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JP2019200002A - 加熱調理装置 - Google Patents

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JP2019200002A
JP2019200002A JP2018095229A JP2018095229A JP2019200002A JP 2019200002 A JP2019200002 A JP 2019200002A JP 2018095229 A JP2018095229 A JP 2018095229A JP 2018095229 A JP2018095229 A JP 2018095229A JP 2019200002 A JP2019200002 A JP 2019200002A
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佐登志 古澤
Satoshi Furusawa
佐登志 古澤
太田 勝之
Katsuyuki Ota
勝之 太田
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Abstract

【課題】加熱に伴う食材の重量変化から、食材の品質を個体情報として抽出するとともに、この個体情報と、調理中の火力および食材の重量変化に基づいて、調理中の食材の芯部温度を推定することにより、個体差がある食材に対しても調理の進行度合いを高精度に推定する。【解決手段】食材を加熱する加熱部3と、前記加熱部を駆動する制御部4と、前記食材の重量を計測し、計測結果を重量情報として出力する重量計測部7と、加熱する食材のメニューおよび前記加熱部の火力を調整する火力情報が入力される入力部である操作表示部8と、前記入力部で入力された食材のメニューに対応する調理情報が記憶されている情報記憶部17と、前記重量情報および前記調理情報から、前記食材の品質を抽出し、抽出結果を個体情報として出力する抽出部19と、前記個体情報と前記火力情報および前記重量情報に基づいて、前記食材の調理進行度合いを推定する推定部20を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、宅内における台所空間や、外食産業、食品小売業およびホテルなどの業務用厨房施設内に設置される加熱調理装置に関するものである。
宅内における台所空間や、業務用の厨房施設内に設置される代表的な加熱調理装置として、オーブンや、IHヒータなどの熱源により鍋、フライパンを加熱するコンロが挙げられる。これらの加熱調理装置では、本来の加熱機能に加え、調理の簡易化を目的とした機能、例えば、生焼けや焼きすぎといった調理の加減を監視する機能の搭載も進んでいる。こうした機能の実現においては、調理中の食材の芯部温度を知ることは極めて重要となる。一般的に、食材の芯部温度は、食材の可食部に、先端を針状とした温度センサを直接差込むことで簡易に計測できる。しかしながら、その利用においては、食材に針穴が残るといった出来栄えへの影響や、センサの衛生管理や後片付けといった手間の観点で課題を残している。
上述した課題を解決するため、容器の温度と食材の重量変化から、調理中の食材の内部状態を推定するといった発明が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許第5047216号公報 独国特許出願公開第10353299号明細書
特許文献1および、特許文献2は、共に、加熱調理装置本体内に容器と一緒に食材の重量を計測する重量計測部と、容器の温度を測定する温度検知部とを備えた構成である。
特許文献1は、加熱前の食材の初期重量と加熱に伴う食材の重量変化を検知するとともに、加熱中の食材の重量が、予め装置内に記憶している該当食材の初期重量に応じた仕上がりの重量に至るタイミングで加熱を終了させる。
しかしながら、同種の食材であっても、提供する形態によっては、個体差や品質差を含み得ることから、仕上がりのタイミングが個体毎にばらつくことは容易に類推される。例えば、畜肉の指定部位を、切り身等の食材形態にカッティングした場合、カッティングされた個体には、形状(表面積、厚さなど)や物性(脂肪の付着度合いやサシの度合いなど)などの品質にばらつきを含んでいる。特に、前者は主に熱抵抗や熱容量、後者は熱伝導率や比熱等に関係付けられることから、食材品質のばらつきは、調理中の食材内の熱の伝わり方に影響を与える。結果として、予め記憶している情報に基づいたタイミングで食材の加熱を終了させた場合には、食材の個体差や品質差に対応できず、最適な仕上がりから乖離してしまうという課題がある。
