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JP2019124132A - Egrクーラの昇温促進システム及びegrクーラの昇温促進方法 - Google Patents

Egrクーラの昇温促進システム及びegrクーラの昇温促進方法 Download PDF

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JP2019124132A JP2018003270A JP2018003270A JP2019124132A JP 2019124132 A JP2019124132 A JP 2019124132A JP 2018003270 A JP2018003270 A JP 2018003270A JP 2018003270 A JP2018003270 A JP 2018003270A JP 2019124132 A JP2019124132 A JP 2019124132A
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友章 廣澤
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Abstract

【課題】内燃機関の暖機運転時に、EGRクーラの温度を早期に昇温させることができるEGRクーラの昇温促進システム及びEGRクーラの昇温促進方法を提供する。【解決手段】エンジン2の暖機運転時に、サーモスタット6からラジエータ7にエンジン冷却水Wが流通しないようにサーモスタット6が機能し、かつ、三方弁17の制御をして、EGRクーラ11を通過するエンジン冷却水Wの流路がシリンダブロック4を通過しない昇温促進流路となるようにした後、この昇温促進流路に配置した昇温装置18及び補助ウォータポンプ19を駆動して、エンジン冷却水Wを昇温装置18で昇温させながら補助ウォータポンプ19により昇温促進流路で循環させて、EGRクーラ11を昇温させる。【選択図】図2

Description

本開示は、EGRクーラの昇温促進システム及びEGRクーラの昇温促進方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関では、シリンダブロックやシリンダヘッド等のエンジン構成部品を冷却するために、エンジン構成部品の内部にエンジン冷却水用流路を形成して、このエンジン冷却水用流路にエンジン冷却水を循環させている。このエンジン冷却水用流路は、EGRクーラにも延在しており、シリンダブロック及びシリンダヘッドを通過したエンジン冷却水がEGRクーラを流通している(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−180413号公報
ところで、内燃機関の冷間始動時や冷間時(シリンダブロックが低温の時)で、内燃機関の暖機運転が必要なときに、エンジン構成部品全体にエンジン冷却水を循環させると、エンジン構成部品全体の熱容量が大きいため、エンジン冷却水の温度上昇が遅い。これにより、エンジン冷却水が流通するEGRクーラの温度上昇も遅くなる。
本開示の目的は、内燃機関の暖機運転時に、EGRクーラの温度を早期に上昇させることができるEGRクーラの昇温促進システム及びEGRクーラの昇温促進方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の態様のEGRクーラの昇温促進システムは、内燃機関のシリンダブロック及びシリンダヘッドの冷却用媒体を、第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、サーモスタット、ラジエータ、前記第1駆動装置の順に循環させるラジエータ側流路と、前記第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、EGRクーラ、前記第1駆動装置の順に循環させるEGRクーラ側流路と、制御装置と、を備えて構成されるEGRクーラの昇温促進システムにおいて、
