JP2020079736A - ガラス体の評価方法 - Google Patents
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Description
施工後のガラス体を挟んだ室外の温度Te、室内の温度Ti、前記室内側の前記ガラス体の表面の温度Tgを算出するステップと、
前記室内と前記室外との温度差(Te−Ti)、及び前記ガラス体の表面の温度と前記室内の温度との差(Tg-Ti)に基づいて、前記ガラス体の評価を行うステップと、
を備えている、ガラス体の評価方法。
前記温度Teは、前記建物の外側の気温であり、
前記温度Tiは、前記建物の内側の気温である、項1に記載のガラス体の評価方法。
前記ガラス体に吸収されて室内側に伝達される熱流束Itとして、hi(Tg−Ti)−U(Te−Ti)を算出するステップと、
前記入射日射量Isに対する、前記熱流束Itの割合として、It/Isを算出するステップと、
を備えている、熱流束の算出方法。
前記入射日射量Isに対する、前記ガラス体を透過した透過日射量Iiの割合(Ii/Is)を算出するステップと、
前記熱流束の割合(It/Is)と、前記透過日射量の割合(Ii/Is)との和を、日射熱取得率として算出するステップと、
を備えている、日射熱取得率の算出方法。
前記ガラス体を挟んだ室外に配置される室外温度計と、
前記室外に配置される室外日射計と、
前記ガラス体を挟んだ室内に配置される室内温度計と、
前記室内に配置される室内日射計と、
前記ガラス体の表面の温度を測定する表面温度計と、
を備えている、測定装置。
本発明者によって、以下の式(1)により、JIS R3106と同等の日射熱取得率ηを算出できることが見出された。
Is:ガラス体が受ける日射量[W/m2]
hi:室内側熱伝達率[W/(m2/K)]
U:熱貫流率[W/(m2/K)]
Tg:室内側ガラス表面温度[K]
Te:室外空気温度[K]
Ti:室内空気温度[K]
なお、以下では、It=hi(Tg−Ti)−U(Te−Ti)と示すことがある。
図2は、上記日射熱取得率ηを算出するための測定装置を示す概略図である。図2に示すように、この測定装置は、ガラス体が設置された建物に設けられるものであり、ガラス体は、建物の一階に設けられている。但し、二階以上であっても同様に測定することができる。測定装置は、ガラス体を挟んで室外に配置された室外日射計及び室外温度計と、ガラス体を挟んで建物の室内に配置された室内日射計、室内温度計、及びガラス体に設けられた表面温度計と、を備えている。
室内側熱伝達率hi[W/(m2/K)]は、室内の環境によって種々の値を設定することができる。例えば、ガラス体において室内側のガラス板が、フロートガラス板である場合には、9.17を採用することができる。
hi=hri・εi+hci (2)
hri:放射伝熱成分
εi:修正放射率
hci:対流伝熱成分
具体的には、以下のように規定されている。
熱貫流率U[W/(m2/K)]は、ガラス体の種類によって決定されるものであり、例えば、以下のように規定される。但し、これらは一例であり、ガラス体の種類によって適宜、決定される。
hg:ガラス体の熱伝達率
hi:室内側熱伝達率
次に、上記式(1)によって算出される日射熱取得率と、JIS R3106によって算出される日射熱取得率とを比較する。式(1)による日射熱取得率の算出試験を行ったときの条件は、以下の通りである。
・概ね図2に示すように装置を配置した。
・各日射計:英弘精機株式会社、型番MS−601
・各温度計:八光電気株式会社、型番Kタイプの熱電対
・各計測器の高さ:地面から80cm
・室外日射計及び室外温度計:影のない場所
・室外日射計及び室外温度計のガラス体からの距離:30cm
・表面温度計のガラス体からの距離:1cm
・室内に風速機(日本カノマックス株式会社、型番6542)を設置した。
・外側透明ガラス板(Low−E膜付き、4mm厚)
