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JP2020010597A - 配線器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1内側端子に対する第1外側端子の差込方向と交差する方向においてハウジングを小型化することができる配線器具を提供する。【解決手段】配線器具10は、第1内側端子8と、第2内側端子9と、第1内側端子8が実装される第1基板5と、第2基板6と、ハウジング1とを備える。第1内側端子8は、差込式の第1外側端子18を接続可能である。第2内側端子9は、第2外側端子19を接続可能である。第2基板6は、第1基板5に電気的に接続される。ハウジング1は、第1基板5及び第2基板6を収納する。第2基板6には、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータを構成する複数の電子部品16が実装される。第1基板5には、第1内側端子8に電気的に接続されるコンデンサが実装される。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に配線器具に関し、より詳細には、差込式の端子を接続可能に構成された配線器具に関する。
従来、USBプラグが接続されるUSBソケットを備えた配線器具が提供されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の配線器具は、第1プリント配線板と、第2プリント配線板と、第1プリント配線板及び第2プリント配線板を収納するハウジングと、を備える。第1プリント配線板には、USBソケットと、AC−DCコンバータを構成する複数の回路部品の一部とが実装されている。複数の回路部品のうち第1プリント配線板に実装された回路部品を除く残りの回路部品は、第2プリント配線板に実装されている。
特開2014−155396号公報
特許文献1に記載の配線器具では、第1プリント配線板及び第2プリント配線板は、その法線方向がUSBソケット(第1内側端子)に対するUSBプラグ(第1外側端子)の差込方向に沿うようにしてハウジングに収納される。そのため、上記差込方向と交差する方向においてハウジングが大型化するという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされており、第1内側端子に対する第1外側端子の差込方向と交差する方向においてハウジングを小型化することができる配線器具を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る配線器具は、第1内側端子と、第2内側端子と、第1基板と、第2基板と、ハウジングと、を備える。前記第1内側端子は、差込式の第1外側端子を接続可能に構成されている。前記第2内側端子は、第2外側端子を接続可能に構成されている。前記第1基板には、前記第1内側端子が実装される。前記第2基板は、前記第1基板に電気的に接続される。前記ハウジングは、前記第1基板及び前記第2基板を収納する。前記第2基板には、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータを構成する複数の電子部品が実装される。前記第1基板には、前記第1内側端子に電気的に接続されるコンデンサが実装される。
本発明によれば、第1内側端子に対する第1外側端子の差込方向と交差する方向においてハウジングを小型化することができる、という利点がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る配線器具の分解斜視図である。 図2は、同上の配線器具の斜視図である。 図3Aは、同上の配線器具が備えるボディの正面図、図3Bは平面図、図3Cは底面図である。 図4Aは、同上の配線器具が備えるカバーの正面図、図4Bは平面図、図4Cは底面図である。 図5Aは、同上の配線器具が備える支持部材の正面図、図5Bは平面図、図5Cは底面図である。 図6Aは、同上の配線器具が備える支持部材の左側面図、図6Bは右側面図である。 図7は、同上の配線器具においてカバーを取り外した状態の斜視図である。 図8は、同上の配線器具の断面図である。 図9は、同上の配線器具の別の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。下記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)概要
まず、本実施形態に係る配線器具10の概要について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る配線器具10は、例えばUSBケーブルの先端に設けられたUSBプラグが接続可能なUSBコンセントであり、USBケーブルに電気的に接続された電気機器(例えば、スマートフォン)に対して電力供給を行う。また、本実施形態に係る配線器具10は、例えば建物の壁に取り付けられる屋内用の配線器具である。配線器具10が設置される建物は、例えば戸建住宅、集合住宅の各住戸、事務所、店舗又は介護施設等である。
配線器具10は、配線器具10に対して電線を電気的に接続した状態で、施工面(ここでは建物の壁面)に取り付けられる。この配線器具10においては、カバー3の前面に形成された第1挿通孔320にUSBケーブルのUSBプラグが差し込まれることによって、USBプラグが電気的に接続され、配線器具10から電気機器への電力供給が可能になる。ここで、配線器具10は、埋込型の配線器具であって、取付枠を用いて施工面に取り付けられる。具体的には、配線器具10が取り付けられた取付枠を、例えば埋込ボックスに対して固定することにより、配線器具10が施工面に取り付けられる。ここでいう埋込ボックスは、前面が開放された箱状の部材であって、施工面に形成された施工孔から前面を前方に露出させるように、壁内に設置される。
配線器具10は、図1に示すように、第1内側端子8と、第2内側端子9と、第1基板5と、第2基板6と、第3基板7と、ハウジング1と、を備えている。第1内側端子8は、差込式の第1外側端子18を接続可能に構成されている。第2内側端子9は、第2外側端子19を接続可能に構成されている。第1外側端子18は、例えばUSBプラグであり、第1内側端子8は、USBプラグが着脱可能に差込接続されるUSBソケットである。第2外側端子19は、例えば給電用の電線の心線であり、第2内側端子9は、心線が電気的に接続される端子金具である。
第1基板5には、第1内側端子8が実装されている。第2基板6は、第1基板5に電気的に接続されている。第3基板7には、第2内側端子9が実装されている。また、第3基板7は、第2基板6に電気的に接続されている。ハウジング1は、第1基板5、第2基板6及び第3基板7を収納する。
第1基板5及び第3基板7の法線方向は、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向(前後方向)に沿う方向である。第2基板6の法線方向は、上記差込方向と交差する方向(上下方向)である。
