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JP2019524682A - 抗うつ作用の速い発現のためのボルチオキセチン投与計画 - Google Patents

抗うつ作用の速い発現のためのボルチオキセチン投与計画 Download PDF

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Abstract

2つの医薬組成物の同時投与を含む投与計画であって、第1の医薬組成物が、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物が、前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に急速に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態血漿濃度が、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と同じである投与計画。

Description

本発明はボルチオキセチンの治療計画に関する。
化合物1−[2−(2,4−ジメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]ピペラジンは、国際公開第03/029232号パンフレットとして公開された国際特許出願に最初に開示された。後に、国際公開第2007/144005号パンフレット、国際公開第2011/023194号パンフレット、及び国際公開第2010/121621号パンフレットを含む国際特許出願は、前記化合物の結晶形、製造方法、製剤、及び特に液体製剤を開示した。世界保健機関(WHO)は、1−[2−(2,4−ジメチル−フェニルスルファニル)−フェニル]ピペラジンに対するINN名「ボルチオキセチン」を勧告した。ボルチオキセチンは、2013年9月に、大うつ病性障害の治療のために米国で最初の当局の認可を得て、それ以来世界中で類似の適応症のための認可を得た。
ボルチオキセチンは多モードの活性を有し、それは、5−HT3、5−HT7、及び5−HT1D受容体のアンタゴニスト、5−HT1A受容体でのアゴニスト、5−HT1B受容体でのパーシャルアゴニスト、並びにセロトニントランスポーター(SERT)の阻害剤であることが示されている。5−HTは5−ヒドロキシトリプタミンを略したものであり、すなわちセロトニンである。さらに、ボルチオキセチンは、脳の特定の領域で、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリン、及びヒスタミンを含む重要な神経伝達物質の濃度を増加させることが示された[J.Med.Chem,54,3206−3221,2011;Pharmacol & Therap,145,43−57,2015]。
経口セロトニン再取込み阻害剤を使用するうつ病の治療の重大な欠点は、治療の開始と作用発現との間の数週間になり得るラグタイムである。
抗うつ剤の経口投与と比較された静脈内(IV)投与のいくつかの利点が示唆されてきた。IV投与は初回通過代謝を回避し、コンプライアンスは経口投与と比べてたいした問題ではない。さらに、IV状況自体が治療成績に好都合な影響を有することが示唆されてきた。最後に、そして本文脈に特別に関連して、従来技術のいくつかの報告は、IV投与のより速い作用発現を示唆しているが、抗うつ剤の経口投与とIV投与の間の作用発現を適正に比較するのに必要な二重盲検/ダブルダミー試験設計を適用した試験はほんのわずかしかない。
Pharma−Kritik,10,41−44,1988中でHaeberli(Haberli)は、経口及びIV投与状況におけるクロミプラミン(主にセロトニン再取込み阻害活性を有する三環系抗うつ剤(TCA))とマプロチリン(主にノルアドレナリン再取込み阻害活性を有する四環系抗うつ剤)を比較する試験を総説している。結論は、抗うつ剤IV療法が、より速い作用発現の見込みを実現できなかったということである。
アミトリプチリン(セロトニンとノルアドレナリン再取込み阻害活性を有するTCA)の経口投与とIV投与が、二重盲検/ダブルダミー試験で比較された[J Clin Psychpharm 20,417−422,2000]。2種の治療の間で作用発現の差異は全く検出できなかった。
シタロプラム(選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI))の経口投与とIV投与が、いくつかの試験で比較された。Neuropsychiatrie 6,65−71,1992は、うつ状態の患者が、反復した経口(N=475)又はIVシタロプラム(N=284)を10〜14日受け取り、それに続いて4〜6週間の経口治療を受けた非盲検試験を報告している。IV治療群にはより早い作用発現が観察されたが、IV治療された患者への最初の10〜14日の間の平均投与量が経口治療された患者への投与量の2倍であったことも注目されなければならない。初期IV治療を受けた患者の研究担当医師の50%超が、より速い開始の期待が自身の患者にIV治療を投与する主な理由であったことを示した。
Cesko−Slovenska Psychiatrie,6,331−339,1993は、101名のうつ状態の患者が非盲検試験に登録され、28日経口シタロプラム又は14日IVシタロプラムとそれに続く14日経口シタロプラムのいずれかを受け取った試験を報告している。著しく速い作用発現がIV治療群に観察された。
J Affec Dis,49,203−210,1998は、シタロプラムの経口投与とIV投与を比較する二重盲検ダブルダミー試験を報告している。60名のうつ状態の患者が、反復されたシタロプラム錠剤とプラセボIVか反復されたシタロプラムIVとプラセボ錠剤のいずれかで10日間治療され、それに続いて経口シタロプラムでさらに32日間治療された。2群の間であらゆる有効性パラメーターに関して作用発現に統計的差異は全く検出できなかったが、ハミルトンうつ病尺度のスコアのベースラインと比べた50%超の低減を有する患者のパーセンテージとして測定する場合、より急速な作用発現の傾向が見られた。
J Affect Dis 58,201−209,2000は、シタロプラムの経口投与とIV投与を比較するさらなる二重盲検ダブルダミー試験を報告している。うつ状態の患者は、8日間の反復されたシタロプラム錠剤とプラセボIV(N=119)又は反復されたシタロプラムIVとプラセボ錠剤(N=135)に無作為化され、それに続いて34日の経口シタロプラム治療を受けた。8日目に、モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)に全く差異がなかったが、それは主要有効性評価項目であった。しかし、8日目の臨床全般印象尺度の改善が、経口アームよりIVアームで多くの患者に観察された。
結論として、過去のよく管理された試験は、全般に、経口投与と比べてIV経路より投与された抗うつ剤、特にセロトニン再取込み阻害作用を有する抗うつ剤のより速い作用発現を示すことができなかった。
Basic & Clin Pharmacol & Tox,111,198−205,2012は、ボルチオキセチンの臨床薬物動態を定義する一連の試験を開示している。試験の1つは、健康なボランティアが、経口及びIVボルチオキセチンを、2回の投与の間に少なくとも18日の休薬期間をおいて受け取った単回投与、非盲検、2元クロスオーバー試験であった。
本発明の目的の1つは、経口投与されるボルチオキセチンと比べて、より速い作用発現を達成するボルチオキセチンの治療計画を提供することである。
発明者らは、驚くべきことに、ボルチオキセチンが、SSRIに関して見いだされるものとは対照的に、急性投与時に、気分に関連する脳の部分にセロトニン濃度の大きな増加を起こすことを見いだした。セロトニン濃度のそのような増加は、抗うつ作用の速い又は即座の発現を示すものである。したがって、一実施形態において、本発明は、2つの医薬組成物のそれを必要とする患者への同時投与を含むうつ病の治療の方法を提供するが、第1の医薬組成物は、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物は、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態血漿濃度は、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物に関するが、前記経口医薬組成物は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物と同時にそれを必要とする患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記患者への前記経口医薬組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するためのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物に関するが、前記医薬組成物は、1日1回投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時にそれを必要とする患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記患者への前記経口医薬組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法に使用するための、それを必要とする患者に同時に投与される2つの医薬組成物に関するが、第1の医薬組成物は、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物は、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回経口投与用の第1の医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用に関するが、前記第1の医薬組成物は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む第2の医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用に関するが、前記医薬組成物は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記経口医薬組成物の前記患者のみへの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン濃度と基本的に同じである。
実施例1のPET試験に利用された試験設計。(1)[11C]AZ10419369又は[11C]MADAMの投与;(2)ボルチオキセチン0.3mg/kg IV、ボルチオキセチン1mg/kg IV、又はシタロプラム0.3mg/kg IVの投与;(3)[11C]AZ10419369又は[11C]MADAMの投与。
本発明は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩に関する。ボルチオキセチンは、市販されているか、又は例えば、国際公開第03/029232号パンフレット、国際公開第2007/144005号パンフレット、又は国際公開第2014/128207号パンフレットに開示されている通り合成できる。ボルチオキセチンの分子構造は以下に描かれる。
Figure 2019524682
