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JP2020094022A - 賦形剤顆粒、錠剤及び錠剤の製造方法 - Google Patents

賦形剤顆粒、錠剤及び錠剤の製造方法 Download PDF

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JP2020094022A
JP2020094022A JP2018234605A JP2018234605A JP2020094022A JP 2020094022 A JP2020094022 A JP 2020094022A JP 2018234605 A JP2018234605 A JP 2018234605A JP 2018234605 A JP2018234605 A JP 2018234605A JP 2020094022 A JP2020094022 A JP 2020094022A
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忠浩 熊谷
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Yuji Hayashi
裕司 林
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Abstract

【課題】打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度が得られる賦形剤顆粒、並びに、前記賦形剤顆粒を用いた錠剤及びその製造方法を提供する。【解決手段】賦形剤顆粒は、セルロースを含む賦形剤顆粒であって、平均粒子径が50μm以上350μm以下であり、45μm以下の粒子の含有量が全粒子の総質量に対して8質量%未満である。錠剤は、前記賦形剤顆粒と、活性成分と、を含む。錠剤の製造方法は、前記賦形剤顆粒を用いる方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、賦形剤顆粒、錠剤及び錠剤の製造方法に関する。
従来、医薬品、食品、その他化学工業分野における経口用固形製剤の剤形として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等が知られている。特に、最近の錠剤は、高齢者、小児や嚥下力の弱い患者にもより服用しやすい剤形として、水なしでも服用でき、口中に含んだ時又は水の中に入れた時、唾液や少量の水で速やかに崩壊する口腔内崩壊錠の開発が期待されている。
口腔内崩壊錠は、口腔内で速やかに崩壊するという特性に加え、通常の錠剤と同じく、製造、輸送、使用に際しては、摩損しない等の物理的な衝撃に耐えうる十分な硬度を併せ持つことが必要とされている。
また、口中に含んだときに、不快な味や刺激が抑制され、良好な口当たりを有することが、服薬コンプライアンスの面でも望ましい。
近年、口腔内崩壊錠の製造において、薬物不含有顆粒と薬物又は薬物含有顆粒とを圧縮成形して製造する方法が報告されている。
特許文献1には、かさ密度0.23g/cm以下の結晶セルロース、糖アルコール及びアルファ化デンプンを含む薬物不含有顆粒と、薬物又は薬物含有顆粒を圧縮成形して得られる口腔内崩壊錠及びその製造方法が記載されている。特許文献1に記載の口腔内崩壊錠は、口中に含んだ時又は水の中に入れたときに速やかに崩壊し、通常の製造、輸送、使用に際して十分な硬度を持つことが記載されている。
特開2017−008112号公報
しかしながら、特許文献1に記載の薬物不含有顆粒では、十分な硬度の錠剤を得ようとすると、高い打圧で圧縮しなければならず、錠剤が臼及び杵と癒着しやすく、錠剤の割れや欠け(打錠障害)が発生しやすい。打錠障害を抑制するために、滑沢剤を添加することが通常行われるが、滑沢剤は一般的に水との親和性が悪く、口腔内崩壊錠への添加はできるだけ少量が好ましい。また、滑沢剤を多量に入れると成形性が悪化し、十分な硬度を達成するにはさらに高打圧で圧縮成形しなければならないという悪循環もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度が得られる賦形剤顆粒、並びに、前記賦形剤顆粒を用いた錠剤及びその製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、セルロースを含有する賦形剤顆粒において、平均粒子径を特定の範囲とし、且つ、45μm以下の粒子の含有量を少なくすることで、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度が得られる賦形剤顆粒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る賦形剤顆粒は、セルロースを含む賦形剤顆粒であって、平均粒子径が50μm以上350μm以下であり、45μm以下の粒子の含有量が全粒子の総質量に対して8質量%未満である。
前記賦形剤顆粒のゆるみかさ密度が0.1g/cc以上1.0g/cc以下であってもよい。
水分量が前記賦形剤顆粒の総質量に対して1質量%以上15質量%以下であってもよい。
前記セルロースのゆるみかさ密度が0.10g/cc以上0.34g/cc以下であってもよい。
前記セルロースの吸水量が160%以上320%以下であってもよい。
本発明の第2態様に係る錠剤は、上記第1態様に係る賦形剤顆粒と、活性成分と、を含む。
上記第2態様に係る錠剤は、崩壊剤をさらに含んでもよい。
本発明の第3態様に係る錠剤の製造方法は、上記第1態様に係る賦形剤顆粒を用いる方法である。
上記態様の賦形剤顆粒によれば、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度が得られる賦形剤顆粒を提供することができる。上記態様の錠剤及び錠剤の製造方法によれば、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度を有する錠剤が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する場合がある)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
≪賦形剤顆粒≫
本実施形態の賦形剤顆粒は、セルロースを含有する。
本明細書における「賦形剤顆粒」とは、主に賦形剤を造粒し、顆粒にしたものである。賦形剤顆粒は、活性成分を含まないことが好ましい。活性成分を含まないことで、活性成分固有の性質によらずに、口腔内崩壊錠として望ましい崩壊性及び成形性を付与することができる製剤の骨格として機能する。ただし、賦形剤顆粒の機能を阻害しない程度の少量であれば、活性成分を含んでもよい。
本実施形態の賦形剤顆粒の平均粒子径は、50μm以上350μm以下であり、70μm以上350μm以下が好ましく、80μm以上330μm以下がより好ましく、85μm以上320μm以下がさらに好ましい。賦形剤顆粒の平均粒子径が上記範囲内であると、主に成形性により優れる。賦形剤顆粒の平均粒子径は、例えば、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態の賦形剤顆粒において、45μm以下の粒子の含有量が、全粒子の総質量に対して8質量%未満であり、7.9質量%以下が好ましく、7.7質量%以下がより好ましく、7.5質量%以下がさらに好ましい。本発明者らが検討したところ、45μm以下の顆粒粒子は、圧縮成形性が著しく劣り、これらが存在することにより、打錠障害や成形性不足の原因となっていることが明らかとなった。このことから、45μm以下の粒子が上記上限値以下であることにより、打錠障害の発生をより効果的に防ぎ、且つ、低い打圧でもより十分な錠剤硬度が得られる。
45μm以下の粒子を上記範囲内にする方法としては、例えば、後述する造粒条件における造粒時間と結合液の量とのバランスで制御する方法や、篩を用いて45μm以下の粒子を分級する方法等が挙げられる。
45μm以下の粒子の含有量は、例えば、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態の賦形剤顆粒は、上記構成を有することで、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度が得られる賦形剤顆粒を提供することができる。
次いで、本実施形態の賦形剤顆粒の各構成成分について、以下に詳細を説明する。
<セルロース>
本明細書における「セルロース」とは、セルロースを含有する天然由来の水不溶性繊維質物質である。本実施形態の賦形剤顆粒において、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、麦藁、稲藁、コットン、コットンリンター、麻、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等のセルロース原料から加水分解処理等をして得られたセルロースを使用できる。これらセルロース原料を、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合したものを使用してもよい。中でも、セルロース原料としては、木材パルプ又は非木材パルプが好ましく、木材晒パルプ(BP)、木材溶解パルプ(DP)又はコットンリンターパルプがより好ましく、木材晒クラフトパルプ(BKP)又は木材溶解クラフトパルプ(DKP)がさらに好ましい。
