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JP2020008130A - 気化器 - Google Patents

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JP2020008130A
JP2020008130A JP2018131439A JP2018131439A JP2020008130A JP 2020008130 A JP2020008130 A JP 2020008130A JP 2018131439 A JP2018131439 A JP 2018131439A JP 2018131439 A JP2018131439 A JP 2018131439A JP 2020008130 A JP2020008130 A JP 2020008130A
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孝祐 東
Kosuke Azuma
孝祐 東
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Abstract

【課題】中間媒体の凝固のリスク及び中間媒体の凝固に伴う管部の破損のリスクを低減する構造を有する気化器を提供することを目的とする。【解決手段】本出願は、中間媒体ガスが収容された収容部と、液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って収容部内で延設された第1部位と第1部位が形成している流路に連なるように収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、第2部位が形成している流路から上方に湾曲した流路を収容部内で形成している湾曲管部と、湾曲管部が形成している流路に連なる流路を収容部内において上流管部の上方で形成している下流管部と、を備える気化器を開示する。第1部位は液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比において第2部位、湾曲管部及び下流管部それぞれよりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、液化ガスを気化させる気化器に関する。
液化ガスを気化するために液化ガスより高温の中間媒体ガスが用いられることがある(特許文献1を参照)。中間媒体ガスは所定の収容部に収容されている。収容部内では液化ガスが流れる流路を形成する管部材が延設されている。収容部が過度に長くならないように、管部材として収容部内でU字状に湾曲したU字管が用いられることが一般的である。U字管内の液化ガスがU字管の外側の中間媒体ガスと熱交換する結果、液化ガスが暖められ気化する。気化ガスが液化ガスよりも軽いことを考慮して、U字管は上方に湾曲されている。U字管の下部から液化ガスが流入し、U字管内で気化した気化ガスがU字管の上部に流入する。気化ガスはU字管を通じて収容部から最終的に流出する。
特開2000−227200号公報
U字管内の液化ガスと熱交換する中間媒体の種類は、中間媒体の凝固点がU字管を流れる液化ガスの温度よりも十分に低くなるように選択される。中間媒体の凝固点と液化ガスの温度との間の関係に加えて、中間媒体の他の特性(たとえば、中間媒体が可燃性であるか否か)を考慮して中間媒体の種類が決定されることがある。
中間媒体の他の特性が考慮され、中間媒体の凝固点と液化ガスの温度との間の差が幾分小さくなる物質が中間媒体として選択されると、U字管の周囲の中間媒体がU字管の外周面上で偶発的に凝固するリスクが高くなる。中間媒体が凝固した部位では凝固した中間媒体が液化ガスと中間媒体との間の熱交換を妨げる。この結果、液化ガスと中間媒体との間の熱交換は効率的に行われなくなる。
本発明は、液化ガスと中間媒体との間の効率的な熱交換を達成する気化器を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る気化器は中間媒体液が気化するように前記中間媒体液を加熱する加熱部を有し、前記中間媒体液が気化することによって生成された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる一方で前記中間媒体ガスを凝集させる。気化器は前記中間媒体ガスが収容された収容部と、前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を前記収容部内において前記上流管部の上方で形成している下流管部と、を備える。前記第1部位は前記液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する前記中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比において前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも大きい。
上記の構成によれば、中間媒体ガスが熱交換時において奪われる熱が液化ガスが熱交換時において得る熱に等しいという条件の下では、第1部位は第2部位、湾曲管部及び下流管部それぞれよりも液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比において大きいので、中間媒体ガスから第1部位内に入る熱流束は中間媒体ガスから第2部位、湾曲管部及び下流管部それぞれに入る熱流束よりも小さくなる。このことは、中間媒体ガスが第2部位、湾曲管部及び下流管部に接触した結果これらの外表面に付着した中間媒体液と較べて、中間媒体ガスが第1部位に接触した結果第1部位の外表面に付着した中間媒体液が凝固しにくいことを意味する。したがって、第1部位において熱交換効率は低減しにくくなる。第1部位内で液化ガスは液化ガスよりも高温の中間媒体ガスと熱交換した後に第2部位、湾曲管部及び下流管部を順次通過するので、第2部位、湾曲管部及び下流管部の温度は第1部位の温度よりも高くなる。したがって、これらの部位における中間媒体液の凝固のリスクも低い。この結果、これらの部位においても液化ガスと中間媒体ガスとの間の効率的な熱交換が得られる。
上記の構成に関して前記第1部位が前記面積比において前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも大きくなるように、前記第1部位は前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも太く形成されていてもよい。
