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JP2020008080A - 車両用変速機 - Google Patents

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JP2020008080A
JP2020008080A JP2018129034A JP2018129034A JP2020008080A JP 2020008080 A JP2020008080 A JP 2020008080A JP 2018129034 A JP2018129034 A JP 2018129034A JP 2018129034 A JP2018129034 A JP 2018129034A JP 2020008080 A JP2020008080 A JP 2020008080A
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Masahide Miyazaki
将英 宮崎
圭史 北岡
Keiji Kitaoka
圭史 北岡
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Abstract

【課題】オイルストレーナの設置の自由度を向上し、油面の位置が変動してもオイルポンプが潤滑部位にオイルを安定して供給できる車両用変速機を提供すること。【解決手段】変速機1は、オイルOが貯留される底壁91C、92Cおよび底壁91C、92Cから上方に延びる隔壁94を有し、隔壁94に前進用アイドル軸6、後進用アイドル軸7、中間軸8、出力軸9および後進軸10が回転自在に支持される変速機ケース90と、隔壁94に設けられたオイルポンプ79と、隔壁94の下面に設けられ、オイルが貯留されるオイル貯留室111aを有する箱型のオイル貯留部111と、隔壁94に形成され、オイル貯留室111aの出口部111bとオイルポンプ79とを連通するオイル通路121、122、123と、隔壁94に形成された入口部113に支持され、オイルポンプ79が駆動されると、底壁91C、92Cに貯留されたオイルを吸込み、吸い込んだオイルを入口部113を通してオイル貯留室111aに供給するオイルストレーナ112とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用変速機に関する。
自動車等の車両は、オイルポンプが吸引するオイルを濾過するオイルストレーナを備えている。ところで、車両の加減速等によりオイルの油面の高さが変動した場合に、オイルポンプがオイルストレーナを介してオイルを安定して吸引できないおそれがある。
従来、車両の加減速に影響されずにオイルポンプがオイルストレーナを介してオイルを吸引できるものとして、特許文献1に記載されたオイルストレーナが知られている。
このオイルストレーナは、濾過部材を収容した本体ケースと、本体ケースとは別体の吸込口部材と、本体ケースと吸込口部材とを連結する可撓性または伸縮性を有する連結管と、吸込口部材に設けた吸込口とを備えている。
連結管は、車両にかかる加減速度で変速機ケース内の油面の位置が変動したときに、撓むかまたは伸縮しながら吸込口部材が油面の変動に追従して移動することにより、吸込口が油面から露出しないように構成されている。
これにより、変速機ケース内の油面の位置が変動しても吸込口からエアを吸い込むことなくオイルを吸引可能となり、潤滑部位にオイルを供給できる。
特開2014−119055号公報
このような従来のオイルストレーナは、可撓性または伸縮性を有する連結管により、本体ケースと吸込口部材とが接続されているので、部品点数が増加して変速機の製造コストが増大する。
これに加えて、連結管が移動する空間が必要となり、変速機ケース内で連結管を設置する場所が限られた場所となり、オイルストレーナの設置の自由度が低下する。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、オイルストレーナの設置の自由度を向上し、油面の位置が変動してもオイルポンプにより潤滑部位にオイルを安定して供給できる車両用変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、オイルが貯留される底壁および前記底壁から上方に延びる縦壁を有し、前記縦壁に回転軸が回転自在に支持される変速機ケースと、前記縦壁に設けられたオイルポンプと、前記縦壁の下面に設けられ、オイルが貯留されるオイル貯留室を有する箱型のオイル貯留部と、前記縦壁に形成され、前記オイル貯留室の出口部と前記オイルポンプとを連通するオイル通路と、前記縦壁に形成された入口部に支持され、前記オイルポンプが駆動されると、前記底壁に貯留されたオイルを吸込み、吸い込んだオイルを前記入口部を通して前記オイル貯留室に供給するオイルストレーナとを備え、前記入口部は、前記出口部と同じ高さ位置または前記出口部よりも高い位置に設けられていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、オイルストレーナの設置の自由度を向上し、油面の位置が変動してもオイルポンプが潤滑部位にオイルを安定して供給できる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の底面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用変速機の構成図である。 図3は、本発明の一実施例に係る車両用変速機において、トランスミッションケースを取り外した状態の車両用変速機の左側面図である。 図4は、本発明の一実施例に係る車両用変速機のトルコンハウジングの左側面図である。 図5は、図3のV−V方向で切った変速機ケースの断面図である。 図6は、図1のVI−VI方向で切ったトルコンハウジングの隔壁の断面図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、オイルが貯留される底壁および底壁から上方に延びる縦壁を有し、縦壁に回転軸が回転自在に支持される変速機ケースと、縦壁に設けられたオイルポンプと、縦壁の下面に設けられ、オイルが貯留されるオイル貯留室を有する箱型のオイル貯留部と、縦壁に形成され、オイル貯留室の出口部とオイルポンプとを連通するオイル通路と、縦壁に形成された入口部に支持され、オイルポンプが駆動されると、底壁に貯留されたオイルを吸込み、吸い込んだオイルを入口部を通してオイル貯留室に供給するオイルストレーナとを備え、入口部は、出口部と同じ高さ位置または出口部よりも高い位置に設けられている。
