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JP2020055752A - ジベンゾジアゼピン誘導体 - Google Patents

ジベンゾジアゼピン誘導体 Download PDF

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JP2020055752A
JP2020055752A JP2017151063A JP2017151063A JP2020055752A JP 2020055752 A JP2020055752 A JP 2020055752A JP 2017151063 A JP2017151063 A JP 2017151063A JP 2017151063 A JP2017151063 A JP 2017151063A JP 2020055752 A JP2020055752 A JP 2020055752A
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dibenzo
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JP2017151063A
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渡辺 仁
Hitoshi Watanabe
仁 渡辺
磯部 義明
Yoshiaki Isobe
義明 磯部
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Sumitomo Pharma Co Ltd
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Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
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Abstract

【課題】中枢神経系疾患に有用なジベンゾジアゼピン誘導体の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物。[環Q1及び環Q2は夫々独立に置換/非置換のベンゼン環又はピリジン環;RaはH又はハロゲンで置換/非置換のC1−6のアルキル;nは0〜2の整数;mは1〜4の整数;Rbは夫々独立に、H、ハロゲン原子又はハロゲン原子置換/非置換のC1−6アルキル]【選択図】なし

Description

本発明は、ドパミンD受容体拮抗作用、ドパミンD受容体拮抗作用、およびセロトニン5−HT2A受容体拮抗作用を有するジベンゾジアゼピン誘導体またはその製薬学的に許容される塩、並びに該誘導体を有効成分とする中枢神経系疾患の治療剤および/または予防剤に関する。
統合失調症は、推定患者数が世界で4500万人にも上ると報告され、陽性症状、陰性症状および認知機能障害を主症状とする精神疾患である。現在、統合失調症の治療薬としてドパミンD受容体(以下、D受容体)拮抗作用やセロトニン5−HT2A受容体(以下、5−HT2A受容体)拮抗作用を有する抗精神病薬が使用されるが、統合失調症患者の約3割において既存の抗精神病薬では効果が認められないいわゆる治療抵抗性統合失調症に罹患している患者が存在することが知られている(非特許文献1)。
このような状況下、非定型抗精神病薬であるクロザピンは、統合失調症患者に高い薬効を示すことが知られているとともに、治療抵抗性統合失調症患者にも有効な唯一の薬剤であると報告されている(非特許文献1)。しかしながら、クロザピン服用患者の0.8%の患者に、重篤な副作用である無顆粒球症を引き起こすとの報告があり、服薬時には血液のモニタリングが必要となっている。したがって、より安全で、かつ治療抵抗性統合失調症患者にも有効な抗精神病薬の開発は喫緊の課題となっている。
クロザピンは、ドパミンD受容体拮抗作用、セロトニン5−HT2A受容体拮抗作用に加え、ドパミンD受容体(以下、D受容体)に対しても拮抗作用を有することが知られている(非特許文献2)。
特許文献1には、D受容体、D受容体、および5−HT2A受容体に拮抗作用を有する物質として1−ピペラジノ−1,2−ジヒドロインデン誘導体が開示されているが、本発明のジベンゾジアゼピン誘導体とは化学構造が異なる。
特許文献2には、抗精神病薬として有用なジベンズオキサゼピン誘導体が開示されている。
特許第3255416号公報 米国特許第4221714号公報
Pharmgenomics Pers Med.(2016)9, 117-129. Am J Psychiatry. (2004);161(9):1620-5.
本発明の課題は、D受容体拮抗作用、D受容体拮抗作用、および5−HT2A受容体拮抗作用により特徴づけられる中枢神経系疾患の予防若しくは治療に使用するための化合物またはその製薬学的に許容される塩、その製造方法、当該化合物を含む組成物等を提供することにある。
本発明者らは、D受容体、D受容体、および5−HT2A受容体に対して拮抗作用を有する化合物が、治療抵抗性を含む統合失調症やその他の精神疾患に強い薬効を示すと考え鋭意研究した結果、下記式(1)で表される化合物およびその製薬学的に許容される塩(以下必要に応じ「本発明化合物」と略称することがある。)が、D受容体、D受容体、および5−HT2A受容体に対して強い拮抗作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕 式(1):
Figure 2020055752
[式中、環Qは、置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいピリジン環を表し;
環Qは、置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいピリジン環を表し;
は、水素原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
nは、0、1または2を表し;
mは、1、2、3または4を表し;
は、複数ある場合はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す]で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔2〕 環Qが、ベンゼン環またはピリジン環(該ベンゼン環またはピリジン環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、および同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;
環Qが、ベンゼン環またはピリジン環(該ベンゼン環またはピリジン環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、および同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)である、項1に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔3〕 環Qが、ベンゼン環(該環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;
環Qが、ベンゼン環(該環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)である、項1または2に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔4〕 nが1である、項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔5〕 Rが、複数ある場合はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルである、項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔6〕 式(1a):
Figure 2020055752
[式中、Rは、水素原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
、R、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、または同種もしくは異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノを表し;
11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す]で表される、項1に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔7〕 R11、R12、R13、およびR14のいずれか1つ以上が、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルである、項6に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔8〕 式(1b):
Figure 2020055752
[式中、R、R、R、R13、およびR14は、項6と同義である]で表される、項6に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔9〕 R13がC1−6アルキルである、項6〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔10〕 R13がメチルである、項6〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔11〕 R14が水素原子である、項6〜10のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔12〕 式(1b−1):
Figure 2020055752
[式中、R、RおよびRは、項6と同義である]で表される、項6に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔13〕 Rが、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルである、項1〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔14〕 Rがメチルである、項1〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔15〕 RおよびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはシアノである、項6〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔16〕 RおよびRのいずれか1つ以上が、ハロゲン原子、シアノ、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシである、項6〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔17〕 Rが、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−3アルキル、またはC1−3アルコキシであり、
が、水素原子、フッ素原子、塩素原子、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−3アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはシアノである、
項6〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔18〕以下の化合物群から選択される、項1に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩:
11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−8−メチル−2−(トリフルオロメチル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例32)、
8−メチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−(トリフルオロメチル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例33)、
