上記のように、仮に特許文献1に記載の構成を利用して、荷搬出対象のコンテナ内からピッキングヘッドで吊上げた荷を荷搬入対象のコンテナ内に移載する移載装置を構成することが当業者にとって容易に成し得る程度のことであるとしても、荷搬出対象のコンテナ内からの荷のピッキング動作を効率良く行わせるための構成や、荷搬出搬入ユニットを利用せずに人手によって荷搬出対象のコンテナ内から荷搬入対象のコンテナ内に荷を移し変える移載作業も必要に応じて安全且つ容易に行えるようにするための構成など、実用化の面で必要になる問題点を解決しなければならない。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる移載装置を提案するものであって、本発明に係る移載装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、互いに平行な2本の可動レール部材(17,18)の両端部が、これら可動レール部材(17,18)の長さ方向であるX方向に対して直交する2本のY方向の固定レール部材(15,16)によって平行横動自在に支持され、前記2本の可動レール部材(17,18)のそれぞれに、X方向に往復移動自在に可動体(19,21)が支持され、各可動体(19,21)に、荷を吊り上げることが出来るピッキングヘッド(23,25)が昇降自在に設けられて成る荷搬出搬入ユニット(1)を備えた移載装置において、
前記荷搬出搬入ユニット(1)の下側で、平面視における前記ピッキングヘッド(23,25)の移動可能領域内に、荷搬出対象のコンテナ(Cy)の受け入れ場(7)と荷搬入対象のコンテナ(Cx)の受け入れ場(8)がX方向に並列する荷移載作業空間(9)が設けられ、2本の前記可動レール部材(17,18)の待機エリア(Sa1,Sa2)が、前記荷移載作業空間(9)に対してY方向の両外側上方に設定され、この待機エリア(Sa1,Sa2)の内、一方の待機エリア(Sa1)は、この待機エリア(Sa1)に近い側の1本の可動レール部材(17)のみが待機可能な狭幅待機エリアとし、他方の待機エリア(Sa2)は、2本の前記可動レール部材(17,18)をY方向に隣接する状態で待機させることが出来る広幅待機エリアとし、前記荷移載作業空間(9)に対して前記狭幅待機エリア(Sa1)のある側の床面上には、作業者の荷移載作業エリア(27)が設定された構成になっている。
上記構成の本発明移載装置では、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場に荷搬出対象のコンテナを搬入し、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場に荷搬入対象のコンテナを搬入して、作業準備が整えば、荷搬出対象のコンテナ内の吊上げ対象荷を前記ピッキングヘッドによって吊り上げるように、荷搬出搬入ユニットを作動させる。具体的には、Y方向2つの可動レール部材をY方向に横動させると共に各可動レール部材上の可動体を各可動レール部材上でX方向に移動させて、各可動台が備えるピッキングヘッドを荷搬出対象のコンテナ内の吊上げ対象荷の真上に位置させ、この後、各可動体に対してピッキングヘッドを降下させて、吊上げ対象荷に対し吊り上げ可能状態にさせる。次に各可動体に対してピッキングヘッドを所定高さまで上昇させて、当該ピッキングヘッドにより吊上げ対象荷を吊り上げ、続いてY方向2つの可動レール部材のY方向横動と、各可動レール部材上の可動体のX方向の移動とにより、ピッキングヘッドにより吊り上げている荷を荷搬入対象のコンテナの上方所定高さに移動させ、続いて各可動体に対しピッキングヘッドを降下させて、吊り上げている荷を荷搬入対象のコンテナ内に降ろし、この降ろした荷から各ピッキングヘッドを切り離した後に各ピッキングヘッドを上昇させる。
上記のように使用出来る本発明の移載装置によれば、上記の作業準備が整う段階ではY方向2つの可動レール部材を、X方向に並列する荷搬出対象のコンテナ受け入れ場と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場を備えた荷移載作業空間に対して、Y方向両外側上方の待機エリア、即ち、狭幅待機エリアと広幅待機エリアとに分けて待機させておくことが出来る。このとき各可動レール部材上の可動体は、作業開始の対象である荷搬出対象のコンテナ受け入れ場のY方向両側に隣接する位置に移動させておくことが望ましい。このように2つの可動レール部材を待機させておくことにより、各可動レール部材が備える可動体のピッキングヘッドを、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場に搬入された荷搬出対象のコンテナのY方向前後に振り分け配置させることになるので、当該コンテナ内の吊上げ対象荷の内、Y方向の前側の荷は、荷搬出対象のコンテナのY方向前側で待機するピッキングヘッドによって吊り上げ、反対側、即ち、Y方向の後ろ側の荷は、荷搬出対象のコンテナのY方向後ろ側で待機するピッキングヘッドによって吊り上げるように吊上げ動作を行わせることが出来る。勿論、コンテナ内の吊上げ対象荷が当該コンテナのY方向前後又はX方向左右の何れかに偏っている場合など、種々の状況は考えられるが、全体としては、Y方向2つの可動レール部材を荷搬出対象のコンテナのY方向前後何れか片側に待機させておく場合と比較して、ピッキングヘッドによる荷の吊上げ動作を能率良く行わせることが出来る。