これにより、オイルストレーナの設置の自由度を向上し、油面の位置が変動してもオイルポンプが潤滑部位にオイルを安定して供給できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用変速機について、図面を用いて説明する。
図1から図6は、本発明の一実施例に係る車両用変速機を示す図である。図1から図6において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の車両用変速機を基準とし、前後方向に対して直交する方向が左右方向、車両用変速機の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。
図1において、自動車等の車両に搭載される車両用変速機(以下、単に変速機1という)は、変速機ケース90を有する。変速機ケース90は、トルクコンバータハウジング(以下、トルコンハウジングという)91と、トランスミッションケース92と、クラッチカバー93とを有する。
トルコンハウジング91の右端部にはフランジ部91Rが形成されており、フランジ部91Rにはエンジン2が連結されている。トルコンハウジング91の左端部にはフランジ部91Lが形成されている。
トランスミッションケース92の右端部にはフランジ部92Rが形成されており、フランジ部92Rには図示しないボルトによってトルコンハウジング91のフランジ部91Lが締結されている。
図2において、変速機ケース90の内部は、隔壁94によってトルクコンバータ室91Aとギヤ室92Aとに仕切られている。トルクコンバータ室91Aは、トルコンハウジング91の内部の空間であって、トルクコンバータ室91Aにはトルクコンバータ4が収容されている。
ギヤ室92Aは、トランスミッションケース92の内部の空間であって、ギヤ室92Aには平行軸歯車機構からなる常時噛合式のギヤ機構77が収容されている。本実施例の変速機1は、前進7速、後進1速の変速段を有する。
ギヤ機構77は、エンジン2のクランク軸3からトルクコンバータ4を介して動力が伝達される入力軸5と、それぞれ入力軸5と平行に設置される前進用アイドル軸6、後進用アイドル軸7、中間軸8、出力軸9および後進軸10とを備えている(図3参照)。エンジン2は、クランク軸3が車幅方向に延びるように設置される横置きエンジンから構成されている。
本実施例の前進用アイドル軸6、後進用アイドル軸7、中間軸8、出力軸9および後進軸10は、本発明の回転軸を構成する。
トルクコンバータ4は、ドライブプレート4Aを介してクランク軸3に連結されるフロントカバー4Bと、フロントカバー4Bに連結されたシェル4Cとを備えており、エンジン2と変速機1との間でオイルを介して動力を伝達する流体継手を構成している。
クランク軸3と連結されたシェル4Cの内面には、図示しないポンプインペラが固定されている。シェル4Cの内部には、図示しないタービンランナがポンプインペラに対向して設置されており、タービンランナは、入力軸5に接続されている。ポンプインペラとタービンランナの間には図示しないステータが設置されている。
トルクコンバータ4において、クランク軸3が回転すると、ドライブプレート4Aを介してフロントカバー4B、シェル4Cおよびポンプインペラが一体で回転する。このとき、ポンプインペラの回転による遠心力によって、トルクコンバータ4の内部の流体に、ポンプインペラからタービンランナに向かう流れが生じる。
この流体の流れによりタービンランナが回転され、タービンランナに接続された入力軸5が回転する。ステータは、タービンランナからの流体の流れをポンプインペラの回転方向に沿うように変換することにより、エンジン2の動力を増幅させる。
入力軸5は、軸中心に油路が形成された主入力軸11と、主入力軸11の外周部に主入力軸11と同軸上に設けられた中空の副入力軸12とを有する。主入力軸11は副入力軸12に挿入され、主入力軸11と副入力軸12とはニードルベアリングを介して相対回転自在に配置されている。
主入力軸11の一端部11aにはトルクコンバータ4が連結されており、エンジン2の動力は、トルクコンバータ4を介して主入力軸11に伝達される。
ギヤ機構77は、遊星歯車機構21を有する。遊星歯車機構21は、主入力軸11と副入力軸12の外周部に主入力軸11と同軸上に設けられており、副入力軸12に対してエンジン2側に設置されている。
遊星歯車機構21は、主入力軸11と副入力軸12の一端部12aとを連結し、主入力軸11の回転を減速しながら副入力軸12に伝達可能に構成されている。具体的には、遊星歯車機構21は、キャリア22、サンギヤ23およびリングギヤ24を備えている。
キャリア22は、プラネタリピニオン22Aを自転自在に支持し、主入力軸11に対して回転自在に軸支されている。サンギヤ23は、プラネタリピニオン22Aに噛み合っており、後述するブレーキ装置31によって変速機ケース90に対して回転不能とされる状態と回転が許容される状態とに切換えられる。
リングギヤ24は、主入力軸11にスプライン嵌合されており、主入力軸11と一体で回転する。リングギヤ24は、プラネタリピニオン22Aに噛み合っており、リングギヤ24の動力は、キャリア22に伝達される。