上記の構成によれば第1部位は第2部位、湾曲管部及び下流管部それぞれよりも太いので、第1部位において中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積は相対的に大きくなる。したがって、第1部位は、相対的に大きな面積比を有することができる。第2部位、湾曲管部及び下流管部それぞれは第1部位よりも細いので、これらの部位は収容部の内部空間の過度に広い領域を占めない。したがって収容部として小型の容器構造が利用可能である。
上記の構成に関して前記第1部位が前記面積比において前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも大きくなるように、前記第1部位は前記所定の長さ区間に亘って前記液化ガスを案内する管部材と前記管部材の外周面から突出したフィンとを含んでもよい。
上記の構成によれば第1部位は、所定の長さ区間に亘って液化ガスを案内する管部材の外周面から突出したフィンを含むので、中間媒体ガスに対する伝熱面の面積は管部材の外周面だけでなくフィンによっても得られる。したがって、第1部位において中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積は相対的に大きくなる。したがって、第1部位は、相対的に大きな面積比を有することができる。
本発明の他の局面に係る気化器は中間媒体液が気化するように前記中間媒体液を加熱する加熱部を有し、前記中間媒体液が気化することによって生成された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる一方で前記中間媒体ガスを凝集させる。気化器は前記中間媒体ガスが収容された収容部と、前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を前記収容部内において前記上流管部の上方で形成している下流管部と、を備える。前記第1部位は前記流入口から下方に傾斜するように延設されている。
上記の構成によれば、第1部位は流入口から下方に傾斜するように延設されているので、中間媒体ガスが第1部位で液化ガスと熱交換した結果生成された中間媒体液は第1部位から第2部位に向けて流れる。したがって、第1部位上に形成される中間媒体液の膜厚は過度に大きくならない。過度に厚い液膜が第1部位上に形成されないので、中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換は第1部位において効率的に行われる。
本発明の更に他の局面に係る気化器は、中間媒体液が気化するように前記中間媒体液を加熱する加熱部を有し、前記中間媒体液が気化することによって生成された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる一方で前記中間媒体ガスを凝集させる。気化器は、前記中間媒体ガスが収容された収容部と、前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を前記収容部内において前記上流管部の上方で形成している下流管部と、を備える。前記第1部位が前記下流管部と鉛直方向に重ならないように前記上流管部及び前記下流管部は配置されている。
上記の構成によれば、第1部位が下流管部と鉛直方向に重ならないように上流管部及び下流管部は配置されているので、下流管部から滴下した中間媒体液は第1部位にかかりにくい。したがって、第1部位上に形成される中間媒体液の膜厚は過度に大きくならない。過度に厚い液膜が第1部位上に形成されないので、中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換は第1部位において効率的に行われる。
本発明の更に他の局面に係る気化器は、中間媒体液が気化するように前記中間媒体液を加熱する加熱部を有し、前記中間媒体液が気化することによって生成された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる一方で前記中間媒体ガスを凝集させる。気化器は前記中間媒体ガスが収容された収容部と、前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、前記上流管部と鉛直方向に重なるように前記上流管部から上方に離間した位置に前記収容部内で配置されているとともに前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を形成している下流管部と、前記第1部位と鉛直方向に重なる位置で所定の長さ区間に亘って前記下流管部の外周面を被覆する断熱材と、を備える。
上記の構成によれば、下流管部は所定の長さ区間に亘って断熱材によって覆われているので、断熱材で被覆された区間では中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換はほとんど生じない。したがって、断熱材に覆われた区間では中間媒体ガスは中間媒体液へ相変化しない。すなわち、断熱材に覆われた区間では下流管部からの中間媒体液の滴下は生じない。断熱材によって覆われた下流管部は上流管部と鉛直方向に重なるけれども、断熱材と鉛直方向に重なる第1部位は下流管部から滴下した中間媒体液と接触しない。この結果、第1部位上に形成される中間媒体液の膜厚は過度に大きくならない。過度に厚い液膜が第1部位上に形成されないので、中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換は第1部位において効率的に行われる。
上述の気化器は、液化ガスと中間媒体との間の効率的な熱交換を達成することができる。
第1実施形態の気化器の概略的な断面図である。 気化器のU字管部の概略図である。 管部材の概略的な断面図である。 第2実施形態の気化器の一部の概略図である。 第3実施形態の気化器の一部の概略図である。 第4実施形態の気化器の一部の概略図である。 第5実施形態の気化器の一部の概略図である。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の気化器100の概略的な断面図である。図1を参照して気化器100の概略的な構造が説明される。
気化器100は、液化天然ガス(LNG:Liquified Natural Gas)を気化するように構築されている。液化天然ガスは以下の説明において「液化ガス」と称される一方で、気化した天然ガスは以下の説明において「気化ガス」と称される。液化ガスは気化器100の外から気化器100の中へ供給される。気化器100内で得られた気化ガスは気化器100の外に排出される。
