Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2019520789A - Gpr92の調節因子の同定方法 - Google Patents

Gpr92の調節因子の同定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019520789A
JP2019520789A JP2018552234A JP2018552234A JP2019520789A JP 2019520789 A JP2019520789 A JP 2019520789A JP 2018552234 A JP2018552234 A JP 2018552234A JP 2018552234 A JP2018552234 A JP 2018552234A JP 2019520789 A JP2019520789 A JP 2019520789A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gpr92
receptor
gpr92 receptor
activity
helix
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018552234A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7039483B2 (ja
Inventor
ジョセフ マクグレイン,スコット
ジョセフ マクグレイン,スコット
ロナルド ギブズ,マシュー
ロナルド ギブズ,マシュー
マステン ファイン,リチャード
マステン ファイン,リチャード
クレバンスキー,ボリス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mars Inc
Original Assignee
Mars Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mars Inc filed Critical Mars Inc
Publication of JP2019520789A publication Critical patent/JP2019520789A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7039483B2 publication Critical patent/JP7039483B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/705Assays involving receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • G01N2333/72Assays involving receptors, cell surface antigens or cell surface determinants for hormones
    • G01N2333/726G protein coupled receptor, e.g. TSHR-thyrotropin-receptor, LH/hCG receptor, FSH
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2500/00Screening for compounds of potential therapeutic value
    • G01N2500/04Screening involving studying the effect of compounds C directly on molecule A (e.g. C are potential ligands for a receptor A, or potential substrates for an enzyme A)