中でも、本実施形態の賦形剤顆粒に含まれるセルロースとしては、セルロース粉末が好ましい。一般に、「セルロース粉末」とは、結晶セルロース、粉末セルロース等と称されるものであり、医薬品添加剤又は食品添加物として好適に用いられるものである。また、医薬品添加物規格2018に記載のケイ酸処理結晶セルロース(SMCC)等のように添加物で処理されたものであってもよい。
中でも、セルロース粉末としては、結晶セルロースが好ましい。結晶セルロースとは、少なくとも、食品添加物公定書第9版に記載の微結晶セルロースの確認試験に適合するものであり、日本薬局方第17改定に記載の結晶セルロースの確認試験に適合するものがより好ましい。
本実施形態の賦形剤顆粒におけるセルロースの配合量は、賦形剤顆粒の総質量に対して、3質量%以上90質量%以下が好ましく、5質量%以上60質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。セルロースの配合量が上記下限値以上であることにより、錠剤の成形性により優れる。また、セルロースの配合量が上記上限値以下であることにより、口腔内崩壊錠としての服用感がより優れる傾向がある。
本実施形態の賦形剤顆粒にセルロース粉末を用いる場合、セルロース粉末の平均粒子径は10μm以上200μm以下であり、15μm以上150μm以下が好ましく、15μm以上130μm以下がより好ましく、15μm以上120μm以下がさらに好ましく、15μm以上100μm以下が特に好ましい。セルロース粉末の平均粒子径が上記下限値以上であることにより、錠剤の打錠障害の防止により効果がある。また、平均粒子径が上記範囲内であることにより、錠剤の成形性と崩壊性のバランスにより優れる。
なお、セルロース粉末の平均粒子径は、ロータップ式篩振盪機((株)平工製作所製、シーブシェーカーA型)、並びに、JIS標準篩目開き212μm、177μm、150μm、106μm、75μm、63μm、45μm及び38μmの篩を用いて、セルロース粉末10gを15分間篩分し、各篩の篩上及び38μmの篩を通過した粉末の質量百分率(%)を求め、累積質量百分率が50%のときの粒子径で表した。
セルロース粉末のゆるみかさ密度は0.10g/cc以上0.34g/cc以下が好ましく、0.11g/cc以上0.33g/cc以下がより好ましく、0.12g/cc以上0.30g/cc以下がさらに好ましい。ゆるみかさ密度が上記下限値以上であることにより、圧縮成形性をより向上させることができる。一方、ゆるみかさ密度が上記上限値以下であることにより、錠剤の質量均一性がより良好になる。さらに、ゆるみかさ密度が上記範囲内であることにより、後述する賦形剤顆粒のゆるみかさ密度も好ましい範囲に調整することができる。なお、セルロース粉末のゆるみかさ密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
セルロース粉末のかためかさ密度が0.25g/cc以上0.60g/cc以下が好ましく、0.25g/cc以上0.55g/cc以下がより好ましく、0.25g/cc以上0.50g/cc以下がさらに好ましい。かためかさ密度が前記範囲内であることにより、取り扱い性がより良好になる。なお、セルロース粉末のかためかさ密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
セルロース粉末の圧縮率は21%以上70%以下が好ましく、25%以上60%以下がより好ましく、28%以上60%以下がさらに好ましい。圧縮率が上記範囲内であると、セルロース粉末自身の流動性がより良好で、錠剤の質量均一性の観点で好ましい。
圧縮率は、ゆるみかさ密度(A)及びかためかさ密度(P)を用いて、下記に示す式により、算出することができる。
圧縮率(%) = {(P−A)/P}×100
セルロース粉末の吸水量は160%以上360%以下が好ましく、160%以上350%以下がより好ましく、190%以上320%以下がさらに好ましく、200%以上310%以下が特に好ましく、205%以上310%以下が最も好ましい。本明細書における「吸水量」とは、セルロース粉末の重さを基準として、セルロース粉末がどのくらいの重さの水を吸収するかという指標である。吸水量が上記範囲内であることにより、後述する賦形剤顆粒中の45μm以下の粒子の含有量や水分量が好ましい範囲になり、錠剤としたときの崩壊性がより良好になる。
なお、セルロース粉末の吸水量は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
セルロース粒子の短径(D)に対する長径(L)の比、すなわち、アスペクト比(L/D)は1.3以上4.0以下が好ましく、1.5以上3.8以下がより好ましく、1.8以上3.8以下がさらに好ましく、2.0以上3.8以下が特に好ましい。アスペクト比が上記範囲内であることにより、活性成分や他の成分との混合性もより良好であり、細長い粒子同士の絡み合いも適度であり、成形性及び崩壊性のバランスにより優れる。
なお、セルロース粉末のアスペクト比(L/D)は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
セルロース粒子の安息角の下限値は30°が好ましく、32°がより好ましく、33°がさらに好ましく、34°が特に好ましい。一方、安息角の上限値としては、特に限定されないが、理論上は90°未満であり、80°が好ましく、70°がより好ましく、60°がさらに好ましい。
すなわち、セルロース粒子の安息角は、30°以上90°未満が好ましく、32°以上80°以下がより好ましく、33°以上70°以下がさらに好ましく、34°以上60°以下が特に好ましい。
安息角は粉体の分野で一般的に用いられる流動性の指標であり、安息角が低いほど流動性により優れるものであり、活性成分や他の成分とより均一に混合しやすくなる。
なお、セルロース粉末の安息角は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
<その他成分>
[セルロース以外の賦形剤]
本実施形態の賦形剤顆粒は、セルロースに加えて、セルロース以外の賦形剤を含んでもよい。セルロース以外の賦形剤としては、日本、欧州及び米国の薬局方に適合するものを通常に用いることができ、有機賦形剤であってもよく、無機賦形剤であってもよい。有機賦形剤としては、例えば、糖類、糖アルコール、デンプン類、セルロース誘導体等が挙げられる。糖類としては、例えば、乳糖、ショ糖、フラクトオリゴ糖、ブドウ糖、パラチノース、マルトース、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、果糖、異性化乳糖、蜂蜜糖等が挙げられる。これら糖類は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。糖アルコールとしては、例えば、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール等が挙げられる。これら糖アルコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。デンプン類としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、部分アルファ化デンプン等が挙げられる。これらデンプン類は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。セルロース誘導体としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。これらセルロース誘導体は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
無機賦形剤としては、例えば、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これら無機賦形剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、セルロース以外の賦形剤としては、糖アルコール又はデンプン類が好ましく、D−マンニトール又は部分アルファ化デンプンがより好ましい。
賦形剤として糖アルコールを用いる場合、粒子径は10μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましい。糖アルコールの粒子径は、レーザー回折式粒度測定法により測定でき、レーザー回折式粒度分布計(LA−950 V2型(商品名)、堀場製作所製)で測定される累積体積50%の粒子径である。
る。糖アルコールは市販のものを適宜使用できる。
セルロース以外の賦形剤の配合量は、適宜選択することができ、賦形剤顆粒の総質量に対して、20質量%以上97質量%以下が好ましく、30質量%以上85質量%以下がより好ましい。
[結合剤]
本実施形態の賦形剤顆粒は、セルロースに加えて、結合剤を含んでもよい。結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デキストリン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、マクロゴール等が挙げられる。これら結合剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、結合剤としては、ポリビニルピロリドン又はアルファ化デンプンが好ましい。
