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JP2020045062A - ステアリング支持構造 - Google Patents

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JP2020045062A JP2018177182A JP2018177182A JP2020045062A JP 2020045062 A JP2020045062 A JP 2020045062A JP 2018177182 A JP2018177182 A JP 2018177182A JP 2018177182 A JP2018177182 A JP 2018177182A JP 2020045062 A JP2020045062 A JP 2020045062A
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Abstract

【課題】車幅方向のステアリング支持剛性を向上可能な、ステアリング支持構造を提供する。【解決手段】インパネリーンフォース10は、コラム取付部73、側端部22、及び傾斜部24を備える。コラム取付部73は、車幅方向に延設されステアリングコラム80が取り付けられる。側端部22は、車幅方向に延設され車幅方向外側末端がフロントピラーロア100Bに固定される。傾斜部24は、コラム取付部73と側端部22との間に設けられ、側端部22の車幅方向内側末端の屈曲部26から車幅方向内側かつ車両前後方向後方に延設されコラム取付部73に接続される。カウルトゥブレース30の後端は、インパネリーンフォース10の屈曲部26でインパネリーンフォース10に固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のステアリング支持構造に関する。
車両のステアリング支持構造として、インストルメントパネルリーンフォースメント(以下適宜、インパネリーンフォースと記載する)が車両に設けられる。例えば特許文献1に開示されるインパネリーンフォースは、図18に例示されるように、車幅方向に延設されるパイプ部材であり、その両端はフロントピラー202,202等の骨格部材に固定される。
さらにインパネリーンフォース200にはカウルトゥブレース204及びフロアブレース206が取り付けられる。カウルトゥブレース204は、車両前後方向に延設される補強部材であって、その前端は車両のカウルパネル208に固定され、後端はインパネリーンフォース200に固定される。また、フロアブレース206は、車両上下方向に延設される補強部材であって、その上端はインパネリーンフォース200に固定され、下端は図示しないフロアトンネルに固定される。
インパネリーンフォース200には、ステアリングブラケット209を介してステアリングコラム210が取り付けられる。ステアリングコラム210の車両前後方向後端にステアリングホイール212が設けられる。
ステアリングホイール212の支持剛性、いわゆるステアリング支持剛性が低いほど、例えば車両振動によりステアリングホイール212が振動して操舵が困難となる。ステアリング支持部材として、インパネリーンフォース200は主にステアリングホイール212を車幅方向に支持する(突っ張る)。フロアブレース206は(インパネリーンフォース200を介して)主にステアリングホイール212を車両上下方向に支持する。またカウルトゥブレース204は(インパネリーンフォース200を介して)主にステアリングホイール212を車両前後方向に支持する。
特開2012−46002号公報
本発明は、車幅方向のステアリング支持剛性を向上可能な、ステアリング支持構造を提供することを目的とする。
本発明はステアリング支持構造に関する。当該構造は、インパネリーンフォース及びブレースを備える。インパネリーンフォースは、ステアリングコラムを支持し、車幅方向両端が車両の骨格部材に固定される。ブレースは、車両前後方向に延設され前端が車体のパネル部材に固定されるとともに後端がインパネリーンフォースに固定される。インパネリーンフォースは、コラム取付部、側端部、及び傾斜部を備える。コラム取付部は、車幅方向に延設されステアリングコラムが取り付けられる。側端部は、車幅方向に延設され車幅方向外側末端が骨格部材に固定される。傾斜部は、コラム取付部と側端部との間に設けられ、側端部の車幅方向内側末端の屈曲部から車幅方向内側かつ車両前後方向後方に延設されコラム取付部に接続される。ブレースの後端は、インパネリーンフォースの屈曲部でインパネリーンフォースに固定される。
