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JP2019528279A - キナーゼ阻害物質化合物、組成物、及びがんの治療方法 - Google Patents

キナーゼ阻害物質化合物、組成物、及びがんの治療方法 Download PDF

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JP2019528279A JP2019508942A JP2019508942A JP2019528279A JP 2019528279 A JP2019528279 A JP 2019528279A JP 2019508942 A JP2019508942 A JP 2019508942A JP 2019508942 A JP2019508942 A JP 2019508942A JP 2019528279 A JP2019528279 A JP 2019528279A
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    • C07D213/60Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Abstract

本発明は、式(I)の構造を有する化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物に関し、式中、X、Y、Z、R、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は本明細書に記載のとおりである。本発明はまた、前記式(I)の構造を有する化合物を含有する組成物、及び対象におけるがんの治療方法にも関する。

Description

本願は、2016年8月17日に出願され本記載をもってその全体が参照により援用される、米国仮特許出願第62/376,138号の優先権を主張する。
本発明は、国立衛生研究所により授与された助成金第U54OD020353号、同第R01−CA170495号、及び同第R01−CA109730号、ならびに国防総省により授与された助成金第W81XWH−15−1−0111号に基づく政府の支援を受けてなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、キナーゼ阻害物質化合物、該化合物を含有する組成物、及びがんの治療方法に関する。
発明の背景
がんなどの複雑な疾患において、薬物の併用は、治療が持続的に奏効し、有害事象を最小限に抑え、且つ耐性の発生を制限する可能性を有する(U.S. Department of Health and Human Services Food and Drug Administration, “Guidance for Industry. Codevelopment of Two or More New Investigational Drugs for Use in Combination,” (June 2013)(非特許文献1))。併用療法に類似した関連するものとしては、多標的キナーゼ阻害物質などの単剤多重薬理学的薬物がある。しかしながら、体系的な設計アプローチが欠如し、且つ歴史的に偶然の発見に頼ってきたことにより、新規な多重薬理学的薬物の数は限定されてきた(Anighoro et al., “Polypharmacology: Challenges and Opportunities in Drug Discovery,” J. Med. Chem. 57:7874−7887 (2014)(非特許文献2);Reddy et al., “Polypharmacology: Drug Discovery for the Future,” Expert Rev. Clin. Pharmacol. 6:41−47 (2013)(非特許文献3))。特に動物全身の状況における、多重薬理学的薬物に対する計画的で合理的な取り組みによって、複合的な治療薬を開発する能力が著しく拡大されることとなろう。更に、動物全身の状況において、「バランスのとれた多重薬理学的薬物」を達成すれば、細胞ネットワーク及び組織ネットワークに対する薬物の効果のバランスをとることによって、全体的な毒性を低減することが可能になる。
本発明は、当該技術分野におけるこれら及びその他の欠如している点を克服することに指向している。
U.S. Department of Health and Human Services Food and Drug Administration, "Guidance for Industry. Codevelopment of Two or More New Investigational Drugs for Use in Combination," (June 2013) Anighoro et al., "Polypharmacology: Challenges and Opportunities in Drug Discovery," J. Med. Chem. 57:7874−7887 (2014) Reddy et al., "Polypharmacology: Drug Discovery for the Future," Expert Rev. Clin. Pharmacol. 6:41−47 (2013)
本発明の一態様は、以下の構造を有する式(I)
Figure 2019528279
の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物に関し、
式中、
Rは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−N(C1〜6アルキル)、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは任意で、R13でn回置換されていてもよく、
はHであり、
はHであるか、
またはR及びRが、R及びRが結合しているフェニル環と結合して、
Figure 2019528279
を形成し、
はHもしくはハロゲンであり、
はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
はC〜Cアルキルであり、
Xは、任意であり、且つ、存在する場合にはNHであり、
Yは
Figure 2019528279
であり、
ZはC(R12)もしくはNであり、
はHもしくはMeであり、
はHもしくはMeであるか、
または、R及びRが、R及びRが結合している炭素原子と一緒になって、
Figure 2019528279
を形成し、
はH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリル、−CN、もしくは
Figure 2019528279
であり、
10はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
11はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
12はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
13は、R13のそれぞれの場合において、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、C、OCF、及びヘテロシクリルからなる群より独立に選択され、且つ
nは1〜5であり、
但し、
i)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
ii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
iii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Yが
Figure 2019528279
であり、且つnが2である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
iv)RがHであり、RがHであり、RがFであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、Yが
Figure 2019528279
であり、且つnが2である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
v)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、且つ
vi)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができない。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の式(I)の化合物及び担体を含む、組成物に関する。
本発明の更なる態様は、対象におけるがんの治療方法に関する。この方法は、以下の構造を有する式(I)
Figure 2019528279
の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物を対象に投与するステップであって、
式中、
Rは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−N(C1〜6アルキル)、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは任意で、R13でn回置換されていてもよく、
はHであり、
はHであるか、
または、R及びRが、R及びRが結合しているフェニル環と結合して、
Figure 2019528279
を形成し、
はHもしくはハロゲンであり、
はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
はC〜Cアルキルであり、
Xは、任意であり、且つ、存在する場合にはNHであり、
Yは
Figure 2019528279
であり、
ZはC(R12)もしくはNであり、
はHもしくはMeであり、
はHもしくはMeであるか、
または、R及びRが、R及びRが結合している炭素原子と一緒になって、
Figure 2019528279
を形成し、
はH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリル、−CN、もしくは
Figure 2019528279
であり、
10はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
11はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
12はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
13は、R13のそれぞれの場合において、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、C、OCF、及びヘテロシクリルからなる群より独立に選択され、且つ
nは1〜5であり、
但し、
i)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
ii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
iii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Yが
Figure 2019528279
であり、且つnが2である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
iv)RがHであり、RがHであり、RがFであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、Yが
Figure 2019528279
であり、且つnが2である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
v)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、且つ
vi)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができない、前記ステップを含む。
多重薬理学的キナーゼ阻害物質は、複数の結節で且つ複数の経路を介して生物学的ネットワークを標的とする。臨床上認可されたがん治療薬ソラフェニブを含むかかる薬物は、設計の複雑さ、著しい毒性、及び投与上の問題のために歴史的に制限されてきた。これらの問題点をなくすことにより、患者において耐性を生じ難いこと及び長期にわたる奏効に関する潜在的能力といった望ましい特性を浮かび上がらせることができる。しかしながら、計画的に多重薬理学的薬物を設計するために利用可能な方法はほとんどない。化学的修飾剤及び遺伝的変更因子のスクリーニングを組み合わせた集学的アプローチを用いて、確立された甲状腺髄様がんのptc>dRetM955T ショウジョウバエ(Drosophila)モデルにおけるFDA認可キナーゼ阻害物質ソラフェニブの離散的な一連の生物学的プロターゲット及びアンチターゲットを特定した。当初意図したソラフェニブの標的であるRaf、及びMKNK1は、それぞれ高次の複雑なアセンブリー及びパスウェイフィードバックの結果として出現する重要な薬理学的アンチターゲットであることが実証された。この情報をリード化合物の段階的な合成による精密化と組み合わせることによって、アンチターゲット活性が低下し、それによって動物全身の状況において治療指数が大幅に向上した、新規なクラスの「ソラフェログ(sorafelog)」が得られた。より概括的には、このプラットフォームを種々の疾患及び候補治療薬リード化合物に適用することにより、新規な種類の高有効性/低毒性の多重薬理学的薬物を開発するための合理的で計画的な道筋を提供することが可能になる。
ショウジョウバエは、創薬及び薬物開発のための有用な動物全身モデルとして既報である(Vidal et al., “ZD6474 Suppresses Oncogenic RET Isoforms in a Drosophila Model for Type 2 Multiple Endocrine Neoplasia Syndromes and Papillary Thyroid Carcinoma,” Cancer Res. 65:3538−3541 (2005);Rudrapatna et al., “Drosophila Cancer Models,” Dev. Dyn. 241:107−118 (2012);Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。
本出願は、臨床に用いられる抗がん剤ソラフェニブの治療指数を合理的に向上させるための、ショウジョウバエにおける遺伝的変更因子及び化学的修飾剤のスクリーニングの使用に関する。動物全身の遺伝的変更因子のスクリーニングを計算化学及び反復的な化学アプローチと組み合わせることにより、最適化されたプロターゲット及びアンチターゲットプロファイルを有する新規なソラフェニブ類縁体(「ソラフェログ」)が開発された。驚くべきことに、Rafキナーゼに対する活性を除去することによって治療指数が大幅に向上した。総じて、合理的、段階的な方法で、治療指数が著しく向上した新規化合物が開発された。
化合物LS1−11−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物LS1−11−2のH NMRスペクトルを示す図である。 ソラフェニブのLC−MSデータを示す図である。 ソラフェニブのH NMRスペクトルを示す図である。 化合物LS1−15のLC−MSデータを示す図である。 化合物LSI−15のH NMRスペクトルを示す図である。 レゴラフェニブのLC−MSデータを示す図である。 レゴラフェニブのH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS−3−69−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS−3−69−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS−4−61−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS−4−61−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−70−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−70−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−70−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−70−2のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−34−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−34−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−34−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−34−2のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−54のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−54のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS5−16−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS5−16−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS5−16−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS5−16−2のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS5−31−3のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS5−31−3のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS5−31−4のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS5−31−4のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS6−45のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS6−45のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−64−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−64−2のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−64−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−64−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−63−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−63−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−67−4のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−67−4のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−67−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−67−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−67−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−67−2のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−68−4のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−68−4のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−68−3のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−68−3のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−68−1のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−68−1のH NMRスペクトルを示す図である。 化合物APS4−68−2のLC−MSデータを示す図である。 化合物APS4−68−2のH NMRスペクトルを示す図である。 図53A〜Cは、ショウジョウバエがんモデルを用いた薬物スクリーニングにおけるソラフェニブの同定を示す図である。図53Aは、薬物及び化合物のスクリーニングに用いる、定量的な「致死からのレスキュー」ショウジョウバエプラットフォームを示す概略図である。ptc>dRetM955Tハエにおいて、patched(ptc)プロモーターは、いくつかの組織においてショウジョウバエ Ret(dRetM955T)の発がん性変異体アイソフォームを駆動し、これが成虫としての羽化の前に死に至らしめる。幼虫は候補薬剤を食べ尽くし、薬効は、レスキューされた成虫の数(A)を蛹の総数(P)で除することによって定量化される。図53Bは、ptc>dRetM955TハエにおけるFDA認可抗がん性キナーゼ阻害物質の試験を示すグラフである。MTCに対して認可された2種類の薬物には下線が引かれている。最も成功したソラフェニブで約5%のレスキューを増進したに過ぎなかった。エラーバーは3回繰り返しの実験における標準誤差を表す。アスタリスクはスチューデントのt検定においてp<0.05を表し、DMSOビヒクル対照との比較を反映する。図53Cはインビボ細胞遊走アッセイの結果を示す。左側の写真は、GFP標識した、dRetM955T発現形質転換細胞を有する発生中の翅原基(wing disc)を示す。青色のDAPI染色は翅原基縁部の輪郭を示す。中央上段及び右側上段の写真はそれぞれ、ビヒクル及びソラフェニブによって処理した場合の頂端側(apical)拡大画像である。矢印は遊走細胞の例を示す。下段の写真は、上段の写真において点線で示す平面から見た、仮想zシリーズの共焦点画像であり、組織をphospho(p)−Srcに対して染色する(赤)。矢印は、基底側における(basally)pSrcを発現する遊走形質転換細胞を示す(赤)。 図54A〜Dは、ソラフェニブ類縁体、ソラフェログの生成及び有効性を示す図である。図54Aは、ソラフェニブが4のドメインで構成されていることを示す概略図である。左側の図は、DFG−out(すなわち不活性な)立体配座(灰色)の種々のキナーゼに結合した場合のソラフェニブの立体配座を示し、表示する構造のPDB IDを括弧内に記載する。例えば、BRAFに結合する場合、ソラフェニブ(黄色の配座)は、ATP結合ポケットのヒンジ領域及びC−ヘリックス(E885)の保存されたグルタミン酸残基と、それぞれヒンジバインダー及びリンカー領域を用いて相互作用する。ソラフェニブのキャップ基は、それ以前は、DFG−in(すなわち活性な)立体配座においてフェニルアラニン(F1047)によって占有されていたDFG−ポケットを占有する。右側の図は、ソラフェニブの化学構造及びモジュール方式の合成計画に適した4種類の単純なビルディングブロックへの概念的な分割を示す。ヒンジバインダーはこれらの研究においては変化させなかった。図54Bはソラフェログの段階的誘導体化を示す略図である。ソラフェログの第1のセットは、薬化学によって生成したスペーサー/リンカー/キャップの間の組み合わせを含む。ptc>dRetM955Tハエを用いた薬物スクリーニング実験により、LS1−15が最良の誘導体として特定され、その後の遺伝学的スクリーニングにより、ソラフェニブ及びLS1−15に対するプロターゲット及びアンチターゲットが明らかになった。計算によって、分子内立体障害などの化合物間での物理化学的特徴、及びキャップのアンチターゲットに対する結合を妨げるための該キャップの修飾を比較し、新規化学種APS5−16−2及びAPS6−45が指し示された。図54Cは誘導体化したソラフェニブのセグメントを示す。グレーの構造はptc>dRetM955Tハエで評価して効果のない構成要素である。図54Dはソラフェニブによるptc>dRetM955Tハエのレスキューを示すグラフである。LS1−15(「j」)がソラフェニブ(a)及びレゴラフェニブ(b)よりも有意に良好に生存率を回復させたことを示すグラフであり、(丸で囲んだ)フッ素の追加及び(×で示した)塩素が存在しないことがソラフェニブとの際立った構造上の違いである。嵩高いキャップを有するAPS5−16−2も有意なレスキューを示した(k)一方、最も大きなキャップを有するAPS6−45が、AD80を超える最も強い有効性(o)を示す。Tはハエに対して有毒な用量を表す。エラーバーは3回繰り返しの実験における標準誤差を表す。下部の事例を表す文字は図58Aにおける文字に対応している。 図55A〜Cは、遺伝学的スクリーニングによって特定されたLS1−15に対するプロターゲット及びアンチターゲットを示す図である。図55Aは、ptc>dRetM955TハエにおけるLS1−15の有効性の遺伝的変更因子を特定するためのスクリーニングアプローチを示す概略図である。ハエキノーム遺伝子を、(−/+)ヘテロ接合体として、上記遺伝的変更因子がLS1−15の有効性を増加または減少させる場合、それぞれ「プロターゲット」または「アンチターゲット」として特定した。図55Bは、LS1−15のプロターゲットの例(EPH、FRK)及びアンチターゲットの例(MKNK1)を示すグラフである。例えば、LS1−15の存在下でLk6の1つの機能的コピー(ptc>dRetM955T、Lk6−/+)を削除すると全てが致死となった。図55Cは、LS1−15のプロターゲット及びアンチターゲットによって規定される代表的なシグナル伝達及び細胞経路を示す概略図である。全てのデータは図59及び60に示す。23℃でLS1−15による処理を行った対照ハエの約50%の生存率と比較して、>91%及び<9%の生存率を与える、それぞれ強力なプロターゲット及び強力なアンチターゲットを示す。ヒトオルソログを(括弧内に)示す。アスタリスクは、スチューデントのt検定において、対照と比較してp<0.05であることを表す。 