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JP2019114405A - X線管及びx線管の製造方法 - Google Patents

X線管及びx線管の製造方法 Download PDF

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JP2019114405A JP2017246632A JP2017246632A JP2019114405A JP 2019114405 A JP2019114405 A JP 2019114405A JP 2017246632 A JP2017246632 A JP 2017246632A JP 2017246632 A JP2017246632 A JP 2017246632A JP 2019114405 A JP2019114405 A JP 2019114405A
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雄一 村越
Yuichi Murakoshi
雄一 村越
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Abstract

【課題】製品信頼性の高いX線管及びX線管の製造方法を提供する。又は、製造歩留まりの高いX線管及びX線管の製造方法を提供する。【解決手段】X線管は、第1支持部材11と、ベース部材12と、ピンと、第1ろう材21と、を備える。第1支持部材11は、筒状に形成されている。ベース部材12は、第1支持部材11の一端と全周にわたって対向した板部12aと、板部12aから突出し第1支持部材の外周面Sbと対向した突出部12bと、を有する。ピンは、ベース部材12により支持されている。第1ろう材21は、第1支持部材11とベース部材12との間の隙間gに設けられ、第1支持部材11とベース部材12とを気密に接合する。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、X線管及びX線管の製造方法に関する。
X線管は、電子を放出する陰極と、X線を放出する陽極ターゲットと、陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、真空外囲器に気密に取り付けられたピンと、を備えている。ピンを利用することにより、例えば、陰極に電流を与えたり、電圧を印加したりすることができる。X線管は、第1支持部材と、ベース部材とを備えている。ピンはベース部材などにより支持されている。
ベース部材は、円板状に形成されている。第1支持部材は、X線管の管軸に沿って筒状に形成されている。第1支持部材の一端部は、内周面側に全周にわたって形成された環状の段差を有している。第1支持部材において、上記段差が形成された領域の第1内周面の内径は、上記段差が形成されていない領域の第2内周面の内径より大きい。第1支持部材は、内周面側に上記段差により形成された環状の底面を有している。上記底面の内周縁は上記第2内周面につながり、上記底面の外周縁は上記第1内周面につながっている。
ベース部材は第1支持部材の上記段差に設置され、ベース部材の周縁部は、第1支持部材の上記底面に接している。第1支持部材の段差の全周にわたって、ベース部材は、第1支持部材にろう接されている。このため、ベース部材は、第1支持部材に気密に接続されている。
第1支持部材が延在する方向を垂直方向と称した場合、ベース部材は、上記管軸に垂直な水平面上にて延在している。言い換えると、ベース部材は、水平に維持されている。
特開2003−323856号公報
上述したように、ベース部材を第1支持部材にろう接することにより、X線管を、大量、短時間、及び安価に製作することができる。
ところで、ベース部材と第1支持部材とを異なる材料で形成した場合、第1支持部材の熱膨張係数が、ベース部材の熱膨張係数より高くなる場合がある。その場合、ベース部材及び第1支持部材が加熱され高温となるろう接時に、第1支持部材の内径が、ベース部材の外径より大きくなる。すると、ベース部材の周縁部が第1支持部材の上記底面に接している状態が解除され、ベース部材が抜け落ちる恐れがある。
また、第1支持部材の厚みは小さいため、第1支持部材の上記底面の面積を十分に確保することは困難である。そのため、ベース部材と第1支持部材とを同一の材料で形成しても、製造誤差により、ベース部材の周縁部が第1支持部材の上記底面に接している状態にすることができず、ベース部材が抜け落ちる恐れがある。