本文脈では、「薬学的に許容できる塩」は、ボルチオキセチンと非毒性の酸との間の反応で形成される塩を示すものとする。そのような酸の例には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、亜硝酸、硫酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸、並びにエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸などのスルホン酸がある。HBr及びDL−乳酸塩が特に言及される。薬学的に許容できる塩を形成するための有用な酸の追加の例は、例えば、Stahl and Wermuth(Eds)“Handbook of Pharmaceutical salts.Properties,selection,and use”,Wiley−VCH,2008に見いだすことができる。
ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の量又は濃度のあらゆる表示は、他に具体的に指示されない限り、遊離塩基としてのそのような量又は濃度を示すものとする。ボルチオキセチンHBrの分子量は379.4g/molであり、ボルチオキセチンの分子量は298.5g/molである。したがって、20mgのボルチオキセチンを含むと示されるボルチオキセチンHBrを含む組成物は、実際には25.4mgのボルチオキセチンHBrを含む。
うつ病は、例えば、抑うつされた気分及び悲しみ、むなしさ、無力感、又は無価値感の感情を特徴とする精神状態である。精神症候群としては、うつ病は、例えばDSM−Vに定義されている通りうつ病性障害を含む。うつ病性障害には、重篤気分調節症、大うつ病性障害、持続性うつ病性障害、及び月経前不機嫌性障害がある。一実施形態において、「うつ病」は大うつ病性障害を示すものとする。
セロトニン再取込み阻害剤を使用するうつ病の治療は、治療開始と治療作用の発現との間の遅延を特徴とすることが多い。この遅延は、典型的には週単位で測定され、遅延は、速い治療応答を有する患者に寛解が達成される可能性が高いという事実を含むいくつかの理由で重大である。明らかに、患者は、通常、うつ病を含む疾患に関連する症状の速い消散も望むだろう。患者が、その期間に、治療効果の利益なしに、抗うつ剤治療と関連した有害事象のみを経験し得ることにも留意され得る。したがって、患者が抗うつ剤の服用をやめることがあり、その結果治療がうまくいく見込みが低下する危険性もある。さらに、治療開始と作用発現の間のラグタイムは、自殺の危険性増加と関連してきた[Eur Neuropsychoparm 13,57−66,2003]。
セロトニン再取込み阻害剤による治療を含む、抗うつ剤治療から得る臨床効果の開始の潜伏期間は、これらの薬剤の出現以来重大な制限として認識されてきた。この制限が依然として存在することは、過去10年にわたる2つの総説記事により証明される−Pharmacol & Ther,113,134−153,2007及び Eur J Pharmacol,753,32−50,2015を参照されたい。
セロトニンは、シナプス間隙を越えて神経細胞(ニューロン)の間に神経信号を送る神経伝達物質である。シナブス前(又は信号を送る)神経細胞は、前記細胞中の電気的活性に応答してセロトニンをシナプス間隙に放出する。ここで、セロトニンは、シナプス後(又は信号を受け取る)神経細胞の膜中の受容体と相互作用して、それにより、神経信号を1つの細胞から他の細胞へと送る。この機構を維持するために、セロトニンは、その後に、セロトニントランスポーターにより神経細胞に再吸収されるが、トランスポーターは、神経細胞の細胞膜中に位置するタンパク質複合体である。うつ病のモノアミン理論によると、うつ病は、脳のある部分における不十分な神経シグナル伝達と関連し、セロトニン輸送阻害剤の効果は、セロトニントランスポーター(すなわちセロトニン再取込み)を遮断し、それによりシナプス間隙中のセロトニンを増加させ、神経シグナル伝達の正常化することにより説明され得る。
作用発現の遅れは、セロトニン受容体、特にセロトニン受容体1A(5−HT1A)の活性化を含むいくつかの因子により説明されてきた。セロトニン再取込みの阻害の結果としてのシナプスのセロトニン濃度増加は、フィードバック阻害系の一部である5−HT1A受容体を刺激し、シナプス前細胞からのセロトニンのより少ない放出をもたらす。時間がたつと(数週間)、5−HT1A受容体は脱感作され、フィードバック阻害系は不活性化され、セロトニン放出は正常になり、それが、セロトニン再取込みの阻害と共に、最終的にシナプス中のセロトニンを増加させる[J Clin Psych 62(suppl 15)12−17,2001]。
診療において、抗うつ剤による治療は、うつ病の症状の首尾よい消散が達成された後、再発の危険性を最小限にするために、通常、相当な時間継続される[The Maudsley Prescribing Guidelines,9th Edition,Informa Healthcare,2008]。
ピンドロールなどの5−HT1A受容体パーシャルアゴニスト又はアンタゴニストをSSRI治療に加えれば、5−HT1A受容体の遮断又はより速い脱感作が起こり、したがって、より速い作用発現及び/又は抗うつ作用の増強が起こるだろうということが示唆された。セロトニン再取込み阻害剤と、5−HT2A及び5−HT2C受容体アンタゴニストなど種々の他のセロトニン受容体に作用する化合物との組み合わせが、より速い作用発現又は効果の増加を意味するシナプス間隙中のセロトニンのより速い増加を与えることも示唆されてきた[Biochem Pharmacol,95,81−97,2015]。しかし、抗うつ剤への付加物としてのピンドロールの臨床研究は、非盲験試験が組み合わせをしばしば確証づけると共に、これらの知見への比較対照試験からの支持がないという混合した結果をもたらした[Br J Psych 173,203−208,1998]。
より速い作用発現を見込むことができる薬理学的プロファイルを有する最近認可された抗うつ剤は、治療開始と作用発現の間のより短い期間を示すことに成功していない。ビラゾドンは、2011年にFDAによりうつ病の治療用に認可されたセロトニン再取込み阻害剤及び5−HT1A受容体パーシャルアゴニストである。より速い作用発現の初期の報告にもかかわらず、主要試験はそのような主張を支持しなかった[J Clin Psych,72,1166−1173,2011]。より最近になって、FDAは、先に議論の通り、セロトニン再取込み阻害及び5−HT1A受容体活性化作用を含む薬理学的プロファイルを有する多モード化合物であるボルチオキセチンを認可した。しかし、2014年7月のボルチオキセチンのFDAラベルによると、ボルチオキセチンの効果は、2週目から観察され、薬物の完全な抗うつ作用は4週目まで見られない。
より最近になって、増強されたSSRI治療の代替物が抗うつ作用のより速い発現を達成する方法として示唆された。Wilner et alは、Neurosci Biobehav Rev,37,2331−2371,2013において、電気インパルスを送る電極が、速い作用発現を達成する方法として脳に埋め込まれる神経外科治療である脳深部刺激法(DBS)を示唆している。同様に、電気けいれん療法(ECT)、ケタミンの静脈内投与、及びREM断眠が、速い発現抗うつ技法として示唆されている。
先に議論された通り、且つモノアミン理論によると、うつ病は、低いセロトニン作動活性により起こる障害であり、例えばセロトニン再取込み阻害剤による治療は脳内のセロトニン濃度の増加を誘導するように意図され、それは、この活性を正常化して、それにより疾患を治療する。脳の関連部分におけるより速いセロトニン濃度の増加があれば、より速い治療効果発現と関連すると期待されるだろう。
陽電子放出断層撮影(PET)は、体内に導入された放射性ヌクレオチド(PETリガンドの一部として)の濃度の測定を可能にする画像化技法である。5−HT1B受容体に特異的に結合するPETリガンド、[11C]AZ10419369の最近の出現は、PETスキャナーを使用して、気分に関連する脳の特定の部分におけるセロトニン濃度の変化を非侵襲性に測定することを可能にした[Int J Neuropsychpharm 16,1577−1586,2013]。[11C]AZ10419369の化学名は、5−メチル−8−(4−[11C]メチル−ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−4H−クロメン−2−カルボン酸(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミドである。まとめると、PETリガンドが5−HT1B受容体に特異的に結合し、セロトニンの濃度が増加する場合、内因性リガンド、セロトニンにとって代わられる。そのため、薬物投与時のPETリガンド−5−HT1B受容体特異的結合(結合能、BPNDとして測定)の減少は、脳のその特定の部分におけるセロトニン濃度の増加を示すと見なされる。逆に、BPNDの増加は、セロトニン濃度の減少を示すと見なされる。
脳内の中枢セロトニン作動系は縫線核(RN)に生じるが、それは、特に、脳の皮質野及び線条野に投射する背側縫線核(DRN)を有するいくつかのサブグループに分けられる。[11C]AZ10419369をリガンドとするPETスキャニングを利用して、SSRIエスシタロプラム(2.0mg/kg)の急性投与時のサルの脳の関連部分の変化が測定された。調査された脳内の部分には、背外側前頭前皮質(DLPFC)、後頭皮質(OC)、尾状核(CN)、被殻(Put)、視床(Thal)、淡蒼球(GP)中脳(MB)、海馬、及び小脳(CB)があった[Int J Neuropsychpharm 16,1577−1586,2013]。以下の表は、種々の脳の領域におけるBPNDの変化を示す。
Figure 2019524682
同様に、ヒト(健康なボランティア)を対象としたエスシタロプラム(20mg経口)の急性投与時のBPNDの変化を測定すると、以下の表に示される結果となった。調査された脳内の追加の投射は、前頭皮質(FC)及び側頭皮質(TC)であった。
Figure 2019524682
全体として、ヒトとサルの両方におけるBPNDの変化は、脳のほとんどの投射において比較的小さく、多くの場合有意でない。サルの試験の結果は、小さく、必ずしも有意でないBPNDの減少、すなわち、エスシタロプラム投与時のセロトニン濃度の増加を示唆しているようである。しかし、サルに投与された投与量が、治療上意義のある投与量の投与後にヒトに見られた濃度のおよそ7倍の血漿濃度を与えたことを念頭に置かなくてはならない。ヒトの試験の結果は、少ないBPNDの増加、すなわちエスシタロプラム投与時のセロトニン濃度の減少を示しているようである。エスシタロプラムは、治療上意義のある量で投薬された。セロトニン濃度の増加が示された唯一の投射はRNであり、この増加は有意に達しなかった。
類似の試験を、ヒトを対象に実施して、SSRIシタロプラムの急性投与時の脳内のセロトニン濃度に対する影響を測定した[Mol Psych 17,1254−1260,2012]。この試験は、5−HT1A受容体特異的PETリガンドである[11C]CUMIを使用した。以下に示されるBPNDの変化は、DR中のセロトニン濃度の中程度の増加並びにFC、HC、及びOC中のセロトニン濃度の中程度の減少を示し、そのうちFC中の減少のみが有意に達した。
Figure 2019524682
シタロプラム及びエスシタロプラムに関する上記で議論された実験観察所見は、これらの化合物を使用した臨床経験、すなわち、治療の開始と臨床効果の観察との間にラグタイムが通常存在することと合致している。
実施例1に報告された試験は、上記で議論されたものに類似であり、臨床的に意義のある投与量のボルチオキセチン及びシタロプラムのサルへの投与後に、脳の関連する部分におけるBPNDの変化、すなわちセロトニンの変化を比較するものである。