一方、特許文献2は、食材の時間当たりの重量変化と、供給された加熱エネルギーの継時的な推移から食材の化学ポテンシャルを算出し、その化学ポテンシャルの変化から、食材の状態を非破壊で推定する。この考え方に従い、計測した時間当たりの重量変化と供給した加熱エネルギーの継時的な推移から算出した化学ポテンシャルと、予め記憶装置内に
収めた食材の化学ポテンシャルの情報を比較することにより、調理されている食材が推定できる旨が説明されている。
しかし、先述したように、同種の食材であっても、個体毎に品質がばらつく場合には、調理中に算出した化学ポテンシャルと、記憶装置内に記憶されている食材の化学ポテンシャルが乖離することから、調理後の食材の芯部温度、すなわち、仕上がりの状態を揃えることが難しくなるという課題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためのもので、加熱に伴う食材の重量変化から、食材の品質を個体情報として抽出するとともに、この個体情報と、調理中の火力および食材の重量変化に基づいて、調理中の食材の芯部温度を推定することにより、個体差がある食材に対しても調理の進行度合いを高精度に推定することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理装置は、
食材を加熱する加熱部と、
加熱部を駆動する制御部と、
食材の重量を計測し、計測結果を重量情報として出力する重量計測部と、
加熱する食材のメニューおよび加熱部の火力を調整する火力情報が入力される入力部と、入力部で入力された食材のメニューに対応する調理情報が記憶されている情報記憶部と、重量情報および調理情報から、食材の品質を抽出し、抽出結果を個体情報として出力する抽出部と、
個体情報と火力情報および重量情報に基づいて、食材の調理進行度合いを推定する推定部を有している。
この構成により、加熱に伴う食材の重量変化から、食材の個体毎の特徴を個体情報として抽出するとともに、この個体情報と、調理中の火力および食材の重量変化に基づいて、食材の調理進行度合いを推定することで、利用者が好みの火力で調理した場合においても、食材の個体差に係らず、精度よく仕上がりのタイミングを判断する加熱調理装置を提供することができる。
本発明の加熱調理装置は、食材の個体情報を抽出した上で、その個体情報と火力情報および重量情報を用いて食材の芯部温度を推定することで、個体差がある食材に対しても精度よく仕上がりのタイミングを判断できるので、利用者の調理の熟練度に依らず、調理食材を最適に仕上げることができるものである。
本発明の第1の実施の形態における加熱調理装置の概略構成を示す断面図 同加熱調理装置の概略構成を示す斜視図 同加熱調理装置の要部を示す断面図 同加熱調理装置を用いて調理を行なう場合の動作説明図 同加熱調理装置の各調理ステップにおける食材の重量および芯部温度特性図 同加熱調理装置の抽出部の動作説明図 本発明の第2の実施の形態における加熱調理装置の動作説明図 同加熱調理装置の各調理ステップにおける食材の重量および芯部温度特性図
第1の発明の加熱調理装置は、
食材を加熱する加熱部と、
加熱部を駆動する制御部と、
食材の重量を計測し、計測結果を重量情報として出力する重量計測部と、
加熱する食材のメニューおよび加熱部の火力を調整する火力情報が入力される入力部と、入力部で入力された食材のメニューに対応する調理情報が記憶されている情報記憶部と、重量情報および調理情報から、食材の品質を抽出し、抽出結果を個体情報として出力する抽出部と、
個体情報と火力情報および重量情報に基づいて、食材の調理進行度合いを推定する推定部を有するものである。
これにより、加熱に伴う食材の重量変化から、食材の個体毎の特徴を個体情報として抽出するとともに、この個体情報と、調理中の火力および食材の重量変化に基づいて、食材の調理進行度合いを推定することで、利用者が好みの火力で調理した場合においても、食材の個体差に係らず、精度よく仕上がりのタイミングを判断する加熱調理装置を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の推定部が、