このように、第2基板6の法線方向が上記差込方向と交差する方向であるので、第2基板6の法線方向が上記差込方向に沿う方向である場合と比較して、上記差込方向と交差する方向においてハウジング1を小型化することができる。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る配線器具10について詳細に説明する。なお、以下の説明では特に断りのない限り、図1〜図9に示す矢印により、配線器具10の上下、左右、前後の各方向を規定する。すなわち、配線器具10が施工面に取り付けられた状態を正面から見て、鉛直方向(上下方向)を上下方向とし、左右方向を左右方向とし、施工面の法線方向を前後方向(手前が前側)とする。ただし、これらの方向は配線器具10の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図1〜図9に示す矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。
本実施形態に係る配線器具10は、図1及び図2に示すように、第1内側端子8と、第2内側端子9と、第1基板5と、第2基板6と、第3基板7と、支持部材4と、ハウジング1と、を備えている。
第1内側端子8は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ソケットである。第1内側端子8は、図1に示すように、その長手方向(左右方向)が第1基板5の長手方向に沿うようにして第1基板5に実装されている。言い換えると、第1内側端子8の長手方向と第1基板5の長手方向とが同じ方向である。第1内側端子8は、差込式の第1外側端子18が接続可能に構成されている。第1外側端子18は、ここではUSBケーブルの先端に設けられたUSBプラグである(図1参照)。USBソケット及びUSBプラグは、例えばUSB3.0等のUSB規格に準拠している。
第2内側端子9は、例えば銅合金からなる板金を曲げ加工することにより、後方から見た形状がU字状に形成された端子金具である。第2内側端子9は、ここでは2個1組である。これらの第2内側端子9は、互いの開口側を向かい合わせた状態で第3基板7に実装されている。
各第2内側端子9の左片、下片(又は上片)及び右片で囲まれた空間内には、対応する鎖錠ばね11が収納される。鎖錠ばね11は、図1に示すように、支持片110と、鎖錠片111と、押圧片112と、を有している。支持片110は、前後方向に長い板状である。鎖錠片111は、板状であり、支持片110の後端において一体に形成されている。鎖錠片111は、支持片110の後端から斜め前方に傾斜している。押圧片112は、上下方向から見た形状がU字状であり、支持片110の前端において一体に形成されている。
第2内側端子9は、第2外側端子19を接続可能に構成されている。第2外側端子19は、ここでは外部電源(例えば、商用電源)に電気的に接続された給電用の電線の心線である。第2外側端子19は、鎖錠ばね11の押圧片112からの押圧力によって第2内側端子9の左片に押し付けられ、これにより第2内側端子9と第2外側端子19とが電気的に接続される。
第1基板5は、例えばガラス・エポキシ樹脂からなるプリント配線板である。第1基板5は、左右方向に長い矩形状である。第1基板5は、第1面51と、第2面52と、を有している。第1面51は、ここでは第1基板5の前面であり、第1面51には第1内側端子8が配置されている。第2面52は、ここでは第1基板5の後面であり、第2面52には、電子部品15が配置されている。電子部品15は、例えば平滑コンデンサである。この平滑コンデンサは、第2基板6からの直流電力を平滑化して第1内側端子8に出力する。電子部品15は、第2面52の右側かつ下側の角部に配置されている。
第1基板5は、複数(ここでは3個)の位置決め孔53を有している。複数の位置決め孔53の各々は、前後方向に矩形状に貫通している。複数の位置決め孔53のうち2個の位置決め孔53は、第1基板5の4辺のうちの上側の1辺において左右方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている(図1では片側のみ図示)。複数の位置決め孔53のうち残りの1個の位置決め孔53は、第1基板5の4辺のうちの下側の1辺において左右方向における中央寄りの位置に設けられている。
第1基板5は、その法線方向(厚み方向)が前後方向に沿うようにしてハウジング1に収納される。言い換えると、第1基板5の法線方向は、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向に沿う方向である。ここに、本実施形態では、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向が前後方向である。
第2基板6は、第1基板5と同様に、例えばガラス・エポキシ樹脂からなるプリント配線板である。第2基板6は、前後方向に長い矩形の主部61と、主部61の前側かつ左側の角部から左向きに突出する矩形の突出部62とで、上下方向から見た形状がL字状に形成されている。第2基板6(主部61及び突出部62)の一面(下面)には、複数の電子部品16が配置されている。これら複数の電子部品16は、例えば、上記電線を介して外部電源から供給される交流電力を所定電圧の直流電力に変換するAC−DCコンバータを構成している。したがって、複数の電子部品16には、トランス、電解コンデンサ、抵抗、インダクタ等が含まれている。
また、第2基板6の主部61には、複数(ここでは3本)の接続ピンを有する端子部17が実装されている。第2基板6は、第1基板5に形成された複数(ここでは3個)のスルーホールに複数の接続ピンをそれぞれ差し込んで半田にて接続することにより、第1基板5に電気的に接続される。つまり、第2基板6は、AC−DCコンバータにて生成した直流電力を、端子部17を介して第1基板5に出力する。第2基板6は、その法線方向(厚み方向)が前後方向と交差するようにしてハウジング1に収納される。言い換えると、第2基板6の法線方向は、上記差込方向と交差する方向である。
第2基板6は、後述するボディ2の第2収納部21にヨーク13とともに収納される。ヨーク13は、第2基板6に実装された複数の電子部品16のうちの1つであるトランスとともに磁気回路を形成する。ヨーク13は、例えば金属板を曲げ加工することにより、上下方向から見た形状がU字状に形成されている。ヨーク13は、左右方向に沿った板状の後片130と、後片130の右端から前方に突出する右片131と、後片130の左端から前方に突出する左片132と、を有している。ヨーク13は、第2収納部21に収納された状態において、第2基板6に実装されたトランスの右側、後側及び左側を覆うように配置される。
第3基板7は、第1基板5と同様に、例えばガラス・エポキシ樹脂からなるプリント配線板である。第3基板7は、上下方向に長い矩形状である。第3基板7の一面(後面)には、2個の第2内側端子9が上下方向に並べて配置されている。第3基板7は、例えばリード線等を介して第2基板6に電気的に接続され、上記電線を介して外部電源から供給される交流電力を第2基板6に出力する。