キャリア22と副入力軸12の一端部12aとの間にはワンウェイクラッチ25が設置されており、ワンウェイクラッチ25は、キャリア22から副入力軸12に副入力軸12の回転速度を上昇させる方向の動力を伝達し、副入力軸12からキャリア22にキャリア22の回転速度を上昇させる方向の動力を伝達しないように構成されている。
これにより、ワンウェイクラッチ25は、主入力軸11から副入力軸12に動力を伝達可能とし、副入力軸12から主入力軸11に動力を伝達不能とする。
ギヤ機構77は、ブレーキ装置31を有する。ブレーキ装置31は、主入力軸11の径方向外方に主入力軸11と同軸上に設置されており、筒状のブレーキケース32を備えている。ブレーキケース32は、トルコンハウジング91の隔壁94に固定されており、隔壁94から遊星歯車機構21に向かって突出するように配置されている。
ブレーキケース32には一対の摩擦プレート34、35および筒状のクラッチハブ36が収容されている。クラッチハブ36は、筒状に形成されてサンギヤ23と一体に設けられており、サンギヤ23からブレーキケース32の内部に延びている。本実施例のクラッチハブ36は、サンギヤ23の一部を構成しており、サンギヤ23の一部は、ブレーキケース32に収容されている。
摩擦プレート34は、クラッチハブ36の外周部にスプライン嵌合されており、クラッチハブ36と一体で回転し、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっている。
摩擦プレート35は、ブレーキケース32の内周部にスプライン嵌合されており、ブレーキケース32に対して主入力軸11の回転方向に回転不能で、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっている。摩擦プレート34、35は、主入力軸11の軸方向に交互に設置されている。
ブレーキ装置31に示すように、摩擦プレート35のうちのトルクコンバータ4側に位置する摩擦プレート35がピストン37によって押圧されると、摩擦プレート34と摩擦プレート35とが摩擦接触し、サンギヤ23をブレーキケース32に固定する。これにより、サンギヤ23が回転不能となる。ピストン37は、オイルが作用することにより、摩擦プレート35を遊星歯車機構21側に押圧する。
サンギヤ23が回転不能となると、主入力軸11からリングギヤ24を介してキャリア22に動力が伝達される。そして、キャリア22が回転し、キャリア22からワンウェイクラッチ25を介して副入力軸12に動力が伝達される。
遊星歯車機構21は、プラネタリピニオン22A、サンギヤ23およびリングギヤ24のギヤ比を任意に設定することにより、主入力軸11の回転を減速して副入力軸12に伝達できる。すなわち、遊星歯車機構21は、減速機として機能する。
ブレーキ装置31において、ピストン37に油圧が作用しなくなると、図示しないリターンスプリングの付勢力によって摩擦プレート35が移動し、摩擦プレート35が摩擦プレート34から引き離される。
このため、サンギヤ23の回転が許容される。サンギヤ23の回転が許容されると、プラネタリピニオン22Aは空転してキャリア22は回転しなくなり、遊星歯車機構21を介する動力伝達経路では主入力軸11から副入力軸12に動力が伝達されない。
図2に示すように、主入力軸11の他端部11bと副入力軸12の他端部12bにはクラッチ装置41が設けられており、クラッチ装置41は、クラッチカバー93に収容されている。
クラッチ装置41は、クラッチドラム42とクラッチハブ43とを有する。クラッチドラム42は、主入力軸11とスプライン嵌合して一体で回転し、クラッチハブ43は、副入力軸12とスプライン嵌合して一体で回転する。
クラッチドラム42には環状の摩擦プレート44が設けられており、摩擦プレート44は、クラッチドラム42と一体で回転し、かつ、主入力軸11の軸方向に移動自在となっている。
クラッチハブ43には複数の摩擦プレート45が設けられており、摩擦プレート44と摩擦プレート45とは、主入力軸11の軸方向において交互に設置されている。
クラッチ装置41は、摩擦プレート44と摩擦プレート45とが摩擦接触すると、クラッチドラム42とクラッチハブ43とが一体で回転し、エンジン2の動力を主入力軸11から副入力軸12に伝達する。
クラッチ装置41は、摩擦プレート44と摩擦プレート45とが離隔すると、主入力軸11から副入力軸12にエンジン2の動力を伝達しなくなる。
副入力軸12の軸方向においてトルクコンバータ4とクラッチ装置41の間には4速段用の入力ギヤ51、5速段用の入力ギヤ52、入力アイドルギヤ53および同期装置54が設けられている。詳細には、4速段用の入力ギヤ51、5速段用の入力ギヤ52、入力アイドルギヤ53および同期装置54は、遊星歯車機構21とクラッチ装置41の間に配置されている。
4速段用の入力ギヤ51および5速段用の入力ギヤ52は、副入力軸12に相対回転自在に支持されており、入力アイドルギヤ53は、副入力軸12と一体で回転する。
同期装置54は、シフト操作によって4速段または5速段に操作されると、同期装置54が中立位置から図示しないシフトフォークによって4速段用の入力ギヤ51または5速段用の入力ギヤ52側に移動される。
例えば、自動によるシフト操作が行われる場合には、同期装置54は、図示しないアクチュエータによって駆動される。アクチュエータは、運転者によって操作されるシフトレバーがドライブレンジにシフトされた状態において、予めスロットル開度と車速とをパラメータとして設定された変速マップに基づいて同期装置54および後述する同期装置68、69を操作して変速段の制御を行う。
また、アクチュエータは、シフトレバーがリバースレンジにシフトされた状態において後述する同期装置88を操作する。なお、同期装置54、68、69、88は、シンクロナイザリングを有する一般的な同期装置であり、具体的な構成の説明は省略する。