図56A〜Dは、アンチターゲットMKNK1及びBRAFを低減することによる新規ソラフェログ APS5−16−2及びAPS6−45の開発を示す図である。図56Aは成虫のハエにおける翅脈形成アッセイの結果を示す。全翅原基ドライバ765−gal4によって駆動されたdRetM955Tでは異所性翅脈物質(矢印)が誘導され、765−gal4単独を対照として示す。低用量のLS1−15によって余分な翅脈形成及び翅縁部の切欠きも増加した一方、高用量では両方共抑制された。MEK阻害物質トラメチニブが異所性翅脈形成を強力に抑制し、異所性翅脈形成がRas/Raf経路活性の上昇によるものであることが実証された。図56Bは翅脈形成アッセイの定量化を示す。LS1−15及びソラフェニブは2つの要素を含む効果を示した。すなわち、低用量では翅脈形成が高められた一方で、高用量では翅脈形成が抑制された。(丸で囲んだ)嵩高いキャップの下位基を有するAPS5−16−2及びAPS6−45は専ら翅脈形成を抑制した。アスタリスクはビヒクル対照と比較してp<0.05であることを表す。#はLS1−15単独処理と比較してp<0.05であることを表す。エラーバーは翅の数が>15である場合における標準誤差を表す。図56Cは、ヒトRET、その活性変異体RET(M918T)、ならびにアンチターゲットBRAF及びMKNK1に対するソラフェログのKd値を示すグラフである。図56Dは、DFG−out配置のヒトRET、BRAF、及びMKNK1のDFGポケットを示す。DFGポケットは色付きの表面によって描かれており、LS1−15、APS5−16−2、またはAPS6−45のキャップと重ね描きされている。矢印は、上記キャップとポケットとの間の代表的な立体的衝突を示し、DFG−BRAFに関する挿入図は、衝突を視覚化するためのAPS6−45の側面図を示す。誤差は10回の計算の標準誤差である。 図57A〜Dは、新規ソラフェログ APS6−45が破格の有効性を示したことを示す図である。図57Aは、Lk6変異が異常な翅脈形成を高め、全体的な翅構造に影響を与えたことを示す。矢印は過剰な翅脈物質を強調している。対照としては図56Aを参照されたい。図57Bは、Ras/MAPK経路シグナル伝達のMKNK1阻害の可能性のある一モデルを示す概略図である。図57Cは、ソラフェログの存在下でLk6を低減することの細胞遊走に対する効果を示す。Lk6がヘテロ接合の翅原基によって、dRetM955Tに誘導される細胞遊走が高められることが示され、この細胞遊走はソラフェニブ及びLS1−15によって更に高められたが、APS5−16−2またはAPS6−45によっては高められなかった。矢印は遊走細胞を示す(頂端側画像)。図57Dは、ラフアイ(rough eye)表現型に対する化合物の効果を示す。ptc>dRetM955Tは成虫の前眼部において個眼領域の乱れ(かぎ括弧)を示した。APS6−45はラフアイ表現型を強力にレスキューし、ptc−gal4対照と同様の滑らかに配列された個眼が生じた(矢印)。ビヒクル処理した対照ハエは、成虫期まで生存しなかったことから、蛹の状態で解剖した。 図58A〜Bは多重薬理学的薬物の最適化を示す。図58Aはソラフェニブの化学進化を示す図である。x軸はキャップ(−R)の修飾の進化を示す。白い領域は、内部の立体障害を試験するためのキャップである。陰影を付けた領域は、(丸で囲んだ)キャップの下位基中のフッ素の数に関して一貫したSARを示す(2)−フッ素化化合物である。アスタリスクは、S1及びS2の両方のスペーサーに関してレスキューがみられないことを表す。図58Bは各ソラフェログの作用機序のモデルを示す。(左側の図)ソラフェニブはRETなどのプロターゲットを阻害する。但し、低用量ではかかる阻害はそれほど強力ではなく、BRAFは活性化されて毒性を生じることすらある。かかる望ましくない作用はより高濃度では消失するが、同時に起こるアンチターゲットの阻害によって治療域が制限される。(中央の図)LS1−15は更にプロターゲットEPH及びFRKを阻害し、ソラフェニブよりも大きな治療域が生じる。LS1−15は、ソラフェニブと同様にBRAFを活性化するため、低用量であってもなお毒性を生じる。(右側の図)APS5−16−2及びAPS6−45ではアンチターゲットBRAFに対する結合力が低下しており、そのため低用量ではBRAFの活性化を妨げる。別のアンチターゲットMKNK1も阻害されないままであり、ソラフェニブよりも顕著な治療効果に繋がる。 ソラフェニブ及びLS1−15のプロターゲットを示す表である。遺伝子のヘテロ接合性によって、薬物の存在下でptc>dRetM955Tハエの生存率が統計的に有意に増加する、該遺伝子の一覧。ptc>dRetM955Tハエをキナーゼ変異ハエと交雑させ、成虫の数を蛹の総数で除して生存率を算出した。交雑において親ハエの性別が入れ替わっているために、キナーゼ発現能力をもつ対照の生存率が、異なる染色体についてのデータセット間で異なる(図62A〜H)。W、M、及びSは、それぞれ統計的に有意に弱い効果、中程度の効果、及び強い効果を表し、X染色体上の遺伝子については、それぞれ弱い効果(21〜50%の生存率)、中程度の効果(51〜80%の生存率)、及び強い効果(81〜100%の生存率)、第2、第3、及び第4染色体上の遺伝子については、それぞれ弱い効果(51〜70%の生存率)、中程度の効果(71〜90%の生存率)、及び強い効果(91〜100%の生存率)を表す。SEは3回繰り返しの実験についての標準誤差を表す。アスタリスクは、薬物の非存在下でのキナーゼ発現能力をもつ対照と比較した、キナーゼ変異による%表記の生存率の統計的に有意な変化を表す。−、soraf、及びL15はそれぞれ、ビヒクル処理したハエ、ソラフェニブ処理したハエ、及びLS1−15処理したハエを表す。 ソラフェニブ及びLS1−15のアンチターゲットを示す表である。遺伝子のヘテロ接合性によって、薬物の存在下でptc>dRetM955Tハエの生存率%が統計的に有意に低下する、該遺伝子の一覧。凡例は、W、M、及びSが、X染色体上の遺伝子については、それぞれ弱い効果(11〜17%の生存率)、中程度の効果(6〜10%の生存率)、及び強い効果(0〜5%の生存率)、または第2、第3、及び第4染色体上の遺伝子については、それぞれ弱い効果(30〜47%の生存率)、中程度の効果(10〜29%の生存率)、及び強い効果(0〜9%の生存率)を表す以外は、図59におけるものと同一である。 キナーゼに対するインビトロ阻害データを示す表である。ソラフェログによるヒトキナーゼ活性の阻害率であり、赤は80%を超える阻害率、白は41〜80%の阻害率、青は40%未満の阻害率、灰色は有用なデータなしを表す。 図62A〜Hは、ショウジョウバエ MTCモデルにおける阻害物質の効果の判定またはキナーゼ遺伝子のヘテロ接合性の決定を示す図である。ptc−gal4、UAS−GFP、UAS−dRetM955T/SM5(tub−gal80)−TM6Bハエにおいて、チューブリンプロモーター駆動gal80はgal4活性を阻害してdRetM955T発現を抑制した。薬物スクリーニングのために、上記のハエをwハエと交雑し、蛹期にTb対照ハエと形態学的に識別可能な非Tb、発がん性ptc−gal4、UAS−GFP;UAS−dRetM955T(ptc>dRetM955T)ハエを作製した(図62A)。ハエの後代を薬物でまたは薬物なしで処理し、25℃で飼育した。遺伝学的スクリーニングを目的として、ptc>dRetM955Tハエを、X染色体上(図62B〜C)、第2染色体上(図62D〜E)、第3染色体上(図62F〜G)、または第4染色体上(図62H)のいずれかのキナーゼ遺伝子についての変異体であるハエと交雑し、それらの後代を、23℃で薬物を含むまたは含まないハエ用の餌で飼育した。親ハエにおける変異対立遺伝子は、Tb対立遺伝子(図62B、62D、及び62F)と平衡にあるか、またはホモ接合性(図62C、62G、及び62H)のいずれかであった。 細胞遊走に対するソラフェログの明確な効果を示す図である。翅原基における細胞遊走(中段)及び非発がん性wハエにおける全身毒性(下段)に対するソラフェログ(上段)の効果である。丸及びバツはソラフェニブと比較した修飾部分を表す。矢印は、ptcドメインから離れて遊走するdRetM955T発現形質転換細胞を示す(頂端側画像)。アスタリスクは、スチューデントのt検定において、薬物を用いない対照と比較してp<0.05であることを表す。 ソラフェログの物理化学的特徴を計算した結果を示す図である。リンカー/キャップ及びリンカー/スペーサーのねじれ角の回転エネルギーは、ヒートマップに表される当該化合物の相対的な立体配座の分布に変換されている。ほとんどのソラフェログはスペーサー領域上に置換基を有していないことから、リンカー/スペーサーは180°で対称であった。ソラフェニブ、APS5−16−1、及びAD57には、おそらくリンカー/キャップの回転に起因して、2種類の優勢な立体配座分布、シス及びトランスの配座異性体がある。これとは逆に、LS1−15、APS5−16−2、及びAD80では、おそらく、尿素アミド水素とフッ素との間の多極相互作用(破線)、及びトランス立体配座異性体におけるフッ素と尿素カルボニル酸素との間の強い静電反発力(円弧)に起因して、トランス立体配座よりもシス立体配座が優先される。 図65A〜Cは共通する及び固有のプロ/アンチターゲットを示す図である。図65Aは、ソラフェニブ及び/またはLS1−15に対するプロターゲット及びアンチターゲットを表示するベン図を示す。強力なプロターゲット及び強力なアンチターゲットが示されており、それらのヘテロ接合性によって、薬物の存在下でptc>dRetM955Tハエの生存率がそれぞれ>91%及び<9%となる。図65Bは、Lk6のヘテロ接合性が対照ハエの生存率に影響を及ぼさなかったことを示すグラフである。対照(w)ハエまたはLk6ヘテロ接合体(w;Lk6−/+)の幼虫を薬物でまたは薬物なしで処理した。生存率を蛹及び成虫の数を用いて測定した。図65Cは、ソラフェログによるプロターゲットキナーゼの明確な阻害を示すグラフである。キナーゼ活性の阻害率はインビトロアッセイによって測定した。 図66A〜EはAPS6〜45のインビボでの有効性を示す図である。図66Aは、ハエのラフアイ表現型に対する化合物ソラフェニブ(400μM)、LS1−15(200μM)、APS5−16−2(100μM)、APS6−45(100μM)、及びAD80(100μM)の効果を示す。図66BはAPS5−16−2及びAPS6−45によるヒトMTCコロニー形成の抑制を示す。図66CはAPS6−45によるインビボでのヌードマウスにおけるTT細胞増殖の抑制を示す。図66Dは処理前のベースラインに対する30日目の腫瘍量の変化率を示す。図66Eは、処理がマウスの体重に対して影響を与えないことを示す。 マウスにおけるAPS6−45の投与実験を示す図である。40匹のメスのヌードマウスにTT細胞を皮下移植した。腫瘍量が約120mmに達した時点でマウスを無作為に4群に分け、それぞれの群に、週当たり5日、ビヒクル(水で4倍希釈したクレモファーEL/エタノール(1:1))または10mg/kg/日のカボザンチニブ(LC Laboratories)、ソラフェニブ(LC Laboratories)、もしくはAPS6−45を経口投与した。 ptc>dRETM955Tハエにおける類縁体の試験を示すレスキュープロットの図である。
発明の詳細な説明
本発明は、臨床に用いられるキナーゼ阻害物質の多重薬理学のバランスをとるための段階的アプローチに関する。このアプローチに従って、新規なキナーゼ阻害物質化合物が合成された。本発明は、かかる化合物、該化合物を含有する組成物、及びがんの治療方法を対象とする。
本発明の一態様は、以下の構造を有する式(I)
Figure 2019528279
の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物に関し、
式中、
Rは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−N(C1〜6アルキル)、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは任意で、R13でn回置換されていてもよく、
はHであり、
はHであるか、
または、R及びRが、R及びRが結合しているフェニル環と結合して、
Figure 2019528279
を形成し、
はHもしくはハロゲンであり、
はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
はC〜Cアルキルであり、
Xは、任意であり、且つ、存在する場合にはNHであり、
Yは
Figure 2019528279
であり、
ZはC(R12)もしくはNであり、
はHもしくはMeであり、
はHもしくはMeであるか、
または、R及びRが、R及びRが結合している炭素原子と一緒になって、
Figure 2019528279
を形成し、
はH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリル、−CN、もしくは
Figure 2019528279
であり、
10はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
11はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
12はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
13は、R13のそれぞれの場合において、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、C、OCF、及びヘテロシクリルからなる群より独立に選択され、且つ
nは1〜5であり、
但し、
i)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
ii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
iii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Yが
Figure 2019528279
であり、且つnが2である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
iv)RがHであり、RがHであり、RがFであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、Yが
Figure 2019528279
であり、且つnが2である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、
v)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができず、且つ
vi)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
Figure 2019528279
である場合、Rは
Figure 2019528279
であることができない。
上記に用いられたように、及び本明細書の記述の全体を通じて、別段の指示がない限り、以下の用語は以下の意味を有すると理解されるべきものである。本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本明細書において別段の定義がなされない限り、本技術が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中の用語に関して複数の定義がある場合には、別段の明記がない限り、本節の定義が優先する。
本明細書では、用語「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
用語「アルキル」とは、連鎖中に約1〜約6個の炭素原子(または、n〜nが炭素原子の数値範囲である、「Cn〜n」によって示される数の炭素)を有する直鎖または分枝鎖であってよい脂肪族炭化水素基を意味する。分枝鎖とは、メチル、エチル、もしくはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が直鎖アルキル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、及び3−ペンチルが挙げられる。
用語「シクロアルキル」とは、約3〜約7個の炭素原子、好ましくは約5〜約7個の炭素原子の、非芳香族、飽和または不飽和の、単環式または多環式(multi−cyclic)環系を意味し、該環系は少なくとも1つの二重結合を含んでいてもよい。例示的なシクロアルキル基としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロフェニル、anti−ビシクロプロパン、及びsyn−トリシクロプロパンが挙げられる。
用語「アルコキシ」とは、酸素を介して親構造に結合した、1〜8個の炭素原子の直鎖状、分岐鎖状、または環状の配置及びそれらの組み合わせの基を意味する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。低級アルコキシとは1〜6個の炭素を含有する基をいう。本特許出願の意図に関して、アルコキシは、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシも含み、当該メチレンジオキシまたはエチレンジオキシ基において、ペンダントしている原子、連鎖、または環に対して、それぞれの酸素原子が環を形成するように結合している。したがって、例えば、アルコキシで置換されたフェニルは
Figure 2019528279
であってもよい。
用語「アリール」とは、6〜約19個の炭素原子、好ましくは6〜約10個の炭素原子の芳香族単環式または多環式(多環式(polycyclic))環系を意味し、アリールアルキル基を包含する。上記アリール基の環系は任意で置換されていてもよい。本発明の代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、アズレニル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、ピレニル、トリフェニレニル、クリセニル、及びナフタセニルなどの基が挙げられるが、これらに限定はされない。
用語「ヘテロアリール」とは、約5〜約19個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子の芳香族単環式または多環式環系であって、該環系中の1つまたは複数の原子が炭素以外の元素、例えば、窒素、酸素、または硫黄である、前記芳香族単環式または多環式環系を意味する。多環式環系の場合、当該環系が「ヘテロアリール」と定義されるためには、それらの環のうちの1つのみが芳香族であればよい。好ましいヘテロアリールは約5〜6個の環原子を含有する。ヘテロアリールの前の接頭辞アザ、オキサ、チア、またはチオとは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素、または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。上記ヘテロアリール環中の窒素、炭素、または硫黄原子は任意で酸化されていてもよく、上記窒素は任意で四級化されていてもよい。代表的なヘテロアリールとしては、ピリジル、2−オキソ−ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリニル、2−オキソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンゾ[1,2,3]トリアジニル、ベンゾ[1,2,4]トリアジニル、4H−クロメニル、インドリジニル、キノリジニル、6aH−チエノ[2,3−d]イミダゾリル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニル、チエノ[2,3−b]フラニル、チエノ[2,3−b]ピリジニル、チエノ[3,2−b]ピリジニル、フロ[2,3−b]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、フロ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−b]ピラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジニル、6,7−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[5,1−c][1,4]オキサジニル、2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、3,3−ジメチル−2−オキソインドリニル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジニル、3−オキソ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−2(3H)−イルなどが挙げられる。
本明細書中では、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環」とは、炭素原子ならびに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜5個のヘテロ原子の安定な3〜18員環(ラジカル)をいう。上記ヘテロ環は単環式または多環式(polycyclic)環系であってよく、該環系は縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系を含んでいてもよく、上記ヘテロ環中の窒素、炭素、または硫黄原子は任意で酸化されていてもよく、上記窒素原子は任意で四級化されていてもよく、上記環は部分的にまたは完全に飽和していてもよい。かかるヘテロ環の例としては、限定はされないが、アゼピニル、アゾカニル、ピラニル ジオキサニル、ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピロリジニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、及びチアモルホリニルスルホンが挙げられる。更なるヘテロ環及びヘテロアリールは、Katritzky et al., eds., Comprehensive Heterocyclic Chemistry: The Structure, Reactions, Synthesis and Use of Heterocyclic Compounds, Vol. 1−8, Pergamon Press, N.Y. (1984)に記載されており、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される。
語句「任意で置換された」とは、ある基が当該の基のそれぞれの置換可能な原子に置換基を有していてもよく(単一の原子上の2つ以上の置換基を含む)、それぞれの置換基の種類は他の置換基とは独立であることを指す。
用語「置換された」とは、指定された原子上の1つまたは複数の水素が、当該指定された原子の通常の原子価を超えないとの条件で、指定された群からの選択物で置換されていることを意味する。「未置換」原子は、該原子の原子価により決定される全ての水素原子を有する。置換基がオキソ(すなわち=O)である場合、当該原子上の2つの水素が置換されている。置換基及び/または変数の組み合わせは、かかる組み合わせによって安定な化合物が生じる場合に限って許容される。「安定な化合物」とは、反応混合物から有用な純度への単離及び有効な治療薬への製剤化に耐えるのに十分堅固である化合物を意味する。
「本発明の化合物」及びこれと同等の表現は、本明細書に記載の化合物を意味し、その表現は、それらのプロドラッグ、薬学的に許容される塩、酸化物、及び溶媒和物、例えば水和物を、それらが文脈上許容される場合に包含する。
用語「治療」とは、本明細書に記載の疾患もしくは障害に関連する症状及び/または影響の改善または除去を意味する。
本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含んでいてもよく、したがって鏡像異性体、ジアステレオマー、及び他の立体異性の形態を生じてもよい。各キラル中心は、絶対立体化学の観点から、(R)−または(S)−として規定されてもよい。本発明は、全てのかかる可能な異性体、ならびにラセミ体及び光学的に純粋な形態を含む上記異性体の混合物を含むことを意図する。光学活性な(R)−及び(S)−、(−)−及び(+)−、または(D)−及び(L)−異性体は、キラルな出発原料またはキラルな反応剤を用いて調製してもよく、または従来の技法を用いて分割してもよい。全ての互変異性体も包含されることが意図される。
当業者に理解されるとおり、「化合物」との記述は、当該化合物の塩、溶媒和物、酸化物、及び包接錯体、ならびに任意の立体異性体、または当該化合物の任意のかかる形態の任意の比率の混合物を包含することを意図している。したがって、本発明のいくつかの実施形態によれば、医薬組成物、治療方法、及び化合物それら自体の状況においてなどの、本明細書に記載の化合物は塩の形態として提供される。
用語「溶媒和物」とは、適宜の溶媒の分子が結晶格子中に取り込まれている固体状態の化合物をいう。治療のための投与に好適な溶媒は、投与される用量において生理学的に忍容性のあるものである。治療のための投与に好適な溶媒の例はエタノール及び水である。水が上記溶媒である場合、当該溶媒和物は水和物と呼ばれる。一般に溶媒和物は、当該化合物を適宜の溶媒に溶解し、冷却するまたは貧溶媒を用いることにより当該溶媒和物を単離することにより形成される。上記溶媒和物は一般的には周囲条件下で乾燥または共沸される。
包接錯体はRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. 1:176−177 (1995)に記載されており、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される。最も一般的に用いられる包接錯体はシクロデキストリンとの包接錯体であり、天然物及び合成物の全てのシクロデキストリン錯体がとりわけ本発明に包含される。
用語「薬学的に許容される塩」とは、無機酸及び無機塩基ならびに有機酸及び有機塩基を含む薬学的に許容される無毒性の酸または塩基から調製される塩をいう。
用語「薬学的に許容される」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒト及び下等動物の細胞と接触する使用に適し、且つ合理的なベネフィット/リスク比に見合うことを意味する。
一実施形態では、式(I)の化合物において、Rは
Figure 2019528279
であり、
ここで、
はC(R14)またはNであり、
はCHまたはNであり、
はC(R15)またはNであり、
はC(R16)またはNであり、
はCHまたはNであり、
14はHまたはハロゲンであり、
15はHまたはハロゲンであり、且つ
16は、ハロゲンで2〜13回置換されたC〜Cアルキルであり、
ここで、V〜Vの1つのみがNである。
