JP2019118569A - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

Abstract

【課題】外観からフィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことのできるパンツ型吸収性物品を提供すること。【解決手段】一対の防漏壁部（４０）を備えた吸収性本体（１０）と、腹側胴回り部（２０）と、背側胴回り部（３０）とを有するパンツ型吸収性物品（１）であって、前後方向の前側から、吸収性本体（１０）が下側に凸となる左右方向に沿う第１凸部（６１）と、吸収性本体（１０）が上側に凸となる左右方向に沿う凹部（６０）と、吸収性本体（１０）が下側に凸となる左右方向に沿う第２凸部（６２）とを有すること。【選択図】図４

Description

本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。

パンツ型吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつが知られている。特許文献１には、平面視略砂時計形状に形成された外側シート部材と、外側シート部材の肌面側に接合される吸収性本体とを備え、股下部を中心に外側シート部材を二つ折りにして、前腹部の左右両縁部と後背部の左右両縁部を接合し、ウェスト開口部と脚開口部が形成されたパンツ型使い捨ておむつが開示されている。

特開２０１０−９４３３４号

特許文献１に開示されているように、一般のパンツ型使い捨ておむつは、吸収性本体の長手方向の略中央を二つ折りする山折り線のみを有する。そのため、おむつの股下部が長く垂れ下がった外観となり、股下部がだぶつきフィット性が良くないという印象をユーザーが持ちやすい。

本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、外観からフィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことのできるパンツ型吸収性物品を提供することにある。

上記目的を達成するための主たる発明は、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、前記上下方向に沿って配置された吸収性コアと、一対の防漏壁部とを備えた吸収性本体と、前記前後方向の前側の前記吸収性本体の上端部に接合された腹側胴回り部と、前記前後方向の後側の前記吸収性本体の上端部に接合された背側胴回り部と、を有するパンツ型吸収性物品であって、前記前後方向の前側から、前記吸収性本体が下側に凸となる前記左右方向に沿う第１凸部と、前記吸収性本体が上側に凸となる前記左右方向に沿う凹部と、前記吸収性本体が下側に凸となる前記左右方向に沿う第２凸部と、を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

本発明によれば、外観からフィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことのできるパンツ型吸収性物品を提供できる。

パンツ型使い捨ておむつ１の正面図である。 展開かつ伸長状態のおむつ１の概略平面図である。 図２のＩＩ線での概略断面図である。 パンツ型状態のおむつ１を前後方向に切った概略断面図である。 防漏壁部４０を説明する図である。 防漏壁部４０を説明する図である。 図７Ａは図５のＩ−Ｉ線での概略断面図であり、図７Ｂは図５のＩＩ−ＩＩ線での概略断面図であり、図７Ｃは図５のＩＩＩ−ＩＩＩ線での概略断面図である。 図８Ａ及び図８Ｂは着用状態の防漏壁部４０の概略断面図である。 腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０と吸収性本体１０との接合領域６１，６２の説明図である。

本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、前記上下方向に沿って配置された吸収性コアと、一対の防漏壁部とを備えた吸収性本体と、前記前後方向の前側の前記吸収性本体の上端部に接合された腹側胴回り部と、前記前後方向の後側の前記吸収性本体の上端部に接合された背側胴回り部と、を有するパンツ型吸収性物品であって、前記前後方向の前側から、前記吸収性本体が下側に凸となる前記左右方向に沿う第１凸部と、前記吸収性本体が上側に凸となる前記左右方向に沿う凹部と、前記吸収性本体が下側に凸となる前記左右方向に沿う第２凸部と、を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、凹部によって吸収性本体の一部が引き上げられ、股下部がだらんと垂れ下がらないので、外観からフィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことができる。また、第１凸部及び第２凸部によって、パンツ型吸収性物品が前後方向に２つの空間を有するように視認される。そのため、前側の空間に排尿や男性器を収容でき、後側の空間に排便や臀部を収容でき、排泄物が漏れにくく、フィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことができる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第１凸部及び前記第２凸部は、それぞれ、前記吸収性本体が下側に凸となるように前記吸収性本体を前記左右方向に沿って折る山折り線を有し、前記凹部は、前記吸収性本体が上側に凸となるように前記吸収性本体を前記左右方向に沿って折る谷折り線を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部と凹部と第２凸部とがユーザーに認識されやすい。そのため、パンツ型吸収性物品の外観から、排泄物が漏れにくく、フィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことができる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第１凸部の下端は前記第２凸部の下端と前記上下方向にずれていることを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部及び第２凸部の位置関係に基づき、ユーザーが前後判断できる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第２凸部の下端が、前記第１凸部の下端よりも下側に位置し、前記背側胴回り部は、前記腹側胴回り部よりも下側に延出する延出部を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、ユーザーが感覚的に正しく前後判断できる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、包装状態において、前記腹側胴回り部及び前記背側胴回り部の前記左右方向の両端部は、前記上下方向に沿う折り線にて、前記左右方向の内側に折り返されており、前記折り線は、前記左右方向において、前記吸収性本体の両側端よりも外側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部と凹部と第２凸部によって吸収性コアが前後方向に重ねられた部位が、さらに左右方向の内側に折り返されてしまうことを防止できる。よって、折り畳まれたパンツ型吸収性物品の厚みを抑えることができる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、包装状態において、前記腹側胴回り部及び前記背側胴回り部の上端部は、前記左右方向に沿う折り線にて、下側に折り返されており、前記腹側胴回り部及び前記背側胴回り部の上端から前記折り線までの前記上下方向の長さは、前記折り線から前記凹部の上端までの前記上下方向の長さよりも短いことを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部と凹部と第２凸部によって吸収性コアが前後方向に重ねられた部位に、さらに腹側胴回り部及び背側胴回り部の上端部が重ねられてしまうことを防止できる。よって、折り畳まれたパンツ型吸収性物品の厚みを抑えることができる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記吸収性本体は、前記吸収性コアよりも着用者の肌側に配置された肌側シートと、前記左右方向の両側部において、前記上下方向に伸縮する弾性部材と、を備えており、前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材によって前記肌側に起立可能であり、前記吸収性本体は、前記前側の上端部において、前記防漏壁部を起立不能に固定する前側端部固定部と、前記後側の上端部において、前記防漏壁部を起立不能に固定する後側端部固定部と、前記前側端部固定部及び前記後側端部固定部と前記上下方向に間隔を空けた位置において、前記防漏壁部を前記肌側シートに固定する間欠固定部と、を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部と凹部と第２凸部とが形成される。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記凹部は、前記吸収性本体が上側に凸となるように前記吸収性本体を前記左右方向に沿って折る谷折り線を有し、前記吸収性コアを折る前記谷折り線の部位は、前記左右方向において、前記間欠固定部と並んでいることを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、凹部（谷折り線）によって吸収性本体の一部が引き上げられ、股下部がだらんと垂れ下がらないので、外観からフィット性が良いという印象をユーザーに持ってもらうことができる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記上下方向に前記パンツ型吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、前記腹側胴回り部が前記吸収性本体に接合された領域と、前記背側胴回り部が前記吸収性本体に接合された領域との間の、前記吸収性本体の部位の前記上下方向の長さを第１長さとし、前記間欠固定部の前記上下方向の長さを第２長さとした場合、前記第２長さは、前記第１長さの１／２未満の長さであり、かつ、前記間欠固定部は、前記接合された領域から前記上下方向に間隔を空けた位置に配置されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品ある。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、凹部の前後に、変形自由度が高く、山折り可能な吸収性本体の部位を設けることができ、第１凸部及び第２凸部が形成される。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記上下方向に前記パンツ型吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、前記前側端部固定部及び前記間欠固定部の間の前記防漏壁部の前記上下方向の長さと、前記間欠固定部及び前記後側端部固定部の間の前記防漏壁部の前記上下方向の長さとが異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部の下端と第２凸部の下端を上下方向にずらすことができる。