一方、ピッキングヘッドの故障など、何等かの理由によって手作業で上記の移載作業を行わなければならない場合がある。このような場合、前記荷移載作業空間に対してY方向前後何れかに作業者の荷移載作業エリアが設定され、この荷移載作業エリアに作業者が立って、当該作業者から見て前記荷移載作業空間内でX方向左右に隣り合う荷搬出対象のコンテナから荷搬入対象のコンテナへの荷の移載を手作業で行うことになるが、この作業者が立つ側にY方向2つの可動レール部材の一方が位置していると、当該可動レール部材が作業者の行う荷移載作業の邪魔になる。この現象を回避するために、作業者の直前に位置する可動レール部材を奥側に移動させると、この奥側に移動させる可動レール部材が元々奥側に待機している他方の可動レール部材の直前に位置することになり、作業対象のコンテナの奥側の上に被さって人手による荷移載作業の邪魔になる。
しかしながら上記本発明の構成によれば、手作業で上記の移載作業を行わなければならない場合には、2本の可動レール部材をY方向に隣接する状態で待機させることが出来る広幅待機エリアが、前記荷移載作業エリアのある側とは反対側(奥側)に設けられているので、この広幅待機エリアに2本の可動レール部材の両方を移動待機させておくことが出来る。従って、荷移載作業エリアに立つ作業者と前記荷移載作業空間内でX方向に並列する2つのコンテナとの間に、2本の可動レール部材の一方が位置して手作業による移載作業の邪魔になることが無くなり、しかも奥側へ移動待機された可動レール部材が前記荷移載作業空間奥側の上に被さって、手作業による移載作業の邪魔になることもない。即ち、手作業での上記荷移載作業を安全且つ容易に行うことが出来る。勿論、2本の可動レール部材のY方向の移動領域全体のY方向長さは必要最小限に抑えて、移載装置全体が大型化するのを抑制出来る。
上記本発明を実施する場合、前記ピッキングヘッドが昇降自在に設けられた前記可動体は、2本の可動レール部材(17,18)のそれぞれに1つずつ設けておくことも可能であるが、2本の可動レール部材(17,18)のそれぞれに当該可動体(19,20及び21,22)を2つずつ設け、各可動レール部材(17,18)に設けられた2つの前記可動体(19,20及び21,22)は、当該可動レール部材(17,18)の両端何れ側でも互いに隣接する状態で位置し得るように、各可動レール部材(17,18)の両端部間で往復移動自在に設けることが出来る。この構成によれば、合計4つのピッキングヘッドをXY両方向に関して互いに隣接する状態で、前記コンテナ受け入れ場に搬入されたコンテナ内の全域に対応させることが出来る。従って、移載対象の荷が1つのピッキングヘッドで吊上げ降ろしが可能な小サイズの荷であれば、それぞれの荷の位置に関係なく4つの荷を同時に、X方向又はY方向に並ぶ2つのピッキングヘッドで吊上げ降ろしが可能な中サイズの荷であれば2つの荷を同時に、そして4つのピッキングヘッドで吊上げ降ろしを行わなければならないような大サイズの荷であれば1つの荷を、それぞれ自在に且つ効率良く取り扱うことが出来る。
上記本発明による移載装置によって自動移載作業又は手作業による移載作業を行う場合、ピッキングヘッドや人手で吊り下げ状態にある荷がコンテナ内から完全に離れた状態でなければ、各コンテナ受け入れ場に対するコンテナの搬入搬出作業を安全に行うことが出来ない。従って、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場(7)と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場(8)とに搬入されたコンテナ(Cy,Cx)の上側に存在する障害物を検出する障害物検出手段(31)を併設しておくのが望ましい。この構成によれば、前記障害物検出手段の障害物検出領域内に荷や人手が存在する状況でのコンテナの搬入搬出作業を、当該障害物検出手段の障害物検出信号に基づいて自動的に回避することが出来、安全性が向上する。この構成を実施する場合、X方向に並列する2つのコンテナ受け入れ場(7,8)に搬入されている2つのコンテナ(Cy,Cx)の上側に存在する障害物をX方向から監視する障害物検出手段(31)を使用すれば、1つの障害物検出手段によって荷搬出対象のコンテナ受け入れ場と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場の両方に対してコンテナの搬入搬出時の安全を確保することが出来る。