気化器100内での液化ガスから気化ガスへの相変化には気化器100内に収容された中間媒体が利用される。中間媒体が気化器100内で液相と気相との間で相変化するように気化器100は形成されている。液相の中間媒体は以下の説明において「中間媒体液」と称される一方で、気相の中間媒体は「中間媒体ガス」と称される。中間媒体ガスは液化ガスよりも高温である。中間媒体液と中間媒体ガスとの間で相変化する中間媒体として液化ガスの沸点よりも低い凝固点を有する物質が選択される。中間媒体として一般的には炭化水素系の物質が用いられることが多いけれども、本実施形態では炭化水素系以外の物質が使用されてもよい。中間媒体を用いて液化ガスを気化させる気化器100の概略的な機能及び概略的な構造が以下に説明される。
気化器100は、加熱媒体(たとえば、海水や温水)を用いて中間媒体液を気化させ中間媒体ガスを生成する。気化器100は生成された中間媒体ガスと気化器100に供給された液化ガスとを熱交換させ液化ガスを気化させる。したがって、気化器100は中間媒体ガスを生成する機能と中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換を生じさせる機能とを有している。
中間媒体ガスを生成する部位として気化器100は、中間媒体液が貯留された貯液部110と、貯液部110内の中間媒体液を加熱する加熱部120と、を備える。貯液部110は気化器100の下部を形成している。貯液部110を貫通する管部材が加熱部120として図1に描かれている。加熱部120には中間媒体液を気化させるのに十分に高温の加熱媒体が送り込まれる。加熱部120を流れる加熱媒体と貯液部110に貯留された中間媒体液との間の熱交換の結果、中間媒体液は加熱され中間媒体ガスになる。中間媒体ガスは貯液部110から上方に移動する。
貯液部110から上方に移動した中間媒体ガスと気化器100に供給された液化ガスとの間の熱交換を生じさせるために、気化器100は中間媒体ガスで満たされた熱交換空間と、熱交換空間内で液化ガスが流れる流路と、を形成している。熱交換空間を形成する部位として、気化器100は貯液部110の上方に形成された収容部130を備える。気化器100は、液化ガスが流れる流路を形成する部位としてU字管部140を有する。
液化ガスと中間媒体ガスとの間の熱交換が行われる熱交換空間を形成する収容部130は貯液部110と一体的に形成され、これらは中間媒体が収容された1つの容器を形成している。貯液部110での加熱によって生成された中間媒体ガスは収容部130が形成した熱交換空間内で充満している。
熱交換空間内でU字管部140はU字状の流路を形成している。U字状の流路に沿って液化ガスが流れる。この間、液化ガスは収容部130内の中間媒体ガスと熱交換し気化ガスに変わる。
液化ガスが収容部130の外から供給され、且つ、気化ガスが収容部130の外に排出されるので、U字管部140は収容部130の外壁部を貫通する2つの貫通部位を有している。2つの貫通部位のうち一方は以下の説明において「流入口141」と称され、流入口141から液化ガスが熱交換空間に流入する。2つの貫通部位のうち他方は以下の説明において「流出口142」と称され、流出口142を通じて気化ガスが排出される。流出口142は流入口141の上方に形成されている。
流出口142の下方の流入口141から水平に延設するように描かれた部位は以下の説明において「往路部143」と称される。往路部143から上方に離間した位置で流出口142から往路部143と平行に描かれた部位は以下の説明において「復路部144」と称される。復路部144から下方に湾曲し往路部143に連なる部位は以下の説明において「中間部145」と称される。中間部145、復路部144及び往路部143はU字管部140を形成している。U字管部140の長さは収容部130内の熱交換空間に流入した液化ガスのほとんどが流出口142の近傍において気化しているように定められている。液化ガスから気化ガスへの相変化に要する十分な期間長が得られるようにU字管部140は往路部143及び復路部144の延設方向(以下の説明において「第1方向」と称される)において大きな寸法を有している。一方、往路部143及び復路部144の中心軸を包含する仮想的な鉛直平面に直交する方向(以下の説明において「第2方向」と称される)においてU字管部140は小さな寸法を有している。U字管部140が配管される熱交換空間もU字管部140の形状に合わせて第1方向において長く第2方向において短い形状を有している。
U字管部140の概略的な構成が図2に示されている。図1及び図2を参照して、U字管部140の構成が以下に説明される。
U字管部140は多数のU字管から形成されている。これらのU字管の一部として、図2は6つのU字管151〜156を示している。U字管151〜156それぞれは、往路部143を形成している上流管部157と、復路部144を形成している下流管部158と、中間部145を形成している湾曲管部159と、を有している。U字管151〜156の上流管部157、下流管部158及び湾曲管部159は仮想的な鉛直平面上で配管されている。
U字管151〜156の湾曲管部159の曲率半径はU字管151〜156の順に小さくなっている。すなわち、U字管151の湾曲管部159の曲率半径はU字管151〜156の湾曲管部159の中で最も大きく、U字管156の湾曲管部159の曲率半径はU字管151〜156の湾曲管部159の中で最も小さい。
U字管151〜156の上流管部157の位置は、U字管151〜156の順に高くなっている。すなわち、U字管151の上流管部157はU字管151〜156の上流管部157の中で最も低い位置で配管されている。U字管156の上流管部157はU字管151〜156の上流管部157の中で最も高い位置で配管されている。
U字管151〜156の下流管部158の位置は、U字管151〜156の順に低くなっている。すなわち、U字管151の下流管部158はU字管151〜156の上流管部157の中で最も高い位置で配管されている。U字管156の下流管部158はU字管151〜156の下流管部158の中で最も低い位置で配管されている。
下流管部158及び湾曲管部159はこれらの全長に亘って略一定の外径及び内径を有する一方で、上流管部157は外径において異なる2つの部位を有する。これらの部位のうち一方は、流入口141から所定の長さ区間に亘って延設された第1部位171である。第1部位171から湾曲管部159に連なる部位は第2部位172である。第2部位の外径よりも第1部位171の外径が大きくなるように上流管部157は形成されている。第2部位172の外径及び内径は湾曲管部159及び下流管部158の外径及び内径に略等しい。