かかるパンツ型吸収性物品であって、前記防漏壁部は、前記左右方向における前記間欠固定部の内側端から前記防漏壁部の根元側の根元領域と、前記根元領域よりも前記防漏壁部の先端側の先端領域と、を有し、前記先端領域は、前記防漏壁部の先端よりも前記左右方向の内側において、互いに対向する面同士の少なくとも一部が接合された接合部を有し、前記上下方向に前記パンツ型吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、前記間欠固定部よりも前記腹側胴回り部側、及び、前記間欠固定部よりも前記背側胴回り部側の少なくとも一方に、前記接合部が配置されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

このようなパンツ型吸収性物品によれば、第１凸部及び第２凸部によって形成される２つの空間が、剛性の高い接合部によって前後方向に広がりやすい。よって、パンツ型吸収性物品が前後方向に２つの空間を有することを、ユーザーがより認識しやすくなる。

＝＝＝実施形態＝＝＝
以下、本発明に係るパンツ型吸収性物品として、大人用のパンツ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただし、本発明に係るパンツ型吸収性物品は、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつや、生理用ショーツ等としても利用可能である。

＝＝＝パンツ型使い捨ておむつ１の構成＝＝＝
図１はパンツ型使い捨ておむつ１（以下「おむつ」）の正面図である。図２は展開かつ伸長状態のおむつ１の概略平面図である。図３は図２のＩＩ線での概略断面図である。図４はパンツ型状態のおむつ１を前後方向に切った概略断面図である。

おむつ１は、図１のパンツ型状態において、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、胴回り開口部ＢＨと一対の脚回り開口部ＬＨとが形成されている。上下方向の上側が胴回り開口部ＢＨ側に対応し、下側が股下側に対応する。また、前後方向の前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応する。また、図３に示すように、おむつ１を構成する資材が積層された方向を厚さ方向という。厚さ方向において着用者に接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。

おむつ１は、吸収性本体１０と、腹側胴回り部２０と、背側胴回り部３０とを有する。パンツ型状態のおむつ１において、吸収性本体１０（後述の吸収性コア１１）は上下方向に沿って配置されており、上下方向の下端部にて前後に折り曲げられている。そして、前後方向の前側の吸収性本体１０の上端部に、非肌側から腹側胴回り部２０が接合され、前後方向の後側の吸収性本体１０の上端部に、非肌側から背側胴回り部３０が接合されている。

図２の展開状態のおむつ１において、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０は、それらの長手方向がおむつ１の左右方向に沿うように配置されている。そして、左右方向における腹側胴回り部２０の中央部に、吸収性本体１０の長手方向の一方側の端部が配置され、左右方向における背側胴回り部３０の中央部に、吸収性本体１０の長手方向の他方側の端部が配置されている。図２の展開状態から、吸収性本体１０が長手方向の略中央で二つ折りされ、左右方向における腹側胴回り部２０の両側部と、左右方向における背側胴回り部３０の両側部とが、溶着等で接合されることにより、パンツ型状態のおむつ１となる。

吸収性本体１０は、左右方向の両側部において、その長手方向（おむつ１の上下方向）に伸縮する側部弾性部材４１（本発明の弾性部材）を備えている。また、吸収性本体１０は、左右方向の両側部において、その長手方向に沿う一対の防漏壁部４０を備えている。防漏壁部４０は、側部弾性部材４１によって肌側に起立可能である（詳細は後述する）。

また、吸収性本体１０は、排泄液を吸収する吸収性コア１１と、吸収性コア１１よりも着用者の肌側に配置された液透過性の肌側シート１２と、吸収性コア１１よりも非肌側に配置された液不透過性の非肌側シート１３と、シート部材１４とを有する。肌側シート１２は、吸収性コア１１を巻き込むように、左右方向の両側部が非肌側に折り返されている。シート部材１４は、非肌側シート１３よりも非肌側に配置されるとともに、肌側シート１２よりも肌側において防漏壁部４０を形成している。

吸収性コア１１は、高吸収性ポリマー（所謂ＳＡＰ）を含むパルプ繊維等の液体吸収性繊維を所定形状に成形したものである。本実施形態の吸収性コア１１は平面視略砂時計形状であるが、これに限らず、例えば平面視矩形状等であってもよい。また、吸収性コア１１は、液透過性のコアラップシート１５で被覆されていてもよい。

腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０は、それぞれ、内層シート２１，３１と、内層シート２１，３１よりも非肌側に配置された外層シート２２，３２と、胴回り弾性部材２３，３３と、カバーシート２４、３４とを有する。胴回り弾性部材２３，３３は、内層シート２１，３１と外層シート２２，３２の間において、上下方向に並んで配置されるとともに、左右方向に伸長状態で固定されている。よって、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０は、着用者の胴回りにフィットする。また、カバーシート２４、３４は、吸収性本体１０の上端部を肌側から覆っている。