ハウジング1は、図1に示すように、一面(前面)が開口した箱状のボディ2と、ボディ2の開口を塞ぐようにボディ2に取り付けられるカバー3と、を含む。ボディ2及びカバー3は、例えばPBT(Polybutylene terephthalate)樹脂により形成されている。
ボディ2は、図3A〜図3Cに示すように、左右方向に長い直方体状である。ボディ2は、第2基板6を収納する第2収納部21と、第3基板7を収納する第3収納部22と、を有している。言い換えると、ボディ2の内部空間は、ボディ2の底壁から前方に突出する縦壁23によって、第2収納部21と第3収納部22とに分けられている。つまり、ボディ2の内部空間のうち縦壁23よりも右側の空間が第2収納部21であり、縦壁23よりも左側の空間が第3収納部22である。ここで、第2収納部21と第3収納部22とは、前後方向に沿った外形寸法(高さ寸法)が異なっている。本実施形態では、第3収納部22の高さ寸法が第2収納部21の高さ寸法よりも小さい(図3A参照)。
第2収納部21は、一対の保持溝210と、第1支え部211と、第2支え部212と、第3支え部213と、第4支え部214と、を有している。
一対の保持溝210の各々は、前後方向から見た形状がU字状であり、前後方向に沿って形成されている。一対の保持溝210は、第2収納部21の左側壁及び右側壁にそれぞれ設けられている。一対の保持溝210は、第2収納部21の上寄りの位置にそれぞれ設けられている。そして、第2基板6の左右方向における両端部を一対の保持溝210にそれぞれ差し込むことにより、第2基板6が第2収納部21に収納され、ボディ2に保持される。言い換えると、第2基板6は、上記差込方向と交差し、かつ第2基板6の法線方向と交差する方向における両端部を一対の保持溝210にそれぞれ差し込むことで、ボディ2に保持される。
第1支え部211は、第2収納部21の右側かつ下側の角部に設けられている。第1支え部211は、ボディ2の底壁から前方に突出している。第1支え部211の表面(前面)は、前後方向においてボディ2の前端面よりも後方に位置している。第1支え部211の前面の中央寄りの位置には、前方に突出する突部2110が一体に形成されている。
第2支え部212は、第2収納部21の右側かつ上側の角部に設けられている。言い換えると、第2支え部212は、一対の保持溝210のうち右側の保持溝210の上側に設けられている。第2支え部212は、ボディ2の底壁から前方に突出している。第2支え部212の表面(前面)は、前後方向においてボディ2の前端面よりも後方に位置している。言い換えると、第2支え部212の前面は、前後方向において第1支え部211の前面と同じ位置にある。
第3支え部213は、第2支え部212の左側に設けられている。第3支え部213は、ボディ2の底壁から前方に突出している。第3支え部213の表面(前面)は、前後方向においてボディ2の前端面よりも後方に位置している。言い換えると、第3支え部213の前面は、前後方向において第1支え部211及び第2支え部212の前面と同じ位置である。
第4支え部214は、第2収納部21の左側かつ上側の角部に設けられている。第4支え部214は、ボディ2の底壁から前方に突出している。第4支え部214の表面(前面)は、前後方向においてボディ2の前端面よりも後方に位置している。言い換えると、第4支え部214の前面は、前後方向において第1支え部211、第2支え部212及び第3支え部213の前面と同じ位置である。ここに、本実施形態では、第1支え部211、第2支え部212、第3支え部213及び第4支え部214により、後述する支持部材4を支える支え部が構成されている。
第2収納部21と第3収納部22とを隔てる縦壁23は、2個の突部231を有している。2個の突部231は、縦壁23の上下方向における両端部からそれぞれ前方に突出している。
第3収納部22は、2個の端子用収納部220と、釦用収納部221と、を有している。2個の端子用収納部220は、所定の間隔を空けた状態で上下方向に並べて設けられている。釦用収納部221は、上下方向において2個の端子用収納部220間に設けられている。
2個の端子用収納部220の各々には、第3基板7に実装された2個の第2内側端子9(対応する鎖錠ばね11を含む)のいずれかが収納される。2個の端子用収納部220に2個の第2内側端子9を収納させた状態では、第3収納部22の前端面に第3基板7が載せ置かれる。ボディ2の底壁において2個の端子用収納部220に対応する位置には、前後方向に貫通する第2挿通孔2200がそれぞれ設けられている。そして、第2挿通孔2200に第2外側端子19を差し込むことにより、第2外側端子19が第2内側端子9に電気的に接続される。このとき、第2外側端子19は、第2内側端子9と対応する鎖錠ばね11との間に差し込まれ、鎖錠ばね11の押圧片112からの押圧力によって第2内側端子9の左片に接触する。また、第2外側端子19は、対応する鎖錠ばね11の鎖錠片111によって抜け止めされる。
釦用収納部221には、解除釦12(図1参照)が収納される。解除釦12は、鎖錠ばね11による第2外側端子19の鎖錠状態を解除するための釦である。解除釦12は、例えばPBT樹脂により形成されている。解除釦12は、操作片120と、2個の作用片121と、を有している。操作片120は、前後方向に長い直方体状である。2個の作用片121は、操作片120の上下方向における両側にそれぞれ一体に形成されている。ボディ2の底壁において釦用収納部221に対応する位置には、前後方向に貫通する解除孔2210が設けられている。解除孔2210は、上下方向に長い長孔である。
解除釦12は、釦用収納部221に収納された状態において、第1位置と第2位置との間で前後方向に移動可能である。解除釦12が第1位置にあるときには、鎖錠ばね11の鎖錠片111によって第2外側端子19が抜け止めされる。解除釦12が第2位置にあるときには、解除釦12の作用片121によって鎖錠片111が第2外側端子19から離れる方向へ移動し、第2外側端子19の抜け止めが解除される。すなわち、解除釦12を第2位置に移動させることにより、第2外側端子19を引き抜くことができる。解除釦12を第2位置へ移動させる際には、解除孔2210に解除用治具(例えば、マイナスドライバ)を差し込むことにより、解除釦12が第2位置へ移動する。また、解除釦12を第1位置へ移動させる際には、解除孔2210から解除用治具を抜くことにより、鎖錠ばね11の鎖錠片111からの弾性力によって解除釦12が第1位置へ移動する。
ボディ2は、複数(ここでは4個)の組立突起24を有している。複数の組立突起24のうち2個の組立突起24は、ボディ2の上側壁に設けられている。これら2個の組立突起24は、上側壁において、所定の間隔を空けた状態で左右方向に並んでいる。また、複数の組立突起24のうち残りの2個の組立突起24は、ボディ2の下側壁に設けられている。これら2個の組立突起24は、下側壁において、所定の間隔を空けた状態で左右方向に並んでいる。これら4個の組立突起24は、後述するカバー3に設けられた4個の組立孔330にそれぞれ嵌まり込むことによりボディ2とカバー3とが結合し、ハウジング1が組み立てられる。