8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−(トリフルオロメトキシ)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例38)、
8−クロロ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−(トリフルオロメトキシ)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例39)、
8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−ラヒドロピリジン−4−イル]−2−エチル−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例45)、
8−クロロ−2−エチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例46)、
11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−エチル−8−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例49)、
2−エチル−8−フルオロ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例50)、
2−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−8−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例57)、
2−クロロ−8−フルオロ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例58)、
8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−メチル−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例65)、
8−クロロ−2−メチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例66)、
8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−メトキシ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例72)、
8−クロロ−2−メトキシ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例73)、
11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−エトキシ−8−メチル−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例88)、および
2−エトキシ−8−メチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン (実施例89)。
〔19〕 項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
〔20〕 項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、中枢神経系疾患の治療剤。
〔21〕 中枢神経系疾患が、統合失調症、双極性障害、自閉症、ADHD、うつ病、不安障害、睡眠障害、認知症の行動・心理症状(BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)) または神経変性疾患の精神症状である、項20に記載の治療剤。
〔22〕 治療が必要な患者に、治療上の有効量の項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩を投与することを含む、中枢神経系疾患を治療するための方法。
〔23〕 中枢神経系疾患の治療剤を製造するための、項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩の使用。
〔24〕 中枢神経系疾患の治療に使用するための、項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
〔25〕 項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩と、アリピラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ブロナンセリン、ペロスピロン、パリペリドン、ジプラシドン、アセナピン、イロペリドン、セルチンドール、ルラシドンおよびそれらの製薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の薬剤とを組み合わせてなる中枢神経系疾患の治療剤。
〔26〕 アリピラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ブロナンセリン、ペロスピロン、パリペリドン、ジプラシドン、アセナピン、イロペリドン、セルチンドール、ルラシドンおよびそれらの製薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の薬剤と併用して中枢神経系疾患を治療するための、項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する治療剤。
本発明化合物は、D受容体、D受容体、および5−HT2A受容体に対して拮抗作用を示す。加えて、好ましい態様においては、脳移行性が優れており、さらに反応性代謝物の生成量も低い。したがって、本発明化合物は、安全性の高い優れた中枢神経系疾患(例えば、統合失調症)の治療剤および/または予防剤として有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−6」等と表記する場合もある。具体的には、「C1−6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキルと同義である。
「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。好ましくは、フッ素原子、塩素原子である。
「C1−6アルキル」は、炭素数1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル」である。「C1−6アルキル」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
「C1−6アルコキシ」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ」である。「C1−6アルコキシ」の具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
式(1)で表される化合物において、環Qおよび/または環Qがピリジン環であるとき、それらが縮環する環とが共有している矢印で示した4つの原子は、炭素である。
Figure 2020055752
「置換されていてもよいベンゼン環」、「置換されていてもよいピリジン環」における置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(c)C1−6アルコキシ(該基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい)、
(d)シアノ、
(e)フェニル(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(f)5員もしくは6員のヘテロアリール(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(g)フェノキシ(該基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)、
(h)ヒドロキシ、
(i)アミノ(該基は同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)、および
(j)アミノカルボニル(該アミノは同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよい)等が挙げられる。
好ましくは、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、および同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノが挙げられる。
より好ましくは、ハロゲン原子、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシが挙げられる。
式(1a)で表される本発明化合物の中でも、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、およびR14で、好ましいものは以下のとおりであるが、本発明の技術的範囲は下記に挙げる化合物の範囲に限定されるものではない。
として好ましくは、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルが挙げられる。より好ましくはC1−3アルキルであり;更に好ましくはメチルである。また、Rの別の態様としては、重水素化メチル(CD3)が挙げられる。
、R、R、R、R、およびRとして好ましくは、水素原子およびハロゲン原子が挙げられる。より好ましくは水素原子である。
およびRとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシが挙げられる。より好ましくは、ハロゲン原子、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシが挙げられる。
11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルであるが、R11、R12、R13、およびR14のいずれか1つ以上は、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルであることが好ましい。より好ましくは、R11、R12、R13、およびR14のいずれか1つ以上がC1−6アルキルである。
11、R12、およびR14として好ましくは、水素原子、およびC1−6アルキルが挙げられる。より好ましくは水素原子である。
13として好ましくは、水素原子、およびC1−6アルキルが挙げられる。より好ましくはC1−4アルキルであり;更に好ましくはメチルである。
11、R12、R13、およびR14の別の態様としては、R11、およびR12が水素原子であり;R13がC1−6アルキルであり;R14が、水素原子、またはC1−6アルキルである。
11、R12、R13、およびR14の別の態様としては、R11、R12、およびR14が水素原子であり;R13がC1−4アルキルである。
式(1)で表される化合物は、互変異性体として存在する場合もあり得る。従って、本発明化合物は、式(1)で表される化合物の互変異性体も包含する。
式(1)で表される化合物は、少なくとも一つの不斉炭素原子を有する場合もあり得る。従って、本発明化合物は、式(1)で表される化合物のラセミ体のみならず、これらの化合物の光学活性体も包含する。
また、式(1)で表される化合物のいずれか1つ又は2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も式(1)で表される化合物に包含される。
式(1)で表される化合物およびその製薬学的に許容される塩は、水和物および/または溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物またはエタノール溶媒和物等の溶媒和物も本発明化合物に含まれる。さらに、本発明化合物はあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
製薬学的に許容される塩としては、式(1)で表される化合物が酸性基を有する場合は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;亜鉛塩等の無機金属塩;トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシメチルアミノメタン、アミノ酸等の有機塩基塩等が挙げられる。