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Abstract

本開示は、GPR92の活性および/または発現を調節する化合物を同定するための方法を提供する。該化合物は、ペットフード製品の味および/またはおいしさを改変するために用いることができるフレーバー組成物中に含ませることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示は、(a)試験薬をGPR92受容体と接触させる工程、(b)GPR92受容体の活性を決定する工程、および(c)GPR92受容体の活性を増加させる試験薬を前記組成物として選択する工程を含む、GPR92受容体の活性を調節する組成物の同定方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2016年4月14日出願の米国仮特許出願第62/322,601号の優先権を主張し、該仮特許出願の全体は参照により本明細書に援用される。
本開示の主題は、GPR92の活性および/または発現を調節する化合物を同定する方法に関する。
(配列表)
本明細書は、さらに、EFSを介して2017年4月14日に本明細書とともに提出された配列表を参照により包含する。米国特許法施行規則1.52条(e)項(5)に準じて、「seqlistingGPR92.txt」で特定される配列表のテキストファイルは、14,567バイトであり、2017年4月14日に作成された。当該配列表は、本明細書とともに電子出願され、本明細書の範囲を逸脱するものではなく、したがって新規事項を含まない。
食用組成物の味プロファイルは、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味、コクミなどの基本的な味を含む。味プロファイルは、遊離脂肪酸味を含むとの説明もある。これら味を生じさせる化学物質は、しばしば味物質と称される。この理論に拘束されるものではないが、味物質は、味物質とそれにより生じる味プロファイルが記憶されている脳に信号を伝達する口腔および咽喉内の味受容体によって感知されると仮定される。味受容体は、Gタンパク質結合受容体(GPCR)(ロドプシン様GPCRとしても知られている)のクラスAのメンバーであるGPR92(GPR93およびLPAR5としても知られている)を含む。GPR92は、味細胞で発現されることが示されており(非特許文献1参照)、タンパク質加水分解物、すなわちタンパク質加水分解生成物(ペプトン)によって活性化され得る(非特許文献2および3参照)。
ペットフード製造業界は、高い栄養価を有するペットフード製品の提供を長年にわたり望んでいる。さらにとりわけキャットフードおよびドッグフードに関して、ペットフード製造業界は、ペットがペットフードから完全栄養を摂取できるような高レベルのおいしさを強く欲している。飼育動物、特に猫は、周知のとおり自身の食嗜好に気まぐれであり、ペットフード製品の受け入れまでにしばしば時間がかかるか、または最小限の量以外はまったく食さないことでペットフード製品の食事を拒否する。この現象はおそらく、一部には、前記飼育動物がその味覚系と嗅覚系により知覚し得る原材料の官能プロファイルの微妙な差に起因するであろう。結果として、ペットの飼い主は、彼らのペットが健康で満足した状態でいられるために頻繁にペットフードのタイプやブランドを変える。
味およびフレーバー技術は近年進歩しているが、ペットフード製品の味プロファイル、質感プロファイルおよび/またはフレーバープロファイルを強化するか改変することによりペットフード製品のおいしさを高めるか改変することができる化合物が依然として求められている。味の向上または改変は、望ましい特質の度合いを高めること、ペットフード製品中に存在しないかまたは何らかのせいで損失した望ましい特質を補填すること、または望ましくない特質の度合いを低減させることであるといえる。特に、ペットフード製品中の望ましい味物質の度合いを高めることが望ましい。
Haid et al., Histochem. Cell Biol., 140(2): 137-145 (2013) Choi et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol., 292: G98-G112 (2007) Choi et al. Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol., 292(5): G1366-75 (2007)
そのため、この分野では依然として、ペットフード製品のおいしさの向上および/または味を調節する化合物を同定する方法およびそれら化合物を含むフレーバー組成物が必要とされている。
本開示の主題は、 GPR92受容体の活性を強化する、増加させるおよび/または調節する化合物を同定するための方法を提供する。同定されると、そのような化合物は、さまざまなペットフード製品に、その製品の味を向上させるために添加され得るフレーバー組成物中に含まれ得る。たとえば、本開示のいくつかの実施形態において、そのようなフレーバー組成物は、ペットフード製品の味および/またはおいしさを充分に向上させ得る量で、ペットフード製品と組み合わされる。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性および/または発現を強化する、増加させるおよび/または調節する化合物を同定するための方法は、配列番号1、2または3に記載のヌクレオチド配列を有するGPR92受容体、またはその断片もしくは変異体を細胞中で発現することを含む。該方法は、さらに、GPR92受容体を発現している細胞を試験化合物と接触させ、該化合物存在下のGPR92受容体の活性および/または発現を、該化合物不存在下の受容体の活性および/または発現と比較して決定することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性を強化する、増加させるおよび/または調節する化合物を同定するための方法は、配列番号4、5または6に記載のアミノ酸配列を有するGPR92受容体、またはその断片もしくは変異体を細胞中で発現することを含む。該方法は、さらに、GPR92受容体を発現している細胞を試験化合物と接触させ、該化合物存在下のGPR92受容体の活性および/または発現を、該化合物不存在下の受容体の活性および/または発現と比較して決定することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、GPR92を発現する細胞はまた、カルシウム結合発光タンパク質を発現する。いくつかの実施形態において、カルシウム結合発光タンパク質は、クリチン、エクオリン、オベリンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、本開示は、(a)試験薬をGPR92受容体と接触させる工程、(b)GPR92受容体の活性を決定する工程、および(c)GPR92受容体の活性を高める試験薬を組成物として選択する工程を含む、GPR92受容体の活性を調節する組成物を同定するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、(a)試験薬をGPR92受容体と接触させる工程、(b)試験薬とGPR92受容体の7膜貫通(7TM)ドメインの1または複数のアミノ酸との相互作用を検出する工程、および(c)1または複数の該アミノ酸と相互作用する試験薬を組成物として選択する工程を含む、GPR92受容体の活性を調節する組成物を同定するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、調節性化合物が相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号4に記載される、ネコGPR92受容体のヘリックス2のArg83;ヘリックス3のGly103、Phe106、Gln107、Met110および/またはCys114;ヘリックス4のThr161および/またはHis165;ヘリックス5のAla200、Gly204および/またはPro208;ヘリックス6のPhe248、Phe252、Tyr255、Asn256および/またはLeu259;ヘリックス7のArg281、Met285、および/またはVal288;および/または第2細胞外(EC2)ループのGlu182、およびそれらの組み合わせを1または複数含む。
いくつかの実施形態において、調節性化合物が相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号4に記載される、ネコGPR92受容体のArg83、Arg281、Tyr255、およびそれらの組み合わせを1または複数含む。
いくつかの実施形態において、調節性化合物が相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号5に記載される、イヌGPR92受容体のヘリックス2のArg76;ヘリックス3のGly96、Phe99、Gln100、Met103および/またはCys107;ヘリックス4のThr154 および/またはHis158;ヘリックス5のAla193、Gly197および/またはPro201;ヘリックス6のPhe241、Phe245、Tyr248、Asn249および/またはLeu252;ヘリックス7のArg274、Met278および/またはVal281;および/またはEC2ループのGlu175、およびそれらの組み合わせを1または複数含む。
いくつかの実施形態において、調節性化合物が相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号5に記載される、イヌGPR92受容体のArg76、Arg274、Tyr248、およびそれらの組み合わせを1または複数含む。
いくつかの実施形態において、相互作用は、部位特異的突然変異誘発、X線結晶解析、X線分光分析、核磁気共鳴(NMR)、架橋結合評価、質量分析、電気泳動、置換分析、およびそれらの組み合わせにより決定される。
いくつかの実施形態において、本開示は、(a)GPR92アゴニストをGPR92受容体と接触させる工程、(b)該GPR92受容体の活性を決定する工程、(c)試験薬をGPR92受容体と接触させる工程、(d)該GPR92受容体の活性を決定する工程、および(e)前記(d)の活性が前記(b)の活性より大きい時、前記試験薬を前記組成物として選択する工程を含む、GPR92受容体の活性を調節する組成物を同定するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体アゴニストは、NAG(N-アラキドノイルグリシン)、FPP (3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イル ピロホスファート)、LPA(18:0)(1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、CPA(18:1)(1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)、LPA(14:0)(1-ミリスチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、LPA(16:0)(1-パルミチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、LPA(18:1) (1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、 ファルネシルモノホスファート (FMP)、アルキルグリセロホスファート(AGP、アルキルLPAとしても公知)、環状ホスファチジン酸(CPA);カルバ-CPA (CCPA)、2-カルバ-CPA(2CCPA)、または3-カルバ-CPA(3CCPA)およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、前記GPR92受容体は細胞で発現され、前記試験薬は該細胞と接触される。いくつかの実施形態において、細胞は、カルシウム結合発光タンパク質を発現する。いくつかの実施形態において、カルシウム結合発光タンパク質は、クリチン、エクオリン、オベリン、それらのあらゆる組み換え体もしくは単離体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細胞内カルシウム量は、発光検出または蛍光検出により観察される。いくつかの実施形態において、カルシウム感応蛍光染料は、Fura-2 AM、Fura-2ペンタカリウム、Fura Red AM、Indo-1 AM、Indo-1ペンタカリウム、Fluo-3、Fluo-4、Fluo-8、Calcium Green-1、Calcium 3、Calcium 4、Calcium 5、Rhod-2、それらの誘導体およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
上記では、以下の詳細な説明のよりよい理解のために、本願の特徴および技術的優位性をある程度広く概説した。本願の特許請求の範囲の主題を形成する本願のさらなる特徴および利点を、以下に説明する。開示される概念および具体的な実施態様は、本願と同じ目的を実施するために改変または他の構造を設計するための基礎として容易に利用され得ることを当業者は高く評価すべきである。そのような同等の構成は、別記の特許請求の範囲に記載される本願の意図および範囲から逸脱するものではないことも当業者は認識すべきである。本願特有であるとみなされる新規な特徴は、その構成および操作方法の両方について、さらなる目的および利点とともに、以下の説明からよく理解されるであろう。
ネコGPR92ヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。 イヌGPR92ヌクレオチド配列(配列番号2)を示す。 ヒトGPR92ヌクレオチド配列(配列番号3)を示す。 ネコGPR92アミノ酸配列(配列番号4)を示す。 イヌGPR92アミノ酸配列(配列番号5)を示す。 ヒトGPR92アミノ酸配列(配列番号6)を示す。 ネコ、イヌおよびヒトGPR92のアミノ酸配列の配列アラインメントを示す。 ネコGPR92の7TMドメインのヘリックスプロットを示す。 イヌGPR92の7TMドメインのヘリックスプロットを示す。 ヒトGPR92の7TMドメインのヘリックスプロットを示す。 図11は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イルピロホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(A) は、結合化合物の構造を示す。 図11は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イルピロホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図11は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イルピロホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(C)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図12は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イルピロホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(A)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図12は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イルピロホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図13は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物LPA(18:0) (1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(A)は、結合化合物の構造を示す。 図13は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物LPA(18:0) (1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図13は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物LPA(18:0) (1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(C)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図14は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物LPA(18:0) (1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(A)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図14は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物LPA(18:0) (1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図15は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物NAG (N-アラキドニルグリシン)の結合のインシリコモデリングを示し、(A) は、結合化合物の構造を示す。 図15は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物NAG (N-アラキドニルグリシン)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図15は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物NAG (N-アラキドニルグリシン)の結合のインシリコモデリングを示し、(C)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図16は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物NAG (N-アラキドニルグリシン)の結合のインシリコモデリングを示し、(A)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示し、 図16は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物NAG (N-アラキドニルグリシン)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図17は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物CPA(18:1) (1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(A) は、結合化合物の構造を示す。 図17は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物CPA(18:1) (1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図17は、ネコGPR92の7TMドメインへの化合物CPA(18:1) (1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(C)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 図18は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物CPA(18:1) (1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(A)は、GPR92に結合している化合物のモデルを示す。 図18は、イヌGPR92の7TMドメインへの化合物CPA(18:1) (1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)の結合のインシリコモデリングを示し、(B)は、結合化合物と相互作用する推定GPR92アミノ酸残基を示す。 下記(A)を用いて試験した時、選択されたクローンK1.4の応答を示し、模擬トランスフェクション細胞株からの応答も示す。(A)LPA 14:0 (1-ミリスチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)。 下記(B)を用いて試験した時、選択されたクローンK1.4の応答を示し、模擬トランスフェクション細胞株からの応答も示す。(B)LPA 16:0 (1-パルミチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)。 下記(C)を用いて試験した時、選択されたクローンK1.4の応答を示し、模擬トランスフェクション細胞株からの応答も示す。(C)LPA 18:1 (1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート) 。