別の実施形態では、式(I)の化合物において、R16はフッ素で2〜13回置換されたC〜Cアルキルである。この実施形態によれば、R16は、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、及びCからなる群より選択されてもよい。
別の実施形態では、式(I)の化合物において、R14はFである。
更に別の実施形態では、式(I)の化合物において、RはFである。
別の実施形態では、式(I)の化合物において、XはNHであり、且つYは
Figure 2019528279
である。
更に別の実施形態において、式(I)の化合物は
Figure 2019528279
からなる群より選択される。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、
Figure 2019528279
Figure 2019528279
Figure 2019528279
Figure 2019528279
Figure 2019528279
からなる群より選択される。
式(I)の尿素リンカー(L1)ソラフェログは、例えばアミンHB/SXをハロゲン化アシル、アシルイミダゾール、または活性化エステルと反応させることによって調製することができる(スキーム1)。
スキーム1
Figure 2019528279
アニリンとN,N−カルボニルジイミダゾール(CDI)との間の反応によってアシルイミダゾールが形成される(スキーム2)。尿素リンカー(L1)ソラフェログは、アシルイミダゾールをアミンHB/SXと反応させることによって調製することができる。
スキーム2
Figure 2019528279
式(I)の尿素リンカー(L1)ソラフェログは、アミンHB/SXをイソシアナートと反応させることによっても調製することができる(スキーム3)。
スキーム3
Figure 2019528279
式(I)のスルホンアミドリンカーソラフェログは、アミンHB/SXを塩化スルホニル誘導体と反応させることによっても調製することができる(スキーム4)。
スキーム4
Figure 2019528279
式(I)の化合物(及び上記の方法によって製造された本明細書に記載の他の化合物)は、公知の方法、例えば、溶媒の蒸留後の残渣を分配、抽出、再沈殿、再結晶、または別の精製方法もしくは精製方法の組み合わせに供することによって、単離及び精製することができる。
本発明の更なる態様は、本発明の化合物及び担体を含む、組成物を対象とする。
一実施形態において、上記担体は薬学的に許容される担体であり、組成物は医薬組成物である。
「医薬組成物」とは、本発明の化合物と、投与形態及び剤形の性格に応じて、防腐剤、増量剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、香味料、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤、及び分散剤などの、薬学的に許容される担体、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを含む少なくとも1種類の成分とを含む組成物を意味する。
用語「薬学的に許容される担体」は、本明細書に記載される任意の担体、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを意味するために用いられる。
懸濁剤の例としては、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、及びトラガカント、またはこれらの物質の混合物が挙げられる。
微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確保することができる。
等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましい場合もある。
吸収を遅延させる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを用いることによって、注射用剤形の吸収を長期化させることができる。
好適な担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール、それらの適宜の混合物、植物油(オリーブ油など)、及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。
賦形剤の例としては、ラクトース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及びリン酸二カルシウムが挙げられる。
崩壊剤の例としては、デンプン、アルギン酸、及び特定の複合シリケートが挙げられる。
潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、ならびに高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の別の態様は対象におけるがんの治療方法に関する。この方法は、以下の構造を有する式(I)
Figure 2019528279
の化合物またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物を対象に投与するステップを含み、式中、R、R、R、R、R、R、R、X、Y、Z、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は本明細書に定義されるとおりである。
対象への化合物及び/または医薬組成物の投与は、治療有効量を投与することを含んでいてもよく、治療有効量とは、対象における明示した疾病及び/または障害を治療するのに有効な化合物の量を意味する。かかる量は一般に、十分当業者の領域内である多数の因子によって変化する。これらの因子としては、限定はされないが、特定の対象、ならびに当該対象の年齢、体重、身長、全般的な健康状態、及び病歴、用いる特定の化合物、ならびに、当該化合物が該担体中で製剤される担体、及び当該化合物に対して選択される投与経路、ならびに治療を受けている疾病の性質及び重篤度が挙げられる。
投与は一般的に、薬学的に許容される剤形を投与することを含み、該薬学的に許容される剤形は本明細書に記載の化合物の剤形を意味し、該剤形としては、例えば、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁液剤を含む液体製剤、噴霧剤、吸入剤錠剤、トローチ剤、乳剤、溶液剤、顆粒剤、カプセル剤、及び坐剤、ならびにリポソーム製剤を含む注射用液体製剤が挙げられる。技法及び製剤は、概括的にRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa.,最新版に記載され、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される。
投与は、経口投与、局所投与、経皮投与、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、鼻腔内注入、腔内もしくは膀胱内注入、眼内投与、動脈内投与、病巣内投与、または粘膜への適用によって行われてもよい。化合物は単独でまたは適宜の医薬担体と共に投与されてもよく、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁液剤、もしくは乳剤などの固体または液体形態であってよい。
本発明のこの態様を実施する際に、治療を受けるのに適した対象としては、ヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
本発明の治療方法に適したがんとしては、限定はされないが、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質がん(Adrenocortical Carcinoma)、副腎皮質がん(Adrenal Cortex Cancer)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、肝外胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、心(心臓)腫瘍、子宮頸がん、胆管細胞がん、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性腫瘍、大腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管がん(DCIS)、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、骨悪性線維性組織球腫、骨肉腫、胆嚢がん、胃がん(Gastric(Stomach) Cancer)、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質性腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性疾患、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、ランゲルハンス細胞組織球症、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、カポジ肉腫、腎がん、ランゲルハンス細胞組織球症、白血病、肺がん、リンパ腫、甲状腺髄様がん、黒色腫、眼球内(眼)黒色腫、メルケル細胞がん、悪性中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、多発性内分泌腫瘍症候群、多発骨髄腫/形質細胞腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍、及び慢性骨髄増殖性腫瘍、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、口唇及び口腔がん、中咽頭がん、卵巣がん、膵臓がん及び膵臓神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫)、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔がん及び鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍/多発骨髄腫、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎)がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮性頸部がん、胃がん(Stomach(Gastric) Cancer)、T細胞リンパ腫、精巣がん、喉頭がん、胸腺腫及び胸腺がん、甲状腺がん、腎盂及び尿管の移行上皮がん、尿道がん、子宮がん、子宮内膜及び子宮肉腫、膣がん、外陰部がん、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍が挙げられる。
本発明のこの態様の特定の一実施形態において、本治療方法は甲状腺がん、肝臓及び腎細胞がん、または大腸がんを治療するために実施される。
実施例1 − 一般的な化学的方法
全ての溶媒はSigma−Aldrichから購入し、受け入れた状態のまま使用した。化学反応には無水溶媒を使用し、水系での後処理、再結晶、及びクロマトグラフィーにはHPLCグレードの溶媒を使用した。水素化反応に用いる固体担体担持パラジウム金属は、50% w/wの水が添加された(Degussa型)、(乾燥ベースで)活性炭10% w/w担持物としてSigma−Aldrichから購入し、手順においては「活性炭5% w/w担持物」と表記した。他の試薬は様々な供給元から購入し、受け入れた状態のまま使用した。反応は、標準的なダブルマニホールド及び注射器技法を用いて、個々の手順に記載したようにして実施した。ガラス器具は使用前に130℃のオーブン中で12時間加熱することによって乾燥するか、または火炎乾燥した。水溶液のpHはpH試験紙を用いて見積もった。真空ろ過は施設に設置の真空ライン(約100トール)を用いて実施した。個々の手順において、語句「真空下での濃縮」及び「濃縮乾固した」とは、(自動真空度調整器を備えた)ダイヤフラムポンプを用い、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、残存する微量の揮発分を高真空(<1トール)オイルポンプで除去したことを意味する。別段の明示がない限り、用語「フラスコ」とは丸底型をいう。反応を、EMDシリカゲル60 F254(250μm)のガラスで裏打ちされたプレートを用いたTLC(UV蛍光の消光によって可視化し、塩基性KMnO溶液で染色)によって、及び液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS)によって監視した。逆相LC−MSによる分析は、Waters Aquity I−Class UPLCシステム上で、C18カラム(2.1×30mm;1.7μm粒径)を用い、50℃に加熱し、溶離速度0.6mL/分で、水/アセトニトリル(それぞれに0.1% v/vのギ酸を添加)からなる移動相による3分間の直線勾配法、すなわち、95:5→1:99(0〜2.5分)、次いで1:99(2.5〜3分)を用いて実施した。試料分析を、交互のポジティブ/ネガティブエレクトロスプレーイオン化(50〜1000amu)及び254nmでのUV検出を用いて監視した。ろ過またはフラッシュクロマトグラフィー用のプラグ、パッド、及びカラムの寸法は、((直径×長さ)cm)として記載する。ろ過及びマイクロスケールフラッシュクロマトグラフィーに用いた5インチピペット(4mL)は、Fisher Scientificから購入した(製品番号22−378−893)。自動分取順相及び逆相クロマトグラフィーは、ダイオードアレイ検出器(分析を220〜400nmで監視)を備えたInterchim PuriFlash 450精製システムを用いて実施した。予め充填されたシリカゲルカートリッジ(12、25、及び40g;粒径15μm)を順相(シリカゲル)クロマトグラフィーに用い、20〜30mL/分で溶離させた。逆相クロマトグラフィーにはC18カラム(30×150mm;5μm粒径)を用い、50バールの圧力制限による15〜20mL/分で溶出させた。炭素デカップリングH NMRスペクトルは、Bruker分光計上、400MHzで記録し、内部標準として残留溶媒シグナル(ジメチルスルホキシド−d6=2.50ppm)を用いてppm単位で報告する。データは以下、すなわち、{(シフト),[(s=シングレット、d=ダブレット、dd=ダブレットのダブレット、ddd=ダブレットのダブレットのダブレット、t=トリプレット、dt=トリプレットのダブレット、q=カルテット、m=マルチプレット、br=ブロード、ap=見掛け),(J=Hz単位での結合定数),(積分値)]}のように報告する。プロトンデカップリング13C NMRスペクトルは、Bruker分光計上、100MHzで記録し、内部標準として残留溶媒シグナル(ジメチルスルホキシド−d6=39.5ppm)を用いてppm単位で報告する。プロトンデカップリング19F NMRスペクトルは、Bruker分光計上、376MHzで記録し、内部標準として添加したCFCl(0.00ppm)を用いてppm単位で報告する。1つのシグナルのみを有する化合物は、既知量の上記内部標準との対比で積分した。
実施例2 − 4−クロロ−N−メチルピコリンアミド(HB)の調製
Figure 2019528279
火炎乾燥し、Ar下で冷却した250mLのフラスコに、4−クロロピコリン酸(10.0g、63.5mmol)、及びTHF(125mL)を投入した。この混合物を0℃に冷却し、塩化オキサリル(6.70mL、79.2mmol)を注射器で5分間かけて滴下により添加した後、DMF(0.1mL)を注射器で一気に加えた(注意:ガスが急激に発生)。30分後にこの反応混合物を室温まで自然に加温し、Ar入り風船下で15時間撹拌した。得られた褐色溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、KOHペレットを充填した乾燥管を用いて残留HClを捕捉した。残留した油状物をトルエン(3×10mL)から濃縮乾固し、次いで高真空下で更に乾燥させて固体を得た。この粗4−クロロピコリノイルクロリド塩酸塩をAr下に置き、THF(50mL)を加えた。この暗色溶液を0℃に冷却し、メチルアミン(160mL、2.0M THF溶液、320mmol)を注射器で20分間かけて滴下により添加した。5分後にこの反応混合物を室温まで自然に加温し、16時間撹拌した。この反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、水(100mL)及び飽和食塩水(2×100mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過した。真空下で濃縮して、約11gの赤褐色油状物を得、これを、30mL/分で溶離し、カラム容量の30倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc 100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(40gカートリッジ)によって精製した。適切な画分をプールし、濃縮乾固した。残留した無色透明な油状物(約10g)をヘキサン/CHCl(4:1;150mL)の混合物に溶解し、−20℃で12時間静置した。生成した沈殿を真空ろ過により単離し、ヘキサン(2×30mL)で洗浄し、風乾して8.90g(82%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例3 − 4−(4−アミノフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(HB/S1)の調製
Figure 2019528279
100mLの二口フラスコ(注入口アダプター及びセプタムを備えた)を真空下で火炎乾燥し、Ar下で冷却した。このフラスコに4−アミノフェノール(2.09g、19.2mmol)及びDMF(30mL)を投入した。この溶液に撹拌下でカリウムtert−ブトキシド(2.14g、19.1mmol)を1分間かけて少しずつ添加した。得られた淡褐色の混合物を2時間撹拌し、次いで4−クロロ−N−メチルピコリンアミド(2.17g、12.7mmol)を一度に添加し、この反応混合物をAr入り風船下、80℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温まで放冷し、次いで撹拌下の氷水(100mL)に注ぎ込んだ。撹拌を15分間継続し、次いでこの混合物をEtOAc(1×100mL及び2×50mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、1M KOH(3×50mL)、水(50mL)、及び飽和食塩水(2×50mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過した。真空下で濃縮して3.23gの橙色油状物を得、これを、30mL/分で溶離し、カラム容量の35倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(40gカートリッジ)によって精製した。2.69g(87%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例4 − 4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(HB/S2)の調製
Figure 2019528279
オーブン乾燥した100mLの二口フラスコ(注入口アダプター及びセプタムを備えた)にAr下で、4−アミノ−3−フルオロフェノール(1.12g、8.81mmol)及びDMF(18mL)を投入した。撹拌下のこの溶液にカリウムtert−ブトキシド(978mg、8.72mmol)を2分間かけて少しずつ添加した。得られた暗紫色の混合物を3時間撹拌し、次いで4−クロロ−N−メチルピコリンアミド(1.06g、6.21mmol)を一度に添加し、この反応混合物をAr入り風船下、90℃で10時間加熱した。この反応混合物を室温まで放冷し、次いで撹拌下の氷水(50mL)に注ぎ込んだ。撹拌を15分間継続し、次いでこの混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、1M KOH(3×50mL)、水(50mL)、及び飽和食塩水(2×50mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過した。真空下で濃縮して褐色固体を得、これを、30mL/分で溶離し、カラム容量の38倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(40gカートリッジ)によって精製した。882mg(54%)の標記化合物を淡褐色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例5 − 4−((4−アミノナフタレン−1−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(HB/S3)の調製
Figure 2019528279
オーブン乾燥した100mLの二口フラスコ(注入口アダプター及びセプタムを備えた)にAr下で、4−アミノナフタレン−1−オール塩酸塩(1.33g、6.80mmol)及びDMF(8mL)を投入した。撹拌下のこの溶液にカリウムtert−ブトキシド(1.52g、13.5mmol)を2分間かけて少しずつ添加した。得られた暗紫色の混合物を3時間撹拌し、次いで4−クロロ−N−メチルピコリンアミド(640mg、3.75mmol)を一度に添加し、この反応混合物をAr入り風船下、80℃で3時間加熱した。この反応混合物を室温まで放冷し、次いで撹拌下の氷水(50mL)に注ぎ込んだ。撹拌を15分間継続し、次いでこの混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、1M KOH(3×50mL)、水(50mL)、及び飽和食塩水(2×50mL)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過した。真空下で濃縮して褐色の半固体を得、これを、30mL/分で溶離し、カラム容量の38倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(40gカートリッジ)によって精製した。得られた固体をEtOAcで粉体化し、真空ろ過により単離し、集取した固体をEtOAc(×1)及びヘキサン(×2)で洗浄し、次いで風乾した。640mg(58%)の標記化合物を明褐色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例6 − イソシアナートを用いた尿素リンカー(L1)ソラフェログの合成の一般的手法
Figure 2019528279
火炎乾燥したバイアル中、Ar下で、撹拌下のHB/SX(X=1〜3)及びCHClの溶液(0.1〜0.5M)に、上記イソシアナート(ニートでまたはCHCl溶液として)を注射器で1〜3分間かけて滴下により添加した。この反応混合物の上部のヘッドスペースをArで覆い、バイアルをねじ込み蓋で密封し(テフロンテープで包み)、この反応混合物を、MeOHで希釈した反応混合物アリコートのLC−MS分析によって完結したと判断されるまで撹拌した。生成物は一般的には溶液から沈殿し、これを真空ろ過により単離し、集取した固体をCHCl(×2)及びヘキサン(×2)で洗浄し、次いで風乾し、最後に高真空下で乾燥した。この合成計画によって調製したソラフェログに関する具体的な反応の詳細及び特性決定データを以下に記載する。
実施例7 − N−メチル−4−(4−(3−フェニルウレイド)フェノキシ)ピコリンアミド(S1/L1/C1(APS3−2))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、イソシアナトベンゼン(30.0μL、0.276mmol)及びHB/S1(65.0mg、0.267mmol)のCHCl(0.6mL)溶液から合成した。18時間撹拌し、真空ろ過により単離した。85.4mg(88%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例8 − N−メチル−4−(4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)ピコリンアミド(S1/L1/C2(LS1−11−2))の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中、1−イソシアナト−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(21.2μL、0.154mmol)及びHB/S1(36.8mg、0.151mmol)のCHCl(0.5mL)溶液から合成した。24時間撹拌し、真空ろ過により生成物を単離した。53.4mg(84%)の標記化合物を白色粉末として得た。
Figure 2019528279
実施例9 − N−メチル−4−(4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)ピコリンアミド(S1/L1/C3(ソラフェニブ))の調製
Figure 2019528279
20mLのバイアル中のHB/S1(500mg、2.06mmol)及びCHCl(5mL)の溶液に、1−クロロ−4−イソシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(463mg、2.09mmol)及びCHCl(5mL)の溶液を添加した。24時間撹拌し、生成物を真空ろ過により単離した。889mg(93%)の標記化合物を白色粉末として得た(Bankston et al., “A Scalable Synthesis of BAY 43−9006: A Potent Raf Kinase Inhibitor for the Treatment of Cancer,” Org. Process Res. Dev. 6:777−781 (2002)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。
Figure 2019528279
実施例10 − 4−(4−(3−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S1/L1/C4(LS1−15))の調製
Figure 2019528279
20mLのバイアル中、1−フルオロ−2−イソシアナト−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(720μL、4.98mmol)及びHB/S1(1.09g、4.48mmol)のCHCl(16mL)溶液から合成した。72時間撹拌し、真空ろ過により単離した。1.92g(96%)の標記化合物を白色粉末として得た。
Figure 2019528279