また、ボディ2は、2個の突条部25を有している。2個の突条部25のうちの一方は、ボディ2の左側壁の前端部から前方に突出している。2個の突条部25のうちの他方は、ボディ2の右側壁の前端部から前方に突出している。これらの突条部25は、上下方向に沿って所定長さに形成されている。
カバー3は、図4A〜図4Cに示すように、左右方向に長い直方体状である。カバー3は、カバー本体31と、突台部32と、2個の組立片33と、を有している。
カバー本体31は、後面(ボディ2と対向面)が開口した直方体状である。カバー本体31は、複数(ここでは4個)の変形部310と、差込部311,312と、4個の取付溝313と、2個の差込溝314と、を有している。
複数の変形部310は、カバー本体31の前壁の四隅近傍にそれぞれ設けられている(図4C参照)。複数の変形部310の各々は、円錐状であり、カバー本体31の前壁の後面から後方に突出している。これら複数の変形部310は、配線器具10を組み立てた状態において、第1基板5の第1面51に接触することによって塑性変形する。言い換えると、複数の変形部310の先端部は、第1基板5の第1面51に接触することによって潰れる。
差込部311は、カバー本体31の左側かつ下側の角部近傍に設けられている。差込部311は、カバー本体31の前壁の後面から後方に突出している。差込部311は、前後方向においてカバー本体31の後端面よりも後方に位置している。言い換えると、差込部311は、カバー本体31の後端面よりも後方に突出している。
差込部312は、カバー本体31の左側かつ上側の角部近傍に設けられている。差込部312は、カバー本体31の前壁の後面から後方に突出している。差込部312は、前後方向においてカバー本体31の後端面よりも後方に位置している。言い換えると、差込部312は、カバー本体31の後端面よりも後方に突出している。これらの差込部311,312は、ボディ2にカバー3が取り付けられた状態において、ボディ2内に差し込まれる。
4個の取付溝313の各々は、小幅部3130と、大幅部3131と、を有している。小幅部3130の幅寸法(左右寸法)は、後述する取付金具14の腕片141の幅寸法よりもわずかに大きい寸法である。大幅部3131の幅寸法は、小幅部3130の幅寸法よりも大きい寸法である。大幅部3131は、前後方向において小幅部3130の後方に位置している。
4個の取付溝313のうち2個の取付溝313は、カバー本体31の上側壁に設けられている。これら2個の取付溝313は、上側壁の左右方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている。4個の取付溝313のうち残りの2個の取付溝313は、カバー本体31の下側壁に設けられている。これら2個の取付溝313は、下側壁の左右方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている。本実施形態では、上側壁の右側に位置する取付溝313と下側壁の右側に位置する取付溝313とで1組の取付溝を構成し、上側壁の左側に位置する取付溝313と下側壁の左側に位置する取付溝313とで1組の取付溝を構成している。そして、各組の取付溝に対して1個の取付金具14が取り付けられる。
ここで、本実施形態に係る配線器具10は、2個の取付金具14によって取付枠に取り付けられる。2個の取付金具14の各々は、図1に示すように、左右方向から見た形状がU字状である。各取付金具14は、主片140と、2個の腕片141と、を有している。主片140は、上下方向から見た形状がL字状であり、上下方向に沿って形成されている
。主片140の左端縁(又は右端縁)には、左向き(又は右向き)に突出する2個の引掛爪1400が一体に形成されている。2個の引掛爪1400は、主片140の上下方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている。そして、取付枠に設けられた2個の引掛孔にこれらの引掛爪1400をそれぞれ引っ掛けることにより配線器具10が取付枠に取り付けられる。
主片140の上下方向における両端部には、2個の腕片141がそれぞれ一体に形成されている。2個の腕片141の各々は、前後方向に沿って伸びる板状である。各腕片141の先端部(後端部)には、左右方向において二股に分かれた2個の曲げ片1410が一体に形成されている。
2個の取付金具14のうち一方(図1中の右側)の取付金具14は、カバー本体31の右側に取り付けられる。このとき、取付金具14の一方(図1中の下側)の腕片141は、カバー本体31の下側壁の右側の取付溝313内に配置され、他方(図1中の上側)の腕片141は、カバー本体31の上側壁の右側の取付溝313内に配置される。そして、各腕片141の2個の曲げ片1410を互いに離れる方向に曲げることにより、取付金具14がカバー3に取り付けられる。他方(図1中の左側)の取付金具14についても同様の手順によりカバー3に取り付けられる。
2個の差込溝314は、カバー本体31の左側壁及び右側壁の後端部にそれぞれ設けられている。2個の差込溝314は、上下方向に沿って所定長さに形成されている。配線器具10を組み立てた状態では、2個の差込溝314に2個の突条部25がそれぞれ差し込まれる。
突台部32は、左右方向に長い直方体状であり、カバー本体31の前壁から前方に突出している。突台部32の前壁300には、前後方向に貫通する第1挿通孔(挿通孔)320が設けられている。この第1挿通孔320は、突台部32の前壁300の後面からなる対向面300a(図4C参照)の中心を含む位置に設けられている。第1挿通孔320は、左右方向に長い矩形状である。言い換えると、第1挿通孔320の長手方向は、突台部32の前壁300の長手方向に沿う方向である。そして、第1基板5に実装された第1内側端子8は、その長手方向がハウジング1の長手方向(左右方向)に沿うようにしてハウジング1に収納される。
カバー本体31の内部空間と突台部32の内部空間とはつながっており、ここでは2つの内部空間により第1収納部34が構成されている。したがって、配線器具10を組み立てた状態では、第1基板5(第1内側端子8を含む)が第1収納部34に収納される。
カバー本体31の上側壁及び下側壁には、後方に突出する組立片33がそれぞれ一体に形成されている。これらの組立片33は、上下方向から見た形状が矩形状である。各組立片33には、所定の間隔を空けて左右方向に並ぶ2個の組立孔330が設けられている。ボディ2にカバー3が取り付けられた状態では、ボディ2の上側壁に設けられた2個の組立突起24が、カバー3の上側の組立片33の2個の組立孔330にそれぞれ嵌まり込む。また、ボディ2にカバー3が取り付けられた状態では、ボディ2の下側壁に設けられた2個の組立突起24が、カバー3の下側の組立片33の2個の組立孔330にそれぞれ嵌まり込む。これにより、ボディ2とカバー3とが結合し、ハウジング1が組み立てられる。
支持部材4は、例えばPBT樹脂により形成されている。支持部材4は、図5A〜図5C、図6A及び図6Bに示すように、一面(後面)が開口した左右方向に長い直方体状である。支持部材4は、支持部41と、下側壁部42と、上側壁部43と、左側壁部44と、右側壁部45と、を有している。ここに、本実施形態では、下側壁部42、上側壁部43、左側壁部44及び右側壁部45により側壁部が構成されている。