ボルチオキセチンは、臨床的に意義のある投与量で達したSERT占有率にわたる2つの異なる用量段階(0.3mg/kg及び1.0mg/kg)で試験された。シタロプラムは、やはり臨床的に意義のあるSERT占有率をもたらすことが示された単一の用量段階(0.3mg/kg)で試験された。両投与量でのボルチオキセチンは、シタロプラムと比べて、且つエスシタロプラム及びシタロプラムで以前に観察されたものと比べても、はるかに大きいBPNDの減少、すなわちセロトニンの増加を生み出した。実際に、1つ以外の全投射野における本試験でのシタロプラムはセロトニン濃度の減少を起こす。高投与量でのボルチオキセチンでは、セロトニンの増加は調査した全投射野で有意に達する。これは、ボルチオキセチンが、調査された他のセロトニン再取込み阻害剤とは逆に、急性IV投与時に、セロトニンの大きい(及び用量依存的)増加を起こすことを示す。
この観察結果から、臨床的に意義のある血漿濃度が速く達成され、その後に維持されることを確実にするような方法で投与されたボルチオキセチンが、速い作用発現をもたらすことが結論づけられた。
ボルチオキセチンの血漿濃度の速い増加は、IV投与、鼻腔内投与、直腸投与、頬側投与、及び舌下投与を含む、腸による吸収を回避するいくつかの方法で達成できる。特にIV投与のみでなく鼻腔内及び直腸投与も、治療上意義のあるボルチオキセチン血漿濃度を、数週間、数か月、又はさらには数年間維持することを目的とする治療である長期治療の一部として、患者には不便であり得る。したがって、これらの投与形態は、臨床的に意義のある血漿濃度が本明細書に開示される同時投与を利用して最初に速く達成され、前記血漿濃度がその後に経口投与を利用して維持される方法で、簡便には他の投与形態、例えば、経口投与と組み合わせることができる。
上記の速い発現仮説は、実施例3に報告される臨床試験で試験された。プラセボIVにより0日目に及び経口ボルチオキセチンにより0日目から14日目に治療された患者を、ボルチオキセチンIVにより0日目に及び経口ボルチオキセチン0日目から14日目に治療された患者と二重盲検/ダブルダミー試験で比較した。結果は、両治療アームに顕著な反応を示す。さらに、結果は、試験の早期に(1〜7日目)ボルチオキセチンIVアームの患者が、プラセボIVアームの患者と比べてより速く大きな応答を経験することを示す。試験の後期に、すなわち14日目に2つのアームの差はなくなる。試験の早期(0日目)のIV投与の効果が最終的には消えていくので、2つの治療アームの応答が試験の後期に収束することが期待される。この臨床試験の結果は、PETサルデータに基づいて構築された速い発現仮説、すなわち、(標準的な経口治療の)定常状態濃度へのボルチオキセチン血漿濃度の速い増加をもたらすボルチオキセチン投与計画が、抗うつ作用のより速い発現をもたらすことを確認するものである。より具体的には、実施例3の結果は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む第2の医薬組成物(例えば、単回IV投与)と同時に投与される、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の1日1回経口投与であって、その合わせた投与がボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を速く達成し、その定常状態濃度が、1日1回経口ボルチオキセチンのみの投与により達成されるボルチオキセチン血漿定常状態濃度と基本的に同じである経口投与が、抗うつ作用の速い発現をもたらすことを示す。実施例3で得られた結果は、ボルチオキセチンの単回IV投与と、それに続くボルチオキセチンの経口投与の組み合わせが、類似の状況における他の抗うつ剤、すなわちシタロプラムにより以前に経験されてきたものより速くより大きい抗うつ作用を起こすことを示す−J Affect Dis,49,203−210,1998及びJ Affect Dis,58,201−209,2000を参照されたい。
一実施形態において、本発明は、2つの医薬組成物のそれを必要とする患者への同時投与を含むうつ病の治療の方法であって、第1の医薬組成物が、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物が、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態血漿濃度が、前記第1の組成物のみの前記患者への投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである方法を提供する。一実施形態において、前記第2の組成物の投与は、1、2、又は3回など、1回など、限定された回数起こる。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物であって、前記経口医薬組成物がボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物と同時にそれを必要とする患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記経口医薬組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである経口医薬組成物に関する。一実施形態において、前記医薬組成物の投与は、1、2、又は3回など、1回など、限定された回数起こる。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するためのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、1日1回投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時にそれを必要とする患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記経口医薬組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである医薬組成物に関する。一実施形態において、前記医薬組成物の投与は、1、2、又は3回など、1回など、限定された回数起こる。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法の使用するための、それを必要とする患者に同時に投与される2つの医薬組成物であって、第1の医薬組成物が、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物が、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである医薬組成物に関する。一実施形態において、前記第2の組成物の投与は、1、2、又は3回など、1回など、限定された回数起こる。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回経口投与用の第1の医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用に関するが、前記第1の医薬組成物は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む第2の医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。一実施形態において、前記第2の組成物の投与は、1、2、又は3回など、1回など、限定された回数起こる。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用に関するが、前記医薬組成物は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、前記経口医薬組成物の前記患者のみへの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン濃度と基本的に同じである。一実施形態において、前記医薬組成物の投与は、1、2、又は3回など、1回など、限定された回数起こる。
一実施形態において、本発明は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口投与用の組成物である第1の医薬組成物及びボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物である第2の医薬組成物を含むキットであって、第2の組成物が、前記第1の組成物と同時に患者に投与されると、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じであるキットに関する。
一実施形態において、「同時」は、2つの組成物の投与の開始が、同じ日など、互いの8時間以内など、6時間以内など、2時間以内など、基本的に同じ時間に開始されることを示すものとする。
経口投与用の本発明の組成物は連続した又は長期の治療向けであるが、本発明の第2の組成物は、治療開始時に、1、2、又は3回など、数回しか投与されない。
ボルチオキセチンなどの薬物の複数の経口投与時に、薬物は、腸から特定の速度で吸収され、いったん血液(又は血漿)に入ると代謝プロセスにより排泄される。本文脈では、「定常状態血漿濃度」は、薬物吸収が薬物消失と平衡している(反復投与後の)時点での血漿濃度を示すものとする。血漿薬物濃度は(定常状態でも)変動するので、定常状態血漿濃度は、簡便には、曲線下面積(AUC)とも称される、時間にわたって積分された血漿濃度として述べられる。1日1回経口投与されるボルチオキセチンなどの薬物では、24時間の期間のAUC(AUC0−24)が簡便に使用される。
5mg、10mg、15mg、及び20mgボルチオキセチンの1日1回経口投与時のボルチオキセチンの定常状態血漿濃度は、それぞれ、161ng h/ml、323ng h/ml、484ng h/ml、及び645ng h/ml(中央値AUC0−24)であることがわかった。さらに、以下の95%予測区間が計算された:5mg/日で68;406ng h/ml;10mg/日で137;812ng h/ml;15mg/日で205;1219ng h/ml;及び20mg/日で273;1625ng h/ml[Basic & Clin Pharmacol & Tox,115,552−559,2014]。1日1回経口ボルチオキセチン投与により、ボルチオキセチンの定常状態血漿濃度がおよそ8日後に達成される[Basic & Clin Pharmacol & Tox,111,198,205,2012]。
本発明の一要素は、2つの医薬組成物のそれを必要とする患者への同時投与であるが、第1の医薬組成物は、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物は、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成することを意図している、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態血漿濃度は、前記第1の組成物のみの前記患者への投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。一実施形態において、前記定常状態濃度は、前記同時投与から18時間以内など、12時間以内など、24時間以内に達成される。
一実施形態において、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む本発明の経口組成物は、5mg、10mg、15mg、又は20mgのボルチオキセチンなど、5mg〜20mgのボルチオキセチンを含む。