上記発明によれば、インパネリーンフォースの傾斜部及び側端部、ならびにブレースによって、いわゆるY型構造が構成される。したがってインパネリーンフォースに入力された車幅方向の荷重は、傾斜部に伝達され、さらに屈曲部にて側端部とブレースとに分散される。荷重が分散されることで、ステアリング支持構造の車幅方向の支持剛性(耐荷重性)が向上する。
また上記発明において、インパネリーンフォースの傾斜部は、平面視で車両前後軸よりも車幅軸寄りに寝かせられて配置されてよい。
傾斜部を車両前後軸よりも車幅軸寄りに寝かせる配置とすることで、ブレースに入力される分力と比較してインパネリーンフォースの側端部に入力される分力が大きくなる。ブレースの前端は車体のパネル部材に固定される一方で、インパネリーンフォースの側端部は当該パネル部材よりも高剛性の骨格部材に固定されており、相対的に高剛性の部材に、より大きい分力が伝達される。
また上記発明において、インパネリーンフォースの傾斜部及び側端部は屈曲部を含めて断面Π字型の一体部材から構成されてよい。
インパネリーンフォースの傾斜部及び側端部を断面Π字型の一体部材から構成することで、例えば断面円形のパイプ部材を曲げ加工する場合と比較して、管の潰れ等を考慮する必要がないため、相対的に容易に屈曲部を形成できる。
本発明によれば、車幅方向のステアリング支持剛性を向上可能な、ステアリング支持構造を提供可能となる。
本実施形態に係るステアリング支持構造を例示する斜視図である。 本実施形態に係るステアリング支持構造を例示する平面図である。 本実施形態にインパネリーンフォースのうち、D席ビームを構成する各部材を例示する分解斜視図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC−C断面図である。 図2のD−D断面図である。 図2のE−E断面図である。 本実施形態に係るステアリング支持構造のうち、フロアブレース及びガセットを例示する分解斜視図である。 本実施形態に係るステアリング支持構造のうち、D席第二ビームアッパ、フロアブレース、及びガセットの接合部を例示する拡大斜視図である。 図2、図10のF−F断面図である。 図10のI−I断面図である。 図10のJ−J断面図である。 本実施形態に係るステアリング支持構造のうち、インパネリーンフォースのP席ビーム及びカウルトゥブレースを例示する分解斜視図である。 図2のG−G断面図である。 図2のH−H断面図である。 本実施形態に係るインパネリーンフォースに対して車幅方向の荷重が入力されたときの、荷重の伝達経路を例示する平面図である。 従来のステアリング支持構造を例示する平面図である。
図1には、本実施形態に係るステアリング支持構造が例示されている。なお、図1〜図17において、車両前後方向を記号FRで表される軸で示し、車両幅方向を記号RWで表される軸で示し、鉛直方向を記号UPで表される軸で示す。記号FRはFrontの略であり、車両前後軸FRは車両前方方向を正方向とする。記号RWはRight Widthの略であり、車幅軸RWは右幅方向を正方向とする。また車両上下軸UPは上方向を正方向とする。図1に示されているように、これら車両前後軸(FR軸)、車幅軸(RW軸)、車両上下軸(UP軸)は互いに直交する。
図1には、左ハンドル車のステアリング支持構造の斜視図が例示され、図2には同平面図が例示される。またステアリングホイール90とステアリング支持構造とを隔てるインストルメントパネル(インパネ)は図示を省略している。
本実施形態に係るステアリング支持構造は、インパネリーンフォース10(インストルメントパネルリーンフォースメント)、ステアリングブラケット82、カウルトゥブレース30及びフロアブレース40を含んで構成される。