前記EGRクーラ側流路における、前記EGRクーラの出口側と前記第1駆動装置の間に、冷却用媒体の流通先を前記第1駆動装置または前記シリンダヘッドの入口側のいずれかに切り替える流路切替装置を設けるとともに、前記EGRクーラの出口側と前記シリンダヘッドの入口側の間の流路、または、前記シリンダヘッドの出口側と前記EGRクーラの入口側の間の流路に昇温装置及び第2駆動装置を設けて、前記内燃機関の暖機運転時に、前記サーモスタットから前記ラジエータに冷却用媒体が流通しないように前記サーモスタットが機能し、冷却用媒体の流通先が前記シリンダヘッドの入口側となるように前記流路切替装置を切り替えて、冷却用媒体を、前記シリンダブロックを通過せずに、前記第2駆動装置、前記シリンダヘッド、前記EGRクーラ、前記昇温装置、前記流路切替装置の間で循環させる昇温促進流路を形成するとともに、前記第2駆動装置及び前記昇温装置を駆動して、冷却用媒体を前記昇温装置で昇温させながら前記第2駆動装置により前記昇温促進流路で循環させる制御を行うように前記制御装置を構成したことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明の態様のEGRクーラの昇温促進方法は、内燃機関のシリンダブロック及びシリンダヘッドの冷却用媒体を、第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、サーモスタット、ラジエータ、前記第1駆動装置の順に循環させるラジエータ側流路と、前記第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、EGRクーラ、前記第1駆動装置の順に循環させるEGRクーラ側流路と、を備えて構成されるEGRクーラの昇温促進方法において、前記EGRクーラ側流路における、前記EGRクーラの出口側と前記第1駆動装置の間に、冷却用媒体の流通先を前記第1駆動装置または前記シリンダヘッドの入口側のいずれかに切り替える流路切替装置を設けるとともに、前記EGRクーラの出口側と前記シリンダヘッドの入口側の間の流路、または、前記シリンダヘッドの出口側と前記EGRクーラの入口側の間の流路に昇温装置及び第2駆動装置を設けて、前記EGRクーラを通過する冷却用媒体の温度に基づいて前記内燃機関の暖機運転が必要か否かを判定して、暖機運転が必要であると判定した場合には、前記サーモスタットから前記ラジエータに冷却用媒体が流通しないように前記サーモスタットが機能し、冷却用媒体の流通先が前記シリンダヘッドの入口側となるように前記流路切替装置を切り替えて、冷却用媒体を、前記シリンダブロックを通過せずに、前記第2駆動装置、前記シリンダヘッド、前記EGRクーラ、前記昇温装置、前記流路切替装置の間で循環させる昇温促進流路を形成するとともに、前記第2駆動装置及び前記昇温装置を駆動して、冷却用媒体を前記昇温装置で昇温させながら前記第2駆動装置により前記昇温促進流路で循環させる制御を行うことを特徴とする。
本発明の態様によれば、内燃機関の暖機運転時に、EGRクーラの温度を早期に上昇させることができる。
本発明の実施形態のEGRクーラの昇温促進システムの構成を示す図で、内燃機関の通常運転時のエンジン冷却水の流通状態を例示する図である。 図1のEGRクーラの昇温促進システムで、内燃機関の暖機運転時のエンジン冷却水の流通状態を例示する図である。 本発明の実施形態のEGRクーラの昇温促進方法を実施するための制御フローの一例を示す図である。 本発明の実施形態によるエンジン冷却水温度の昇温促進効果を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るEGRクーラの昇温促進システム及びEGRクーラの昇温促進方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、エンジン(内燃機関)2の冷却用媒体としてエンジン冷却水Wを用いる。
図1に示すように、本実施形態のEGRクーラの昇温促進システム1を備えるエンジン2では、シリンダブロック4やシリンダヘッド5等のエンジン構成部品を循環するエンジン冷却水用流路として、ラジエータ7側を循環するラジエータ側流路と、EGRクーラ11側を循環するEGRクーラ側流路と、オイルクーラ13側を循環するオイルクーラ側流路と、を備える。
ラジエータ側流路は、ウォータポンプ(第1駆動装置)3より、シリンダブロック4(の入口側4a及び出口側4b)、シリンダヘッド5(の入口側5a及び出口側5b)、サーモスタット6、ラジエータ7、ウォータポンプ3の順にエンジン冷却水Wを循環させる流路である。