湾曲管部159、下流管部158及び上流管部157をそれぞれ有するU字管151〜156を熱交換空間内で支持するための支持構造が気化器100の一部として形成されている。支持構造として図2は、7つの支持板161〜167を示している。支持板161〜167は第1方向に間隔を空けて熱交換空間内で順に整列されている。
支持板161は支持板161〜167の中で流入口141(図1を参照)及び流出口142(図1を参照)の最も近くに配置されている。支持板161の隣の支持板162は上流管部157の第1部位171及び第2部位172の境界に配置されている。支持板161から第1方向において最も離れた位置でU字管151〜156を支持する支持板167は、液化ガスが湾曲管部159に流出する上流管部157の終端部位及び液化ガスが下流管部158に流入する下流管部158の始端部位を支持している。支持板161〜167をU字管151〜156の上流管部157及び下流管部158が貫通するように支持板161〜167は形成されている。すなわち支持板161〜167それぞれは、U字管部140を形成する多数のU字管がそれぞれ挿通される多数の貫通孔が形成された円板部材である。支持板161〜167それぞれの外周部は収容部130の内壁面に固定される。
支持板161〜167によって支持されたU字管151〜156の中を液化ガスが流れる。この結果、U字管151〜156の外周面は非常に低温になる。U字管151〜156の外周面に接した中間媒体ガスは冷却され中間媒体液になる。中間媒体液は、U字管151〜156の外周面に付着し液膜を形成する。U字管151〜156の第1部位171には中間媒体ガスと熱交換する前の液化ガスが流入するので、第1部位171は特に低温になる。第1部位171の外周面上での液膜の凝固を防ぐために第1部位171の外径は第2部位172の外径よりも大きな値に設定されている。液膜の凝固の仕組みが図2及び図3を参照して説明される。
図3は円形断面を有する管部材200の概略的な断面図である。管部材200の内部で液化ガスが流れている。管部材200は中間媒体ガスが充満した環境下に配置されている。
中間媒体ガスから管部材200の外周面に入る熱流束は図3において記号「q1」で示されている。管部材200の内周面から液化ガスに放出される熱流束は図3において記号「q2」で示されている。熱流束「q1」が大きいことは中間媒体ガスから奪われる熱量が大きいことを意味する。この場合、管部材200の外周面に付着した中間媒体液が凝固しやすい。
中間媒体ガスから熱を奪う管部材200の外周面の直径(すなわち、外径)は記号「D1」で図3に示されている。図3は管部材200の内周面の直径(すなわち、内径)を記号「D2」で示している。管部材200の内周面から液化ガスに伝達される熱量が管部材200の外周面から奪われる中間媒体ガスの熱量に等しいとの条件の下では以下の等式が成立する。
Figure 2020008130
上述の数式は、中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積(すなわち、外周面の面積)に対する液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積(すなわち、内周面の面積)の面積比が小さいほど、中間媒体ガスから管部材200に入る熱流束が小さくなることを表している。言い換えると、液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比が大きいほど、中間媒体ガスから管部材200に入る熱流束が小さくなる。上述の数式に関して、管部材200の外径が大きな値に設定されると管部材200の外周面から奪われる中間媒体ガスの熱流束が小さくなる。このことは、管部材200の外周面に付着した中間媒体液の凝固のリスクが低減されることを意味する。管部材200に基づいて得られた熱流束「q1」,「q2」の間の関係は、U字管151〜156に適用可能である。
U字管151〜156の第1部位171は他の部位(すなわち、第2部位172、湾曲管部159及び下流管部158)よりも大きな外径を有している。U字管151〜156それぞれの内径及びこれらの中を流れる流体(すなわち、液化ガス及び気化ガスの混合流体)の温度がU字管151〜156それぞれの全長に亘って一定であるとの条件の下では、第1部位171の外周面への熱流束「qU」及び第1部位171よりも下流の部位(すなわち、第2部位172、湾曲管部159及び下流管部158)の外周面への熱流束「qD」は以下の数式で表される。以下の数式では、上述の数式で用いられた熱流束「q2」はU字管151〜156それぞれの内周面から液化ガスへの熱流束を表し、上述の数式で用いられた内径「D2」はU字管151〜156それぞれの内径を表している。
Figure 2020008130
第1部位171の外周面への熱流束「qU」と第1部位171よりも下流の部位の外周面への熱流束「qD」との間の大小関係が以下の不等式によって表される。
Figure 2020008130
第2部位172、湾曲管部159及び下流管部158の外径「DD」は第1部位171の外径「DU」よりも小さいので、第1部位171における熱流束「qU」は下流の部位における熱流束「qD」よりも小さくなる。すなわち、U字管151〜156それぞれの内径及びこれらの中を流れる流体の温度がU字管151〜156それぞれの全長に亘って一定であるとの条件の下では、第1部位171の外周面上での中間媒体液の凝固のリスクは下流の部位の外周面上での中間媒体液の凝固のリスクよりも低くなる。
第1部位171内を流れる液化ガスは中間媒体ガスと熱交換をしているので、第1部位171より下流の部位を流れる流体(すなわち、液化ガス及び気化ガスの混合流体)の温度は第1部位171を流れる液化ガスの温度よりも高い。したがって、第1部位171より下流の部位の外周面の温度は第1部位171の外周面の温度よりも高い。このことは、第1部位171より下流の部位の外周面上での中間媒体液の凝固のリスクが比較的低いことを意味する。すなわち、中間媒体液の凝固のリスクは、上流管部157、湾曲管部159及び下流管部158に亘って低くなっている。
中間媒体液が凝固することなくU字管151〜156の外表面上である程度厚い液膜を形成すると、液膜はU字管151〜156から滴下する。したがって厚い液膜が長期間に亘ってU字管151〜156の外表面上に付着することはない。この結果、U字管151〜156を介した中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換の効率は高い水準に保たれる。
U字管151〜156の外周面上の厚い液膜が凝固すると、液膜はU字管151〜156に強い力を加える。しかしながら、液膜の凝固のリスクは非常に低いので、U字管151〜156への破壊的な力の発生のリスクは非常に小さい。