一実施形態において、本発明は、2つの医薬組成物のそれを必要とする患者への同時投与を含むうつ病の治療の方法であって、第1の医薬組成物が5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口投与用の組成物であり、第2の医薬組成物が、前記同時投与から24又は18又は12時間以内など36時間以内に前記患者において、150ng h/ml〜700ng h/mlなど、68ng h/ml〜1625ng h/ml(AUC0−24)のボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物である方法を提供する。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、150ng h/ml〜170ng h/mlなど、155ng h/ml〜165ng h/mlなど、68ng h/ml〜406ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、145ng ml/h〜315ng h/mlなど、200ng h/ml〜300ng h/ml又は300ng h/ml〜340ng h/mlなど、310ng h/ml〜330ng h/mlなど、137ng h/ml〜812ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、460ng h/ml〜510ng h/mlなど、470ng h/ml〜500ng h/mlなど、205ng h/ml〜1219ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、600ng h/ml〜700ng h/mlなど、630ng h/ml〜660ng h/mlなど、273ng h/ml〜1625ng h/mlである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口投与用の経口医薬組成物であって、前記経口医薬組成物が、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物と同時にそれを必要とする患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から24又は18又は12時間以内など36時間以内に前記患者において、150ng h/ml〜700ng h/mlなど、68ng h/ml〜1625ng h/ml(AUC0−24)の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成する経口医薬組成物に関する。一実施形態において、前記経口医薬組成物は5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、150ng h/ml〜170ng h/mlなど、155ng h/ml〜165ng h/mlなど、68ng h/ml〜406ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、145ng h/ml〜315ng h/mlng h/mlなど、200ng h/ml〜300ng h/ml又は300ng h/ml〜340ng h/mlなど、310ng h/ml〜330ng h/mlなど、137ng h/ml〜812ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、460ng h/ml〜510ng h/mlなど、470ng h/ml〜500ng h/mlなど、295ng h/ml〜1219ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、600ng h/ml〜700ng h/mlなど、630ng h/ml〜660ng h/mlなど、273ng h/ml〜1625ng h/mlである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するためのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回投与用の経口医薬組成物と共にそれを必要とする患者に同時投与され、前記同時投与が、前記同時投与から24又は18又は12時間以内など36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、150ng h/ml〜700ng h/mlなど、68ng h/ml〜1625ng h/ml(AUC0−24)である医薬組成物に関する。一実施形態において、前記経口医薬組成物は5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、150ng h/ml〜170ng h/mlなど、155ng h/ml〜165ng h/mlなど、68ng h/ml〜406ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、145ng h/ml〜315ng h/mlなど、200ng h/ml〜300ng h/ml、又は300ng h/ml〜340ng h/mlなど、310ng h/ml〜330ng h/mlなど、137ng h/ml〜812ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、460ng h/ml〜510ng h/mlなど、470ng h/ml〜500ng h/mlなど、205ng h/ml〜1219ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、600ng h/ml〜700ng h/mlなど、630ng h/ml〜660ng h/mlなど、273ng h/ml〜1625ng h/mlである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法に使用するための、それを必要とする患者に同時に投与される2つの医薬組成物であって、前記第1の医薬組成物が、1日1回経口投与用の5〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物が、前記同時投与から24又は18又は12時間以内など36時間以内に前記患者において、150ng h/ml〜700ng h/mlなど、68ng h/ml〜1625ng h/ml(AUC0−24)のボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物である、2つの医薬組成物に関する。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、150ng h/ml〜170ng h/mlなど、155ng h/ml〜165ng h/mlなど、68ng h/ml〜406ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、145ng h/ml〜315ng g/mlなど、200ng h/ml〜300ng h/ml又は300ng h/ml〜340ng h/mlなど、310ng h/ml〜330ng h/mlなど、137ng h/ml〜812ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、460ng h/ml〜510ng h/mlなど、470ng h/ml〜500ng h/mlなど、205ng h/ml〜1219ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、600ng h/ml〜700ng h/mlなど、630ng h/ml〜660ng h/mlなど、273ng h/ml〜1625ng h/mlである。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回経口投与用の5〜20mgのボルチオキセチンを含む第1の医薬組成物の製造における、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用に関するが、前記第1の医薬組成物は第2の医薬組成物と同時に患者に投与され、その第2の医薬組成物は、前記同時投与から24、18、又は12時間以内など36時間以内に前記患者において、150ng h/ml〜700ng h/mlなど68ng h/ml〜1625ng h/ml(AUC0−24)の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物である。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、150ng h/ml〜170ng h/mlなど、155ng h/ml〜165ng h/mlなど、68ng h/ml〜406ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、145ng h/ml〜315ng h/mlなど、200ng h/ml〜300ng h/ml又は300ng h/ml〜340ng h/mlなど、310ng h/ml〜330ng h/mlなど、137ng h/ml〜812ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、460ng h/ml〜510ng h/mlなど、470ng h/ml〜500ng h/mlなど、205ng h/ml〜1219ng h/mlである。一実施形態において、前記第1の医薬組成物は20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、600ng h/ml〜700ng h/mlなど、630ng h/ml〜660ng h/mlなど、273ng h/ml〜1625ng h/mlである。
一実施形態において、うつ病の治療のための医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用に関するが、前記医薬組成物は、5〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与は、前記同時投与から24、18、又は12時間以内など36時間以内に前記患者において、150ng h/ml〜700ng h/mlなど、68ng h/ml〜1625ng h/ml(AUC0−24)の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成する。一実施形態において、前記経口医薬組成物は5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、150ng h/ml〜170ng h/mlなど、155ng h/ml〜165ng h/mlなど、68ng h/ml〜406 406ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、145ng h/ml〜315ng h/mlなど、200ng h/ml〜300ng h/ml又は300ng h/ml〜340ng h/mlなど、310ng h/ml〜330ng h/mlなど、137ng h/ml〜812ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、460ng h/ml〜510ng h/mlなど、470ng h/ml〜500ng h/mlなど、205ng h/ml〜1219ng h/mlである。一実施形態において、前記経口医薬組成物は20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、定常状態ボルチオキセチン血漿濃度は、600ng h/ml〜700ng h/mlなど、630ng h/ml〜660ng h/mlなど、273ng h/ml〜1625ng h/mlである。