本発明の移載装置では、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場に対しコンテナを搬入搬出する作業を手作業で行うように構成することも出来るし、両コンテナ受け入れ場に対し、それぞれ1つのコンテナ搬入搬出兼用のコンベヤを設けて実施することも可能であるが、以下のように実施するのが望ましい。即ち、前記荷搬出対象のコンテナ受け入れ場(7)に対しコンテナ(Cy)の搬入搬出を行うコンベヤ(10)と、前記荷搬入対象のコンテナ受け入れ場(8)に対しコンテナ(Cx)の搬入搬出を行うコンベヤ(11)とを設け、これら両コンベヤ(10,11)のそれぞれは、上下二層の搬入用コンベヤユニット(12)と搬出用コンベヤユニット(13)、及び昇降移載手段(14A,14B)によって構成し、この昇降移載手段(14A,14B)には、前記荷移載作業空間(9)内を経由する前記両コンベヤユニット(12,13)間の昇降径路を平行移動するコンテナ支持搬送体(14a,14b)を設け、前記荷搬出対象のコンテナ受け入れ場(7)と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場(8)とに搬入されたコンテナ(Cy,Cx)の上側に存在する障害物を検出する障害物検出手段(33A,33B)を併設し、この障害物検出手段(33A,33B)は、投受光器(38a)と光線反射板(38b)とから構成し、前記光線反射板(38b)は、昇降移載手段(14A,14B)の前記コンテナ支持搬送体(14a,14b)に取り付け、前記投受光器(38a)は、前記コンテナ支持搬送体(14a,14b)が支持搬送するコンテナ(Cy,Cx)が前記各コンテナ受け入れ場(7,8)に位置するときに、前記光線反射板(38b)に対応する固定位置に設けることが出来る。この構成によれば、運動体である各コンテナ支持搬送体(14a,14b)に投光器や受光器のような通電が必要な機器を取り付ける必要がないので、簡単に実施することが出来るだけでなく、障害物検出用光線膜の長さを短く出来る効果も得られる。
勿論、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場に対しコンテナを搬入搬出する手段の構成に関係なく、前記障害物検出手段は、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場(7)に搬入されたコンテナ(Cy)の上側に存在する障害物を検出する障害物検出手段(33A)と、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場(8)に搬入されたコンテナ(Cx)の上側に存在する障害物を検出する障害物検出手段(33B)の2つに分けて設けることも出来る。この構成によれば、両コンテナ受け入れ場に対するコンテナの搬入搬出時期が異なっても、各コンテナ受け入れ場に対するコンテナの搬入搬出時に確実に障害物検出を行うことが出来るので、両コンテナ受け入れ場に対するコンテナの搬入搬出時期を同一にしなければならない場合と比較して、作業効率を高めながら安全性も確保出来る。
図1〜図3に示すように、図示する一実施例に係る本発明の移載装置が備える荷搬出搬入ユニット1は、架台2の上に水平に据え付けられている。架台2は、Y方向(前後方向)一対の支柱3a,3bを上下両端近傍位置でY方向連結部材4a,4bにより互いに連結一体化したX方向(左右方向)一対の側枠5a,5bと、この側枠5a,5bどうしをY方向後ろ側の支柱3bの上端部位置で互いに連結一体化するX方向連結部材6から構成されたものである。
前記架台2は、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8とがX方向に隣り合う荷移載作業空間9を跨ぐように設置され、各コンテナ受け入れ場7,8には、コンテナCy/Cxの搬入搬出用コンベヤ10,11が接続されている。これら搬入搬出用コンベヤ10,11のそれぞれは、互いに並列する状態で、前記荷移載作業空間9のY方向後ろ側へY方向に沿って延びるように設置された、互いに同一構造のものであって、上下二層の搬入用コンベヤユニット12と搬出用コンベヤユニット13、及び昇降移載手段14A/14Bから構成されている。尚、図では搬入用コンベヤユニット12が上側となっているが、搬出用コンベヤユニット13が上側にあっても良い。
前記昇降移載手段14A,14Bは、上下二層の搬入用コンベヤユニット12と搬出用コンベヤユニット13に接続する上昇限位置と下降限位置との間で平行昇降自在なコンテナ支持搬送体14a,14bを備え、このコンテナ支持搬送体14a,14b上には、搬入用コンベヤユニット12から送り出されるコンテナCy/Cxをこのコンテナ支持搬送体14a,14b上の定位置まで引き込む動作と、前記定位置にあるコンテナCy/Cxを搬出用コンベヤユニット13上へ送り出す動作を、選択的に行える引込み送り出し手段(回転方向切り換え自在なコンベヤやコンテナ押し引き用往復移動体など)を備えたものである。このコンテナ支持搬送体14a,14bは、その平行昇降経路の中間に位置する各コンテナ受け入れ場7/8において停止することにより、支持しているコンテナCy/Cxを各コンテナ受け入れ場7/8に搬入することが出来る。尚、両コンベヤ10,11が備える昇降移載手段14A,14Bは、搬入搬出用コンベヤ10,11が両コンテナ受け入れ場7,8に対して同時にコンテナCy/Cxの搬入搬出を行うものであるときは、それぞれが備えるコンテナ支持搬送体14a,14bを一体化して、両コンテナ受け入れ場7,8の全体(荷移載作業空間9)のX方向の巾とほぼ等しい横巾を有する1つのコンテナ支持搬送体とすることも出来る。