上記のようにベース部材が抜け落ちると、第1支持部材に対するベース部材などの相対的な位置にずれが生じてしまう。ベース部材は、水平を維持できなくなる。すると、様々な不具合が生じることになる。例えば、ベース部材を第1支持部材に気密に接続させることが困難となる。
本実施形態は、製品信頼性の高いX線管及びX線管の製造方法を提供する。又は、製造歩留まりの高いX線管及びX線管の製造方法を提供する。
一実施形態に係るX線管は、
筒状に形成された第1支持部材と、
前記第1支持部材の一端と全周にわたって対向した板部と、前記板部から突出し前記第1支持部材の外周面と対向した突出部と、を有するベース部材と、
前記ベース部材により支持されたピンと、
前記第1支持部材と前記ベース部材との間の隙間に設けられ前記第1支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する第1ろう材と、
を備える。
また、一実施形態に係るX線管の製造方法は、
筒状に形成された第1支持部材と、板部と前記板部から突出した突出部とを有するベース部材と、ピンと、第1ろう材と、を用意し、
前記第1支持部材、前記ベース部材、前記ピン、及び前記第1ろう材を組立品に組立て、前記組立品に組立てる際、前記板部を前記第1支持部材の一端と全周にわたって対向させ、前記第1支持部材と前記ベース部材との間の隙間に前記第1ろう材を設け、前記突出部を前記第1支持部材の外周面と対向させ、前記ベース部材により前記ピンを支持し、
前記組立品を加熱し、前記第1ろう材にて前記第1支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する。
図1は、一実施形態に係るX線管を示す構成図である。 図2は、図1に示したX線管の一部を示す拡大断面図である。 図3は、図2に示したベース部材を第1支持部材側から見た平面図である。 図4は、図2に示したベース部材、第1支持部材、及び第1ろう材を示す拡大断面図である。 図5は、上記実施形態の変形例1に係るX線管のベース部材、第1支持部材、及び第1ろう材を示す拡大断面図である。 図6は、上記実施形態の変形例2に係るX線管のベース部材、第1支持部材、及び第1ろう材を示す拡大断面図である。 図7は、比較例に係るX線管の一部を示す拡大断面図である。
以下に、本発明の一実施形態及び変形例について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(一実施形態)
まず、一実施形態に係るX線管について詳細に説明する。
図1に示すように、X線管1は、固定陽極型のX線管である。X線管1は、陰極2と、陽極ターゲット3と、真空外囲器4と、を備えている。また、X線管1は、管軸Aを備えている。陰極2は、電子(熱電子)を放出する。
陽極ターゲット3は、真空外囲器4に収容され、陰極2に間隔を置いて配置されている。陰極2及び真空外囲器4に対する陽極ターゲット3の相対的な位置は固定されている。陽極ターゲット3は、ターゲット本体3aと、ターゲット面3bとを備えている。ターゲット面3bは、陰極2と対向した側のターゲット本体3aの表面に形成されている。ターゲット面3bに電子が衝突することにより、X線を発生する焦点がターゲット面3bに形成される。ターゲット本体3a及びターゲット面3bは、耐熱性の高い金属で形成されている。ターゲット本体3aは、ターゲット面3bに比べて耐熱性の低い材料を用いることが可能である。本実施形態において、ターゲット本体3aは銅で形成され、ターゲット面3bはタングステン合金で形成されている。
真空外囲器4は、金属部材及びガラス部材の組合せで形成されている。例えば、上記ガラス部材は、X線を透過するX線透過窓として機能している。真空外囲器4は密閉され、真空外囲器4の内部は減圧状態(真空状態)に維持されている。真空外囲器4には、複数のピン16が取り付けられている。
図2に示すように、X線管1は、第1支持部材11と、ベース部材12と、スリーブ13と、第2支持部材14と、ピン16と、第1ろう材21と、第2ろう材22と、第3ろう材23と、第4ろう材24と、を備えている。第1支持部材11、ベース部材12、スリーブ13、第2支持部材14などは、上記真空外囲器4の一部を形成している。
