しが抑制されることで、例えば負極終端電極に隣接して配置された導電板の腐食や、負極終端電極と拘束部材との短絡などを防止でき、蓄電モジュールの信頼性を十分に確保できる。
また、電極積層体は、負極終端電極の電極板に対して積層方向の外側に配置された金属板を有し、金属板の縁部には、樹脂部が結合しており、弾性体は、金属板の縁部に結合された樹脂部と導電板との間に配置されていてもよい。この場合、比較的剛性の高い金属板が電極板に対して配置されることで、封止体と電極板との間の隙間の拡大が抑制され、アルカリクリープ現象の進行経路の発生が抑制される。また、電極間の内部空間への外部からの水分の浸入も抑制される。さらに、上述した導電板からの荷重は、弾性体を介して金属板の縁部と樹脂部との結合領域にも伝達される。したがって、アルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを一層確実に抑制できる。
また、金属板は、負極終端電極の電極板と同一の部材によって構成されていてもよい。この場合、部材の共通化による蓄電モジュールの低コスト化を実現できる。
この蓄電モジュールによれば、アルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを抑制できる。
本実施形態に係る蓄電モジュールを備えて構成される蓄電装置を示す概略断面図である。 図1に示した蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 比較例に係る蓄電モジュールの要部拡大断面図である。 変形例に係る蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る蓄電モジュールの好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示される蓄電装置1は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してモジュール積層体2の積層方向に拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えている。
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは4つ)の導電板5とを含む。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側とにそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向と、にそれぞれ交差(直交)する方向に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持っている。なお、図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さくなっているが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくなっていてもよい。
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10とによって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8におけるモジュール積層体2側の面には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されると共に、モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図3は、図2の要部拡大断面図である。図2及び3に示されるように、蓄電モジュール4は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12とを備えている。電極積層体11は、セパレータ13を介して蓄電モジュール4の積層方向Dに沿って積層された複数の電極によって構成されている。これらの電極は、複数のバイポーラ電極14の積層体と、負極終端電極18と、正極終端電極19とを含む。
バイポーラ電極14は、一方面15a及び一方面15aの反対側の他方面15bを含む電極板15と、一方面15aに設けられた正極16と、他方面15bに設けられた負極17とを有している。正極16は、正極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極17は、負極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向Dの一方に隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向Dの他方に隣り合う別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
負極終端電極18は、電極板15と、電極板15の他方面15bに設けられた負極17とを有している。負極終端電極18は、他方面15bが電極積層体11における積層方向Dの中央側を向くように、積層方向Dの一端側に配置されている。負極終端電極18の電極板15の一方面15aには、後述する金属板20が更に積層され、この金属板20を介して蓄電モジュール4に隣接する一方の導電板5(図1参照)と電気的に接続されている。負極終端電極18の電極板15の他方面15bに設けられた負極17は、セパレータ13を介して、積層方向Dの一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