ウォータポンプ3は、エンジン冷却水Wをラジエータ側流路、EGRクーラ側流路及びオイルポンプ側流路に循環させるための動力源となる電動式のポンプである。シリンダブロック4は、気筒(シリンダ)8を収納するエンジン構成部品である。シリンダヘッド5は、エンジン2の燃焼室、吸気ポート及び排気ポートを収納するエンジン構成部品である。サーモスタット6は、このサーモスタット6を通過するエンジン冷却水Wの温度に応じて、エンジン冷却水Wをラジエータ7またはラジエータ7をバイパスするバイパス流路9に流通させる装置である。ラジエータ7は、ラジエータ7の内部を通過するエンジン冷却水Wを、走行風との熱交換することにより冷却する装置である。
ファン10は、ファン10の回転により走行風をラジエータ7へ導く装置である。
EGRクーラ側流路は、ウォータポンプ3より、シリンダブロック4、シリンダヘッド5、EGRクーラ11、ヒータコア12、ウォータポンプ3の順にエンジン冷却水Wを循環させる流路である。
EGRクーラ11は、エンジン2の排気通路と吸気通路を接続するEGR通路にEGRバルブとともに配置されて、EGR通路を通過するEGRガス(気筒8より排気通路に排出された排気ガスの一部)をEGRクーラ11の内部を通過するエンジン冷却水Wと熱交換することにより冷却する装置である。ヒータコア12は、エンジン2を備えた車両の内部(運転席等)の空気とヒータコア12の内部を流通するエンジン冷却水Wとを熱交換することで、車両の内部の空気を昇温させる暖房用の装置である。
オイルクーラ側流路は、ウォータポンプ3より、シリンダブロック4、オイルクーラ13、ウォータポンプ3の順にエンジン冷却水Wを循環させる流路である。オイルクーラ13は、オイルクーラ13の内部を通過するエンジン冷却水Wとエンジンオイルとを熱交換することで、エンジンオイルを冷却する装置である。
シリンダヘッド5の出口側5bのエンジン冷却水W用の流路(後述する昇温促進流路の一部の流路)に、EGRクーラ11に流入するエンジン冷却水Wの温度を検出する冷却水温度センサ(温度検出装置)14を設ける。また、オイルクーラ13の内部に、エンジンオイルの温度(油温)を検出する油温センサ15を設ける。
EGRクーラの昇温促進システム1を制御する制御装置16を備える。制御装置16は、各種情報処理を行うCPU、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウエアである。制御装置16は、上記した冷却水温度センサ14や油温センサ15等の各種センサ、ウォータポンプ3や後述する補助ウォータポンプ19等の駆動装置、後述する昇温装置18、流路切替装置17、開閉装置20等の各種装置に信号線を介して電気的に接続されている。なお、図1、図2では、図の煩雑さを避けるために、ウォータポンプ3、補助ウォータポンプ19、昇温装置18、流路切替装置17、開閉装置20と制御装置16の間の信号線以外の信号線は省略している。
本実施形態のEGRクーラの昇温促進システム1では、図1、図2に示すように、三方弁(流路切替装置)17と、昇温装置18と、補助ウォータポンプ(第2駆動装置)19と、開閉弁(開閉装置)20と、を備える。三方弁17は、EGRクーラ側流路における、EGRクーラ11の出口側11bとウォータポンプ3の間の流路に配置されて、エンジン冷却水Wの流通先をウォータポンプ3またはシリンダヘッド5の入口側5aのいずれかに切り替える装置である。昇温装置18及び補助ウォータポンプ19は、EGRクーラ11の出口側11bとシリンダヘッド5の入口側5aの間の流路(図1、図2)、または、シリンダヘッド5の出口側5bとEGRクーラ11の入口側11aの間の流路に配置される装置である。昇温装置18は、EGRクーラ11の内部を通過するエンジン冷却水Wを昇温できればよく、電熱ヒータでも、エンジン冷却水Wと排気ガスの間で熱交換する熱交換器でも、エンジン2の暖機後におけるエンジン冷却水Wの熱量を予め蓄熱する蓄熱器でもよい。補助ウォータポンプ19は、EGRクーラ11の内部を通過するエンジン冷却水Wの移送を行う駆動源である。開閉弁20は、サーモスタット6とウォータポンプ3とを接続するバイパス流路9に設けられて、開状態のときにエンジン冷却水Wをバイパス流路9に流通させ、閉状態のときにエンジン冷却水Wをバイパス流路9に流通させない装置である。なお、開閉装置20としては、開閉弁ではなく、ワンウェイバルブでもよく、この場合は、制御が簡素化されて低コストとなる。