液膜の凝固のリスクは非常に低いので中間媒体として従来用いられてきた物質以外の物質が中間媒体として利用可能になる。すなわち、凝固点があまり低くない物質であっても中間媒体として利用可能になる。凝固点に関する判断基準が緩和されるので、中間媒体として用いられる物質の他の特性(たとえば、可燃性)を考慮して中間媒体として用いられる物質が選択され得る。
中間媒体ガスは貯液部110及び収容部130によって形成された容器部内で生成されている。しかしながら、中間媒体ガスは中間媒体ガスが収容された容器部の外部から供給されてもよい。
中間媒体ガスを生成する加熱部120は加熱媒体が流れる管部材である。しかしながら、加熱部は貯液部110内に配置されたヒータや、貯液部110内の中間媒体液に熱を与え中間媒体ガスを生成することができる他の装置であってもよい。
中間媒体ガスと熱交換する液化ガスの流路を形成するU字管部140を支持する支持構造として、7つの支持板161〜167が用いられている。しかしながら、いくつの支持板が支持構造として用いられるかは第1方向におけるU字管部140の長さやU字管部140の重量に基づいて決定されてもよい。したがって、支持構造として用いられる支持板は7を下回ってもよいし、7を上回ってもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態の第1部位171は他の部位(すなわち、第2部位172、湾曲管部159及び下流管部158)よりも大きな外径を有しているので、液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比において第2部位172、湾曲管部159及び下流管部158それぞれよりも大きい。しかしながら、第1部位はフィンを用いて大きな面積比を得てもよい。フィンが設けられた第1部位を有する例示的な気化器が第2実施形態において説明される。
図4は、第2実施形態の気化器100Aの一部の概略図である。図1乃至図4を参照して、気化器100Aが説明される。
図4には、第1実施形態に関連して説明された支持板161〜167が示されている。これらの支持板161〜167に加えて、気化器100Aは図1を参照して説明された貯液部110、加熱部120及び収容部130を備える。これらの要素に対して第1実施形態の説明が援用される。
第1実施形態の気化器100と同様に気化器100Aは多数のU字管を有するけれども、U字管の形状において気化器100Aは気化器100とは相違している。気化器100Aが備える多数のU字管の一部として、U字管151A〜156Aが図4に示されている。
U字管151A〜156Aそれぞれは第1実施形態のU字管151〜156それぞれと同様に下流管部158と湾曲管部159とを備える。第1実施形態の説明は下流管部158と湾曲管部159とに援用される。
下流管部158の下方で上流管部157Aが延設されている。上流管部157Aは第1実施形態の上流管部157に対応する部位である。第1実施形態の上流管部157と同様に第2部位172を有する。第1実施形態の説明は第2部位172に援用される。
第2部位172から流入口141(図1を参照)へ延設された部位は以下の説明において「第1部位171A」と称される。第1部位171Aは液化ガスが流れる管部材173と管部材173の外周面から突出した複数のフィン174とを含む。管部材173の外径及び内径は第2部位172の外径及び内径に一致している。
管部材173及びフィン174を有する第1部位171Aでの熱流束「q1」(=熱流束「qU」),「q2」の関係(図3を参照)が以下の等式で表される。以下の等式は、フィン174の存在を考慮して上述の「数式1」を変形することによって作成されている。フィン174が取り付けられた管部材173の外径が第2部位172の外径に一致しているので、管部材173の外径は記号「DD」で表されている。
Figure 2020008130
管部材173の下流で延設された部位の熱流束「qD」(上述の「数2」を参照)は、以下の数式に書き換えられる。
Figure 2020008130
熱流束「qD」と熱流束「qU」との間の大小関係が以下の不等式によって表される。
Figure 2020008130
上述の不等式から、熱流束「qU」は第1実施形態と同様に熱流束「qD」よりも小さくなることが分かる。したがって、第1部位171Aにおける中間媒体液の凝固のリスクは小さくなる。
第1部位171Aの管部材173の外径が下流の部位の外径に等しい条件の下で「数4」〜「数6」が作成されている。しかしながら、管部材173の外径は第1実施形態の第1部位171の外径と同様に下流の部位の外径よりも大きくてもよい。この場合、熱流束「qU」は熱流束「qD」よりも大幅に小さくなる。
熱流束「qU」は多数のフィン174によって低減されている。しかしながら、単数のフィンが管部材173に取り付けられていてもよい。
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態の気化器100,100Aは第1部位171,171Aにおける熱流束「qU」を低くすることにより第1部位171,171Aでの中間媒体液の凝固のリスクを低減し、中間媒体ガスと液化ガスとの間の熱交換効率を高い水準に維持している。高効率の熱交換は中間媒体液が厚い液膜を形成することを防止することによっても達成される。厚い液膜を形成することを防止する技術が第3実施形態において説明される。
図5は、第3実施形態の気化器100Bの一部の概略図である。図1、図2、図4及び図5を参照して、気化器100Bが説明される。
図5は、気化器100Bが備える多数のU字管の一部としてU字管151B〜156Bを示している。U字管151B〜156Bは、図2を参照して説明されたU字管151〜156の姿勢から角度「θ」だけ傾斜している。U字管151B〜156Bそれぞれは、上流管部157B、下流管部158B及び湾曲管部159Bを含む。上流管部157Bは流入口から下方に傾斜するように真っ直ぐに延設されている。上流管部157Bの上方で上流管部157Bと平行に下流管部158Bが延設されている。すなわち、下流管部158Bは流出口から下方に傾斜するように真っ直ぐに延設されている。傾斜した下流管部158B及び傾斜した上流管部157Bを繋ぐように湾曲管部159Bは湾曲した流路を形成している。
上流管部157B及び下流管部158Bが挿通されることによりU字管151B〜156Bを支持する支持板161B〜167Bが図5に示されている。支持板161B〜167Bは、図2を参照して説明された支持板161〜167の姿勢から角度「θ」だけ傾斜している。支持板161B〜167Bは傾斜姿勢においてのみ支持板161〜167から相違している。