抽出部から出力された個体情報と火力情報および重量情報から、加熱による食材の重量変化を推定し、該推定結果を推定重量情報として出力する重量推定部と、
推定重量情報と重量情報を比較し、比較結果に応じて個体情報を更新する個体情報更新部を備えるものである。
これにより、個体情報に基づく推定重量と調理中の重量情報の比較結果に応じて、都度、食材の個体情報を更新するので、調理の過程で、食材が加熱前の状態から変化した場合、例えば、加熱により食材の加熱面のコゲや凝固などの変性が生じた場合においても、精度よく仕上がりのタイミングを判断する加熱調理装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、本実施の形態における加熱調理装置は、食材を収納し食材に熱を伝える容器1と、容器1を載置するためのトッププレート2と、容器1を介して食材を加熱する加熱部3と、加熱部3に接続され加熱部3の火力を制御する制御部4と、上面をトッププレート2で構成して加熱部3と制御部4を内蔵する筐体5と、支持部6と、食材の重量を計測し、計測結果を重量情報として出力する重量計測部7とを備える。
また、利用者による操作入力や、加熱調理装置からの出力情報を表示するための入力部である操作表示部8は、制御部4に接続されるとともに、利用者から見える位置に配置されている。この操作表示部8は、加熱する食材のメニューや調理時の加熱部3の火力を調整する火力情報などを入力する機能と、重量計測部7で計測した重量などを表示する表示機能を有している。
本実施の形態においては、加熱部3を加熱コイルで構成するとともに、制御部4内に、加熱部3に供給する高周波電流を駆動するインバータ9と、該高周波電流の駆動条件を制御する駆動部10を構成している。この構成により、加熱コイルに高周波電流を供給した際に生じる高周波磁界で容器1を誘導加熱する。
なお、駆動部10は、操作表示部8を介した利用者からの入力情報や、インバータ9の電流、電圧、電力等の情報に基づいて、加熱コイルに流れる高周波電流を制御することにより、調理時の火力を調整するもので、主にマイクロコンピュータとその周辺回路によって構成されている。
筐体5は、その下半分を1mm程の肉厚の鋼板11で構成している。この鋼板11部分は、上面が開放した箱状となっている。箱状となった上端部分は、箱の外側方向に折り曲げられてフランジを形成している。このフランジは、トッププレート2の下面と当接されており、ねじ等でトッププレート2と固定されることで、鋼板11部分とトッププレート2により略密閉された空間を形成し、筐体5を構成している。加熱部3と制御部4は、筐体5で形成された略密閉された空間に内蔵されている。
図2は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理装置の概略構成を示す斜視図である。特に、支持部6の周辺構成を示している。
図1と図2において、支持部6は、筐体5の下半分を形成する鋼板11と略同様の形状であるフランジを持つ箱状の鋼板で構成され、鋼板11部分が収納出来るように一回り大きい形となっている。また、支持部6の底面は大きく開口しており、支持部6の強度を確保しつつ、重量を出来るだけ低く抑えるよう配慮されている。支持部6のフランジは、筐体5を収納した際に、トッププレート2からはみ出さないような幅となっている。また、支持部6の高さは、筐体5を収納した際に、トッププレート2と支持部6のフランジとの間に1mm程度の空隙が出来るように設定されている。さらに、支持部6のフランジ以外の部分は、調理等を行う載置台12であるキッチン台の開口部に収納され、フランジ部分が載置台12であるキッチン台の開口部端部に吊り下がるような寸法として設置される。つまり、支持部6は、筐体5とともに載置台12に収納されるとともに、そのフランジ部分が載置台12であるキッチン台の開口部に吊り下がるようにして載置され、支持部6のフランジとトッププレート2との間には空隙が設けられるような位置関係にある。
このような位置関係で筐体5及び支持部6が載置台12であるキッチン台に設置された際、載置台12であるキッチン台の表面から上に出る部分の高さは、トッププレート2の厚み(約4mm)、支持部6の鋼板の厚み(約1mm)およびトッププレート2と支持部6のフランジ間の空隙(約1mm)の合算値:約6mm程度に抑制されている。