エンジン冷却水Wの流通先がシリンダヘッド5の入口側5aとなるように三方弁17を制御し、かつ、エンジン冷却水Wの流通先がバイパス流路9側となるように(サーモスタット6からラジエータ7にエンジン冷却水Wが流通しないように)サーモスタット6が機能し、かつ、開閉弁20を閉状態とすることで、エンジン冷却水Wを、シリンダブロック4を通過せずに、補助ウォータポンプ19、シリンダヘッド5、EGRクーラ11、昇温装置18、三方弁17の間で循環させる昇温促進流路(図2の実線流路)が形成される。
そして、制御装置16を、エンジン2の暖機運転時に、上記の昇温促進流路が形成されるように、サーモスタット6が機能し、かつ、三方弁17及び開閉弁20の制御をした後、補助ウォータポンプ19及び昇温装置18を駆動して、エンジン冷却水Wを昇温装置18で加熱して昇温させながら補助ウォータポンプ19により昇温促進流路で循環させる制御を行うように構成する。
また、制御装置16を、エンジン2の暖機完了後(通常運転時)は、補助ウォータポンプ19及び昇温装置18を停止するとともに、エンジン冷却水Wの流通先がウォータポンプ3となるように三方弁17を制御し、かつ、エンジン冷却水Wの流通先がラジエータ7側となるようにサーモスタット6が機能し、かつ、開閉弁20を開状態として、エンジン冷却水Wをラジエータ側流路及びEGRクーラ側流路の両方(図1の実線流路)にウォータポンプ3により循環させる制御を行うように構成する。
なお、本実施形態では、ラジエータ7用のバイパス流路9を設けているが、このバイパス流路9を設けない場合には開閉弁20を設ける必要はない。また、シリンダブロック4の出口側4bとシリンダヘッド5の入口側5aの間の流路に逆止弁を設けておくと、エンジン2の暖機運転時に、昇温装置18により昇温されたエンジン冷却水Wがシリンダブロック4側に流れるのを防止することができるのでより好ましい。
また、制御装置16を、エンジン2の暖機運転時で、冷却水温度センサ14の検出値Tが設定温度閾値T1(T1<Tb≦Ta、Taはエンジン2の暖機運転開始時の判定温度、Tbはエンジン2の暖機運転終了時の判定温度)以上の場合にはEGRバルブを開状態としてEGRガスをEGRクーラ11に通過させるように構成する。逆に、冷却水温度センサ14の検出値Tが設定温度閾値T1未満の場合にはEGRバルブを閉状態としてEGRガスをEGRクーラ11に通過させない。設定温度閾値T1は、EGRクーラ11にEGRガスを通過させてもEGRクーラ11の内部に凝縮水が発生しない温度に実験等により設定される。
開状態時のEGRバルブの開度は、検出値Tが大きくなるにつれて大きくなるようにすると好ましい。ただし、その時のエンジン2の運転状態で必要とされるEGR量になる開度までとする。また、排気通路に排気ガスに含まれるNOx濃度を検出するNOx濃度センサを設けて、EGRバルブの開状態時にこのNOx濃度センサの検出値が実験等により予め設定された設定濃度閾値以上となった場合には、EGRバルブの開度を大きくすることを止めるようにするとより好ましい。また、制御装置16を、エンジン2の暖機運転時に、ウォータポンプ3を停止する制御を行うように構成すると好ましい。なお、エンジン2の暖機運転時に、ウォータポンプ3は停止せずに、エンジン冷却水Wを微小量流通させる程度に駆動させてエンジン冷却水Wの局所的な沸騰を避けるようにしてもよい。
本実施形態のEGRクーラの昇温促進システム1を基にした制御フローについて、言い換えれば、EGRクーラの昇温促進方法について、図3を参照しながら説明する。図3に示す制御フローは、エンジン2の運転時に周期的に行われる制御フローである。
図3に示す制御フローがスタートすると、ステップS10にて、エンジン2の暖機運転が必要か否かを冷却水温度センサ14の検出値(昇温促進流路を循環するエンジン冷却水Wの温度)Tに基づいて判定する。より詳細には、検出値Tが開始判定温度Ta未満である場合に、エンジン2の暖機運転が必要である(YES)と判定して、ステップS20に進む。一方、検出値Tが開始判定温度Ta以上である場合に、エンジン2の暖機運転が不要である(NO)と判定して、ステップS60に進む。なお、本実施形態では、エンジン2の暖機運転が必要であるか否かの判定を冷却水温度センサ14の検出値Tに基づいて行っているが、油温センサ15の検出値に基づいて行ってもよい。