実施例2に示される通り、1日1回経口の5mgのボルチオキセチンと1時間かけて静脈内に投与される単回投与の8.5mgのボルチオキセチンの同時投与は、5mgのボルチオキセチンのみの経口投与から達成されるものに類似の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を前記同時投与から24時間以内に達成する。同様に、1日1回経口の10mgのボルチオキセチンと1時間かけて静脈内に投与される単回投与の17mgのボルチオキセチンの同時投与は、10mgのボルチオキセチンのみの経口投与から達成されるものに類似の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を前記同時投与から24時間以内に達成する。同様に、1日1回経口の15mgのボルチオキセチンと1時間かけて静脈内に投与される単回投与の25.5mgのボルチオキセチンの同時投与は、15mgのボルチオキセチンのみの経口投与から達成されるものに類似の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を前記同時投与から24時間以内に達成する。同様に、1日1回経口の20mgのボルチオキセチンと1時間かけて静脈内に投与される単回投与の34mgのボルチオキセチンの同時投与は、20mgのボルチオキセチンのみの経口投与から達成されるものに類似の定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を前記同時投与から24時間以内に達成する。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法であって、1日1回の5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の経口投与及び前記経口投与と同時にそれを必要とする患者に静脈内に投与される6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を含む方法を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法であって、1日1回の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の経口投与及び前記経口投与と同時にそれを必要とする患者に静脈内に投与される15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を含む方法を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法であって、1日1回の15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の経口投与及び前記経口投与と同時にそれを必要とする患者に静脈内に投与される22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を含む方法を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法であって、1日1回の20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の経口投与及び前記経口投与と同時にそれを必要とする患者に静脈内に投与される32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を含む方法を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための1日1回投与用の5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物であって、静脈内に投与される6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与との同時投与のためのものである経口医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための1日1回投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物であって、静脈内に投与される15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与との同時投与のためのものである経口医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための1日1回投与用の15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物であって、静脈内に投与される22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与との同時投与のためのものである経口医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療に使用するための1日1回投与用の20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物であって、静脈内に投与される32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与との同時投与のためのものである経口医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、単回静脈内投与用の6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物との同時投与のためのものである医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、単回静脈内投与用の15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物との同時投与のためのものである医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、単回静脈内投与用の22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物との同時投与のためのものである医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、単回静脈内投与用の32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物との同時投与のためのものである医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療における方法に使用するための、1日1回投与用の5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及び前記経口投与と同時に静脈内に投与される6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法に使用するための、1日1回投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及び前記経口投与と同時に静脈内に投与される15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法に使用するための、1日1回投与用の15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及び前記経口投与と同時に静脈内に投与される22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療の方法に使用するための、1日1回投与用の20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及び前記経口投与と同時に静脈内に投与される32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与を提供する。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回投与用の5mgのボルチオキセチンを含む経口医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記経口医薬組成物は、6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む単回投与IV医薬組成物と同時に患者に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回投与用の10mgのボルチオキセチンを含む経口医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記経口医薬組成物は、15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む単回投与IV医薬組成物と同時に患者に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回投与用の15mgのボルチオキセチンを含む経口医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記経口医薬組成物は、22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む単回投与IV医薬組成物と同時に患者に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のための1日1回投与用の20mgのボルチオキセチンを含む経口医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記経口医薬組成物は、32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチン又は薬学的に許容できる塩を含む単回投与IV医薬組成物と同時に患者に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のためのIV投与用の6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチンを含む医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記IV組成物は、1日1回投与用の5mgのボルチオキセチン又はそのための薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のためのIV投与用の15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチンを含む医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記IV組成物は、1日1回投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のためのIV投与用の22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチンを含む医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記IV組成物は、1日1回投与用の15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、うつ病の治療のためのIV投与用の32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチンを含む医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用を提供するが、前記IV組成物は、1日1回投与用の20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時に投与される。一実施形態において、前記単回IV投与は、30分〜3時間など、1〜2時間など、15分〜6時間かけて投与される。特に、前記IV投与は、前記経口投与の第1のものと同時に投与される。或いは、前記IV投与は、最長15分など、数秒から数分以内に注射として非常に急速に患者に投与される。