支持部41は、左右方向に長い矩形板状であり、第1基板5が載せ置かれる載置面(前面)400を有している。この載置面400は、上記差込方向と交差している。また、支持部41は、開口孔410と、部品挿通孔411と、複数(ここでは3個)の位置決め突起412と、複数(ここでは3個)の押さえリブ413と、を有している。
開口孔410は、左右方向に長い矩形状であり、支持部41の中央近傍において前後方向に貫通している。部品挿通孔411は、上下方向に長い矩形状であり、支持部41における開口孔410の右側に前後方向に貫通している。
複数の位置決め突起412のうち2個の位置決め突起412は、支持部41の上端縁から前方に突出している。これら2個の位置決め突起412は、左右方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている。複数の位置決め突起412のうち残りの1個の位置決め突起412は、支持部41の下端縁から前方に突出している。この位置決め突起412は、左右方向における中央寄りの位置に設けられている。
ここで、支持部材4に設けられた複数の位置決め突起412と、第1基板5に設けられた複数の位置決め孔53とで、第1基板5を支持部材4に固定するための固定構造200が構成されている。そして、本実施形態では、図5Aに示すように、複数の位置決め突起412が、支持部41の中心点P1を通る平面100であって、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向に沿った平面100に対して非対称である。そのため、2個の位置決め突起412と2個の位置決め孔53とが対応するように第1基板5の向きを合わせた状態でのみ、支持部41の載置面400に第1基板5を載せ置くことができる。すなわち、支持部41の中心点P1を回転中心として第1基板5を180度回転させた場合には、支持部41に第1基板5を載せ置くことができず、第1基板5の取付ミスを抑えることができる。
また、位置決め孔53の上下寸法及び左右寸法は、位置決め突起412の上下寸法及び左右寸法よりもわずかに小さい。そのため、3個の位置決め突起412を3個の位置決め孔53にそれぞれ差し込んだ状態では、支持部41に対して第1基板5を位置決めすることができるだけでなく、支持部41に対して第1基板5を強固に取り付けることができる。
また、支持部41に第1基板5が取り付けられた(支持された)状態では、第1基板5に実装された電子部品15が支持部41の部品挿通孔411に通される。さらに、支持部41に第1基板5が支持された状態では、第1基板5の第2面52側に露出する第1内側端子8の第1基板5との接続ピンが支持部41の開口孔410に通される。
複数の押さえリブ413は、支持部41の後面(載置面400と反対側の面)から後方に突出している。複数の押さえリブ413は、開口孔410の上端縁において左右方向に沿って設けられている。複数の押さえリブ413は、配線器具10を組み立てた状態において、第2基板6の前端面に接触し、第2基板6に対して後向きの力を作用させる。
下側壁部42は、支持部41の載置面400の4辺のうちの1辺(下辺)から後方(第1基板5と反対側)に突出している。下側壁部42は、複数(ここでは3個)の押さえ部420,421と、溝422と、貫通孔423と、を有している。貫通孔423は、第2基板6に実装された電子部品16と対向する位置において上下方向に貫通している。複数の押さえ部420,421は、下側壁部42の後端部から後方に突出している。複数の押さえ部420,421のうち2個の押さえ部420は、貫通孔423の右側に設けられている。複数の押さえ部420,421のうち残りの1個の押さえ部421は、貫通孔423の左側に設けられている。溝422は、左右方向に並ぶ2個の押さえ部420の間に設けられている。
上側壁部43は、支持部41の載置面400の4辺のうちの1辺(上辺)から後方(第1基板5と反対側)に突出している。上側壁部43は、複数(ここでは3個)の押さえ部430,431と、溝432と、を有している。複数の押さえ部430,431は、上側壁部43の後端部から後方に突出している。複数の押さえ部430,431のうち1個の押さえ部430は、上側壁部43の右端寄りの位置に設けられている。複数の押さえ部430,431のうち残りの2個の押さえ部430,431は、上側壁部43の左右方向における中央寄りの位置に設けられている。溝432は、左右方向に並ぶ2個の押さえ部430,431の間に設けられている。
左側壁部44は、支持部41の載置面400の4辺のうちの1辺(左辺)から後方(第1基板5と反対側)に突出している。左側壁部44は、複数(ここでは2個)の押さえ部440と、縦溝441と、差込溝442と、を有している。複数の押さえ部440は、左側壁部44の後端部から後方に突出している。複数の押さえ部440は、左側壁部44の上下方向における両端部にそれぞれ設けられている。縦溝441は、前後方向から見た形状が円弧状であり、左側壁部44の表面(左面)において前後方向に沿って形成されている。差込溝442は、前後方向から見た形状がU字状であり、前後方向に沿って形成されている。差込溝442は、上側の押さえ部440の下側に設けられている。この差込溝442には、第2基板6の左端部が差し込まれる。
右側壁部45は、支持部41の載置面400の4辺のうちの1辺(右辺)から後方(第1基板5と反対側)に突出している。右側壁部45は、押さえ部450と、差込溝451と、逃がし溝452と、を有している。押さえ部450は、右側壁部45の後端部から後方に突出している。押さえ部450は、右側壁部45の上端部に設けられている。差込溝451は、前後方向から見た形状がU字状であり、前後方向に沿って形成されている。差込溝451は、押さえ部450の下側に設けられている。この差込溝451には、第2基板6の右端部が差し込まれる。逃がし溝452は、差込溝451と連続するように形成されている。配線器具10を組み立てた状態では、第2基板6の一部が逃がし溝452内に入り込む。
(3)配線器具の組立方法
次に、本実施形態に係る配線器具10の組立方法について説明する。
作業者は、第3収納部22の釦用収納部221に解除釦12を収納した後、第2基板6をボディ2の第2収納部21に収納し、かつ第3基板7を第3収納部22に収納する。このとき、第2基板6の主部61の左右方向における両端部が一対の保持溝210にそれぞれ差し込まれる。またこのとき、第3基板7に実装された2個の第2内側端子9(対応する鎖錠ばね11を含む)が、第3収納部22の2個の端子用収納部220にそれぞれ収納される。第3基板7は、その法線方向が前後方向に沿うようにして第3収納部22の前端面に載せ置かれる。
次に、作業者は、第2基板6を覆うようにしてボディ2に支持部材4を載せる(図7参照)。このとき、支持部材4の2個の押さえ部420がボディ2の第1支え部211に前方(第1基板5側)から接触し、押さえ部450が第2支え部212に前方から接触する。またこのとき、2個の押さえ部430のうちの一方が第3支え部213に前方から接触し、他方が第4支え部214に前方から接触する。さらにこのとき、押さえ部421,4