実施例11 − 4−(3−フルオロ−4−(3−フェニルウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド)(S2/L1/C1(APS6−18))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、イソシアナトベンゼン(50.0μL、0.460mmol)及びHB/S2(100mg、0.383mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。24時間撹拌し、真空ろ過により単離した。115mg(79%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例12 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L1/C2(APS4−4−2))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−イソシアナト−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(45.0μL、0.327mmol)及びHB/S2(78.4mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。24時間撹拌し、真空ろ過により単離した。57.4mg(43%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例13 − 4−(4−(3−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L1/C3(レゴラフェニブ))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中のHB/S2(450mg、1.72mmol)及びCHCl(2.5mL)の溶液に、1−クロロ−4−イソシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(384mg、1.73mmol)及びCHCl(2.5mL)の溶液を添加した。24時間撹拌し、真空ろ過により生成物を単離した。720mg(87%)の標記化合物を白色粉末として得た。
Figure 2019528279
実施例14 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L1/C4(APS3−69−1))の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中、1−フルオロ−2−イソシアナト−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(31.0μL、0.214mmol)及びHB/S2(52.3g、0.200mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。18時間撹拌し、真空ろ過により単離した。82.6mg(88%)の標記化合物を白色粉末として得た。
Figure 2019528279
実施例15 − N−メチル−4−((4−(3−フェニルウレイド)ナフタレン−1−イル)オキシ)ピコリンアミド(S3/L1/C1(APS4−61−4))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、イソシアナトベンゼン(45.0μL、0.414mmol)及びHB/S3(100mg、0.341mmol)のCHCl(2mL)溶液から合成した。72時間撹拌し、真空ろ過により単離した。135mg(96%)の標記化合物を淡紫色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例16 − N−メチル−4−((4−(3−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)ナフタレン−1−イル)オキシ)ピコリンアミド(S3/L1/C2(APS4−61−3))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−イソシアナト−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(55.0μL、0.399mmol)及びHB/S3(100mg、0.341mmol)のCHCl(3mL)溶液から合成した。72時間撹拌し、真空ろ過により単離した。133mg(78%)の標記化合物を淡桃色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例17 − 4−((4−(3−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)ナフタレン−1−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(S3/L1/C3(APS4−61−1))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中のHB/S3(100mg、0.341mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、1−クロロ−4−イソシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(83.1mg、0.375mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液を添加した。72時間撹拌し、真空ろ過により単離した。136mg(77%)の標記化合物を淡桃色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例18 − 4−((4−(3−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)ナフタレン−1−イル)オキシ)−N−メチルピコリンアミド(S3/L1/C4(APS4−61−2))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−2−イソシアナト−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(55.0μL、0.380mmol)及びHB/S3(100mg、0.341mmol)のCHCl(3mL)溶液から合成した。72時間撹拌し、真空ろ過により単離した。139mg(85%)の標記化合物を淡紫色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例19 − 4−(4−(3−(4−クロロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド2,2,2−トリフルオロアセテート(LS1−14)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中のHB/S1(36.8mg、0.151mmol)及びCHCl(0.3mL)の溶液に、1−クロロ−4−イソシアナトベンゼン(23.7mg、0.154mmol)及びCHCl(0.3mL)の溶液を添加した。14時間撹拌し、沈殿を真空ろ過により単離した。わずかに不純物を含む白色固体を、20mL/分で溶離し、20分間にわたるHO(0.1% v/vのTFAを含む)/MeCN:80:20→5:95の直線勾配を用いた逆相クロマトグラフィーにより精製した。57.4(74%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例20 − 4−(4−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)ウレイド)−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS3−69−2)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1,4−ジフルオロ−2−イソシアナトベンゼン(25.0μL、0.213mmol)及びHB/S2(52.3mg、0.200mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。24時間撹拌し、真空ろ過により単離した。75.2mg(90%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例21 − 4−(4−(3−(2,6−ジフルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−3−1)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中のHB/S1(73.0mg、0.300mmol)及びCHCl(0.8mL)の溶液に、1,3−ジフルオロ−2−イソシアナトベンゼン(50.0mg、0.322mmol)及びCHCl(0.3mL)の溶液を添加した。48時間撹拌し、沈殿を真空ろ過により単離した。111mg(93%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例22 − 4−(4−(3−(2,6−ジフルオロフェニル)ウレイド)−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−3−2)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中のHB/S2(78.4mg、0.300mmol)及びCHCl(0.8mL)の溶液に、1,3−ジフルオロ−2−イソシアナトベンゼン(50.0mg、0.322mmol)及びCHCl(0.3mL)の溶液を添加した。48時間撹拌し、沈殿を真空ろ過により単離した。114mg(91%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例23 − 4−(4−(3−(2,5−ジフルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−4−1)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1,4−ジフルオロ−2−イソシアナトベンゼン(38.0μL、0.324mmol)及びHB/S1(73.0mg、0.300mmol)CHCl(1mL)溶液から合成した。24時間撹拌し、真空ろ過により単離した。113mg(94%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例24 − 4−(4−(3−(2−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−9−1)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−2−イソシアナトベンゼン(40.0μL、0.357mmol)及びHB/S1(73.0mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。110mg(96%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例25 − 4−(4−(3−(3−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)―N−メチルピコリンアミド(APS4−9−2)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−3−イソシアナトベンゼン(41.0μL、0.359mmol)及びHB/S1(73.0mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。111mg(97%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例26 − 4−(4−(3−(4−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−9−3)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−4−イソシアナトベンゼン(41.0μL、0.359mmol)及びHB/S1(73.0mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。109mg(96%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例27 − N−メチル−4−(4−(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)ピコリンアミド(APS4−9−4)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−イソシアナト−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(51.0μL、0.357mmol)及びHB/S1(73.0mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。123mg(95%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例28 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(2−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−9−5)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−2−イソシアナトベンゼン(40.0μL、0.357mmol)及びHB/S2(78.4mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。108mg(90%)の標記化合物を灰白色の固体として得た。
Figure 2019528279
実施例29 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(3−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−9−6)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−3−イソシアナトベンゼン(41.0μL、0.359mmol)及びHB/S2(78.4mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。110mg(92%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例30 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(4−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−9−7)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−フルオロ−4−イソシアナトベンゼン(41.0μL、0.359mmol)及びHB/S2(78.4mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、沈殿を真空ろ過により単離した。わずかに不純物を含む固体をEtOAc/EtOH/ヘキサンの混合物(1:1:1、約2mL)から再結晶した。71.5mg(60%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例31 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−9−8)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中、1−イソシアナト−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(51.0μL、0.357mmol)及びHB/S2(78.4mg、0.300mmol)のCHCl(1mL)溶液から合成した。48時間撹拌し、真空ろ過により単離した。117mg(87%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例32 − 4−(4−(3−(4−クロロフェニル)ウレイド)−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−32)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中のHB/S2(100mg、0.383mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、1−クロロ−4−イソシアナトベンゼン(82.3mg、0.536mmol)及びCHCl(1mL)の溶液を添加した。24時間撹拌し、沈殿を真空ろ過により単離した。155mg(97%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例33 − 4−(4−(3−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−70−1)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中、1−クロロ−2−イソシアナト−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(27.0μL、0.180mmol)及びHB/S1(36.5mg、0.150mmol)のCHCl(0.6mL)溶液から合成した。14時間撹拌し、真空ろ過により単離した。54.5mg(78%)の標記化合物を白色粉末として得た。
Figure 2019528279
実施例34 − 4−(4−(3−(3−クロロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−70−2)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中、1−クロロ−3−イソシアナトベンゼン(22.0μL、0.181mmol)及びHB/S1(36.5mg、0.150mmol)のCHCl(0.6mL)溶液から合成した。14時間撹拌した後、EtO(3mL)で希釈した。生じた沈殿を真空ろ過により単離し、ヘキサンで洗浄した。50.7mg(85%)の標記化合物を白色粉末として得た。
Figure 2019528279
実施例35 − アニリン及びN,N−カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いる尿素リンカー(L1)ソラフェログの合成の一般的手法
Figure 2019528279
火炎乾燥したバイアル(sepcapを備えた)中、Ar下で、0℃のCDI(0.2〜1.0M)及びCHClの溶液に、上記アニリン(ニートでまたはCHCl溶液として)を注射器で10分間かけて滴下により添加した。2−置換アニリンについては15分後に冷浴を外した一方、他のアニリン(2−置換基をもたない)については、反応混合物を、冷浴の氷が融解するのに伴って、自然に室温まで徐々に加温した(一般的には2〜3時間)。上記アシルイミダゾール中間体の形成が完結するまで反応混合物を撹拌し、反応混合物アリコートをMeOH中でクエンチし、当該アニリンの当該カルバミン酸メチルへの転化を観測することによって進行を監視した。12〜24時間後に固体のHB/SX(X=1〜2)を一度に添加し、この反応混合物をAr下で更に1〜24時間撹拌した。一部の反応においては、生成物が溶液から沈殿し、これを真空ろ過により単離し、集取した固体をCHCl(×2)及びヘキサン(×2)で洗浄し、風乾した。生成物が溶液から沈殿しなかった場合は、粗反応混合物をクロマトグラフィーにより直接精製した。全ての生成物を高真空下で≧24時間乾燥した。
実施例36 − 4−(4−(3−(4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−34−1)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中のCDI(51.6mg、0.318mmol)及びCHCl(1mL)に、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリン(39.0μL、0.303mmol)をニートで添加した。10分後にこの反応混合物を自然に室温まで加温し、16時間撹拌し、次いでHB/S1(73.8mg、0.303mmol)を一度に添加し、撹拌を12時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の27倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。105mg(77%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例37 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−34−2)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中のCDI(51.6mg、0.318mmol)及びCHCl(1mL)に、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリン(39.0μL、0.303mmol)をニートで添加した。10分後にこの反応混合物を室温まで自然に加温し、16時間撹拌し、次いでHB/S2(79.1mg、0.303mmol)を一度に添加し、撹拌を12時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の27倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。84.6mg(60%)の標記化合物を白色固形物として得た。
Figure 2019528279
実施例38 − 4−(4−(3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−35−1)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中のCDI(51.0mg、0.315mmol)及びCHCl(1.0mL)に、2−フルオロ−5−メチルアニリン(34.0μL、0.301mmol)をニートで添加した。10分後にこの反応混合物を室温まで自然に加温し、16時間撹拌し、次いでHB/S1(73.0mg、0.300mmol)を一度に添加し、撹拌を12時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の27倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。73.5mg(62%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例39 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−35−2)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中のCDI(51.0mg、0.315mmol)及びCHCl(1.0mL)に、2−フルオロ−5−メチルアニリン(34.0μL、0.301mmol)をニートで添加した。10分後にこの反応混合物を室温まで自然に加温し、16時間撹拌し、次いでHB/S2(78.4mg、0.300mmol)を一度に添加し、撹拌を12時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の27倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。68.2mg(55%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例40 − 4−(4−(3−(5−(ジフルオロメチル)−2−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS4−54)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の0℃のCDI(106mg、0.654mmol)及びCHCl(1mL)の溶液に、5−(ジフルオロメチル)−2−フルオロアニリン(APS4−53;100mg、0.621mmol)及びCHCl(1mL)の溶液を添加した。10分後にこの反応混合物を室温まで自然に加温し、22時間撹拌し、次いでHB/S1(151mg、0.621mmol)を添加し、撹拌を14時間継続した。生成物が沈殿し、これを真空ろ過により単離した。199mg(75%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例41 − 4−フルオロ−3−ニトロベンズアルデヒド(APS4−48)の調製
Figure 2019528279
50mLのフラスコに4−フルオロベンズアルデヒド(2.20mL、20.5mmol)及び濃硫酸(10mL)を投入した。この溶液を0℃に冷却し、発煙硝酸(1.10mL、90% w/w水溶液、23.3mmol)をピペットで5分間かけて滴下により添加した。この反応混合物を2.5時間撹拌し、氷浴の氷が融解するのに伴って自然に加温した。この反応混合物を素早く撹拌下の氷水(150mL)に注ぎ込み、更に15分間撹拌した。生じた沈殿を真空ろ過により集取し、この集取した固体を水(2×10mL)で洗浄した。風乾して、1.84g(53%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例42 − 4−(ジフルオロメチル)−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(APS4−50)の調製
Figure 2019528279
火炎乾燥しAr下で冷却した50mLのフラスコに、4−フルオロ−3−ニトロベンズアルデヒド(APS4−48;715mg、4.23mmol)及びCHCl(12mL)を投入した。この溶液を−78℃に冷却し、(ジエチルアミノ)三フッ化硫黄(DAST;1.12mL、8.48mmol)を注射器で3分間かけて滴下により添加した。得られた明黄色の不均一な反応混合物を−78℃で3時間撹拌したところ、この間にこの反応混合物は均一且つ淡赤色となった。冷浴を外し、この溶液を室温まで自然に加温した。この反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで水(10mL)でクエンチした。水層のpHを飽和NaHCO溶液で約7に調整し、この混合物をCHCl(2×50mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、脱水し(NaSO)、ろ過した。真空下で濃縮して790mgの橙色油状物を得、これを、20mL/分で溶離し、カラム容量の18倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。608mg(75%)の標記化合物を黄色油状物として得た。