同期装置54が中立位置から4速段用の入力ギヤ51側に移動すると、4速段用の入力ギヤ51が同期装置54に嵌合することにより、同期装置54を介して副入力軸12と4速段用の入力ギヤ51とが連結され、4速段用の入力ギヤ51が副入力軸12と一体で回転する。
同期装置54が中立位置から5速段用の入力ギヤ52側に移動すると、5速段用の入力ギヤ52が同期装置54に嵌合することにより、同期装置54を介して副入力軸12と5速段用の入力ギヤ52とが連結され、5速段用の入力ギヤ52が副入力軸12と一体で回転する。
前進用アイドル軸6にはアイドルギヤ61とアイドルギヤ61よりも小径のアイドルギヤ62とが設けられており、アイドルギヤ61、62は、前進用アイドル軸6と一体で回転する。アイドルギヤ61は、入力アイドルギヤ53に噛み合っており、入力アイドルギヤ53からの動力を前進用アイドル軸6に伝達する。
中間軸8にはクラッチ装置41側からトルクコンバータ4側に向かって1−2速段用の変速ギヤ63、3速段用の変速ギヤ64、6速段用の変速ギヤ65、7速段用の変速ギヤ66およびアイドルギヤ67が設けられている。
1−2速段用の変速ギヤ63から7速段用の変速ギヤ66は、中間軸8に相対回転自在に設けられており、アイドルギヤ67は、中間軸8と一体で回転する。アイドルギヤ67は、前進用アイドル軸6のアイドルギヤ62に噛み合っており、アイドルギヤ67にはアイドルギヤ62から動力が伝達される。
1−2速段用の変速ギヤ63と3速段用の変速ギヤ64との間には同期装置68が設けられており、6速段用の変速ギヤ65と7速段用の変速ギヤ66との間には同期装置69が設けられている。
同期装置68は、シフト操作によって1速段または2速段にシフトされると、1−2速段用の変速ギヤ63を中間軸8に連結し、シフト操作によって3速段にシフトされると、3速段用の変速ギヤ64を中間軸8に連結する。
同期装置69は、シフト操作によって6速段にシフトされると、6速段用の変速ギヤ65を中間軸8に連結し、シフト操作によって7速段にシフトされると、7速段用の変速ギヤ66を中間軸8に連結する。同期装置68、69は、同期装置54と同様に動作する。
出力軸9にはクラッチ装置41側からトルクコンバータ4側に向かって1−2−4速段用の出力ギヤ70、3−5速段用の出力ギヤ71、6速段用の出力ギヤ72、7速段用の出力ギヤ73および前進用のファイナルドライブギヤ74が設けられている。
1−2−4速段用の出力ギヤ70から7速段用の出力ギヤ73は、出力軸9とスプライン嵌合しており、出力軸9と一体的に回転する。前進用のファイナルドライブギヤ74は、出力軸9と一体に形成されて出力軸9と一体で回転する。
1−2−4速段用の出力ギヤ70は、4速段用の入力ギヤ51と1−2速段用の変速ギヤ63とに噛み合っており、3−5速段用の出力ギヤ71は、3速段用の変速ギヤ64と5速段用の入力ギヤ52とに噛み合っている。
6速段用の出力ギヤ72は、6速段用の変速ギヤ65に噛み合っており、7速段用の出力ギヤ73は、7速段用の変速ギヤ66に噛み合っている。
前進用のファイナルドライブギヤ74は、ディファレンシャル装置81のファイナルドリブンギヤ81Bに噛み合っている。これにより、出力軸9の動力は、前進用のファイナルドライブギヤ74およびファイナルドリブンギヤ81Bを経てディファレンシャル装置81に伝達される。
ディファレンシャル装置81は、デフケース81Aと、デフケース81Aの外周部に取付けられたファイナルドリブンギヤ81Bと、デフケース81Aに収容された差動機構81Cとを有する。
差動機構81Cには左右のドライブシャフト82L、82Rを介して左右の駆動輪83L、83Rが連結されている。ディファレンシャル装置81は、エンジン2の動力を差動機構81Cによって左右のドライブシャフト82L、82Rに分配して左右の駆動輪83L、83Rに伝達する。
後進用アイドル軸7にはアイドルギヤ84とアイドルギヤ84よりも小径のアイドルギヤ85とが設けられており、アイドルギヤ84、85は、後進用アイドル軸7と一体で回転する。アイドルギヤ84は、入力アイドルギヤ53に噛み合っている。
後進軸10には後進ギヤ86と、後進ギヤ86よりも小径に形成された後進用のファイナルドライブギヤ87とが設けられており、後進用のファイナルドライブギヤ87は、後進軸10と一体で回転する。
後進ギヤ86は、アイドルギヤ85に噛み合っており、後進用のファイナルドライブギヤ87は、ファイナルドリブンギヤ81Bに噛み合っている。
後進軸10には同期装置88が設けられている。同期装置88は、シフト操作によって後進段にシフトされると、後進ギヤ86を後進軸10に連結する。
このとき、後進用のファイナルドライブギヤ87からファイナルドリブンギヤ81Bに動力が伝達され、ファイナルドリブンギヤ81Bが前進時と反対方向に回転し、車両が後進される。なお、同期装置88は、同期装置54と同様に動作するので、具体的な構成の説明は省略する。
図3、図4において、トルコンハウジング91は、天井壁91B、底壁91C、前側壁91Dおよび後側壁91Eと周壁95(図5参照)を有する。天井壁91Bは、後端部から前方に向かって上方に傾斜する後側傾斜壁91aと、後側傾斜壁91aの頂点91bを境にして前側に向かって下方に傾斜する前側傾斜壁91cとを有する。
底壁91Cは、天井壁91Bの下方に設置されており、前後方向に直線状に延びている。前側壁91Dは、前側傾斜壁91cの前端と底壁91Cの前端とを連結しており、上下方向に直線状に延びている。
後側壁91Eは、後側傾斜壁91aの後端と底壁91Cの後端とを連結しており、底壁91Cからファイナルドリブンギヤ81Bの回転方向に沿って湾曲した後、後側傾斜壁91aの後端まで上方に直線状に延びている。ここで、ファイナルドリブンギヤ81Bの回転方向は、ファイナルドリブンギヤ81Bの円周方向である。