正極終端電極19は、電極板15と、電極板15の一方面15aに設けられた正極16とを有している。正極終端電極19は、一方面15aが電極積層体11における積層方向Dの中央側を向くように、積層方向Dの他端側に配置されている。正極終端電極19の一方面15aに設けられた正極16は、セパレータ13を介して、積層方向Dの他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。正極終端電極19の電極板15の他方面15bは、電極積層体11の積層方向における他方の外側面を構成し、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5(図1参照)と電気的に接続されている。
電極板15は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、電極板15は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の縁部15cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の他方面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の一方面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ13は、電極板15同士の短絡を防止するための部材であり、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体12は、電極板15の縁部15cを包囲するように電極積層体11の側面11aに設けられている。封止体12は、側面11aにおいて縁部15cを保持している。封止体12は、電極板15の縁部15cに結合された複数の第1封止部21と、側面11aに沿って第1封止部21を外側から包囲し、第1封止部21のそれぞれに結合された第2封止部22とを有している。第1封止部21及び第2封止部22は、例えば、耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂である。第1封止部21及び第2封止部22の構成材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。
第1封止部21は、電極板15の一方面15aにおいて縁部15cの全周にわたって連続的に設けられ、積層方向Dから見て矩形環状をなしている。第1封止部21は、例えば超音波又は熱によって電極板15の一方面15aに溶着され、気密に接合されている。第1封止部21は、例えば積層方向Dに所定の厚さを有するフィルムである。第1封止部21の内側は、積層方向Dに互いに隣り合う電極板15の縁部15c同士の間に位置している。第1封止部21の外側は、電極板15の縁よりも外側に張り出しており、その先端部分は、第2封止部22に埋設されている。積層方向Dに沿って互いに隣り合う第1封止部21同士は、互いに離間していてもよく、接していてもよい。また、第1封止部21の外縁部分同士は、例えば熱板溶着などによって互いに結合していてもよい。
電極板15の一方面15aにおける縁部15cと第1封止部21とが重なる領域は、電極板15と第1封止部21との結合領域Kとなっている。結合領域Kにおいて、電極板15の表面は、粗面化されている。粗面化された領域は、結合領域Kのみでもよいが、本実施形態では電極板15の一方面15aの全体が粗面化されている。粗面化は、例えば電解メッキによる複数の突起の形成により実現し得る。一方面15aに複数の突起が形成されることにより、一方面15aにおける第1封止部21との接合界面では、溶融状態の樹脂が粗面化により形成された複数の突起間に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、電極板15と第1封止部21との間の結合強度を向上させることができる。粗面化の際に形成される突起は、例えば基端側から先端側に向かって先太りとなる形状を有している。これにより、隣り合う突起の間の断面形状がアンダーカット形状となり、アンカー効果を高めることが可能となる。
第2封止部22は、電極積層体11の側面11aを囲むように電極積層体11及び第1封止部21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。第2封止部22は、例えば樹脂の射出成型によって形成され、積層方向Dに沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。第2封止部22は、積層方向Dを軸方向として延在する矩形の枠状を呈している。第2封止部22は、例えば射出成型時の熱によって第1封止部21の外表面に溶着されている。本実施形態では、第2封止部22は、電極積層体11の側面11aから積層方向Dの端面側に回り込む回込部分22aを有している。また、第1封止部21のそれぞれは、積層方向Dから見て回込部分22aの内縁よりも内側に位置する内縁部分21aを有している。