結合剤の配合量は、賦形剤顆粒の総質量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上6質量%以下が特に好ましい。
[崩壊剤]
本実施形態の賦形剤顆粒は、セルロースに加えて、崩壊剤を含んでもよい。崩壊剤としては、例えば、セルロース類、デンプン類、合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として分類されるものが挙げられる。セルロース類としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。デンプン類としては、例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン等が挙げられる。合成高分子としては、例えば、クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等が挙げられる。これら崩壊剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
崩壊剤の配合量は、賦形剤顆粒の総質量に対して、0.5質量%以上30質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、2質量%以上15質量%以下がさらに好ましく、3質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
<賦形剤顆粒の製造方法>
本実施形態の賦形剤顆粒の製造方法としては、例えば、乾式造粒、湿式造粒、加熱造粒、噴霧造粒、マイクロカプセル化等が挙げられる。湿式造粒法として具体的には、例えば、流動層造粒法、攪拌造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法、転動造粒法等が有効である。流動層造粒法では、流動層造粒装置の中で、流動化された粉体に結合液を噴霧して造粒する。攪拌造粒法では、結合液を添加しながら、混合槽内で攪拌羽根を回転させることにより、粉体の混合、練合及び造粒が密閉構造の中で同時に行われる。押し出し造粒法では、結合液の添加によって練合された湿潤塊をスクリュー式やバスケット式等の方法で、適当な大きさのスクリーンから強制的に押し出すことにより造粒する。破砕造粒法では、結合液の添加によって練合された湿潤塊を造粒機の回転刃で剪断及び破砕し、その遠心力によって外周のスクリーンからはじき出すことにより造粒する。転動造粒法では、回転するローターの遠心力によって転動し、この時スプレーガンから噴霧される結合液によって、雪だるま式に粒子径の均一な球形顆粒を成長させていくことにより造粒する。
本実施形態の賦形剤顆粒の製造方法としては、いずれの方法も適用可能であるが、本発明者らは、流動層造粒法にて顆粒を製造した場合に、打錠障害の防止効果や、成形性及び崩壊性のバランスにより優れた賦形剤顆粒を得られることを見出した。
流動層造粒法で噴霧する結合液は、上記結合剤を適宜水、エタノール、メタノール等の溶媒に分散又は溶解して調整される。結合液の調整条件は適宜選択することができ、特に制限されないが、調製固形分濃度が0.5質量%以上50質量%以下となるように調整することが好ましく、0.5質量%以上30質量%以下となるように調整することがより好ましく、0.5質量%以上20質量%以下となるように調整することがさらに好ましい。結合液の固形分濃度が上記範囲内であると、平均粒子径が45μm以下の粒子の含有量を好ましい範囲に調整する上でより都合が良く、ゆるみかさ密度もより好ましい範囲に調整することができる。
結合液の噴霧方法は、例えば、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し結合液を噴霧する方法、管状ノズルから結合液を滴下する方法、連続噴霧法又は造粒工程の途中で乾燥工程や更にシェーキング工程を設ける等、一定時間噴霧した後、一定時間乾燥等のサイクルを繰り返して行う間歇噴霧法等が挙げられるが、粒子の結合を促進し、造粒品が得ることができれば特に制限されない。
結合液の噴霧量は、造粒できる量であれば特に限定されないが、上記固形分濃度の結合液を、賦形剤顆粒100質量%あたりに必要な結合剤の配合量として噴霧する。噴霧量を多くすることにより、45μm以下の粒子の含有量(微粉)をより少なくすることができ、賦形剤顆粒の水分量をより多くすることができる。
噴霧速度は、造粒できる速度であれば特に限定されない。例えば、1kgの造粒品を製造する際の噴霧速度は、3g/min以上30g/min以下とすることができる。
賦形剤顆粒は、造粒後に乾燥することもできる。乾燥方法は、通常製薬学的に乾燥する方法であれば特に制限されないが、例えば、熱風加熱型、伝導伝熱型、凍結乾燥等が挙げられる。熱風加熱型では、添加剤に熱風を直接接触させ、同時に蒸発水分を除去する。熱風加熱型として具体的には、例えば、棚乾燥、真空乾燥、流動層乾燥等が挙げられる。伝導伝熱型では、伝熱壁を通して添加剤を間接的に加熱させる。伝導伝熱型として具体的には、例えば、平鍋型、棚段箱型、ドラム型等が挙げられる。凍結乾燥では、添加剤を−10℃以上40℃以下で凍結させておき、次に高真空下(1.3×10−5MPa以上2.6×10−4MPa以下)で加温することによって、水を昇華させて除去する。
乾燥時間は、乾燥温度や賦形剤顆粒の量に応じて、適宜調整できる。例えば、1kgの造粒品を流動層乾燥、乾燥温度80℃で乾燥する場合、乾燥時間は10分以上60分以下とすることができる。また、賦形剤顆粒の水分量は乾燥時間と温度とのバランスで適宜調整することができる。
<賦形剤顆粒の物性>
[ゆるみかさ密度]
賦形剤顆粒のゆるみかさ密度は、0.1g/cc以上1.0g/cc以下が好ましく、0.1g/cc以上0.5g/cc以下がより好ましく、0.15g/cc以上0.4g/cc以下がさらに好ましい。ゆるみかさ密度が上記範囲内であることにより、錠剤の質量均一性及び成形性により優れる傾向にある。賦形剤顆粒のゆるみかさ密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
[かためかさ密度]
賦形剤顆粒のかためかさ密度は、0.15g/cc以上1.5g/cc以下が好ましく、0.15g/cc以上0.5g/cc以下がより好ましく、0.15g/cc以上0.45g/cc以下がさらに好ましい。かためかさ密度が上記範囲内であることにより、取り扱い性がより良好になる。また、活性成分、活性成分含有顆粒又は他の成分との混合性もより良好になる。賦形剤顆粒のかためかさ密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
[水分量]
賦形剤顆粒の水分量は、賦形剤顆粒の総質量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上7質量%以下がさらに好ましい。賦形剤顆粒の水分量が上記下限値以上であることにより、打錠障害の発生をより抑制できる。また、水分量が上記上限値以下であることにより、錠剤の成形性及び崩壊性のバランスがより良好であり、錠剤の保存安定性にもより優れる。賦形剤顆粒の水分量は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
≪錠剤≫
本実施形態の錠剤は、上記賦形剤顆粒と、活性成分と、を含む。
本実施形態の錠剤は、上記賦形剤顆粒を含むことで、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度を有する錠剤が得られる。また、本実施形態の錠剤は、口腔内崩壊錠に好適である。
本実施形態の錠剤において、賦形剤顆粒の配合量は、任意の割合とすることができるが、錠剤全体の質量に対して、95質量%以下が実用的に好ましい範囲である。下限値は5質量%が実用的である。活性成分を多く含む錠剤である場合には、賦形剤顆粒の配合量は、5質量%以上90質量%以下が好ましく、5質量%以上80質量%以下がより好ましく、10質量%以上70質量%以下がさらに好ましく、10質量%以上75質量%以下が特に好ましい。
<活性成分>
本明細書における「活性成分」とは、混合粉体、成形物、加工物等に対して、医薬品、健康食品、食品、工業分野等で目的とする機能や効果を発揮させるために添加するものをいう。例えば、医薬品分野における活性成分は、医薬品薬効成分である。
以下に、本実施形態の錠剤に含まれる活性成分として好適なものを例示する。
医薬品薬効成分としては、経口投与される医薬品の有効成分が好ましい。経口投与される医薬品としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤等が挙げられる。これら医薬品薬効成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