本開示の主題は、GPR92の活性および/または発現を調節する化合物を同定する方法に関し、該化合物は、完全栄養ペットフードまたはペット用おやつなどのさまざまなペットフード製品のおいしさを増加するおよび/または味を強化するか改変するために利用できるフレーバー組成物中に含まれ得る。
1.定義
本明細書で使用される用語は、通常、本発明の文脈内で各用語が使用される具体的状況において、当技術分野における通常の意味を有する。特定の用語は、以下に、または本明細書の別の箇所で、本発明の方法および組成物の説明において実施者に付加的ガイダンスおよびそれらの作製または使用方法を提供するために説明される。
本明細書での使用において、特許請求の範囲および/または本明細書中の用語「含む(comprising)」と対で用いられる冠詞「aまたはan」の使用は、「ひとつ」を意味することもあるが、「1以上」「少なくとも1」および「1または複数」の意味とも一致する。さらにまた、用語「有する(having)、含む(including、containingおよびcomprising)」は、互換性があり、当業者は、これら用語は非限定的(open ended)であると認識している。
用語「約(aboutまたはapproximately)」は、当業者によって決定される特定値に対し許容誤差範囲内であることを意味し、その値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの限界にある程度依存する。たとえば、「約」は、当該技術分野における慣習に従って、3以内または3超の標準偏差内を意味し得る。別の方法では、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらに好ましくはさらに1%までの範囲を意味することができる。別の方法では、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、該語は、値の1桁内、好ましくは5倍内、より好ましくは2倍内を意味することができる。
本明細書での使用における「味」とは、被験体の味蕾における受容体細胞の活性化によって引き起こされる感覚をいう。いくつかの実施形態において、味は、甘味、酸味、塩味、苦味、コクミ、旨味からなる群より選択することができる。いくつかの実施形態において、「味」は、遊離脂肪酸味を含むことができる(たとえば、Cartoni et al., J. of Neuroscience, 30(25): 8376-8382 (2010)を参照。その内容は、参照により本明細書に援用される。)。いくつかの実施形態において、味は「味物質」によって被験体に誘発される。いくつかの実施形態において、味物質は合成味物質であり得る。いくつかの実施形態において、味物質は天然源から調製される。
本明細書での使用における「味プロファイル」とは、たとえば、1以上の甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コクミ、遊離脂肪酸味などの味の組み合わせをいう。いくつかの実施形態において、味プロファイルは、同一または異なる濃度で組成物中に存在する1または複数の味物質によって生成される。いくつかの実施形態において、味プロファイルは、被験体または当該分野で公知の任意のアッセイによって検出されるような、たとえば甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コク味および遊離脂肪酸味などの味または味の組み合わせの強さをいう。いくつかの実施形態において、味プロファイルにおける味物質の組み合わせの改変(modifying)、変更(changing)または変化(varying)は、被験体の知覚経験を変えることができる。
本明細書での使用における「フレーバー」とは、1または複数の感覚刺激、たとえば味(味覚的)、匂い(嗅覚的)、触感(触覚的)および温度(熱的)刺激をいう。いくつかの非限定的な実施形態において、フレーバーに曝露した被験体の知覚経験は、特定のフレーバーについて特有の経験として分類することができる。たとえば、フレーバーは、これらに限定されないが、花、柑橘類、ベリー、ナッツ、カラメル、チョコレート、ピーマン、燻製、チーズ、肉などのフレーバーとして、被験体に識別される。本明細書での使用において、フレーバー組成物は、液体、溶液、乾燥粉末、スプレー、ペースト、懸濁液およびこれらの任意の組み合わせから選択することができる。フレーバーは、天然組成物、人工組成物、ネイチャーアイデンティカルまたはこれらの任意の組み合わせであり得る。
本明細書で同義的に使用される場合、「香り(aroma)」および「匂い(smell)」とは、刺激に対する嗅覚応答をいう。たとえば、これらに限定するものではないが、香りは、嗅覚系の臭気受容体によって知覚される芳香物質によって引き起こされる。
本明細書での使用における「フレーバープロファイル」とは、知覚刺激、たとえば、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味、コク味および遊離脂肪酸味などの味、および/または嗅覚、触覚および/または熱的刺激の組み合わせをいう。いくつかの実施形態において、フレーバープロファイルは、被験体の感覚的経験に寄与する1以上のフレーバーを含む。いくつかの実施形態において、フレーバープロファイルにおける刺激の組み合わせの改変、変更または変化は、被験体の知覚経験を変えることができる。
本明細書での使用における「おいしさ」とは、特定の食品に対する動物の全体的な食欲をいう。ペットフード製品の「おいしさ」が増すと、伴侶動物が該ペットフードをより楽しみかつ多く受け入れることになり、該動物の「健康的な量」のペットフード摂取を確実にする。本明細書での使用における用語ペットフードの「健康的な量」とは、伴侶動物が微量栄養素、主要栄養素およびカロリーについて、「マース社ペットケア必須栄養素規格(Mars Petcare Essential Nutrient Standards)」に定められているような健康全体的に寄与する摂取量を維持または達成することを可能にする量をいう。いくつかの実施形態において、「おいしさ」とは、一食品に対する動物の相対的な嗜好性を意味することができる。たとえば、動物が2つ以上の食品のうちの1つの食品に嗜好を示す場合、その好まれる食品はより「おいしく」、「おいしさが増した」ものである。いくつかの実施形態において、1以上の他の食品と比べられる一食品の相対的おいしさは、たとえば、並列自由選択比較、たとえば、食品の相対消費、またはおいしさを示す他の適切な嗜好尺度によって決定することができる。おいしさは、動物が「2つのボウル試験」または「対試験」と呼ばれる試験の両方の食品に等しくアクセスできる標準試験プロトコルによって決定することができる。このような選好は、動物の感覚のいずれかから生じ得るが、とりわけ、味覚、後味、嗅覚、食感または質感に関連し得る。
用語 「ペットフード」または「ペットフード製品」は、ネコ、イヌ、モルモット、マウス、ウサギ、トリおよびウマなどの伴侶動物による消費の意図される製品または組成物を意味する。たとえば、それらに限定するものではないが、伴侶動物は、イエネコなどの「飼い」 ネコであり得る。いくつかの実施形態において、伴侶動物は、「飼い」イヌ、たとえばイエイヌ(Canis lupus familiaris)であり得る。「ペットフード」または「ペットフード製品」は、いかなる食品、餌、スナック、食物サプリメント、液体、飲料、おやつ、おもちゃ(チュアブルおよび/または消耗品)、食事代替品または完全食も含む。
本明細書での使用における、 「栄養学的に完全食」とは、ペットフード製品の所定の給餌対象のために必要な栄養素を、たとえば、伴侶動物の栄養分野において広く認められているかまたは管轄当局の推奨に基づいた適切な量および比率で、すべて含んでいるペットフード製品をいう。したがって、そのような食品は、補助栄養源を追加することなく、生活を維持するための食物摂取の唯一の供給源としての役割を果たすことができる。
本明細書での使用における、 「フレーバー組成物」とは、動物またはヒトにおける、天然または合成の味物質、調味料、味プロファイル、フレーバープロファイルおよび/または質感プロファイルの味、匂い、フレーバーおよび/または質感を調節する、たとえば、強化する(enhancing)、倍増させる(multiplying)、促進する(potentiating)、減少させる(decreasing)、抑制する(suppressing)、または誘発する(inducing)、少なくとも1つの化合物または生物学的に許容されるその塩をいう。いくつかの実施形態において、フレーバー組成物は、化合物または生物学的に許容されるその塩の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、フレーバー組成物には、1以上の賦形剤が含まれる。
本明細書での使用における用語「調節する(modulates)」または「改変する(modifies)」とは、受容体の特定の活性の量、質または効果における増加または減少および/または受容体の発現、活性または機能における増加または減少をいう。本明細書での使用における「調節因子」とは、インシリコ、インビトロおよび/またはインビボのアッセイにより、たとえばアゴニスト、アンタゴニストおよびそれらの断片、変異体および模倣体などの相同体について同定された、あらゆる阻害または活性化化合物をいう。
本明細書での使用における、 「阻害剤」または「アンタゴニスト」 とは、対象の受容体または経路の生物学的活性および/または発現を、縮小(reduce)、減少(decrease)、阻害(block)、防止(prevent)、遅延活性化、不活性化、鈍化または下方制御する調節化合物をいう。
本明細書での使用における、「誘発剤」、「賦活剤」または「アゴニスト」とは、対象の受容体または経路を、増加、誘発、刺激、解放、活性化、促進、活性増強化、高感度化または上方制御する調節化合物をいう。
いくつかの実施形態において、「活性化合物」 は、GPR92受容体を調節する、すなわち、GPR92受容体に対し活性である化合物である。たとえば、活性化合物は、アゴニスト、アンタゴニスト、ポジティブアロステリック調節因子 (PAM)、ネガティブアロステリック調節因子としての、または組み合わせの活性、たとえば、アゴニスト活性とともにポジティブアロステリック調節活性を示す、もしくはアゴニスト活性とともにネガティブアロステリック調節活性を示すことにより、GPR92受容体に対し活性といえる。
本明細書での使用における、用語「ベクター」および「発現ベクター」とは、適切なサイズの別のDNA配列断片をその中に組み込むことができる直線状または環状のDNA分子をいう。そのようなDNA断片(1以上)は、DNA配列断片によってコードされる遺伝子の転写をもたらす付加的セグメントを含むことができる。該付加的セグメントとしては、これらに限定されないが、プロモーター、転写ターミネータ、エンハンサー、内部リボソーム進入部位、非翻訳領域、ポリアデニル化シグナル、選択マーカー、複製起点などが挙られる。発現ベクターは、プラスミド、コスミド、ウイルスベクターおよび酵母人工染色体から導かれることが多い。ベクターは、いくつかの供給源からのDNA配列を含有する組み換え分子であることが多い。
用語 「作動可能に連結された」 は、DNA配列、たとえば発現ベクターにおいて用いられる場合、該配列がそれらの意図する目的を達成するために協同的に機能するように、すなわち、プロモーター配列が連結されたコード配列を介して終結シグナルまで進行する転写の開始をもたらすように配列される。
本明細書での使用における用語 「核酸分子」および「ヌクレオチド配列」とは、ヌクレオチドの一本鎖または二本鎖の共有結合配列をいい、各ヌクレオチドの3’末端および5’末端は、リン酸ジエステル結合で連結されている。核酸分子としては、デオキシリボヌクレオチド塩基またはリボヌクレオチド塩基が挙げられ、核酸分子は、インビトロ合成で作製、または天然源から単離することができる。
本明細書において互換可能に用いられる用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、「アミノ酸配列」および「タンパク質」とは、少なくとも2つのアミノ酸の結合により形成された分子をいう。1つのアミノ酸残基と次のアミノ酸残基との連結は、アミド結合であり、ペプチド結合ともいわれる。ポリペプチドは、当該分野で公知の適切な方法、たとえば天然源からの単離、組換え発現系での発現、化学合成または酵素合成などによって得ることができる。これら用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工化学的模倣体であるアミノ酸ポリマーにも、天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーにも適用される。
本明細書での使用における用語「アミノ酸」とは、天然および合成アミノ酸ならびに天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体をいう。天然アミノ酸は、遺伝コードでコードされたもの、ならびに後から修飾されたそれらアミノ酸、たとえばヒドロキシプロリン、γカルボキシグルタミン酸およびO-ホスホセリンなどである。アミノ酸類似体および誘導体とは、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を有する、すなわち、炭素が水素、カルボキシ基、アミノ基およびR基に結合している化合物、たとえばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシドおよびメチオニンメチルスルホニウムを挙げることができる。このような類似体は、修飾R基(たとえば、ノルロイシン)または修飾ペプチド骨格を有することができるが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。アミノ酸模倣体は、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する化学物質を意味する。
本明細書での使用における用語「タンパク質加水分解物」とは、たとえば、タンパク質加水分解のタンパク質分解産物をいう。タンパク質加水分解物は、タンパク質の酵素、酸性またはアルカリ加水分解により調製することができる。タンパク質加水分解物としては、ペプチド、具体的に短鎖ペプチドおよびペプトン、ならびにタンパク質の構成アミノ酸などを挙げることができる。タンパク質加水分解物としては、脂肪、たとえば、遊離脂肪酸および食肉分解産物(すなわち、動物源の分解物)なども挙げることができる。
本明細書において互換可能に用いられる用語「単離された」または「精製された」とは、自然に結合した構成要素から解離された核酸、ポリペプチド、または他の生物学的部分をいう。用語 「単離された」 とは、その分子が本来は見出される生物全体から分離および離散されるか、または同じ型の他の生物学的高分子が実質的に存在しない状態で存在する、ポリペプチドといえる。ポリヌクレオチドに関連する用語 「単離された」とは、本来は通常それに結合している配列の全部または一部を欠いている核酸分子、または本来は存在するがそれに結合して異種配列を有する配列、または染色体から解離した分子をいう。
本明細書での使用における用語「組み換え体」は、核酸分子の説明に使用することができ、その起源または操作が原因で、本来は関連するポリヌクレオチドの全部または一部とは関連しないゲノムのRNA、DNA、cDNA、ウイルス、半合成または合成由来のポリヌクレオチドをいう。
本明細書での使用における用語 「融合」とは、遺伝学的または化学的手法による異なるペプチドまたはタンパク質セグメントの結合をいい、ペプチドまたはタンパク質セグメントの結合末端は、互いに直接隣接していてもよく、アミノ酸残基または他の連結基などのリンカーまたはスペーサー部分によって分離されていてもよい。
2.GPR92受容体
本開示の主題は、本開示の方法で使用するためのGPR92受容体を提供する。本開示のGPR92受容体は、これらに限定されないが、たとえば、ネコ、イヌまたはヒトの受容体などの哺乳類の受容体である。
いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92受容体は、配列番号1に記載のヌクレオチド配列および/または配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するネコGPR92、その断片(たとえば、それらの機能性断片)およびその変異体などを包含する。
いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92受容体は、配列番号2に記載のヌクレオチド配列および/または配列番号5に記載のアミノ酸配列を有するイヌGPR92、その断片(たとえば、それらの機能性断片)およびその変異体などを包含する。
いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92受容体は、配列番号3に記載のヌクレオチド配列および/または配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するヒトGPR92、その断片(たとえば、それらの機能性断片)およびその変異体などを包含する。
いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92受容体としては、配列番号1、2または3と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む受容体が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92受容体としては、配列番号4、5または6と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む受容体が挙げられる。
2つのアミノ酸配列または2つのヌクレオチド配列の同一性パーセントは、最適な比較目的のために配列を整列化し(たとえば、配列との最善の整列化のために第1の配列にギャップを導入することができる)、アミノ酸残基またはヌクレオチドを対応する部位で比較することにより決定することができる。同一性パーセントは、配列中の同一のアミノ酸残基またはヌクレオチドの数が比較されることによって決定することができる(たとえば同一性%=同一部位の数/部位の全数×100)。