Figure 2019528279
実施例43 − 5−(ジフルオロメチル)−2−フルオロアニリン(APS4−53)の調製
Figure 2019528279
50mLのフラスコに、4−(ジフルオロメチル)−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(597mg、3.12mmol)、MeOH(15mL)、及び鉄粉(871mg、15.6mmol)を逐次投入した。この混合物を室温で撹拌し、HCl水溶液(8.0mL、4.0M水溶液、32mmol)を1〜2分間かけて滴下により添加した。1時間後に、この反応混合物を未反応の鉄からデカントし、残った溶液をCHCl(50mL)及び水(50mL)で希釈した。水相のpHを6N NaOH(約5.3mL)で約7に調整し、次いでこの混合物を分液ロートに移し、層を分離し、水相をCHCl(2×30mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、脱水し(NaSO)、ろ過した。真空下で濃縮して黄色油状物を得、これを、20mL/分で溶離し、カラム容量の20倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。257mg(51%)の標記化合物を無色透明油状物として得た。
Figure 2019528279
実施例44 − N−メチル−4−(4−(3−(3−(ペルフルオロエチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)ピコリンアミド(APS5−16−1)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の0℃のCDI(122mg、0.752mmol)及びCHCl(1.5mL)の溶液に、3−(ペルフルオロエチル)アニリン(APS5−9;158mg、0.748mmol)及びCHCl(2mL)の溶液を添加した。この反応混合物を2時間かけて室温まで自然に加温し、20時間撹拌し、次いでHB/S1(173mg、0.711mmol)を一度に添加し、撹拌を8時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるCHCl/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。203mg(59%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例45 − 1−ニトロ−3−(ペルフルオロエチル)ベンゼン(APS5−4)の調製
Figure 2019528279
合成は公知の手法(Serizawa et al., “Direct Synthesis of Pentafluoroethyl Copper From Pentafluoropropionate as an Economical C Source: Application to Pentafluoroethylation of Arylboronic Acids and Aryl Bromides,” Org. Lett. 16:3456−3459 (2014)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)に従って実施した。25mLのシュレンクフラスコ(10mLの固体添加用ロートを備える)を真空下で火炎乾燥し、Ar下で冷却した。このフラスコに塩化銅(I)(424mg、4.28mmol;Arパージしたグローブバッグ中で移動)及びDMF(15mL)を投入した。ナトリウムtert−ブトキシド(824mg、8.57mmol;Arパージしたグローブバッグ中で移動)を上記添加用ロートによって10分間かけて少しずつ添加した。上記添加用ロートをセプタムに換装した後、この混合物を室温で2時間撹拌し、次いで50℃に加熱しながら、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン酸エチル(635μL、4.29mmol)を注射器で2分間かけて滴下により添加した。この反応混合物を50℃で3時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。三水酸化フッ化トリエチルアミン(265μL、1.63mmol)を注射器で1〜2分間かけて滴下により添加したところ、ほぼ均一な溶液が得られた。0℃で5分間、次いで室温で20分間撹拌を継続した。固体の1−ヨード−3−ニトロベンゼン(508mg、2.04mmol)を一度に添加し、この反応混合物をAr入り風船下、80℃で12時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却した後に、1M HCl(約10mL)をピペットで1〜2分間かけて少しずつ添加した。この混合物を水(50mL)及びEtO(50mL)で希釈し、次いで真空下でセライトのパッド(3×3cm)を通してろ過した。ろ過ケーキをEtO(10mL)で洗浄し、1つにまとめたろ液を分析ロートに移した。層を分離し、水相をEtO(2×30mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、飽和NHCl溶液/濃NHOH溶液の60:40混合物(2×50mL)、半飽和NaCl溶液(2×50mL)、及び飽和食塩水(50mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過した。真空下で濃縮して約500mgの橙色油状物を得、これを更に精製することなく使用した(APS5−9の合成を参照のこと)。
実施例46 − 3−(ペルフルオロエチル)アニリン(APS5−9)の調製
Figure 2019528279
上記粗1−ニトロ−3−(ペルフルオロエチル)ベンゼン(APS5−4、約2.04mmol;上記の反応由来)が入った100mLのフラスコに、MeOH(30mL)及び鉄粉(570mg、10.2mmol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、濃HCl(2.0mL、24mmol)をピペットで1〜2分間かけて滴下により添加した。この反応混合物を3時間かけて自然に室温まで加温し、更に3時間撹拌した。この反応混合物を未反応の鉄からデカントし、水(50mL)及びCHCl(50mL)で希釈し、次いで水相のpHを1M KOH(24〜25mL)で約7に調整した。この混合物をセライト/砂(50:50)のパッドを通して真空ろ過し、ろ過ケーキをCHCl(30mL)で洗浄した。1つにまとめたろ液を分液ロートに移し、層を分離し、水相をCHCl(2×25mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、脱水し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮すると492mgの橙色液体が残留し、これを、20mL/分で溶離し、カラム容量の22倍の容量にわたるヘキサン/CHCl:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。316mg(73%)の標記化合物を淡黄色液体として得た。
Figure 2019528279
実施例47 − 4−(4−(3−(2−フルオロ−5−(ペルフルオロエチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS5−16−2)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の0℃のCDI(151mg、0.931mmol)及びCHCl(2mL)の溶液に、2−フルオロ−5−(ペルフルオロエチル)アニリン(APS5−11;213mg、0.930mmol)及びCHCl(1mL)の溶液を添加した。10分後に、この反応混合物を室温まで自然に加温し、20時間撹拌し、次いでHB/S1(215mg、0.884mmol)を添加し、撹拌を8時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の33倍の容量にわたるCHCl/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。242mg(55%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例48 − 1−フルオロ−2−ニトロ−4−(ペルフルオロエチル)ベンゼン(APS5−7)の調製
Figure 2019528279
合成は公知の手法(Serizawa et al., “Direct Synthesis of Pentafluoroethyl Copper from Pentafluoropropionate as an Economical C Source: Application to Pentafluoroethylation of Arylboronic Acids and Aryl Bromides,” Org. Lett. 16:3456−3459 (2014)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)に従って実施した。25mLのシュレンクフラスコ(10mLの固体添加用ロートを備える)を真空下で火炎乾燥し、Ar下で冷却した。このフラスコに塩化銅(I)(516mg、5.21mmol;Arパージしたグローブバッグ中で移動)及びDMF(18mL)を投入した。ナトリウムtert−ブトキシド(1.01g、10.4mmol;グローブバッグ中で移動)を上記添加用ロートによって10分間かけて少しずつ添加した。上記添加用ロートをセプタムに換装した後、この混合物を室温で2.5時間撹拌し、次いで50℃に加熱しながら、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン酸エチル(770μL、5.21mmol)を注射器で2〜3分間かけて滴下により添加した。この反応混合物を50℃で3時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。三水酸化フッ化トリエチルアミン(325μL、1.99mmol)を注射器で1〜2分間かけて滴下により添加したところ、ほぼ均一な溶液が得られた。0℃で5分間、次いで室温で15分間撹拌を継続した。固体の1−フルオロ−4−ヨード−2−ニトロベンゼン(662mg、2.48mmol)を一度に添加し、この反応混合物をAr入り風船下、80℃で12時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却した後に、1M HCl(約15mL)をピペットで1〜2分間かけて少しずつ添加した。この混合物を水(50mL)及びEtO(50mL)で希釈し、次いで真空下でセライトのパッド(3×3cm)を通してろ過した。ろ過ケーキをEtO(20mL)で洗浄し、1つにまとめたろ液を分析ロートに移した。層を分離し、水相をEtO(2×30mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、飽和NHCl溶液/濃NHOH溶液の60:40混合物(3×50mL)、半飽和NaCl溶液(2×50mL)、及び飽和食塩水(50mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過した。真空下で濃縮して約670mgの橙色油状物を得、これを更に精製することなく使用した(APS5−11の合成を参照のこと)。
実施例49 − 2−フルオロ−5−(ペルフルオロエチル)アニリン(APS5−11)の調製
Figure 2019528279
上記粗1−フルオロ−2−ニトロ−4−(ペルフルオロエチル)ベンゼン(APS5−7、約2.48mmol;上記の反応由来)の入った100mLのフラスコに、MeOH(40mL)及び鉄粉(693mg、12.4mmol)を添加した。この混合物を0℃に冷却し、濃HCl(2.1mL、26mmol)をピペットで1〜2分間かけて滴下により添加した。この反応混合物を3時間かけて室温まで自然に加温し、更に3時間撹拌した。この反応混合物を未反応の鉄からデカントし、水(75mL)及びCHCl(75mL)で希釈し、水相のpHを6M NaOH(約4.3mL)で約7に調整した。得られた混合物をセライト/砂(50:50)のパッドを通して真空ろ過し、ろ過ケーキをCHCl(30mL)で洗浄した。1つにまとめたろ液を分液ロートに移し、層を分離し、水相をCHCl(2×30mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、脱水し(NaSO)、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮すると840mgの橙褐色油状物が残留し、これを、20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→75:25の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。426mg(75%)の標記化合物を橙色液体として得た。
Figure 2019528279
実施例50 − 4−(4−(3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS5−17−1)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中のCDI(70.0mg、0.432mmol)及びCHCl(1.5mL)に、5−クロロ−2−フルオロアニリン(46.5μL、0.431mmol)をニートで添加した。この反応混合物を10分間かけて室温まで自然に加温し、12時間撹拌し、次いでHB/S1(100mg、0.411mmol)を一度に添加し、撹拌を4時間継続した。生成物が溶液から沈殿し、これを真空ろ過により単離した。60.0mg(35%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例51 − 4−(4−(3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド2,2,2−トリフルオロアセテート(APS5−17−2)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の0℃のCDI(70.0mg、0.432mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、3,4−メチレンジオキシアニリン(59.2mg、0.432mmol)及びCHCl(1mL)の溶液を(45分間かけて)添加した。この反応混合物を2時間かけて室温まで自然に加温し、12時間撹拌し、次いでHB/S1(100mg、0.411mmol)を一度に添加し、撹拌を4時間継続した。この反応混合物を真空下で濃縮し、18mL/分で溶離し、42分間にわたるHO(0.1% v/vのTFAを含む)/MeCN:95:5→0:100の直線勾配を用いた逆相クロマトグラフィーによって精製した。48.4mg(23%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例52 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(3−(ペルフルオロエチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS5−31−3)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の0℃のCDI(40.5mg、0.250mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、3−(ペルフルオロエチル)アニリン(APS5−9;52.7mg、0.250mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液を添加した。この反応混合物を2時間かけて室温まで自然に加温し、24時間撹拌し、次いでHB/S2(58.5mg、0.227mmol)を添加し、撹拌を24時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるCHCl/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。64.0mg(57%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例53 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(2−フルオロ−5−(ペルフルオロエチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS5−31−4)の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の0℃のCDI(50.3mg、0.310mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、2−フルオロ−5−(ペルフルオロエチル)アニリン(APS5−11;71.0mg、0.310mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液を添加した。10分後に、この反応混合物を室温まで自然に加温し、24時間撹拌し、次いでHB/S2(73.6mg、0.282mmol)を添加し、撹拌を24時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるCHCl/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。47.0mg(32%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例54 − 4−(4−(3−(2−フルオロ−5−(ペルフルオロプロパン−2−イル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(APS6−45)の調製
Figure 2019528279
4mLのバイアル中の0℃のCDI(70.0mg、0.432mmol)及びCHCl(0.4mL)の溶液に、2−フルオロ−5−(ペルフルオロプロパン−2−イル)アニリン(APS6−39;115mg、0.412mmol)及びCHCl(0.6mL)の溶液を添加した。10分後に、この反応混合物を室温まで自然に加温し、24時間撹拌し、次いでHB/S1(100mg、0.411mmol)を一度に添加し、撹拌を4時間継続した。20mL/分で溶離し、カラム容量の30倍の容量にわたるCHCl/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。142mg(63%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例55 − 1−フルオロ−2−ニトロ−4−(ペルフルオロプロパン−2−イル)ベンゼン(APS6−36)の調製
Figure 2019528279
合成は公知の手法(Guin et al., “Highly Enantioselective Hetero−Diels−Alder Reaction of 1,3−Bis−(silyoxy)−1,3−dienes With Aldehydes Catalyzed by Chiral Disulfonimide,” Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 51:8859−8863 (2012)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)に従って実施した。1−フルオロ−4−ヨード−2−ニトロベンゼン(1.25g、4.68mmol)、活性化した銅粉末(1.20g、18.9mmol)、及び脱水DMF(13mL;Arを10分間バブリングすることによって脱酸素した)の混合物に、ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン(1.00mL、7.03mmol)を注射器で1分間かけて添加した。この混合物をAr下で撹拌し、100℃で48時間加熱した。この反応混合物を室温まで放冷し、次いで真空下でセライトのパッド(3×3cm)を通してろ過し、パッドをEtO(2×20mL)で洗浄した。1つにまとめたろ液をEtO(100mL)で希釈し、次いで飽和NHCl溶液/濃NHOH溶液の60:40混合物(3×30mL)、水(2×30mL)、及び飽和食塩水(2×30mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過した。真空下で濃縮して1.38gの橙色半固体を得、これを、20mL/分で溶離し、カラム容量の25倍の容量にわたるヘキサン/CHCl:100:0→80:20の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。860mg(59%)の標記化合物を無色油状物として得た。
Figure 2019528279
実施例56 − 2−フルオロ−5−(ペルフルオロプロパン−2−イル)アニリン(APS6−39)の調製
Figure 2019528279
50mLのフラスコに、1−フルオロ−2−ニトロ−4−(ペルフルオロプロパン−2−イル)ベンゼン(APS6−36;665mg、2.15mmol)、MeOH(15mL)、及び鉄粉(720mg、12.9mmol)を投入した。この混合物を0℃に冷却し、濃HCl(2.1mL、26mmol)をピペットで5分間かけて滴下により添加した。この反応混合物を30分間かけて室温まで自然に加温し、更に3時間撹拌した。この反応混合物をセライトのパッド(2×2cm)を通して真空ろ過して未反応の鉄粉を除去し、パッドをMeOH(5mL)で洗浄した。1つにまとめたろ液を水(75mL)及びCHCl(75mL)で希釈し、水相のpHを6M NaOH溶液(約4.3mL)で7〜8に調整した。得られた混合物をセライト(1×4cm)の上に重層した砂(3×4cm)のパッド(4×4cmの両方を合わせた大きさ)を通して真空ろ過し、ろ過ケーキをCHCl(30mL)で洗浄した。1つにまとめたろ液を分液ロートに移し、層を分離し、水相をCHCl(2×50mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、脱水し(NaSO)、ろ過した。このろ液を真空下で濃縮すると油状物が残留し、これを、20mL/分で溶離し、カラム容量の25倍の容量にわたるヘキサン/CHCl:100:0→50:50の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。473mg(79%)の標記化合物を無色油状物として得た。
Figure 2019528279
実施例57 − アミドリンカー(L2)ソラフェログの調製の一般的合成計画
Figure 2019528279
実施例58 − 4−(4−ベンズアミドフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S1/L2/C1(APS4−64−2))の調製
Figure 2019528279
火炎乾燥した8mLのバイアルに、Ar下でHB/S1(60.0mg、0.247mmol)及びCHCl(1mL)を投入し、次いで撹拌下の上記溶液に、塩化ベンゾイル(35.0μL、0.302mmol)を1分間かけて滴下により添加した。得られた混合物にピリジン(25.0μL、0.309mmol)を添加したところ、透明な溶液が生成した。この反応混合物を14時間撹拌し、次いでMeOH(1mL)を添加し、撹拌を30分間継続した。この溶液を濃縮乾固し、残留した物質を、20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。39.6mg(46%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例59 − N−メチル−4−(4−(3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)フェノキシ)ピコリンアミド(S1/L2/C2(APS4−64−1))の調製
Figure 2019528279
火炎乾燥した8mLのバイアルに、Ar下でHB/S1(60.0mg、0.247mmol)及びCHCl(1mL)を投入し、次いで撹拌下の上記溶液に、3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(45.0μL、0.298mmol)を1分間かけて滴下により添加した。得られた混合物にピリジン(25.0μL、0.309mmol)を添加したところ、透明な溶液が生成した。この反応混合物を14時間撹拌し、次いでMeOH(1mL)を添加し、撹拌を30分間継続した。この溶液を濃縮乾固し、残留した物質を、20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。75.8mg(74%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例60 − 4−(4−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S1/L2/C3(LS1−37))の調製
Figure 2019528279
オーブン乾燥した8mLのバイアルに、Ar下で4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(138mg、0.615mmol)及びCDI(100mg、0.617mmol)を投入し、次いで撹拌しながらTHF(1mL)を加えところ、ガスが急激に発生した。この溶液を室温で1時間撹拌し、次いで45℃で2時間加熱した。この溶液を室温に冷却した後、HB/S1(100mg、0.411mmol)を一度に添加し、撹拌を2時間継続した。この反応混合物をMeOH(3mL)で希釈し、20mL/分で溶離し、26分間にわたるHO/MeCN:90:10→5:95の直線勾配を用いた逆相クロマトグラフィーによって精製した。177mg(96%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例61 − 4−(4−(2−フルオロ−5(トリフルオロメチル)ベンズアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S1/L2/C4(APS4−63−1))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(75.3mg、0.364mmol)、HATU(140mg、0.368mmol)、及びDMF(1mL)の溶液に、DIPEA(70.0μL、0.402mmol)を注射器で1分間かけて滴下により添加した。この溶液を30分間撹拌し、次いでHB/S1(80.0mg、0.329mmol)を一度に添加し、撹拌を12時間継続した。この反応混合物をNaHCOの飽和溶液(20mL)で希釈し、CHCl(3×20mL)で抽出した。有機抽出液をプールし、脱水し(NaSO)、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、20mL/分で溶離し、カラム容量の18倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(25gカートリッジ)によって精製した。139mg(97%)の標記化合物を黄褐色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例62 − 4−(4−ベンズアミド−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L2/C1(APS6−22−1))の調製