式(1)で表される化合物が塩基性基を有する場合は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
以下に、本発明における式(1)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
製造法
本発明化合物は、下記に示す製造法、および公知の合成方法を組み合わせた方法により合成される。
反応式中の化合物はそれぞれ塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば、式(1)で表される化合物の塩と同様のものが挙げられる。なお、これらの反応は単なる例示であり、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜、他の方法で本発明化合物を製造することもできる。
下記において説明する各製造法において、具体的に保護基の使用を明示していない場合であっても、保護が必要な官能基が存在する場合は、当該官能基を必要に応じて保護し、反応終了後または一連の反応を行った後に脱保護することにより目的物を得ることもある。
保護基の導入及び脱離は、有機合成化学で常用される方法(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York(1999)に記載されている方法等)またはそれに準じた方法により行うことができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−トルエンスルホニル、o−ニトロベンゼンスルホニル等が挙げられる。
製造法1
式(1)で表される化合物のうち、式(1c)および(1d)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
Figure 2020055752
[式中、環Q、環Q、R、m、およびnは、前記〔1〕と同義であり;Ra1は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;Xはハロゲンを表し;Proはアミノ基の保護基を表し;Aはボロン酸またはボロン酸エステルを表す。]
工程1−1:化合物(1−2)の製造工程
化合物(1−2)は、適当な不活性溶媒中、塩基存在下または非存在下、化合物(1−1)にハロゲン化試薬を作用させることにより製造される。
化合物(1−1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第2007/047776号公報)により製造されたものを用いることができる。
ハロゲン化試薬としては、例えば、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン、オキシ塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル、五塩化リン等が挙げられる。
塩基としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、ジクロロメタン等が挙げられる。
反応時間は、通常、5分〜72時間であり、好ましくは30分〜2時間である。
反応温度は、通常、−78℃〜200℃であり、好ましくは20℃〜100℃である。
工程1−2:化合物(1d)の製造工程
化合物(1d)は、適当な不活性溶媒中、パラジウム触媒の存在下、化合物(1−2)と化合物(1−3)をカップリングさせることにより製造される。本工程は、必要に応じて塩基および/またはリン配位子の存在下で行うことができる。
化合物(1−3)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第2002/066470)により製造されたものを用いることができる。
パラジウム触媒としては、常法で使用される種々のパラジウム触媒を使用することができるが、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。
塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、1、4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、水およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
反応温度は通常、0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃であり、必要に応じてマイクロ波照射下で行うこともできる。
反応時間は、反応温度、使用されるパラジウム触媒、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常、5分〜72時間であり、好ましくは30分〜24時間である。
工程1−3:化合物(1−5)の製造工程
化合物(1−5)は、化合物(1−2)と化合物(1−4)より、工程1−2に記載の方法に準じて製造される。
化合物(1−4)は、後記の製造法2により製造されたものを用いることができる。
工程1−4:化合物(1c)の製造工程
化合物(1c)は、化合物(1−5)のアミノ基の保護基Proを、公知の方法(例えば、Protective Group in Organic Synthesis第3版(Theodora W.Green,Peter G.M.Wuts著,John Wiley&Sons Inc発行、1999年)で脱保護することにより製造される。
工程1−5:化合物(1d)の製造工程
化合物(1d)は、適当な不活性溶媒中、還元剤の存在下、化合物(1c)と種々のアルキルアルデヒドとを反応させることによっても製造される。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、THF、ジクロロエタン、メタノール等が挙げられる。
反応時間は、通常、5分〜48時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。
反応温度は、通常、−78℃〜100℃であり、好ましくは0℃〜80℃である。
また、化合物(1d)は、適当な不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(1c)と種々のアルキルハライドを反応させることによっても製造される。
塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、DMF、ジメチルスルホキシド、THF、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
反応時間は、通常、5分〜48時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。
反応温度は、通常、−78℃〜100℃であり、好ましくは0℃〜80℃である。
製造法2
式(1−4)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
Figure 2020055752
[式中、R、m、およびnは、前記〔1〕と同義であり;Xはハロゲンまたはトリフラートを表し;Proはアミノ基の保護基を表し;Aはボロン酸またはボロン酸エステルを表す。]
工程2−1:化合物(2−2)の製造工程
化合物(2−2)は、適当な不活性溶媒中、塩基の存在下、化合物(2−1)にトリフラート化剤を作用させることにより製造される。
化合物(2−1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第2012/142668)により製造されたものを用いることができる。
塩基としては、例えば、リチウムジイソプロピルアミド又はナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドが挙げられる。
トリフラート化剤としては、常法で使用される種々のトリフラート化剤を使用することができるが、好ましくはN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、THF等が挙げられる。
反応時間は、通常、5分〜72時間であり、好ましくは30分〜8時間である。
反応温度は、通常、−78℃〜200℃であり、好ましくは−78℃〜20℃である。
工程2−2:化合物(1−4)の製造工程
化合物(1−4)は、適当な不活性溶媒中、パラジウム触媒の存在下、化合物(2−2)とホウ素化試薬をカップリングさせることにより製造される。本工程は、必要に応じて塩基および/またはリン配位子の存在下で行うことができる。
塩基としては、例えば、酢酸カリウムが挙げられる。
ホウ素化試薬としては、常法で使用される種々のホウ素化試薬を使用することができるが、好ましくはビス(ピナコレイト)ジボランが挙げられる。
パラジウム触媒としては、常法で使用される種々のパラジウム触媒を使用することができるが、好ましくは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドが挙げられる。
不活性溶媒としては、例えば、1、4−ジオキサン、THF等が挙げられる。
反応温度は、通常、0℃〜200℃、好ましくは50℃〜120℃であり、必要に応じてマイクロ波照射下で行うこともできる。
反応時間は、反応温度、使用されるパラジウム触媒、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常、5分〜72時間であり、好ましくは2時間〜8時間である。
製造法3
式(1)で表される化合物のうち、式(1e)で表される化合物は、例えば、下記に示される方法によって製造される。
Figure 2020055752
[式中、環Q、環Q、R、およびmは、前記〔1〕と同義であり;Ra1は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;Xはハロゲンを表し;Aはボロン酸またはボロン酸エステルを表す。]
工程3−1:化合物(3−2)の製造工程
化合物(3−2)は、化合物(1−2)と化合物(3−1)より、工程1−2に記載の方法に準じて製造される。
化合物(3−1)は、市販の化合物、または公知の方法(例えば、国際公開第2011/119518)により製造されたものを用いることができる。
工程3−2:化合物(1e)の製造工程
化合物(1e)は、適当な不活性溶媒中、化合物(3−2)と化合物(3−3)を反応させて4級アンモニウムカチオンを生じさせた後、還元剤を作用させることによって製造される。
不活性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、THF、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
アルキル化の工程の反応時間は、通常、5分〜48時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。アルキル化の工程の反応温度は、0℃〜100℃である。
続く還元反応の工程において使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。
使用される溶媒としては、例えば、トルエン、THF、ジクロロエタン、メタノール等が挙げられる。
反応時間は、通常、5分〜48時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。
反応温度は、通常、−78℃〜100℃であり、好ましくは−78℃〜20℃である。
上記の製造法を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の置換基を有する本発明化合物を得ることができる。上記製造法における中間体および生成物の単離、精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えばろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することもできる。
上記の製造法における原料化合物または中間体は、反応条件等により、例えば塩酸塩等の塩の形態で存在し得るものもあるが、そのまま、または遊離の形で使用することができる。原料化合物または中間体が塩の形態で得られ、原料化合物または中間体を遊離の形で使用または取得したい場合には、これらを適当な溶媒に溶解または懸濁し、例えば炭酸水素ナトリウム水溶液等の塩基等で中和することにより遊離の形へ変換できる。