図3は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理装置の要部を示す断面図である。特に、重量計測部7の周辺構成を示している。
図1ないし図3において、重量計測部7は、重量センサ13であるロードセル、筐体5を構成する鋼板11との固定接続部14、筐体5や容器1等の荷重を支持部6へ伝えるための荷重伝達部15からなる。重量センサ13であるロードセルは、貫通孔を設けたビーム型と呼ばれるもので、部品高さは約2cmにはなるが非常に精度に優れたものを採用している。また、荷重伝達部15の先端は凸状のレンズ形状となっており、支持部6の相当する部分に設けられた凹状のレンズ形状の荷重受け部16に載置されるようになっている。これは、荷重伝達部15と荷重受け部16とが点接続され、重量計測部7に対して出来るだけ鉛直方向に荷重がかかるよう、水平方向からの荷重が発生しないようにするためのものである。
支持部6は、筐体5の鋼板11部分を収納出来るように一回り大きな形となっており、またその高さは筐体5を収納した際に、トッププレート2と支持部6のフランジとの間に1mm程度の空隙が出来るように設定されているため、筐体5と支持部6は、重量計測部7のみを介して接続されている位置関係にある。つまり、筐体5は、載置台12であるキ
ッチン台の開口部の開口面よりも低い位置で重量計測部7を介して支持部6によって支えられ、重量計測部7は、筐体5及びトッププレート2上に載置された容器1等の被載置物の重量を検知する状態となる。
重量計測部7は、図2に示すように、筐体5の底面四隅に配置され、それぞれに印加される荷重を検知する。重量計測部7が検知した出力信号は、重量情報として制御部4に伝達される。
また、重量計測部7は、筐体5外の底面に配置されることになる。つまり、重量計測部7は、筐体5と支持部6の間に配置されることになる。このような配置によって、長期間の使用や衝撃等の影響によって重量計測部7の性能が十分に発揮出来ないような状況となった場合であっても、筐体5ごと交換するのではなく、重量計測部7だけを交換し、継続して使用することが容易となっている。
制御部4は、加熱部3を制御する駆動部10の他に、利用者が操作表示部8で入力した食材のメニューに対応する調理情報を記憶した情報記憶部17と、情報記憶部17に記憶された調理情報と、調理中に重量計測部7から出力される重量情報および調理中の火力情報に基づいて、調理の仕上がりを判定する判定部18を備えている。
また、情報記憶部17に記憶されている調理情報には、例えば、容器1の予熱温度、仕上がり時の食材の芯部温度および各調理工程における火力設定といった調理段取りに関する情報や、たとえば、形状や物性の違いといった食材の品質毎に記述された加熱中の重量情報や芯部の温度変化に関する情報などが含まれている。なお、これらの調理情報は、過去の実調理において得られた知見や経験値に基づくものであっても良い。
判定部18は、重量計測部7から出力される重量情報を、情報記憶部17に記憶されている予め調理情報に記述されている重量情報に参照し、対象食材の品質を抽出するとともに、抽出結果を個体情報として出力する抽出部19と、抽出部19で抽出した個体情報と調理中の火力情報および重量計測部7で観測される食材の重量情報に基づいて、食材の調理の進行度合いを推定する推定部20を備えている。
以上のように構成された本実施の形態1における加熱調理装置において、図4、図5および図6を用いて、一連の動作を説明する。
図4は、本実施の形態における加熱調理装置を用いて調理を行う場合の動作説明図、図5は、本実施の形態における加熱調理装置を用いて調理を行う場合の調理開始から完了までの各ステップにおける食材の重量および芯部温度を示す特性図、図6は、本実施の形態における加熱調理装置を用いて調理を行う場合の抽出部の動作説明図である。
本実施の形態の加熱調理装置における調理開始から完了までの一連の動作は、準備ステップ、抽出ステップ、推定ステップ、完了ステップの4つのステップで順次構成されている。
(準備ステップ)