Figure 2019528279
火炎乾燥した8mLのバイアルに、Ar下でHB/S2(100mg、0.383mmol)及びCHCl(1.5mL)を投入し、次いで撹拌下の上記溶液に、塩化ベンゾイル(65.0μL、0.560mmol)を注射器で1分間かけて滴下により添加した。得られた混合物にトリエチルアミン(80.0μL、0.574mmol)を添加したところ、透明な溶液が生成した。この反応混合物を12時間撹拌し、次いでMeOH(2mL)を添加し、撹拌を30分間継続した。この溶液を濃縮乾固し、残留した物質を、25mL/分で溶離し、カラム容量の30倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。89.6mg(64%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例63 − 4−(3−フルオロ−4−(3(トリフルオロメチル)ベンズアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L2/C2(APS6−22−2))の調製
Figure 2019528279
火炎乾燥した8mLのバイアルに、Ar下でHB/S2(100mg、0.383mmol)及びCHCl(1.5mL)を投入し、次いで撹拌下の上記溶液に、3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(85.0μL、0.564mmol)を1分間かけて滴下により添加した。得られた混合物にトリエチルアミン(80.0μL、0.574mmol)を添加したところ、透明な溶液が生成した。この反応混合物を12時間撹拌し、次いでMeOH(2mL)を添加し、撹拌を30分間継続した。この溶液を濃縮乾固し、残留した物質を、20mL/分で溶離し、カラム容量の24倍の容量にわたるヘキサン/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。72.9mg(44%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例64 − 4−(4−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L2/C3(APS4−58))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸(52.5mg、0.234mmol)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU;88.9mg、0.234mmol)、及びDMF(1mL)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA;45.0μL、0.258mmol)を注射器で1分間かけて滴下により添加した。この溶液を2時間撹拌し、次いでHB/S2(55.5mg、0.212mmol)を一度に添加し、撹拌を18時間継続した。この溶液をMeOH(5mL)で希釈し、20mL/分で溶離し、25分間にわたるHO/MeCN:90:10→0:100の直線勾配を用いた逆相クロマトグラフィーによって精製した。クロマトグラフィーから得られた生成物はわずかに不純物を含み、MeOH(1mL)から再結晶して、57.9mg(58%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例65 − 4−(3−フルオロ−4−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L2/C4(APS6−21))の調製
Figure 2019528279
8mLのバイアル中の2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(96.0mg、0.461mmol)、HATU(175mg、0.460mmol)、及びDMF(1mL)の溶液に、DIPEA(80.0μL、0.459mmol)を1分間かけて滴下により添加した。この溶液を2時間撹拌し、次いでHB/S2(100mg、0.383mmol)を一度に添加し、撹拌を14時間継続した。この溶液をMeOH(5mL)で希釈し、20mL/分で溶離し、42分間にわたるHO/MeCN:90:10→0:100の直線勾配を用いた逆相クロマトグラフィーによって精製した。93.0mg(54%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例66 − 塩化スルホニルを用いたスルホンアミドリンカーソラフェログの合成の一般的手法
Figure 2019528279
火炎乾燥し、Ar下で冷却した8mLのバイアルに、HB/SX(X=1〜2)及びCHCl(0.5〜1mL)を投入した。撹拌下の上記溶液に、塩化スルホニル(ニートでまたは0.5mLのCHCl中の溶液として)及びピリジンを逐次添加し、両者共に注射器で1分間かけて滴下により添加した。この反応混合物の上部のヘッドスペースをArで覆い、バイアルをねじ込み蓋で密封し(テフロンテープで包み)、この反応混合物を24時間撹拌した。この群の全ての反応混合物は、20mL/分で溶離し、カラム容量の20倍の容量にわたるCHCl/EtOAc:100:0→0:100の直線勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(12gカートリッジ)によって精製した。全ての生成物を高真空下で≧24時間乾燥した。この合成計画によって調製したソラフェログに関する具体的な詳細及び特性決定データを以下に記載する。
実施例67 − N−メチル−4−(4−フェニルスルホンアミド)フェノキシ)ピコリンアミド(S1/L3/C1(APS4−67−4))の調製
Figure 2019528279
HB/S1(50.0mg、0.206mmol)及びCHCl(1mL)の溶液に、ベンゼン−1−スルホニルクロリド(32.0μL、0.251mol;ニート)、次いでピリジン(25.0μL、0.309mmol)を添加した。58.1mg(74%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例68 − N−メチル−4−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェノキシ)ピコリンアミド(S1/L3/C2(APS4−67−3))の調製
Figure 2019528279
HB/S1(50.0mg、0.206mmol)及びCHCl(1mL)の溶液に、3−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(40.0μL、0.250mol;ニート)、次いでピリジン(25.0μL、0.309mmol)を添加した。37.4mg(40%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例69 − 4−(4−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S1/L3/C3(APS4−67−1))の調製
Figure 2019528279
HB/S1(50.0mg、0.206mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(69.0mg、0.247mmol;0.5mLのCHCl中の溶液として)、次いでピリジン(25.0μL、0.309mmol)を添加した。85.7mg(86%)の標記化合物を灰白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例70 − 4−(4−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S1/L3/C4(APS4−67−2))の調製
Figure 2019528279
HB/S1(50.0mg、0.206mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(65.0mg、0.248mmol;0.5mLのCHCl中の溶液として)、次いでピリジン(25.0μL、0.309mmol)を添加した。54.6mg(56%)の標記化合物を灰白色固形物として得た。
Figure 2019528279
実施例71 − 4−(3−フルオロ−4−(フェニルスルホンアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L3/C1(APS4−68−4))の調製
Figure 2019528279
HB/S2(60.0mg、0.230mmol)及びCHCl(1mL)の溶液に、ベンゼン−1−スルホニルクロリド(35.0μL、0.274mol;ニート)、次いでピリジン(28.0μL、0.346mmol)を添加した。44.5mg(48%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例72 − 4−(3−フルオロ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L3/C2(APS4−68−3))の調製
Figure 2019528279
HB/S2(60.0mg、0.230mmol)及びCHCl(1mL)の溶液に、3−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(45.0μL、0.281mol;ニート)、次いでピリジン(28.0μL、0.346mmol)を添加した。23.5mg(22%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例73 − 4−(4−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)−3−フルオロフェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L3/C3(APS4−68−1))の調製
Figure 2019528279
HB/S2(60.0mg、0.230mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(77.0mg、0.276mmol;0.5mLのCHCl中の溶液として)、次いでピリジン(28.0μL、0.346mmol)添加した。78.4mg(68%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例74 − 4−(3−フルオロ−4−(2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)フェノキシ)−N−メチルピコリンアミド(S2/L3/C4(APS4−68−2))の調製
Figure 2019528279
HB/S2(60.0mg、0.230mmol)及びCHCl(0.5mL)の溶液に、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(72.5mg、0.276mmol;0.5mLのCHCl中の溶液として)、次いでピリジン(28.0μL、0.346mmol)を添加した。78.4mg(70%)の標記化合物を白色固体として得た。
Figure 2019528279
実施例75 − 材料及び方法
ハエ系統
キナーゼ変異ハエ系統及びバランサーハエ系統はBloomington Drosophila Stock Center (BDSC;Bloomington, IN)から入手した。X染色体上に変異キナーゼ遺伝子を有するFM7aまたはFM7cのバランスがとれたハエを、FM7a−Tb−RFPのバランスがとれたハエと異系交雑し、CyOまたはSM5のバランスがとれたハエをCyO−Tb−RFPバランサーと再平衡化した(Lattao et al., “Tubby−Tagged Balancers for the Drosophila X and Second Chromosomes,” Fly 5:369−370 (2011)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。同様に、TM3またはMKRSのバランスがとれたハエをTM6Bバランサーと再平衡化した。dRetの活性変異型(dRetM955T)は、MEN 2B型患者に見られるM918T変異に相当するM1007T変異を有する(Vidal et al., “ZD6474 Suppresses Oncogenic RET Isoforms in a Drosophila Model for Type 2 Multiple Endocrine Neoplasia Syndromes and Papillary Thyroid Carcinoma,” Cancer Res. 65:3538−3541 (2005)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。ptc−gal4、UAS−GFP;UAS−dRetM955T/SM5(tub−gal80)−TM6Bトランスジェニックハエを標準的なプロトコールに従って調製し、薬物スクリーニング及びキノーム遺伝学的スクリーニング用に、それぞれw及びキナーゼ変異ハエと交雑した(図62A〜H)。遺伝学的スクリーニングの結果を検証するために、プロターゲットに対する10種類の更なる対立遺伝子を無作為に選び出して試験した。得られた結果は9種類の遺伝子についての結果と本質的に類似しており、プロターゲットを決定するための上記実験設計が完全なものであることが確認された。ハエ遺伝子のヒトオルソログをDIOPT(www.flyrnai.org/cgi−bin/DRSC_orthologs.pl)により予測した。
ハエアッセイ
FDA認可薬物及びソラフェログは、Selleck Chemicals(Houston,TX)、LC Laboratories(Woburn,MA)、及びTocris Bioscience(UK)から購入するか、または施設内で合成した。AD80は既報(Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)のとおりに合成した。全ての化合物をDMSOに溶解し、一部組成が不明なハエ用培地(BDSC)と混合して、薬物入りの餌(0.1%の最終DMSO濃度)を作製した。キナーゼ変異を有するまたは有さない約100個のptc>dRetM955T胚を、23℃で15日間(遺伝学的スクリーニング)または25℃で13日間(薬物スクリーニング及び翅脈形成アッセイ)、薬物入りの餌で成虫期まで飼育した。蛹が空の事例の数(図53AのP)を蛹の事例の総数(A)で除して、%表記の生存率を測定した。
細胞遊走及び翅脈形成アッセイ
インビボ細胞遊走アッセイのために、三齢幼虫を解剖して発生中の翅原基を採取した。4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液で固定化した後、原基を全組織標本とし、共焦点顕微鏡下、GFPで標識したdRetM955T発現細胞を観測した。それぞれの遺伝子型または処理に対して少なくとも20の翅原基を調べた。Phospho−Srcを抗Src(pY418)抗体(Invitrogen)で染色した。翅脈形成アッセイのために、翅特異的な765−gal4ドライバ系統をUAS−dRetM955Tハエと交雑した。15を超える成虫の翅が異常な翅脈形成のスコアとなった。
がん細胞株を用いたMTTアッセイ
TTヒトMTC細胞を、10%のウシ胎児血清、100単位/mlのペニシリン、及び0.1mg/mlのストレプトマイシンの混合物を追加したRPMI1640中、37℃で培養した。細胞を96ウェルプレート中で種々の用量のキナーゼ阻害物質と共に5日間インキュベートし、チアゾリルブルーテトラゾリウムブロミド(MTT;SIGMA, St. Louis, MO)を用い、製造元のプロトコールに従って細胞生存率を測定した。
キナーゼ阻害率測定
上記ソラフェログを一連の精製ヒトキナーゼ(ThermoFisher)に対してアッセイし、阻害率の値を測定し、キノームプロファイルを導き出した(図61)。全ての化合物を、2つの生物学的レプリケートを用い、1μMでスクリーニングし、阻害率の値を測定した。キナーゼ反応の詳細な手法及びアッセイ形式は、www.thermofisher.com/kinaseprofilingに記載されている。
Kd測定
ビーズベースの競合アッセイ(KINOMEscan)を用い、DiscoverXによってKd値を測定した。簡単に説明すると、キナーゼをファージ上で発現させ、活性部位特異的リガンドを介してビーズ上に固定化した。試験化合物をキナーゼと予備混合し、固定化リガンドに対して競合する能力についてアッセイした。結合定数は、標準的な用量−応答曲線及びヒルの式を用いて算出し、ヒルの勾配を−1に設定した。この方法はキナーゼ阻害物質結合データを特性決定するために広く使用されてきた(Davis et al., “Comprehensive Analysis of Kinase Inhibitor Selectivity,” Nat. Biotechnol. 29:1046−51 (2011);Young et al., “Structure of the Kinase Domain of an Imatinib−Resistant Abl Mutant in Complex with the Aurora Kinase Inhibitor VX−680,” Cancer Res. 66:1007−14 (2006)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。各ソラフェログ−キナーゼ対について、3倍希釈での30,000〜0.5nMの範囲の段階希釈液11点を用いてKd値を導き出した。Kd値、及び平均値の標準誤差(SEM)は、2つの生物学的レプリケートの平均値である。
計算:DFG−outのモデル化
ソラフェニブ及び他の関連するキナーゼ阻害物質は、DFG−out立体配座に結合する公知のII型阻害物質であることから、ソラフェログもまたII型キナーゼ阻害物質であるとの仮説を立てた。強力なII型阻害物質を合理的に設計するためには、プロターゲット及びアンチターゲットのそれらのDFG−out立体配座における原子構造が必要であった。一部のプロターゲット/アンチターゲットについてはそれらのDFG−out立体配座における構造が判明していないが、ホモロジーモデル化を用いてそれらの構造を予測した。特に、活性なDFG−in構造または配列情報のみからDFG−out立体配座をモデル化するDFGモデルを用いた(Ung et al., “DFGmodel: Predicting Protein Kinase Structures in Inactive States for Structure−Based Discovery of Type−II Inhibitors,” ACS Chem. Biol. 10:269−278 (2015)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。
簡単に説明すると、標的キナーゼの配列を、DFG−out立体配座の特有の範囲を表す一組のテンプレートキナーゼ構造にアラインした。次いでDFGモデルは、当該DFG−out立体配座のホモロジーモデルを作製するようにMODELLERの自動マルチテンプレート機能(Sali et al., “Comparative Protein Modelling by Satisfaction of Spatial Restraints,” J. Mol. Biol. 234:779−815 (1993)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)を求めた。各アラインメントに対して50種類の初期モデルを構築し、DFG−outモデルに対するキナーゼ−阻害物質結合の良好な予測ツールであることが明らかになっているPOVME v2.0(Durrant et al., “POVME 2.0: An Enhanced Tool for Determining Pocket Shape and Volume Characteristics,” J. Chem. Theory Comput. 10:5047−5056 (2014)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)によって計算した阻害物質結合部位の体積に従ってランク付けを行った。各キナーゼについて、公知のII型阻害物質を該キナーゼに対して結合しないものと区別する能力に基づいて10種類のDFG−outモデルを選定し、それにより、タンパク質−II型阻害物質の相補性に関して上記モデルを最適化した。
計算:ねじれ角
N−置換基に対する上記尿素リンカーのねじれエネルギーを、水溶液中の分子力学OPLS_2005力場を用いたSchrodinger’s Maestro (Maestro, version 10.3, Schrodinger, LLC, New York, NY, 2015、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)によって計算した。ねじれ角は2度の間隔で走査した。相対ねじれエネルギーをねじれ角に対してプロットし、基準となるソラフェニブのX線結晶構造において観測された相当するねじれ角と比較した。
計算:DFD−ポケット
DFGモデルによって作製した上位10種類のDFG−outモデルのDFGポケットの平均体積を、POVME 2.0(Durrant et al., “POVME 2.0: An Enhanced Tool for Determining Pocket Shape and Volume Characteristics,” J. Chem. Theory Comput. 10:5047−5056 (2014)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)を用いて計算した。
実施例76 − ソラフェニブはショウジョウバエ MTCモデルにおいて有効であった
治療指数と呼ばれる、腫瘍抑制と全般的な毒性の両方が関わる治療域によって、臨床に使用される抗がん剤の有効性が明らかになる。現在、31種類のキナーゼ阻害物質が患者への使用に対してFDAの認可を受けている。これらの薬物の大部分は、(i)腫瘍の複雑さ及び、(ii)(i)と結びついた、毒性を最小限にするために、正常組織中のものを含む適切な細胞ネットワークを維持することの重要性に起因して、狭い治療指数を示す。総じて、抗がん剤の治験の成功率は主要な疾患向けの薬物の中で最低のままであり、失敗の大部分は治療指数の制限によるものである(Meanwell, N. A., “Improving Drug Candidates by Design: A Focus on Physicochemical Properties as a Means of Improving Compound Disposition and Safety,” Chem. Res. Toxicol. 24:1420−1456 (2011);Hay et al., “Clinical Development Success Rates for Investigational Drugs,” Nat. Biotechnol. 32:40−51 (2014)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。標的治療薬に対する耐性が生じると、全生存期間を延ばす上での該治療薬の有効性が制限されることが多い。
patched(ptc)プロモーターが、ヒト発がん性アイソフォームRET(M918T)をモデル化するように設計されたショウジョウバエ RetのM955Tアイソフォームの発現を導く、甲状腺髄様がん(MTC)のトランスジェニックショウジョウバエモデルは既報である(Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012);Mulligan, “RET Revisited: Expanding the Oncogenic Portfolio,” Nat. Rev. Cancer 14:173−186 (2014)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。ptc>dRetM955Tハエを25℃で培養すると、該ハエの100%が成虫期の前に死亡し、これは候補薬物の効率的且つ定量的な「致死からのレスキュー」アッセイとなる(図53A及び62A;(Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される))。このアッセイは分子を治療指数に基づいて分類し、該アッセイにおいて、有効な化合物は発がん性のRetに誘導される毒性を抑制する一方で、正常なハエの発生に際しては毒性作用を示さないことが必要である。次いで、有望な的中した化合物を、該化合物のRet媒介形質転換を低減する能力に関して評価した。