隔壁94は、底壁91Cから上方に延びており、天井壁91B、前側壁91Dおよび後側壁91Eに連結されており、天井壁91B、底壁91C、前側壁91Dおよび後側壁91Eの内方に設置されている。本実施例の隔壁94は、本発明の縦壁を構成する。
図1において、トランスミッションケース92は、天井壁92B(図5参照)、底壁92C、前側壁92D、後側壁92Eおよび左側壁92Fを有する。
天井壁92Bは、天井壁91Bと同じ高さで天井壁92Bに連結されている。底壁92Cは、天井壁92Bの下方に設置され、底壁91Cと同じ高さで底壁91Cに連結されている。前側壁92Dは、前側壁91Dに連結されており、後側壁91Eは、後側壁91Eに連結されている。左側壁92Fは、天井壁92B、底壁92C、前側壁92Dおよび後側壁92Eに連結されている。
図4において、隔壁94にはポンプ保持部100と、軸受保持部101、102、103、104、105、106とが形成されている。
図5に示すように、ポンプ保持部100にはオイルポンプ79が設置されている。ポンプ保持部100は、図示しないポンプ室を有し、オイルポンプ79は、ポンプ室に収容されている。
オイルポンプ79は、トルクコンバータ4のポンプ軸4a(図2参照)に係合して回転駆動される環状のインナロータ79Aと、インナロータ79Aを取り囲むようにインナロータ79Aの径方向の外方に配置された環状のアウタロータ79Bとを備えている。主入力軸11は、インナロータ79Aの内部を貫通している(図2参照)。
オイルポンプ79は、例えば、トロコイド式のオイルポンプから構成されており、アウタロータ79Bに形成された複数の内歯とインナロータ79Aに形成された複数の外歯とが接触することにより、外歯と内歯との間にオイルを収容する図示しない複数の作動室が形成されている。
オイルポンプ79において、エンジン2の動力がトルクコンバータ4のポンプ軸4aからインナロータ79Aに伝達されることにより、インナロータ79Aとアウタロータ79Bとが一方向に回転すると、作動室の容積増加および容積減少が連続して発生することにより、オイルを吸入および吐出する。
図4において、隔壁94には吸入ポート79aと吐出ポート79bとが形成されており、隔壁94に対向する対向するブレーキケース32の合わせ面には吸入ポート79aと吐出ポート79bのそれぞれに合致する図示しない吸入ポートと図示しない吐出ポートが形成されている。すなわち、オイルポンプ79の吸入ポートと吐出ポートは、隔壁94とブレーキケース32とによって形成されている。
吸入ポート79aは、インナロータ79Aおよびアウタロータ79Bの回転に伴って容積が増加する作動室に連通し、吐出ポート79bは、インナロータ79Aおよびアウタロータ79Bの回転に伴って容積が減少する作動室に連通する。
これにより、インナロータ79Aおよびアウタロータ79Bの回転に伴って吸入ポート79aから作動室にオイルが流入し、作動室に流入したオイルが作動室の容積の減少に伴って吐出ポート79bに排出される。
図2において、軸受保持部101には軸受96Aを介して前進用アイドル軸6の一端部が回転自在に支持されており、軸受保持部102には軸受96Bを介して後進用アイドル軸7の一端部が回転自在に支持されている。
軸受保持部103には軸受96Cを介して中間軸8の一端部が回転自在に支持されており、軸受保持部104には軸受96Dを介して出力軸9の一端部が回転自在に支持されている。
軸受保持部105には軸受96Eを介して後進軸10の一端部が回転自在に支持されており、軸受保持部106には軸受96Fを介してデフケース81Aの一端部に設けられた円筒部81aが回転自在に支持されている。
図5において、トルコンハウジング91の周壁95の下面には箱型のオイル貯留部111が設けられている。オイル貯留部111は、オイル貯留室111aを有し、オイル貯留室111aにはオイルが貯留されている。
図1に示すように、オイル貯留部111の底部は開口しており、オイル貯留部111の底部は、蓋111A(図5参照)によって封止されている。これにより、オイル貯留室111aに貯留されるオイルは、蓋111Aによってオイル貯留室111aから漏出されることがない。
図5において、トルコンハウジング91およびトランスミッションケース92の底壁91C、92Cにはトルクコンバータ4の作動用のオイルやギヤ機構77の潤滑用のオイルOが貯留されている(図3に底壁91C側のオイルOのみを図示)。ファイナルドリブンギヤ81Bの下部は、オイルOに浸かっている。
変速機1にはオイルストレーナ112が設けられている。オイルストレーナ112は、ストレーナ本体112Aと、オイル導入部112Bとを有する。ストレーナ本体112Aは、車幅方向に沿って延びており、内部に図示しない濾過フィルタを有する。
ストレーナ本体112Aの下面には吸込口112aが形成されており、オイルストレーナ112は、吸込口112aがオイルOに浸かるようにトランスミッションケース92の底壁92C側に設置されている。
濾過フィルタは、吸込口112aからストレーナ本体112Aに吸い込まれたオイルを濾過する。濾過フィルタによって濾過されたオイルは、オイル導入部112Bから排出される。
図4において、隔壁94にはボス形状に形成された入口部113が設けられており、入口部113は、隔壁94からギヤ室92A側に突出するとともに、ギヤ室92Aとオイル貯留室111aとを連通している。
図5において、オイル導入部112Bは、入口部113に嵌合されている。これにより、オイルストレーナ112は、入口部113を介して隔壁94に支持されている。濾過フィルタによって濾過されたオイルは、オイル導入部112Bから入口部113を通してオイル貯留室111aに導入され、オイル貯留室111aに貯留される。
図4において、オイル貯留部111の一部は、隔壁94からギヤ室92Aに向かって膨出しており、出力軸9の軸方向と直交する方向において底壁91Cに沿って延びている。すなわち、オイル貯留部111は、前後方向において底壁91Cに沿って延びており、前後方向における軸受保持部103、104の範囲内に設置されている。