準備ステップでは、利用者は、トッププレート2上の加熱領域に、フライパンなどの容器1を配置した上で、容器1に油を入れるなどの調理前の準備を行う。準備が整った後に、利用者は、操作表示部8を介して、食材種別(牛、豚、鶏、魚など)と、調理種別(焼、揚など)および仕上がり(例えば、牛肉なら、レア、ミディアム、ウェルダン)などの調理メニューを入力した上で、調理の開始を指示する。
この指示に従い、重量計測部7は、容器1の重量を計測し、計測した重量を基準重量として記憶し、以降の計測結果から該基準重量を減じた正味重量を重量情報として制御部4に出力する。一方、制御部4は、容器1の温度が予め調理メニューに対応付けられたと予熱温度となるよう加熱部3に高周波電流を供給し、容器1を加熱するとともに、重量計測部7から出力される重量情報を得る。制御部4は、重量計測部7から得られた重量情報を食材の重量として操作表示部8に表示する。
例えば、食材として「牛肉」、調理方法として「焼き調理」と入力した場合、制御部4は、当該メニューに対応付けられた予熱温度(170℃)となるように、容器1を加熱する。
なお、容器1の温度の計測は、トッププレート2の加熱領域直下に配した温度検知部(図示せず)で行い、例えば、温度により抵抗値が変化するサーミスタ部品や、容器1の底面から輻射される輻射エネルギーを検知する放射温度センサ等により検知できる。温度検知部で計測した容器1の温度情報は制御部4に出力される。
この後、制御部4は、容器1が目標の予熱温度に到達した時点で、操作表示部8から利用者に準備が整った旨を報知し、これに呼応して、利用者は食材を容器1に投入する(図5中、時間ts)。
(抽出ステップ)
抽出ステップの期間中、制御部4は、準備ステップの火力を維持しながら、投入された食材を所定の期間(例えば、2分間)加熱する(図5上段)。また、重量計測部7は、準備ステップから継続して重量情報を出力するとともに、食材投入時の重量情報、或いは、投入した後、重量の変動が概ね収束したタイミングにおける重量情報を食材の初期重量として情報記憶部17に記憶する。
図6に示すように、本抽出ステップにおける加熱により、時間の経過とともに食材の芯部は昇温し、これに伴って、食材の重量は、初期重量(M0)から単調に減少する(図5および図6中、実線)。この重量の減少は、蓄肉を例にとれば、食材に含まれるたんぱく質が吸熱作用により離水し、その際に生じた水分が容器1内で再加熱され蒸発する現象として説明されるものである。
抽出部19では、情報記憶部17に記憶されている予め調理情報内に食材の品質毎(品質1〜4)に記述されている重量情報(図6中、破線)の中から、重量計測部7から出力される重量情報(図6中、実線)とよく一致する品質(品質2)を抽出し、品質2およびこれに紐づいた重量情報や芯部温度の情報を、調理中の食材の個体情報として推定部20に出力する。
ここで、食材の品質と、加熱中の重量情報や芯部の温度変化の関係について、蓄肉における食材の組成や形状を例に説明する。
蓄肉の可食部は、主に、たんぱく質や脂質などで構成され、食材中の脂質の含量の多少に応じ、たんぱく質の含量が相対的に少多する。この内、加熱にともなう重量減少は主にたんぱく質で生じることから、例えば、霜降り肉のようなたんぱく質の含量が少ない食材では、単位時間あたりの重量の減少量が抑制される傾向となる。また、形状として厚みを例にとると、肉厚の食材では、食材の加熱面から芯部までの距離が長く、この距離に応じて芯部への熱の伝わり方が緩慢となる。このような食材では、目標の芯部温度に到達するまでにより多くの時間を要するとともに、これに応じて単位時間あたりに食材から離水される水量が減少することから、結果として、調理中の食材の重量減少が鈍化する傾向とな
る。
なお、説明の簡単の為、本実施の形態では、準備ステップと抽出ステップの火力を共通としているが、これに拘らず、たとえば、予め、調理メニューに対応付けられた調理情報に抽出ステップ中の火力を記憶しておき、抽出ステップに移行するタイミングにおいて該火力に切り替える構成でもかまわない。
なお、抽出部19において、重量情報の比較結果の指標として用いられる一致度や相関性は、例えば、双方の重量情報の差分を逐次演算し、これらの平均値を求めることにより導出することができる。
なお、食材の厚みなど、スケールなどを使って簡単に測ることができる量については、利用者がメニュー入力と併せて、厚み情報を入力可能とすることにより、抽出部19における演算量を軽減することができる。
(推定ステップ)