尚、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に対するコンテナCy/Cxの搬入搬出のための手段を簡単に説明したが、この荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に対するコンテナCy/Cxの搬入搬出のための手段は如何なる構成のものであっても良い。場合によっては、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に対するコンテナCy/Cxの搬入搬出を手作業で行うことも可能である。尚、図示の構成では、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8は、搬入用コンベヤユニット12と搬出用コンベヤユニット13との間の中間高さに設定しているが、搬入用コンベヤユニット12又は搬出用コンベヤユニット13に接続する高さに設定することも出来る。
架台2上に据え付けられた荷搬出搬入ユニット1は、Y方向と平行でX方向一対の固定レール部材15,16、X方向と平行でY方向一対の可動レール部材17,18、これら各可動レール部材17,18のそれぞれに支持されたX方向一対の可動体19,20及び21,22、及びこれら合計4つの可動体19〜22のそれぞれにZ方向昇降自在に支持されたピッキングヘッド23〜26から構成されている。更に詳述すると、X方向一対の固定レール部材15,16は、そのY方向の両端が、架台2の左右両側枠5a,5bにおけるY方向一対の支柱3a,3bの上端に固定支持されたもので、その上側には、Y方向2つの可動支持台15a,15b及び16a,16bがそれぞれ固定レール部材15,16のY方向両端部間で往復移動自在に支持されている。Y方向一対の可動レール部材17,18は、そのX方向の両端が可動支持台15a,15b及び16a,16b上に固定支持されている。又、可動体19,20及び21,22は、可動レール部材17,18の互いに対面する側部に、これら各可動レール部材17,18のX方向両端部間でX方向に往復移動自在に支持されている。これら可動体19〜22には、Z方向(垂直上下方向)に平行な昇降用レール部材19a〜22aの下端近傍部が固着され、これら各昇降用レール部材19a〜22aには、そのZ方向の両端部間で昇降自在に支持された昇降支持台19b〜22bが設けられ、これら各昇降支持台19b〜22bに、下端に前記ピッキングヘッド23〜26を備えたZ方向に平行な昇降ロッド23a〜26aの上端部が固定支持されている。前記ピッキングヘッド23〜26は、負圧により荷の上面に対して吸着させることが出来るものや、荷の上面に磁性板が添着されている荷や磁性板から成形されたボックスタイプの荷に対しては、通電により磁気吸着するタイプのものが利用出来る。勿論、荷の上面に被把持部を設けておき、ピッキングヘッドには、前記被把持部を把持及び解放自在な把持具を備えたものも利用可能である。
図3などに示されるように、昇降支持台19b〜22b(昇降ロッド23a〜26a)は、同一可動レール部材17/18に支持されている昇降用レール部材19a,20a/21a,22aのX方向に対面する側部に配置されている。又、図4に示すように、可動レール部材17に支持されているX方向2つの可動体19,20と可動レール部材18に支持されているX方向2つの可動体21,22は、当該可動レール部材17/18のX方向両端部で昇降支持台19b,20b/21b,22b(昇降ロッド23a,24a/25a,26a)がX方向に隣接する状態が移動の行程端となるように、それぞれX方向移動範囲Wx内で可動レール部材17/18に沿って往復移動可能である。
図4に示すように、平面視において前記荷移載作業空間9のY方向前側には、可動レール部材17のみを待機させる待機位置Sp1を備えた狭幅待機エリアSa1が設けられ、図3に示すように、平面視において前記荷移載作業空間9のY方向後ろ側には、2つの可動レール部材17,18をY方向に隣接する状態で待機させることが出来るY方向2つの待機位置Sp2,Sp3を備えた広幅待機エリアSa2が設けられている。従って、図5に示すように、可動レール部材17は、狭幅待機エリアSa1内の待機位置Sp1と、広幅待機エリアSa2内の荷移載作業空間9に隣接する側の待機位置Sp2との間のY方向移動範囲Wy内をY方向に往復移動可能であり、可動レール部材18は、図5に示すように、狭幅待機エリアSa1内の待機位置Sp1に位置する可動レール部材17に対してY方向後ろ側に隣接する行程限位置p4と、広幅待機エリアSa2内の荷移載作業空間9から離れた側の待機位置Sp3との間のY方向移動範囲Wy内をY方向に往復移動可能である。
固定レール部材15,16に対して可動支持台15a,15b及び16a,16bをY方向に往復移動させる駆動手段、可動レール部材17,18に対して可動体19,20及び21,22をX方向に往復移動させる駆動手段、及び昇降用レール部材19a〜22aに対して昇降支持台19b〜22bを昇降駆動させる駆動手段については、具体構造を示していないが、何れも従来周知の駆動手段が利用出来る。例えば可動支持台15a,15b及び16a,16bや可動体19,20及び21,22を往復移動させる駆動手段としては、固定レール部材15,16(可動レール部材17,18)内の略全長に及ぶ長さの固定スクリューシャフトをY方向(X方向)と平行に架設し、可動支持台15a,15b及び16a,16b(可動体19,20及び21,22)の各々には、前記固定スクリューシャフトに螺嵌する雌ネジ体を自転のみ可能に支承すると共に当該雌ネジ体を正逆回転駆動するモーターを搭載し、この各可動支持台15a〜16b(可動体19〜22)が備える雌ネジ体を各々前記モーターにより正逆回転駆動することにより、昇降支持台19b〜22b(昇降ロッド23a〜26a)と共にピッキングヘッド23〜26を前記X方向移動範囲Wx内及びY方向移動範囲Wy内で自在に移動させることが出来る。