第1支持部材11は、筒状に形成されている。第1支持部材11は、内周面Saと、外周面Sbと、を有している。
ベース部材12は、第1支持部材11により支持されている。ベース部材12は、板部12aと、突出部12bと、を有している。板部12aは、第1支持部材11の一端と全周にわたって対向している。ベース部材12は、複数の貫通孔hを有している。突出部12bは、板部12aから突出し、第1支持部材11の外周面Sbと対向している。
スリーブ13は、例えば環状に形成されている。スリーブ13aは、第2支持部材14aにより支持されている。スリーブ13aは、ピン16aを案内しかつ支持している。スリーブ13bは、ピン16bを案内しかつ支持している。
第2支持部材14aは、筒状に形成され、全周にわたってスリーブ13aと対向した一端と、全周にわたって板部12aと対向した他端と、を有している。第2支持部材14aは、ピン16a及びスリーブ13aとともにベース部材12により支持されている。貫通孔haは、第1支持部材11の内部空間と、第2支持部材14aの内部空間と、に繋がっている。上記のことから、ピン16aは、ベース部材12などにより支持されている。ピン16aは、第2支持部材14aの内側空間、貫通孔ha、及び第1支持部材11の内部空間を通り、延在している、
第2支持部材14bは、筒状に形成され、全周にわたってスリーブ13bと対向した一端と、全周にわたって板部12aと対向した他端と、を有している。第2支持部材14bは、ピン16b及びスリーブ13bとともにベース部材12により支持されている。貫通孔hbは、第1支持部材11の内部空間と、第2支持部材14bの内部空間と、に繋がっている。上記のことから、ピン16bは、ベース部材12などにより支持されている。ピン16bは、第2支持部材14bの内側空間、貫通孔hb、及び第1支持部材11の内部空間を通り、延在している、
第1ろう材21は、第1支持部材11とベース部材12との間の隙間gに設けられ、第1支持部材11とベース部材12とを気密に接合している。
第2ろう材22aは、スリーブ13aの上に位置し、ピン16aとスリーブ13aとを気密に接合している。このため、ピン16aは、ろう接によりスリーブ13aに固定されている。第2ろう材22bに関しても、第2ろう材22aと同様である。
第3ろう材23aは、第2支持部材14aの一端とスリーブ13aとの間に設けられ、第2支持部材14aとスリーブ13aとを気密に接合している。このため、スリーブ13aは、ろう接により第2支持部材14aに固定されている。第3ろう材23bに関しても、第3ろう材23aと同様である。
第4ろう材24aは、第2支持部材14aの他端と板部12aとの間に設けられ、第2支持部材14aとベース部材12とを気密に接合している。このため、第2支持部材14aは、ろう接によりベース部材12に固定されている。第4ろう材24bに関しても、第4ろう材24aと同様である。
第1支持部材11は、第1熱膨張係数を有する金属で形成されている。
ベース部材12は、第2熱膨張係数を有する金属で形成されている。
上記第2熱膨張係数は、上記第1熱膨張係数と同一、又は上記第1熱膨張係数より低い方が望ましい。例えば、上記第2熱膨張係数が上記第1熱膨張係数より低い場合、第1支持部材11はステンレスで形成され、ベース部材12はコバール(KOV)で形成されている。なお、コバールは、ステンレスと比較して、熱膨張係数の低い金属である。
第2支持部材14は、第3熱膨張係数を有する金属で形成されている。
上記第3熱膨張係数は、上記第1熱膨張係数より低い方が望ましい。上記の場合、第1支持部材11はステンレスで形成され、第2支持部材14はコバールで形成されている。
さらに、上記第2熱膨張係数は、上記第1熱膨張係数と上記第3熱膨張係数との間の範囲内にある方が望ましい。第1支持部材11がステンレスで形成され、第2支持部材14がコバールで形成されている場合、ベース部材12は、例えば、ステンレス又はコバールで形成されている。
スリーブ13は、第4熱膨張係数を有する絶縁材料で形成されている。
上記の場合、第1熱膨張係数より第3熱膨張係数の方が第4熱膨張係数に近い。言い換えると、第3熱膨張係数が第4熱膨張係数に近い値となるように、第2支持部材14の材料が選定されている。例えば、第3熱膨張係数は、第4熱膨張係数の10倍以下、又は第4熱膨張係数の10分の1以上である。