本実施形態に係るインパネリーンフォース10は、ステアリングコラム80を支持するとともに、車幅方向両端が車両の骨格部材に固定される。例えばインパネリーンフォース10の車幅方向両端は、ピラーブラケット102A,102Bを介して骨格部材であるフロントピラーロア100A,100Bに締結される。インパネリーンフォース10の車幅方向両端が骨格部材に固定されることで、インパネリーンフォース10はステアリングコラム80を主に車幅方向に支持する。
また、インパネリーンフォース10はフロアブレース40及びカウルトゥブレース30に固定される。後述するように、インパネリーンフォース10はフロアブレース40により車両上下方向に支持される。またインパネリーンフォース10はカウルトゥブレース30により車両前後方向に支持される。
加えて、後述するように、カウルトゥブレース30が屈曲部26にてインパネリーンフォース10に固定されることで、インパネリーンフォース10の傾斜部24及び側端部22、ならびにカウルトゥブレース30により、いわゆるY型構造が構成される。この構造により、傾斜部24に入力された荷重がカウルトゥブレース30及び側端部22に分散される。
本実施形態に係るインパネリーンフォース10は、従来の円筒パイプのような単一部材とは異なり、複数の部材(部品)から構成される。具体的には、インパネリーンフォース10は、P席ビーム20、D席第一ビーム60、D席第二ビーム70(コラム取付部)、及びガセット50を含んで構成される。
<D席周辺の構成>
インパネリーンフォース10の、運転者席(D席)周辺の構成について、図1〜図8を用いて説明する。インパネリーンフォース10は、D席周辺の部材として、D席第一ビーム60及びD席第二ビーム70を備える。D席第一ビーム60及びD席第二ビーム70は、略車幅方向に延設され、主に荷重を受け取る(突っ張る)稜線が略車幅方向に延設される。D席第一ビーム60は相対的に車幅方向外側に配置され、D席第二ビーム70は相対的に車幅方向内側に配置される。
図2、図3を参照して、D席第一ビーム60は、D席第一ビームフロント62及びD席第一ビームリア64を備える。D席第一ビームフロント62は、D席第一ビームリア64よりも車両前後方向前方に配置される。
図6のC−C断面図を参照して、D席第一ビームフロント62は、車両前後方向後方に開口される、断面Π(パイ)形の部材から構成される。また、図4のA−A断面図を参照して、D席第一ビームフロント62の車幅方向外側端部は、D席第一ビームリア64の車幅方向外側端部と重なり合った状態で溶接等により接合される。なお、A−A断面図からJ−J断面図に至るまで、溶接等による接合部が、縦線のハッチング(||||)で示される。
図2を参照して、D席第一ビームフロント62は、車幅方向外側端部から車幅方向内側端部に至るまで、平面視で車幅軸(図2のRW軸)に対して車両前後方向前方に傾斜するようにして配置される。さらにD席第一ビームフロント62の車幅方向内側端部は、ステアリングブラケット82に接合される。
D席第一ビームリア64は、D席第一ビームフロント62よりも車両前後方向後方に配置される。図5のB−B断面図を参照して、D席第一ビームリア64は、車両前後方向前方に開口される、断面Π形の部材から構成される。また上述したように、図4のA−A断面図を参照して、D席第一ビームリア64の車幅方向外側端部は、D席第一ビームフロント62の車幅方向外側端部と重なり合った状態で溶接等により接合される。
車両前後方向後方が開口された断面Π形のD席第一ビームフロント62と、車両前後方向前方が開口された断面Π形のD席第一ビームリア64とが重ね合わせられ接合されることで、図4のA−A断面図に例示されるように、閉断面構造が構成される。
図2を参照して、D席第一ビームリア64は、車幅方向外側端部から車幅方向内側端部に至るまで、平面視で、車幅軸(図2のRW軸)に対して車両前後方向後方に傾斜するようにして配置される。さらにD席第一ビームリア64の車幅方向内側端部は、D席第二ビーム70の車幅方向外側端部に重ね合わせられて溶接等により接合される。
このように、D席第一ビーム60は、車幅方向外側端部では重ね合わせられていたD席第一ビームフロント62及びD席第一ビームリア64が、車幅方向内側に行くにしたがって車両前後方向に離間するように配置される。これにより、いわゆるV字構造にてステアリングコラム80が支持される。