図6に示すように、隔壁94には複数のオイル通路121、122、123(図1参照)が形成されており、オイル通路121、122、123は、オイル貯留室111aの出口部111bとオイルポンプ79の吸入ポート79aとを連通している。
オイル通路122とオイル通路123とは、同じ通路面積に形成され、かつ、オイル通路121よりも小さい通路面積に形成されている。本実施例のオイル通路121は、本発明の第1のオイル通路を構成し、オイル通路122、123は、本発明の第2のオイル通路を構成する。
オイルポンプ79は、オイル貯留室111aの上方に設置されており、オイル通路121、122、123は、出口部111bから吸入ポート79aに向かって鉛直方向に直線状に延びている。
オイルポンプ79が駆動されると、オイル貯留室111aに貯留されるオイルがオイル通路121、122、123を通して吸入ポート79aに吸入される。
隔壁94にはオイル通路120が設けられており、オイル通路120は、オイル通路121の下流部に連通する下流側連通油路120aを有し、下流側連通油路120aから前斜め下方に延びている。ここで、下流および後述する上流とは、オイルの流れる方向に対して上流、下流のことである。
オイル通路120は、吸入ポート79aとオイル通路121の接続部に開口している。オイル通路122、123は、それぞれの下流端がオイル通路120に連通されている。すなわち、オイル通路121、122、123は、オイル通路120を介して互いに連通しており、オイル通路122、123を流れるオイルは、オイル通路120を通してオイル通路121を流れるオイルに合流した後、吸入ポート79aに導入される。本実施例のオイル通路120は、本発明の連通油路を構成する。
図4において、入口部113は、出口部111bよりも高い位置に設けられており、オイル貯留部111は、入口部113の下方に設置されている。なお、入口部113は、出口部111bと同じ高さ位置に設けられてもよい。上下方向において、オイル貯留部111は、入口部113およびオイルポンプ79と並んで設置されている。
図5において、隔壁94には複数のオイル通路124、125、126、127が設けられている。オイル通路124は、吐出ポート79bに連通しており、オイル通路121、122、123の側方に位置するように、吐出ポート79bから前斜め下方に延びている。
オイル通路124の下流側は、図示しないバルブボディを介してオイル通路125、126、127に連通している。オイル通路124、125、126、127は、オイル通路120に対してオイル通路121、122、123と反対側に位置するようにオイル通路120の側方に設けられている。本実施例のオイル通路124は、本発明の第3のオイル通路を構成し、オイル通路120は、本発明の第4のオイル通路を構成する。
オイル通路120の上流部には上流側連通油路120b形成されている。オイル通路124の下流部には下流側連通油路124aが形成されており、下流側連通油路124aは、上流側連通油路120bに連通されている。本実施例のオイル通路120は、下流側連通油路120aから上流側連通油路120bに向かって前斜め下方に傾斜して延びている。
オイル通路120は、下流側連通油路120aと上流側連通油路120bとの間においてオイル通路122、123の下流部に連通している。
オイル通路120は、吐出ポート79bから吐出されてオイル通路124を流れるオイルが過剰に高圧になると、バルブボディに設けられた図示しないリリーフバルブによって下流側連通油路124aおよび上流側連通油路120bを通してオイル通路124に連通される。
これにより、オイルポンプ79から吐出された高圧オイルの一部は、オイル通路124からオイル通路120を通してオイル通路121に戻される。
オイル通路120は、オイルポンプ79から吐出された高圧オイルの一部をオイル通路121に戻す本発明のリリーフ通路を構成している。すなわち、オイル通路120は、本発明の連通油路と連通油路に連通するリリーフ通路とを兼ねている。
図3において、オイルストレーナ112に対してファイナルドリブンギヤ81B側の底壁91Cは磁石38が設けられており、磁石38は、オイルに混入されている鉄粉等を吸着する。
次に、作用を説明する。
変速機1において、オイルポンプ79が駆動されると、トルコンハウジング91およびトランスミッションケース92の底壁91C、92Cに貯留されたオイルが吸込口112aからストレーナ本体112Aに吸い込まれた後、ストレーナ本体112Aの濾過フィルタによって濾過される。
濾過後のオイルは、オイル導入部112Bから入口部113を通してオイル貯留室111aに導入された後、オイル貯留室111aからオイル通路121、122、123を通して吸入ポート79aに吸入される。
図3において、底壁91C、92Cに貯留されるオイルOは、反時計回転方向Rに回転するファイナルドリブンギヤ81BによってオイルO1で示すように上方に掻き上げられる。
上方に掻き上げられたオイルO1は、後側傾斜壁91aから前側傾斜壁91cに沿って移動し、勢いが弱くなった時点で落下し、前進用アイドル軸6、後進用アイドル軸7、中間軸8、出力軸9および後進軸10に設けられた各ギヤの噛み合い部を潤滑する。
また、オイルO1は、オイルO2で示すように、前側壁91Dを伝わって底壁91Cに落下した後、底壁91Cに貯留される。前側壁91Dを伝わって底壁91Cに貯留されるオイルは、ファイナルドリブンギヤ81Bによって掻き上げられるオイルO1に比べて勢いが弱いので、底壁91Cの前後方向中央部で滞留する。
本実施例のオイルストレーナ112は、オイルが滞留する底壁91Cの前後方向の中央部に設けられているので、オイルストレーナ112がエアを吸い込むことを防止でき、オイルポンプ79の吸入効率を向上できる。