又、昇降用レール部材19a〜22aに対して昇降支持台19b〜22bを昇降駆動させる駆動手段としては、各昇降用レール部材19a〜22aに対して1つの昇降支持台19b〜22bを昇降駆動させれば良いので、例えば各昇降用レール部材19a〜22a内にその略全長に及ぶ長さの自転可能なスクリューシャフトをZ方向に沿って支承すると共に、例えば各昇降用レール部材19a〜22aの上端に前記スクリューシャフトを正逆回転駆動するモーターを取り付け、各昇降支持台19b〜22bには、前記スクリューシャフトに螺嵌する固定の雌ネジ体を取り付けて構成することが出来る。この構成によれば、前記モーターによりスクリューシャフトを正逆回転駆動することにより、各昇降支持台19b〜22bを自在に昇降移動させることが出来る。
更に、図1〜図3に示すように、前記荷移載作業空間9のY方向前側の床面側には、当該荷移載作業空間9のX方向の全巾をカバー出来る巾の作業者の荷移載作業エリア27が設けられている。又、前記荷移載作業空間9の上方には、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7の上方一定高さと荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8の上方一定高さに、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に位置する荷搬出対象のコンテナCyの内部の荷の位置情報などを画像から読み取る撮像装置(カメラ)28と、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に位置する荷搬入対象のコンテナCxの内部の荷載置可能なエリアなどを画像から読み取る撮像装置(カメラ)29とが配設されている。これら撮像装置28,29は、側枠5a,5bにY方向両側の脚部が支持された門形フレーム30の上端水平部に取り付けられる。
以下、以上のように構成された移載装置の使用方法について説明すると、この移載装置は、荷搬出搬入ユニット1を稼働させる自動運転と、荷搬出搬入ユニット1を使用しない手作業とが可能なものである。何れの場合も荷搬出対象のコンテナCyは、搬入搬出用コンベヤ10の搬入用コンベヤユニット12と昇降移載手段14Aのコンテナ支持搬送体14aにより荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に送り込まれる。又、荷搬入対象のコンテナCxは、搬入搬出用コンベヤ11の搬入用コンベヤユニット12と昇降移載手段14Bのコンテナ支持搬送体14bにより荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に送り込まれる。而して自動運転の場合は、図4に実線で示すように荷搬出搬入ユニット1の4つのピッキングヘッド23〜26は、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に送り込まれた荷搬出対象のコンテナCyの平面視における四隅外側に隣り合う位置で且つ上昇限高さで待機してる。即ち、可動レール部材17は、狭幅待機エリアSa1内の待機位置Sp1に位置すると共に、可動レール部材18は、広幅待機エリアSa2内の待機位置Sp2に位置し、可動レール部材17,18の可動体19,20及び21,22は、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入された荷搬出対象のコンテナCyの平面視で四隅外側に隣り合う位置にあって、それぞれが備える昇降ロッド23a〜26aは、昇降用レール部材19a〜22aの上昇限高さで待機している。
荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入された荷搬出対象のコンテナCy内には、例えば図6Aに示すように、複数の小サイズ荷Bsが収納されているとし、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入された荷搬入対象のコンテナCxには、当該小サイズ荷Bsを4つ移載しなければならない場合、図6Aに示すように荷搬出対象のコンテナCyの四隅外側で且つ上昇限位置で待機している4つのピッキングヘッド23〜26を、図6Bに示すように、可動レール部材17,18のY方向の移動と、各可動レール部材17,18上の可動体19,20及び21,22のX方向の移動を組み合わせて、搬出対象の4つの小サイズ荷Bsの真上位置に移動させ、続いて昇降用レール部材19a〜22aに対して昇降支持台19b〜22b(昇降ロッド23a〜26a)を下降させて、4つのピッキングヘッド23〜26を搬出対象の4つの小サイズ荷Bsの上面に当接吸着させる。勿論、ピッキングヘッド23〜26が負圧吸着タイプか磁気吸着タイプのものを仮定してのことであるが、取り扱う荷の上部に被把持部が設けられ、ピッキングヘッド23〜26がその被把持部を把持する把持具を備えた把持タイプのものであれば、各ピッキングヘッド23〜26の把持具により搬出対象の4つの小サイズ荷Bsの上部の被把持部を把持させることになる。上記の動作は、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7の真上に位置する撮像装置28が取得した画像に基づいて自動的に行わせることが出来る。