改良を行うべき薬物を選択するために、2015年現在でがん治療薬としてFDAに認可された臨床に使用されるキナーゼ阻害物質のスクリーニングを実施した。薬物をハエ培地に混合し、それによって経口送達した。31種類の被検キナーゼ阻害物質のうち、ソラフェニブがptc>dRetM955Tハエを最も強力に致死からレスキューした(図53B)。しかしながら、ハエの生存率を最も強力に向上させたにもかかわらず、ソラフェニブレスキューは低く(約5%)、且つ治療域は小さかった(ハエ用の餌中で200〜400μMの範囲に過ぎない;図54D参照)。これはヒトの患者に由来する報告、すなわち、ソラフェニブは肝臓及び腎細胞がんならびに分化甲状腺がんの治療において限界効力を示し、治療を受けた患者における下痢、膵臓萎縮、及び皮膚腫瘍の発生を含む重度の副作用を伴うとの報告(Hescot et al., “Pancreatic Atrophy−A New Late Toxic Effect of Sorafenib,” N. Engl. J. Med. 369:1475−1476 (2013);Fu et al., “Inhibition of BET Bromodomains as a Therapeutic Strategy for Cancer Drug Discovery,” Oncotarget. 6:5501−5516 (2015);Gharwan et al., “Kinase Inhibitors and Monoclonal Antibodies in Oncology: Clinical Implications,” Nat. Rev. Clin. Oncol. 13:209−227 (2016), which are hereby incorporated by reference in their entirety、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)と一致する。注目すべきは、更なるフッ素原子を有するソラフェニブ類縁体である大腸がん治療薬レゴラフェニブ(Wilhelm et al., “Regorafenib (BAY 73−4506): A New Oral Multikinase Inhibitor of Angiogenic, Stromal and Oncogenic Receptor Tyrosine Kinases with Potent Preclinical of Antitumor Activity,” Int. J. Cancer 129:245−255 (2011)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)の有効性も弱いことが判ったことである(図54D)。
ptc>dRetM955T導入遺伝子は、後期における致死性を導くことに加えて、発生中の翅原基上皮の正中線にある縦縞の細胞に対するdRetM955T発現を標的とし、細胞が、含まれるUAS−GFP導入遺伝子によって可視化された。これらのptc>dRetM955T細胞は上皮間葉転換(EMT)及びそれに続く翅上皮下への浸潤を起こし、細胞形質転換及び転移における初期段階のモデルになった(Vidal et al., “Csk−Deficient Boundary Cells are Eliminated from Normal Drosophila Epithelia by Exclusion, Migration, and Apoptosis,” Dev. Cell 10:33−44 (2006);Rudrapatna et al., “A Jnk−Rho−Actin Remodeling Positive Feedback Network Directs Src−Driven Invasion,” Oncogene 33(21):2801−2806 (2014)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。ソラフェニブは一貫してdRetM955T発現翅細胞のEMT及び遊走の両方を抑制し(図53C)、これにより複数の態様の形質転換を低減するソラフェニブの能力が実証された。
実施例77 − ソラフェログは顕著な構造活性相関を示す
ソラフェニブはRET、BRAF、及びKDR/VEGFRを含む複数のキナーゼに結合する(Wilhelm et al., “BAY 43−9006 Exhibits Broad Spectrum Oral Antitumor Activity and Targets the RAF/MEK/ERK Pathway and Receptor Tyrosine Kinases Involved in Tumor Progression and Angiogenesis,” Cancer Res. 64:7099−7109 (2004)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。これらのキナーゼ及び他のキナーゼに結合したソラフェニブの結晶構造によって、類似の結合ポーズが明らかになった(図54A、左側の図)。構造解析に基づいて、ソラフェニブを4種類のサブユニット、すなわち、(i)標的キナーゼのATP結合部位を占めるヒンジバインダー(本発明者らの研究においては一定に保持される)、(ii)スペーサー、(iii)リンカー、及び(iv)キャップに概念的に分解した。キャップは、キナーゼ間で組成及び大きさが異なる、キナーゼドメイン内の構成要素である疎水性のDFGポケットまで延在する(図54A;(Ung et al., “DFGmodel: Predicting Protein Kinase Structures in Inactive States for Structure−Based Discovery of Type−II Inhibitors,” ACS Chem. Biol. 10:269−278 (2015)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される))。
化学的修飾剤アプローチの一部として、ptc>dRetM955TモデルにおけるSAR解析に用いるために、ソラフェニブ類縁体(「ソラフェログ」)を開発した(図54B)。ソラフェログシリーズには、様々なリンカー(L1〜L6)、スペーサー(S1〜S4)、または4種類の異なるキャップ(C1〜C4、図54C)の状況における組み合わせを有する分子が含まれていた。初期のシリーズに関しては、約100種類のソラフェログを合成し、これらの化合物の活性をptc>dRetM955Tハエのレスキューに基づいて評価した(図54D及び58A)。この解析からいくつかの概括的な特徴が明らかになった。例えば、キャップ試験群(C1〜C4)の状況においては、リンカーL4、L5、及びL6、ならびにスペーサーS4は効果がなく(レスキュー率0%、図54Cにおいて灰色)、アミド(L2)リンカー及びスルホンアミド(L3)リンカーが弱い活性を示した。総じて、キャップ位置の変化を伴う尿素(L1)が最も有効であることが明らかになった(図54D)。
初期のシリーズから、L1/S1/C4:jのリンカー−スペーサー−キャップ構造を有する化合物であるソラフェログ LS1−15が、ptc>dRetM955Tハエの致死性をレスキューするのに最も有効であると特定した(図54C及び54D)。LS1−15はソラフェニブ(L1/S1/C3:a)よりも有意に有効であった。更に、ソラフェニブ及びLS1−15の両方が、それぞれ、スペーサーS2を有するそれらの対照化合物であるレゴラフェニブ(L1/S2/C3:b)及びAPS−3−69−1(L1/S2/C4:n)よりも有効であった。総じて、スペーサーS2を含有するソラフェログは、スペーサーS1を有する類縁化合物と比較して毒性の増加を示した(図63)。
ソラフェニブと同様に、LS1−15及びAPS3−69−1もまたptc>dRetM955T媒介EMT及び浸潤を強力に抑制した(図63)。対照的に、LS1−37(L2/S1/C3)は細胞遊走を悪化させ、このことはLS1−37がdRetM955T形質転換ネットワークを活性化したことを示している。更に、LS1−37は、対照である非形質転換ハエに給餌した場合でも毒性があることが明らかになり、全身毒性を示した(図63)。まとめると、これらの研究により、Ret媒介形質転換を抑制するための最も有用なスペーサー−リンカー−キャップ構造を明確にすることが可能になった。
実施例78 − 有望な化合物構造のコンピューター誘導決定
上記ソラフェログは、上記ハエにおける動物全身の治療指数に関する定量的SARデータを提供した。特に、ソラフェログのキャップ基の微妙な構造上の変化によって、Ret駆動の致死性からのレスキューに著しい違いが生じたことが特記された。観測されたSARをよりよく理解するために、インシリコでこれらのキャップ構造の物理的特徴を調査し、構造と動物全身の機能との間の相関関係を探索した。部分電荷分布、pKa、及び分子双極子を含むいくつかのキャップの特性は、有効性と有意に相関しなかった。更に、主要なプロターゲットに対する化合物のドッキングのモデルにおける自由エネルギーの計算も、ソラフェログの有効性と強い相関はなかった。
有効性とN−置換リンカー(尿素)−キャップのねじれ角との間には有意な相関関係が認められた(図64)。(i)上記キャップの4位の塩素原子(ソラフェニブ)を(ii)該キャップの2位のフッ素原子(LS1−15)に交換することによって、ソラフェニブと比較して、非結合状態におけるLS1−15の好ましい立体配座が有意に変化した。注目すべきことに、この好ましいLS1−15の立体配座は、キナーゼ共結晶構造について報告されたソラフェニブの結合状態での立体配座と厳密に一致した(図54A及び64)。LS1−15の好ましい立体配座は、恐らくは、(i)上記キャップ中の2位のフッ素と尿素酸素との間の反発的相互作用、及び(ii)2位のフッ素と尿素水素との間の有利な多極相互作用に起因していた。これらの相互作用はソラフェニブ及びレゴラフェニブの両方には存在しない。すなわち、LS1−15の非結合状態での立体配座をその最適なキナーゼ結合立体配座に「予め一致する」ように拘束することは、動物全身の有効性が強力に向上したことと相互に関連があった。
しかしながら、リード化合物を更に改善するための指針を提供するにあたって、立体配座動態及び物理的特徴のみが限定されていた。例えば、APS4−54及びAPS4−35−1は、同様に拘束されたねじれ角動態であるにもかかわらず、LS1−15と比較して動物全身において低い活性を示した(図58A)。最適な治療標的のfull palateをよりよく理解することが、ソラフェニブ及びLS1−15に対して更に改良を加えるのに役立つことが想定された。
実施例79 − LS1−15及びソラフェニブに対するプロターゲット及びアンチターゲットの特定
上記リード分子の有効性を増加させるために、遺伝学的アプローチを用いて、ハエの発生の全体を通じて減少させた場合にLS1−15またはソラフェニブのptc>dRetM955Tの致死性を抑制する能力が変化するキナーゼを特定した。GAL4ドライバの活性を制御するために温度を用いて、LS1−15の存在下で約50%までのptc>dRetM955Tハエの生存率のキャリブレーションを行った。この増感アッセイを用いて、主要な「プロ(プロスペクティブ)ターゲット」遺伝子及び「アンチターゲット」遺伝子、すなわち、ヘテロ接合の場合に薬効をそれぞれ増加させるまたは減少させる遺伝子をスクリーニングした(図54B、55A、及び62B〜H)。プロターゲットはソラフェニブの有効性の正の変更因子としての役割を果たした。アンチターゲットは、腫瘍ネットワーク内における負の変更因子であって、これらの因子が阻害された場合に薬物の有効性を低下させることまたは薬物の全身毒性を促進することができる、上記変更因子としての役割を果たした。
例えば、LS1−15はptc>dRetM955Tを50%の生存率までレスキューしたが、Lk6の1つの活性な対立遺伝子を除去すると(ptc>dRetM955T,Lk6−/+)、ハエの成中になるまでの生存率は0%となった(図55B)。このことから、Lk6はLS1−15のアンチターゲットであることが明らかになった。Lk6は、新たに見出されたがん標的である哺乳動物のMKNK1(例えば、Joshi et al., “Mnk Kinase Pathway: Cellular Functions and Biological Outcomes,” World J. Biol. Chem. 5:321−333 (2014);Teo et al., “An Integrated Approach for Discovery of Highly Potent and Selective Mnk Inhibitors: Screening, Synthesis and SAR Analysis,” Eur. J. Med. Chem. 103:539−550 (2015);Basnet et al., “Identification of a Highly Conserved Allosteric Binding Site on Mnk1 and Mnk2,” Mol. Pharmacol. 88:935−948 (2015)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)のハエオルソログであり、本願は、少なくとも一部の状況において、MKNK1があまり有効ではない治療標的であることが明らかになる可能性があることを示唆している。対照的に、遺伝子型に関してptc>dRetM955T,phl−/+であるハエをLS1−15で処理すると生存率が96%となった。phlはRafのショウジョウバエオルソログであり、RafがLS1−15のプロターゲットであることが明らかになった(図55C、60、及び65A)。
LS1−15の存在下で206種類の遺伝子を試験したが、これは予測されたショウジョウバエキノームの80%を超える範囲に及ぶ。LS1−15に対する22種類の強力なプロターゲット遺伝子が特定され、これらの遺伝子において、ヘテロ接合性によって生存率の有意な向上(>91%)が促進された(図55B、55C、59、及び65A)。LS1−15が作用するネットワークがソラフェニブとどのように異なっているかを理解するために、ソラフェニブに対して類似のキノームスクリーニングを実施した。注目すべきことに、17種類のLS1−15特異的プロターゲットが、ソラフェニブとは同様の機能的相互作用を示さず(図65A〜C)、このことは、LS1−15とソラフェニブとが有意に異なる細胞活性を有することを示している。無細胞キナーゼ阻害アッセイにおいて、LS1−15は少なくとも2種類のプロターゲット、EPH及びFRKを阻害することが判っているが(図61)、それにもかかわらず、この遺伝的変更因子のデータは、LS1−15は、EPHまたはFRKの阻害が更に増加すれば、更に効果が高くなるであろうことを示している。Lk6を含む、LS1−15に対する8種類の強力なアンチターゲット及びソラフェニブに対する6種類の強力なアンチターゲットも特定された(図55C及び65A)。このことは、Lk6/MKNK1に対する活性を低下させることが、ソラフェログの有効性の向上に繋がるはずであることを示している。興味深いことに、ショウジョウバエのmTORオルソログTorはアンチターゲットとして特定されなかった。Torは既報(Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)においてAD57に対するアンチターゲットとして特定されており、このことは、ソラフェログはAD57と重複してはいるが異なるネットワーク上で作用することを示している。
実施例80 − Rafはプロターゲット及びアンチターゲットの両方である
これらの研究の過程で、ソラフェニブ及びLS1−15の状況において、ショウジョウバエ Rafに関する二重の要件、すなわち、raf−/+が高い薬物用量ではプロターゲットとして作用したが、低用量ではアンチターゲットとして作用したことを観察したのは驚くべきことであった。最近の研究では、第一世代のBRAF阻害物質が「阻害物質誘導トランス活性化」により低用量でBRAFを活性化できること、すなわち、薬物が結合したRAFプロトマーが薬物を含まないRAFプロトマーのキナーゼ活性を刺激し、下流のMAPKを活性化することができるが実証されている(Poulikakos et al., “RAF Inhibitors Transactivate RAF Dimers and ERK Signalling in Cells with Wild−Type BRAF,” Nature 464:427−430 (2010);Weeraratna, “RAF Around the Edges−The Paradox of BRAF Inhibitors,” N. Engl. J. Med. 366:271−273 (2012)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。薬物を含まないRAFプロトマーの数、延いてはBRAF/MAPK活性を低下させるためには、より高い薬物用量が必要であった。
ソラフェニブは、元来比較的中程度の結合活性のRAF阻害物質として開発され(Lyons et al., “Discovery of a Novel Raf kinase Inhibitor,” Endocr. Relat. Cancer 8:219−225 (2001)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)、このことによって、ソラフェニブ及びソラフェログが、本発明者らのショウジョウバエプラットフォームにおいて同様の低用量での活性化/高用量での阻害へと導く可能性が高くなる。成虫のハエにおける翅脈形成を用いて、動物全身の状況における、MAPKシグナル伝達活性に対するソラフェログの用量効果を調べた。以前の研究により、Ras/MAPK経路の活性を高めることによって、発生に際して異所性翅脈形成が促進されることが実証されており(Karim et al., “Ectopic Expression of Activated Ras1 Induces Hyperplastic Growth and Increased cell Death in Drosophila Imaginal Tissues,” Development 125:1−9 (1998)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)、このことは、dRetM955Tが翅原基特異的ドライバ765−gal4によって駆動されるdRetM955Tハエにおいて観察されたものであった(図56A)。
対照幼虫に低用量(10μM)のソラフェニブまたはLS1−15を給餌することにより、有意に過剰な翅脈物質が刺激された(図56A及び56B)。これらの結果は、ソラフェニブまたはLS1−15の低用量での処理によって、Ras/MAPKが有意に活性化されることを示した。この所見と一致して、低用量LS1−15を、RAKの下流で作用する強力なRas経路阻害物質であるMEK阻害物質トラメチニブ(Slack et al., “The Ras−Erk−ETS−Signaling Pathway Is a Drug Target for Longevity,” Cell 162:72−83 (2015)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)と共に給餌すると、異所性翅脈形成が強力に抑制された(図56A及び56B)。対照的に、ptc>dRetM955Tの生存率を高成績でレスキューしたより高濃度のソラフェニブまたはLS1−15は、異所性翅脈形成を促進しなかった(図56A及び図56B)。
総じて、ソラフェニブ及びLS1−15を用いた結果は阻害物質誘導トランス活性化モデルと一致した。すなわち、ソラフェニブまたはLS1−15は、ptc>dRetM955Tの成虫がレスキューされなかった中程度の用量では、対照動物における翅脈形成を増加させた一方、ptc>dRetM955Tの成虫がレスキューされたより高い用量では、異所性翅脈形成を生じなかったという、釣り鐘状の用量曲線であることが特定された(図56B)。これらの結果はまた、RAFキナーゼが標的として除去された場合、上記ソラフェログがより広い治療域を有することになるという興味深い可能性も示唆した。すなわち、そのRAFはアンチターゲットとしてのみならず、プロターゲットとしても作用する可能性があり、これは試験済みの可能性である。
実施例81 − 新規阻害物質APS5−16−2及びAPS6−45の開発
インビトロ結合アッセイにより、ヒトBRAFに対するソラフェニブ及びLS1−15の有意な結合が明らかになった(図56C)。翅脈形成の結果に基づいて、Rafキナーゼに対するソラフェログの活性を、該ソラフェログのキャップの大きさに注目することによって低下させることに研究の焦点を絞った。
DFG−out立体配座における重要な標的RETの相同性モデルによって、それが約163ÅのアロステリックDFG−ポケットを含むキナーゼクレフトを有することが明らかになった。対照的に、実験的に決定されたBRAFの構造及びBRAFの相同性モデルの解析によって、そのアロステリックDFGポケットは136Åと推定され、有意に小さいことが明らかになった(図56D)。したがって、Rafキナーゼに対する活性はキャップ基に対する修飾に対して非常に敏感であろうと推論した。
次いで、研究を上記キャップ中の5位の−CFに集中させた。これは、ソラフェログのSAR内に見られた重要な傾向によって裏付けられたアプローチである。LS1−15の−CFから単一のフッ素原子(APS4−54:i)または全てのフッ素原子(APS4−35−1)を除去したところ、ptc>dRetM955Tの生存率のレスキューが低下した(図54D及び58A)。LS1−15の2−フルオロ基の除去も生存率を低下させた(LS1−11−2:e、図54D及び58A)。すなわち、−CF基を減少させるとソラフェログの有効性が低下し、これにより、上記のように−CFを保持してキャップ基全体の回転を拘束することが重要であることが強く示された(図64)。次いで、この基を大きくした場合の効果を試験した。
LS1−15の−CFキャップ基を−Cまたは−イソ−Cで置換することによって拡張することにより、化合物APS5−16−2及びAPS6−45が生成した。計算において、キャップの5位におけるこれらの置換により、RAFのDFGポケットとの立体的衝突が生じるであろうことが予測された(図56B及び56D)。事実、無細胞インビトロ試験において、APS5−16−2及びAPS6−45は両方共、ソラフェニブ及びLS1−15と比較して、RET阻害を保持しつつ有意にBRAF結合の低下を示すことが明らかになった(図56C)。インビボでは、APS5−16−2及びAPS6−45は両方共、765>dRetM955Tハエにおいて異所性翅脈形成を促進しなかった(図56B)。このデータは、試験したいずれの用量でも、APS5−16−2及びAPS6−45が共にRas経路を活性化しなかったことを示しており、これはおそらく、APS5−16−2及びAPS6−45がRafに結合してそれを活性化することができないことを反映していると考えられる。
最も重要なことは、APS5−16−2及び特にAPS6−45の経口投与によって、最適用量におけるLS1−15を超えてptc>dRetM955Tの全生存率が大幅に増加したことである(図54D及び58A)。APS6−45によってptc>dRetM955Tハエは驚くべき84%の全生存率までレスキューされた(図54D及び58A)。このレスキューのレベルは、既報の最適化された化合物AD80を含む、過去に試験された全ての化合物よりも高く、AD80自体並外れた多重薬理学的特性を示していた(Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。更に、APS6−45の最適用量範囲は、ソラフェニブまたはLS1−15と比較してより低い用量に移動した(図54D及び58B)。興味深いことに、APS6−45はインビトロで、ソラフェニブもしくは本明細書に記載のソラフェログ(図56C)と比較して、野生型または発がん性のRETに対してより低い活性を示し、細胞ネットワークに対するその全体的な活性が重要であることが強く示された。
実施例82 − APS6−45は複数の手段によりRas経路活性を阻害する
発生中の眼球上皮へのdRasG12VまたはdRetM955Tのいずれかの発現を標的化することによるRas−MAPKシグナル伝達の活性化によって、複数の態様の形質転換が生じ、ラフアイ表現型が発生する(Huang et al., “A Misexpression Screen Identifies Genes that can Modulate RAS1 Pathway Signaling in Drosophila Melanogaster,” Genetics 156:1219−1230 (2000);Read et al., “A Drosophila Model of Multiple Endocrine Neoplasia type 2,” Genetics 171:1057−1081 (2005)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。切開した瀕死の(ビヒクル処理した)ptc>dRetM955T蛹を解剖することによって、最前眼部領域においてラフアイ表現型が観測され(図57D)、これは前眼部領域内のptcの発現と整合した(Shyamala et al., “A Positive Role for Patched−Smoothened Signaling in Promoting Cell Proliferation During Normal Head Development in Drosophila,” Development 129:1839−1847 (2002)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。APS6−45は、蛹においても及びレスキューされた成虫においてもこの前眼部のラフアイ表現型を強力に抑制したのに対して、他のソラフェログのみならずAD80でも抑制は起こらなかった(図57D)。更にこれらの結果は、APS6−45が特に高レベルで、動物全身に対する毒性が最小限でありながら、Rasシグナル伝達を阻害することを示している。
最後に、APS5−16−2及びAPS6−45の有効性の向上は、おそらく他のプロターゲット及びアンチターゲットの変化も反映しているものと考えられる。例えば、MKNK1オルソログLk6は、ソラフェニブ及びLS1−15の両方の特に強力なアンチターゲットであることが明らかになった(図55B及び55C)。以前の研究により、Lk6がRas経路活性の抑制と結び付けられた(Huang et al., “A Misexpression Screen Identifies Genes that can Modulate RAS1 Pathway Signaling in Drosophila Melanogaster,” Genetics 156:1219−1230 (2000)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)。この所見と一致して、765>dRetM955T,Lk6−/+ハエは、765>dRetM955Tの翅と比較して、翅脈形成が増強され且つ翅構造が不十分となり、これらの翅の欠陥は、Ras経路阻害物質トラメチニブによって抑制された(図57A及び57B)。
実験的に決定されたMKNK1の構造及びMKNK1の相同性モデルの解析によって、そのアロステリックDFGポケットも、150Åと推定され、RETよりも小さいことが明らかになった(図56D)。事実、APS6−45ではソラフェニブと比較してインビトロMKNK1結合がごく僅かに減少した一方、APS5−16−2では有意にMKNK1結合が減少した(図56C)。インビボデータはこれらの計算した活性と一致した。Lk6を低減すると(765>dRetM955T,Lk6−/+)、ソラフェニブまたはLS1−15による765>dRetM955Tの細胞遊走の抑制が逆転し(図57C)、これはLk6が両化合物に対してアンチターゲットとして作用することと整合する。対照的に、APS5−16−2及びAPS6−45の有効性はLk6の低下による影響を受けず(図57C)、これはMKNK1に対するAPS5−16−2及びAPS6−45の結合がより低いことと整合する。