図1〜図3を参照して、D席第二ビーム70は、D席第一ビーム60よりも車幅方向内側に設けられる。D席第二ビーム70の車幅方向外側端部はD席第一ビームリア64に接合される。また後述する図10を参照して、D席第二ビームアッパ72の車幅方向内側端部はフロアブレース40の上端及びガセット50の上端に接合される。
図2を参照して、D席第二ビーム70は、D席第一ビーム60と接合される車幅方向外側端部から内側に屈曲部71が設けられる。当該屈曲部71からD席第二ビーム70は、車幅方向に延設される。図1、図2を参照して、この、車幅方向に延設される部分がコラム取付部73となる。
図3を参照して、D席第二ビーム70は、上部部材であるD席第二ビームアッパ72と下部部材であるD席第二ビームロア74とを備える。図7のD−D断面図を参照して、D席第二ビームアッパ72は車両上下方向下側が開口された略Π形に構成される。さらにD席第二ビームアッパ72の車両前後方向前方には接合用のフランジ72Aが形成される。D席第二ビームロア74は、車両上下方向上側が開口された略Π形に構成される。さらにD席第二ビームロア74の車両前後方向前方には接合用のフランジ74Aが形成される。
D席第二ビームアッパ72のフランジ72AとD席第二ビームロア74のフランジ74Aとが重ね合わされて溶接等により接合される。加えて、D席第二ビームアッパ72の後方壁72BとD席第二ビームロア74の後方壁74Bとが重ね合わされて溶接等により接合される。これにより、D席第二ビーム70は閉断面構造となる。
このように、コラム取付部73を備えるD席第二ビーム70を閉断面形状とすることで、当該D席第二ビーム70が開断面形状である場合と比較して、ステアリングホイール90及びステアリングコラム80の支持剛性が向上する。
また、D席第二ビーム70の車幅方向延設部であるコラム取付部73の断面(E−E断面)が図8に例示される。D席第二ビームアッパ72の前方壁72Cにステアリングブラケット82が溶接等により接合される。さらに、D席第二ビームロア74の下方壁74Cにスタッドボルト84が設けられる。
図1を参照して、ステアリングコラム80は、スタッドボルト84,84、及びステアリングブラケット82を介して、インパネリーンフォース10、より詳細にはD席第二ビーム70のコラム取付部73に取り付けられる。
図10には、D席第二ビーム70の車幅方向内側端部の周辺構造が例示される。D席第二ビームロア74の車幅方向内側末端は、D席第二ビームアッパ72の車幅方向内側末端よりも手前で終端する。つまりD席第二ビームアッパ72の方がD席第二ビームロア74よりも車幅方向内側に張り出す。
その張り出した部分には、車両上下方向下側に面するフランジ72Dが形成される。フランジ72Dは略車幅方向に延設され、車幅方向外側部分がガセット50の上部フランジ50Aと接合される。またフランジ72Dの車幅方向内側部分は車幅方向かつ車両上下方向に傾斜され、当該傾斜部分がフロアブレース40の傾斜フランジ40Aと接合される。
図11のF−F断面図に示されるように、上方に開口される断面ハット形のガセット50と、下方が開口される断面ハット形のD席第二ビームアッパ72がフランジ72D及び上部フランジ50Aにて接合されることで、閉断面構造が構成される。
また同様にして、図12のI−I断面図に示されるように、上方に開口される断面ハット形のフロアブレース40と、下方が開口される断面ハット形のD席第二ビームアッパ72がフランジ72D及び傾斜フランジ40Aにて接合されることで、閉断面構造が構成される。
図9にはフロアブレース40及びガセット50の斜視図が例示される。図1を参照して、フロアブレース40は車両上下方向に延設される補強部材であって、主に荷重を受け取る(突っ張る)稜線が車両上下方向に延設される。フロアブレース40は、その上端がD席第二ビーム70及びP席ビーム20に固定される。またフロアブレース40の下端はフロアトンネル106の側壁106Aに固定される。
図9を参照して、フロアブレース40の車両上下方向上端部は、車幅方向に張り出すように形成され、その稜線に沿って傾斜フランジ40A,40Aが形成される。また上記張り出し部より車両上下方向下方には車幅方向に面し車両上下方向に延設される鉛直フランジ40B,40Bが形成される。