抽出ステップにおいて食材の個体情報の抽出が完了した後、推定ステップでは、利用者は、自身の好みの火力となるよう火力を調整し、食材を加熱することができる。
この推定ステップ中、操作表示部8は、現状の火力の設定を火力情報として制御部4に出力する。仮に、利用者による火力の調整があった場合(図5中、時間tc)は、推定部20は、この火力情報と抽出ステップで抽出した個体情報(品質2)から、以降の食材の芯部温度の時間応答を推定する。
ここで、食材の芯部温度を所定温度に上げるために要する時間は、たとえば、容器1からの放熱や容器1の熱容量といった影響を無視すると、食材を加熱する火力量に略反比例する。例えば、品質、重量が同じ食材であれば、火力が大きいほど、所定の芯部温度に至るまでの時間が短くなる。従って、この関係を用いて、利用者の好みで火力を調整した場合においても、火力量と個体情報から、火力に応じた食材の芯部温度の昇温速度を求めることにより、以降の芯部温度の推移を精度よく推定することができる。
この推定ステップにおいて、仕上判定として推定した芯部温度(図5中、点線)が目標温度(図5中、T1)に到達した時点で、加熱中の食材の仕上がりが最適な状態になったと判断し、完了ステップに移行する(図5中、時間te)。
(完了ステップ)
完了ステップでは、制御部4は、加熱部3による容器1に対する加熱を停止し、調理を完了するとともに、操作表示部8を介してその旨を利用者に報知する。
なお、本実施の形態において、初期重量や、食材の正味重量および芯部温度などの情報を、操作表示部8を介して逐次表示してもよい。これにより、利用者が、調理中の食材の状態を、より可視的に捉えることができ、利用者の好みに応じた温度で調理を完了することができるため、使用性が向上する。
また、本実施の形態では、加熱部3を誘導加熱コイルとして、容器1を誘導加熱する例を挙げたが、例えば、電熱ヒータ等による加熱であってもよいし、ガス等の直火による加熱であってもよい。
本実施の形態1は、調理開始から完了に至るまでの期間、食材の品質が一定である場合について説明したものである。しかしながら、食材によっては、推定ステップにおける加
熱調理の進行とともに、食材の加熱面にコゲや凝固などの変性が生じ、その影響により食材の内部への熱の伝わり方、即ち、食材の品質が変化してしまう。結果として、以降の芯部温度の推定精度が低下する可能性がある。
上述の課題に鑑みて、実施の形態2では、調理中に食材の品質が変化した場合においても高い精度で芯部温度を推定できる加熱調理装置を提供する。
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同一構成となるため、構成が異なる部分について説明する。
推定部20は、重量推定部と個体情報更新部を備える。この内、重量推定部は、調理に伴う食材の重量変化を予測する機能ブロックであり、入力される火力情報と抽出部19から出力される個体情報に基づいて、加熱による以降の食材の重量変化を推定し、その推定結果を推定重量情報として出力する。
また、個体情報更新部は、調理中の食材の個体情報の変化を監視する機能ブロックであり、重量推定部から出力される推定重量情報と、加熱中の食材の重量情報を比較し、比較結果に応じて個体情報を随時更新する。
以上のように構成された本実施の形態2の加熱調理装置において、図7と図8を用いて、一連の動作を説明する。
図7は、本実施の形態における加熱調理装置を用いて調理を行なう場合の動作説明図である。図8は、本実施の形態における加熱調理装置の調理開始から完了までの各ステップにおける食材の重量および芯部温度を示す特性図である。
本実施の形態における加熱調理装置における調理開始から完了までの一連の動作は、準備ステップ、抽出ステップ、推定ステップ、完了ステップの4つのステップで構成されている。この内、第1の実施の形態と動作が同じステップについては、説明を省略する。
(推定ステップ)
抽出ステップにおいて食材の個体情報の抽出が完了した後、推定ステップでは、利用者は、自身の好みの火力となるよう火力を調整し、食材を加熱することができる。
このステップ中、操作表示部8は、現状の火力の設定を火力情報として制御部4に出力する。
推定部20の重量推定部では、火力情報と個体情報を用いて、加熱による以降の食材の重量変化を推定し、推定結果を推定重量情報として個体情報更新部に出力する。個体情報更新部では、この推定重量情報と加熱中の食材の重量情報を比較し、比較結果に応じて個体情報を随時更新する。