図２の展開かつ伸長状態において、腹側胴回り部２０は平面視矩形状である。背側胴回り部３０は、前後方向において腹側胴回り部２０と重複する重複部３０Ａと、腹側胴回り部２０よりも下側に延出する延出部３０Ｂとを有する。重複部３０Ａは平面視矩形状であり、延出部３０Ｂは平面視逆台形状である。延出部３０Ｂによって着用者の臀部を被覆できる。一方、腹側胴回り部２０は、背側胴回り部３０に比べて上下方向の長さが短く、股下側まで延びていない。そのため、歩行時等に腹側に引き上げられる脚の動きが阻害されず、歩行しやすい。

また、背側胴回り部３０の延出部３０Ｂには、その下端に沿って延出部弾性部材３５が設けられている。延出部弾性部材３５は、具体的には、下側に向かって左右方向の内側に傾いて配置された一対の傾斜部３５１と、一対の傾斜部３５１の間において左右方向に沿って配置された直線部３５２とを有する。延出部弾性部材３５は、胴回り弾性部材３３と同様に、内層シート３１と外層シート３２の間において伸長状態で固定されている。延出部弾性部材３５によって、延出部３０Ｂは着用者の臀部にフィットし、延出部３０Ｂのめくれを抑えられる。

ただし、上記に限らない。例えば、腹側胴回り部２０が、背側胴回り部３０と同じ平面形状であり、背側胴回り部３０の延出部弾性部材３５と同様の弾性部材を備えていてもよい。すなわち、腹側胴回り部２０が、下端部において、下側に向かって左右方向の内側に傾く傾斜弾性部材を備えていてもよい。また、逆に、背側胴回り部３０が、腹側胴回り部２０と同じ平面視矩形状であり、延出部弾性部材３５を備えていなくてもよい。

＝＝＝防漏壁部４０について＝＝＝
図５及び図６は防漏壁部４０を説明する図である。図５は展開かつ伸長状態のおむつ１の概略平面図である。図６は防漏壁部４０の概略断面図である。図７Ａは図５のＩ−Ｉ線での概略断面図であり、図７Ｂは図５のＩＩ−ＩＩ線での概略断面図であり、図７Ｃは図５のＩＩＩ−ＩＩＩ線での概略断面図である。図８Ａ及び図８Ｂは着用状態の防漏壁部４０の概略断面図である。

以下の説明において、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態とは、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の接合を解除し、おむつ１を吸収性本体１０の長手方向（上下方向）に展開し、かつ、おむつ１を吸収性本体１０の長手方向（上下方向）に皺なく伸長させた状態である。具体的には、おむつ１を構成する資材（例えばシート部材１４等）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長させた状態である。

＜＜防漏壁部４０の構成＞＞
吸収性本体１０が備える一対の防漏壁部４０は、それぞれ、吸収性本体１０の外装を構成するシート部材１４が折り畳まれることによって形成される。防漏壁部４０の形成方法の一例として以下の方法を例示できる。

まず、シート部材１４に非肌側シート１３が載置された状態で、シート部材１４の左右方向の両側部が、折り曲げ線ｆ１（図６参照）を基点として、肌側かつ左右方向の内側に折り曲げられる。そうして２層となったシート部材１４の間には、側部弾性部材４１が吸収性本体１０の長手方向に伸長状態で固定されている。次に、２層になったシート部材１４の左右方向の両側部が、折り曲げ線ｆ２を基点として、非肌側かつ左右方向の内側に折り曲げられる。

最後に、非肌側シート１３に吸収性コア１１や肌側シート１２が載置された状態で、４層となったシート部材１４の左右方向の両側部が、折り曲げ線ｆ３を基点として、肌側かつ左右方向の内側に折り曲げられる。これにより、側部弾性部材４１が固定されたシート部材１４の部位が、肌側シート１２よりも肌側に配置される。そして、断面略Ｓ字状に折り曲げられた防漏壁部４０が形成される。

防漏壁部４０は、折り曲げ線ｆ１とｆ２の間の部位である「肌側部４２」と、肌側部４２よりも非肌側に配置され、折り曲げ線ｆ２とｆ３の間の部位である「非肌側部４３」とを有する。肌側部４２は非肌側部４３に対して左右方向の外側に折り曲げられた部位である。よって、肌側部４２の左右方向の外側端４２ａが「防漏壁部４０の先端４２ａ」となる。

また、吸収性コア１１よりも非肌側に位置するシート部材１４の部位は、接着剤１６（図６参照）によって、吸収性本体１０の左右方向の側端１０ａの位置までバックシート１３等に固定されている。よって、吸収性本体１０の側端１０ａであり、折り曲げ線ｆ３の位置が防漏壁部４０の根元４３ａとなる。つまり、非肌側部４３の左右方向の外側端４３ａが「防漏壁部４０の根元４３ａ」となる。

肌側部４２を構成する２層のシート部材１４の間には、４本の側部弾性部材４１Ａが左右方向に並んで設けられている。４本の側部弾性部材４１Ａは、防漏壁部４０の先端４２ａに寄って配置されている。非肌側部５２を構成する２層のシート部材１４の間には、２本の側部弾性部材４１Ｂが左右方向に並んで設けられている。２本の側部弾性部材４１Ｂは、非肌側部４３の左右方向の内側端４３ｂに寄って配置されている。

また、吸収性本体１０は、図５に示すように、おむつ１の前後方向における前側の上端部において、防漏壁部４０を起立不能に固定する「前側端部固定部５１」と、後側の上端部において、防漏壁部４０を起立不能に固定する「後側端部固定部５２」とを有する。

前側端部固定部５１は、具体的には、図７Ａに示すように、防漏壁部４０の肌側部４２と非肌側部４３の間を接着剤等で固定する「肌側固定部５１１」と、防漏壁部４０の非肌側部４３と肌側シート１２の間を接着剤等で固定する「非肌側固定部５１２」とを有する。図示しないが、後側端部固定部５２も、図７Ａと同様の断面であり、肌側固定部と非肌側固定部とを有する。