2つの配列間の同一性パーセントの決定は、当業者に公知の数学的アルゴリズムを用いて決定することができる。2つの配列を比較するための数学的アルゴリズムの非限定的な実施例は、KarlinおよびAltschulのアルゴリズム(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264 2268、改訂されたKarlinおよびAltschul(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873 5877であり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。AltschulらのNBLASTおよびXBLASTプログラム(1990) J. Mol. Biol. 215:403 410は、そのようなアルゴリズムを包含している。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラムを用いて、スコア=100、ワード長=12で実施し、本発明のヌクレオチド配列に対するヌクレオチド配列相同性を得ることができる。
BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラムを用いて、スコア=50、ワード長=3で実施し、本発明のアミノ酸配列に対するアミノ酸配列相同性を得ることができる。比較を目的とするギャップ配列を得るために、Gapped BLAST Altschul et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389 3402の記載を用いることができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。別の方法として、PSI Blastを用いて、分子間の遠隔関係を検出する反復検索を実施することができる。BLAST、Gapped BLASTおよびPSI Blastプログラムを用いる際、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(たとえば、XBLASTおよびNBLAST)を用いることができる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov参照。配列の比較に用いられる数学的アルゴリズムのさらなる非限定的な実施例は、Myers and Miller,CABIOS (1989)のアルゴリズムであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。CGC配列アラインメントソフトウエアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)は、そのようなアルゴリズムを包含している。当分野で公知の配列解析のためのアルゴリズムの他の非限定的な実施例としては、TorellisおよびRobotti著(1994) Comput. Appl. Biosci.,10:3 5に記載されるようなADVANCEおよびADAM、およびPearsonおよびLipman著(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. 85:2444 8中に記載されるFASTAなどが挙げられ、これら開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。FASTAにおけるktupは、検索の感度およびスピードを設定する制御オプションである。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、単離または精製されたGPR92受容体および/またはその変異体およびその断片の使用を提供する。本開示の主題は、配列変異体の使用も包含する。いくつかの実施形態において、変異は、GPR92のヌクレオチド配列のコード領域および非コード領域のいずれかまたは両方に生じ得る。変異体は、生物における、同一遺伝子座によってコードされる実質的に相同なタンパク質、すなわち対立遺伝子変異体を含むことができる。変異体はまた、生物、たとえばネコにおける、他の遺伝子座に由来するが、GPR92と実質的な相同性を有するタンパク質、すなわち相同体を包含する。変異体は、GPR92と実質的に相同であるが、他の生物に由来するタンパク質、すなわちオルソログも含むことできる。変異体は、化学合成によって生成されるGPR92と実質的に相同であるタンパク質も含む。変異体はまた、組み換え法によって産生されるGPR92と実質的に相同であるタンパク質も含まれる。
オルソログ、相同体および対立変異体は、当技術分野で周知の方法を用いて同定することができる。これら変異体は、配列番号1、2または3で示されるヌクレオチド配列に、少なくとも約60−65%、約65−70%、約70−75%、約80−85%、約90−95%、約95−99%またはそれ以上相同な受容体またはその断片をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。このような核酸分子は、ストリンジェントな条件下で、配列番号1、2または3に示されるヌクレオチド配列またはその断片にハイブリダイズすることで容易に同定することができる。いくつかの実施形態において、2つのポリペプチド(またはその領域)は、配列番号4、5または6で示されるアミノ酸配列またはその断片と、少なくとも約60−65%、約65−70%、約70−75%、約80−85%、約90−95%、約95−99%またはそれ以上相同である時、実質的に相同である。本開示の主題によれば、実質的に相同のアミノ酸配列は、ストリンジェントな条件下で、配列番号1、2または3に示されるヌクレオチド配列の核酸配列またはその一部にハイブリダイズする核酸配列によってコードされる。
本開示の主題の方法で使用されるGPR92受容体は、受容体の生物学的活性を実質的に変えないアミノ酸残基(変異体)の付加、欠失または置換を有することができる。受容体の生物学的活性に影響を及ぼすことなく変化させ得るそれらの各部位または領域は、たとえば受容体細胞外ドメインの構造を調べることにより決定することができる。代替および/または付加的に、アラニン系統的変異導入法によるアミノ酸置換を許容する受容体のそれらの領域を実験的に決定することができ(Cunningham et al., Science 244, 1081-1085 (1989))、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。アラニン系統的変異導入法において、選択されたアミノ酸残基は、生物学的活性上の効果を決定するために、個々に、中性アミノ酸(たとえば、アラニン)で置換される。
一般的に、保存アミノ酸の変化は、ポリペプチドの構造および/または機能を最も乱しにくいと認識されている。したがって、本開示の主題は、GPR92内の1または複数の保存アミノ酸変化を包含する。保存アミノ酸変化は、一般に、構造および/または機能が似ている他のアミノ酸(たとえば、サイズ、電荷および形が似ている側鎖を有するアミノ酸)による1アミノ酸の置換を含有する。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野において定義されている。これらファミリーとしては、塩基性側鎖(たとえば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(たとえば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖 (たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が挙げられる。いくつかの実施形態において、GPR92内の1または複数のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリー由来の他のアミノ酸残基で置換することができ、該改変されたタンパク質は、本明細書に記載される機能試験を用いて保持された機能を試験することができる。改変は、部位特異的突然変異誘発およびPCR介在性突然変異誘発などの当分野において公知の標準技術により本開示のGPR92に導入することができる。このような置換によって生物学的活性が保持される場合、さらに置換変化を導入することができ、および/または、他の付加/欠失がなされてもよく、得られた生成物をスクリーニングしてもよい。いくつかの実施形態において、欠失または付加は、5−10残基であり得、あるいは、2−5アミノ酸残基または1−2残基であり得る。
本開示の主題はまた、GPR92またはその断片を含む融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態において、本開示の主題は、GPR92の融合タンパク質、またはその機能性断片、および免疫グロブリン重鎖定常領域を提供する。いくつかの実施形態において、本開示の融合タンパク質としては、検出可能なマーカー、担体などの官能基、ラベル、安定化配列またはGPR92アゴニスト結合を検出しうるメカニズムなどが挙げられる。ラベルの非限定的な実施形態としては、FLAGタグ、Hisタグ、MYCタグ、マルトース結合タンパク質および当分野において公知の他のものが挙げられる。本開示の主題はまた、そのような融合タンパク質をコードする核酸、融合タンパク質をコードする核酸を含有するベクターおよびそのような核酸またはベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態において、融合は、GPR92のアミノ末端(N末端)またはGPR92のカルボキシ末端(C末端)でなされ得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるGPR92は、たとえば、本開示の主題の方法において用いられる場合、その配列のN末端および/またはC末端に、付加アミノ酸を含有することができる。いくつかの実施形態において、該付加アミノ酸は、スクリーニング目的のために、ポリペプチドの固定を補助することができ、または生物学的活性の検出を容易にするために、上述のとおりポリペプチドを融合タンパク質の一部とさせることができる。
3.GPR92調節化合物の同定方法
本開示は、さらに、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物の同定方法を提供する。たとえば、これに限定するものではないが、調節因子は、アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。本開示の主題は、上述のGPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定するためのインシリコおよびインビトロ方法を提供する。
3.1 インシリコ(In silico)方法
本開示の主題は、さらに、GPR92受容体と潜在的に相互作用する可能性のある、および/または、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定するためのインシリコ方法を提供する。
いくつかの実施形態において、該方法としては、GPR92の三次元構造(3D)の予測、および推測のGPR92調節化合物(すなわち、試験化合物)とともに予測された3D構造のスクリーニングが挙げられる。該方法は、さらに、推測化合物および受容体のアミノ酸の潜在的相互作用を分析することによって、前記推測化合物が受容体の結合部位と相互作用するかどうかを予測することも含むことができる。該方法は、さらに、化合物の3D構造が受容体の3D構造の結合部位内に収まるかどうかを決定することにより、GPR92に結合および/またはGPR92の生物学的活性を調節する試験化合物を同定することも含むことができる。
いくつかの実施形態において、本開示の方法で使用するためのGPR92は、配列番号4、5または6のアミノ酸配列、またはその断片もしくは変異体を有する。いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92としては、配列番号4、5または6と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む受容体、またはその断片もしくは変異体が挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示の方法で使用するためのGPR92は、配列番号1、2または3のヌクレオチド配列、またはその断片もしくは変異体を有する。いくつかの実施形態において、本開示の主題で使用するためのGPR92としては、配列番号1、2または3と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む受容体、またはその断片もしくは変異体が挙げられる。
本開示の方法を用いて試験することができる化合物(たとえば、潜在的GPR92調節因子)の非限定的な例としては、あらゆる小化学物質、または当分野において公知のペプチド、塩、およびアミノ酸などのあらゆる生物学的存在が挙げられる。いくつかの実施形態において、試験化合物は、小化学分子であり得る。いくつかの実施形態において、試験化合物は、タンパク質加水分解物であり得る。いくつかの実施形態において、試験化合物は、公知のGPR92アゴニスト、たとえば、これらに限定されないが、NAG(N-アラキドノイルグリシン)、FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イル ピロホスファート)、LPA(18:0)(1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、CPA(18:1)(1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)、LPA(14:0)(1-ミリスチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、LPA(16:0)(1-パルミチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、およびLPA(18:1)(1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)であり得る。いくつかの実施形態において、試験化合物は、ファルネシルモノホスファート (FMP)、アルキルグリセロホスファート(AGP、アルキルLPAとしても公知)、環状ホスファチジン酸(CPA);カルバ-CPA (CCPA)、2-カルバ-CPA(2CCPA)、または3-カルバ-CPA(3CCPA)であり得る。いくつかの実施形態において、試験化合物は、Williams, et al., The Journal of Biological Chemistry VOL. 284, NO. 25, pp. 17304−17319, June 19,2009に開示されるGPR92アゴニストのいずれでもあり得る。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体の構造モデルは、相同性モデリング用テンプレートとして他のGPCRの結晶構造を用いて構築することができる。たとえば、これに限定するものではないが、構造モデルは、他のクラスA GPCRの結晶構造を用いて創出することができる。いくつかの実施形態において、GPR92の構造モデルは、公知のクラスA GPCRの結晶構造の1つまたは組み合わせに基づくことができる。(たとえば、Lee et al., Eur. J Pharmacol. 2015 May 14. pii: S0014-2999(15)30012-1、およびBerman et al., Nucleic Acids Research, 28: 235-242 (2000)参照、これらの各々は参照によりその全体がそのまま本明細書に援用される)。他のクラスA GPCRの結晶構造の例としては、ヒトδオピオイド受容体の4N6H;および/またはCCR5ケモカイン受容体の4MBS;および/またはヒトGPR40の4PHUが挙げられる。図11−18は、本開示のインシリコ方法で用いることができるGPR92の構造モデルの描写である。当分野において公知の好適なモデリングソフトウエアはいずれも用いることができる。いくつかの実施形態において、Modellerソフトウエアパッケージ(Eswar et al., Curr Protoc Bioinformatics, John Wiley & Sons, Inc., Supplement 15, 5.6.1-5.6.30 (2006))および/またはI-TASSERプログラム集(Yang et al., Nature methods, 12: 7-8 (2015))を三次元タンパク質構造の創出に用いることができる。
いくつかの実施形態において、GPR92に結合する化合物同定のインシリコ方法は、本明細書に記載のとおり、試験化合物がGPR92相互作用ドメインの1または複数のアミノ酸と相互作用するかどうかを決定することを含む。
本開示のインシリコ方法によって同定される化合物は、さらに、本明細書に記載されるインビトロ方法を用いて試験することができる。
3.2 GPR92受容体結合部位
本願は、たとえば、ネコ、イヌまたはヒトGPR92のGPR92受容体の活性を調節する化合物であって、該受容体の1または複数のアミノ酸と相互作用する化合物のスクリーニング方法を提供する。いくつかの実施形態において、GPR92受容体の結合部位は、受容体の7膜貫通(7TM)ドメイン内のアミノ酸を含み、本明細書に記載のとおり、インシリコモデリングを用いて受容体の相互作用マップを生成させることにより同定することができる。非限定的な一例において、7TM相互作用マップ中のアミノ酸の存在は、該残基がリガンド結合環境の近辺にあり、該リガンドと相互作用することを意味する。
いくつかの実施形態において、前記化合物と本明細書に記載のGPR92受容体の1または複数のアミノ酸との相互作用は、1または複数の水素結合、共有結合、非共有結合、塩橋、物理的相互作用、およびそれらの組み合わせを含むことができる。相互作用はまた、当分野において公知のリガンド受容体相互作用特有のいかなる相互作用でもよい。そのような相互作用は、たとえば、部位特異的突然変異誘発、X線結晶解析、X線もしくは他の分光分析、核磁気共鳴(NMR)、架橋結合評価、質量分析または電気泳動、低温顕微鏡法、公知のアゴニストに基づく置換分析、構造の決定およびそれらの組み合わせによって決定することができる。いくつかの実施形態において、相互作用は、インシリコで、たとえば、本明細書に記載されるとおり、化合物をネコまたはイヌGPR92結合ポケットにドッキング(結合)させる、 たとえば、分子ドッキング、分子モデリング、分子シミュレーション、または他の当業者に公知の手段などの理論的手段により決定される。
いくつかの実施形態において、相互作用は、塩橋相互作用である。
いくつかの実施形態において、相互作用は、水素結合相互作用である。
いくつかの実施形態において、相互作用は、疎水性相互作用である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法にしたがって同定されるGPR92受容体の活性を調節する化合物は、GPR92受容体の膜貫通ドメイン、たとえば7膜貫通(7TM)ドメインの1または複数のアミノ酸と相互作用する。いくつかの実施形態において、該化合物は、ヘリックス間に位置する疎水性領域を含むGPR92活性部位の1または複数のアミノ酸と相互作用する。