31,440が、前方から第3基板7の表面(前面)に接触する。ここに、本実施形態では、押さえ部420,430,450により接触部が構成されている。
ボディ2に支持部材4を載せた状態では、支持部41、下側壁部42、上側壁部43、左側壁部44及び右側壁部45で囲まれた空間内に第2基板6の一部が収納される。すなわち、本実施形態では、支持部41、下側壁部42、上側壁部43、左側壁部44及び右側壁部45で囲まれた空間により収納部46が構成されている。言い換えると、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向(前後方向)における支持部41と接触部との間に収納部46が設けられている。
続けて、作業者は、支持部材4の支持部41に第1基板5を固定する。このとき、第1基板5に設けられた3個の位置決め孔53に、支持部41に設けられた3個の位置決め突起412がそれぞれ嵌め込まれる。またこのとき、第1基板5の第2面52に配置された電子部品15が部品挿通孔411に通され、第2面52側に露出する第1内側端子8の接続ピンが開口孔410に通される。この状態では、第1基板5の第2面52と支持部41の載置面400とが前後方向において接触している。
最後に、作業者は、ボディ2の前面開口を塞ぐようにしてボディ2にカバー3を取り付ける。このとき、カバー3に設けられた4個の組立孔330に、ボディ2に設けられた4個の組立突起24がそれぞれ嵌め込まれる。またこのとき、カバー3に設けられた差込部311,312がボディ2内に差し込まれる。さらにこのとき、カバー3に設けられた2個の差込溝314に、ボディ2に設けられた2個の突条部25がそれぞれ差し込まれる。
以上の手順によって配線器具10が組み立てられる。
(4)第1基板、第2基板及び第3基板の位置関係
図8及び図9は、本実施形態に係る配線器具10を組み立てた状態の断面図である。以下、第1基板5、第2基板6及び第3基板7の位置関係について、図8及び図9を参照して説明する。
第1基板5及び第3基板7は、その法線方向が前後方向(第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向)となるようにしてハウジング1に収納されている。言い換えると、第1基板5及び第3基板7の法線方向は、上記差込方向に沿う方向である。また、第2基板6は、その法線方向が上下方向(上記差込方向と交差する方向)となるようにしてハウジング1に収納されている。言い換えると、第2基板6の法線方向は、上記差込方向と交差する方向である。上述のように、第2基板6の法線方向が上記差込方向と交差しているので、第2基板6の法線方向が上記差込方向に沿う方向である場合と比較して、上記差込方向と交差する方向においてハウジング1を小型化することができる。
第3基板7は、前後方向(図8中の上下方向)において第2基板6の突出部62の後方に位置している。言い換えると、第3基板7は、前後方向における第2基板6の両端間に位置している。さらに言い換えると、第3基板7は、上記差込方向における第2基板6の両端間に位置している。このように、前後方向における第2基板6の両端間に第3基板7を配置することにより、前後方向における第2基板6の両端よりも外側(前側又は下側)に第3基板7を配置する場合と比較して、前後方向においてハウジング1を小型化することができる。
第1基板5は、図8及び図9に示すように、前後方向において第2基板6及び第3基板7よりも前方に位置している。言い換えると、第1基板5は、第2基板6及び第3基板7のうち第1挿通孔320に近い方の第2基板6と第1挿通孔320との間に位置している
。このように、前後方向における第2基板6と第1挿通孔320との間に第1基板5を配置することにより、第1基板5と第2基板6とを前後方向において横並びに配置した場合と比較して、前後方向と交差する方向においてハウジング1を小型化することができる。
(5)支持部材の支持構造
以下、支持部材4の支持構造について、図8及び図9を参照して説明する。
支持部材4は、接触部としての押さえ部420,430,450(図9では押さえ部420のみ図示)により、前方(第1基板5側)からボディ2の第1支え部211、第2支え部212、第3支え部213及び第4支え部214に接触している。また、支持部材4は、押さえ部421,431,440(図9では押さえ部421,431のみ図示)により、前方から第3基板7の表面(前面)に接触している。さらに、支持部材4は、支持部41の後面に設けられた複数の押さえリブ413により、前方から第2基板6の前端縁に接触している(図8参照)。そして、カバー3は、カバー本体31の前壁300の後面(対向面300a)に設けられた複数の変形部310により、前方から第1基板5に接触している。このように、第1基板5を支持するための支持部材4は、ボディ2及びカバー3により前後方向に位置決めされている。
ところで、配線器具10が取り付けられた取付枠を埋込ボックスに取り付ける際には、外部電源からの給電用の上記電線が配線器具10に接続されている。そして、埋込ボックスに取付枠を取り付けた状態では、埋込ボックス内に収納された他の電線等によって上記電線に前向きの応力が加えられる場合がある。支持部材4は、上述のように、ボディ2及びカバー3によって前後方向に位置決めされており、上記電線から第2内側端子9を介して第3基板7に伝達される応力を支持部材4で受けることができる。
また、配線器具10の施工後において、第1内側端子8に第1外側端子18を差し込む際には、第1外側端子18から加えられる応力が第1基板5を介して支持部材4に伝達される。支持部材4は、上述のように、ボディ2及びカバー3によって前後方向に位置決めされており、第1基板5から伝達される応力を支持部材4で受けることができる。
さらに、第1外側端子18を通すための第1挿通孔320は、前後方向におけるハウジング1の一端部(前端部)に設けられ、第2外側端子19を通すための第2挿通孔2200は、前後方向におけるハウジング1の他端部(後端部)に設けられている。すなわち、第1内側端子8に対して第1外側端子18を差し込む方向と、第2内側端子9に対して第2外側端子19を差し込む方向とが同じ方向である。言い換えると、第1内側端子8に第1外側端子18を接続する際に第1外側端子18から加えられる応力の方向と、第2内側端子9に第2外側端子19を接続する際に第2外側端子19から加えられる応力の方向とが同じ方向である。そのため、第1外側端子18及び第2外側端子19から加えられる応力を受けるための構造を一方向(第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向、つまり図8における上向き及び下向き)に設けるだけでよい。その結果、第1外側端子18から加えられる応力の方向と第2外側端子19から加えられる応力の方向とが異なる場合と比較して、構造を簡略化することができる。
(6)変形例
以下、本実施形態の変形例について説明する。