本実施形態において、第1支持部材11及びピン16はそれぞれステンレスで形成され、ベース部材12及び第2支持部材14はそれぞれコバールで形成され、スリーブ13は電気絶縁性のセラミックスで形成されている。
第1ろう材21、第2ろう材22、第3ろう材23、及び第4ろう材24は、同一の材料で形成され、同一の融点を有する方が望ましい。但し、ろう材は、上記の関係に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、第2ろう材22、第3ろう材23、及び第4ろう材24のうち1以上のろう材の融点は、ろう材21の融点と異なっていてもよい。
図3に示すように、ベース部材12において、突出部12bは、環状に形成されている。本実施形態において、突出部12bは、上記第1支持部材11の外周面Sbに沿って連続して形成されている。上記の場合、突出部12bの内周面Seは、上記外周面Sbに沿って連続している。但し、本実施形態と異なり、突出部12bは、上記外周面Sbに沿って断続して形成されていてもよい。
板部12aには、上記貫通孔ha,hbの他に貫通孔hcがさらに形成されている。このため、貫通孔hcを利用することにより、ピン16a,16b以外のピンを、第1支持部材11の内部空間に導入することができる。なお、上記貫通孔ha,hbと同様、貫通孔hcも、スリーブ13、第2支持部材14、第2ろう材22、第3ろう材23、及び第4ろう材24を用いて気密に閉塞されている。本実施形態において、板部12aに3個の貫通孔が形成される場合を示したが、これに限定されるものではなく、板部12aに4個以上の貫通孔が形成されていてもよい。
図4に示すように、第1支持部材11のうち板部12aと対向する側の一端は、段差11sを有している。段差11sは、第1支持部材11の内周面Sa側に全周にわたって環状に形成されている。第1支持部材11において、段差11sが形成された領域の第1内周面Sa1の内径は、上記段差11sが形成されていない領域の第2内周面Sa2の内径より大きい。第1支持部材11は、内周面Sa側に段差11sにより形成された環状の底面Scを有している。底面Scの内周縁は第2内周面Sa2につながり、底面Scの外周縁は第1内周面Sa1につながっている。
本実施形態において、上記隙間gは、段差11sとベース部材12との間の環状の隙間である。第1ろう材21は、隙間gに沿って環状に設けられている。第1ろう材21は、隙間gの全周にわたって、底面Sc、第1内周面Sa1、及び板部12aに物理的に接続されている。
第1支持部材11は、厚みTを有している。ここで言う厚みTは、第1支持部材11の第2内周面Sa2から外周面Sbまでの最短距離であり、管軸Aに直交する方向における第2内周面Sa2から外周面Sbまでの距離である。厚みTは、2mm以下である。例えば、厚みTは、1.2乃至1.5mmである。
X線管1は、上記のように構成されている。
次に、X線管1の製造方法について説明する。
図2に示すように、X線管1の製造が開始されると、まず、第1支持部材11と、ベース部材12と、スリーブ13と、第2支持部材14と、ピン16と、第1ろう材21と、第2ろう材22と、第3ろう材23と、第4ろう材24とを用意し、その後、これらを組立品10に組立てる。
ここでは、第1ろう材21を用意する際、ワイヤ状に形成され隙間gの曲率より大きい曲率を有する弾性のろう材(ワイヤろう)を用意する。
第2ろう材22を用意する際、ワイヤ状に形成されピン16の外周の曲率より小さい曲率を有する弾性のろう材(ワイヤろう)を用意する。
第3ろう材23及び第4ろう材24を用意する際、第2支持部材14に沿って環状に形成されたろう材(板ろう)を用意する。
組立品10に組立てる際、板部12aを第1支持部材11の一端と全周にわたって対向させ、第1支持部材11とベース部材12との間の隙間gに第1ろう材21を設け、突出部12bを第1支持部材11の外周面Sbと対向させ、ベース部材12によりピン16を支持する。
詳しくは、組立品10に組立てる際、段差11s(隙間g)に、第1ろう材21のスプリングバック力を用い、第1ろう材21を段差11s(隙間g)に沿って環状に設ける。この状態にて、第1ろう材21は、少なくとも第1内周面Sa1に接している。その後、ベース部材12を第1支持部材11の上に載置する。続いて、板部12aの上に、第4ろう材24、第2支持部材14、第3ろう材23、及びピン16を支持したスリーブ13を順に配置する。その後、又は板部12aの上方にスリーブ13を配置する前に、第2ろう材22のスプリングバック力を用い、第2ろう材22をピン16の外周に沿って環状に設ける。この状態にて、第2ろう材22は、ピン16の外周及びスリーブ13に接している。