いくつかの実施形態において、該化合物と相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号4に記載される、ネコGPR92受容体のヘリックス2のArg83;ヘリックス3のGly103、Phe106、Gln107、Met110および/またはCys114;ヘリックス4のThr161および/またはHis165;ヘリックス5のAla200、Gly204および/またはPro208;ヘリックス6のPhe248、Phe252、Tyr255、Asn256および/またはLeu259;ヘリックス7のArg281、Met285および/またはVal288;および/または第2細胞外(EC2)ループのGlu182を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19またはそれ以上を含む。
いくつかの実施形態において、該化合物と相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号4に記載される、ネコGPR92受容体のArg83、Arg281、Tyr255、およびそれらの組み合わせを1または複数含む。いくつかの実施形態において、前記化合物は、さらに、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号4に記載される、ネコGPR92受容体のヘリックス3のGly103、Phe106、Gln107、Met110および/またはCys114;ヘリックス4のThr161および/またはHis165;ヘリックス5のAla200、Gly204および/またはPro208;ヘリックス6のPhe248、Phe252、Asn256および/またはLeu259;ヘリックス7のMet285および/またはVal288;および/または第2細胞外(EC2)ループのGlu182、およびそれらの組み合わせから選ばれる1または複数のアミノ酸と相互作用する。
いくつかの実施形態において、前記化合物と相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号5に記載される、イヌGPR92受容体のヘリックス2のArg76;ヘリックス3のGly96、Phe99、Gln100、Met103および/またはCys107;ヘリックス4のThr154 および/またはHis158(His158はヘリックス4の末端である);ヘリックス5のAla193、Gly197および/またはPro201;ヘリックス6のPhe241、Phe245、Tyr248、Asn249および/またはLeu252;ヘリックス7のArg274、Met278および/またはVal281;および/またはEC2ループのGlu175を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19またはそれ以上を含む。
いくつかの実施形態において、前記化合物と相互作用するアミノ酸は、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号5に記載される、イヌGPR92受容体のArg76、Arg274、Tyr248、およびそれらの組み合わせを1または複数含む。いくつかの実施形態において、前記化合物は、さらに、GPR92受容体、たとえば、たとえば配列番号5に記載される、イヌGPR92受容体のヘリックス3のGly96、Phe99、Gln100、Met103および/またはCys107;ヘリックス4のThr154 および/またはHis158(His158はヘリックス4の末端である);ヘリックス5のAla193、Gly197および/またはPro201;ヘリックス6のPhe241、Phe245、Asn249および/またはLeu252;ヘリックス7のMet278および/またはVal281;および/またはEC2ループのGlu175、およびそれらの組み合わせから選ばれる1または複数のアミノ酸と相互作用する。
いくつかの実施形態において、前記化合物は、本明細書に記載されるGPR92受容体に相同である、たとえば、ネコまたはイヌ以外の種のGPR92における、または本明細書に記載のGPR92アミノ酸配列および/または核酸配列の変異体を発現するネコまたはイヌ由来の、GPR92受容体のアミノ酸残基に結合する
3.3 インビトロ方法
本開示の主題は、さらに、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定するインビトロ方法を提供する。
本開示の方法で使用するためのGPR92受容体としては、本明細書に記載される、単離されたまたは組み換えGPR92または細胞発現GPR92が挙げられる。いくつかの実施形態において、本開示の方法で使用するためのGPR92受容体は、配列番号4、5または6、またはその断片もしくは変異体のアミノ酸配列を有することができる。いくつかの実施形態において、本開示の方法において用いられるGPR92は、配列番号4、5または6と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその断片もしくは変異体を有することができる。いくつかの実施形態において、本開示の方法において用いられるGPR92は、配列番号1、2または3、またはその断片もしくは変異体のヌクレオチド配列を有することができる。いくつかの実施形態において、本開示の主題において用いられるGPR92としては、配列番号1、2または3と、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列、またはその断片もしくは変異体を含む受容体が挙げられる。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定する方法は、試験化合物の不在および/または存在下、GPR92の生物学的活性を測定することを含む。いくつかの実施形態において、該方法としては、さまざまな濃度の試験化合物の存在下でのGPR92の生物学的活性を測定することが挙げられる。方法は、さらに、試験化合物の不在下でのGPR92受容体の活性および/または発現と比較してGPR92受容体の活性および/または発現の調節をもたらす試験化合物を同定することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法にしたがい同定される化合物は、GPR92受容体の生物学的活性を、化合物が存在しない場合のGPR92受容体の生物学的活性と比較して、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、またはそれ以上向上させる。
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、2以上、3以上または4以上の組み合わせにおける試験化合物を分析することを含むことができる。いくつかの実施形態において、2以上、3以上または4以上の試験化合物は、別種の化合物、たとえば、アミノ酸、小化学物質および/またはタンパク質加水分解物であり得る。たとえば、これに限定するものではないが、方法は、1または複数のアミノ酸試験化合物の存在下、GPR92の生物学的活性および/または発現における1または複数の小化学試験物質の効果を分析することを含むことができる。いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定する方法は、GPR92アゴニスト、たとえば、NAG(N-アラキドノイルグリシン)、FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イル ピロホスファート)、LPA(18:0)(1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、CPA(18:1)(1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)、LPA(14:0)(1-ミリスチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、LPA(16:0)(1-パルミチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、およびLPA(18:1)(1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)の存在下、GPR92の生物学的活性および/または発現における試験化合物の効果を分析することを含む。いくつかの実施形態において、試験化合物は、ファルネシルモノホスファート (FMP)、アルキルグリセロホスファート (AGP、アルキルLPAとしても公知)、環状ホスファチジン酸(CPA);カルバ-CPA(CCPA)、2-カルバ-CPA(2CCPA)、または3-カルバ-CPA(3CCPA)であり得る。いくつかの実施形態において、試験化合物は、Williams, et al., The Journal of Biological Chemistry VOL. 284, NO. 25, pp. 17304−17319, June 19, 2009に開示されたGPR92アゴニストのいずれでもあり得る。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定する方法は、化合物が受容体を、たとえば、アゴニストまたはアンタゴニストとして直接調節するかどうかを決定することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、受容体活性の活性化または阻害において、化合物が、たとえば他の化合物の効果を増強または減縮することにより、間接的に受容体の活性を調節(たとえば、アロステリック調節因子として)するかどうかを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性および/または発現を調節する化合物を同定する方法は、細胞株中でGPR92受容体を発現すること、および試験化合物の存在および/または不在下で、受容体の生物学的活性を測定することを含む。方法は、さらに、試験化合物不在下での受容体の活性と比較して試験化合物存在下での受容体の活性に違いがあるかを決定することにより受容体の活性を調節する試験化合物を同定することを含むことができる。いくつかの実施形態において、推定GPR92調節因子の選択は、他のGPCRまたは味受容体、たとえば、旨味、脂肪酸、T1R、CaSR、など受容体でのその効果を比較することにより評価することができる。
本開示の方法における受容体の活性化は、標識化合物および/または試薬の使用によって検出することができる。いくつかの実施形態において、GPR92受容体の活性は、第2の伝達物質、これらに限定されないが、cAMP、cGMP、IP3、DAGまたはカルシウムなどの検出によって決定することができる。いくつかの実施形態において、受容体の活性は、細胞内カルシウム量の検出によって決定することができる。観察は、カルシウム感応蛍光染料などの発光または蛍光検出方法により行い得る。いくつかの実施形態において、細胞内カルシウム量は、たとえば、細胞染色、たとえばCalcium 4などの蛍光カルシウム指示薬を用いて決定することができる。いくつかの非限定的な実施形態において、カルシウム感応蛍光染料は、Fura-2 AM、Fura-2ペンタカリウム、Fura Red AM、Indo-1 AM、Indo-1ペンタカリウム、Fluo-3、Fluo-4、Fluo-8、Calcium Green-1、Calcium 3、Calcium 4、Calcium 5、Rhod-2、それらの誘導体およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細胞内カルシウム量は、カルシウム結合タンパク質、たとえばカルモジュリンへのカルシウム結合レベルを測定することによって決定することができる。代替および/または付加的に、GPR92受容体の活性は、GPR92受容体の1または複数の下流タンパク質標的のリン酸化反応、転写量および/またはタンパク質量の検出によって決定することができる。
本開示の方法で使用される細胞株としては、GPR92を発現し得ればあらゆる細胞型が挙げられる。本開示の方法において使用し得る細胞の非限定的な例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、アフリカミドリザル腎細胞 (COS細胞)、ゼノパス卵母細胞、HEK-293細胞およびマウス3T3線維芽細胞が挙げられる。いくつかの実施形態において、本方法は、HEK-293細胞においてGPR92を発現させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、COS細胞においてGPR92を発現させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、細胞は、GPR92を構成的に発現する。他の実施形態において、細胞によるGPR92の発現は誘導性である。
いくつかの実施形態において、細胞は、カルシウム結合発光タンパク質を発現し、該発光タンパク質は、カルシウム結合すると発光する。いくつかの実施形態において、カルシウム結合発光タンパク質は、タンパク質クリチンを含む。いくつかの実施形態において、クリチンは、組み換えクリチンである。いくつかの実施形態において、クリチンは、単離されたクリチン、たとえば、Clytia gregarium由来の単離クリチンを含む。いくつかの実施形態において、カルシウム結合発光タンパク質は、タンパク質エクオリン、たとえば組み換えエクオリンまたは単離されたエクオリン、たとえばAequorea victoria由来の単離エクオリンを含む。いくつかの実施形態において、カルシウム結合発光タンパク質は、タンパク質オベリン、たとえば、組み換えオベリンまたは単離されたオベリン、たとえばObelia longissima由来の単離オベリンを含む。
いくつかの実施形態において、細胞におけるGPR92の発現は、GPR92をコードする核酸を細胞に導入することにより行うことができる。たとえば、これに限定するものではないが、配列番号1、2または3に記載のヌクレオチド配列を有する核酸またはその断片を細胞に導入することができる。いくつかの実施形態において、細胞中への核酸の導入は、これらに限定されないが、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、核酸配列含有ウィルスまたはバクテリオファージベクターによる感染、細胞融合、染色体媒介遺伝子導入、マイクロセル媒介遺伝子導入、スフェロプラスト融合などの当分野において公知のあらゆる方法により実施することができる。外来遺伝子の細胞への導入について数多くの技術が当分野において公知であり(たとえば、Loeffler and Behr、 Meth. Enzymol. 217:599-618 (1993); Cohen et al., Meth. Enzymol. 217:618-644 (1993); Cline、 Pharmac. Ther. 29:69-92 (1985)参照、これらの開示は、その全体の参照によりそのまま本明細書に援用される)、本開示の主題にしたがって用いることができる。いくつかの実施形態において、該技術は、核酸が細胞により発現し得かつその子孫により継承かつ発現し得るような、核酸の細胞への安定的な一過性導入をもたらし得る。
いくつかの実施形態において、PR92受容体をコードする核酸は、細胞中に導入されるクローニングベクター、たとえば、pcDNA3.1ベクターまたはpcDNA5 TOベクターに含まれる。
いくつかの実施形態において、本方法は、GPR92に結合する化合物を同定することを含むことができる。方法は、GPR92受容体を試験化合物と接触させること、および化合物とGPR92受容体との間の結合を測定することを含むことができる。たとえば、これに限定するものではないが、方法は、無細胞系で単離されたまたは精製されたGPR92受容体を提供すること、および試験化合物がGPR92受容体に結合するかを決定するために、受容体を試験化合物と無細胞系で接触させることを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、細胞表面に発現したGPR92受容体を候化合物と接触させること、および候補化合物のGPR92受容体への結合を検出することを含むことができる。結合は、たとえば、標識した試験化合物を用いて直接的に、または間接的に測定することができる。いくつかの実施形態において、検出は、化合物がGPR92受容体への結合により生じる細胞内での生理学的事象、たとえば、細胞内カルシウム量の増加を検出することを含む。たとえば、これに限定するものではないが、検出は、カルシウム感応蛍光染料などの蛍光検出方法、発光の検出、または当分野において公知の他のあらゆる検出方法により行うことができる。いくつかの非限定的な実施形態において、カルシウム感応蛍光染料は、Fura-2 AM、Fura-2ペンタカリウム、Fura Red AM、Indo-1 AM、Indo-1ペンタカリウム、Fluo-3、Fluo-4、Fluo-8、Calcium Green-1、Calcium 3、Calcium 4、Calcium 5、Rhod-2およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの非限定的な実施形態において、インビトロアッセイは、細胞元来のGPR92を発現する細胞を含む。そのような天然型GPR92を発現する細胞としては、たとえば これらに限定されないが、イヌ(canine)および/またはネコ(feline)味細胞(たとえば、初代味受容体細胞)が挙げられる。いくつかの実施形態において、GPR92を発現するイヌおよび/またはネコ味細胞は、イヌおよび/またはネコから単離され、インビトロ培養される。いくつかの実施形態において、味受容体細胞は、たとえば、イヌおよび/またはネコから単離された細胞は培養で増殖されるように、不死化され得る。
いくつかの実施形態において、細胞におけるGPR92の発現は、GPR92遺伝子を細胞のゲノムに取り込むため、または細胞元来のGPR92遺伝子を編集または改変するために、遺伝子編集を介して、たとえば、CRISPR遺伝子編集システムの使用によって誘発される。
いくつかの実施形態において、GPR92受容体に結合する化合物を同定するインビトロ方法は、本明細書に記載のとおり、試験化合物がGPR92相互作用ドメインの1または複数のアミノ酸と相互作用するかどうか決定することを含む。
いくつかの実施形態において、GPR92の調節因子として同定された化合物は、その調節活性を確認または定量するために、さらに、他の分析方法、たとえばこれに限定されないが、インビボアッセイなどにおいて試験することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、GPR92調節因子が味を増強する化合物、たとえば、GPR92アゴニストであるかどうか決定することを含む。
いくつかの実施形態において、GPR92調節因子の同定方法は、GPR92アゴニストに対する試験化合物の効果を比較することを含むことができる。たとえば、GPR92アゴニストと接触した時、受容体の活性に比べて受容体の活性を向上させる試験化合物をGPR92調節化合物(たとえば、アゴニスト)として選択することができる。
いくつかの実施形態において、GPR92調節因子の同定方法は、受容体がアゴニストと接触する時に試験化合物が受容体の活性を調節するかどうか、あるいは試験化合物がポジティブアロステリック調節因子(PAM)の活性を調節し得るかどうかを決定することを含むことができる。受容体における該アゴニストまたはPAMの効果を増加または減少させる試験化合物は、GPR92調節化合物として(たとえば、アロステリック調節因子として)選択することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のGPR92受容体調節因子は、GPR92調節因子の塩、たとえば、これらに限定されないが、酢酸塩またはギ酸塩を含む。いくつかの実施形態において、GPR92調節因子の塩は、イオン結合を介してカチオン(+)(たとえば、これらに限定されないが、Al3+、Ca2+、Na+、K+、Cu2+、H+、Fe3+、Mg2+、NH4+およびH3+)と結合したアニオン(−)(たとえば、これらに限定されないが、Cl-、Br-、CO3 2-、HCO3 -、OH-、NO3 -、PO4 3-、SO4 2-、CH3COO-、HCOO-およびC24 2-)を含む。他の実施形態において、GPR92アゴニストの塩は、アニオン(−)とイオン結合を介してと結合したカチオン(+)を含む。