そのため、吸収性本体１０の長手方向において、前側端部固定部５１と後側端部固定部５２の間のシート部材１４の部位が、防漏壁部４０の起立可能な部位となる。また、例えば着用者が寝姿勢である場合に、防漏壁部４０で堰き止めた排泄液が前後に流れたとしても、前型端部固定部５１及び後側端部固定部５２によって排泄液を堰き止めることができ、前漏れや後ろ漏れを抑制できる。

ちなみに、本実施形態の防漏壁部４０の起立可能な部位の幅（左右方向の長さ）は微少量ではない。具体的にいうと、肌側部４２の幅及び非肌側部４３の幅は微少量ではなく、５ｍｍよりも長い。そのため、仮に防漏壁部４０の長手方向の両端部を起立不能に固定しないと、防漏壁部４０の起立可能な部位が長手方向の中心に向かって収縮してしまい、防漏壁部４０を起立させることができない。つまり、前側端部固定部５１及び後側端部固定部５２が設けられることにより、吸収性本体１０の長手方向の広い範囲に亘って防漏壁部４０を綺麗に起立させることができ、防漏壁部４０を機能させることができる。

また、吸収性本体１０は、前側端部固定部５１及び後側端部固定部５２と上下方向に間隔を空けた位置において、防漏壁部４０を肌側シート１２に固定する「間欠固定部５３」を有する。つまり、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図５）において、前側端部固定部５１、間欠固定部５３、及び、後側端部固定部５２が、上下方向に（吸収性本体１０の長手方向に）間欠的に配置されている。

間欠固定部５３は、具体的には、図６に示すように、防漏壁部４０の非肌側部４３と肌側シート１２の間を接着剤等で固定する。図５に例示する間欠固定部５３は、平面視矩形状の２つの固定部５３１，５３１が左右方向に並んで構成されたものである。ただし、これに限らず、例えば、間欠固定部５３が、１つの固定部で構成されていてもよいし、複数の固定部が左右方向や上下方向に並んで構成されていてもよい。

間欠固定部５３では接着剤の塗布等が行われており、剛性が高い。そのため、間欠固定部５３は、左右方向における吸収性本体１０の側端１０ａよりも内側に配置されていることが好ましい。吸収性本体１０の側端１０ａに、剛性の高い間欠固定部５３が位置しないことで、吸収性本体１０の側端１０ａ（エッジ）で着用者の内腿を刺激してしまうことを防止できる。

また、図６に示すように、防漏壁部４０において、左右方向における間欠固定部５３の内側端５３ａの位置から防漏壁部４０の根元４３ａ側の領域（根元４３ａまでの領域）を「根元領域４０１」とする。また、根元領域４０１よりも防漏壁部４０の先端４２ａ側の領域（先端４２ａまでの領域）を「先端領域４０２」とする。

防漏壁部４０の先端領域４０２は、図７Ｃに示すように、防漏壁部４０の先端４２ａよりも左右方向の内側において、互いに対向する面同士の少なくとも一部が接合された「摘み接合部５４」（本発明の接合部）を有している。摘み接合部５４は、具体的には、肌側部４２と非肌側部４３の間の一部を接着剤等で接合している。また、摘み接合部５４は、図５に示すように、吸収性本体１０の長手方向に沿って設けられている。

本実施形態の摘み接合部５４は、非肌側部４３の左右方向の内側端４３ｂ（すなわち折り曲げ線ｆ２）に沿って形成されている。ただし、これに限らず、摘み接合部５４が、非肌側部４３の左右方向の内側端４３ｂから離間して、内側端４３ｂよりも左右方向の外側に形成されていてもよい。

上記の前側端部固定部５１、後側端部固定部５２、間欠固定部５３、及び、摘み接合部５４は、接着剤を塗布することで形成するとしているが、これに限らない。例えばエンボス加工等の圧着手段を用いて形成してもよい。

特に、間欠固定部５３では、着用者の身体の動きによって、間欠固定部５３を形成する接着剤の一部が剥がれてしまうおそれがある。また、間欠固定部５３では、左右方向の内側に折り返された防漏壁部４０が肌側シート１２に固定される。そのため、間欠固定部５３を形成する接着剤の一部が剥がれると、接着剤が着用者の肌側に露出し、着用者の肌を接着剤で刺激してしまう。そのため、間欠固定部５３は、接着剤で形成してもよいが、エンボス加工等の圧着手段で形成することが好ましい。

＜＜排泄物の漏れ抑制について＞＞
間欠固定部５３が位置しない箇所では、前述の図３に示すように、吸収性コア１１の左右方向の側端１１ａを起点として起立可能なシートの長さは次の長さになる。すなわち、吸収性コア１１の側端１１ａから吸収性本体１０の側端１０ａまでのシート（肌側シート１２や非肌側シート１３やシート部材１４）の左右方向の長さＷ１と、防漏壁部４０の非肌側部４３の左右方向の長さＷ２と、防漏壁部４０の肌側部４２の左右方向の長さＷ３とを合計した長さ（Ｗ１＋Ｗ２＋Ｗ３）となる。この長さ（Ｗ１＋Ｗ２＋Ｗ３）のシートが、図６に示すように間欠固定部５３によって一部摘ままれる。

つまり、間欠固定部５３が位置しない箇所に比べて、間欠固定部５３が位置する箇所では、吸収性コア１１の左右方向の側端１１ａから起立可能なシートの長さが短くなる。そのため、おむつ１の着用中に吸収性コア１１が排泄液を吸収して重くなっても、図８Ｂに示すように、間欠固定部５３が位置する吸収性コア１１の部位は垂れ下がりにくい。つまり、排泄後も、着用者に対する吸収性本体１０のフィット性を維持できる。よって、排泄が重ねられる場合にも、着用者にフィットする吸収性コア１１によって排泄液を吸収でき、排泄物の漏れを抑制できる。また、吸収性コア１１の垂れ下がりを抑制することで、排泄後も、着用者に違和感を生じさせることがなく、歩行等も行いやすくなる。また、おむつ１の着用が外観から分かり難くなる。