一実施形態において、本発明は、1日1回投与用の5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及びIV投与用の5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
一実施形態において、本発明は、1日1回投与用の5mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及びIV投与用の6mg〜10mgなど、8.5mgなど、5mg〜12mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
一実施形態において、本発明は、1日1回投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及びIV投与用の15mg〜19mgなど、17mgなど、14mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
一実施形態において、本発明は、1日1回投与用の15mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及びIV投与用の22mg〜28mgなど、25.5mgなど、20mg〜30mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
一実施形態において、本発明は、1日1回投与用の20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物及びIV投与用の32mg〜36mgなど、34mgなど、30mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を含むキットを提供する。
上記で議論されたIV投与に代わるものとして、鼻腔内、頬側、舌下、及び直腸投与を含む他の投与形態も利用できる。そのような投与形態は、腸による吸収及び初回通過代謝を回避するので、それ自体血漿中のボルチオキセチン濃度の迅速な増加をもたらす可能性がある。鼻腔内、頬側、舌下、又は直腸投与用に製剤されたボルチオキセチンのバイオアベイラビリティが高く、所望の効果を達成するために多量のボルチオキセチンを投与しなくてはならない必要性を回避することは利点である。好ましくは、バイオアベイラビリティ(IV投与と比較して)は、80%超など、90%超など、70%超である。鼻腔内、頬側、舌下、又は直腸投与の投与量(先に議論されたIV投与量に対して)は、利用される投与形態の実際のバイオアベイラビリティに従って調整され得る。
鼻腔内、頬側、舌下、又は直腸経路による投与の後、ボルチオキセチンは、鼻、口、又は直腸の粘膜を越えて吸収される。粘膜を超えた化合物のバイオアベイラビリティは、化合物が存在する医薬組成物により制御され得る。例えば、粘膜接着成分の使用は、化合物と粘膜の接触時間を長くして、それによりバイオアベイラビリティを増加させ得る。粘膜接着剤の例には、カルボマー、キトサン、セルロース、及びスターチ誘導体などのポリマーがある。吸収促進成分を使用して、関連する上皮のバリア性を逆に修飾して、バイオアベイラビリティを増加させることもできる。吸収促進剤の例には、界面活性剤、胆汁酸塩、及びオレイン酸などの脂肪酸がある[Curr Probl Dermatol,40,20−35,2011;Clin Pharmacokinet,42,1107−1128,2003]。
本発明は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む第2の医薬組成物と同時に投与される、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物を使用して、前記経口組成物のみの投与から得られるものに類似な定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を急速に達成することに関する。本発明の両医薬組成物は、有効成分の他に、薬学的に許容できる担体を含む。
医薬組成物の調製及び医薬組成物に使用される担体の広範なリストは、例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22th Ed.,Pharmaceutical Press,2013に見いだすことができる。
経口投与用の医薬組成物には、カプセル剤、錠剤、糖衣錠剤、丸剤、ロゼンジ剤、散剤、及び顆粒剤などの固体剤形がある。適切な場合、それらはコーティングと共に調製できる。経口組成物の好適な担体には、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、コーンスターチ、ポテトスターチ、白土、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びセルロースの低級アルキルエーテルがある。
錠剤は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を通常の担体と混合し、それに続いて従来の打錠機中で混合物を圧縮することにより調製できる。着色剤、保存剤など、そのような目的に通常使用される他の補助剤又は添加剤は、有効成分と適合性があるという条件で使用できる。
ボルチオキセチンは、5mg、10mg、15mg、又は20mgのボルチオキセチンHBr及びマンニトール、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムを含み、ヒプロメロース、二酸化チタン、ポリエチレングリコール400、酸化鉄赤色(5mg、15mg、及び20mg)、及び酸化鉄黄色(10mg及び15mg)からなるフィルムコーティングを施された市販の経口医薬組成物中で利用可能である。
本発明に使用される静脈内投与用の医薬組成物は、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む水溶液であり得る。そのような静脈内組成物は、溶媒、緩衝剤、界面活性剤、等張化剤、保存剤、及び酸化防止剤をさらに含み得る。溶媒の例には、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、及びポリエチレングリコールがある。ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の溶解度は、例えば、共溶媒又はシクロデキストリン若しくはその誘導体の添加により増大し得る。界面活性剤の例には、ツイン、スパン、並びにモノグリセリド及びジグリセリドがある。等張化剤の例には、デキストロース、グリセリン、及び塩化ナトリウムがある。保存剤の例には、エタノール、安息香酸、ソルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びベンジルアルコールがある。酸化防止剤の例には、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、及びEDTAがある。静脈内投与の医薬組成物が滅菌されていることが重要である。そのような組成物は、すぐに使用できるようにも、例えば、静脈内注入前に、又はその一部として等張性食塩水と混合される高濃度組成物としても包装できる。
静脈内投与用の医薬組成物の1例が以下に提供される。
ボルチオキセチンHBr 1.271mg
スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンナトリウム 16mg
塩化ナトリウム 9mg
水 1ml添加
好適な体積のこの組成物が、静脈内投与のために等張性食塩水(例えば、50〜500ml)と混合され得る。
有効成分が鼻粘膜により吸収される鼻腔内投与用の医薬組成物は、典型的には、液滴又はスプレーで鼻腔に投与される水溶液、エマルション、又は懸濁液である。鼻腔内組成物は、典型的には、正常な繊毛作用を維持するために、張性、pH、及び粘度に関して鼻腔内分泌物に類似であるように製剤される。鼻腔内投与用の医薬組成物は、緩衝剤、NaCl、又はメチルセルロース、及び保存剤を含み得る。鼻腔内投与用の医薬組成物は、通常、点滴器又はスプレーボトルに包装されている。
舌下を含む頬側投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物は、好ましくは、頬袋に挿入されるか、又は舌下に配置されると迅速に崩壊する。口内に挿入された時の崩壊時間は、例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22th Ed.,Pharmaceutical Press,2013 page 968に記載の通り、37℃の水中で崩壊する時間から通常外挿され得る。本文脈では、迅速な崩壊は、上述の37℃の水中での、30秒以内など、10秒以内など、60秒以内の崩壊を示すものとする。
頬側又は舌下投与用の医薬組成物は、水溶性又は水分散性担体、例えば、デキストラン加水分解物、デキストリン、マンニトール、及びアルギナートのような多糖類、又はこれらと、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジンのような他の担体材料との混合物、並びにヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性セルロース誘導体を含み得る。
直腸投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物は、坐剤、マイクロ浣腸、ソフトゼラチン直腸カプセル、直腸軟膏、スプレーなどの形態でよい。この目的には、従来の担体及び技法が利用できる。1例として、ソフトゼラチンカプセルの製剤には、ポリエチレングリコール、ワセリンオイル、中鎖飽和トリグリセリドを含む植物性及び半合成の薬用の油などの担体を利用して得られるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の油性分散液を利用できる。成分の沈降を回避するために、ポリアルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエステル、及びポリオキシエチレンソルビタンエステル誘導体などの分散剤を利用できる。
刊行物、特許出願、及び特許を含む、本明細書に引用された全参照文献は、本明細書の別の場所でなされた特定の文書の別々に与えられた組み込みに関わらず、参照により本明細書にその全体として、且つ、各参照文献が、参照により組み込まれると個別且つ具体的に示されるのと同程度に組み込まれ、本明細書でその全体として(法により許される最大の限度に)述べられた。