式(1)で表される化合物またはその製薬学的に許容される塩の中には、ケトエノール体のような互変異性体、位置異性体、幾何異性体または光学異性体のような異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め可能な全ての異性体および該異性体のいかなる比率における混合物も本発明に包含される。
また、光学異性体は前記製造法の適切な工程で、光学活性カラムを用いた方法、分別結晶化法などの公知の分離工程を実施することで分離することができる。また、出発原料として光学活性体を使用することもできる。
式(1)で表される化合物の塩を取得したい場合は、式(1)で表される化合物の塩が得られる場合はそのまま精製すればよく、また式(1)で表される化合物が遊離の形で得られる場合は、式(1)で表される化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。また、化合物(1)またはその製薬学的に許容される塩は、水または各種溶媒との溶媒和物の形で存在することもあるが、それら溶媒和物も本発明に包含される。
本明細書において「治療抵抗性統合失調症」とは2種類以上の抗精神病薬を十分量、十分な期間投薬しても十分な改善が認められない統合失調症をいう。日本の統合失調症薬物ガイドラインでは、2種類以上の抗精神病薬をクロルプロマジン換算600mg/日以上にて4週間以上投与して、機能の全体的評定(Global Assessment of Functioning:GAF)が41点以上に相当する状態になったことがないと定義されている。
治療抵抗性統合失調症に有効であるクロザピンは、D受容体拮抗作用、5−HT2A受容体拮抗作用に加え、D受容体に対しても拮抗作用を有することが知られている(非特許文献2)。クロザピンと同様にD受容体、D受容体、および5−HT2A受容体に拮抗作用を有する本発明化合物は、治療抵抗性統合失調症に有効であることが期待できる。
また、本発明化合物はD受容体および5−HT2A受容体に対して拮抗作用を示すことから、統合失調症、双極性障害、自閉症、ADHD、うつ病、不安障害、睡眠障害、認知症の行動・心理症状(BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia))、および神経変性疾患の精神症状にも有効であることが期待される。
治療抵抗性統合失調症を模した一般的な動物モデルは存在しないが、統合失調症の陽性症状のモデルであるラットメタンフェタミン誘発運動量亢進試験(試験例5)を実施することで、統合失調症治療薬を見出すことができ、上述のD受容体およびD受容体に拮抗作用を有することを確認することで治療抵抗性統合失調症にも有効な薬剤の探索が可能と考えられる。
医薬品化合物が生体内に取り込まれた後、代謝を受けることにより化学構造が変化し、反応性の高い中間体、すなわち反応性代謝物が生成し、毒性(無顆粒球症、肝毒性、アレルギー、組織壊死、変異原性やがん原性等)を発現させることがある。この反応性代謝物による毒性リスクを簡易に評価する試験の一つとして、ダンシル化されたグルタチオン(dGSH)を用いたグルタチオントラッピング試験がある。dGSH共有結合量の値が高い化合物ほど、全身に曝露された場合、上記の毒性リスクが高まる。
クロザピンに認められる無顆粒球症は、反応性代謝物の生成が一因であるとの報告がある(The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 1997, 283(3) 1375-1382等参照)。
本発明化合物についてダンシル化グルタチオン(dGSH)トラッピング試験を行ったところ、意外にも本発明化合物はdGSH共有結合量の値が極めて低く、反応性代謝物の生成が顕著に低減されることがわかった(試験例2)。このことから、本発明化合物は無顆粒球症等リスクが低く、長期にわたって安全に投与できることが期待される。
なお、本発明において、「予防」とは、疾患を発症していない健常人に対して本発明の有効成分を投与する行為であり、例えば、疾患の発症を防止することを目的とするものである。「治療」とは、医師により疾患を発症していると診断をされた人(患者)に対して本発明の有効成分を投与する行為である。
本発明化合物は、経口投与又は非経口投与により、直接又は適当な剤形を用いて製剤にし、投与することができる。剤形は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、注射剤、貼付剤、パップ剤等が挙げられるがこれに限らない。製剤は、製薬学的に許容される添加剤を用いて、公知の方法で製造される。
添加剤は、目的に応じて、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、コーティング剤、溶解剤、溶解補助剤、増粘剤、分散剤、安定化剤、甘味剤、香料等を用いることができる。具体的には、例えば、乳糖、マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、部分α化デンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口、または、静脈内、塗布、吸入および点眼等の非経口を挙げることができるが、好ましくは経口投与である。投与形態としては、例えば錠剤、注射剤等を挙げる事ができるが、好ましくは錠剤である。これらの医薬組成物の投与量や投与回数は、投与形態、患者の疾患やその症状、患者の年齢や体重等によって異なり、一概に規定することができないが、通常は成人に対し1日あたり有効成分の量として約0.0001〜約5000mgの範囲、好ましくは約0.001〜約1000mgの範囲、さらに好ましくは約0.1〜約500mgの範囲、特に好ましくは約1〜約300mgの範囲を1日1回または数回、好ましくは1日1〜3回に分けて投与することができる。
本発明化合物は、その効果の増強および/または副作用の軽減を目的として、他の薬物と併用して用いることができる。例えば、アリピラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ブロナンセリン、ペロスピロン、パリペリドン、ジプラシドン、アセナピン、イロペリドン、セルチンドール、ルラシドンまたはその製薬学的に許容される塩等の抗精神病薬と併用することができる。以下、本発明化合物と併用し得る薬物を、併用薬剤と略記する。
本発明化合物および併用薬剤の投与期間は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としてもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。また、その副作用抑制の目的として、制吐剤、睡眠導入剤、抗痙攣薬などの薬剤(併用薬剤)と組み合わせて用いることができる。
以下に本発明を、参考例、実施例及び試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
明細書の記載を簡略化するために、参考例、実施例及び試験例において、以下に示すような略号を用いることもある。
Me:メチル
Et:エチル
DMF:N、N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重線の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brmは幅広い多重線及びJは結合定数を意味する。
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]を[M+H]または[M―H]で、保持時間をRt(分)で示す。
測定条件(1)
検出機器: ACQUITY(登録商標) SQ deteceter (Waters社)
HPLC:ACQUITY UPLC(登録商標) system
Column: Waters ACQUITY UPLC(登録商標) BEH C18(1.7 μm, 2.1 mm X 30 mm)
流速:0.75mL/min
測定波長:254nm
移動層:A液 0.05%ギ酸水溶液
B液 アセトニトリル
タイムプログラム:
ステップ 時間(分)
1 0.0−1.3 A液:B液=90:10〜1:99
2 1.3−1.5 A液:B液=1:99
3 1.5−2.0 A液:B液=90:10
測定条件(2)
検出機器: ACQUITY(登録商標) SQ deteceter (Waters社)
HPLC:ACQUITY UPLC(登録商標) system
Column: Waters ACQUITY UPLC(登録商標) BEH C18(1.7 μm, 2.1 mm X 30 mm)
流速:0.80mL/min
測定波長:254nm
移動層:A液 0.05%ギ酸水溶液
B液 アセトニトリル
タイムプログラム:
ステップ 時間(分)
1 0.0−1.3 A液:B液=90:10〜5:95
2 1.3−1.5 A液:B液=90:10
測定条件(3)
MS検出器:LCMS−IT−TOF
HPLC:Shimadzu Nexera X2 LC 30AD
カラム:Kinetex 1.7u C18 100A New column 50×2.1mm
流速:1.2ml/min
測定波長:254nm
移動層:A液;0.1%ギ酸水溶液
B液;アセトニトリル
タイムプログラム:
ステップ 時間(分)
1 0.01−1.40 A液:B液=90:10〜5:95
2 1.40−1.60 A液:B液=5:95
3 1.61−2.00 A液:B液=99:1
参考例1
8−クロロ−2−フルオロ−5,10−ジヒドロ−11H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オン
Figure 2020055752
a)2−[(4−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−5−フルオロ安息香酸(化合物W1)の製造
4−クロロ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(5.0g)のDMF(29mL)溶液に、2−アミノ−5−フルオロ安息香酸(4.4g)および炭酸セシウム(28g)を加え、120℃にて一晩撹拌した。反応液に0℃にて水を加え、1mol/Lの塩酸でpH5に調整した後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去することにより、化合物W1(8.8g)を得た。
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 311/1.18 測定条件(1)
b)2−[(2−アミノ−4−クロロフェニル)アミノ]−5−フルオロ安息香酸(化合物W2)の製造
化合物W1(8.8g)のTHF/MeOH/HO(3:2:1)(300mL)溶液に、塩化アンモニウム(15g)および鉄(16g)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応液を冷却後、セライト濾過し、メタノールで洗浄した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル−水で分液抽出した後、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、化合物W2(8.0g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 281/1.06 測定条件(1)
c)8−クロロ−2−フルオロ−5,10−ジヒドロ−11H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オン(参考例1)の製造
化合物W2(8.0g)のDMF(143mL)溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(6.0g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.2g)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルム(20mL)で洗浄することにより、表題化合物(3g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 263/0.93 測定条件(1)
参考例2〜8
参考例1に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、下表に示す化合物を得た。
Figure 2020055752

Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(1)を用いて測定した。


















参考例9
tert−ブチル 6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート及びtert−ブチル 2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート
Figure 2020055752
a)tert−ブチル 6−メチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート及びtert−ブチル 2−メチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(物質A)の製造
1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピペリジン−4−オン(1.1g)のTHF溶液(10mL)に−78℃で1.5mol/Lのリチウムジイソプロアミド−THF溶液(4.0mL)を滴下した。−78℃で10分間撹拌した後、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(2.1g)のTHF溶液(5mL)を滴下した。室温で4時間撹拌した後、0℃にて飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール)及びNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより物質A(1.7g、異性体の混合物)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 6.44, 6.36(s, 1H, isomer ratio=1:1), 4.65-4.23 (m, 2H), 3.64-2.52 (m, 2H), 2.21-2.02 (m, 1H), 1.45 (s, 9H), 1.23, 1.16 (s, 3H, J = 6.8 Hz, isomer ratio=1:1).
b)tert−ブチル 6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート及びtert−ブチル 2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(参考例9)の製造
物質A(1.7g)のTHF溶液(50mL)に、ビス(ピナコレイト)ジボラン(1.4g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(0.73mmol)及び酢酸カリウム(1.5g)を加えた。80℃で2時間撹拌した後、室温に冷却し、セライトろ過により沈殿物を取り除いた。ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、参考例9の化合物(1.2g、異性体の混合物)を得た。
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 324/1.37 測定条件(1)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 5.73, 5.69 (s, 1H,isomer ratio=1:1), 4.43-4.16 (m, 2H), 3.61-2.37 (m, 2H), 2.13-2.01 (m, 1H), 1.44 (s, 9H), 1.24 (s, 12H), 1.16, 1.03 (s, 3H, J = 6.8Hz, isomer ratio=1:1).
参考例10〜12
参考例9に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、下表に示す化合物(異性体の混合物)を得た。
Figure 2020055752

Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(1)を用いて測定した。














参考例13〜29
参考例1に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、下表に示す化合物を得た。
Figure 2020055752

Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(2)を用いて測定した。













参考例30
8−メチル−2−(トリフルオロメチル)−5,10−ジヒドロ−11H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オン
Figure 2020055752
a)4−メチル−2−ニトロフェニル トリフルオロメタンスルホナート(化合物W3)の製造
4−メチルー2−ニトロフェノール(2.0g)のクロロホルム(26mL)溶液を0℃に冷却し、トリエチルアミン(5.4mL)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.4mL)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液に0℃にて重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(3.4g)を得た。
LC-MS ([M-H]-/Rt (min)): 283/0.99 測定条件(2)
b)メチル 2−[(4−メチル−2−ニトロフェニル)アミノ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(化合物W4)の製造
化合物W3(2.0g)のトルエン(68mL)溶液に2−アミノー5−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(1.5g)、炭酸カリウム(0.95g)、トリフェニルホスフィン(0.36g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.79g)を加え、加熱還流下2時間撹拌した。反応液を室温に戻し、水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(2.0g)を得た。
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 355/1.21 測定条件(2)
c)メチル 2−[(2−アミノ−4−メチルフェニル)アミノ]−5−(トリフルオロメチル)ベンゾエート(化合物W5)の製造
化合物W4(2.0g)のTHF/MeOH/HO(3:2:1)(30mL)溶液に、塩化アンモニウム(3.6g)および鉄(1.9g)を加え、加熱還流下1時間撹拌した。反応液を冷却後、セライト濾過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液を酢酸エチル−水で分液抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、粗生成物として表題化合物(1.8g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 325/1.17 測定条件(2)
d)2−[(2−アミノ−4−メチルフェニル)アミノ]−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(化合物W6)の製造
化合物W5(1.8g)のTHF/HO(1:1)(30mL)溶液に、水酸化リチウム(1.6g)を加え、加熱還流下2時間撹拌した。反応液を冷却後、0℃にて水を加え、1mol/Lの塩酸でpH5に調整した後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、粗生成物として表題化合物(1.6g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 311/0.98 測定条件(2)
e)8−メチル−2−(トリフルオロメチル)−5,10−ジヒドロ−11H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オンの製造
化合物W6(1.6g)のDMF(23mL)溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.4g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.0g)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(0.41g)を得た
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 293/0.89 測定条件(2)
参考例31及び32
参考例30に記載の方法に準じ、対応する原料化合物を用いて、下表に示す化合物を得た。
Figure 2020055752

Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(2)を用いて測定した。











参考例33
8−クロロ−11−オキソ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−2−カルボニトリル
Figure 2020055752
a)2−[(4−クロロ−2−ニトロフェニル)アミノ]−5−シアノ安息香酸(化合物W7)の製造
4−クロロ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(0.50g)のDMF(2.8mL)溶液に、2−アミノ−5−シアノ安息香酸メチル(0.50g)および炭酸セシウム(2.8g)を加え、120℃にて4時間撹拌した。反応液を冷却後、0℃にて水を加え、1mol/Lの塩酸でpH5に調整した後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去することにより、粗生成物として表題化合物(0.90g)を得た。
LC-MS ([M-H]-/Rt (min)): 316/0.87 測定条件(2)
b)2−[(2−アミノ−4−クロロフェニル)アミノ]−5−シアノ安息香酸(化合物W8)の製造
化合物W7(0.90g)のTHF/MeOH/HO(3:2:1)(30mL)溶液に、塩化アンモニウム(1.5g)および鉄(0.73g)を加え、加熱還流下1時間撹拌した。反応液を冷却後、セライト濾過し、酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液を酢酸エチル−水で分液抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、粗生成物として表題化合物(0.82g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 288/0.84 測定条件(2)
c)8−クロロ−11−オキソ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−2−カルボニトリルの製造
化合物W8(0.82g)のDMF(14mL)溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.60g)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.42g)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルム(5mL)で洗浄することにより、表題化合物(0.25g)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 270/0.71 測定条件(2)
実施例1
8−クロロ−2−フルオロ−11−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン
Figure 2020055752
a)8,11−ジクロロ−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(化合物W9)の製造
参考例1の化合物(1.0g)のトルエン(20mL)溶液にN,N−ジメチルアニリン(2.3g)およびオキシ塩化リン(1.8g)を加えた。95℃で2時間撹拌した後、冷却した。反応液にTHF、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)にてN,N−ジメチルアニリンを除去し、化合物W9(0.9g)を得た。
b)8−クロロ−2−フルオロ−11−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例1)の製造
化合物W9(0.9g)のTHF/水(4/1)(50mL)溶液に1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1.0g)、炭酸カリウム(1.6g)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.88g)を加えた。75℃で1時間撹拌した後、冷却した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール)及びNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(0.70g)を得た。
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 342/0.67 測定条件(1)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 7.20 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.00-6.92 (m, 3H), 6.72-6.68 (m, 1H), 6.61 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 6.09-6.05 (m, 1H), 4.78 (s, 1H), 3.15-3.11 (m, 2H), 2.74-2.70 (m, 2H), 2.64 (t, 2H, J = 5.2 Hz), 2.40 (s, 3H).












実施例2〜6
実施例1に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物および原料化合物を用い、実施例2〜6の化合物を得た。
Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(1)を用いて測定した。







実施例7および実施例8
8−クロロ−2−フルオロ−11−(6−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例7)
8−クロロ−2−フルオロ−11−(2−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例8)
Figure 2020055752
a)tert−ブチル 4−(8−クロロ−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−イル)−6−メチル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート及びtert−ブチル 4−(8−クロロ−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−イル)−2−メチル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(物質B)の製造
化合物W9(1.1g)のTHF/水(4/1)(50mL)溶液に、参考例9の化合物(異性体の混合物)(1.3g)、炭酸カリウム(1.7g)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.92g)を加えた。75℃で1時間撹拌した後冷却し、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、物質B(1.0g、異性体の混合物)を得た。
LC-MS ([M+H]/Rt (min)): 442/1.45 測定条件(1)
b)8−クロロ−2−フルオロ−11−(6−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例7)及び8−クロロ−2−フルオロ−11−(2−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例8)の製造
物質B(0.17g)のジクロロメタン(4mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、室温で1時間撹拌した。氷冷した反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をODSカラム(0.05%トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル)で逆相精製し、クロロホルム−飽和重曹水による分液操作によりTFA塩をフリー化することにより、実施例7の化合物(10mg)および実施例8の化合物(10mg)を得た。
8−クロロ−2−フルオロ−11−(6−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例7):
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 342/0.73 測定条件(1)
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ:7.19 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 7.00-6.89 (m,3H), 6.73-6.70 (m, 1H), 6.62 (d, 1H, 8.3Hz), 5.98 (s, 1H), 4.80 (s, 1H), 3.64-3.62 (m, 1H), 3.28-3.23 (m, 1H), 2.98-2.91 (m, 1H), 2.61-2.46 (m, 2H), 1.19 (d, 3H, J = 6.9 Hz).
8−クロロ−2−フルオロ−11−(2−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例8):
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 342/0.75 測定条件(1)
1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ: 7.20 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 7.01-6.89 (m, 3H), 6.73-6.69 (m, 1H), 6.61 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 6.12 (s, 1H), 4.79 (s, 1H), 3.65-3.62 (m, 2H), 2.98-2.89 (m, 1H), 2.84-2.79 (m, 1H), 2.16-2.06 (m, 1H), 1.25 (d, 3H, J = 6.4 Hz).
実施例9〜16
実施例7および実施例8に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物および原料化合物を用い、実施例9〜16の化合物を得た。
































Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(1)を用いて測定した。
実施例17および実施例18
8−クロロ−11−(1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例17)
8−クロロ−11−(1,2−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例18)
Figure 2020055752
実施例7および実施例8(1:1)の混合物の(1.0g)メタノール(20mL)溶液に、37%ホルムアルデヒド液(0.73g)および硫酸マグネシウム(5.0g)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を氷冷し、水素化ホウ素ナトリウム(0.68g)を徐々に加えた。室温で1時間撹拌し、セライトろ過により固形物を取り除いた。ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、実施例17の化合物(0.20g)および実施例18の化合物(0.20g)を得た。
8−クロロ−11−(1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例17):
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 7.20 (d, 1H, J = 2.3 Hz), 7.01-6.89 (m, 3H), 6.72-6.69 (m, 1H), 6.61 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 5.87 (s, 1H), 4.78 (s, 1H), 3.01-2.88 (m, 2H), 2.73-2.43 (m, 3H), 2.41 (s, 3H), 1.19 (d, 3H, J = 6.8 Hz).
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 356/0.71 測定条件(1)
8−クロロ−11−(1,2−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−2−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例18):
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 7.20 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.00-6.92 (m, 3H), 6.72-6.68 (m, 1H), 6.61 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 6.05 (s, 1H), 4.77 (s, 1H), 3.49-3.39 (m, 2H), 3.06-2.22 (m, 3H), 2.36 (s, 3H), 1.18 (d, 3H, J = 4.8 Hz).
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 356/0.73 測定条件(1)



実施例19〜21
実施例17および実施例18に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物および原料化合物を用い、実施例19〜21の化合物を得た。
Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(1)を用いて測定した。
実施例22
8−クロロ−2−フルオロ−11−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン
Figure 2020055752
a)8−クロロ−2−フルオロ−11−(ピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(W10)の製造
化合物W9(107mg)のTHF/水(4/1)(5mL)溶液に、ピリジン−4−ボロン酸(94mg)、炭酸カリウム(0.16g)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(88mg)を加えた。75℃で1時間撹拌した後。氷冷した反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール)及びNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、化合物W10(45mg)を得た。
LC-MS ([M+H]+/Rt (min)): 342/0.73 測定条件(1)
b)8−クロロ−2−フルオロ−11−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(実施例22)の製造
化合物W10(15mg)のアセトニトリル(0.42mL)溶液にヨウ化メチル(59mg)を加えた。60℃で1時間撹拌した後、反応液を濃縮した。得られた残渣をメタノール(0.20mL)に溶解し、0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(16mg、0.42mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層の溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム/メタノール)及びNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(10mg)を得た。

































実施例23〜31
実施例22に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物および原料化合物を用い、実施例23〜31の化合物を得た。
Figure 2020055752
Figure 2020055752
上表中のLC−MSは、測定条件(1)を用いて測定した。
実施例32〜89
実施例1、実施例7および実施例8、実施例17および実施例18に記載の方法に準じ、対応する参考例の化合物および原料化合物を用い、実施例32〜89の化合物を得た。
Figure 2020055752



Figure 2020055752








Figure 2020055752






Figure 2020055752









Figure 2020055752




Figure 2020055752




Figure 2020055752






Figure 2020055752

Figure 2020055752








Figure 2020055752




試験例
以下に、本発明化合物の薬理試験結果を示し、該化合物についての薬理作用を説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
試験例1:ヒト型D 受容体、ヒト型D 受容体、ヒト型5−HT 2A 受容体に対するアンタゴニスト活性評価試験
ヒト型D受容体、ヒト型D受容体、ヒト型5−HT2A受容体に対するアンタゴニスト活性については細胞内カルシウム濃度を指標にして測定した。エクオリン、Gα16蛋白、各々の受容体を一過的にCHO-K1細胞(Chinese hamster ovary)に発現させた後に、384穴プレートに藩種し、CO2インキュベーター内で37℃にて終夜培養した。セレンテラジンを添加後に、FDSS(浜松フォトニクス社製)を用いて、本発明化合物のDMSO懸濁液を添加後、ドパミン(最終濃度100nmol/L)もしくはセロトニン(最終濃度30nmol/L)を添加し、発光量の変化を測定した。
アンタゴニスト活性はDMSOのみを添加したウェルの発光量を100%阻害、ドパミンもしくはセロトニンのみを添加したウェルの発光量を0%阻害とした場合の、本発明化合物1μmol/Lでの阻害率を算出した。また、下表中に濃度を記載しているものは、記載の濃度における阻害率を表す(例えば、58@0.1μmol/Lと記載しているものは、0.1μmol/Lにおける阻害率が58%であったことを表している)。結果を下表に示す。
Figure 2020055752



















Figure 2020055752


Figure 2020055752
試験例2:ダンシル化グルタチオン(dGSH)トラッピングアッセイ
本発明化合物を肝ミクロソームで代謝させ、生成した代謝物からダンシル化グルタチオン(dGSH)と反応する反応性代謝物を検出し定量した。代謝反応はスクリーニングロボット(Tecan社製)を用い、代謝物‐dGSH結合物濃度は蛍光検出UPLCシステム(Waters社製)を用いて測定した。
(溶液調製)
本発明化合物をDMSOに溶解し、10mmol/Lの被験物質溶液を調製した。リン酸カリウムバッファー(500mmol/L、pH7.4)7.6mL、ヒト肝ミクロソーム(Xenotech社製、20mg protein/mL)1.9mL、および純水1.27mLを混合して、ミクロソーム溶液を調製した。ミクロソーム溶液3.78mLに純水0.67mLを加えてミクロソーム(dGSH(−))溶液を調製した。ミクロソーム溶液6.48mLにdGSH溶液(20mmol/L)1.14mLを加えてミクロソーム(dGSH(+))溶液を調製した。NADPH80.9mgを純水30mLに溶解してcofactor液を調製した。Tris(2−carboxyethyl)phosphin(TECP)33mgをメタノール115mLに溶解して反応停止液を調製した。
(反応)
被験物質溶液12μLを純水388μLと混合し、96ウェルプレートに50μLずつ6ウェルに分注した。上記6ウェルを2ウェルずつ3群に分け、それぞれ「反応群」、「未反応群」及び「dGSH未添加群」とした。「反応群」及び「未反応群」にミクロソーム(dGSH(+))溶液を、「dGSH未添加群」にミクロソーム(dGSH(−))を50μLずつ添加した。「反応群」及び「dGSH未添加群」にcofactor液を、「未反応群」に純水を50μLずつ添加した。37℃で60分間インキュベートした後、反応停止液を450μLずつ添加して反応を停止した。「反応群」及び「dGSH未添加群」に純水を、「未反応群」にcofactor液を50μLずつ添加し、プレートを−20℃で1時間冷却後、遠心分離(4000rpm、10分間)を行った。上清を別プレートに回収し、分析に供した。
(分析)
蛍光検出UPLCシステム(Waters社製)を用いて、以下の条件で「反応群」の代謝物−dGSH結合物濃度および「未反応群」のdGSH結合物濃度を測定した。
カラム:Waters ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1 × 10 mm
溶出溶媒: A, 0.2%ギ酸/40%メタノール;B, 0.2%ギ酸/メタノール
グラジエント:B, 0%(0 min)→83.3%(9.33 min)→83.3%(10.63 min)→0%(10.64 min)→0%(13 min)
蛍光強度は有機溶媒組成によって変化するため、溶出時の有機溶媒組成で補正を行った。
「反応群」の代謝物−dGSH結合物濃度の結果を下表に示す。
Figure 2020055752


