・PVB膜(30mil厚)
・透明ガラス板(6mm厚)
・空気層(6mm厚)
・内側透明ガラス板(6mm厚)
(3) ガラス体2(熱線吸収ガラスIGU)
・外側熱線吸収透明ガラス板(6mm厚)
・空気層(6mm厚)
・内側透明ガラス板(4mm厚)
・ガラス体1,2は、建物の西面の1階に設置した。
・2018年8月1日 16時15分から16時45分まで1分間隔で30回測定(測定時間1)
・2018年8月4日 16時15分から16時45分まで1分間隔で30回測定(測定時間2)
・2018年8月1日 10時15分から10時45分まで1分間隔で30回測定(測定時間3)
・2018年8月4日 10時15分から10時45分まで1分間隔で30回測定(測定時間4)
(5-1) 実施例1
ガラス体1を用い、測定時間1,2で取得した60個のデータの平均を算出した。風速は0m/sであったため、室内側熱伝達率hiは9.17[W/(m2/K)]とした。熱貫流率Uは、3.20[W/(m2/K)]とした。結果は、以下の通りである。
ガラス体2を用い、測定時間1,2で取得した60個のデータの平均を算出した。風速は0m/sであったため、室内側熱伝達率hiは9.17[W/(m2/K)]とした。熱貫流率Uは、3.31[W/(m2/K)]とした。結果は、以下の通りである。
ガラス体1を用い、測定時間3,4で取得した60個のデータの平均を算出した。風速は0.2m/sであり、且つ室内外の気温差が小さかったため(Te−Ti=1.5℃)、室内側熱伝達率hiは9.5[W/(m2/K)]とした。熱貫流率Uは、3.20[W/(m2/K)]とした。結果は、以下の通りである。
ガラス体2を用い、測定時間3,4で取得した60個のデータの平均を算出した。風速は0m/sであり、室内外の気温差が小さかったため(Te−Ti=1.5℃)、室内側熱伝達率hiは8[W/(m2/K)]とした。熱貫流率Uは、3.31[W/(m2/K)]とした。結果は、以下の通りである。
上記のように、式(1)を用いた日射熱取得率は、JIS R3106により算出した日射熱取得率とほぼ同等の値を得ることができた。上記実施例1,2を比べると、ガラス体の種類が異なっていても、JIS R3106と同等の日射熱取得率を算出できている。実施例4のように、午前中の直達日射がない時間帯で、室内外の温度差が小さい場合でも、JIS R3106と同等の日射熱取得率を算出できている。また、実施例3のように、室内に風が生じ、さらに室内外の温度差が小さい場合でも、JIS R3106と同等の日射熱取得率を算出できている。したがって、本発明によれば、ガラス体を施工した後であっても、JIS R3106と同様の値である日射熱取得率を算出することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
上記実施形態では、日射熱取得率の算出方法について説明したが、式(1)で算出される日射熱取得率ηのうち、Ii/Isは、日射計で簡易に測定できるため、It/Isで表される日射量に対する熱流束のみを算出し、これを指標として用いることもできる。すなわち、ガラス体に吸収されて室内に伝達される熱流の、入射する日射に対する比を指標として用いることができる。
ガラス体の日射に係る指標を算出したり、評価を行うには、室内と室外との温度差(Te−Ti)、及びガラス体の表面の温度と前記室内の温度との差(Tg-Ti)に基づいて行うことができる。例えば、式(1)を用いて日射熱取得率ηを算出したとき、JIS R3106との差異が大きい場合には、hiやUが適切出ない可能性がある。そのような場合に、式(1)と、(Te−Ti)及び(Tg-Ti)を用いて、JIS R3106による日射熱取得率との差異が、例えば、0または±0.05以下となるように、hiやUを設定し直すことができる。