まとめると、これらの結果は、MKNK1に対する化合物の活性を低下させると、Raf−MAPKシグナル伝達の阻害が増強される場合があることを示唆している。総じて、ソラフェニブ及びLS1−15などのソラフェログは、(i)キャップ基の回転を拘束すること、ならびに(ii)−CF基を拡張して、RAF、及び潜在的にはMKNK1などの他のアンチターゲットに対する結合を低下させることによって改良することができることが結論付けられた。
実施例83 − 新規TCI APS6−45のインビボ有効性
ハエのラフアイ表現型に対する化合物の効果を評価した。ptc>dRetM955Tは、成虫の前眼部に個眼領域の乱れを含む形質転換様表現型を示した。APS6−45は、ラフアイ表現型を強力にレスキューし、ptc−gal4対照と同様の滑らかに配列された個眼が生じた。ビヒクル処理した対照ハエは、成虫期まで生存しなかったことから、蛹の状態で解剖した。薬物濃度は、ソラフェニブ(400μM)、LS1−15(200μM)、APS5−16−2(100μM)、APS6−45(100μM)、及びAD80(100μM)であった(図66A)。APS5−16−2及びAPS6−45によるMTCコロニー形成の抑制を図66Bに示す。TTヒトMTC細胞を、TCIの存在下で軟寒天アッセイにおいてコロニー形成活性についてアッセイした。3週目におけるコロニーの代表的な形態を図66B(上段の写真)に示す。矢印(図66B)は増殖中のコロニーの例である。40倍で撮影した。コロニー形成効率に対するTCIの効果を図66B(下段)に示す。3週目におけるコロニー数を播種細胞数で除してコロニー形成効率を判定した。各実験において150〜200個の細胞を採点した。エラーバーは3回繰り返しの実験における標準誤差を表す。アスタリスクは、スチューデントのt検定において、ソラフェニブ(soraf)と比較してp<0.05であることを表す。#は、スチューデントのt検定において、APS5−16−2と比較してp<0.05であることを表す。
図66C〜Eは、異種移植片を有するマウスに対するAPS6−45の経口投与の有効性を示す。APS6−45によるインビボTT細胞増殖の抑制である。ヌードマウスの皮下にTT細胞腫瘍(約120mm)を定着させた後、0日目に投与(各10mg/kg/日)を開始した。エラーバーは標準誤差(n=10)を表す。Caboはカボザンチニブ、sorafはソラフェニブを表す。アスタリスクは、スチューデントのt検定において、ビヒクル対照と比較してp<0.05であることを示し、#記号は、スチューデントのt検定において、ソラフェニブ及びカボザンチニブと比較してp<0.05であることを示す(図66C)。図66D及び図67は、処理前のベースラインに対する30日目の腫瘍量の変化率を示すウォーターフォールプロットを示す。各バーは1匹の動物を表す。線はベースラインからの30%の腫瘍の大きさの低下、すなわち、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST) (Eisenhauer et al., “New Response Evaluation Criteria in Solid Tumours: Revised RECIST Guideline,” Eur. J. Cancer. 45:228−247 (2009)、該文献は本記載をもってその全体が参照により援用される)によって定義される部分奏効を示す最小の減少率を示す。アスタリスクは完全奏効を表す。実験の過程で2匹のマウスが原因不明により死亡した。図66E(図66Cと同一の凡例)に示すように、APS6−45の投与によるマウスの体重への影響は見られなかった。
実施例84 − マウスにおける投与実験
全てのマウス実験は、American Association for Accreditation of Laboratory Animal Science (AAALAC)または国立衛生研究所(NIH)の実験動物福祉局(OLAW)によって示された指針に従って実施した。
APS6−45の忍容性アッセイはWashington Biotechnology(Baltimore, MD)によって実施された。簡単に説明すると、5匹のメスの無胸腺ヌードマウス(5〜6週齢)に、APS6−45を、0.1mg/kg/日で開始し用量を増加させて経口投与し、体重減少、嘔吐、及び病的状態などの臨床的苦痛の徴候について2日間観察した。用量を最大160mg/kg/日まで徐々に増加させたが、かかる徴候は観察されなかった。
APS6−45の薬物動態学的アッセイは、Medicilon Preclinical Research(Shanghai, China)によって実施された。20mg/kgのAPS6−45をオスのICRマウス(5〜6週齢)に経口投与し、その血漿濃度を投与の0.25、0.5、1、2、4、8、10、及び24時間後に測定した。投与後に処理に関連する臨床徴候は観察されなかった。
異種移植アッセイもWashington Biotechnologyによって実施された。40匹のメスのヌードマウス(5〜6週齢)にTT細胞を皮下移植した。腫瘍量が約120mmに達した時点でマウスを無作為に4群に分け、それぞれの群に、週当たり5日、ビヒクル(水で4倍希釈したクレモファーEL/エタノール(1:1))、または10mg/kg/日のカボザンチニブ(LC Laboratories)、ソラフェニブ(LC Laboratories)、もしくはAPS6−45を経口投与した。これらの投与によって、各薬物の臨床上意義のあるAUC及び最大血漿濃度が得られることが予想された(Bentzien et al., “In Vitro and In Vivo Activity of Cabozantinib (XL184), an Inhibitor of RET, MET, and VEGFR2, in a Model of Medullary Thyroid Cancer,” Thyroid. 23:1569−1577 (2013);Clark et al., “Safety and Pharmacokinetics of the Dual Action Raf Kinase and Vascular Endothelial Growth Factor Receptor Inhibitor, BAY 43−9006, In patients with Advanced, Refractory solid Tumors,” Clin Cancer Res.11:5472−5480 (2005);Kurzrock et al., “Activity of XL184 (Cabozantinib), an Oral Tyrosine Kinase Inhibitor, in Patients With Medullary Thyroid Cancer,” J. Clin. Oncol. 29:2660−2666 (2011);Lacy et al., “Clinical Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Cabozantinib,” Clin. Pharmacokinet. 56:477−491 (2017);Minami et al., “Phase I and Pharmacokinetic Study of Sorafenib, an Oral Multikinase Inhibitor, in Japanese Patients with Advanced Refractory Solid Tumors.,” Cancer Sci. 99:1492−1498 (2008);Strumberg et al., “A Clinical Phase II Study with Sorafenib in Patients with Progressive Hormone−Refractory Prostate Cancer: A Study of the CESAR Central European Society for Anticancer Drug Research−EWIV,” Br. J. Cancer 97:1480−1485 (2007);Zarrinkar et al., “A Quantitative Analysis of Kinase Inhibitor Selectivity,” Nature Biotechnol. 26:127−132 (2009)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。統計的解析はPRISM (GraphPad Software, Inc.;La Jolla, CA)を用いて実施した。
実施例85 − ptc>dRetM955Tハエにおける類縁体の試験
2種類の臨床上認可されたキナーゼ阻害物質ソラフェニブ及びレゴラフェニブ(1−31−1とも表示される)が最適用量で増進したレスキュー率は5%未満であった。化合物名と濃度(単位はμM)をx軸に表示する。ptc>dRetM955Tハエを用いたこのアッセイにおいて、patched(ptc)プロモーターはいくつかの組織においてショウジョウバエ Ret(dRetM955T)の発がん性変異体アイソフォームを駆動し、これによって成虫として羽化する前に致死に導かれる。幼虫は候補薬物を食べ尽くす。薬効(Y軸)は、レスキューされた成虫の数(A)を蛹の総数(P)で除することによって定量化される(図68)。
実施例86 − 考察
本明細書に記載の研究は、ショウジョウバエ遺伝学を薬化学及び計算化学と組み合わせて、合理的、段階的な方法で多重薬理学的薬物を開発するプラットフォームを明示している。研究は、臨床上重要であるにもかかわらず、臨床において著しい禁忌を示しているがん治療薬としてのFDA認可キナーゼ阻害物質ソラフェニブ(Hescot et al., “Pancreatic Atrophy−A New Late Toxic Effect of Sorafenib,” N. Engl. J. Med. 369:1475−1476 (2013);Hesselink et al., “Therapy of Endocrine Disease: Response and Toxicity of Small−Molecule Tyrosine Kinase Inhibitors in Patients with Thyroid Carcinoma: A Systematic Review and Meta−Analysis,” Eur. J. Endocrinol. 172:R215−25 (2015);Zhang et al., “Meta−Analysis of Dermatological Toxicities Associated with Sorafenib,” Clin. Exp. Dermatol. 36:344−350 (2011)を参照されたく、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)に焦点を当てた。
本願は、ソラフェニブを改善した2つのステップを示している。第1のステップでは、動物全身の構造/活性関係研究により、分子内回転を拘束し、動物においてより最適な立体配座に固定されたソラフェログを得ることの重要性が確認された。第2のステップでは、動物全身の状況においてソラフェログに対する重要なプロターゲット及び特にアンチターゲットを特定した。例えば、RAFキナーゼに対する活性によって、ソラフェログを改善することができるレベルが制限されるという証拠が見出された。DFG−out立体配座におけるアロステリックポケットの相同性モデル化(図56D)に基づいて、キャップ構造の修飾を拡大し、その結果、RAFキナーゼに対する活性の低下、ならびにMTCに対して現在認可されている薬物であるカボザンチニブ及びバンデタニブよりも有効性の高い化合物が得られた。
重要なことに、ソラフェログの有効性は単にRETに対する活性に追従するものではなかった。例えば、APS6−45は最も強力な有効性を示したが、最も弱いRET結合を示した(図56C)。インビボ遺伝学的スクリーニングによって、他のプロターゲット及びアンチターゲットもまたソラフェログによる全体的なネットワーク効果に寄与していることが明らかになった。インビトロアッセイによって、明確なレスキュー効果を有するソラフェログによるプロターゲットDDR2、ABL2、LCK、LRRK1、及びHCKの漸進的な阻害が明らかになった(図65C)。これらの結果は、これらのプロターゲットががん細胞の増殖及び浸潤を制御するという既報(Montero et al., “Inhibition of SRC Family Kinases and Receptor Tyrosine Kinases by Dasatinib: Possible Combinations in Solid Tumors,” Clin. Cancer Res. 17:5546−5552 (2011);Greuber et al., “Role of ABL Family Kinases in Cancer: from Leukaemia to Solid Tumours,” Nat. Rev. Cancer 13:559−571 (2013);Rammal et al., “Discoidin Domain Receptors: Potential Actors and Targets in Cancer,” Front. Pharmacol. 7:55 (2016)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)と一致する。また注目すべきことに、アンチターゲットMKNK1を減少させることによってRas経路活性が増加した。MKNK1はハエ及び哺乳動物の両方においてeIF−4Eをリン酸化する(Joshi et al., “Mnk Kinase Pathway: Cellular Functions and Biological Outcomes,” World J. Biol. Chem. 5:321−333 (2014);Arquier et al., “Drosophila Lk6 Kinase Controls Phosphorylation of Eukaryotic Translation Initiation Factor 4E and Promotes Normal Growth and Development,” Curr. Biol. 15:19−23 (2005)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される)。既報において、eIF−4E活性化因子mTORがRas経路の活性化を介してアンチターゲットとしても作用する場合があることが明らかになった(Dar et al., “Chemical Genetic Discovery of Targets and Anti−Targets for Cancer Polypharmacology,” Nature 486:80−84 (2012);Dibble et al., “Regulation of mTORC1 by PI3K Signaling,” Trends Cell Biol. 25:545−555 (2015)、該文献は本記載をもってそれらの全体が参照により援用される。まとめると、このデータは、MKNK1、mTOR、eIF−4E、及びその翻訳標的が、RET依存性がんにおける「アンチターゲット経路」を構成することを示唆している。
近年、がん治療薬における重要な発展は、焦点が単一の標的である精密治療薬に向かっての動きである。本願は、腫瘍内及び全身の状況の両方における細胞ネットワークに最適化された多重薬理学的薬物を生み出すための、代替的で補完的なアプローチ、効率的で安価なプラットフォームを提供する。このアプローチは、全身的または長期にわたる治療を行うことによって全身ネットワークに対する考慮が必要となる、及び創薬が困難であり且つ多額の費用を要することを明らかにすることができる、神経疾患ならびに心血管疾患などの他の疾患向けの創薬計画において有用であることが明らかな場合がある。
本明細書において、好ましい実施形態を詳細に図示及び説明してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、追加、置換などを行うことができること、及び、それ故に、これらの修正、追加、置換などは添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内であるものと見なされることは当業者には明らかであろう。

Claims (17)

  1. 以下の構造を有する式(I)
    Figure 2019528279
    の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物:
    式中、
    Rは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−N(C1〜6アルキル)、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは任意で、R13でn回置換されていてもよく、
    はHであり、
    はHであるか、
    または、R及びRが、R及びRが結合しているフェニル環と結合して、
    Figure 2019528279
    を形成し、
    はHもしくはハロゲンであり、
    はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
    はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
    はC〜Cアルキルであり、
    Xは、任意であり、且つ、存在する場合にはNHであり、
    Yは
    Figure 2019528279
    であり、
    ZはC(R12)もしくはNであり、
    はHもしくはMeであり、
    はHもしくはMeであるか、
    または、R及びRが、R及びRが結合している炭素原子と一緒になって、
    Figure 2019528279
    を形成し、
    はH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリル、−CN、もしくは
    Figure 2019528279
    であり、
    10はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
    11はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
    12はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
    13は、R13のそれぞれの場合において、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、C、OCF、及びヘテロシクリルからなる群より独立に選択され、且つ
    nは1〜5であり、
    但し、
    i)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    ii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    iii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Yが
    Figure 2019528279
    であり、且つnが2である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    iv)RがHであり、RがHであり、RがFであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、Yが
    Figure 2019528279
    であり、且つnが2である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    v)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、且つ
    vi)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができない。
  2. Rが
    Figure 2019528279
    であり、
    ここで、
    がC(R14)またはNであり、
    がCHまたはNであり、
    がC(R15)またはNであり、
    がC(R16)またはNであり、
    がCHまたはNであり、
    14がHまたはハロゲンであり、
    15がHまたはハロゲンであり、
    16が、ハロゲンで2〜13回置換されたC〜Cアルキルであり、且つ
    ここで、V〜Vの1つのみがNである、
    請求項1に記載の化合物。
  3. 16が、フッ素で2〜13回置換されたC〜Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
  4. 16が、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、及びCからなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
  5. 14がFである、請求項2に記載の化合物。
  6. がFである、請求項1に記載の化合物。
  7. XがNHであり、且つ
    Yが
    Figure 2019528279
    である、
    請求項1に記載の化合物。
  8. Figure 2019528279
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  9. Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  10. 請求項1に記載の化合物及び担体を含む、組成物。
  11. 前記担体が薬学的に許容される担体である、請求項10に記載の組成物。
  12. 以下の構造を有する式(I)
    Figure 2019528279
    の化合物、またはその立体異性体、薬学的に許容される塩、酸化物、もしくは溶媒和物を対象に投与するステップであって、
    式中、
    Rは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、−N(C1〜6アルキル)、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは任意で、R13でn回置換されていてもよく、
    はHであり、
    はHであるか、
    または、R及びRが、R及びRが結合しているフェニル環と結合して、
    Figure 2019528279
    を形成し、
    はHもしくはハロゲンであり、
    はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
    はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
    はC〜Cアルキルであり、
    Xは、任意であり、且つ、存在する場合にはNHであり、
    Yは
    Figure 2019528279
    であり、
    ZはC(R12)もしくはNであり、
    はHもしくはMeであり、
    はHもしくはMeであるか、
    または、R及びRが、R及びRが結合している炭素原子と一緒になって、
    Figure 2019528279
    を形成し、
    はH、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリル、−CN、もしくは
    Figure 2019528279
    であり、
    10はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
    11はH、C1〜6アルキル、もしくはC3〜6シクロアルキルであり、
    12はH、ハロゲン、もしくはC〜Cアルキルであり、
    13は、R13のそれぞれの場合において、H、ハロゲン、C〜Cアルキル、CHF、CHF、CClF、CBrF、CIF、CF、C、C、C、OCF、及びヘテロシクリルからなる群より独立に選択され、且つ
    nは1〜5であり、
    但し、
    i)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    ii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    iii)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Yが
    Figure 2019528279
    であり、且つnが2である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    iv)RがHであり、RがHであり、RがFであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、Yが
    Figure 2019528279
    であり、且つnが2である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、
    v)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、Xが存在せず、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができず、且つ
    vi)RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがHであり、RがCHであり、ZがCHであり、XがNHであり、且つYが
    Figure 2019528279
    である場合、Rは
    Figure 2019528279
    であることができない、前記ステップ
    を含む、対象におけるがんの治療方法。
  13. 前記式(I)の化合物が、
    Figure 2019528279
    からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記式(I)の化合物が、
    Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    Figure 2019528279
    からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  15. 前記投与するステップが、経口投与、局所投与、経皮投与、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、鼻腔内注入、腔内もしくは膀胱内注入、眼内投与、動脈内投与、病巣内投与、または粘膜への適用によって行われる、請求項12に記載の方法。
  16. 前記対象が哺乳動物である、請求項12に記載の方法。
  17. 前記対象がヒトである、請求項16に記載の方法。
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