また、間欠固定部５３によって吸収性コア１１の垂れ下がりを抑制できる一方で、間欠固定部５３が位置する箇所では、防漏壁部４０の起立可能な部位の長さが短くなる。これは、防漏壁部４０の起立可能なシート部材１４の一部が肌側シート１２に固定されるからである。そのため、吸収性本体１０の長手方向の広い範囲に間欠固定部５３を設けずに、吸収性本体１０の長手方向の一部に間欠固定部５３を設けるとよい。

そうすることで、間欠固定部５３における防漏壁部４０の起立可能な部位の長さに比べて、前側端部固定部５１と間欠固定部５３の間、及び、間欠固定部５３と後側端部固定部５２の間における、防漏壁部４０の起立可能な部位の長さを長くできる。

よって、間欠固定部５３が位置しない箇所（例えば図８Ａ）では、間欠固定部５３が位置する箇所（例えば図８Ｂ）に比べて、着用者の身体と吸収性本体１０の間に適度な大きさの空間２を確保できる。その空間２に排泄物を収容でき、排泄物の漏れを抑制できる。また、間欠固定部５３よりも腹側の空間２には男性器を収容でき、間欠固定部５３よりも背側の空間２には臀部や排便を収容できる。

また、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図５）において、間欠固定部５３の上下方向の中心ＣＬ２は、おむつ１の上下方向の中心である製品中心ＣＬ１よりも腹側胴回り部２０側に配置されているとよい。つまり、間欠固定部５３を腹側胴回り部２０側に寄せて配置するとよい。

そうすることで、間欠固定部５３及び後側端部固定部５２の間の防漏壁部４０の上下方向の長さ（Ｌ６）を長くできる。よって、着用者の臀部や排便を収容する空間２を十分に確保でき、また、後ろ漏れを抑制できる。

また、着用者の排尿位置は、股下部よりも前側（腹側）に位置する。そのため、間欠固定部５３を腹側胴回り部２０側に寄せて配置することで、吸収性コア１１における排泄口当接位置に対応して、間欠固定部５３が位置する。そのため、排泄液を最も吸収して重くなる吸収性コア１１の部位の垂れ下がりを間欠固定部５３によって抑制できる。

ただし、上記に限らない。例えば、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図５）において、間欠固定部５３の上下方向の中心ＣＬ２が、おむつ１の製品中心ＣＬ１と一致していてもよいし、おむつ１の製品中心ＣＬ１よりも背側胴回り部３０側に配置されていてもよい。

また、防漏壁部４０の先端領域４０２は、図７Ｃに示すように、摘み接合部５４を有している。摘み接合部５４によって、防漏壁部４０の折り畳み形状が維持される、すなわち折り曲げ線ｆ２での曲げが維持される。そのため、おむつ１の着用状態（図８Ａ）では、防漏壁部４０の非肌側部４３に配置された側部弾性部材４１Ｂによって、非肌側部４３が着用者側に起立しつつ、肌側部４２に配置された側部弾性部材４１Ａによって、肌側部４２が着用者に面接触する。

また、摘み接合部５４は剛性が高く、肌側部４２の中でも特に摘み接合部５４は面形状が維持され、着用者にしっかりと密着できる。一方、摘み接合部５４以外の肌側部４２の部位は剛性が低く、着用者の身体の凹凸に応じた曲面を形成しながら着用者に密着できる。そのため、着用者への防漏壁部４０の密着度を高めることができ、排泄物の漏れを抑制できる。

また、本実施形態の吸収性本体１０は、左右方向の両側部において、上下方向に伸縮する側部弾性部材４１を備えるが、その側部弾性部材４１は、防漏壁部４０の先端領域４０２にのみ配置されている。そのため、間欠固定部５３の剛性によって側部弾性部材４１の収縮力の一部が阻害されることなく、側部弾性部材４１の収縮力を有効に利用して、防漏壁部４０をしっかりと起立させることができる。

ただし、上記に限らず、根元領域４０１に側部弾性部材４１が配置されていてもよい。詳しくは、根元領域４０１のうち、左右方向において間欠固定部５３と重複しない位置や、間欠固定部５３と重複する位置に、側部弾性部材４１が配置されていてもよい。

＝＝＝おむつ１の外観について＝＝＝
本実施形態のおむつ１は、パンツ型の自然状態において、図１や図４に示すように、前後方向の前側から、吸収性本体１０が下側に凸となる左右方向に沿う第１凸部６１と、吸収性本体１０が上側に凸となる左右方向に沿う凹部６０と、吸収性本体１０が下側に凸となる左右方向に沿う第２凸部６２とを有する。

これは、吸収性本体１０が間欠固定部５３を有するからである。
具体的に説明すると、間欠固定部５３が位置する箇所では、側部弾性部材４１の収縮によって、防漏壁部４０と共に、防漏壁部４０に固定された吸収性本体１０の本体部（肌側シート１２や吸収性コア１１等）も引き上げられ、凹部６０が形成される。換言すると、間欠固定部５３が位置する箇所では、防漏壁部４０の起立可能なシート部材１４の長さが短く、吸収性本体１０が垂れ下がらないので、凹部６０が形成される。

そして、間欠固定部５３は、吸収性本体１０の長手方向の一部に設けられている。そのため、間欠固定部５３の前後の吸収性本体１０の部位がその自重により垂れ下がり、第１凸部６１及び第２凸部６２が形成される。

このように、本実施形態のおむつ１では、凹部６０によって吸収性本体１０の一部が引き上げられ、股下側に長くだらんと垂れ下がっていない。そのため、おむつ１の股下部がだぶつくことなく、フィット性が良いという印象を、おむつ１の外観からユーザーに持ってもらうことができる。

さらに、第１凸部６１及び第２凸部６２によって、おむつ１が凹部６０の前後に２つの空間を有するように視認される。そのため、第１凸部６１の空間には排尿や男性器を収容でき、第２凸部６２の空間には臀部や排便を収容でき、排泄物が漏れにくく、フィット性が良いという印象を、ユーザーに持ってもらうことができる。

また、第１凸部６１及び第２凸部６２は、それぞれ、吸収性本体１０が下側に凸となるように吸収性本体を左右方向に沿って折る山折り線Ｌａ，Ｌｂを有し、凹部６０は、吸収性本体１０が上側に凸となるように吸収性本体１０を左右方向に沿って折る谷折り線Ｌｃを有することが好ましい。そうすることで、おむつ１の外観から、第１凸部６１と凹部６０と第２凸部６２とがユーザーに認識されやすくなる。