ガセット50はD席第二ビーム70とフロアブレース40との支持構造を補強する部材であって、車幅方向に延設される水平部51、車両上下方向に延設される鉛直部52、及び両者の間に設けられ、車幅方向かつ車両上下方向に傾斜して延設される傾斜部53を備える。水平部51、鉛直部52、及び傾斜部53のいずれも、断面ハット形に形成される。
上述したように、水平部51の上部フランジ50A,50AはD席第二ビームアッパ72のフランジ72D,72Dと接合される。また図10のJ−J断面図が図13に例示され、これを参照すると、車幅方向左側に開口された断面ハット形状のガセット50の鉛直部52と、車幅方向右側に開口された断面ハット形状のフロアブレース40とが、下部フランジ50B,50B及び鉛直フランジ40B,40Bとで重ね合わせられて接合される。これにより、閉断面構造が構成される。
<P席周辺の構造>
インパネリーンフォース10の、助手席(P席)周辺の構成について、図14〜図17を用いて説明する。インパネリーンフォース10は、P席周辺の部材として、P席ビーム20を備える。またP席ビーム20にはカウルトゥブレース30が固定される。
図1、図14、図15を参照して、カウルトゥブレース30は、車両前後方向に延設される補強部材(ブレース)であって、主に荷重を受け取る(突っ張る)稜線が略車両前後方向に延設される。カウルトゥブレース30は、その前端が車両のパネル部材であるカウルパネル104(図1参照)に固定され、後端がP席ビーム20に固定される。後述するように、カウルトゥブレース30の後端は、P席ビーム20の屈曲部26にて、当該P席ビーム20に固定される。
なお、P席ビーム20に固定されるブレース部材は、カウルトゥブレース30に代えて、カウルパネル104の下方に設けられる図示しないダッシュパネルに前端が固定され、車両前後方向に延設されるダッシュトゥブレースであってもよい。この場合、ダッシュトゥブレースも、カウルトゥブレース30と同様にして車両前後方向に延設され、その後端がP席ビーム20の屈曲部26に固定される。
図15にはカウルトゥブレース30のG−G断面が例示される。カウルトゥブレース30は車両上下方向下方が開口された断面Π形の部材であって、その前端には車両前後方向に面する前方フランジ31(図14参照)が形成される。また後端には車両上下方向に面する後方フランジ32,32が形成される。前方フランジ31とカウルパネル104(図1参照)とがボルト・ナット等の締結手段によって締結される。また後方フランジ32,32とP席ビーム20の上壁部27(図16参照)に溶接等により接合される。
図14を参照して、P席ビーム20は略車幅方向に延設され、主に荷重を受け取る(突っ張る)稜線が略車幅方向に延設される。図16には図2及び図14のH−H断面が例示される。P席ビーム20は車両前後方向前方が開口された断面略Π形の部材であって、車両上下方向上方に、車両前後方向に延設される上壁部27を備え、車両上下方向下方に、同様にして車両前後方向に延設される下壁部28を備える。さらに上壁部27および下壁部28を連結し車両上下方向に延設される側壁部29を備える。
図14を参照して、側壁部29には、車幅方向のほぼ全幅に亘ってビード25が形成される。図16に例示されるように、ビード25は側壁部29から車両前後方向前方に突出されるような窪みである。ビード25が形成されることで側壁部29には車幅方向に延設される稜線が形成され、車幅方向の剛性が向上する。
図14を参照して、P席ビーム20の側壁部29の車幅方向内側端部には、車幅方向に面する内側フランジ21が形成される。内側フランジ21は、フロアブレース40の底壁部41(図10参照)に溶接等により接合される。さらに上述したように、フロアブレース40の傾斜フランジ40AとD席第二ビームアッパ72のフランジ72Dとが接合される。つまり、フロアブレース40を介して、P席ビーム20とD席第二ビーム70とが接続される。
図14を参照して、P席ビーム20の上壁部27及び下壁部28の、車幅方向外側端部には、車両前後方向に面する外側フランジ23が形成される。図1を参照して、P席ビーム20は、外側フランジ23及びピラーブラケット102Bを介して、フロントピラーロア100Bに固定される。