各ピッキングヘッド23〜26が荷搬出対象のコンテナCy内の所定位置にある搬出対象の4つの小サイズ荷Bsを吊り上げ可能な状態になれば、各ピッキングヘッド23〜26を搬出対象の小サイズ荷Bsと共に上昇限高さまで吊り上げる。具体的には、昇降用レール部材19a〜22aに対して昇降支持台19b〜22b(昇降ロッド23a〜26a)を上昇限高さまで上昇させる。この後、吊り上げた小サイズ荷Bsを荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入されている荷搬入対象のコンテナCx内の所定位置(例えば図6Bに示す位置)に移載するのであるが、具体的には、図6Cに示すように、可動レール部材17,18のY方向の移動と、各可動レール部材17,18上での可動体19,20及び21,22のX方向の移動とを組み合わせて、吊り上げた小サイズ荷Bsを荷搬入対象のコンテナCx内の所定位置の真上迄移動させ、続いて各昇降用レール部材19a〜22aに対し昇降ロッド23a〜26aを下降させて、ピッキングヘッド23〜26が吊上げていた各小サイズ荷Bsを荷搬入対象のコンテナCx内の所定位置に降ろすことが出来る(図6D参照)。荷搬入対象のコンテナCx内への小サイズ荷Bsの降ろし場所の選定や、降ろし終わったことの確認などは、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8の真上に位置する撮像装置29が取得した画像に基づいて自動的に行わせることが出来る。
荷搬出対象のコンテナCy内から吊り上げられる小サイズ荷Bsの全体が当該荷搬出対象のコンテナCy内から上方に移動したならば、その時点で荷搬出対象のコンテナCyを荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7から搬出させることが出来る。具体的には、荷搬出対象のコンテナCyを支持している昇降移載手段14Aのコンテナ支持搬送体14aを下降させて搬出用コンベヤユニット13に接続させた後、コンテナ支持搬送体14a上から搬出用コンベヤユニット13上へ荷搬出対象のコンテナCyを搬出させることになる。このことによって、荷搬入対象のコンテナCxへの小サイズ荷Bsの移載完了を待たないで、次の荷搬出対象のコンテナCyを荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入する作業を直ちに開始出来る。
一方、上記のように荷搬入対象のコンテナCx内への小サイズ荷Bsの移載が完了すれば、全てのピッキングヘッド23〜26を上昇限高さまで上昇させた後、図6Aに示す待機位置に復帰させる。この場合も、荷搬入対象のコンテナCx内から上昇する昇降ロッド23a〜26a及びピッキングヘッド23〜26が当該荷搬入対象のコンテナCx内から上方に移動したならば、その時点で荷搬入対象のコンテナCxを荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8から搬出させることが出来る。具体的には、荷搬入対象のコンテナCxを支持している昇降移載手段14Bのコンテナ支持搬送体14bを下降させて搬出用コンベヤユニット13に接続させた後、コンテナ支持搬送体14b上から搬出用コンベヤユニット13上へ荷搬入対象のコンテナCxを搬出させることになる。このことによって、ピッキングヘッド23〜26が図6Aに示す待機位置に復帰するのを待たないで、次の荷搬入対象のコンテナCxを荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入する作業を直ちに開始出来る。
上記の小サイズ荷Bsの移載作業に際して、全てのピッキングヘッド23〜26で4つの小サイズ荷Bsを同時に移載するように説明したが、これは各ピッキングヘッド23〜26の各々が小サイズ荷Bsの吊上げ降ろしが可能であり且つ同時に4つの小サイズ荷Bsの移載が行える状況にあるからであって、1回の移載作業に際して、小サイズ荷Bsは1つ〜4つの範囲内で移載作業を行うことが出来る。移載作業対象の小サイズ荷Bsの個数が3つ以下であれば、ピッキングヘッド23〜26の内、1つ〜3つのピッキングヘッドを使用しないことになるが、可動体19〜22の内、使用しないことになるピッキングヘッドを備えた可動体が他のピッキングヘッドのX−Y方向の移動に邪魔にならないように、例えば図6Aに示す待機位置がにあるピッキングヘッド23〜26の内、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8にある荷搬入対象のコンテナCxに近い位置にあるピッキングヘッドから使用するように選定することが出来る。