本発明を説明する文脈での用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「前記(the)」並びに類似の指示対象の使用は、本明細書で特記されない限り又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を網羅すると解釈されるものとする。例えば、句「前記化合物」は、特記されない限り、本発明の種々の化合物又は特定の説明された態様を指すように理解されるものとする。
要素又は複数の要素に関する、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、又は「含む(containing)」などの用語を使用するあらゆる態様又は本発明の態様の本明細書での説明は、特記されない限り又は文脈により明らかに矛盾しない限り、その特定の要素又は複数の要素「からなる(consists of)」、「から基本的になる(consists essentially of)」、又は「実質的に含む(substantially comprises)」類似の態様又は本発明の態様の支持を与えるものとする(例えば、特定の要素を含むとして本明細書に記載される組成物は、特記されない限り又は文脈により明らかに矛盾しない限り、その要素からなる組成物も記載していると理解されるべきである)。
実施例1 PETサル試験
陽電子放出断層撮影(PET)を利用して、生きているアカゲザルの内因性セロトニン濃度の変化を評価した。本試験の目的は2つあった。第1のPET試験は、サルの脳内のボルチオキセチン−及びシタロプラム−誘導性セロトニントランスポーター占有率の用量反応関係を、SERT放射性リガンド[11C]MADAMを使用して決定するように設計した。[11C]MADAMの化学名は、[11C]N,N−ジメチル−2−(2−アミノ−4−メチルフェニルチオ)−ベンジルアミンである。第2のPET試験は、5−HT1B受容体放射性リガンド[11C]AZ10419369を使用して、類似のSERT占有率を誘導する投与後のボルチオキセチン及びシタロプラムの放出能を比較するように設計した。
図1は、セロトニン放出能の評価に利用した試験設計を表す。類似の試験設計を、SERT占有率の評価に適用した。
SERT占有率試験は、静脈内に投与された0.3mg/kg及び1.0mg/kgのボルチオキセチンが、それぞれおよそ50%及び80%SERT占有率に相当することを示した。これらの占有率レベルは、健康な対象のPET試験で測定された臨床的に意義のある占有率レベルに相当する[Basic Clin Pharmacol Tox,110,401−404,2012]。同様に、静脈内に投与された0.3mg/kgシタロプラムはおよそ83%のSERT占有率に相当するが、これも臨床的に意義のあることが知られている[Am J Psych 158,1843−1849,2001]。
以下の表は、ボルチオキセチン及びシタロプラム投与の後の種々の脳領域における[11C]AZ10419369−5−HT1B受容体結合能(BPND)の変化を説明する。結果は、n=3で平均±標準誤差として示し、は対応のある両側t検定によるp<0.05を示す。
Figure 2019524682
実施例2 血漿プロファイルのシミュレーション
ボルチオキセチンの性質を説明する母集団薬物動態(popPK)モデルは、経口投与後の定常状態での曝露レベル(Cmax及びAUC)と共に、文献において利用可能である[Basic Clin Pharmacol Tox,115,552−559,2014]。経口投与後のボルチオキセチンのバイオアベイラビリティは、IV投与に対して75%である[Basic Clin Pharmacol Toxicol 111,198−205,2012]。popPKモデルをボルチオキセチンの経口バイオアベイラビリティと共に使用して、経口投与のみで得られただろう定常状態血漿濃度に相当する24時間以内の曝露レベルを得るために、1日1回経口投与されるボルチオキセチンと同時投与するのに必要な、1時間かけて注入される単回IV投与されるボルチオキセチンの投与量を計算した。以下の表は結果を示す。
Figure 2019524682
実施例3 臨床試験
経口ボルチオキセチンとIVボルチオキセチンの同時投与の臨床効果を、ここに示される臨床試験で評価できる。
二重盲検試験において、患者を2つの投与計画のいずれかに無作為化(1:1)する。(1)ボルチオキセチン17mgIV及びボルチオキセチン10mg/日(錠剤)、又は(2)プラセボIV及びボルチオキセチン10mg/日(錠剤)。試験に登録された患者は、DSM−Vに従って診断された再発性大うつ病性障害を有する。
0日目に患者は17mgボルチオキセチン又はプラセボIVを2時間にわたり注入される。0日目から14日目に、全患者は10mg/日ボルチオキセチンを経口で受け取る。
2つの投与計画の有効性を、試験全体にわたってMADRSスケールにより評価する。
詳細には、合計で55名の患者(各治療群に27名及び28名)を、介入性、前向き、多国間、マルチサイト、無作為化、二重盲検、並行群間比較、固定用量試験にリクルートした。患者は、DSM−5(商標)基準に従った(分類コード296.3x)再発性大うつ病性障害の一次診断を有する外来患者であり、スクリーニング来院時に30以上のモンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)合計スコアを有し、ベースライン来院時に年齢が18歳以上で65歳以下であり、3か月以上の間現在の大うつ病エピソードを有し、ベースライン来院後24時間入院する意思がある精神科医療にある外来患者であった。
試験は、スクリーニング期間−スクリーニングから無作為化までの2〜14日目の期間、治療期間−17mgボルチオキセチン又は塩水の1回の初期IV投与及びボルチオキセチン10mgによる毎日の経口治療の15日の二重盲検治療期間、及び安全性経過観察期間−治療終了後又は試験中止後の4週の期間からなった。
ベースライン来院で、患者を、以下の2つの投与計画:ボルチオキセチン17mg単回投与(IV)及びボルチオキセチン10mg/日(錠剤)又はプラセボ単回投与(IV)及びボルチオキセン10mg/日(錠剤)のいずれかに均等に無作為化(1:1)した。
ボルチオキセチンIV投与計画に無作為化された患者は、0日目に(ベースライン)、2時間にわたり注入された17mgボルチオキセチンの単回二重盲検IV投与を受けた。ボルチオキセチン経口投与計画に無作為化された患者は、0日目に2時間にわたり注入されたプラセボ(塩水)の単回二重盲検IV投与を受けた。0日目から14日目に、両治療群の全患者は、経口投与(錠剤)により非盲験の10mg/日ボルチオキセチンも受け取った。
IV注入後、患者は、緊密な観察のため、およそ24時間入院した。入院期間後、患者は外来患者として試験を継続した。
MADRS及び臨床全般印象(CGI)を含む、有効性及び安全性データを0、1、3、7、及び14日目に収集した。
予測通り、2つの治療群の間のアウトカムの差異は、2週間前の活性のあるIV投与の効果が横ばいになるにつれ、時間と共に小さくなった。以下の表1は、0〜7日目のMADRS読み取りを示す。結果は、MADRSスコアの顕著な減少(すなわちうつ病の臨床徴候の改善)及びボルチオキセチンIVアームにおけるより速い減少を示す。
Figure 2019524682
完全なMADRSスケールは、薬物の抗うつ作用の早い発現を評価するのに好適なツールではないかもしれないが、その理由は、MADRS試験で扱われた10個の項目のうちいくつかが、所与の症状を確実に評価するには長い評価時間を要し得るからである。例えば、MADRS項目「集中困難」は、その項目が治療効果を真に反映するためには、集中する能力の変化が特定できた治療の間の状況に患者がさらされていたことを要する。最近示唆されたことだが(2017 ASCP Annual Meeting(Miami Beach,FL,May 29−June 2,2017))、MADRS項目「外見に表出される悲しみ」、「言葉で表現される悲しみ」、「内的緊張」、「悲観的思考」、及び「自殺思考」が、抗うつ剤の短期の効果を評価するためのより適したMADRSスケールのサブセットであり得る。以下の表2は、この5項目MADRSスケールにより測定した2つの治療アームにおける効果を示す。
Figure 2019524682
さらに、以下の表3は、2つのアームの奏効率、すなわち、MADRSスケールでの50%以上の減少を経験した患者の割合を表す。データは、際立って高い割合の患者が試験の早期にボルチオキセチンIV治療に応答したこと及び2つのアームの間の差異が時間と共になくなることを明らかに示す。
Figure 2019524682
以下の表4は、2以上のCGI−Iスケールの改善を有する患者の割合により測定する奏効率を表す。やはり、データは、ボルチオキセチンIV治療に対する際立ってより速い応答を示し、このようにボルチオキセチンIV治療アームが14日目でも優れていると評価した。
Figure 2019524682
最後に、以下の表5は、投与後最初の24時間及び試験終了時にサンプリングされたボルチオキセチン血漿濃度を示す。実施例2のpopPKモデルを使用して、表5の観察されたデータに基づきボルチオキセチン血漿濃度をシミュレートした。このシミュレーションは、VOR IV+VOR経口治療された患者の0日目のAUC0−24が251±46ng h/mlであり、PBO IV+VOR経口治療された患者では47±20ng h/mlであったことを示す。シミュレーションは、PBO IV+VOR経口治療された患者の14日目のAUC0−24が230±85ng h/mlであることも示す。すなわち、第1の投薬から24時間以内にIVと経口のボルチオキセチンの合わせた投与から達成されたボルチオキセチンの定常状態血漿濃度が、その期間で1日1回経口ボルチオキセチンのみの投与後に14日目に達成された定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである。
Figure 2019524682
全体として、データは、単回投与IVボルチオキセチンを経口ボルチオキセチンと組み合わせて受け取った患者が、プラセボIV及び経口ボルチオキセチンを受け取った患者より速い抗うつ作用の発現を経験することを強く示している。

Claims (31)

  1. 2つの医薬組成物のそれを必要とする患者への同時投与を含むうつ病の治療の方法であって、第1の前記医薬組成物が、1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の前記医薬組成物が、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態血漿濃度が、前記第1の組成物のみの前記患者への投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである、うつ病の治療の方法。
  2. 前記第1の医薬組成物が5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の医薬組成物が、静脈内、鼻腔内、頬側、又は直腸投与用のものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の医薬組成物が5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成するための静脈内投与用の5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩である、請求項1に記載の方法。
  5. 1日1回経口投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩と、前記経口投与の第1のものと共に静脈内に投与される10mg〜20mgのボルチオキセチンの単回投与の同時投与を含む、請求項1に記載の方法。