Figure 2020055752
ND: Not detected(検出限界未満)










「未反応群」のdGSH結合物濃度の結果を下表に示す。
Figure 2020055752
ND: Not detected(検出限界未満)
試験例3:ヒト肝ミクロソーム代謝安定性試験
本化合物のヒト肝ミクロソーム代謝安定性(Metabolic Stability; MS)を以下の方法で評価した。ヒト肝ミクロソームはXenontech社製を使用した。ヒト肝ミクロソーム、NADPH、被験物質を125mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)中で以下の濃度になるように混合し、37℃で30分間インキュベーションした。
・ヒト肝ミクロソーム:0.1mg/mL
・NAPDH:3.2mmol/L、
・被験物質:0.1μmol/L
30分後のサンプル中の被験物質の残存率をLC-MSにて測定し、以下の式からヒト肝ミクロソーム代謝安定性を算出した。
ヒト肝ミクロソーム代謝安定性(mL/min/mg protein)=−LN(残存率)/30/0.1
結果を下表に示す。
Figure 2020055752
試験例4:ラット脳内移行性試験
本試験では本発明化合物の脳内移行性を評価できる。SD系7週齢のラットに対して、本発明化合物を0.01mol/L塩酸水溶液にて皮下投与し、投与後1時間後に血漿及び脳を採取し、LC−MSにて血漿中及び脳内薬物濃度を測定した。
本発明化合物の血清及び脳内タンパク結合率を、平衡透析法を用いて測定した。
上記の試験により得られた血漿中および脳内化合物濃度および血清中および脳内タンパク結合率を下記の式にあてはめることにより、Kp,uu,brain(脳/血漿間非結合型薬物濃度比)を算出することができる。
Kp,uu,brain=(脳内化合物濃度×(100−脳内タンパク結合率(%))/100)/(血漿中化合物濃度×(100−血清中タンパク結合率(%))/100)
結果を下表に示す。
Figure 2020055752
試験例5:ラットメタンフェタミン誘発運動量亢進試験による陽性症状に対する評価
ラットへのメタンフェタミン投与による運動量亢進作用は統合失調症の陽性症状の評価系として用いられており、本発明化合物を投与した際の抑制作用を評価できる。6−10週齢のラットに対して本発明化合物を投与した後、メタンフェタミン投与直後から90分間の運動量を測定する。測定にはSuperMex(室町機械株式会社)を用いる。溶媒投与群の運動量を100%としたときの抑制率を算出する。
試験例6:統合失調症患者に対する有効性の評価
臨床において、統合失調症の精神症状の評価尺度としてPANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)、CGI-S(Clinical Global Impression Severity scale)などが用いられる。本発明化合物を6〜24週間投与した後、上記評価尺度を用いて有効性を評価する。
本発明化合物は、ドパミンD受容体、ドパミンD受容体、およびセロトニン5−HT2A受容体に対して拮抗作用を示すことから、中枢神経系疾患の治療剤および/または予防剤として有用である。

Claims (20)

  1. 式(1):
    Figure 2020055752
    [式中、環Qは、置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいピリジン環を表し;
    環Qは、置換されていてもよいベンゼン環、または置換されていてもよいピリジン環を表し;
    は、水素原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
    nは、0、1または2を表し;
    mは、1、2、3または4を表し;
    は、複数ある場合はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す]で表される化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  2. 環Qが、ベンゼン環またはピリジン環(該ベンゼン環またはピリジン環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、および同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;
    環Qが、ベンゼン環またはピリジン環(該ベンゼン環またはピリジン環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、および同種または異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)である、請求項1に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  3. 環Qが、ベンゼン環(該環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)であり;
    環Qが、ベンゼン環(該環は、ハロゲン原子、シアノ、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、および同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい)である、請求項1または2に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  4. nが1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  5. が、複数ある場合はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  6. 式(1a):
    Figure 2020055752
    [式中、Rは、水素原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表し;
    、R、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、または同種もしくは異種の1〜2個のC1−6アルキルで置換されていてもよいアミノを表し;
    11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルを表す]で表される、請求項1に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  7. 11、R12、R13、およびR14のいずれか1つ以上が、ハロゲン原子、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項6に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  8. 式(1b):
    Figure 2020055752
    [式中、R、R、R、R13、およびR14は、請求項6と同義である]で表される、請求項6に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  9. 13がC1−6アルキルである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  10. 13がメチルである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  11. 14が水素原子である、請求項6〜10のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  12. 式(1b−1):
    Figure 2020055752
    [式中、R、RおよびRは、請求項6と同義である]で表される、請求項6に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  13. が、同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  14. がメチルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  15. およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシ、またはシアノである、請求項6〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  16. およびRのいずれか1つ以上が、ハロゲン原子、シアノ、同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル、または同種もしくは異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルコキシである、請求項6〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはその製薬学的に許容される塩。
  17. 以下の化合物群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩:
    11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−8−メチル−2−(トリフルオロメチル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−メチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−(トリフルオロメチル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−(トリフルオロメトキシ)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−(トリフルオロメトキシ)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−ラヒドロピリジン−4−イル]−2−エチル−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−2−エチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−エチル−8−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    2−エチル−8−フルオロ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    2−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−8−フルオロ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    2−クロロ−8−フルオロ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−メチル−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−2−メチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−メトキシ−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    8−クロロ−2−メトキシ−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、
    11−[(6S)−1,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−2−エトキシ−8−メチル−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン、および
    2−エトキシ−8−メチル−11−[(6S)−6−メチル−1−()メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  19. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、中枢神経系疾患の治療剤。
  20. 中枢神経系疾患が、統合失調症、双極性障害、自閉症、ADHD、うつ病、不安障害、睡眠障害、認知症の行動・心理症状(BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)) または神経変性疾患の精神症状である、請求項19に記載の治療剤。
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