医薬品薬効成分として具体的には、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、塩酸イソチベンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、クエン酸ペントキシベリン(クエン酸カルベタペンタン)、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリウム、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファン・フェノールフタリン酸、ヒベンズ酸チペピジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl−塩酸メチルエフェドリン、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB6及びその誘導体並びにそれらの塩類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル(乾燥水酸化アルミニウムゲルとして)、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩酸ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ナプロキセン、ジクロフェナックナトリウム、ピロキシカム、アズレン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、塩酸ジフェニドール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン、塩酸メクリジン、ジメンヒドリナート、タンニン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸フェネタジン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸ジフェンヒドラミン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、臭化水素酸スポコラミン、塩酸オキシフェンサイクリミン、塩酸ジサイクロミン、塩酸メチキセン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスポコラミン、臭化メチル−1−ヒヨスチアミン、臭化メチルベナクチジウム、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸、シュウ酸セシウム、ピペリジルアセチルアミノ安息香酸エチル、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、炭酸水素ナトリウム、フルスルチアミン、硝酸イソソルバイド、エフェドリン、セファレキシン、アンピシリン、スルフィキサゾール、スクラルファート、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、地竜、チクセツニンジン、ニンジン、カノコソウ、ボタンピ、サンショウ、インスリン、バゾプレッシン、インターフェロン、ウロキナーゼ、セラチオペプチターゼ、ソマトスタチン等の「日本薬局方」、「日本薬局方外医薬品規格(局外基)」、「米国薬局方(USP)」、「国民医薬品集(NF)」、「ヨーロッパ薬局方(EP)」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。これら医薬品薬効成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
健康食品用の活性成分としては、健康増強を目的のために配合する成分であれば限定されない。健康食品用の活性成分として具体的には、例えば、青汁粉末、アグリコン、アガリクス、アシュワガンダ、アスタキサンチン、アセロラ、アミノ酸、アルギン酸、いちょう葉エキス、イワシペプチド、ウコン、ウロン酸、エキナセア、エゾウコギ、オリゴ糖、オレイン酸、核タンパク、カツオブシペプチド、カテキン、カリウム、カルシウム、カロチノイド、ガルシニア、L−カルニチン、キトサン、共役リノール酸、キダチアロエ、ギムネマシルベスタエキス、クエン酸、クミスクチン、グリセリド、グリセノール、グルカゴン、クルクミン、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、L-グルタミン、クロレラ、クランベリーエキス、キャッツクロー、ゲルマニウム、酵素、高麗人参エキス、コエンザイムQ10、コラーゲン、コラーゲンペプチド、コリウスフォルスコリン、コンドロイチン、サイリウムハスク末、サンザシエキス、サポニン、脂質、L−シスチン、シソエキス、シトリマックス、脂肪酸、植物ステロール、種子エキス、スピルリナ、スクワレン、セイヨウシロヤナギ、セラミド、セレン、セントジョーンズワートエキス、大豆イソフラボン、大豆サポニン、大豆ペプチド、大豆レシチン、単糖、タンパク質、チェストツリーエキス、鉄、銅、ドコサヘキサエン酸、トコトリエノール、納豆キナーゼ、納豆菌培養エキス、ナイアシンナトリウム、ニコチン酸、二糖、乳酸菌、ニンニク、ノコギリヤシ、発芽米、ハトムギエキス、ハーブエキス、バレリヤンエキス、パントテン酸、ヒアルロン酸、ビオチン、ピコリン酸クロム、ビタミンA、ビタミンA2、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ヒドロキシチロソール、ビフィズス菌、ビール酵母、フラクトオリゴ糖、フラボノイド、ブッチャーズブルームエキス、ブラックコホシュ、ブルーベリー、プルーンエキス、プロアントシアニジン、プロテイン、プロポリス、ブロメライン、プロバイオティクス、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、β−カロチン、ペプチド、ベニバナエキス、マイタケエキス、マカエキス、マグネシウム、マリアアザミ、マンガン、ミトコンドリア、ミネラル、ムコ多糖、メラトニン、メシマコブ、メリロートエキス末、モリブデン、野菜粉末、葉酸、ラクトース、リコピン、リノール酸、リポ酸、燐(リン)、ルテイン、レシチン、ロズマリン酸、ローヤルゼリー、DHA、EPA等が挙げられる。アミノ酸としては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、シスチン、チロシン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、海藻粉末、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン等が挙げられる。これら健康食品用の活性成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
活性成分は、水溶性であってもよく、難溶性であってもよい。「難溶性」とは、第17改正日本薬局方において、溶質1gを溶かすのに必要な水量が30mL以上必要であることを指す。
水難溶性で固体状の活性成分としては、例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、キニーネ、グルコン酸カルシウム、ジメチルカプロール、スルフアミン、テオフィリン、テオプロミン、リボフラビン、メフェネシン、フェノバービタル、アミノフィリン、チオアセタゾン、クエルセチン、ルチン、サリチル酸、テオフィリンナトリウム塩、ピラピタール、塩酸キニーネ、イルガピリン、ジキトキシン、グリセオフルビン、フェナセチン等の解熱鎮痛薬、神経系医薬、鎮静催眠薬、筋弛緩剤、血圧硬化剤、抗ヒスタミン剤等;アセチルスピラマイシン、アンピシリン、エリスロマイシン、キサタマイシン、クロラムフェニコール、トリアセチルオレアンドマイシン、ナイスタチン、硫酸コリスチン等の抗生物質;メチルテストステロン、メチルアンドロステトロンジオール、プロゲステロン、エストラジオールベンゾエイト、エチニレストラジオール、デオキシコルチコステロン・アセテート、コーチゾンアセテート、ハイドロコーチゾン、ハイドロコーチゾンアセテート、ブレドニゾロン等のステロイドホルモン剤;ジエンストロール、ヘキサストロール、ジエチルスチルベステロール、ジエチルスチルベステロールジブロヒオネイト、クロロトリアニセン等の非ステロイド系卵黄ホルモン剤;その他脂溶性ビタミン類等の、「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。これら水難溶性で固体状の活性成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
活性成分は、水難溶性で油状又は液状のものであってもよい。水難溶性で油状又は液状の活性成分としては、例えば、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、メナテトレノン、フェニペントール、フィトナジオン、ビタミン類、高級不飽和脂肪酸類、補酵素Q類、油溶性香味料等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA油、ビタミンD、ビタミンE等が挙げられる。ビタミンEには種々の同族体、誘導体があるが、常温で液状であれば特に限定されない。ビタミンEとして具体的には、例えば、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール等が挙げられる。高級不飽和脂肪酸類としては、例えば、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等が挙げられる。油溶性香味料としては、例えば、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油等が挙げられる。これら水難溶性で油状又は液状の活性成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