  6. うつ病の治療に使用するための1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物であって、前記経口医薬組成物が、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物と同時に、それを必要とする患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記経口医薬組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである、経口医薬組成物。
  7. 5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む請求項6に記載の経口医薬組成物であって、前記同時投与が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成する、請求項6に記載の経口医薬組成物。
  8. 前記医薬組成物が、静脈内、鼻腔内、頬側、又は直腸投与用のものである、請求項6又は7に記載の経口医薬組成物。
  9. 5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む請求項6に記載の経口医薬組成物であって、前記医薬組成物が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において、68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成するための静脈内投与用の5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩である、請求項6に記載の経口医薬組成物。
  10. 10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む請求項6に記載の経口医薬組成物であって、静脈内に投与される10mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与が、前記経口投与の第1のものと同時に1回投与される、請求項6に記載の経口医薬組成物。
  11. うつ病の治療に使用するためのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、1日1回投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む経口医薬組成物と同時にそれを必要とする患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記経口医薬組成物のみの前記患者への投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである、医薬組成物。
  12. 5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に投与される請求項11に記載の医薬組成物であって、前記同時投与が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成する、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 静脈内、鼻腔内、頬側、又は直腸投与用のものである、請求項11又は12に記載の医薬組成物。
  14. 5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む請求項11に記載の医薬組成物であって、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成するために、5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時の静脈内投与用のものである、請求項11に記載の医薬組成物。
  15. 10mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む単回静脈内投与用の請求項11に記載の医薬組成物であって、10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に投与され、前記静脈内投与が前記経口投与の第1のものと共に1回投与される、請求項11に記載の医薬組成物。
  16. うつ病の治療に使用するための、それを必要とする患者に同時に投与される2つの医薬組成物を含む医薬組成物であって、第1の医薬組成物が1日1回経口投与用のボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、第2の医薬組成物が、前記同時投与から36時間以内に前記患者においてボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物であり、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン血漿濃度と基本的に同じである、医薬組成物。
  17. 前記第1の医薬組成物が5mg〜20mgボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を前記第1の組成物と共に達成する、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む組成物である、請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 前記第2の医薬組成物が、静脈内、鼻腔内、頬側、又は直腸投与用のものである、請求項16又は17に記載の医薬組成物。
  19. 前記第1の医薬組成物が5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成するための静脈内投与用の5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む、請求項16に記載の医薬組成物。
  20. 前記第1の医薬組成物が、1日1回経口投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が、前記経口投与の第1のものと同時に1回静脈内に投与される10mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の単回投与である、請求項16に記載の医薬組成物。
  21. うつ病の治療のための1日1回経口投与用の第1の医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記第1の医薬組成物が、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む第2の医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記患者への前記第1の組成物のみの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン濃度と基本的に同じである、第1の医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用。
  22. 前記第1の医薬組成物が5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記同時投与が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンの定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成する、請求項21に記載の使用。
  23. 前記第2の医薬組成物が、静脈内、鼻腔内、頬側、又は直腸投与用のものである、請求項21又は22に記載の使用。
  24. 前記第1の医薬組成物が5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が静脈内投与用のものであり、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成するために、5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む、請求項21に記載の使用。
  25. 前記第1の医薬組成物が1日1回経口投与用の10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記第2の医薬組成物が静脈内投与用のものであり、前記経口投与の第1のものと同時に1回投与される10mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む、請求項21に記載の使用。
  26. うつ病の治療のための医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用であって、前記医薬組成物が、ボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に患者に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から36時間以内に前記患者において定常状態ボルチオキセチン血漿濃度を達成し、その定常状態ボルチオキセチン血漿濃度が、前記経口医薬組成物の前記患者のみへの投与により達成される定常状態ボルチオキセチン濃度と基本的に同じである、うつ病の治療のための医薬組成物の製造におけるボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩の使用。
  27. 前記医薬組成物が、5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に投与され、前記同時投与が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成する、請求項26に記載の使用。
  28. 前記医薬組成物が、静脈内、鼻腔内、頬側、又は直腸投与用のものである、請求項26又は27に記載の使用。
  29. 前記医薬組成物が、5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む静脈内投与用の組成物であり、前記医薬組成物が、前記同時投与から24時間以内に前記患者において68ng h/ml〜1625ng h/mlボルチオキセチンのボルチオキセチンの定常状態血漿濃度を達成するために、5mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口組成物との同時投与を意図されている、請求項26に記載の使用。
  30. 前記医薬組成物が静脈内投与用のものであり、14mg〜20mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含み、前記医薬組成物が10mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口医薬組成物と同時に患者に投与され、前記医薬組成物が前記経口投与の第1のものと共に1回投与される、請求項26に記載の使用。
  31. 5mg〜20mgボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含む1日1回経口投与用の経口医薬組成物及び5mg〜40mgのボルチオキセチン又はその薬学的に許容できる塩を含むIV投与用の医薬組成物を含むキット。
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