なお、オイルO1、O2は、トルコンハウジング91に連結されるトランスミッションケース92の天井壁92B、底壁92C、前側壁92Dおよび後側壁92Eに沿って移動するが、図示は省略する。
以上のように、本実施例の変速機1は、オイルOが貯留される底壁91C、92Cおよび底壁91C、92Cから上方に延びる隔壁94を有し、隔壁94に前進用アイドル軸6、後進用アイドル軸7、中間軸8、出力軸9および後進軸10が回転自在に支持される変速機ケース90と、隔壁94に設けられたオイルポンプ79と、隔壁94の下面と周壁95の下面に設けられ、オイルが貯留されるオイル貯留室111aを有する箱型のオイル貯留部111とを有する。
さらに、変速機1は、隔壁94に形成され、オイル貯留室111aの出口部111bとオイルポンプ79とを連通するオイル通路121、122、123と、隔壁94に形成された入口部113に支持され、オイルポンプ79が駆動されると、底壁91C、92Cに貯留されたオイルを吸込み、吸い込んだオイルを入口部113を通してオイル貯留室111aに供給するオイルストレーナ112とを備えている。
これにより、オイルストレーナ112が吸い込んだオイルをオイル貯留室111aに貯留してオイル貯留室111aをオイルで満たすことができる。このため、車両の加減速時に底壁91C、92Cに貯留されたオイルOの油面が変動した場合であっても、オイルポンプ79がオイル貯留室111aに貯留されたオイルを吸引できる。このため、オイルポンプ79によって潤滑部位であるギヤ機構77にオイルを安定して供給できる。
また、変速機1にオイル貯留部111を設けることにより、加減速等によってオイルOの油面の変動が少ない場所にオイルストレーナ112を設置する必要がなくなり、オイルストレーナ112の設置の自由度を向上できる。
また、エンジン2の冷間時等のようにオイルの粘性が高い場合に、オイルポンプ79によりオイルストレーナ112を介して底壁91C、92Cに貯留されたオイルOを吸引すると、オイルの流動抵抗が高く、エンジン2の始動時にオイルを吸引するための応答性が悪化することがある。
これに対して、本実施例の変速機1は、オイルポンプ79によりオイル貯留室111aに貯留されるオイルをオイルストレーナ112を通さずに吸引できるので、オイルの流動抵抗を少なくして、エンジン2の始動時においてオイルを吸引するための応答性が低下することを防止できる。
また、本実施例の変速機1によれば、入口部113は、出口部111bよりも高い位置に設けられているので、車両の急加速等によってオイル貯留室111aに貯留されるオイルの油面が変動する場合に、入口部113からオイルがギヤ室92A側に逆流することを防止できる。このため、オイルポンプ79によってギヤ機構77にオイルを安定して供給できる。
このようにオイル貯留室111aは、常にオイルで満たされているので、オイルストレーナ112からオイルを吸入できない事態が発生した場合でも、オイルポンプ79によってオイル貯留室111aに貯留されるオイルを吸引できる。この結果、オイルポンプ79によってギヤ機構77にオイルを安定して供給でき、ギヤ機構77の潤滑性能を向上できる。
また、本実施例の変速機1によれば、入口部113の下方にオイル貯留室111aが設置されており、オイル貯留室111aの上方にオイルポンプ79が設置されている。オイル貯留部111は、上下方向で入口部113およびオイルポンプ79と並んで設置されており、オイル通路121、122、123が直線状に形成されている。
これにより、オイルポンプ79により吸引されたオイルが流れるオイル通路121、122、123が湾曲しないので、オイルの流動抵抗を小さくできる。このため、オイルポンプ79がオイルを吸引するための負荷を小さくでき、オイルポンプ79の大型化を防止できる上に、オイルポンプ79を駆動するためのエンジン2の負荷を小さくしてエンジン2の燃費を向上できる。
また、オイル通路121、122、123をオイル貯留室111aから吸入ポート79aに向かって直線状に延ばすことができるので、エンジン2の始動時にオイルポンプ79によりオイルストレーナ112を介さずに直ちにオイルを吸い上げることができる。このため、ギヤ機構77の潤滑性能をより効果的に向上できる。
このように本実施例の変速機1は、オイルポンプ79の負荷を小さくして、ギヤ機構77にオイルを速やかに供給してギヤ機構77の潤滑性能をより効果的に向上できる。
また、本実施例の変速機1によれば、オイル貯留室111aに貯留されるオイルは、3つのオイル通路121、122、123を通して吸入ポート79aに導入される。これにより、隔壁94に通路面積の大きい1つのオイル通路を設けた場合に比べて、隔壁94の板厚を大きくしなくても、オイルポンプ79によって多くのオイルを吸い込むことができる。このため、隔壁94が入力軸5の軸方向に大型化することを防止でき、換言すれば、隔壁94の板厚が増大することを防止でき、変速機ケース90の小型化を図ることができる。
また、隔壁94が入力軸5の軸方向に大型化することを防止できるので、隔壁94の周辺に車載部品を設置するスペースを確保でき、車載部品の設置の自由度を向上できる。
また、隔壁94に通路面積の大きい1つのオイル通路を設けた場合には、オイルを吸い込むためにオイルポンプ79の負荷が大きくなるが、径の小さいオイル通路121、122、123によってオイルを吸い込むことにより、オイルポンプ79の負荷を低減できる。
なお、本実施例の変速機1において、隔壁94に3つのオイル通路121、122、123が設けられているが、オイル通路は、2つ以上設けられていればよい。
また、本実施例の変速機1によれば、オイル通路122、123は、オイル通路121よりも通路面積が小さく形成されている。オイル通路121、122、123は、隔壁94に形成されたオイル通路124によって連通されており、オイル通路124は、隔壁94に形成され、オイルポンプ79から吐出された高圧オイルが導入されるリリーフ通路を構成している。