例えば、調理中においても、食材の品質に変化が生じていない、或いは、品質がほぼ一定とみなせる期間(図8中、〜td)においては、上述の推定重量情報と、加熱中の食材の重量情報は良好に一致している。この時、個体情報更新部では、調理中における個体差の変化が少ないと判断し、個体差情報を維持する。
一方、調理中に食材の品質変化が生じた場合、例えば、食材の加熱面に生じたコゲや凝固などにより、食材内部に熱が伝わり難くなる場合には、芯部の昇温速度や、これに伴う
食材重量の減少速度が低下する(図8中、td〜)。
個体情報更新部は、調理中の食材の重量情報と上述の推定重量情報の減少速度を監視し、双方の速度の差が所定の閾値(△R)以上となった場合に、誤差量が大と判定し、前ステップで抽出した個体情報を更新する。
ここで、火力量を一定とした場合に、食材の芯部の昇温速度と加熱中の食材重量の減少速度が略比例することから、この関係を用いて、調理中に食材の品質変化が生じた場合においても、食材重量の減少速度の変化に応じて、食材の芯部温度の昇温速度を求めることにより、以降の芯部温度の推移を精度よく推定することができる。
以上の動作により、調理中に食材の個体情報が変化した場合においても高い精度で芯部温度が推定できる。
なお、本実施の形態2では、誤差量を大と小の2値判定しているが、これに拘らず、複数の判定閾値で判定する、もしくは、誤差量に応じて連続的に個体情報の更新を行ってもよく、これにより、より精度の高い芯部温度の推定、惹いては、食材の仕上がり判定が実現できる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、食材の個体情報を抽出した上で、その個体情報と火力情報および重量情報を用いて食材の芯部温度を推定することで、個体差がある食材に対しても精度よく仕上がりのタイミングを判断できるので、利用者の調理の熟練度に依らず、調理食材を最適に仕上げることができるようになる。したがって、種々の加熱調理器の用途にも使用できる。
1 容器
2 トッププレート
3 加熱部
4 制御部
5 筐体
6 支持部
7 重量計測部
8 操作表示部
9 インバータ
10 駆動部
11 鋼板
12 載置台
13 重量センサ
14 固定接続部
15 荷重伝達部
16 荷重受け部
17 情報記憶部
18 判定部
19 抽出部
20 推定部

Claims (2)

  1. 食材を加熱する加熱部と、
    前記加熱部を駆動する制御部と、
    前記食材の重量を計測し、計測結果を重量情報として出力する重量計測部と、
    加熱する食材のメニューおよび前記加熱部の火力を調整する火力情報が入力される入力部と、
    前記入力部で入力された食材のメニューに対応する調理情報が記憶されている情報記憶部と、
    前記重量情報および前記調理情報から、前記食材の品質を抽出し、抽出結果を個体情報として出力する抽出部と、
    前記個体情報と前記火力情報および前記重量情報に基づいて、前記食材の調理進行度合いを推定する推定部を有することを特徴とする加熱調理装置。
  2. 前記推定部は、
    前記抽出部から出力された個体情報と前記火力情報および前記重量情報から、加熱による食材の重量変化を推定し、該推定結果を推定重量情報として出力する重量推定部と、
    前記推定重量情報と前記重量情報を比較し、比較結果に応じて前記個体情報を更新する個体情報更新部を備えることを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
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CN111396935A (zh) * 2020-03-27 2020-07-10 上海英辰信息技术有限公司 一种燃气灶的火力控制方法、装置、存储介质及系统
WO2022065074A1 (ja) 2020-09-25 2022-03-31 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
CN114732292A (zh) * 2022-04-28 2022-07-12 海信家电集团股份有限公司 一种烹饪装置

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