上記のように組立品10に組立てた後、組立品10を加熱する。その際、例えば、組立品10を電気炉の内部に搬入し、組立品10を加熱し、ろう材が融解する温度まで加熱する。例えば、複数の組立品10を電気炉の内部に搬入に、複数の組立品10を同時に加熱することができる。その後、電気炉の外部に、組立品10を搬出する。上記のような炉中でのろう付により、第1ろう材21にて第1支持部材11とベース部材12とを気密に接合することができる。第2ろう材22にてピン16とスリーブ13とを気密に接合することができる。第3ろう材23にて第2支持部材14とスリーブ13とを気密に接合することができる。第4ろう材24にて第2支持部材14とベース部材12とを気密に接合することができる。
上記のように構成された一実施形態に係るX線管1、及びX線管1の製造方法によれば、第1支持部材11はベース部材12に嵌合されている。ろう接の期間に第1支持部材11に膨張が生じても、第1支持部材11はベース部材12の突出部12bに当たるため、第1支持部材11とベース部材12との相対的な位置は拘束される。このため、ろう接の期間においても、ベース部材12を水平に維持することができる。ピン16に注目すると、管軸Aに平行にピン16を延在させることができる。
これにより、信頼性の高いろう接を行うことができ、組立品10を気密にろう接することができる。また、組立品10に対して、図示しない陰極カバーの締結、リード線の配線などを良好に行うことができる。
また、上記ろう接を採用することにより、X線管1を、大量、短時間、及び安価に製作することができる。
上記のことから、製品信頼性の高いX線管1及びX線管1の製造方法を得ることができる。又は、製造歩留まりの高いX線管1及びX線管1の製造方法を得ることができる。
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例1に係るX線管について詳細に説明する。
図5に示すように、第1ろう材21を設置する隙間gが形成されていてもよい。段差11sは、第1支持部材11の外周面Sb側に全周にわたって環状に形成されている。第1支持部材11において、段差11sが形成された領域の第1外周面Sb1の外径は、上記段差11sが形成されていない領域の第2外周面Sb2の外径より小さい。第1支持部材11は、外周面Sb側に段差11sにより形成された環状の底面Scを有している。底面Scの内周縁は第1外周面Sb1につながり、底面Scの外周縁は第2外周面Sb2につながっている。突出部12bの内周面Seは、第1支持部材11の第2外周面Sb2と対向している。第1ろう材21は、段差11sとベース部材12との間の環状の隙間gに沿って環状に設けられている。
本変形例1に係るX線管1の製造方法には、上述した実施形態に係るX線管1の製造方法を適用することが可能である。
但し、本変形例1では、第1ろう材21を用意する際、ワイヤ状に形成され隙間gの曲率より小さい曲率を有する弾性のろう材(ワイヤろう)を用意している。組立品10に組立てる際、段差11s(隙間g)に、第1ろう材21のスプリングバック力を用い、第1ろう材21を段差11s(隙間g)に沿って環状に設ける。この状態にて、第1ろう材21は、少なくとも第1外周面Sb1に接している。
又は、第1ろう材21を用意する際、ワイヤ状に形成され内周面Seの曲率より大きい曲率を有する弾性のろう材(ワイヤろう)を用意してもよい。組立品10に組立てる際、第1ろう材21のスプリングバック力を用い、ベース部材12に第1ろう材21を設け、ベース部材12に第1支持部材11を嵌合させることで、第1ろう材21を隙間gに沿って環状に設けることができる。この状態にて、第1ろう材21は、少なくとも内周面Seに接している。
上記のように構成された変形例1に係るX線管1、及びX線管1の製造方法においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)
次に、上記実施形態の変形例2に係るX線管について詳細に説明する。