第1封止部21及び第2封止部22は、隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止する。より具体的には、第2封止部22は、第1封止部21と共に、積層方向Dに沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、積層方向Dに沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び積層方向Dに沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、隣り合うバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16、及び負極17内に含浸されている。
次に、上述した負極終端電極18の周辺の構成について更に詳細に説明する。図3は、蓄電モジュール4の内部構成を示す要部拡大図である。
同図に示すように、電極積層体11において、負極終端電極18の積層方向Dの外側には、金属板20が更に積層されている。金属板20は、電極板15と実質的に同一の部材であり、例えばニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、金属板20は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。金属板20の一方面20a及び他方面20bは、正極活物質層及び負極活物質層のいずれもが塗工されていない未塗工電極となっている。この金属板20により、負極終端電極18は、積層方向Dに沿って金属板20とバイポーラ電極14との間に配置された状態となっている。
金属板20の縁部20cの他方面20b側は、負極終端電極18の電極板15の縁部15cに設けられた第1封止部21(以下、「第1封止部21A)と称す)に対して、例えば超音波又は熱によって溶着されている。金属板20の縁部20cの一方面20a側には、バイポーラ電極14及び負極終端電極18と同様に第1封止部21(以下「第1封止部21B」と称す)が設けられている。
本実施形態では、この第1封止部21Bが電極積層体11における積層方向Dの一端側の最外層に位置する樹脂部となっている。第1封止部21Bは、例えば超音波又は熱によって金属板20の縁部20cの一方面20aに溶着されている。金属板20の一方面20a及び他方面20bは、電極板15の一方面15aと同様に、粗面化されていてもよい。粗面化されている領域は、金属板20と第1封止部21A,21Bとの結合領域Kのみであってもよく、一方面20a及び他方面20bの全体であってもよい。
また、第1封止部21Bと導電板5との間には、弾性体Bが配置されている。弾性体Bは、例えばウレタン系ゴム等の弾性材料によって形成され、第1封止部21Bの形状に対応するように、積層方向Dから見て矩形環状をなしている。本実施形態では、弾性体Bは、第1封止部21Bの積層方向Dの外面側において、第2封止部22の回込部分22aの内縁よりも内側に位置する内縁部分21aの全面を覆うように配置され、第1封止部21B及び導電板5の双方に当接している。弾性体Bは、第1封止部21Bに対して、例えば超音波又は熱によって溶着されていてもよく、接着によって結合されていてもよい。
第1封止部21Bへの弾性体Bの配置により、電極積層体11の積層方向Dの一端側(負極終端電極18側)に配置された導電板5の中央部分5bは、金属板20の一方面20aに当接し、電極積層体11と電気的に接続されている。一方、導電板5の縁部5cは、弾性体Bに当接する。これにより、拘束部材3によって生じる導電板5からの荷重Cが負極終端電極18の電極板15の縁部15cと第1封止部21Aとの結合領域Kに伝達されるようになっている。
続いて、蓄電モジュール4の作用効果について説明する。図4は、比較例に係る蓄電モジュールの要部拡大断面図である。同図に示すように、比較例に係る蓄電モジュール100では、電極積層体11に金属板20が含まれておらず、かつ第1封止部21Bと導電板5との間の弾性体Bも配置されていない点で、実施例に係る蓄電モジュール4と相違している。
蓄電モジュール100では、いわゆるアルカリクリープ現象により、内部空間Vに存在する電解液が負極終端電極18の電極板15の表面を伝わり、結合領域Kにおける電極板15と第1封止部21との間の隙間を通って電極板15の一方面15a側に滲み出ることがある。図4には、アルカリクリープ現象における電解液Lの進行経路を矢印Aで示す。このアルカリクリープ現象は、電気化学的な要因及び流体現象などにより、蓄電装置の充電時及び放電時並びに無負荷時において生じ得る。アルカリクリープ現象は、負極電位、水分、及び電解液Lの通り道がそれぞれ存在することにより生じ、時間の経過とともに進行する。
アルカリクリープ現象は、結合領域Kにおいて電極板15の一方面15aが粗面化されている場合にも生じ得る。粗面化により電極板15と第1封止部21との間の結合強度が強化されていた場合でも、電解液Lが電極板15の一方面15aに形成された複数の突起と第1封止部21を構成する樹脂との間を通る際に、樹脂が電極板15から引き剥がされることがある。また、負極活物質(水素吸蔵合金)の自己放電反応に伴って発生した水素ガスによって内圧が上昇し、内圧による発生応力が樹脂の破断応力を超えた場合には、樹脂が破断して第1封止部21に膨れが生じることも考えられる。
これに対し、蓄電モジュール4では、電極積層体11における積層方向Dの一端側の最外層に位置する第1封止部21と導電板5との間に弾性体Bが配置され、導電板5の縁部5cが弾性体Bに当接した状態となっている。これにより、拘束部材3によって生じる導電板5からの荷重Cが弾性体Bを介して負極終端電極18の電極板15の縁部15cと第1封止部21Aとの結合領域Kに伝達される。この荷重Cにより、アルカリクリープ現象によって第1封止部21Aが電極板15から引き剥がされることを抑制できる。したがって、電極板15と第1封止部21Aとの間の隙間の拡大が抑制され、アルカリクリープ現象による電解液Lの滲み出しを抑制できる。電解液Lの浸み出しが抑制されることで、例えば導電板5の腐食や、負極終端電極18と拘束部材3との短絡などを防止でき、蓄電モジュール4の信頼性を十分に確保できる。