活性成分は、水難溶性で半固形状のものでもよい。水難溶性で半固形状の活性成分としては、例えば、漢方又は生薬エキス類、カキ肉エキス、プロポリス及びプロポリス抽出物、補酵素Q類等が挙げられる。漢方又は生薬エキス類としては、例えば、地竜、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ボタンピ、カノコソウ、サンショウ、ショウキョウ、チンピ、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネカ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンヒ、ビャクジュツ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、紫胡桂枝湯、小紫胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等が挙げられる。これら水難溶性で半固形状の活性成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
活性成分は、昇華性のものでもよい。なお、本明細書における「昇華性の活性成分」とは、昇華性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、常温で固体状であってもよく、液体状であってもよく、半固体状であってもよい。昇華性の活性成分としては、例えば、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、サリチル酸、フェナセチン、イブプロフェン等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載される昇華性の医薬品薬効成分等が挙げられる。これら昇華性の活性成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの活性成分は、微粉砕された状態で、本実施形態の錠剤中に賦形剤顆粒と共に配合されてもよい。例えば、活性成分の分散性を改善する、又は微量で薬効を有する活性成分の混合均一性を改善する等の目的である場合に、本実施形態の錠剤において使用される活性成分の平均粒子径としては、1μm以上40μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましく、1μm以上10μm以下がさらに好ましい。
(活性成分含有顆粒)
本実施形態の錠剤に使用される活性成分は、顆粒状であってもよい。活性成分含有顆粒は、例えば、慣用の押し出し造粒法、混合攪拌造粒法、高速攪拌造粒法、流動層造粒法、転動造粒法等で製造できる。
(コーティング)
活性成分又は活性成分含有顆粒は、苦味や刺激性などの不快な味、においのマスキングや、溶出性の制御のためにコーティングを施すこともできる。コーティングには、後述するコーティング剤及び可塑剤を適宜用いることができる。コーティング方法は、例えば、流動層造粒・コーティング機、転動流動層造粒・コーティング機、遠心流動型造粒・コーティング機、ワースター型流動層造粒・コーティング機を用いることで行われる。また、ワックス状物質を加温融解し、これに活性成分と、必要に応じて糖アルコール、合成ケイ酸アルミニウム、含水二酸化ケイ素などの成分を添加して分散又は溶解した後、当該分散液又は溶液を噴霧造粒して、不快な味、においをマスキングした活性成分含有顆粒を得ることもできる。
活性成分又は活性成分含有顆粒は、苦味や刺激性等の不快な味、においのマスキングや、溶出性の制御のためにコーティングを施すこともできる。コーティングには、後述するコーティング剤及び可塑剤を適宜用いることができる。コーティング方法としては、例えば、流動層造粒・コーティング機、転動流動層造粒・コーティング機、遠心流動型造粒・コーティング機、ワースター型流動層造粒・コーティング機を用いる方法等が挙げられる。また、ワックス状物質を加温融解し、これに活性成分と、必要に応じて糖アルコール、合成ケイ酸アルミニウム、含水二酸化ケイ素等の成分を添加して分散又は溶解した後、当該分散液又は溶液を噴霧造粒して、不快な味、においをマスキングした活性成分含有顆粒を得ることもできる。
コーティング剤としては、例えば、エチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸コポリマーL、乾燥メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリビニルアセタール・ジエチルアミノアセテート、ポリ酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらコーティング剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
コーティング剤と組み合わせられる可塑剤としては、例えば、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、トリアセチン等が挙げられる。これら可塑剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他添加剤>
本実施形態の錠剤は、必要に応じて、その他添加剤をさらに含有してもよい。その他添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファ化デンプン、軽石粒、イノシトール、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー3、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ケイ酸処理結晶セルロース(SMCC)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ダイズ硬化油、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール1000モノセチルエーテル、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、乳糖造粒物、パーフィラー101、白色セラック、白色ワセリン、ハクド、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファ化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
崩壊剤としては、セルロース誘導体、デンプン類、合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として分類されるものが挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。デンプン類としては、例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン等が挙げられる。合成高分子としては、例えば、クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等が挙げられる。これら崩壊剤を1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
崩壊剤の配合量は、錠剤全体の質量に対して、0.5質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
結合剤としては、糖類、糖アルコール類、水溶性多糖類、セルロース類、デンプン類、合成高分子類、無機化合物類等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に結合剤として分類されるものが挙げられる。糖類としては、例えば、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等が挙げられる。糖アルコール類としては、例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。水溶性多糖類としては、例えば、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等が挙げられる。セルロース類としては、例えば、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。デンプン類としては、例えば、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、デンプン糊等が挙げられる。合成高分子類としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等が挙げられる。無機化合物類としては、例えば、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。これら結合剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