本実施形態では、第1内側端子8がUSBソケットである場合を例として説明したが、第1内側端子8はUSBソケットに限らない。第1内側端子8は、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子(登録商標)、VGA(Video Graphics Array)端子(登録商標)、LAN(Local Area Network)端子等であってもよい。
また、本実施形態では、第2内側端子9が第3基板7に実装されているが、第2内側端子9は第2基板6に実装されていてもよい。この場合、第3基板7を省略することができる。
また、本実施形態では、第3基板7の法線方向が上記差込方向に沿う方向である場合を例として説明したが、第3基板7の法線方向は上記差込方向と交差する方向であってもよい。この場合、第2内側端子9に対する第2外側端子19の差込方向は、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向と交差する方向になる。
また、本実施形態では、第1基板5に位置決め孔53が設けられ、支持部材4の支持部41に位置決め突起412が設けられているが、第1基板5に位置決め突起が設けられ、支持部41に位置決め孔が設けられていてもよい。さらに、支持部41に第1基板5を固定する固定構造200は一例であって、位置決め孔53と位置決め突起412以外の構成であってもよい。言い換えると、固定構造200は、支持部41に対して第1基板5を位置決めすることができ、かつ支持部41に第1基板5を固定することができる構造であればよい。
また、本実施形態では、支持部材4が、4つの側壁部(下側壁部42、上側壁部43、左側壁部44及び右側壁部45)を有しているが、支持部材4は、少なくとも1つの側壁部を有していればよい。また、側壁部は、支持部41の載置面400の4辺のうち対応する1辺の長手方向における半分以上が面で覆われていればよい。
また、本実施形態では、変形部310がカバー3と一体に形成されているが、変形部はカバーと別体であってもよい。この場合、変形部は、本実施形態と同様に塑性変形する材料で形成されていてもよいし、弾性変形する材料で形成されていてもよい。また、変形部310の個数は本実施形態に限らず、1個、2個、3個又は5個以上であってもよい。
また、本実施形態では、第2基板6を保持するための保持溝210が第2収納部21の左右方向における両端部に設けられているが、保持溝210は第2収納部21の左右方向における少なくとも一端部に設けられていればよい。
また、本実施形態では、平面100の一方側に設けられた位置決め孔53及び位置決め突起412の個数と、平面100の他方側に設けられた位置決め孔53及び位置決め突起412の個数とを異ならせることにより非対称としている。これに対して、平面100の一方側と他方側とで、位置決め孔53及び位置決め突起412の個数は同じで、位置決め孔53及び位置決め突起412を設ける位置を異ならせることにより非対称としてもよい。
また、本実施形態の押さえリブ413の個数は一例であって、1個、2個又は4個以上であってもよい。
また、本実施形態では、支持部41が面全体で第1基板5を支持するように構成されているが、支持部41は、例えば複数のリブにより第1基板5を支持するように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、取付枠に取り付けられた配線器具10が、建物の壁面等の施工面に取り付けられる場合を例として説明したが、配線器具10は、例えばテーブル、机等に取り付けられてもよい。この場合、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向がテーブル、机等の法線方向(上下方向)に沿うようにして、配線器具10がテーブル、机等に取り付けられることが好ましい。この場合において、例えばカバー3に設けられた第1挿通孔320から水滴等がハウジング1内に浸入した場合を想定する。この場合、ハウジング1内に浸入した水滴等を、支持部材4の左側壁部44に設けられた縦溝441に沿って下向きに流すことができる。縦溝441に沿って下向きに流れた水滴等は、第3収納部22の釦用収納部221内へと流れ込む。そして、釦用収納部221内へ流れ込んだ水滴等は、釦用収納部221の底壁に設けられた解除孔2210を通して外部に流れ出す。このように、本実施形態に係る配線器具10がテーブル、机等に取り付けられた場合には、ハウジング1内に水滴等が浸入した場合でも解除孔2210からハウジング1外に排出することができる。
(7)効果
以上説明したように、第1の態様に係る配線器具10は、第1内側端子8と、第2内側端子9と、第1基板5と、第2基板6と、第3基板7と、ハウジング1と、を備える。第1内側端子8は、差込式の第1外側端子18を接続可能に構成されている。第2内側端子9は、第2外側端子19を接続可能に構成されている。第1基板5には、第1内側端子8が実装される。第2基板6は、第1基板5に電気的に接続される。第3基板7には、第2内側端子9が実装される。第3基板7は、第2基板6に電気的に接続される。ハウジング1は、第1基板5、第2基板6及び第3基板7を収納する。第1基板5及び第3基板7の法線方向は、第1内側端子8に対する第1外側端子18の差込方向(前後方向)に沿う方向である。第2基板6の法線方向は、差込方向と交差する方向(上下方向)である。
第1の態様によれば、第2基板6の法線方向が差込方向と交差しているので、第2基板6の法線方向が差込方向に沿う場合と比較して、差込方向と交差する方向においてハウジング1を小型化することができる。
第2の態様に係る配線器具10では、第1の態様において、第3基板7は、差込方向における第2基板6の両端間に位置している。
第2の態様によれば、差込方向における第2基板6の両端間に第3基板7が位置しているので、差込方向における第2基板6の両端間によりも外側に第3基板7が位置している場合と比較して、差込方向においてハウジング1を小型化することができる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、差込方向における第2基板の両端間よりも外側に第3基板が位置していてもよい。
第3の態様に係る配線器具10では、第1又は2の態様において、ハウジング1は、第1外側端子18を通す挿通孔(第1挿通孔320)を有する。第1基板5は、差込方向において、第2基板6及び第3基板7のうち挿通孔に近い方の基板と挿通孔との間に位置している。
第3の態様によれば、差込方向において挿通孔に近い方の基板と挿通孔との間に第1基板5が位置している。そのため、上記基板と第1基板5とが差込方向と交差する方向において横並びに配置されている場合と比較して、差込方向と交差する方向においてハウジング1を小型化することができる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、差込方向において挿通孔に近い方の基板と挿通孔との間に第1基板が位置していなくてもよい。
第4の態様に係る配線器具10では、第1〜3の態様のいずれかにおいて、ハウジング1は、差込方向における一面が開口する箱状のボディ2と、ボディ2の開口を塞ぐようにボディ2に取り付けられるカバー3と、を含む。カバー3は、第1基板5を収納する第1収納部34を有する。ボディ2は、第2基板6を収納する第2収納部21と、第3基板7を収納する第3収納部22と、を有する。