ただし、上記に限らず、第１凸部６１と凹部６０と第２凸部６２の各頂部に、山折り線Ｌａ，Ｌｂや谷折り線Ｌｃが形成されていなくてもよい。つまり、山折り線Ｌａ，Ｌｂや谷折り線Ｌｃが吸収性本体１０に形成される程に、吸収性本体１０が前後方向にしっかりと折り畳まれていなくてもよいものとする。

また、間欠固定部５３によって谷折り線Ｌｃ（凹部６０）が形成されるため、パンツ型状態のおむつ１において、吸収性コア１１を折る谷折り線Ｌｃの部位は、左右方向において、間欠固定部５３と並ぶ。換言すると、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図５）において、吸収性コア１１を折る谷折り線Ｌｃの部位と間欠固定部５３とが、上下方向（吸収性本体１０の長手方向）に重複している。

なお、図５では、谷折り線Ｌｂが間欠固定部５３に交差して形成されているが、これに限らない。間欠固定部５３は剛性が高い。そのため、例えば、谷折り線Ｌｃは、吸収性コア１１を折る部位から左右方向の外側に向かって分岐し、間欠固定部５３の上下方向の両端に沿って形成されていてもよい。

また、本実施形態のおむつ１は、腹側胴回り部２０と背側胴回り部３０が分離されて別部材である所謂３ピースタイプのおむつである。ただしこれに限らず、腹側胴回り部２０と背側胴回り部３０の間に股下部が設けられ、腹側胴回り部２０と背側胴回り部３０が連続した一部材である所謂２ピースタイプのおむつでもよい。

しかし、３ピースタイプのおむつ１では、吸収性本体１０の長手方向の中央部が、外装部材の影響を受けにくく、変形自由度が高い。そのため、側部弾性部材４１の収縮により吸収性本体１０が変形しやすく、第１凸部６１と凹部６０と第２凸部６２とが形成されやすい（すなわち一対の山折り線Ｌａ，Ｌｂ及び谷折り線Ｌｃが形成されやすい）。よって、３ピースタイプのおむつ１が好ましい。

図９は、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０と吸収性本体１０との接合領域６１，６２の説明図であり、上下方向に展開かつ伸長したおむつ１の概略平面図である。吸収性本体１０の長手方向腹側の端部には、接合領域６１に塗布された接着剤によって、非肌側から腹側胴回り部２０が接合されている。また、吸収性本体１０の長手方向背側の端部には、接合領域６２に塗布された接着剤によって、非肌側から背側胴回り部３０が接合されている。

腹側の接合領域６１の下端６１ａから背側の接合領域６２の下端６２ｂまでの吸収性本体１０の部位、すなわち腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０に接合されていない吸収性本体１０の部位は、外装部材の影響を受けにくく、変形自由度が高い。つまり、側部弾性部材４１の収縮により吸収性本体１０が変形しやすく、第１凸部６１と凹部６０と第２凸部６２とが形成されやすい（すなわち一対の山折り線Ｌａ，Ｌｂ及び谷折り線Ｌｃが形成されやすい）。

そこで、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図９）において、以下であることが好ましい。腹側胴回り部２０が吸収性本体１０に接合された接合領域６１と、背側胴回り部３０が吸収性本体１０に接合された接合領域６２との間の、吸収性本体１０の部位の上下方向の長さを第１長さＬ１とし、間欠固定部５３の上下方向の長さを第２長さＬ２とした場合、第２長さＬ２は第１長さＬ１の１／２未満の長さ（Ｌ２＜Ｌ１／２）であること。さらに、間欠固定部５３は、接合領域６１，６２から上下方向に（吸収性本体１０の長手方向に）間隔を空けた位置に配置されていること。

そうすることで、間欠固定部５３により引き上げられる吸収性本体１０の部位の長さ（約Ｌ２）を、変形自由度の高い吸収性本体１０の部位の長さ（約Ｌ１）の１／２未満にできる。そのため、間欠固定部５３（凹部６０）の前後に、変形自由度が高く、第１凸部６１及び第２凸部６２を形成可能な長さ（山折り可能な長さ）の吸収性本体１０の部位を設けることができる。よって、間欠固定部５３の前後で吸収性本体１０を垂れ下げることができ、第１凸部６１及び第２凸部６２が形成される（すなわち一対の山折り線Ｌａ，Ｌｂが形成される）。

また、前述したように、防漏壁部４０は剛性の高い摘み接合部５４（図７Ｃ参照）を有する。パンツ型状態のおむつ１において、吸収性本体１０の下端部は、側部弾性部材４１の収縮により肌側を内側に湾曲するが、摘み接合部５４は、側部弾性部材４１の収縮力に抗して、前後方向に沿う直線状態を維持しようとする。そのため、摘み接合部５４が位置する箇所では、吸収性本体１０も前後方向に沿いやすくなる。

そこで、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図９）において、間欠固定部５３よりも腹側胴回り部２０側、及び、間欠固定部５３よりも背側胴回り部３０側に、摘み接合部５４を配置するとよい。つまり、第１凸部６１及び第２凸部６２によって形成される２つの空間にそれぞれ摘み接合部５４を配置するとよい。

そうすることで、おむつ１の外観上、第１凸部６１及び第２凸部６２によって形成される２つの空間が摘み接合部５４によって前後方向に広がりやすくなる。そのため、おむつ１が前後方向に２つの空間（排泄物等を収容する空間）を有することを、ユーザーがより認識しやすくなる。

なお、本実施形態では、間欠固定部５３の腹側及び背側にそれぞれ摘み接合部５４が配置されているが、間欠固定部５３の腹側及び背側の一方にのみ摘み接合部５４が配置されてもよい。

また、図１や図４に示すように、第１凸部６１の下端６１ａは第２凸部６２の下端６２ａと上下方向にずれていることが好ましい。つまり、一対の山折り線Ｌａ，Ｌｂは、上下方向にずれていることが好ましい。そうすることで、ユーザーは、第１凸部６１及び第２凸部６２の位置関係に基づき、おむつ１の前後を判断できる。よって、腹側胴回り部２０側が着用者の腹側に位置し、背側胴回り部３０側が着用者の背側に位置するように、おむつ１が正しく着用される。