ステップS10からステップS20に進む場合、ステップS20にて、エンジン2の運転モードを暖機運転モードに切り替える。暖機運転モードとは、より詳細には、エンジン冷却水Wの流通先がバイパス流路9側となるようにサーモスタット6が機能し、かつ、三方弁17及び開閉弁20を制御して昇温促進流路を形成後、ウォータポンプ3を停止し、昇温装置18及び補助ウォータポンプ19を駆動する運転モードのことである。ステップS20を実施後、ステップS30に進む。なお、バイパス流路9がない場合は、開閉弁20も設けられないので、開閉弁20の制御は不要となる。
ステップS30にて、冷却水温度センサ14の検出値Tが設定温度閾値T1以上であるか否かを判定する。検出値Tが設定温度閾値T1以上である場合(YES)には、ステップS40に進み、ステップS40にて、EGRバルブを開状態としてEGRガスをEGRクーラ11に通過させる。EGRバルブの開度は、ステップS30時点の検出値Tが大きくなるにつれて大きくなるようにすると好ましい。ただし、その時のエンジン2の運転状態で必要とされるEGR量になる開度までとする。ステップS40を実施後、ステップS50に進む。一方、検出値Tが設定温度閾値T1未満である場合(NO)には、実験等により予め設定した設定時間を経過後、再度ステップS30の判定を行う。
ステップS50にて、冷却水温度センサ14の検出値Tが終了判定温度Tb以上であるか否かを判定する。検出値Tが終了判定温度Tb以上である場合(YES)には、ステップS60に進み、ステップS60にて、エンジン2の暖機運転モードを終了して、通常運転モードに切り替える。通常運転モードとは、より詳細には、昇温装置18及び補助ウォータポンプ19を停止し、エンジン冷却水Wの流通先がラジエータ7側となるようにサーモスタット6が機能し、かつ、三方弁17及び開閉弁20を制御して、昇温促進流路を解除するとともに、ウォータポンプ3を駆動して、エンジン冷却水Wをラジエータ側流路及びEGR側流路の両方に循環させるようにする運転モードのことである。ステップS60を実施後、リターンに進んで、本制御フローを終了する。一方、検出値Tが終了判定温度Tb未満である場合(NO)には、ステップS30に戻る。なお、ステップS10からステップS60に進む場合も、ステップS60を実施後、リターンに進んで、本制御フローを終了する。
以上より、本実施形態によれば、エンジン2の暖機運転時に、熱容量の大きいシリンダブロック4を通過しないことで熱容量が小さくなったEGRクーラ11専用の閉流路(昇温促進流路)を形成して、この昇温促進流路内のエンジン冷却水Wを昇温装置18で昇温させながらEGRクーラ11に循環させるので、EGRクーラ11の昇温が促進される。その結果、EGRクーラ11の内部での凝縮水の生成を抑制することができ、この凝縮水に起因する、EGRクーラ11やエンジン構成部品の腐食、気筒8内への凝縮水流入による気筒内燃焼の失火等の発生を抑制することができる。
また、EGRクーラ11の昇温が促進されることで、EGRガスを早期にEGRクーラ11に通過させることが可能となるので、気筒8内にEGRガスを早期に供給してEGRを行うことができ、排気ガスのNOx濃度の悪化を抑制することができる。
また、ラジエータ7をバイパスするバイパス流路9が設けられる場合には、バイパス流路9に開閉弁20を設けることで、EGRクーラ11用の昇温促進流路を形成することが可能となる。
また、エンジン2の暖機運転時にウォータポンプ3を停止して、シリンダブロック4側の冷却水の流れを停止することで、シリンダブロック4からの放熱が抑制される。したがって、気筒8内に配置されるピストンやピストンと接する燃焼室の温度上昇も早くなり、エンジンオイルも早期に昇温されるので、エンジンフリクションが低減されて燃費を向上させることができる。
また、EGRクーラ11用の昇温促進流路にヒータコア12も配置しておくことで、エンジン2の暖機運転時に、ヒータコア12の昇温も促進することができるので、車内空間を早期に昇温させることができる。