第4の態様によれば、第1基板5、第2基板6及び第3基板7をハウジング1内に収納することができる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、例えば、第1基板を収納する第1収納部がボディに設けられていてもよい。
第5の態様に係る配線器具10では、第4の態様において、第2収納部21は、差込方向と交差し、かつ第2基板6の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部に設けられた保持溝210を有する。保持溝210は、差込方向に沿って形成されている。第2基板6は、差込方向と交差し、かつ第2基板6の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部を保持溝210に差し込むことでボディ2に保持される。
第5の態様によれば、第2基板6の端部を保持溝210に差し込むだけで、第2基板6をボディ2に保持させることができる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、保持溝は省略されていてもよい。
第6の態様に係る配線器具10は、第4又は5の態様において、第1基板5を支持する支持部材4を更に備える。第2収納部21は、支持部材4を支える支え部(第1支え部211、第2支え部212、第3支え部213、第4支え部214)を有する。
第6の態様によれば、第1内側端子8に第1外側端子18を接続する際に第1外側端子18から加えられる応力を支持部材4で受けることができる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、支持部材は省略されていてもよい。
第7の態様に係る配線器具10では、第1〜6の態様のいずれかにおいて、差込方向におけるハウジング1の一端部には、第1内側端子8に第1外側端子18を接続する際に第1外側端子18を通す第1挿通孔320が設けられている。差込方向におけるハウジング1の他端部には、第2内側端子9に第2外側端子19を接続する際に第2外側端子19を通す第2挿通孔2200が設けられている。
第7の態様によれば、第1内側端子8に第1外側端子18を接続する際に第1外側端子18から加えられる応力の方向と、第2内側端子9に第2外側端子19を接続する際に第2外側端子19から加えられる応力の方向とが同じ方向になる。言い換えると、配線器具10に対して加えられる応力の方向を一方向(差込方向)に限定することができる。そのため、第1外側端子18及び第2外側端子19から加えられる応力を受けるための構造を一方向に設けるだけでよく、第1外側端子18から加えられる応力の方向と第2外側端子19から加えられる応力の方向とが異なる場合と比較して、構造を簡略化できる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、例えば、第2挿通孔は差込方向と交差する方向におけるハウジングの端部に設けられていてもよい。
第8の態様に係る配線器具10では、第1〜7の態様のいずれかにおいて、第1内側端子8はUSBソケットである。
第8の態様によれば、USBプラグを接続することができる。ただし、この構成は配線器具の必須の構成ではなく、例えば、第1内側端子はLAN端子であってもよい。
1 ハウジング
2 ボディ
21 第2収納部
210 保持溝
211 第1支え部(支え部)
212 第2支え部(支え部)
213 第3支え部(支え部)
214 第4支え部(支え部)
22 第3収納部
2200 第2挿通孔
3 カバー
34 第1収納部
320 第1挿通孔(挿通孔)
4 支持部材
5 第1基板
6 第2基板
7 第3基板
8 第1内側端子
9 第2内側端子
10 配線器具
15 電子部品(コンデンサ)
16 電子部品
18 第1外側端子
19 第2外側端子

Claims (7)

  1. 差込式の第1外側端子を接続可能に構成された第1内側端子と、
    第2外側端子を接続可能に構成された第2内側端子と、
    前記第1内側端子が実装される第1基板と、
    前記第1基板に電気的に接続される第2基板と、
    前記第1基板及び前記第2基板を収納するハウジングと、を備え、
    前記第2基板には、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータを構成する複数の電子部品が実装され、
    前記第1基板には、前記第1内側端子に電気的に接続されるコンデンサが実装される
    ことを特徴とする配線器具。
  2. 前記コンデンサは、前記第1基板における前記第1内側端子とは反対側の面に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線器具。
  3. 前記第1基板の法線方向は、前記第1内側端子に対する前記第1外側端子の差込方向に沿う方向であって、
    前記第2基板の法線方向は、前記差込方向と交差する方向である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線器具。
  4. 前記ハウジングは、前記第1内側端子に対する前記第1外側端子の差込方向における一面が開口する箱状のボディと、前記ボディの開口を塞ぐように前記ボディに取り付けられるカバーと、を含み、
    前記カバーは、前記第1基板を収納する第1収納部を有し、
    前記ボディは、前記第2基板を収納する第2収納部を有している
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線器具。
  5. 前記第2収納部は、前記差込方向と交差し、かつ前記第2基板の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部に設けられた保持溝を有し、
    前記保持溝は、前記差込方向に沿って形成されており、
    前記第2基板は、前記差込方向と交差し、かつ前記第2基板の法線方向と交差する方向における少なくとも一端部を前記保持溝に差し込むことで前記ボディに保持される
    ことを特徴とする請求項4に記載の配線器具。
  6. 前記第1内側端子に対する前記第1外側端子の差込方向における前記ハウジングの一端部に、前記第1内側端子に前記第1外側端子を接続する際に前記第1外側端子を通す第1挿通孔が設けられ、
    前記差込方向における前記ハウジングの他端部に、前記第2内側端子に前記第2外側端子を接続する際に前記第2外側端子を通す第2挿通孔が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線器具。
  7. 前記第1内側端子はUSBソケットである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の配線器具。
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