測定装置の各計測器の配置は特には限定されない。すなわち、室内温度計、室内日射計、室外温度計、室外日射計の位置は、ガラス体から30mm以内であることが好ましいが、これに限定されない。また、これらの機器の高さもすべて同じでなくてもよい。例えば、2階の室内に室内温度計及び室内日射計を配置し、1階の屋外の地面に室外温度計及び室外日射計を配置することもできる。
上記<2.検討>で用いた日射熱取得率を算出するための条件は、一例であり、データを取得する日時、場所などは、適宜変更することができる。
Claims (13)
- 施工後のガラス体に対する日射に係る評価する方法であって、
施工後のガラス体を挟んだ室外の温度Te、室内の温度Ti、前記室内側の前記ガラス体の表面の温度Tgを算出するステップと、
前記室内と前記室外との温度差(Te−Ti)、及び前記ガラス体の表面の温度と前記室内の温度との差(Tg-Ti)に基づいて、前記ガラス体の評価を行うステップと、
を備えている、ガラス体の評価方法。 - 前記施工後とは、前記ガラス体を建物に設置した後を意味し、
前記温度Teは、前記建物の外側の気温であり、
前記温度Tiは、前記建物の内側の気温である、請求項1に記載のガラス体の評価方法。 - 施工後のガラス体を挟んだ室外の温度Te、室内の温度Ti、前記ガラス体の表面の温度Tg、室内側熱伝達率hi、熱貫流率U、及び入射日射量Isを取得するステップと、
前記ガラス体に吸収されて室内側に伝達される熱流束Itとして、hi(Tg−Ti)−U(Te−Ti)を算出するステップと、
前記入射日射量Isに対する、前記熱流束Itの割合として、It/Isを算出するステップと、
を備えている、熱流束の算出方法。 - 前記室内側熱伝達率hiが9.17である、請求項3に記載の熱流束の算出方法。
- 前記室内側熱伝達率hiは、前記温度Tgと前記温度Tiの差が1℃以上であるか否かによって、変化する、請求項3に記載の熱流束の算出方法。
- 前記室内側熱伝達率hiは、前記室内の風速により変化する、請求項3に記載の熱流束の算出方法。
- 前記熱貫流率Uは、前記ガラス体の種類によって、0.2〜6.0の範囲で変化し得る、請求項3から5のいずれかに記載の熱流束の算出方法。
- 前記熱貫流率Uは、前記温度Te、前記温度Ti、前記温度Tg、前記室内側熱伝達率hi、及び室外側熱伝達率heの少なくとも一つに基づいて、変化する、請求項3から5のいずれかに記載の熱流束の算出方法。
- 請求項3から8のいずれかに記載の熱流束の算出方法によって、前記入射日射量Isに対する、前記熱流速Itの割合(It/Is)を算出するステップと、
前記入射日射量Isに対する、前記ガラス体を透過した透過日射量Iiの割合(Ii/Is)を算出するステップと、
前記熱流束の割合(It/Is)と、前記透過日射量の割合(Ii/Is)との和を、日射熱取得率として算出するステップと、
を備えている、日射熱取得率の算出方法。 - 前記ガラス体は、複層ガラスである、請求項9に記載の日射熱取得率の算出方法。
- 前記ガラス体は、合わせガラスである、請求項9に記載の日射熱取得率の算出方法。
- 施工後のガラス体に入射する日射に係る日射熱取得率を算出するための測定装置であって、
前記ガラス体を挟んだ室外に配置される室外温度計と、
前記室外に配置される室外日射計と、
前記ガラス体を挟んだ室内に配置される室内温度計と、
前記室内に配置される室内日射計と、
前記ガラス体の表面の温度を測定する表面温度計と、
を備えている、測定装置。 - 前記ガラス体と、前記室内日射計との間の距離が30cm以下である、請求項12に記載の測定装置。
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KR102365742B1 (ko) * | 2020-06-23 | 2022-02-22 | 한국에너지기술연구원 | 간이 일사획득계수 측정 장치 및 방법 |
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