また、P席ビーム20の車幅方向外側には側端部22が形成され、車幅方向内側には傾斜部24が形成される。さらに側端部22と傾斜部24との境界点としてP席ビーム20には屈曲部26が形成される。例えば、側端部22及び傾斜部24は、P席ビーム20を車幅方向にほぼ二分割するように形成されてよい。
側端部22は車幅方向に延設され、上述したようにその車幅方向外側末端に設けられた外側フランジ23から、ピラーブラケット102Bを介して骨格部材であるフロントピラーロア100Bに固定される。
傾斜部24は、側端部22とD席第二ビーム70のコラム取付部73との間に設けられる。すなわち傾斜部24は、側端部22の車幅方向内側末端の屈曲部26から車幅方向内側かつ車両前後方向後方に延設(傾斜)され、その車幅方向末端に設けられた内側フランジ21(図14参照)から、フロアブレース40を介してD席第二ビーム70のコラム取付部73に接続される。
インパネリーンフォース10のD席側が、D席第一ビーム60(D席第一ビームフロント62及びD席第一ビームリア64)及びD席第二ビーム70(D席第二ビームアッパ72及びD席第二ビームロア74)のように複数のパーツに分かれているのとは対照的に、P席ビーム20は単一部材から構成される。つまり、傾斜部24及び側端部22は屈曲部26を含めて断面Π字型の単一部材から構成される。
例えばP席ビーム20はアルミ等の金属材料をダイキャスト(鋳造)加工することで形成される。上述したようにP席ビーム20は断面Π形の部材であるため、屈曲部26を備えるような屈曲形状であっても、ダイキャストの金型を当該屈曲形状に成形することによりP席ビーム20を得ることができる。
これに対して、従来のようにインパネリーンフォースを断面円形のパイプ管から構成する場合には、屈曲部26を形成するためにパイプ管を曲げ加工する必要があり、その際に管の潰れを防ぐような精密な加工が要求される。本実施形態に係るP席ビーム20は、そのような高精度の加工が要求されないため、相対的に低コストでP席ビーム20の生産が可能となる。
図2、図14を参照して、P席ビーム20の屈曲部26に、カウルトゥブレース30の後端が溶接等により接合固定される。言い換えると、車幅方向に延設する側端部22とこれに対して傾斜する傾斜部24を備える、平面視でブーメラン形状のP席ビーム20の屈曲部26に、車両前後方向に延設されるカウルトゥブレース30が接合される。
ここで、側端部22、傾斜部24、及びカウルトゥブレース30は互いに非平行であり、カウルトゥブレース30は側端部22と傾斜部24の境界点である屈曲部26で接合される。これによりいわゆるY型構造が構成される。Y型構造ではその三本の枝のいずれかから荷重が入力されると、残りの二本の枝に荷重が分散される。
ここで図2を参照して、本実施形態に係るインパネリーンフォース10では、傾斜部24を、平面視で車両前後軸FRよりも車幅軸RW寄りに寝かせた配置としている。このような構成とすることで、傾斜部24に入力された荷重がカウルトゥブレース30及び側端部22に分散する際に、相対的に側端部22に入力される分力が大きくなる。
上述したように、カウルトゥブレース30は車両のパネル部材であるカウルパネル104(図1参照)に固定され、カウルトゥブレース30に入力された荷重は当該カウルパネル104に伝達される。一方、側端部22は車両の骨格部材であるフロントピラーロア100Bに固定され、側端部22に入力された荷重は当該フロントピラーロア100Bに伝達される。
パネル部材であるカウルパネル104よりも、骨格部材であるフロントピラーロア100Bの方が高剛性であることから、より多くの荷重がフロントピラーロア100Bに振り向けられてよい。そこで本実施形態では、傾斜部24を車幅軸RW寄りに寝かせることで、車幅方向、つまり側端部22に入力される分力をカウルトゥブレース30に入力される分力よりも大きくしている。
<荷重入力の挙動>
図17には、本実施形態に係るステアリング支持構造の荷重入力時の挙動が例示される。ピラーブラケット102Aから車幅方向の荷重Fが入力されると、主にインパネリーンフォース10が当該荷重Fに抗して(突っ張って)ステアリングホイール90(図1参照)の車幅方向の揺動を抑制する。
具体的には、荷重Fはピラーブラケット102AからD席第一ビームリア64に入力される。また荷重Fの一部はD席第一ビームフロント62にも分散される。さらにD席第一ビームリア64に入力された荷重はD席第二ビーム70を経由してP席ビーム20の傾斜部24に至る。