流動化剤としては、例えば、ケイ素化合物類等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に流動化剤として分類されるものが挙げられる。ケイ素化合物類としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。これら流動化剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社発行)に滑沢剤として分類されるものが挙げられる。これら滑沢剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤の配合量は、錠剤全体の質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
矯味剤としては、例えば、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に矯味剤として分類されるものが挙げられる。これら矯味剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
香料としては、油類、緑茶末等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社発行)に着香剤、香料として分類されるものが挙げられる。油類としては、例えば、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等が挙げられる。これら香料を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社発行)に着色剤として分類されるものが挙げられる。食用色素としては、例えば、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等が挙げられる。これら着色剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社発行)に甘味剤として分類されるものが挙げられる。これら甘味剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<錠剤の製造方法>
本実施形態の錠剤の製造方法は、上記賦形剤顆粒を用いる方法である。
1種以上の活性成分又は活性成分含有顆粒と上記賦形剤顆粒との混合物を錠剤化することで得られる。本実施形態の錠剤の製造方法について以下に例示するが、これは一例であって、本実施形態の錠剤の製造方法は以下の方法に制限されるものではない。
本実施形態の錠剤の製造方法としては、例えば、活性成分又は活性成分含有顆粒と上記賦形剤顆粒とを混合した後、圧縮成形する方法等が挙げられる。この際に、活性成分又は活性成分含有顆粒以外に、必要に応じて、その他添加剤を配合してもよい。その他添加剤としては、上記「その他添加剤」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
本実施形態の錠剤の製造方法において、各成分の添加順序には、特に制限がなく、例えば、以下のi)又はii)に示す方法等が挙げられる。
i)活性成分又は活性成分含有顆粒と上記賦形剤顆粒と、必要に応じて、その他添加剤と、を一括混合し、圧縮成形する方法;
ii)活性成分又は活性成分含有顆粒と、流動化剤及び崩壊剤剤のうち少なくともいずれかの添加剤等を前処理混合し、上記賦形剤顆粒と、必要に応じて、その他添加剤を混合した後、圧縮成形する方法
中でも、各成分の添加順序としては、操作の簡便性から、i)が好ましい。i)及びii)において得られた圧縮成形用混合末に、滑沢剤を添加し、さらに混合した後、圧縮成形することもできる。各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、例えば、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加してもよく、一括投入してもよい。
混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、例えば、容器回転式混合機、撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機等を使用して混合してもよい。容器回転式混合機としては、例えば、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機等が挙げられる。撹拌式混合機としては、例えば、高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機等が挙げられる。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
錠剤の圧縮成形方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、例えば、臼と杵とを使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法等が挙げられる。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機が挙げられる。ローラー式プレス機としては、例えば、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等が挙げられる。
錠剤に成形する方法としては、例えば、活性成分と上記賦形剤顆粒とを混合したもの、又は、1種以上の活性成分と上記賦形剤顆粒と、必要に応じて、その他添加剤と、を混合したものを圧縮成形するセミ直接打錠法や、活性成分含有顆粒と上記賦形剤顆粒を混合したもの、又は、1種以上の活性成分含有顆粒と上記賦形剤顆粒と、必要に応じて、その他添加剤を混合したものを圧縮成形する湿式顆粒圧縮法等が挙げられる。その他、予め圧縮成形した錠剤を内核とする多核錠の製造方法、予め圧縮した複数の成形体を重ねて再度圧縮する多層錠の製造方法等を使用してもよい。中でも、生産性、工程管理のし易さでは、錠剤に成形する方法としては、セミ直接打錠法が好ましく、各種成分の均一化では、湿式顆粒圧縮法が好ましい。
圧縮成形した錠剤に、さらにコーティングを施してもよい。この場合に用いるコーティング剤としては、例えば、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)に記載されるコーティング剤が挙げられる。これらコーティング剤を1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本実施形態を詳しく説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られた賦形剤顆粒の物性及びその測定方法、並びに、錠剤の評価方法は以下のとおりである。
<測定方法>
賦形剤顆粒及びセルロース粉末の物性は、以下に示す方法を用いて測定した。
[物性1]ゆるみかさ密度
賦形剤顆粒及びセルロース粉末のゆるみかさ密度の測定にはスコットボリュームメーター(型式ASTM B−329−85、筒井理化学器械製)を使用し、篩(目開き1mm)を通じて各試料を25ccの円筒金属容器に充填した。25ccの円筒金属容器に入った各試料を摺り切り、容器に入った各試料の質量(g)を25ccで除して、ゆるみかさ密度を求めた。測定は3回実施し、平均値を求めた。各試料のゆるみかさ密度を測定する場合には、水分量を3.5質量%以上4.5質量%以下に調整した試料を用いた。各試料の水分量は、試料3gについて赤外線式水分計(FD−240、ケット科学研究所製)を用いて、自動測定モード(105℃、監視時間60秒)で測定した。水分量の測定は2回実施し、平均値を求めた。
[物性2]セルロース粉末のかためかさ密度
粉体物性測定機(PT−R、ホソカワミクロン製)を使用して、セルロース粉末のかためかさ密度(かため見掛け比重)(g/cc)を計算した。使用した篩の目開きは710μm、ロートは金属製の内径0.8cmのものを使用した。VIBRATIONは2.0(供給電源:AC100V、60Hz)で実施した。測定には、水分量を3.5質量%以上4.5質量%以下に調整したセルロース粉末を用いた。
[物性3]セルロース粉末のアスペクト比
セルロース粉末をガラス板上に分散させ、マイクロスコープ(VHX−1000、キーエンス製)を用いて倍率500倍で撮影した。撮影した画像を、画像処理解析システムソフトウェア(Image HyperII、DigiMo製)を用いて以下の手順で解析して、粒子のアスペクト比(短径(D)に対する長径(L)の比;L/D)を測定した。少なくとも50個の粒子について測定を行い、平均値を求めた。
(1)手順1:2値化処理
マイクロスコープで撮影した画像をモノクロで解析ソフトに取り込み、画像のスケールの設定を2点間距離法で行った。次に、2値化処理にて「大津法」を選択し、閾値の設定を行った。最適な閾値は画像ごとに異なるため、元画像と見比べつつ、なるべく元の粒子の形状と一致するよう、閾値を選択した。
(2)手順2:2値化手補正
撮影した元画像と見比べつつ、粒子同士が重なっているもの、画面からはみ出ている粒子、不鮮明で輪郭がぼやけている粒子等、適切な測定結果が得られない粒子は削除し、測定対象から除外した。