支持板161B〜167B及びU字管151B〜156Bが収容される熱交換空間を形成する収容部(図示せず)は支持板161B〜167B及びU字管151B〜156Bが固定されるように形成されている。支持板161B〜167B、U字管151B〜156B及び収容部に加えて、気化器100Bは図1を参照して説明された貯液部110及び加熱部120を備える。これらの要素に対して第1実施形態の説明が援用される。
第1実施形態と同様にU字管151B〜156Bの外周面には中間媒体液が付着する。U字管151B〜156Bの上流管部157B及び下流管部158Bの外周面に付着した中間媒体液はこれらの傾斜にしたがって下方に流れる。すなわち、上流管部157B及び下流管部158Bの外周面上の中間媒体液は湾曲管部159Bに接近するように流れる。この結果、上流管部157B及び下流管部158Bの外周面上に形成される中間媒体液の膜は流入口及び流出口の近くにおいて他の部位よりも薄くなる。流入口の近くでは中間媒体ガスとほとんど熱交換をしていない液化ガスが流れるので、流入口の近くでの中間媒体液の凝固のリスクは他の部位よりも高い。しかしながら、流入口の近くでは厚い液膜は形成されないので、厚い液膜が凝固することはない。
流入口から流出口までの区間に亘ってU字管151B〜156Bは一様な断面を有している。しかしながら、U字管は第1実施形態のU字管151〜156それぞれと同様に流入口の近くの部位(たとえば、流入口と支持板162Bとの間の部位)において他の部位よりも大きな外径を有してもよい。代替的に又は追加的に流入口の近くの部位に図4を参照して説明されたフィン174が取り付けられていてもよい。
流入口から延設された上流管部157Bは全長に亘って傾斜している。しかしながら、流入口の近くの部位(たとえば、流入口と支持板162Bとの間の部位)のみが下方に傾斜し、残りの部位は水平に延設されてもよい。流入口の近くの部位に付着した中間媒体液は流入口から離れた位置で水平に延設された部位に向けて流れるので、流入口の近くの部位での厚い液膜の形成は防止される。流入口の近くの部位のみが傾斜された場合、流入口の近くの部位と流入口から離れた部位との間で上流管部には屈曲部位が形成される。屈曲部位の形成の結果液化ガス及び気化ガスに対する流動抵抗は大きくなるけれども、流入口から離れた位置では上流管部は略水平に延設されるので上流管部全体の鉛直方向の寸法は小さくなる。
上流管部が流入口の近くにおいてのみ傾斜した形状を有しているならば、流入口から離れた位置における上流管部の形状、配置及び姿勢は第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された上流管部157,157Aと一致する。この場合、上流管部に連なる湾曲管部及び湾曲管部から流出口へ延設される下流管部の形状、配置及び姿勢は第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された湾曲管部159及び下流管部158と一致していてもよい。
<第4実施形態>
流入口の近くにおいて上流管部の外周面上で中間媒体液が厚い膜を形成することを防止するための他の技術が第4実施形態において説明される。
図6は、第4実施形態の気化器100Cの一部の概略図である。図1、図2及び図6を参照して、気化器100Cが説明される。
気化器100Cは第1実施形態の気化器100と同様に貯液部110(図1を参照)及び加熱部120(図1を参照)を備える。第1実施形態の説明は貯液部110及び加熱部120に援用される。
第1実施形態の気化器100と同様に、気化器100Cは支持板162〜167を有している。第1実施形態の説明は支持板162〜167に援用される。これらの支持板162〜167に加えて支持板161Cが図6に示されている。支持板161Cは、円板状の支持板162〜167とは異なり略半円状の板部材である。支持板161Cの形状は支持板162〜167の下半分の形状と略同じであり、支持板161Cには多数の貫通孔が形成されている。支持板161Cは支持板162〜167よりも流入口の近くに配置されている。
支持板161C,162〜167に加えて、U字管151C〜156Cが気化器100Cが備える多数のU字管の一部として図6に示されている。U字管151C〜156Cは図2を参照して説明されたU字管151〜156とそれぞれ対応している。U字管151C〜156Cそれぞれは、図2を参照して説明された上流管部157及び湾曲管部159を有する。これらに加えて、U字管151C〜156Cは下流管部158Cを有する。下流管部158Cは上流管部157よりも短い。この点においてのみU字管151C〜156Cは図2を参照して説明されたU字管151〜156とは相違している。
U字管151C〜156Cそれぞれの上流管部157は支持板161C,162〜167それぞれの貫通孔に挿通されるのに対し、U字管151C〜156Cそれぞれの下流管部158Cは支持板162〜167それぞれの貫通孔に挿通されている。すなわち、支持板162と流入口との間の区間において上流管部157の上方には下流管部158Cは延設されていない。一方、支持板162と支持板167との間の区間においては上流管部157及び下流管部158Cは鉛直方向に重なっている。
支持板161C,162〜167及びU字管151C〜156Cが収容された熱交換空間を形成する収容部(図示せず)は支持板161C,162〜167及びU字管151C〜156Cが固定されるように形成されている。収容部はU字管151C〜156Cの上流管部157と協働して支持板161Cの近くで流入口を形成している。収容部はU字管151C〜156Cの下流管部158Cと協働して支持板162の近くで流出口を形成している。したがって、流出口の位置は第1方向において流入口からずれている。
流出口の形成位置から流入口の形成位置までの上流管部157の延設部位は図2を参照して説明された第1部位171に相当する第1部位171Cである。第1部位171Cの上方では下流管部158Cは延設されていないので、下流管部158Cから滴下した中間媒体液は第1部位171Cにかからない。第1部位171Cの外周面及び中間媒体ガスの接触の結果、第1部位171Cの外周面に付着した中間媒体液に下流管部158Cから滴下した中間媒体液が追加されないので、中間媒体液は第1部位171Cの外周面上で過度に厚い液膜を形成しない。したがって、第1部位171Cにおいて中間媒体液及び液化ガスの熱交換が効率的に行われる。