いくつかの実施形態において、本願のGPR92調節因子は、GPR92受容体、たとえば、ネコ、イヌまたはヒトGPR92、のインシリコモデリングであって、本願のGPR92アゴニストがGPR92受容体の結合部位内に収まる構造を含むインシリコモデリングを介して同定される。いくつかの実施形態において、インシリコ方法は、前述および本願の実施例部分で説明されるインシリコ方法を含む。
いくつかの実施形態において、本願のGPR92調節因子は、GPR92アゴニスト化合物が、本明細書に記載され、インビトロで細胞により発現される、GPR92受容体を活性化および/または調節する、インビトロ方法を介して同定される。いくつかの実施形態において、インビトロ方法は、前述および本願の実施例部分で説明されるインビトロ方法を含む。
本開示の主題は、以下の実施例を参照することによりより理解されるが、これら実施例は、本発明の例として示されるものであり、本発明の限定を意図するものではない。
(実施例1)−インシリコアッセイを用いるGPR92調節因子の同定
本実施例は、GPR92の推定調節因子を同定するためのネコおよびイヌGPR92のコンピュータによるモデリングを記述する。
GPR92受容体を選択的に調節するために利用することができるポリペプチド領域を同定するために、コンピュータによるアプローチがGPR92受容体の三次元構造の分析に用いられた。GPR92受容体の7膜貫通ドメインの構造的相同性モデルをタンパク質データバンク(PDB)から複数のクラスA GPCRの構造に基づいて生成した(Berman et al., Nucleic Acids Research, 28: 235-242 (2000)参照、参照によりその全体が本明細書に援用される)。I-TASSERプログラム集(Yang et al., Nature Methods, 12: 7-8 (2015)、参照によりその全体が本明細書に援用される)およびDassault Systemes(BIOVIA Corp., San Diego, CA, USA)より入手のDiscoveryStudio(DS)プログラム集からModellerソフトウエアパッケージ(Eswar et al., Curr Protoc Bioinformatics, John Wiley & Sons, Inc., Supplement 15, 5.6.1-5.6.30 (2006)、参照によりその全体が本明細書に援用される)を用いて相同性モデルを構築した。
「インシリコ」モデリングを、受容体活性部位にドッキングした化合物と相互作用するネコおよびイヌGPR92受容体の7膜貫通(7TM)ドメインのアミノ酸を同定するために用いた。クラスA GPCR受容体は、7膜貫通(7TM)ドメインを包含する。ネコ(fGPR92)、イヌ(cGPR92)およびヒト(hGPR92)由来のGPR92受容体のアミノ酸配列の配列アラインメントが実行され、全長で77%の配列同一性(図7)が示された。GPR92の7TMドメインは、7つの膜貫通ヘリックスからなる。図8−10は、fGPR92、cGPR92およびhGPR92の各7ヘリックスについて、それぞれ、配列開始、停止および範囲を示すヘリックスプロットを示す。
ネコGPR92の活性部位をライニングする残基は、ヘリックス2のArg83;ヘリックス3のGly103、Phe106、Gln107、Met110およびCys114;ヘリックス4のThr161およびHis165;ヘリックス5のAla200、Gly204およびPro208;ヘリックス6のPhe248、Phe252、Tyr255、Asn256およびLeu259;ヘリックス7のArg281、Met285およびVal288;ならびに第2細胞外(EC2)ループのGlu182を含む。特に、以下に述べるように、Arg83、Arg281およびTyr255は、相同性モデルにおいて、活性部位に結合した化合物の負に帯電した頭部基および極性部分と協働する塩橋形成および水素結合相互作用により重要な役割を果たした。
イヌGPR92残基の活性部位をライニングする残基は、ヘリックス2のArg76;ヘリックス3のGly96、Phe99、Gln100、Met103およびCys107;ヘリックス4のThr154およびHis158(His158はヘリックス4の末端である);ヘリックス5のAla193、Gly197およびPro201;ヘリックス6のPhe241、Phe245、Tyr248、Asn249およびLeu252;ヘリックス7のArg274、Met278およびVal281;ならびにEC2ループのGlu175を含む。特に、以下に述べるように、Arg76、Arg274およびTyr248は、相同性モデルにおいて、活性部位に結合した化合物の負に帯電した頭部基および極性部分と協働する塩橋形成および水素結合相互作用により重要な役割を果たした。
4つの公知のヒトGPR92結合性化合物を、ネコおよびイヌGPR92の各の7TMドメインの活性部位にドッキングした。化合物の受容体活性部位中へのドッキングをモデル化するために、ドッキングプログラムBioDock(BioPredict, Inc.(Oradell, NJ, USA)より入手)を使用した。
FPP(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-イルピロホスファート)が、ネコGPR92におけるArg83およびArg281と潜在的な塩橋相互作用および水素結合し、ならびにTyr255と水素結合を形成することを観察した(図11)。同様に、FPPが、イヌGPR92におけるArg76およびArg274と潜在的な塩橋相互作用および水素結合し、ならびにTyr248と水素結合を形成することを観察した(図12)。さらに、FPPの末尾は、ネコおよびイヌGPR92いずれととも、疎水性接触の広範なネットワークを形成した。
公知の有力なGPR92アゴニストであるLPA(18:0)(1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)(Choi et al., Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol., 292: G98-G112 (2007)参照、参照によりその全体が本明細書に援用される)が、ネコGPR92におけるArg83およびArg281と潜在的な塩橋相互作用および水素結合し、ならびにTyr255と水素結合を形成することを観察した(図13)。同様に、LPA(18:0)が、イヌGPR92におけるArg76およびArg274と潜在的な塩橋相互作用および水素結合し、ならびにTyr248と水素結合を形成することを観察した(図14)。さらに、LPA(18:0)の末尾は、活性部位の疎水性底部内に深く進入し、ネコおよびイヌGPR92いずれととも、疎水性接触の広範なネットワークを形成した。
NAG(N-アラキドノイルグリシン)が、ネコGPR92におけるArg83とArg281と潜在的な塩橋相互作用し、ならびにTyr255と水素結合を形成することを観察した(図15)。同様に、NAGが、イヌGPR92におけるArg76およびArg274と潜在的な塩橋相互作用をし、ならびにTyr248と水素結合を形成することを観察した(図16)。さらに、NAGの末尾は、活性部位の疎水性底部内に深く進入し、ネコおよびイヌGPR92いずれととも、疎水性接触の広範なネットワークを形成した。
CPA(18:1) (1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)が、ネコGPR92におけるArg83およびArg281と潜在的な塩橋相互作用および水素結合し、ならびにTyr255と水素結合を形成することを観察した(図17)。同様に、CPA(18:1)が、イヌGPR92におけるArg76およびArg274と潜在的な塩橋相互作用をし、ならびにTyr248と水素結合を形成することを観察した(図18)。さらに、CPA(18:1)の末尾は、活性部位の疎水性空洞内に深く進入し、ネコおよびイヌGPR92いずれととも、疎水性接触の広範なネットワークを形成した。
(実施例2) インビトロアッセイを用いるGPR92調節因子の同定
本実施例は、ネコGPR92活性を調節する化合物を同定するためのインビトロアッセイを記述する。
要旨:ネコリゾホスファチジン酸受容体5(fLPAR5,GPR92)の全長を合成し、pcDNA3発現ベクターにサブクローニングした。構築物は、空ベクターと並行して、CHO/natClytinレポーター細胞株にトランスフェクションした。次いで、トランスフェクション細胞を抗生物質選択し、2回の限界希釈を実施した。陽性クローンを、発光読み出しおよびリゾホスファチジン酸(LPA)参照賦活剤の14:0LPA、16:0LPAおよび18:1LPAを用いて分析した。
最高パフォーマンスのCHO/natClytin/fGPR92クローンのK1.4を、リガンド薬理学およびアッセイ信頼性のために完全最適化した。得られた結果は、HTS目的に適したfGPR92のための機能的細胞系アッセイを示す。
結果:CHO/natClytin/fGPR92細胞株は、ネコGPR92受容体をコードする発現構築物とともにCHO/natClytin細胞の安定なトランスフェクションで発生し、リゾホスファチジン酸(LPA)リガンドを用いるFLIPRTETRA装置で特性を明らかにした。
2つの最良の2°L.Dクローン第2限界希釈クローンであるK1.2と1.4を、アゴニストEC50確認、DMSO効果、シグナル経時安定性、凍結/解凍のために最適化した。K1.4を、最終検定クローンとして選択し、次いで、マルチプレート中で信頼性および再現性を明らかにした(図19)。
方法: fGPR92DNA配列を、Kozak配列および5'BamHI、3'XhoI末端をもつGeneArt(構築物16AA4JVP_fGPR92_pMK-RQ)により合成した。fGPR92をBamHI/XhoIで抽出し、同一制限酵素で切断されたpcDNA3.1発現ベクター中で一定方向にクローン化した。陽性クローンのスクリーニングのための分析は、PvuIを用いて実施し、正確なDNA断片化(4179+2324pb)を有するクローンから、クローンK3を選択し、全挿入領域の配列を確認した。
ネコLPAR5全長コード配列を、pcDNA3.1発現ベクター内にクローン化した。pcDNA3.1_fLPAR5構築物を、pcDNA3.1空ベクターと並行して、安定的にCHO/natClytin細胞株内にトランスフェクションした。トランスフェクション細胞を2mg/mLのG418の存在下で生育した。抗生物質選択およびクローンプール試験の後、トランスフェクトされた標的およびモックプールの1°第1限界希釈を実施し、セレンテラジンを含む細胞を培養することにより分析した。細胞を14:0および16:0LPAアゴニストで刺激することにより、陽性クローン選択を行った。FLIPRTETRA装置を用いて受容体依存性発光を測定した。
4つのモッククローンと並行して、10の1°第1限界希釈クローンについて、異なるアゴニスト:14:0LPA、16:0LPAおよび18:1LPAに対する応答を分析した。1°第1限界希釈選択クローンは、試験したすべての試験リガンドと良好で特定の用量反応を示した。
3つの最大応答クローンに2°第2限界希釈を実施した。クローン選択は、14:0LPAおよび16:0LPAアゴニスト刺激に基づく発光読み出しおよびを用いて行われた。次いで、6つの最良2°第2限界希釈クローンを、さらに、異なるアゴニスト:14:0LPA、16:0LPAおよび18:1LPAで特徴付けた。
2つの最良2°第2L.DクローンK1.2と1.4を、アゴニストEC50確認、DMSO効果、シグナル経時安定性および凍結/解凍のために最適化した。K1.4を、最終検定クローンとして選択し、次いで、マルチプレート中で安定性および再現性を明らかにした。
K1.4最終クローンについて、14:0LPAおよび16:0LPAを用いてHTSアッセイ信頼性および再現性を評価した。10,000細胞/ウェル、6×384MTPに播種し、24時間後に細胞を、10μMセレンテラジン(20μL/w)を含むタイロードバッファ中、37℃で3時間および室温で1時間培養した。発光測定を、以下に示す単一注入(2×最終濃度、20μL/ウェル)後、感度280000ゲインで1分間行った。
14:0LPA用量反応(3μM、1μM、0.3μM、0.1μM、30nM、10nM、3nM、1nM)の0.5%DMSO添加タイロード溶液。
0.5%DMSO添加タイロードバッファ溶液(対照参照)および14:0LPA EC100値(3μM、シグナル参照)の0.5%DMSO添加タイロードバッファ溶液。
16:0LPA用量反応(10μM、3μM、1μM、0.3μM、0.1μM、30nM、10nM、3nM)の0.5%DMSO添加タイロード溶液。
0.5%DMSO添加タイロードバッファ溶液(対照参照)および16:0LPA EC100値(10μM、シグナル参照)の0.5%DMSO添加タイロードバッファ溶液。
化合物注入後、Screenworks(著作権)ソフトウエア(Molecular Devices, バージョン3.0.1.4)を用いてFLIPRTETRA測定分析を行い、絶対応答の最大統計(RLU)として計算されたデータを出力した。RLUは、「サンプルnにおける減算バイアス」 (n=化合物注入の時点)として獲得される。
平均および標準偏差値を、Microsoft Excel ソフトウエアで出力データに基づいて算出し、次いで、値を用いて、シグモイド用量反応曲線(勾配変化のある法面)または、GraphPad PRISM(登録商標)ソフトウエア(バージョン7)によるヒストグラムを作成した。
得られた値を用いて、下記の式にしたがい、EC50値を算出した。
ECX=[(X/100−X)1/傾き]EC50
下記の式にしたがい、ロバストZプライム(rZ’)、最小(対照参照,CR)ウェルシグナルおよび最高(シグナル参照,SR)ウェルシグナルについて、プレート内ばらつきおよびプレート間ばらつきを算出した。
Figure 2019520789
細胞株、培地および培養条件
CHO/natClytin細胞を、natClytin発光タンパク質耐性として、5mLの100mMピルビン酸ナトリウム(BioWittaker cat.BE13−115E)、25mLの7.5%炭酸水素ナトリム(BioWittaker cat.BE17−613E)、6.5mLの1M Hepes(BioWittaker cat.BE17−737E)、5mLの100×ペニシリン/ストレプトマイシン(BioWittaker cat. DE17−602E)、50mLのウシ胎児血清(Euroclone cat. No.:ECS 0180L)および0.25mLの10mg/mLピューロマイシン(InvivoGen cat. Ant-pr-1)を添加した培地DMEM F−12(1:1)混合物(BioWittaker cat.BE04−687F/U1)で培養した。
2mg/mLのG418(InvivoGen cat. Ant-gn-5)を添加した標準培地を用いてCHO/natClytin/fLPAR5細胞を選択し、次いで1mg/mLのG418を添加した標準培地で保持した。
細胞維持および増殖
標準増殖条件は、T75フラスコ中3×10細胞固定し、約8−10×10細胞/T75フラスコ(3−4日後)を回収することからなる。代わりに、70−80%コンフルエントな細胞集団を3−4日ごとに1:20−1:30希釈した。384MTPにおける実験のための標準播種条件は、10,000細胞/ウェルで播種し、24時間後に分析した。細胞を穏やかなPBS洗浄により分割し、次いでトリプシン−EDTA溶液とともに37℃で5分培養した。分離された細胞を完全培地で希釈し、BECKMAN COULTER Z1TM 粒子計数機を用いて計数し、所望数の細胞を新たなフラスコに固定するかまたは付着性実験に使用した。
凍結培地を以下のとおり調製した:90%FBS+10%DMSO。凍結条件は、1mLの凍結培地中、8−10×10細胞(70−80%コンフルエンス)であった。解凍手順は以下の通りであった:細胞を液体窒素から取り出し、ただちに37℃水浴中に浸漬してすばやく解凍する。解氷後ただちに、70%エタノールまたは同等物でバイアルの外側を滅菌する:完全培地を含むT75フラスコにバイアルの内容物を移す。フラスコを37℃、5%CO2を含む加湿培養器内に置く。翌日、回復をチェックし、付着細胞が80%のコンフルエンスに達する継代培養を行う。
バッファおよびリガンド
タイロードバッファ/ハウス溶液(130mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、5mM NaHCO、20mM HepesのpH7.4水溶液;滅菌濾過し、加圧滅菌した。)。
LPAリガンド:14:0LPA (1-ミリスチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート,ナトリウム塩)、Avanti Polar Lipids,cat. 857120P;16:0LPA(1-パルミチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート,ナトリウム塩)、Avanti Polar Lipids,cat. 857123P;18:1 LPA (1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート,ナトリウム塩)、Avanti Polar Lipids,cat. 857130P。
37℃で加温し、Branson 3200 超音波水槽内で20分間超音波処理して調製された100%DMSO中の5mMストック溶液。ガラス瓶中−20℃で保存されたアリコート。用量反応は、常に、脂肪酸フリーの0.01%BSAが添加されたがタイロードバッファが調製され、ただちに使用された。ウシ胎児血清(BSA)脂肪酸フリー:Sigma,cat. A8806、使用直前に調製された1%タイロードバッファ溶液。セレンテラジン:PharmaTech Int.,cat. CAS 55779-48-1,DMSO−グルタチオンで調製された10mMストック溶液、−20℃でアリコート中で保存された。希釈標準液は、使用直前にタイロードバッファで調製された。
機器および消耗品
実験作業は、ICCDカメラFLIPRTETRA(Molecular Devices社)を用いて行った。分析は、384ウェルポリスチレン検定プレート中で行った。細胞培養フラスコ:75cmフラスコ CORNING,cat. 430641。試験プレート:384ウェル組織培養処理マイクロプレート(MTP),ブラック/透明底板:MATRIX cat. 4332。化合物プレート:384ウェル:ポリプロピレン検定プレート,V底:MATRIX,cat. 4312.
本開示の主題およびその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本明細書においてさまざまな変更、置換および改変がなされ得ると理解されよう。さらに、本発明の範囲は、本明細書に記載された具体的な実施形態のプロセス、装置、製造および物質の組成、手段、方法および工程に限定されることを意図するものではない。本開示の主題の説明から当業者は容易に理解するとおり、本明細書に存在するか、または本明細書に開示された実施形態に対応して実質的に同等の機能を果たすかもしくは実質的に同等の結果を達成するものとして後から開発されるプロセス、装置、製造および物質の組成、手段、方法および工程は、本開示の主題にしたがい利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、装置、製造、物質の組成、手段、方法またはステップをその範囲内に包含することが意図されている。
本明細書に引用される特許、特許出願、刊行物、製品の説明およびプロトコルの開示は、あらゆる目的のためにそのすべてが参照により本明細書に援用される。