(3)手順3:穴埋め
「穴埋め」のモードで、「近傍」は「8」を選択し、「穴埋め」を実行した。次に、再度、「2値画像手補正」にて元画像と比較を行い、正常に補正できているか確認した。正常に補正できていない場合は、再度手補正を行った。
(4)手順4:画像計測
削除画素数を「1,000」に設定し、「近傍」は「8」を選定した後、「画像計測」を実行した。測定粒子1個毎に「長径」及び「短径」の計測結果が、パソコン上にて表示される。「長径」を「短径」で除した数値をアスペクト比とした。
[物性4]セルロース粉末の安息角
測定には、水分量が3.5質量%以上4.5質量%以下のセルロース粉末を用いた。セルロース粉末の安息角は、杉原式安息角測定器(スリットサイズ:奥行10×幅50×高さ140mm、幅50mmの位置に分度器を設置)を使用し、セルロース粉末を定量フィーダーにて50cc/分の速度でスリットに投下した際の動的自流動性を測定して求めた。装置底部とセルロース粉末の形成層との角度が安息角である。測定は5回実施し、平均値を求めた。
[物性5]セルロース粉末の吸水量
セルロース粉末の吸水量は、以下に示す方法を用いて算出した。乾燥した試料を用い、プラスチック製の50mL遠心分離用チューブ(NalgeneTM High-Speed Round-Bottom PPCO Centrifuge Tubes、品番:3110-0500)に、セルロース粉末1gを量り取り(実際に量り取った質量を「Wi」[g]とした)、純水30mLを加え、薬さじでかき混ぜながら分散させ、セルロース粉末全体が純水に浸るようにした。30分静置後、遠心分離(遠心力:2000G、時間:10分、温度:20℃)して、固形分を沈殿させた。沈殿したセルロース層を崩さないように遠心分離用チューブの口を下に傾け、上澄み液を除き、ペーパータオルを敷いた台上で遠心分離用チューブの口を水平から下に30°傾けた状態で5分間静置することにより、過剰な水を切った。次いで、吸水したセルロース粉末の質量(Wf[g])を測定した。得られたWi及びWfを用いて、下記に示す式により、吸水量(%)を算出した。
吸水量(%) = {(Wf-Wi)/Wi}×100
[物性6]賦形剤顆粒の平均粒子径
賦形剤顆粒の平均粒子径は、ロータップ式篩振盪機((株)平工製作所製、シーブシェーカーA型)、並びに、JIS標準篩目開き500μm、300μm、250μm、212μm、150μm、106μm、75μm及び45μmの篩を用いて、賦形剤顆粒10gを10分間篩分し、各篩の篩上及び45μmの篩を通過した顆粒の質量百分率(%)を求め、累積質量百分率が50%のときの粒子径で表した。
[物性7]賦形剤顆粒の45μm以下の粒子の含有量
賦形剤顆粒の45μm以下の粒子の含有量は、上記「物性6」に記載の賦形剤顆粒の平均粒子径の測定方法において、45μmの篩を通過した顆粒の質量百分率(%)で表した。
[物性8]賦形剤顆粒のかためかさ密度
100ccのプラスチック製メスシリンダーに賦形剤顆粒30gを疎充填した。ゴム板を敷いた机の様な衝撃の低い台の上で、手でタッピングを行った。タッピングは数cmの高さから台に垂直に落とすようにして行い、賦形剤顆粒の圧密が止まるまで行った。タッピング終了後、賦形剤顆粒層の容積を読みとり、賦形剤顆粒の質量(g)を賦形剤顆粒層の容積(cc)で除して、かためかさ密度を求めた。測定は3回実施し、平均値を求めた。
[物性9]賦形剤顆粒の水分量
試料3gについて赤外線式水分計(FD−220、ケット科学研究所製)を用いて、自動測定モード(105℃、監視時間60秒)で測定した。測定は2回実施し、平均値を求めた。
<評価方法>
実施例及び比較例で得られた錠剤について、以下に示す方法を用いて評価を行った。
[評価1]打錠障害
実施例及び比較例で得られた錠剤について、(1)チッピング率、(2)キャッピング率、(3)質量CV値の3つを評価指標として、打錠障害を評価した。以下に各評価指標の詳細を説明する。なお、この3つの評価指標のうち、1つ以上が「打錠障害がある」と評価された場合には、当該錠剤は、打錠障害があると評価した。
(1)チッピング率
チッピングとは、錠剤を圧縮成形する際に、錠剤に割れ目やヒビが生じ、破片化する現象である。打錠される錠剤のうち、300錠について、以下に示す評価基準に従い、錠剤を評価した。なお、サンプリングされた300錠の錠剤のうち、チッピングのある錠剤が1個以上の場合(△又は×)に、打錠障害があると評価した。
(評価基準)
○・・・300錠すべて外観に問題なし
△・・・チッピング(カケ)のある錠剤が1個以上3個以下
×・・・チッピング(カケ)のある錠剤が4個以上
(2)キャッピング率
キャッピングとは錠剤を圧縮成形する際に、錠剤にクラックが発生したり、一部が剥離したりする現象である。打錠される錠剤のうち、300錠について、以下に示す評価基準に従い、錠剤を評価した。なお、サンプリングされた300錠の錠剤のうち、キャッピングのある錠剤が1個以上の場合(△又は×)に、打錠障害があると評価した。
(評価基準)
○・・・300錠すべて外観に問題なし
△・・・キャッピング(剥離)のある錠剤が1個以上3個以下
×・・・キャッピング(剥離)のある錠剤が4個以上
(3)質量CV値
質量CV値は、打錠後の錠剤10個を任意にサンプリングしたものの質量を測定し、その測定値の平均値及び標準偏差を用いて、以下の式により算出されるものである。質量CV値が1.0%よりも大きい場合、打錠障害があると評価した。
質量CV値(%) = (標準偏差/平均値)×100
[評価2]錠剤の硬度
錠剤について、打錠直後から20時間以上48時間以下経過した後に、その硬度を硬度計(DR.SCHLEUNIGER Tablet Tester 8M)で測定した。10錠の平均値を錠剤の硬度とした。
[評価3]錠剤の崩壊時間
錠剤について、口腔内崩壊錠試験器(富山産業株式会社製、型式ODT−101)を用いて、試験液:水(37±1℃)、錘直径φ20mm、錘質量:20g、回転速度:140rpmの条件で、錠剤を試料固定枠の中央の穴の左端に寄せてセットし、崩壊時間を測定した。6錠の平均値を錠剤の崩壊時間とした。
<賦形剤顆粒の製造>
[実施例1]賦形剤顆粒Aの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):340.2g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスUF−711、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.22g/cc、吸水量239%、L/D2.8、安息角42°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):35.0gを精製水:313.0gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Aを得た。
[実施例2]賦形剤顆粒Bの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):335.3g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスUF−711、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.22g/cc、吸水量239%、L/D2.8、安息角42°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):39.9gを精製水:356.1gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Bを得た。
[実施例3]賦形剤顆粒Cの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):285.2g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスUF−711、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.22g/cc、吸水量239%、L/D2.8、安息角42°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):90gを精製水:486gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Cを得た。
[実施例4]賦形剤顆粒Dの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):415g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスUF-702、平均粒子径90μm、ゆるみかさ密度0.29g/cc、吸水量235%、L/D2.6、安息角34°):145g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):25.2gを精製水:226.8gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Dを得た。