なお、第１凸部６１の下端６１ａ及び第２凸部６２の下端６２ａとは、図４に示すように吸収性本体１０の非肌面側の下端であってもよいし、吸収性本体１０の肌面側の下端であってもよい。

また、ユーザーは、第２凸部６２で形成される空間に臀部が収容されるように、後側の空間の方が大きいと考える。そのため、第２凸部６２の下端６２ａが、第１凸部６１の下端６１ａよりも下側に位置していることが好ましい。つまり、後側の山折り線Ｌｂが前側の山折り線Ｌａよりも下側に位置していることが好ましい。そうすることで、おむつ１の外観上、前側の空間よりも後側の空間が大きくなり、ユーザーは、感覚的に正しくおむつ１の前後を判断できる。

さらに、本実施形態のおむつ１のように、背側胴回り部３０は、腹側胴回り部２０よりも下側に延出する延出部３０Ｂを有することが好ましい。おむつ１が臀部を被覆できる延出部３０Ｂを有することで、おむつ１の形状が一般の下着の形状に近付く。よって、ユーザーは、感覚的に正しくおむつ１の前後を判断できる。

ただし、上記に限らず、第１凸部６１の下端６１ａ（前側の山折り線Ｌａ）が、第２凸部６２の下端６２ａ（後側の山折り線Ｌｂ）よりも下側に位置してもよいし、第１凸部６１の下端６１ａ（前側の山折り線Ｌａ）と第２凸部６２の下端６２ａ（後側の山折り線Ｌｂ）の上下方向の位置が揃っていてもよい。

また、吸収性本体１０の長手方向において、前側端部固定部５１と後側端部固定部５２の間の防漏壁部４０の部位が、側部弾性部材４１の収縮により起立可能な部位となる。よって、前側端部固定部５１と後側端部固定部５２の間の吸収性本体１０の部位が、側部弾性部材４１の収縮により変形する、すなわち、肌側を内側に湾曲し、第１凸部６１と凹部６０と第２凸部６２とが形成される（すなわち一対の山折り線Ｌａ，Ｌｂ及び谷折り線Ｌｃが形成される）。

そこで、上下方向におむつ１を展開かつ伸長した状態（図５）において、前側端部固定部５１及び間欠固定部５３の間の防漏壁部４０の上下方向の長さ（Ｌ５）と、間欠固定部５３及び後側端部固定部５２の間の防漏壁部４０の上下方向の長さ（Ｌ６）とを異ならせるとよい。

そうすることで、側部弾性部材４１の収縮により変形する吸収性本体１０の部位において、間欠固定部５３が前側又は後側の一方に寄って配置される。そのため、間欠固定部５３の前後で山折りされる吸収性本体１０の部位の長さが異なる。よって、第１凸部６１の下端６１ａ（前側の山折り線Ｌａ）と第２凸部６２の下端６２ａ（後側の山折り線Ｌｂ）を上下方向にずらすことができる。

本実施形態のおむつ１では、前側端部固定部５１及び間欠固定部５３の間の防漏壁部４０の上下方向の長さ（Ｌ５）よりも、間欠固定部５３及び後側端部固定部５２の間の防漏壁部４０の上下方向の長さ（Ｌ６）が長くなっている（Ｌ５＜Ｌ６）。そのため、第２凸部６２の下端６２ａが、第１凸部６１の下端６１ａよりも下側に位置する。

また、パンツ型に成形されたおむつ１は、包装状態において、以下のように折り畳まれているものとする。まず、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の左右方向の両端部が、上下方向に沿う第１折り線ＦＬ１（図９参照）にて、左右方向の内側に折り返される。次に、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の上端部は、左右方向に沿う第２折り線ＦＬ２にて、下側に折り返される。そうして折り畳まれたおむつ１は、個別に又は複数個ごとにパッケージされて流通されるものとする。

本実施形態のおむつ１では、図４に示すように、第１凸部６１の下端６１ａから凹部６０の上端６０ａまでの範囲において、厚みのある吸収性コア１１が４層に重ねられている。つまり、本実施形態のおむつ１は、単に二つ折りされる一般のおむつに比べて、前後方向に厚みのある部位を有する。

そこで、第１折り線ＦＬ１は、左右方向において、吸収性本体１０の両側端１０ａよりも外側に位置していることが好ましい。本実施形態では、第１折り線ＦＬ１が吸収性本体１０の左右方向の両側端１０ａに沿っている。

この場合、４層に重ねられた吸収性コア１１の部位が、さらに左右方向の内側に折り返されてしまうことがなく、吸収性コア１１が８層に重ねられてしまうことを防止できる。そのため、おむつ１が展開しにくく、おむつ１の折り畳み状態が維持される。よって、ユーザーがおむつ１を持ち運びしやすくなる。また、折り畳まれたおむつ１の前後方向の厚みを抑えることができる。よって、製造ラインにおいて、折り畳まれたおむつ１の搬送トラブルが生じにくくなる。

また、図４に示すように、パンツ型状態のおむつ１において、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の上端２０ａ，３０ａから第２折り線ＦＬ２までの上下方向の長さＬ３が、第２折り線ＦＬ２から凹部６０の上端６０ａまでの上下方向の長さＬ４よりも短いことが好ましい（Ｌ３＜Ｌ４）。本実施形態では、第２折り線ＦＬ２が吸収性本体１０の長手方向の両端１０ｂに沿っている。

この場合、第２折り線ＦＬ２で折り返された腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の上端部が、凹部６０の上端６０ａよりも上側に位置する。詳しくは、前述の第１折り線ＦＬ１で腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の左右方向の両端部が左右方向の内側に折り返されて、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０が各々２層ずつ重ねられた部位が、第２折り線ＦＬ２で折り返された後に、凹部６０の上端６０ａよりも上側に位置する。

つまり、腹側胴回り部２０及び背側胴回り部３０の厚みのある部位が、第２折り線ＦＬ２の折り返しによって、４層に重ねられた吸収性コア１１の部位に重ねられてしまうことを防止できる。そのため、折り畳まれたおむつ１の前後方向の厚みを抑えることができる。よって、製造ラインにおいて、折り畳まれたおむつ１の搬送トラブルが生じにくくなる。