勿論、取り扱う荷のサイズが、ピッキングヘッド23〜26の内、Y方向に隣り合うことが出来る2つのピッキングヘッド23,25/24,26によって吊上げることが出来るY方向に長い縦長中サイズ荷や、X方向に隣り合うことが出来る2つのピッキングヘッド23,24/25,26によって吊上げることが出来るX方向に長い横長中サイズ荷なども、2つのピッキングヘッドを使用して1つ又は2つを取り扱うことも出来る。更に、4つ全てのピッキングヘッド23〜26で吊上げなければならない大サイズ荷の取り扱いも可能である。図7A〜図7Dは、4つ全てのピッキングヘッド23〜26で1つの大サイズ荷Bbを移載するときの状況を説明している。手順は図6に基づいて説明した小サイズ荷Bsの移載作業と基本的に同一であって、違いは常に4つ全てのピッキングヘッド23〜26で1つの大サイズ荷Bbの吊り上げとX−Y方向の搬送、及び降ろしが行われる点である。この場合、4つのピッキングヘッド23〜26は、1つの大サイズ荷Bbの上面の四隅近傍位置を吊り上げるように位置させるのが望ましい。
以上のように荷搬出搬入ユニット1を作動させて、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入された荷搬出対象のコンテナCy内の各種サイズの荷を荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入された荷搬入対象のコンテナCxへ移載させることが出来るものであるが、例えばピッキングヘッド23〜26の故障や、何らかの理由によって手作業で上記の作業を行う必要が生じたときは、図1及び図3に示すように、Y方向2つの可動レール部材17,18を広幅待機エリアSa2内に移動させる。即ち、可動レール部材18は、Y方向後ろ側へ限界位置まで移動させて待機位置Sp3で停止させると共に、可動レール部材17は、Y方向後ろ側へ前記可動レール部材18に隣接する位置まで移動させて待機位置Sp2で停止させる。この広幅待機エリアSa2内で2つの可動レール部材17,18をY方向に隣接する状態で待機させることは、荷搬出搬入ユニット1を利用する一連の移載作業が終了した段階ごとに行わせても良い。
上記の手作業のための準備が完了すると、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8が並列する荷移載作業空間9のY方向前側が解放され、荷移載作業エリア27の床面上に作業者が立って、可動レール部材17,18やこれらに支持されている昇降用レール部材19a〜22a、昇降ロッド23a〜26a、及びピッキングヘッド23〜26に邪魔されることなく、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入された荷搬出対象のコンテナCy内の各種サイズの荷を荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入された荷搬入対象のコンテナCxへ手作業で移載させることが出来る。この手作業で荷移載作業を行う場合も、撮像装置28,29が取得した画像に基づいて作業内容を管理することが出来る。尚、荷移載作業空間9及び荷移載作業エリア27のX方向左右両側には、荷搬出搬入ユニット1の固定レール部材15,16を支持する架台2の側枠5a,5bが位置しているが、この側枠5a,5bの自立強度、換言すれば荷搬出搬入ユニット1の支持強度は、Y方向後ろ側の支柱3bの上端近傍どうしを連結しているX方向連結部材6によって十分に得られるが、若し必要ならば、Y方向前側の支柱3aどうしも、上記の手作業に邪魔にならない位置、例えば荷移載作業空間9に位置する荷搬出対象のコンテナCy及び荷搬入対象のコンテナCxの上端とほぼ同一高さで、X方向連結部材により互いに連結することが可能である。尚、前記X方向連結部材6は、荷搬出搬入ユニット1のX方向一対の固定レール部材15,16の後端部どうしを直接連結する位置に設けることも可能である。
上記実施例では、搬入搬出用コンベヤ11の搬入用コンベヤユニット12と搬出用コンベヤユニット13との間で荷搬出対象のコンテナCy及び荷搬入対象のコンテナCxを、各コンテナ受け入れ場7,8を経由して昇降移載させるための昇降移載手段14A,14Bとして、垂直上下方向に平行昇降運動するコンテナ支持搬送体14a,14bを使用しているが、搬入用コンベヤユニット12の終端から搬出用コンベヤユニット13の始端へ各コンテナ受け入れ場7,8を経由してコンテナCy,Cxを移載させる手段は、如何なる構成のものであっても良い。
上記のように荷移載作業空間9に対するコンテナCy,Cxの搬入搬出行程が実行されるとき、コンテナ支持搬送体14a,14bによるコンテナ移載経路中に、人手による作業時の人手が入り込んでいると非常に危険であり、荷搬出搬入ユニット1による自動作業時といえども、前記コンテナ移載経路中にピッキングヘッド23〜26を下端に備えた昇降ロッド23a〜26aなどが入り込んでいると、機器の破損を伴う故障を誘発することになる。このような事態が生じないように安全対策を講じる必要があるが、この安全対策の実施例を以下に説明する。