傾斜部24に入力された荷重F1は屈曲部26にてカウルトゥブレース30及び側端部22に分散される。つまりピラーブラケット102Aに初期荷重Fが入力された際に、その分力F3が側端部22に入力される。したがって、初期荷重Fが側端部22の耐荷重上限を超過していても、側端部22には初期荷重Fよりも小さい分力F3が入力されるので、側端部22の座屈変形が免れ得る。
カウルトゥブレース30及び側端部22への分力F2,F3は、上述したように傾斜部24、側端部22、及びカウルトゥブレース30のそれぞれに対する相対角度に応じて定められる。つまり、傾斜部24は車両前後軸FRよりも車幅軸RW寄りに寝かせられているため、車両前後方向に延設されるカウルトゥブレース30に入力される分力F2よりも、車幅方向に延設される側端部22に入力される分力F3が大きくなる。
上述したように、カウルトゥブレース30は車両のパネル部材であるカウルパネル104(図1参照)に固定される。一方、側端部22は車両の骨格部材であるフロントピラーロア100Bに固定される。パネル部材であるカウルパネル104よりも、骨格部材であるフロントピラーロア100Bの方が高剛性であることから、より多くの荷重がフロントピラーロア100Bに振り向けられてよい。そこで本実施形態では、傾斜部24を車幅軸RW寄りに寝かせることで、車幅方向、つまり側端部22に入力される分力をカウルトゥブレース30に入力される分力よりも大きくしている。
以上説明したように、本実施形態に係るステアリング支持構造では、インパネリーンフォース10に入力された荷重が、側端部22の他にカウルトゥブレース30にも分散される。このため、側端部22の耐荷重上限を超過する荷重がインパネリーンフォース10に入力されても、側端部22の座屈変形が回避可能となる。このように本実施形態に係るステアリング支持構造では、特に車幅方向のステアリングホイール90の支持剛性が向上する。
10 インパネリーンフォース、20 P席ビーム、22 側端部、24 傾斜部、26 屈曲部、30 カウルトゥブレース、40 フロアブレース、50 ガセット、51 ガセットの水平部、52 ガセットの鉛直部、53 ガセットの傾斜部、60 D席第一ビーム、62 D席第一ビームフロント、64 D席第一ビームリア、70 D席第二ビーム、72 D席第二ビームアッパ、73 コラム取付部、74 D席第二ビームロア、80 ステアリングコラム、82 ステアリングブラケット、90 ステアリングホイール、100A,100B フロントピラーロア、102A,102B ピラーブラケット、104 カウルパネル、106 フロアトンネル。

Claims (3)

  1. ステアリングコラムを支持し、車幅方向両端が車両の骨格部材に固定されるインパネリーンフォースと、
    車両前後方向に延設され前端が車体のパネル部材に固定されるとともに後端が前記インパネリーンフォースに固定されるブレースと、
    を備えるステアリング支持構造であって、
    前記インパネリーンフォースは、車幅方向に延設され前記ステアリングコラムが取り付けられるコラム取付部と、車幅方向に延設され車幅方向外側末端が前記骨格部材に固定される側端部と、前記コラム取付部と前記側端部との間に設けられ、前記側端部の車幅方向内側末端の屈曲部から車幅方向内側かつ車両前後方向後方に延設され前記コラム取付部に接続される傾斜部とを備え、
    前記ブレースの後端は、前記インパネリーンフォースの前記屈曲部で前記インパネリーンフォースに固定される、
    ステアリング支持構造。
  2. 請求項1に記載のステアリング支持構造であって、
    前記インパネリーンフォースの前記傾斜部は、平面視で車両前後軸よりも車幅軸寄りに寝かせられて配置される、
    ステアリング支持構造。
  3. 請求項1または2に記載のステアリング支持構造であって、
    前記インパネリーンフォースの前記傾斜部及び前記側端部は前記屈曲部を含めて断面Π字型の単一部材から構成される、
    ステアリング支持構造。
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