Claims (18)

  1. GPR92受容体の活性を調節する組成物を同定する方法であって、
    (a)試験薬をGPR92受容体と接触させる工程、
    (b)GPR92受容体の活性を決定する工程、および
    (c)GPR92受容体の活性を増加させる試験薬を前記組成物として選択する工程
    を含む方法。
  2. 前記GPR92受容体が、配列番号4のアミノ酸配列を含むネコGPR92受容体および配列番号5のアミノ酸配列を含むイヌGPR92受容体からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. GPR92受容体の活性を調節する組成物を同定する方法であって、
    (a)試験薬をGPR92受容体と接触させる工程、
    (b)前記試験薬と、7膜貫通ドメイン(7TM)の1または複数のアミノ酸との相互作用を決定する工程、および
    (c)1または複数の前記アミノ酸と相互作用する試験薬を前記組成物として選択する工程
    を含む方法。
  4. 前記GPR92受容体が、配列番号4のアミノ酸配列を含むネコGPR92受容体および配列番号5のアミノ酸配列を含むイヌGPR92受容体からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記GPR92受容体が、ネコGPR92受容体であり、かつ前記方法が、前記試験薬と、ヘリックス2のArg83;ヘリックス3のGly103、Phe106、Gln107、Met110および/またはCys114;ヘリックス4のThr161および/またはHis165;ヘリックス5のAla200、Gly204および/またはPro208;ヘリックス6のPhe248、Phe252、Tyr255、Asn256および/またはLeu259;ヘリックス7のArg281、Met285および/またはVal288;および/または第2細胞外(EC2)ループのGlu182からなる群より選択される7TMの1または複数のアミノ酸との相互作用を決定する工程を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記GPR92受容体が、イヌGPR92受容体であり、かつ前記方法が、前記試験薬と、ヘリックス2のArg76;ヘリックス3のGly96、Phe99、Gln100、Met103およびCys107;ヘリックス4のThr154およびHis158;ヘリックス5のAla193、Gly197およびPro201;ヘリックス6のPhe241、Phe245、Tyr248、Asn249およびLeu252;ヘリックス7のArg274、Met278およびVal281;ならびにEC2ループのGlu175からなる群より選択される7TMの1または複数のアミノ酸との相互作用を決定する工程を含む、請求項3に記載の方法。
  7. 工程(a)後に、前記GPR92受容体の活性を決定する工程をさらに含む、請求項3から6のいずれかに記載の方法。
  8. GPR92受容体リガンドを前記GPR92受容体に接触させる工程をさらに含む、請求項3から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記GPR92受容体の活性を増加させる試験薬を前記組成物として選択する工程(c)をさらに含む、請求項3から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記相互作用が、部位特異的突然変異誘発、X線結晶解析、X線分光分析、核磁気共鳴(NMR)、架橋結合評価、質量分析、電気泳動、置換分析、およびそれらの組み合わせにより決定される、請求項3から6のいずれかに記載の方法。
  11. GPR92受容体の活性を調節する組成物を同定する方法であって、
    (a)GPR92受容体アゴニストをGPR92受容体と接触させ、該GPR92受容体の活性を決定する工程、
    (b)試験薬を前記GPR92受容体と接触させ、該GPR92受容体の活性を決定する工程、および
    (c)(b)の活性が(a)の活性より大きい時、前記試験薬を前記組成物として選択する工程
    を含む方法。
  12. 前記GPR92受容体アゴニストが、NAG(N-アラキドノイルグリシン)、 FPP(3、7、11-トリメチル-2、6、10-ドデカトリエン-1-イル ピロホスファート)、 LPA(18:0)(1-ステアロイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、CPA(18:1)(1-オレオイル-sn-グリセロ-2、3-環状ホスファート)、LPA(14:0)(1-ミリスチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、LPA(16:0)(1-パルミチル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、LPA (18:1)(1-オレオイル-2-ヒドロキシ-sn-グリセロ-3-ホスファート)、ファルネシルモノホスファート (FMP)、アルキルグリセロホスファート (AGP、アルキルLPAとしても公知)、環状ホスファチジン酸 (CPA); カルバ−CPA(CCPA)、2-カルバ−CPA(2CCPA)、3-カルバ−CPA(3CCPA) およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記GPR92受容体が、配列番号4のアミノ酸配列を含むネコGPR92受容体および配列番号5のアミノ酸配列を含むイヌGPR92受容体からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記GPR92受容体が、細胞により発現され、かつ前記試験薬が該細胞と接触される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記細胞がカルシウム結合発光タンパク質を発現する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記カルシウム結合発光タンパク質が、クリチン、エクオリン、オベリン、それらのあらゆる組み換え体もしくは単離体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 細胞内カルシウム量が発光検出または蛍光検出により観察される、請求項14に記載の方法。
  18. 前記蛍光検出が、Fura-2 AM、Fura-2ペンタカリウム、Fura Red AM、Indo-1 AM、Indo-1ペンタカリウム、Fluo-3、Fluo-4、Fluo-8、Calcium Green-1、Calcium 3、Calcium 4、Calcium 5、Rhod-2、それらの誘導体およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
JP2018552234A 2016-04-14 2017-04-14 Gpr92の調節因子の同定方法 Active JP7039483B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662322601P 2016-04-14 2016-04-14
US62/322,601 2016-04-14
PCT/US2017/027626 WO2017181008A1 (en) 2016-04-14 2017-04-14 Methods for identifying modulators of gpr92