第1部位171Cから湾曲管部159に向けて延設された部位は図2を参照して説明された第2部位172と同一である。第2部位172は下流管部158Cと鉛直方向に重なるので、下流管部158Cから滴下した中間媒体液は第2部位172にかかる。下流管部158Cから滴下した中間媒体液は、第2部位172の外周面及び中間媒体ガスの接触の結果第2部位172の外周面に付着した中間媒体液に追加されるので、厚い液膜が第2部位172に形成されることもある。第2部位172の上流の第1部位171Cの延設区間において液化ガスは中間媒体ガスとある程度熱交換しているので、第2部位172は第1部位171Cよりも高温である。したがって、第2部位172の外周面上で形成された厚い液膜が凝固するリスクは低い。第2部位172の外表面上の液膜がある程度厚くなると、中間媒体液は貯液部110(図1を参照)へ滴下する。第2部位172の外表面から貯液部110への中間媒体液の滴下の結果、第2部位172上の厚い液膜はなくなるので第2部位172上での熱交換も高い効率で行われる。
第2部位172と同じ太さに第1部位171Cは図6に描かれている。しかしながら、第1部位は第1実施形態の第1部位171と同様に、第2部位172よりも大きな外径を有してもよい。この場合、第1部位において液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比は比較的大きくなり、第1部位上での中間媒体液の凝固は生じにくくなる。
第1部位上での中間媒体液の凝固のリスクを低減するために、第2実施形態と同様に第1部位は液化ガスが流入する管部材と管部材に取り付けられたフィンとを用いて形成されてもよい。
第1部位の外周面に付着した中間媒体液を第2部位172に促すように第1部位は流入口から下方に傾斜するように延設されてもよい。この場合、第1部位の外周面上での厚い液膜の形成及び凝固のリスクは非常に低くなる。
第1部位171Cが下流管部158Cと鉛直方向に重ならないように下流管部158Cの長さが設定されている。しかしながら、下流管部の長さの設定以外の方法の下で第1部位及び下流管部の非重畳構造が形成されてもよい。たとえば、下流管部及び上流管部がねじれの位置になるように湾曲管部が形成されてもよい。この場合、湾曲管部から離れた第1部位は下流管部から第2方向にずれた位置で延設され、下流管部と鉛直方向において重ならない。
<第5実施形態>
流入口の近くにおいて上流管部の外周面上で中間媒体液が厚い膜を形成することを防止するための他の技術が第5実施形態において説明される。
図7は、第5実施形態の気化器100Dの一部の概略図である。図1、図2及び図7を参照して、気化器100Dが説明される。
気化器100Dは第1実施形態の気化器100と同様に貯液部110(図1を参照)、加熱部120(図1を参照)、収容部130(図1を参照)及び支持板161〜167(図2及び図7を参照)を備える。加えて、気化器100Dは多数のU字管を備えている。多数のU字管の一部として、図7はU字管151D〜156Dを示している。U字管151D〜156Dは、図4を参照して説明されたフィン174に相当する部位を備えていない点においてのみ図4を参照して説明されたU字管151A〜156Aとは相違している。すなわちU字管151D〜156Dそれぞれは、下流管部158及び湾曲管部159を有しており、これらの部位に対しては第1実施形態の説明が援用される。加えてU字管151D〜156Dそれぞれは、流入口141(図1を参照)から湾曲管部159に連なる上流管部157Dを有しており、上流管部157Dに対してはフィン174に係る説明を除いて図4を参照して説明された上流管部157Aの説明が援用される。
上流管部157Aの上方で延設された下流管部158の一部を被覆する断熱材180が気化器100Dに組み込まれている。断熱材180は流出口142(図1を参照)から支持板162までの区間に亘って下流管部158の外周面を被覆している。
断熱材180の被覆区間の下方で延設された上流管部157Dの部位は図4を参照して説明された第1部位171Aに相当する第1部位171Dである。第1部位171Dの上方で下流管部158を被覆する断熱材180は流出口142から支持板161までの区間における液化ガス及び中間媒体ガスの間の熱交換を妨げるので、流出口142から支持板161までの区間において中間媒体液は下流管部158の外周面に付着しない。このことは、第1部位171Dに向けて滴下する中間媒体液が生じないことを意味する。したがって、中間媒体液は第1部位171Dの外周面上で過度に厚い液膜を形成しない。この結果、第1部位171Dでの厚い液膜の凝固は防止される。
第1部位171Dから湾曲管部159に向けて延設された部位は図2を参照して説明された第2部位172と同一である。第2部位172は下流管部158と鉛直方向に重なるので、下流管部158から滴下した中間媒体液は第2部位172にかかる。下流管部158から滴下した中間媒体液は、第2部位172の外周面及び中間媒体ガスの接触の結果第2部位172の外周面に付着した中間媒体液に追加されるので、厚い液膜が第2部位172に形成されることもある。第2部位172の上流の第1部位171Dの延設区間において液化ガスは中間媒体ガスとある程度熱交換しているので、第2部位172は第1部位171Dよりも高温である。したがって、第2部位172の外周面上で形成された厚い液膜が凝固するリスクは低い。第2部位172の外表面上の液膜がある程度厚くなると、中間媒体液は貯液部110(図1を参照)へ滴下する。第2部位172の外表面から貯液部110への中間媒体液の滴下の結果、第2部位172上の厚い液膜はなくなるので第2部位172上での熱交換も高い効率で行われる。
第2部位172と同じ太さに第1部位171Dは図7に描かれている。しかしながら、第1部位は第1実施形態の第1部位171と同様に、第2部位172よりも大きな外径を有してもよい。この場合、第1部位において液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比は比較的大きくなり、第1部位上での中間媒体液の凝固は生じにくくなる。
第1部位上での中間媒体液の凝固のリスクを低減するために、第2実施形態と同様に第1部位は液化ガスが流入する管部材と管部材に取り付けられたフィンとを用いて形成されてもよい。
第1部位の外周面に付着した中間媒体液を第2部位172に促すように第1部位は流入口から下方に傾斜するように延設されてもよい。この場合、第1部位の外周面上での厚い液膜の形成及び凝固のリスクは非常に低くなる。
中間媒体液の凝固のリスクが比較的高い区間の長さと液化ガスの気化に必要とされる区間の長さとを考慮して断熱材180が下流管部158を被覆する被覆区間の長さが決定されることが好ましい。したがって、被覆区間は特定の長さに限定されない。
被覆区間の長さが第1部位171Dの長さと等しくなるように断熱材180が図7に描かれている。しかしながら、被覆区間は第1部位の延設長さよりも長くてもよい。