また、エンジン2の暖機運転時に、EGRクーラ11を通過するエンジン冷却水Wの温度Tが、EGRクーラ11にEGRガスを通過させてもEGRクーラ11の内部に凝縮水が発生しない温度(設定温度閾値)T1以上の場合にEGRバルブを開状態として、EGRクーラ11にEGRガスを通過させ、気筒8内にEGRガスを供給するようにする。このようにすることで、EGRクーラ11の内部に凝縮水が発生することを抑制しつつ、EGRガスの熱量によりEGRクーラ11の昇温をさらに促進することができる。また、EGRの早期実施により排気ガスのNOx濃度の悪化を一層抑制することができる。
図4に示すように、エンジン2の暖機運転時に、EGRクーラ11用の昇温促進流路を形成して、昇温装置18により昇温促進流路を循環するエンジン冷却水Wの昇温を促進することで、EGRクーラ11を通過するエンジン冷却水Wの温度Tは、昇温促進流路及び昇温装置18が設けられない従来技術のエンジン冷却水Wの温度T´と比較して、早期に昇温される。さらに、エンジン冷却水Wの温度Tが設定温度閾値T1以上のときに、EGRクーラ11にEGRガスを流入させることで、EGRガスの熱量によりEGRクーラ11の昇温をさらに促進することができる。
なお、本実施形態では、図1、図2に示すように、シリンダヘッド5の出口5bから流出するエンジン冷却水Wはサーモスタット6またはEGRクーラ11に流れるように構成しているが、サーモスタットの代わりに電制サーモバルブを備えて、この電制サーモバルブにシリンダヘッド5の出口5bから流出するエンジン冷却水Wが全て流れるように構成してもよい。この場合、電制サーモバルブに流入したエンジン冷却水Wは、そのバルブ開度に応じて、ラジエータ7、バイパス流路9またはEGRクーラ11の少なくとも一方に流出することとなる。
また、図1、図2に示すように、EGRクーラ11用の昇温促進流路がシリンダヘッド5内に各気筒8に対応して配置される吸気ポート及び排気ポートの近傍を通過するように構成すると、エンジン2の暖機運転時に、EGRクーラ11とともに吸気ポート及び排気ポートの昇温も促進されるので、EGRガスの昇温も促進される。したがって、EGRクーラ11にEGRガスを通過させることで、EGRクーラ11の昇温もより一層促進させることができる。
また、エンジン2の暖機運転時に、補助ウォータポンプ19を停止した状態でEGRクーラ11用の昇温促進流路でエンジン冷却水Wを循環させないでEGRガスを冷却しない方法も考えられるが、この場合、EGRクーラ11の内部でエンジン冷却水Wの局部沸騰が生じる虞がある。したがって、補助ウォータポンプ19を駆動するとより好ましい。
また、本実施形態では、1台のEGRクーラ11を例に説明したが、複数(2台以上)のEGRクーラ11を設ける場合には、EGRクーラ11用の昇温促進流路にて複数のEGRクーラ11を直列または並列に配置するとよい。
1 EGRクーラの昇温促進システム
2 エンジン(内燃機関)
3 ウォータポンプ(第1駆動装置)
4 シリンダブロック
5 シリンダヘッド
6 サーモスタット
7 ラジエータ
8 気筒
9 バイパス流路
10 ファン
11 EGRクーラ
12 ヒータコア
13 オイルクーラ
14 冷却水温度センサ(温度検出装置)
15 油温センサ
16 制御装置
17 三方弁(流路切替装置)
18 昇温装置
19 補助ウォータポンプ(第2駆動装置)
20 開閉弁(開閉装置)

Claims (6)

  1. 内燃機関のシリンダブロック及びシリンダヘッドの冷却用媒体を、第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、サーモスタット、ラジエータ、前記第1駆動装置の順に循環させるラジエータ側流路と、前記第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、EGRクーラ、前記第1駆動装置の順に循環させるEGRクーラ側流路と、制御装置と、を備えて構成されるEGRクーラの昇温促進システムにおいて、
    前記EGRクーラ側流路における、前記EGRクーラの出口側と前記第1駆動装置の間に、冷却用媒体の流通先を前記第1駆動装置または前記シリンダヘッドの入口側のいずれかに切り替える流路切替装置を設けるとともに、前記EGRクーラの出口側と前記シリンダヘッドの入口側の間の流路、または、前記シリンダヘッドの出口側と前記EGRクーラの入口側の間の流路に昇温装置及び第2駆動装置を設けて、