図6に示すように、第1ろう材21を設置する隙間gが形成されていてもよい。第1支持部材11は、上記段差11sを有していない。第1支持部材11は、板部12aと対向する環状の端面Sdを有している。端面Sdの内周縁は内周面Saにつながり、端面Sdの外周縁は外周面Sbにつながっている。端面Sdは、管軸Aに垂直な水平面上に平行である。但し、本変形例2と異なり、端面Sd上記水平面に対して平行でなくともよい。第1ろう材21は、端面Sdとベース部材12との間の環状の隙間gに沿って環状に設けられている。
本変形例2に係るX線管1の製造方法には、上述した実施形態に係るX線管1の製造方法を適用することが可能である。
但し、本変形例2では、第1ろう材21を用意する際、端面Sdに沿って環状に形成されたろう材(板ろう)を用意している。組立品10に組立てる際、第1ろう材21を端面Sdの上、又は板部12aの上に配置した後、ベース部材12に第1支持部材11を嵌合させることで、第1ろう材21を隙間gに沿って環状に設けることができる。この状態にて、第1ろう材21は、端面Sd及び板部12aに接している。
又は、第1ろう材21を用意する際、ワイヤ状に形成され内周面Seの曲率より大きい曲率を有する弾性のろう材(ワイヤろう)を用意してもよい。組立品10に組立てる際、第1ろう材21のスプリングバック力を用い、ベース部材12に第1ろう材21を設け、ベース部材12に第1支持部材11を嵌合させることで、第1ろう材21を隙間gに沿って環状に設けることができる。
上記のように構成された変形例2に係るX線管1、及びX線管1の製造方法においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
(比較例)
次に、比較例に係るX線管について詳細に説明する。
図7に示すように、ベース部材12は、円板状に形成されている。第1支持部材11の一端部は、内周面Sa側に全周にわたって形成された環状の段差11sを有している。第1支持部材は、内周面Sa側に段差11sにより形成された環状の底面Scを有している。
ベース部材12は第1支持部材11の段差11sに設置され、ベース部材12の周縁部は、底面Scに接している。第1支持部材11の段差11sの全周にわたって、ベース部材12は、第1支持部材11にろう接されている。
しかしながら、第1支持部材11の厚みTは、2mm以下である。底面Scの面積を十分に確保することは困難である。そのため、ろう接時に、第1支持部材11の内径が、ベース部材12の外径より大きくなり、ベース部材12の周縁部が第1支持部材11の上記底面Scに載っている状態が解除され、ベース部材12が抜け落ちる恐れがある。又は、製造誤差により、ベース部材12の周縁部が第1支持部材11の底面Scに安定して載せることができず、ベース部材12が抜け落ちる恐れがある。
上記のようにベース部材12が抜け落ちると、第1支持部材11に対するベース部材12などの相対的な位置にずれが生じてしまう。例えば、ベース部材12は、水平を維持できなくなる。
本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、本発明の実施形態は、上述したX線管1及びX線管1の製造方法に限定されるものではない。本発明の実施形態は、各種の固定陽極型X線管、各種の固定陽極型X線管の製造方法、各種の回転陽極型X線管、及び各種の回転陽極型X線管の製造方法に適用可能である。
1…X線管、2…陰極、3…陽極ターゲット、4…真空外囲器、10…組立品、
11…支持部材、11s…段差、12…ベース部材、12a…板部、12b…突出部、
13,13a,13b…スリーブ、14,14a,14b…支持部材、
16,16a,16b…ピン、21…第1ろう材、22,22a,22b…第2ろう材、
23,23a,23b…第3ろう材、24,24a,24b…第4ろう材、
A…管軸、Sa,Sa1,Sa2,Se…内周面、Sb,Sb1,Sb2…外周面、
Sc…底面、Sd…端面、h,ha,hb,hc…貫通孔、g…隙間。

Claims (11)

  1. 筒状に形成された第1支持部材と、
    前記第1支持部材の一端と全周にわたって対向した板部と、前記板部から突出し前記第1支持部材の外周面と対向した突出部と、を有するベース部材と、
    前記ベース部材により支持されたピンと、
    前記第1支持部材と前記ベース部材との間の隙間に設けられ前記第1支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する第1ろう材と、