これにより、オイルポンプ79は、オイル通路121、122、123に加えてオイル通路124のオイルを吸引でき、ギヤ機構77により多くのオイルを供給できる。このため、ギヤ機構77の潤滑性能をより効果的に向上できる。
また、オイル通路124にリリーフされたオイルを底壁91C、92Cに戻すのではなく、オイルポンプ79に供給することにより、底壁91C、92CのオイルOの油面が上昇することを防止でき、ファイナルドリブンギヤ81Bの攪拌抵抗が増大することを防止できる。
また、本実施例の変速機1によれば、オイル通路121、122、123が鉛直方向に延びている。隔壁94は、吐出ポート79bから吐出されるオイルが導入されるオイル通路124と、オイル通路124の下流側連通油路124aに連通する上流側連通油路120bを有するオイル通路120とを備えている。
オイル通路120は、オイル通路121の下流部に連通する下流側連通油路120aを有するとともに、下流側連通油路120aから上流側連通油路120bに向かって下方に傾斜して延びている。
これに加えて、オイル通路120は、上流側連通油路120bと下流側連通油路120aとの間においてオイル通路122、123の下流部(上端)に連通している。
これにより、オイル通路122、123がオイル通路120に対して90°以下の角度で交わることになる。このため、オイル通路122、123とオイル通路120とが直交して交わる場合に比べて、オイル通路122、123からオイル通路120にオイルを円滑に導入して、オイル通路120から第1のオイル通路121に導入できる。
このため、オイル通路120を流れるオイルの流動抵抗を少なくして、オイルポンプ79が吸引する単位時間当たりオイル量を多くできる。この結果、ギヤ機構77により多くのオイルを供給でき、ギヤ機構77の潤滑性能をより効果的に向上できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両用変速機、6...前進用アイドル軸(回転軸)、7...後進用アイドル軸(回転軸)、8...中間軸(回転軸)、9...出力軸(回転軸)、10...後進軸(回転軸)、79...オイルポンプ、79a...吸入ポート、79b...吐出ポート、90...変速機ケース、91...トルコンハウジング(変速機ケース)、92...トランスミッションケース(変速機ケース)、94...隔壁(縦壁)、111...オイル貯留部、111a...オイル貯留室、111b...出口部、112...オイルストレーナ、113...入口部、120...オイル通路(連通油路、リリーフ通路、第4のオイル通路)、120a...下流側連通油路、120b...上流側連通油路、121...オイル通路(第1のオイル通路)、122,123...オイル通路(第2のオイル通路)、124 オイル通路(第3のオイル通路)

Claims (5)

  1. オイルが貯留される底壁および前記底壁から上方に延びる縦壁を有し、前記縦壁に回転軸が回転自在に支持される変速機ケースと、
    前記縦壁に設けられたオイルポンプと、
    前記縦壁の下面に設けられ、オイルが貯留されるオイル貯留室を有する箱型のオイル貯留部と、
    前記縦壁に形成され、前記オイル貯留室の出口部と前記オイルポンプとを連通するオイル通路と、
    前記縦壁に形成された入口部に支持され、前記オイルポンプが駆動されると、前記底壁に貯留されたオイルを吸込み、吸い込んだオイルを前記入口部を通して前記オイル貯留室に供給するオイルストレーナとを備え、
    前記入口部は、前記出口部と同じ高さ位置または前記出口部よりも高い位置に設けられていることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記入口部の下方に前記オイル貯留室が設置されており、
    前記オイル貯留室の上方に前記オイルポンプが設置されており、
    前記オイル貯留部は、上下方向で前記入口部および前記オイルポンプと並んで設置されており、
    前記オイル通路が直線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記オイルポンプは、吸入ポートを有し、
    前記オイル通路は、2つ以上設けられており、
    前記オイル貯留室に貯留されるオイルは、前記2つ以上のオイル通路を通して前記吸入ポートに導入されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  4. 前記オイル通路は、第1のオイル通路と、前記第1のオイル通路よりも通路面積が小さい第2のオイル通路とを有し、
    前記第1のオイル通路および前記第2のオイル通路は、前記縦壁に形成された連通油路によって連通されており、
    前記連通油路は、前記縦壁に形成され、前記オイルポンプから吐出された高圧オイルが導入されるリリーフ通路に連通されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用変速機。
  5. 前記第1のオイル通路および前記第2のオイル通路は、鉛直方向に延びており、
    前記オイルポンプは、吐出ポートを有し、
    前記縦壁は、前記吐出ポートから吐出されるオイルが導入される第3のオイル通路と、前記第3のオイル通路の下流部に連通する上流側連通油路を有する第4のオイル通路とを有し、
    前記第4のオイル通路は、前記第1のオイル通路の下流部に連通する下流側連通油路を有するとともに、前記下流側連通油路から前記上流側連通油路に向かって下方に傾斜して延びており、
    前記第4のオイル通路は、前記上流側連通油路と前記下流側連通油路との間において前記第2のオイル通路の下流部に連通していることを特徴とする請求項4に記載の車両用変速機。
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