また、蓄電モジュール4では、電極積層体11が負極終端電極18の電極板15に対して積層方向Dの外側に配置された金属板20を有している。金属板20の縁部20cには、第1封止部21Bが結合しており、弾性体Bは、第1封止部21Bと導電板5との間に配置されている。このように、比較的剛性の高い金属板20が電極板15に対して配置されることで、第1封止部21Aと電極板15との間の隙間の拡大が抑制され、アルカリクリープ現象の進行経路の発生が抑制される。また、電極間の内部空間Vへの外部からの水分の浸入も抑制される。さらに、上述した導電板5からの荷重Cは、弾性体Bを介して金属板20の縁部20cと第1封止部21A及び第1封止部21Bとの結合領域Kにも伝達される。したがって、アルカリクリープ現象による電解液Lの滲み出しを一層確実に抑制できる。
また、蓄電モジュール4では、金属板20が負極終端電極18の電極板15と同一の部材によって構成されている。このため、部材の共通化による蓄電モジュール4の低コスト化を実現できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、弾性体Bは、第1封止部21Bの積層方向Dの外面側において、第2封止部22の回込部分22aの内縁よりも内側に位置する内縁部分21aの全面を覆うように配置されている。しかしながら、弾性体Bは、導電板5からの荷重を結合領域Kに対して伝達できるように、積層方向Dの一端側の最外層に位置する樹脂部と導電板5との双方に当接していればよく、必ずしも内縁部分21aの全面を覆うように配置されていなくてもよい。例えば弾性体Bが内縁部分21aの外側(第2封止部22側)に偏在していてもよく、内縁部分21aの内側に偏在していてもよい。
また、上記実施形態では、負極終端電極18の電極板15の一方面15a側に金属板20が配置されているが、金属板20の配置は省略してもよい。この場合、金属板20の縁部20cに設けられる第1封止部21Bも省略される。このため、例えば図5に示すように、負極終端電極18の電極板15の縁部15cに設けられる第1封止部21Aが電極積層体11における積層方向Dの一端側の最外層に位置する樹脂部となる。したがって、弾性体Bは、例えば第1封止部21Aにおける積層方向Dの外面側において、第2封止部22の回込部分22aの内縁よりも内側に位置する内縁部分21aの全面を覆うように配置される。このような構成においても、弾性体Bが第1封止部21A及び導電板5の双方に当接することで、導電板5からの荷重が負極終端電極18の電極板15の縁部15cと第1封止部21Aとの結合領域Kに伝達されるため、アルカリクリープ現象による電解液Lの滲み出しの抑制が図られる。
また、図5の構成において、負極終端電極18の電極板15の縁部15cと、負極終端電極18と隣り合うバイポーラ電極14の電極板15の縁部15cに設けられた第1封止部21との間に結合領域Kが更に形成されていてもよい。この場合、アルカリクリープ現象による電解液Lの滲み出しの一層の抑制が図られる。
また、正極終端電極19の電極板15の縁部15cにおける他方面15bにも矩形枠状の第1封止部21が結合していてもよい。この場合、当該第1封止部21も第2封止部22によって他の第1封止部21と結合される。また、当該第1封止部21の外縁部分は、熱板溶着などによって他の第1封止部21の外縁部分と結合されていてもよい。
4…蓄電モジュール、5…導電板、11…電極積層体、11a…側面、12…封止体、14…バイポーラ電極、15…電極板、15c…縁部、18…負極終端電極、20…金属板、20c…縁部、21,21A,21B…第1封止部(樹脂部)、B…弾性体、C…荷重、K…結合領域、L…電解液、V…内部空間。

Claims (3)

  1. 複数のバイポーラ電極が積層された積層体と、当該積層体の積層方向の一端側に配置された負極終端電極とを含んで構成された電極積層体と、
    前記電極積層体の積層端に当接するように配置された導電板と、
    前記電極積層体の側面を囲むように設けられ、隣り合う電極間に内部空間をそれぞれ形成すると共に当該内部空間を封止する封止体と、
    前記内部空間に収容されたアルカリ溶液を含む電解液と、を備え、
    前記封止体は、前記電極積層体の各電極を構成する電極板の縁部のそれぞれに結合された樹脂部を有し、
    前記電極積層体における前記積層方向の前記一端側の最外層に位置する前記樹脂部と前記導電板との間には、前記導電板からの荷重を前記負極終端電極の電極板の縁部と前記樹脂部との結合領域に伝達する弾性体が配置されている蓄電モジュール。
  2. 前記電極積層体は、前記負極終端電極の電極板に対して前記積層方向の外側に配置された金属板を有し、
    前記金属板の縁部には、前記樹脂部が結合しており、
    前記弾性体は、前記金属板の縁部に結合された前記樹脂部と前記導電板との間に配置されている請求項1記載の蓄電モジュール。
  3. 金属板は、前記負極終端電極の電極板と同一の部材によって構成されている請求項1又は2記載の蓄電モジュール。
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