    を備えるX線管。
  2. 前記第1支持部材の前記一端は、内周面側に全周にわたって形成された環状の段差を有し、
    前記隙間は、前記段差と前記ベース部材との間の環状の隙間であり、
    前記第1ろう材は、前記隙間に沿って環状に設けられている、
    請求項1に記載のX線管。
  3. 前記第1支持部材の前記一端は、外周面側に全周にわたって形成された環状の段差を有し、
    前記隙間は、前記段差と前記ベース部材との間の環状の隙間であり、
    前記第1ろう材は、前記隙間に沿って環状に設けられている、
    請求項1に記載のX線管。
  4. 前記第1支持部材の前記一端は、前記板部と対向した端面を有し、
    前記隙間は、前記端面と前記ベース部材との間の環状の隙間であり、
    前記第1ろう材は、前記隙間に沿って環状に設けられている、
    請求項1に記載のX線管。
  5. 前記第1支持部材は、第1熱膨張係数を有する金属で形成され、
    前記ベース部材は、第2熱膨張係数を有する金属で形成され、
    前記第2熱膨張係数は、前記第1熱膨張係数と同一、又は前記第1熱膨張係数より低い、
    請求項1に記載のX線管。
  6. 前記ピンを案内しかつ支持したスリーブと、
    筒状に形成され、全周にわたって前記スリーブと対向した一端と、全周にわたって前記ベース部材と対向した他端と、を有し、前記ピン及び前記スリーブとともに前記ベース部材により支持された第2支持部材と、
    前記ピンと前記スリーブとを気密に接合する第2ろう材と、
    前記第2支持部材の前記一端と前記スリーブとの間に設けられ、前記第2支持部材と前記スリーブとを気密に接合する第3ろう材と、
    前記第2支持部材の前記他端と前記ベース部材との間に設けられ、前記第2支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する第4ろう材と、をさらに備え、
    前記ベース部材は、前記第2支持部材の内部空間に繋がった貫通孔を有し、
    前記ピンは、前記第2支持部材の内側空間及び前記貫通孔を通り、延在している、
    請求項1に記載のX線管。
  7. 前記スリーブは、絶縁材料で形成され、
    前記第1支持部材は、第1熱膨張係数を有する金属で形成され、
    前記ベース部材は、第2熱膨張係数を有する金属で形成され、
    前記第2支持部材は、第3熱膨張係数を有する金属で形成され、
    前記第3熱膨張係数は、前記第1熱膨張係数より低く、
    前記第2熱膨張係数は、前記第1熱膨張係数と前記第3熱膨張係数との間の範囲内にある、
    請求項6に記載のX線管。
  8. 前記スリーブは、電気絶縁性のセラミックスで形成され、
    前記第1支持部材は、ステンレスで形成され、
    前記ベース部材及び前記第2支持部材は、それぞれコバールで形成されている、
    請求項7に記載のX線管。
  9. 前記第1ろう材、前記第2ろう材、前記第3ろう材、及び前記第4ろう材は、同一の融点を有する、
    請求項6に記載のX線管。
  10. 筒状に形成された第1支持部材と、板部と前記板部から突出した突出部とを有するベース部材と、ピンと、第1ろう材と、を用意し、
    前記第1支持部材、前記ベース部材、前記ピン、及び前記第1ろう材を組立品に組立て、前記組立品に組立てる際、前記板部を前記第1支持部材の一端と全周にわたって対向させ、前記第1支持部材と前記ベース部材との間の隙間に前記第1ろう材を設け、前記突出部を前記第1支持部材の外周面と対向させ、前記ベース部材により前記ピンを支持し、
    前記組立品を加熱し、前記第1ろう材にて前記第1支持部材と前記ベース部材とを気密に接合する、
    X線管の製造方法。
  11. 前記第1支持部材の前記一端は、内周面側に全周にわたって形成された環状の段差を有し、
    前記隙間は、前記段差と前記ベース部材との間の環状の隙間であり、
    前記第1ろう材を用意する際、ワイヤ状に形成され前記隙間の曲率より大きい曲率を有する弾性のろう材を用意し、
    前記第1ろう材を前記隙間に設ける際、前記第1ろう材のスプリングバック力を用い前記隙間に沿って環状に設ける、
    請求項10に記載のX線管の製造方法。
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