なお、凹部６０の上端６０ａとは、図４に示すように吸収性本体１０の肌面側の上端であることが好ましいが、吸収性本体１０の非肌面側の上端であってもよい。

＝＝＝その他の実施の形態＝＝＝
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。

また、防漏壁部４０が摘み接合部５４を有していない形態でもよい。また、腹側の摘み接合部と背側の摘み接合部の一方のみを有する形態でもよい。また、摘み接合部５４が吸収性本体１０の長手方向に連続して長く設けられる形態でもよい。

１ おむつ（パンツ型吸収性物品）、
１０ 吸収性本体、１１ 吸収性コア、１１１ 幅狭部、
１２ 肌側シート、１３ 非肌側シート、
１４ シート部材、１５ コアラップシート、
２０ 腹側胴回り部、２１ 内層シート、２２ 外層シート、
２３ 胴回り弾性部材、２４ カバーシート、
３０ 背側胴回り部、３０Ａ 重複部、３０Ｂ 延出部、
３１ 内層シート、３２ 外層シート、
３３ 胴回り弾性部材、３４ カバーシート、３５ 延出部弾性部材、
４０ 防漏壁部、４０１ 根元領域、４０２ 先端領域、
４１ 側部弾性部材（弾性部材）、４２ 肌側部、４３ 非肌側部、
４２ａ 防漏壁部の先端、４３ａ 防漏壁部の根元、
５１ 前側端部固定部、５２ 後側端部固定部、５３ 間欠固定部、
５４ 摘み接合部（接合部）、
６１，６２ 接合領域、
Ｌａ，Ｌｂ 山折り線、Ｌｃ 谷折り線、
ＦＬ１ 第１折り線（折り線）、ＦＬ２ 第２折り線（折り線）、
６０ 凹部、６１ 第１凸部、６２ 第２凸部、

Claims (11)

1. 互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、
   前記上下方向に沿って配置された吸収性コアと、一対の防漏壁部とを備えた吸収性本体と、
   前記前後方向の前側の前記吸収性本体の上端部に接合された腹側胴回り部と、
   前記前後方向の後側の前記吸収性本体の上端部に接合された背側胴回り部と、
   を有するパンツ型吸収性物品であって、
   前記前後方向の前側から、前記吸収性本体が下側に凸となる前記左右方向に沿う第１凸部と、前記吸収性本体が上側に凸となる前記左右方向に沿う凹部と、前記吸収性本体が下側に凸となる前記左右方向に沿う第２凸部と、を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
2. 請求項１に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   前記第１凸部及び前記第２凸部は、それぞれ、前記吸収性本体が下側に凸となるように前記吸収性本体を前記左右方向に沿って折る山折り線を有し、
   前記凹部は、前記吸収性本体が上側に凸となるように前記吸収性本体を前記左右方向に沿って折る谷折り線を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
3. 請求項１又は２に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   前記第１凸部の下端は前記第２凸部の下端と前記上下方向にずれていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
4. 請求項３に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   前記第２凸部の下端が、前記第１凸部の下端よりも下側に位置し、
   前記背側胴回り部は、前記腹側胴回り部よりも下側に延出する延出部を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
5. 請求項１から４の何れか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   包装状態において、前記腹側胴回り部及び前記背側胴回り部の前記左右方向の両端部は、前記上下方向に沿う折り線にて、前記左右方向の内側に折り返されており、
   前記折り線は、前記左右方向において、前記吸収性本体の両側端よりも外側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
6. 請求項１から５の何れか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   包装状態において、前記腹側胴回り部及び前記背側胴回り部の上端部は、前記左右方向に沿う折り線にて、下側に折り返されており、
   前記腹側胴回り部及び前記背側胴回り部の上端から前記折り線までの前記上下方向の長さは、前記折り線から前記凹部の上端までの前記上下方向の長さよりも短いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
7. 請求項１から６の何れか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   前記吸収性本体は、
   前記吸収性コアよりも着用者の肌側に配置された肌側シートと、
   前記左右方向の両側部において、前記上下方向に伸縮する弾性部材と、を備えており、
   前記一対の防漏壁部は、前記弾性部材によって前記肌側に起立可能であり、
   前記吸収性本体は、
   前記前側の上端部において、前記防漏壁部を起立不能に固定する前側端部固定部と、
   前記後側の上端部において、前記防漏壁部を起立不能に固定する後側端部固定部と、
   前記前側端部固定部及び前記後側端部固定部と前記上下方向に間隔を空けた位置において、前記防漏壁部を前記肌側シートに固定する間欠固定部と、を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
8. 請求項７に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   前記凹部は、前記吸収性本体が上側に凸となるように前記吸収性本体を前記左右方向に沿って折る谷折り線を有し、
   前記吸収性コアを折る前記谷折り線の部位は、前記左右方向において、前記間欠固定部と並んでいることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
9. 請求項７又は８に記載のパンツ型吸収性物品であって、
   前記上下方向に前記パンツ型吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、
   前記腹側胴回り部が前記吸収性本体に接合された領域と、前記背側胴回り部が前記吸収性本体に接合された領域との間の、前記吸収性本体の部位の前記上下方向の長さを第１長さとし、
   前記間欠固定部の前記上下方向の長さを第２長さとした場合、
   前記第２長さは、前記第１長さの１／２未満の長さであり、かつ、前記間欠固定部は、前記接合された領域から前記上下方向に間隔を空けた位置に配置されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
10. 請求項７から９の何れか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記上下方向に前記パンツ型吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、
    前記前側端部固定部及び前記間欠固定部の間の前記防漏壁部の前記上下方向の長さと、前記間欠固定部及び前記後側端部固定部の間の前記防漏壁部の前記上下方向の長さとが異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
11. 請求項７から１０の何れか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記防漏壁部は、前記左右方向における前記間欠固定部の内側端から前記防漏壁部の根元側の根元領域と、前記根元領域よりも前記防漏壁部の先端側の先端領域と、を有し、
    前記先端領域は、前記防漏壁部の先端よりも前記左右方向の内側において、互いに対向する面同士の少なくとも一部が接合された接合部を有し、
    前記上下方向に前記パンツ型吸収性物品を展開かつ伸長した状態において、
    前記間欠固定部よりも前記腹側胴回り部側、及び、前記間欠固定部よりも前記背側胴回り部側の少なくとも一方に、前記接合部が配置されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。

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