[実施例5]賦形剤顆粒Eの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):350g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスKG-1000、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.12g/cc、吸水量291%、L/D3.5、安息角57°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):25.2gを精製水:226.8gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Eを得た。
[実施例6]賦形剤顆粒Fの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):350g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスPH-101、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.29g/cc、吸水量195%、L/D1.8、安息角45°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):25.2gを精製水:358.8gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を50℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Fを得た。
[実施例7]賦形剤顆粒Gの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):350g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスUF-702、平均粒子径90μm、ゆるみかさ密度0.29g/cc、吸水量235%、L/D2.6、安息角34°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):25.2gを精製水:226.8gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Gを得た。
[比較例1]賦形剤顆粒Hの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):350g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスUF-711、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.22g/cc、吸水量239%、L/D2.8、安息角42°):210g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):25.2gを精製水226.8gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Hを得た。
[比較例2]賦形剤顆粒Iの製造
D−マンニトール(SPI Pharma製):560g、及び、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):140gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):25.2gを精製水:226.8gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで賦形剤顆粒Iを得た。
得られた賦形剤顆粒A〜Iの物性を、上記測定方法を用いて測定した。結果を以下の表1に示す。
Figure 2020094022
<錠剤の製造>
[実施例8〜14及び比較例3〜4]錠剤T−a1〜T−a7及びT−b1〜T−b2の製造
(1)活性成分含有顆粒の製造
N−アセチルグルコサミン(焼津水産化学工業株式会社製、マリンスウィートYSK):640g、及び、D−マンニトール(SPI Pharma製):160gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP−01型)に投入した。次いで、ポリビニルピロリドン(五協産業株式会社製、PVP K−30):28.8gを精製水:259.2gに溶解した液を12g/minで流動層造粒機内に噴霧後、入口温度を80℃に設定し、出口温度が40℃になるまで乾燥することで活性成分含有顆粒を得た。
(2)錠剤の製造
実施例1〜7及び比較例1〜2で得られた賦形剤顆粒A〜Iを用いて錠剤を製造した。具体的には、上記(1)で製造した活性成分含有顆粒:423g、賦形剤顆粒A〜Iのうちいずれかの賦形剤顆粒:450g、及び、クロスポビドン(BASF製、コリドンCL−SF):27gをポリエチレン袋中で1分間混合し、混合物を得た。得られた混合物:900gにフマル酸ステアリルナトリウム(日曹商事株式会社):4.5gを混合後、ロータリー打錠機(菊水製作所製、LIBRA2、6本杵、5本飛ばし、ターンテーブル30rpm)で打錠し、錠剤T−a1〜T−a7及びT−b1〜T−b2(錠剤径8mmφ−12R、質量185mg)を得た。打錠圧は、55N以上65N以下になるように適宜設定した。
[比較例5]錠剤T−b3の製造
N−アセチルグルコサミン(焼津水産化学工業株式会社製、マリンスウィートYSK):327g、D−マンニトール(SPI Pharma製):329g、結晶セルロース(旭化成株式会社製、セオラスPH-101、平均粒子径50μm、ゆるみかさ密度0.29g/cc、吸水量195%、L/D1.8、安息角45°):130g、部分アルファ化デンプン(旭化成株式会社製、PCS PC−10):87g、及び、クロスポビドン(BASF製、コリドンCL−SF):27gをポリエチレン袋中で1分間混合し、混合物を得た。得られた混合物:900gにフマル酸ステアリルナトリウム(日曹商事株式会社):4.5gを混合後、ロータリー打錠機(菊水製作所製、LIBRA2、6本杵、5本飛ばし、ターンテーブル30rpm)で打錠し、錠剤T−b3(錠剤径8mmφ−12R、質量185mg)を得た。打錠圧は、55N以上65N以下になるように適宜設定した。
得られた錠剤T−a1〜T−a7及びT−b1〜T−b3について、上記の方法を用いて各種評価を行った。結果を以下の表2に示す。
Figure 2020094022
表2から、賦形剤顆粒A〜G(実施例1〜7)を用いた錠剤T−a1〜T−a7(実施例8〜14)では、打錠障害は発生せず、低打圧で高い硬度が得られた。また、高い硬度を有しながら、速い崩壊性を示していた。
また、平均粒子径が141μmである賦形剤顆粒D(実施例4)を用いた錠剤T−a4(実施例11)では、質量CV値が0.78%と特に良好であった。
また、水分量が2.50質量%以上2.6質量%以下である賦形剤顆粒A、B、D及びE(実施例1、2、4及び5)を用いた錠剤T−a1、T−a2、T−a4及びT−a5(実施例8、9、11及び12)では、崩壊時間が30秒未満であり、特に良好であった。
一方で、45μm以下の粒子の含有量が8.0質量%である賦形剤顆粒H(比較例1)、又は、セルロースを含まない賦形剤顆粒I(比較例2)を用いた錠剤T−b1及びT−b2(比較例3及び4)では、チッピングが確認され、質量CV値が1.0%を超えていた。また、賦形剤を造粒せずに用いた錠剤T−b3(比較例5)では、キャッピングが確認され、質量CV値が1.0%を超えていた。すなわち、錠剤T−b1〜T−b3(比較例3〜5)では、打錠障害が発生していた。
これらのことから、本実施形態の賦形剤顆粒を使用することで、滑沢剤が少量でも打錠障害の発生を抑制でき、低打圧でも十分な錠剤硬度を示す口腔内崩壊錠が得られることが明らかとなった。
本実施形態の賦形剤顆粒によれば、打錠障害が少なく、低い打圧でも十分な錠剤硬度が得られる賦形剤顆粒を提供することができる。

Claims (8)

  1. セルロースを含む賦形剤顆粒であって、
    平均粒子径が50μm以上350μm以下であり、
    45μm以下の粒子の含有量が全粒子の総質量に対して8質量%未満である、賦形剤顆粒。
  2. 前記賦形剤顆粒のゆるみかさ密度が0.1g/cc以上1.0g/cc以下である、請求項1に記載の賦形剤顆粒。
  3. 水分量が前記賦形剤顆粒の総質量に対して1質量%以上15質量%以下である、請求項1又は2に記載の賦形剤顆粒。
  4. 前記セルロースのゆるみかさ密度が0.10g/cc以上0.34g/cc以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の賦形剤顆粒。
  5. 前記セルロースの吸水量が160%以上320%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の賦形剤顆粒。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の賦形剤顆粒と、活性成分と、を含む、錠剤。
  7. 崩壊剤をさらに含む、請求項6に記載の錠剤。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の賦形剤顆粒を用いる、錠剤の製造方法。
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