図1及び図2に示すように、荷移載作業空間9における荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入されている荷搬出対象のコンテナCyと、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入されている荷搬入対象のコンテナCxの上側を、荷移載作業空間9の一端外側から他端外側へX方向に横断する平面状の障害物検出用光線膜31aを発生させる障害物検出手段31を設けることが出来る。この障害物検出手段31は、荷移載作業空間9のY方向一端外側に配設した投光器32aと荷移載作業空間9のY方向他端外側に配設した受光器32bから成る光線透過型のものが利用出来るが、投光器32aを投受光器とし、受光器32bに代えて光線反射板を使用する反射型のもので良い。前記投光器(投受光器)32aと受光器32b(光線反射板)は、架台2を構成するX方向両側の側枠5a,5bに取り付けることが出来る。この障害物検出手段31は、昇降移載手段14A,14Bを稼働させる直前から一定時間だけ作動させれば良い。而して、障害物検出手段31が作動中に前記障害物検出用光線膜31aと交差する人手などが存在すると、当該障害物検出手段31より障害物検出信号が出力されるので、この障害物検出信号に基づいて昇降移載手段14A,14Bの動作を緊急停止させると共に緊急停止を報知する警報やランプを作動させることが出来る。
又、図8に示すように、前記障害物検出用光線膜33aを、荷移載作業空間9における荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7と荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8とに搬入されているコンテナCy,Cxの上側を前後Y方向に横断する向きに形成させる障害物検出手段33を使用することも可能である。この場合の投光器(又は投受光器)34aと受光器(又は光線反射板)34bは、架台2を構成する側枠5a,5bのY方向前側のX方向一対の支柱3a間と後ろ側の支柱3b間とに架設されたX方向と平行な支持フレーム35a,35bに振り分けて取り付けることが出来る。図では、荷移載作業空間9のY方向前側に受光器(又は光線反射板)34bを配置したが、前後逆に配置しても良い。しかし、前側の支持フレーム35aとこれに取り付けられる障害物検出用機器(受光器(又は光線反射板)34bや投光器(又は投受光器)34a)は、作業者の手作業空間内に入り込まない高さに取り付けることが必要である。
上記の図8に示す障害物検出手段33を使用する場合は、図9に示すように、荷搬出対象のコンテナ受け入れ場7に搬入された荷搬出対象のコンテナCyの上側を監視する障害物検出手段33Aと、荷搬入対象のコンテナ受け入れ場8に搬入された荷搬入対象のコンテナCxの上側を監視する障害物検出手段33Bとに分けて設置することが出来る。この場合、昇降移載手段14A,14Bを含む搬入搬出用コンベヤ10と搬入搬出用コンベヤ11とを各別に作動させることが出来るように構成しておけば、搬入側の昇降移載手段14Aと搬出側の昇降移載手段14Bを任意のタイミングで各別に作動させながら、それぞれの作動時に障害物検出手段33Aと障害物検出手段33Bを働かせ、それぞれの障害物検出用光線膜33a,33bによって荷搬出対象のコンテナCy側の障害物と荷搬入対象のコンテナCx側の障害物とを各別に検出して、常に安全を図ることが出来る。
尚、図10に示すように、荷移載作業空間9のY方向前側に手作業時に使用出来るテーブル36が架設されているときは、荷移載作業空間9のY方向前側に配設される受光器(又は光線反射板)34b又は投光器(又は投受光器)34aをテーブル36の荷移載作業空間9側の端縁又はその下側に取り付けることが出来る。図では、投受光器34aに対する光線反射板34bがテーブル36の荷移載作業空間9側の端縁に取り付けられている。
更に、図11に示すように、昇降移載手段14A,14Bが備える各コンテナ支持搬送体14a,14bのY方向の後ろ側に、内側をコンテナCy,CxがY方向に通過移動出来る門形支持フレーム37を付設し、この門形支持フレーム37の上端のX方向に沿った水平フレーム部37aに、図8に示した前側の支持フレーム35a(前記テーブル36であっても良い)に取り付けられた投受光器38aに対する光線反射板38bを取り付けて、障害物検出手段33A,33Bを構成することも出来る。この構成によれば、コンテナ支持搬送体14a,14bが荷移載作業空間9内の定位置から昇降を開始するときに前記投受光器38aをONに切り換えて障害物検出を行わせることが出来る。勿論この実施例においても、投光器と受光器との組み合わせから成る障害物検出手段を利用することも可能であるし、図11に示す投受光器38aと光線反射板38bとを互いに逆位置に配設することも可能であるが、図11に示す実施例によれば、運動体であるコンテナ支持搬送体14a,14bと固定位置との間に通電経路を設ける必要が無くなり、簡単容易に障害物検出手段を構成することが出来る。
尚、障害物検出手段31,33,33A,33Bが投受光器間の障害物検出用光線膜31a,33a,33bを利用するものであるとき、その障害物検出用光線膜31a,33a,33bは、投光器のスリット状の開口から投射される平面状の光線膜の他、適当間隔おきに並列させた多数の投光器から個別に投射される多数の光線の集合体を意味するものである。勿論、障害物検出手段としては、投受光器間の障害物検出用光線膜を利用しない、例えば撮像装置(カメラ)を使用するタイプのものも利用出来る。