    前記内燃機関の暖機運転時に、前記サーモスタットから前記ラジエータに冷却用媒体が流通しないように前記サーモスタットが機能し、冷却用媒体の流通先が前記シリンダヘッドの入口側となるように前記流路切替装置を切り替えて、冷却用媒体を、前記シリンダブロックを通過せずに、前記第2駆動装置、前記シリンダヘッド、前記EGRクーラ、前記昇温装置、前記流路切替装置の間で循環させる昇温促進流路を形成するとともに、前記第2駆動装置及び前記昇温装置を駆動して、冷却用媒体を前記昇温装置で昇温させながら前記第2駆動装置により前記昇温促進流路で循環させる制御を行うように前記制御装置を構成したことを特徴とするEGRクーラの昇温促進システム。
  2. 前記サーモスタットと前記第1駆動装置の間に前記ラジエータをバイパスするバイパス流路を設けるとともに、このバイパス流路に開閉装置を設けて、
    前記制御装置を、
    前記内燃機関の暖機運転時に、前記開閉装置を閉状態とする制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載のEGRクーラの昇温促進システム。
  3. 前記制御装置を、
    前記内燃機関の暖機運転時に、前記第1駆動装置を停止する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のEGRクーラの昇温促進システム。
  4. 前記昇温促進流路がヒータコアを通過するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のEGRクーラの昇温促進システム。
  5. 前記内燃機関の排気通路と吸気通路を接続するEGR通路に前記EGRクーラ及びEGRバルブを設けるとともに、前記昇温促進流路に前記温度検出装置を設けて、
    前記制御装置を、
    前記内燃機関の暖機運転時で、前記温度検出装置の検出値が予め設定された設定温度閾値以上の場合には前記EGRバルブを開状態とし、前記温度検出装置の検出値が前記設定温度閾値未満の場合には前記EGRバルブを閉状態とする制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のEGRクーラの昇温促進システム。
  6. 内燃機関のシリンダブロック及びシリンダヘッドの冷却用媒体を、第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、サーモスタット、ラジエータ、前記第1駆動装置の順に循環させるラジエータ側流路と、前記第1駆動装置より、前記シリンダブロック、前記シリンダヘッド、EGRクーラ、前記第1駆動装置の順に循環させるEGRクーラ側流路と、を備えて構成されるEGRクーラの昇温促進方法において、
    前記EGRクーラ側流路における、前記EGRクーラの出口側と前記第1駆動装置の間に、冷却用媒体の流通先を前記第1駆動装置または前記シリンダヘッドの入口側のいずれかに切り替える流路切替装置を設けるとともに、前記EGRクーラの出口側と前記シリンダヘッドの入口側の間の流路、または、前記シリンダヘッドの出口側と前記EGRクーラの入口側の間の流路に昇温装置及び第2駆動装置を設けて、
    前記EGRクーラを通過する冷却用媒体の温度に基づいて前記内燃機関の暖機運転が必要か否かを判定して、暖機運転が必要であると判定した場合には、前記サーモスタットから前記ラジエータに冷却用媒体が流通しないように前記サーモスタットが機能し、冷却用媒体の流通先が前記シリンダヘッドの入口側となるように前記流路切替装置を切り替えて、冷却用媒体を、前記シリンダブロックを通過せずに、前記第2駆動装置、前記シリンダヘッド、前記EGRクーラ、前記昇温装置、前記流路切替装置の間で循環させる昇温促進流路を形成するとともに、前記第2駆動装置及び前記昇温装置を駆動して、冷却用媒体を前記昇温装置で昇温させながら前記第2駆動装置により前記昇温促進流路で循環させる制御を行うことを特徴とするEGRクーラの昇温促進方法。
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