上述の実施形態の原理は、気化ガスを必要とする様々な技術分野に好適に利用される。
100,100A〜100D・・・・・・・・・・気化器
130・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・収容部
141・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・流入口
157,157A,157B,157D・・・・・上流管部
158,158B,158C・・・・・・・・・・下流管部
159,159B・・・・・・・・・・・・・・・湾曲管部
171,171A,171C,171D・・・・・第1部位
172・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2部位
173・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・管部材
174・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フィン
180・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・断熱材

Claims (9)

  1. 中間媒体液が貯留された貯液部を有し、前記貯液部で前記中間媒体液が気化することによって生成された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる気化器であって、
    前記中間媒体ガスが収容された収容部と、
    前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、
    前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、
    前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を前記収容部内において前記上流管部の上方で形成している下流管部と、を備え、
    前記第1部位は前記液化ガスへ熱を伝える伝熱面の面積に対する前記中間媒体ガスの熱が流入する伝熱面の面積の面積比において前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも大きい
    気化器。
  2. 前記第1部位が前記面積比において前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも大きくなるように、前記第1部位は、前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも太く形成されている
    請求項1に記載の気化器。
  3. 前記第1部位が前記面積比において前記第2部位、前記湾曲管部及び前記下流管部それぞれよりも大きくなるように、前記第1部位は前記所定の長さ区間に亘って前記液化ガスを案内する管部材と前記管部材の外周面から突出したフィンとを含む
    請求項1又は2に記載の気化器。
  4. 前記第1部位は前記流入口から下方に傾斜するように延設されている
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気化器。
  5. 前記第1部位が前記下流管部と鉛直方向に重ならないように前記上流管部及び前記下流管部は配置されている
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の気化器。
  6. 前記第1部位と鉛直方向に重なる位置において前記下流管部を被覆する断熱材を更に備える
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の気化器。
  7. 中間媒体液が貯留された貯液部を有し、前記貯液部で気化された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる気化器であって、
    前記中間媒体ガスが収容された収容部と、
    前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、
    前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、
    前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を前記収容部内において前記上流管部の上方で形成している下流管部と、を備え、
    前記第1部位は前記流入口から下方に傾斜するように延設されている
    気化器。
  8. 中間媒体液が貯留された貯液部を有し、前記貯液部で気化された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる気化器であって、
    前記中間媒体ガスが収容された収容部と、
    前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、
    前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、
    前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を前記収容部内において前記上流管部の上方で形成している下流管部と、を備え、
    前記第1部位が前記下流管部と鉛直方向に重ならないように前記上流管部及び前記下流管部は配置されている
    気化器。
  9. 中間媒体液が貯留された貯液部を有し、前記貯液部で気化された中間媒体ガスと前記中間媒体ガスよりも低温の液化ガスとを熱交換させることにより前記液化ガスを気化させる気化器であって、
    前記中間媒体ガスが収容された収容部と、
    前記液化ガスが流入する流入口から所定の長さ区間に亘って前記収容部内で延設された第1部位と前記第1部位が形成している流路に連なるように前記収容部内で延設された流路を形成している第2部位とを有する上流管部と、
    前記第2部位が形成している前記流路から上方に湾曲した流路を前記収容部内で形成している湾曲管部と、
    前記上流管部と鉛直方向に重なるように前記上流管部から上方に離間した位置に前記収容部内で配置されているとともに前記湾曲管部が形成している前記流路に連なる流路を形成している下流管部と、
    前記第1部位と鉛直方向に重なる位置で所定の長さ区間に亘って前記下流管部の外周面を被覆する断熱材と、を備える
    気化器。
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