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019520789A true JP2019520789A (ja) 2019-07-25
JP7039483B2 JP7039483B2 (ja) 2022-03-22

Family

ID=60042704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018552234A Active JP7039483B2 (ja) 2016-04-14 2017-04-14 Gpr92の調節因子の同定方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11237177B2 (ja)
EP (2) EP3442992B1 (ja)
JP (1) JP7039483B2 (ja)
CN (1) CN109071608A (ja)
AU (1) AU2017250779B2 (ja)
CA (1) CA3018885A1 (ja)
MX (1) MX2018012423A (ja)
RU (1) RU2742608C2 (ja)
WO (1) WO2017181008A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020051551A1 (en) * 2018-09-07 2020-03-12 Mars, Incorporated Compounds that modulate gpr92 receptor activity and pet food products containing the same

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005119263A2 (en) * 2004-06-03 2005-12-15 Bayer Healthcare Ag Diagnostics and therapeutics for diseases associated with g protein-coupled receptor 92 (gpr92)
WO2006003877A1 (ja) * 2004-06-30 2006-01-12 Dainippon Sumitomo Pharma Co., Ltd. 受容体リガンド
WO2006040534A2 (en) * 2004-10-11 2006-04-20 Paradigm Therapeutics Limited Method of detecting the presence or activity of g - protein coupled receptor 92 (gpr92)
JP2006513702A (ja) * 2002-09-09 2006-04-27 ヌラ インコーポレーティッド Gタンパク質共役受容体およびその使用
JP2013512664A (ja) * 2009-12-02 2013-04-18 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 味覚受容体の潜在的モジュレーター化合物をスクリーニングする改善された方法
WO2014199114A1 (en) * 2013-06-14 2014-12-18 Mars Incorporated Methods

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5851853A (ja) 1981-09-18 1983-03-26 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd リン脂質混合物の処理法
JPH0614711A (ja) 1992-07-01 1994-01-25 Kao Corp 加熱調理用油脂組成物
JP3419957B2 (ja) 1995-06-06 2003-06-23 花王株式会社 味覚改質剤
US20030017528A1 (en) * 1998-11-20 2003-01-23 Ruoping Chen Human orphan G protein-coupled receptors
US7524638B1 (en) * 2003-06-27 2009-04-28 Osi Pharmaceuticals, Inc. Methods for identification of modulators of OSGPR114 or OSGPR78 activity, and their use in the treatment of disease
EP2292104A1 (en) * 2009-08-13 2011-03-09 Nestec S.A. A flavour active composition
AU2011297961B2 (en) 2010-09-02 2015-07-02 Merck Patent Gmbh Pyrazolopyridinone derivatives as LPA receptor antagonists

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006513702A (ja) * 2002-09-09 2006-04-27 ヌラ インコーポレーティッド Gタンパク質共役受容体およびその使用
WO2005119263A2 (en) * 2004-06-03 2005-12-15 Bayer Healthcare Ag Diagnostics and therapeutics for diseases associated with g protein-coupled receptor 92 (gpr92)
WO2006003877A1 (ja) * 2004-06-30 2006-01-12 Dainippon Sumitomo Pharma Co., Ltd. 受容体リガンド
WO2006040534A2 (en) * 2004-10-11 2006-04-20 Paradigm Therapeutics Limited Method of detecting the presence or activity of g - protein coupled receptor 92 (gpr92)
JP2013512664A (ja) * 2009-12-02 2013-04-18 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 味覚受容体の潜在的モジュレーター化合物をスクリーニングする改善された方法
WO2014199114A1 (en) * 2013-06-14 2014-12-18 Mars Incorporated Methods

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
GENOME RESEARCH, vol. 17, no. 11, JPN6021014043, 2007, pages 1675 - 1689, ISSN: 0004490724 *
JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 283, no. 30, JPN6021014042, 2008, pages 21054 - 21064, ISSN: 0004490723 *
JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 284, no. 25, JPN6021014046, 2009, pages 17304 - 17319, ISSN: 0004703757 *
NATURE, vol. 463, no. 7279, JPN6021014045, 2010, pages 311 - 317, ISSN: 0004490725 *

Also Published As

Publication number Publication date
US11237177B2 (en) 2022-02-01
RU2742608C2 (ru) 2021-02-09
CA3018885A1 (en) 2017-10-19
MX2018012423A (es) 2019-03-01
EP4428537A2 (en) 2024-09-11
EP3442992B1 (en) 2024-04-10
RU2018139870A3 (ja) 2020-08-03
JP7039483B2 (ja) 2022-03-22
EP3442992A4 (en) 2019-10-09
RU2018139870A (ru) 2020-05-14
AU2017250779A1 (en) 2018-10-25
EP3442992A1 (en) 2019-02-20
CN109071608A (zh) 2018-12-21
WO2017181008A1 (en) 2017-10-19
AU2017250779B2 (en) 2022-03-10
US20190170772A1 (en) 2019-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10775375B2 (en) Methods for identifying modulators of calcium-sensing receptors
AU2018282381B2 (en) Methods
US11237155B2 (en) Screening methods using olfactory receptors and novel compounds identified using the same
JP7039483B2 (ja) Gpr92の調節因子の同定方法
US20220120734A1 (en) Screening methods using canine t2r receptors and pet food products and compositions identified using the same
US20220087288A1 (en) Screening methods using gprc6a taste receptors and pet food products and compositions prepared using the same
JPWO2020017504A1 (ja) ウナギのための嗜好性成分をスクリーニングする方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210421

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7039483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150